JPH10221829A - 画像形成方法 - Google Patents

画像形成方法

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JPH10221829A
JPH10221829A JP9044666A JP4466697A JPH10221829A JP H10221829 A JPH10221829 A JP H10221829A JP 9044666 A JP9044666 A JP 9044666A JP 4466697 A JP4466697 A JP 4466697A JP H10221829 A JPH10221829 A JP H10221829A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡易な熱現像処理によりカラー画像を得る新
規な画像形成方法において、処理後の感光部材の保存性
が良好な画像形成方法を提供すること。 【解決手段】 感光部材と処理部材とを用い、感光部材
を像様露光後、感光部材と処理部材双方のバック層を除
く全塗布膜を最大膨潤させるに要する量の0.1〜1倍
に相当する水の存在下で、感光部材と処理部材を感光層
と処理層とが向かい合う状態で重ね合わせ、これを60
℃〜100℃の温度で5秒〜60秒間加熱して感光部材
に少なくとも3色の非拡散性色素に基づく画像を形成
し、この画像情報に基づいて別の記録材料上にカラー画
像を得る画像形成方法において、熱現像後に色素形成反
応を抑止させる手段を有することを特徴とする画像形成
方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は熱現像処理による撮
影用感光部材を用い、別の材料上にカラー画像を得る新
規な画像形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】コンベンショナルカラー写真として知ら
れている方法において、いわゆるカラーネガでは通常、
青光を記録してイエロー色素画像を形成する層、緑光を
記録してマゼンタ色素画像を形成する層、及び赤光を記
録してシアン色素画像を形成する層を含み、現像処理の
際に潜像を含有するハロゲン化銀粒子を銀に還元する過
程で現像剤が酸化され、その酸化体とカプラーの反応
(カップリング)により色素画像を形成する。未現像の
ハロゲン化銀及び現像銀はそれに引き続く漂白定着工程
で除去され、得られたネガの色素画像を通してカラーペ
ーパーに露光を施し、同様の現像、漂白、定着工程を経
てカラープリントが得られる。
【0003】また、上記のカラーネガに含まれた画像情
報を光電的に読み取った後、画像処理を施して記録用の
画像情報とし、この画像情報によって他のプリント材料
にカラー画像を得る方法も知られている。特に上記の画
像情報をデシタル信号とし、それに応じて変調した記録
光によってカラーペーパー等の感光部材を走査露光して
仕上がりプリントとするデジタルフォトプリンターの開
発が進んでおり、その例は特開平7−15593号に記
載されている。以上の方法は、通常の湿式現像、漂白、
定着を前提にするものであり、そのプロセスは繁雑であ
る。また、湿式現像に使用する現像液は強い塩基であ
り、危険な薬品であると同時に、現像液の劣化が著しく
現像液の活性を一定に保つための管理は煩雑であり、近
年改良が進んでいるものの、まだ不十分といわざるを得
ない。
【0004】一方、ハロゲン化銀を用いた感光部材の処
理方法として、熱現像を用いた簡易迅速な方法が開発さ
れている。その例としては富士写真フイルム(株)社の
ピクトログラフィー、ピクトロスタットといった商品が
知られている。しかし、これらはカラーのプリント材料
であり、従来熱現像による撮影用カラー感光部材は知ら
れていない。また熱現像の形態として、少量の水と塩基
及び/又は塩基プレカーサーの存在下で加熱現像する方
法が知られており、例えば特公平2−51494号にそ
のような例が述べられている。しかし、そこで述べられ
ている画像形成法は、感光性ハロゲン化銀に対して還元
性であり、かつ感光性ハロゲン化銀と加熱により反応し
て親水性色素を放出する色素供与性物質を用い、加熱現
像の際に放出された色素を受像材料に転写させ、転写側
をカラープリントとして用いるものである。
【0005】また、塩基が存在しない場合に安定性が極
めて高い発色現像主薬(以下、単に「現像主薬」という
場合がある)とカプラーを含む感光部材と、塩基及び/
または塩基プレカーサーを含む処理部材を用い、少量の
水の存在下で加熱現像し、感光部材上に非拡散性色素に
基づく画像を形成した場合、粒状やシャープネスに優れ
た画像が得られ、この画像情報に基づいてカラーペーパ
ーや熱現像カラープリント材料等の別の記録材料上に出
力した場合、非常に良好なカラー画像が得られることが
発見されている。この場合に、現像まで感光部材と塩基
が隔離されているので、撮影用材料に要求される高い保
存安定性を満たしつつ、迅速な現像処理が可能である。
また、色素放出型化合物を用いる場合にくらべ、無色の
発色現像主薬とカプラーを用いた場合、撮影用材料とし
て極めて重要な感度の点で有利である。しかしながら、
このような構成では、現像処理後の感光部材を放置する
と、意図しないかぶりやステインが生じ、現像処理後の
保存性が不十分であるという問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、簡易な熱現像処理による撮影用感光部材を用い、別
の材料上にカラー画像を得る新規な画像形成方法におい
て、処理後の感光部材の保存性が良好である画像形成方
法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らの検討の結
果、上述のかぶりやステインは通常ハロゲン化銀感光部
材の処理工程で用いられる漂白あるいは定着工程を付加
的に付与した処理を行っても十分には改善されず、これ
らのかぶりやステインは主として処理後の感光部材中に
残存する未反応の現像主薬とカプラーによる色素形成反
応に起因することが明らかになった。そこで、本発明で
はかかる問題点を、上記色素形成反応を抑止することに
より解決している。即ち、本発明は、透明支持体上に、
少なくとも平板状感光性ハロゲン化銀粒子、発色現像主
薬、カプラー及びバインダーを含み、感光波長領域が互
いに異なり、前記発色現像主薬の酸化体とカプラーから
形成される色素の吸収波長領域が互いに異なる少なくと
も3種の感光層を有する感光部材と、支持体上に少なく
とも塩基及び/または塩基プレカーサーを含む処理層を
有する処理部材を用い、感光部材を像様露光した後、感
光部材と処理部材双方のバック層を除く全塗布膜を最大
膨潤させるに要する量の0.1から1倍に相当する水の
存在下で、感光部材と処理部材を感光層と処理層とが向
かい合う状態で重ね合わせ、これを60℃から100℃
の温度で5秒から60秒間加熱して感光部材に少なくと
も3色の非拡散性色素に基づく画像を形成し、この画像
情報に基づいて別の記録材料上にカラー画像を得る画像
形成方法において、熱現像後に色素形成反応を抑止させ
る手段を有することを特徴とする画像形成方法である。
【0008】また、熱現像後に処理後の感光部材には、
ハロゲン化銀の安定化処理、漂白処理のいずれか/ある
いはこれらの処理工程が任意に組み合わせられた処理が
施されることが好ましい。ここでいうハロゲン化銀の安
定化処理は、ハロゲン化銀のプリントアウトを防止する
処理でもよいし、ハロゲン化銀の一部または全部を銀錯
化剤で溶解してもよく、溶解した銀錯化剤塩の一部ある
いは全部を感光部材から除去する定着工程でもよい。ま
た、上記の発色現像主薬が下記一般式 (1)〜(5) で表さ
れる化合物のうちの少なくとも一つの化合物であること
が好ましい。
【0009】
【化1】
【0010】
【化2】
【0011】
【化3】
【0012】
【化4】
【0013】
【化5】
【0014】式中、R1 〜R4 は各々水素原子、ハロゲ
ン原子、アルキル基、アリール基、アルキルカルボンア
ミド基、アリールカルボンアミド基、アルキルスルホン
アミド基、アリールスルホンアミド基、アルコキシ基、
アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、
アルキルカルバモイル基、アリールカルバモイル基、カ
ルバモイル基、アルキルスルファモイル基、アリールス
ルファモイル基、スルファモイル基、シアノ基、アルキ
ルスルホニル基、アリールスルホニル基、アルコキシカ
ルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルキルカ
ルボニル基、アリールカルボニル基またはアシルオキシ
基を表し、R5 は置換または無置換の、アルキル基、ア
リール基または複素環基を表す。Zは芳香環(複素芳香
環も含む)を形成する原子群を表し、Zがベンゼン環で
ある場合、その置換基のハメット定数(σ)の合計値は
1以上である。R6 は置換または無置換のアルキル基を
表す。Xは酸素原子、硫黄原子、セレン原子またはアル
キル置換もしくはアリール置換の3級窒素原子を表す。
7 、R8 は水素原子または置換基を表し、R7 、R8
が互いに結合して2重結合または環を形成してもよい。
【0015】
【発明の実施の形態】
(色素形成反応を抑止させる手段の説明)色素形成反応
は、色素を形成するカプラーと現像主薬の両方または片
方を除去する、あるいは、反応を促進するアルカリを中
和することで抑止できる。また、画像形成後に色素形成
反応を抑止する化合物を感光部材に作用させてもよい
(ここで感光部材に作用させるとは、感光部材中の素材
(カプラー、現像主薬等)と反応可能な状態にすること
である。)。色素形成反応を抑止させる手段としては、
熱現像用の処理部材に色素形成反応を抑止させる化合
物、あるいは、色素形成反応を抑止させる化合物のプレ
カーサーを処理部材に含ませておき、現像後にタイミン
グを遅らせて色素形成反応を抑止させることで熱現像工
程と同一工程で行うことができる。また、色素形成反応
を抑止させる手段を、熱現像工程とは別の工程で有する
場合は、色素形成反応を抑止させる処理工程(以下、単
に「抑止処理」という場合がある)は、熱現像工程後に
引き続いて行ってもよいし、熱現像工程後に感光部材上
に形成された画像情報を読み取った後に行ってもよい。
色素形成反応を抑止させる化合物としては、カプラーの
活性点と反応して、色素形成反応活性を失活させるよう
な化合物や、現像主薬と反応して現像活性を無くしたり
カプラーとのカップリング活性を低下させる様な化合物
が挙げられる。具体的にはホルマリン、グルタルアルデ
ヒドなどのアルデヒド類の、N−メチロール化合物、ヘ
キサメチレンテトラミン付加物あるいは亜硫酸付加物を
用いることができる。例えば、特開平2−220052
号記載のアルデヒド亜硫酸付加物、同4−51237号
記載のアルデヒド類のヘキサメチレンテトラミン付加
物、N−メチロール化合物、ヘキサヒドロトリアジン付
加物、同4−313753号記載の化合物等が使用でき
る。そのほか、米国特許5,270,148号、英国特
許1350296号、特開昭48−47338号、特開
平4−214556号、同5−34889号等に記載さ
れている化合物および処理方法を用いることができる。
また、スルフィン酸、酸無水物、活性エステル、エポキ
シ化合物などの求核反応試剤を用いてもよい。また、加
熱により酸を放出する酸プレカーサー、加熱により共存
する塩基と置換反応を起こす親電子化合物を使用する事
もでき、詳しくは、特開昭62−190529号の(31)
〜(32)頁に記載されている。
【0016】色素形成反応を抑止させる手段を熱現像と
は別の工程として有する場合は、前述の色素形成反応を
抑止させる化合物を含有した抑止処理液に熱現像処理後
の感光部材を浸漬してもよく、また色素形成反応を抑止
させる化合物を含有したシート(以下、「抑止処理シー
ト」という場合がある)を熱現像後の感光部材に重ね合
わせて色素形成反応を抑止させる化合物を作用させても
よい。処理廃液の環境汚染防止の観点から抑止処理シー
トによる処理方法が好ましい。
【0017】色素形成反応を抑止させる化合物を含有し
た抑止処理液には、界面活性剤や、キレート剤、殺菌剤
を防菌防黴剤として添加できる。色素形成反応を抑止さ
せる化合物の濃度は、10-1〜1Mが好ましい。色素形
成反応を抑止させる化合物を含有した抑止処理液を用い
る場合には、通常のハロゲン化銀カラー感光部材の現像
処理工程に用いられる安定化処理工程と同様の方法を用
いることができる。通常のハロゲン化銀カラー感光部材
の現像処理工程に用いられる安定化処理工程は、例えば
特開平7−152129の段落番号0285に記載され
ている。抑止処理液の温度は、室温から60℃の温度が
好ましい。処理時間は5秒〜5分の範囲であり、10秒
〜1分の範囲が好ましい。抑止処理液のpHは特に制御
する必要はない。本発明に使用する感光部材において形
成される色素によっては、酸性にすることで色相が変化
することがあるが、この場合には抑止処理液のpHは中
性から弱アルカリ性、具体的にはpHが7〜9とすうる
ことが好ましい。抑止処理液浸漬後の感光部材は、水洗
してもよいが、必ずしも水洗する必要はない。
【0018】色素形成反応を抑止させる化合物を含有し
た抑止処理シートを作製する場合、色素形成反応を抑止
させる化合物は、水、メタノール、エタノール、アセト
ン、ジメチルホルムアルデヒド、メチルプロピルグリコ
ール等の溶媒あるいはアルカリまたは酸性水溶液として
抑止処理シートの塗布液に添加できる。また、色素形成
反応を抑止させる化合物は固体微粒子分散させて塗布液
に添加してもよい。抑止処理シート中の色素形成反応を
抑止させる化合物の塗布量は、抑止処理シートで処理す
る感光部材中に含まれるカプラーと現像主薬の総量の
0.1〜20倍が好ましい。抑止処理シート中の色素形
成反応を抑止させる化合物の塗布量としては、0.1〜
100mmol/m2 が好ましい。抑止処理シートの塗
布液には、バインダーとして感光部材同様の親水性ポリ
マーを用いることができ、該塗布液を後述の支持体上に
塗布および乾燥して抑止処理層を設けることにより、本
発明に用いる抑止処理シートを作製することができる。
抑止処理シートは感光部材同様に硬膜剤で硬膜化されて
いることが好ましい。かかる硬膜剤は後述する感光部材
と同様のものを用いることができる。
【0019】抑止処理シートには、感光部材と同様に保
護層、下塗り層、バック層、その他の種々の補助層があ
ってもよい。これらの層は、後述する感光部材と同様に
して設けることができる。また、抑止処理シートは連続
ウェブ上に処理層が設けられていることが好ましい。こ
こでいう連続ウェブとは、抑止処理シートの長さが、抑
止処理時に対応する感光部材の長辺より長さが十分に長
く、抑止処理に使用するときにその一部を裁断すること
なく使用し、複数の感光部材を連続で処理できる長さを
有する形態をいう。一般には、その抑止処理シートの長
さが、巾の5倍以上10000倍以下のことをいう。抑
止処理シートの巾は任意であるが、対応する感光部材の
巾以上であることが好ましい。
【0020】また、複数の感光部材を並行し、すなわち
感光部材を複数並べて抑止処理するような形態も好まし
い。この場合抑止処理シートの巾は、感光部材の巾×同
時処理数以上であることが好ましい。このような連続ウ
ェブは、送り出しロールから供給され巻き取りロールに
巻き取られて廃棄されることが好ましい。特にサイズが
大きい感光部材の場合、廃棄が容易である。以上のよう
に、抑止処理シートは連続ウェブ状にすることにより、
取り扱い性が著しく向上する。
【0021】上記抑止処理シートに用いられる支持体の
厚みは任意であるが、薄いほうが好ましく、特に好まし
くは4μm以上120μm以下である。支持体厚みを4
0μm以下とすることがとりわけ好ましく、この場合、
単位体積あたりの抑止処理シートの量が多くなるので、
上記の抑止処理シートのロールをコンパクトにできる。
支持体の素材についても特に限定はなく、処理温度に耐
えることのできるものが用いられる。一般的には、日本
写真学会編「写真工学の基礎−銀塩写真編−」、(株)
コロナ社刊(昭和54年)(223〜240頁)記載の
紙、合成高分子(フイルム)等の写真用支持体が挙げら
れる。
【0022】支持体用の素材は単独で使用することもで
きるし、ポリエチレン等の合成高分子で片面あるいは両
面をコートあるいはラミネートされたものを支持体とし
て用いることもできる。このほか、特開昭62−25
3,159号(29)〜(31)頁、特開平1−16
1,236号(14)〜(17)頁、特開昭63−31
6,848号、特開平2−22,651号、同3−5
6,955号、米国特許第5,001,033号等に記
載の支持体を用いることができる。また主としてシンジ
オタクチック構造を有するスチレン系重合体である支持
体も好ましく用いることができる。これらの支持体の表
面に親水性バインダーとアルミナゾルや酸化錫の様な半
導性金属酸化物、カーボンブラックその他の帯電防止剤
を塗布してもよい。アルミニウムを蒸着した支持体も好
ましく用いることができる。
【0023】色素形成反応を抑止させる化合物の拡散、
反応を促進するために、熱溶剤を添加してもよい。その
例としては、米国特許第3,347,675号、および
同第3,667,959号、特公平1−40974号お
よびに特公平4−13701号に記載されている。具体
的には、アミド誘導体(ベンズアミド等)、尿素誘導体
(メチル尿素、エチレン尿素等)、スルホンアミド誘導
体、ポリオール類、糖類、エチレングリコール類が挙げ
られる。上記熱溶剤は、単独で使用しても組み合わせて
使用してもよい。熱溶剤は、感光部材、抑止処理シート
のいずれに添加しても良い。熱溶剤の添加量は、添加す
る層の10重量%〜500重量%である。色素形成反応
を抑止させる処理において、処理温度は室温〜200
℃、処理時間は5秒〜60秒で行うことができる。
【0024】また、色素形成反応を抑止させる化合物の
拡散、反応を促進するために、溶媒の存在下で処理する
ことが好ましい。具体的には、米国特許第4,704,
245号、同第4,470,445号、特開昭61−2
38056号に記載されている。この方式において、加
熱温度は用いる溶媒の沸点以下が好ましい。この溶媒と
しては、水、無機塩基、有機塩基を含む塩基性水溶液
(後述する熱現像用の処理部材の項で記載するものが用
いられる)、低沸点有機溶媒または、低沸点溶媒と水あ
るいは前記塩基性水溶液の混合物が用いられる。この色
素形成反応を抑止させる処理で用いられる溶媒として
は、水が好ましく用いられる。色素形成反応を抑止させ
る処理工程を熱現像後直ちに行い、感光部材中に残存す
る水分を利用することもできるが、抑止処理の直前に水
を付与し、感光部材及び抑止処理シート双方のバック層
を除く全塗布膜を最大膨潤させるに要する量の0.1か
ら1倍に相当する水の存在下で、感光部材と抑止処理シ
ートを感光層と処理層とが向かい合う形で重ね合わせ加
熱することが好ましい。
【0025】水を付与する場合の該付与方法としては、
感光部材または抑止処理シートを水に浸漬し、スクウィ
ーズローラーで余分な水を除去する方法がある。ただ
し、一定量の水を塗りきりで感光部材または抑止処理シ
ートに付与する方が好ましい。また、水を噴射する複数
のノズル孔が一定の間隔で感光部材または抑止処理シー
トの搬送方向と交差する方向に沿って直線状に並べられ
たノズルと該ノズルを搬送経路上の感光部材または抑止
処理シートに向かって変位させるアクチュエータとを有
する水塗布装置により水を噴射する方法が特に好まし
い。また、スポンジ等により水塗布する方法も装置が簡
易であり、好ましく用いられる。水の付与方法として
は、後述の熱現像処理工程で述べる方法と同じ方法を用
いることができる。なお、熱現像処理工程と同じ方法を
繰り返してもよいし、異なる水の付与方法を用いてもよ
い。付与する水の温度は30℃〜60℃が好ましい。処
理後の感光部材と抑止処理シートを重ね合わせる方法の
例としては特開昭62−253,159号、特開昭61
−147,244号記載の方法がある。
【0026】(ハロゲン化銀の安定化処理の説明)現像
処理後の感光部材は、ハロゲン化銀の安定化処理を施さ
れてもよい。色素形成反応を抑止させる上記抑止処理と
ハロゲン化銀の安定化処理とは、任意の順序で行うこと
ができるし、また同時に行ってもよい。ハロゲン化銀の
安定化処理を、熱現像後に色素形成反応を抑止させる処
理に先だって行う場合は、熱現像処理と同時にハロゲン
化銀の安定化処理を行うことができる。ハロゲン化銀の
安定化処理は、ハロゲン化銀のプリントアウトを防止す
る処理でもよいし、現像停止剤を作用させる処理でもよ
く、ハロゲン化銀の一部または全部をハロゲン化銀溶剤
で溶解してもよく、さらに溶解した銀錯化剤塩の一部あ
るいは全部を感光部材から除去する定着工程でもよい。
あるいは、これらの組み合わせであってもよい。
【0027】現像停止剤とは、適正現像後、速やかに塩
基を中和または塩基と反応して膜中の塩基濃度を下げ現
像を停止する化合物、または銀あるいは銀塩と相互作用
して現像を抑制する化合物である。具体的には加熱によ
り酸を放出する酸プレカーサー、加熱により共存する塩
基と置換反応を起こす親電子化合物、または含窒素ヘテ
ロ環化合物、メルカプト化合物およびその前駆体が挙げ
られる。詳しくは、特開昭62−190529号の(31)
〜(32)頁に記載されている。プリントアウト防止剤の例
としては、特公昭54−164号、特開昭53−460
20号、同48−45228号、特公昭57−8454
号等に記載のハロゲン化合物、英国特許第1,005,
144号記載の1−フェニル−5−メルカプトテトラゾ
ール類の化合物、特開平8−184936号記載のビオ
ローゲン化合物類が挙げられる。
【0028】ハロゲン化銀溶剤は、公知のものを使用で
きる。例えば、チオ硫酸塩、亜硫酸塩、チオシアン酸
塩、特公昭47−11386号記載のチオエーテル化合
物、特開平8−179458号記載のウラシル、ヒダン
トインの如き5ないし6員環のイミド基を有する化合
物、特開昭53−144319号記載の炭素−硫黄の2
重結合を有する化合物、アナリティカ・ケミカ・アクタ
(Analytica Chimica Acta)248 巻 604〜614 頁(1991
年)記載のトリメチルトリアゾリウムチオレート等のメ
ソイオンチオレート化合物が好ましく用いられる。ま
た、特開平8−69097号記載のハロゲン化銀を定着
して安定化しうる化合物もハロゲン化銀溶剤として使用
しうる。ハロゲン化銀溶剤は、単独で使用してもよい
し、複数のハロゲン化銀溶剤を併用することも好まし
い。
【0029】ハロゲン化銀の安定化処理は、ハロゲン化
銀の安定化処理剤を含有した処理液に処理後の感光部材
を浸漬してもよいが、ハロゲン化銀の安定化処理剤を含
有した処理シート(以下、「ハロゲン化銀安定化処理シ
ート」という)を熱現像後の感光部材に重ね合わせる処
理方法が処理廃液の環境汚染防止の観点から好ましい。
前者の処理液を用いる方法は、通常のハロゲン化銀カラ
ー感光材料の熱現像処理工程で用いられる定着液処理工
程に用いることができる。後者の処理方法については、
色素形成反応を抑止させる処理で述べた方法と同様の方
法を適用することができる。
【0030】ハロゲン化銀安定化処理シートは、色素形
成反応を抑止させる処理で述べた抑止処理シートの作製
と同様の方法で作製することができる。現像停止剤を使
用する場合に、処理層中の現像停止剤使用量は、感光部
材の塗布銀量に対して、10-4〜10モル/Ag1モ
ル、好ましくは10-3〜1/Agモルである。プリント
アウト防止剤を使用する場合に、処理層中のプリントア
ウト防止剤の使用量は、感光部材の塗布銀量に対して、
10-4〜1モル/Ag1モル、好ましくは10-3〜10
-2/Agモルである。処理層中の、全ハロゲン化銀溶剤
の含有量は、0.01〜100mmol/m2 であり、好まし
くは、0.1 〜50mmol/m2 である。感光部材の塗布
銀量に対して、モル比で1/20〜20倍で、好ましく
は1/10〜10倍、より好ましくは1/4〜4倍であ
る。現像停止剤、プリントアウト防止剤、ハロゲン化銀
溶剤は、水、メタノール、エタノール、アセトン、ジメ
チルホルムアルデヒド、メチルプロピルグリコール等の
溶媒あるいはアルカリまたは酸性水溶液として添加して
もよいし、固体微粒子分散させて塗布液に添加してもよ
い。
【0031】また、ハロゲン化銀安定化処理シートに
は、物理現像核およびハロゲン化銀溶剤を含ませておき
感光部材のハロゲン化銀を可溶化、およびハロゲン化銀
安定化処理シート処理層に固定してもよい。物理現像に
必要な還元剤は、感光部材の分野で知られているものを
用いることができる。また、それ自身は還元性を持たな
いが処理過程に求核試薬や熱の作用により還元性を発現
する還元剤プレカーサーも用いることができる。還元剤
としては、感光部材から拡散してくる感光部材で現像に
用いられなかった現像主薬を利用する事ができるし、ま
た還元剤をハロゲン化銀安定化処理シートにあらかじめ
含有させておいてもよい。後者の場合、ハロゲン化銀安
定化処理シートに含有させておく還元剤は、感光部材に
含まれる還元剤と同じでもよいし、異なっていてもよ
い。
【0032】本発明に用いられる還元剤の例としては、
米国特許4,500,626号の第49〜50欄、同
4,483,914号の第30〜31欄、同4,33
0,617号、同4,590,152号、特開昭60−
140335号の第(17)〜(18)頁、同57−40245
号、同56−138736号、同59−178458
号、同59−53831号、同59−182449号、
同59−182450号、同60−119555号、同
60−128436号から同60−128439号ま
で、同60−198540号、同60−181742
号、同61−259253号、同62−244044
号、同62−131253号から同62−131256
まで、欧州特許第220746A2号の第78〜96頁
等に記載の還元剤や還元剤プレカーサーを用いることが
できる。また、米国特許第3,039,869号に開示
されている種々の還元剤の組み合わせも用いることがで
きる。耐拡散型の現像主薬を使用する場合には、必要に
応じて、電子伝達剤および/または電子伝達剤のプレカ
ーサーを組み合わせて用いてもよい。電子伝達剤または
そのプレカーサーは、前述した還元剤またはそのプレカ
ーサーの中から選ぶことができる。ハロゲン化銀安定化
処理シートに還元剤を添加する場合の添加量は、0.0
1〜10g/m2 であり、好ましくは、感光部材の銀の
モル数の1/10〜5倍である。
【0033】物理現像核は、感光部材より拡散してきた
可溶性銀塩を還元して物理現像銀に変換し、ハロゲン化
銀安定化処理シートの処理層に固定させるものである。
物理現像核としては、亜鉛、水銀、鉛、カドミウム、
鉄、クロム、ニッケル、錫、コバルト、銅、ルテニウム
等の重金属、あるいはパラジウム、白金、金、銀等の貴
金属、あるいはこれら重金属、貴金属の硫黄、セレン、
テルル等のカルコゲン化合物のコロイド粒子等の公知の
ものはすべて利用できる。これらの物理現像核の大きさ
は、2〜200nmの粒径のものが好ましく用いられ
る。これらの物理現像核は、ハロゲン化銀安定化処理シ
ートに10-3mg〜10g/m2 含有させる。
【0034】(ハロゲン化銀の漂白処理の説明)現像処
理後の感光部材は、漂白処理されてもよい。漂白処理は
抑止処理と同時に行われてもよいし、熱現像における定
着処理と同時に行われてもよいし(漂白定着処理)、抑
止処理および定着処理と同時に行われてもよいし、また
個別に行われてもよい。これらの処理の順序は任意に実
施でき、また同時に行われる処理の組み合わせを任意に
選んで任意の順序で実施することができる。例えば、処
理の迅速化を図るため、漂白処理後漂白定着処理しその
後抑止処理する方法や、漂白処理後定着処理と抑止処理
を行う方法でもよい。漂白処理は、漂白剤を含有した漂
白液に処理後の感光部材を浸漬してもよいが、漂白剤を
含有した処理シート(以下、「漂白処理シート」とい
う)と、熱現像後の感光部材に重ね合わせる処理方法が
処理廃液の環境汚染防止の観点から好ましい。漂白液を
用いる処理方法の場合は、特開平7−152129、86
〜87頁段落番号0281〜0284に記載の方法を用い
ることができる。漂白処理シートについては、色素形成
反応を抑止させる処理で述べた方法抑止処理シートと同
様に作製することができ、また同様に使用することがで
きる。漂白剤としては、例えば鉄(III )などの多価金
属の化合物、過酸類、キノン類、ニトロ化合物等が用い
られる。代表的な漂白剤としては、鉄(III )の有機錯
塩、例えば、エチレンジアミン4酢酸、ジエチレントリ
アミン5酢酸、シクロヘキサンジアミン4酢酸、メチル
イミノ2酢酸、1,3−ジアミノプロパン4酢酸、グリ
コールエーテルジアミン4酢酸などのアミノポリカルボ
ン酸類もしくはクエン酸、酒石酸、リンゴ酸などの錯塩
を用いることができる。これらの内、エチレンジアミン
4酢酸鉄(III )錯塩、1,3−ジアミノプロパン4酢
酸鉄(III )錯塩などのアミノポリカルボン酸鉄(III
)錯塩は迅速処理の観点から好ましい。アミノポリカ
ルボン酸鉄(III )錯塩は漂白処理においても、漂白定
着処理においても特に有用である。これらのアミノポリ
カルボン酸鉄(III )錯塩を用いた漂白工程または漂白
定着工程のpHは、通常4から8であるが、処理の迅速
化の観点からは更に低いpHで処理することもできる。
【0035】漂白促進剤およびまたは漂白ステイン防止
剤として、特開平7−152129、86頁〜87頁記載の
ものを用いることもできる。漂白促進剤は、感光部材
中、熱現像処理シート中に添加しもよく、漂白工程、漂
白定着工程に用いる処理液あるいは処理部材に用いても
よい。
【0036】本発明においては、その画像情報に基づい
て別の材料に出力する方法として通常の投影露光によっ
ても良いし、透過光の濃度測定によって画像情報を光電
的に読み取り、その信号によって出力しても良い。出力
する材料は感光部材でなくても良く、例えば昇華型感熱
記録材料、インクジェット材料、電子写真材料、フルカ
ラー直接感熱記録材料等でも良い。画像情報を拡散光お
よびCCDイメージセンサを用いた透過濃度測定によっ
て光電的に読み取り、デジタル信号に変換後、デジタル
信号を任意に加工編集して撮影した画像を自由に修正、
変形、加工して出力してもよい。
【0037】本発明に使用し得るハロゲン化銀は、沃臭
化銀、塩沃臭化銀、臭化銀、塩臭化銀、沃塩化銀、塩化
銀のいずれでもよい。これらの組成は、感光性ハロゲン
化銀に付与すべき特性に応じて選択される。例えば、撮
影材料のように高感度が要求される場合は、沃臭化銀乳
剤が主として用いられる。また、現像処理の迅速化や簡
易化などが重視されるプリント材料では、塩化銀が使用
されることが多い。とはいうものの、最近では、撮影用
材料の処理の迅速化を目的に塩化銀の利用を検討する試
みなども報告されている。
【0038】感光性乳剤を構成するハロゲン化銀粒子の
大きさは、同体積の球の直径で換算して0.1〜2μ
m、特に0.2〜1.5μmが好ましく用いられる。ま
た、ハロゲン化銀粒子の形状は立方体、八面体あるいは
十四面体のような正常晶よりなる形状を有するもの、球
状のような不規則な形状を有するもの、六角や矩形の平
板状の形状を有するものなどを任意に使用することがで
きる。撮影材料では、高感度を付与する目的で、粒子厚
みに対する投影面積径の大きい所謂高アスペクト比平板
粒子を使用することが好ましい。ここでいうアスペクト
比とは、粒子の投影面積と等価な円の直径を粒子厚みで
除した値である。撮影材料に用いられるハロゲン化銀乳
剤は、好ましくはアスペクト比2以上、より好ましくは
5以上、さらに好ましくは8以上、最も好ましくは20
以上の平板状粒子で、乳剤中の全粒子の投影面積の50
%以上、好ましくは80%以上、更に好ましくは90%
以上を占めて構成される。粒子サイズの小さい粒子(体
積相当球の直径で約0.5μ以下)では、アスペクト比
をさらに粒子厚みで除した平板度で表して25以上の粒
子が好ましい。アスペクト比を高めることで、同体積で
も大きい投影面積を得ることができるため、分光増感率
を高めることができる。また、写真感度が粒子投影面積
に比例するような場合では、同じ感度を得るのに必要な
ハロゲン化銀量を低減することができる。一方、粒子投
影面積を一定にして粒子を調製する場合には、アスペク
ト比を高めることで、同じハロゲン化銀量を用いても粒
子数を増加させることが可能となり、粒状性を向上させ
ることができる。さらに、高アスペクト比粒子を用いた
ときには、入射光路に対して散乱角の大きい散乱光成分
が減少するため、鮮鋭度を高めることができる。
【0039】これらの高アスペクト比平板の使用技術お
よび特性については、米国特許第4433048号、同
第4434226号、同第4439520号等に開示さ
れている。さらに、粒子厚みが0.07μmよりも薄い
超高アスペクト比平板粒子の技術が米国特許第5494
789号、同第5503970号、同第5503971
号、同第5536632号、欧州特許第0699945
号、同第0699950号、同第0699948号、同
第0699944号、同第0701165号および同第
0699946号等に開示されている。これらの文献に
記載されている高アスペクト比平板粒子は、臭化銀や沃
臭化銀を主体としており、主平面が(111)面で構成
された六角平板粒子の頻度が高い。このような形状の粒
子は、(111)面に平行な通常二枚の双晶面を内部に
有している。粒子厚みの薄い高アスペクト比平板状粒子
を調製するには、この二枚の双晶面間隔を狭く形成する
ことが技術的なポイントとなる。このためには、核形成
時のバインダー濃度、温度、pH、過剰ハロゲンイオン
種、同イオン濃度、さらには反応液の供給速度などを制
御することが重要である。形成された平板核の成長を、
厚み方向ではなく、平板の周縁方向に選択的に行わせる
こともまた、高アスペクト比平板粒子形成のポイントと
なる。そのためには、粒子成長のための反応液の添加速
度を制御すると同時に、粒子形成時から成長過程におけ
るバインダーとして最適なものを選択していくことも重
要である。上記の文献の中にはメチオニン含有量の低い
ゼラチンが高アスペクト比化に有利な旨の記載がある。
【0040】一方、塩化銀含有率の高い高塩化銀を用い
て平板状粒子を形成する技術も開示されている。例え
ば、米国特許第4400463号、同第4713323
号、同第5217858号、欧州特許第0423840
号、同第0647877号等の特許明細書には(11
1)面を主平面として有する高塩化銀平板粒子の技術が
示されている。一方、米国特許第5264337号、同
第5292632号、同第5310635号、同第52
75932号、欧州特許第0534395号、同第06
17320号、国際公開WO94/22054号等には
(100)面を主平面として有する高塩化銀平板粒子の
技術が示されている。これらは、いずれも現像速度や光
学特性に優れた塩化銀を用いた高感度乳剤を調製するの
に有用な技術である。
【0041】ハロゲン化銀粒子は、上記の如く形状を工
夫する以外に、粒子中に様々な構造を有するように調製
される。常用されるのは、粒子をハロゲン組成の異なる
複数の層状に構成する方法である。撮影材料用に用いら
れる沃臭化銀粒子では、沃度含有量の異なる層を設ける
ことが好ましい。現像性を制御する目的で沃度含有率の
高い層を核に、沃度含有率の低い殻で覆う所謂内部高沃
度型コアシェル粒子が知られている。また、これとは逆
に、沃度含有率の高い殻で覆った、外部高沃度型のコア
シェル粒子も知られている。これは、平板状粒子の粒子
厚みが小さくなったときに形状の安定性を高めるのに有
効である。沃度含有率の低い核を高沃度含有率の第一殻
で覆い、この上に低沃度含有率の第二殻を沈積させるこ
とで高感度を付与する技術も知られている。このタイプ
のハロゲン化銀粒子では、高沃度層の上に沈積させた殻
(平板状粒子では粒子外縁のフリンジ部に相当する)に
は結晶不整に基づく転位線が形成され、高感度を得るの
に寄与する。
【0042】さらに、形成されたホスト粒子の局在した
部位に、異なるハロゲン組成の結晶をエピタキシャルに
成長させる技術も高感度を得るのに好ましく用いられ
る。例えば、臭化銀に富んだホスト粒子の表面の一部
(粒子の頂点や稜あるいは面上)に沃度含有率の高い結
晶をエピタキシャル成長させる技術が知られている。こ
れとは逆に、臭化銀あるいは沃臭化銀のホスト粒子にそ
れよりも溶解度の高い(例えば塩化銀含有率を高めた結
晶)をエピタキシャル成長させる技術も知られている。
後者は、特に粒子厚みの小さい平板粒子に高感度を付与
するのに好ましく用いられる。塩化銀含有率の高い高塩
化銀平板粒子においても、粒子内部や表面に臭化銀や沃
化銀含有率の高い局在相を形成することが好ましく行わ
れる。特に、粒子表面の頂点や稜にこれらの局在相をエ
ピタキシャル成長させることが好ましい。これらのエピ
タキシャル結晶部位は、有効な感光核形成サイトとして
働き、高感度を与える。
【0043】感光性ハロゲン化銀乳剤の写真特性を改良
する目的で、粒子中に金属の塩または錯塩をドープする
ことも好ましく行われる。これらの化合物はハロゲン化
銀結晶中で電子あるいは正孔の過渡的なあるいは永久的
なトラップとして働き、高感度や高コントラストを得た
り、露光時の照度依存性を改良する、あるいは露光時の
環境(温度、湿度)依存性を改良する、さらには露光の
前後に圧力を受けたときの性能変化を抑制するのに有用
である。これらのドーパントはハロゲン化銀粒子に均一
にドープしたり、粒子内部の特定部位に局在してドープ
したり、亜表面あるいは表面に局在してドープしたり、
上述のエピタキシャル結晶部位に局在してドープしたり
種々の方法を目的に応じて選択することができる。好ま
しい金属としては、鉄、ルテニウム、ロジウム、パラジ
ウム、カドミウム、レニウム、オスミウム、イリジウ
ム、白金などの第一から第三遷移金属元素、タリウムや
鉛などの両性金属元素を挙げることができる。これらの
金属イオンは、適当な塩、もしくは錯塩の形でドープさ
れる。これらの中でも、ハライドイオンやシアニドイオ
ンをリガンドとした六配位ハロゲノ錯体やシアノ錯体が
好ましく用いられる。また、ニトロシルリガンド、カル
ボニルリガンド、チオカルボニルリガンド、ダイナイト
ロジェンリガンド、さらにはビピリジルリガンド、シク
ロペンタジエニルリガンド、1,2−ジチオレニルリガ
ンド等のような有機配位子を有する錯体も用いることが
できる。これらの技術は、特開平2−236542号、
同1−116637号、特願平4−126629号等に
記載されている。さらに、硫黄、セレン、テルルのよう
な所謂カルコゲン元素の2価のアニオンをドープするこ
とも好ましく行われる。これらのドーパントもまた、高
感度を得たり、露光条件依存性を改良するのに有効であ
る。
【0044】本発明に使用し得るハロゲン化銀粒子の調
製法については、公知の方法、すなわち、グラフキデ著
「写真の物理と化学」ポールモンテ社刊(P.Glaf
kides,Chimie et Phisique
Photographique,Paul Monte
l,1967)、ダフィン著「写真乳剤化学」フォーカ
ルプレス社刊(G.F.Duffin,Photogr
aphic Emulsion Chemistry,
Focal Press,1966)、ゼリクマンら著
「写真乳剤の製造と塗布」フォーカルプレス社刊(V.
L.Zelikman et al.,Making
and Coating of Photograph
ic Emulsion,Focal Press,1
964)等に記載の方法を基本に行うことができる。す
なわち、酸性法、中性法、アンモニア法等の種々のpH
領域で調製することができる。また、反応液である水溶
性銀塩と水溶性ハロゲン塩溶液の供給方法として、片側
混合法や同時混合法等を単独あるいは組み合わせて用い
ることができる。さらに、反応中のpAgを目標値に保
つように反応液の添加を制御するコントロールドダブル
ジェット法を用いることも好ましい。また、反応中のp
H値を一定に保つ方法も用いられる。粒子形成に際して
は、系の温度、pHあるいはpAg値を変えてハロゲン
化銀の溶解度を制御する方法を用いることもできるが、
チオエーテルやチオ尿素類、ロダン塩等を溶剤として用
いることもできる。これらの例は、特公昭47−113
86号、特開昭53−144319号等に記載されてい
る。
【0045】本発明に使用し得るハロゲン化銀粒子の調
製は、通常、ゼラチンのような水溶性バインダーを溶解
した溶液中に硝酸銀などの水溶性銀塩溶液と、ハロゲン
化アルカリ等の水溶性ハロゲン塩溶液とを制御された条
件で供給することで行われる。ハロゲン化銀粒子が形成
された後、過剰の水溶性塩類を除去することが好まし
い。この工程は脱塩あるいは水洗工程と呼ばれ、種々の
手段が用いられる。例えば、ハロゲン化銀粒子を含むゼ
ラチン溶液をゲル化させ、ひも状に裁断し、冷水で水溶
性塩を洗い流すヌーデル水洗法や、多価アニオンよりな
る無機塩類(例えば硫酸ナトリウム)、アニオン性界面
活性剤、アニオン性ポリマー(例えばポリスチレンスル
ホン酸ナトリウム)、あるいはゼラチン誘導体(例えば
脂肪族アシル化ゼラチン、芳香族アシル化ゼラチン、芳
香族カルバモイル化ゼラチンなど)などを添加してゼラ
チンを凝集させて過剰塩類を除去する沈降法を用いても
良い。沈降法を用いた場合には過剰塩類の除去が迅速に
行われ、好ましい。
【0046】本発明には、通常、化学増感を施したハロ
ゲン化銀乳剤を用いることが好ましい。化学増感は、調
製されたハロゲン化銀粒子に高感度を付与し、露光条件
安定性や保存安定性を付与するのに寄与する。化学増感
には一般的に知られている増感法を単独にあるいは種々
組み合わせて用いることができる。化学増感法として、
硫黄、セレンあるいはテルル化合物を用いるカルコゲン
増感法が好ましく用いられる。これらの増感剤として
は、ハロゲン化銀乳剤に添加された際に、上記のカルコ
ゲン元素を放出して銀カルコゲナイドを形成する化合物
が用いられる。さらに、これらを併用することも、高感
度を得、カブリを低く押さえる上で好ましい。また、
金、白金、イリジウム等を用いる貴金属増感法も好まし
い。特に、塩化金酸を単独に、あるいは金のリガンドと
なるチオシアン酸イオン等と併用して用いる金増感法
は、高感度が得られる。金増感とカルコゲン増感を併用
すると、さらに高感度を得ることができる。また、粒子
形成中に適度な還元性を有する化合物を用いて、還元性
の銀核を導入することで高感度を得る、所謂還元増感法
も好ましく用いられる。芳香環を有するアルキニルアミ
ン化合物を化学増感時に添加して行う還元増感法も好ま
しい。
【0047】化学増感を行う際に、ハロゲン化銀粒子に
吸着性を有する種々の化合物を用いて、その反応性を制
御することも好ましく行われる。特に、カルコゲン増感
や金増感に先立って、含窒素複素環化合物やメルカプト
化合物、シアニンやメロシアニン類の増感色素類を添加
する方法が特に好ましい。化学増感を施す際の反応条件
は目的に応じて異なるが、温度は30℃〜95℃、好ま
しくは40℃〜75℃、pHは5.0〜11.0、好ま
しくは5.5〜8.5、pAgは6.0〜10.5、好
ましくは6.5〜9.8である。化学増感技術について
は、特開平3−110555号、特願平4−75798
号、特開昭62−253159号、特開平5−4583
3号、特開昭62−40446号等に記載されている。
【0048】本発明では、感光性ハロゲン化銀乳剤に所
望の光波長域に感度を付与する、所謂分光増感を施すこ
とが好ましい。特に、カラー写真感光部材では、オリジ
ナルに忠実な色再現を行うため、青、緑、赤に感光性を
有する感光性層が組み込まれている。これらの感光性
は、ハロゲン化銀を分光増感することで付与される。分
光増感は、ハロゲン化銀粒子に吸着して、それ自身の吸
収波長域に感度を持たせる、所謂分光増感色素が用いら
れる。これらの色素の例としては、シアニン色素、メロ
シアニン色素、複合シアニン色素、複合メロシアニン色
素、ホロポーラー色素、ヘミシアニン色素、スチリル色
素あるいはヘミオキソノール色素等を挙げることができ
る。これらの例は、米国特許第4617257号、特開
昭59−180550号、同64−13546号、特開
平5−45828号、同5−45834号明細書等に記
載されている。
【0049】分光増感色素は、単独で用いられる他に、
複数種の色素を併用して用いられる。これは、分光感度
の波長分布の調節や、強色増感の目的で行われる。強色
増感作用を呈する色素の組合せでは、単独で達成できる
感度の和を大きく超える感度を得ることができる。ま
た、それ自身では分光増感作用を持たない色素、あるい
は可視光を実質的に吸収しない化合物であって、強色増
感作用を呈する化合物を併用することも好ましい。ジア
ミノスチルベン化合物類などを強色増感剤の例として挙
げることができる。これらの例としては、米国特許第3
615641号明細書、特開昭63−23145号等に
記載されている。
【0050】これらの分光増感色素や強色増感剤のハロ
ゲン化銀乳剤への添加は、乳剤調製のいかなる時期でも
良い。化学増感の終了した乳剤に塗布液調製時に添加す
る、化学増感終了時に添加する、化学増感途中に添加す
る、化学増感に先立って添加する、粒子形成終了後脱塩
前に添加する、粒子形成中に添加する、あるいは粒子形
成に先立って添加するなどの種々の方法を単独あるいは
組み合わせて用いることができる。化学増感よりも前の
工程で添加するのが、高感度を得るのに好ましい。分光
増感色素や強色増感剤の添加量は、粒子の形状や粒子サ
イズあるいは付与したい写真特性によって異なるが、概
ねハロゲン化銀1モル当たり10-8〜10-1モル、好ま
しくは10-5〜10-2モルの範囲である。これらの化合
物は、メタノールやフッ素アルコール等の有機溶媒に溶
解した状態で、あるいは界面活性剤やゼラチンと共に水
中に分散した状態で添加することができる。
【0051】ハロゲン化銀乳剤には、カブリを防止した
り、保存時の安定性を高める目的で種々の安定剤を添加
することが好ましい。好ましい安定剤としては、アザイ
ンデン類、トリアゾール類、テトラゾール類、プリン類
等の含窒素複素環化合物類、メルカプトテトラゾール
類、メルカプトトリアゾール類、メルカプトイミダゾー
ル類、メルカプトチアジアゾール類等のメルカプト化合
物類等を挙げることができる。これらの化合物の詳細
は、ジェームズ著「写真過程の理論」、マクミラン社刊
(T.H.James,The Theory of
the Photographic Process,
Macmillan,1977)第396頁〜399頁
およびその引用文献に記載されている。
【0052】これらのカブリ防止剤あるいは安定剤のハ
ロゲン化銀乳剤への添加は、乳剤調製のいかなる時期で
も良い。化学増感の終了した乳剤に塗布液調製時に添加
する、化学増感終了時に添加する、化学増感途中に添加
する、化学増感に先立って添加する、粒子形成終了後脱
塩前に添加する、粒子形成中に添加する、あるいは粒子
形成に先立って添加するなどの種々の方法を単独あるい
は組み合わせて用いることができる。これらのカブリ防
止剤あるいは安定剤の添加量はハロゲン化銀乳剤のハロ
ゲン組成や目的に応じて異なるが、概ねハロゲン化銀1
モル当たり10-6〜10-1モル、好ましくは10-5〜1
-2モルの範囲である。
【0053】以上述べてきたような本発明に使用し得る
感光部材に使用される写真用添加剤は、リサーチ・ディ
スクロージャー誌(以下RDと略記)No17643
(1978年12月)、同No18716(1979年
11月)および同No307105(1989年11
月)に記載されており、その該当箇所を下記にまとめ
る。
【0054】 添加剤の種類 RD17643 RD18716 RD307105 1)化学増感剤 23頁 648頁右欄 866頁 2)感度上昇剤 648頁右欄 分光増感剤 23〜24頁 648頁右欄 866〜868頁 3)強色増感剤 〜649頁右欄 4)増白剤 24頁 648頁右欄 868頁 5)カブリ防止剤 24〜26頁 649頁右欄 868〜870頁 安定剤 6)光吸収剤 25〜26頁 649頁右欄 873頁 フィルター染料 〜650頁左欄 紫外線吸収剤 7)色素画像安定剤 25頁 650頁左欄 872頁 8)硬膜剤 26頁 651頁左欄 874〜875頁 9)バインダー 26頁 651頁左欄 873〜874頁 10)可塑剤、潤滑剤 27頁 650頁右欄 876頁 11)塗布助剤 26〜27頁 650頁右欄 875〜876頁 界面活性剤 12)スタチック防止剤 27頁 650頁右欄 876〜877頁 13)マット剤 878〜879頁
【0055】感光部材に用いる感光性ハロゲン化銀は銀
換算で0.05〜20g/m2、好ましくは0.1〜10
g/m2が適当である。本発明においては、感光性ハロゲ
ン化銀と共に、有機金属塩を酸化剤として併用すること
もできる。このような有機金属塩の中で、有機銀塩は、
特に好ましく用いられる。上記の有機銀塩酸化剤を形成
するのに使用し得る有機化合物としては、米国特許第
4,500,626号第52〜53欄等に記載のベンゾ
トリアゾール類、脂肪酸その他の化合物がある。また米
国特許第4,775,613号記載のアセチレン銀も有
用である。有機銀塩は、2種以上を併用してもよい。以
上の有機銀塩は、感光性ハロゲン化銀1モルあたり0.
01〜10モル、好ましくは0.01〜1モルを併用す
ることができる。
【0056】感光部材や構成層のバインダーには親水性
のものが好ましく用いられる。その例としては前述のR
Dおよび特開昭64−13,546号の(71)頁〜
(75)頁に記載されたものが挙げられる。具体的に
は、透明か半透明の親水性バインダーが好ましく、例え
ばゼラチン、ゼラチン誘導体等の蛋白質またはセルロー
ス誘導体、澱粉、アラビアゴム、デキストラン、プルラ
ン等の多糖類のような天然化合物とポリビニルアルコー
ル、変成ポリビニルアルコール(例えば、(株)クラレ
製の末端アルキル変成ポバールMP103,MP203
等)、ポリビニルピロリドン、アクリルアミド重合体等
の合成高分子化合物が挙げられる。また、米国特許第
4,960,681号、特開昭62−245260号等
に記載の高吸水性ポリマー、すなわち−COOMまたは
−SO3 M(Mは水素原子またはアルカリ金属)を有す
るビニルモノマーの単独重合体またはこのビニルモノマ
ー同士もしくは他のビニルモノマーとの共重合体(例え
ばメタクリル酸ナトリウム、メタクリル酸アンモニウ
ム、住友化学(株)製のスミカゲルL−5H)も使用さ
れる。これらのバインダーは2種以上組み合わせて用い
ることもできる。特にゼラチンと上記バインダーの組み
合わせが好ましい。またゼラチンは、種々の目的に応じ
て石灰処理ゼラチン、酸処理ゼラチン、カルシウムなど
の含有量を減らしたいわゆる脱灰ゼラチンから選択すれ
ば良く、組み合わせて用いる事も好ましい。本発明にお
いて、バインダーの塗布量は1〜20g/m2 、好まし
くは2〜15g/m2 、更に好ましくは3〜12g/m
2 が適当である。この中でゼラチンは50%〜100
%、好ましくは70%〜100%の割合で用いる。
【0057】発色現像主薬としては、p−フェニレンジ
アミン類またはp−アミノフェノール類でも良いが、好
ましくは前記の一般式(1)〜(5)で表される化合物
を用いる。
【0058】一般式(1)で表される化合物はスルホン
アミドフェノールと総称される化合物である。式中、R
1 〜R4 は各々水素原子、ハロゲン原子(例えばクロル
基、ブロム基)、アルキル基(例えばメチル基、エチル
基、イソプロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基)、
アリール基(たとえばフェニル基、トリル基、キシリル
基)、アルキルカルボンアミド基(例えばアセチルアミ
ノ基、プロピオニルアミノ基、ブチロイルアミノ基)、
アリールカルボンアミド基(例えばベンゾイルアミノ
基)、アルキルスルホンアミド基(例えばメタンスルホ
ニルアミノ基、エタンスルホニルアミノ基)、アリール
スルホンアミド基(例えばベンゼンスルホニルアミノ
基、トルエンスルホニルアミノ基)、アルコキシ基(例
えばメトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基)、アリール
オキシ基(例えばフェノキシ基)、アルキルチオ基(例
えばメチルチオ基、エチルチオ基、ブチルチオ基)、ア
リールチオ基(例えばフェニルチオ基、トリルチオ
基)、アルキルカルバモイル基(例えばメチルカルバモ
イル基、ジメチルカルバモイル基、エチルカルバモイル
基、ジエチルカルバモイル基、ジブチルカルバモイル
基、ピペリジルカルバモイル基、モルホリルカルバモイ
ル基)、アリールカルバモイル基(例えばフェニルカル
バモイル基、メチルフェニルカルバモイル基、エチルフ
ェニルカルバモイル基、ベンジルフェニルカルバモイル
基)、カルバモイル基、アルキルスルファモイル基(例
えばメチルスルファモイル基、ジメチルスルファモイル
基、エチルスルファモイル基、ジエチルスルファモイル
基、ジブチルスルファモイル基、ピペリジルスルファモ
イル基、モルホリルスルファモイル基)、アリールスル
ファモイル基(例えばフェニルスルファモイル基、メチ
ルフェニルスルファモイル基、エチルフェニルスルファ
モイル基、ベンジルフェニルスルファモイル基)、スル
ファモイル基、シアノ基、アルキルスルホニル基(例え
ばメタンスルホニル基、エタンスルホニル基)、アリー
ルスルホニル基(例えばフェニルスルホニル基、4−ク
ロロフェニルスルホニル基、p−トルエンスルホニル
基)、アルコキシカルボニル基(例えばメトキシカルボ
ニル基、エトキシカルボニル基、ブトキシカルボニル
基)、アリールオキシカルボニル基(例えばフェノキシ
カルボニル基)、アルキルカルボニル基(例えばアセチ
ル基、プロピオニル基、ブチロイル基)、アリールカル
ボニル基(例えばベンゾイル基、アルキルベンゾイル
基)、またはアシルオキシ基(例えばアセチルオキシ
基、プロピオニルオキシ基、ブチロイルオキシ基)を表
す。R1 〜R4 の中で、R2 およびR4 は好ましくは水
素原子である。また、R1 〜R4 のハメット定数σp値
の合計は0以上となることが好ましい。
【0059】R5 はアルキル基(例えばメチル基、エチ
ル基、ブチル基、オクチル基、ラウリル基、セチル基、
ステアリル基)、アリール基(例えばフェニル基、トリ
ル基、キシリル基、4−メトキシフェニル基、ドデシル
フェニル基、クロロフェニル基、トリクロロフェニル
基、ニトロクロロフェニル基、トリイソプロピルフェニ
ル基、4−ドデシルオキシフェニル基、3,5−ジ−
(メトキシカルボニル)基)、または複素環基(例えば
ピリジル基)を表す。
【0060】一般式(2)で表される化合物はスルホニ
ルヒドラジンと総称される化合物である。また、一般式
(4)で表される化合物はカルバモイルヒドラジンと総
称される化合物である。一般式(2)および一般式
(4)中、R5 はアルキル基(例えば、メチル基、エチ
ル基、ブチル基、オクチル基、ラウリル基、セチル基、
ステアリル基)、アリール基(例えば、フェニル基、ト
リル基、キシリル基、4−メトキシフェニル基、ドデシ
ルフェニル基、クロロフェニル基、ジクロロフェニル
基、トリクロロフェニル基、ニトロクロロフェニル基、
トリイソプロピルフェニル基、4−ドデシルオキシフェ
ニル基、3,5−ジ(メトキシ)カルボニル基)、また
は複素環基(例えば、ピリジル基)を表す。Zは芳香環
を形成する原子群を表す。Zによって形成される芳香環
は、本化合物に銀現像活性を付与するため、十分に電子
吸引的であることが必要である。このため、含窒素芳香
環を形成するか、或いはベンゼン環に電子吸引性基を導
入したような芳香環が好ましく使用される。このような
芳香環としては、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン
環、キノリン環、キノキサリン環等が好ましい。
【0061】Zがベンゼン環の場合、その置換基として
は、アルキルスルホニル基(例えばメタンスルホニル
基、エタンスルホニル基)、ハロゲン原子(例えばクロ
ル基、ブロム基)、アルキルカルバモイル基(例えばメ
チルカルバモイル基、ジメチルカルバモイル基、エチル
カルバモイル基、ジエチルカルバモイル基、ジブチルカ
ルバモイル基、ピペリジルカルバモイル基、モルホリル
カルバモイル基)、アリールカルバモイル基(例えばフ
ェニルカルバモイル基、メチルフェニルカルバモイル
基、エチルフェニルカルバモイル基、ベンジルフェニル
カルバモイル基)、カルバモイル基、アルキルスルファ
モイル基(例えばメチルスルファモイル基、ジメチルス
ルファモイル基、エチルスルファモイル基、ジエチルス
ルファモイル基、ジブチルスルファモイル基、ピペリジ
ルスルファモイル基、モルホリルスルファモイル基)、
アリールスルファモイル基(例えばフェニルスルファモ
イル基、メチルフェニルスルファモイル基、エチルフェ
ニルスルファモイル基、ベンジルフェニルスルファモイ
ル基)、スルファモイル基、シアノ基、アルキルスルホ
ニル基(例えばメタンスルホニル基、エタンスルホニル
基)、アリールスルホニル基(例えばフェニルスルホニ
ル基、4−クロロフェニルスルホニル基、p−トルエン
スルホニル基)、アルコキシカルボニル基(例えばメト
キシカルボニル基、エトキシカルボニル基、ブトキシカ
ルボニル基)、アリールオキシカルボニル基(例えばフ
ェノキシカルボニル基)、アルキルカルボニル基(例え
ばアセチル基、プロピオニル基、ブチロイル基)、また
はアリールカルボニル基(例えばベンゾイル基、アルキ
ルベンゾイル基)等が挙げられるが、上記置換基のハメ
ット定数σ値の合計は1以上である。
【0062】一般式(3)で表される化合物はスルホニ
ルヒドラゾンと総称される化合物である。また、一般式
(5)で表される化合物はカルバモイルヒドラゾンと総
称される化合物である。
【0063】一般式(3)および一般式(5)中、R5
はアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、ブチル
基、オクチル基、ラウリル基、セチル基、ステアリル
基)、アリール基(例えば、フェニル基、トリル基、キ
シリル基、4−メトキシフェニル基、ドデシルフェニル
基、クロロフェニル基、ジクロロフェニル基、トリクロ
ロフェニル基、ニトロクロロフェニル基、トリイソプロ
ピルフェニル基、4−ドデシルオキシフェニル基、3,
5−ジ(メトキシ)カルボニル基)、または複素環基
(例えば、ピリジル基)を表す。R6 は置換または無置
換のアルキル基(例えばメチル基、エチル基)を表す。
Xは酸素原子、硫黄原子、セレン原子またはアルキル置
換もしくはアリール置換の3級窒素原子を表すが、アル
キル置換の3級窒素原子が好ましい。R7 、R8 は水素
原子または置換基を表し、R7 、R8 が互いに結合して
2重結合または環を形成してもよい。
【0064】以下に、一般式(1)〜(5)で表される
化合物の具体例を示すが、本発明の化合物はもちろんこ
れによって限定されるものではない。
【0065】
【化6】
【0066】
【化7】
【0067】
【化8】
【0068】
【化9】
【0069】
【化10】
【0070】
【化11】
【0071】
【化12】
【0072】
【化13】
【0073】
【化14】
【0074】
【化15】
【0075】
【化16】
【0076】
【化17】
【0077】発色現像主薬は、上記の化合物を1種類も
しくは複数種類を組み合わせて用いる。各層で別々の現
像主薬を用いても良い。それらの現像主薬の総使用量は
0.05〜20mmol/m2 、好ましくは0.1〜1
0mmol/m2 である。
【0078】次にカプラーについて説明する。本発明に
おけるカプラーとは、前記の発色現像主薬の酸化体とカ
ップリング反応し、色素を形成する化合物である。本発
明に好ましく使用されるカプラーとしては、活性メチレ
ン、5−ピラゾロン、ピラゾロアゾール、フェノール、
ナフトール、ピロロトリアゾールと総称される化合物で
ある。これらのカプラーはRDNo.38957(1996 年9月)
、616 〜624 頁”x.Dye image formers and modifie
rs ”に引用されているの化合物を好ましく使用するこ
とができる。
【0079】これらのカプラーはいわゆる2当量カプラ
ーと4当量カプラーとに分けることができる。2当量カ
プラーのアニオン性離脱基として作用する基としては、
ハロゲン原子(例えばクロル基、ブロム基)、アルコキ
シ基(例えばメトキシ基、エトキシ基)、アリールオキ
シ基(例えばフェノキシ基、4−シアノフェノキシ基、
4−アルコキシカルボニルフェニル基)、アルキルチオ
基(例えばメチルチオ基、エチルチオ基、ブチルチオ
基)、アリールチオ基(例えばフェニルチオ基、トリル
チオ基)、アルキルカルバモイル基(例えばメチルカル
バモイル基、ジメチルカルバモイル基、エチルカルバモ
イル基、ジエチルカルバモイル基、ジブチルカルバモイ
ル基、ピペリジルカルバモイル基、モルホリルカルバモ
イル基)、アリールカルバモイル基(例えばフェニルカ
ルバモイル基、メチルフェニルカルバモイル基、エチル
フェニルカルバモイル基、ベンジルフェニルカルバモイ
ル基)、カルバモイル基、アルキルスルファモイル基
(例えばメチルスルファモイル基、ジメチルスルファモ
イル基、エチルスルファモイル基、ジエチルスルファモ
イル基、ジブチルスルファモイル基、ピペリジルスルフ
ァモイル基、モルホリルスルファモイル基)、アリール
スルファモイル基(例えばフェニルスルファモイル基、
メチルフェニルスルファモイル基、エチルフェニルスル
ファモイル基、ベンジルフェニルスルファモイル基)、
スルファモイル基、シアノ基、アルキルスルホニル基
(例えばメタンスルホニル基、エタンスルホニル基)、
アリールスルホニル基(例えばフェニルスルホニル基、
4−クロロフェニルスルホニル基、p−トルエンスルホ
ニル基)、アルキルカルボニルオキシ基(例えばアセチ
ルオキシ基、プロピオニルオキシ基、ブチロイルオキシ
基)、アリールカルボニルオキシ基(例えばベンゾイル
オキシ基、トルイルオキシ基、アニシルオキシ基)、含
窒素複素環基(例えばイミダゾリル基、ベンゾトリアゾ
リル基)等が挙げられる。
【0080】また、4当量カプラーのカチオン性離脱基
として作用する基としては、水素原子、ホルミル基、カ
ルバモイル基、置換基を有するメチレン基(置換基とし
ては、アリール基、スルファモイル基、カルバモイル
基、アルコキシ基、アミノ基、水酸基等)、アシル基、
スルホニル基等が挙げられる。
【0081】上記RD No.38957 に記載の化合物以外に
も、以下に記載のカプラーを好ましく用いることができ
る。
【0082】活性メチレン系カプラーとしては、EP5
02,424Aの式(I),(II)で表わされるカプラー;E
P513,496Aの式(1)、(2)で表わされるカ
プラー;EP568,037Aのクレーム1の式(I)
で表わされるカプラー;US5,066,576のカラ
ム1の45〜55行の一般式(I)で表わされるカプラ
ー;特開平4−274425号の段落番号0008の一
般式(I)で表わされるカプラー;EP498,381
A1の40頁のクレーム1に記載のカプラー;EP44
7,969A1の4頁の式(Y)で表わされるカプラ
ー;US4,476,219のカラム7の36〜58行
の式(II)〜(IV)で表わされるカプラーを用いること
ができる。
【0083】5−ピラゾロン系マゼンタカプラーとして
は、特開昭57−35858号および特開昭51−20
826号に記載の化合物が好ましい。
【0084】ピラゾロアゾール系カプラーとしては、米
国特許第4,500,630号に記載のイミダゾ〔1,
2−b〕ピラゾール類、米国特許第4,540,654
号に記載のピラゾロ〔1,5−b〕〔1,2,4〕トリ
アゾール類、米国特許第3,725,067号に記載の
ピラゾロ〔5,1−c〕〔1,2,4〕トリアゾール類
が好ましく、光堅牢性の点で、これらのうちピラゾロ
〔1,5−b〕〔1,2,4〕トリアゾール類が好まし
い。
【0085】また特開昭61−65245号に記載され
ているような分岐アルキル基がピラゾロトリアゾール基
の2、3または6位に直結したピラゾロアゾールカプラ
ー、特開昭61−65245号に記載されている分子内
にスルホンアミド基を含んだピラゾロアゾールカプラ
ー、特開昭61−147254号に記載されるアルコキ
シフェニルスルホンアミドバラスト基を持つピラゾロア
ゾールカプラー、特開昭62−209457号もしくは
同63−307453号に記載されている6位にアルコ
キシ基やアリールオキシ基を持つピラゾロトリアゾール
カプラー、および特開平2−201443号に記載され
る分子内にカルボンアミド基を持つピラゾロトリアゾー
ルカプラーも好ましく用いることができる。
【0086】フェノール系カプラーの好ましい例として
は、米国特許第2,369,929号、同第2,80
1,171号、同第2,772,162号、同第2,8
95,826号、同第3,772,002号等に記載の
2−アルキルアミノ−5−アルキルフェノール系、米国
特許第2,772,162号、同第3,758,308
号、同第4,126,396号、同第4,334,01
1号、同第4,327,173号、西独特許公開第3,
329,729号、特開昭59−166956号等に記
載の2,5−ジアシルアミノフェノール系、米国特許第
3,446,622号、同第4,333,999号、同
第4,451,559号、同第4,427,767号等
に記載の2−フェニルウレイド−5−アシルアミノフェ
ノール系等を挙げることができる。
【0087】ナフトールカプラーの好ましい例として
は、米国特許第2,474,293号、同第4,05
2,212号、同第4,146,396号、同第4,2
28,233号、同第4,296,200号等に記載の
2−カルバモイル−1−ナフトール系および米国特許
4,690,889号等に記載の2−カルバモイル−5
−アミド−1−ナフトール系等を挙げることができる。
【0088】ピロロトリアゾール系カプラーの好ましい
例としては、欧州特許第488,248A1号、同第4
91,197A1号、同第545,300号に記載のカ
プラーが挙げられる。
【0089】その他、縮環フェノール、イミダゾール、
ピロール、3−ヒドロキシピリジン、活性メチン、5,
5−縮環複素環、5,6−縮環複素環といった構造を有
するカプラーが使用できる。
【0090】縮環フェノール系カプラーとしては、米国
特許第4,327,173号、同第4,564,586
号、同第4,904,575号等に記載のカプラーが使
用できる。
【0091】イミダゾール系カプラーとしては、米国特
許第4,818,672号、同第5,051,347号
等に記載のカプラーが使用できる。
【0092】ピロール系カプラーとしては特開平4−1
88137号、同4−190347号等に記載のカプラ
ーが使用できる。
【0093】3−ヒドロキシピリジン系カプラーとして
は特開平1−315736号等に記載のカプラーが使用
できる。
【0094】活性メチン系カプラーとしては米国特許第
5,104,783号、同第5,162,196号等に
記載のカプラーが使用できる。
【0095】5,5−縮環複素環系カプラーとしては、
米国特許第5,164,289号に記載のピロロピラゾ
ール系カプラー、特開平4−174429号に記載のピ
ロロイミダゾール系カプラー等が使用できる。
【0096】5,6−縮環複素環系カプラーとしては、
米国特許第4,950,585号に記載のピラゾロピリ
ミジン系カプラー、特開平4−204730号に記載の
ピロロトリアジン系カプラー、欧州特許第556,70
0号に記載のカプラー等が使用できる。
【0097】本発明には前述のカプラー以外に、西独特
許第3,819,051A号、同第3,823,049
号、米国特許第4,840,883号、同第5,02
4,930号、同第5,051,347号、同第4,4
81,268号、欧州特許第304,856A2号、同
第329,036号、同第354,549A2号、同第
374,781A2号、同第379,110A2号、同
第386,930A1号、特開昭63−141055
号、同64−32260号、同32261号、特開平2
−297547号、同2−44340号、同2−110
555号、同3−7938号、同3−160440号、
同3−172839号、同4−172447号、同4−
179949号、同4−182645号、同4−184
437号、同4−188138号、同4−188139
号、同4−194847号、同4−204532号、同
4−204731号、同4−204732号等に記載さ
れているカプラーも使用できる。これらのカプラーは各
色0.05〜10mmol/m2 、好ましくは0.1〜5mm
ol/m2 用いる。
【0098】また、以下のような機能性カプラーを含有
しても良い。発色色素が適度な拡散性を有するカプラー
としては、US4,366,237、GB2,125,
570、EP96,873B、DE3,234,533
に記載のものが好ましい。発色色素の不要な吸収を補正
するためのカプラーとして、EP456,257A1号
に記載のイエローカラードシアンカプラー、該EPに記
載のイエローカラードマゼンタカプラー、US4,83
3,069号に記載のマゼンタカラードシアンカプラ
ー、US4,837,136号の(2) 、WO92/11
575のクレーム1の式(A)で表わされる無色のマス
キングカプラー(特に36〜45頁の例示化合物)。
【0099】現像主薬酸化体と反応して写真的に有用な
化合物残査を放出する化合物(カプラーを含む)として
は、以下のものが挙げられる。 現像抑制剤放出化合物:EP378,236A1号の1
1頁に記載の式(I)〜(IV)で表わされる化合物、E
P436,938A2号の7頁に記載の式(I)で表わ
される化合物、EP568,037Aの式(1)で表わ
される化合物、EP440,195A2の5〜6頁に記
載の式(I)、(II)、(III )で表わされる化合物。 漂白促進剤放出化合物:EP310,125A2の5頁
の式(I)、(I’)で表わされる化合物及び特開平6
−59411号の請求項1の式(I)で表わされる化合
物。 リガンド放出化合物:US4,555,478のクレー
ム1に記載のLIG−X で表わされる化合物。 ロイコ色素放出化合物:US4,749,641のカラ
ム3〜8の化合物1〜6; 蛍光色素放出化合物:US4,774,181のクレー
ム1のCOUP−DYEで表わされる化合物。 現像促進剤又はカブラセ剤放出化合物:US4,65
6,123のカラム3の式(1)、(2)、(3)で表
わされる化合物及びEP450,637A2の75頁3
6〜38行目のExZK−2。 離脱して初めて色素となる基を放出する化合物:US
4,857,447のクレーム1の式(I)で表わされ
る化合物、特願平4−134523号の式(1)で表わ
される化合物、EP440,195A2の5、6頁に記
載の式(I)(II)(III )で表わされる化合物、特願
平4−325564号の請求項1の式(I)で表わされ
る化合物−リガンド放出化合物、US4,555,47
8号のクレーム1に記載のLIG−Xで表わされる化合
物。 このような機能性カプラーは、先に述べた発色に寄与す
るカプラーの0.05〜10倍モル、好ましくは0.1
〜5倍モル用いることが好ましい。
【0100】カプラー、発色現像主薬などの疎水性添加
剤は米国特許第2,322,027号記載の方法などの
公知の方法により感光部材の層中に導入することができ
る。この場合には、米国特許第4,555,470号、
同4,536,466号、同4,536,467号、同
4,587,206号、同4,555,476号、同
4,599,296号、特公平3−62,256号など
に記載のような高沸点有機溶媒を、必要に応じて沸点5
0℃〜160℃の低沸点有機溶媒と併用して、用いるこ
とができる。またこれら色素供与性カプラー、高沸点有
機溶媒などは2種以上併用することができる。高沸点有
機溶媒の量は用いられる疎水性添加剤1gに対して10
g以下、好ましくは5g以下、より好ましくは1g〜
0.1gである。また、バインダー1gに対して1cc以
下が適当であり、より好ましくは0.5cc以下、特に好
ましくは0.3cc以下である。
【0101】特公昭51−39,853号、特開昭51
−59,943号に記載されている重合物による分散法
や特開昭62−30,242号等に記載されている微粒
子分散物にして添加する方法も使用できる。水に実質的
に不溶な化合物の場合には、前記方法以外にバインダー
中に微粒子にして分散含有させることができる。疎水性
化合物を親水性コロイドに分散する際には、種々の界面
活性剤を用いることができる。例えば特開昭59−15
7,636号の第(37)〜(38)頁、前記のRDに記載の界
面活性剤として挙げたものを使うことができる。また、
特願平5−204325号、同6−19247号、西独
公開特許第1,932,299A号記載のリン酸エステ
ル型界面活性剤も使用できる。
【0102】本発明の感光部材は、支持体上に少なくと
も3つの感光性層を有しており、これらの層は、感光波
長領域が互いに異なり、含有される発色現像主薬の酸化
体とカプラーから形成される色素の吸収波長も互いに異
なる。感光性層は青色光、緑色光、および赤色光の何れ
かに感色性を有する単位感光性層であり、多層ハロゲン
化銀カラー写真感光部材においては、一般に単位感光性
層の配列が、支持体側から順に赤感光性層、緑感光性
層、青感光性層の順に設置される。しかし、目的に応じ
て上記設置順が逆であっても、また同一感色性層中に異
なる感光性層が挟まれたような設置順をもとり得る。上
記のハロゲン化銀感光性層の間および最上層、最下層に
は非感光性層を設けてもよい。これらには、前述のカプ
ラー、現像主薬、及びDIR化合物、混色防止剤、染料
等が含まれていてもよい。各単位感光性層を構成する複
数のハロゲン化銀乳剤層は、DE1,121,470あ
るいはGB923,045に記載されているように高感
度乳剤層、低感度乳剤層の2層を、支持体に向かって順
次感光度が低くなる様に配列するのが好ましい。また、
特開昭57−112751号、同62−200350
号、同62−206541号、同62−206543号
に記載されているように支持体より離れた側に低感度乳
剤層、支持体に近い側に高感度乳剤層を設置してもよ
い。
【0103】具体例として支持体から最も遠い側から、
低感度青感光性層(BL)/高感度青感光性層(BH)/高
感度緑感光性層(GH)/低感度緑感光性層(GL) /高感
度赤感光性層(RH)/低感度赤感光性層(RL)の順、ま
たはBH/BL/GL/GH/RH/RLの順、またはBH/BL/GH/
GL/RL/RHの順等に設置することができる。また特公昭
55−34932号に記載されているように、支持体か
ら最も遠い側から青感光性層/GH/RH/GL/RLの順に配
列することもできる。また特開昭56−25738号、
同62−63936号に記載されているように、支持体
から最も遠い側から青感光性層/GL/RL/GH/RHの順に
配列することもできる。また特公昭49−15495号
に記載されているように上層を最も感光度の高いハロゲ
ン化銀乳剤層、中層をそれよりも低い感光度のハロゲン
化銀乳剤層、下層を中層よりも更に感光度の低いハロゲ
ン化銀乳剤層を配置し、支持体に向かって感光度が順次
低められた感光度の異なる3層から構成される配列が挙
げられる。このような感光度の異なる3層から構成され
る場合でも、特開昭59−202464号に記載されて
いるように、同一感色性層中において支持体より離れた
側から中感度乳剤層/高感度乳剤層/低感度乳剤層の順
に配置されてもよい。その他、高感度乳剤層/低感度乳
剤層/中感度乳剤層、あるいは低感度乳剤層/中感度乳
剤層/高感度乳剤層の順に配置されていてもよい。ま
た、4層以上の場合にも、上記の如く配列を変えてよ
い。
【0104】色再現性を改良するために、US4,66
3,271、同4,705,744、同4,707,4
36、特開昭62−160448号、同63−8985
0号の明細書に記載の、BL,GL,RLなどの主感光層と分光
感度分布が異なる重層効果のドナー層(CL) を主感光層
に隣接もしくは近接して配置することが好ましい。本発
明においては、ハロゲン化銀と色素供与性カプラー及び
発色現像主薬は同一層に含まれていても良いが、反応可
能な状態であれば別層に分割して添加することもでき
る。例えば発色現像主薬を含む層とハロゲン化銀を含む
層とを別層にすると感材の生保存性の向上がはかれる。
各層の分光感度及びカプラーの色相の関係は任意である
が、赤色感光性層にシアンカプラー、緑色感光性層にマ
ゼンタカプラー、青色感光性層にイエローカプラーを用
いると、従来のカラーペーパー等に直接投影露光でき
る。
【0105】感光部材には、上記のハロゲン化銀乳剤層
の間および最上層、最下層には、保護層、下塗り層、中
間層、黄色フィルター層、アンチハレーション層などの
各種の非感光性層を設けても良く、支持体の反対側には
バック層などの種々の補助層を設けることができる。具
体的には、上記文献に記載のような層構成、米国特許第
5,051,335号記載のような下塗り層、特開平1
−167,838号、特開昭61−20,943号記載
のような固体顔料を有する中間層、特開平1−120,
553号、同5−34,884号、同2−64,634
号記載のような還元剤やDIR化合物を有する中間層、
米国特許第5,017,454号、同5,139,91
9号、特開平2−235,044号記載のような電子伝
達剤を有する中間層、特開平4−249,245号記載
のような還元剤を有する保護層またはこれらを組み合わ
せた層などを設けることができる。
【0106】黄色フィルター層、アンチハレーション層
に用いる事の出来る染料としては、現像時に消色あるい
は除去され、処理後の濃度に寄与しないものが好まし
い。黄色フィルター層、アンチハレーション層の染料が
現像時に消色あるいは除去されるとは、処理後に残存す
る染料の量が、塗布直前の1/3以下、好ましくは1/
10以下となることであり、現像時に染料の成分が感光
部材から処理部材に転写しても良いし、現像時に反応し
て無色の化合物に変わっても良い。
【0107】具体的には、欧州特許出願EP549,4
89A号記載の染料や、特開平7−152129号のE
xF2〜6の染料が挙げられる。特開平8−10148
7号に記載されているような、固体分散した染料を用い
ることもできる。また、媒染剤とバインダーに染料を媒
染させておくことも出来る。この場合媒染剤と染料は写
真分野で公知のものを用いることが出来、US4,50
0,626号第58〜59欄や、特開昭61−8825
6号32〜41頁、特開昭62−244043号、特開
昭62−244036号等に記載の媒染剤を上げること
ができる。また、還元剤と反応して拡散性色素を放出す
る化合物と還元剤を用い、現像時のアルカリで可動性色
素を放出させ、処理部材に転写除去させることもでき
る。具体的には、米国特許第4,559,290号、同
4,783,396号、欧州特許第220,746A2
号、公開技報87−6119号に記載されている他、特
開平8−101487号の段落番号0080〜0081
に記載されている。
【0108】消色するロイコ染料などを用いることもで
き、具体的には特開平1−150,132号に有機酸金
属塩の顕色剤によりあらかじめ発色させておいたロイコ
色素を含むハロゲン化銀感光部材が開示されている。ロ
イコ色素と顕色剤錯体は熱あるいはアルカリ剤と反応し
て消色する。ロイコ色素は、公知のものが利用でき、森
賀、吉田「染料と薬品」9、84頁(化成品工業協
会)、「新版染料便覧」242頁(丸善、1970)、
R.Garner「Reports on the Progress of Appl. Chem 」
56、199頁(1971)、「染料と薬品」19、2
30頁(化成品工業協会、1974)、「色材」62、
288頁(1989)、「染色工業」32、208等に
記載がある。顕色剤としては、酸性白土系顕色剤、フェ
ノールホルムアルデヒドレジンの他、有機酸の金属塩が
好ましく用いられる。有機酸の金属塩としてはサリチル
酸類の金属塩、フェノール−サリチル酸−ホルムアルデ
ヒドレジンの金属塩、ロダン塩、キサントゲン酸塩の金
属塩等が有用であり、金属としては特に亜鉛が好まし
い。上記の顕色剤のうち、油溶性のサリチル酸亜鉛塩に
ついては、米国特許第3,864,146号、同4,0
46,941号各明細書、及び特公昭52−1327号
公報等に記載されたものを用いることができる。
【0109】本発明の感光部材の塗布層は硬膜剤で硬膜
されていることが好ましい。硬膜剤の例としては米国特
許第4,678,739号第41欄、同4,791,0
42号、特開昭59−116,655号、同62−24
5,261号、同61−18,942号、特開平4−2
18,044号等に記載の硬膜剤が挙げられる。より具
体的には、アルデヒド系硬膜剤(ホルムアルデヒドな
ど)、アジリジン系硬膜剤、エポキシ系硬膜剤、ビニル
スルホン系硬膜剤(N,N′−エチレン−ビス(ビニル
スルホニルアセタミド)エタンなど)、N−メチロール
系硬膜剤(ジメチロール尿素など)、ほう酸、メタほう
酸あるいは高分子硬膜剤(特開昭62−234,157
号などに記載の化合物)が挙げられる。これらの硬膜剤
は、親水性バインダー1gあたり0.001〜1g、好
ましくは0.005〜0.5gが用いられる。
【0110】感光部材には、種々のカブリ防止剤または
写真安定剤およびそれらのプレカーサーを使用すること
ができる。その具体例としては、前記RD、米国特許第
5,089,378号、同4,500,627号、同
4,614,702号、特開昭64−13,564号
(7)〜(9) 頁、(57)〜(71)頁および(81)〜(97)頁、米国
特許第4,775,610号、同4,626,500
号、同4,983,494号、特開昭62−174,7
47号、同62−239,148号、特開平1−15
0,135号、同2−110,557号、同2−17
8,650号、RD17,643号(1978年) (24)
〜(25)頁等記載の化合物が挙げられる。これらの化合物
は、銀1モルあたり5×10-6〜1×10-1モルが好ま
しく、さらに1×10-5〜1×10-2モルが好ましく用
いられる。
【0111】感光部材には、塗布助剤、剥離性改良、ス
ベリ性改良、帯電防止、現像促進等の目的で種々の界面
活性剤を使用することができる。界面活性剤の具体例は
公知技術第5号(1991年3月22日、アズテック有
限会社発行)の136〜138頁、特開昭62−17
3,463号、同62−183,457号等に記載され
ている。感光部材には、スベリ性防止、帯電防止、剥離
性改良等の目的で有機フルオロ化合物を含ませてもよ
い。有機フルオロ化合物の代表例としては、特公昭57
−9053号第8〜17欄、特開昭61−20944
号、同62−135826号等に記載されているフッ素
系界面活性剤、またはフッ素油などのオイル状フッ素系
化合物もしくは四フッ化エチレン樹脂などの固体状フッ
素化合物樹脂などの疎水性フッ素化合物が挙げられる。
感光部材のぬれ性と帯電防止を両立する目的で親水性基
を有するフッ素系界面活性剤も好ましく用いられる。
【0112】感光部材には滑り性がある事が好ましい。
滑り剤含有層は感光層面、バック面ともに用いることが
好ましい。好ましい滑り性としては動摩擦係数で0.2
5以下0.01以上である。この時の測定は直径5mmの
ステンレス球に対し、60cm/分で搬送した時の値を表
す(25℃、60%RH)。この評価において相手材と
して感光層面に置き換えてもほぼ同レベルの値となる。
使用可能な滑り剤としては、ポリオルガノシロキサン、
高級脂肪酸アミド、高級脂肪酸金属塩、高級脂肪酸と高
級アルコールのエステル等であり、ポリオルガノシロキ
サンとしては、ポリジメチルシロキサン、ポリジエチル
シロキサン、ポリスチリルメチルシロキサン、ポリメチ
ルフェニルシロキサン等を用いることができる。添加層
としては乳剤層の最外層やバック層が好ましい。特にポ
リジメチルシロキサンや長鎖アルキル基を有するエステ
ルが好ましい。ハロゲン化銀の圧力カブリや減感を防止
するために、シリコンオイルや塩化パラフィンは好まし
く用いられる。
【0113】また本発明においては、帯電防止剤が好ま
しく用いられる。それらの帯電防止剤としては、カルボ
ン酸及びカルボン酸塩、スルホン酸塩を含む高分子、カ
チオン性高分子、イオン性界面活性剤化合物を挙げるこ
とができる。帯電防止剤として最も好ましいものは、Zn
O 、TiO2、SnO2、Al2O3 、In2O3 、SiO2、MgO 、BaO 、
MoO3、V2O5の中から選ばれた少くとも1種の体積抵抗率
が107 Ω・cm以下、より好ましくは105 Ω・cm以下
である粒子サイズ0.001〜1.0μm結晶性の金属
酸化物あるいはこれらの複合酸化物(Sb,P,B,In,S,Si,C
など)の微粒子、更にはゾル状の金属酸化物あるいはこ
れらの複合酸化物の微粒子である。感材への含有量とし
ては5〜500mg/m2が好ましく、特に好ましくは10
〜350mg/m2である。導電性の結晶性酸化物又はその
複合酸化物とバインダーの量の比は1/300〜100
/1が好ましく、より好ましくは1/100〜100/
5である。感光部材の支持体の裏面には、特開平8−2
92514号に記載された耐水性のポリマーを塗布する
ことも好ましい。
【0114】感光部材または後述する処理部材の構成
(バック層を含む)には、寸度安定化、カール防止、接
着防止、膜のヒビ割れ防止、圧力増減感防止等の膜物性
改良の目的で種々のポリマーラテックスを含有させるこ
とができる。具体的には、特開昭62−245258
号、同62−136648号、同62−110066号
等に記載のポリマーラテックスのいずれも使用できる。
特に、ガラス転移点の低い(40℃以下)ポリマーラテ
ックスを媒染層に用いると媒染層のヒビ割れを防止する
ことができ、またガラス転移点が高いポリマーラテック
スをバック層に用いるとカール防止効果が得られる。
【0115】本発明に使用し得る感光部材にはマット剤
が有る事が好ましい。マット剤としては乳剤面、バック
面とどちらでもよいが、乳剤側の最外層に添加するのが
特に好ましい。マット剤は処理液可溶性でも処理液不溶
性でもよく、好ましくは両者を併用することである。例
えばポリメチルメタクリレート、ポリ(メチルメタクリ
レート/メタクリル酸=9/1又は5/5(モル
比))、ポリスチレン粒子などが好ましい。粒径として
は0.8〜10μmが好ましく、その粒径分布も狭い方
が好ましく、平均粒径の0.9〜1.1倍の間に全粒子
数の90%以上が含有されることが好ましい。又、マッ
ト性を高めるために0.8μm以下の微粒子を同時に添
加することも好ましく、例えばポリメチルメタクリレー
ト(0.2μm)、ポリ(メチルメタクリレート/メタ
クリル酸=9/1(モル比))(0.3μm)、ポリス
チレン粒子(0.25μm)、コロイダルシリカ(0.
03μm)等が挙げられる。具体的には、特開昭61−
88256号(29)頁に記載されている。その他、ベン
ゾグアナミン樹脂ビーズ、ポリカーボネート樹脂ビー
ズ、AS樹脂ビーズなどの特開昭63−274944
号、同63−274952号記載の化合物がある。その
他前記RDに記載の化合物が使用できる。これらのマッ
ト剤は、必要に応じて前記バインダーの項に記載の各種
バインダーで分散して、分散物として使用することがで
きる。特に各種のゼラチン、例えば、酸処理ゼラチン分
散物は安定な塗布液を調製しやすく、このとき、pH、
イオン強度、バインダー濃度を必要に応じて最適化する
事が好ましい。
【0116】また、以下に記載の化合物も使用すること
ができる。 油溶性有機化合物の分散媒: 特開昭62−215272
号のP-3,5,16,19,25,30,42,49,54, 55,66,81,85,86,93
(140 〜144 頁); 油溶性有機化合物の含浸用ラテックス: US4,19
9,363に記載のラテックス; 現像主薬酸化体スカベンジャー: US4,978,60
6のカラム2の54〜62行の式(I) で表わされる化合物
(特にI-,(1),(2),(6),(12) (カラム4〜5))、US
4,923,787のカラム2の5〜10行の式(特に化
合物1(カラム3); ステイン防止剤: EP298321Aの4頁30〜33行の
式(I) 〜(III) 、特にI-47,72,III-1,27(24 〜48頁); 褪色防止剤:EP298321AのA-6,7,20,21,23,24,
25, 26,30,37,40,42,48,63,90,92,94,164(69〜118 頁)
、US5,122,444のカラム25〜38のII-1〜III
-23、特にIII-10、EP471347Aの8〜12頁のI
-1 〜III-4 、特にII-2、US5,139,931のカ
ラム32〜40のA-1 〜48、特にA-39,42; 発色増強剤または混色防止剤の使用量を低減させる素
材: EP411324Aの5 〜24頁のI-1 〜II-15,特に
I-46;
【0117】ホルマリンスカベンジャー: EP4779
32Aの24〜29頁のSCV−1〜28,特にSCV
−8; 硬膜剤:特開平1−214845号の17頁のH−1,
4,6,8,14,US4,618,573のカラム1
3〜23の式(VII) 〜(XII) で表わされる化合物(H-1〜
54)、特開平2−214852号の8頁右下の式(6)
で表わされる化合物(H-1〜76)、特にH-14、US3,3
25,287のクレーム1に記載の化合物; 現像抑制剤プレカーサー:特開昭62−168139号
のP-24,37,39(6〜7頁);US 5,019,492
のクレーム1に記載の化合物,特にカラム7の28,29 ; 防腐剤、防黴剤: US4,923,790のカラム3〜
15のI-1 〜III-43、特にII-1,9,10,18, III-25; 安定剤、かぶり防止剤: US4,923,793のカラ
ム6〜16のI-1 〜(14)、特にI-1,60,(2),(13),US
4,952,483のカラム25〜32の化合物1〜6
5, 特に36; 化学増感剤: トリフェニルホスフィン セレニド, 特開
平5−40324号の化合物50;
【0118】染料: 特開平3−156450号の15〜
18頁のa-1 〜b-20, 特にa-1,12,18,27,35,36,b-5,27
〜29頁のV-1 〜23、特にV-1 、EP445627Aの33
〜55頁のF-I-1 〜F-II-43 、特にF-I-11,F-II-8 、EP
457153Aの17〜28頁のIII-1 〜36、特にIII-
1,3, WO88/04794の8〜26のDye-1 〜124の
微結晶分散体, EP319999Aの6〜11頁の化合物
1〜22, 特に化合物1,EP519306A の式(1) な
いし(3) で表わされる化合物D-1 〜87(3〜28頁),US
4,268,622の式(I) で表わされる化合物1〜22
(カラム3〜10)、US4,923,788の式(I) で
表わされる化合物(1) 〜(31) (カラム2〜9); UV吸収剤:特開昭46−3335号の式(1) で表わ
される化合物(18b) 〜(18r) 、101 〜427(6〜9頁),
EP520938Aの式(I) で表わされる化合物(3) 〜
(66)(10 〜44頁) 及び式(III) で表わされる化合物HBT-
1 〜10(14 頁)、EP521823Aの式(1) で表わさ
れる化合物(1) 〜(31) (カラム2〜9)。 ここまでに述べてきた各種の添加剤、具体的には、硬膜
剤、カブリ防止剤、界面活性剤、滑り剤、帯電防止剤、
ラテックス、マット剤などは必要に応じて処理部材に添
加したり、感光部材と処理部材の両方に添加することが
できる。
【0119】本発明において感光部材の支持体として
は、透明かつ処理温度に耐えることのできるものが用い
られる。一般的には、日本写真学会編「写真工学の基礎
−銀塩写真編−」(株)コロナ社刊(昭和54年)(22
3) 〜(240) 頁記載の紙、合成高分子(フィルム)等の
写真用支持体が挙げられる。具体的には、ポリエチレン
テレフタレート、ポリエチレンナフタレート(PE
N)、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリスチレ
ン、ポリプロピレン、ポリイミド、セルロース類(例え
ばトリアセチルセルロース)等が挙げられる。
【0120】この中で、特にポリエチレンナフタレート
を主成分とするポリエステルが好ましいが、ここで言う
「ポリエチレンナフタレートを主成分とする」ポリエス
テルとは、全ジカルボン酸残基中に含まれるナフタレン
ジカルボン酸の含率が50mol%以上であり、より好
ましくは60mol%以上、さらに好ましくは70mo
l%以上である。これは、共重合体であってもよく、ポ
リマーブレンドであってもよい。共重合体の場合、ナフ
タレンジカルボン酸ユニットとエチレングリコールユニ
ット以外に、テレフタル酸、ビスフェノールA、シクロ
ヘキサンジメタノール等のユニットを共重合させたもの
も好ましい。これらの中で力学強度、コストの観点から
最も好ましいのがテレフタル酸ユニットを共重合したも
のである。ポリマーブレンドの好ましい相手は、相溶性
の観点からポリエチレンテレフタレート(PET)、ポ
リアリレート(PAr)、ポリカーボネート(PC)、
ポリシクロヘキサンジメタノールテレフタレート(PC
T)等のポリエステルを挙げることができるが、中でも
力学強度、コストの観点から好ましいのがPETとのポ
リマーブレンドである。
【0121】以下に好ましいポリエステルの具体的化合
物例を示す。 ポリエステル コポリマー例(括弧内の数字はモル比を
示す) 2,6―ナフタレンジカルボン酸/テレフタル酸/エチ
レングリコール(70/30/100)Tg=98℃ 2,6―ナフタレンジカルボン酸/テレフタル酸/エチ
レングリコール(80/20/100)Tg=105℃ ポリエステル ポリマーブレンド例(括弧内の数字は重
量比を示す) PEN/PET(60/40)Tg=95℃ PEN/PET(80/20)Tg=104℃ この他に、特開昭62−253,159号(29)〜(31)
頁、特開平1−161,236号(14)〜(17)頁、特開昭
63−316,848号、特開平2−22,651号、
同3−56,955号、米国特許第5,001,033
号等に記載の支持体を用いることができる。これらの支
持体は、光学的特性、物理的特性を改良するために、熱
処理(結晶化度や配向制御)、一軸及び二軸延伸(配向
制御)、各種ポリマーのブレンド、表面処理等を行うこ
とができる。
【0122】特に耐熱性やカール特性の要求が厳しい場
合、感光部材の支持体として特開平6−41281号、
同6−43581号、同6−51426号、同6−51
437号、同6−51442号、特開平6−82961
号、同6―82960号、同6―123937号、同6
―82959号、同6―67346号、同6―1185
61号、同6―266050号、同6―202277
号、同6―175282号、同6―118561号、同
7―219129号、同7―219144号各公報に記
載の支持体が好ましく用いることができる。また、主と
してシンジオタクチック構造を有するスチレン系重合体
である支持体も好ましく用いることができる。支持体の
厚みは、好ましくは5〜200μm、より好ましくは4
0〜120μmである。
【0123】また、支持体と感材構成層を接着させるた
めに、表面処理することが好ましい。薬品処理、機械的
処理、コロナ放電処理、火焔処理、紫外線処理、高周波
処理、グロー放電処理、活性プラズマ処理、レーザー処
理、混酸処理、オゾン酸化処理、などの表面活性化処理
が挙げられる。表面処理の中でも好ましいのは、紫外線
照射処理、火焔処理、コロナ処理、グロー処理である。
【0124】支持体の下塗層は、単層でもよく2層以上
でもよい。下塗層用バインダーとしては、塩化ビニル、
塩化ビニリデン、ブタジエン、メタクリル酸、アクリル
酸、イタコン酸、無水マレイン酸などの中から選ばれた
単量体を出発原料とする共重合体を始めとして、ポリエ
チレンイミン、エポキシ樹脂、グラフト化ゼラチン、ニ
トロセルロース、ゼラチン、ポリビニルアルコール、及
びこれらの変成ポリマーが挙げられる。支持体を膨潤さ
せる化合物としてレゾルシンとp−クロルフェノールが
ある。下塗層にはゼラチン硬化剤としてはクロム塩(ク
ロム明ばんなど)、アルデヒド類(ホルムアルデヒド、
グルタールアルデヒドなど)、イソシアネート類、活性
ハロゲン化合物(2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−
s−トリアジンなど)、エピクロルヒドリン樹脂、活性
ビニルスルホン化合物などを挙げることができる。Si
O2、TiO2、無機物微粒子又はポリメチルメタクリレート
共重合体微粒子(0.01〜10μm)をマット剤とし
て含有させてもよい。
【0125】また、フイルム染色に使用する染料につい
ては、感光部材の一般的な性質上色調としてはグレー染
色が好ましく、フイルム成膜温度領域での耐熱性に優
れ、かつポリエステルとの相溶性に優れたものが好まし
い。その観点から染料としては三菱化成製のDiare
sin、日本化薬製のKayaset等ポリエステル用
として市販されている染料を混合することにより目的を
達成することが可能である。特に耐熱安定性の観点か
ら、アントラキノン系の染料を挙げることができる。例
えば、特開平8―122970号に記載されているもの
を好ましく用いることができる。また、支持体として例
えば、特開平4−124645号、同5−40321
号、同6−35092号、同6−317875号記載の
磁気記録層を有する支持体を用い、撮影情報などを記録
することが好ましい。
【0126】磁気記録層とは、磁性体粒子をバインダー
中に分散した水性もしくは有機溶媒系塗布液を支持体上
に塗設したものである。磁性体粒子は、γFe2O3 などの
強磁性酸化鉄、Co被着γFe2O3 、Co被着マグネタイト、
Co含有マグネタイト、強磁性二酸化クロム、強磁性金
属、強磁性合金、六方晶系のBaフェライト、Srフェライ
ト、Pbフェライト、Caフェライトなどを使用できる。Co
被着γFe2O3 などのCo被着強磁性酸化鉄が好ましい。形
状としては針状、米粒状、球状、立方体状、板状等いず
れでもよい。比表面積ではSBET で20m2/g以上が好
ましく、30m2/g以上が特に好ましい。強磁性体の飽
和磁化(σs)は、好ましくは3.0×104 〜3.0
×105A/mであり、特に好ましくは4.0×104
2.5×105A/mである。強磁性体粒子を、シリカおよ
び/またはアルミナや有機素材による表面処理を施して
もよい。さらに、磁性体粒子は特開平6−161032
号に記載された如くその表面にシランカップリング剤ま
たはチタンカップリング剤で処理されてもよい。又特開
平4−259911号、同5−81652号に記載の表
面に無機、有機物を被覆した磁性体粒子も使用できる。
【0127】磁性体粒子に用いられるバインダーは、特
開平4−219569号に記載の熱可塑性樹脂、熱硬化
性樹脂、放射線硬化性樹脂、反応型樹脂、酸、アルカリ
又は生分解性ポリマー、天然物重合体(セルロース誘導
体、糖誘導体など)およびそれらの混合物を使用するこ
とができる。上記の樹脂のTgは−40℃〜300℃、
重量平均分子量は0.2万〜100万である。例えばビ
ニル系共重合体、セルロースジアセテート、セルロース
トリアセテート、セルロースアセテートプロピオネー
ト、セルロースアセテートブチレート、セルローストリ
プロピオネートなどのセルロース誘導体、アクリル樹
脂、ポリビニルアセタール樹脂を挙げることができ、ゼ
ラチンも好ましい。特にセルロースジ(トリ)アセテー
トが好ましい。バインダーは、エポキシ系、アジリジン
系、イソシアネート系の架橋剤を添加して硬化処理する
ことができる。イソシアネート系の架橋剤としては、ト
リレンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルメタン
ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、
キシリレンジイソシアネート、などのイソシアネート
類、これらのイソシアネート類とポリアルコールとの反
応生成物(例えば、トリレンジイソシアナート3mol と
トリメチロールプロパン1mol の反応生成物)、及びこ
れらのイソシアネート類の縮合により生成したポリイソ
シアネートなどが挙げられ、例えば特開平6−5935
7号に記載されている。
【0128】前述の磁性体を上記バインダー中に分散す
る方法は、特開平6−35092号に記載されている方
法のように、ニーダー、ピン型ミル、アニュラー型ミル
などが好ましく併用も好ましい。特開平5−08828
3号記載の分散剤や、その他の公知の分散剤が使用でき
る。磁気記録層の厚みは0.1μm〜10μm、好まし
くは0.2μm〜5μm、より好ましくは0.3μm〜
3μmである。磁性体粒子とバインダーの重量比は好ま
しくは0.5:100〜60:100からなり、より好
ましくは1:100〜30:100である。磁性体粒子
の塗布量は0.005〜3g/m2、好ましくは0.01
〜2g/m2、さらに好ましくは0.02〜0.5g/m2
である。磁気記録層の透過イエロー濃度は、0.01〜
0.50が好ましく、0.03〜0.20がより好まし
く、0.04〜0.15が特に好ましい。磁気記録層
は、写真用支持体の裏面に塗布又は印刷によって全面ま
たはストライプ状に設けることができる。磁気記録層を
塗布する方法としてはエアードクター、ブレード、エア
ナイフ、スクイズ、含浸、リバースロール、トランスフ
ァロール、グラビヤ、キス、キャスト、スプレイ、ディ
ップ、バー、エクストリュージョン等が利用でき、特開
平5−341436号等に記載の塗布液が好ましい。
【0129】磁気記録層に、潤滑性向上、カール調節、
帯電防止、接着防止、ヘッド研磨などの機能を併せ持た
せてもよいし、別の機能性層を設けて、これらの機能を
付与させてもよく、粒子の少なくとも1種以上がモース
硬度が5以上の非球形無機粒子の研磨剤が好ましい。非
球形無機粒子の組成としては、酸化アルミニウム、酸化
クロム、二酸化珪素、二酸化チタン、シリコンカーバイ
ト等の酸化物、炭化珪素、炭化チタン等の炭化物、ダイ
アモンド等の微粉末が好ましい。これらの研磨剤は、そ
の表面をシランカップリング剤又はチタンカップリング
剤で処理されてもよい。これらの粒子は磁気記録層に添
加してもよく、また磁気記録層上にオーバーコート(例
えば保護層、潤滑剤層など)しても良い。この時使用す
るバインダーは前述のものが使用でき、好ましくは磁気
記録層のバインダーと同じものがよい。磁気記録層を有
する感材については、US5,336,589号、同
5,250,404号、同5,229,259号、同
5,215,874号、EP466,130号に記載さ
れている。
【0130】上述の磁気記録層を有する感材に好ましく
用いられるポリエステル支持体について更に記すが、感
材、処理、カートリッジ及び実施例なども含め詳細につ
いては、公開技報、公技番号94−6023(発明協
会;1994.3.15)に記載されている。ポリエス
テルはジオールと芳香族ジカルボン酸を必須成分として
形成され、芳香族ジカルボン酸として2,6−、1,5
−、1,4−、及び2,7−ナフタレンジカルボン酸、
テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ジオールとし
てジエチレングリコール、トリエチレングリコール、シ
クロヘキサンジメタノール、ビスフェノールA、ビスフ
ェノールが挙げられる。この重合ポリマーとしては、ポ
リエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレー
ト、ポリシクロヘキサンジメタノールテレフタレート等
のホモポリマーを挙げることができる。特に好ましいの
は2,6−ナフタレンジカルボン酸を50モル%〜10
0モル%含むポリエステルである。中でも特に好ましい
のはポリエチレン−2,6−ナフタレートである。平均
分子量の範囲は約5,000ないし200,000であ
る。ポリエステルのTgは50℃以上であり、さらに9
0℃以上が好ましい。
【0131】次にポリエステル支持体は、巻き癖をつき
にくくするために熱処理温度は40℃以上Tg未満、よ
り好ましくはTg−20℃以上Tg未満で熱処理を行
う。熱処理はこの温度範囲内の一定温度で実施してもよ
く、冷却しながら熱処理してもよい。この熱処理時間
は、0.1時間以上1500時間以下、さらに好ましく
は0.5時間以上200時間以下である。支持体の熱処
理は、ロール状で実施してもよく、またウェブ状で搬送
しながら実施してもよい。表面に凹凸を付与し(例え
ば、SnO2やSb2O5 等の導電性無機微粒子を塗布する)、
面状改良を図ってもよい。又端部にローレットを付与し
端部のみ少し高くすることで巻芯部の切り口写りを防止
するなどの工夫を行うことが望ましい。これらの熱処理
は支持体成膜後、表面処理後、バック層塗布後(帯電防
止剤、滑り剤等)、下塗り塗布後のどこの段階で実施し
てもよい。好ましいのは帯電防止剤塗布後である。この
ポリエステルには紫外線吸収剤を練り込んでも良い。又
ライトパイピング防止のため、三菱化成製のDiaresin、
日本化薬製のKayaset 等ポリエステル用として市販され
ている染料または顔料を練り込むことにより目的を達成
することが可能である。
【0132】次に、感光部材を装填することのできるフ
ィルムパトローネについて記す。本発明で使用されるパ
トローネの主材料は金属でも合成プラスチックでもよ
い。好ましいプラスチック材料はポリスチレン、ポリエ
チレン、ポリプロピレン、ポリフェニルエーテルなどで
ある。更にパトローネは、各種の帯電防止剤を含有して
もよくカーボンブラック、金属酸化物粒子、ノニオン、
アニオン、カチオン及びベタイン系界面活性剤又はポリ
マー等を好ましく用いることができる。これらの帯電防
止されたパトローネは特開平1−312537号、同1
−312538号に記載されている。特に25℃、25
%RHでの抵抗が1012Ω/□以下であることが好まし
い。通常プラスチックパトローネは、遮光性を付与する
ためにカーボンブラックや顔料などを練り込んだプラス
チックを使って製作される。パトローネのサイズは現在
の135サイズのままでもよいし、カメラの小型化に
は、現在の135サイズの25mmのカートリッジの径を
22mm以下とすることも有効である。パトローネのケー
スの容積は、30cm3 以下好ましくは25cm3 以下とす
ることが好ましい。パトローネおよびパトローネケース
に使用されるプラスチックの重量は5g〜15gが好ま
しい。
【0133】更にスプールを回転してフィルムを送り出
すパトローネでもよい。またフィルム先端がパトローネ
本体内に収納され、スプール軸をフィルム送り出し方向
に回転させることによってフィルム先端をパトローネの
ポート部から外部に送り出す構造でもよい。これらはU
S4,834,306号、同5,226,613号に開
示されている。
【0134】以上の感光部材は特公平2−32615
号、実公平3−39784号に記載されているレンズ付
フィルムユニットにも好ましく用いることができる。レ
ンズ付きフイルムユニットとは、撮影レンズ及びシャッ
タを例えば射出成型されたプラスチック筺体内に備えた
ユニット本体の製造工程において、予め未露光のカラー
あるいはモノクロ写真感光部材を光密に装填したもので
ある。このユニットは、ユーザが撮影した後、現像のた
めにユニットごと現像所に送られる。現像所では当該ユ
ニットから写真フイルムを取り出して現像及び写真プリ
ントの作製が行われる。このレンズ付きフイルムユニッ
トの外装には、例えば実公平3−6910号、実公平5
−31647号、特開平7−225454号及び実公平
6−43798号明細書に記載されているように、更に
撮影レンズ部、ファインダ部等の撮影に必要な光学部分
及びシャッタ釦、巻き上げノブ等の撮影操作部分が露出
し、かつ使用方法を示す説明書き及びデザインが印刷さ
れた紙箱、プラスチック包装体で被覆されて使用に供さ
れる。
【0135】紙あるいはプラスチックで被覆されたレン
ズ付きフイルムユニットは、更に実公平4−1546号
及び特公平7−1380号に記載されているように、不
透湿材料または例えば、ASTM試験法D−570で
0.1%以下の非吸湿性材料からなる包装体、例えば、
アルミニウム箔ラミネート・シート、アルミニウム箔も
しくは金属蒸着された透明・不透湿プラスチック包装体
で被覆されて販売される。レンズ付きフイルムユニット
に内蔵された写真フイルムの保存性からは、上記防湿包
装体内のレンズ付きフイルムユニットの湿度は、25℃
において相対湿度40〜70%になるように調湿し、好
ましくは50〜65%であるのがよい。更に、実公平6
−6346号、実公平6−8589号及び米国特許5,
239, 324号明細書に記載のように、紙あるいはプ
ラスチックで被覆されたレンズ付きフイルムユニットを
シャッタ及び巻上げ操作可能な透明防水ケースに収納し
て水中あるいは防水機能を付加したものもある。現像所
において写真フイルムが取り除かれたユニット本体は、
ユニットの製造所に回収され、検査の上、リユース可能
な部品はリユースされ、一部のリユース不能なプラスチ
ック部品は溶解され、再ペレット化してリサイクルされ
る。
【0136】用いられる撮影レンズは、特公平7−56
363号、特開平63−199351号、実公平3−2
2746号、実公平3−39784号、実公平5−38
353号、実公平7−33237号及び実公平7−50
746号に記載のように、球面あるいは非球面からなる
1枚もしくは2枚構成からなるプラスチックレンズが用
いられ、一方その球面収差を補償するために裏蓋におけ
る露光部のフイルム受面はフイルムの走行方向に撮影レ
ンズに対して凹面となるように湾曲面を形成することが
望ましい。またファインダは、実公平2−41621
号、実公平3−6910号及び実公平3−39784号
に記載のように、筺体にファインダ開口を画定させるの
みの素通しファインダでもよいし、例えば、実公平7−
10345号に記載のように、これに接眼及び対物ファ
インダレンズを設けた逆ガリレオ式或いはアルバダ式の
ファインダでもよい。更に特開平7−64177号、特
開平6−250282号及び特開平7−128732号
に記載のように、ファインダに画面切替機能を付与し、
これに連動して撮影開口を通常サイズ及びパノラマサイ
ズの露光が行えるように切り替えたり、あるいは上記フ
ァインダの切替に連動してフイルム上に標準、パノラマ
あるいはハイビジョンサイズで撮影したことを光学的あ
るいは磁気的に記録するようにしてもよい。その他撮影
レンズの焦点距離を変更するとともにファインダ視野を
特定するようにして接近、望遠撮影を行わせるようにし
たものもある。
【0137】レンズ付きフイルムユニットに用いられる
写真フイルムは、シート状あるいはロール状のフイルム
を用いることができ、更に当該写真フイルムは、オラン
ダ特許6, 708, 489号明細書に記載のように直接
収納されるか、あるいは特公平2−32615号に示す
ように、容器に収納されてレンズ付きフイルムユニット
内に装填される。撮影後、現像のためにレンズ付きフイ
ルムユニットから撮影済み写真フイルムを取り出すに
は、特公平6−16158号、実公平7−15545号
に記載のように、レンズ付きフイルムユニット筺体の底
に写真フイルム取り出し用の蓋を設けて、この蓋を開放
することによって写真フイルムを取り出してもよく、オ
ランダ特許6, 708, 489号明細書に記載のよう
に、裏蓋を開放もしくは破壊して写真フイルムを取り出
してもよい。また、米国特許5, 202, 713号明細
書に記載のように、レンズ付きフイルムユニット筺体の
一部に通常は遮光状態にある開口を形成しておき、そこ
からフイルムの一端を掴んで引き出すようにしてもよ
い。
【0138】レンズ付きフイルムユニットにロール状の
写真フイルムを用いる場合には、このロール状写真フイ
ルムは容器に収納された状態で、レンズ付きフイルムユ
ニットに収納されることが望ましい。用いられる容器
は、例えば、特開昭54−111822号、同63−1
94255号、米国特許4, 8322, 75号、同4,
834, 306号、特開平2―124564号、同3−
155544号、同2―264248号、更に実公平5
−40508号、特公平2−32615号及び特公平7
−117707号記載のISO規格で規定される135
フイルム用パトローネ、あるいはISO規格の写真フイ
ルムを装填可能であるが上記規格よりも径の細いパトロ
ーネ、あるいは特開平8−211509号、同8−26
2645号及び同8−262639号記載のAPS(Ad
vanced Photo System )用のカートリッジ等のフイルム
の一端が固定されたスプールを有する1軸のカートリッ
ジあるいはパトローネが有利に用いられる。更に、実公
平4−14748号及び同3−22746号記載の11
0サイズ規格フイルムを用いた2軸カートリッジを用い
ることもできる。また必要によっては、裏紙付きの写真
フイルムを用いることもできる。
【0139】フイルムの一端が固定されたスプールを有
する1軸のカートリッジあるいはパトローネを用いる場
合には、レンズ付きフイルムユニットの一方の収納室に
カートリッジあるいはパトローネを収納すると共に、他
方の収納室に当該カートリッジあるいはパトローネから
写真フイルムの大部分を引き出されてロール状に巻かれ
たフイルムを収納するレンズ付きフイルムユニットの製
造段階における予備巻き装填(ファクトリー・プレワイ
ンド)を行い、撮影毎に引き出された写真フイルムを外
部の巻き上げ部材によって、カートリッジあるいはパト
ローネのスプールを回転させてカートリッジあるいはパ
トローネに巻取るようにしてもよいし、あるいはこれと
は逆にレンズ付きフイルムユニットの一方の収納室に写
真フイルムの先端部を接続したカートリッジあるいはパ
トローネとは別のスプールを装填し、他方の収納室に写
真フイルムの大部分が収納された状態のカートリッジあ
るいはパトローネを装填して、撮影毎に写真フイルムを
外部の巻き上げ部材によって、カートリッジあるいはパ
トローネから引き出してカートリッジあるいはパトロー
ネとは別のスプールに巻取るようにしてもよい。
【0140】ファクトリー・プレワインド方式において
は、カートリッジあるいはパトローネから引き出された
写真フイルムは、カートリッジあるいはパトローネと別
のスプールに巻かれた状態で他方の収納室に収納されて
もよいし、あるいは特公平2−32615号記載のよう
に中空状態で他方の収納室に収納されてもよい。また、
上記ファクトリー・プレワインドは、特公平7−565
64号記載のように暗室内において予めカートリッジあ
るいはパトローネから写真フイルムを引き出してロール
状に巻いておき、このカートリッジあるいはパトローネ
及びロール状の写真フイルムをレンズ付きフイルムユニ
ットに装填した後、レンズ付きフイルムユニットの裏蓋
を閉じて遮光するようにしてもよく、あるいは、上記特
公平2−32615号記載のように、一方の収納室に写
真フイルムの大部分が収納された状態のカートリッジあ
るいはパトローネを装填するとともに、他方の収納室に
写真フイルムの先端部を接続したカートリッジあるいは
パトローネとは別のスプールを装填し、裏蓋を閉じて遮
光した後、当該別のスプールをレンズ付きフイルムユニ
ット外部から回転して当該スプールに巻き取るようにし
てもよい。
【0141】レンズ付きフイルムユニットは、実公平4
−1546号、同7−20667号記載のように、撮影
毎に写真フイルムを巻き上げる動作でフイルムのパーフ
ォレーションに係合している従動スプロケットの駆動に
より、シャッタ羽根を蹴飛ばすシャッタ機構をチャージ
するとともにそれ以上の巻き上げを不能とするセルフコ
ッキング機構が有利に用いられる。チャージされたシャ
ッタ機構は、シャッタ釦の押圧操作によってチャージ位
置から開放され、シャッタ羽根を蹴飛ばして写真撮影の
ための露光が行われるとともに、再度の巻き上げを可能
とする。更に、レンズ付きフイルムユニットには、実公
平2−34688号、同6−41227号、特開平7−
122389号及び特公平6−12371号に記載のよ
うに、外部にストロボ充電のためのスイッチが設けられ
たストロボ基板を内蔵してもよく、この場合上記のシャ
ッタ羽根による撮影露光動作に連動してシンクロスイッ
チをオンすることによって撮影動作に連動してストロボ
発光を行うように構成すればよい。一方、レンズ付きフ
イルムユニットには、実公平4−1546号明細書記載
のように、撮影枚数あるいは残数を表示するカウンタが
設けられており、更にこのカウンタには最終駒撮影後の
巻き上げに対して、上記シャッタチャージ及び1駒毎の
巻き止めを解除する機構が設けられており、これにより
その後の巻き上げ操作により写真フイルムを最終巻き上
げ位置まで連続して巻き上げることができる。
【0142】次に処理部材(熱現像処理シート)につい
て説明する。本発明に用いる処理部材の処理材層には、
少なくとも塩基及び/または塩基プレカーサーを含む。
塩基としては、無機あるいは有機塩基を用いることがで
きる。無機の塩基としては、特開昭62−209448
号記載のアルカリ金属またはアルカリ土類金属の水酸化
物、リン酸塩、炭酸塩、ホウ酸塩、有機酸塩、特開昭6
3−25208号記載のアルカリ金属またはアルカリ土
類金属のアセチリド等が挙げられる。
【0143】また有機の塩基としては、アンモニア、脂
肪族あるいは芳香族アミン類(例えば、1級アミン類、
2級アミン類、3級アミン類、ポリアミン類、ヒドロキ
シルアミン類、複素環状アミン類)、アミジン類、ビス
あるいはトリスあるいはテトラアミジン、グアニジン
類、水不溶性のモノ、ビス、トリスあるいはテトラグア
ニジン類、4級アンモニウムの水酸化物類などが挙げら
れる。
【0144】塩基プレカーサーとしては、脱炭酸型、分
解型、反応型および錯塩形成型などを用いることができ
る。本発明においては、欧州特許公開210,660
号、米国特許第4,740,445号に記載されている
ように、塩基プレカーサーとして水に難溶な塩基性金属
化合物およびこの塩基性金属化合物を構成する金属イオ
ンと水を媒体として錯形成反応しうる化合物(錯形成化
合物という)の組み合わせで塩基を発生させる方法を採
用するのが効果的である。この場合、水に難溶な塩基性
金属化合物は感光部材に、錯形成化合物は処理部材に添
加するのが望ましいが、この逆も可能である。
【0145】塩基または塩基プレカーサーの使用量は、
0.1〜20g/m2 好ましくは1〜10g/m2 である。
処理層のバインダーは、感光部材同様の親水性ポリマー
を用いることができる。 処理部材は感光部材同様に硬
膜剤で硬膜されていることが好ましい。硬膜剤は感光部
材と同様のものを用いることができる。
【0146】処理部材には前に述べたような、感光部材
の黄色フィルター層やアンチハレーション層に用いる染
料を転写除去する等の目的で媒染剤を含ませることがで
きる。媒染剤としては、ポリマー媒染剤が好ましい。そ
の例としては2級および3級アミノ基を含むポリマー、
含窒素複素環部分を持つポリマー、これらの4級カチオ
ン基を含むポリマー等で分子量が5000〜20000
0、特に10000〜50000のものである。具体的
には、米国特許2,548,564号、同2,484,
430号、同3,148,061号、同3,756,8
14号、同3,625,694号、同3,859,09
6号、同4,128,538号、同3,958,995
号、同2,721,852号、同2,798,063
号、同4,168,976号、同3,709,690
号、同3,788,855号、同3,642,482
号、同3,488,706号、同3,557,066
号、同3,271,147号、同3,271,148
号、同2,675,316号、同2,882,156
号、英国特許1277453号、特開昭54−1152
28号、同54−145529号、同54−12602
7号、同50−71332、同53−30328号、同
52−155528号、同53−125号、同53−1
024号等に記載されている。媒染剤の添加量は、0.1g
/m2 〜10g/m2、好ましくは0.5g/m2 〜5g/m2 である。
【0147】本発明においては、処理部材に現像停止剤
あるいは現像停止剤のプレカーサーを含ませておき、現
像と同時あるいはタイミングを遅らせて現像停止剤を働
かせてもよい。ここでいう現像停止剤とは、適正現像
後、速やかに塩基を中和または塩基と反応して膜中の塩
基濃度を下げ現像を停止する化合物、または銀あるいは
銀塩と相互作用して現像を抑制する化合物である。具体
的には加熱により酸を放出する酸プレカーサー、加熱に
より共存する塩基と置換反応を起こす親電子化合物、ま
たは含窒素ヘテロ環化合物、メルカプト化合物およびそ
の前駆体が挙げられる。詳しくは、特開昭62−190
529号の(31)〜(32)頁に記載されている。
【0148】処理部材には、感光部材と同様に保護層、
下塗り層、バック層、その他の種々の補助層があっても
よい。処理部材は連続ウェブ上に処理層が設けられてい
ることが好ましい。ここでいう連続ウェブとは、処理部
材の長さが、処理時対応する感光部材の長辺より長さが
十分に長く、処理に使用するときにその一部を裁断する
ことなく使用し、複数の感光部材を処理できる長さを有
する形態をいう。一般には、その処理部材の長さが、巾
の5倍以上10000倍以下のことをいう。処理部材の
巾は任意であるが、対応する感光部材の巾以上であるこ
とが好ましい。
【0149】また、複数の感光部材を並行し、すなわち
感光部材を複数並べて処理するような形態も好ましい。
この場合処理部材の巾は、感光部材の巾×同時処理数以
上であることが好ましい。このような連続ウェブ処理は
処理部材が送り出しロールから供給され巻き取りロール
に巻き取られて廃棄されることが好ましい。特にサイズ
が大きい感光部材の場合、廃棄が容易である。以上のよ
うに、連続ウェブの処理部材は従来のシート部材に比
べ、取り扱い性が著しく向上する。
【0150】本発明の処理部材に用いられる支持体の厚
みは任意であるが、薄いほうが好ましく、特に好ましく
は4μm以上120μm以下である。支持体厚みが40
μm以下の処理部材を利用することがとりわけ好まし
く、この場合、単位体積あたりの処理部材の量が多くな
るので、上記の処理部材用ロールをコンパクトにでき
る。支持体の素材についても特に限定はなく、処理温度
に耐えることのできるものが用いられる。一般的には、
日本写真学会編「写真工学の基礎−銀塩写真編−」、
(株)コロナ社刊(昭和54年)(223〜240頁)
記載の紙、合成高分子(フイルム)等の写真用支持体が
挙げられる。
【0151】支持体用の素材は単独で使用することもで
きるし、ポリエチレン等の合成高分子で片面あるいは両
面をコートあるいはラミネートされた支持体として用い
ることもできる。このほか、特開昭62−253,15
9号(29)〜(31)頁、特開平1−161,236
号(14)〜(17)頁、特開昭63−316,848
号、特開平2−22,651号、同3−56,955
号、米国特許第5,001,033号等に記載の支持体
を用いることができる。また主としてシンジオタクチッ
ク構造を有するスチレン系重合体である支持体も好まし
く用いることができる。
【0152】これらの支持体の表面に親水性バインダー
とアルミナゾルや酸化錫の様な半導性金属酸化物、カー
ボンブラックその他の帯電防止剤を塗布してもよい。ア
ルミニウムを蒸着した支持体も好ましく用いることがで
きる。
【0153】本発明においては、カメラ等で撮影した感
光部材を熱現像する方法として、感光部材及び処理部材
双方のバック層を除く全塗布膜を最大膨潤させるに要す
る量の0.1から1倍に相当する水の存在下で、感光部
材と処理部材を感光層と処理層が向かい合う形で重ね合
わせ、60℃から100℃の温度で5秒から60秒間加
熱する。ここで言う水とは一般に用いられる水であれば
何を用いても良い。具体的には蒸留水、イオン交換水、
水道水、井戸水、ミネラルウォーター等を用いることが
できる。これらの水には水垢発生防止、腐敗防止などの
目的で防腐剤を少量添加したり、活性炭フィルターやイ
オン交換樹脂フィルターなどにより、水を循環濾過する
方法も好ましく用いられる。
【0154】本発明では感光部材及び/または処理部材
が水で膨潤した状態で貼り合わされ、加熱される。この
膨潤時の膜の状態は不安定であり、水の量を上記の範囲
に限定することが、局所的な発色ムラを防ぐのに重要で
ある。最大膨潤に要する水の量は、用いる水の中に測定
するべき塗布膜をもつ感光部材または処理部材を浸漬さ
せ、十分膨潤したところで膜厚を測定し、最大膨潤量を
計算してから塗布膜の重量を減じれば求めることができ
る。また、膨潤度の測定法の例はホトグラフィック・サ
イエンス・エンジニアリング、16巻、449ページ
(1972年)にも記載がある。
【0155】水の付与方法としては、感光部材または処
理部材を水に浸漬し、スクウィーズローラーで余分な水
を除去する方法がある。ただし、一定量の水を塗りきり
で感光部材または処理部材に付与する方が好ましい。ま
た、水を噴射する複数のノズル孔が一定の間隔で感光部
材または処理部材の搬送方向と交差する方向に沿って直
線状に並べられたノズルと前記ノズルを搬送経路上の感
光部材または処理部材に向かって変位させるアクチュエ
ータとを有する水塗布装置により水を噴射する方法が特
に好ましい。また、スポンジ等により水塗布する方法も
装置が簡易であり、好ましく用いられる。付与する水の
温度は、30℃〜60℃が好ましい。感光部材と処理部
材を重ね合わせる方法の例としては特開昭62−25
3,159号、特開昭61−147,244号記載の方
法がある。
【0156】現像工程における加熱方法としては、加熱
されたブロックやプレートに接触させたり、熱板、ホッ
トプレッサー、熱ローラー、熱ドラム、ハロゲンランプ
ヒーター、赤外および遠赤外ランプヒーターなどに接触
させたり高温の雰囲気中を通過させる方法などがある。
本発明の処理には種々の熱現像装置のいずれもが使用で
きる。例えば、特開昭59−75,247号、同59−
177,547号、同59−181,353号、同60
−18,951号、実開昭62−25,944号、特願
平4−277,517号、同4−243,072号、同
4−244,693号、同6−164,421号、同6
−164,422号等に記載されている装置などが好ま
しく用いられる。また市販の装置としては富士写真フイ
ルム(株)製ピクトロスタット100、同ピクトロスタ
ット200、同ピクトロスタット300、同ピクトロス
タット330、同ピクトロスタット50、同ピクトログ
ラフィー3000、同ピクトログラフィー2000など
が使用できる。
【0157】本発明に用いる感光部材および/または処
理部材は加熱現像のための加熱手段としての導電性の発
熱体層を有する形態であっても良い。この発明の発熱要
素には、特開昭61−145,544号等に記載のもの
を利用できる。
【0158】本発明の画像形成方法では、すべての処理
工程の後に、水洗工程を持つことができる。水洗液に処
理後の感光部材を浸漬しスクウィーズローラーで余分な
水を除去する方法がある。ただし、一定量の水を塗りき
りで感光部材または処理部材に付与しスクウィーズロー
ラーあるいはビートローラーで余分な水を除去する方法
が好ましい。また、水を噴射する複数のノズル孔が一定
の間隔で感光部材または処理部材の搬送方向と交差する
方向に沿って直線状に並べられたノズルと前記ノズルを
搬送経路上の感光部材または処理部材に向かって変位さ
せるアクチュエータとを有する水塗布装置により水を噴
射しスクウィーズローラー等で余分な水を除去する方法
が特に好ましい。温度は、室温から60℃、処理時間は
5秒から60秒で行うことができる。水洗工程での水洗
水量は、水洗水温、水洗水の補充方式、水洗水の付与方
式など種々の条件によって任意に設定できるが、処理後
の感光部材の最大膨潤体積の0.5 倍から1000倍が
好ましく、2倍から10倍が水洗水の廃水処理の観点か
ら好ましい。水洗水には水であれば何を用いても良い。
具体的には蒸留水、イオン交換水、水道水、井戸水、ミ
ネラルウォーター等を用いることができる。これらの水
には水垢発生防止、腐敗防止などの目的で防腐剤や界面
活性剤を少量添加したり、活性炭フィルターやイオン交
換樹脂フィルターなどにより、水を循環濾過する方法も
好ましく用いられる。発色色素のpKaによっては、水
洗工程の水洗水のpHを調節しておくこともできる。こ
の場合に、水洗水に添加できる塩基類は、感光部材の熱
現像処理に用いる処理部材に添加できるものを用いるこ
とができる。発色色素の解離を促進するためには、有機
の塩基を用いることが好ましい。
【0159】本発明では、感光部材上に画像を得た後、
その情報に基づいて別の記録材料上にカラー画像を得
る。その方法としては、カラーペーパーのような感光部
材を用い、通常の投影露光によってもよいが、透過光の
濃度測定によって画像情報を光電的に読み取り、デジタ
ル信号に変換し、画像処理後その信号によって別の記録
材料に出力することが好ましい。出力する材料は、ハロ
ゲン化銀を用いた感光材料以外に、昇華型感熱記録材
料、フルカラー直接感熱記録材料、インクジェット材
料、電子写真材料等でもよい。
【0160】
【実施例】以下、実施例によって本発明の効果を詳しく
説明する。 製造例1 <感光性ハロゲン化銀乳剤の調製>青色感光性ハロゲン
化銀乳剤(1)の調製法を以下に示す。平均分子量12
000のゼラチン0.96gおよび臭化カリウム0.9
gを含む蒸留水1191mlを反応容器中に入れ、40
℃に昇温した。この溶液に強く攪拌しながら硝酸ナトリ
ウム銀0.5gを含む水溶液(A)10.5mlと臭化
カリウム0.35gを含む水溶液(B)10mlとを1
50秒間で添加した。添加終了30秒後に臭化カリウム
10%水溶液を12mlを添加し、30秒後に、反応溶
液の温度を75℃に上昇させた。石灰処理ゼラチン3
5.0gを蒸留水250mlと共に加えた後、硝酸銀1
0.0gを含む水溶液(C)39mlと臭化カリウム
6.7gを含む水溶液(D)30mlとを添加流量を加
速しながら3分15秒間にわたって添加した。次いで硝
酸銀96.7gを含む水溶液(E)302mlと沃化カ
リウムを臭化カリウムとのモル比7:9 3で含む水溶液
(F)(臭化カリウムの濃度26%)とを添加流量を加
速しながら、かつ反応液の銀電位が飽和カロメル電極に
対して−20mVとなるように20分間で添加した。さ
らに硝酸銀24.1gを含む水溶液(G)97mlと臭
化カリウムの21.9%水溶液(H)とを3分間にわた
って、かつ反応液の銀電位が飽和カロメル電極に対して
25mVとなるように添加した。添加終了後1分間75
℃に保った後、反応液の温度を55℃に下降させた。次
いで、1規定の水酸化ナトリウム15mlを添加した。
その2分後、硝酸銀5gを含む水溶液(I)100ml
と沃化カリウム4.7gを含む水溶液(J)200.5
mlとを5分間にわたって添加した。添加終了後臭化カ
リウム7.11gを加え、55℃で1分間保った後、さ
らに硝酸銀62gを含む水溶液(K)248mlと臭化
カリウム48.1gを含む水溶液(L)231mlとを
8分間にわたって添加した。その30秒後に、エチルチ
オスルホン酸ナトリウム0.03gを含む水溶液を添加
した。温度を下げ、花王製デモールを用いて、乳剤粒子
を凝集沈降せしめて脱塩を行った。分散は、ベンゼンチ
オスルホン酸ナトリウムと、フェノキシエタノールと水
溶性ポリマー(10)と石灰処理ゼラチンを添加して行
った。
【0161】化学増感は、60℃にて行った。増感色素
(12)をゼラチン分散物として、化学増感前に添加し
た後に、チオシアン酸カリウムと塩化金酸の混合液を添
加し、次いで、チオ硫酸ナトリウム、セレン増感剤を添
加し、化学増感の停止は、メルカプト化合物で行った、
増感色素、化学増感剤、メルカプト化合物の量は、感
度、カブリで最適化した。得られた乳剤中の粒子は、平
板粒子が全粒子の全投影面積の99%を超える割合を占
め、平均球相当直径は1.07μmで、平均厚み0.3
8μm、平均等価円直径1.47μm、平均アスペクト
比3.9であった。
【0162】
【化18】
【0163】
【化19】
【0164】青色感光性ハロゲン化銀乳剤(2)の調製
法を以下に示す。平均分子量12000のゼラチン0.
96gおよび臭化カリウム0.9gを含む蒸留水119
1mlを反応容器中に入れ、40℃に昇温した。この溶
液に強く攪拌しながら硝酸銀1.5gを含む水溶液
(A)37.5mlと臭化カリウム1.051 gを含む
水溶液(B)37.5mlとを90秒間で添加した。添
加終了30秒後に臭化カリウム10%水溶液を12ml
を添加し、30秒後に、反応溶液の温度を75℃に上昇
させた。石灰処理ゼラチン35.0gを蒸留水250m
lと共に加えた後、硝酸銀29.0gを含む水溶液
(C)116mlと臭化カリウム20gを含む水溶液
(D)91mlとを添加流量を加速しながら11分35
秒間にわたって添加した。次いで硝酸銀96.7gを含
む水溶液(E)302mlと沃化カリウムを臭化カリウ
ムとのモル比3.3:96.7で含む水溶液(F)(臭
化カリウムの濃度26%)とを添加流量を加速しなが
ら、かつ反応液の銀電位が飽和カロメル電極に対して2
mVとなるように20分間で添加した。さらに硝酸銀2
4.1gを含む水溶液(G)97mlと臭化カリウムの
21.9%水溶液(H)とを3分間にわたって、かつ反
応液の銀電位が飽和カロメル電極に対して0mVとなる
ように添加した。添加終了後1分間75℃に保った後、
反応液の温度を55℃に下降させた。次いで、1規定の
水酸化ナトリウム15mlを添加した。その2分後、硝
酸銀10.4gを含む水溶液(I)153mlと沃化カ
リウム9.35gを含む水溶液(J)414.5mlと
を5分間にわたって添加した。添加終了後臭化カリウム
7.11gを加え、55℃で1分間保った後、さらに硝
酸銀57.1gを含む水溶液(K)228mlと臭化カ
リウム43.9gを含む水溶液(L)201mlとを8
分間にわたって添加した。その30秒後に、エチルチオ
スルホン酸ナトリウム0.04gを含む水溶液を添加し
た。温度を下げ、青色感光性ハロゲン化銀乳剤(1)と
同様にして、脱塩分散を行った。化学増感は、青色感光
性ハロゲン化銀乳剤(1)とセレン増感剤を添加しない
以外は、同様に行った。増感色素、化学増感停止のメル
カプト化合物は、乳剤粒子の表面積に概ね比例した。得
られた乳剤中の粒子は、平板粒子が全粒子の全投影面積
の99%を超える割合を占め、平均球相当直径は0.6
6μmで、平均厚み0.17μm、平均等価円直径1.
05μm、平均アスペクト比6.3であった。
【0165】青色感光性ハロゲン化銀乳剤(3)の調製
法を以下に示す。石灰処理ゼラチン17.8g、臭化カ
リウム6.2gとヨウ化カリウム0.46gを含む蒸留
水1345mlを反応容器中に入れ、45℃に昇温し
た。この溶液に強く攪拌しながら硝酸銀11.8gを含
む水溶液70ml(A)と臭化カリウム3.8gを含む
水溶液70ml(B)とを45秒間で添加した。4分間
45℃に保った後、反応溶液の温度を63℃に上昇させ
た。石灰処理ゼラチン24gを蒸留水185mlと共に
加えた後、硝酸銀73gを含む水溶液208ml(C)
と臭化カリウムの24.8%水溶液(D)とを添加流量
を加速しながら、かつ反応液の銀電位が飽和カロメル電
極に対して0mVとなるように13分間にわたって添加
した。添加終了後2分間63℃に保った後、反応液の温
度を45℃に下降させた。次いで、1規定の水酸化ナト
リウム15mlを添加した。その2分後、硝酸銀8.4
gを含む水溶液60ml(E)と沃化カリウム8.3g
を含む水溶液461ml(F)とを5分間にわたって添
加した。さらに硝酸銀148.8gを含む水溶液496
ml(G)と臭化カリウムの25%水溶液(H)とを反
応液の銀電位が飽和カロメル電極に対して90mVとな
るように47分間にわたって添加した。添加終了30秒
後に臭化カリウム2gおよびエチルチオスルホン酸ナト
リウム0.06gを含む水溶液を添加した。温度を下
げ、青色感光性ハロゲン化銀乳剤(2)と同様にして、
脱塩および分散、化学増感を行った。得られた乳剤中の
粒子は、球相当の直径で表した平均粒子サイズ0.44
μm、平均厚み0.2μm、平均等価円直径0.53μ
m、平均アスペクト比2.6の六角平板粒子であった。
【0166】緑色感光性ハロゲン化銀乳剤(4)の調製
法を以下に示す。平均分子量12000のゼラチン0.
96gおよび臭化カリウム0.9gを含む蒸留水119
1mlを反応容器中に入れ、40℃に昇温した。この溶
液に強く攪拌しながら硝酸銀0.7gを含む水溶液
(A)17.5mlと臭化カリウム1.051gを含む
水溶液(B)17.5mlとを120秒間で添加した。
添加終了30秒後に臭化カリウム10%水溶液を12m
lを添加し、30秒後に、反応溶液の温度を75℃に上
昇させた。石灰処理ゼラチン35.0gを蒸留水250
mlと共に加えた後、硝酸銀19.0gを含む水溶液
(C)56mlと臭化カリウム10gを含む水溶液
(D)461mlとを添加流量を加速しながら7分35
秒間にわたって添加した。次いで硝酸銀96.7gを含
む水溶液(E)302mlと沃化カリウムを臭化カリウ
ムとのモル比3.3:96.7で含む水溶液(F)(臭
化カリウムの濃度26%)とを添加流量を加速しなが
ら、かつ反応液の銀電位が飽和カロメル電極に対して0
mVとなるように20分間で添加した。さらに硝酸銀2
4.1gを含む水溶液(G)97mlと臭化カリウムの
21.9%水溶液(H)とを3分間にわたって、かつ反
応液の銀電位が飽和カロメル電極に対して0mVとなる
ように添加した。添加終了後1分間75℃に保った後、
反応液の温度を55℃に下降させた。次いで、硝酸銀
8.3gを含む水溶液(I)122mlと沃化カリウム
7.48gを含む水溶液(J)332mlとを5分間に
わたって添加した。添加終了後臭化カリウム7.11g
を加え、55℃で1分間保った後、さらに硝酸銀62.
8gを含む水溶液(K)228mlと臭化カリウム4
8.3gを含む水溶液(L)201mlとを8分間にわ
たって添加した。温度を下げ、青色感光性ハロゲン化銀
乳剤(1)と同様にして脱塩及び分散を行った。化学増
感も、増感色素(12)の代わりに増感色素(13)、
(14)、(15)の混合物のゼラチン分散物を添加し
た以外は、青色感光性ハロゲン化銀乳剤(1)と同様に
して行った。なお、増感色素(13)、(14)、(1
5)の混合割合は12:2:1(モル比)である。得ら
れた乳剤中の粒子は、平板粒子が全粒子の全投影面積の
99%を超える割合を占め、平均球相当直径は0.85
μmで、平均厚み0.26μm、平均等価円直径1.2
5μm、平均アスペクト比4.8であった。
【0167】
【化20】
【0168】緑色感光性ハロゲン化銀乳剤(5)の調製
法を以下に示す。粒子形成中の水酸化ナトリウムとエチ
ルチオスルホン酸ナトリウムを添加しない以外は、青色
感光性ハロゲン化銀乳剤と同様にして、粒子形成、脱塩
および分散を行い、化学増感は、緑色感光性ハロゲン化
銀乳剤(4)と同様にして、乳剤を調製した。得られた
乳剤中の粒子は、平板粒子が全粒子の全投影面積の99
%を超える割合を占め、平均球相当直径は0.66μm
で、平均厚み0.17μm、平均等価円直径1.05μ
m、平均アスペクト比6.3であった。
【0169】緑色感光性ハロゲン化銀乳剤(6)の調製
法を以下に示す。粒子形成中の水酸化ナトリウムを添加
しないで、エチルチオスルホン酸ナトリウムを4mgに
変更する以外は、青色感光性ハロゲン化銀乳剤(3)と
同様にして、粒子形成、脱塩および分散を行い、化学増
感に於てセレン増感剤を添加しない以外は、緑色感光性
ハロゲン化銀乳剤(4)と同様にして乳剤を調製した。
得られた乳剤中の粒子は、球相当の直径で表した平均粒
子サイズ0.44μm、平均厚み0.2μm、平均等価
円直径0.53μm、平均アスペクト比2.6の六角平
板粒子であった。
【0170】赤色感光性ハロゲン化銀乳剤(7)の調製
法を以下に示す。化学増感時の増感色素を、増感色素
(16)のゼラチン分散物と、増感色素(17)、(1
8)の混合物のゼラチン分散物にして添加した以外は、
緑色感光性ハロゲン化銀乳剤(4)と同様にして乳剤を
調製した。なお、増感色素(16)、(17)、(1
8)の混合割合は、40:2:58(モル比)である。
得られられた粒子は平板粒子が全粒子の全投影面積の9
9%を超える割合を占め、平均球相当直径は0.85μ
mで、平均厚み0.26μm、平均等価円直径1.25
μm、平均アスペクト比4.8であった。
【0171】
【化21】
【0172】赤色感光性ハロゲン化銀乳剤(8)の調製
法を以下に示す。化学増感時の増感色素を、増感色素
(16)のゼラチン分散物と、増感色素(17)、(1
8)の混合物のゼラチン分散物にして添加した以外は、
緑色感光性ハロゲン化銀乳剤(5)と同様にして乳剤を
調製した。なお、増感色素(16)、(17)、(1
8)の混合割合は、40:2:58(モル比)である。
得られた乳剤中の粒子は、平板粒子が全粒子の全投影面
積の99%を超える割合を占め、平均球相当直径は0.
66μmで、平均厚み0.17μm、平均等価円直径
1.05μm、平均アスペクト比6.3であった。
【0173】赤色感光性ハロゲン化銀乳剤(9)の調製
法を以下に示す。化学増感時の増感色素を増感色素(1
6)のゼラチン分散物、増感色素(17)、(18)の
混合物のゼラチン分散物にして、添加した以外は、緑色
感光性ハロゲン化銀乳剤(6)と同様にして乳剤を調製
した。得られた乳剤中の粒子は、球相当の直径で表した
平均粒子サイズ0.44μm、平均厚み0.2μm、平
均等価円直径0.53μm、平均アスペクト比2.6の
六角平板粒子であった。
【0174】<水酸化亜鉛分散物の調製>一次粒子の粒
子サイズが0.2μmの水酸化亜鉛の粉末31g、分散
剤としてカルボキシメチルセルロース1.6gおよびポ
リアクリル酸ソーダ0.4g、石灰処理オセインゼラチ
ン8.5g、水158.5mlを混合し、この混合物を
ガラスビーズを用いたミルで1時間分散した。分散後、
ガラスビーズを濾別し、水酸化亜鉛の分散物188gを
得た。
【0175】<発色現像主薬及びカプラーの乳化分散物
の調製>下記表1に示す組成の油相成分、水相成分をそ
れぞれ溶解し、60℃の均一な溶液とする。油相成分と
水相成分を合わせ、1リットルのステンレス容器中で、
直径5cmのディスパーサーのついたディゾルバーによ
り、10000 rpmで20分間分散した。これに、後加
水として、表1に示す量の温水を加え、2000 rpmで
10分間混合した。このようにして、シアン、マゼン
タ、イエロー3色のカプラーの乳化分散物を調製した。
【0176】
【表1】
【0177】
【化22】
【0178】
【化23】
【0179】<イエローフィルター及びアンチハレーシ
ョン層用染料組成物の調製>染料組成物は以下のように
乳化分散物として調製し添加した。ロイコ染料と顕色剤
および必要に応じて高沸点有機溶媒を秤量し、酢酸エチ
ルを加え、約60℃に加熱溶解させ均一な溶液とし、こ
の溶液100ccに対し、界面活性剤(7)を1.0g、
約60℃に加熱した石灰処理ゼラチンの6.6%水溶液
190ccを加え、ホモジナイザーで10分間10000
rpmで分散し、下記表2に示す2種類の染料分散物を作
製した。
【0180】
【表2】
【0181】
【化24】
【0182】<支持体の作製>ついで以下に示す方法に
て本発明に用いる支持体を作製した。ポリエチレン−
2,6―ナフタレート(PEN)ポリマー100重量単
位と紫外線吸収剤としてTinuvin P.326(チバ.ガ
イギー社製)2重量部とを乾燥した後、300℃にて溶
融後、T型ダイから押し出し、140℃で3.3倍の縦
延伸を行い、続いて130℃で3.3倍の横延伸を行
い、更に250℃で6秒間熱固定して厚さ92μmのP
ENフィルムを得た。なおこのPENフィルムにはブル
ー染料、マゼンタ染料、イエロー染料(公開技報:公技
番号94−6023号記載のI―1、I―4、I―6、
I―24、I―26、I―27、II―5)をイエロー濃
度0.01、マゼンタ濃度0.08、シアン濃度0.0
9になるよう添加した。更に、直径20cmのステンレ
ス巻き芯に巻き付けて、113℃、30時間の熱履歴を
与え、巻きぐせのつきにくい支持体とした。
【0183】<下塗り層の塗設>上記支持体は、その両
面にコロナ放電処理、UV照射処理、さらにグロー放電
処理をした後、感光性層を塗布する面にゼラチン(0.
1g/m2 )、ソジウムα−スルホジ−2−エチルヘキ
シルサクシネート(0.01g/m2 )、サルチル酸
(0.025g/m2 )、PQ−1(0.005g/m
2 )、PQ−2(0.006g/m2 )からなる下塗液
を塗布して(10cc/m2 、バーコーター使用)、下
塗層を設けた。乾燥は115℃、6分実施した(乾燥ゾ
ーンのローラーや搬送装置はすべて115℃とした)。
【0184】<バック層の塗設> 1)帯電防止層の塗設 平均粒径0.005μmの酸化スズ−酸化アンチモン複
合物の比抵抗が5Ω・cmの微粒子粉末の分散物(2次
凝集粒子径約0.08μm;0.027g/m2 )、ゼ
ラチン(0.03g/m2 )、(CH2 =CHSO2
2 CH2 NHCO)2 CH2 (0.02g/m2 )、
ポリ(重合度10)オキシエチレン−p−ノニルフェノ
ール(0.005g/m2 )、PQ−3(0.008g
/m2 )及びレゾルシンを塗布した。
【0185】2)磁気記録層の塗設 3−ポリ(重合度15)オキシエチレン−プロピルオキ
シトリメトキシシラン(15重量%) で被覆処理された
コバルト−γ−酸化鉄(比表面積43m2/g、長軸0.1
4μm、短軸0.03μm、飽和磁化89emu/g、
Fe+2/Fe +3=6/94、表面は酸化アルミ酸化珪素で酸
化鉄の2重量%で処理されている)0.06g/m2をジ
アセチルセルロース1.15g/m2(酸化鉄の分散はオ
ープンニーダーとサンドミルで実施した)、硬化剤とし
てPQ−4(0.075g/m2)、PQ−5(0.00
4g/m2) を、溶媒としてアセトン、メチルエチルケト
ン、シクロヘキサノン、ジブチルフタレートを用いてバ
ーコーターで塗布し、膜厚1.2 μmの磁気記録層を得
た。滑り剤としてC6H13CH(OH)C10H20COOC40H81(50g
/m2)、マット剤としてシリカ粒子(平均粒径1.0μ
m)と研磨剤の酸化アルミ(レイノルズメタルReynolds
Metal 社製ERC−DBM;平均粒径0.44μm)
をそれぞれ5mg/m2及び15mg/m2となるように添
加した。乾燥は115℃、6分実施した(乾燥ゾーンの
ローラーや搬送装置はすべて115℃)。X−ライト
(ブルーフィルター)での磁気記録層のDB の色濃度増
加分は約0.1、また磁気記録層の飽和磁化モーメント
は4.2emu/g、保磁力7.3×104 A/m、角形
比は65%であった。
【0186】3)滑り層の塗設 ヒドロキシエチルセルロース(25mg/m2) 、PQ−
6(7.5mg/m2)、PQ−7(1.5mg/m2)、
ポリジメチルシロキサン(1.5mg/m2)を塗布し
た。なお、この混合物は、キシレン/プロピレングリコ
ールモノメチルエーテル(1/1)中で105℃で溶融
し、常温のプロピレンモノメチルエーテル(10倍量)
に注加分散して作製した後、アセトン中で分散物(平均
粒径0.01μm)にしてから添加した。乾燥は115
℃、6分行った(乾燥ゾーンのローラーや搬送装置はす
べて115℃)。滑り層は、動摩擦係数0.10(5m
mφのステンレス硬球、荷重100g、スピード6cm
/分)、静摩擦係数0.09(クリップ法)、また前述
の乳剤面と滑り層の動摩擦係数も0.18と優れた特性
であった。
【0187】
【化25】
【0188】以上の素材および支持体を用い、下記表3
に示す多層構成の感光部材101を作製した。
【0189】
【表3】
【0190】
【表4】
【0191】
【表5】
【0192】更に下記表4および表5に示す内容の処理
部材R―1を作製した。
【0193】
【表6】
【0194】
【表7】
【0195】
【化26】
【0196】作製した感光部材101をAPSフォーマ
ットに裁断、穿孔氏、APSカメラに装填して人物とマ
クベスチャートを撮影した。この撮影済み感光部材10
1に40℃の水を15cc/m2 (最大膨潤の45%に相
当)付与後、処理部材R―1と重ね、83℃のヒートド
ラムで感光部材のバック面から20秒間加熱した。処理
部材R―1を感光部材101から引き剥し、感光部材を
乾燥して、感光部材上に得られたネガ画像をデジタル画
像読みとり装置フロンティアSP−1000(富士写真
フイルム(株)製)で読みとり、ワークステーション上
で画像処理後、熱現像プリンター(PICTROGRAPHY4000、
富士写真フイルム(株)製)で出力したところ、粒状、
シャープネスともコンベンショナル写真同等の良好なプ
リントが得られた。
【0197】実施例1 (色素形成反応抑止処理シートの作製)表6に示す色素
形成反応抑止処理シートS−1を作製した。さらに色素
形成反応抑止処理シートS−1の色素形成反応抑止剤
3g/m2 を色素形成反応抑止剤4.5g/m2 に変
更した以外は同じ構成の色素形成反応抑止処理シートS
−2を作製した。
【0198】
【表8】
【0199】
【化27】
【0200】製造例1で作製した感光部材101をAP
Sフォーマットに裁断、穿孔し、APSカメラに装填し
て人物とマクベスチャートを撮影した。この撮影済み感
光部材に40℃の水を15cc/m2 (最大膨潤の45%に
相当)付与後、処理部材R―1と重ね、83℃のヒート
ドラムで感光部材のバック面から20秒間加熱した。処
理部材R―1を感光部材101から引き剥がすと感光部
材上にネガ画像が得られた。この熱現像処理済みの感光
部材を、改めて40℃の水を15cc/m2 (最大膨潤の4
5%に相当)付与後、色素形成反応抑止処理シートS−
1と重ね、83℃のヒートドラムで感光部材のバック面
から30秒間加熱した。色素形成反応抑止処理シートS
−1を感光部材101から引き剥がすと感光部材上のネ
ガ画像は、処理シートS−1で処理する前と変化してい
なかった。色素形成反応抑止処理シートS−1で処理し
て得られた処理済みのネガ感材を感光部材101B1、
同じくS−2で処理したものを感光部材101B2と
し、製造例1で得られた処理済みのネガ感材を感光部材
101Aとする。感光部材101A、感光部材101B
1および感光部材101B2を室温60℃、相対湿度7
0%の条件で1週間保存した後、感光部材上に形成され
たマクベスチャート画像上において、グレーステップ部
分の最低濃度部のグレー濃度を測定した。結果を表7に
示す。
【0201】
【表9】
【0202】表7からわかるように、感光部材101A
では、最低濃度部の濃度が著しく上昇していたが、感光
部材101B1および感光部材101B2では、最低濃
度部の濃度の増加はわずかであった。上記条件で1週間
保管した感光部材上の画像をデジタル画像読みとり装置
フロンティアSP−1000(富士写真フイルム(株)
製)で読みとり、ワークステーション上で画像処理後、
熱現像プリンター(PICTROGRAPHY4000、富士写真フイル
ム(株)製)で出力したところ、感光部材101Aは、
処理直後に読み取った画像より粒状、彩度が劣化してい
たが、感光部材101B1および感光部材101B2は
粒状、彩度にともに劣化が少なく、粒状、シャープネス
ともコンベンショナル写真同等の良好なプリントが得ら
れた。
【0203】実施例2 製造例1で作製した感光部材101をAPSフォーマッ
トに裁断、穿孔し、APSカメラに装填して人物とマク
ベスチャートを撮影した。この撮影済み感光部材に40
℃の水を15cc/m2 (最大膨潤の45%に相当)付与
後、処理部材R―1と重ね、83℃のヒートドラムで感
光部材のバック面から20秒間加熱した。処理部材R―
1を感光部材101から引き剥がすと感光部材上にネガ
画像が得られた。この熱現像処理済みの感光部材を、下
記の色素形成反応抑止剤処理浴(38℃)に1分間浸漬
し乾燥した。この実施例2で得られた処理済みのネガ感
材を感光部材101Cとする。
【0204】 (色素形成反応抑止剤処理浴の組成) ・p−トルエンスルホン酸ナトリウム 0.03g ・ポリオキシエチレン−p−モノノニルフェニルエーテル (平均重合度 10) 0.2 g ・エチレンジアミン4酢酸2ナトリウム塩 0.05g ・2,4−トリアゾール 1.3 g ・2―ビス(1,2,4―トリアゾール−1―イルメチル) ピペラジン 0.75g 上記組成に1.0リットルの水を加えて色素形成反応抑
止剤処理浴を調製した。このときpHは8.5であっ
た。
【0205】感光部材101Aと感光部材101Cを室
温60℃、相対湿度70%の条件で1週間保存した後、
感光部材上に形成されたマクベスチャート画像上におい
て、グレーステップ部分の最低濃度部のグレー濃度を測
定した。結果を下記表8に示す。
【0206】
【表10】
【0207】感光部材101Aでは、最低濃度部の濃度
が著しく上昇していたが、感光部材101Cでは、最低
濃度部の濃度の増加はわずかであった。上記条件で1週
間保管した感光部材上の画像をデジタル画像読みとり装
置フロンティアSP−1000(富士写真フイルム
(株)製)で読みとり、ワークステーション上で画像処
理後、熱現像プリンター(PICTROGRAPHY4000、富士写真
フイルム(株)製)で出力したところ、感光部材101
Aは、処理直後に読み取った画像より粒状、彩度が劣化
していたが、感光部材101Cは粒状、彩度にともに劣
化が少なく、粒状、シャープネスともコンベンショナル
写真同等の良好なプリントが得られた。
【0208】実施例3 (定着処理シートの作製)表9および表10に示す定着
処理シートF−1、および色素形成反応抑止剤入り定着
処理シートF−2を作製した。
【0209】
【表11】
【0210】
【表12】
【0211】
【化28】
【0212】
【化29】
【0213】製造例1で作製した感光部材101をAP
Sフォーマットに裁断、穿孔し、APSカメラに装填し
て人物とマクベスチャートを撮影した。この撮影済み感
光部材を製造例1と同様に、水付与後、処理部材R―1
と重ね20秒間加熱現像し、感光部材上にネガ画像を得
た。この熱現像処理済みの感光部材に、水を噴射する複
数のノズル孔が一定の間隔で感光部材または処理部材の
搬送方向と交差する方向に沿って直線状に並べられたノ
ズルと前記ノズルを搬送経路上の感光部材または処理部
材に向かって変位させるアクチュエータとを有する水塗
布装置により水を噴射する方法を用いて、改めて40℃
の水を10cc/m2(最大膨潤の30%に相当)付与後、
定着処理シートF−1と重ね、75℃のヒートドラムで
感光部材のバック面から30秒間加熱した。定着処理シ
ートF−1で処理して得られた処理済みのネガ感材を処
理済み101D1、同じく定着処理シートF−2で処理
したものを感光部材101D2とする。どちらの処理シ
ートで処理した場合も、感光部材101上のからハロゲ
ン化銀の濁りは低減され、感光部材101上の色素画像
は、定着処理シートF−1またはF−2で処理する前と
変化していなかった。感光部材101A、感光部材10
1D1および感光部材101D2を室温60℃、相対湿
度70%の条件で1週間保存した後、感光部材上に形成
されたマクベスチャート画像上において、グレーステッ
プ部分の最低濃度部のグレー濃度を測定した。結果を下
記表11に示す。
【0214】
【表13】
【0215】表11からわかるように、感光部材101
Aでは、最低濃度部の濃度が著しく上昇していたが、感
光部材101D1および感光部材101D2では、最低
濃度部の濃度の増加はわずかであった。上記条件で1週
間保管した感光部材上の画像をデジタル画像読みとり装
置フロンティアSP−1000(富士写真フイルム
(株)製)で読みとり、ワークステーション上で画像処
理後、熱現像プリンター(PICTROGRAPHY4000、富士写真
フイルム(株)製)で出力したところ、感光部材101
D1は、処理直後に読み取った画像より粒状、彩度が劣
化していたが、感光部材101D2は粒状、彩度にとも
に劣化が少なく、粒状、シャープネスともコンベンショ
ナル写真同等の良好なプリントが得られた。
【0216】実施例4 (漂白定着処理シートの作製)表12に示す漂白定着処
理シートを作製した。
【0217】
【表14】
【0218】
【化30】
【0219】製造例1と同様に作製した撮影後熱現像処
理済みの感光部材101に、水を噴射する複数のノズル
孔が一定の間隔で感光部材または処理部材の搬送方向と
交差する方向に沿って直線状に並べられたノズルと前記
ノズルを搬送経路上の感光部材または処理部材に向かっ
て変位させるアクチュエータとを有する水塗布装置によ
り水を噴射する方法を用いて、改めて40℃の水を10
cc/m2 (最大膨潤の30%に相当)付与した漂白定着処
理シートと重ね、75℃のヒートドラムで感光部材のバ
ック面から30秒間加熱し、漂白定着処理シートを引き
剥がすと感光部材上の現像銀と残存ハロゲン化銀が一部
分脱銀された感光部材が得られる(該処理済み感光部材
を感光部材101E1とする)。もう一枚の熱現像処理
済み感光部材101を上記漂白定着処理シートで処理
し、漂白定着処理シートを引き剥がしてすぐ、感光部材
が乾燥しないうちに、実施例1で作製した色素形成反応
抑止処理シートS−2と重ね、80℃のヒートドラムで
感光部材のバック面から15秒間加熱した。この色素形
成反応抑止処理シートS−2で処理して得られた処理済
みのネガ感材を処理済み感光部材101E2とする。感
光部材101E1および感光部材101E2を室温60
℃、相対湿度70%の条件で1週間保存した後、感光部
材上に形成されたマクベスチャート画像上において、グ
レーステップ部分の最低濃度部のグレー濃度を測定し
た。結果を下記表13に示す。
【0220】
【表15】
【0221】表13からわかるように、感光部材101
E1では、最低濃度部の濃度が著しく上昇していたが、
感光部材101E2では、最低濃度部の濃度の増加はわ
ずかであった。上記条件で1週間保管した感光部材上の
画像をデジタル画像読みとり装置フロンティアSP−1
000(富士写真フイルム(株)製)で読みとり、ワー
クステーション上で画像処理後、熱現像プリンター(PI
CTROGRAPHY4000、富士写真フイルム(株)製)で出力し
たところ、感光部材101E1は、処理直後に読み取っ
た画像より粒状、彩度が劣化していたが、感光部材10
1E2は粒状、彩度にともに劣化が少なく、粒状、シャ
ープネスともコンベンショナル写真同等の良好なプリン
トが得られた。
【0222】実施例5 製造例1と同様に作製した撮影後熱現像処理済みの感光
部材を、下記の組成からなる漂白浴と漂白定着浴、アル
カリ浴に浸漬した。処理時間および温度は下記に示すと
おりである。処理後の感光部材上には現像銀と残存ハロ
ゲン化銀が除去された感光部材が得られる(該処理済み
の感光部材を感光部材101F1とする)。感光部材1
01F1をもう1試料作製し、実施例2で作製した色素
形成反応抑止剤処理浴(38℃)に1分間浸漬し乾燥さ
せた(該処理済み感光部材を感光部材101F2とす
る)。
【0223】 (漂白定着処理時間) 漂白浴 50秒 38.0℃ 漂白定着浴 50秒 38.0℃ 水洗浴 30秒 38.0℃ アルカリ浴 20秒 38.0℃ 色素形成反応抑止剤処理浴 (101F2のみ) 1分間 38.0℃
【0224】漂白浴 (漂白液組成) ・3−ジアミノプロパン4酢酸第2鉄アンモニウム1水塩 130g ・臭化アンモニウム 70g ・硝酸アンモニウム 14g ・ヒドロキシ酢酸 25g ・酢酸 40g 上記組成に1.0リットルの水を加えpHが4.4にな
るようにアンモニア水で調整して漂白液を調製した。
【0225】漂白定着浴 ・上記漂白液と下記定着液の15/85混合物 (定着液) ・亜硫酸アンモニウム 19g ・チオ硫酸アンモニウム水溶液(700g/リットル ) 280ml ・イミダゾール 15g ・エチレンジアミン4酢酸 15g 上記組成に1.0リットルの水を加えpHが7.4にな
るようにアンモニア水で調整して漂白定着液を調製し
た。
【0226】 (アルカリ浴) ・炭酸グアニジン 50g ・エチレンジアミン4酢酸 15g 上記組成に1.0リットルの水を加えpHが10.2に
なるように1規定のNaOH水溶液で調整して漂白定着
液を調製した。
【0227】感光部材101F1および感光部材101
F2を室温60℃、相対湿度70%の条件で1週間保存
した後、感光部材上に形成されたマクベスチャート画像
上において、グレーステップ部分の最低濃度部のグレー
濃度を測定した。結果を表14に示す。
【0228】
【表16】
【0229】表14からわかるように、感光部材101
F1では、最低濃度部の濃度が著しく上昇していたが、
感光部材101F2では、最低濃度部の濃度の増加はわ
ずかであった。上記条件で1週間保管した感光部材上の
画像をデジタル画像読みとり装置フロンティアSP−1
000(富士写真フイルム(株)製)で読みとり、ワー
クステーション上で画像処理後、熱現像プリンター(PI
CTROGRAPHY4000、富士写真フイルム(株)製)で出力し
たところ、感光部材101F1は、処理直後に読み取っ
た画像より粒状、彩度が劣化していたが、感光部材10
1F2は粒状、彩度にともに劣化が少なく、粒状、シャ
ープネスともコンベンショナル写真同等の良好なプリン
トが得られた。
【0230】実施例6 実施例5と同様に作製した処理済みの感光部材101F
1と同感光部材101F2を、熱現像プリンター(PICT
ROSTAT330 、富士写真フイルム(株)製)のNSE330ユニ
ットで読み取って出力した。感光部材101F1と感光
部材101F2から、粒状、シャープネスともコンベン
ショナル写真同等のプリントが得られた。感光部材10
1F1と感光部材101F2を、室温60℃、相対湿度
70%の条件で1週間保存した後、同様のプリントを作
製した。感光部材101F1は、処理直後に読み取った
画像より粒状、彩度が劣化していたが、感光部材101
F2は粒状、彩度にともに劣化が少なく、粒状、シャー
プネスとも処理直後と同等の良好なプリントが得られ
た。
【0231】
【発明の効果】本発明によれば、簡易な熱現像処理によ
る撮影用感光部材を用い、別の材料上にカラー画像を得
る新規な画像形成方法において、処理後の感光部材の保
存性が良好である画像形成方法を提供することができ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI G03C 7/407 G03C 7/407 11/00 501 11/00 501

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明支持体上に、少なくとも平板状感光
    性ハロゲン化銀粒子、発色現像主薬、カプラー及びバイ
    ンダーを含み、感光波長領域が互いに異なり、前記発色
    現像主薬の酸化体とカプラーから形成される色素の吸収
    波長領域が互いに異なる少なくとも3種の感光層を有す
    る感光部材と、支持体上に少なくとも塩基及び/または
    塩基プレカーサーを含む処理層を有する処理部材を用
    い、感光部材を像様露光した後、感光部材と処理部材双
    方のバック層を除く全塗布膜を最大膨潤させるに要する
    量の0.1から1倍に相当する水の存在下で、感光部材
    と処理部材を感光層と処理層とが向かい合う状態で重ね
    合わせ、これを60℃から100℃の温度で5秒から6
    0秒間加熱して感光部材に少なくとも3色の非拡散性色
    素に基づく画像を形成し、この画像情報に基づいて別の
    記録材料上にカラー画像を得る画像形成方法において、
    熱現像後に色素形成反応を抑止させる手段を有すること
    を特徴とする画像形成方法。
  2. 【請求項2】 色素形成反応を抑止させる手段が、色素
    形成反応を抑止させる化合物を含有した色素形成反応抑
    止処理シートと、熱現像後に重ね合わせて色素形成反応
    を抑止させる化合物を作用させる処理であることを特徴
    とする請求項1に記載の画像形成方法。
  3. 【請求項3】 色素形成反応を抑止させる手段が、色素
    形成反応を抑止させる化合物を含有した色素形成反応抑
    止処理液に処理後の感光部材を浸漬する処理であること
    を特徴とする請求項1に記載の画像形成方法。
  4. 【請求項4】 熱現像後に処理後の感光部材にハロゲン
    化銀の安定化処理を施すことを特徴とする請求項1〜3
    に記載の画像形成方法。
  5. 【請求項5】 熱現像後に処理後の感光部材に現像銀の
    漂白処理を施すことを特徴とする請求項1〜4に記載の
    画像形成方法。
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