JPH10307376A - ハロゲン化銀感光材料および画像形成方法 - Google Patents

ハロゲン化銀感光材料および画像形成方法

Info

Publication number
JPH10307376A
JPH10307376A JP9261013A JP26101397A JPH10307376A JP H10307376 A JPH10307376 A JP H10307376A JP 9261013 A JP9261013 A JP 9261013A JP 26101397 A JP26101397 A JP 26101397A JP H10307376 A JPH10307376 A JP H10307376A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
gelatin
silver halide
photosensitive
silver
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP9261013A
Other languages
English (en)
Inventor
Yasushi Araki
康 荒木
Mitsuo Saito
光雄 斎藤
Yoichi Hosoya
陽一 細谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Photo Film Co Ltd filed Critical Fuji Photo Film Co Ltd
Priority to JP9261013A priority Critical patent/JPH10307376A/ja
Priority to US09/035,205 priority patent/US6066440A/en
Publication of JPH10307376A publication Critical patent/JPH10307376A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03CPHOTOSENSITIVE MATERIALS FOR PHOTOGRAPHIC PURPOSES; PHOTOGRAPHIC PROCESSES, e.g. CINE, X-RAY, COLOUR, STEREO-PHOTOGRAPHIC PROCESSES; AUXILIARY PROCESSES IN PHOTOGRAPHY
    • G03C1/00Photosensitive materials
    • G03C1/005Silver halide emulsions; Preparation thereof; Physical treatment thereof; Incorporation of additives therein
    • G03C1/04Silver halide emulsions; Preparation thereof; Physical treatment thereof; Incorporation of additives therein with macromolecular additives; with layer-forming substances
    • G03C1/047Proteins, e.g. gelatine derivatives; Hydrolysis or extraction products of proteins
    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03CPHOTOSENSITIVE MATERIALS FOR PHOTOGRAPHIC PURPOSES; PHOTOGRAPHIC PROCESSES, e.g. CINE, X-RAY, COLOUR, STEREO-PHOTOGRAPHIC PROCESSES; AUXILIARY PROCESSES IN PHOTOGRAPHY
    • G03C8/00Diffusion transfer processes or agents therefor; Photosensitive materials for such processes
    • G03C8/40Development by heat ; Photo-thermographic processes
    • G03C8/4013Development by heat ; Photo-thermographic processes using photothermographic silver salt systems, e.g. dry silver
    • G03C8/404Photosensitive layers
    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03CPHOTOSENSITIVE MATERIALS FOR PHOTOGRAPHIC PURPOSES; PHOTOGRAPHIC PROCESSES, e.g. CINE, X-RAY, COLOUR, STEREO-PHOTOGRAPHIC PROCESSES; AUXILIARY PROCESSES IN PHOTOGRAPHY
    • G03C1/00Photosensitive materials
    • G03C1/005Silver halide emulsions; Preparation thereof; Physical treatment thereof; Incorporation of additives therein
    • G03C1/0051Tabular grain emulsions

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Spectroscopy & Molecular Physics (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Silver Salt Photography Or Processing Solution Therefor (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱現像処理でも感度/RMS粒状度が高く、
色むらの生じないハロゲン化銀感光材料及びそれを用い
た画像形成方法を提供すること。 【解決手段】 少なくとも感光性ハロゲン化銀粒子、現
像主薬、その酸化体との反応により色素を形成する化合
物及びバインダーを含む感光性層を有する感光材料と、
少なくとも塩基及び/又は塩基プレカーサーを含む処理
層を有する処理材料とを、感光材料の露光後、感光材料
と処理材料双方のバック層を除く全塗布膜を最大膨潤に
要する量の0.1〜1倍相当の水の存在下で貼合し加熱
して画像形成させるハロゲン化銀感光材料において、前
記感光性層が、銀との相互作用を少なくするような化学
修飾が施されているゼラチンを含み、アスペクト比が2
以上の平板状ハロゲン化銀粒子で全粒子の投影面積の5
0%以上が占められている乳剤を含むハロゲン化銀感光
材料及びそれを用いた画像形成方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は新規な撮影用ハロゲ
ン化銀カラー感光材料及びそれを用いてカラー画像を得
る、新規なカラー画像形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】コンベンショナルカラー写真として知ら
れている、いわゆるカラーネガでは通常、青光を記録し
てイエロー色素画像を形成する層、緑光を記録してマゼ
ンタ色素画像を形成する層、及び赤光を記録してシアン
色素画像を形成する層を含み、現像処理の際に潜像を含
有するハロゲン化銀粒子を銀に還元する過程で現像剤が
酸化され、その酸化体とカプラーの反応(カップリン
グ)により色素画像を形成する。未現像のハロゲン化銀
及び現像銀はそれに引き続く漂白定着工程で除去され、
得られたネガの色素画像を通してカラーペーパーに露光
を施し、同様の現像、漂白、定着工程を経てカラープリ
ントが得られる。また、上記のカラーネガに含まれた画
像情報を光電的に読み取った後、画像処理を施して記録
用の画像情報とし、この画像情報によって他のプリント
材料にカラー画像を得る方法も知られている。特に上記
の画像情報をデシタル信号とし、それに応じて変調した
記録光によってカラーペーパー等の感光材料を走査露光
して仕上がりプリントとするデジタルフォトプリンター
の開発が進んでおり、その例は特開平7−15593号
に記載されている。以上の方法は、通常の湿式現像、漂
白、定着を前提にするものであり、そのプロセスは繁雑
である。該方法に対して、熱現像を用いた簡易迅速なハ
ロゲン化銀カラー感光材料の処理方法が開発されてい
る。その例としては富士写真フイルム(株)社のピクト
ログラフィー、ピクトロスタットといった商品が知られ
ている。また熱現像の形態として、少量の水と塩基及び
/又は塩基プレカーサーの存在下で加熱現像する方法が
知られており、例えば特公平2−51494号にそのよ
うな例が述べられている。
【0003】これらの該加熱現像する多くの感光材料は
プリント感材であったが、近年の特開平9−10506
号には、撮影した感光材料を少量の水と塩基及び/又は
塩基プレカーサーの存在下で加熱現像した後、得られた
像を読みとって、画像処理しプリント材料に出力する例
が述べられている。しかし、そこで述べられている感光
材料に用いられているハロゲン化銀乳剤は高感度のもの
ではないため、感度/RMS粒状度は十分ではなかっ
た。すなわち、得られた像を読み取って画像処理し、プ
リント材料に出力しても感度/RMS粒状度においてコ
ンベンショナル写真に劣るという問題を抱えていた。高
感度ハロゲン化銀としては、平板状ハロゲン化銀粒子が
知られている。それは、粒子の表面積/体積比が大きく
増感色素を多量に吸着させることにより感度の高いハロ
ゲン化銀乳剤を作ることができるためである。平板状ハ
ロゲン化銀粒子の主平面と厚さの比をアスペクト比と呼
び、このアスペクト比が高ければ高いほど粒子の表面積
/体積比が大きい。しかし、コンベンショナル写真用ハ
ロゲン化銀感光材料に用いられているようなアスペクト
比の高いハロゲン化銀粒子を用いても、簡易迅速な処理
である少量の水と塩基及び/又は塩基プレカーサーの存
在下で加熱現像すると、色味を持つ小さな斑点状の色む
らを生じてしまい、結局感度/RMS粒状度の高い高感
度ハロゲン化銀乳剤を用いることができないという問題
を抱えていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の第一の目的
は、簡易・迅速な熱現像処理においても感度/RMS粒
状度の高いハロゲン化銀感光材料を提供することにあ
る。本発明の第二の目的は、簡易・迅速な熱現像処理に
おいても色むらを生じないハロゲン化銀感光材料を提供
することにある。特に、アスペクト比の高い高感度乳剤
を用いても色むらを生じず、かつRMS粒状度の高いハ
ロゲン化銀感光材料を提供することにある。そして本発
明の第三の目的は、これらのハロゲン化銀感光材料を用
いた新規な画像形成方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的は、下記1)〜
8)に記載のハロゲン化銀感光材料及びそれを用いた下
記9)に記載の画像形成方法によって効果的に達成され
た。
【0006】1)支持体上に、少なくとも感光性ハロゲ
ン化銀粒子、現像主薬、現像主薬の酸化体とのカップリ
ング反応によって色素を形成する化合物及びバインダー
を含む少なくとも一層の感光性層を有するハロゲン化銀
感光材料であって、該感光材料と、支持体上に少なくと
も塩基及び/または塩基プレカーサーを含む処理層を有
する処理材料とを、該感光材料の露光後、該感光材料と
該処理材料双方のバック層を除く全塗布膜を最大膨潤さ
せるに要する量の0.1〜1倍に相当する水を該感光材
料と該処理材料との間に存在させた状態で貼り合わせて
加熱することにより該感光材料中に画像を形成させるハ
ロゲン化銀感光材料において、前記感光性層が、銀との
相互作用を少なくするような化学修飾が施されているゼ
ラチンを含み、かつ粒子投影径を粒子厚みで除したアス
ペクト比が2以上の平板状ハロゲン化銀粒子で全粒子の
投影面積の50%以上が占められている乳剤を含むこと
を特徴とするハロゲン化銀感光材料。
【0007】2)支持体上に、少なくとも感光性ハロゲ
ン化銀粒子、バインダー、および銀現象に対応または逆
対応して拡散性色素を放出ないし拡散する色材を含む少
なくとも一つの感光性層を有するハロゲン化銀感光材料
であって、該感光材料と、支持体上に少なくとも塩基及
び/または塩基プレカーサーを含む処理層を有する処理
材料とを、該感光材料の露光後、該感光材料と該処理材
料双方のバック層を除く全塗布膜を最大膨潤させるのに
要する量の0.1〜1倍に相当する水を該感光材料と該
処理材料との間に存在させた状態で貼り合わせて加熱
し、放出ないし拡散された該拡散色素の一部または全部
を感光材料から処理材料へ転写除去することで、該感光
材料中に画像を形成するハロゲン化銀感光材料におい
て、前記感光性層が、銀との相互作用を少なくするよう
な化学修飾が施されているゼラチンを含み、かつ粒子投
影径を粒子厚みで除したアスペクト比が2以上の平板状
ハロゲン化銀粒子で全粒子の投影面積の50%以上が占
められている乳剤を含むことを特徴とするハロゲン化銀
感光材料。
【0008】3)前記感光性層に含まれるカルシウムイ
オンが、ゼラチンに対して4000ppm以下であるこ
とを特徴とする前記1)または2)に記載のハロゲン化
銀感光材料。
【0009】4)前記銀との相互作用を少なくするよう
な化学修飾が施されているゼラチンが、下記〜に示
されるものから選択される少なくとも一種であることを
特徴とする前記1)〜3)のいずれかに記載のハロゲン
化銀感光材料。 ゼラチン1gあたりのメチオニン含有率が50μmo
l以下のゼラチン。 ゼラチン1gあたりの−NH2 基含有率が720μm
ol以下のゼラチン。 ゼラチン1gあたりの−NH−基含有率が1800μ
mol以下のゼラチン。 ゼラチン1gあたりの−COOH基ならびにその誘導
体の含有率が1200μmol以上のゼラチン。 ゼラチン1gあたりの−SO3 H基ならびにその誘導
体の含有率が5μmol以上のゼラチン。 5)銀との相互作用を少なくするような化学修飾が施さ
れているゼラチンが、アミノ基を化学修飾することによ
り、該化学修飾部分にカルボキシル基が少なくとも2個
以上導入されたゼラチンであることを特徴とする前記
1)〜3)のいずれかに記載のハロゲン化銀感光材料。
【0010】6)アミノ基を化学修飾することにより、
該化学修飾部分にカルボキシル基が少なくとも2個以上
導入されたゼラチンが、トリメリット化ゼラチンである
ことを特徴とする前記5)に記載のハロゲン化銀感光材
料。
【0011】7)トリメリット化ゼラチンが、ゼラチン
1gに対してアミノ基の含有率が190μmol以下に
なるまでトリメリット化したゼラチンであることを特徴
とする前記6)に記載のハロゲン化銀感光材料。
【0012】8)前記現像主薬が下記一般式 (1)〜(5)
で表される化合物のうちの少なくとも一つの化合物であ
ることを特徴とする前記1)〜7)のいずれかに記載の
ハロゲン化銀感光材料。
【0013】
【化6】
【0014】
【化7】
【0015】
【化8】
【0016】
【化9】
【0017】
【化10】
【0018】式中、R1 〜R4 は各々水素原子、ハロゲ
ン原子、アルキル基、アリール基、アルキルカルボンア
ミド基、アリールカルボンアミド基、アルキルスルホン
アミド基、アリールスルホンアミド基、アルコキシ基、
アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、
アルキルカルバモイル基、アリールカルバモイル基、カ
ルバモイル基、アルキルスルファモイル基、アリールス
ルファモイル基、スルファモイル基、シアノ基、アルキ
ルスルホニル基、アリールスルホニル基、アルコキシカ
ルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルキルカ
ルボニル基、アリールカルボニル基またはアシルオキシ
基を表し、R5 はアルキル基、アリール基または複素環
基を表す。Zは芳香環(複素芳香環も含む)を形成する
原子群を表し、Zがベンゼン環である場合、その置換基
のハメット定数(σ)の合計値は1以上である。R6
アルキル基を表す。Xは酸素原子、硫黄原子、セレン原
子またはアルキル置換もしくはアリール置換の3級窒素
原子を表す。R7 、R8 は水素原子または置換基を表
し、R7 、R8 が互いに結合して2重結合または環を形
成してもよい。
【0019】9)前記1)〜8)のいずれかに記載のハ
ロゲン化銀感光材料を、像様露光した後、該感光材料と
処理材料の全塗布膜の最大膨潤に要する水の1/10〜
1倍に相当する水を感光材料と処理材料との間に存在さ
せた状態で貼り合わせて、60℃〜100℃の温度で5
秒〜60秒加熱することにより感光材料中に画像を形成
させる画像形成方法。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明においては、熱現像によっ
て発色画像を形成後、残存するハロゲン化銀及び/また
は現像銀を除去しても良いし、しなくても良い。また、
その画像情報に基づいて別の材料に出力する方法として
通常の投影露光によっても良いし、透過光の濃度測定に
よって画像情報を光電的に読み取り、その信号によって
出力しても良い。出力する材料は感光材料でなくても良
く、例えば昇華型感熱記録材料、インクジェット材料、
電子写真材料、フルカラー直接感熱記録材料等でも良
い。本発明において好ましい態様の例は、熱現像によっ
て発色画像を形成後、残存するハロゲン化銀及び現像銀
を除去する付加的な処理を行わず、画像情報を拡散光及
びCCDイメージセンサを用いた透過濃度測定によって
光電的に読み取り、デジタル信号に変換後、画像処理を
行い、熱現像カラープリンター、例えば富士写真フイル
ム(株)のピクトログラフィー3000で出力するもの
である。この場合、コンベンショナルカラー写真で使用
する処理液は一切使用することなく、迅速に良好なプリ
ントを得ることができる。また、この場合、上記デジタ
ル信号は任意に加工編集できるので、撮影した画像を自
由に修正、変形、加工して出力できる。
【0021】本発明における銀との相互作用を少なくす
るような化学修飾が施されているゼラチンとは、ゼラチ
ン中に含まれる銀と相互作用する基を化学修飾すること
により、銀との相互作用を少なくしたものでも良いし、
ゼラチンに水との親和性を高める基を付加させたもので
も良い。また、酵素等で銀と相互作用する基を持つゼラ
チン中のアミノ酸を完全に取り除いたものでもよい。ゼ
ラチン中の銀と相互作用する基を直接定量することは難
しいが、一般的なアミノ酸分析によりゼラチンのアミノ
酸組成を知ることができるので、そのアミノ酸組成より
さまざまな基の含有率を定量することができる。ゼラチ
ン中における銀と相互作用する基とはシステインの−S
H、メチオニンの−S−、リジンの−NH2 、アルギニ
ンの−NH2 、−NH−やヒスチジンの−NH−等が良
く知られている。その他にも、プロリン、ヒドロキシプ
ロリン、ヒドロキシリジン等の−NH−、−NH2 基や
−O−、−N=などの酸素、窒素原子も少なからず銀と
相互作用する。本発明におけるそれらの基の化学修飾方
法とは、銀との相互作用が弱くなるならば原則としてど
んな方法でも良い。該化学修飾方法は、特に蛋白質工学
の分野で非常に多くの研究がされており、ここに全て明
記できないが、特に代表的なものを挙げると以下の通り
である。
【0022】ゼラチン中のメチオニンの−S−は過酸化
水素水、Oxone等の酸化剤でメチオニンスルフォン
・メチオニンスルホキシドにすることができ、銀との相
互作用を弱くすることができる。また、リジン・アルギ
ニン等に含まれる−NH2 基は無水酢酸、無水フタル
酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、無水メ
リット酸等の無水物や酸ハライドでアミド化したり、ホ
ルムアルデヒド等のアルデヒドによりイミン化すること
ができる。主にヒスチジン、プロリン、ヒドロキシプロ
リン等に含まれる−NH−基は、例えばクロル酢酸、ブ
ロム酢酸、ヨード酢酸などの酸ハライドで化学修飾する
ことができる。水との親和性を高めるために付加させる
基としては、基本的には水溶性が高まればどんな基でも
良いが、例えば−COOH、−OH、−SO3 H基等を
用いることができる。その場合、―COONa、−CO
OK、−SO3 Na、−SO3K等の誘導体でもよい。
また、ゼラチン中の銀と相互作用する基を化学修飾し
て、かつ水溶性基を付加させると、両者の効果が得られ
るのでより好ましい。上記のような銀との相互作用を弱
くするような化学修飾は、化学修飾率が高ければ高いほ
ど望ましいが、相互作用が全くなくなると、粒子が凝集
し分散しなくなる。そのため、ゼラチンが保護コロイド
能を持つ範囲で、銀との相互作用をできるだけ弱くする
ことが望ましい。
【0023】本発明においては、銀との相互作用を少な
くするような化学修飾を施したゼラチンとしては、下記
〜のいずれかであることが好ましい。 ゼラチン1gあたりのメチオニン含有率が50μmo
l以下のゼラチン。より好ましくは、メチオニン含有率
がゼラチン1gあたり20μmol以下のゼラチン。 ゼラチン1gあたりの−NH2 基含有率が720μm
ol以下のゼラチン。より好ましくは、−NH2 基含有
率がゼラチン1gあたり500μmol以下のゼラチ
ン。さらに好ましくは、−NH2 基含有率がゼラチン1
gあたり190μmol以下のゼラチン。 ゼラチン1gあたりの−NH−基含有率が1800μ
mol以下のゼラチン。より好ましくは、−NH−基含
有率がゼラチン1gあたり1000μmol以下のゼラ
チン。さらに好ましくは、−NH−基含有率がゼラチン
1gあたり270μmol以下のゼラチン。 ゼラチン1gあたりの−COOH基ならびにその誘導
体の含有率が1200μmol以上のゼラチン。より好
ましくは、−COOH基ならびにその誘導体の含有率が
ゼラチン1gあたり1700μmol以上のゼラチン。
さらに好ましくは、−COOH基ならびにその誘導体の
含有率がゼラチン1gあたり2300μmol以上のゼ
ラチン。 ゼラチン1gあたりの−SO3 H基ならびにその誘導
体の含有率が5μmol以上のゼラチン。より好ましく
は、−SO3 H基ならびにその誘導体の含有率がゼラチ
ン1gあたり20μmol以上のゼラチン。さらに好ま
しくは、−SO3 H基ならびにその誘導体の含有率がゼ
ラチン1gあたり50μmol以上のゼラチン。
【0024】本発明では、1つの感光性層中のカルシウ
ムイオン含有率をゼラチンに対して4000ppm以下
にすることが好ましい。カルシウムイオン含有率を下げ
ることにより、高感度の平板状銀粒子と相互作用の少な
いゼラチンを含むハロゲン化銀感光材料(以下、「感光
材料」と略記することがある。)を熱現像しても色むら
が生じない、感度/RMS粒状度の高い感光材料を得る
ことができる。感光材料中のカルシウムイオンは、バイ
ンダーであるゼラチン由来のものがほとんどであり、本
発明では、カルシウムイオン含有率がゼラチンに対して
4000ppm以下のゼラチンを用いることにより、前
記カルシウムイオン濃度が達成される。該ゼラチンは、
基本的にどんなゼラチンでも良いが、酸処理ゼラチンや
アルカリ処理ゼラチンが好ましい。また、カルシウムイ
オン含有率がゼラチンに対して3500ppm以下であ
ることがより好ましく、さらに1000ppm以下であ
ることが好ましく、最も好ましくは100ppm以下で
ある。ゼラチン中のカルシウムイオンの量はパギー法に
よるEDTAキレート滴定により定量することができ
る。カルシウムイオンの除去は、どんな方法でも良い
が、一般的にはイオン交換樹脂を通して除去するのが好
ましい。
【0025】本発明に使用し得るハロゲン化銀は、沃臭
化銀、塩沃臭化銀、臭化銀、塩臭化銀、沃塩化銀、塩化
銀のいずれでもよい。これらの組成は、感光性ハロゲン
化銀に付与すべき特性に応じて選択される。例えば、撮
影材料のように高感度が要求される場合は、沃臭化銀乳
剤が主として用いられる。また、現像処理の迅速化や簡
易化などが重視されるプリント材料では、塩化銀が使用
されることが多い。とはいうものの、最近では、撮影用
材料の処理の迅速化を目的に塩化銀の利用を検討する試
みなども報告されている。
【0026】感光性乳剤を構成するハロゲン化銀粒子の
大きさは、同体積相当の球の直径で換算して0.1〜2
μm、特に0.2〜1.5μmが好ましく用いられる。
ハロゲン化銀粒子の形状は、好ましくは乳剤中の全粒子
の投影面積の50%以上、より好ましくは80%以上、
更に好ましくは90%以上が、六角や矩形の平板状の形
状を有するものである。
【0027】また、高感度を付与する目的のためには、
粒子厚みに対する投影面積径の大きい所謂高アスペクト
比平板粒子を使用することが最も好ましい。ここでいう
アスペクト比とは、粒子の投影面積と等価な円の直径を
粒子厚みで除した値である。撮影材料に用いられるハロ
ゲン化銀乳剤は、アスペクト比が2以上、好ましくは5
以上、さらに好ましくは8以上、最も好ましくは20以
上の平板状粒子で、乳剤中の全粒子の投影面積の50%
以上、好ましくは80%以上、更に好ましくは90%以
上を占めて構成される。粒子サイズの小さい粒子(体積
相当球の直径で約0.5μ以下)では、アスペクト比を
さらに粒子厚みで除した平板度で表して25以上の粒子
が好ましい。アスペクト比を高めることで、同体積でも
大きい投影面積を得ることができるため、分光増感率を
高めることができる。また、写真感度が粒子投影面積に
比例するような場合では、同じ感度を得るのに必要なハ
ロゲン化銀量を低減することができる。一方、粒子投影
面積を一定にして粒子を調製する場合には、アスペクト
比を高めることで、同じハロゲン化銀量を用いても粒子
数を増加させることが可能となり、粒状性を向上させる
ことができる。さらに、高アスペクト比平板粒子を用い
たときには、入射光路に対して散乱角の大きい散乱光成
分が減少するため、鮮鋭度を高めることができる。
【0028】これらの高アスペクト比平板粒子の使用技
術及び特性については、米国特許第4433048号、
同第4434226号、同第4439520号等に開示
されている。さらに、粒子厚みが0.07μmよりも薄
い超高アスペクト比平板粒子の技術が米国特許第549
4789号、同第5503970号、同第550397
1号、同第5536632号、欧州特許第069994
5号、同第0699950号、同第0699948号、
同第0699944号、同第0701165号及び同第
0699946号等に開示されている。これらの文献に
記載されている高アスペクト比平板粒子は、臭化銀や沃
臭化銀を主体としており、主平面が(111)面で構成
された六角平板粒子の頻度が高い。このような形状の粒
子は、(111)面に平行な通常二枚の双晶面を内部に
有している。粒子厚みの薄い高アスペクト比平板状粒子
を調製するには、この二枚の双晶面間隔を狭く形成する
ことが技術的なポイントとなる。このためには、核形成
時のバインダー濃度、温度、pH、過剰ハロゲンイオン
種、同イオン濃度、さらには反応液の供給速度などを制
御することが重要である。形成された平板核の成長を、
厚み方向ではなく、平板の周縁方向に選択的に行わせる
こともまた、高アスペクト比平板粒子形成のポイントと
なる。そのためには、粒子成長のための反応液の添加速
度を制御すると同時に、粒子形成時から成長過程におけ
るバインダーとして最適なものを選択していくことも重
要である。上記の文献の中にはメチオニン含有量の低い
ゼラチンが高アスペクト比化に有利な旨の記載がある。
【0029】加えて、アミノ(−NH2 )基を化学修飾
したゼラチンについても高アスペクト比化に非常に有利
である。例えば、特開平8−82,883号には無水フ
タル酸で処理したフタル化ゼラチンが有効であると記載
されている。フタル化ゼラチンは、アミノ基が修飾され
て、その部位の末端にカルボキシル基が1つついたゼラ
チンである。また、無水トリメリット酸でアミノ基を処
理したトリメリット化ゼラチンを用いると、非常に厚み
が薄くかつ粒子サイズのそろった高アスペクト比単分散
平板粒子が生成できる。ゼラチンをトリメリット化する
と、アミノ基が1つ修飾されて、該修飾部位の末端にカ
ルボキシル基が2つつくが、その際、アミノ基がトリメ
リット化されればされるほど効果が大きいため、ゼラチ
ン1g当たりの−NH2 基が720μmol以下になる
までトリメリット化されることが好ましく、より好まし
くは190μmol以下で、さらに好ましくは73.2
μmol以下で、最も好ましいのは36.6μmol以
下である。
【0030】一方、塩化銀含有率の高い高塩化銀を用い
て平板状粒子を形成する技術も開示されている。例え
ば、米国特許第4400463号、同第4713323
号、同第5217858号、欧州特許第0423840
号、同第0647877号等の特許明細書には(11
1)面を主平面として有する高塩化銀平板粒子の技術が
示されている。一方、米国特許第5264337号、同
第5292632号、同第5310635号、同第52
75932号、欧州特許第0534395号、同第06
17320号、国際公開WO94/22054号等には
(100)面を主平面として有する高塩化銀平板粒子の
技術が示されている。これらは、いずれも現像速度や光
学特性に優れた塩化銀を用いた高感度乳剤を調製するの
に有用な技術である。
【0031】ハロゲン化銀粒子は、上記のような形状を
工夫する以外に、粒子中に様々な構造を有するように調
製される。常用されるのは、粒子をハロゲン組成の異な
る複数の層状に構成する方法である。撮影材料用に用い
られる沃臭化銀粒子では、沃度含有量の異なる層を設け
ることが好ましい。現像性を制御する目的で沃度含有率
の高い層を核に、沃度含有率の低い殻で覆う所謂内部高
沃度型コアシェル粒子が知られている。また、これとは
逆に、沃度含有率の高い殻で覆った、外部高沃度型のコ
アシェル粒子も知られている。これは、平板粒子の粒子
厚みが小さくなったときに形状の安定性を高めるのに有
効である。沃度含有率の低い核を高沃度含有率の第一殻
で覆い、この上に低沃度含有率の第二殻を沈積させるこ
とで高感度を付与する技術も知られている。このタイプ
のハロゲン化銀粒子では、高沃度層の上に沈積させた殻
(平板粒子では粒子外縁のフリンジ部に相当する)には
結晶不整に基づく転位線が形成され、高感度を得るのに
寄与する。さらに、形成されたホスト粒子の局在した部
位に、異なるハロゲン組成の結晶をエピタキシャルに成
長させる技術も高感度を得るのに好ましく用いられる。
例えば、臭化銀に富んだホスト粒子の表面の一部(粒子
の頂点や稜あるいは面上)に沃度含有率の高い結晶をエ
ピタキシャル成長させる技術が知られている。これとは
逆に、臭化銀あるいは沃臭化銀のホスト粒子にそれより
も溶解度の高い(例えば塩化銀含有率を高めた結晶)を
エピタキシャル成長させる技術も知られている。後者
は、特に粒子厚みの小さい平板粒子に高感度を付与する
のに好ましく用いられる。塩化銀含有率の高い高塩化銀
平板粒子においても、粒子内部や表面に臭化銀や沃化銀
含有率の高い局在相を形成することが好ましく行われ
る。特に、粒子表面の頂点や稜にこれらの局在相をエピ
タキシャル成長させることが好ましい。これらのエピタ
キシャル結晶部位は、有効な感光核形成サイトとして働
き、高感度を与える。
【0032】感光性ハロゲン化銀乳剤の写真特性を改良
する目的で、粒子中に金属の塩または錯塩をドープする
ことも好ましく行われる。これらの化合物はハロゲン化
銀結晶中で電子あるいは正孔の過渡的なあるいは永久的
なトラップとして働き、高感度や高コントラストを得た
り、露光時の照度依存性を改良する、あるいは露光時の
環境(温度、湿度)依存性を改良する、さらには露光の
前後に圧力を受けたときの性能変化を抑制するのに有用
である。これらのドーパントはハロゲン化銀粒子に均一
にドープしたり、粒子内部の特定部位に局在してドープ
したり、亜表面あるいは表面に局在してドープしたり、
上述のエピタキシャル結晶部位に局在してドープしたり
種々の方法を目的に応じて選択することができる。好ま
しい金属としては、鉄、ルテニウム、ロジウム、パラジ
ウム、カドミウム、レニウム、オスミウム、イリジウ
ム、白金などの第一から第三遷移金属元素、タリウムや
鉛などの両性金属元素を挙げることができる。これらの
金属イオンは、適当な塩、もしくは錯塩の形でドープさ
れる。これらの中でも、ハライドイオンやシアニドイオ
ンをリガンドとした六配位ハロゲノ錯体やシアノ錯体が
好ましく用いられる。また、ニトロシルリガンド、カル
ボニルリガンド、チオカルボニルリガンド、ダイナイト
ロジェンリガンド、さらにはビピリジルリガンド、シク
ロペンタジエニルリガンド、1,2−ジチオレニルリガ
ンド等のような有機配位子を有する錯体も用いることが
できる。これらの技術は、特開平2−236542号、
同1−116637号、特願平4−126629号等に
記載されている。さらに、硫黄、セレン、テルルのよう
な所謂カルコゲン元素の2価のアニオンをドープするこ
とも好ましく行われる。これらのドーパントもまた、高
感度を得たり、露光条件依存性を改良するのに有効であ
る。
【0033】本発明におけるハロゲン化銀粒子の調製法
については、公知の方法、すなわち、グラフキデ著「写
真の物理と化学」、ポールモンテ社刊(P.Glafk
ides,Chimie et Phisique P
hotographique,Paul Monte
l,1967)、ダフィン著「写真乳剤化学」、フォー
カルプレス社刊(G.F.Duffin,Photog
raphic Emulsion Chemistr
y,Focal Press,1966)、ゼリクマン
ら著「写真乳剤の製造と塗布」、フォーカルプレス社刊
(V.L.Zelikman et al.,Maki
ng and Coating of Photogr
aphic Emulsion,Focal Pres
s,1964)等に記載の方法を基本に行うことができ
る。すなわち、酸性法、中性法、アンモニア法等の種々
のpH領域で調製することができる。また、反応液であ
る水溶性銀塩と水溶性ハロゲン塩溶液の供給方法とし
て、片側混合法や同時混合法等を単独あるいは組み合わ
せて用いることができる。さらに、反応中のpAgを目
標値に保つように反応液の添加を制御するコントロール
ドダブルジェット法を用いることも好ましい。また、反
応中のpH値を一定に保つ方法も用いられる。粒子形成
に際しては、系の温度、pHあるいはpAg値を変えて
ハロゲン化銀の溶解度を制御する方法を用いることもで
きるが、チオエーテルやチオ尿素類、ロダン塩等を溶剤
として用いることもできる。これらの例は、特公昭47
−11386号、特開昭53−144319号等に記載
されている。
【0034】本発明におけるハロゲン化銀粒子の調製
は、通常、ゼラチンのような水溶性バインダーを溶解し
た溶液中に硝酸銀などの水溶性銀塩溶液と、ハロゲン化
アルカリ等の水溶性ハロゲン塩溶液とを制御された条件
で供給することで行われる。ハロゲン化銀粒子が形成さ
れた後、過剰の水溶性塩類を除去することが好ましい。
この工程は脱塩あるいは水洗工程と呼ばれ、種々の手段
が用いられる。例えば、ハロゲン化銀粒子を含むゼラチ
ン溶液をゲル化させ、ひも状に裁断し、冷水で水溶性塩
を洗い流すヌーデル水洗法や、多価アニオンよりなる無
機塩類(例えば硫酸ナトリウム)、アニオン性界面活性
剤、アニオン性ポリマー(例えばポリスチレンスルホン
酸ナトリウム)、あるいはゼラチン誘導体(例えば脂肪
族アシル化ゼラチン、芳香族アシル化ゼラチン、芳香族
カルバモイル化ゼラチンなど)などを添加してゼラチン
を凝集させて過剰塩類を除去する沈降法を用いても良
い。沈降法を用いた場合には過剰塩類の除去が迅速に行
われ、好ましい。
【0035】本発明には、通常、化学増感を施したハロ
ゲン化銀乳剤を用いることが好ましい。化学増感は、調
製されたハロゲン化銀粒子に高感度を付与し、露光条件
安定性や保存安定性を付与するのに寄与する。化学増感
には一般的に知られている増感法を単独にあるいは種々
組み合わせて用いることができる。化学増感法として、
硫黄、セレンあるいはテルル化合物を用いるカルコゲン
増感法が好ましく用いられる。これらの増感剤として
は、ハロゲン化銀乳剤に添加された際に、上記のカルコ
ゲン元素を放出して銀カルコゲナイドを形成する化合物
が用いられる。さらに、これらを併用することも、高感
度を得、カブリを低く抑える上で好ましい。また、金、
白金、イリジウム等を用いる貴金属増感法も好ましい。
特に、塩化金酸を単独に、あるいは金のリガンドとなる
チオシアン酸イオン等と併用して用いる金増感法は、高
感度が得られる。金増感とカルコゲン増感を併用する
と、さらに高感度を得ることができる。また、粒子形成
中に適度な還元性を有する化合物を用いて、還元性の銀
核を導入することで高感度を得る、所謂還元増感法も好
ましく用いられる。芳香環を有するアルキニルアミン化
合物を化学増感時に添加して行う還元増感法も好まし
い。化学増感を行う際に、ハロゲン化銀粒子に吸着性を
有する種々の化合物を用いて、その反応性を制御するこ
とも好ましく行われる。特に、カルコゲン増感や金増感
に先立って、含窒素複素環化合物やメルカプト化合物、
シアニンやメロシアニン類の増感色素類を添加する方法
が特に好ましい。化学増感を施す際の反応条件は目的に
応じて異なるが、温度は30℃〜95℃、好ましくは4
0℃〜75℃、pHは5.0〜11.0、好ましくは
5.5〜8.5、pAgは6.0〜10.5、好ましく
は6.5〜9.8である。化学増感技術については、特
開平3−110555号、特願平4−75798号、特
開昭62−253159号、特開平5−45833号、
特開昭62−40446号等に記載されている。
【0036】本発明では、感光性ハロゲン化銀乳剤に所
望の光波長域に感度を付与する、所謂分光増感を施すこ
とが好ましい。特に、カラー感光材料では、オリジナル
に忠実な色再現を行うため、青、緑、赤に感光性を有す
る感光性層が組み込まれている。これらの感光性は、ハ
ロゲン化銀を分光増感することで付与される。分光増感
は、ハロゲン化銀粒子に吸着して、それ自身の吸収波長
域に感度を持たせる、所謂分光増感色素が用いられる。
これらの色素の例としては、シアニン色素、メロシアニ
ン色素、複合シアニン色素、複合メロシアニン色素、ホ
ロポーラー色素、ヘミシアニン色素、スチリル色素ある
いはヘミオキソノール色素等を挙げることができる。こ
れらの例は、米国特許第4617257号、特開昭59
−180550号、同64−13546号、特開平5−
45828号、同5−45834号等に記載されてい
る。分光増感色素は、単独で用いられる他に、複数種の
色素を併用して用いられる。これは、分光感度の波長分
布の調節や、強色増感の目的で行われる。強色増感作用
を呈する色素の組合せでは、単独で達成できる感度の和
を大きく超える感度を得ることができる。また、それ自
身では分光増感作用を持たない色素、あるいは可視光を
実質的に吸収しない化合物であって、強色増感作用を呈
する化合物を併用することも好ましい。ジアミノスチル
ベン化合物類などを強色増感剤の例として挙げることが
できる。これらの例としては、米国特許第361564
1号、特開昭63−23145号等に記載されている。
これらの分光増感色素や強色増感剤のハロゲン化銀乳剤
への添加は、乳剤調製のいかなる時期でも良い。化学増
感の終了した乳剤に塗布液調製時に添加する、化学増感
終了時に添加する、化学増感途中に添加する、化学増感
に先立って添加する、粒子形成終了後脱塩前に添加す
る、粒子形成中に添加する、あるいは粒子形成に先立っ
て添加するなどの種々の方法を単独あるいは組み合わせ
ることができる。化学増感よりも前の工程で添加するの
が、高感度を得るのに好ましい。分光増感色素や強色増
感剤の添加量は、粒子の形状や粒子サイズあるいは付与
したい写真特性によって異なるが、概ねハロゲン化銀1
mol当たり10-8〜10-1mol、好ましくは10-5
〜10-2molの範囲である。これらの化合物は、メタ
ノールやフッ素アルコール等の有機溶媒に溶解した状態
で、あるいは界面活性剤やゼラチンと共に水中に分散し
た状態で添加することができる。
【0037】ハロゲン化銀乳剤には、カブリを防止した
り、保存時の安定性を高める目的で種々の安定剤を添加
することが好ましい。好ましい安定剤としては、アザイ
ンデン類、トリアゾール類、テトラゾール類、プリン類
等の含窒素複素環化合物類、メルカプトテトラゾール
類、メルカプトトリアゾール類、メルカプトイミダゾー
ル類、メルカプトチアジアゾール類等のメルカプト化合
物類等を挙げることができる。これらの化合物の詳細
は、ジェームズ著「写真過程の理論」、マクミラン社刊
(T.H.James,The Theory of
the Photographic Process,
Macmillan,1977)第396頁〜399頁
及びその引用文献に記載されている。これらのカブリ防
止剤あるいは安定剤のハロゲン化銀乳剤への添加は、乳
剤調製のいかなる時期でも良い。化学増感の終了した乳
剤に塗布液調製時に添加する、化学増感終了時に添加す
る、化学増感途中に添加する、化学増感に先立って添加
する、粒子形成終了後脱塩前に添加する、粒子形成中に
添加する、あるいは粒子形成に先立って添加するなどの
種々の方法を単独あるいは組み合わせることができる。
これらのカブリ防止剤あるいは安定剤の添加量はハロゲ
ン化銀乳剤のハロゲン組成や目的に応じて異なるが、概
ねハロゲン化銀1mol当たり10-6〜10-1mol、
好ましくは10-5〜10-2molの範囲である。
【0038】以上述べてきたような本発明の感光材料に
使用される写真用添加剤は、リサーチ・ディスクロージ
ャー誌(以下RDと略記)No17643(1978年
12月)、同No18716(1979年11月)及び
同No307105(1989年11月)に記載されて
おり、その該当箇所を下記にまとめる。 添加剤の種類 RD17643 RD18716 RD307105 1.化学増感剤 23頁 648頁右欄 866頁 2.感度上昇剤 648頁右欄 3.分光増感剤、 23〜24頁 648頁右欄 866〜868頁 強色増感剤 〜649頁右欄 4.増白剤 24頁 648頁右欄 868頁 5.カブリ防止剤、 24〜26頁 649頁右欄 868〜870頁 安定剤 6.光吸収剤、 25〜26頁 649頁右欄 873頁 フィルター染料、 〜650頁左欄 紫外線吸収剤 7.色素画像安定剤 25頁 650頁左欄 872頁 8.硬膜剤 26頁 651頁左欄 874〜875頁 9.バインダー 26頁 651頁左欄 873〜874頁 10.可塑剤、潤滑剤 27頁 650頁右欄 876頁 11.塗布助剤、 26〜27頁 650頁右欄 875〜876頁 界面活性剤 12. スタチック防止剤 27頁 650頁右欄 876〜877頁 13. マット剤 878〜879頁
【0039】感光材料に用いる感光性ハロゲン化銀は銀
換算で0.05〜20g/m2、好ましくは0.1〜10
g/m2が適当である。本発明においては、感光性ハロゲ
ン化銀と共に、有機金属塩を酸化剤として併用すること
もできる。このような有機金属塩の中で、有機銀塩は、
特に好ましく用いられる。上記の有機銀塩酸化剤を形成
するのに使用し得る有機化合物としては、米国特許第
4,500,626号第52〜53欄等に記載のベンゾ
トリアゾール類、脂肪酸その他の化合物がある。また米
国特許第4,775,613号記載のアセチレン銀も有
用である。有機銀塩は、2種以上を併用してもよい。以
上の有機銀塩は、感光性ハロゲン化銀1molあたり
0.01〜10mol、好ましくは0.01〜1mol
を併用することができる。
【0040】感光材料や構成層のバインダーには親水性
のものが好ましく用いられる。その例としては前述のR
D及び特開昭64−13546号の(71)頁〜(7
5)頁に記載されたものが挙げられる。具体的には、透
明か半透明の親水性バインダーが好ましく、例えばゼラ
チン、ゼラチン誘導体等の蛋白質またはセルロース誘導
体、澱粉、アラビアゴム、デキストラン、プルラン等の
多糖類のような天然化合物とポリビニルアルコール、変
性ポリビニルアルコール(例えば、(株)クラレ製の末
端アルキル変性ポバールMP103、MP203等)、
ポリビニルピロリドン、アクリルアミド重合体等の合成
高分子化合物が挙げられる。もちろん、本発明において
は「銀との相互作用を少なくするような化学修飾が施さ
れているゼラチン」を含む少なくとも1つの感光性層
は、バインダーとしてゼラチンが用いられる。また、米
国特許第4,960,681号、特開昭62−2452
60号等に記載の高吸水性ポリマー、すなわち−COO
Mまたは−SO3 M(Mは水素原子またはアルカリ金
属)を有するビニルモノマーの単独重合体またはこのビ
ニルモノマー同士もしくは他のビニルモノマーとの共重
合体(例えばメタクリル酸ナトリウム、メタクリル酸ア
ンモニウム、住友化学(株)製のスミカゲルL−5H)
も使用される。これらのバインダーは2種以上組み合わ
せて用いることもできる。特にゼラチンと上記バインダ
ーの組み合わせが好ましい。またゼラチンは、種々の目
的に応じて石灰処理ゼラチン、酸処理ゼラチン、カルシ
ウムなどの含有量を減らしたいわゆる脱灰ゼラチンから
選択すれば良く、組み合わせて用いる事も好ましい。本
発明において、バインダーの塗布量は1〜20g/
2 、好ましくは2〜15g/m2 、更に好ましくは3
〜12g/m2 が適当である。この中でゼラチンは50
%〜100%、好ましくは70%〜100%の割合で用
いる。
【0041】現像主薬としては、p−フェニレンジアミ
ン類またはp−アミノフェノール類でも良いが、カブリ
の低減及び画像濃度の観点から、好ましくは前記の一般
式(1)〜(5)で表される化合物を用いる。
【0042】一般式(1)で表される化合物はスルホン
アミドフェノールと総称される化合物である。式中、R
1 〜R4 は、詳しくは各々水素原子、ハロゲン原子(例
えばクロル基、ブロム基)、置換または未置換のアルキ
ル基(例えばメチル基、エチル基、イソプロピル基、n
−ブチル基、t−ブチル基)、置換または未置換のアリ
ール基(たとえばフェニル基、トリル基、キシリル
基)、置換または未置換のアルキルカルボンアミド基
(例えばアセチルアミノ基、プロピオニルアミノ基、ブ
チロイルアミノ基)、置換または未置換のアリールカル
ボンアミド基(例えばベンゾイルアミノ基)、置換また
は未置換のアルキルスルホンアミド基(例えばメタンス
ルホニルアミノ基、エタンスルホニルアミノ基)、置換
または未置換のアリールスルホンアミド基(例えばベン
ゼンスルホニルアミノ基、トルエンスルホニルアミノ
基)、置換または未置換のアルコキシ基(例えばメトキ
シ基、エトキシ基、ブトキシ基)、置換または未置換の
アリールオキシ基(例えばフェノキシ基)、置換または
未置換のアルキルチオ基(例えばメチルチオ基、エチル
チオ基、ブチルチオ基)、置換または未置換のアリール
チオ基(例えばフェニルチオ基、トリルチオ基)、置換
または未置換のアルキルカルバモイル基(例えばメチル
カルバモイル基、ジメチルカルバモイル基、エチルカル
バモイル基、ジエチルカルバモイル基、ジブチルカルバ
モイル基、ピペリジルカルバモイル基、モルホリルカル
バモイル基)、置換または未置換のアリールカルバモイ
ル基(例えばフェニルカルバモイル基、メチルフェニル
カルバモイル基、エチルフェニルカルバモイル基、ベン
ジルフェニルカルバモイル基)、カルバモイル基、置換
または未置換のアルキルスルファモイル基(例えばメチ
ルスルファモイル基、ジメチルスルファモイル基、エチ
ルスルファモイル基、ジエチルスルファモイル基、ジブ
チルスルファモイル基、ピペリジルスルファモイル基、
モルホリルスルファモイル基)、置換または未置換のア
リールスルファモイル基(例えばフェニルスルファモイ
ル基、メチルフェニルスルファモイル基、エチルフェニ
ルスルファモイル基、ベンジルフェニルスルファモイル
基)、スルファモイル基、シアノ基、置換または未置換
のアルキルスルホニル基(例えばメタンスルホニル基、
エタンスルホニル基)、置換または未置換のアリールス
ルホニル基(例えばフェニルスルホニル基、4−クロロ
フェニルスルホニル基、p−トルエンスルホニル基)、
置換または未置換のアルコキシカルボニル基(例えばメ
トキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、ブトキシ
カルボニル基)、置換または未置換のアリールオキシカ
ルボニル基(例えばフェノキシカルボニル基)、置換ま
たは未置換のアルキルカルボニル基(例えばアセチル
基、プロピオニル基、ブチロイル基)、置換または未置
換のアリールカルボニル基(例えばベンゾイル基、アル
キルベンゾイル基)、または置換または未置換のアシル
オキシ基(例えばアセチルオキシ基、プロピオニルオキ
シ基、ブチロイルオキシ基)を表す。R1 〜R4 の中
で、R2 及びR4 は好ましくは水素原子である。また、
1 〜R4 のハメット定数σp値の合計は0以上となる
ことが好ましい。
【0043】R5 は、詳しくは置換または無置換のアル
キル基(例えばメチル基、エチル基、ブチル基、オクチ
ル基、ラウリル基、セチル基、ステアリル基)、置換ま
たは未置換のアリール基(例えばフェニル基、トリル
基、キシリル基、4−メトキシフェニル基、ドデシルフ
ェニル基、クロロフェニル基、トリクロロフェニル基、
ニトロクロロフェニル基、トリイソプロピルフェニル
基、4−ドデシルオキシフェニル基、3,5−ジ−(メ
トキシカルボニル)基)、または置換または未置換の複
素環基(例えばピリジル基)を表す。
【0044】一般式(2)で表される化合物はスルホニ
ルヒドラジンと総称される化合物である。また、一般式
(4)で表される化合物はカルバモイルヒドラジンと総
称される化合物である。
【0045】式中、R5 は、詳しくは置換または未置換
のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、ブチル
基、オクチル基、ラウリル基、セチル基、ステアリル
基)、置換または未置換のアリール基(例えば、フェニ
ル基、トリル基、キシリル基、4−メトキシフェニル
基、ドデシルフェニル基、クロロフェニル基、ジクロロ
フェニル基、トリクロロフェニル基、ニトロクロロフェ
ニル基、トリイソプロピルフェニル基、4−ドデシルオ
キシフェニル基、3,5−ジ(メトキシ)カルボニル
基)、または置換または未置換の複素環基(例えば、ピ
リジル基)を表す。Zは芳香環を形成する原子群を表
す。Zによって形成される芳香環は、本化合物に銀現像
活性を付与するため、十分に電子吸引的であることが必
要である。このため、含窒素芳香環を形成するか、或い
はベンゼン環に電子吸引性基を導入したような芳香環が
好ましく使用される。このような芳香環としては、ピリ
ジン環、ピラジン環、ピリミジン環、キノリン環、キノ
キサリン環等が好ましい。
【0046】Zによって形成される芳香環がベンゼン環
の場合、その置換基としては、アルキルスルホニル基
(例えばメタンスルホニル基、エタンスルホニル基)、
ハロゲン原子(例えばクロル基、ブロム基)、アルキル
カルバモイル基(例えばメチルカルバモイル基、ジメチ
ルカルバモイル基、エチルカルバモイル基、ジエチルカ
ルバモイル基、ジブチルカルバモイル基、ピペリジルカ
ルバモイル基、モルホリルカルバモイル基)、アリール
カルバモイル基(例えばフェニルカルバモイル基、メチ
ルフェニルカルバモイル基、エチルフェニルカルバモイ
ル基、ベンジルフェニルカルバモイル基)、カルバモイ
ル基、アルキルスルファモイル基(例えばメチルスルフ
ァモイル基、ジメチルスルファモイル基、エチルスルフ
ァモイル基、ジエチルスルファモイル基、ジブチルスル
ファモイル基、ピペリジルスルファモイル基、モルホリ
ルスルファモイル基)、アリールスルファモイル基(例
えばフェニルスルファモイル基、メチルフェニルスルフ
ァモイル基、エチルフェニルスルファモイル基、ベンジ
ルフェニルスルファモイル基)、スルファモイル基、シ
アノ基、アルキルスルホニル基(例えばメタンスルホニ
ル基、エタンスルホニル基)、アリールスルホニル基
(例えばフェニルスルホニル基、4−クロロフェニルス
ルホニル基、p−トルエンスルホニル基)、アルコキシ
カルボニル基(例えばメトキシカルボニル基、エトキシ
カルボニル基、ブトキシカルボニル基)、アリールオキ
シカルボニル基(例えばフェノキシカルボニル基)、ア
ルキルカルボニル基(例えばアセチル基、プロピオニル
基、ブチロイル基)、またはアリールカルボニル基(例
えばベンゾイル基、アルキルベンゾイル基)等が挙げら
れるが、上記置換基のハメット定数σ値の合計は1以上
である。
【0047】一般式(3)で表される化合物はスルホニ
ルヒドラゾンと総称される化合物である。また、一般式
(5)で表される化合物はカルバモイルヒドラゾンと総
称される化合物である。
【0048】式中、R5 は、詳しくは置換または未置換
のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、ブチル
基、オクチル基、ラウリル基、セチル基、ステアリル
基)、置換または未置換のアリール基(例えば、フェニ
ル基、トリル基、キシリル基、4−メトキシフェニル
基、ドデシルフェニル基、クロロフェニル基、ジクロロ
フェニル基、トリクロロフェニル基、ニトロクロロフェ
ニル基、トリイソプロピルフェニル基、4−ドデシルオ
キシフェニル基、3,5−ジ(メトキシ)カルボニル
基)、または置換または未置換の複素環基(例えば、ピ
リジル基)を表す。R6は、詳しくは置換または無置換
のアルキル基(例えばメチル基、エチル基)を表す。X
は酸素原子、硫黄原子、セレン原子またはアルキル置換
もしくはアリール置換の3級窒素原子を表すが、アルキ
ル置換の3級窒素原子が好ましい。R7 、R8 は水素原
子または置換基を表し、R7 、R8 が互いに結合して2
重結合または環を形成してもよい。
【0049】以下に、一般式(1)〜(5)で表される
化合物の具体例を示すが、本発明の化合物はもちろんこ
れによって限定されるものではない。
【0050】
【化11】
【0051】
【化12】
【0052】
【化13】
【0053】
【化14】
【0054】
【化15】
【0055】
【化16】
【0056】
【化17】
【0057】
【化18】
【0058】
【化19】
【0059】
【化20】
【0060】
【化21】
【0061】
【化22】
【0062】現像主薬は、上記の化合物を1種類もしく
は複数種類を組み合わせて用いる。各層で別々の現像主
薬を用いても良い。それらの現像主薬の総使用量は0.
05〜20mmol/m2 、好ましくは0.1〜10m
mol/m2 である。
【0063】次にカプラーについて説明する。本発明に
おけるカプラーとは、前記の現像主薬の酸化体とカップ
リング反応し、色素を形成する化合物である。本発明に
好ましく使用されるカプラーとしては、活性メチレン、
5−ピラゾロン、ピラゾロアゾール、フェノール、ナフ
トール、ピロロトリアゾールと総称される化合物であ
る。これらのカプラーはRDNo.38957(1996 年9月) ,
616 〜624 頁,”x.Dye image forme
rs and modefiers”に引用されている
の化合物を好ましく使用することができる。
【0064】これらのカプラーはいわゆる2当量カプラ
ーと4当量カプラーとに分けることができる。2当量カ
プラーのアニオン性離脱基として作用する基としては、
ハロゲン原子(例えばクロル基、ブロム基)、アルコキ
シ基(例えばメトキシ基、エトキシ基)、アリールオキ
シ基(例えばフェノキシ基、4−シアノフェノキシ基、
4−アルコキシカルボニルフェニル基)、アルキルチオ
基(例えばメチルチオ基、エチルチオ基、ブチルチオ
基)、アリールチオ基(例えばフェニルチオ基、トリル
チオ基)、アルキルカルバモイル基(例えばメチルカル
バモイル基、ジメチルカルバモイル基、エチルカルバモ
イル基、ジエチルカルバモイル基、ジブチルカルバモイ
ル基、ピペリジルカルバモイル基、モルホリルカルバモ
イル基)、アリールカルバモイル基(例えばフェニルカ
ルバモイル基、メチルフェニルカルバモイル基、エチル
フェニルカルバモイル基、ベンジルフェニルカルバモイ
ル基)、カルバモイル基、アルキルスルファモイル基
(例えばメチルスルファモイル基、ジメチルスルファモ
イル基、エチルスルファモイル基、ジエチルスルファモ
イル基、ジブチルスルファモイル基、ピペリジルスルフ
ァモイル基、モルホリルスルファモイル基)、アリール
スルファモイル基(例えばフェニルスルファモイル基、
メチルフェニルスルファモイル基、エチルフェニルスル
ファモイル基、ベンジルフェニルスルファモイル基)、
スルファモイル基、シアノ基、アルキルスルホニル基
(例えばメタンスルホニル基、エタンスルホニル基)、
アリールスルホニル基(例えばフェニルスルホニル基、
4−クロロフェニルスルホニル基、p−トルエンスルホ
ニル基)、アルキルカルボニルオキシ基(例えばアセチ
ルオキシ基、プロピオニルオキシ基、ブチロイルオキシ
基)、アリールカルボニルオキシ基(例えばベンゾイル
オキシ基、トルイルオキシ基、アニシルオキシ基)、含
窒素複素環基(例えばイミダゾリル基、ベンゾトリアゾ
リル基)等が挙げられる。
【0065】また、4当量カプラーのカチオン性離脱基
として作用する基としては、水素原子、ホルミル基、カ
ルバモイル基、置換基を有するメチレン基(置換基とし
ては、アリール基、スルファモイル基、カルバモイル
基、アルコキシ基、アミノ基、水酸基等)、アシル基、
スルホニル基等が挙げられる。
【0066】上記RD No.38957に記載の化合物以外に
も、以下に記載のカプラーを好ましく用いることができ
る。
【0067】活性メチレン系カプラーとしては、EP5
02,424Aの式(I),(II)で表わされるカプラー; E
P513,496Aの式(1),(2) で表わされるカプラー
;EP568,037Aのクレーム1の式(I) で表わさ
れるカプラー; US5,066,576のカラム1の45
〜55行の一般式(I) で表わされるカプラー; 特開平4−
274425の段落00008の一般式(I) で表わされ
るカプラー; EP498,381A1の40頁のクレーム
1に記載のカプラー; EP447,969A1の4頁の
式(Y) で表わされるカプラー; US4,476,219
のカラム7の36〜58行の式(II)〜(IV)で表わされるカプ
ラーを用いることができる。
【0068】5−ピラゾロン系マゼンタカプラーとして
は、特開昭57−35858号及び特開昭51−208
26号に記載の化合物が好ましい
【0069】ピラゾロアゾール系カプラーとしては、米
国特許第4,500,630号に記載のイミダゾ〔1,
2−b〕ピラゾール類、米国特許第4,540,654
号に記載のピラゾロ〔1,5−b〕〔1,2,4〕トリ
アゾール類、米国特許第3,725,067号に記載の
ピラゾロ〔5,1−c〕〔1,2,4〕トリアゾール類
が好ましく、光堅牢性の点で、これらのうちピラゾロ
〔1,5−b〕〔1,2,4〕トリアゾール類が好まし
い。
【0070】また特開昭61−65245号に記載され
ているような分岐アルキル基がピラゾロトリアゾール基
の2、3または6位に直結したピラゾロアゾールカプラ
ー、特開昭61−65245号に記載されている分子内
にスルホンアミド基を含んだピラゾロアゾールカプラ
ー、特開昭61−147254号に記載されるアルコキ
シフェニルスルホンアミドバラスト基を持つピラゾロア
ゾールカプラー、特開昭62−209457号もしくは
同63−307453号に記載されている6位にアルコ
キシ基やアリールオキシ基を持つピラゾロトリアゾール
カプラー、及び特開平2−201443号に記載される
分子内にカルボンアミド基を持つピラゾロトリアゾール
カプラーも好ましく用いることができる。
【0071】フェノール系カプラーの好ましい例として
は、米国特許第2,369,929号、同第2,80
1,171号、同第2,772,162号、同第2,8
95,826号、同第3,772,002号等に記載の
2−アルキルアミノ−5−アルキルフェノール系、米国
特許第2,772,162号、同第3,758,308
号、同第4,126,396号、同第4,334,01
1号、同第4,327,173号、西独特許公開第3,
329,729号、特開昭59−166956号等に記
載の2,5−ジアシルアミノフェノール系、米国特許第
3,446,622号、同第4,333,999号、同
第4,451,559号、同第4,427,767号等
に記載の2−フェニルウレイド−5−アシルアミノフェ
ノール系等を挙げることができる。
【0072】ナフトールカプラーの好ましい例として
は、米国特許第2,474,293号、同第4,05
2,212号、同第4,146,396号、同第4,2
28,233号、同第4,296,200号等に記載の
2−カルバモイル−1−ナフトール系及び米国特許4,
690,889号等に記載の2−カルバモイル−5−ア
ミド−1−ナフトール系等を挙げることができる。
【0073】ピロロトリアゾール系カプラーの好ましい
例としては、欧州特許第488,248A1号、同第4
91,197A1号、同第545,300号に記載のカ
プラーが挙げられる。
【0074】その他、縮環フェノール、イミダゾール、
ピロール、3−ヒドロキシピリジン、活性メチン、5,
5−縮環複素環、5,6−縮環複素環といった構造を有
するカプラーが使用できる。
【0075】縮環フェノール系カプラーとしては、米国
特許第4,327,173号、同第4,564,586
号、同第4,904,575号等に記載のカプラーが使
用できる。
【0076】イミダゾール系カプラーとしては、米国特
許第4,818,672号、同第5,051,347号
等に記載のカプラーが使用できる。
【0077】ピロール系カプラーとしては特開平4−1
88137号、同4−190347号等に記載のカプラ
ーが使用できる。
【0078】3−ヒドロキシピリジン系カプラーとして
は特開平1−315736号等に記載のカプラーが使用
できる。
【0079】活性メチン系カプラーとしては米国特許第
5,104,783号、同第5,162,196号等に
記載のカプラーが使用できる。
【0080】5,5−縮環複素環系カプラーとしては、
米国特許第5,164,289号に記載のピロロピラゾ
ール系カプラー、特開平4−174429号に記載のピ
ロロイミダゾール系カプラー等が使用できる。
【0081】5,6−縮環複素環系カプラーとしては、
米国特許第4,950,585号に記載のピラゾロピリ
ミジン系カプラー、特開平4−204730号に記載の
ピロロトリアジン系カプラー、欧州特許第556,70
0号に記載のカプラー等が使用できる。
【0082】本発明には前述のカプラー以外に、西独特
許第3,819,051A号、同第3,823,049
号、米国特許第4,840,883号、同第5,02
4,930号、同第5,051,347号、同第4,4
81,268号、欧州特許第304,856A2号、同
第329,036号、同第354,549A2号、同第
374,781A2号、同第379,110A2号、同
第386,930A1号、特開昭63−141055
号、同64−32260号、同32261号、特開平2
−297547号、同2−44340号、同2−110
555号、同3−7938号、同3−160440号、
同3−172839号、同4−172447号、同4−
179949号、同4−182645号、同4−184
437号、同4−188138号、同4−188139
号、同4−194847号、同4−204532号、同
4−204731号、同4−204732号等に記載さ
れているカプラーも使用できる。これらのカプラーは各
色0.05〜10mmol/m2 、好ましくは0.1〜5mm
ol/m2 用いる。
【0083】また、以下のような機能性カプラーを含有
しても良い。発色色素が適度な拡散性を有するカプラー
としては、US4,366,237GB2,125,5
70、EP96,873B、DE3,234,533に
記載のものが好ましい。発色色素の不要な吸収を補正す
るためのカプラーとして、EP456,257A1号に
記載のイエローカラードシアンカプラー、該EPに記載
のイエローカラードマゼンタカプラー、US4,83
3,069号に記載のマゼンタカラードシアンカプラ
ー、US4,837,136号の(2) 、WO92/11
575のクレーム1の式(A)で表わされる無色のマス
キングカプラー(特に36〜45頁の例示化合物)。
【0084】現像主薬酸化体と反応して写真的に有用な
化合物残査を放出する化合物(カプラーを含む)として
は、以下のものが挙げられる。 現像抑制剤放出化合物:EP378,236A1号の1
1頁に記載の式(I)〜(IV)で表わされる化合物、E
P436,938A2号の7頁に記載の式(I)で表わ
される化合物、EP568,037Aの式(1) で表わさ
れる化合物、EP440,195A2の5〜6頁に記載
の式(I),(II),(III)で表わされる化合物。 漂白促進剤放出化合物:EP310,125A2の5頁
の式(I),(I')で表わされる化合物及び特開平6−594
11の請求項1の式(I) で表わされる化合物。 リガンド放出化合物:US4,555,478のクレー
ム1に記載のLIG−Xで表わされる化合物。 ロイコ色素放出化合物:US4,749,641のカラ
ム3〜8の化合物1〜6;蛍光色素放出化合物:US4,
774,181のクレーム1のCOUP−DYEで表わ
される化合物。 現像促進剤又はカブラセ剤放出化合物:US4,65
6,123のカラム3の式(1) 、(2) 、(3) で表わされ
る化合物及びEP450,637A2の75頁36〜3
8行目のExZK−2。 離脱して初めて色素となる基を放出する化合物: US
4,857,447のクレーム1の式(I) で表わされる
化合物、特願平4−134523号の式(1) で表わされ
る化合物、EP440,195A2の5、6頁に記載の
式(I)(II)(III)で表わされる化合物、特願平4−3
25564号の請求項1の式(I)で表わされる化合物
−リガンド放出化合物、US4,555,478号のク
レーム1に記載のLIG−Xで表わされる化合物。この
ような機能性カプラーは、先に述べた発色に寄与するカ
プラーの0.05〜10倍mol、好ましくは0.1〜
5倍mol用いることが好ましい。
【0085】カプラー、現像主薬などの疎水性添加剤は
米国特許第2,322,027号記載の方法などの公知
の方法により感光材料の層中に導入することができる。
この場合には、米国特許第4,555,470号、同
4,536,466号、同4,536,467号、同
4,587,206号、同4,555,476号、同
4,599,296号、特公平3−62,256号など
に記載のような高沸点有機溶媒を、必要に応じて沸点5
0℃〜160℃の低沸点有機溶媒と併用して、用いるこ
とができる。またこれら色素供与性カプラー、高沸点有
機溶媒などは2種以上併用することができる。高沸点有
機溶媒の量は用いられる疎水性添加剤1gに対して10
g以下、好ましくは5g以下、より好ましくは1g〜
0.1gである。また、バインダー1gに対して1cc以
下、更には0.5cc以下、特に0.3cc以下が適当であ
る。特公昭51−39,853号、特開昭51−59,
943号に記載されている重合物による分散法や特開昭
62−30,242号等に記載されている微粒子分散物
にして添加する方法も使用できる。水に実質的に不溶な
化合物の場合には、前記方法以外にバインダー中に微粒
子にして分散含有させることができる。疎水性化合物を
親水性コロイドに分散する際には、種々の界面活性剤を
用いることができる。例えば特開昭59−157,63
6号の第(37)〜(38)頁、前記のRDに記載の界面活性剤
として挙げたものを使うことができる。また、特願平5
−204325号、同6−19247号、西独公開特許
第1,932,299A号記載のリン酸エステル型界面
活性剤も使用できる。
【0086】本発明には銀現像に対応または逆対応して
拡散性色素を放出ないし拡散する色材を使用することも
できる。この化合物は次の一般式〔LI〕で表わすこと
ができる。 ((Dye)m −Y)n −Z 〔LI〕 Dyeは色素基、一時的に短波化された色素基または色
素前駆体基を表わし、Yは単なる結合又は連結基を表わ
し、Zは画像状に潜像を有する感光性銀塩に対応又は逆
対応して((Dye)m −Y)n −Zで表わされる化合
物の拡散性に差を生じさせるか、または、(Dye)m
−Yを放出し、放出された(Dye)m−Yと((Dy
e)m −Y)n −Zとの間に拡散性において差を生じさ
せる性質を有する基を表わし、mは1〜5の整数を表
し、nは1または2を表わし、m、nが共に1でない
時、複数のDyeは同一でも異なっていてもよい。一般
式〔LI〕で表わされる色素供与性化合物の具体例とし
ては下記の〜の化合物を挙げることができる。尚、
下記の〜はハロゲン化銀の現像に逆対応して拡散性
色素を放出ないし拡散させるものであり、とはハロ
ゲン化銀の現像に対応して拡散性色素を放出ないし拡散
させるものである。
【0087】米国特許第3,134,764号、同
3,362,819号、同3,597,200号、同
3,544,545号、同3,482,972号、特公
平3−68,387号等に記載されている、ハイドロキ
ノン系現像薬と色素成分を連結した色素現像薬。この色
素現像薬はアルカリ性の環境下で拡散性であるが、ハロ
ゲン化銀と反応すると非拡散性になるものである。 米国特許第4,503,137号等に記されている通
り、アルカリ性の環境下で拡散性色素を放出するがハロ
ゲン化銀と反応するとその能力を失う非拡散性の化合物
も使用できる。その例としては、米国特許第3,98
0,479号等に記載された分子内求核置換反応により
拡散性色素を放出する化合物、米国特許第4,199,
354号等に記載されたイソオキサゾロン環の分子内巻
き換え反応により拡散性色素を放出する化合物が挙げら
れる。 米国特許第4,362,806号、同3,719,4
89号及び同4,375,507号に記載のように、銀
イオンまたは有機銀イオン錯体と反応して、拡散性の色
素を放出する化合物。
【0088】米国特許第4,559,290号、欧州
特許第220,746A2号、米国特許第4,783,
396号、公開技報87−6,199、特開昭64−1
3,546号等に記されている通り、現像によって酸化
されずに残った還元剤と反応して拡散性色素を放出する
非拡散性の化合物も使用できる。その例としては、米国
特許第4,139,389号、同4,139,379
号、特開昭59−185,333号、同57−84,4
53号等に記載されている還元された後に分子内の求核
置換反応により拡散性の色素を放出する化合物、米国特
許第4,232,107号、特開昭59−101,64
9号、同61−88,257号、RD24,025(1
984年)等に記載された還元された後に分子内の電子
移動反応により拡散性の色素を放出する化合物、西独特
許第3,008,588A号、特開昭56−142,5
30号、米国特許第4,343,893号、同4,61
9,884号等に記載されている還元後に一重結合が開
裂して拡散性の色素を放出する化合物、米国特許第4,
450,223号等に記載されている電子受容後に拡散
性色素を放出するニトロ化合物、米国特許第4,60
9,610号等に記載されている電子受容後に拡散性色
素を放出する化合物等が挙げられる。
【0089】また、より好ましいものとして、欧州特許
第220,746A2号、公開技報87−6,199、
米国特許第4,783,396号、特開昭63−20
1,653号、同63−201,654号、同64−1
3,546号等に記載された一分子内にN−X結合(X
は酸素、硫黄または窒素原子を表す)と電子吸引性基を
有する化合物、特開平1−26,842号に記載された
一分子内にSO2 −X(Xは上記と同義)と電子吸引性
基を有する化合物、特開昭63−271,344号に記
載された一分子内にPO−X結合(Xは上記と同義)と
電子吸引性基を有する化合物、特開昭63−271,3
41号に記載された一分子内にC−X′結合(X′はX
と同義か又は−SO2 −を表す)と電子吸引性基を有す
る化合物が挙げられる。また、特開平1−161,23
7号、同1−161,342号に記載されている電子受
容性基と共役するπ結合により還元後に一重結合が開裂
し拡散性色素を放出する化合物も利用できる。この中で
も特に一分子内にN−X結合と電子吸引性基を有する化
合物が好ましい。その具体例は欧州特許第220,74
6A2号または米国特許第4,783,396号に記載
された化合物(1)〜(3)、(7)〜(10)、(1
2)、(13)、(15)、(23)〜(26)、(3
1)、(32)、(35)、(36)、(40)、(4
1)、(44)、(53)〜(59)、(64)、(7
0)、公開技報87−6,199に記載された化合物
(11)〜(23)、特開昭64−13,546号に記
載された化合物(1)〜(84)などである。
【0090】拡散性色素を脱離基に持つカプラーであ
って還元剤の酸化体との反応により拡散性色素を放出す
る化合物(DDRカプラー)。具体的には、英国特許第
1,330,524号、特公昭48−39,165号、
米国特許第3,443,940号、同4,474,86
7号、同4,483,914号等に記載されたものがあ
る。 ハロゲン化銀または有機銀塩に対して還元性であり、
相手を還元すると拡散性の色素を放出する化合物(DR
R化合物)。この化合物は他の還元剤を用いなくてもよ
いので、還元剤の酸化分解物による画像の汚染という問
題がなく好ましい。その代表例は、米国特許第3,92
8,312号、同4,053,312号、同4,05
5,428号、同4,336,322号、特開昭59−
65,839号、同59−69,839号、同53−
3,819号、同51−104,343号、RD17,
465号、米国特許第3,725,062号、同3,7
28,113号、同3,443,939号、特開昭58
−116,537号、同57−179,840号、米国
特許第4,500,626号等に記載されている。DR
R化合物の具体例としては前述の米国特許第4,50
0,626号の第22欄〜第44欄に記載の化合物を挙
げることができるが、なかでも前記米国特許に記載の化
合物(1)〜(3)、(10)〜(13)、(16)〜
(19)、(28)〜(30)、(33)〜(35)、
(38)〜(40)、(42)〜(64)が好ましい。
また米国特許第4,639,408号第37〜39欄に
記載の化合物も有用である。
【0091】本発明は、上述の色素放出型化合物を用い
る系でも適用できるが、塩基が存在しない場合に安定性
が極めて高い現像主薬とカプラーを含む感光材料と、塩
基及び/または塩基プレカーサーを含む処理材料を用
い、少量の水の存在下で加熱現像し、感光材料上に非拡
散性色素に基づく画像を形成した場合の方が、粒状やシ
ャープネスに優れた画像が得られ、この画像情報に基づ
いてカラーペーパーや熱現像カラープリント材料等の別
の記録材料上に出力した場合、非常に良好なカラー画像
が得られることの発見に基づいている。また、現像まで
感光材料と塩基が隔離されているので、撮影用材料に要
求される高い保存安定性を満たしつつ、迅速な現像処理
が可能である。また、色素放出型化合物を用いる場合に
くらべ、無色の現像主薬とカプラーを用いた場合、撮影
用材料として極めて重要な感度の点で有利である。
【0092】本発明の感光材料は、支持体上に少なくと
も1層の感光性層が設けられていればよい。典型的な例
としては、支持体上に、実質的に感色性は同じであるが
感光度の異なる複数のハロゲン化銀乳剤層から成る感光
性層を少なくとも1つ有するハロゲン化銀カラー感光材
料である。該感光性層は青色光、緑色光、及び赤色光の
何れかに感色性を有する単位感光性層であり、多層ハロ
ゲン化銀カラー感光材料においては、一般に単位感光性
層の配列が、支持体側から順に赤感光性層、緑感光性
層、青感光性層の順に設置される。しかし、目的に応じ
て上記設置順が逆であっても、また同一の色の感光性層
中に異なる感光性層が挟まれたような設置順をもとり得
る。上記のハロゲン化銀感光性層の間及び最上層、最下
層には非感光性層を設けてもよい。これらには、前述の
カプラー、現像主薬、及びDIR化合物、混色防止剤、
染料等が含まれていてもよい。各単位感光性層を構成す
る複数のハロゲン化銀乳剤層は、DE1,121,47
0号あるいはGB923,045号に記載されているよ
うに高感度乳剤層、低感度乳剤層の2層を、支持体に向
かって順次感光度が低くなる様に配列するのが好まし
い。また、特開昭57−112751号、同62−20
0350号、同62−206541号、62−2065
43号に記載されているように支持体より離れた側に低
感度乳剤層、支持体に近い側に高感度乳剤層を設置して
もよい。
【0093】具体例として支持体から最も遠い側から、
低感度青感光性層(BL)/高感度青感光性層(BH)/高
感度緑感光性層(GH)/低感度緑感光性層(GL) /高感
度赤感光性層(RH)/低感度赤感光性層(RL)の順、ま
たはBH/BL/GL/GH/RH/RLの順、またはBH/BL/GH/
GL/RL/RHの順等に設置することができる。また特公昭
55−34932号公報に記載されているように、支持
体から最も遠い側から青感光性層/GH/RH/GL/RLの順
に配列することもできる。また特開昭56−25738
号、同62−63936号に記載されているように、支
持体から最も遠い側から青感光性層/GL/RL/GH/RHの
順に配列することもできる。また特公昭49−1549
5号に記載されているように上層を最も感光度の高いハ
ロゲン化銀乳剤層、中層をそれよりも低い感光度のハロ
ゲン化銀乳剤層、下層を中層よりも更に感光度の低いハ
ロゲン化銀乳剤層を配置し、支持体に向かって感光度が
順次低められた感光度の異なる3層から構成される配列
が挙げられる。このような感光度の異なる3層から構成
される場合でも、特開昭59−202464号に記載さ
れているように、同一の色の感光性層中において支持体
より離れた側から中感度乳剤層/高感度乳剤層/低感度
乳剤層の順に配置されてもよい。その他、高感度乳剤層
/低感度乳剤層/中感度乳剤層、あるいは低感度乳剤層
/中感度乳剤層/高感度乳剤層の順に配置されていても
よい。 また、4層以上の場合にも、上記の如く配列を
変えてよい。色再現性を改良するために、US4,66
3,271号、同4,705,744号、同4,70
7,436号、特開昭62−160448号、同63−
89850号に記載の、BL,GL,RLなどの主感光性層と分
光感度分布が異なる重層効果のドナー層(CL) を主感光
性層に隣接もしくは近接して配置することが好ましい。
【0094】本発明においては、ハロゲン化銀と色素供
与性カプラー及び現像主薬は同一層に含まれていても良
いが、反応可能な状態であれば別層に分割して添加する
こともできる。例えば現像主薬を含む層とハロゲン化銀
を含む層とを別層にすると感材の生保存性の向上がはか
れる。各層の分光感度及びカプラーの色相の関係は任意
であるが、赤色感光性層にシアンカプラー、緑色感光性
層にマゼンタカプラー、青色感光性層にイエローカプラ
ーを用いると、従来のカラーペーパー等に直接投影露光
できる。感光材料には、上記のハロゲン化銀乳剤層の間
及び最上層、最下層には、保護層、下塗り層、中間層、
黄色フィルター層、アンチハレーション層などの各種の
非感光性層を設けても良く、支持体の反対側にはバック
層などの種々の補助層を設けることができる。具体的に
は、上記特許記載のような層構成、米国特許第5,05
1,335号記載のような下塗り層、特開平1−16
7,838号、特開昭61−20,943号記載のよう
な固体顔料を有する中間層、特開平1−120,553
号、同5−34,884号、同2−64,634号記載
のような還元剤やDIR化合物を有する中間層、米国特
許第5,017,454号、同5,139,919号、
特開平2−235,044号記載のような電子伝達剤を
有する中間層、特開平4−249,245号記載のよう
な還元剤を有する保護層またはこれらを組み合わせた層
などを設けることができる。
【0095】黄色フィルター層、アンチハレーション層
に用いる事の出来る染料としては、現像時に消色あるい
は除去され、処理後の濃度に寄与しないものが好まし
い。黄色フィルター層、アンチハレーション層の染料が
現像時に消色あるいは除去されるとは、処理後に残存す
る染料の量が、塗布直前の1/3以下、好ましくは1/
10以下となることであり、現像時に染料の成分が感光
材料から処理材料に転写しても良いし、現像時に反応し
て無色の化合物に変わっても良い。
【0096】具体的には、欧州特許出願EP549,4
89A号記載の染料や、特開平7−152129号のE
xF2〜6の染料が挙げられる。特願平6−25980
5号に記載されているような、固体分散した染料を用い
ることもできる。また、媒染剤とバインダーに染料を媒
染させておくことも出来る。この場合媒染剤と染料は写
真分野で公知のものを用いることが出来、US4,50
0,626号第58〜59欄や、特開昭61−8825
6号32〜41頁、特開昭62−244043号、特開
昭62−244036号等に記載の媒染剤を挙げること
ができる。また、還元剤と反応して拡散性色素を放出す
る化合物と還元剤を用い、現像時のアルカリで可働性色
素を放出させ、処理材料に転写除去させることもでき
る。具体的には、米国特許第4,559,290号、同
4,783,396号、欧州特許第220,746A2
号、公開技報87−6119号に記載されている他、特
願平6−259805号の段落番号0080〜0081
に記載されている。
【0097】消色するロイコ染料などを用いることもで
き、具体的には特開平1−150,132号に有機酸金
属塩の顕色剤によりあらかじめ発色させておいたロイコ
色素を含むハロゲン化銀感光材料が開示されている。ロ
イコ色素と顕色剤錯体は熱あるいはアルカリ剤と反応し
て消色する。ロイコ色素は、公知のものが利用でき、森
賀、吉田「染料と薬品」9、84頁(化成品工業協
会)、「新版染料便覧」242頁(丸善、1970)、
R.Gaener「Reports on the P
rogress of Appl.Chem」56、1
99頁(1971)、「染料と薬品」19、230頁
(化成品工業協会、1974)、「色材」62、288
頁(1989)、「染色工業」32、208等に記載が
ある。顕色剤としては、酸性白土系顕色剤、フェノール
ホルムアルデヒドレジンの他、有機酸の金属塩が好まし
く用いられる。有機酸の金属塩としてはサリチル酸類の
金属塩、フェノール−サリチル酸−ホルムアルデヒドレ
ジンの金属塩、ロダン塩、キサントゲン酸塩の金属塩等
が有用であり、金属としては特に亜鉛が好ましい。上記
の顕色剤のうち、油溶性のサリチル酸亜鉛塩について
は、米国特許第3,864,146号、同4,046,
941号各明細書、及び特公昭52−1327号公報等
に記載されたものを用いることができる。
【0098】本発明においては、処理で脱色可能な油溶
性染料を用いた着色層として、イエローフィルター層、
マゼンタフィルター層、及びアンチハレーション層を用
いることができる。それにより、例えば感光性層が支持
体に最も近い側から赤感光性層、緑感光性層、青感光性
層の順に設けられている場合は、青感光性層と緑感光性
層の間にイエローフィルター層、緑感光性層と赤感光性
層の間にマゼンタフィルター層、赤感光性層と支持体の
間にシアン色フィルター層(アンチハレーション層)を
設けることができる。これらの着色層は感光性層、乳剤
層に直に接してもよく、またゼラチン等の中間層に介し
て接するように配置されていてもよい。色素の使用量
は、それぞれの層の透過濃度が各々青、緑、赤光に対
し、0.03〜3.0、より好ましくは0.1〜1.0
になるように用いる。具体的には、色素のε及び分子量
にもよるが0.005〜2.0mmol/m2 用いれば
よく、より好ましくは0.05〜1.0mmol/m2
である。
【0099】用いられる染料としては特願平8−32
9,124号に記載の環状のケトメチレン化合物(例え
ば、2−ピラゾリン−5−オン、1,2,3,6−テト
ラヒドロピリジン−2,6−ジオン、ロダニン、ヒダン
トイン、チオヒダントイン、2,4−オキサゾリジンジ
オン、イソオキサゾロン、バルビツール酸、チオバルビ
ツール酸、インダンジオン、ジオキソピラゾロピリジ
ン、ヒドロキシピリジン、ピラゾリジンジオン、2,5
−ヒドロフラン−2−オン、ピロリン−2−オン)また
は電子吸引性基によって狭まれたメチレン基(例えば、
−CN、−SO2 1 、−COR1 、−COOR1 、−
CON(R2 2 、−SON(R2 2 、−[=C(C
N)2 ]R1 、−[=C(CN)2 ]N(R1 2 (R
1 はアルキル基、アルケニル基、アリール基、シクロア
ルキル基、複素環基を表わし、R2 は水素原子またはR
1 で挙げた基を表わす。)によって狭まれた、メチレン
基)を有する化合物からなる酸性核、塩基性核(例え
ば、ピリジン、キノリン、インドレニン、オキサゾー
ル、イミダゾール、チアゾール、ベンゾオキサゾール、
ベンゾイミダゾール、ベンゾチアゾール、オキサゾリ
ン、ナフトオキサゾール、ピロール)、アリール基(例
えば、フェニル基、ナフチル基)及び複素環基(例え
ば、ピロール、インドール、フラン、チオフェン、イミ
ダゾール、ピラゾール、インドリジン、キノリン、カル
バゾール、フェノチアジン、フェノキサジン、インドリ
ン、チアゾール、ピリジン、ピリダジン、チアジアジ
ン、フェノキサジン、ピラン、チオピラン、オキサジア
ゾール、ベンゾキノリン、チアジアゾール、ピロロチア
ゾール、ピロロピリダジン、テトラゾール、オキサゾー
ル、クマリン、クロマン)のうち2種とメチン基からな
る構造の化合物、あるいは(NC)2 C=(CN)−R
3 (R3 はアリール基、複素環基を表わす)が好まし
い。
【0100】本発明の感光材料は一つの着色層に二つ以
上の染料を混合して用いてもよい。例えば上述のアンチ
ハレーション層にイエロー、マゼンタ、シアンの3種の
染料を混合して用いることもできる。本発明の感光材料
は、好ましくは消色性染料をオイル及び/または油溶性
ポリマーに溶解させた油滴を親水性バインダー中に分散
させた状態で用いる。その調製法としては乳化分散法が
好ましく、例えば米国特許2,322,027号記載の
方法によることができる。この場合には米国特許4,5
55,470号、同4,536,466号、同4,58
7,206号、同4,555,476号、同4,59
9,296号、特公平3−62,256号等に記載のよ
うな高沸点オイルを、必要に応じて沸点50℃〜160
℃の低沸点有機溶媒と併用して、用いることができる。
また、高沸点オイルは2種以上併用することができる。
また、油溶性ポリマーをオイルの代わりに、または、併
用することができるが、その例はPCT国際公開番号W
O88/00723号明細書に記載されている。高沸点
オイル及び/またはポリマーの量は、用いられる染料1
gに対して0.01g〜10g、好ましくは0.1g〜
5gをを用いる。また、染料をポリマーに溶解させる方
法として、ラテックス分散法によることも可能であり、
その工程、含浸用のラテックスの具体例は、米国特許
4,199,363号、西独特許公開(OLS)2,5
41,274号、同第2,541,230号、特公昭5
3−41,091号及び欧州特許公開第029,104
号等に記載されている。
【0101】油滴を親水性バインダーに分散させる際に
は、種々の界面活性剤を用いることができる。例えば特
開昭59−157,636号の37〜38ページ、公知
技術第5号(1991年3月22日、アズテック有限会
社発行)136〜138ページに記載の界面活性剤を用
いることができる。また、特願平5−204,325
号、同6−19,247号、西ドイツ公開特許第93
2,299A号記載のリン酸エステル型界面活性剤も使
用できる。親水性バインダーとしては、水溶性ポリマー
が好ましい。例としてはゼラチン、ゼラチン誘導体の蛋
白質、またはセルロース誘導体、澱粉、アラビアゴム、
デキストリン、プルラン等の多糖類のような天然化合物
とポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、アク
リルアミド重合体等の合成高分子化合物が挙げられる。
これら水溶性ポリマーは2種以上組み合わせて用いるこ
ともできる。特にゼラチンとの組み合わせが好ましい。
ゼラチンは、種々の目的に応じて石灰処理ゼラチン、酸
処理ゼラチン、カルシウム等の含有量を減らしたいわゆ
る脱灰ゼラチンから選択すればよく、組み合わせて用い
ることもできる。
【0102】本発明において染料は、消色剤の存在下に
て処理時に消色する。消色剤としては、アルコールもし
くはフェノール類(R51OH)、アミンもしくはアニ
リン類((R52)3 N)、ヒドロキシルアミン類
((R52)2 NOR52)、スルフィン酸類(R51
SO2 H)もしくはその塩、亜硫酸もしくはその塩、チ
オ硫酸もしくはその塩、カルボン酸類(R51CO
2 H)もしくはその塩、ヒドラジン類((R52)2
N(R52)2 )、グアニジン類([(R52)2 N]
2 C=NH)、アミノグアニジン類((R52)2 NR
52N(R52N)C=NH)、アミジン類、チオール
類(R51SH)、環状または鎖状の活性メチレン化合
物(Z53−CH2 −Z54、ここでZ53、Z54は
それぞれ−CN、−SO2 R51、−COR51、−C
OOR51、−CON(R52)2 、−SO2 N(R5
2)2 、−C[=C(CN)2 ]R51、−C[=C
(CN)2 ]N(R51)2 を表し、かつ、Z53とZ
54は結合して環を形成しても良い)、環状または鎖状
の活性メチン化合物(Z53−CH(R51)−Z54
またはZ53−CH(Z54)−Z55、ここでZ55
はZ53と同義であり、Z53、Z54、Z55(また
はR51)はそれぞれ結合して環を形成しても良い)、
及びこれら化合物から生じるアニオン種等が挙げられ
る。なお、ここでR51はアルキル基、アリール基、複
素環基を表し、R52は水素原子またはR51で挙げた
基を表す。R51、R52はそれぞれ置換基を有してい
ても良く、分子内に複数のR51もしくはR52が有る
場合、それらは同じであっても異なっていても良い。Z
53とZ54は同じであっても良い。
【0103】これらのうちで好ましくはヒドロキシルア
ミン類、スルフィン酸類、亜硫酸、グアニジン類、アミ
ノグアニジン類、ヘテロ環チオール類、環状または鎖状
の活性メチレン、活性メチン化合物類であり、特に好ま
しくはグアニジン類、アミノグアニジン類である。これ
ら消色剤は最初から感光材料中に添加しておいても良い
し、また処理時に何 らかの方法で感光材料中に添加し
ても良い。また添加する際の消色剤の形態としてプレカ
ーサー化したものを添加しても良い。
【0104】上述の消色剤は処理時に染料と接触し、染
料分子に求核付加することにより、染料を消色させると
考えられる。好ましくは染料を含有するハロゲン化銀感
光材料を像様露光後または像様露光と同時に、消色剤ま
たは消色剤プレカーサーを含有する処理材料と水との存
在下で膜面同士を重ね合わせて加熱し、その後両者を剥
離することにより、該ハロゲン化銀感光材料上に発色画
像を得るとともに染料を消色させる。この場合、消色後
の染料の濃度は、元の濃度の1/3以下、好ましくは1
/5以下である。消色剤の使用量は、染料の0.1倍〜
200倍mol、好ましくは0.5倍〜100倍mol
である。
【0105】本発明の感光材料の塗布層は硬膜剤で硬膜
されていることが好ましい。硬膜剤の例としては米国特
許第4,678,739号第41欄、同4,791,0
42号、特開昭59−116,655号、同62−24
5,261号、同61−18,942号、特開平4−2
18,044号等に記載の硬膜剤が挙げられる。より具
体的には、アルデヒド系硬膜剤(ホルムアルデヒドな
ど)、アジリジン系硬膜剤、エポキシ系硬膜剤、ビニル
スルホン系硬膜剤(N,N′−エチレン−ビス(ビニル
スルホニルアセタミド)エタンなど)、N−メチロール
系硬膜剤(ジメチロール尿素など)、ほう酸、メタほう
酸あるいは高分子硬膜剤(特開昭62−234,157
号などに記載の化合物)が挙げられる。これらの硬膜剤
は、親水性バインダー1gあたり0.001〜1g、好
ましくは0.005〜0.5gが用いられる。
【0106】感光材料には、種々のカブリ防止剤または
写真安定剤及びそれらのプレカーサーを使用することが
できる。その具体例としては、前記RD、米国特許第
5,089,378号、同4,500,627号、同
4,614,702号、特開昭64−13,564号
(7)〜(9) 頁、(57)〜(71)頁及び(81)〜(97)頁、米国特
許第4,775,610号、同4,626,500号、
同4,983,494号、特開昭62−174,747
号、同62−239,148号、特開平1−150,1
35号、同2−110,557号、同2−178,65
0号、RD17,643号(1978年) (24)〜(25)頁
等記載の化合物が挙げられる。これらの化合物は、銀1
molあたり5×10-6〜1×10-1molが好まし
く、さらに1×10-5〜1×10-2molが好ましく用
いられる。
【0107】感光材料には、塗布助剤、剥離性改良、ス
ベリ性改良、帯電防止、現像促進等の目的で種々の界面
活性剤を使用することができる。界面活性剤の具体例は
公知技術第5号(1991年3月22日、アズテック有
限会社発行)の136〜138頁、特開昭62−17
3,463号、同62−183,457号等に記載され
ている。感光材料には、スベリ性防止、帯電防止、剥離
性改良等の目的で有機フルオロ化合物を含ませてもよ
い。有機フルオロ化合物の代表例としては、特公昭57
−9053号第8〜17欄、特開昭61−20944
号、同62−135826号等に記載されているフッ素
系界面活性剤、またはフッ素油などのオイル状フッ素系
化合物もしくは四フッ化エチレン樹脂などの固体状フッ
素化合物樹脂などの疎水性フッ素化合物が挙げられる。
感光材料のぬれ性と帯電防止を両立する目的で親水性基
を有するフッ素系界面活性剤も好ましく用いられる。
【0108】感光材料には滑り性がある事が好ましい。
滑り剤含有層は感光性層面、バック面ともに用いること
が好ましい。好ましい滑り性としては動摩擦係数で0.
25以下0.01以上である。この時の測定は直径5mm
のステンレス球に対し、60cm/分で搬送した時の値を
表す(25℃、60%RH)。この評価において相手材
として感光性層面に置き換えてもほぼ同レベルの値とな
る。使用可能な滑り剤としては、ポリオルガノシロキサ
ン、高級脂肪酸アミド、高級脂肪酸金属塩、高級脂肪酸
と高級アルコールのエステル等であり、ポリオルガノシ
ロキサンとしては、ポリジメチルシロキサン、ポリジエ
チルシロキサン、ポリスチリルメチルシロキサン、ポリ
メチルフェニルシロキサン等を用いることができる。添
加層としては乳剤層の最外層やバック層が好ましい。特
にポリジメチルシロキサンや長鎖アルキル基を有するエ
ステルが好ましい。ハロゲン化銀の圧力カブリや減感を
防止するために、シリコンオイルや塩化パラフィンは好
ましく用いられる。
【0109】また本発明においては、帯電防止剤が好ま
しく用いられる。それらの帯電防止剤としては、カルボ
ン酸及びカルボン酸塩、スルホン酸塩を含む高分子、カ
チオン性高分子、イオン性界面活性剤化合物を挙げるこ
とができる。帯電防止剤として最も好ましいものは、Zn
O 、TiO2、SnO2、Al2 O3、In2O3 、SiO2、MgO 、BaO 、
MoO3、V2O5の中から選ばれた少くとも1種の体積抵抗率
が107 Ω・cm以下、より好ましくは105 Ω・cm以下
である粒子サイズ0.001〜1.0μm結晶性の金属
酸化物あるいはこれらの複合酸化物(Sb、P 、B 、In、
S、Si、C など)の微粒子、更にはゾル状の金属酸化物
あるいはこれらの複合酸化物の微粒子である。感材への
含有量としては5〜500mg/m2が好ましく、特に好ま
しくは10〜350mg/m2である。導電性の結晶性酸化
物又はその複合酸化物とバインダーの量の比は1/30
0〜100/1が好ましく、より好ましくは1/100
〜100/5である。感光材料の支持体の裏面には、特
開平8−292514号に記載された耐水性のポリマー
を塗布することも好ましい。
【0110】感光材料または後述する処理材料の構成
(バック層を含む)には、寸度安定化、カール防止、接
着防止、膜のヒビ割れ防止、圧力増減感防止等の膜物性
改良の目的で種々のポリマーラテックスを含有させるこ
とができる。具体的には、特開昭62−245258
号、同62−136648号、同62−110066号
等に記載のポリマーラテックスのいずれも使用できる。
特に、ガラス転移点の低い(40℃以下)ポリマーラテ
ックスを媒染層に用いると媒染層のヒビ割れを防止する
ことができ、またガラス転移点が高いポリマーラテック
スをバック層に用いるとカール防止効果が得られる。
【0111】本発明の感光材料にはマット剤が有る事が
好ましい。マット剤としては乳剤面、バック面とどちら
に添加してもよいが、乳剤側の最外層に添加するのが特
に好ましい。マット剤は処理液可溶性でも処理液不溶性
でもよく、好ましくは両者を併用することである。例え
ばポリメチルメタクリレート、ポリ(メチルメタクリレ
ート/メタクリル酸=9/1又は5/5(mol
比))、ポリスチレン粒子などが好ましい。粒径として
は0.8〜10μmが好ましく、その粒径分布も狭い方
が好ましく、平均粒径の0.9〜1.1倍の間に全粒子
数の90%以上が含有されることが好ましい。又、マッ
ト性を高めるために0.8μm以下の微粒子を同時に添
加することも好ましく、例えばポリメチルメタクリレー
ト(0.2μm)、ポリ(メチルメタクリレート/メタ
クリル酸=9/1(mol比)(0.3μm))、ポリ
スチレン粒子(0.25μm)、コロイダルシリカ
(0.03μm)が挙げられる。具体的には、特開昭6
1−88256号(29)頁に記載されている。その他、
ベンゾグアナミン樹脂ビーズ、ポリカーボネート樹脂ビ
ーズ、AS樹脂ビーズなどの特開昭63−274944
号、同63−274952号記載の化合物がある。その
他前記RDに記載の化合物が使用できる。これらのマッ
ト剤は、必要に応じて前記バインダーの項に記載の各種
バインダーで分散して、分散物として使用することがで
きる。特に各種のゼラチン、例えば、酸処理ゼラチン分
散物は安定な塗布液を調製しやすく、このとき、pH、
イオン強度、バインダー濃度を必要に応じて最適化する
事が好ましい。
【0112】また、以下に記載の化合物も使用すること
ができる。 油溶性有機化合物の分散媒: 特開昭62−215272
号のP-3,5,16,19,25,30,42,49,54,55,66,81,85,86,93(1
40〜144頁); 油溶性有機化合物の含浸用ラテックス: US4,19
9,363号に記載のラテックス; 現像主薬酸化体スカベンジャー: US4,978,60
6号のカラム2の54〜62行の式(I) で表わされる化合物
(特にI-,(1),(2),(6),(12) (カラム4〜5)、US
4,923,787号のカラム2の5〜10行の式(特に
化合物1(カラム3); ステイン防止剤: EP298321A号の4頁30〜33行
の式(I) 〜(III),特にI-47,72,III-1,27(24 〜48頁); 褪色防止剤: EP298321A号のA-6,7,20,21,23,2
4,25,26,30,37,40,42,48,63,90,92,94,164(69 〜118
頁),US5,122,444号のカラム25〜38のII-1〜
III-23, 特にIII-10、EP471347A号の8 〜12頁
のI-1 〜III-4 、特にII-2、US5,139,931号
のカラム32〜40のA-1 〜48、特にA-39,42;
【0113】発色増強剤または混色防止剤の使用量を低
減させる素材: EP411324A号の5 〜24頁のI-1
〜II-15 、特にI-46; ホルマリンスカベンジャー: EP477932Aの24〜
29頁のSCV-1 〜28、特にSCV-8; 硬膜剤: 特開平1−214845号の17頁のH-1,4,6,8,
14, US4,618,573号のカラム13〜23の式(VI
I) 〜(XII) で表わされる化合物(H-1〜54) 、特開平2
−214852号の8頁右下の式(6) で表わされる化合
物(H-1〜76) 、特にH-14、US3,325,287号の
クレーム1に記載の化合物; 現像抑制剤プレカーサー: 特開昭62−168139号
のP-24,37,39(6〜7 頁); US5,019,492号の
クレーム1に記載の化合物、特にカラム7の28,29; 防腐剤、防黴剤: US4,923,790号のカラム3
〜15のI-1 〜III-43、特にII-1,9,10,18,III-25; 安定剤、かぶり防止剤: US4,923,793号のカ
ラム6 〜16のI-1 〜(14)、特にI-1,60,(2),(13) 、US
4,952,483号のカラム25〜32の化合物1〜65、
特に36:
【0114】化学増感剤: トリフェニルホスフィンセレ
ニド、特開平5−40324号の化合物50; 染料: 特開平3−156450号の15〜18頁のa-1 〜b-
20、特にa-1,12,18,27,35,36,b-5,27 〜29頁のV-1 〜2
3、特にV-1,EP445627A号の33〜55頁のF-I-1
〜F-II-43 、特にF-I-11,F-II-8,EP457153A号
の17〜28頁のIII-1 〜36、特にIII-1,3,WO88/04
794の8〜26のDye-1 〜124 の微結晶分散体、EP3
19999A号の6〜11頁の化合物1〜22、特に化合物
1 、EP519306A号の式(1) ないし(3) で表わさ
れる化合物D-1 〜87(3〜28頁) 、US4,268,62
2号の式(I) で表わされる化合物1〜22 (カラム3〜1
0) 、US4,923,788号の式(I) で表わされる
化合物(1) 〜(31) (カラム2〜9); UV吸収剤: 特開昭46−3335号の式(1)で表わさ
れる化合物(18b) 〜(18r),101 〜427(6〜9頁) 、EP
520938A号の式(I) で表わされる化合物(3) 〜(6
6)(10 〜44頁) 及び式(III) で表わされる化合物HBT-1
〜10(14 頁) 、EP521823A号の式(1)で表わ
される化合物(1) 〜(31) (カラム2〜9)。 ここまでに述べてきた各種の添加剤、具体的には、硬膜
剤、カブリ防止剤、界面活性剤、滑り剤、帯電防止剤、
ラテックス、マット剤などは必要に応じて処理材料に添
加したり、感光材料と処理材料の両方に添加することが
できる。
【0115】本発明において感光材料の支持体として
は、透明かつ処理温度に耐えることのできるものが用い
られる。一般的には、日本写真学会編「写真工学の基礎
−銀塩写真編−」、(株)コロナ社刊(昭和54年)(2
23) 〜(240) 頁記載の紙、合成高分子(フィルム)等の
写真用支持体が挙げられる。具体的には、ポリエチレン
テレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリカー
ボネート、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリプロピ
レン、ポリイミド、セルロース類(例えばトリアセチル
セルロース)等が挙げられる。この他に、特開昭62−
253,159号(29)〜(31)頁、特開平1−161,2
36号(14)〜(17)頁、特開昭63−316,848号、
特開平2−22,651号、同3−56,955号、米
国特許第5,001,033号等に記載の支持体を用い
ることができる。これらの支持体は、光学的特性、物理
的特性を改良するために、熱処理(結晶化度や配向制
御)、一軸及び二軸延伸(配向制御)、各種ポリマーの
ブレンド、表面処理等を行うことができる。
【0116】特に耐熱性やカール特性の要求が厳しい場
合、感光材料の支持体として特開平6−41281号、
同6−43581号、同6−51426号、同6−51
437号、同6−51442号、特願平4−25184
5号、同4−231825号、同4−253545号、
同4−258828号、同4−240122号、同4−
221538号、同5−21625号、同5−1592
6号、同4−331928号、同5−199704号、
同6−13455号、同6−14666号各公報に記載
の支持体が好ましく用いることができる。また、主とし
てシンジオタクチック構造を有するスチレン系重合体で
ある支持体も好ましく用いることができる。支持体の厚
みは、好ましくは5〜200μm、より好ましくは40
〜120μmである。
【0117】また、支持体と感材構成層を接着させるた
めに、表面処理することが好ましい。薬品処理、機械的
処理、コロナ放電処理、火焔処理、紫外線処理、高周波
処理、グロー放電処理、活性プラズマ処理、レーザー処
理、混酸処理、オゾン酸化処理、などの表面活性化処理
が挙げられる。表面処理の中でも好ましいのは、紫外線
照射処理、火焔処理、コロナ処理、グロー処理である。
次に下塗層について述べると、下塗層は単層でもよく2
層以上でもよい。下塗層用バインダーとしては、塩化ビ
ニル、塩化ビニリデン、ブタジエン、メタクリル酸、ア
クリル酸、イタコン酸、無水マレイン酸などの中から選
ばれた単量体を出発原料とする共重合体を始めとして、
ポリエチレンイミン、エポキシ樹脂、グラフト化ゼラチ
ン、ニトロセルロース、ゼラチン、ポリビニルアルコー
ル、及びこれらの変成ポリマーが挙げられる。支持体を
膨潤させる化合物としてレゾルシンとp−クロルフェノ
ールがある。下塗層にはゼラチン硬化剤としてはクロム
塩(クロム明ばんなど)、アルデヒド類(ホルムアルデ
ヒド、グルタールアルデヒドなど)、イソシアネート
類、活性ハロゲン化合物(2,4−ジクロロ−6−ヒド
ロキシ−s−トリアジンなど)、エピクロルヒドリン樹
脂、活性ビニルスルホン化合物などを挙げることができ
る。SiO2、TiO2、無機物微粒子又はポリメチルメタクリ
レート共重合体微粒子(0.01〜10μm)をマット
剤として含有させてもよい。
【0118】また、支持体として例えば、特開平4−1
24645号、同5−40321号、同6−35092
号、同6−317875号記載の磁気記録層を有する支
持体を用い、撮影情報などを記録することが好ましい。
【0119】磁気記録層とは、磁性体粒子をバインダー
中に分散した水性もしくは有機溶媒系塗布液を支持体上
に塗設したものである。磁性体粒子は、γFe2O3 などの
強磁性酸化鉄、Co被着γFe2O3 、Co被着マグネタイト、
Co含有マグネタイト、強磁性二酸化クロム、強磁性金
属、強磁性合金、六方晶系のBaフェライト、Srフェライ
ト、Pbフェライト、Caフェライトなどを使用できる。Co
被着γFe2O3 などのCo被着強磁性酸化鉄が好ましい。形
状としては針状、米粒状、球状、立方体状、板状等いず
れでもよい。比表面積ではSBET で20m2 /g以上が
好ましく、30m2 /g以上が特に好ましい。強磁性体
の飽和磁化(σs)は、好ましくは3.0×104
3.0×105 A/m であり、特に好ましくは4.0×1
4 〜2.5×105 A/m である。強磁性体粒子を、シ
リカ及び/またはアルミナや有機素材による表面処理を
施してもよい。さらに、磁性体粒子は特開平6−161
032号に記載された如くその表面にシランカップリン
グ剤またはチタンカップリング剤で処理されてもよい。
又特開平4−259911号、同5−81652号に記
載の表面に無機、有機物を被覆した磁性体粒子も使用で
きる。
【0120】磁性体粒子に用いられるバインダーは、特
開平4−219569号に記載の熱可塑性樹脂、熱硬化
性樹脂、放射線硬化性樹脂、反応型樹脂、酸、アルカリ
又は生分解性ポリマー、天然物重合体(セルロース誘導
体、糖誘導体など)及びそれらの混合物を使用すること
ができる。上記の樹脂のTgは−40℃〜300℃、重
量平均分子量は0.2万〜100万である。例えばビニ
ル系共重合体、セルロースジアセテート、セルロースト
リアセテート、セルロースアセテートプロピオネート、
セルロースアセテートブチレート、セルローストリプロ
ピオネートなどのセルロース誘導体、アクリル樹脂、ポ
リビニルアセタール樹脂を挙げることができ、ゼラチン
も好ましい。特にセルロースジ(トリ)アセテートが好
ましい。バインダーは、エポキシ系、アジリジン系、イ
ソシアネート系の架橋剤を添加して硬化処理することが
できる。イソシアネート系の架橋剤としては、トリレン
ジイソシアネート、4,4′−ジフェニルメタンジイソ
シアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシリ
レンジイソシアネート、などのイソシアネート類、これ
らのイソシアネート類とポリアルコールとの反応生成物
(例えば、トリレンジイソシアナート3mol とトリメチ
ロールプロパン1mol の反応生成物)、及びこれらのイ
ソシアネート類の縮合により生成したポリイソシアネー
トなどが挙げられ、例えば特開平6−59357号に記
載されている。
【0121】前述の磁性体を上記バインダー中に分散す
る方法は、特開平6−35092号に記載されている方
法のように、ニーダー、ピン型ミル、アニュラー型ミル
などが好ましく併用も好ましい。特開平5−08828
3号記載の分散剤や、その他の公知の分散剤が使用でき
る。磁気記録層の厚みは0.1μm〜10μm、好まし
くは0.2μm〜5μm、より好ましくは0.3μm〜
3μmである。磁性体粒子とバインダーの重量比は好ま
しくは0.5:100〜60:100からなり、より好
ましくは1:100〜30:100である。磁性体粒子
の塗布量は0.005〜3g/m2、好ましくは0.01
〜2g/m2、さらに好ましくは0.02〜0.5g/m2
である。磁気記録層の透過イエロー濃度は、0.01〜
0.50が好ましく、0.03〜0.20がより好まし
く、0.04〜0.15が特に好ましい。磁気記録層
は、写真用支持体の裏面に塗布又は印刷によって全面ま
たはストライプ状に設けることができる。磁気記録層を
塗布する方法としてはエアードクター、ブレード、エア
ナイフ、スクイズ、含浸、リバースロール、トランスフ
ァロール、グラビヤ、キス、キャスト、スプレイ、ディ
ップ、バー、エクストリュージョン等が利用でき、特開
平5−341436号等に記載の塗布液が好ましい。
【0122】磁気記録層に、潤滑性向上、カール調節、
帯電防止、接着防止、ヘッド研磨などの機能を併せ持た
せてもよいし、別の機能性層を設けて、これらの機能を
付与させてもよく、粒子の少なくとも1種以上がモース
硬度が5以上の非球形無機粒子の研磨剤が好ましい。非
球形無機粒子の組成としては、酸化アルミニウム、酸化
クロム、二酸化珪素、二酸化チタン、シリコンカーバイ
ト等の酸化物、炭化珪素、炭化チタン等の炭化物、ダイ
アモンド等の微粉末が好ましい。これらの研磨剤は、そ
の表面をシランカップリング剤又はチタンカップリング
剤で処理されてもよい。これらの粒子は磁気記録層に添
加してもよく、また磁気記録層上にオーバーコート(例
えば保護層、潤滑剤層など)しても良い。この時使用す
るバインダーは前述のものが使用でき、好ましくは磁気
記録層のバインダーと同じものがよい。磁気記録層を有
する感材については、US5,336,589号、同
5,250,404号、同5,229,259号、同
5,215,874号、EP466,130号に記載さ
れている。
【0123】上述の磁気記録層を有する感材に好ましく
用いられるポリエステル支持体について更に記すが、感
材、処理、カートリッジ及び実施例なども含め詳細につ
いては、公開技報、公技番号94−6023(発明協
会;1994.3.15)に記載されている。ポリエス
テルはジオールと芳香族ジカルボン酸を必須成分として
形成され、芳香族ジカルボン酸として2,6−、1,5
−、1,4−、及び2,7−ナフタレンジカルボン酸、
テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ジオールとし
てジエチレングリコール、トリエチレングリコール、シ
クロヘキサンジメタノール、ビスフェノールA、ビスフ
ェノールが挙げられる。この重合ポリマーとしては、ポ
リエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレー
ト、ポリシクロヘキサンジメタノールテレフタレート等
のホモポリマーを挙げることができる。特に好ましいの
は2,6−ナフタレンジカルボン酸を50mol%〜1
00mol%含むポリエステルである。中でも特に好ま
しいのはポリエチレン−2,6−ナフタレートである。
平均分子量の範囲は約5,000ないし200,000
である。ポリエステルのTgは50℃以上であり、さら
に90℃以上が好ましい。
【0124】次にポリエステル支持体は、巻き癖をつき
にくくするために熱処理温度は40℃以上Tg(ガラス
転移温度)未満、より好ましくはTg−20℃以上Tg
未満で熱処理を行う。熱処理はこの温度範囲内の一定温
度で実施してもよく、冷却しながら熱処理してもよい。
この熱処理時間は、0.1時間以上1500時間以下、
さらに好ましくは0.5時間以上200時間以下であ
る。支持体の熱処理は、ロール状で実施してもよく、ま
たウェブ状で搬送しながら実施してもよい。表面に凹凸
を付与し(例えばSnO2やSb2O5 等)の導電性無機微粒子
を塗布する)、面状改良を図ってもよい。又端部にロー
レットを付与し端部のみ少し高くすることで巻芯部の切
り口写りを防止するなどの工夫を行うことが望ましい。
これらの熱処理は支持体製膜後、表面処理後、バック層
塗布後(帯電防止剤、滑り剤等)、下塗り塗布後のどこ
の段階で実施してもよい。好ましいのは帯電防止剤塗布
後である。このポリエステルには紫外線吸収剤を練り込
んでも良い。又ライトパイピング防止のため、三菱化成
製のDiaresin、日本化薬製のKayaset 等ポリエステル用
として市販されている染料または顔料を練り込むことに
より目的を達成することが可能である。
【0125】次に、感光材料を装填することのできるフ
ィルムパトローネについて記す。本発明で使用されるパ
トローネの主材料は金属でも合成プラスチックでもよ
い。好ましいプラスチック材料はポリスチレン、ポリエ
チレン、ポリプロピレン、ポリフェニルエーテルなどで
ある。更にパトローネは、各種の帯電防止剤を含有して
もよくカーボンブラック、金属酸化物粒子、ノニオン、
アニオン、カチオン及びベタイン系界面活性剤又はポリ
マー等を好ましく用いることができる。これらの帯電防
止されたパトローネは特開平1−312537号、同1
−312538号に記載されている。特に25℃、25
%RHでの抵抗が1012Ω/□以下が好ましい。通常プ
ラスチックパトローネは、遮光性を付与するためにカー
ボンブラックや顔料などを練り込んだプラスチックを使
って製作される。パトローネのサイズは現在の135サ
イズのままでもよいし、カメラの小型化には、現在の1
35サイズの25mmのカートリッジの径を22mm以下と
することも有効である。パトローネのケースの容積は、
30cm3 以下好ましくは25cm3 以下とすることが好ま
しい。パトローネ及びパトローネケースに使用されるプ
ラスチックの重量は5g〜15gが好ましい。
【0126】更にスプールを回転してフィルムを送り出
すパトローネでもよい。またフィルム先端がパトローネ
本体内に収納され、スプール軸をフィルム送り出し方向
に回転させることによってフィルム先端をパトローネの
ポート部から外部に送り出す構造でもよい。これらはU
S4,834,306号、同5,226,613号に開
示されている。以上の感光材料は特公平2−32615
号、実公平3−39784号に記載されているレンズ付
フィルムユニットにも好ましく用いることができる。
【0127】レンズ付きフィルムユニットとは、撮影レ
ンズ及びシャッターをあらかじめ備えた包装ユニット本
体に、未露光のカラー感光材料を、シート状又はロール
状に、直接又は容器に入れて収納し、光密接合した方法
ユニットであって更に外装してなるものをいう。
【0128】さらに包装ケース本体には、ファインダ
ー、感光材料のコマ送り機構、撮影済みカラー感光材料
の収納、及び取り出し機構などを備え、ファインダーに
はパララックス修正支持を、また撮影機構には、例え
ば、実開平1−93723号、同1−57738号、同
1−57740号、特開平1−93723及び同1−1
52437号に記載の補助照明機構を設けることができ
る。
【0129】本発明における包装ユニット本体とは、感
光材料が収納されているので、包装ユニット内の湿度は
25℃において相対湿度40〜70%になるように調湿
し、好ましくは50〜65%であるのがよい。外装用材
料には、不透湿性材料または例えば、ASTM試験法D
−570で0.1%以下の非吸水性材料を用い、特にア
ルミニウム箔ラミネート・シート又はアルミニウム箔を
用いることが好ましい。
【0130】包装ユニット本体内に設けられる撮影済み
感光材料の収納容器は、外装ユニット用カートリッジ、
常用のパトローネ、例えば、特開昭54−111822
号、同63−194255号、米国特許第4,832,
275号、同4,834,306号、特願昭63−18
3344号、特願平1−21862号、同1−8519
8号明細書に記載される容器が用いられる。用いられる
感光材料のフィルムとしては110サイズ、135サイ
ズ、そのハーフサイズや126サイズが挙げられる。
【0131】本発明における包装ユニットの構成に用い
るプラスチック材料は、炭素・炭素二重結合をもつオレ
フィンの不可重合、小員環化合物の開環重合、2種以上
の多官能化合物間の重縮合(縮合重合)、重付加、及び
フェノール誘導体、尿素誘導体、メラミン誘導体とアル
デヒドをもつ化合物との付加縮合などの方法を用いて製
造することができる。
【0132】本発明に用いる処理材料の処理層には、少
なくとも塩基及び/または塩基プレカーサーを含む。塩
基としては、無機あるいは有機塩基を用いることができ
る。無機の塩基としては、特開昭62−209448号
記載のアルカリ金属またはアルカリ土類金属の水酸化
物、リン酸塩、炭酸塩、ホウ酸塩、有機酸塩、特開昭6
3−25208号記載のアルカリ金属またはアルカリ土
類金属のアセチリド、等が挙げられる。
【0133】また有機の塩基としては、アンモニア、脂
肪族あるいは芳香族アミン類(例えば、1級アミン類、
2級アミン類、3級アミン類、ポリアミン類、ヒドロキ
シルアミン類、複素環状アミン類)、アミジン類、ビス
あるいはトリスあるいはテトラアミジン、グアニジン
類、水不溶性のモノあるいはビスあるいはトリスあるい
はテトラグアニジン類、4級アンモニウムの水酸化物類
などが挙げられる。
【0134】塩基プレカーサーとしては、脱炭酸型、分
解型、反応型及び錯塩形成型などを用いることができ
る。本発明においては、欧州特許公開210,660
号、米国特許第4,740,445号に記載されている
ように、塩基プレカーサーとして水に難溶な塩基性金属
化合物及びこの塩基性金属化合物を構成する金属イオン
と水を媒体として錯形成反応しうる化合物(錯形成化合
物という)の組み合わせで塩基を発生させる方法を採用
するのが効果的である。この場合、水に難溶な塩基性金
属化合物は感光材料に、錯形成化合物は処理材料に添加
するのが望ましいが、この逆も可能である。
【0135】塩基または塩基プレカーサーの使用量は、
0.1〜20g/m2 好ましくは1〜10g/m2 である。
処理層のバインダーは、感光材料同様の親水性ポリマー
を用いることができる。処理材料は感光材料同様に硬膜
材で硬膜されていることが好ましい。硬膜剤は感光材料
と同様のものを用いることができる。
【0136】処理材料には前に述べたような、感光材料
の黄色フィルター層やアンチハレーション層に用いる染
料を転写除去する等の目的で媒染剤を含ませることがで
きる。媒染剤としては、ポリマー媒染剤が好ましい。そ
の例としては2級及び3級アミノ基を含むポリマー、含
窒素複素環部分を持つポリマー、これらの4級カチオン
基を含むポリマー等で分子量が5000〜20000
0、特に10000〜50000のものである。具体的
には、米国特許2,548,564号、同2,484,
430号、同3,148,061号、同3,756,8
14号、同3,625,694号、同3,859,09
6号、同4,128,538号、同3,958,995
号、同2,721,852号、同2,798,063
号、同4,168,976号、同3,709,690
号、同3,788,855号、同3,642,482
号、同3,488,706号、同3,557,066
号、同3,271,147号、同3,271,148
号、同2,675,316号、同2,882,156
号、英国特許1277453号、特開昭54−1152
28号、同54−145529号、同54−12602
7号、同50−71332、同53−30328号、同
52−155528号、同53−125号、同53−1
024号、等に記載されている。媒染剤の添加量は、
0.1〜10g/m2 、好ましくは0.5〜5g/m2
である。
【0137】本発明においては、処理材料に現像停止剤
あるいは現像停止剤のプレカーサーを含ませておき、現
像と同時あるいはタイミングを遅らせて現像停止剤を働
かせてもよい。ここでいう現像停止剤とは、適正現像
後、速やかに塩基を中和または塩基と反応して膜中の塩
基濃度を下げ現像を停止する化合物、または銀あるいは
銀塩と相互作用して現像を抑制する化合物である。具体
的には加熱により酸を放出する酸プレカーサー、加熱に
より共存する塩基と置換反応を起こす親電子化合物、ま
たは含窒素ヘテロ環化合物、メルカプト化合物及びその
前駆体が挙げられる。詳しくは、特開昭62−1905
29号の(31)〜(32)頁に記載されている。また、同様に
ハロゲン化銀のプリントアウト防止剤を処理材料に含ま
せておき、現像と同時にその機能を発現させてもよい。
プリントアウト防止剤の例としては、特公昭54−16
4号、特開昭53−46020号、同48−45228
号、特公昭57−8454号等に記載のハロゲン化合
物、英国特許第1,005,144号記載の1−フェニ
ル−5−メルカプトテトラゾール類の化合物、特開平8
−184936号記載のビオローゲン化合物類が挙げら
れる。プリントアウト防止剤の使用量は、10-4〜1m
ol/Ag1mol、好ましくは10-3〜10-2mol
/Ag1molである。
【0138】また、処理材料に物理現像核及びハロゲン
化銀溶剤を含ませておき現像と同時に感光材料のハロゲ
ン化銀を可溶化、及び処理層に固定してもよい。物理現
像に必要な還元剤は、感光材料の分野で知られているも
のを用いることができる。また、それ自身は還元性を持
たないが処理過程に求核試薬や熱の作用により還元性を
発現する還元剤プレカーサーも用いることができる。還
元剤としては、感光材料から拡散してくる感光材料で現
像に用いられなかった現像主薬を利用する事ができる
し、また還元剤を処理材料にあらかじめ含有させておい
てもよい。後者の場合、処理材料に含有させておく還元
剤は、感光材料に含まれる還元剤と同じでもよいし、異
なっていてもよい。本発明に用いられる還元剤の例とし
ては、米国特許4,500,626号の第49〜50
欄、同4,483,914号の第30〜31欄、同4,
330,617号、同4,590,152号、特開昭6
0−140335号の第(17)〜(18)頁、同57−402
45号、同56−138736号、同59−17845
8号、同59−53831号、同59−182449
号、同59−182450号、同60−119555
号、同60−128436号〜同60−128439号
まで、同60−198540号、同60−181742
号、同61−259253号、同62−244044
号、同62−131253号〜同62−131256ま
で、欧州特許第220746A2号の第78〜96頁等
に記載の還元剤や還元剤プレカーサーを用いることがで
きる。米国特許第3,039,869号に開示されてい
る種々の還元剤の組み合わせを用いることもできる。耐
拡散型の現像主薬を使用する場合には、必要に応じて、
電子伝達剤及び/または電子伝達剤のプレカーサーを組
み合わせて用いてもよい。電子伝達剤またはそのプレカ
ーサーは、前述した還元剤またはそのプレカーサーの中
から選ぶことができる。処理材料に還元剤を添加する場
合の添加量は、0.01〜10g/m2 であり、好まし
くは、感光材料の銀のmol数の1/10〜5倍であ
る。
【0139】物理現像核は、感光材料より拡散してきた
可溶性銀塩を還元して物理現像銀に変換し、処理層に固
定させるものである。物理現像核としては、亜鉛、水
銀、鉛、カドミウム、鉄、クロム、ニッケル、錫、コバ
ルト、銅、ルテニウム等の重金属、あるいはパラジウ
ム、白金、金、銀等の貴金属、あるいはこれら重金属、
貴金属の硫黄、セレン、テルル等のカルコゲン化合物、
のコロイド粒子等の公知のものはすべて利用できる。こ
れらの物理現像核の大きさは、2〜200nmの粒径の
ものが好ましく用いられる。これらの物理現像核は、処
理層に10-3mg/m2 〜10g/m2 含有させる。
【0140】ハロゲン化銀溶剤は、公知のものを使用で
きる。例えば、チオ硫酸塩、亜硫酸塩、チオシアン酸
塩、特公昭47−11386号に記載のチオエーテル化
合物、特開平8−179458号記載のウラシル、ヒダ
ントインの如き5ないし6員環のイミド基を有する化合
物、特開昭53−144319号記載の炭素−硫黄の2
重結合を有する化合物、アナリティカ・ケミカ・アクタ
(Analytica Chimica Acta)248巻604〜614頁(1991年)
記載のトリメチルトリアゾリウムチオレート等のメソイ
オンチオレート化合物が好ましく用いられる。また、特
開平8−69097号記載のハロゲン化銀を定着して安
定化しうる化合物もハロゲン化銀溶剤として使用しう
る。ハロゲン化銀溶剤は、単独で使用してもよいし、複
数のハロゲン化銀溶剤を併用することも好ましい。
【0141】処理層中の、全ハロゲン化銀溶剤の含有量
は、0.01〜100mmol/m2 であり、好ましく
は、0.1〜50mmol/m2 である。感光材料の塗
布銀量に対して、mol比で1/20〜20倍で、好ま
しくは1/10〜10倍、より好ましくは1/4〜4倍
である。ハロゲン化銀溶剤は、水、メタノール、エタノ
ール、アセトン、ジメチルホルムアルデヒド、メチルプ
ロピルグリコール等の溶媒あるいはアルカリまたは酸性
水溶液として添加してもよいし、固体微粒子分散させて
塗布液に添加してもよい。
【0142】処理材料には、感光材料と同様に保護層、
下塗り層、バック層、その他の種々の補助層があっても
よい。処理材料は連続ウェブ上に処理層が設けられてい
ることが好ましい。ここでいう連続ウェブとは、処理材
料の長さが、処理時対応する感光材料の長辺より長さが
十分に長く、処理に使用するときにその一部を裁断する
ことなく使用し、複数の感光材料を処理できる長さを有
する形態をいう。一般には、その処理材料の長さが、巾
の5倍以上10000倍以下のことをいう。処理材料の
巾は任意であるが、対応する感光材料の巾以上であるこ
とが好ましい。
【0143】また、複数の感光材料を並行し、すなわち
感光材料を複数並べて処理するような形態も好ましい。
この場合処理材料の巾は、感光材料の巾×同時処理数以
上であることが好ましい。このような連続ウェブ処理は
送り出しロールから供給され巻き取りロールに巻き取ら
れて廃棄されることが好ましい。特にサイズが大きい感
光材料の場合、廃棄が容易である。以上のように、連続
ウェブの処理材料は従来のシート部材に比べ、取り扱い
性が著しく向上する。
【0144】本発明の処理材料に用いられる支持体の厚
みは任意であるが、薄いほうが好ましく、特に好ましく
は4μm以上120μm以下である。支持体厚みが40
μm以下の処理材料を利用することがとりわけ好まし
く、この場合、単位体積あたりの処理材料の量が多くな
るので、上記の処理材料用ロールをコンパクトにでき
る。支持体の素材についても特に限定はなく、処理温度
に耐えることのできるものが用いられる。一般的には、
日本写真学会編「写真工学の基礎−銀塩写真編−」、
(株)コロナ社刊(昭和54年)(223〜240頁)
記載の紙、合成高分子(フイルム)等の写真用支持体が
挙げられる。
【0145】支持体用の素材は単独で使用することもで
きるし、ポリエチレン等の合成高分子で片面あるいは両
面をコートあるいはラミネートされた支持体として用い
ることもできる。このほか、特開昭62−253159
号(29)〜(31)頁、特開平1−161,236号
(14)〜(17)頁、特開昭63−316,848
号、特開平2−22651号、同3−56955号、米
国特許第5,001,033号等に記載の支持体を用い
ることができる。また主としてシンジオタクチック構造
を有するスチレン系重合体である支持体も好ましく用い
ることができる。
【0146】これらの支持体の表面に親水性バインダー
とアルミナゾルや酸化錫の様な半導性金属酸化物、カー
ボンブラックその他の帯電防止剤を塗布してもよい。ア
ルミニウムを蒸着した支持体も好ましく用いることがで
きる。
【0147】本発明においては、カメラ等で撮影した感
光材料を現像する方法として、感光材料及び処理材料双
方のバック層を除く全塗布膜を最大膨潤させるに要する
量の0.1〜1倍に相当する水の存在下で、感光材料と
処理材料を感光性層と処理層が向かい合う形で重ね合わ
せ、60℃〜100℃の温度で5秒〜60秒間加熱す
る。
【0148】水の供給量が全塗布膜の最大膨潤に要する
水の0.1倍未満であると画像濃度がでにくく、1倍を
超えると濃度ムラが大きくなるためいずれも好ましくな
い。ここで言う水とは一般に用いられる水であれば何を
用いても良い。具体的には蒸留水、イオン交換水、水道
水、井戸水、ミネラルウォーター等を用いることができ
る。これらの水には水垢発生防止、腐敗防止などの目的
で防腐剤を少量添加したり、活性炭フィルターやイオン
交換樹脂フィルターなどにより、水を循環濾過して使用
する方法も好ましく用いられる。本発明では感光材料及
び/または処理材料が水で膨潤した状態で貼り合わさ
れ、加熱される。この膨潤時の膜の状態は不安定であ
り、水の量を上記の範囲に限定することが、局所的な発
色ムラを防ぐのに重要である。最大膨潤に要する水の量
は、用いる水の中に測定するべき塗布膜をもつ感光材料
または処理材料を浸漬させ、十分膨潤したところで膜厚
を測定し、最大膨潤量を計算してから塗布膜の重量を減
じれば求めることができる。また、膨潤度の測定法の例
はホトグラフィック・サイエンス・エンジニアリング、
16巻、449ページ(1972年)にも記載がある。
【0149】水の付与方法としては、感光材料または処
理材料を水に浸漬し、スクウィーズローラーで余分な水
を除去する方法と一定量の水を付与する方法があるが、
一定量の水を塗りきりで感光材料または処理材料に付与
する方が好ましい。ここで、水を噴射する複数のノズル
孔が一定の間隔で感光材料または処理材料の搬送方向と
交差する方向に沿って直線状に並べられたノズルと前記
ノズルを搬送経路上の感光材料または処理材料に向かっ
て変位させるアクチュエータとを有する水塗布装置によ
り水を噴射する方法が特に好ましい。また、スポンジ等
により水塗布する方法も装置が簡易であり、好ましく用
いられる。付与する水の温度は、30℃〜60℃が好ま
しい。感光材料と処理材料を重ね合わせる方法の例とし
ては特開昭62−253159号、特開昭61−147
244号記載の方法がある。
【0150】現像工程における加熱方法としては、加熱
されたブロックやプレートに接触させたり、熱板、ホッ
トプレッサー、熱ローラー、熱ドラム、ハロゲンランプ
ヒーター、赤外及び遠赤外ランプヒーターなどに接触さ
せたり高温の雰囲気中を通過させる方法などがある。加
熱条件は60〜100℃の温度で5〜60秒の範囲で行
われることが好ましく、加熱温度が60℃未満であると
画像濃度がでにくく、100℃を超えるとカブリが高く
なりすぎるため、いずれも好ましくない。また、加熱時
間が5秒未満であると画像濃度がでにくく、60秒を超
えるとカブリが高くなりすぎるため、いずれも好ましく
ない。
【0151】現像工程における加熱方法としては、加熱
されたブロックやプレートに接触させたり、熱板、ホッ
トプレッサー、熱ローラー、熱ドラム、ハロゲンランプ
ヒーター、赤外及び遠赤外ランプヒーターなどに接触さ
せたり高温の雰囲気中を通過させる方法などがある。本
発明の処理には種々の熱現像装置のいずれもが使用でき
る。例えば、特開昭59−75247号、同59−17
7547号、同59−181353号、同60−189
51号、実開昭62−25944号、特願平4−277
517号、同4−243072号、同4−244693
号、同6−164421号、同6−164422号等に
記載されている装置などが好ましく用いられる。また市
販の装置としては富士写真フイルム(株)製ピクトロス
タット100、同ピクトロスタット200、同ピクトロ
スタット300、同ピクトロスタット330、同ピクト
ロスタット50、同ピクトログラフィー3000、同ピ
クトログラフィー2000などが使用できる。
【0152】本発明に用いる感光材料及びまたは処理材
料は、加熱現像のための加熱手段としての導電性の発熱
体層を有する形態であっても良い。この発明の発熱要素
には、特開昭61−145544号等に記載のものを利
用できる。
【0153】
【実施例】以下実施例により本発明を具体的に説明する
が、本発明はこれらに限定されるものではない。 <化学修飾ゼラチンの生成> [ゼラチンA]平均分子量10万の脱イオン処理をした
アルカリ処理ゼラチンα100gを900gの水に溶解
し、40℃に保ったものを3つ用意し、A1、A2、A
3とした。これらのゼラチン水溶液にそれぞれ31、3
10、3100ppmに相当する過酸化水素水を加え、
攪拌しながら40℃で16時間保った。それぞれのゼラ
チン中の過酸化水素をカタラーゼによって分解し、それ
ぞれのゼラチンのアミノ酸分析を行った結果、メチオニ
ン含有率が表1のようになった。
【0154】
【表1】
【0155】[ゼラチンB]ゼラチンα100gを90
0gの水に溶解し、50℃に保ったものを3つ用意し、
B1、B2、B3とした。これらのゼラチン水溶液に、
水酸化ナトリウムを加え、pHを9.0に調整した。そ
れぞれ無水酢酸を3.8、6.5、8.4gを加え、攪
拌しながら水酸化ナトリウムを加えてpHを8.5〜
9.5に保ちながら50℃で1時間保った。反応後硫酸
でpHを5.0に調整した。イオン交換樹脂を用いて過
剰のイオンを取り除いた後、それぞれのゼラチンの−N
2 基と−NH−基をホルモール滴定ならびにアミノ酸
分析によって定量すると表2のようになった。
【0156】
【表2】
【0157】[ゼラチンC]ゼラチンBの生成方法にお
いて無水酢酸の代わりに、無水フタル酸を3.5、6.
0、7.9g入れたこと以外は全く同様にゼラチンを生
成した。それぞれゼラチンC1、C2、C3とし、−N
2 基と−NH−基を定量すると、表3のようになっ
た。
【0158】
【表3】
【0159】[ゼラチンD]ゼラチンBの生成方法にお
いて無水酢酸の代わりに、無水トリメリット酸を4.
6、8.1、10.6g入れたこと以外は全く同様にゼ
ラチンを生成した。それぞれゼラチンC1、C2、C3
とし、−NH2 基と−NH−基を定量すると、表4のよ
うになった。
【0160】
【表4】
【0161】[ゼラチンE]ゼラチンα100gを90
0gの水に溶解し、50℃に保ったものを3つ用意し、
E1、E2、E3とした。これらのゼラチン水溶液に、
水酸化ナトリウムを加え、pHを10.5に調整した。
それぞれヨード酢酸を15.1、19.6、26.1g
を加え、攪拌しながら水酸化ナトリウムを加えてpHを
10〜11に保ちながら50℃で1時間保った。反応後
硫酸でpHを5.0に調整した。イオン交換樹脂を用い
て過剰のイオンを取り除き、それぞれのゼラチンの−N
H−基をホルモール滴定ならびにアミノ酸分析によって
定量すると表5のようになった。
【0162】
【表5】
【0163】[ゼラチンF]ゼラチンα100gを90
0gの水に溶解し、50℃に保ったものを3つ用意し、
F1、F2、F3とした。これらのゼラチン水溶液に、
水酸化ナトリウムを加え、pHを9.0に調整した。こ
こにそれぞれ無水o−スルホ安息香酸を3.0、5.
2、6.8gを加え、攪拌しながら水酸化ナトリウムを
加えてpHを8.5〜9.0に保ちながら50℃で2時
間保った。反応後硫酸でpHを5.0に調整した。イオ
ン交換樹脂を用いて過剰のイオンを取り除いた後、それ
ぞれのゼラチンの−SO3 H基をアミノ酸分析によって
定量すると表6のようになった。
【0164】
【表6】
【0165】[ゼラチンG]ゼラチンα100gを90
0gの水に溶解し、50℃に保ったものを3つ用意し、
G1、G2、G3とした。これらのゼラチン水溶液に、
水酸化ナトリウムを加え、pHを9.0に調整した。そ
こへそれぞれベンズアルデヒド−2,4−ジスルホン酸
ナトリウムを7.4、13.0、17.1gを加え、攪
拌しながら水酸化ナトリウムをくわえてpHを8.5〜
9.0に保ちながら50℃で10時間保った。反応後硫
酸でpHを5.0に調整した。イオン交換樹脂を用いて
過剰のイオンを取り除いた後、それぞれのゼラチンの−
SO3 基をホルモール滴定ならびにアミノ酸分析によっ
て定量すると表7のようになった。
【0166】
【表7】
【0167】<感光性ハロゲン化銀乳剤の調製方法> [比較例1] (乳剤α−1の調製)平均分子量15000のゼラチン
0.74g及び臭化カリウム0.7gを含む蒸留水93
0mlを反応容器中に入れ、40℃に昇温した,この溶
液に強く攪拌しながら硝酸銀1.2gを含む水溶液30
ml(A)と臭化カリウム0.82gを含む水溶液30
ml(B)とを30秒間で添加した。添加終了後1分間
40℃に保った後、反応溶液の温度を75℃に上昇させ
た。ここで、カルシウムイオンを含まないゼラチンαを
27g蒸留水200mlと共に加えた後、硝酸銀22.
5gを含む水溶液100ml(C)と臭化カリウム1
5.43gを含む水溶液80ml(D)とを添加流量を
増やしながら11分間にわたって添加した。次いで硝酸
銀75.1gを含む水溶液250ml(E)と沃化カリ
ウムを臭化カリウムとのmol比3:97で含む水溶液
(臭化カリウムの濃度26%)(F)とを添加流量を増
やしながら、かつ反応液の銀電位が飽和カロメル電極に
対して一20mVとなるように20分間で添加した。さ
らに硝酸銀18.7gを含む水溶液75ml(G)と臭
化カリウムの21.9%水溶液(H)とを3分間にわた
って、かつ反応液の銀電位が飽和カロメル電極に対して
0mVとなるように添加した。添加終了後1分間75℃
に保った後、反応液の温度を55℃に下降させた,次い
で、硝酸銀8.1gを含む水溶液120ml(I)と沃
化カリウム7.26gを含む水溶液320ml(J)と
を5分間にわたって添加した。添加終了後臭化カリウム
5.5gを加え、55℃で1分間保った後、さらに硝酸
銀44.3gを含む水溶液180ml(K)と臭化カリ
ウム34.0gを含む水溶液160ml(L)とを8分
間にわたって添加した。温度を下げ、定法に従って脱
塩、分散を行った。なお、分散時には脱イオン処理をし
ていない分子量10万のアルカリ処理ゼラチンYを50
g加えた。ゼラチンYのカルシウムイオン含有率は45
20ppmであった。得られた乳剤は球相当の直径で表
した平均粒子サイズが約0.66μmである六角平板状
粒子よりなる乳剤であった。この乳剤の名前をα−1と
する。
【0168】この乳剤に下記の分光増感色素、化合物
I、チオシアン酸カリウム、塩化金酸、チオ硫酸ナトリ
ウム及びモノ(ペンタフルオロフェニル)ジフェニルホ
スフィンセレニドを添加して分光増感及び化学増感を施
した。分光増感色素[化23]の量は、下記3種類の色
素の合計で9.76×10-4mol/銀1molであ
る。また、化学増感時のpAg及び化学増感剤の量は乳
剤の化学増感の程度が最適になるように調節した。こう
して調製した緑感性乳剤を乳剤α一1gとした。
【0169】
【化23】
【0170】次に、分光増感色素を以下に示すものと代
えた以外は乳剤α−1gと同様に調製した青感性乳剤を
乳剤α−1bとした。(分光増感色素[化24]の量は
9.76×10-4mol/銀1molである。)
【0171】
【化24】
【0172】さらに、分光増感色素を以下に示すものと
代えた以外は乳剤α−1gと同様に調製した赤感性乳剤
を乳剤α−1rとした。(分光増感色素[化25]の量
はα一1gと同様である。)
【0173】
【化25】
【0174】(乳剤α−2の調製)脱イオン処理した石
灰処理ゼラチン3.0g及び塩化ナトリウム2.8gを
含む蒸留水1500mlを反応容器中に入れ、35℃に
昇温した。この溶液に強く攪拌しながら硝酸銀12.5
gを含む水溶液80ml(M)と塩化ナトリウム4.5
gを含む水溶液80ml(N)とを1分間で添加した。
添加終了後l分間35℃に保った後、下記化合物(イ)
0.3g及び塩化ナトリウム4.2gを添加し、反応溶
液の温度を60℃に上昇させた。ここで反応容器にゼラ
チンαを40g及び下記化合物(イ)0.08gを蒸留
水360mlと共に加えた後、硝酸銀157.3gを含
む水溶液1000ml(O)及び塩化ナトリウム57.
5gを含む水溶液1000ml(P)とを添加流量を増
やしながら40分間で添加した。これらの溶液の添加が
終了する3分前に臭化カリウム4.8gを反応容器に添
加した。溶液(O)及び(P)の添加が終了してから2
分後にチオシアン酸カリウム1%水溶液を38ml添
加、さらに2分後に下記分光増感色素[化26]を54
0mg添加した。その後、反応溶液の温度を75℃に昇
温し、5分間保った後、40℃に冷却し、定法に従って
脱塩、分散を行った。なお分散時には前述のゼラチンY
を50g用いた。得られた乳剤は、球相当の直径で表し
た平均粒子サイズが約0.67μmである六角平板状粒
子よりなる乳剤であった。この乳剤の名前をα一2とす
る。この乳剤に、下記の分光増感色素と化合物I、チオ
シアン酸カリウム、塩化金酸、チオ硫酸ナトリウム及び
モノ(ペンタフルオロフェニル)ジフェニルホスフィン
セレニドを添加して分光増感及び化学増感を施した。分
光増感色素[化26]の量は7.25×10-4mol/
mol銀である。また、化学増感時のpAg及び化学増
感剤の量は乳剤の化学増感の程度が最適になるように調
節した。こうして調製した緑感性乳剤を乳剤α一2gと
した。
【0175】
【化26】
【0176】次に、分光増感色素を以下に示すものと代
えた以外は乳剤α−2gと同様に調製した青感性乳剤を
乳剤α−2bとした。(分光増感色素[化27]の量は
7.25×10-4mol/mol銀である。)
【0177】
【化27】
【0178】さらに、分光増感色素を以下に示すものと
代えた以外は乳剤α−2gと同様に調製した赤感性乳剤
を乳剤α−2rとした。(分光増感色素[化28]の量
はα一2gと同様である。)
【0179】
【化28】
【0180】(乳剤α−3の調製)平均分子量1500
0のゼラチン21.2g、塩化ナトリウム0.85g及
び硫酸(1N)3.8mlを含む蒸留水1000mlを
反応容器中に入れ、40℃に昇温した。この溶液に強く
攪拌しながら硝酸銀6.1gを含む水溶液30mI
(Q)と塩化ナトリウム2.00g及び臭化カリウム
0.21gを含む水溶液30ml(R)とを45秒間で
添加した。次いで臭化カリウム0.55gを含む水溶液
40m1(S)を添加した,さらに硝酸銀18.3gを
含む水溶液100ml(T)と塩化ナトリウム6.30
gを含む水溶液100ml(U)とを3分間で添加し
た。水酸化ナトリウム(1N)6.0mlを添加し、反
応溶液の温度を75℃に上昇させた。ここで同様にし
て、ゼラチンαを10.0g+蒸留水100ml加えた
後、硝酸銀145.4gを含む水溶液750ml(V)
と塩化ナトリウムの7.0%水溶液(W)とを添加流量
を増やしながら、かつ反応液の銀電位が飽和カロメル電
極に対して120mVとなるように45分間にわたって
添加した後、温度を下げ、定法に従って脱塩、分散を行
った。なお分散時には前述のゼラチンYを50g用い
た。得られた乳剤、は臭化銀含率0.64%で投影面は
平均縦横比が1:1.25の矩形である平板状塩臭化銀
粒子よりなり、球相当の直径で表した平均粒子サイズは
約0.69μmであった。この乳剤の名前をα−3とす
る。この乳剤に下記の分光増感色素、化合物I、チオシ
アン酸カリウム、塩化金酸、チオ硫酸ナトリウム及びモ
ノ(ペンタフルオロフェニル)ジフェニルホスフィンセ
レニドを添加して分光増感及び化学増感を施した。分光
増感色素[化29]の量は、下記3種類の色素を合わせ
て6.95×10-4mol/mol銀である。また、化
学増感時のpAg及び化学増感剤の量は乳剤の化学増感
の程度が最適になるように調節した。こうして調製した
緑感性乳剤を乳剤α一3gとした。
【0181】
【化29】
【0182】次に、分光増感色素を以下に示すものと代
えた以外は乳剤α−3gと同様に調製した青感性乳剤を
乳剤α−3bとした。(分光増感色素[化30]の量は
6.95×10-4mol/mol銀である。)
【0183】
【化30】
【0184】さらに、分光増感色素を以下に示すものと
代えた以外は乳剤α−3gと同様に調製した赤感性乳剤
を乳剤α−3rとした。(分光増感色素[化31]の量
はα一2gと同様である。)
【0185】
【化31】
【0186】次に塩基プレカーサーとして用いる水酸化
亜鉛の分散物を調製した。一次粒子の粒子サイズが0.
2μmの水酸化亜鉛の粉末31g、分散剤としてカルボ
キシメチルセルロース1.6g及びポリアクリル酸ソー
ダ0.4g、石灰処理オセインゼラチン8.5g、水1
58.5mlを混合し、この混合物をガラスピ一ズを用
いたミルで1時間分散した。分散後、ガラスビーズを濾
別し、水酸化亜鉛の分散物188gを得た。
【0187】さらに、マゼンタカプラーの乳化分散物を
調製した。マゼンタカプラー(a)7.80g、現像主
薬(b)5.45g、被り防止剤(c)2mg、高沸点
有機溶媒(d)8.21g及び酢酸エチル24.0ml
を60℃で溶解した。石灰処理ゼテチン12.0g及び
ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.6gを溶解
した水溶液150g中に先の溶液を混合し、ディゾルバ
ー攪拌機を用いて10000回転で20分間かけて乳化
分散した。分散後、全量が300gとなるように蒸留水
を加え、2000回転で10分間混合した。
【0188】
【化32】
【0189】
【化33】
【0190】次いで、同様に下記のイエローカプラー
(u)、現像主薬(v)と被り防止剤(w)及びシアン
カプラー(aa)、現像主薬(b)と被り防止剤(c)
をそれぞれ用いてイエローカプラー分散物とシアンカプ
ラー分散物を調製した。
【0191】
【化34】
【0192】
【化35】
【0193】これらの分散物と、先に調製したハロゲン
化銀乳剤を組み合わせて下記の表8の構成で支持体上に
塗布した。乳剤Xのところを乳剤α一1gとし、カプラ
一乳化分散物としてマゼンタカプラー乳化分散物を用い
て支持体上に塗布し、試料101の熱現像感光材料を作
製した,同様にして、マゼンタカプラー乳化分散物とし
で乳剤α−2g(試料201)、α−3g(試料30
1)、イエローカプラー乳化分散物と乳剤α−lb(試
料401)、α−2b(試料501)、α−3b(試料
601)、シアンカプラー乳化分散物と乳剤α−1r
(試料701)、α−2r(試料801)、α−3r
(試料901)を用いて試料を作製した。なお、乳剤層
のカルシウムイオン含有率はゼラチンに対して4100
〜4500ppmであった。
【0194】
【表8】
【0195】
【化36】
【0196】さらに、表9及び表10に示すような処理
材料P一1を作製した。
【0197】
【表9】
【0198】
【表10】
【0199】
【化37】
【0200】
【化38】
【0201】これらの感光材料に、光学楔と青(試料4
01、501、601)、緑(試料101、201、3
01)そして赤(試料701、801、901)フィル
タ一を介して1000ルックスで1/100秒の露光を
施した。露光後の感光材料の表面に40℃の塩水を15
ml/m2 付与し、処理材料と互いの膜面同士を重ね合
わせた後、ヒートドラムを用いて83℃で15秒間熱現
像した。処理後感光材料を剥離するとマゼンタ(試料1
01、201、301)、イエロー(試料401、50
1、601)及びシアン(試料701、801、90
1)発色の楔形画像が得られた。続いて、試料の感度と
RMS粒状度を調べた。得られた発色試料の透過濃度を
測定し、所謂特性曲線を得た。被り濃度よりも0.15
高い濃度に対応する露光量の逆数をもって感度とし、試
料102〜122は試料101の値を100とした相対
値で相対感度を表した。さらに、マゼンタの発色濃度が
1.0となるように露光を施し、同様の熱現像を行って
発色片を作製し、ディフューズ光源を用いて48μm径
のアパーチャ一でRMS粒状度を測定した,この結果を
次の実施例の結果と比較することにする。なお、ここで
求めたRMS粒状度とは、48μm径のアパーチャで測
定したミクロ濃度について求めた濃度変動の二重平均の
平方根であり、下記の式で与えられる。
【0202】
【数1】
【0203】[実施例1]比較例1における乳剤1、
2、3の調製時のゼラチンαを、A1〜G3に置き換え
て乳剤を作製した。本発明の効果を確認すべくゼラチン
A1〜G3に置き換えて得られたそれぞれの乳剤に表1
1、l2、13のようにA−1〜A−21、B−1〜B
−21、C−1〜C−21と名前をつけ、乳剤の平均粒
子直径を平均粒子厚みで除したアスペクト比を示した。
なお、全ての乳剤は、球相当の直径で表した平均粒子サ
イズ及び粒子形状が比較例1とほぼ同じ粒子を有する乳
剤であった。
【0204】
【表11】
【0205】
【表12】
【0206】
【表13】
【0207】これらの乳剤を比較例1と全く同様の分光
増感及び化学増感を施した。また、化学増感時増のpA
g及び化学増感剤の量は乳剤の化学増感の程度が最適に
なるように調節した。(なお、分光増感色素の量は比較
例1に対してハロゲン化銀の表面積相当で修正して添加
した。) こうして乳剤α−l由来の緑感性乳剤をA一1g〜A一
21g、青感性乳剤をA一1b〜21b、赤感性乳剤を
A−1r〜A一21r、乳剤α−2由来の緑感性乳剤を
B−1g一B−21g、青感性乳剤をB−1b〜B−2
1b、赤感性乳剤をB一1r〜B−21r、乳剤α−3
由来の緑感性乳剤をC一1g〜C−21g、青感性乳剤
をC−1b〜C−21b、赤感性乳剤をC−1r〜C−
21rとした。これらのハロゲン化銀乳剤を表8の乳剤
Xのところに置き換えて比較例1と同様にして支持体上
に塗布した。乳剤A−1g〜A一21gにそれぞれ置き
換え、カプラー乳化分散物としてマゼンタカプラー乳化
分散物を用いたものを試料102〜122とした。同様
にして、マゼンタカプラー乳化分散物として乳剤B−1
g〜B一21g(試料202〜222)、C−1g〜C
−21g(試料302−322)、イエローカプラー乳
化分散物として乳剤A−1b〜A−21b(試料402
−422)、B−1b〜B−21b(試料502〜52
2)、C−1b〜C−21b(試料602〜622)、
シアンカプラー乳化分散物として乳剤A−1r〜A一2
1r(試料702〜722)、B一1r〜B一21r
(試料802〜822)、C一1r〜C一21r(試料
902〜922)を用いて試料を作製した。
【0208】これらの感光材料に、光学楔と青(試料4
02〜422、502〜522、602〜622)、緑
(試料102〜122、202〜222、302−32
2)そして赤(試料702−722、802〜822、
902〜922)フィルターを介して1000ルックス
で1/100秒の露光を施した。試料を観察するとゼラ
チンA1〜A3、E1〜E3、F1〜F3、G1〜G3
を用いて作製した試料は、小さな斑点状の色むらを生じ
ることがあったが、B1〜B3、C1〜C3、D1〜D
3を用いた試料は色むらがなかった。
【0209】次に比較例1と同様にして、試料の感度と
RMS粒状度を調べた。代表として試料102〜122
の結果を表14に示す。
【0210】
【表14】
【0211】表14より比較例1に対してRMS粒状度
が低下した(良化した)ことがわかる。中でも色むらの
ないゼラチンB1〜B3、C1〜C3、D1〜D3を用
いた試料はRMS粒状度が低下していることがわかる。
その中でもさらに、トリメリット化ゼラチンを用いたD
1〜D3のRMS粒状度が極めて良化していることがわ
かる。
【0212】これらの感光材料をイメージスキャナーで
読み込み、デジタル処理して、プリント感材に焼付け、
画質を評価した。その評価結果を前記表14に示してあ
る。なお、評価基準は以下の通りである。 ◎:粒状性が特に良く、プリント画質として優れてい
る。 ○:粒状性が良く、プリント画質として良好。 △:プリント画質として許容レベル。 ×:粒状が粗く、プリント画質として不十分。
【0213】この結果より、試料102〜104、11
3〜122は、撮影用の感光材料には色むらがあったも
のの、イメージスキャナーで読み込み、デジタル処理す
ることで、画質が向上していることがわかる。また、試
料104〜110はさらに画質が良化し、試料111〜
113に関しては最も画質が良好であることがわかる。
【0214】また、試料202〜222、302〜32
2、402〜422、502〜522、602〜62
2、702〜722、802〜822、902〜922
についても同様の結果が得られることを確認した。
【0215】[実施例2]実施例1において、分散時に
カルシウムイオンを4520ppm含有するアルカリ処
理ゼラチンYを加える代わりに、カルシウムイオンを4
012ppm含有するアルカリ処理ゼラチンZを同量加
えること以外は全て同じようにして試料を作製した。こ
の場合、乳剤層中のカルシウムイオン含有率は、ゼラチ
ンに対して3800〜3900ppmであった。得られ
た発色試料を観察すると、実施例1で確認された色むら
が全てなくなっていた。次に、実施例1と同様にして感
度とRMS粒状度を調べた。その結果を表15に示す。
【0216】
【表15】
【0217】表15を見ると、化学修飾ゼラチンを用い
た全ての試料のRMS粒状度が、元ゼラチンαを用いて
作製した試料よりも非常に優れていることがわかる,従
って、カルルシウムイオン含有率を低く抑えることによ
り、化学修飾ゼラチンを用いたアスペクト比の高い粒子
を含む乳剤の色むらの発生を防ぎ、かつ、非常にRMS
粒状度の良い感光材料を作製することができることがわ
かる。また、実施例1の試料202〜222、302〜
322、402−422、502−522、602−6
22、702〜722、802−822、902〜92
2についても同様の結果が得られ、ゼラチンYをゼラチ
ンZに置き換えることにより、色むらがなくなり、それ
ぞれ試料201、301、401、501、601、7
01、801、901よりもRMS粒状度の良い感光材
料が得られることを確認した。
【0218】[実施例3](さまざまな球相当径におけ
る本発明の効果) 実施例1で調製したハロゲン化銀乳剤の調製方法におい
て核形成時に用いる銀量と反応液の添加速度、成長時の
電位を調節し、ゼラチンXとして前記[化学修飾ゼラチ
ンの生成]で記載したゼラチンDで無水トリメリット酸
の量を増やしてアミノ基の残存がゼラチン1gに対して
36.6μmol(化学修飾率約95.0%)であるト
リメリット化ゼラチンD4を作製した。このゼラチンと
前記[化学修飾ゼラチンの生成]で記載したゼラチンA
3を用いて、表16に示すようなさまざまな球相当径、
アスペクト比、ならびに実施例1よりもさらに厚みの薄
い高アスペクト比(111)沃臭化銀乳剤を調製した。
なお、無化学修飾ゼラチンαを用いて同様に作製した乳
剤についても併せて表16に示す。
【0219】
【表16】
【0220】得られたハロゲン化銀乳剤を用いて、比較
例1と実施例1を参考に評価した。サンプルのRMS粒
状度(評価法は比較例1と同様)と無化学修飾ゼラチン
の感度を100とした相対感度を、球相当径0.83〜
0.84μmと球相当径0.65〜0.67μmの粒子
の乳剤を代表として表17に示す。表17より、RMS
粒状度が実施例2と比べてさらに良化することが確認さ
れた。
【0221】
【表17】
【0222】また、ゼラチンDの代わりにゼラチンA、
C、E、FならびにGを用いて、核の成長時の電位を調
節し、上記トリメリット化ゼラチンを使って生成した表
15と同じような球相当径、アスペクト比、厚みの平板
粒子を作製し、同様の試験を行っても同じような効果が
得られることを確認した。即ち様々な球相当径において
も本発明の効果か待られることを確認した。
【0223】[実施例4]及び[比較例2] 実施例1で作製ハロゲン化銀乳剤とカプラー乳化分散物
及び下記のイエロー発色ロイコ色素(X)、マゼンタ発
色ロイコ色素(Z)そしてロイコ色素(ab)と亜鉛錯
体とを組み合わせて調整した着色剤分散物を使用して、
表18〜表21に示す多層構成で熱現像カラー感光材料
を作製した。尚、青感性乳剤A、B、C、緑感性乳剤
A、B、C及び赤感性乳剤A、B、Cの説明は下記に後
述する。
【0224】
【表18】
【0225】
【表19】
【0226】
【表20】
【0227】
【表21】
【0228】
【化39】
【0229】
【化40】
【0230】すなわち、上記の表18、19、20中の
ハロゲン化銀乳剤として実施例1で調製したいくつかの
ハロゲン化銀乳剤を用いることで、重層感材における本
発明の効果を確認した。まず比較例2として、表18中
の青感性乳剤Bとして比較例1で作製した球相当径0.
66μmのハロゲン化銀乳剤α−1bを使用し、また、
比較例1の乳剤α−1bの調製方法において、核形成時
に用いる銀量と反応液の添加速度を調節して、球相当径
0.83μmと0.38μmのハロゲン化銀乳剤を調製
し、それぞれ青感性乳剤A、Cとして用いた。更に、緑
感性乳剤A、B、Cと赤感性乳剤A、B、Cとしてそれ
ぞれα−1g、α−1rを基本にして上記同様に調製し
たものを用い得られた感光材料を試料1101とした。
また、本発明の効果確認として、上記比較例2の試料作
製における基本乳剤α−1b、α−1g、α−1rをそ
れぞれA−1b〜A−21b、A−1g〜A−21g、
A−1r〜A−21rに置き換えることにより、試料1
102〜1122を作製した。
【0231】これらの感光材料の写真特性を比較例1及
び実施例1と同様に試験した。まず、感光材料に光学楔
と青、緑、または赤フィルターを介して1000ルック
スで1/100秒の露光を施した。露光後の感光材料の
表面に40℃の温水を15ml/m2 付与し、処理材料
と互いの膜面同士を重ね合わせた後、ヒートドラムを用
いて83℃で15秒間熱現像した。処理後感光材料を剥
離すると緑フィルターを用いて露光した試料ではマゼン
タ、青フィルターを用いて露光した試料ではイエロー、
赤フィルターを用いて露光した試料ではシアン発色の楔
形画像が得られた。これらの得られた発色試料の透過濃
度を測定し、特性曲線を得た。被り濃度よりも0.15
高い濃度に対応する露光量の逆数をもって感度とし、試
料1102〜1122は試料1101の値を100とし
た相対値で相対感度を表した。さらに、これらの試料の
粒状度を調べるのに、イエロー、マゼンタそしてシアン
発色濃度が1.0となるように露光を施し、同様の熱現
像を行って発色片を作製し、ディフューズ光源を用いて
48μm径のアパーチャーでRMS粒状度を測定した。
その結果を表22に示す。
【0232】
【表22】
【0233】表22より、実施例1で用いた乳剤を組み
合わせて重層塗布しても、実施例2で得られた効果と同
様の効果が得られることがわかる。すなわち、<化学修
飾ゼラチンの生成>のところで生成したさまざまなゼラ
チンと分散時にカルシウム含有率4012ppmのゼラ
チンを用いてハロゲン化銀乳剤を調製し、それを重層塗
布した感光材料を作製して熱現像すると、色むらが発生
せず非常にRMS粒状度の良い多層カラー感光材料が作
製できることがわかる。(この時の発色層のカルシウム
イオンの含有率は3700〜3900ppmであっ
た。) なお、実施例1で作製した青感性乳剤B−1b〜B−2
1bやC−1b〜C−21b、緑感性乳剤B−1g〜B
−21gやC−1g〜C−21g、赤感性乳剤B−1r
〜B−21rやC−1r〜C−21rを用いて試料を作
製しても、同様に比較例に対して全てRMS粒状度の良
化した多層カラー感光材料が得られることを確認した。
【0234】[実施例5]実施例2、3で作製したハロ
ゲン化銀乳剤を用いて実施例4を参考にして多層カラー
感光材料を作製し評価した結果、さらに色むらが改善さ
れ、実施例2、3と同様に本発明の効果が確認された。
【0235】[実施例6]実施例4で作製した試料11
13に用いた乳剤を使用し、特開平9−121,265
号の実施例2(DRR化合物)と同じ構成の感光材料を
作製した。この材料を同様に評価したところ、特開平9
−121,265号の実施例2と比べて、感度が10倍
以上高く、デジタルプリントの画質も良好であった。
【0236】[実施例7]実施例4で作製した多層カラ
ー感光材料の作製方法において、支持体を下記に示す製
法で作製した支持体に代えることで同様に感光材料を作
製し、試験を行った。 1)支持体 本実施例で用いた支持体は、下記の方法により作製し
た。ポリエチレン−2,6−ナフタレートポリマー10
0重量部と紫外線吸収剤として Tinuvin P. 326(チ
バ・ガイギーCiba Geigy 社製)2重量部とを乾燥した
後、300℃にて溶融後、T型ダイから押し出し、14
0℃で3.3倍の縦延伸を行ない、続いて130℃で
3.3場の横延伸を行い、さらに250℃で6秒間熱固
定して厚さ90μmのPENフィルムを得た。なおこの
PENフィルムにはブルー染料、マゼンタ染料及びイエ
ロー染料(公開技法:公技番号94−6023号記載の
I−1、I−4、I−6、I−24、I−26、I−2
7、II−5)を適当量添加した。さらに、直径20cmの
ステンレス巻き芯に巻付けて、110℃、48時間の熱
履歴を与え、巻き癖のつきにくい支持体とした。
【0237】2)下塗層の塗設 上記支持体は、その両面にコロナ放電処理、UV照射処
理、さらにグロー放電処理をした後、感光性層を設ける
面にゼラチン0.1g/m2、ソジウムα−スルホジ−2
−エチルヘキシルサクシネート0.01g/m2、サリチ
ル酸0.04g/m2、p−クロロフェノール0.2g/
m2、(CH2=CHSO2CH2CH2NHCO)2CH20.012g/m2、ポ
リアミド−エピクロルヒドリン重縮合物0.02g/m2
の下塗液を塗布して(10cc/m2、バーコーター使
用)、下塗層を設けた。乾燥は115℃、6分実施した
(乾燥ゾーンのローラーや搬送装置はすべて115℃と
なっている)。 3)バック層の塗設 下塗後の上記支持体の片方の面にバック層として下記組
成の帯電防止層、磁気記録層さらに滑り層を塗設した。
【0238】3−1)帯電防止層の塗設 平均粒径0.005μmの酸化スズ−酸化アンチモン複
合物の比抵抗は5Ω・cmの微粒子粉末の分散物(2次凝
集粒子径 約0.08μm)を0.2g/m2、ゼラチン
0.05g/m2、(CH2=CHSO2CH2CH2NHCO)2CH20.02
g/m2、ポリ(重合度10)オキシエチレン−p−ノニ
ルフェノール0.005g/m2及びレゾルシンと塗布し
た。 3−2)磁気記録層の塗設 3−ポリ(重合度15)オキシエチレン−プロピルオキ
シトリメトキシシラン(15重量%)で被覆処理された
コバルト−γ−酸化鉄(比表面積43m2/g、長軸0.
14μm、単軸0.03μm、飽和磁化89 emu/g、
Fe+2/Fe+3=6/94、表面は酸化アルミ酸化珪素で酸
化鉄の2重量%で処理されている)0.06g/m2をジ
アセチルセルロース1.2g/m2(酸化鉄の分散はオー
プンニーダーとサンドミルで実施した)、硬化剤として
C2H5C(CH2OCONH-C6H3(CH3)NCO)30.3g/m2を、溶媒
としてアセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノ
ンを用いてバーコーターで塗布し、膜厚1.2μmの磁
気記録層を得た。マット剤としてシリカ粒子(0.3μ
m)と3−ポリ(重合度15)オキシエチレン−プロピ
ルオキシトリメトキシシラン(15重量%)で処理被覆
された研磨剤の酸化アルミ(0.15μm)をそれぞれ
10mg/m2 となるように添加した。乾燥は115℃、6
分実施した(乾燥ゾーンのローラーや搬送装置はすべて
115℃)。X−ライト(ブルーフィルター)での磁気
記録層のDB の色濃度増加分は約0.1、また磁気記録
層の飽和磁化モーメントは4.2 emu/g、保磁力7.
3×104 A/m、角形比は65%であった。
【0239】3−3)滑り層の調製 ジアセチルセルロース(25mg/m2) 、C6H13CH(OH)C10
H20COOC40H81(化合物a、6mg/m2)/C50H101O(CH2CH
2O)16H(化合物b、9mg/m2)混合物を塗布した。な
お、この混合物はキシレン/プロピレングリコールモノ
メチルエーテル(1/1)中で105℃で溶融し、常温
のプロピレングリコールモノメチルエーテル(10倍
量)に注加分散して作製した後、アセトン中で分散物
(平均粒径0.01μm)にしてから添加した。マット
剤としてシリカ粒子(0.3μm)と研磨剤の3−ポリ
(重合度15)オキシエチレン−プロピルオキシトリメ
トキシシラン(15重量%で被覆された酸化アルミ
(0.15μm))をそれぞれ15mg/m2となるように
添加した。乾燥は115℃、6分行なった(乾燥ゾーン
のローラーや搬送装置はすべて115℃)。滑り層は、
動摩擦係数0.06(5mmφのステンレス硬球、荷重1
00g、スピード6cm/分)、静摩擦係数0.07(ク
リップ法)、また後述する乳剤面と滑り層の動摩擦係数
も0.12と優れた特性であった。
【0240】以上のように作製した感光材料を24mm
幅、160cmに裁断し、さらに感光材料の長さ方向の片
側幅方向から0.7mmの所に2mm四方のパーフォレーシ
ョンを5.8mm間隔で2つ設ける。この2つのセットを
32mm間隔で設けたものを作製し、米国特許第5,29
6,887号のFIG.1〜FIG.7に説明されてい
るプラスチック製のフィルムカートリッジに収納した。
この試料に磁気記録層の塗布面側からヘッドギャップ5
μm、ターン数2000の入出力可能なヘッドを用い
て、感光材料の上記パーフォレーションの間に100mm
/sの送り速度でFM信号を記録した。FM信号記録
後、乳剤面に1000cms の前面均一露光を与えて以下
に記載の方法で各々の処理を行ったのち、再び元のプラ
スチック製のフィルムカートリッジに収納した。こうし
て作製したカートリッジ入りの感光材料を用いて試験を
行ったが、同様に良好な結果が得られ、本発明の効果が
確認された。
【0241】
【発明の効果】本発明のハロゲン化銀感光材料は、簡
易、迅速な熱現像処理においても色むらを生じることな
く、さらに、アスペクト比の高い高感度乳剤を用いても
色むらを生じず、かつRMS粒状度が高いという優れた
特性を有する。また、本発明の画像形成方法によれば、
前記感光材料を用いて、簡易、迅速な熱現像処理におい
ても色むらを生じない優れた画質の画像を形成しうる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI G03C 8/40 505 G03C 8/40 505

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に、少なくとも感光性ハロゲン
    化銀粒子、現像主薬、現像主薬の酸化体とのカップリン
    グ反応によって色素を形成する化合物及びバインダーを
    含む少なくとも一層の感光性層を有するハロゲン化銀感
    光材料であって、 該感光材料と、支持体上に少なくとも塩基及び/または
    塩基プレカーサーを含む処理層を有する処理材料とを、
    該感光材料の露光後、該感光材料と該処理材料双方のバ
    ック層を除く全塗布膜を最大膨潤させるに要する量の
    0.1〜1倍に相当する水を該感光材料と該処理材料と
    の間に存在させた状態で貼り合わせて加熱することによ
    り該感光材料中に画像を形成させるハロゲン化銀感光材
    料において、 前記感光性層が、銀との相互作用を少なくするような化
    学修飾が施されているゼラチンを含み、かつ粒子投影径
    を粒子厚みで除したアスペクト比が2以上の平板状ハロ
    ゲン化銀粒子で全粒子の投影面積の50%以上が占めら
    れている乳剤を含むことを特徴とするハロゲン化銀感光
    材料。
  2. 【請求項2】 支持体上に、少なくとも感光性ハロゲン
    化銀粒子、バインダー、および銀現象に対応または逆対
    応して拡散性色素を放出ないし拡散する色材を含む少な
    くとも一つの感光性層を有するハロゲン化銀感光材料で
    あって、 該感光材料と、支持体上に少なくとも塩基及び/または
    塩基プレカーサーを含む処理層を有する処理材料とを、
    該感光材料の露光後、該感光材料と該処理材料双方のバ
    ック層を除く全塗布膜を最大膨潤させるのに要する量の
    0.1〜1倍に相当する水を該感光材料と該処理材料と
    の間に存在させた状態で貼り合わせて加熱し、放出ない
    し拡散された該拡散色素の一部または全部を感光材料か
    ら処理材料へ転写除去することで、該感光材料中に画像
    を形成するハロゲン化銀感光材料において、 前記感光性層が、銀との相互作用を少なくするような化
    学修飾が施されているゼラチンを含み、かつ粒子投影径
    を粒子厚みで除したアスペクト比が2以上の平板状ハロ
    ゲン化銀粒子で全粒子の投影面積の50%以上が占めら
    れている乳剤を含むことを特徴とするハロゲン化銀感光
    材料。
  3. 【請求項3】 前記感光性層に含まれるカルシウムイオ
    ンが、ゼラチンに対して4000ppm以下であること
    を特徴とする請求項1または請求項2に記載のハロゲン
    化銀感光材料。
  4. 【請求項4】 前記銀との相互作用を少なくするような
    化学修飾が施されているゼラチンが、下記〜に示さ
    れるものから選択される少なくとも一種であることを特
    徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のハロゲン化銀
    感光材料。 ゼラチン1gあたりのメチオニン含有率が50μmo
    l以下のゼラチン。 ゼラチン1gあたりの−NH2 基含有率が720μm
    ol以下のゼラチン。 ゼラチン1gあたりの−NH−基含有率が1800μ
    mol以下のゼラチン。 ゼラチン1gあたりの−COOH基ならびにその誘導
    体の含有率が1200μmol以上のゼラチン。 ゼラチン1gあたりの−SO3 H基ならびにその誘導
    体の含有率が5μmol以上のゼラチン。
  5. 【請求項5】 銀との相互作用を少なくするような化学
    修飾が施されているゼラチンが、アミノ基を化学修飾す
    ることにより、該化学修飾部分にカルボキシル基が少な
    くとも2個以上導入されたゼラチンであることを特徴と
    する請求項1〜3のいずれかに記載のハロゲン化銀感光
    材料。
  6. 【請求項6】 アミノ基を化学修飾することにより、該
    化学修飾部分にカルボキシル基が少なくとも2個以上導
    入されたゼラチンが、トリメリット化ゼラチンであるこ
    とを特徴とする請求項5に記載のハロゲン化銀感光材
    料。
  7. 【請求項7】 トリメリット化ゼラチンが、ゼラチン1
    gに対してアミノ基の含有率が190μmol以下にな
    るまでトリメリット化したゼラチンであることを特徴と
    する請求項6に記載のハロゲン化銀感光材料。
  8. 【請求項8】 前記現像主薬が下記一般式 (1)〜(5) で
    表される化合物のうちの少なくとも一つの化合物である
    ことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のハロ
    ゲン化銀感光材料。 【化1】 【化2】 【化3】 【化4】 【化5】 式中、R1 〜R4 は各々水素原子、ハロゲン原子、アル
    キル基、アリール基、アルキルカルボンアミド基、アリ
    ールカルボンアミド基、アルキルスルホンアミド基、ア
    リールスルホンアミド基、アルコキシ基、アリールオキ
    シ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルカル
    バモイル基、アリールカルバモイル基、カルバモイル
    基、アルキルスルファモイル基、アリールスルファモイ
    ル基、スルファモイル基、シアノ基、アルキルスルホニ
    ル基、アリールスルホニル基、アルコキシカルボニル
    基、アリールオキシカルボニル基、アルキルカルボニル
    基、アリールカルボニル基またはアシルオキシ基を表
    し、R5 はアルキル基、アリール基または複素環基を表
    す。Zは芳香環(複素芳香環も含む)を形成する原子群
    を表し、Zがベンゼン環である場合、その置換基のハメ
    ット定数(σ)の合計値は1以上である。R6 はアルキ
    ル基を表す。Xは酸素原子、硫黄原子、セレン原子また
    はアルキル置換もしくはアリール置換の3級窒素原子を
    表す。R7 、R8 は水素原子または置換基を表し、
    7 、R8 が互いに結合して2重結合または環を形成し
    てもよい。
  9. 【請求項9】 請求項1〜8のいずれかに記載のハロゲ
    ン化銀感光材料を、像様露光した後、該感光材料と処理
    材料の全塗布膜の最大膨潤に要する水の1/10〜1倍
    に相当する水を感光材料と処理材料との間に存在させた
    状態で貼り合わせて、60℃〜100℃の温度で5秒〜
    60秒加熱することにより感光材料中に画像を形成させ
    る画像形成方法。
JP9261013A 1997-03-05 1997-09-09 ハロゲン化銀感光材料および画像形成方法 Pending JPH10307376A (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9261013A JPH10307376A (ja) 1997-03-05 1997-09-09 ハロゲン化銀感光材料および画像形成方法
US09/035,205 US6066440A (en) 1997-03-05 1998-03-05 Silver halide photosensitive material and method for forming image

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6739697 1997-03-05
JP9-67396 1997-03-05
JP9261013A JPH10307376A (ja) 1997-03-05 1997-09-09 ハロゲン化銀感光材料および画像形成方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10307376A true JPH10307376A (ja) 1998-11-17

Family

ID=26408605

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9261013A Pending JPH10307376A (ja) 1997-03-05 1997-09-09 ハロゲン化銀感光材料および画像形成方法

Country Status (2)

Country Link
US (1) US6066440A (ja)
JP (1) JPH10307376A (ja)

Families Citing this family (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000267227A (ja) * 1999-03-18 2000-09-29 Fuji Photo Film Co Ltd ハロゲン化銀カラー写真感光材料および画像形成方法
US6419987B1 (en) * 1999-12-17 2002-07-16 Eastman Kodak Company Method for providing a high viscosity coating on a moving web and articles made thereby
JP2002296734A (ja) * 2001-03-29 2002-10-09 Fuji Photo Film Co Ltd ハロゲン化銀写真感光材料およびそれを用いた画像形成方法
JP2004310011A (ja) * 2003-03-11 2004-11-04 Fuji Photo Film Co Ltd ハロゲン化銀乳剤及びその製造方法
US7791860B2 (en) 2003-07-09 2010-09-07 Maxwell Technologies, Inc. Particle based electrodes and methods of making same
US20100014215A1 (en) * 2004-04-02 2010-01-21 Maxwell Technologies, Inc. Recyclable dry particle based electrode and methods of making same
US20070122698A1 (en) 2004-04-02 2007-05-31 Maxwell Technologies, Inc. Dry-particle based adhesive and dry film and methods of making same
US20050266298A1 (en) * 2003-07-09 2005-12-01 Maxwell Technologies, Inc. Dry particle based electro-chemical device and methods of making same
US7352558B2 (en) 2003-07-09 2008-04-01 Maxwell Technologies, Inc. Dry particle based capacitor and methods of making same
US7342770B2 (en) * 2003-07-09 2008-03-11 Maxwell Technologies, Inc. Recyclable dry particle based adhesive electrode and methods of making same
KR100539082B1 (ko) * 2003-10-01 2006-01-10 주식회사 네패스 반도체 촬상소자의 패키지 구조 및 그 제조방법
FR2862134B1 (fr) * 2003-11-12 2007-07-27 Sebia Sa Analyse et typage de proteines monoclonales par electrophorese capillaire et immunodeplacement
US7090946B2 (en) * 2004-02-19 2006-08-15 Maxwell Technologies, Inc. Composite electrode and method for fabricating same
US8458636B1 (en) 2009-03-18 2013-06-04 Pulsic Limited Filling vacant areas of an integrated circuit design

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE69526004T2 (de) * 1994-07-14 2002-07-18 Fuji Photo Film Co., Ltd. Verfahren zur Herstellung von Silberhalogenidkorn und Silberhalogenidemulsion unter Verwendung dieses Korns
DE69423620T2 (de) * 1994-10-31 2000-08-10 Tulalip Consultoria Comercial Sociedade Unipessoal S.A., Funchal Pyridiumcarbamoyl Härtemittel enthaltendes photographisches Silberhalogenidmaterial
US5756269A (en) * 1995-08-22 1998-05-26 Fuji Photo Film Co., Ltd. Method of forming images

Also Published As

Publication number Publication date
US6066440A (en) 2000-05-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH10307376A (ja) ハロゲン化銀感光材料および画像形成方法
JP3718023B2 (ja) 画像形成方法
US6001543A (en) Silver halide color photographic light-sensitive material and method for forming image
JP3654389B2 (ja) ハロゲン化銀カラー写真感光材料およびカラー画像形成方法
JPH1090853A (ja) 熱現像ハロゲン化銀カラー写真感光材料及びカラー画像形成方法
JP3654382B2 (ja) 画像形成方法
JP3652433B2 (ja) 画像形成方法
JP3725654B2 (ja) 熱現像感光材料及びカラー画像形成方法
JP2000075453A (ja) ハロゲン化銀写真感光材料、感光性ハロゲン化銀乳剤製造方法、これを用いたレンズ付きフィルムユニット及び画像形成方法並びにディジタル画像情報作成方法
JPH05113629A (ja) 画像形成方法
JP3782190B2 (ja) 熱現像カラー感光材料
JP2001350236A (ja) ハロゲン化銀カラー写真感光材料の処理方法
JP3689198B2 (ja) ハロゲン化銀カラー写真感光材料及びカラー画像形成方法
JPH09274295A (ja) ハロゲン化銀カラー写真感光材料およびカラー画像形成方法
JPH10301247A (ja) ハロゲン化銀カラー写真感光材料およびカラー画像形成方法
JPH11133533A (ja) ハロゲン化銀カラー写真感光材料およびカラー画像形成方法
JPH1152525A (ja) ハロゲン化銀カラー写真感光材料及びカラー画像形成方法
JPH09258402A (ja) 画像形成方法
JPH10228085A (ja) ハロゲン化銀カラー写真感光材料およびカラー画像形成方法
JPH10239811A (ja) 熱現像カラー感光材料
JPH10213890A (ja) ハロゲン化銀カラー写真感光材料およびカラー画像形成方法
JPH10228084A (ja) ハロゲン化銀カラー写真感光材料及びカラー画像形成方法
JPH10207028A (ja) 画像作成システム
JPH10213888A (ja) ハロゲン化銀カラー写真感光材料及びカラー画像形成方法
JP2000241947A (ja) ハロゲン化銀カラー画像形成方法

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20041021

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20051025

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20051226

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060214

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20060613