JPH10207028A - 画像作成システム - Google Patents

画像作成システム

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Publication number
JPH10207028A
JPH10207028A JP2193697A JP2193697A JPH10207028A JP H10207028 A JPH10207028 A JP H10207028A JP 2193697 A JP2193697 A JP 2193697A JP 2193697 A JP2193697 A JP 2193697A JP H10207028 A JPH10207028 A JP H10207028A
Authority
JP
Japan
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group
image
photosensitive
silver halide
dye
Prior art date
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Pending
Application number
JP2193697A
Other languages
English (en)
Inventor
Takuya Yokogawa
拓哉 横川
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Photo Film Co Ltd filed Critical Fuji Photo Film Co Ltd
Priority to JP2193697A priority Critical patent/JPH10207028A/ja
Publication of JPH10207028A publication Critical patent/JPH10207028A/ja
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  • Silver Salt Photography Or Processing Solution Therefor (AREA)
  • Photographic Developing Apparatuses (AREA)
  • Facsimiles In General (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】簡易な熱現像処理による撮影用感光材料及びプ
リント用感光材料を用い、高画質カラー画像を迅速に得
る。 【解決手段】アナログ画像情報をスキャナーで読みとっ
た後、デジタルデータ化して入力する機能、入力された
情報に対して画像処理を行う機能、および画像処理され
た画像をハードコピープリントとして出力する機能を有
する画像作成システムにおいて、撮影後、処理液を使用
せずに、水の存在下、60℃〜100℃で5〜60秒間
の加熱処理によってカップリング色素画像を形成する撮
影用ハロゲン化銀カラー感光材料を用いて撮影し、現像
処理した画像をこのシステムの入力画像に利用し、か
つ、デジタル画像出力情報に従って、半導体レーザー
(LD)等を光源として走査露光した後、処理液を使用
せずに、水の存在下、60℃から100℃で5〜60秒
間の加熱処理によってカップリング色素画像を形成し、
かつ受像要素に該色素画像を拡散転写させてプリントを
得るハロゲン化銀カラー感光材料を用いて得られた画像
をこのシステムの出力画像に利用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、撮影材料及び出力
材料として、共に処理液を用いずに現像するハロゲン化
銀感光材料を用い、高画質のカラーハードコピー(プリ
ント)を簡易に得る新規な画像形成システムに関する。
【0002】
【従来の技術】コンベンショナルカラー写真として知ら
れている方法において、いわゆるカラーネガでは通常、
青光を記録してイエロー色素画像を形成する層、緑光を
記録してマゼンタ色素画像を形成する層、及び赤光を記
録してシアン色素画像を形成する層を含み、現像処理の
際に潜像を含有するハロゲン化銀粒子を銀に還元する過
程で現像剤が酸化され、その酸化体とカプラーの反応
(カップリング)により色素画像を形成する。未現像の
ハロゲン化銀及び現像銀はそれに引き続く漂白、定着工
程で除去され、次にこうして得られたネガの色素画像を
通してカラーペーパーに露光を施し、同様の現像、漂
白、定着工程を経てカラープリントが得られる。また、
上記のカラーネガに含まれた画像情報を光電的に読み取
った後、画像処理を施して記録用の画像情報とし、この
画像情報によって他のプリント材料にカラー画像を得る
方法も知られている。特に上記の画像情報をデシタル信
号とし、それに応じて変調した記録光によってカラーペ
ーパー等の感光材料を走査露光して仕上がりプリントと
するデジタルフォトプリンターの開発が進んでおり、そ
の例は特開平7−15593号に記載されている。
【0003】以上の方法は、通常の湿式現像、漂白、定
着を前提にするものであり、そのプロセスは繁雑であ
る。これらの商品の例としては、富士写真フイルム株式
会社製デジタルミニラボシステム フロンティアがあ
る。しかし、ミニラボシステムは処理液を必要とし、あ
る程度大量のプリントを作成するための大がかりなもの
である。一方、ハロゲン化銀を用いた感光材料の処理方
法として、処理液を用いずに現像する簡易迅速な方法が
開発されている。その例としては少量の水と塩基及び/
又は塩基プレカーサーの存在下で加熱現像する方法が知
られており、例えば特公平2−51494号にそのよう
な例が述べられている。この実例としては富士写真フイ
ルム(株)社のピクトログラフィー、ピクトロスタット
といった商品が知られている。しかし、これらはカラー
のプリント材料であり、処理液を用いずに現像する撮影
用カラー感光材料は知られていない。一方、撮影された
ハロゲン化銀感光材料を入力としてさまざまな画像処理
や加工を施してプリントを得るシステムとしては、たと
えば富士写真フイルム株式会社製のデジタルイメージワ
ークステーション、アラジン1000に光定着型感熱カ
ラープリンタNC−550ALまたはピクトログラフィ
ー3000を接続したシステムがすでに発売されている
が、入力媒体として湿式現像処理済の写真フイルムを用
いる必要があり、簡便性の観点で改良するべき問題があ
る。つまり、撮影済のフイルムを挿入するとすぐに画像
が得られるという段階にはまだ達していない。さらに、
ピクトログラフィー3000で使用されている材料は、
いわゆるプレフォームド色素である色材反応による画像
形成方式によっているため、通常のカラーペーパーなど
で使用されているカップリング反応による画像形成方式
に比べて色再現性や画像保存性などが劣るという問題が
ある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】簡易なシステムで、画
像入力、プリント出力ともに高画質のハロゲン化銀感光
材料を用いて、簡易迅速にプリントが得られるシステム
が望まれている。とりわけ、出力プリントに処理液を用
いずカップリング反応により生成されるカラー画像を形
成するハロゲン化銀感光材料を用いている、入力から出
力プリントまで一貫したトータルシステムが望まれてい
る。本発明の目的は、簡易な熱現像処理による撮影用感
光材料及びプリント用感光材料を用い、高画質カラー画
像を迅速に得る新規な画像作成システムを提供すること
である。さらに、本発明による画像作成システムは、一
般の各種商店や写真館の店頭やオフィスなどで、撮影し
たフイルムを挿入すると簡易な操作で、目的とする高画
質プリントが迅速に得られる新規な画像作成システムを
提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】以下に課題を達成するた
めの手段について述べる。
【0006】(1)少なくとも、デジタル画像情報を入
力する機能および/またはアナログ画像情報をスキャナ
ーで読みとった後、デジタルデータ化して入力する機
能、入力された情報に対して画像処理を行う機能、およ
び画像処理された画像をハードコピープリントとして出
力する機能を有する画像作成システムにおいて、撮影後
に、処理液を使用せずに、水の存在下、60℃〜100
℃で5秒〜60秒間の加熱処理によってカップリング色
素画像を形成する撮影用ハロゲン化銀カラー感光材料を
用いて撮影し、現像処理した画像を該システムの入力画
像に利用することを特徴とする画像作成システム。
【0007】(2)少なくともデジタル画像情報を入力
する機能および/またはアナログ画像情報をスキャナー
で読みとった後、デジタルデータ化して入力する機能、
入力された情報に対して画像処理を行う機能、および画
像処理された画像をハードコピープリントとして出力す
る機能を有する画像作成システムにおいて、前記の画像
処理されたデジタル画像出力情報に従って、半導体レー
ザー(LD)、発光ダイオード(LED)または非線形
光学素子を組み込んだ固体レーザーを光源として走査露
光した後、処理液を使用せずに、水の存在下、60℃〜
100℃で5〜60秒間の加熱処理によってカップリン
グ色素画像を形成し、かつ受像要素に該色素画像を拡散
転写させてプリントを得るハロゲン化銀カラー感光材料
を用いて得られた画像を該システムの出力画像に利用す
ることを特徴とする画像作成システム。
【0008】(3)少なくとも、デジタル画像情報を入
力する機能および/またはアナログ画像情報をスキャナ
ーで読みとった後、デジタルデータ化して入力する機
能、入力された情報に対して画像処理を行う機能、およ
び画像処理された画像をハードコピープリントとして出
力する機能を有する画像作成システムにおいて、撮影
後、処理液を使用せずに、水の存在下、60℃〜100
℃で5〜60秒間の加熱処理によってカップリング色素
画像を形成する撮影用ハロゲン化銀カラー感光材料を用
いて撮影し、現像処理した画像をこのシステムの入力画
像に利用し、かつ、前記の画像処理されたデジタル画像
出力情報に従って、半導体レーザー(LD)、発光ダイ
オード(LED)または非線形光学素子を組み込んだ固
体レーザーを光源として走査露光した後、処理液を使用
せずに、水の存在下、60℃から100℃で5〜60秒
間の加熱処理によってカップリング色素画像を形成し、
かつ受像要素に該色素画像を拡散転写させてプリントを
得るハロゲン化銀カラー感光材料を用いて得られた画像
をこのシステムの出力画像に利用することを特徴とする
画像作成システム。
【0009】(4)入力および出力の現像時間が共に5
〜30秒であることを特徴とする請求項3の画像作成シ
ステム。
【0010】(5)透明支持体上に、少なくとも平板状
感光性ハロゲン化銀粒子、発色現像主薬、カプラー及び
バインダーを含み、感光波長領域が互いに異なり、かつ
前記発色現像主薬の酸化体とカプラーから形成される色
素の吸収波長領域も互いに異なる少なくとも3種の感光
層を有する感光部材と、支持体上に少なくとも塩基及び
/または塩基プレカーサーを含む処理層を有する処理部
材を用い、感光部材を像様露光した後、感光部材と処理
部材双方のバック層を除く全塗布膜を最大膨潤させるに
要する量の0.1から1倍に相当する水の存在下で、感
光部材と処理部材を感光層と処理層が向かい合う形で重
ね合わせ、これを60℃から100℃の温度で5秒から
60秒間加熱して感光部材に形成される少なくとも3色
の非拡散性色素に基づく画像を形成させる感光材料を、
前記(1) 、(3) または(4) 4における撮影用ハロゲン化
銀カラー感光材料として使用し、これらを入力画像とし
て用いることを特徴とする画像作成システム。
【0011】(6)入力側の感光材料が平板状感光性ハ
ロゲン化銀粒子を用いて、かつ出力側の感光材料が2当
量カプラーを用いることをを特徴とする(3) ないし(5)
の画像作成システム。
【0012】(7)支持体上に、少なくとも感光性ハロ
ゲン化銀粒子、発色現像主薬、カプラー及びバインダー
を含み、感光波長領域が互いに異なり、前記発色現像主
薬の酸化体とカプラーから形成される色素の吸収波長領
域も互いに異なる少なくとも3種の感光層を有する感光
部材と、支持体上に少なくとも媒染剤、塩基及び/また
は塩基プレカーサーを含む受像層を有する受像部材を用
い、感光部材を像様露光した後、感光部材と受像部材双
方のバック層を除く全塗布膜を最大膨潤させるに要する
量の0.1から1倍に相当する水の存在下で、感光部材
と受像部材を感光層と受像層が向かい合う形で重ね合わ
せ、これを60℃から100℃の温度で5秒から60秒
間加熱して受像部材上に少なくとも3色の拡散性色素に
基づく画像を形成させる感光材料を、前記(2) ないし
(6) における出力用のプリント用ハロゲン化銀カラー感
光材料として使用し、これらを出力画像として用いるこ
とを特徴とする画像作成システム。
【0013】(8)発色現像主薬が下記一般式 (1)〜
(5) で表される化合物のうちの少なくとも一つの化合物
を使用している感光部材を撮影用ハロゲン化銀カラー感
光材料の感光部材として用いることを特徴とする(1) 、
(3) ないし(7) に記載の画像作成システム。
【0014】
【化8】
【0015】
【化9】
【0016】
【化10】
【0017】
【化11】
【0018】
【化12】
【0019】式中、R1 〜R4 は各々水素原子、ハロゲ
ン原子、アルキル基、アリール基、アルキルカルボンア
ミド基、アリールカルボンアミド基、アルキルスルホン
アミド基、アリールスルホンアミド基、アルコキシ基、
アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、
アルキルカルバモイル基、アリールカルバモイル基、カ
ルバモイル基、アルキルスルファモイル基、アリールス
ルファモイル基、スルファモイル基、シアノ基、アルキ
ルスルホニル基、アリールスルホニル基、アルコキシカ
ルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルキルカ
ルボニル基、アリールカルボニル基またはアシルオキシ
基を表し、R5 は置換または無置換の、アルキル基、ア
リール基または複素環基を表す。Zは芳香環(複素芳香
環も含む)を形成する原子群を表し、Zがベンゼン環で
ある場合、その置換基のハメット定数(σ)の合計値は
1以上である。R6 は置換または無置換のアルキル基を
表す。Xは酸素原子、硫黄原子、セレン原子またはアル
キル置換もしくはアリール置換の3級窒素原子を表す。
7 、R8 は水素原子または置換基を表し、R7 、R8
が互いに結合して2重結合または環を形成してもよい。
【0020】(9)プリント用感光材料に用いる発色現
像主薬として、下記一般式(I)及び/または(II)
で表される化合物を用いることを特徴とする(3) 〜(8)
の画像形成システム。
【0021】
【化13】
【0022】式中、Zはカルバモイル基、アシル基、ア
ルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、
スルホニル基またはスルファモイル基を表し、QはCと
ともに不飽和の環を形成する原子群を表す。
【0023】
【化14】
【0024】式中、R1 〜R4 は、独立に、水素原子、
ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アルキルカル
ボンアミド基、アリールカルボンアミド基、アルキルス
ルホンアミド基、アリールスルホンアミド基、アルコキ
シ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチ
オ基、アルキルカルバモイル基、アリールカルバモイル
基、カルバモイル基、アルキルスルファモイル基、スル
ファモイル基、シアノ基、アルキルスルホニル基、アリ
ールスルホニル基、アルコキシカルボニル基、アリール
オキシカルボニル基、アルキルカルボニル基、アリール
カルボニル基、又はアシルオキシ基を表し、R5 はアル
キル基、アリール基、または、ヘテロ環基を表す。
【0025】
【発明の実施の形態】本発明においては、塩基が存在し
ない場合に安定性が極めて高い発色現像主薬とカプラー
を含む感光部材と、塩基及び/または塩基プレカーサー
を含む処理部材を用い、少量の水の存在下で加熱現像
し、感光部材上に非拡散性色素に基づく画像を形成した
場合、粒状やシャープネスに優れた画像が得られ、この
画像情報に基づいて、やはり塩基が存在しない場合に安
定性が極めて高い発色現像主薬とカプラーを含む感光部
材と、塩基及び/または塩基プレカーサーを含む受像材
料を用い、少量の水の存在下で加熱現像し、受像部材上
に拡散性色素に基づく画像を出力した場合、非常に良好
なカラー画像が得られることの発見に基づいている。ま
た、現像まで感光部材と塩基が隔離されているので、撮
影用材料、及びプリント用材料に要求される高い保存安
定性を満たしつつ、迅速な現像処理が可能である。
【0026】また、プレフォームド色素(色素放出型化
合物)を用いる場合に比べ、無色の発色現像主薬とカプ
ラーを用いた方が、特に撮影用材料として極めて重要な
感度の点で有利である。
【0027】本発明においては、撮影用感光部材上にを
現像して色画像を形成後、残存するハロゲン化銀及び/
または現像銀を除去しても良いし、しなくても良い。ま
た、その画像情報に基づいて別の材料に出力する方法と
して通常の投影露光によっても良いし、透過光の濃度測
定によって画像情報を光電的に読み取り、その信号によ
って出力しても良い。出力する材料は、好ましくは前述
したハロゲン化銀感光材料だが、感光材料以外の、例え
ば昇華型感熱記録材料、インクジェット材料、電子写真
材料、フルカラー直接感熱記録材料等でも良い。本発明
において好ましい態様の例は、熱現像によって発色画像
を形成後、残存するハロゲン化銀及び現像銀を除去する
付加的な処理を行わず、画像情報を拡散光およびCCD
イメージセンサを用いた透過濃度測定によって光電的に
読み取り、デジタル信号に変換後、画像処理を行い、熱
現像カラープリンターに出力するものである。この場
合、コンベンショナルカラー写真で使用する処理液は一
節使用することなく、迅速に良好なプリントを得ること
ができる。また、この場合、上記デジタル信号は任意に
加工編集できるので、撮影した画像を自由に修正、変
形、加工して出力できる。そして、最も好ましい形態は
少なくとも、デジタル画像情報を入力する機能および/
またはアナログ画像情報をスキャナーなどで読みとった
後、デジタルデータ化して入力する機能、入力された情
報に対して画像処理を行う機能、および画像処理された
画像をハードコピープリントとして出力する機能を有す
る画像作成システムにおいて、撮影後、処理液を使用せ
ずに水と、60℃〜100℃で5〜60秒間の加熱処理
によってカップリング色素画像を形成する撮影用ハロゲ
ン化銀カラー感光材料を用いて撮影し、現像処理した画
像をこのシステムの入力画像に利用し、かつ、前記の画
像処理されたデジタル画像出力情報に従って、半導体レ
ーザー(LD)、発光ダイオード(LED)または非線
形光学素子を組み込んだ固体レーザーを光源として走査
露光した後、処理液を使用せずに水と、60℃から10
0℃で5〜60秒間の加熱処理によってカップリング色
素画像を形成し、かつ受像要素に該色素画像を拡散転写
させてプリントを得るハロゲン化銀カラー感光材料を用
いて得られた画像をこのシステムの出力画像に利用する
画像作成システムである。
【0028】<入力画像に利用する撮影用ハロゲン化銀
カラー感光材料>本発明においての入力画像に利用する
撮影用ハロゲン化銀カラー感光材料に使用し得るハロゲ
ン化銀は、沃臭化銀、塩沃臭化銀、臭化銀、塩臭化銀、
沃塩化銀、塩化銀のいずれでもよい。
【0029】感光性乳剤を構成する感光性ハロゲン化銀
粒子の大きさは、同体積の球の直径で換算して0.1〜
2μm、特に0.2〜1.5μmが好ましく用いられ
る。また、ハロゲン化銀粒子の形状は立方体、八面体あ
るいは十四面体のような正常晶よりなる形状を有するも
の、球状のような不規則な形状を有するもの、六角や矩
形の平板状の形状を有するものなどを任意に使用するこ
とができる。撮影材料では、高感度を付与する目的で、
粒子厚みに対する投影面積径の大きい所謂高アスペクト
比の平板状ハロゲン化銀粒子を使用することが好まし
い。ここでいうアスペクト比とは、粒子の投影面積と等
価な円の直径を粒子厚みで除した値である。撮影材料に
用いられるハロゲン化銀乳剤は、好ましくはアスペクト
比2以上、より好ましくは5以上、さらに好ましくは8
以上、最も好ましくは20以上の平板状粒子で、乳剤中
の全粒子の投影面積の50%以上、好ましくは80%以
上、更に好ましくは90%以上を占めて構成される。粒
子サイズの小さい粒子(体積相当球の直径で約0.5μ
以下)では、アスペクト比をさらに粒子厚みで除した平
板度で表して25以上の粒子が好ましい。
【0030】アスペクト比を高めることで、同体積でも
大きい投影面積を得ることができるため、分光増感率を
高めることができる。また、写真感度が粒子投影面積に
比例するような場合では、同じ感度を得るのに必要なハ
ロゲン化銀量を低減することができる。一方、粒子投影
面積を一定にして粒子を調製する場合には、アスペクト
比を高めることで、同じハロゲン化銀量を用いても粒子
数を増加させることが可能となり、粒状性を向上させる
ことができる。さらに、高アスペクト比粒子を用いたと
きには、入射光路に対して散乱角の大きい散乱光成分が
減少するため、鮮鋭度を高めることができる。
【0031】これらの高アスペクト比平板粒子の使用技
術および特性については、米国特許第4433048
号、同第4434226号、同第4439520号等に
開示されている。さらに、粒子厚みが0.07μmより
も薄い超高アスペクト比平板粒子の技術が米国特許第5
494789号、同第5503970号、同第5503
971号、同第5536632号、欧州特許公開第06
99945号、同第0699950号、同第06999
48号、同第0699944号、同第0701165号
および同第0699946号等に開示されている。これ
らの特許明細書に記載されている高アスペクト比平板粒
子は、臭化銀や沃臭化銀を主体としており、主平面が
(111)面で構成された六角平板粒子の頻度が高い。
このような形状の粒子は、(111)面に平行な通常二
枚の双晶面を内部に有している。粒子厚みの薄い高アス
ペクト比平板状粒子を調製するには、この二枚の双晶面
間隔を狭く形成することが技術的なポイントとなる。こ
のためには、核形成時のバインダー濃度、温度、pH、
過剰ハロゲンイオン種、同イオン濃度、さらには反応液
の供給速度などを制御することが重要である。形成され
た平板核の成長を、厚み方向ではなく、平板の周縁方向
に選択的に行わせることもまた、高アスペクト比平板粒
子形成のポイントとなる。そのためには、粒子成長のた
めの反応液の添加速度を制御すると同時に、粒子形成時
から成長過程におけるバインダーとして最適なものを選
択していくことも重要である。上記の特許明細書の中に
はメチオニン含有量の低いゼラチンが高アスペクト比化
に有利な旨の記載がある。
【0032】一方、塩化銀含有率の高い高塩化銀を用い
て平板状粒子を形成する技術も開示されている。例え
ば、米国特許第4400463号、同第4713323
号、同第5217858号、欧州特許公開第04238
40号、同第0647877号等の特許明細書には(1
11)面を主平面として有する高塩化銀平板粒子の技術
が示されている。
【0033】一方、米国特許第5264337号、同第
5292632号、同第5310635号、同第527
5932号、欧州特許公開第0534395号、同第0
617320号、国際特許出願公開WO94/2205
4号等には(100)面を主平面として有する高塩化銀
平板粒子の技術が示されている。これらは、いずれも現
像速度や光学特性に優れた塩化銀を用いた高感度乳剤を
調製するのに有用な技術である。ハロゲン化銀粒子は、
上記のような形状を工夫する以外に、粒子中に様々な構
造を有するように調製される。常用されるのは、粒子を
ハロゲン組成の異なる複数の層状に構成する方法であ
る。撮影材料用に用いられる沃臭化銀粒子では、沃度含
有量の異なる層を設けることが好ましい。現像性を制御
する目的で沃度含有率の高い層を核に、沃度含有率の低
い殻で覆う所謂内部高沃度型コアシェル粒子が知られて
いる。また、これとは逆に、沃度含有率の高い殻で覆っ
た、外部高沃度型のコアシェル粒子も知られている。こ
れは、平板状粒子の粒子厚みが小さくなったときに形状
の安定性を高めるのに有効である。沃度含有率の低い核
を高沃度含有率の第一殻で覆い、この上に低沃度含有率
の第二殻を沈積させることで高感度を付与する技術も知
られている。このタイプのハロゲン化銀粒子では、高沃
度層の上に沈積させた殻(平板状粒子では粒子外縁のフ
リンジ部に相当する)には結晶不整に基づく転位線が形
成され、高感度を得るのに寄与する。
【0034】さらに、形成されたホスト粒子の局在した
部位に、異なるハロゲン組成の結晶をエピタキシャルに
成長させる技術も高感度を得るのに好ましく用いられ
る。例えば、臭化銀に富んだホスト粒子の表面の一部
(粒子の頂点や稜あるいは面上)に沃度含有率の高い結
晶をエピタキシャル成長させる技術が知られている。こ
れとは逆に、臭化銀あるいは沃臭化銀のホスト粒子にそ
れよりも溶解度の高い(例えば塩化銀含有率を高めた結
晶)をエピタキシャル成長させる技術も知られている。
後者は、特に粒子厚みの小さい平板粒子に高感度を付与
するのに好ましく用いられる。
【0035】塩化銀含有率の高い高塩化銀平板粒子にお
いても、粒子内部や表面に臭化銀や沃化銀含有率の高い
局在相を形成することが好ましく行われる。特に、粒子
表面の頂点や稜にこれらの局在相をエピタキシャル成長
させることが好ましい。これらのエピタキシャル結晶部
位は、有効な感光核形成サイトとして働き、高感度を与
える。感光性ハロゲン化銀乳剤の写真特性を改良する目
的で、粒子中に金属の塩または錯塩をドープすることも
好ましく行われる。これらの化合物はハロゲン化銀結晶
中で電子あるいは正孔の過渡的なあるいは永久的なトラ
ップとして働き、高感度や高コントラストを得たり、露
光時の照度依存性を改良する、あるいは露光時の環境
(温度、湿度)依存性を改良する、さらには露光の前後
に圧力を受けたときの性能変化を抑制するのに有用であ
る。これらのドーパントはハロゲン化銀粒子に均一にド
ープしたり、粒子内部の特定部位に局在してドープした
り、亜表面あるいは表面に局在してドープしたり、上述
のエピ部に局在してドープしたり種々の方法を目的に応
じて選択することができる。
【0036】好ましい金属としては、鉄、ルテニウム、
ロジウム、パラジウム、カドミウム、レニウム、オスミ
ウム、イリジウム、白金などの第一から第三遷移金属元
素、タリウムや鉛などの両性金属元素を挙げることがで
きる。これらの金属イオンは、適当な塩、もしくは錯塩
の形でドープされる。これらの中でも、ハライドイオン
やシアニドイオンをリガンドとした六配位ハロゲノ錯体
やシアノ錯体が好ましく用いられる。また、ニトロシル
リガンド、カルボニルリガンド、チオカルボニルリガン
ド、ダイナイトロジェンリガンド、さらにはビピリジル
リガンド、シクロペンタジエニルリガンド、1,2−ジ
チオレニルリガンド等のような有機配位子を有する錯体
も用いることができる。これらの技術は、特開平2−2
36542号、同1−116637号、特願平4−12
6629号明細書等に記載されている。さらに、硫黄、
セレン、テルルのような所謂カルコゲン元素の2価のア
ニオンをドープすることも好ましく行われる。これらの
ドーパントもまた、高感度を得たり、露光条件依存性を
改良するのに有効である。
【0037】本発明のハロゲン化銀粒子の調製法につい
ては、公知の方法、すなわち、グラフキデ著「写真の物
理と化学」、ポールモンテ社刊(P.Glafkide
s,Chimie et Phisique Phot
ographique,Paul Montel,19
67)、ダフィン著「写真乳剤化学」、フォーカルプレ
ス社刊(G.F.Duffin,Photograph
ic Emulsion Chemistry,Foc
al Press,1966)、ゼリクマンら著「写真
乳剤の製造と塗布」、フォーカルプレス社刊(V.L.
Zelikman et al.,Making an
d Coating of Photographic
Emulsion,Focal Press,196
4)等に記載の方法を基本に行うことができる。すなわ
ち、酸性法、中性法、アンモニア法等の種々のpH領域
で調製することができる。また、反応液である水溶性銀
塩と水溶性ハロゲン塩溶液の供給方法として、片側混合
法や同時混合法等を単独あるいは組み合わせて用いるこ
とができる。さらに、反応中のpAgを目標値に保つよ
うに反応液の添加を制御するコントロールドダブルジェ
ット法を用いることも好ましい。また、反応中のpH値
を一定に保つ方法も用いられる。粒子形成に際しては、
系の温度、pHあるいはpAg値を変えてハロゲン化銀
の溶解度を制御する方法を用いることもできるが、チオ
エーテルやチオ尿素類、ロダン塩等を溶剤として用いる
こともできる。これらの例は、特公昭47−11386
号、特開昭53−144319号明細書等に記載されて
いる。
【0038】本発明のハロゲン化銀粒子の調製は、通
常、ゼラチンのような水溶性バインダーを溶解した溶液
中に硝酸銀などの水溶性銀塩溶液と、ハロゲン化アルカ
リ等の水溶性ハロゲン塩溶液とを制御された条件で供給
することで行われる。ハロゲン化銀粒子が形成された
後、過剰の水溶性塩類を除去することが好ましい。この
工程は脱塩あるいは水洗工程と呼ばれ、種々の手段が用
いられる。例えば、ハロゲン化銀粒子を含むゼラチン溶
液をゲル化させ、ひも状に裁断し、冷水で水溶性塩を洗
い流すヌーデル水洗法や、多価アニオンよりなる無機塩
類(例えば硫酸ナトリウム)、アニオン性界面活性剤、
アニオン性ポリマー(例えばポリスチレンスルホン酸ナ
トリウム)、あるいはゼラチン誘導体(例えば脂肪族ア
シル化ゼラチン、芳香族アシル化ゼラチン、芳香族カル
バモイル化ゼラチンなど)などを添加してゼラチンを凝
集させて過剰塩類を除去する沈降法を用いても良い。沈
降法を用いた場合には過剰塩類の除去が迅速に行われ、
好ましい。
【0039】本発明には、通常、化学増感を施したハロ
ゲン化銀乳剤を用いることが好ましい。化学増感は、調
製されたハロゲン化銀粒子に高感度を付与し、露光条件
安定性や保存安定性を付与するのに寄与する。化学増感
には一般的に知られている増感法を単独にあるいは種々
組み合わせて用いることができる。化学増感法として、
硫黄、セレンあるいはテルル化合物を用いるカルコゲン
増感法が好ましく用いられる。これらの増感剤として
は、ハロゲン化銀乳剤に添加された際に、上記のカルコ
ゲン元素を放出して銀カルコゲナイドを形成する化合物
が用いられる。さらに、これらを併用することも、高感
度を得、カブリを低く押さえる上で好ましい。
【0040】また、金、白金、イリジウム等を用いる貴
金属増感法も好ましい。特に、塩化金酸を単独に、ある
いは金のリガンドとなるチオシアン酸イオン等と併用し
て用いる金増感法は、高感度が得られる。金増感とカル
コゲン増感を併用すると、さらに高感度を得ることがで
きる。また、粒子形成中に適度な還元性を有する化合物
を用いて、還元性の銀核を導入することで高感度を得
る、所謂還元増感法も好ましく用いられる。芳香環を有
するアルキニルアミン化合物を化学増感時に添加して行
う還元増感法も好ましい。化学増感を行う際に、ハロゲ
ン化銀粒子に吸着性を有する種々の化合物を用いて、そ
の反応性を制御することも好ましく行われる。特に、カ
ルコゲン増感や金増感に先立って、含窒素複素環化合物
やメルカプト化合物、シアニンやメロシアニン類の増感
色素類を添加する方法が特に好ましい。化学増感を施す
際の反応条件は目的に応じて異なるが、温度は30℃〜
95℃、好ましくは40℃〜75℃、pHは5.0〜1
1.0、好ましくは5.5〜8.5、pAgは6.0〜
10.5、好ましくは6.5〜9.8である。化学増感
技術については、特開平3−110555号、特願平4
−75798号、特開昭62−253159号、特開平
5−45833号、特開昭62−40446号明細書等
に記載されている。
【0041】本発明では、感光性ハロゲン化銀乳剤に所
望の光波長域に感度を付与する、所謂分光増感を施すこ
とが好ましい。特に、カラー写真感光材料では、オリジ
ナルに忠実な色再現を行うため、青、緑、赤に感光性を
有する感光性層が組み込まれている。これらの感光性
は、ハロゲン化銀を分光増感することで付与される。分
光増感は、ハロゲン化銀粒子に吸着して、それ自身の吸
収波長域に感度を持たせる、所謂分光増感色素が用いら
れる。これらの色素の例としては、シアニン色素、メロ
シアニン色素、複合シアニン色素、複合メロシアニン色
素、ホロポーラー色素、ヘミシアニン色素、スチリル色
素あるいはヘミオキソノール色素等を挙げることができ
る。これらの例は、米国特許第4617257号、特開
昭59−180550号、同64−13546号、特開
平5−45828号、同5−45834号明細書等に記
載されている。分光増感色素は、単独で用いられる他
に、複数種の色素を併用して用いられる。これは、分光
感度の波長分布の調節や、強色増感の目的で行われる。
強色増感作用を呈する色素の組合せでは、単独で達成で
きる感度の和を大きく超える感度を得ることができる。
【0042】また、それ自身では分光増感作用を持たな
い色素、あるいは可視光を実質的に吸収しない化合物で
あって、強色増感作用を呈する化合物を併用することも
好ましい。ジアミノスチルベン化合物類などを強色増感
剤の例として挙げることができる。これらの例として
は、米国特許第3615641号、特開昭63−231
45号明細書等に記載されている。これらの分光増感色
素や強色増感剤のハロゲン化銀乳剤への添加は、乳剤調
製のいかなる時期でも良い。化学増感の終了した乳剤に
塗布液調製時に添加する、化学増感終了時に添加する、
化学増感途中に添加する、化学増感に先立って添加す
る、粒子形成終了後脱塩前に添加する、粒子形成中に添
加する、あるいは粒子形成に先立って添加するなどの種
々の方法を単独あるいは組み合わせて用いることができ
る。化学増感よりも前の工程で添加するのが、高感度を
得るのに好ましい。
【0043】分光増感色素や強色増感剤の添加量は、粒
子の形状や粒子サイズあるいは付与したい写真特性によ
って多岐にわたるが、概ねハロゲン化銀1モル当たり1
-8〜10-1モル、好ましくは10-5〜10-2モルの範
囲である。これらの化合物は、メタノールやフッ素アル
コール等の有機溶媒に溶解した状態で、あるいは界面活
性剤やゼラチンと共に水中に分散した状態で添加するこ
とができる。
【0044】ハロゲン化銀乳剤には、カブリを防止した
り、保存時の安定性を高める目的で種々の安定剤を添加
することが好ましい。好ましい安定剤としては、アザイ
ンデン類、トリアゾール類、テトラゾール類、プリン類
等の含窒素複素環化合物類、メルカプトテトラゾール
類、メルカプトトリアゾール類、メルカプトイミダゾー
ル類、メルカプトチアジアゾール類等のメルカプト化合
物類等を挙げることができる。これらの化合物の詳細
は、ジェームズ著「写真過程の理論」、マクミラン社刊
(T.H.James,The Theory of
the Photographic Process,
Macmillan,1977)第396頁〜399頁
およびその引用文献に記載されている。
【0045】これらのカブリ防止剤あるいは安定剤のハ
ロゲン化銀乳剤への添加は、乳剤調製のいかなる時期で
も良い。化学増感の終了した乳剤に塗布液調製時に添加
する、化学増感終了時に添加する、化学増感途中に添加
する、化学増感に先立って添加する、粒子形成終了後脱
塩前に添加する、粒子形成中に添加する、あるいは粒子
形成に先立って添加するなどの種々の方法を単独あるい
は組み合わせて用いることができる。これらのカブリ防
止剤あるいは安定剤の添加量はハロゲン化銀乳剤のハロ
ゲン組成や目的に応じて多岐にわたるが、概ねハロゲン
化銀1モル当たり10-6〜10-1モル、好ましくは10
-5〜10-2モルの範囲である。
【0046】以上述べてきたような本発明の感光材料に
使用される写真用添加剤は、リサーチ・ディスクロージ
ャー誌(以下RDと略記)No17643(1978年
12月)、同No18716(1979年11月)およ
び同No307105(1989年11月)に記載され
ており、その該当箇所を下記にまとめる。
【0047】 添加剤の種類 RD17643 RD18716 RD307105 化学増感剤 23頁 648頁右欄 866頁 感度上昇剤 648頁右欄 分光増感剤 23〜24頁 648頁右欄 866〜868頁 強色増感剤 〜649頁右欄 増白剤 24頁 648頁右欄 868頁 カブリ防止剤 24〜26頁 649頁右欄 868〜870頁 安定剤 光吸収剤 25〜26頁 649頁右欄 873頁 フィルター染料 〜650頁左欄 紫外線吸収剤 色素画像安定剤 25頁 650頁左欄 872頁 硬膜剤 26頁 651頁左欄 874〜875頁 バインダー 26頁 651頁左欄 873〜874頁 可塑剤、潤滑剤 27頁 650頁右欄 876頁 塗布助剤 26〜27頁 650頁右欄 875〜876頁 界面活性剤 スタチック防止剤 27頁 650頁右欄 876〜877頁 マット剤 878〜879頁
【0048】感光材料に用いる感光性ハロゲン化銀は銀
換算で0.05〜20g/m2、好ましくは0.1〜10
g/m2が適当である。本発明においては、感光性ハロゲ
ン化銀と共に、有機金属塩を酸化剤として併用すること
もできる。このような有機金属塩の中で、有機銀塩は、
特に好ましく用いられる。上記の有機銀塩酸化剤を形成
するのに使用し得る有機化合物としては、米国特許第
4,500,626号第52〜53欄等に記載のベンゾ
トリアゾール類、脂肪酸その他の化合物がある。また米
国特許第4,775,613号記載のアセチレン銀も有
用である。有機銀塩は、2種以上を併用してもよい。以
上の有機銀塩は、感光性ハロゲン化銀1モルあたり0.
01〜10モル、好ましくは0.01〜1モルを併用す
ることができる。
【0049】感光材料の構成層のバインダーには親水性
のものが好ましく用いられる。その例としては前述のリ
サーチ・ディスクロージャーおよび特開昭64−13,
546号の(71)頁〜(75)頁に記載されたものが
挙げられる。具体的には、透明か半透明の親水性バイン
ダーが好ましく、例えばゼラチン、ゼラチン誘導体等の
蛋白質またはセルロース誘導体、澱粉、アラビアゴム、
デキストラン、プルラン等の多糖類のような天然化合物
とポリビニルアルコール、変成ポリビニルアルコール
(例えば、(株)クラレ製の末端アルキル変成ポバール
MP103,MP203等)、ポリビニルピロリドン、
アクリルアミド重合体等の合成高分子化合物が挙げられ
る。また、米国特許第4,960,681号、特開昭6
2−245260号等に記載の高吸水性ポリマー、すな
わち−COOMまたは−SO3 M(Mは水素原子または
アルカリ金属)を有するビニルモノマーの単独重合体ま
たはこのビニルモノマー同士もしくは他のビニルモノマ
ーとの共重合体(例えばメタクリル酸ナトリウム、メタ
クリル酸アンモニウム、住友化学(株)製のスミカゲル
L−5H)も使用される。これらのバインダーは2種以
上組み合わせて用いることもできる。特にゼラチンと上
記バインダーの組み合わせが好ましい。またゼラチン
は、種々の目的に応じて石灰処理ゼラチン、酸処理ゼラ
チン、カルシウムなどの含有量を減らしたいわゆる脱灰
ゼラチンから選択すれば良く、組み合わせて用いる事も
好ましい。
【0050】本発明の入力画像に用いる撮影用ハロゲン
化銀カラー感光材料において、バインダーの塗布量は1
〜20g/m2 、好ましくは2〜15g/m2 、更に好
ましくは3〜12g/m2 が適当である。この中でゼラ
チンは50%〜100重量%、好ましくは70%〜10
0重量%の割合で用いる。
【0051】発色現像主薬としては、p−フェニレンジ
アミン類またはp−アミノフェノール類でも良いが、好
ましくは前記の一般式 (1)〜(5) で表される化合物を用
いる。
【0052】一般式(1)で表される化合物はスルホン
アミドフェノールと総称される化合物である。式中、R
1 〜R4 は各々水素原子、ハロゲン原子(例えばクロ
ル、ブロム)、アルキル基(例えばメチル基、エチル
基、イソプロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基)、
アリール基(たとえばフェニル基、トリル基、キシリル
基)、アルキルカルボンアミド基(例えばアセチルアミ
ノ基、プロピオニルアミノ基、ブチロイルアミノ基)、
アリールカルボンアミド基(例えばベンゾイルアミノ
基)、アルキルスルホンアミド基(例えばメタンスルホ
ニルアミノ基、エタンスルホニルアミノ基)、アリール
スルホンアミド基(例えばベンゼンスルホニルアミノ
基、トルエンスルホニルアミノ基)、アルコキシ基(例
えばメトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基)、アリール
オキシ基(例えばフェノキシ基)、アルキルチオ基(例
えばメチルチオ基、エチルチオ基、ブチルチオ基)、ア
リールチオ基(例えばフェニルチオ基、トリルチオ
基)、アルキルカルバモイル基(例えばメチルカルバモ
イル基、ジメチルカルバモイル基、エチルカルバモイル
基、ジエチルカルバモイル基、ジブチルカルバモイル
基、ピペリジルカルバモイル基、モルホリルカルバモイ
ル基)、アリールカルバモイル基(例えばフェニルカル
バモイル基、メチルフェニルカルバモイル基、エチルフ
ェニルカルバモイル基、ベンジルフェニルカルバモイル
基)、カルバモイル基、アルキルスルファモイル基(例
えばメチルスルファモイル基、ジメチルスルファモイル
基、エチルスルファモイル基、ジエチルスルファモイル
基、ジブチルスルファモイル基、ピペリジルスルファモ
イル基、モルホリルスルファモイル基)、アリールスル
ファモイル基(例えばフェニルスルファモイル基、メチ
ルフェニルスルファモイル基、エチルフェニルスルファ
モイル基、ベンジルフェニルスルファモイル基)、スル
ファモイル基、シアノ基、アルキルスルホニル基(例え
ばメタンスルホニル基、エタンスルホニル基)、アリー
ルスルホニル基(例えばフェニルスルホニル基、4−ク
ロロフェニルスルホニル基、p−トルエンスルホニル
基)、アルコキシカルボニル基(例えばメトキシカルボ
ニル基、エトキシカルボニル基、ブトキシカルボニル
基)、アリールオキシカルボニル基(例えばフェノキシ
カルボニル基)、アルキルカルボニル基(例えばアセチ
ル基、プロピオニル基、ブチロイル基)、アリールカル
ボニル基(例えばベンゾイル基、アルキルベンゾイル
基)、またはアシルオキシ基(例えばアセチルオキシ
基、プロピオニルオキシ基、ブチロイルオキシ基)を表
す。R1 〜R4 の中で、R2 およびR4 は好ましくは水
素原子である。また、R1 〜R4 のハメット定数σp
の合計は0以上となることが好ましい。
【0053】R5 はアルキル基(例えばメチル基、エチ
ル基、ブチル基、オクチル基、ラウリル基、セチル基、
ステアリル基)、アリール基(例えばフェニル基、トリ
ル基、キシリル基、4−メトキシフェニル基、ドデシル
フェニル基、クロロフェニル基、トリクロロフェニル
基、ニトロクロロフェニル基、トリイソプロピルフェニ
ル基、4−ドデシルオキシフェニル基、3,5−ジ−
(メトキシカルボニル)基)、または複素環基(例えば
ピリジル基)を表す。
【0054】一般式(2)で表される化合物はスルホニ
ルヒドラジンと総称される化合物である。また、一般式
(4)で表される化合物はカルバモイルヒドラジンと総
称される化合物である。
【0055】式中、Zは芳香環を形成する原子群を表
す。Zによって形成される芳香環は、本化合物に銀現像
活性を付与するため、十分に電子吸引的であることが必
要である。このため、含窒素芳香環を形成するか、或い
はベンゼン環に電子吸引性基を導入したような芳香環が
好ましく使用される。このような芳香環としては、ピリ
ジン環、ピラジン環、ピリミジン環、キノリン環、キノ
キサリン環等が好ましい。
【0056】ベンゼン環の場合、その置換基としては、
アルキルスルホニル基(例えばメタンスルホニル基、エ
タンスルホニル基)、ハロゲン原子(例えばクロル、ブ
ロム)、アルキルカルバモイル基(例えばメチルカルバ
モイル基、ジメチルカルバモイル基、エチルカルバモイ
ル基、ジエチルカルバモイル基、ジブチルカルバモイル
基、ピペリジルカルバモイル基、モルホリルカルバモイ
ル基)、アリールカルバモイル基(例えばフェニルカル
バモイル基、メチルフェニルカルバモイル基、エチルフ
ェニルカルバモイル基、ベンジルフェニルカルバモイル
基)、カルバモイル基、アルキルスルファモイル基(例
えばメチルスルファモイル基、ジメチルスルファモイル
基、エチルスルファモイル基、ジエチルスルファモイル
基、ジブチルスルファモイル基、ピペリジルスルファモ
イル基、モルホリルスルファモイル基)、アリールスル
ファモイル基(例えばフェニルスルファモイル基、メチ
ルフェニルスルファモイル基、エチルフェニルスルファ
モイル基、ベンジルフェニルスルファモイル基)、スル
ファモイル基、シアノ基、アルキルスルホニル基(例え
ばメタンスルホニル基、エタンスルホニル基)、アリー
ルスルホニル基(例えばフェニルスルホニル基、4−ク
ロロフェニルスルホニル基、p−トルエンスルホニル
基)、アルコキシカルボニル基(例えばメトキシカルボ
ニル基、エトキシカルボニル基、ブトキシカルボニル
基)、アリールオキシカルボニル基(例えばフェノキシ
カルボニル基)、アルキルカルボニル基(例えばアセチ
ル基、プロピオニル基、ブチロイル基)、またはアリー
ルカルボニル基(例えばベンゾイル基、アルキルベンゾ
イル基)等が挙げられるが、上記置換基のハメット定数
σ値の合計は1以上である。
【0057】一般式(3)で表される化合物はスルホニ
ルヒドラゾンと総称される化合物である。また、一般式
(5)で表される化合物はカルバモイルヒドラゾンと総
称される化合物である。
【0058】式中、R6 は置換または無置換のアルキル
基(例えばメチル基、エチル基)を表す。Xは酸素原
子、硫黄原子、セレン原子またはアルキル置換もしくは
アリール置換の3級窒素原子を表すが、アルキル置換の
3級窒素原子が好ましい。R7、R8 は水素原子または
置換基を表し、R7 、R8 が互いに結合して2重結合ま
たは環を形成してもよい。
【0059】以下に、一般式(1)〜(5)で表される
化合物の具体例を示すが、本発明の化合物はもちろんこ
れによって限定されるものではない。
【0060】
【化15】
【0061】
【化16】
【0062】
【化17】
【0063】
【化18】
【0064】
【化19】
【0065】
【化20】
【0066】
【化21】
【0067】
【化22】
【0068】
【化23】
【0069】
【化24】
【0070】
【化25】
【0071】
【化26】
【0072】
【化27】
【0073】発色現像主薬は、上記の化合物を1種類も
しくは複数種類を組み合わせて用いる。各層で別々の現
像主薬を用いても良い。それらの現像主薬の総使用量は
0.05〜20mmol/m2 、好ましくは0.1〜1
0mmol/m2 である。
【0074】次にカプラーについて説明する。本発明に
おけるカプラーとは、前記の発色現像主薬の酸化体とカ
ップリング反応し、色素を形成する化合物である。本発
明に好ましく使用されるカプラーとしては、活性メチレ
ン、5−ピラゾロン、ピラゾロアゾール、フェノール、
ナフトール、ピロロトリアゾールと総称される化合物で
ある。これらのカプラーはリサーチ・ディスクロージャ
ー(以下RDと略す) No.38957(1996年9月),616〜624
頁,”x.Dye image formers and modifiers”に引用
されているの化合物を好ましく使用することができる。
【0075】これらのカプラーはいわゆる2当量カプラ
ーと4当量カプラーとに分けることができる。2当量カ
プラーのアニオン性離脱基として作用する基としては、
ハロゲン原子(例えばクロル基、ブロム基)、アルコキ
シ基(例えばメトキシ基、エトキシ基)、アリールオキ
シ基(例えばフェノキシ基、4−シアノフェノキシ基、
4−アルコキシカルボニルフェニル基)、アルキルチオ
基(例えばメチルチオ基、エチルチオ基、ブチルチオ
基)、アリールチオ基(例えばフェニルチオ基、トリル
チオ基)、アルキルカルバモイル基(例えばメチルカル
バモイル基、ジメチルカルバモイル基、エチルカルバモ
イル基、ジエチルカルバモイル基、ジブチルカルバモイ
ル基、ピペリジルカルバモイル基、モルホリルカルバモ
イル基)、アリールカルバモイル基(例えばフェニルカ
ルバモイル基、メチルフェニルカルバモイル基、エチル
フェニルカルバモイル基、ベンジルフェニルカルバモイ
ル基)、カルバモイル基、アルキルスルファモイル基
(例えばメチルスルファモイル基、ジメチルスルファモ
イル基、エチルスルファモイル基、ジエチルスルファモ
イル基、ジブチルスルファモイル基、ピペリジルスルフ
ァモイル基、モルホリルスルファモイル基)、アリール
スルファモイル基(例えばフェニルスルファモイル基、
メチルフェニルスルファモイル基、エチルフェニルスル
ファモイル基、ベンジルフェニルスルファモイル基)、
スルファモイル基、シアノ基、アルキルスルホニル基
(例えばメタンスルホニル基、エタンスルホニル基)、
アリールスルホニル基(例えばフェニルスルホニル基、
4−クロロフェニルスルホニル基、p−トルエンスルホ
ニル基)、アルキルカルボニルオキシ基(例えばアセチ
ルオキシ基、プロピオニルオキシ基、ブチロイルオキシ
基)、アリールカルボニルオキシ基(例えばベンゾイル
オキシ基、トルイルオキシ基、アニシルオキシ基)、含
窒素複素環基(例えばイミダゾリル基、ベンゾトリアゾ
リル基)等が挙げられる。
【0076】また、4当量カプラーのカチオン性離脱基
として作用する基としては、水素原子、ホルミル基、カ
ルバモイル基、置換基を有するメチレン基(置換基とし
ては、アリール基、スルファモイル基、カルバモイル
基、アルコキシ基、アミノ基、水酸基等)、アシル基、
スルホニル基等が挙げられる。
【0077】上記RD No.38957に記載の化合物以外に
も、以下に記載のカプラーを好ましく用いることができ
る。
【0078】活性メチレン系カプラーとしては、EP 50
2,424A の式(I),(II)で表わされるカプラー; EP 513,49
6A の式(1),(2) で表わされるカプラー ; EP 568,037A
のクレーム1の式(I) で表わされるカプラー; US 5,06
6,576のカラム1の45〜55行の一般式(I) で表わされる
カプラー; 特開平4-274425の段落0008の一般式(I) で表
わされるカプラー; EP 498,381A1の40頁のクレーム1に
記載のカプラー; EP 447,969A1の4頁の式(Y) で表わさ
れるカプラー; US 4,476,219のカラム7の36〜58行の式
(II)〜(IV)で表わされるカプラーを用いることができ
る。
【0079】5−ピラゾロン系マゼンタカプラーとして
は、特開昭57−35858号および特開昭51−20
826号に記載の化合物が好ましい
【0080】ピラゾロアゾール系カプラーとしては、米
国特許第4,500,630号に記載のイミダゾ〔1,
2−b〕ピラゾール類、米国特許第4,540,654
号に記載のピラゾロ〔1,5−b〕〔1,2,4〕トリ
アゾール類、米国特許第3,725,067号に記載の
ピラゾロ〔5,1−c〕〔1,2,4〕トリアゾール類
が好ましく、光堅牢性の点で、これらのうちピラゾロ
〔1,5−b〕〔1,2,4〕トリアゾール類が好まし
い。
【0081】また特開昭61−65245号に記載され
ているような分岐アルキル基がピラゾロトリアゾール基
の2、3または6位に直結したピラゾロアゾールカプラ
ー、特開昭61−65245号に記載されている分子内
にスルホンアミド基を含んだピラゾロアゾールカプラ
ー、特開昭61−147254号に記載されるアルコキ
シフェニルスルホンアミドバラスト基を持つピラゾロア
ゾールカプラー、特開昭62−209457号もしくは
同63−307453号に記載されている6位にアルコ
キシ基やアリールオキシ基を持つピラゾロトリアゾール
カプラー、および特開平2−201443号に記載され
る分子内にカルボンアミド基を持つピラゾロトリアゾー
ルカプラーも好ましく用いることができる。
【0082】フェノール系カプラーの好ましい例として
は、米国特許第2,369,929号、同第2,80
1,171号、同第2,772,162号、同第2,8
95,826号、同第3,772,002号等に記載の
2−アルキルアミノ−5−アルキルフェノール系、米国
特許第2,772,162号、同第3,758,308
号、同第4,126,396号、同第4,334,01
1号、同第4,327,173号、西独特許公開第3,
329,729号、特開昭59−166956号等に記
載の2,5−ジアシルアミノフェノール系、米国特許第
3,446,622号、同第4,333,999号、同
第4,451,559号、同第4,427,767号等
に記載の2−フェニルウレイド−5−アシルアミノフェ
ノール系等を挙げることができる。
【0083】ナフトールカプラーの好ましい例として
は、米国特許第2,474,293号、同第4,05
2,212号、同第4,146,396号、同第4,2
28,233号、同第4,296,200号等に記載の
2−カルバモイル−1−ナフトール系および米国特許
4,690,889号等に記載の2−カルバモイル−5
−アミド−1−ナフトール系等を挙げることができる。
【0084】ピロロトリアゾール系カプラーの好ましい
例としては、欧州特許第488,248A1号、同第4
91,197A1号、同第545,300号に記載のカ
プラーが挙げられる。
【0085】その他、縮環フェノール、イミダゾール、
ピロール、3−ヒドロキシピリジン、活性メチン、5,
5−縮環複素環、5,6−縮環複素環といった構造を有
するカプラーが使用できる。
【0086】縮環フェノール系カプラーとしては、米国
特許第4,327,173号、同第4,564,586
号、同第4,904,575号等に記載のカプラーが使
用できる。
【0087】イミダゾール系カプラーとしては、米国特
許第4,818,672号、同第5,051,347号
等に記載のカプラーが使用できる。
【0088】ピロール系カプラーとしては特開平4−1
88137号、同4−190347号等に記載のカプラ
ーが使用できる。
【0089】3−ヒドロキシピリジン系カプラーとして
は特開平1−315736号等に記載のカプラーが使用
できる。
【0090】活性メチン系カプラーとしては米国特許第
5,104,783号、同第5,162,196号等に
記載のカプラーが使用できる。
【0091】5,5−縮環複素環系カプラーとしては、
米国特許第5,164,289号に記載のピロロピラゾ
ール系カプラー、特開平4−174429号に記載のピ
ロロイミダゾール系カプラー等が使用できる。
【0092】5,6−縮環複素環系カプラーとしては、
米国特許第4,950,585号に記載のピラゾロピリ
ミジン系カプラー、特開平4−204730号に記載の
ピロロトリアジン系カプラー、欧州特許第556,70
0号に記載のカプラー等が使用できる。
【0093】本発明には前述のカプラー以外に、西独特
許第3,819,051A号、同第3,823,049
号、米国特許第4,840,883号、同第5,02
4,930号、同第5,051,347号、同第4,4
81,268号、欧州特許第304,856A2号、同
第329,036号、同第354,549A2号、同第
374,781A2号、同第379,110A2号、同
第386,930A1号、特開昭63−141055
号、同64−32260号、同32261号、特開平2
−297547号、同2−44340号、同2−110
555号、同3−7938号、同3−160440号、
同3−172839号、同4−172447号、同4−
179949号、同4−182645号、同4−184
437号、同4−188138号、同4−188139
号、同4−194847号、同4−204532号、同
4−204731号、同4−204732号等に記載さ
れているカプラーも使用できる。これらのカプラーは各
色0.05〜10mmol/m2 、好ましくは0.1〜5mm
ol/m2 用いる。
【0094】また、以下のような機能性カプラーを含有
しても良い。発色色素が適度な拡散性を有するカプラー
としては、US 4,366,237、GB 2,125,570、EP 96,873B、
DE 3,234,533に記載のものが好ましい。発色色素の不要
な吸収を補正するためのカプラーとして、EP456,
257A1号に記載のイエローカラードシアンカプラ
ー、該EPに記載のイエローカラードマゼンタカプラ
ー、US4,833,069号に記載のマゼンタカラー
ドシアンカプラー、US4,837,136号の(2) 、
WO92/11575のクレーム1の式(A)で表わさ
れる無色のマスキングカプラー(特に36−45頁の例
示化合物)。
【0095】現像主薬酸化体と反応して写真的に有用な
化合物残査を放出する化合物(カプラーを含む)として
は、以下のものが挙げられる。現像抑制剤放出化合物:
EP378,236A1号の11頁に記載の式(I)〜
(IV)で表わされる化合物、EP436,938A2号
の7頁に記載の式(I)で表わされる化合物、EP 568,0
37A の式(1) で表わされる化合物、EP 440,195A2の5 〜
6 頁に記載の式(I),(II),(III)で表わされる化合物。 漂白促進剤放出化合物:EP 310,125A2の5 頁の式(I),
(I')で表わされる化合物及び特開平6-59411 の請求項1
の式(I) で表わされる化合物。 リガンド放出化合物:US 4,555,478のクレーム1に記載
のLIG-X で表わされる化合物。 ロイコ色素放出化合物:US 4,749,641のカラム3〜8の
化合物1〜6;蛍光色素放出化合物:US 4,774,181のクレ
ーム1のCOUP-DYEで表わされる化合物。 現像促進剤又はカブラセ剤放出化合物:US 4,656,123の
カラム3の式(1) 、(2)、(3)で表わされる化合物及びEP
450,637A2の75頁36〜38行目のExZK-2。 離脱して初めて色素となる基を放出する化合物: US 4,8
57,447のクレーム1の式(I) で表わされる化合物、特願
平4−134523号の式(1) で表わされる化合物、E
P440,195A2の5、6頁に記載の式(I)(II)
(III)で表わされる化合物、特願平4−325564号
の請求項1の式(I)で表わされる化合物−リガンド放
出化合物、US4,555,478号のクレーム1に記
載のLIG−Xで表わされる化合物。このような機能性
カプラーは、先に述べた発色に寄与するカプラーの0.
05〜10倍モル、好ましくは0.1〜5倍モル用いる
ことが好ましい。
【0096】カプラー、発色現像主薬などの疎水性添加
剤は米国特許第2,322,027号記載の方法などの
公知の方法により感光材料の層中に導入することができ
る。この場合には、米国特許第4,555,470号、
同4,536,466号、同4,536,467号、同
4,587,206号、同4,555,476号、同
4,599,296号、特公平3−62,256号など
に記載のような高沸点有機溶媒を、必要に応じて沸点5
0℃〜160℃の低沸点有機溶媒と併用して、用いるこ
とができる。またこれら色素供与性カプラー、高沸点有
機溶媒などは2種以上併用することができる。
【0097】高沸点有機溶媒の量は用いられる疎水性添
加剤1gに対して10g以下、好ましくは5g以下、よ
り好ましくは1g〜0.1gである。また、バインダー
1gに対して1cc以下、更には0.5cc以下、特に0.
3cc以下が適当である。特公昭51−39,853号、
特開昭51−59,943号に記載されている重合物に
よる分散法や特開昭62−30,242号等に記載され
ている微粒子分散物にして添加する方法も使用できる。
水に実質的に不溶な化合物の場合には、前記方法以外に
バインダー中に微粒子にして分散含有させることができ
る。疎水性化合物を親水性コロイドに分散する際には、
種々の界面活性剤を用いることができる。例えば特開昭
59−157,636号の第(37)〜(38)頁、前記のリサ
ーチ・ディスクロージャー記載の界面活性剤として挙げ
たものを使うことができる。また、特願平5−2043
25号、同6−19247号、西独公開特許第1,93
2,299A号記載のリン酸エステル型界面活性剤も使
用できる。
【0098】本発明の撮影用感光材料は、支持体上に少
なくとも1層の感光性層が設けられていればよい。典型
的な例としては、支持体上に、実質的に感色性は同じで
あるが感光度の異なる複数のハロゲン化銀乳剤層から成
る感光性層を少なくとも1つ有するハロゲン化銀写真感
光材料である。該感光性層は青色光、緑色光、および赤
色光の何れかに感色性を有する単位感光性層であり、多
層ハロゲン化銀カラー写真感光材料においては、一般に
単位感光性層の配列が、支持体側から順に赤感色性層、
緑感色性層、青感色性の順に設置される。しかし、目的
に応じて上記設置順が逆であっても、また同一感色性層
中に異なる感光性層が挟まれたような設置順をもとり得
る。上記のハロゲン化銀感光性層の間および最上層、最
下層には非感光性層を設けてもよい。これらには、前述
のカプラー、現像主薬、及びDIR化合物、混色防止
剤、染料等が含まれていてもよい。各単位感光性層を構
成する複数のハロゲン化銀乳剤層は、DE 1,121,470ある
いはGB 923,045に記載されているように高感度乳剤層、
低感度乳剤層の2層を、支持体に向かって順次感光度が
低くなる様に配列するのが好ましい。また、特開昭57-1
12751 、同62- 200350、同62-206541 、62-206543 に記
載されているように支持体より離れた側に低感度乳剤
層、支持体に近い側に高感度乳剤層を設置してもよい。
具体例として支持体から最も遠い側から、低感度青感光
性層(BL)/高感度青感光性層(BH)/高感度緑感光性
層(GH)/低感度緑感光性層(GL) /高感度赤感光性層
(RH)/低感度赤感光性層(RL)の順、またはBH/BL/
GL/GH/RH/RLの順、またはBH/BL/GH/GL/RL/RHの
順等に設置することができる。また特公昭 55-34932 公
報に記載されているように、支持体から最も遠い側から
青感光性層/GH/RH/GL/RLの順に配列することもでき
る。また特開昭56-25738、同62-63936に記載されている
ように、支持体から最も遠い側から青感光性層/GL/RL
/GH/RHの順に配列することもできる。また特公昭49-1
5495に記載されているように上層を最も感光度の高いハ
ロゲン化銀乳剤層、中層をそれよりも低い感光度のハロ
ゲン化銀乳剤層、下層を中層よりも更に感光度の低いハ
ロゲン化銀乳剤層を配置し、支持体に向かって感光度が
順次低められた感光度の異なる3層から構成される配列
が挙げられる。このような感光度の異なる3層から構成
される場合でも、特開昭59-202464 に記載されているよ
うに、同一感色性層中において支持体より離れた側から
中感度乳剤層/高感度乳剤層/低感度乳剤層の順に配置
されてもよい。その他、高感度乳剤層/低感度乳剤層/
中感度乳剤層、あるいは低感度乳剤層/中感度乳剤層/
高感度乳剤層の順に配置されていてもよい。また、4層
以上の場合にも、上記の如く配列を変えてよい。色再現
性を改良するために、US 4,663,271、同 4,705,744、同
4,707,436、特開昭62-160448 、同63- 89850 の明細書
に記載の、BL,GL,RLなどの主感光層と分光感度分布が異
なる重層効果のドナー層(CL) を主感光層に隣接もしく
は近接して配置することが好ましい。本発明において
は、ハロゲン化銀と色素供与性カプラー及び発色現像主
薬は同一層に含まれていても良いが、反応可能な状態で
あれば別層に分割して添加することもできる。例えば発
色現像主薬を含む層とハロゲン化銀を含む層とを別層に
すると感材の生保存性の向上がはかれる。各層の分光感
度及びカプラーの色相の関係は任意であるが、赤色感光
性層にシアンカプラー、緑色感光性層にマゼンタカプラ
ー、青色感光性層にイエローカプラーを用いると、従来
のカラーペーパー等に直接投影露光できる。感光部材に
は、上記のハロゲン化銀乳剤層の間および最上層、最下
層には、保護層、下塗り層、中間層、黄色フィルター
層、アンチハレーション層などの各種の非感光性層を設
けても良く、支持体の反対側にはバック層などの種々の
補助層を設けることができる。具体的には、上記特許記
載のような層構成、米国特許第5,051,335号記
載のような下塗り層、特開平1−167,838号、特
開昭61−20,943号記載のような固体顔料を有す
る中間層、特開平1−120,553号、同5−34,
884号、同2−64,634号記載のような還元剤や
DIR化合物を有する中間層、米国特許第5,017,
454号、同5,139,919号、特開平2−23
5,044号記載のような電子伝達剤を有する中間層、
特開平4−249,245号記載のような還元剤を有す
る保護層またはこれらを組み合わせた層などを設けるこ
とができる。
【0099】黄色フィルター層、アンチハレーション層
に用いる事の出来る染料としては、現像時に消色あるい
は除去され、処理後の濃度に寄与しないものが好まし
い。黄色フィルター層、アンチハレーション層の染料が
現像時に消色あるいは除去されるとは、処理後に残存す
る染料の量が、塗布直前の1/3以下、好ましくは1/
10以下となることであり、現像時に染料の成分が感光
部材から処理部材に転写しても良いし、現像時に反応し
て無色の化合物に変わっても良い。
【0100】具体的には、欧州特許公開EP549,4
89A号記載の染料や、特開平7−152129号のE
xF2〜6の染料が挙げられる。特願平6−25980
5号に記載されているような、固体分散した染料を用い
ることもできる。また、媒染剤とバインダーに染料を媒
染させておくことも出来る。この場合媒染剤と染料は写
真分野で公知のものを用いることができ、US4,50
0,626号第58〜59欄や、特開昭61−8825
6号32〜41頁、特開昭62−244043号、特開
昭62−244036号等に記載の媒染剤を上げること
ができる。また、還元剤と反応して拡散性色素を放出す
る化合物と還元剤を用い、現像時のアルカリで可働性色
素を放出させ、処理部材に転写除去させることもでき
る。具体的には、米国特許第4,559,290号、同
4,783,396号、欧州特許公開第220,746
A2号、公開技報87−6119号に記載されている
他、特願平6−259805号の段落番号0080〜0
081に記載されている。
【0101】消色するロイコ染料などを用いることもで
き、具体的には特開平1−150,132号に有機酸金
属塩の顕色剤によりあらかじめ発色させておいたロイコ
色素を含むハロゲン化銀感光材料が開示されている。ロ
イコ色素と顕色剤錯体は熱あるいはアルカリ剤と反応し
て消色する。ロイコ色素は、公知のものが利用でき、森
賀、吉田「染料と薬品」9、84頁(化成品工業協
会)、「新版染料便覧」242頁(丸善、1970)、
R.Garner「Reports on the Progress of Appl. Chem」
56、199頁(1971)、「染料と薬品」19、2
30頁(化成品工業協会、1974)、「色材」62、
288頁(1989)、「染色工業」32、208等に
記載がある。顕色剤としては、酸性白土系顕色剤、フェ
ノールホルムアルデヒドレジンの他、有機酸の金属塩が
好ましく用いられる。有機酸の金属塩としてはサリチル
酸類の金属塩、フェノール−サリチル酸−ホルムアルデ
ヒドレジンの金属塩、ロダン塩、キサントゲン酸塩の金
属塩等が有用であり、金属としては特に亜鉛が好まし
い。上記の顕色剤のうち、油溶性のサリチル酸亜鉛塩に
ついては、米国特許第3,864,146号、同4,0
46,941号各明細書、及び特公昭52−1327号
公報等に記載されたものを用いることができる。
【0102】本発明の感光部材の塗布層は硬膜剤で硬膜
されていることが好ましい。硬膜剤の例としては米国特
許第4,678,739号第41欄、同4,791,0
42号、特開昭59−116,655号、同62−24
5,261号、同61−18,942号、特開平4−2
18,044号等に記載の硬膜剤が挙げられる。より具
体的には、アルデヒド系硬膜剤(ホルムアルデヒドな
ど)、アジリジン系硬膜剤、エポキシ系硬膜剤、ビニル
スルホン系硬膜剤(N,N′−エチレン−ビス(ビニル
スルホニルアセタミド)エタンなど)、N−メチロール
系硬膜剤(ジメチロール尿素など)、ほう酸、メタほう
酸あるいは高分子硬膜剤(特開昭62−234,157
号などに記載の化合物)が挙げられる。これらの硬膜剤
は、親水性バインダー1gあたり0.001〜1g、好
ましくは0.005〜0.5gが用いられる。
【0103】感光部材には、種々のカブリ防止剤または
写真安定剤およびそれらのプレカーサーを使用すること
ができる。その具体例としては、前記リサーチ・ディス
クロージャー、米国特許第5,089,378号、同
4,500,627号、同4,614,702号、特開
昭64−13,564号(7)〜(9)頁、(57)〜(71)頁お
よび(81)〜(97)頁、米国特許第4,775,610号、
同4,626,500号、同4,983,494号、特
開昭62−174,747号、同62−239,148
号、特開平1−150,135号、同2−110,55
7号、同2−178,650号、RD17,643号
(1978年) (24)〜(25)頁等記載の化合物が挙げられ
る。これらの化合物は、銀1モルあたり5×10-6〜1
×10-1モルが好ましく、さらに1×10-5〜1×10
-2モルが好ましく用いられる。
【0104】感光部材には、塗布助剤、剥離性改良、ス
ベリ性改良、帯電防止、現像促進等の目的で種々の界面
活性剤を使用することができる。界面活性剤の具体例は
公知技術第5号(1991年3月22日、アズテック有
限会社発行)の136〜138頁、特開昭62−17
3,463号、同62−183,457号等に記載され
ている。感光部材には、スベリ性防止、帯電防止、剥離
性改良等の目的で有機フルオロ化合物を含ませてもよ
い。有機フルオロ化合物の代表例としては、特公昭57
−9053号第8〜17欄、特開昭61−20944
号、同62−135826号等に記載されているフッ素
系界面活性剤、またはフッ素油などのオイル状フッ素系
化合物もしくは四フッ化エチレン樹脂などの固体状フッ
素化合物樹脂などの疎水性フッ素化合物が挙げられる。
感光部材のぬれ性と帯電防止を両立する目的で親水性基
を有するフッ素系界面活性剤も好ましく用いられる。
【0105】感光部材には滑り性がある事が好ましい。
滑り剤含有層は感光層面、バック面ともに用いることが
好ましい。好ましい滑り性としては動摩擦係数で0.2
5以下0.01以上である。この時の測定は直径5mmの
ステンレス球に対し、60cm/分で搬送した時の値を表
す(25℃、60%RH)。この評価において相手材と
して感光層面に置き換えてもほぼ同レベルの値となる。
使用可能な滑り剤としては、ポリオルガノシロキサン、
高級脂肪酸アミド、高級脂肪酸金属塩、高級脂肪酸と高
級アルコールのエステル等であり、ポリオルガノシロキ
サンとしては、ポリジメチルシロキサン、ポリジエチル
シロキサン、ポリスチリルメチルシロキサン、ポリメチ
ルフェニルシロキサン等を用いることができる。添加層
としては乳剤層の最外層やバック層が好ましい。特にポ
リジメチルシロキサンや長鎖アルキル基を有するエステ
ルが好ましい。ハロゲン化銀の圧力カブリや減感を防止
するために、シリコンオイルや塩化パラファインは好ま
しく用いられる。
【0106】また本発明においては、帯電防止剤が好ま
しく用いられる。それらの帯電防止剤としては、カルボ
ン酸及びカルボン酸塩、スルホン酸塩を含む高分子、カ
チオン性高分子、イオン性界面活性剤化合物を挙げるこ
とができる。帯電防止剤として最も好ましいものは、Zn
O 、TiO2、SnO2、Al2O3 、In2O3 、SiO2、MgO 、BaO 、
MoO3、V2O5の中から選ばれた少くとも1種の体積抵抗率
が107Ω・cm以下、より好ましくは105 Ω・cm以下
である粒子サイズ0.001〜1.0μm結晶性の金属
酸化物あるいはこれらの複合酸化物(Sb,P,B,InS,SiC
など)の微粒子、更にはゾル状の金属酸化物あるいはこ
れらの複合酸化物の微粒子である。感材への含有量とし
ては5〜500mg/m2が好ましく、特に好ましくは10
〜350mg/m2である。導電性の結晶性酸化物又はその
複合酸化物とバインダーの量の比は1/300〜100
/1が好ましく、より好ましくは1/100〜100/
5である。感光部材の支持体の裏面には、特開平8−2
92514号に記載された耐水性のポリマーを塗布する
ことも好ましい。
【0107】感光部材または後述する処理部材の構成
(バック層を含む)には、寸度安定化、カール防止、接
着防止、膜のヒビ割れ防止、圧力増減感防止等の膜物性
改良の目的で種々のポリマーラテックスを含有させるこ
とができる。具体的には、特開昭62−245258
号、同62−136648号、同62−110066号
等に記載のポリマーラテックスのいずれも使用できる。
特に、ガラス転移点の低い(40℃以下)ポリマーラテ
ックスを媒染層に用いると媒染層のヒビ割れを防止する
ことができ、またガラス転移点が高いポリマーラテック
スをバック層に用いるとカール防止効果が得られる。
【0108】本発明の感光部材にはマット剤が有る事が
好ましい。マット剤としては乳剤面、バック面とどちら
でもよいが、乳剤側の最外層に添加するのが特に好まし
い。マット剤は処理液可溶性でも処理液不溶性でもよ
く、好ましくは両者を併用することである。例えばポリ
メチルメタクリレート、ポリ(メチルメタクリレート/
メタクリル酸=9/1又は5/5(モル比))、ポリス
チレン粒子などが好ましい。粒径としては0.8〜10
μmが好ましく、その粒径分布も狭い方が好ましく、平
均粒径の0.9〜1.1倍の間に全粒子数の90%以上
が含有されることが好ましい。又、マット性を高めるた
めに0.8μm以下の微粒子を同時に添加することも好
ましく、例えばポリメチルメタクリレート(0.2μ
m)、ポリ(メチルメタクリレート/メタクリル酸=9
/1(モル比)、0.3μm))、ポリスチレン粒子
(0.25μm)、コロイダルシリカ(0.03μm)
が挙げられる。具体的には、特開昭61−88256号
(29)頁に記載されている。その他、ベンゾグアナミン
樹脂ビーズ、ポリカーボネート樹脂ビーズ、AS樹脂ビ
ーズなどの特開昭63−274944号、同63−27
4952号記載の化合物がある。その他前記リサーチ・
ディスクロージャーに記載の化合物が使用できる。これ
らのマット剤は、必要に応じて前記バインダーの項に記
載の各種バインダーで分散して、分散物として使用する
ことができる。特に各種のゼラチン、例えば、酸処理ゼ
ラチン分散物は安定な塗布液を調製しやすく、このと
き、pH、イオン強度、バインダー濃度を必要に応じて
最適化する事が好ましい。
【0109】また、以下に記載の化合物も使用すること
ができる。 油溶性有機化合物の分散媒: 特開昭62-215272 のP-3,5,
16,19,25,30,42,49,54,55,66,81,85,86,93(140〜144
頁);油溶性有機化合物の含浸用ラテックス: US 4,199,3
63に記載のラテックス; 現像主薬酸化体スカベンジャ
ー: US 4,978,606のカラム2の54〜62行の式(I) で表わ
される化合物(特にI-,(1),(2),(6),(12) (カラム4〜
5)、US 4,923,787のカラム2の5〜10行の式(特に化
合物1(カラム3); ステイン防止剤: EP 298321Aの4
頁30〜33行の式(I) 〜(III),特にI-47,72,III-1,27(24
〜48頁); 褪色防止剤: EP 298321AのA-6,7,20,21,23,2
4,25,26,30,37,40,42,48,63,90,92,94,164(69 〜118
頁), US5,122,444のカラム25〜38のII-1〜III-23, 特に
III-10, EP 471347Aの8 〜12頁のI-1 〜III-4,特にII-
2,US 5,139,931のカラム32〜40のA-1 〜48, 特にA-39,4
2; 発色増強剤または混色防止剤の使用量を低減させる
素材: EP 411324Aの5 〜24頁のI-1 〜II-15,特にI-46;
ホルマリンスカベンジャー: EP 477932Aの24〜29頁のSC
V-1 〜28, 特にSCV-8; 硬膜剤: 特開平1-214845の17頁
のH-1,4,6,8,14, US 4,618,573のカラム13〜23の式(VI
I) 〜(XII) で表わされる化合物(H-1〜54),特開平2-214
852の8頁右下の式(6) で表わされる化合物(H-1〜76),
特にH-14, US 3,325,287のクレーム1に記載の化合物;
現像抑制剤プレカーサー: 特開昭62-168139 のP-24,37,
39(6〜7頁); US 5,019,492 のクレーム1に記載の化合
物,特にカラム7の28,29; 防腐剤、防黴剤: US 4,92
3,790のカラム3 〜15のI-1 〜III-43, 特にII-1,9,10,1
8,III-25; 安定剤、かぶり防止剤: US 4,923,793のカ
ラム6 〜16のI-1 〜(14), 特にI-1,60,(2),(13), US 4,
952,483 のカラム25〜32の化合物1〜65, 特に36: 化学
増感剤: トリフェニルホスフィン セレニド, 特開平5-
40324 の化合物50; 染料: 特開平3-156450の15〜18頁の
a-1 〜b-20, 特にa-1,12,18,27,35,36,b-5,27〜29頁のV
-1 〜23, 特にV-1, EP 445627A の33〜55頁のF-I-1 〜F
-II-43,特にF-I-11,F-II-8, EP 457153A の17〜28頁のI
II-1 〜36, 特にIII-1,3, WO 88/04794の8〜26のDye-1
〜124 の微結晶分散体, EP 319999Aの6〜11頁の化合
物1〜22, 特に化合物1, EP 519306A の式(1) ないし
(3) で表わされる化合物D-1 〜87(3〜28頁),US 4,268,6
22の式(I) で表わされる化合物1〜22 (カラム3〜10),
US4,923,788 の式(I) で表わされる化合物(1) 〜(31)
(カラム2〜9); UV吸収剤:特開昭46-3335 の式(1) で表
わされる化合物(18b) 〜(18r),101 〜427(6〜9頁),EP
520938Aの式(I) で表わされる化合物(3) 〜(66)(10 〜
44頁) 及び式(III)で表わされる化合物HBT-1 〜10(14
頁), EP 521823A の式(1) で表わされる化合物(1) 〜(3
1) (カラム2〜9)。
【0110】ここまでに述べてきた各種の添加剤、具体
的には、硬膜剤、カブリ防止剤、界面活性剤、滑り剤、
帯電防止剤、ラテックス、マット剤などは必要に応じて
処理部材に添加したり、感光部材と処理部材の両方に添
加することができる。
【0111】本発明において感光部材の支持体として
は、透明かつ処理温度に耐えることのできるものが用い
られる。一般的には、日本写真学会編「写真工学の基礎
−銀塩写真編−」、(株)コロナ社刊(昭和54年)(2
23)〜(240)頁記載の紙、合成高分子(フィルム)等の写
真用支持体が挙げられる。具体的には、ポリエチレンテ
レフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボ
ネート、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリプロピレ
ン、ポリイミド、セルロース類(例えばトリアセチルセ
ルロース)等が挙げられる。この他に、特開昭62−2
53,159号(29)〜(31)頁、特開平1−161,23
6号(14)〜(17)頁、特開昭63−316,848号、特
開平2−22,651号、同3−56,955号、米国
特許第5,001,033号等に記載の支持体を用いる
ことができる。これらの支持体は、光学的特性、物理的
特性を改良するために、熱処理(結晶化度や配向制
御)、一軸及び二軸延伸(配向制御)、各種ポリマーの
ブレンド、表面処理等を行うことができる。
【0112】特に耐熱性やカール特性の要求が厳しい場
合、感光部材の支持体として特開平6−41281号、
同6−43581号、同6−51426号、同6−51
437号、同6−51442号、特願平4−25184
5号、同4−231825号、同4−253545号、
同4−258828号、同4−240122号、同4−
221538号、同5−21625号、同5−1592
6号、同4−331928号、同5−199704号、
同6−13455号、同6−14666号各公報に記載
の支持体が好ましく用いることができる。また、主とし
てシンジオタクチック構造を有するスチレン系重合体で
ある支持体も好ましく用いることができる。支持体の厚
みは、好ましくは5〜200μ、より好ましくは40〜
120μである。
【0113】また、支持体と感材構成層を接着させるた
めに、表面処理することが好ましい。薬品処理、機械的
処理、コロナ放電処理、火焔処理、紫外線処理、高周波
処理、グロー放電処理、活性プラズマ処理、レーザー処
理、混酸処理、オゾン酸化処理、などの表面活性化処理
が挙げられる。表面処理の中でも好ましいのは、紫外線
照射処理、火焔処理、コロナ処理、グロー処理である。
次に下塗法について述べると、単層でもよく2層以上で
もよい。下塗層用バインダーとしては、塩化ビニル、塩
化ビニリデン、ブタジエン、メタクリル酸、アクリル
酸、イタコン酸、無水マレイン酸などの中から選ばれた
単量体を出発原料とする共重合体を始めとして、ポリエ
チレンイミン、エポキシ樹脂、グラフト化ゼラチン、ニ
トロセルロース、ゼラチン、ポリビニルアルコール、及
びこれらの変成ポリマーが挙げられる。支持体を膨潤さ
せる化合物としてレゾルシンとp−クロルフェノールが
ある。下塗層にはゼラチン硬化剤としてはクロム塩(ク
ロム明ばんなど)、アルデヒド類(ホルムアルデヒド、
グルタールアルデヒドなど)、イソシアネート類、活性
ハロゲン化合物(2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−
s−トリアジンなど)、エピクロルヒドリン樹脂、活性
ビニルスルホン化合物などを挙げることができる。Si
O2、TiO2、無機物微粒子又はポリメチルメタクリレート
共重合体微粒子(0.01〜10μm)をマット剤とし
て含有させてもよい。
【0114】また、支持体として例えば、特開平4−1
24645号、同5−40321号、同6−35092
号、同6−317875号記載の磁気記録層を有する支
持体を用い、撮影情報などを記録することが好ましい。
【0115】磁気記録層とは、磁性体粒子をバインダー
中に分散した水性もしくは有機溶媒系塗布液を支持体上
に塗設したものである。磁性体粒子は、γFe2O3 などの
強磁性酸化鉄、Co被着γFe2O3 、Co被着マグネタイト、
Co含有マグネタイト、強磁性二酸化クロム、強磁性金
属、強磁性合金、六方晶系のBaフェライト、Srフェライ
ト、Pbフェライト、Caフェライトなどを使用できる。Co
被着γFe2O3 などのCo被着強磁性酸化鉄が好ましい。形
状としては針状、米粒状、球状、立方体状、板状等いず
れでもよい。比表面積ではSBETで20m2/g以上が
好ましく、30m2/g以上が特に好ましい。強磁性体の
飽和磁化(σs)は、好ましくは3.0×104 〜3.
0×105A/mであり、特に好ましくは4.0×104
2.5×105A/mである。強磁性体粒子を、シリカおよ
び/またはアルミナや有機素材による表面処理を施して
もよい。さらに、磁性体粒子は特開平6−161032
号に記載された如くその表面にシランカップリング剤ま
たはチタンカップリング剤で処理されてもよい。又特開
平4−259911号、同5−81652号に記載の表
面に無機、有機物を被覆した磁性体粒子も使用できる。
【0116】磁性体粒子に用いられるバインダーは、特
開平4−219569号に記載の熱可塑性樹脂、熱硬化
性樹脂、放射線硬化性樹脂、反応型樹脂、酸、アルカリ
又は生分解性ポリマー、天然物重合体(セルロース誘導
体、糖誘導体など)およびそれらの混合物を使用するこ
とができる。上記の樹脂のTgは−40℃〜300℃、
重量平均分子量は0.2万〜100万である。例えばビ
ニル系共重合体、セルロースジアセテート、セルロース
トリアセテート、セルロースアセテートプロピオネー
ト、セルロースアセテートブチレート、セルローストリ
プロピオネートなどのセルロース誘導体、アクリル樹
脂、ポリビニルアセタール樹脂を挙げることができ、ゼ
ラチンも好ましい。特にセルロースジ(トリ)アセテー
トが好ましい。バインダーは、エポキシ系、アジリジン
系、イソシアネート系の架橋剤を添加して硬化処理する
ことができる。イソシアネート系の架橋剤としては、ト
リレンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルメタン
ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、
キシリレンジイソシアネート、などのイソシアネート
類、これらのイソシアネート類とポリアルコールとの反
応生成物(例えば、トリレンジイソシアナート3mol と
トリメチロールプロパン1mol の反応生成物)、及びこ
れらのイソシアネート類の縮合により生成したポリイソ
シアネートなどが挙げられ、例えば特開平6−5935
7号に記載されている。
【0117】前述の磁性体を上記バインダー中に分散す
る方法は、特開平6−35092号に記載されている方
法のように、ニーダー、ピン型ミル、アニュラー型ミル
などが好ましく併用も好ましい。特開平5−08828
3号記載の分散剤や、その他の公知の分散剤が使用でき
る。磁気記録層の厚みは0.1μm〜10μm、好まし
くは0.2μm〜5μm、より好ましくは0.3μm〜
3μmである。磁性体粒子とバインダーの重量比は好ま
しくは0.5:100〜60:100からなり、より好
ましくは1:100〜30:100である。磁性体粒子
の塗布量は0.005〜3g/m2、好ましくは0.01
〜2g/m2、さらに好ましくは0.02〜0.5g/m2
である。磁気記録層の透過イエロー濃度は、0.01〜
0.50が好ましく、0.03〜0.20がより好まし
く、0.04〜0.15が特に好ましい。磁気記録層
は、写真用支持体の裏面に塗布又は印刷によって全面ま
たはストライプ状に設けることができる。磁気記録層を
塗布する方法としてはエアードクター、ブレード、エア
ナイフ、スクイズ、含浸、リバースロール、トランスフ
ァロール、グラビヤ、キス、キャスト、スプレイ、ディ
ップ、バー、エクストリュージョン等が利用でき、特開
平5−341436号等に記載の塗布液が好ましい。
【0118】磁気記録層に、潤滑性向上、カール調節、
帯電防止、接着防止、ヘッド研磨などの機能を合せ持た
せてもよいし、別の機能性層を設けて、これらの機能を
付与させてもよく、粒子の少なくとも1種以上がモース
硬度が5以上の非球形無機粒子の研磨剤が好ましい。非
球形無機粒子の組成としては、酸化アルミニウム、酸化
クロム、二酸化珪素、二酸化チタン、シリコンカーバイ
ト等の酸化物、炭化珪素、炭化チタン等の炭化物、ダイ
アモンド等の微粉末が好ましい。これらの研磨剤は、そ
の表面をシランカップリング剤又はチタンカップリング
剤で処理されてもよい。これらの粒子は磁気記録層に添
加してもよく、また磁気記録層上にオーバーコート(例
えば保護層、潤滑剤層など)しても良い。この時使用す
るバインダーは前述のものが使用でき、好ましくは磁気
記録層のバインダーと同じものがよい。磁気記録層を有
する感材については、US5,336,589号、同
5,250,404号、同5,229,259号、同
5,215,874号、EP466,130号に記載さ
れている。
【0119】上述の磁気記録層を有する感材に好ましく
用いられるポリエステル支持体について更に記すが、感
材、処理、カートリッジ及び実施例なども含め詳細につ
いては、公開技報、公技番号94−6023(発明協
会;1994.3.15)に記載されている。ポリエス
テルはジオールと芳香族ジカルボン酸を必須成分として
形成され、芳香族ジカルボン酸として2,6−、1,5
−、1,4−、及び2,7−ナフタレンジカルボン酸、
テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ジオールとし
てジエチレングリコール、トリエチレングリコール、シ
クロヘキサンジメタノール、ビスフェノールA、ビスフ
ェノールが挙げられる。この重合ポリマーとしては、ポ
リエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレー
ト、ポリシクロヘキサンジメタノールテレフタレート等
のホモポリマーを挙げることができる。特に好ましいの
は2,6−ナフタレンジカルボン酸を50モル%〜10
0モル%含むポリエステルである。中でも特に好ましい
のはポリエチレン2,6−ナフタレートである。平均分
子量の範囲は約5,000ないし200,000であ
る。ポリエステルのTgは50℃以上であり、さらに9
0℃以上が好ましい。
【0120】次にポリエステル支持体は、巻き癖をつき
にくくするために熱処理温度は40℃以上Tg未満、よ
り好ましくはTg−20℃以上Tg未満で熱処理を行
う。熱処理はこの温度範囲内の一定温度で実施してもよ
く、冷却しながら熱処理してもよい。この熱処理時間
は、0.1時間以上1500時間以下、さらに好ましく
は0.5時間以上200時間以下である。支持体の熱処
理は、ロール状で実施してもよく、またウェブ状で搬送
しながら実施してもよい。表面に凹凸を付与し(例えば
SnO2やSb2O5等)の導電性無機微粒子を塗布する)、
面状改良を図ってもよい。又端部にローレットを付与し
端部のみ少し高くすることで巻芯部の切り口写りを防止
するなどの工夫を行うことが望ましい。これらの熱処理
は支持体製膜後、表面処理後、バック層塗布後(帯電防
止剤、滑り剤等)、下塗り塗布後のどこの段階で実施し
てもよい。好ましいのは帯電防止剤塗布後である。この
ポリエステルには紫外線吸収剤を練り込んでも良い。又
ライトパイピング防止のため、三菱化成製のDiaresin、
日本化薬製のKayaset 等ポリエステル用として市販され
ている染料または顔料を練り込むことにより目的を達成
することが可能である。
【0121】次に、感光部材を装填することのできるフ
ィルムパトローネについて記す。本発明で使用されるパ
トローネの主材料は金属でも合成プラスチックでもよ
い。好ましいプラスチック材料はポリスチレン、ポリエ
チレン、ポリプロピレン、ポリフェニルエーテルなどで
ある。更にパトローネは、各種の帯電防止剤を含有して
もよくカーボンブラック、金属酸化物粒子、ノニオン、
アニオン、カチオン及びベタイン系界面活性剤又はポリ
マー等を好ましく用いることができる。これらの帯電防
止されたパトローネは特開平1−312537号、同1
−312538号に記載されている。特に25℃、25
%RHでの抵抗が1012Ω/□以下が好ましい。通常プ
ラスチックパトローネは、遮光性を付与するためにカー
ボンブラックや顔料などを練り込んだプラスチックを使
って製作される。パトローネのサイズは現在の135サ
イズのままでもよいし、カメラの小型化には、現在の1
35サイズの25mmのカートリッジの径を22mm以下と
することも有効である。パトローネのケースの容積は、
30cm3 以下好ましくは25cm3 以下とすることが好ま
しい。パトローネおよびパトローネケースに使用される
プラスチックの重量は5g〜15gが好ましい。
【0122】更にスプールを回転してフィルムを送り出
すパトローネでもよい。またフィルム先端がパトローネ
本体内に収納され、スプール軸をフィルム送り出し方向
に回転させることによってフィルム先端をパトローネの
ポート部から外部に送り出す構造でもよい。これらはU
S4,834,306号、同5,226,613号に開
示されている。以上の感光部材は特公平2−32615
号、実公平3−39784号に記載されているレンズ付
フィルムユニットにも好ましく用いることができる。
【0123】レンズ付きフィルムユニットとは、撮影レ
ンズおよびシャッターをあらかじめ備えた包装ユニット
本体に、未露光のカラー感光材料を、シート状又はロー
ル状に、直接又は容器に入れて収納し、光密接合した方
法ユニットであって更に外装してなるものをいう。
【0124】さらに包装ケース本体には、ファインダ
ー、〜感光材料のコマ送り機構、撮影済みカラー感光材
料の収納、及び取り出し機構などを備え、ファインダー
にはパララックス修正支持を、また撮影機構には、例え
ば、実開平1−93723号、同1−57738号、同
1−57740号、特開平1−93723および同1−
152437号明細書に記載の補助照明機構を設けるこ
とができる。
【0125】本発明における包装ユニット本体とは、感
光材料が収納されているので、包装ユニット内の湿度は
25℃において相対湿度40〜70%になるように調湿
し、好ましくは50〜65%であるのがよい。外装用材
料には、不透湿性材料または例えば、ASTM試験法D
−570で0.1%以下の非吸水性材料を用い、特にア
ルミニウム箔ラミネート・シート又はアルミニウム箔を
用いることが好ましい。
【0126】包装ユニット本体内に設けられる撮影済み
感光材料の収納容器は、外装ユニット用カートリッジ、
常用のパトローネ、例えば、特開昭54−111822
号、同63−194255号、米国特許第4,832,
275号、同4,834,306号、特願昭63−18
3344号、特願平1−21862号、同1−8519
8号明細書に記載される容器が用いられる。用いられる
感光材料のフィルムとしては110サイズ、135サイ
ズ、そのハーフサイズや126サイズがあげられる。
【0127】本発明における包装ユニットの構成に用い
るプラスチック材料は、炭素・炭素二重結合をもつオレ
フィンの不可重合、小員環化合物の開環重合、2種以上
の多官能化合物間の重縮合(縮合重合)、重付加、及び
フェノール誘導体、尿素誘導体、メラミン誘導体とアル
デヒドをもつ化合物との付加縮合などの方法を用いて製
造することができる。
【0128】本発明に用いる処理部材の処理剤層には、
少なくとも塩基及び/または塩基プレカーサーを含む。
塩基としては、無機あるいは有機塩基を用いることがで
きる。無機の塩基としては、特開昭62−209448
号記載のアルカリ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物、
リン酸塩、炭酸塩、ホウ酸塩、有機酸塩、特開昭63−
25208号記載のアルカリ金属またはアルカリ土類金
属のアセチリド、等が挙げられる。
【0129】また有機の塩基としては、アンモニア、脂
肪族あるいは芳香族アミン類(例えば、1級アミン類、
2級アミン類、3級アミン類、ポリアミン類、ヒドロキ
シルアミン類、複素環状アミン類)、アミジン類、ビス
あるいはトリスあるいはテトラアミジン、グアニジン
類、水不溶性のモノあるいはビスあるいはトリスあるい
はテトラグアニジン類、4級アンモニウムの水酸化物類
などが挙げられる。
【0130】塩基プレカーサーとしては、脱炭酸型、分
解型、反応型および錯塩形成型などを用いることができ
る。本発明においては、欧州特許公開第210,660
号、米国特許第4,740,445号に記載されている
ように、塩基プレカーサーとして水に難溶な塩基性金属
化合物およびこの塩基性金属化合物を構成する金属イオ
ンと水を媒体として錯形成反応しうる化合物(錯形成化
合物という)の組み合わせで塩基を発生させる方法を採
用するのが効果的である。この場合、水に難溶な塩基性
金属化合物は感光材料に、錯形成化合物は処理部材に添
加するのが望ましいが、この逆も可能である。
【0131】塩基または塩基プレカーサーの使用量は、
0.1〜20g/m2 好ましくは1〜10g/m2 である。
処理層のバインダーは、感光部材同様の親水性ポリマー
を用いることができる。処理部材は感光部材同様に硬膜
材で硬膜されていることが好ましい。硬膜剤は感光部材
と同様のものを用いることができる。
【0132】処理部材には前に述べたような、感光部材
の黄色フィルター層やアンチハレーション層に用いる染
料を転写除去する等の目的で媒染剤を含ませることがで
きる。媒染剤としては、ポリマー媒染剤が好ましい。そ
の例としては2級および3級アミノ基を含むポリマー、
含窒素複素環部分を持つポリマー、これらの4級カチオ
ン基を含むポリマー等で分子量が5000〜20000
0、特に10000〜50000のものである。具体的
には、米国特許2,548,564号、同2,484,
430号、同3,148,061号、同3,756,8
14号、同3,625,694号、同3,859,09
6号、同4,128,538号、同3,958,995
号、同2,721,852号、同2,798,063
号、同4,168,976号、同3,709,690
号、同3,788,855号、同3,642,482
号、同3,488,706号、同3,557,066
号、同3,271,147号、同3,271,148
号、同2,675,316号、同2,882,156
号、英国特許1277453号、特開昭54−1152
28号、同54−145529号、同54−12602
7号、同50−71332、同53−30328号、同
52−155528号、同53−125号、同53−1
024号、等の明細書に記載されている。媒染剤の添加
量は、0.1g/m2 〜10g/m2、好ましくは0.5g/m2 〜5g/m2
である。
【0133】本発明においては、処理部材に現像停止剤
あるいは現像停止剤のプレカーサーを含ませておき、現
像と同時あるいはタイミングを遅らせて現像停止剤を働
かせてもよい。ここでいう現像停止剤とは、適正現像
後、速やかに塩基を中和または塩基と反応して膜中の塩
基濃度を下げ現像を停止する化合物、または銀あるいは
銀塩と相互作用して現像を抑制する化合物である。具体
的には加熱により酸を放出する酸プレカーサー、加熱に
より共存する塩基と置換反応を起こす親電子化合物、ま
たは含窒素ヘテロ環化合物、メルカプト化合物およびそ
の前駆体が挙げられる。詳しくは、特開昭62−190
529号の(31)〜(32)頁に記載されている。また、同様
にハロゲン化銀のプリントアウト防止剤を処理部材に含
ませておき、現像と同時にその機能を発現させてもよ
い。プリントアウト防止剤の例としては、特公昭54−
164号、特開昭53−46020号、同48−452
28号、特公昭57−8454号等に記載のハロゲン化
合物、英国特許第1,005,144号記載の1-フェニ
ル-5-メルカプトテトラゾール類の化合物、特開平8−
184936号記載のビオローゲン化合物類が挙げられ
る。プリントアウト防止剤の使用量は、10-4〜1モル
/Ag1モル、好ましくは10-3〜10-2/Agモルで
ある。
【0134】また、処理部材に物理現像核およびハロゲ
ン化銀溶剤を含ませておき現像と同時に感光部材のハロ
ゲン化銀を可溶化、および処理層に固定してもよい。物
理現像に必要な還元剤は、感光材料の分野で知られてい
るものを用いることができる。また、それ自身は還元性
を持たないが処理過程に求核試薬や熱の作用により還元
性を発現する還元剤プレカーサーも用いることができ
る。還元剤としては、感光部材から拡散してくる感光部
材で現像に用いられなかった現像主薬を利用する事がで
きるし、また還元剤を処理部材にあらかじめ含有させて
おいてもよい。後者の場合、処理部材に含有させておく
還元剤は、感光部材に含まれる還元剤と同じでもよい
し、異なっていてもよい。
【0135】本発明に用いられる還元剤の例としては、
米国特許4,500,626号の第49〜50欄、同
4,483,914号の第30〜31欄、同4,33
0,617号、同4,590,152号、特開昭60−
140335号の第(17)〜(18)頁、同57−40245
号、同56−138736号、同59−178458
号、同59−53831号、同59−182449号、
同59−182450号、同60−119555号、同
60−128436号から同60−128439号ま
で、同60−198540号、同60−181742
号、同61−259253号、同62−244044
号、同62−131253号から同62−131256
まで、欧州特許第220746A2号の第78〜96頁
等に記載の還元剤や還元剤プレカーサーを用いることが
できる。
【0136】米国特許第3,039,869号に開示さ
れている種々の還元剤の組み合わせを用いることもでき
る。耐拡散型の現像主薬を使用する場合には、必要に応
じて、電子伝達剤および/または電子伝達剤のプレカー
サーを組み合わせて用いてもよい。電子伝達剤またはそ
のプレカーサーは、前述した還元剤またはそのプレカー
サーの中から選ぶことができる。処理部材に還元剤を添
加する場合の添加量は、0.01〜10g/m2 が好ま
しく、より好ましくは、感光材料の銀のモル数の1/1
0〜5倍である。
【0137】物理現像核は、感光部材より拡散してきた
可溶性銀塩を還元して物理現像銀に変換し、処理層に固
定させるものである。物理現像核としては、亜鉛、水
銀、鉛、カドミウム、鉄、クロム、ニッケル、錫、コバ
ルト、銅、ルテニウム等の重金属、あるいはパラジウ
ム、白金、金、銀等の貴金属、あるいはこれら重金属、
貴金属の硫黄、セレン、テルル等のカルコゲン化合物、
のコロイド粒子等の公知のものはすべて利用できる。こ
れらの物理現像核の大きさは、2〜200nmの粒径の
ものが好ましく用いられる。これらの物理現像核は、処
理剤層に10-3mg/m〜10g/m2 含有させること
が好ましい。
【0138】ハロゲン化銀溶剤は、公知のものを使用で
きる。例えば、チオ硫酸塩、亜硫酸塩、チオシアン酸
塩、特公昭47−11386記載のチオエーテル化合
物、特開平8−179458号記載のウラシル、ヒダン
トインの如き5ないし6員環のイミド基を有する化合
物、特開昭53−144319記載の炭素−硫黄の2重
結合を有する化合物、アナリティカ・ケミカ・アクタ(A
nalytica Chinica Acta)248巻604〜614頁(1991年)記
載のトリメチルトリアゾリウムチオレート等のメソイオ
ンチオレート化合物が好ましく用いられる。また、特開
平8−69097号記載のハロゲン化銀を定着して安定
化しうる化合物もハロゲン化銀溶剤として使用しうる。
ハロゲン化銀溶剤は、単独で使用してもよいし、複数の
ハロゲン化銀溶剤を併用することも好ましい。
【0139】処理剤層中の、全ハロゲン化銀溶剤の含有
量は、0.01〜100mmol/m2 であり、好ましくは、0.1〜50
mmol/m2 である。感光部材の塗布銀量に対して、モル比
で1/20〜20倍で、好ましくは1/10〜10倍、
より好ましくは1/4〜4倍である。ハロゲン化銀溶剤
は、水、メタノール、エタノール、アセトン、ジメチル
ホルムアルデヒド、メチルプロピルグリコール等の溶媒
あるいはアルカリまたは酸性水溶液として添加してもよ
いし、固体微粒子分散させて塗布液に添加してもよい。
【0140】処理部材には、感光部材と同様に保護層、
下塗り層、バック層、その他の種々の補助層があっても
よい。処理部材は連続ウェブ上に処理層が設けられてい
ることが好ましい。ここでいう連続ウェブとは、処理部
材の長さが、処理時対応する感光部材の長辺より長さが
十分に長く、処理に使用するときにその一部を裁断する
ことなく使用し、複数の感光材料を処理できる長さを有
する形態をいう。一般には、その処理部材の長さが、巾
の5倍以上10000倍以下のことをいう。処理部材の
巾は任意であるが、対応する感光部材の巾以上であるこ
とが好ましい。
【0141】また、複数の感光部材を並行し、すなわち
感光部材を複数並べて処理するような形態も好ましい。
この場合感光部材の巾は、感光部材の巾×同時処理数以
上であることが好ましい。このような連続ウェブ処理は
送り出しロールから供給され巻き取りロールに巻き取ら
れて廃棄されることが好ましい。特にサイズが大きい感
光材料の場合、廃棄が容易である。以上のように、連続
ウェブの処理部材は従来のシート部材に比べ、取り扱い
性が著しく向上する。
【0142】本発明の処理部材に用いられる支持体の厚
みは任意であるが、薄いほうが好ましく、特に好ましく
は4ミクロン以上120ミクロン以下である。支持体厚
みが40ミクロン以下の処理部材を利用することがとり
わけ好ましく、この場合、単位体積あたりの処理部材の
量が多くなるので、上記の処理部材用ロールをコンパク
トにできる。支持体の素材についても特に限定はなく、
処理温度に耐えることのできるものが用いられる。一般
的には、日本写真学会編「写真工学の基礎−銀塩写真編
−」、(株)コロナ社刊(昭和54年)(223〜24
0頁)記載の紙、合成高分子(フイルム)等の写真用支
持体が挙げられる。
【0143】支持体用の素材は単独で使用することもで
きるし、ポリエチレン等の合成高分子で片面あるいは両
面をコートあるいはラミネートされた支持体として用い
ることもできる。このほか、特開昭62−253,15
9号(29)〜(31)頁、特開平1−161,236
号(14)〜(17)頁、特開昭63−316,848
号、特開平2−22,651号、同3−56,955
号、米国特許第5,001,033号等に記載の支持体
を用いることができる。また主としてシンジオタクチッ
ク構造を有するスチレン系重合体である支持体も好まし
く用いることができる。
【0144】これらの支持体の表面に親水性バインダー
とアルミナゾルや酸化錫の様な半導性金属酸化物、カー
ボンブラックその他の帯電防止剤を塗布してもよい。ア
ルミニウムを蒸着した支持体も好ましく用いることがで
きる。
【0145】<撮影用ハロゲン化銀感光材料の処理装置
および読み取り装置>次に撮影用ハロゲン化銀感光材料
を処理するための装置および読みとるための装置につい
て説明する。本発明においては、カメラ等で撮影した感
光部材を現像する方法として、感光部材及び処理部材双
方のバック層を除く全塗布膜を最大膨潤させるに要する
量の0.1から1倍に相当する水の存在下で、感光部材
と処理部材を感光層と処理層が向かい合う形で重ね合わ
せ、60℃から100℃の温度で5秒から60秒間加熱
する。ここで言う水とは一般に用いられる水であれば何
を用いても良い。具体的には蒸留水、イオン交換水、水
道水、井戸水、ミネラルウォーター等を用いることがで
きる。これらの水には水垢発生防止、腐敗防止などの目
的で防腐剤を少量添加したり、活性炭フィルターやイオ
ン交換樹脂フィルターなどにより、水を循環濾過する方
法も好ましく用いられる。
【0146】本発明では感光部材及び/または処理部材
が水で膨潤した状態で貼りあわされ、加熱される。この
膨潤時の膜の状態は不安定であり、水の量を上記の範囲
に限定することが、局所的な発色ムラを防ぐのに重要で
ある。最大膨潤に要する水の量は、用いる水の中に測定
するべき塗布膜をもつ感光部材または処理部材を浸積さ
せ、十分膨潤したところで膜厚を測定し、最大膨潤量を
計算してから塗布膜の重量を減じれば求めることができ
る。また、膨潤度の測定法の例はホトグラフィック・サ
イエンス・エンジニアリング、16巻、449ページ
(1972年)にも記載がある。水の付与方法として
は、感光部材または処理部材を水に浸積し、スクウィー
ズローラーで余分な水を除去する方法がある。ただし、
一定量の水を塗りきりで感光部材または処理部材に付与
する方が好ましい。また、水を噴射する複数のノズル孔
が一定の間隔で感光部材または処理部材の搬送方向と交
差する方向に沿って直線状に並べられたノズルと前記ノ
ズルを搬送経路上の感光部材または処理部材に向かって
変位させるアクチュエータとを有する水塗布装置により
水を噴射する方法が特に好ましい。また、スポンジ等に
より水塗布する方法も装置が簡易であり、好ましく用い
られる。また、水を霧状に噴霧する方法も用いることが
できる。付与する水の温度は、30℃〜60℃が好まし
い。感光部材と処理部材を重ね合わせる方法の例として
は特開昭62−253,159号、特開昭61−14
7,244号記載の方法がある。
【0147】現像工程における加熱方法としては、加熱
されたブロックやプレートに接触させたり、熱板、ホッ
トプレッサー、熱ローラー、熱ドラム、ハロゲンランプ
ヒーター、赤外および遠赤外ランプヒーターなどに接触
させたり高温の雰囲気中を通過させる方法などがある。
本発明の処理には種々の熱現像装置のいずれもが使用で
きる。例えば、特開昭59−75,247号、同59−
177,547号、同59−181,353号、同60
−18,951号、実開昭62−25,944号、特願
平4−277,517号、同4−243,072号、同
4−244,693号、同6−164,421号、同6
−164,422号等に記載されている装置などが好ま
しく用いられる。また市販の装置をそのまま使用する方
法としては富士写真フイルム(株)製ピクトロスタット
100、同ピクトロスタット200、同ピクトロスタッ
ト300、同ピクトロスタット330、同ピクトロスタ
ット50、同ピクトログラフィー3000、同ピクトロ
グラフィー2000などが使用できる。しかし、これら
は、撮影用ハロゲン化銀感光材料(いわゆる写真フイル
ム)の大きさのものを現像処理するための装置としては
大き過ぎるので、専用の小型の装置を作成して用いる法
がより好ましい。
【0148】本発明に用いる感光部材およびまたは処理
部材は加熱現像のための加熱手段としての導電性の発熱
体層を有する形態であっても良い。この発明の発熱要素
には、特開昭61−145,544号等に記載のものを
利用できる。
【0149】このような現像処理に続いて、現像処理済
の感光材料が自動的に搬送されて、画像を読みとる装置
に送られることが好ましい。画像を読みとる装置として
は、各種の公知のスキャナー技術を使用することができ
る。市販のスキャナーを利用する方法としては、富士写
真フイルム株式会社製ピクトロスキャナー PG−S4
5や、富士写真フイルム株式会社でピクトロフォトマネ
ージャーの周辺機器として販売しているテーブルトップ
スキャナー CELSIS240i、35mmフイルム
スキャナー FE−550、フラットベルトスキャナー
PE−550などを使用することができる。しかし、
小型の専用スキャナーを作成し前述の現像処理部と一体
にした装置を用いる方が、小型簡易という点でもコスト
や操作性の点からも好ましい。
【0150】<出力画像に利用するプリント用ハロゲン
化銀カラー感光材料>次に、出力画像に利用するプリン
ト用ハロゲン化銀カラー感光材料について説明する。プ
リント用ハロゲン化銀カラー感光材料は、感光部材と色
素固定材料からなる。以下で新規なプリント用ハロゲン
化銀感光材料の感光部材のことを熱現像感光材料という
ことがある。この感光部材には、少なくとも支持体上に
感光性ハロゲン化銀、現像主薬、カプラー、およびバイ
ンダーを有するものである。本発明のプリント用ハロゲ
ン化銀感光材料において、好ましい発色現像主薬は以下
の一般式(I)または(II)で表される。 一般式(I)
【0151】
【化28】
【0152】式中、Zはカルバモイル基、アシル基、ア
ルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、
スルホニル基またはスルファモイル基を表し、QはCと
ともに不飽和の環を形成する原子群を表す。 一般式(II)
【0153】
【化29】
【0154】式中、R1 〜R4 は、独立に、水素原子、
ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アルキルカル
ボンアミド基、アリールカルボンアミド基、アルキルス
ルホンアミド基、アリールスルホンアミド基、アルコキ
シ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチ
オ基、アルキルカルバモイル基、アリールカルバモイル
基、カルバモイル基、アルキルスルファモイル基、スル
ファモイル基、シアノ基、アルキルスルホニル基、アリ
ールスルホニル基、アルコキシカルボニル基、アリール
オキシカルボニル基、アルキルカルボニル基、アリール
カルボニル基、又はアシルオキシ基を表し、R5 はアル
キル基、アリール基、または、ヘテロ環基を表す。
【0155】本発明のプリント用ハロゲン化銀カラー感
光材料で好ましく使用する一般式(I)で表される化合
物について詳しく述べる。一般式(I)においてZはカ
ルバモイル基、アシル基、アルコキシカルボニル基、ア
リールオキシカルボニル基、スルホニル基またはスルフ
ァモイル基を表す。この中でカルバモイル基が好まし
く、特に窒素原子上に水素原子を有するカルバモイル基
が好ましい。カルバモイル基としては、炭素数1〜50
のカルバモイル基が好ましく、より好ましくは炭素数は
6〜40である。具体的な例としては、カルバモイル
基、メチルカルバモイル基、エチルカルバモイル基、n
−プロピルカルバモイル基、sec−ブチルカルバモイ
ル基、n−オクチルカルバモイル基、シクロヘキシルカ
ルバモイル基、tert−ブチルカルバモイル基、ドデ
シルカルバモイル基、3−ドデシルオキシプロピルカル
バモイル基、オクタデシルカルバモイル基、3−(2,
4−tert−ペンチルフェノキシ)プロピルカルバモ
イル基、2−ヘキシルデシルカルバモイル基、フェニル
カルバモイル基、4−ドデシルオキシフェニルカルバモ
イル基、2−クロロ−5−ドデシルオキシカルボニルフ
ェニルカルバモイル基、ナフチルカルバモイル基、3−
ピリジルカルバモイル基、3,5−ビス−オクチルオキ
シカルボニルフェニルカルバモイル基、3,5−ビス−
テトラデシルオキシフェニルカルバモイル基、ベンジル
オキシカルバモイル基、2,5−ジオキソ−1−ピロリ
ジニルカルバモイル基が挙げられる。
【0156】アシル基としては、炭素数1〜50のアシ
ル基が好ましく、より好ましくは炭素数は6〜40であ
る。具体的な例としては、ホルミル基、アセチル基、2
−メチルプロパノイル基、シクロヘキシルカルボニル
基、n−オクタノイル基、2−ヘキシルデカノイル基、
ドデカノイル基、クロロアセチル基、トリフルオロアセ
チル基、ベンゾイル基、4−ドデシルオキシベンゾイル
基、2−ヒドロキシメチルベンゾイル基、3−(N−ヒ
ドロキシ−N−メチルアミノカルボニル)プロパノイル
基が挙げられる。
【0157】アルコキシカルボニル基、アリールオキシ
カルボニル基としては炭素数2〜50のアルコキシカル
ボニル基、アリールオキシカルボニル基が好ましく、よ
り好ましくは炭素数は6〜40である。具体的な例とし
ては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、
イソブチルオキシカルボニル基、シクロヘキシルオキシ
カルボニル基、ドデシルオキシカルボニル基、ベンジル
オキシカルボニル基、フェノキシカルボニル基、4−オ
クチルオキシフェノキシカルボニル基、2−ヒドロキシ
メチルフェノキシカルボニル基、4−ドデシルオキシフ
ェノキシカルボニル基などが挙げられる。
【0158】スルホニル基としては炭素数1〜50のス
ルホニル基が好ましく、より好ましくは炭素数は6〜4
0である。具体的な例としては、メチルスルホニル基、
ブチルスルホニル基、オクチルスルホニル基、2−ヘキ
シルデシルスルホニル基、3−ドデシルオキシプロピル
スルホニル基、2−n−オクチルオキシ−5−t−オク
チルフェニルスルホニル基、4−ドデシルオキシフェニ
ルスルホニル基などが挙げられる。
【0159】スルファモイル基としては炭素数1〜50
のスルファモイル基が好ましく、より好ましくは炭素数
は6〜40である。具体的な例としてはスルファモイル
基、エチルスルファモイル基、2−エチルヘキシルスル
ファモイル基、デシルスルファモイル基、ヘキサデシル
スルファモイル基、3−(2−エチルヘキシルオキシ)
プロピルスルファモイル基、(2−クロロ−5−ドデシ
ルオキシカルボニルフェニル)スルファモイル基、2−
テトラデシルオキシフェニルスルファモイル基などが挙
げられる。
【0160】QはCとともに不飽和の環を形成する原子
群を表すが、形成される不飽和の環は3〜8員環が好ま
しく、より好ましくは5〜6員環である。この例として
はベンゼン環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン
環、ピリダジン環、1,2,4−トリアジン環、1,
3,5−トリアジン環、ピロール環、イミダゾール環、
ピラゾール環、1,2,3−トリアゾール環、1,2,
4−トリアゾール環、テトラゾール環、1,3,4−チ
アジアゾール環、1,2,4−チアジアゾール環、1,
2,5−チアジアゾール環、1,3,4−オキサジアゾ
ール環、1,2,4−オキサジアゾール環、1,2,5
−オキサジアゾール環、チアゾール環、オキサゾール
環、イソチアゾール環、イソオキサゾール環、チオフェ
ン環などが好ましく、さらにこれらの環が互いに縮合し
た縮合環も好ましく用いられる。
【0161】さらにこれらの環は置換基を有していても
よく、その置換基の例としては、炭素数1〜50の直鎖
または分岐、鎖状または環状のアルキル基(例えば、ト
リフルオロメチル、メチル、エチル、プロピル、ヘプタ
フルオロプロピル、イソプロピル、ブチル、t−ブチ
ル、t−ペンチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、
オクチル、2−エチルヘキシル、ドデシル等)、炭素数
2〜50の直鎖または分岐、鎖状または環状のアルケニ
ル基(例えばビニル、1−メチルビニル、シクロヘキセ
ン−1−イル等)、総炭素数2〜50のアルキニル基
(例えば、エチニル、1−プロピニル等)、炭素数6〜
50のアリール基(例えば、フェニル、ナフチル、アン
トリル等)、炭素数1〜50のアシルオキシ基(例え
ば、アセトキシ、テトラデカノイルオキシ、ベンゾイル
オキシ等)、炭素数2〜50のアルコキシカルボニルオ
キシ基(例えば、メトキシカルボニルオキシ基、2−メ
トキシエトキシカルボニルオキシ基など)、炭素数7〜
50のアリールオキシカルボニルオキシ基(例えばフェ
ノキシカルボニルオキシ基など)炭素数1〜50のカル
バモイルオキシ基(例えば、N,N−ジメチルカルバモ
イルオキシ等)、炭素数1〜50のカルボンアミド基
(例えば、ホルムアミド、N−メチルアセトアミド、ア
セトアミド、N−メチルホルムアミド、ベンツアミド
等)、炭素数1〜50のスルホンアミド基(例えば、メ
タンスルホンアミド、ドデカンスルホンアミド、ベンゼ
ンスルホンアミド、p−トルエンスルホンアミド等)、
炭素数1〜50のカルバモイル基(例えば、N−メチル
カルバモイル、N,N−ジエチルカルバモイル、N−メ
シルカルバモイル等)、炭素数0〜50のスルファモイ
ル基(例えば、N−ブチルスルファモイル、N,N−ジ
エチルスルファモイル、N−メチル−N−(4−メトキ
シフェニル)スルファモイル等)、炭素数1〜50のア
ルコキシ基(例えば、メトキシ、プロポキシ、イソプロ
ポキシ、オクチルオキシ、t−オクチルオキシ、ドデシ
ルオキシ、2−(2,4−ジ−t−ペンチルフェノキ
シ)エトキシ等)、炭素数6〜50のアリールオキシ基
(例えば、フェノキシ、4−メトキシフェノキシ、ナフ
トキシ等)、炭素数7〜50のアリールオキシカルボニ
ル基(例えば、フェノキシカルボニル、ナフトキシカル
ボニル等)、
【0162】炭素数2〜50のアルコキシカルボニル基
(例えば、メトキシカルボニル、t−ブトキシカルボニ
ル等)、炭素数1〜50のN−アシルスルファモイル基
(例えば、N−テトラデカノイルスルファモイル、N−
ベンゾイルスルファモイル等)、炭素数1〜50のN−
スルファモイルカルバモイル基(例えばN−メタンスル
ホニルカルバモイル基など)、炭素数1〜50のアルキ
ルスルホニル基(例えば、メタンスルホニル、オクチル
スルホニル、2−メトキシエチルスルホニル、2−ヘキ
シルデシルスルホニル等)、炭素数6〜50のアリール
スルホニル基(例えば、ベンゼンスルホニル、p−トル
エンスルホニル、4−フェニルスルホニルフェニルスル
ホニル等)、炭素数2〜50のアルコキシカルボニルア
ミノ基(例えば、エトキシカルボニルアミノ等)、炭素
数7〜50のアリールオキシカルボニルアミノ基(例え
ば、フェノキシカルボニルアミノ、ナフトキシカルボニ
ルアミノ等)、炭素数0〜50のアミノ基(例えばアミ
ノ、メチルアミノ、ジエチルアミノ、ジイソプロピルア
ミノ、アニリノ、モルホリノ等)、炭素数3〜50のア
ンモニオ基(例えば、トリメチルアンモニオ基、ジメチ
ルベンジルアンモニオ基など)シアノ基、ニトロ基、カ
ルボキシル基、ヒドロキシ基、スルホ基、メルカプト
基、炭素数1〜50のアルキルスルフィニル基(例え
ば、メタンスルフィニル、オクタンスルフィニル等)、
炭素数6〜50のアリールスルフィニル基(例えば、ベ
ンゼンスルフィニル、4−クロロフェニルスルフィニ
ル、p−トルエンスルフィニル等)、炭素数1〜50の
アルキルチオ基(例えば、メチルチオ、オクチルチオ、
シクロヘキシルチオ等)、炭素数6〜50のアリールチ
オ基(例えば、フェニルチオ、ナフチルチオ等)、炭素
数1〜50のウレイド基(例えば、3−メチルウレイ
ド、3,3−ジメチルウレイド、1,3−ジフェニルウ
レイド等)、炭素数2〜50のヘテロ環基(ヘテロ原子
としては例えば、窒素、酸素およびイオウ等を少なくと
も1個以上含み、3ないし12員環の単環、縮合環で、
例えば、2−フリル、2−ピラニル、2−ピリジル、2
−チエニル、2−イミダゾリル、モルホリノ、2−キノ
リル、2−ベンツイミダゾリル、2−ベンゾチアゾリ
ル、2−ベンゾオキサゾリル等)、炭素数1〜50のア
シル基(例えば、アセチル、ベンゾイル、トリフルオロ
アセチル等)、炭素数0〜50のスルファモイルアミノ
基(例えば、N−ブチルスルファモイルアミノ、N−フ
ェニルスルファモイルアミノ等)、炭素数3〜50のシ
リル基(例えば、トリメチルシリル、ジメチル−t−ブ
チルシリル、トリフェニルシリル等)、ハロゲン原子
(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等)が挙げ
られる。上記の置換基はさらに置換基を有していてもよ
く、その置換基の例としてはここで挙げた置換基が挙げ
られる。
【0163】置換基の炭素数に関しては50以下が好ま
しく、より好ましくは42以下であり、さらに好ましく
は30以下である。また、本発明における発色現像主薬
とカプラーが反応して生成する色素が十分な拡散性を有
するためには、QとCで形成される不飽和の環およびそ
の置換基の炭素原子の総数は1以上30以下が好まし
く、1以上24以下がより好ましく、1以上18以下が
最も好ましい。
【0164】以上のQとCで形成される環の置換基はそ
の環が炭素原子のみで形成される場合(例えばベンゼン
環、ナフタレン環、アントラセン環など)にはすべての
置換基についてハメットの置換基定数σ値(Cに対して
1,2、1,4、…の関係にある時にはσp値を、Cに
対して1,3、1,5、…の関係にある時はσmを用い
る。)の総和は0.8以上であり、より好ましくは1.
2以上であり、最も好ましくは1.5以上である。
【0165】なお、ハメットの置換基定数σp、σmに
ついては、例えば稲本直樹著「ハメット則−構造と反応
性−」(丸善)、「新実験化学講座14・有機化合物の
合成と反応V」2605頁(日本化学会編、丸善)、仲
矢忠雄著「理論有機化学解説」217頁(東京化学同
人)、ケミカル・レビュー(91巻),165〜195
頁(1991年)等の成書に詳しく解説されている。
【0166】つぎに一般式(I)で表される発色現像主
薬を具体的に示すが、本発明のプリント用ハロゲン化銀
感光材料の範囲はこれら具体例に限定されるものではな
い。
【0167】
【化30】
【0168】
【化31】
【0169】
【化32】
【0170】
【化33】
【0171】
【化34】
【0172】次に本発明のプリント用ハロゲン化銀感光
材料で使用する一般式(I)の化合物の代表的な合成例
を以下に示す。他の化合物も以下の例と同様にして合成
することができる。
【0173】合成例1.例示化合物(1)の合成 下記合成経路により合成した。
【0174】
【化35】
【0175】化合物(A−2)の合成 1,2−ジクロロ−4,5−ジシアノベンゼン(A−
1)(CAS Registry No.139152-08-2)53.1gを
N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)1.1lに溶
解し、メチルメルカプタンナトリウム塩水溶液(15
%)268gを室温にて1時間かけて滴下し、さらに、
60℃にて1時間攪拌した。反応液を室温まで冷却し、
水に注ぎ、30分攪拌した。生成した白色固体を濾集し
て、水洗し、乾燥した。収量46.5g 収率78.1
【0176】化合物(A−3)の合成 化合物(A−2)41.1gを酢酸400mlに懸濁さ
せ、過マンガン酸カリウム89.3gを水400mlに溶
解したものを、水冷下、1時間かけて滴下した。室温に
て一晩放置後、水2リットルおよび、酢酸エチル2リッ
トルを加え、セライト濾過した。濾液を分液し、有機層
を水、ハイドロサルファイトナトリウム水溶液、重曹
水、食塩水で洗った後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し
た。濾過後、溶媒を留去し、残さに酢酸エチル、ヘキサ
ン混合溶媒を加えて晶析し、29.4gの化合物(A−
3)を白色固体として得た。収率55.0%
【0177】化合物(A−4)の合成 化合物(A−3)29.4gをジメチルスルホキシド
(DMSO)200mlに溶解し、ヒドラジン一水和物
8.7gを水冷下15分かけて滴下し、さらに水冷下で
10分攪拌した。反応液を水に注ぎ、生成した黄色固体
を濾集して水洗し、乾燥した。収量17.4g、収率7
0.9%
【0178】例示化合物(1)の合成 化合物(A−4)11.8gをテトラヒドロフラン50
mlに溶解し、室温で30分かけてプロピルイソシアナ
ート4.7gを滴下し、さらに1時間攪拌した。反応混
合物を水に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。有機層を塩酸
水、食塩水で洗った後、無水硫酸マグネシウムで乾燥
し、濾過後、溶媒を留去した。残さを酢酸エチル−ヘキ
サン混合溶媒(1:10)から晶析し、例示化合物
(1)を白色固体として14.5g得た。収率90.2
【0179】合成例2.例示化合物(5)の合成 下記合成経路により合成した。
【0180】
【化36】
【0181】化合物(A−6)の合成 化合物(A−5)(CAS Registry No.51461-11-1)4
4.5gを酢酸エチル500mlに溶解し、重曹25gを
溶解した水500mlを添加した。この溶液に室温にて3
0分間かけてクロロ炭酸フェニル16.4gを滴下し、
さらに1時間攪拌した。反応混合物を分液し、有機層を
食塩水で洗った後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾
過後、溶媒を留去し、化合物(A−6)54.0gを淡
黄色油状物として得た。収率95.6%
【0182】例示化合物(5)の合成 化合物(A−4)5.0g、化合物(A−9)13.0
g、DMAP(N,N−ジメチルアミノピリジン)0.
50gをアセトニトリル100mlに溶解し、60℃に
て3時間攪拌した。反応混合物を水に注ぎ、酢酸エチル
で抽出した。有機層を重曹水、塩酸水、食塩水で洗った
後、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、濾過し、溶媒を留
去した。残さをシリカゲルカラムクロマトグラフィーで
精製し(溶離液:酢酸エチル/ヘキサン=1/2)、ヘ
キサンから晶析し、例示化合物(5)7.5gを白色固
体として得た。
【0183】合成例3.例示化合物(15)の合成 下記合成経路により合成した。
【0184】
【化37】
【0185】例示化合物(15)の合成 トリホスゲン4.6gをTHF100mlに溶解し、化合
物(A−7)(CAS Registry No.61053-26-7)13.6
gを室温にて10分間かけて滴下し、さらにトリエチル
アミン18.7mlを室温にて10分間かけて滴下した。
30分間反応し、化合物(A−8)の溶液とした。この
反応液に化合物(A−9)9.0gを室温で10分間か
けて分割添加した。さらに1時間攪拌したのち、水に注
ぎ、酢酸エチルで抽出した。有機層を重曹水、塩酸水、
食塩水で洗った後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾
過後、溶媒を留去した。残さをシリカゲルカラムクロマ
トグラフィーで精製し、酢酸エチル/ヘキサン=1/1
0混合液から晶析し、例示化合物(15)を白色固体と
して得た。なお化合物(A−9)は欧州特許第5454
91A1号に記載の方法に従って合成した。
【0186】次に、本発明で好ましく用いられる一般式
(II)の化合物について説明する。式中、R1 〜R4
は、独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、ア
リール基、アルキルカルボンアミド基、アリールカルボ
ンアミド基、アルキルスルホンアミド基、アリールスル
ホンアミド基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アル
キルチオ基、アリールチオ基、アルキルカルバモイル
基、アリールカルバモイル基、カルバモイル基、アルキ
ルスルファモイル基、スルファモイル基、シアノ基、ア
ルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アルコキ
シカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルキ
ルカルボニル基、アリールカルボニル基、又はアシルオ
キシ基を表し、R5 はアルキル基、アリール基、また
は、ヘテロ環基を表す。更に詳しく述べると、式中、R
1 〜R4 は各々水素原子、ハロゲン原子(たとえばクロ
ル、ブロム)、アルキル基(たとえばメチル基、エチル
基、イソプロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基)、
アリール基(たとえばフェニル基、トリル基、キシリル
基)、アルキルカルボンアミド基(たとえばアセチルア
ミノ基、プロピオニルアミノ基、ブチロイルアミノ
基)、アリールカルボンアミド基(たとえばベンゾイル
アミノ基)アリールカルボンアミド基、アルキルスルホ
ンアミド基(たとえばメタンスルホニルアミノ基、エタ
ンスルホニルアミノ基)、アリールスルホンアミド基
(たとえばベンゼンスルホニルアミノ基、トルエンスル
ホニルアミノ基)、アルコキシ基(たとえばメトキシ
基、エトキシ基、ブトキシ基)、アリールオキシ基(た
とえばフェノキシ基)、アルキルチオ基(たとえばメチ
ルチオ基、エチルチオ基、ブチルチオ基)、アリールチ
オ基(たとえばフェニルチオ基、トリルチオ基)、アル
キルカルバモイル基(たとえばメチルカルバモイル基、
ジメチルカルバモイル基、エチルカルバモイル基、ジエ
チルカルバモイル基、ジブチルカルバモイル基、ピペリ
ジルカルバモイル基、モルホリルカルバモイル基)アリ
ールカルバモイル基(たとえばフェニルカルバモイル
基、メチルフェニルカルバモイル基、エチルフェニルカ
ルバモイル基、ベンジルフェニルカルバモイル基)、カ
ルバモイル基、アルキルスルファモイル基(たとえばメ
チルスルファモイル基、メチルフェニルスルファモイル
基、エチルフェニルスルファモイル基、ベンジルフェニ
ルスルファモイル基)、アリールスルファモイル基、ス
ルファモイル基、シアノ基、アルキルスルホニル基(た
とえばメタンスルホニル基、エタンスルホニル基)、ア
リールスルホニル基(たとえばフェニルスルホニル基、
4−クロロフェニルスルホニル基、p−トルエンスルホ
ニル基)アルコキシカルボニル基(たとえばメトキシカ
ルボニル基、エトキシカルボニル基、ブトキシカルボニ
ル基)、アリールオキシカルボニル基(たとえばフェノ
キシカルボニル基)、アルキルカルボニル基(たとえば
アセチル基、プロピオニル基、ブチロイル基)、アリー
ルカルボニル基(たとえば、ベンゾイル基、アルキルベ
ンゾイル基)またはアシルオキシ基(たとえば、アセチ
ルオキシ基、プロピオニルオキシ基、ブチロイルオキシ
基)を表し、R5 は置換または無置換の、アルキル基、
アリール基または複素環基を表す。R1 〜R4 の中で、
2 及びR4 は好ましくは水素原子である。また、R1
〜R4 のハメット定数σp値の合計は、0以上となる事
が好ましい。R5 はアルキル基(たとえばメチル基、エ
チル基、ブチル基、オクチル基、ラウリル基、セチル
基、ステアリル基)、アリール基(たとえばフェニル
基、トリル基、キシリル基、4−メトキシフェニル基、
ドデシルフェニル基、クロロフェニル基、トリクロロフ
ェニル基、ニトリクロロフェニル基、トリイソプロピル
フェニル基、4−ドデシルオキシフェニル基、3,5―
ジー(メトキシカルボニル)基)または、複素環基を表
す。一般式(II)で表される現像主薬の具体例として
は、前記一般式(1)で表される現像主薬の具体例があ
げられる。本発明のプリント用感光材料に用いる発色現
像主薬は酸化カップリング反応によって色素を形成する
化合物(カプラー)とともに使用する。本発明のプリン
ト用感光材料においては、カップリング位置が置換され
た、いわゆる「2当量カプラー」が好ましい。2当量カ
プラーは離脱基を選択することにより様々な機能を発現
することができるが、特に本発明のプリント用感光材料
においては、カプラーと色素の拡散性に差を付け、プリ
ント画像のDminを下げることができる。カプラーの
具体例は、セオリー・オブ・ザ・フォトグラフィック・
プロセス(4th.Ed.,T.H.James編集,
Macmillan,1977)291頁〜334頁、
および354頁〜361頁、特開昭58−12353
号、同58−149046号、同58−149047
号、同59−11114号、同59−124399号、
同59−174835号、同59−231539号、同
59−231540号、同60−2951号、同60−
14242号、同60−23474号、同60−662
49号などに詳しく記載されている。
【0187】本発明に好ましく用いられるカプラーの例
を以下に列挙する。
【0188】本発明に好ましく使用されるカプラーとし
ては、以下の一般式(P−1)〜(P−12)に記載す
るような構造の化合物がある。これらはそれぞれ一般に
活性メチレン、ピラゾロン、ピラゾロアゾール、フェノ
ール、ナフトール、ピロロトリアゾールと総称される化
合物であり、当該分野で公知の化合物である。
【0189】
【化38】
【0190】
【化39】
【0191】
【化40】
【0192】一般式(P−1)〜(P−4)は活性メチ
レン系カプラーと称されるカプラーを表し、式中R14
置換基を有しても良いアシル基、シアノ基、ニトロ基、
アリール基、ヘテロ環残基、アルコキシカルボニル基、
アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、スルフ
ァモイル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニ
ル基である。
【0193】一般式(P−1)〜(P−3)において、
15は置換基を有しても良いアルキル基、アリール基ま
たはヘテロ環残基である。一般式(P−4)においてR
16は置換基を有しても良いアリール基またはヘテロ環残
基である。R14、R15、R16が有しても良い置換基とし
ては、QとCで形成される環上の置換基の例を挙げるこ
とができる。
【0194】一般式(P−1)〜(P−4)において、
14とR15、R14とR16は互いに結合して環を形成して
も良い。
【0195】一般式(P−5)は5−ピラゾロン系カプ
ラーと称されるカプラーを表し、式中、R17はアルキル
基、アリール基、アシル基またはカルバモイル基を表
す。R18はフェニル基または1個以上のハロゲン原子、
アルキル基、シアノ基、アルコキシ基、アルコキシカル
ボニル基またはアシルアミノ基が置換したフェニル基を
表す。
【0196】一般式(P−5)で表される5−ピラゾロ
ン系カプラーの中でもR17がアリール基またはアシル
基、R18が1個以上のハロゲン原子が置換したフェニル
基のものが好ましい。
【0197】これらの好ましい基について詳しく述べる
と、R17はフェニル基、2−クロロフェニル基、2−メ
トキシフェニル基、2−クロロ−5−テトラデカンアミ
ドフェニル基、2−クロロ−5−(3−オクタデセニル
−1−スクシンイミド)フェニル基、2−クロロ−5−
オクタデシルスルホンアミドフェニル基または2−クロ
ロ−5−〔2−(4−ヒドロキシ−3−t−ブチルフェ
ノキシ)テトラデカンアミド〕フェニル基等のアリール
基またはアセチル基、2−(2,4−ジ−t−ペンチル
フェノキシ)ブタノイル基、ベンゾイル基、3−(2,
4−ジ−t−アミルフェノキシアセトアミド)ベンゾイ
ル基等のアシル基であり、これらの基はさらに置換基を
有しても良く、それらは炭素原子、酸素原子、窒素原子
またはイオウ原子で連結する有機置換基またはハロゲン
原子である。
【0198】R18は2,4,6−トリクロロフェニル
基、2,5−ジクロロフェニル基、2−クロロフェニル
基等の置換フェニル基が好ましい。
【0199】一般式(P−6)はピラゾロアゾール系カ
プラーと称されるカプラーを表し、式中、R19は水素原
子または置換基を表す。Q3 は窒素原子を2〜4個含む
5員のアゾール環を形成するのに必要な非金属原子群を
表し、該アゾール環は置換基(縮合環を含む)を有して
も良い。
【0200】一般式(P−6)で表されるピラゾロアゾ
ール系カプラーの中でも、発色色素の分光吸収特性の点
で、米国特許第4,500,630号に記載のイミダゾ
〔1,2−b〕ピラゾール類、米国特許第4,500,
654号に記載のピラゾロ〔1,5−b〕−1,2,4
−トリアゾール類、米国特許第3,725,067号に
記載のピラゾロ〔5,1−c〕−1,2,4−トリアゾ
ール類が好ましい。
【0201】置換基R19、Q3 で表されるアゾール環の
置換基の詳細については、例えば、米国特許第4,54
0,654号明細書中の第2カラム第41行〜第8カラ
ム第27行に記載されている。好ましくは特開昭61−
65245号に記載されているような分岐アルキル基が
ピラゾロトリアゾール基の2、3または6位に直結した
ピラゾロアゾールカプラー、特開昭61−65245号
に記載されている分子内にスルホンアミド基を含んだピ
ラゾロアゾールカプラー、特開昭61−147254号
に記載されているアルコキシフェニルスルホンアミドバ
ラスト基を持つピラゾロアゾールカプラー、特開昭62
−209457号もしくは同63−307453号に記
載されている6位にアルコキシ基やアリールオキシ基を
持つピラゾロトリアゾールカプラー、および特願平1−
22279号に記載されている分子内にカルボンアミド
基を持つピラゾロトリアゾールカプラーである。
【0202】一般式(P−7)、(P−8)はそれぞれ
フェノール系カプラー、ナフトール系カプラーと称され
るカプラーであり、式中、R20は水素原子または−CO
NR2223、−SO2 NR2223、−NHCOR22、−
NHCONR2223、−NHSO2 NR2223から選ば
れる基を表す。R22、R23は水素原子または置換基を表
す。一般式(P−7)、(P−8)において、R21は置
換基を表し、lは0〜2から選ばれる整数、mは0〜4
から選ばれる整数を表す。l、mが2以上の時にはR21
はそれぞれ異なっていても良。R21〜R23の置換基とし
ては前記QとCで形成される環の置換基例として述べた
ものが挙げられる。
【0203】一般式(P−7)で表されるフェノール系
カプラーの好ましい例としては、米国特許第2,36
9,929号、同第2,801,171号、同第2,7
72,162号、同第2,895,826号、同第3,
772,002号等に記載の2−アシルアミノ−5−ア
ルキルフェノール系、米国特許第2,772,162
号、同第3,758,308号、同第4,126,39
6号、同第4,334,011号、同第4,327,1
73号、西独特許公開第3,329,729号、特開昭
59−166956号等に記載の2,5−ジアシルアミ
ノフェノール系、米国特許第3,446,622号、同
第4,333,999号、同第4,451,559号、
同第4,427,767号等に記載の2−フェニルウレ
イド−5−アシルアミノフェノール系を挙げることがで
きる
【0204】一般式(P−8)で表されるナフトールカ
プラーの好ましい例としては、米国特許第2,474,
293号、同第4,052,212号、同第4,14
6,396号、同第4,282,233号、同第4,2
96,200号等に記載の2−カルバモイル−1−ナフ
トール系および米国特許第4,690,889号等に記
載の2−カルバモイル−5−アミド−1−ナフトール系
等を挙げることができる。
【0205】一般式(P−9)〜(P−12)はピロロ
トリアゾールと称されるカプラーであり、R32、R33
34は水素原子または置換基を表す。R32、R33、R34
の置換基としては、前記QとCで形成される環の置換基
例として述べたものが挙げられる。一般式(P−9)〜
(P−12)で表されるピロロトリアゾール系カプラー
の好ましい例としては、欧州特許第488,248A1
号、同第491,197A1号、同第545,300号
に記載のR32、R33の少なくとも一方が電子吸引性基で
あるカプラーが挙げられる。
【0206】一般式(P−1)〜(P−12)におい
て、Yはカプラーに耐拡散性を付与する基であり、現像
主薬の酸化体とのカップリング反応により脱離可能な基
である。Yの例として、ヘテロ環基(ヘテロ原子として
は窒素、酸素、イオウ等を少なくとも一個含み、飽和ま
たは不飽和の5〜7員環の単環もしくは縮合環であり、
例としては、スクシンイミド、マレインイミド、フタル
イミド、ジグリコールイミド、ピロール、ピラゾール、
イミダゾール、1,2,4−トリアゾール、テトラゾー
ル、インドール、ベンゾピラゾール、ベンツイミダゾー
ル、ベンゾトリアゾール、イミダゾリン−2,4−ジオ
ン、オキサゾリジン−2,4−ジオン、チアゾリジン−
2,4−ジオン、イミダゾリジン−2−オン、オキサゾ
リン−2−オン、チアゾリン−2−オン、ベンツイミダ
ゾリン−2−オン、ベンゾオキサゾリン−2−オン、ベ
ンゾチアゾリン−2−オン、2−ピロリン−5−オン、
2−イミダゾリン−5−オン、インドリン−2,3−ジ
オン、2,6−ジオキシプリン、パラバン酸、1,2,
4−トリアゾリジン−3,5−ジオン、2−ピリドン、
4−ピリドン、2−ピリミドン、6−ピリダゾン、2−
ピラゾン、2−アミノ−1,3,4−チアゾリジン、2
−イミノ−1,3,4−チアゾリジン−4−オン等)、
ハロゲン原子(例えば、塩素原子、臭素原子等)、アリ
ールオキシ基(例えば、フェノキシ、1−ナフトキシ
等)、ヘテロ環オキシ基(例えば、ピリジルオキシ、ピ
ラゾリルオキシ等)、アシルオキシ基(例えば、アセト
キシ、ベンゾイルオキシ等)、アルコキシ基(例えば、
メトキシ、ドデシルオキシ等)、カルバモイルオキシ基
(例えば、N,N−ジエチルカルバモイルオキシ、モルホ
リノカルボニルオキシ等)、アリールオキシカルボニル
オキシ基(例えば、フェノキシカルボニルオキシ等)、
アルコキシカルボニルオキシ基(例えば、メトキシカル
ボニルオキシ、エトキシカルボニルオキシ等)、アリー
ルチオ基(例えば、フェニルチオ、ナフチルチオ等)、
ヘテロ環チオ基(例えば、テトラゾリルチオ、1,3,
4−チアジアゾリルチオ、1,3,4−オキサジアゾリ
ルチオ、ベンツイミダゾリルチオ等)、アルキルチオ基
(例えば、メチルチオ、オクチルチオ、ヘキサデシルチ
オ等)、アルキルスルホニルオキシ基(例えば、メタン
スルホニルオキシ等)、アリールスルホニルオキシ基
(例えば、ベンゼンスルホニルオキシ、トルエンスルホ
ニルオキシ等)、カルボンアミド基(例えば、アセタミ
ド、トリフルオロアセタミド等)、スルホンアミド基
(例えば、メタンスルホンアミド、ベンゼンスルホンア
ミド等)、アルキルスルホニル基(例えば、メタンスル
ホニル等)、アリールスルホニル基(例えば、ベンゼン
スルホニル等)、アルキルスルフィニル基(例えば、メ
タンスルフィニル等)、アリールスルフィニル基(例え
ば、ベンゼンスルフィニル等)、アリールアゾ基(例え
ば、フェニルアゾ、ナフチルアゾ等)、カルバモイルア
ミノ基(例えば、N−メチルカルバモイルアミノ等)な
どである。Yは置換基により置換されていても良く、Y
を置換する置換基の例としてはQとCで形成される環上
の置換基の例を挙げることができる。Yに含まれる炭素
原子の総数は6以上50以下が好ましく、8以上40以
下がさらに好ましく、10以上30以下が最も好まし
い。Yは好ましくはアリールオキシ基、ヘテロ環オキシ
基、アシルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ
基、アルコキシカルボニルオキシ基、カルバモイルオキ
シ基である。
【0207】その他縮環フェノール、イミダゾール、ピ
ロール、3−ヒドロキシピリジン、活性メチレン、活性
メチン、5,5−縮環複素環、5,6−縮環複素環とい
った構造を有するカプラーが使用できる。
【0208】縮環フェノール系カプラーとしては米国特
許第4,327,173号、同第4,564,586
号、同第4,904,575号等に記載のカプラーを使
用できる。
【0209】イミダゾール系カプラーとしては、米国特
許第4,818,672号、同第5,051,347号
等に記載のカプラーが使用できる。
【0210】3−ヒドロキシピリジン系カプラーとして
は特開平1−315736号等に記載のカプラーが使用
できる。
【0211】活性メチレン、活性メチン系カプラーとし
ては米国特許第5,104,783号、同第5,16
2,196号等に記載のカプラーが使用できる。
【0212】5,5−縮環複素環系カプラーとしては、
米国特許第5,164,289号に記載のピロロピラゾ
ール系カプラー、特開平4−174429号に記載のピ
ロロイミダゾール系カプラー等が使用できる。
【0213】5,6−縮環複素環系カプラーとしては、
米国特許第4,950,585号に記載のピラゾロピリ
ミジン系カプラー、特開平4−204730号に記載の
ピロロトリアジン系カプラー、欧州特許第556,70
0号に記載のカプラー等が使用できる。
【0214】本発明のプリント用ハロゲン化銀感光材料
には前述のカプラー以外に、西独特許第3,819,0
51A号、同第3,823,049号、米国特許第4,
840,883号、同第5,024,930号、同第
5,051,347号、同第4,481,268号、欧
州特許第304,856A2号、同第329,036
号、同第354,549A2号、同第374,781A
2号、同第379,110A2号、同第386,930
A1号、特開昭63−141055号、同64−322
60号、同64−32261号、特開平2−29754
7号、同2−44340号、同2−110555号、同
3−7938号、同3−160440号、同3−172
839号、同4−172447号、同4−179949
号、同4−182645号、同4−184437号、同
4−188138号、同4−188139号、同4−1
94847号、同4−204532号、同4−2047
31号、同4−204732号等に記載されているカプ
ラーも使用できる。
【0215】本発明のプリント用ハロゲン化銀感光材料
で用いられるカプラーにおいて、Yを除く部分の炭素原
子の総数は1以上30以下が好ましく、1以上24以下
がより好ましく、1以上18以下が最も好ましい。
【0216】本発明のプリント用ハロゲン化銀感光材料
に使用できるカプラーの具体例を以下に示すが、本発明
はもちろんこれによって限定されるわけではない。
【0217】
【化41】
【0218】
【化42】
【0219】
【化43】
【0220】
【化44】
【0221】
【化45】
【0222】
【化46】
【0223】本発明のプリント用ハロゲン化銀感光材料
で使用するカプラーの添加量は、生成する色素のモル吸
光係数(ε)にもよるが、反射濃度で1.0以上の画像
濃度を得るためには、カップリングにより生成する色素
のεが5000〜500000程度のカプラーの場合、
塗布量として0.001〜100ミリモル/m2程度、好
ましくは0.01〜10ミリモル/m2、さらに好ましく
は0.05〜5ミリモル/m2程度が適当である。
【0224】本発明のプリント用ハロゲン化銀感光材料
の発色現像主薬の添加量としては、カプラーに対して
0.01〜100倍、好ましくは0.1〜10倍、さら
に好ましくは0.2〜5倍である。また、カプラーは2
種以上を併用する事ができる。
【0225】イエロー、マゼンタ、シアンの3原色を用
いて色度図内の広範囲な色を得るためには、少なくとも
3層のそれぞれ異なるスペクトル領域に感光性を持つハ
ロゲン化銀乳剤層を組み合わせて用いる。例えば、特開
昭59−180,550号、同64−13,546号、
62−253,159号、欧州特許公開第479,16
7号などに記載の、青感層、緑感層、赤感層の組み合わ
せ、緑感層、赤感層、赤外感光層の組み合わせ、赤感
層、赤外感光層(1)、赤外感光層(2)の組み合わせ
などがある。各感光層は通常型のカラー感光材料で知ら
れる様々な配列順序をとることができる。また、これら
の各感光層は、特開平1―252,954号記載の様
に、必要に応じて2層以上に分割しても良い。熱現像感
光材料には、上記のハロゲン化銀乳剤層の間及び最上
層、最下層には保護層、下塗り層、中間層、黄色フィル
ター層、アンチハレーション層など各種の非感光層を設
けてもよく、支持体の反対側にはバック層などの種々の
補助層を設けることができる。具体的には、上記特許記
載の層構成、米国特許5,051,335号記載のよう
な下塗り層、特開平1−167,838号、特開昭61
−20,943号記載のような固体顔料を有する中間
層、特開平1−129,553号、同5−34,884
号、同2−64,634号記載のような還元剤やDIR
化合物を有する中間層、米国特許5,017,454
号、同5,139,919号、特開平2−235,04
4号記載のような電子伝達剤を有する中間層、特開平4
−249,245号記載のような、還元剤を有する保護
層またはこれらを組み合わせた層等を設けることができ
る。支持体は帯電防止機能をもち表面抵抗率が1012Ω
・cm以下になる様設計することが好ましい。
【0226】次にプリント用ハロゲン化銀感光材料に使
用するハロゲン化銀乳剤について、詳しく説明する。本
発明に使用し得るハロゲン化銀乳剤は、塩化銀、臭化
銀、沃臭化銀、塩臭化銀、塩沃化銀、塩沃臭化銀のいず
れでもよい。本発明のプリント用ハロゲン化銀感光材料
で使用するハロゲン化銀乳剤は、表面潜像型乳剤であっ
ても、内部潜像型乳剤であってもよい。内部潜像型乳剤
は造核剤や光カブラセとを組み合わせて直接反転乳剤と
して使用される。また、粒子内部と粒子表層が異なる相
を持ったいわゆるコアシェル乳剤であってもよく、また
エピタキシャル接合によって組成の異なるハロゲン化銀
が接合されていても良い。ハロゲン化銀乳剤は単分散で
も多分散でもよく、特開平1−167,743号、同4
−223,463号記載のように単分散乳剤を混合し、
階調を調節する方法が好ましく用いられる。粒子サイズ
は0.1〜2μm、特に0.2〜1.5μmが好まし
い。ハロゲン化銀粒子の晶癖は立方体、8面体、14面
体のような規則的な結晶を有するもの、球状、高アスペ
クト比の平板状のような変則的な結晶系を有するもの、
双晶面のような結晶欠陥を有するもの、あるいはそれら
の複合系その他のいずれでもよい。
【0227】具体的には、米国特許4,500,626
号第50欄、同4,628,021号、リサーチ・ディ
スクロージャー誌(以下RDと略記する)No. 17,0
29(1978年)、同No. 17,643(1978年
12月)22〜23頁、同No. 18,716(1979
年11月)、648頁、同No. 307,105(198
9年11月)863〜865頁、特開昭62−253,
159号、同64−13,546号、特開平2−23
6,546号、同3−110,555号、およびグラフ
キデ著「写真の物理と化学」、ポールモンテ社刊(P.Gl
afkides,Chemie et Phisique Photographique, Paul Mo
ntel, 1967) 、ダフィン著「写真乳剤化学」、フォーカ
ルプレス社刊(G.F.Duffin,Photographic Emulsion Chem
istry, Focal Press, 1966) 、ゼリクマンら著「写真乳
剤の製造と塗布」、フォーカルプレス社刊(V.L.Zelikma
n et al.,Making and Coating Photographic Emulsion,
Focal Press, 1964) 等に記載されている方法を用いて
調製したハロゲン化銀乳剤のいずれもが使用できる。
【0228】感光性ハロゲン化銀乳剤を調製する過程
で、過剰の塩を除去するいわゆる脱塩を行うことが好ま
しい。このための手段として、ゼラチンをゲル化させて
行うヌーデル水洗法を用いてもよく、また多価アニオン
より成る無機塩類(例えば硫酸ナトリウム)、アニオン
性界面活性剤、アニオン性ポリマー(例えばポリスチレ
ンスルホン酸ナトリウム)、あるいはゼラチン誘導体
(例えば脂肪族アシル化ゼラチン、芳香族アシル化ゼラ
チン、芳香族カルバモイル化ゼラチンなど)を利用した
沈降法を用いても良い。沈降法が好ましく用いられる。
【0229】感光性ハロゲン化銀乳剤は、種々の目的で
イリジウム、ロジウム、白金、カドミウム、亜鉛、タリ
ウム、鉛、鉄、オスミウムなどの重金属を含有させても
良い。これらの化合物は、単独で用いても良いしまた2
種以上組み合わせて用いてもよい。添加量は、使用する
目的によるが一般的には、ハロゲン化銀1モルあたり1
-9〜10-3モル程度である。また含有させる時には、
粒子に均一に入れてもよいし、また粒子の内部や表面に
局在させてもよい。具体的には、特開平2−236,5
42号、同1−116,637号、特願平4−126,
629号等に記載の乳剤が好ましく用いられる。
【0230】感光性ハロゲン化銀乳剤の粒子形成段階に
おいて、ハロゲン化銀溶剤としてロダン塩、アンモニ
ア、4置換チオエーテル化合物や特公昭47−11,3
86号記載の有機チオエーテル誘導体または特開昭53
−144,319号に記載されている含硫黄化合物等を
用いることができる。
【0231】その他の条件については、前記のグラフキ
デ著「写真の物理と化学」、ポールモンテ社刊(P.Glaf
kides,Chemie et Phisique Photographique, Paul Mont
el,1967) 、ダフィン著「写真乳剤化学」、フォーカル
プレス社刊(G.F.Duffin,Photographic Emulsion Chemis
try, Focal Press, 1966) 、ゼリクマンら著「写真乳剤
の製造と塗布」、フォーカルプレス社刊(V.L.Zelikman
et al.,Making and Coating Photographic Emulsion, F
ocal Press, 1964) 等の記載を参照すればよい。すなわ
ち酸性法、中性法、アンモニア法のいずれでもよく、ま
た可溶性銀塩と可溶性ハロゲン塩を反応させる形式とし
ては片側混合法、同時混合法、それらの組み合わせのい
ずれを用いてもよい。単分散乳剤を得るためには、同時
混合法が好ましく用いられる。粒子を銀イオン過剰の下
において形成させる逆混合法も用いることができる。同
時混合法の一つの形式としてハロゲン化銀の生成される
液相中のpAgを一定に保つ、いわゆるコントロールド
・ダブルジェット法も用いることがてきる。
【0232】また、粒子成長を早めるために、添加する
銀塩およびハロゲン塩の添加濃度、添加量、添加速度を
上昇させてもよい(特開昭55−142,329号、同
55−158,124号、米国特許第3,650,75
7号等)。さらに反応液の攪拌方法は、公知のいずれの
攪拌方法でもよい。またハロゲン化銀粒子形成中の反応
液の温度、pHは、目的に応じてどのように設定しても
よい。好ましいpH範囲は2.3〜8.5、より好まし
くは2.5〜7.5である。
【0233】感光性ハロゲン化銀乳剤は通常は化学増感
されたハロゲン化銀乳剤である。本発明の感光性ハロゲ
ン化銀乳剤の化学増感には、通常型感光材料用乳剤で公
知の硫黄増感法、セレン増感法、テルル増感法などのカ
ルコゲン増感法、金、白金、パラヂウムなどを用いる貴
金属増感法および還元増感法などを単独または組合わせ
て用いることができる(例えば特開平3−110,55
5号、特願平4−75,798号など)。これらの化学
増感を含窒素複素環化合物の存在下で行うこともできる
(特開昭62−253,159号)。また後掲するかぶ
り防止剤を化学増感終了後に添加することができる。具
体的には、特開平5−45,833号、特開昭62−4
0,446号記載の方法を用いることができる。化学増
感時のpHは好ましくは5.3〜10.5、より好まし
くは5.5〜8.5であり、pAgは好ましくは6.0
〜10.5、より好ましくは6.8〜9.0である。本
発明において使用される感光性ハロゲン化銀乳剤の塗設
量は、銀換算1mgないし10g/m2の範囲である。
【0234】感光性ハロゲン化銀に緑感性、赤感性、赤
外感性の感色性を持たせるためには、感光性ハロゲン化
銀乳剤をメチン色素類その他によって分光増感する。ま
た、必要に応じて青感性乳剤に青色領域の分光増感を施
してもよい。用いられる色素には、シアニン色素、メロ
シアニン色素、複合シアニン色素、複合メロシアニン色
素、ホロポーラーシアニン色素、ヘミシアニン色素、ス
チリル色素およびヘミオキソノール色素が包含される。
具体的には、米国特許第4,617,257号、特開昭
59−180,550号、同64−13,546号、特
開平5−45,828号、同5−45,834号などに
記載の増感色素が挙げられる。これらの増感色素は単独
に用いてもよいが、それらの組合わせを用いてもよく、
増感色素の組合わせは特に、強色増感や分光感度の波長
調節の目的でしばしば用いられる。
【0235】増感色素とともに、それ自身分光増感作用
を持たない色素あるいは可視光を実質的に吸収しない化
合物であって、強色増感を示す化合物を乳剤中に含んで
もよい(例えば米国特許第3,615,641号、特開
昭63−23,145号等に記載のもの)。これらの増
感色素を乳剤中に添加する時期は化学熟成時もしくはそ
の前後でもよいし、米国特許第4,183,756号、
同4,225,666号に従ってハロゲン化銀粒子の核
形成前後でもよい。またこれらの増感色素や強色増感剤
は、メタノールなどの有機溶媒の溶液、ゼラチンなどの
分散物あるいは界面活性剤の溶液で添加すればよい。添
加量は一般にハロゲン化銀1モル当り10-8ないし10
-2モル程度である。
【0236】このような工程で使用される添加剤および
本発明の熱現像感光材料や色素固定材料に使用できる公
知の写真用添加剤は、前記のRDNo. 17,643、同
No.18,716および同No. 307,105に記載さ
れており、その該当箇所を下記の表にまとめる。 添加剤の種類 RD17643 RD18716 RD307105 1. 化学増感剤 23 頁 648 頁右欄 866 頁 2. 感度上昇剤 648 頁右欄 3. 分光増感剤 23頁〜24頁 648 頁右欄 866〜868 頁 強色増感剤 〜649 頁 4. 蛍光増白剤 24 頁 648 頁右欄 868頁 5. かぶり防止剤、 24頁〜25頁 649 頁右欄 868〜870 頁 安定剤 6. 光吸収剤、 25〜26頁 649 頁右欄 873頁 フィルター染料、 650 頁左欄 紫外線吸収剤 7. 色素画像 25 頁 650 頁左欄 872頁 安定剤 8. 硬膜剤 26 頁 651 頁左欄 874〜875 頁 9. バインダー 26 頁 651 頁左欄 873〜874 頁 10. 可塑剤、 27 頁 650 頁右欄 876頁 潤滑剤 11. 塗布助剤、 26〜27頁 650 頁右欄 875〜876 頁 表面活性剤 12. スタチック 27 頁 650 頁右欄 876〜877 頁 防止剤 13. マット剤 878〜879 頁
【0237】本発明で使用するプリント用ハロゲン化銀
感光材料の感光部材や色素固定材料の構成層のバインダ
ーには親水性のものが好ましく用いられる。その例とし
ては前記のリサーチ・ディスクロージャーおよび特開昭
64−13,546号の(71)頁〜(75)頁に記載されたも
のが挙げられる。具体的には、透明か半透明の親水性バ
インダーが好ましく、例えばゼラチン、ゼラチン誘導体
等の蛋白質またはセルロース誘導体、澱粉、アラビアゴ
ム、デキストラン、プルラン等の多糖類のような天然化
合物とポリビニールアルコール、ポリビニルピロリド
ン、アクリルアミド重合体等の合成高分子化合物が挙げ
られる。また、米国特許第4,960,681号、特開
昭62−245,260号等に記載の高吸水性ポリマ
ー、すなわち−COOMまたは−SO3 M(Mは水素原
子またはアルカリ金属)を有するビニルモノマーの単独
重合体またはこのビニルモノマーどうし、もしくは他の
ビニルモノマーとの共重合体(例えばメタクリル酸ナト
リウム、メタクリル酸アンモニウム、住友化学(株)製
のスミカゲルL−5H)も使用される。これらのバイン
ダーは2種以上組み合わせて用いることもできる。特に
ゼラチンと上記バインダーの組み合わせが好ましい、ま
たゼラチンは、種々の目的に応じて石灰処理ゼラチン、
酸処理ゼラチン、カルシウムなどの含有量を減らしたい
わゆる脱灰ゼラチンから選択すれば良く、組み合わせて
用いることも好ましい。
【0238】微量の水を供給して熱現像を行うシステム
を採用する場合、上記の高吸水性ポリマーを用いること
により、水の吸収を迅速に行うことが可能となる。また
本発明とは別に、高吸水性ポリマーを色素固定層やその
保護層に使用すると、転写後に色素が色素固定要素から
他のものに再転写するのを防止することができる。本発
明のプリント用ハロゲン化銀感光材料において、バイン
ダーの塗布量は1m2 当たり20g以下が好ましく、特
に10g以下、更には7g〜0.5gにするのが適当で
ある。
【0239】本発明のプリント用ハロゲン化銀感光材料
においては、感光性ハロゲン化銀乳剤と共に、有機金属
塩を酸化剤として併用することもできる。このような有
機金属塩の中で、有機銀塩は、特に好ましく用いられ
る。上記の有機銀塩酸化剤を形成するのに使用し得る有
機化合物としては、米国特許第4,500,626号第
52〜53欄等に記載のベンソトリアゾール類、脂肪酸
その他の化合物がある。また米国特許第4,775,6
13号記載のアセチレン銀も有用である。有機銀塩は、
2種以上を併用してもよい。以上の有機銀塩は、感光性
ハロゲン化銀1モルあたり、0.01〜10モル、好ま
しくは0.01〜1モルを併用することができる。感光
性ハロゲン化銀乳剤と有機銀塩の塗布量合計は銀換算で
0.05〜10g/m2、好ましくは0.1〜4g/m2
適当である。
【0240】耐拡散性が高い発色現像主薬を使用する場
合には、耐拡散性発色現像主薬と現像可能なハロゲン化
銀との間に電子移動を促進するために、必要に応じて電
子伝達剤および/または電子伝達剤プレカーサーを組合
せて用いることができる。特に好ましくは、前記米国特
許第5,139,919号、欧州特許公開第418,7
43号、特開平1−138,556号、同3−102,
345号記載のものが用いられる。また特開平2−23
0,143号、同2−235,044号記載のように安
定に層中に導入する方法が好ましく用いられる。
【0241】さらに中間層や保護層に混色防止、色再現
改善、白地改善、色素固定材料への銀移り防止など種々
の目的で上記還元剤を用いることができる。具体的に
は、欧州特許公開第524,649号、同357,04
0号、特開平4−249,245号、同2−64,63
3号、同2−46,450号、特開昭63−186,2
40号記載の還元剤が好ましく用いられる。また特公平
3−63,733号、特開平1−150,135号、同
2−110,557号、同2−64,634号、同3−
43,735号、欧州特許公開第451,833号記載
のような現像抑制剤放出還元性化合物も用いられる。本
発明に於いては還元性の総添加量は銀1モルに対して
0.01〜20モル、特に好ましくは0.1〜10モル
である。
【0242】本発明のプリント用ハロゲン化銀感光材料
においては、カップリングにより形成される色素と組み
合わせて、色素供与性物質や画像形成物質として銀を用
いることができる。また高温状態下で銀イオンが銀に還
元される際、この反応に対応して、あるいは逆対応して
可動性色素を生成するか、あるいは放出する色素供与性
化合物を使用することもできる。
【0243】発色現像主薬、カプラーなどの疎水性添加
剤は米国特許第2,322,027号記載の方法などの
公知の方法により熱現像感光材料の層中に導入すること
ができる。この場合には、米国特許第4,555,47
0号、同4,536,466号、同4,536,467
号、同4,587,206号、同4,555,476
号、同4,599,296号、特公平3−62,256
号などに記載のような高沸点有機溶媒を、必要に応じて
沸点50℃〜160℃の低沸点有機溶媒と併用して、用
いることができる。またこれら色素供与性化合物、耐拡
散性還元剤、高沸点有機溶媒などは2種以上併用するこ
とができる。高沸点有機溶媒の量は用いられる色素供与
性化合物1gに対して10g以下、好ましくは5g以
下、より好ましくは1g〜0.1gである。また、バイ
ンダー1gに対して1cc以下、更には0.5cc以下、特
に0.3cc以下が適当である。また特公昭51−39,
853号、特開昭51−59,943号に記載されてい
る重合物による分散法や特開昭62−30,242号等
に記載されている微粒子分散物にして添加する方法も使
用できる。水に実質的に不溶な化合物の場合には、前記
方法以外にバインダー中に微粒子にして分散含有させる
ことができる。疎水性化合物を親水性コロイドに分散す
る際には、種々の界面活性剤を用いることができる。例
えば特開昭59−157,636号の第(37)〜(38)頁、
前記のリサーチ・ディスクロージャー記載の界面活性剤
として挙げたものを使うことができる。本発明のプリン
ト用ハロゲン化銀感光材料には、現像の活性化と同時に
画像の安定化を図る化合物を用いることができる。好ま
しく用いられる具体的化合物については米国特許第4,
500,626号の第51〜52欄に記載されている。
【0244】色素の拡散性転写により画像を形成するシ
ステムにおいて、本発明の熱現像感光材料の構成層には
不要な色素や着色物を固定化または無色化し、得られる
画像の白地を改良する目的で種々の化合物を添加するこ
とができる。具体的には、欧州公開特許第353,74
1号、同461,416号、特開昭63−163,34
5号、同62−203,158号記載の化合物を用いる
ことができる。
【0245】本発明のプリント用ハロゲン化銀感光材料
熱現像感光材料の構成層には色分離性改良や高感化など
の目的で、種々の顔料や染料を用いることができる。具
体的には前記リサーチ・ディスクロージャー記載の化合
物や、欧州公開特許第479,167号、同502,5
08号、特開平1−167,838号、同4−343,
355号、同2−168,252号、特開昭61−2
0,943号、欧州公開特許第479,167号、同5
02,508号等に記載の化合物や層構成を用いること
ができる。
【0246】色素の拡散転写により画像を形成するシス
テムにおいては熱現像感光材料と共に色素固定材料が用
いられる。色素固定材料は感光材料とは別々の支持体上
に別個に塗設される形態であっても、感光材料と同一の
支持体上に塗設される形態であってもよい。感光材料と
色素固定材料相互の関係、支持体との関係、白色反射層
との関係は米国特許第4,500,626号の第57欄
に記載の関係が本発明にも適用できる。本発明のプリン
ト用ハロゲン化銀感光材料に好ましく用いられる色素固
定材料は媒染剤とバインダーを含む層を少なくとも1層
有する。媒染剤は写真分野で公知のものを用いることが
でき、その具体例としては米国特許第4,500,62
6号第58〜59欄、特開昭61−88,256号第(3
2)〜(41)頁や特開平1−161,236号第(4) 〜(7)
頁に記載の媒染剤、米国特許第4,774,162号、
同4,619,883号、同4,594,308号等に
記載のものを挙げることができる。また、米国特許第
4,463,079号に記載されているような色素受容
性の高分子化合物を用いてもよい。本発明のプリント用
ハロゲン化銀感光材料の色素固定材料に用いられるバイ
ンダーは、前記の親水性バインダーが好ましい。さらに
欧州公開特許第443,529号記載のようなカラギナ
ン類の併用や、特公平3−74,820号記載のような
ガラス転移温度40℃以下のラテックス類を併用するこ
とが好ましく用いられる。色素固定材料には必要に応じ
て保護層、剥離層、下塗り層、中間層、バック層、カー
ル防止層などの補助層を設けることができる。特に保護
層を設けるのは有用である。
【0247】プリント用ハロゲン化銀感光材料の感光部
材および色素固定材料の構成層には、可塑剤、スベリ剤
あるいは感光材料と色素固定材料との剥離性改良剤とし
て高沸点有機溶媒を用いることができる。具体的には、
前記リサーチ・ディスクロージャーや特開昭62−24
5,253号などに記載されたものがある。更に、上記
の目的のために、各種のシリコーンオイル(ジメチルシ
リコーンオイルからジメチルシロキサンに各種の有機基
を導入した変性シリコーンオイルまでの総てのシリコー
ンオイル)を使用できる。その例としては、信越シリコ
ーン(株)発行の「変性シリコーンオイル」技術資料P
6−18Bに記載の各種変性シリコーンオイル、特にカ
ルボキシ変性シリコーン(商品名X−22−3710)
などが有効であるまた特開昭62−215,953号、
同63−46,449号に記載のシリコーンオイルも有
効である。
【0248】感光部材や色素固定材料には退色防止剤を
用いてもよい。退色防止剤としては、例えば酸化防止
剤、紫外線吸収剤、あるいはある種の金属錯体があり、
前記リサーチ・ディスクロージャー記載の色素画像安定
剤や紫外線吸収剤なども、有用である。酸化防止剤とし
ては、例えばクロマン系化合物、クマラン系化合物、フ
ェノール系化合物(例えばヒンダードフェノール類)、
ハイドロキノン誘導体、ヒンダードアミン誘導体、スピ
ロインダン系化合物がある。また、特開昭61−15
9,644号記載の化合物も有効である。紫外線吸収剤
としては、ベンゾトリアゾール系化合物(米国特許第
3,533,794号など)、4−チアゾリドン系化合
物(米国特許第3,352,681号など)、ベンゾフ
ェノン系化合物(特開昭46−2,784号など)、そ
の他特開昭54−48,535号、同62−136,6
41号、同61−88,256号等に記載の化合物があ
る。また、特開昭62−260,152号記載の紫外線
吸収性ポリマーも有効である。金属錯体としては、米国
特許第4,241,155号、同4,245,018号
第3〜36欄、同第4,254,195号第3〜8欄、
特開昭62−174,741号、同61−88,256
号(27)〜(29)頁、同63−199,248号、特開平1
−75,568号、同1−74,272号等に記載され
ている化合物がある。
【0249】色素固定材料に転写された色素の退色を防
止するための退色防止剤は予め色素固定材料に含有させ
ておいてもよいし、熱現像感光材料や後述する転写溶剤
などの外部から色素固定材料に供給するようにしてもよ
い。上記の酸化防止剤、紫外線吸収剤、金属錯体はこれ
らどうしを組み合わせて使用してもよい。感光部材や色
素固定材料には蛍光増白剤を用いてもよい。特に色素固
定材料に蛍光増白剤を内蔵させるか、熱現像感光材料や
転写溶剤などの外部から供給させるのが好ましい。その
例としては、K.Veenkataraman 編集「The Chemistry of
Synthetic Dyes 」第V巻第8章、特開昭61−143
752号などに記載されている化合物を挙げることがで
きる。より具体的には、スチルベン系化合物、クマリン
系化合物、ビフェニル系化合物、ベンゾオキサゾリル系
化合物、ナフタルイミド系化合物、ピラゾリン系化合
物、カルボスチリル系化合物などが挙げられる。蛍光増
白材は退色防止剤や紫外線吸収剤と組み合わせて用いる
ことができる。これらの褪色防止剤、紫外線吸収剤、蛍
光増白剤の具体例は、特開昭62−215,272号(1
25) 〜(137) 頁、特開平1−161,236号(17)〜(4
3)頁に記載されている。
【0250】プリント用ハロゲン化銀感光材料の感光部
材や色素固定材料の構成層に用いる硬膜剤としては、前
記リサーチ・ディスクロージャー、米国特許第4,67
8,739号第41欄、同4,791,042号、特開
昭59−116,655号、同62−245,261
号、同61−18,942号、特開平4−218,04
4号等に記載の硬膜剤が挙げられる。より具体的には、
アルデヒド系硬膜剤(ホルムアルデヒドなど)、アジリ
ジン系硬膜剤、エポキシ系硬膜剤、ビニルスルホン系硬
膜剤(N,N′−エチレン−ビス(ビニルスルホニルア
セタアミド)エタンなど)、N−メチロール系硬膜剤
(ジメチロール尿素など)、あるいは高分子硬膜剤(特
開昭62−234,157号などに記載の化合物)が挙
げられる。これらの硬膜剤は、塗布されたゼラチン1g
あたり0.001〜1g、好ましくは0.005〜0.
5gが用いられる。また添加する層は、感光材料や色素
固定材料の構成層のいずれの層でも良いし、2層以上に
分割して添加しても良い。
【0251】感光部材や色素固定材料の構成層には、種
々のカブリ防止剤または写真安定剤及びそのプレカーサ
ーを使用することができる。その具体例としては、RD
17643(1978年)24〜25頁二期債のアゾー
ルやアザインデン類、特開昭59−168.442号記
載の窒素を含むカルボン酸類及びリン酸類、あるいは特
開昭59−111636号記載のメルカプト化合物及び
その金属塩、特開昭62−87957号に記載されてい
るアセチレン化合物類などがあげられる。本発明におい
てプレカーサーを用いる場合前述の通り感光性ハロゲン
化銀乳剤層に用いることが特に好ましいが、色素固定材
料に使用することもできる。これらの化合物がプレカー
サー出ない場合、銀1モルあたり5×10-6〜1×10
-1モルが好ましく、さらに1×10-5〜1×10-2モル
が好ましく用いられる。プレカーサーの場合より好まし
い使用量は前述のとおりである。
【0252】感光部材や色素固定材料の構成層には、塗
布助剤、剥離性改良、スベリ性改良、帯電防止、現像促
進等の目的で種々の界面活性剤を使用することができ
る。界面活性剤の具体例は前記リサーチ・ディスクロー
ジャー、特開昭62−173,463号、同62−18
3,457号等に記載されている。感光部材や色素固定
材料の構成層には、スベリ性改良、帯電防止、剥離性改
良等の目的で有機フルオロ化合物を含ませてもよい。有
機フルオロ化合物の代表例としては、特公昭57−90
53号第8〜17欄、特開昭61−20944号、同6
2−135826号等に記載されているフッ素系界面活
性剤、またはフッ素油などのオイル状フッ素系化合物も
しくは四フッ化エチレン樹脂などの固体状フッ素化合物
樹脂などの疎水性フッ素化合物が挙げられる。
【0253】感光部材や色素固定材料には、接着防止、
スベリ性改良なとの目的でマット剤を用いることができ
る。マット剤としては二酸化ケイ素、ポリオレフィンま
たはポリメタクリレートなどの特開昭61−88256
号(29)頁記載の化合物の他に、ベンゾグアナミン樹脂ビ
ーズ、ポリカーボネート樹脂ビーズ、AS樹脂ビーズな
どの特開昭63−274944号、同63−27495
2号記載の化合物がある。その他前記リサーチ・ディス
クロージャー記載の化合物が使用できる。これらのマッ
ト剤は、最上層(保護層)のみならず必要に応じて、下
層添加しても良い。その他、感光部材や色素固定材料の
構成層には、熱溶剤、消泡剤、防菌防バイ剤、コロイダ
ルシリカ等を含ませてもよい。これらの添加剤の具体例
は特開昭61−88256号第(26)〜(32)頁、特開平3
−11,338号、特公平2−51,496号等に記載
されている。
【0254】感光部材や色素固定材料には画像形成促進
剤を用いることができる。画像形成促進剤には銀塩酸化
剤と還元剤との酸化還元反応の促進、色素供与性物質か
らの色素の生成または色素の分解あるいは拡散性色素の
放出等の反応の促進および、熱現像感光材料層から色素
固定層への色素の移動の促進等の機能があり、物理化学
的な機能からは塩基または塩基プレカーサー、求核性化
合物、高沸点有機溶媒(オイル)、熱溶剤、界面活性
剤、銀または銀イオンと相互作用を持つ化合物等に分類
される。ただし、これらの物質群は一般に複合機能を有
しており、上記の促進効果のいくつかを合せ持つのが常
である。これらの詳細については米国特許第4,67
8,739号第38〜40欄に記載されている。塩基プ
レカーサーとしては、熱により脱炭酸する有機酸と塩基
の塩、分子内求核置換反応、ロッセン転位またはベック
マン転位によりアミン類放出する化合物などがある。そ
の具体例は米国特許第4,514,493号、同4,6
57,848号等に記載されている。
【0255】少量の水の存在下に熱現像と色素の転写を
同時に行うシステムにおいては、塩基及び/又は塩基プ
レカーサーを色素固定材料に含有させる方法が熱現像感
光材料の保存性を高める意味で好ましい。上記の他に、
欧州特許公開210,660号、米国特許第4,74
0,445号に記載されている難溶性金属化合物および
この難溶性金属化合物を構成する金属イオンと錯形成反
応しうる化合物(錯形成化合物という)の組合せや、特
開昭61−232,451号に記載されている電解によ
り塩基を発生する化合物なども塩基プレカーサーとして
使用できる。特に前者の方法は効果的である。この難溶
性金属化合物と錯形成化合物は、前記特許に記載のよう
に、感光部材や色素固定材に別々に添加することが有利
である。
【0256】感光部材や色素固定材料には、現像時の処
理温度および処理時間の変動に対し、常に一定の画像を
得る目的で種々の現像停止剤を用いることができる。こ
こでいう現像停止剤とは、適正現像後、速やかに塩基を
中和または塩基と反応して膜中の塩基濃度を下げ現像を
停止する化合物または銀および銀塩と相互作用して現像
を抑制する化合物である。具体的には、加熱により酸を
放出する酸プレカーサー、加熱により共存する塩基と置
換反応を起す親電子化合物、または含窒素ヘテロ環化合
物、メルカプト化合物及びその前駆体等が挙げられる。
更に詳しくは特開昭62−253,159号(31)〜(32)
頁に記載されている。
【0257】感光部材や色素固定材料の支持体として
は、処理温度に耐えることのできるものが用いられる。
一般的には、日本写真学会編「写真工学の基礎−銀塩写
真編−」、株式会社コロナ社刊(昭和54年)(223) 〜
(240) 頁記載の紙、合成高分子(フィルム)等の写真用
支持体が挙げられる。具体的には、ポリエチレンテレフ
タレート、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネー
ト、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリプロピレン、
ポリイミド、セルロース類(例えばトリアセチルセルロ
ース)またはこれらのフィルム中へ酸化チタンなどの顔
料を含有させたもの、更にポリプロピレンなどから作ら
れるフィルム法合成紙、ポリエチレン等の合成樹脂パル
プと天然パルプとから作られる混抄紙、ヤンキー紙、バ
ライタ紙、コーティッドペーパー(特にキャストコート
紙)、金属、布類、ガラス類等が用いられる。これら
は、単独で用いることもできるし、ポリエチレン等の合
成高分子で片面または両面をラミネートされた支持体と
して用いることもできる。このラミネート層には、酸化
チタン、群青、カーボンブラックなどの顔料や染料を必
要に応じて含有させておくことができる。この他に、特
開昭62−253,159号(29)〜(31)頁、特開平1−
61,236号(14)〜(17)頁、特開昭63−316,8
48号、特開平2−22,651号、同3−56,95
5号、米国特許第5,001,033号等に記載の支持
体を用いることができる。これらの支持体の裏面は、親
水性バインダーとアルミナゾルや酸化スズのような半導
性金属酸化物、カーボンブラックその他の帯電防止剤を
塗布してもよい。具体的には、特開昭63−220,2
46号などに記載の支持体を使用できる。また支持体の
表面は親水性バインダーとの密着性を改良する目的で種
々の表面処理や下塗りを施すことが好ましく用いられ
る。
【0258】感光部材に画像を露光し記録する方法とし
ては、画像情報を電気信号を経由して発光ダイオード、
各種レーザー(レーザーダイオード、ガスレーザーな
ど)などを発光させ走査露光する方法(特開平2−12
9,625号、特願平3−338,182号、同4−
9,388号、同4−281,442号等に記載の方
法)、画像情報をCRT、液晶ディスプレイ、エレクト
ロルミネッセンスディスプレイ、プラズマディスプレイ
などの画像表示装置に出力し、直接または光学系介して
露光する方法などがある。この中で半導体レーザー(L
D)、発光ダイオード(LED)または非線形光学素子
を組み込んだ固体レーザーを光源として走査露光する方
法が書き込み速度が早く、また装置をコンパクトにでき
るので好ましい。
【0259】感光部材へ画像を記録する光源としては、
上記のように、自然光、タングステンランプ、発光ダイ
オード、レーザー光源、CRT光源などの米国特許第
4,500,626号第56欄、特開平2−53,37
8号、同2−54,672号記載の光源や露光方法を用
いることができる。また、非線形光学材料とレーザー光
等のコヒーレントな光源を組み合わせた波長変換素子を
用いて画像露光することもできる。ここで非線形光学材
料とは、レーザー光のような強い光電界をあたえたとき
に現れる分極と電界との間の非線形性を発現可能な材料
であり、ニオブ酸リチウム、リン酸二水素カリウム(K
DP)、沃素酸リチウム、BaB2O4などに代表される無機
化合物や、尿素誘導体、ニトロアニリン誘導体、例えば
3−メチル−4−ニトロピリジン−N−オキシド(PO
M)のようなニトロピリジン−N−オキシド誘導体、特
開昭61−53462号、同62−210432号に記
載の化合物が好ましく用いられる。波長変換素子の形態
としては、単結晶光導波路型、ファイバー型等が知られ
ておりそのいずれもが有用である。また、前記の画像情
報は、ビデオカメラ、電子スチルカメラ等から得られる
画像信号、日本テレビジョン信号規格(NTSC)に代
表されるテレビ信号、原画をスキャナーなど多数の画素
に分割して得た画像信号、CG、CADで代表されるコ
ンピューターを用いて作成された画像信号を利用でき
る。
【0260】感光部材や色素固定材料は、加熱現像およ
び色素の拡散転写のための加熱手段として導電性の発熱
体層を有する形態であっても良い。この場合の発熱要素
には、特開昭61−145,544号等に記載のものを
利用できる。新規なプリント用ハロゲン化銀感光材料
は、前述の撮影用ハロゲン化銀感光材料とほぼ同じ方法
で現像処理することができる。しかし、プリント用ハロ
ゲン化銀感光材料の場合は、撮影用ハロゲン化銀感光材
料の現像に比べて、現像する面積が大きいこと、撮影用
が感光部材側を目的画像として使用する(処理部材は廃
材となる)に対して、プリント用は色素固定材料が目的
の画像となる(感光部材あるいは熱現像感光材料は廃材
となる)点が大きく異なる。
【0261】熱現像工程での加熱温度は、約50℃〜2
50℃であるが、特に約60℃〜180℃が有用であ
る。色素の拡散転写工程は熱現像と同時に行っても良い
し、熱現像工程終了後に行っても良い。後者の場合、転
写工程での加熱温度は、熱現像工程における温度から室
温の範囲で転写可能であるが、特に50℃以上で、熱現
像工程の温度より約10℃低い温度までが好ましい。
【0262】色素の移動は熱のみによっても生じるが、
色素移動を促進するために溶媒を用いてもよい。また、
米国特許第4,704,345号、同4,740,44
5号、特開昭61−238,056号等に記載されてい
る、少量の溶媒(特に水)の存在下で加熱し現像と転写
を同時または連続して行う方法が有用である。この方式
においては、加熱温度は50℃以上で溶媒の沸点以下が
好ましい。例えば溶媒が水の場合は50℃〜100℃が
好ましい。現像の促進および/または色素の拡散転写の
ために用いる溶媒の例としては、水、無機のアルカリ金
属塩や有機の塩基を含む塩基性の水溶液(これらの塩基
としては画像形成促進剤の項で記載したものが用いられ
る)、低沸点溶媒または低沸点溶媒と水もしくは前記塩
基性水溶液との混合溶液が挙げられる。また界面活性
剤、かぶり防止剤、難溶性金属塩との錯形成化合物、防
黴剤、防菌剤を溶媒中に含ませてもよい。これらの熱現
像、拡散転写の工程で用いられる溶媒としては水が好ま
しく用いられるが、水としては一般に用いられる水であ
れば何を用いても良い。具体的には蒸留水、水道水、井
戸水、ミネラルウォーター等を用いることができる。ま
た本発明の熱現像感光材料および色素固定材料を用いる
熱現像装置でにおいては水を使い切りで使用しても良い
し、循環し繰り返し使用してもよい。後者の場合材料か
ら溶出した成分を含む水を使用することになる。また特
開昭63−144,354号、同63−144,355
号、同62−38,460号、特開平3−210,55
号等に記載の装置や水を用いても良い。
【0263】これらの溶媒は熱現像感光材料、色素固定
材料またはその両者に付与する方法を用いることができ
る。その使用量は全塗布膜の最大膨潤体積に相当する溶
媒の重量以下でよい。この水を付与する方法としては、
例えば特開昭62−253,159号(5) 頁、特開昭6
3−85,544号、特願平8―181、045号等に
記載の方法が好ましく用いられる。また、溶媒をマイク
ロカプセルに閉じ込めたり、水和物の形で予め熱現像感
光材料もしくは色素固定要素またはその両者に内蔵させ
て用いることもできる。付与する水の温度は前記特開昭
63−85,544号等に記載のように30°〜60℃
であれば良い。特に水中での雑菌類の繁殖を防ぐ目的で
45℃以上にすることは有用である。
【0264】また色素移動を促進するために、常温で固
体であり高温では溶解する親水性熱溶剤を熱現像感光材
料および/または色素固定材料に内蔵させる方式も採用
できる。内蔵させる層は感光性ハロゲン化銀乳剤層、中
間層、保護層、色素固定層いずれでも良いが、色素固定
層および/またはその隣接層が好ましい。親水性熱溶剤
の例としては、尿素類、ピリジン類、アミド類、スルホ
ンアミド類、イミド類、アルコール類、オキシム類その
他の複素環類がある。
【0265】現像および/または転写工程における加熱
方法としては、加熱されたブロックやプレートに接触さ
せたり、熱板、ホットプレッサー、熱ローラー、熱ドラ
ム、ハロゲンランプヒーター、赤外および遠赤外ランプ
ヒーターなどに接触させたり、高温の雰囲気中を通過さ
せる方法などがある。熱現像感光材料と色素固定材料を
重ね合わせる方法は特開昭62−253,159号、特
開昭61−147,244号(27)頁記載の方法が適用で
きる。
【0266】本発明の写真要素の処理には種々の熱現像
装置のいずれもが使用できる。例えば、特開昭59−7
5,247号、同59−177,547号、同59−1
81,353号、同60−18,951号、実開昭62
−25,944号、特願平4−277,517号、同4
−243,072号、同4−244,693号等に記載
されている装置などが好ましく用いられる。また市販の
装置としては富士写真フイルム株式会社製ピクトロスタ
ット100、同ピクトロスタット200、同ピクトログ
ラフィー3000、同ピクトログラフィー2000など
が使用できる。
【0267】上記、熱現像感光材料と色素固定要素によ
り得られた画像を、印刷用のカラープルーフとして用い
る場合、その濃度表現の方法は、連続階調制御、または
不連続な濃度の部分を利用した面積階調制御、または両
者を合わせた階調制御のいずれの方法でも良い。露光光
源として、LD、LEDを用いることにより、デジタル
信号の出力が可能となる。これにより、印刷物のデザイ
ン、色味などの画像の制御をCRT上でおこない、最終
出力として、カラープルーフを出力するという使用法
(DDCP)が可能となる。すなわちDDCPはカラー
プルーフの分野において、プルーフの出力を効率的にお
こなうための有効な手段となる。これはカラープリンタ
が、比較的簡易な構成であって廉価であり、またカラー
プリンタでは、周知のように、カラー印刷機に係る製版
フィルムの作成、刷版(PS版)等の作成が不要であ
り、短時間に、複数回容易に、シート上に画像が形成さ
れたハードコピーを作成できることによる。露光光源と
して、LD、LEDを用いる場合、イエロー、マゼン
タ、シアンの3つの分光感度、またはイエロー、マゼン
タ、シアン、クロの4つの分光感度、また望ましい色相
を得ることを目的として、2種以上の色材を混合して得
られる各色の分光感度は、それぞれ20nm以上離れた別
々の波長にその分光感度のピークを持つことが好まし
い。さらに別の方法として、2つまたはそれ以上の異な
る色の分光感度が、10倍以上の感度差がある場合、1
つの露光波長で2種以上の色の画像を得る方法もある。
【0268】続いて、カラープリンタにより、印刷物上
のモアレ等を再現する方法について述べる。低解像度の
カラープリンタにより、高解像度の印刷上に現れるモア
レ等を忠実に再現する印刷用カラープルーフを作成する
ためには、CMYK4版の網点面積率データajのそれ
ぞれに対してしきい値マトリクス24を参照して、それ
ぞれ48800DPIのビットマップデータb’jに変
換する。次に、一定範囲のビットマップデータb’jを
同時に参照して、色毎の面積率ciを数え上げる。次い
で、予め求めておいた前記各色毎の測色値データである
1600DPIの第1の3刺激値データX、Y、Zを計
算する。この第1の3刺激値データX、Y、Zに対して
アンチエリアジングフィルタ処理を行って400DPI
の第2の3刺激値データX′、Y′、Z′を計算する。
この計算データをカラープリンタの入力データにする。
(以上については特願平7-5257号に詳細に記載して
ある。)
【0269】カラープリンタ等の出力装置を用いてカラ
ー画像の記録を行う場合、例えば、イエロー、マゼン
タ、シアンに係る色信号を操作することで所望の色を有
したカラー画像を実現することが可能であるが、前記色
信号は、出力装置の出力特性に依存するため、特性の異
なる外部装置から供給された色信号は、前記出力特性を
考慮して色変換処理を行う必要がある。そこで、当該出
力装置を用いて色の異なる複数の既知のカラーパッチを
作成し、前記のカラーパッチを測色することにより、例
えば、前記カラーパッチの既知の色信号CMYを出力装
置に依存しない刺激値信号XYZに変換する変換関係
(以下、この変換関係を「順変換関係」という)を得、
次いで、前記順変換関係から、刺激値信号XYZを色信
号CMYに変換する変換関係(以下、この変換関係を
「逆変換関係」という)を求め、この逆変換関係を用い
て、前記色変換処理を行う方法がある。ここで、前記刺
激値信号XYZから色信号CMYを求める方法として、
以下の3つの例を挙げるが、本発明の例はこれに限られ
るものではない。
【0270】1. 4点の刺激値信号XYZを頂点とする
四面体を設定し、この四面体により刺激値信号XYZの
空間を分割するとともに、色信号CMYの空間も同様に
して四面体で分割し、対応する四面体中の任意の刺激値
信号XYZに対する色信号CMYを線型演算によって求
める方法。
【0271】2. ニュートン法を用いて、任意の刺激値
信号XYZに対応する色信号CMYを繰り返し演算によ
って求める方法。(PHOTOGRAPHIC SCIENCE AND ENGINEER
ING Volume 16, Number 2. March-April 1972 pp136-pp
143 "Metameric color matching in subtractive color
photography" 参照)
【0272】3. 色信号を第1表色系から第2表色系に
変換する色変換方法において、前記第2表色系の既知の
実色信号から得られる前記第1表色系の実色信号の関係
を第1順変換関係として求める第1ステップと、前記第
1順変換関係を単調関数で近似して、前記実色信号から
なる領域外に仮想色信号を設定する第2ステップと、前
記第2表色系における前記実色信号及び前記仮想色信号
より構成される色信号から得られる前記第1表色系の当
該色信号の関係を第2順変換関係として求める第3ステ
ップと、前記第2変換関係から、繰り返し演算法を用い
て、前記第1表色系の色信号の関係を逆変換関係として
求める第4ステップと、からなり前記逆変換関係を用い
て色信号を第1表色系から第2表色系に変換する方法。
即ちこの変換方法は、色信号を第1表色系から第2表色
系に変換する色変換方法において、第2表色系の既知の
実色信号(例えばCMY色信号)に対応する第1表色系
の実色信号(例えば、XYZ色信号)を求めた後、これ
らの実色信号間における第1順変換関係を単調関数で近
似し、前記実色信号で構成される領域外に仮想色信号を
設定する。そして、前記、実色信号及び前記仮想色信号
からなる第2表色系と第1表色系との間の第2順変換関
係より、ニュートン法に代表される繰り返し演算により
前記第1表色系と前記第2表色系に変換する逆変換関係
を求め、この逆変換関係を用いて色変換を行う方法など
が、例としてあげることができる。
【0273】上記、熱現像感光材料と色素固定要素によ
り得られる画像のサイズは、A列本判、A1〜A6、菊
判、B列本判、B1〜B6、四六判のいずれであっても
良い。またサイズに対応して、熱現像感光材料と色素固
定要素のサイズは巾が100mm〜2000mmの範囲のい
ずれのサイズをとることもできる。熱現像感光材料と色
素固定要素は、材料をロール状またはシート状のいずれ
で供給しても良く、どちらか一方のみロール状で、一方
がシート状の組合せで使用することも可能である。
【0274】次に、本発明のシステム構成について説明
する。本発明の画像作成システムは、基本的には従来か
らある画像入力、画像処理、出力を接続したシステム構
成と同じである。例えば、富士写真フイルム株式会社作
成のカタログ(カタログNo.宣−96・9−FK・2
0−2(FK))には、原稿として撮影、現像処理した
カラーネガフイルム、カラーリバーサルフイルム、カラ
ープリントなどを、ピクトロスキャナーPG−S45で
読みとり、パソコン(パワーマッキントッシュ)上で画
像処理と画像情報の入出力を制御するソフト(ピクトロ
フォトマネジャー)で目的とする画像処理を行い、ピク
トログラフィー3000で出力するシステム構成例が記
載されている。このシステムのブロック図を図1に示
す。
【0275】本発明のシステムでは、撮影用ハロゲン化
銀カラー感光材料の撮影済フイルム(未現像)の処理部
(プロセッサー)を接続したシステム(図2)、出力プ
リントにカップリング色素で画像形成されているプリン
ト用ハロゲン化銀感光材料を用いたシステム(図3)、
これらの両方を兼ね備えているシステム(図4)、その
他のデジタル画像も取り扱うことが可能なマルチシステ
ム(図5)などが使用できる。図で使用の略号は以下の
とうりである。 CATV:放送局と各家庭にあるテレビを有線で接続し
たテレビシステム。 TAプリンター:富士写真フイルム株式会社製の光定着
型感熱カラープリント方式のプリンター。TAとは、Th
ermo-Autochromeの略。 FD:フロッピーディスク Zip:アイオメガ社製高密度磁気記録メディア MO:光磁気ディスク PCカード:DSカメラの画像記録媒体(メディア) DVD:デジタルビデオディスク DSカメラ:電子静止画用カメラ(電子スチールカメ
ラ、デジタルスチールカメラ) プロセッサー:現像処理機 LC:液晶ディスプレー プラズマ:プラズマディスプレー 各種システムについて、更に説明する。上記のシステム
構成は、目的に応じて変形したり、省略したり、追加す
ることが可能である。特に色相の異なる多数のメディア
を取り扱うためのカラーマネジメントシステムを新たに
付け加えたり、文字の入力や印刷原稿の編集のためのラ
スターイメージプロセッサー(RIP)を接続する方法
も好ましく用いられる。また、各種デジタルカメラやデ
ジタルプリンター(インクジェットプリンターや昇華型
プリンターなど)の画像セットアップの違いを補正する
機能や、画像データのフォーマットを変換する機能など
を有する画像処理機能を付け加える方法も好ましく用い
られる。更に、好ましい形態について以下に述べる。 (1)50コマ以下のロール状の撮影済ハロゲン化銀感
光材料を装置に挿入してから60分以内に、これらの撮
影画像情報にもとづく全コマのカラープリントを、1枚
毎に1コマまたは1枚中に複数コマの構成で出力する。 (2)50コマ以下のロール状の撮影済ハロゲン化銀感
光材料を装置に挿入してから30分以内に撮影画像を1
コマづつあるいは複数コマ同時にカラーまたは白黒モニ
ター画面上に表示し、かつ画面上でプリントするコマの
選択、枚数、プリントサイズ、1枚のプリントの中に書
き込む画像種類、枚数、プリントサイズ(拡大縮小倍
率)などの構成を指定し、これらの選択と指定にもとづ
くカラープリントをプリント用ハロゲン化銀感光材料を
用いてA3サイズ1枚あたり5分以下で出力する。 (3)モニター画面上でプリントする画像に任意の文字
を入力する。 (4)モニター画面上でオリジナル画像のプリント濃度
(イエロー、マゼンタ、シアンのカラー調節を含む)お
よび/または階調を任意で行う。 (5)モニター画面上でオリジナル画像の1部を選択し
てプリントする。 (6)モニター画面上でプリントする画像をあらかじめ
メモリーされている画像テンプレートにはめ込むおよび
/またはプリントする画像にあらかじめメモリーされて
いる画像を挿入する。 (7)出力プリントが、透明支持体または/および剥離
して接着可能ないわゆるシール型プリントにする。
【0276】次に画像処理について説明する。本発明の
システムで使用される画像処理は、公知の技術を用いる
ことができる。本発明のシステムにおいては、入力画像
と出力画像を適切なフォーマットで目的とする画像が迅
速に得られる方法であれば、いかなる画像処理方法であ
っても良い。また、文字の挿入や拡大縮小、編集など
は、いかなる方法であっても良い。本発明のシステム
は、画像処理の内容によって限定されるものではない。
【0277】
【実施例】以下、実施例によって本発明の効果を詳しく
説明する。以下に示す実施例の項目と内容をまとめると
次のようになる。 実施例1:撮影用ハロゲン化銀感光材料を作成する方法 (感光部材と処理部材の作成方法) 実施例2:撮影済の実施例1の撮影用ハロゲン化銀感光
材料の現像処理方法 実施例3:プリント用ハロゲン化銀感光材料を作成する
方法 (感光要素と受像要素の作成方法) 実施例4:システムの接続方法と実施例3の感光材料の
露光、現像処理の方法
【0278】実施例1 実施例1では、撮影用ハロゲン化銀感光材料を作成する
方法について述べる。撮影用ハロゲン化銀感光材料は、
感光部材と処理部材(処理材料、処理シートと言うこと
もある)から構成される。感光部材は、従来のカラーネ
ガフイルムと同様の使用方法により、撮影することがで
きる。また、現像は、処理液は使用せず、少量の水を感
光部材に塗布した後、または塗布しながら、処理部材と
張り合わせて加熱することにより達成できるものであ
る。目的とする最終画像としては、現像処理後の感光部
材が使用される。撮影用ハロゲン化銀感光材料において
は、処理後の処理部材は、廃材となる。以下に、感光部
材の作成方法について述べる。 <感光性ハロゲン化銀乳剤の調製方法>
【0279】青色感光性ハロゲン化銀乳剤(1)の調製
法を以下に示す。平均分子量12000のゼラチン0.
96gおよび臭化カリウム0.9gを含む蒸留水119
1mlを反応容器中に入れ、40℃に昇温した。この溶
液に強く攪拌しながら硝酸銀0.5gを含む水溶液
(A)10.5mlと臭化カリウム0.35gを含む水
溶液(B)10mlとを150秒間で添加した。添加終了後
30秒後に臭化カリウム10%水溶液を12mlを添加
し、30秒後に、反応溶液の温度を75℃に上昇させ
た。石灰処理ゼラチン35.0gを蒸留水250mlと
共に加えた後、硝酸銀10.0gを含む水溶液(C)3
9mlと臭化カリウム6.7gを含む水溶液(D)30
mlとを添加流量を加速しながら3分15秒間にわたっ
て添加した。次いで硝酸銀96.7gを含む水溶液
(E)302mlと沃化カリウムを臭化カリウムとのモ
ル比7:93で含む水溶液(F)(臭化カリウムの濃度
26%)とを添加流量を加速しながら、かつ反応液の銀
電位が飽和カロメル電極に対して-20mVとなるように
20分間で添加した。さらに硝酸銀24.1gを含む水
溶液(G)97mlと臭化カリウムの21.9%水溶液
(H)と3分間にわたって、かつ反応液の銀電位が飽和
カロメル電極に対して25mVとなるように添加した。添
加終了後1分間75℃に保った後、反応液の温度を55
℃に下降させた。次いで、1規定の水酸化ナトリウム1
5mlを添加した。その後2分後、硝酸銀5gを含む水
溶液(I)100mlと沃化カリウム4.7gを含む水
溶液(J)200.5mlとを5分間にわたって添加し
た。添加終了後臭化カリウム7.11gを加え、55℃
で1分間保った後、さらに硝酸銀62gを含む水溶液
(K)248mlと臭化カリウム48.1gを含む水溶
液(L)231mlとを8分間にわたって添加した。そ
の30秒後に、エチルチオスルホン酸ナトリウム0.03g
を含む水溶液を添加した。温度を下げ、花王製デモール
を用いて、乳剤粒子を凝集沈降せしめて脱塩を行った。
分散は、ベンゼンチオスルホン酸ナトリウムと、フェノ
キシエタノールと水溶性ポリマー(10)と石灰処理ゼラチ
ンを添加して行った。
【0280】化学増感は、60℃にて行った。増感色素
(12)をゼラチン分散物として、化学増感前に添加し
た後に、チオシアン酸カリウムと塩化金酸の混合液を添
加し、次いで、チオ硫酸ナトリウム、セレン増感剤を添
加し、化学増感の停止は、メルカプト化合物で行った、
増感色素、化学増感剤、メルカプト化合物の量は、感
度、カブリで最適化した。得られた粒子は平板粒子が全
粒子の全投影面積の99%を超える割合を占め、平均球
相当直径は1.07ミクロンで、平均厚み0.38μm、等
価円直径1.47μm、アスペクト比3.9であった。
【0281】
【化47】
【0282】
【化48】
【0283】青色感光性ハロゲン化銀乳剤(2)の調製
法を以下に示す。平均分子量12000のゼラチン0.
96gおよび臭化カリウム0.9gを含む蒸留水119
1mlを反応容器中に入れ、40℃に昇温した。この溶
液に強く攪拌しながら硝酸銀1.5gを含む水溶液
(A)37.5mlと臭化カリウム1.051gを含む
水溶液(B)37.5mlとを90秒間で添加した。添
加終了後30秒後に臭化カリウム10%水溶液を12m
lを添加し、30秒後に、反応溶液の温度を75℃に上
昇させた。石灰処理ゼラチン35.0gを蒸留水250
mlと共に加えた後、硝酸銀29.0gを含む水溶液
(C)116mlと臭化カリウム20gを含む水溶液
(D)91mlとを添加流量を加速しながら11分35
秒間にわたって添加した。次いで硝酸銀96.7gを含
む水溶液(E)302mlと沃化カリウムを臭化カリウ
ムとのモル比3.3:96.7で含む水溶液(F)(臭化カリ
ウムの濃度26%)とを添加流量を加速しながら、かつ
反応液の銀電位が飽和カロメル電極に対して2mVとな
るように20分間で添加した。さらに硝酸銀24.1g
を含む水溶液(G)97mlと臭化カリウムの21.9
%水溶液(H)とを3分間にわたって、かつ反応液の銀
電位が飽和カロメル電極に対して0mVとなるように添
加した。添加終了後1分間75℃に保った後、反応液の
温度を55℃に下降させた。次いで、1規定の水酸化ナ
トリウム15mlを添加した。その後2分後、硝酸銀1
0.4gを含む水溶液(I)153mlと沃化カリウム
9.35gを含む水溶液(J)414.5mlとを5分
間にわたって添加した。添加終了後臭化カリウム7.1
1gを加え、55℃で1分間保った後、さらに硝酸銀5
7.1gを含む水溶液(K)228mlと臭化カリウム
43.9gを含む水溶液(L)201mlとを8分間に
わたって添加した。その30秒後に、エチルチオスルホ
ン酸ナトリウム0.04gを含む水溶液を添加した。温度を
下げ、青色感光性ハロゲン化銀乳剤(1)と同様にし
て、脱塩分散を行った。化学増感は、青色感光性ハロゲ
ン化銀乳剤(1)とセレン増感剤を添加しない以外は、
同様に行った。増感色素、化学増感停止のメルカプト化
合物は、乳剤粒子の表面積に概ね比例した。得られた粒
子は平板粒子が全粒子の全投影面積の99%を超える割
合を占め、平均球相当直径は0.66ミクロンで、平均
厚み0.17μm、等価円直径1.05μm、アスペクト比6.3
であった。
【0284】青色感光性ハロゲン化銀乳剤(3)の調製
法を以下に示す。石灰処理ゼラチン17.8g、臭化カ
リウム6.2gとヨウ化カリウム0.46gを含む蒸留
水1345mlを反応容器中に入れ、45℃に昇温し
た。この溶液に強く攪拌しながら硝酸銀11.8gを含
む水溶液70ml(A)と臭化カリウム3.8gを含む
水溶液70ml(B)とを45秒間で添加した。4分間
45℃に保った後、反応溶液の温度を63℃に上昇させ
た。石灰処理ゼラチン24gを蒸留水185mlと共に
加えた後、硝酸銀73gを含む水溶液208ml(C)
と臭化カリウムの24.8%水溶液(D)とを添加流量
を加速しながら、かつ反応液の銀電位が飽和カロメル電
極に対して0mVとなるように13分間にわたって添加
した。添加終了後2分間63℃に保った後、反応液の温
度を45℃に下降させた。次いで、1規定の水酸化ナト
リウム15mlを添加した。その後2分後、硝酸銀8.
4gを含む水溶液60ml(E)と沃化カリウム8.3
gを含む水溶液461ml(F)とを5分間にわたって
添加した。さらに硝酸銀148.8gを含む水溶液49
6ml(G)と臭化カリウムの25%水溶液(H)とを
反応液の銀電位が飽和カロメル電極に対して90mVと
なるように47分間にわたって添加した。添加終了30
秒後に臭化カリウム2gおよびエチルチオスルホン酸ナ
トリウム0.06gを含む水溶液を添加した。温度を下げ、
青色感光性ハロゲン化銀乳剤(2)と同様にして、脱塩
および分散、化学増感を行った。得られた乳剤は球相当
の直径で表した平均粒子サイズ0.44μm、平均厚み0.
2μm、等価円直径0.53μm、平均粒子アスペクト比2.6
の六角平板粒子であった。
【0285】緑色感光性ハロゲン化銀乳剤(4)の調製
法を以下に示す。平均分子量12000のゼラチン0.
96gおよび臭化カリウム0.9gを含む蒸留水119
1mlを反応容器中に入れ、40℃に昇温した。この溶
液に強く攪拌しながら硝酸銀0.7gを含む水溶液
(A)17.5mlと臭化カリウム1.051gを含む
水溶液(B)17.5mlとを120秒間で添加した。添加
終了後30秒後に臭化カリウム10%水溶液を12ml
を添加し、30秒後に、反応溶液の温度を75℃に上昇
させた。石灰処理ゼラチン35.0gを蒸留水250m
lと共に加えた後、硝酸銀19.0gを含む水溶液
(C)56mlと臭化カリウム10gを含む水溶液
(D)461mlとを添加流量を加速しながら7分35
秒間にわたって添加した。次いで硝酸銀96.7gを含
む水溶液(E)302mlと沃化カリウムを臭化カリウ
ムとのモル比3.3:96.7で含む水溶液(F)(臭化カリ
ウムの濃度26%)とを添加流量を加速しながら、かつ
反応液の銀電位が飽和カロメル電極に対して0mVとな
るように20分間で添加した。さらに硝酸銀24.1g
を含む水溶液(G)97mlと臭化カリウムの21.9
%水溶液(H)とを3分間にわたって、かつ反応液の銀
電位が飽和カロメル電極に対して0mVとなるように添
加した。添加終了後1分間75℃に保った後、反応液の
温度を55℃に下降させた。次いで、硝酸銀8.3gを
含む水溶液(I)122mlと沃化カリウム7.48g
を含む水溶液(J)332mlとを5分間にわたって添
加した。添加終了後臭化カリウム7.11gを加え、5
5℃で1分間保った後、さらに硝酸銀62.8gを含む
水溶液(K)228mlと臭化カリウム48.3gを含
む水溶液(L)201mlとを8分間にわたって添加し
た。温度を下げ、青色感光性ハロゲン化銀乳剤(1)と
同様にして脱塩及び分散を行った。化学増感も、増感色
素(12)の代わりに増感色素(13)、(14)、
(15)の混合物のゼラチン分散物を添加した以外は、
青色感光性ハロゲン化銀乳剤(1)と同様にして行っ
た。得られた粒子は平板粒子が全粒子の全投影面積の9
9%を超える割合を占め、平均球相当直径は0.85ミ
クロンで、平均厚み0.26μm、等価円直径1.25μm、
アスペクト比4.8であった。
【0286】
【化49】
【0287】緑色感光性ハロゲン化銀乳剤(5)の調製
法を以下に示す。粒子形成中の水酸化ナトリウムとエチ
ルチオスルホン酸ナトリウムを添加しない以外は、青色
感光性ハロゲン化銀乳剤(2)と同様にして、脱塩およ
び分散を行い、化学増感は、緑色感光性ハロゲン化銀乳
剤(4)と同様にした。得られた粒子は平板粒子が全粒
子の全投影面積の99%を超える割合を占め、平均球相
当直径は0.66ミクロンで、平均厚み0.17μm、等価
円直径1.05μm、アスペクト比6.3であった。
【0288】緑色感光性ハロゲン化銀乳剤(6)の調製
法を以下に示す。粒子形成中の水酸化ナトリウムを添加
しないで、エチルチオスルホン酸ナトリウムを4mgに変
更する以外は、青色感光性ハロゲン化銀乳剤(3)と同
様にして、粒子形成、脱塩および分散を行い、化学増感
に於てセレン増感剤を添加しない以外は、緑色感光性ハ
ロゲン化銀乳剤(4)と同様にして化学増感を行った。
得られた乳剤は球相当の直径で表した平均粒子サイズ
0.44μm、平均厚み0.2μm、等価円直径0.53μm、
平均粒子アスペクト比2.6の六角平板粒子であった。
【0289】赤色感光性ハロゲン化銀乳剤(7)の調製
法を以下に示す。化学増感時の増感色素を増感色素(1
6)のゼラチン分散物、増感色素(17)、(18)の
混合物のゼラチン分散物にして、添加した以外は、緑色
感光性ハロゲン化銀乳剤(4)と同様にして調製した。
得られた粒子は平板粒子が全粒子の全投影面積の99%
を超える割合を占め、平均球相当直径は0.85ミクロ
ンで、平均厚み0.26μm、等価円直径1.25μm、
アスペクト比4.8であった。
【0290】
【化50】
【0291】赤色感光性ハロゲン化銀乳剤(8)の調製
法を以下に示す。化学増感時の増感色素を増感色素(1
6)のゼラチン分散物、増感色素(17)、(18)の
混合物のゼラチン分散物にして、添加した以外は、緑色
感光性ハロゲン化銀乳剤(5)と同様にして調製した。
得られた粒子は平板粒子が全粒子の全投影面積の99%
を超える割合を占め、平均球相当直径は0.66ミクロ
ンで、平均厚み0.17μm、等価円直径1.05μm、アスペ
クト比6.3であった。
【0292】赤色感光性ハロゲン化銀乳剤(9)の調製
法を以下に示す。化学増感時の増感色素を増感色素(1
6)のゼラチン分散物、増感色素(17)、(18)の
混合物のゼラチン分散物にして、添加した以外は、緑色
感光性ハロゲン化銀乳剤(6)と同様にして調製した。
得られた乳剤は球相当の直径で表した平均粒子サイズ
0.44μm、平均厚み0.2μm、等価円直径0.53μm、
平均粒子アスペクト比2.6の六角平板粒子であった。
【0293】<水酸化亜鉛分散物の調製方法>一次粒子
の粒子サイズが0.2μmの水酸化亜鉛の粉末31g、
分散剤としてカルボキシメチルセルロース1.6gおよ
びポリアクリル酸ソーダ0.4g、石灰処理オセインゼ
ラチン8.5g、水158.5mlを混合し、この混合物
をガラスビーズを用いたミルで1時間分散した。分散
後、ガラスビーズを濾別し、水酸化亜鉛の分散物188
gを得た。
【0294】<発色現像主薬及びカプラーの乳化分散物
の調製方法>表1に示す組成の油相成分、水相成分をそ
れぞれ溶解し、60℃の均一な溶液とする。油相成分と
水相成分を合わせ、1リットルのステンレス容器中で、
直径5cmのディスパーサーのついたディゾルバーによ
り、10000 rpmで20分間分散した。これに、後加
水として、表1に示す量の温水を加え、2000 rpmで
10分間混合した。このようにして、シアン、マゼン
タ、イエロー3色のカプラーの乳化分散物を調製した。
【0295】
【表1】
【0296】
【化51】
【0297】
【化52】
【0298】<イエローフィルター及びアンチハレーシ
ョン層用染料組成物の調製>染料組成物は以下のように
乳化分散物として調製し添加した。ロイコ染料と顕色剤
および必要に応じて高沸点有機溶媒(1)を秤量し、酢
酸エチルを加え、約60℃に加熱溶解させ均一な溶液と
し、この溶液100ccに対し、界面活性剤(7)を1.
0g、約60℃に加熱した石灰処理ゼラチンの6.6%
水溶液190ccを加え、ホモジナイザーで10分間10
000 rpmで分散した。表2に示した、2種類の染料分
散物を作成した。
【0299】
【表2】
【0300】
【化53】
【0301】<支持体の作成>ついで以下に示す方法に
て本発明に用いる支持体を作成した。ポリエチレンー
2,6―ナフタレート(PEN)ポリマー100重量単
位と紫外線吸収剤としてTinuvin P.326(チバ.ガ
イギー社製)2重量部とを乾燥した後、300度にて溶
融後、T型ダイから押し出し、140度で3.3倍の縦
延伸を行い、続いて130度で3.3倍の横延伸を行
い、更に250度で6秒間熱固定して厚さ92μmのP
ENフィルムを得た。なおこのPENフィルムにはブル
ー染料、マゼンタ染料、イエロー染料(公開技報:公技
番号94−6023号記載のI―1、I―4、I―6、
I―24、I―26、I―27、II―5)をイエロー濃
度0.01、マゼンタ濃度0.08、シアン濃度0.0
9になるよう添加した。更に、直径20cmのステンレ
ス巻き芯に巻き付けて、113度、30時間の熱履歴を
与え、巻きぐせのつきにくい支持体とした。
【0302】<下塗り層の塗設>上記支持体は、その両
面にコロナ放電処理、UV照射処理、さらにグロー放電
処理をした後、それぞれの面にゼラチン(0.1g/m
2 )、ソジウムα−スルホジ−2−エチルヘキシルサク
シネート(0.01g/m2 )、サルチル酸(0.02
5g/m2 )、PQ−1(0.005g/m2 )、PQ
−2(0.006g/m2 )からなる下塗液を塗布して
(10cc/m2 、バーコーター使用)、下塗層を延伸
時高温面側に設けた。乾燥は115度、6分実施した
(乾燥ゾーンのローラーや搬送装置はすべて115度と
した)。
【0303】
【化54】
【0304】<バック層の塗設> 1)帯電防止層の塗設 平均粒径0.005μの酸化スズ−酸化アンチモン複合物の
比抵抗は5Ω・cmの微粒子粉末の分散物(2次凝集粒
子径 約0.08μ;0.027g/m2 )、ゼラチン(0.03g/m2)
、(CH2=CHSO2CH2CH2NHCO)2CH2 (0.02g/m2)、ポリ
(重合度10)オキシエチレン−p−ノニルフェノール
(0.005g/m2)、PQ−3(0.008g/m2)及びレゾルシンを塗
布した。
【0305】
【化55】
【0306】磁気記録層の塗設 3−ポリ(重合度15)オキシエチレン−プロピルオキ
シトリメトキシシラン(15重量%)で被覆処理されたコバ
ルト−γ−酸化鉄(比表面積43m2/g、長軸0.14μ、短軸
0.03μ、飽和磁化89emu/g、Fe+2/Fe +3=6/94、表面は
酸化アルミ酸化珪素で酸化鉄の2重量%で処理されてい
る)0.06g/m2をジアセチルセルロース1.15g/m2(酸化鉄
の分散はオープンニーダーとサンドミルで実施した)、
硬化剤としてPQ−4(0.075g/m2)、PQ−5(0.004g/
m2) を、溶媒としてアセトン、メチルエチルケトン、シ
クロヘキサノン、ジブチルフタレートを用いてバーコー
ターで塗布し、膜厚1.2μの磁気記録層を得た。滑り剤
としてC6H13CH(OH)C10H20COOC40H81(50g/m2)、マット
剤としてシリカ粒子(平均粒径1.0μ)と研磨剤の酸化
アルミ(レイノルズメタルReynolds Metal社製ERC-DB
M;平均粒径0.44μ)をそれぞれ5mg/ m2 及び15m
g/ m2となるように添加した。乾燥は115℃、6分実施し
た(乾燥ゾーンのローラーや搬送装置はすべて115
℃)。X−ライト(ブルーフィルター)での磁気記録層
のDB の色濃度増加分は約0.1、また磁気記録層の飽和
磁化モーメントは4.2emu/g、保磁力7.3×104 A/m、角
形比は65%であった。
【0307】
【化56】
【0308】滑り層の調整 ヒドロキシエチルセルロース(25mg/m2)、PQ−6(7.5
mg/m2)、PQ−7(1.5mg/m2)ポリジメチルシロキサ
ン(B−3)1.5mg/m2を塗布した。なお、この混合物
は、キシレン/プロピレングリコールモノメチルエーテ
ル(1/1)中で105℃で溶融し、常温のプロピレンモノメチ
ルエーテル(10倍量)に注加分散して作成した後、アセト
ン中で分散物(平均粒径0.01μ)にしてから添加した。
乾燥は115℃、6分行った(乾燥ゾーンのローラーや搬
送装置はすべて115℃)。滑り層は、動摩擦係数0.10(5
mmφのステンレス硬球、加重100g、スピード6cm/分)、
静摩擦係数0.09(クリップ法)、また後述する乳剤面と
滑り層の動摩擦係数も0.18と優れた特性であった。
【0309】
【化57】
【0310】以上の素材、ベースを用い、表3、表4、
表5、表6、表7に示す多層構成の感光部材101を作
製した。
【0311】
【表3】
【0312】
【表4】
【0313】
【表5】
【0314】
【表6】
【0315】
【表7】
【0316】
【化58】
【0317】次に撮影用ハロゲン化銀感光材料用の処理
部材(処理シート、あるいは処理材料と呼ぶこともあ
る)の作成方法について述べる。撮影用ハロゲン化銀感
光材料用の処理部材R1000は、表8、表9のような
構成で、支持体上に塗布することにより作成した。
【0318】
【表8】
【0319】
【表9】
【0320】
【化59】
【0321】次に撮影用フイルムの準備と撮影方法につ
いて述べる。撮影用ハロゲン化銀感光材料の感光部材
(撮影用フイルム、あるいはフイルムと呼ぶことがあ
る)として作成した感光部材101を、25枚撮りAP
Sフォーマットに裁断、穿孔し、APSカメラに装填し
て人物とマクベスチャートを撮影した。次に処理部材の
加工について述べる。作成した処理部材R1000は、
50mm幅に裁断し、5mの長さを1.5インチ巻き心
にまいて、処理部材カセットに入れた。処理部材カセッ
トの概略は、図6中に示されるようなものである。
【0322】実施例2 実施例2では、実施例1で作成し、撮影した撮影用感光
性ハロゲン化銀感光材料の現像処理について述べる。ま
ず、図6の概略図に示すような、装置を作成した。この
装置は、撮影用ハロゲン化銀感光材料を現像処理、読み
込み、画像処理部に情報を転送する入力機と、画像処理
部から送られてくる出力画像情報に従ってプリント用ハ
ロゲン化銀感光材料を露光、現像処理し、目的とするプ
リントが出力できる出力機の二つの部分からなってい
る。入力部には、撮影済フイルム(感光部材)の挿入す
る部分、感光部材に水を付与する部分(水塗布部)、処
理部材をロール状に巻いて供給する処理部材カセットの
部分、水塗布した感光部材と処理部材を張り合わせて加
熱するための熱現像ドラム、処理後(熱現像後)のフイ
ルムの画像濃度を測定するCCDエリアセンサー部、お
よび濃度測定のための光源がある。また、出力部には、
プリント用感光材料のロール状フイルム供給部(図の中
でDと表示されている)、ロール状受像材料供給部(図
の中でRと表示されている)、感光材料を露光するため
の3本のLDからなるLDユニット部、感光材料に水を
付与するための水塗布ユニット、水塗布された感光材料
と受像材料を張り合わせた後に現像するための平板熱現
像部がある。本実施例2では、このうちの入力機の部分
を使用して、現像処理を行った。入力機は、撮影済の撮
影用ハロゲン化銀感光材料の感光部材(以下撮影済フイ
ルムという)をセットし、操作盤を操作すると、自動的
に搬送されて、水塗布ユニットで感材表面に40℃の水
が塗布され(塗布量は、1m2あたり約16cc)、つい
で処理部材R1000と膜面どおしを張り合わせて、ド
ラム現像部に送られる。ドラム現像部では、ドラム表面
が85℃に加熱されていて張り合わされた二つの材料が
現像ベルトと現像ドラムの間に挟まれて送られる。ドラ
ムで処理された撮影済フイルムは、処理部材と剥離され
て、濃度読みとり部分へ送られる。濃度読みとり部分
は、CCDエリアセンサーを使用してR、G、Bの画像
濃度を読みとれるように設計した。読みとられたフイル
ムは、巻きとられた。また、読みとられた画像情報はS
CSI(SCSIハーフピッチコネクタ、ピンタイプx
2)インターフェースケーブルを通して画像処理部に送
られるようにした。現像処理、読みとり、データ転送
は、1コマづつ次々と連続的に行われた。感光部材に水
を付与して処理部材と張り合わせてから、15秒間加熱
(85℃)した後に剥離する(つまり、現像時間は15
秒である)ように調節した。現像時間25枚の現像が終
了するまでの時間は、撮影済フイルムをセットして、処
理をスタートしてから約2分かかった。
【0323】実施例3 実施例3では、プリント用ハロゲン化銀感光材料の作成
方法について述べる。プリント用ハロゲン化銀感光材料
は、感光部材(感光要素または感光材料と言うことがあ
る)と受像材料(色素固定材料、色素固定要素、色素固
定部材、受像要素、受像部材と言うことがある)からな
る。最終プリントは、処理後の受像材料に形成される。
プリント用ハロゲン化銀感光材料の現像処理において
は、処理液は使用せず、少量の水を感光要素に塗布した
後に、受像要素と張り合わせて加熱することにより達成
できるものである。プリント用ハロゲン化銀感光材料に
おいては、処理後の感光材料は、廃材となる。以下にま
ず受像材料の作成方法について述べる。表10、表11
に示す構成の受像要素PR101を作製した。
【0324】
【表10】
【0325】
【表11】
【0326】
【化60】
【0327】
【化61】
【0328】
【化62】
【0329】
【化63】
【0330】次に、プリント用ハロゲン化銀感光材料の
感光要素の作り方について説明する。感光要素の分光感
度は、感光要素を露光する装置の露光光源によって、任
意に調節することが可能であるが、本実施例では、富士
写真フイルム株式会社製のデジタルプリンターであるピ
クトログラフィー3000を使用して出力のプリントを
作成するために、あえてピクトログラフィー3000の
露光波長に合わせて作成した。始めに、感光性ハロゲン
化銀乳剤の作り方について述べる。
【0331】感光性ハロゲン化銀乳剤(1) 〔第5層(6
80nm感光層)用乳剤〕 良く攪拌している表12に示す組成の水溶液に表13に
示す組成の(I)液と(II) 液を13分間かけて同時に
添加し、又、その10分後に、表13に示す組成の(II
I) 液と(IV)液を33分間かけて添加した。
【0332】
【表12】
【0333】
【表13】
【0334】
【化64】
【0335】又、III 液の添加開始13分後から27分
間かけて増感色素を0.350%含有する水溶液15
0ccを添加した。
【0336】
【化65】
【0337】常法により水洗、脱塩(沈降剤aを用いて
pHを4.1で行った)後、石灰処理オセインゼラチン
22gを加えて、pHを6.0、pAgを7.9に調節
した後、60℃で化学増感した。化学増感に用いた化合
物は、表14に示す通りである。得られた乳剤の収量は
630gで変動係数10.2%の単分散立方体塩臭化銀
乳剤で、平均粒子サイズは0.20μmであった。
【0338】
【化66】
【0339】
【表14】
【0340】
【化67】
【0341】感光性ハロゲン化銀乳剤(2) 〔第3層(7
50nm感光層)用乳剤〕 良く攪拌している表15に示す組成の水溶液に表16に
示す組成の(I)液と(II) 液を18分間かけて同時に
添加し、又、その10分後に表16に示す組成の(III)
液と(IV)液を24分間かけて添加した。
【0342】
【表15】
【0343】
【表16】
【0344】常法により水洗、脱塩(沈降剤bを用いて
pHを3.9で行った)後、脱カルシウム処理した石灰
処理オセインゼラチン(カルシウム含有率150PPM
以下)22gを加えて、40℃で再分散し、4−ヒドロ
キシ−6−メチル−1,3,3a,−7−テトラザイン
デンを0.39g加えて、pHを5.9、pAgを7.
8に調節した。その後、表17に示す薬品を用いて70
℃で化学増感した。又、化学増感の最後に増感色素を
メタノール溶液として(表18に示す組成の溶液)添加
した。さらに、化学増感後40℃に降温して後に述べる
安定剤のゼラチン分散物200gを添加し、良く攪拌
した後収納した。得られた乳剤の収量は938gで変動
係数12.6%の単分散立方体塩臭化銀乳剤で、平均粒
子サイズは0.25μmであった。なお750nm感光層
用の乳剤はJ−バンド型の分光感度を有するものであっ
た。
【0345】
【化68】
【0346】
【表17】
【0347】
【表18】
【0348】
【化69】
【0349】感光性ハロゲン化銀乳剤(3) 〔第1層(8
10nm感光層)用乳剤〕 良く攪拌している表19に示す組成の水溶液に表20に
示す組成の(I)液と(II)液を18分間かけて同時に添
加し、又、その10分後に表20に示す組成の(III) 液
と(IV) 液を24分間かけて添加した。
【0350】
【表19】
【0351】
【表20】
【0352】常法により水洗、脱塩(沈降剤aを用いて
pHを3.8で行った)後、石灰処理オセインゼラチン
22gを加えて、pHを7.4、pAgを7.8に調節
した後、60℃で化学増感した。化学増感に用いた化合
物は、表21に示す通りである。得られた乳剤の収量は
680gで変動係数9.7%の単分散立方体塩臭化銀乳
剤で、平均粒子サイズは0.32μmであった。
【0353】
【表21】
【0354】コロイド銀のゼラチン分散物の調整法につ
いて述べる。良く攪拌している表22に示す組成の水溶
液に、表23に示す組成の液を24分間かけて添加し
た。その後沈降剤aを用いて、水洗した後、石灰処理オ
セインゼラチン43gを加えて、pHを6.3に合わせ
た。平均粒子サイズは0.02μmで収量は、512g
であった。(銀2%、ゼラチン6.8%を含有する分散
物)
【0355】
【表22】
【0356】
【表23】
【0357】次に疎水性添加剤のゼラチン分散物の調製
法について述べる。
【0358】イエローカプラー、マゼンタカプラー、シ
アンカプラー、及び現像主薬のゼラチン分散物をそれぞ
れ表24の処方どおり調製した。即ち各油相成分を、約
70℃に加熱溶解させ均一な溶液とし、この溶液に約6
0℃に加温した水相成分を加え攪拌混合した後、ホモジ
ナイザーで10分間、10000rpmにて分散した。
これに加水し、攪拌して均一な分散物を得た。
【0359】
【表24】
【0360】
【化70】
【0361】
【化71】
【0362】カブリ防止剤及び還元剤のゼラチン分
散物を、表25の処方どおり調製した。即ち油相成分を
約60℃に加熱溶解させこの溶液に約60℃に加温した
水相成分を加え、攪拌混合した後ホモジナイザーで10
分間、10000rpmにて分散し、均一な分散物を得
た。
【0363】
【表25】
【0364】
【化72】
【0365】
【化73】
【0366】
【化74】
【0367】
【化75】
【0368】還元剤のゼラチン分散物を、表26の処
方どおり調製した。即ち油相成分を、約60℃に加熱溶
解させこの溶液に約60℃に加温した水相成分を加え、
攪拌混合した後ホモジナイザーで10分間、10000
rpmにて分散し、均一な分散物を得た。さらに得られ
た分散物から減圧脱有機溶剤装置を用いて酢酸エチルを
除去した。
【0369】
【表26】
【0370】
【化76】
【0371】ポリマーラテックス(a) の分散物を、表2
7の処方どおり調製した。即ち表27の量のポリマーラ
テックス(a)、界面活性剤、水の混合液を攪拌しなが
らアニオン性界面活性剤を10分間かけて添加し、均
一な分散物を得た。さらに得られた分散物を限外ロカモ
ジュール(旭化成製限外ロカモジュール:ACV−30
50)を用いて、水による希釈と濃縮を繰り返して、分
散物中の塩濃度が9分の1になるように調製した。
【0372】
【表27】
【0373】
【化77】
【0374】安定化剤のゼラチン分散物を、表28の
処方どおり調製した。即ち油相成分を、室温で溶解さ
せ、この溶液に約40℃に加温した水相成分を加え、攪
拌混合した後ホモジナイザーで10分間、10000r
pmにて分散した。これに加水し、攪拌して均一な分散
物を得た。
【0375】
【表28】
【0376】水酸化亜鉛のゼラチン分散物を、表29の
処方どおり調製した。即ち各成分を混合溶解した後、ミ
ルで平均粒径0.75mmのガラスビーズを用いて30分
間分散した。さらにガラスビーズを分離除去し、均一な
分散物を得た。
【0377】
【表29】
【0378】次に、保護層に添加しているマット剤のゼ
ラチン分散物の調製法について述べる。塩化メチレンに
PMMAを溶解した液を少量の界面活性剤とともにゼラ
チン中に添加し、高速攪拌分散した。つづいて減圧脱溶
剤装置を用いて塩化メチレンを除去し、平均粒子サイズ
が4.3μmの均一な分散物を得た。
【0379】
【表30】
【0380】
【表31】
【0381】
【化78】
【0382】
【化79】
【0383】
【化80】
【0384】作成した感光要素P101、受像要素PR
101を、富士写真フイルム株式会社製のデジタルカラ
ープリンターフジックスピクトログラフィー用のサイズ
に裁断して、マガジンに詰めた。
【0385】実施例4 実施例4では、システムの接続と実施例3で作成したプ
リント用ハロゲン化銀感光材料の露光、現像処理方法に
ついて述べる。画像入力部には実施例2に示した図6の
概略図の入力機を使用した。
【0386】画像処理用には、富士写真フイルム株式会
社製のデジタルイメージステーション、アラジン100
0を使用する場合と、アップル社製パワーマッキントッ
シュ9500/120にアドビ社製の画像処理ソフトウ
ェアー、フォトショップ、バーション3.0を作動させ
て行う場合と、富士写真フイルム株式会社デジタルラボ
システム、フロンティアの入力機(高速スキャナー/画
像処理ワークステーション)SP−1000を使用する
場合の3通りのやり方で実験した。出力としては、以下
の2通りのやり方で実験した。
【0387】第一のやり方は、感光要素P101、受像
要素PR101を、富士写真フイルム株式会社製のデジ
タルカラープリンターフジックスピクトログラフィーP
G−3000を用いて、現像条件を85度20秒に設定
し、画像出力を行った。出力した画像はムラのない鮮明
なカラー画像であった。最高濃度及び、最低濃度をX−
lite社製の反射濃度計X−lite304 を用いて測定した結
果、表32のようになった。
【0388】
【表32】
【0389】第二のやり方は、実施例2の図6の出力機
に記載に示す構成のプリント作成現像処理機である。こ
の装置は、Dの部分に前記第一のやり方で使用した感光
要素のマガジン、Rの部分に同じく受像要素のマガジン
をセットする。感光要素は、LDユニット部で、画像情
報に従って、810,760,680nmの3つのLD
で露光され、水塗布ユニット部で40℃の水を1m2
たり約15cc塗布する。その後、受像要素と膜面どお
しを張り合わせて、平板熱現像部で83℃30秒で処理
した。つづいて、受像要素を感光要素から引き剥がし、
最終プリントが得られた。出力した画像はムラのない鮮
明なカラー画像だった。なお、第二のやり方において
は、感光材料の支持体を変更した。つまり、感光要素P
101の紙支持体を、PET20ミクロンにアルミ蒸着
して、更に表面ゼラチン下塗りした支持体に変更した。
この支持体を変更した感光材料を感光材料P102とし
た。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画像作成システムのブロック図
【図2】撮影用ハロゲン化銀感光材料の撮影済フイルム
(未現像)の処理部を接続したシステム
【図3】出力プリントにカップリング色素で画像形成さ
れている新規のプリント用ハロゲン化銀感光材料を用い
たシステム
【図4】これらの両方を兼ね備えているシステム
【図5】その他のデジタル画像も取り扱うことが可能な
マルチシステム
【図6】実施例2に示した撮影済フイルムの現像処理、
読みとり、画像情報転送機能を有する入力機の略図
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI G03C 8/40 503 G03C 8/40 503 505 505 G03D 9/00 G03D 9/00 B H04N 1/00 H04N 1/00 C

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも、デジタル画像情報を入力す
    る機能および/またはアナログ画像情報をスキャナーで
    読みとった後、デジタルデータ化して入力する機能、入
    力された情報に対して画像処理を行う機能、および画像
    処理された画像をハードコピープリントとして出力する
    機能を有する画像作成システムにおいて、撮影後に、処
    理液を使用せずに、水の存在下、60℃〜100℃で5
    秒〜60秒間の加熱処理によってカップリング色素画像
    を形成する撮影用ハロゲン化銀カラー感光材料を用いて
    撮影し、現像処理した画像を該システムの入力画像に利
    用することを特徴とする画像作成システム。
  2. 【請求項2】 少なくともデジタル画像情報を入力する
    機能および/またはアナログ画像情報をスキャナーで読
    みとった後、デジタルデータ化して入力する機能、入力
    された情報に対して画像処理を行う機能、および画像処
    理された画像をハードコピープリントとして出力する機
    能を有する画像作成システムにおいて、前記の画像処理
    されたデジタル画像出力情報に従って、半導体レーザー
    (LD)、発光ダイオード(LED)または非線形光学
    素子を組み込んだ固体レーザーを光源として走査露光し
    た後、処理液を使用せずに、水の存在下、60℃〜10
    0℃で5〜60秒間の加熱処理によってカップリング色
    素画像を形成し、かつ受像要素に該色素画像を拡散転写
    させてプリントを得るハロゲン化銀カラー感光材料を用
    いて得られた画像を該システムの出力画像に利用するこ
    とを特徴とする画像作成システム。
  3. 【請求項3】 少なくとも、デジタル画像情報を入力す
    る機能および/またはアナログ画像情報をスキャナーで
    読みとった後、デジタルデータ化して入力する機能、入
    力された情報に対して画像処理を行う機能、および画像
    処理された画像をハードコピープリントとして出力する
    機能を有する画像作成システムにおいて、撮影後、処理
    液を使用せずに、水の存在下、60℃〜100℃で5〜
    60秒間の加熱処理によってカップリング色素画像を形
    成する撮影用ハロゲン化銀カラー感光材料を用いて撮影
    し、現像処理した画像をこのシステムの入力画像に利用
    し、かつ、前記の画像処理されたデジタル画像出力情報
    に従って、半導体レーザー(LD)、発光ダイオード
    (LED)または非線形光学素子を組み込んだ固体レー
    ザーを光源として走査露光した後、処理液を使用せず
    に、水の存在下、60℃から100℃で5〜60秒間の
    加熱処理によってカップリング色素画像を形成し、かつ
    受像要素に該色素画像を拡散転写させてプリントを得る
    ハロゲン化銀カラー感光材料を用いて得られた画像をこ
    のシステムの出力画像に利用することを特徴とする画像
    作成システム。
  4. 【請求項4】 入力および出力の現像時間が共に5〜3
    0秒であることを特徴とする請求項3の画像作成システ
    ム。
  5. 【請求項5】 透明支持体上に、少なくとも平板状感光
    性ハロゲン化銀粒子、発色現像主薬、カプラー及びバイ
    ンダーを含み、感光波長領域が互いに異なり、かつ前記
    発色現像主薬の酸化体とカプラーから形成される色素の
    吸収波長領域も互いに異なる少なくとも3種の感光層を
    有する感光部材と、支持体上に少なくとも塩基及び/ま
    たは塩基プレカーサーを含む処理層を有する処理部材を
    用い、感光部材を像様露光した後、感光部材と処理部材
    双方のバック層を除く全塗布膜を最大膨潤させるに要す
    る量の0.1から1倍に相当する水の存在下で、感光部
    材と処理部材を感光層と処理層が向かい合う形で重ね合
    わせ、これを60℃から100℃の温度で5秒から60
    秒間加熱して感光部材に形成される少なくとも3色の非
    拡散性色素に基づく画像を形成させる感光材料を、前記
    請求項1、3または4における撮影用ハロゲン化銀カラ
    ー感光材料として使用し、これらを入力画像として用い
    ることを特徴とする画像作成システム。
  6. 【請求項6】 入力側の感光材料が平板状感光性ハロゲ
    ン化銀粒子を用いて、かつ出力側の感光材料が2当量カ
    プラーを用いることを特徴とする請求項3ないし5の画
    像作成システム。
  7. 【請求項7】 支持体上に、少なくとも感光性ハロゲン
    化銀粒子、発色現像主薬、カプラー及びバインダーを含
    み、感光波長領域が互いに異なり、前記発色現像主薬の
    酸化体とカプラーから形成される色素の吸収波長領域も
    互いに異なる少なくとも3種の感光層を有する感光部材
    と、支持体上に少なくとも媒染剤、塩基及び/または塩
    基プレカーサーを含む受像層を有する受像部材を用い、
    感光部材を像様露光した後、感光部材と受像部材双方の
    バック層を除く全塗布膜を最大膨潤させるに要する量の
    0.1から1倍に相当する水の存在下で、感光部材と受
    像部材を感光層と受像層が向かい合う形で重ね合わせ、
    これを60℃から100℃の温度で5秒から60秒間加
    熱して受像部材上に少なくとも3色の拡散性色素に基づ
    く画像を形成させる感光材料を、前記請求項2ないし6
    における出力用のプリント用ハロゲン化銀カラー感光材
    料として使用し、これらを出力画像として用いることを
    特徴とする画像作成システム。
  8. 【請求項8】 発色現像主薬が下記一般式 (1)〜(5) で
    表される化合物のうちの少なくとも一つの化合物を使用
    している感光部材を撮影用ハロゲン化銀カラー感光材料
    の感光部材として用いることを特徴とする請求項1、3
    ないし8に記載の画像作成システム。 【化1】 【化2】 【化3】 【化4】 【化5】 式中、R1 〜R4 は各々水素原子、ハロゲン原子、アル
    キル基、アリール基、アルキルカルボンアミド基、アリ
    ールカルボンアミド基、アルキルスルホンアミド基、ア
    リールスルホンアミド基、アルコキシ基、アリールオキ
    シ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルカル
    バモイル基、アリールカルバモイル基、カルバモイル
    基、アルキルスルファモイル基、アリールスルファモイ
    ル基、スルファモイル基、シアノ基、アルキルスルホニ
    ル基、アリールスルホニル基、アルコキシカルボニル
    基、アリールオキシカルボニル基、アルキルカルボニル
    基、アリールカルボニル基またはアシルオキシ基を表
    し、R5 は置換または無置換の、アルキル基、アリール
    基または複素環基を表す。Zは芳香環(複素芳香環も含
    む)を形成する原子群を表し、Zがベンゼン環である場
    合、その置換基のハメット定数(σ)の合計値は1以上
    である。R6 は置換または無置換のアルキル基を表す。
    Xは酸素原子、硫黄原子、セレン原子またはアルキル置
    換もしくはアリール置換の3級窒素原子を表す。R7
    8 は水素原子または置換基を表し、R7 、R8 が互い
    に結合して2重結合または環を形成してもよい。
  9. 【請求項9】 プリント用感光材料に用いる発色現像主
    薬として、下記一般式(I)及び/または(II)の化
    合物を用いることを特徴とする請求項3〜8の画像形成
    システム 【化6】 式中、Zはカルバモイル基、アシル基、アルコキシカル
    ボニル基、アリールオキシカルボニル基、スルホニル基
    またはスルファモイル基を表し、QはCとともに不飽和
    の環を形成する原子群を表す。 【化7】 式中、R1 〜R4 は、独立に、水素原子、ハロゲン原
    子、アルキル基、アリール基、アルキルカルボンアミド
    基、アリールカルボンアミド基、アルキルスルホンアミ
    ド基、アリールスルホンアミド基、アルコキシ基、アリ
    ールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アル
    キルカルバモイル基、アリールカルバモイル基、カルバ
    モイル基、アルキルスルファモイル基、スルファモイル
    基、シアノ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホ
    ニル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカル
    ボニル基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル
    基、又はアシルオキシ基を表し、R5 はアルキル基、ア
    リール基、または、ヘテロ環基を表す。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
TWI668131B (zh) * 2018-07-17 2019-08-11 沈岳正 Positive and negative dot mixed printing method

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