JP2000241947A - ハロゲン化銀カラー画像形成方法 - Google Patents

ハロゲン化銀カラー画像形成方法

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JP2000241947A
JP2000241947A JP11045068A JP4506899A JP2000241947A JP 2000241947 A JP2000241947 A JP 2000241947A JP 11045068 A JP11045068 A JP 11045068A JP 4506899 A JP4506899 A JP 4506899A JP 2000241947 A JP2000241947 A JP 2000241947A
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Kazuhiko Matsumoto
和彦 松本
Susumu Yoshikawa
将 吉川
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】現像後に感光材料に残留する未現像のハロゲン
化銀を迅速に、しかもカブリを引き起こすことなく溶解
して透明なカラー画像を提供する。 【解決手段】感光材料を像様に露光後、支持体上に塩基
を含む処理層を有する現像処理材料を用い、感光材料と
現像処理材料の間に1cc/m2〜50cc/m2の水を存在さ
せながら感光層を有する面と処理層を有する面とを重ね
合わせ、60℃〜100℃の温度で5秒〜60秒間加熱
した後、感光材料を現像用処理材料から剥離し、ついで
支持体上に、特定のチオ尿系ハロゲン化銀溶剤と、メソ
イオン系ハロゲン化銀溶剤を有するハロゲン化銀溶解処
理材料と感光材料との間に1cc/m2〜50cc/m2の水を
存在させながらその感光層を有する面とハロゲン化銀溶
剤を有する面とを重ね合わせ、40℃〜100℃の温度
で2秒〜60秒間加熱した後、感光材料を処理材料から
剥離することにより、感光材料上に透明なカラー画像を
得る方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はハロゲン化銀を用い
た感光材料の現像後に感光材料に残留する未現像のハロ
ゲン化銀を効率よく、しかも他の弊害を引き起こすこと
なく溶解して透明化する機能を有する処理材料を用いる
簡易、迅速なカラー画像形成方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ハロゲン化銀を利用した写真感光材料−
銀塩写真システムは近年ますます発展し、現在では簡易
に高画質のカラー画像を入手することが可能となってい
る。通常利用されるカラー写真のプロセスは近年高度に
発達し、大量のカラープリントを高効率で生産する大規
模な集中拠点であるカラーラボあるいは店舗に設置され
た小型、簡易のプリンタプロセッサである所謂ミニラボ
の普及により誰でもがカラー写真を手軽に楽しめるよう
になっている。さらに最近では、磁性体を塗布した支持
体を利用して様々な情報を磁気記録として記録可能なカ
ラーネガティブフィルムを用いた新しい概念のAPSシ
ステムが市場導入されている。このシステムでは、フィ
ルム取り扱いの簡易性や、撮影時に情報を記録すること
でプリントサイズを変更できるなどの写真の楽しみを提
案している。また、処理後のネガフィルムから簡便なス
キャナにより画像情報を読み取ることで画像の編集や加
工を行うツールも提案されている。こうした方法によっ
て、銀塩写真の高画質な画像情報を簡易にデジタル化す
ることが可能となり、従来の写真としての楽しみ方の範
疇を越えて広範囲の応用が身近なものになりつつある。
【0003】一方で、CCDを撮像素子として利用し
た、所謂ディジタルスチルカメラの進歩が急激に進んで
いる。ここ数年、写真に近い画質を得るために、画素数
百万以上のCCD素子を搭載したカメラがアマチュア向
けに市場導入されている。ディジタルスチルカメラは、
通常のカラー写真システムのように撮影したフィルムを
現像する工程を必要とせず、直接にディジタイズされた
画像情報を得ることができる。したがって、撮影時に即
時に画像を液晶モニター上で確認したり、得られたディ
ジタル情報を様々に活用することが容易にできる。これ
らの画像情報は、プリンターに転送して手軽にプリント
を作成することも可能であり、パーソナルコンピュータ
を用いて画像情報を様々に加工したり、インターネット
を通じた画像転送なども容易に行なうことができる。最
近のCCDの高密度化と、大容量のディジタルデータを
取り扱う機器の能力の進歩から、写真としての鑑賞に耐
えうる画質の画像も得られるようになってきており、一
般の写真撮影が、これらのディジタルスチルカメラで代
替される可能性も論議されている。
【0004】ディジタルスチルカメラの強みは、何とい
っても液現像処理が不要な点である。これに対して、現
状では銀塩感光材料の現像処理は、専用の処理設備と注
意深い管理を必要としており、限られた拠点でしか利用
することができない。この理由は、第一には、上述した
発色現像および漂白、定着処理を行うための処理浴は、
その組成や温度を精密に制御する必要があり、専門的な
知識と熟練した操作を必要とする。第二に、これらの処
理液中には発色現像主薬や漂白剤である鉄キレート化合
物など環境的にその排出の規制が必要な物質が含有され
ており、現像機器類の設置には専用の設備を必要とする
場合が多い。第三に、近年の技術開発によって短縮され
たとはいえ、これらの現像処理には時間を要し、迅速に
記録画像を再現する要求に対しては未だ不十分といわざ
るを得ない。これらの観点に鑑み、多くの改良技術の提
案がなされている。例えば、IS&T’s 48th
Annual Conference Proceed
ings 180頁には、現像反応で生成した色素を媒
染層に移動させた後、剥離することで現像銀や未反応の
ハロゲン化銀を除去し、従来カラー写真処理に必須であ
った漂白定着浴を不要にするシステムが開示されてい
る。しかしながら、ここで提案されている技術では発色
現像主薬を含有する処理浴での現像処理は依然として必
要であり、環境上の問題は解決されているとは言い難
い。
【0005】発色現像主薬を含む処理液の不要なシステ
ムとして、富士写真フイルム株式会社よりピクトログラ
フィーシステムが提供されている。この方式は、先に述
べた処理浴を用いない点で環境上有利であるが、このシ
ステムは、現像反応により生じた拡散性の色素を受像材
料に転写させ、プリント画像を得るためのものであり、
そのままでは本発明のような超高感度の撮影用感光材料
を処理するのには適さない。
【0006】最近になって、ハロゲン化銀を用いた感光
材料の画像形成処理法を従来の湿式処理から加熱による
熱現像処理により簡易迅速に画像を得ることの出来るシ
ステムが開発されてきた。特開平8−179458号、
同8−339065号等には、塩基及び/又は塩基プレ
カーサーを感光材料及び/又は処理材料に内蔵し、感光
材料を露光した後に、感光材料と処理材料を貼り合わ
せ、両者の間に少量の水を存在させながら加熱現像する
ことにより、該感光材料上に銀画像を形成する方法が記
載されている。一方、特開平9−146247号、同9
−204031号には、支持体上にハロゲン化銀、バイ
ンダー、発色現像主薬、およびカプラーを含む感光層を
有する感光材料と、支持体上に塩基プレカーサーを含む
処理層を有する処理材料を用い、感光材料を像様露光し
た後、感光材料と処理材料を貼り合わせ、両者の間に少
量の水を存在させながら加熱現像し、感光材料上に高品
質のカラー画像を形成する画像形成方法が記載されてい
る。これらの公報には、こうして得られた画像をディジ
タル的に読み取り、その画像情報に基づいて別の記録材
料に画像を形成する方法も提案されている。
【0007】上記の画像形成方法において、感光材料上
に得られた銀画像ないしカラー画像は、未現像のハロゲ
ン化銀と併存しているため不安定である。そのため、現
像後、時間を置いてから観察したり、ディジタル的にそ
の情報を読みとろうとすると、劣化した画像ないし画像
情報しか得られない。また、未現像のハロゲン化銀が感
光材料上に残存していると感光材料の平均濃度を上げる
ため、感光材料上の画像情報をディジタル的に読みとる
ために非常に時間がかかるし、またS/N良く読みとる
ことが難しい。
【0008】特開平9−258402号には以上の問題
を回避するため、現像銀及び/またはハロゲン化銀を溶
解する機能を持つ化合物を含有する処理層を有する処理
材料を、現像後の感光材料に貼り合わせ、少量の水の存
在下に加熱して、感光材料中の未現像ハロゲン化銀を溶
解する方法が記載されている。ハロゲン化銀を溶解する
と感光材料が透明化するため読みとりをS/N良く行え
る。また、特開昭55-28098号、同59-136733号には、チ
オ尿素系化合物を定着剤として含む処理シートを用いる
ことが記載されており、現像液で現像した感光材料と処
理シートを張り合わせて定着(漂白)する例が挙げられ
ている。特開平1-161343号には、カラー現像主薬とカプ
ラーを含むハロゲン化銀感光材料を熱分解してアルカリ
を放出する塩基プレカーサーの存在下で100℃以上で
現像した後、現像後の感光材料を水の浴に浸漬後、環状
のチオ尿素系化合物を含む定着(漂白)シートと張り合
わせてハロゲン化銀を定着する例が記載されている。更
に、米国特許第5,009,984号にも、アルカリ性
溶液で現像処理されたハロゲン化銀感光材料を環状チオ
尿素化合物を含む処理シートと張り合わせて定着処理す
る例が記載されている。しかしながら、上記のいずれの
公知文献においても、銀量が金属銀換算で3g/m2を越
えるような感光材料を1分以内の短時間で効率よくハロ
ゲン化銀を効率よく溶解する方法については記載されて
おらず、本発明のような高感度の撮影材料を処理するに
は適さない。しかも、特に重要な点として、処理ムラの
原因となるハロゲン化銀溶剤の処理材料表面での析出が
起こらず、また、処理かぶりを引き起こさないような手
段については触れられていない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、現像
後に感光材料に残留する未現像のハロゲン化銀を迅速
に、しかもカブリを引き起こすことなく溶解して透明化
する機能を有する処理材料を用いた画像形成方法を提供
することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題は、以下の方法
で達成された。 支持体上に、少なくともハロゲン化銀、発色現像主
薬、カプラー及びバインダーを有する感光材料を像様に
露光後、支持体上に少なくとも塩基及び/または塩基プ
レカーサーを含む処理層を有する現像処理材料を用い、
感光材料と現像処理材料の間に1cc/m2〜50cc/m2
水を存在させながら感光材料の感光層を有する面と現像
処理材料の処理層を有する面とを重ね合わせ、60℃〜
100℃の温度で5秒〜60秒間加熱した後、感光材料
を現像用処理材料から剥離し、ついで支持体上に、一般
式(I)で表されるハロゲン化銀溶剤と一般式(II)で
表されるハロゲン化銀溶剤を有することを特徴とするハ
ロゲン化銀溶解処理材料と、前記の感光材料との間に1
cc/m2〜50cc/m2の水を存在させながらその感光層を
有する面と処理材料のハロゲン化銀溶剤を有する面とを
重ね合わせ、40℃〜100℃の温度で2秒〜60秒間
加熱した後、感光材料を処理材料から剥離することによ
り、感光材料上に透明なカラー画像を得る画像形成方
法。 一般式(I)
【0011】
【化3】
【0012】一般式(I)中、R1 、R2 、R3 及びR
4は脂肪族炭化水素基、またはアリール基を表す。R2
及びR4は水素原子であっても良い。R1 、R2 、R3
及びR4はそれぞれ連結してヘテロ環を形成しても良
い。また、R1 、R2 、R3 及びR4はカルボン酸もし
くはその塩、スルホン酸もしくはその塩、ホスホン酸も
しくはその塩、アミノ基、アンモニウム基、または水酸
基で置換されていても良い。 一般式(II)
【0013】
【化4】
【0014】式中、R1およびR3は脂肪族炭化水素基を
表し、R2は水素原子、または脂肪族炭化水素基を表
す。
【0015】感光性ハロゲン化銀乳剤の少なくとも一
種が、平均粒子厚み0.3μm以下、かつ、粒子投影径
を粒子厚みで除したアスペクト比が4から50の平板状
粒子によって全投影面積の80%以上が占められるよう
なハロゲン化銀粒子を含む感光層を有する感光材料を用
いることを特徴とする(1)項に記載の画像形成方法。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明においては、現像によって
画像を形成した感光材料を、少量の水の存在下で、ハロ
ゲン化銀溶剤を有する処理材料と重ね合わせることによ
り、感光材料中のハロゲン化銀を溶解する。この簡易な
処理により、感光材料の残存ハロゲン化銀は透明化し、
処理後の現像反応による濃度上昇もほとんど抑えられ
る。本発明は、本発明の一般式(I)のハロゲン化銀溶
剤と、一般式(II)のハロゲン化銀溶剤を用いること
で、それぞれ単独で用いた場合よりも迅速で処理ムラの
無い安定化が実施できるという発見に基づいている。ま
た、前記一般式(II)のハロゲン化銀溶剤を使用した場
合には、処理材料表面に該ハロゲン化銀溶剤を析出(粉
フキ)するために処理後の画像のハロゲン化銀溶解ムラ
の原因となるが、一般式(I)のハロゲン化銀溶剤を併
用することで、ハロゲン化銀溶剤の析出を防止できると
いう発見に基づいている。色素形成カプラーを含むカラ
ー感光材料においては、ハロゲン化銀は、感度/画質の
改善のために発色に必要な銀量よりも大過剰(5倍以
上)用いることが常であり、残存ハロゲン化銀の濃度が
高く読みとり時の弊害が大きいため、本発明は、感光材
料が色素形成カプラーを含む場合に、その処理に用いる
と効果的である。本発明では、感光材料の現像処理も、
塩基または塩基プレカーサーを含有した現像処理材料を
用いて行うので、処理工程がすべて簡易な乾式で出来
る。この画像形成方法により、粒状やシャープネスに優
れた画像が得られ、この画像情報に基づいてカラーペー
パーや熱現像カラープリント材料等の別の記録材料上に
出力した場合、非常に良好なカラー画像が得られる。
【0017】本発明の処理材料について詳細に説明す
る。本発明の処理材料は、少なくとも塩基の存在下で現
像されたハロゲン化銀感光材料と、好ましくは少量の水
の存在下で張り合わされて、ハロゲン化銀感光材料に残
存するハロゲン化銀を溶解して透明化する。
【0018】以下に本発明の一般式(I)の化合物につ
いて詳細に説明する。一般式(I)中、R1 、R2 、R
3 及びR4が表す脂肪族炭化水素基としては、炭素数1
〜10の直鎖、分岐、または環状の無置換アルキル基
(例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−
プロピル基、シクロプロピル基、n−ブチル基、i−ブ
チル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチ
ル基、シクロペンチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキ
シル基、n−オクチル基、t−オクチル基、2−エチル
ヘキシル基、n−デシル基等)、炭素数1〜10の直
鎖、分岐、または環状の置換アルキル基(2−ヒドロキ
シエチル基、3−ヒドロキシプロピル基、4−ヒドロキ
シブチル基、5−ヒドロキシペンチル基、6−ヒドロキ
シヘキシル基、4−ヒドロキシシクロヘキシル基、2−
ヒドロキシシクロヘキシル基、2−ヒドロキシプロピル
基、2−ヒドロキシ−3−メトキシプロピル基、1,1
−ジメチル−2−ヒドロキシエチル基、2,3−ジヒド
ロキシプロピル基、1,1−ジヒドロキシメチル−2−
ヒドロキシエチル基、2−(2−ヒドロキシエチルオキ
シ)エチル基、4−ヒドロキシメチル−2,5,6−ト
リヒドロキシ−3−オキサシクロヘキシル基、カルボキ
シメチル基、2−カルボキシエチル基、1−カルボキシ
エチル基、2−スルホエチル基、3−スルホプロピル
基、2−ジメチルアミノエチル基、2−(2−ヒドロキ
シエチルアミノ)エチル基、2−トリメチルアンモニウ
ムエチル基、ホスホノメチル基、3−ホスホノプロピル
基等)、炭素数2〜10のアルケニル基(例えば、アリ
ル基、2-ブテニル基、2-ペンテニル基等)、炭素数2
〜10のアルキニル基(例えば、2−プロピニル基、3
-ペンチニル基等)、炭素数6〜10のアラルキル基
(例えば、ベンジル基、フェネチル基、3−カルボキシ
フェニルメチル基、4−スルホフェニルエチル基等)等
が挙げられ、アリール基としては炭素数6〜10の置換
もしくは無置換フェニル基(例えば、無置換フェニル
基、4−メチルフェニル基、4−スルホフェニル基、4
−カルボキシフェニル基等)等が挙げられる。R1 、R
2 、R3 及びR4は、それぞれ同じであっても異なって
いても良く、また、R2 及びR4は水素原子であっても
良い。
【0019】さらにR1 、R2 、R3 及びR4には、可
能な限り置換基を有しても良く、置換基としては例え
ば、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素
原子等)、アルキル基(例えばメチル基、エチル基
等)、アルコキシ基(例えばメトキシ基、エトキシ基
等)、アミノ基(例えば無置換アミノ基、ジメチルアミ
ノ基等)、スルフォニルアミノ基(例えばメチルスルフ
ォニルアミノ基等)、スルファモイル基(例えば無置換
スルファモイル基等)、スルホニル基(例えばメシル
基、トシル基等)、スルフィニル基(例えばメチルスル
フィニル基等)、アルキルオキシカルボニル基(例えば
メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等)、シ
アノ基、スルホ基、チオスルホン酸基、スルフィン酸
基、カルボキシ基、ヒドロキシ基、ホスホノ基、ニトロ
基、アンモニオ基、ホスホニオ基、ヒドラジノ基等が挙
げられる。また置換基が二つ以上あるときは同じでも異
なっていてもよい。
【0020】R1 、R2 、R3 及びR4はそれぞれ連結
して5員もしくは6員のヘテロ環を形成しても良く、R
1 とR2 もしくはR3 とR4が連結して形成するヘテロ
環としては、ピロリジン環、ピペリジン環、モルホリン
環、ピペリジン環等が挙げられ、R1 またはR2 とR3
またはR4が連結して形成するヘテロ環としては、イミ
ダゾール環、イミダゾリジン環、イミダゾリン環、1,
3,5−トリアジン環等が挙げられる。また、R1 、R
2 、R3 及びR4がそれぞれ連結して形成するヘテロ環
には置換基を有しても良く、置換基としては例えば、置
換もしくは無置換のアルキル基(例えば、メチル基、エ
チル基、n−プロピル基、2−ヒドロキシエチル基、3
−ヒドロキシプロピル基、2−(2−ヒドロキシエチル
オキシ)エチル基、カルボキシメチル基、2−カルボキ
シエチル基、2−スルホエチル基、2−ジメチルアミノ
エチル基、2−(2−ヒドロキシエチルアミノ)エチル
基、3−ホスホノプロピル基等)、水酸基、カルボキシ
基、スルホ基、ホスホノ基、アミノ基、アンモニウム基
等が挙げられる。
【0021】以下に一般式(I)の好ましいR1
2 、R3 及びR4の例を表す。以下に一般式(I)の
好ましいR1 、R2 、R3 及びR4の例を表す。R1
及びR3 が、炭素数1〜5の置換もしくは無置換のアル
キル基、または炭素数3〜5のアルケニル基であり、R
2、及びR4が、水素原子もしくは炭素数1〜5の置換も
しくは無置換のアルキル基である事が好ましく、R1
2 、R 3 及びR4がそれぞれ連結してヘテロ環を形成
する場合は、R1 またはR2 とR3 またはR4が連結し
て、イミダゾール環、イミダゾリジン環、イミダゾリン
環、1,3,5−トリアジン環を形成するのが好まし
い。また、R1 、R2 、R3 及びR4が置換アルキル基
の際の好ましい置換基は、カルボン酸もしくはその塩、
スルホン酸もしくはその塩、アミノ基、または水酸基で
あり、その置換基の数は1〜6個であることが好まし
い。
【0022】さらに、R1 、及びR3 が、炭素数1〜3
の置換もしくは無置換のアルキル基であり、R2、及び
4が、水素原子もしくは炭素数1〜3の置換もしくは
無置換のアルキル基である事がより好ましく、R1 また
はR2 とR3 またはR4が連結して環を形成する場合
は、イミダゾリジン環、イミダゾリン環を形成するのが
より好ましい。また、R1 、R2 、R3 及びR4が置換
アルキル基の際のより好ましい置換基は、カルボン塩、
スルホン酸塩、アミノ基、または水酸基であり、その置
換基の数は1〜4個であることがより好ましい。
【0023】以下に本発明の一般式(I)の化合物の具
体例を示すが、本発明はこれに限定されるものではな
い。
【0024】
【化5】
【0025】
【化6】
【0026】
【化7】
【0027】
【化8】
【0028】
【化9】
【0029】本発明の一般式(I)で表される化合物は
公知の方法、例えばケミカル・レビューズ(Chem.
Rev.)55,181−228(1955)、ジャー
ナル・オブ・オーガニック・ケミストリー(J.Or
g.Chem.)24,470−473(1959)、
ジャーナル・オブ・ヘテロサイクリック・ケミストリー
(J.Heterocycl.Chem.)4,605
−609(1967)、「薬誌」82,36−45(1
962)、特公昭39−26203号、特開昭63−2
29449号、OLS−2,043,944号を参考に
して合成できる。
【0030】以下に具体的な合成実施例を示した。
【0031】化合物(I−1)の合成 メチルイソチオシアネート(239.4ml、3.5m
ol)のアセトニトリル(1.2リットル)溶液中に、エタ
ノールアミン(211ml、3.5mol)のメタノー
ル(1.2リットル)溶液を50℃以下に保ちながら滴下し
た。反応混合液を40℃で1時間攪拌後、溶液をエバポ
レーターで減圧留去した。得られた結晶状の残査をアセ
トニトリルで再結晶する事によって、化合物(I−1)
(413g、3.1mol、収率88%)が得られた。
次に本発明の一般式(II)の化合物について詳細に説明
する。 一般式(II)
【0032】
【化10】
【0033】式中、R1およびR3は脂肪族炭化水素基、
アリール基、またはヘテロ環基を表し、R2は水素原
子、脂肪族炭化水素基、またはアリール基を表す。
【0034】以下に本発明の化合物について詳細に説明
する。一般式(II)中、R1で表される脂肪族炭化水素
基としては、炭素数1〜10の置換もしくは無置換の直
鎖または分岐のアルキル基(例えばメチル基、エチル
基、イソプロピル基、n−プロピル基、n−ブチル基、
t−ブチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、t−
オクチル基、2−エチルヘキシル基、1,5ジメチルヘ
キシル基、n−デシル基、3−n−ブトキシプロピル
基、2−ヒドロキシエチル基、カルボキシメチル基、エ
トキシカルボニルメチル基、3−スルホプロピル基、2
−ジメチルアミノエチル基等)、炭素数3〜10の置換
もしくは無置換の環状アルキル基(例えばシクロプロピ
ル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等)、炭素
数2〜10のアルケニル基(例えば、アリル基、2-ブ
テニル基、3-ペンテニル基等)、炭素数2〜10のア
ルキニル基(例えば、プロパルギル基、3-ペンチニル
基等)、炭素数6〜10のアラルキル基(例えば、ベン
ジル基等)等が挙げられ、アリール基としては、炭素数
6〜12の置換もしくは無置換のフェニル基およびナフ
チル基(例えば無置換フェニル基、無置換ナフチル基、
3,5−ジメチルフェニル、4−ジメチルアミノフェニ
ル基、4−メチルフェニル基、4−メトキシフェニル
基、4−カルボキシフェニル基、および4−スルホフェ
ニル基等)等が挙げられ、ヘテロ環基としては例えばピ
リジル基等が挙げられる。
【0035】一般式(II)中、R2で表される脂肪族炭
化水素基としては、炭素数1〜10の置換もしくは無置
換の直鎖または分岐のアルキル基(例えばメチル基、エ
チル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブ
チル基、t−ブチル基、およびカルボキシエチル基
等)、炭素数3〜10の置換もしくは無置換の環状アル
キル基(例えばシクロプロピル基、シクロペンチル基、
シクロヘキシル基等)、炭素数2〜10のアルケニル基
(例えば、アリル基、2-ブテニル基、3-ペンテニル基
等)、炭素数2〜10のアルキニル基(例えば、プロパ
ルギル基、3-ペンチニル基等)、炭素数6〜10のア
ラルキル基(例えば、ベンジル基等)等が挙げられ、ア
リール基としては、炭素数6〜12の置換もしくは無置
換のフェニル基およびナフチル基(例えば、フェニル
基、ナフチル基、4−メチルフェニル基、4−メトキシ
フェニル基、4−カルボキシフェニル基、および4−ス
ルホフェニル基等)等が挙げられる。
【0036】一般式(II)中、R3で表される脂肪族炭
化水素基としては、炭素数1〜20の置換もしくは無置
換の直鎖または分岐のアルキル基(例えばメチル基、エ
チル基、イソプロピル基、n−プロピル基、n−ブチル
基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、
n−オクチル基、t−オクチル基、2−エチルヘキシル
基、1,5ジメチルヘキシル基、n−デシル基、n−ド
デシル基、n−テトラデシル基、n−ヘキサデシル基、
3−n−ブトキシプロピル基、2−ヒドロキシエチル
基、カルボキシメチル基、2−エトキシカルボニルエチ
ル基、2−スルホエチル基、2−ジメチルアミノエチル
基、2−t−ブチルジメチルシリルオキシエチル基、2
−(2−ヒドロキシエチロキシ)エチル基、2,2−ジ
ヒドロキシエチル基等等)、炭素数3〜16の置換もし
くは無置換の環状アルキル基(例えばシクロプロピル
基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等)、炭素数
2〜10のアルケニル基(例えば、アリル基、2-ブテ
ニル基、3-ペンテニル基等)、炭素数2〜10のアル
キニル基(例えば、プロパルギル基、3-ペンチニル基
等)、炭素数6〜20のアラルキル基(例えば、ベンジ
ル基等)等が挙げられ、アリール基としては、炭素数6
〜16の置換もしくは無置換のフェニル基およびナフチ
ル基(例えば無置換フェニル基、無置換ナフチル基、
3,5−ジメチルフェニル、4−ジメチルアミノフェニ
ル基、4−メチルフェニル基、4−メトキシフェニル
基、4−カルボキシフェニル基、および4−スルホフェ
ニル基等)等が挙げられ、ヘテロ環基としては例えばピ
リジル基、フリル基、イミダゾリル基、ピペリジル基、
モルホリル基等が挙げられる。
【0037】ただし、R1とR2およびR2とR3は連結し
て5員環もしくは6員環を形成しても良い。
【0038】また、一般式(II)中、R1が炭素数1〜
8の置換もしくは無置換の直鎖アルキル基であり、R2
が水素原子、もしくは炭素数1〜8の無置換の直鎖また
は分岐のアルキル基であり、R3が炭素数1〜8の無置
換の直鎖、分岐または環状のアルキル基、炭素数3〜5
のアルケニル基、炭素数3〜5のアルキニル基、および
炭素数6〜10の置換もしくは無置換のフェニル基であ
り、且つ一般式(II)の分子量が400以下である事が
好ましい。
【0039】また、一般式(II)中、R1が炭素数1〜
5の無置換の直鎖アルキル基であり、R2が水素原子、
もしくは炭素数1〜5の無置換の直鎖アルキル基、R3
が炭素数1〜5の無置換の直鎖または分岐のアルキル
基、もしくは炭素数3〜5のアルケニル基であり、且つ
一般式(II)の分子量が300以下である事がより好ま
しい。
【0040】また、一般式(II)中、R1が炭素数1〜
3の無置換の直鎖アルキル基であり、R2が水素原子も
しくは1〜3の無置換の直鎖アルキル基であり、R3
炭素数1〜3の無置換の直鎖または分岐のアルキル基、
もしくはアリル基であり、且つ一般式(II)の分子量が
200以下である事がさらに好ましい。
【0041】また、一般式(1)中、R1がメチル基で
あり、R2が水素原子であり、R3が炭素数1〜3の無置
換の直鎖のアルキル基、もしくはアリル基であり、且つ
一般式(II)の分子量が158以下である事が最も好ま
しい。
【0042】以下に一般式(II)で表される化合物の具
体例を挙げるが、本発明はこれらに限定されるものでは
ない。
【0043】
【化11】
【0044】
【化12】
【0045】
【化13】
【0046】
【化14】
【0047】一般式(II)の合成法の詳細を以下に説明
する。一般式(II)の化合物の合成は、ジャーナル・オ
ブ・ヘテロサイクリック・ケミストリー(J.Hete
rocyclic.Chem.)2、105(196
5)、ジャーナル・オブ・オーガニック・ケミストリー
(J.Org.Chem.)32、2245(196
7)、ジャーナル・オブ・ケミカル・ソサイアティ
(J.Chem.Soc.)3799(1969)、ジ
ャーナル・オブ・アメリカン・ケミカル・ソサイエティ
(J.Am.Chem.Soc.)80、1895(1
958)、ケミカル・コミニュケーション(Chem.
Commun.)1222(1971)、テトラヘドロ
ン・レタース(TetrahedronLett.)2
939(1972)、特開昭60−87322号、ベリ
ヒテ・デア・ドイツチエソ・ヘミッシェン・ゲゼルシャ
フト(Berichte derDeutschen
Chemischen Gesellschaft)3
8、4049(1905)、ジャーナル・オブ・ケミカ
ル・ソサイアティ・ケミカル・コミニュケーション
(J.Chem.Soc.Chem.Commun.)
1224(1971)、特開昭60−122936号、
特開昭60−117240号、アドバンシス・イン・ヘ
テロサイクリック・ケミストリー(Advances
in Heterocyclic Chemistr
y)19、1(1976)、テトラヘドロン・レターズ
(Tetrahedron Lett.)5881(1
968)、ジャーナル・オブ・ヘテロサイクリック・ケ
ミストリー(J.Heterocyclic.Che
m.)5、277(1968)、ジャーナル・オブ・ケ
ミカル・ソサイアティ・パーキン・トランザクションI
(J.Chem.Soc.Perkin Trans.
I)627(1974)、テトラヘドロン・レターズ
(Tetrahedron Lett.)1809(1
967)、同1578(1971)、ジャーナル・オブ
・ケミカル・ソサイアティ(J.Chem.Soc.)
899(1935)、同2865(1959)、ジャー
ナル・オブ・オーガニック・ケミストリー(J.Or
g.Chem.)32、2245(1967)、30、
567(1965)等に記載の方法で合成できる。
【0048】以下に具体的な合成実施例を示した。
【0049】化合物(II−2)の合成 メタノール(300ml)中、モノメチルヒドラジン
(94g、2mol)と当量のギ酸エチル(153g、
2mol)とを反応させることによってN−ホルミル,
N−メチルヒドラジンを生成させた後、エチルイソチオ
シアネート(174g、2mol)を氷水冷却下ゆっく
り滴下し、滴下後40℃に昇温して2時間撹拌した。反
応液を再び氷水で冷却後、触媒量の28%ソディウムメ
トキサイド・メタノール溶液(8.2ml、40mmo
l)を添加し、20℃で1時間撹拌した。反応液を減圧
濃縮後、酢酸エチルを添加し、析出した結晶を濾過後、
メタノール/酢酸エチルの混合溶媒で再結晶する事によ
って、化合物(II−2)(171g、1.2mol)が
得られた。
【0050】化合物(II−13)の合成 メタノール(300ml)中、モノメチルヒドラジン
(94g、2mol)と当量の無水酢酸(153g、2
mol)とを反応させることによってN−アセチル,N
−メチルヒドラジンを生成させた後、28%ソディウム
メトキサイドのメタノール溶液(410ml、2mo
l)で中和した。析出した酢酸ナトリウムを濾過後、濾
液にメチルイソチオシアネート(146g、2mol)
を氷水冷却下ゆっくり滴下し、滴下後40℃に昇温して
2時間撹拌した。反応液を室温に冷却後、2リットルの氷水
中にゆっくり注加し、析出した白色結晶を吸引濾過後乾
燥した。得られた1−アセチル−1,4−ジメチルチオ
セミカルバジド(259g)をメタノール(750m
l)に溶解後、5℃まで冷却し、触媒量の28%ソディ
ウムメトキサイド・メタノール溶液(8.2ml、40
mmol)を添加した後、40℃で1時間撹拌した。反
応液を減圧濃縮後、酢酸エチルを添加し、析出した結晶
を濾過後、メタノール/酢酸エチルの混合溶媒で再結晶
する事によって、化合物(II−13)(192g、1.
34mol)が得られた。
【0051】本発明の一般式(I)のハロゲン化銀溶剤
と一般式(II)のハロゲン化銀溶剤のモル比率は、1:
9〜9:1が好ましく、1:9〜1:1が更に好まし
い。一般式(I)あるいは一般式(II)の化合物のいず
れかあるいは両方を2種類以上併用しても良い。また、
一般式(I)あるいは一般式(II)のハロゲン化銀溶剤
に、公知のハロゲン化銀溶剤(例えば、チオ硫酸塩、亜
硫酸塩、チオシアン酸塩、特公昭47−11386号記
載のチオエーテル化合物、特開平8−179458号記
載のウラシル、ヒダントインの如き5ないし6員環のイ
ミド基を有する化合物、特開昭53−144319号記
載の炭素−硫黄の2重結合を有する化合物を、併用して
も良い。
【0052】処理層中の、全ハロゲン化銀溶剤の含有量
は0.01〜100ミリモル/m2が好ましく、特に0.
1〜50ミリモル/m2が好ましい。また、感光材料の塗
布銀量に対して、モル比で1/20〜20倍が好まし
く、特に1/10〜10倍、更に1/4〜4倍が好まし
い。ハロゲン化銀溶剤は、水、メタノール、エタノー
ル、アセトン、ジメチルホルムアミド、メチルプロピレ
ングリコール等の溶媒あるいは酸性水溶液あるいはアル
カリ性水溶液として添加してもよいし、固体微粒子分散
させて塗布液に添加してもよい。
【0053】本発明の処理材料の処理層は水溶性ポリマ
ーをバインダーとすることが好ましい。その例としては
リサーチ・ディスクロージャーNo. 17643の27
頁、同No. 18716の651頁、同No. 307105
の873〜874頁および特開昭64−13,546号
の71〜75ページに記載されているものが挙げられ
る。その中ではゼラチン及びゼラチンと他の水溶性バイ
ンダー(例えばポリビニルアルコール、変成ポリビニル
アルコール、セルロース誘導体、アクリルアミド重合体
等)との組み合わせが好ましい。
【0054】本発明の処理材料の処理層には、現像時に
アルカリ性となった感光材料の構成層のpHを下げる
(中和する)ため中和剤を含有させてもよい。中和剤と
しては、酸あるいは酸プレカーサーを用いることができ
る。酸としては、公知のどんな酸を用いても良い。具体
的には、塩酸、硫酸等の鋼酸、酢酸、プロピオン酸、ス
テアリン酸、ベヘン酸等のカルボン酸類、蓚酸、蟻酸等
の有機の酸を用いても良い。また、特開昭60−108
837号、同60−192939号、同60−2301
33号等に記載の加熱により酸を放出する酸プレカーサ
ー、特開昭60−230134号記載の加熱により塩基
と置換反応を起こす親電子化合物を用いても良い。
【0055】酸を用いる場合は、処理材料から移動しな
い酸ポリマーを用いることが、処理後の感光材料の取り
扱い性に問題を起こすことが少ないので、好ましい。酸
ポリマーの例としては米国特許3,362,819号に
記載されているようなアクリル酸、メタクリル酸、もし
くはマレイン酸の重合体とその部分エステルまたは酸無
水物、仏国特許2,290,699号に記載されている
ようなアクリル酸とアクリル酸エステルの共重合体、米
国特許4,139,383号やリサーチ・ディスクロー
ジャーNo.16102(1977)に開示されている
ようなラテックス型の酸性ポリマーなどを挙げることが
できる。これらの酸ポリマーは一部が中和されていても
良い。
【0056】酸あるいは酸プレカーサーの量は酸の量と
して、現像時に発生する塩基量の0.9から2.0倍を
用いることが出来る。実際にはハロゲン化銀溶解処理後
の感光材料の膜面pHが5〜8、好ましくは6〜7に調
節できる量を用いることが出来る。
【0057】また、漂白剤として作用する銀の酸化剤を
含有させて現像銀を除去しても良い。この場合、再ハロ
ゲン化剤を含んでも良い。現像停止剤、現像停止剤のプ
レカーサーを含ませてもよい。現像停止剤は、詳しく
は、特開昭62−190529号の(31)〜(32)頁に記載
されている。現像停止剤の使用量は、処理ずる感光材料
の銀量に対し、10-4〜1モル/Ag1モル、好ましく
は10-3〜10-2/Agモルである。
【0058】本発明の処理材料は処理層以外に保護層、
下塗り層、バック層その他の補助層があっても良い。こ
れらの各層は硬膜剤で硬膜されていることが好ましい。
硬膜剤の例としては、米国特許第4,678,739
号、第41欄、同4,791,042号、特開昭59−1
16,655号、同62−245,261号、同61−
18,942号、特開平4−218,044号等に記載
の硬膜剤が挙げられる。より具体的には、アルデヒド系
硬膜剤(ホルムアルデヒド)など、アジリジン系硬膜
剤、エポキシ系硬膜剤、ビニルスルホン系硬膜剤(N,
N’−エチレン−ビス(ビニルスルホンアセタミド)エ
タンなど)、N−メチロール系硬膜剤(ジメチロール尿
素など)、ほう酸、メタほう酸あるいは、高分子硬膜剤
(特開昭62−234,157号などに記載の化合物)
が挙げられる。これらの硬膜剤は、親水性バインダー1
gあたり0.001g〜1g、好ましくは0.005g〜0.5gが
用いられる。
【0059】本発明の処理材料の支持体は、シート状あ
るいは連続ウェブ状のどちらでもよい。連続ウェブ状の
支持体上に処理層を設け、送り出しロールから供給され
処理に使用された後も裁断されることなく別のロールに
巻き取られる形態が好ましい。その例は特開平9−12
7,670号に記載されている。支持体の素材として
は、特に限定はなく、処理温度に耐えることのできるも
のが用いられる。一般的には、日本写真学会編「写真工
学の基礎−銀塩写真編−」、(株)コロナ社刊(昭和5
4年)(223〜240頁)記載の紙、合成高分子(フ
ィルム)等の写真用支持体が挙げられる。また、後述す
る感光材料用の支持体で述べるようなプラスチックフィ
ルムも用いられる。厚みは4μm〜120μm、好まし
くは6〜70μmである。この場合、単位体積あたりの
現像処理材料の量が多くなるので、上記の現像処理材料
用ロールをコンパクトにできる。特開平9−22269
0号公報に記載されているような、アルミニウムを蒸着
したフィルムも好ましく用いることができる。
【0060】支持体用の素材は単独で使用することもで
きるし、ポリエチレン等の合成高分子で片面あるいは両
面をコートあるいはラミネートされた支持体として用い
ることもできる。このほか、特開昭62−253,15
9号(29)〜(31)頁、特開平1−161,236
号(14)〜(17)頁、特開昭63−316,848
号、特開平2−22,651号、同3−56,955
号、米国特許第5,001,033号等に記載の支持体
を用いることができる。また主としてシンジオタクチッ
ク構造を有するスチレン系重合体である支持体も用いる
ことができる。
【0061】これらの支持体の表面に親水性バインダー
とアルミナゾルや酸化錫の様な半導性金属酸化物、カー
ボンブラックその他の帯電防止剤を塗布してもよい。
【0062】以下に、本発明において用いられる感光材
料および画像形成方法について詳しく説明する。
【0063】本発明において用いられるカラー画像を形
成する感光材料は、通常3種以上の感色性の異なる感光
性層から構成される。各感光性層は少なくとも1層のハ
ロゲン化銀乳剤層を含み、典型的には、実質的に感色性
は同じであるが感光度の異なる複数のハロゲン化銀乳剤
層からなる。該感光性層は青色光、緑色光、及び赤色光
の何れかに感色性を有する単位感光性層であるのが普通
である。多層ハロゲン化銀カラー写真感光材料において
は、一般に単位感光性層の配列が、支持体側から順に赤
感色性層、緑感色性層、青感色性層の順に設置される。
しかし、目的に応じて上記設置順が逆であっても、ま
た、同一感色性層中に異なる感光性層が挟まれたような
設置順もとりうる。感光層の膜厚の合計は1〜20μ
m、好ましくは3〜15μmである。
【0064】本発明に使用し得るハロゲン化銀は、沃臭
化銀、塩沃臭化銀、臭化銀、塩臭化銀、沃塩化銀、塩化
銀のいずれでもよい。これらの組成は、感光性ハロゲン
化銀に付与すべき特性に応じて選択される。本発明にお
いては、様々な形状のハロゲン化銀粒子を用いることが
できるが、これらの粒子の粒子サイズ分布は単分散であ
ることが好ましい。本発明で好ましく用いられるハロゲ
ン化銀乳剤は、粒子サイズ分布の変動係数で40%以下
であることが好ましい。さらに、30%以下であること
が好ましく、20%以下であることが最も好ましい。
【0065】本発明では以下に述べるようなハロゲン化
銀平板粒子を用いると現像温度を高めることで少ない塗
布銀量でも高い感度と良好な粒状性が得られ好ましい。
平板粒子とは、2つの対向する平行な(111)面ある
いは(100)面を主平面として有する平板状のハロゲ
ン化銀粒子のことである。本発明において(111)面
を主平面とする乳剤が好ましく、2枚以上の平行な双晶
面を有することが好ましい。本発明の平板粒子は、粒子
を上から見た時、三角形状、六角形状もしくはこれらの
角が丸みを帯びた形状をしており、六角形状の場合、そ
の向かい合う辺がそれぞれ互いに平行な外表面を有して
いる。
【0066】本発明の乳剤は平板粒子の投影面積が全粒
子の全投影面積の100ないし80%を占めることが好
ましく、より好ましくは100ないし90%を占める。
【0067】本発明の平板粒子の平均粒子厚みとしては
0.05ないし0.3μmであることが好ましく、より
好ましくは0.10ないし0.25μm、さらに好まし
くは0.10ないし0.20μmである。本発明の平板
粒子の平均等価円相当直径としては1.0ないし4.0
μmであることが好ましくより好ましくは1.5ないし
4.0μm、特に好ましくは2.0ないし4.0μmで
ある。ハロゲン化銀粒子の厚みに対する等価円相当直径
の比をアスペクト比という。すなわち、個々のハロゲン
化銀粒子の投影面積の円相当直径を粒子厚みで割った値
である。本発明の乳剤はアスペクト比が4ないし50の
平板粒子が乳剤中の全ハロゲン化銀粒子の投影面積の1
00ないし80%を占めることが好ましい。
【0068】本発明の乳剤は単分散な粒子からなること
が好ましい。本発明の全ハロゲン化銀粒子の粒子サイズ
(等価球相当直径)分布の変動系数としては30%ない
し3%であることが好ましく、より好ましくは25ない
し3%、さらに好ましくは20ないし3%である。本発
明の乳剤の全平板粒子の等価円相当直径分布の変動係数
としては30%ないし3%であることが好ましく、より
好ましくは25ないし3%、さらに好ましくは20ない
し3%である。また、本発明の乳剤の全平板粒子の粒子
厚み分布の変動係数としては30ないし3%あることが
好ましく、より好ましくは25ないし3%、さらに好ま
しくは20ないし3%である。
【0069】本発明では上記の範囲の粒子厚みとアスペ
クト比、単分散度を目的に応じて選んで良いが、粒子厚
みが薄く高アスペクト比で単分散な平板粒子を用いるこ
とが好ましい。
【0070】本発明の乳剤粒子は主として{111}面
と{100}面からなる。本発明の乳剤粒子の全表面に
対して{111}面が占める割合は少なくとも70%で
ある。一方、本発明の乳剤粒子において{100}面の
出現部位は平板粒子の側面であり、{100}面比率は
{111}面が乳剤粒子表面を占める面積に対して少な
くとも2%である。{100}面比率を上げることは好
ましく、目的に応じて選んで良い。{111}面比率も
コントロールは特開平2−298935号などを参考に
することが出来る。{100}面比率は、増感色素の吸
着における{111}面と{100}面との吸着依存性
の違いを利用した方法、例えばT.Tani,J.Imaging Sci.,
29、165(1985)などに記載の方法を用いて求めることが
出来る。また、本発明の乳剤粒子において、平板粒子の
エッジ部における{100}面の面積比率は15%以上
であることが好ましく、より好ましくは25%以上、さ
らに好ましくは35%以上である。平板粒子のエッジ部
における{100}面の面積比率は、例えば特開平8−
334850号に記載の方法から求めることが出来る。
【0071】本発明における平板粒子は粒子内部に転位
線を有するものが好ましい。平板粒子フリンジ部に高密
度の転位線を導入することは好ましく、粒子フリンジ部
に10本以上の転位線を有する平板粒子が好ましい。よ
り好ましくは30本以上、さらに好ましくは50本以上
の転位線を粒子フリンジ部に有する。転位線が密集して
存在する場合、または転位線が互いに交わって観察され
る場合には、1粒子当たりの転位線の数は明確には数え
ることができないことがある。しかしながら、これらの
場合においてもおおよそ10本、20本、30本という
程度には数えることができる。
【0072】また、本発明の平板粒子は粒子間の転位線
量分布が均一であることが望ましい。本発明では1粒子
当たり10本以上の転位線を含むハロゲン化銀平板粒子
が全粒子の100ないし50%(個数)を占めることが
好ましく、より好ましくは100ないし80%を占め
る。50%未満では高感化が得られにくく好ましくな
い。本発明では1粒子当たり30本以上の転位線を含む
ハロゲン化銀平板粒子が全粒子の100ないし50%
(個数)を占めることもまた好ましく、100ないし8
0%を占めることもより好ましい。
【0073】さらに、本発明の平板銀粒子は粒子内の転
位線導入位置が均質であることが望ましい。本発明では
実質的に粒子フリンジ部のみに転位線が局在するハロゲ
ン化銀平板粒子の割合が高いほど粒子の均質性の点で好
ましく、実質的に粒子フリンジ部のみに1粒子当たり1
0本以上の転位線を含む平板粒子が全粒子の100ない
し50%(個数)を占める乳剤であることが好ましく、
より好ましくは100ないし70%、さらに好ましくは
100ないし80%を占める。本発明では実質的に粒子
フリンジ部のみに1粒子当たり30本以上の転位線を含
む平板粒子が全粒子の100ないし50%(個数)を占
める乳剤であることも好ましく、より好ましくは100
ないし70%、さらに好ましくは100ないし80%を
占める。
【0074】また、本発明では平板粒子のフリンジ部の
領域は0.05ないし0.25μmであることが好まし
く、より好ましくは0.10ないし0.20μm、であ
る。これ以外の範囲では固有感度の上昇が得られにくく
好ましくない。
【0075】高アスペクト比平板の使用技術および特性
については、米国特許第4433048号、同第443
4226号、同第4439520号等に開示されてい
る。さらに、粒子厚みが0.07μmよりも薄い超高ア
スペクト比平板粒子の技術が米国特許第5494789
号、同第5503970号、同第5503971号、同
第5536632号、欧州特許第0699945号、同
第0699950号、同第0699948号、同第06
99944号、同第0701165号および同第069
9946号等に開示されている。粒子厚みの薄い高アス
ペクト比平板状粒子を調製するには、核形成時のバイン
ダー濃度、温度、pH、過剰ハロゲンイオン種、同イオ
ン濃度、さらには反応液の供給速度などを制御すること
が重要である。形成された平板核の成長を、厚み方向で
はなく、平板の周縁方向に選択的に行わせるには、粒子
成長のための反応液の添加速度を制御すると同時に、粒
子形成時から成長過程におけるバインダーとして最適な
ものを選択していくことも重要である。このためには、
メチオニン含有量の低いゼラチンや、アミノ基をフタル
酸や、トリメリト酸、あるいはピロメリト酸などで修飾
したゼラチンが有利である。
【0076】ハロゲン化銀粒子は、上記のような形状を
工夫する以外に、粒子中に様々な構造を有するように調
製される。常用されるのは、粒子をハロゲン組成の異な
る複数の層状に構成する方法である。撮影材料用に用い
られる沃臭化銀粒子では、沃度含有量の異なる層を設け
ることが好ましい。現像性を制御する目的で沃度含有率
の高い層を核に、沃度含有率の低い殻で覆う所謂内部高
沃度型コアシェル粒子が知られている。また、これとは
逆に、沃度含有率の高い殻で覆った、外部高沃度型のコ
アシェル粒子も知られている。これは、平板状粒子の粒
子厚みが小さくなったときに形状の安定性を高めるのに
有効である。沃度含有率の低い核を高沃度含有率の第一
殻で覆い、この上に低沃度含有率の第二殻を沈積させる
ことで高感度を付与する技術も知られている。このタイ
プのハロゲン化銀粒子では、高沃度相の上に沈積させた
殻(平板状粒子では粒子外縁のフリンジ部に相当する)
には結晶不整に基づく転位線が形成され、高感度を得る
のに寄与する。高沃度相の沈積には、沃化カリウムのよ
うな水溶性沃化物溶液を単独あるいは硝酸銀等の水溶性
銀塩溶液と同時に添加する方法、沃化銀微粒子を系内に
導入する方法、アルカリや求核剤との反応で沃化物イオ
ンを放出する化合物(例えばp−沃化アセトアミドベン
ゼンスルホン酸ナトリウム等)を添加する方法などを好
ましく用いることができる。本発明においては、上記の
ような種々のホスト粒子表面に、エピタキシャル突起部
を沈積させて用いることができる。ハロゲン化銀粒子中
には、遷移金属元素などの多価金属イオンをドープする
ことが好ましい。これらの多価金属イオンは、粒子形成
中にハロゲン化物や硝酸塩などの形で導入することもで
きるが、多価金属イオンを中心金属とする金属錯体(ハ
ロゲノ錯体、アンミン錯体、シアノ錯体、ニトロシル錯
体等)の形で導入することが好ましい。本発明において
好ましく用いられる金属錯体は、第一、第二あるいは第
三遷移系列に属する金属イオンにシアン化物イオン等の
分光化学系列上d軌道を大きく分裂させることのできる
配位子が配位した錯体である。これらの錯体の配位形式
は、6個の配位子が八面体型に配位した6配位錯体で、
そのうちシアンリガンドの数が4個以上であることが好
ましい。好ましい中心遷移金属としては、鉄、コバル
ト、ルテニウム、レニウム、オスミウム、イリジウムを
挙げることができる。これらの金属イオンの6個の配位
子が全てシアンリガンドでない場合には、残りの配位子
はフッ化物、塩化物あるいは臭化物イオン等のハライド
イオン、SCN、NCS、H2 O等の無機配位子、さら
にはピリジン、フェナントロリン、イミダゾール、ピラ
ゾール等の有機配位子から選んで用いることができる。
本発明の乳剤には、上述の金属錯体の他に、ハライドイ
オンあるいはチオシアン酸イオンを配位子とするルテニ
ウム、ロジウム、パラジウムあるいはイリジウムからな
る錯体、ニトロシル配位子を1個以上有するルテニウム
からなる錯体、、シアン化物イオン配位子を有するクロ
ムからなる錯体、等を好ましく併用できる。ハロゲン化
銀粒子には、既に述べた金属錯体以外に硫黄、セレン、
テルルのような所謂カルコゲン元素の2価のアニオンを
ドープすることも好ましく行われる。これらのドーパン
トもまた、高感度を得たり、露光条件依存性を改良する
のに有効である。ハロゲン化銀粒子の調製法について
は、公知の方法、すなわち、グラフキデ著「写真の物理
と化学」、ポールモンテ社刊(P.Glafkide
s,Chimie et Phisique Phot
ographique,Paul Montel,19
67)、ダフィン著「写真乳剤化学」、フォーカルプレ
ス社刊(G.F.Duffin,Photograph
ic Emulsion Chemistry,Foc
al Press,1966)、ゼリクマンら著「写真
乳剤の製造と塗布」、フォーカルプレス社刊(V.L.
Zelikman etal.,Making and
Coating of Photographic
Emulsion,Focal Press,196
4)等に記載の方法を基本に行うことができる。すなわ
ち、酸性法、中性法、アンモニア法等の種々のpH領域
で調製することができる。また、反応液である水溶性銀
塩と水溶性ハロゲン塩溶液の供給方法として、片側混合
法や同時混合法等を単独あるいは組み合わせて用いるこ
とができる。さらに、反応中のpAgを目標値に保つよ
うに反応液の添加を制御するコントロールドダブルジェ
ット法を用いることも好ましい。また、反応中のpH値
を一定に保つ方法も用いられる。粒子形成に際しては、
系の温度、pHあるいはpAg値を変えてハロゲン化銀
の溶解度を制御する方法を用いることもできるが、チオ
エーテルやチオ尿素類、ロダン塩等を溶剤として用いる
こともできる。これらの例は、特公昭47−11386
号、特開昭53−144319号明細書等に記載されて
いる。ハロゲン化銀粒子の調製は、通常、ゼラチンのよ
うな水溶性バインダー水溶液中に硝酸銀等の水溶性銀塩
溶液と、ハロゲン化アルカリ等の水溶性ハロゲン塩溶液
とを制御された条件で供給することで行われる。ハロゲ
ン化銀粒子形成後、過剰の水溶性塩類を除去することが
好ましい。これは例えば、ハロゲン化銀粒子を含むゼラ
チン溶液をゲル化、ひも状に裁断し、冷水で水溶性塩を
洗い流すヌーデル水洗法や、多価アニオンよりなる無機
塩類(例えば硫酸ナトリウム)、アニオン性界面活性
剤、アニオン性ポリマー(例えばポリスチレンスルホン
酸ナトリウム)、あるいはゼラチン誘導体(例えば脂肪
族アシル化ゼラチン、芳香族アシル化ゼラチン、芳香族
カルバモイル化ゼラチンなど)などを添加してゼラチン
を凝集させて過剰塩類を除去する沈降法を用いても良
い。沈降法を用いた場合には過剰塩類の除去が迅速に行
われ、好ましい。本発明には、通常、一般的に知られて
いる増感法を単独にあるいは種々組み合わせて化学増感
を施したハロゲン化銀乳剤を用いることが好ましい。化
学増感は、調製されたハロゲン化銀粒子に高感度を付与
し、露光条件安定性や保存安定性を付与するのに寄与す
る。化学増感法として、硫黄、セレンあるいはテルル化
合物を用いるカルコゲン増感法が好ましく用いられる。
これらの増感剤としては、ハロゲン化銀乳剤に添加され
た際に、上記のカルコゲン元素を放出して銀カルコゲナ
イドを形成する化合物が用いられる。さらに、これらを
併用することも、高感度を得、カブリを低く押さえる上
で好ましい。また、金、白金、イリジウム等を用いる貴
金属増感法も好ましい。特に、塩化金酸を単独に、ある
いは金のリガンドとなるチオシアン酸イオン等と併用し
て用いる金増感法は、高感度が得られる。金増感とカル
コゲン増感を併用すると、さらに高感度を得ることがで
きる。また、粒子形成中に適度な還元性を有する化合物
を用いて、還元性の銀核を導入することで高感度を得
る、所謂還元増感法も好ましく用いられる。芳香環を有
するアルキニルアミン化合物を化学増感時に添加して行
う還元増感法も好ましい。化学増感を行う際に、ハロゲ
ン化銀粒子に吸着性を有する種々の化合物を用いてその
反応性を制御することも好ましい。カルコゲン増感や金
増感に先立って、含窒素複素環化合物やメルカプト化合
物、シアニンやメロシアニン類の増感色素類を添加する
方法が特に好ましい。化学増感を施す際の反応条件は目
的に応じて異なるが、温度は30℃〜95℃、好ましく
は40℃〜75℃、pHは5.0〜11.0、好ましく
は5.5〜8.5、pAgは6.0〜10.5、好まし
くは6.5〜9.8である。化学増感技術については、
特開平3−110555号、特願平4−75798号、
特開昭62−253159号、特開平5−45833
号、特開昭62−40446号明細書等に記載されてい
る。化学増感工程において、エピタキシャル突起部を形
成することも好ましい。本発明では、感光性ハロゲン化
銀乳剤に所望の光波長域に感度を付与する、所謂分光増
感を施すことが好ましい。特に、カラー写真感光材料で
は、オリジナルに忠実な色再現を行うため、青、緑、赤
に感光性を有する感光性層が組み込まれている。これら
の感光性は、ハロゲン化銀を所謂分光増感色素により分
光増感することで付与される。これらの色素の例として
は、シアニン色素、メロシアニン色素、複合シアニン色
素、複合メロシアニン色素、ホロポーラー色素、ヘミシ
アニン色素、スチリル色素あるいはヘミオキソノール色
素等を挙げることができる。これらの例は、米国特許第
4617257号、特開昭59−180550号、同6
4−13546号、特開平5−45828号、同5−4
5834号明細書等に記載されている。分光増感色素
は、単独で用いられる他に、複数種の色素を併用して用
いられる。これは、分光感度の波長分布の調節や、強色
増感の目的で行われる。強色増感作用を呈する色素の組
合せでは、単独で達成できる感度の和を大きく超える感
度を得ることができる。また、それ自身では分光増感作
用を持たない色素、あるいは可視光を実質的に吸収しな
い化合物であって、強色増感作用を呈する化合物を併用
することも好ましい。ジアミノスチルベン化合物類など
を強色増感剤の例として挙げることができる。これらの
例としては、米国特許第3615641号、特開昭63
−23145号明細書等に記載されている。これらの分
光増感色素や強色増感剤のハロゲン化銀乳剤への添加
は、乳剤調製のいかなる時期でも良い。化学増感の終了
した乳剤に塗布液調製時に添加する、化学増感終了時に
添加する、化学増感途中に添加する、化学増感に先立っ
て添加する、粒子形成終了後脱塩前に添加する、粒子形
成中に添加する、あるいは粒子形成に先立って添加する
などの種々の方法を単独あるいは組み合わせて用いるこ
とができる。化学増感よりも前の工程で添加するのが、
高感度を得るのに好ましい。分光増感色素や強色増感剤
の添加量は、粒子の形状や粒子サイズあるいは付与した
い写真特性によって多岐にわたるが、概ねハロゲン化銀
1モル当たり10-8〜10-1モル、好ましくは10-5
10-2モルの範囲である。これらの化合物は、メタノー
ルやフッ素アルコール等の有機溶媒溶液として、あるい
は界面活性剤やゼラチンとの水中分散物で添加できる。
ハロゲン化銀乳剤には、カブリを防止したり、保存時の
安定性を高める目的で種々の安定剤を添加することが好
ましい。好ましい安定剤としては、アザインデン類、ト
リアゾール類、テトラゾール類、プリン類等の含窒素複
素環化合物類、メルカプトテトラゾール類、メルカプト
トリアゾール類、メルカプトイミダゾール類、メルカプ
トチアジアゾール類等のメルカプト化合物類等を挙げる
ことができる。これらの化合物の詳細は、ジェームズ著
「写真過程の理論」、マクミラン社刊(T.H.Jam
es,The Theory of the Phot
ographic Process,Macmilla
n,1977)第396頁〜399頁およびその引用文
献に記載されている。本発明では、これらのカブリ防止
剤の中でも、炭素原子数4以上のアルキル基や、複数の
芳香族基を置換基として有するメルカプトアゾール類を
特に好ましく用いることができる。これらのカブリ防止
剤あるいは安定剤のハロゲン化銀乳剤への添加は、乳剤
調製のいかなる時期でも良い。化学増感終了後塗布液調
製時、化学増感終了時、化学増感途中、化学増感前、粒
子形成終了後脱塩前、粒子形成中、あるいは粒子形成に
先立って添加するなどの種々の方法を単独あるいは組み
合わせて用いることができる。これらのカブリ防止剤あ
るいは安定剤の添加量はハロゲン化銀乳剤のハロゲン組
成や目的に応じて多岐にわたるが、概ねハロゲン化銀1
モル当たり10-6〜10-1モル、好ましくは10-5〜1
-2モルの範囲である。以上述べてきたような感光材料
に使用される写真用添加剤は、リサーチ・ディスクロー
ジャー誌(以下RDと略記)No17643(1978
年12月)、同No18716(1979年11月)お
よび同No307105(1989年11月)に記載さ
れており、その該当箇所を下記にまとめる。 添加剤の種類 RD17643 RD18716 RD307105 化学増感剤 23頁 648頁右欄 866頁 感度上昇剤 648頁右欄 分光増感剤 23〜24頁 648頁右欄 866〜868頁 強色増感剤 〜649頁右欄 増白剤 24頁 648頁右欄 868頁 カブリ防止剤 24〜26頁 649頁右欄 868〜870頁 安定剤 光吸収剤 25〜26頁 649頁右欄 873頁 フィルター染料 〜650頁左欄 紫外線吸収剤 色素画像安定剤 25頁 650頁左欄 872頁 硬膜剤 26頁 651頁左欄 874〜875頁 バインダー 26頁 651頁左欄 873〜874頁 可塑剤、潤滑剤 27頁 650頁右欄 876頁 塗布助剤 26〜27頁 650頁右欄 875〜876頁 界面活性剤 スタチック防止剤 27頁 650頁右欄 876〜877頁 マット剤 878〜879頁
【0077】総塗布銀量は10.0g/m2以下が好まし
く、6.0g/m2以下がさらに好ましく、5.5g/m2
以下が最も好ましい。総塗布銀量の下限としては、3g
/m2を越えることが好ましい。
【0078】本発明においては、感光性ハロゲン化銀と
共に、有機金属塩を酸化剤として併用することもでき
る。このような有機金属塩の中で、有機銀塩は、特に好
ましく用いられる。上記の有機銀塩酸化剤を形成するの
に使用し得る有機化合物としては、米国特許第4,50
0,626号第52〜53欄等に記載のベンゾトリアゾ
ール類、脂肪酸その他の化合物がある。また米国特許第
4,775,613号記載のアセチレン銀も有用であ
る。有機銀塩は、2種以上を併用してもよい。以上の有
機銀塩は、感光性ハロゲン化銀1モルあたり0.01〜
10モル、好ましくは0.01〜1モルを併用すること
ができる。
【0079】感光材料や構成層のバインダーには親水性
のものが好ましく用いられる。その例としては前述のリ
サーチ・ディスクロージャーおよび特開昭64−13,
546号の(71)頁〜(75)頁に記載されたものが
挙げられる。具体的には、透明か半透明の親水性バイン
ダーが好ましく、例えばゼラチン、ゼラチン誘導体等の
蛋白質またはセルロース誘導体、澱粉、アラビアゴム、
デキストラン、プルラン等の多糖類のような天然化合物
とポリビニルアルコール、変成ポリビニルアルコール
(例えば、(株)クラレ製の末端アルキル変成ポバール
MP103、MP203等)、ポリビニルピロリドン、
アクリルアミド重合体等の合成高分子化合物が挙げられ
る。また、米国特許第4,960,681号、特開昭6
2−245260号等に記載の高吸水性ポリマー、すな
わち−COOMまたは−SO3 M(Mは水素原子または
アルカリ金属)を有するビニルモノマーの単独重合体ま
たはこのビニルモノマー同士もしくは他のビニルモノマ
ーとの共重合体(例えばメタクリル酸ナトリウム、メタ
クリル酸アンモニウム、住友化学(株)製のスミカゲル
L−5H)も使用される。これらのバインダーは2種以
上組み合わせて用いることもできる。特にゼラチンと上
記バインダーの組み合わせが好ましい。またゼラチン
は、種々の目的に応じて石灰処理ゼラチン、酸処理ゼラ
チン、カルシウムなどの含有量を減らしたいわゆる脱灰
ゼラチンから選択すれば良く、組み合わせて用いる事も
好ましい。本発明において、バインダーの塗布量は1〜
20g/m2、好ましくは2〜15g/m2、更に好ましく
は3〜12g/m2が適当である。この中でゼラチンは5
0%〜100%、好ましくは70%〜100%の割合で
用いる。
【0080】感光材料に現像主薬を内蔵させる発色現像
主薬の例としては、p−フェニレンジアミン類またはp
−アミノフェノール類等がある。更に好ましい例として
は特開平8−110608号、同8−122994号、
同8−146578号、同9−15808号、同9−1
46248号等に記載されているスルホンアミドフェノ
ール類、EP545,491A号、特開平8−1666
64号、同8−227131号に記載されているスルホ
ニルヒドラジン類、特開平8−286340号に記載さ
れているカルバモイルヒドラジン類、特開平8−202
002号、同10−186564号、同10−2397
93号に記載されているスルホニルヒドラゾン類、及び
特開平8−234390号に記載されているカルバモイ
ルヒドラゾン類が挙げられる。また、特開平第10-23979
3号、同第10-186564号に記載の、2当量カプラーとのカ
ップリング活性に優れた現像主薬を用いても良い。発色
現像主薬は、上記の化合物を1種類もしくは複数種類を
組み合わせて用いる。各層で別々の現像主薬を用いても
良い。それらの現像主薬の総使用量は0.05〜20m
mol/m2、好ましくは0.1〜10mmol/m2であ
る。
【0081】次にカプラーについて説明する。本発明に
おけるカプラーとは、発色現像主薬の酸化体とカップリ
ング反応し、色素を形成する化合物である。本発明にお
いて、好ましく使用されるカプラーとしては、活性メチ
レン、5−ピラゾロン、ピラゾロアゾール、フェノー
ル、ナフトール、ピロロトリアゾールと総称される化合
物である。これらのカプラーはリサーチ・ディスクロー
ジャー(以下RDと略す)No.38957(1996年9月)、616〜
624頁," x.Dye image formers and modifiers”に引
用されているの化合物を好ましく使用することができ
る。
【0082】これらのカプラーはいわゆる2当量カプラ
ーと4当量カプラーとに分けることができる。2当量カ
プラーのアニオン性離脱基として作用する基としては、
ハロゲン原子(例えばクロル基、ブロム基)、アルコキ
シ基(例えばメトキシ基、エトキシ基)、アリールオキ
シ基(例えばフェノキシ基、4−シアノフェノキシ基、
4−アルコキシカルボニルフェニル基)、アルキルチオ
基(例えばメチルチオ基、エチルチオ基、ブチルチオ
基)、アリールチオ基(例えばフェニルチオ基、トリル
チオ基)、アルキルカルバモイル基(例えばメチルカル
バモイル基、ジメチルカルバモイル基、エチルカルバモ
イル基、ジエチルカルバモイル基、ジブチルカルバモイ
ル基、ピペリジルカルバモイル基、モルホリルカルバモ
イル基)、アリールカルバモイル基(例えばフェニルカ
ルバモイル基、メチルフェニルカルバモイル基、エチル
フェニルカルバモイル基、ベンジルフェニルカルバモイ
ル基)、カルバモイル基、アルキルスルファモイル基
(例えばメチルスルファモイル基、ジメチルスルファモ
イル基、エチルスルファモイル基、ジエチルスルファモ
イル基、ジブチルスルファモイル基、ピペリジルスルフ
ァモイル基、モルホリルスルファモイル基)、アリール
スルファモイル基(例えばフェニルスルファモイル基、
メチルフェニルスルファモイル基、エチルフェニルスル
ファモイル基、ベンジルフェニルスルファモイル基)、
スルファモイル基、シアノ基、アルキルスルホニル基
(例えばメタンスルホニル基、エタンスルホニル基)、
アリールスルホニル基(例えばフェニルスルホニル基、
4−クロロフェニルスルホニル基、p−トルエンスルホ
ニル基)、アルキルカルボニルオキシ基(例えばアセチ
ルオキシ基、プロピオニルオキシ基、ブチロイルオキシ
基)、アリールカルボニルオキシ基(例えばベンゾイル
オキシ基、トルイルオキシ基、アニシルオキシ基)、含
窒素複素環基(例えばイミダゾリル基、ベンゾトリアゾ
リル基)等が挙げられる。
【0083】また、4当量カプラーのカチオン性離脱基
として作用する基としては、水素原子、ホルミル基、カ
ルバモイル基、置換基を有するメチレン基(置換基とし
ては、アリール基、スルファモイル基、カルバモイル
基、アルコキシ基、アミノ基、水酸基等)、アシル基、
スルホニル基等が挙げられる。
【0084】上記RD No.38957に記載の化合物以外に
も、以下に記載のカプラーを好ましく用いることができ
る。
【0085】活性メチレン系カプラーとしては、EP 50
2,424A の式(I),(II)で表わされるカプラー; EP 513,49
6A の式(1),(2) で表わされるカプラー ; EP 568,037A
のクレーム1の式(I) で表わされるカプラー; US 5,06
6,576のカラム1の45〜55行の一般式(I) で表わされる
カプラー; 特開平4-274425の段落0008の一般式(I) で表
わされるカプラー; EP 498,381A1の40頁のクレーム1に
記載のカプラー; EP 447,969A1の4頁の式(Y) で表わさ
れるカプラー; US 4,476,219のカラム7の36〜58行の式
(II)〜(IV)で表わされるカプラーを用いることができ
る。
【0086】5−ピラゾロン系マゼンタカプラーとして
は、特開昭57−35858号および特開昭51−20
826号に記載の化合物が好ましい。
【0087】ピラゾロアゾール系カプラーとしては、米
国特許第4,500,630号に記載のイミダゾ〔1,
2−b〕ピラゾール類、米国特許第4,540,654
号に記載のピラゾロ〔1,5−b〕〔1,2,4〕トリ
アゾール類、米国特許第3,725,067号に記載の
ピラゾロ〔5,1−c〕〔1,2,4〕トリアゾール類
が好ましく、光堅牢性の点で、これらのうちピラゾロ
〔1,5−b〕〔1,2,4〕トリアゾール類が好まし
い。
【0088】フェノール系カプラーの好ましい例として
は、米国特許第2,369,929号、同第2,80
1,171号、同第2,772,162号、同第2,8
95,826号、同第3,772,002号等に記載の
2−アルキルアミノ−5−アルキルフェノール系、米国
特許第2,772,162号、同第3,758,308
号、同第4,126,396号、同第4,334,01
1号、同第4,327,173号、西独特許公開第3,
329,729号、特開昭59−166956号等に記
載の2,5−ジアシルアミノフェノール系、米国特許第
3,446,622号、同第4,333,999号、同
第4,451,559号、同第4,427,767号等
に記載の2−フェニルウレイド−5−アシルアミノフェ
ノール系等を挙げることができる。
【0089】ナフトールカプラーの好ましい例として
は、米国特許第2,474,293号、同第4,05
2,212号、同第4,146,396号、同第4,2
28,233号、同第4,296,200号等に記載の
2−カルバモイル−1−ナフトール系および米国特許
4,690,889号等に記載の2−カルバモイル−5
−アミド−1−ナフトール系等を挙げることができる。
【0090】ピロロトリアゾール系カプラーの好ましい
例としては、欧州特許第488,248A1号、同第4
91,197A1号、同第545,300号に記載のカ
プラーが挙げられる。
【0091】その他、縮環フェノール、イミダゾール、
ピロール、3−ヒドロキシピリジン、活性メチン、5,
5−縮環複素環、5,6−縮環複素環といった構造を有
するカプラーが使用できる。
【0092】縮環フェノール系カプラーとしては、米国
特許第4,327,173号、同第4,564,586
号、同第4,904,575号等に記載のカプラーが使
用できる。
【0093】イミダゾール系カプラーとしては、米国特
許第4,818,672号、同第5,051,347号
等に記載のカプラーが使用できる。
【0094】ピロール系カプラーとしては特開平4−1
88137号、同4−190347号等に記載のカプラ
ーが使用できる。
【0095】3−ヒドロキシピリジン系カプラーとして
は特開平1−315736号等に記載のカプラーが使用
できる。
【0096】活性メチン系カプラーとしては米国特許第
5,104,783号、同第5,162,196号等に
記載のカプラーが使用できる。
【0097】5,5−縮環複素環系カプラーとしては、
米国特許第5,164,289号に記載のピロロピラゾ
ール系カプラー、特開平4−174429号に記載のピ
ロロイミダゾール系カプラー等が使用できる。
【0098】5,6−縮環複素環系カプラーとしては、
米国特許第4,950,585号に記載のピラゾロピリ
ミジン系カプラー、特開平4−204730号に記載の
ピロロトリアジン系カプラー、欧州特許第556,70
0号に記載のカプラー等が使用できる。
【0099】本発明には前述のカプラー以外に、西独特
許第3,819,051A号、同第3,823,049
号、米国特許第4,840,883号、同第5,02
4,930号、同第5,051,347号、同第4,4
81,268号、欧州特許第304,856A2号、同
第329,036号、同第354,549A2号、同第
374,781A2号、同第379,110A2号、同
第386,930A1号、特開昭63−141055
号、同64−32260号、同32261号、特開平2
−297547号、同2−44340号、同2−110
555号、同3−7938号、同3−160440号、
同3−172839号、同4−172447号、同4−
179949号、同4−182645号、同4−184
437号、同4−188138号、同4−188139
号、同4−194847号、同4−204532号、同
4−204731号、同4−204732号等に記載さ
れているカプラーも使用できる。これらのカプラーは各
色0.05〜10mmol/m2、好ましくは0.1〜5mmol
/m2用いる。
【0100】また、以下のような機能性カプラーを含有
しても良い。発色色素が適度な拡散性を有するカプラー
としては、US 4,366,237、GB 2,125,570、EP 96,873B、
DE 3,234,533に記載のものが好ましい。発色色素の不要
な吸収を補正するためのカプラーとして、EP456,
257A1号に記載のイエローカラードシアンカプラ
ー、該EPに記載のイエローカラードマゼンタカプラ
ー、US4,833,069号に記載のマゼンタカラー
ドシアンカプラー、US4,837,136号の(2) 、
WO92/11575のクレーム1の式(A)で表わさ
れる無色のマスキングカプラー(特に36−45頁の例
示化合物)。
【0101】現像主薬酸化体と反応して写真的に有用な
化合物残査を放出する化合物(カプラーを含む)として
は、以下のものが挙げられる。現像抑制剤放出化合物:
EP378,236A1号の11頁に記載の式(I)〜
(IV)で表わされる化合物、EP436,938A2号
の7頁に記載の式(I)で表わされる化合物、EP 568,0
37A の式(1) で表わされる化合物、EP 440,195A2の5〜
6頁に記載の式(I),(II),(III)で表わされる化合物。 漂白促進剤放出化合物:EP 310,125A2の5頁の式(I),
(I')で表わされる化合物及び特開平6-59411 の請求項1
の式(I) で表わされる化合物。 リガンド放出化合物:US 4,555,478のクレーム1に記載
のLIG-X で表わされる化合物。 ロイコ色素放出化合物:US 4,749,641のカラム3〜8の
化合物1〜6;蛍光色素放出化合物:US 4,774,181のクレ
ーム1のCOUP-DYEで表わされる化合物。 現像促進剤又はカブラセ剤放出化合物:US 4,656,123の
カラム3の式(1) 、(2)、(3)で表わされる化合物及びEP
450,637A2の75頁36〜38行目のExZK-2。 離脱して初めて色素となる基を放出する化合物: US 4,8
57,447のクレーム1の式(I) で表わされる化合物、特願
平4−134523号の式(1) で表わされる化合物、E
P440,195A2の5、6頁に記載の式(I)(I
I)(III)で表わされる化合物、特願平4−32556
4号の請求項1の式(I)で表わされる化合物−リガン
ド放出化合物、US4,555,478号のクレーム1
に記載のLIG−Xで表わされる化合物。このような機
能性カプラーは、先に述べた発色に寄与するカプラーの
0.05〜10倍モル、好ましくは0.1〜5倍モル用
いることが好ましい。
【0102】カプラー、発色現像主薬などの疎水性添加
剤は米国特許第2,322,027号記載の方法などの
公知の方法により感光材料の層中に導入することができ
る。この場合には、米国特許第4,555,470号、
同4,536,466号、同4,536,467号、同
4,587,206号、同4,555,476号、同
4,599,296号、特公平3−62,256号など
に記載のような高沸点有機溶媒を、必要に応じて沸点5
0℃〜160℃の低沸点有機溶媒と併用して、用いるこ
とができる。またこれら色素供与性カプラー、高沸点有
機溶媒などは2種以上併用することができる。高沸点有
機溶媒の量は用いられる疎水性添加剤1gに対して10
g以下、好ましくは5g以下、より好ましくは1g〜
0.1gである。また、バインダー1gに対して1cc以
下、更には0.5cc以下、特に0.3cc以下が適当であ
る。特公昭51−39,853号、特開昭51−59,
943号に記載されている重合物による分散法や特開昭
62−30,242号等に記載されている微粒子分散物
にして添加する方法も使用できる。水に実質的に不溶な
化合物の場合には、前記方法以外にバインダー中に微粒
子にして分散含有させることができる。疎水性化合物を
親水性コロイドに分散する際には、種々の界面活性剤を
用いることができる。例えば特開昭59−157,63
6号の第(37)〜(38)頁、前記のリサーチ・ディスクロー
ジャー記載の界面活性剤として挙げたものを使うことが
できる。また、特願平5−204325号、同6−19
247号、西独公開特許第1,932,299A号記載
のリン酸エステル型界面活性剤も使用できる。
【0103】感光材料には、支持体上に少なくとも3種
の互いに異なる感光域を付与された感光性層を設けるの
が一般的である。典型的な例としては、支持体上に、実
質的に感色性は同じであるが感光度の異なる複数のハロ
ゲン化銀乳剤層から成る感光性層を少なくとも3種有す
るハロゲン化銀写真感光材料である。該感光性層は青色
光、緑色光、および赤色光の何れかに感色性を有する単
位感光性層であり、多層ハロゲン化銀カラー写真感光材
料においては、一般に単位感光性層の配列が、支持体側
から順に赤感色性層、緑感色性層、青感色性の順に設置
される。しかし、目的に応じて上記設置順が逆であって
も、また同一感色性層中に異なる感光性層が挟まれたよ
うな設置順をもとり得る。上記のハロゲン化銀感光性層
の間および最上層、最下層には非感光性層を設けてもよ
い。これらには、前述のカプラー、現像主薬、及びDI
R化合物、混色防止剤、染料等が含まれていてもよい。
各単位感光性層を構成する複数のハロゲン化銀乳剤層
は、DE 1,121,470あるいはGB923,045に記載されている
ように高感度乳剤層、低感度乳剤層の2層を、支持体に
向かって順次感光度が低くなる様に配列するのが好まし
い。また、特開昭57-112751 、同62- 200350、同62-206
541 、62-206543 に記載されているように支持体より離
れた側に低感度乳剤層、支持体に近い側に高感度乳剤層
を設置してもよい。具体例として支持体から最も遠い側
から、低感度青感光性層(BL)/高感度青感光性層(B
H)/高感度緑感光性層(GH)/低感度緑感光性層(GL)
/高感度赤感光性層(RH)/低感度赤感光性層(RL)
の順、またはBH/BL/GL/GH/RH/RLの順、またはBH/
BL/GH/GL/RL/RHの順等に設置することができる。ま
た特公昭 55-34932 公報に記載されているように、支持
体から最も遠い側から青感光性層/GH/RH/GL/RLの順
に配列することもできる。また特開昭56-25738、同62-6
3936に記載されているように、支持体から最も遠い側か
ら青感光性層/GL/RL/GH/RHの順に配列することもで
きる。また特公昭49-15495に記載されているように上層
を最も感光度の高いハロゲン化銀乳剤層、中層をそれよ
りも低い感光度のハロゲン化銀乳剤層、下層を中層より
も更に感光度の低いハロゲン化銀乳剤層を配置し、支持
体に向かって感光度が順次低められた感光度の異なる3
層から構成される配列が挙げられる。このような感光度
の異なる3層から構成される場合でも、特開昭59-20246
4 に記載されているように、同一感色性層中において支
持体より離れた側から中感度乳剤層/高感度乳剤層/低
感度乳剤層の順に配置されてもよい。その他、高感度乳
剤層/低感度乳剤層/中感度乳剤層、あるいは低感度乳
剤層/中感度乳剤層/高感度乳剤層の順に配置されてい
てもよい。また、4層以上の場合にも、上記の如く配列
を変えてよい。本発明においては、同一の波長領域に感
光性を有しかつ平均粒子投影面積の異なる少なくとも二
種類のハロゲン化銀乳剤を含有させることが好ましい。
本発明にいう同一の波長領域に感光性を有するというの
は、実効的に同一の波長領域に感光度を有することを指
す。従って、分光感度分布が微妙に異なる乳剤であって
も主たる感光領域が重なっている場合には同一の波長領
域に感光性を有する乳剤と見なす。このとき、乳剤間の
平均粒子投影面積の差は少なくとも1.25倍の差を有
するように使用することが好ましい。さらに好ましくは
1.4倍以上である。最も好ましくは1.6倍以上であ
る。用いる乳剤が3種類以上の場合は、最も平均粒子投
影面積の小さい乳剤と最も大きい乳剤との間で上記の関
係を満足することが好ましい。本発明においてこれらの
同一の波長領域に感光性を有し、かつ平均粒子投影面積
の異なる複数の乳剤を含有させるには、乳剤ごとに別個
の感光層を設けてもよいし、一つの感光層に上記複数の
乳剤を混合して含有せしめてもよい。これらの乳剤を別
個の層に含有させた場合は、平均粒子投影面積の大きい
乳剤を上層(光の入射方向に近い位置)に配置すること
が好ましい。これらの乳剤を別個の感光層中に含有させ
た場合、組み合せるカラーカプラーは同一の色相を有す
るものを用いるのが好ましいが、異なる色相に発色する
カプラーを混合して感光層ごとの発色色相を異なるもの
としたり、それぞれの感光層に発色色相の吸収プロファ
イルの異なるカプラーを用いることもできる。本発明に
おいては、これらの同一の波長領域に感光性を有する乳
剤を塗布するに当たって、これらの乳剤の感光材料の単
位面積当たりのハロゲン化銀粒子個数の比が、平均粒子
投影面積の大きい乳剤ほど、乳剤の塗布銀量をその乳剤
に含まれるハロゲン化銀粒子の平均粒子投影面積の3/
2乗で除した値の比よりも大きくなるように構成するこ
とが好ましい。こうした構成をとることで高温に加熱し
た現像条件においても良好な粒状性を有する画像を得る
ことができる。また、高い現像性と広い露光ラチチュー
ドを同時に満足することもできる。本発明の効果を得る
ために規定した感光材料の総塗布銀量とは、これらのハ
ロゲン化銀乳剤中に含まれるハロゲン化銀の他に、感光
性層や非感光性層に含有させた非感光性のハロゲン化銀
乳剤、酸化剤として併用される有機金属塩等を総合した
銀量を金属銀換算で表した量である。色再現性を改良す
るために、US 4,663,271、同 4,705,744、同 4,707,43
6、特開昭62-160448 、同63- 89850 の明細書に記載
の、BL,GL,RLなどの主感光層と分光感度分布が異なる重
層効果のドナー層(CL) を主感光層に隣接もしくは近接
して配置することが好ましい。本発明においては、ハロ
ゲン化銀と色素供与性カプラー及び発色現像主薬は同一
層に含まれていても良いが、反応可能な状態であれば別
層に分割して添加することもできる。例えば発色現像主
薬を含む層とハロゲン化銀を含む層とを別層にすると感
材の生保存性の向上がはかれる。本発明においてオリジ
ナルのシーンを記録し、カラー画像として再現するのに
用いる感光材料を構成するには、基本的に減色法の色再
現を用いることができる。すなわち、青、緑そして赤の
領域に感光性を有する少なくとも3種の感光層を設置
し、各感光層には自身の感光波長領域とは補色の関係で
あるイエロー、マゼンタそしてシアンの色素を形成しう
るカラーカプラーを含有させることで原シーンのカラー
情報を記録することができる。このようにして得られた
色素画像を通して同様の感光波長と発色色相の関係を有
するカラー印画紙に露光することでオリジナルのシーン
を再現することができる。また、オリジナルのシーンの
撮影によって得られた色素画像の情報をスキャナー等に
よって読み取り、この情報を基に観賞用の画像を再現す
ることもできる。本発明の感光材料として、3種以上の
波長領域に感光度を有する感光層を設けることも可能で
ある。また、感光波長領域と発色色相との間に上記のよ
うな補色以外の関係を持たせることも可能である。この
ような場合には、上述のように画像情報を取り込んだ
後、色相変換等の画像処理を施すことでオリジナルの色
情報を再現することができる。各層の分光感度及びカプ
ラーの色相の関係は任意であるが、赤色感光性層にシア
ンカプラー、緑色感光性層にマゼンタカプラー、青色感
光性層にイエローカプラーを用いると、従来のカラーペ
ーパー等に直接投影露光できる。感光材料には、上記の
ハロゲン化銀乳剤層の間および最上層、最下層には、保
護層、下塗り層、中間層、黄色フィルター層、アンチハ
レーション層などの各種の非感光性層を設けても良く、
支持体の反対側にはバック層などの種々の補助層を設け
ることができる。具体的には、上記特許記載のような層
構成、米国特許第5,051,335号記載のような下
塗り層、特開平1−167,838号、特開昭61−2
0,943号記載のような固体顔料を有する中間層、特
開平1−120,553号、同5−34,884号、同
2−64,634号記載のような還元剤やDIR化合物
を有する中間層、米国特許第5,017,454号、同
5,139,919号、特開平2−235,044号記
載のような電子伝達剤を有する中間層、特開平4−24
9,245号記載のような還元剤を有する保護層または
これらを組み合わせた層などを設けることができる。
【0104】本発明に用いる感光材料中には、処理で脱
色可能な油溶性染料を用いた着色層として、イエローフ
ィルター層、マゼンタフィルター層、及びアンチハレー
ション層が用いられうる。それにより、例えば感光層が
支持体に最も近い側から赤色感光層、緑色感光層、青色
感光層の順に設けられている場合は、青色感光層と緑色
感光層の間にイエローフィルター層、緑色感光層と赤色
感光層の間にマゼンタ色フィルター層、赤色感光層と支
持体の間にシアン色フィルター層(アンチハレーション
層)を設けることができる。これらの着色層は乳剤層に
直に接してもよく、またゼラチン等の中間層を介して接
するように配置されていても良い。色素の使用量は、そ
れぞれの層の透過濃度が各々青、緑、赤光に対し、0.
03〜3.0、より好ましくは0.1〜1.0になるよ
うに用いる。具体的には、色素のε及び分子量にもよる
が0.005〜2.0ミリモル/m2用いれば良く、より
好ましくは0.05〜1.0ミリモル/m2である。
【0105】本発明において、イエローフィルター層、
マゼンタフィルター層あるいはアンチハレーション層に
用いる事の出来る染料としては、現像時に染料の成分が
感光材料から処理材料に転写する、あるいは現像時に反
応して無色の化合物に変わるなどで、塗布直前の1/3
以下、好ましくは1/10以下の濃度になり、処理後の
濃度に寄与しないものが好ましい。
【0106】具体的には、欧州特許出願EP549,4
89A号記載の染料や、特開平7−152129号のE
xF2〜6の染料が挙げられる。特願平6−25980
5号に記載されているような、固体分散した染料を用い
ることもできる。また、媒染剤とバインダーに染料を媒
染させておくことも出来る。この場合媒染剤と染料は写
真分野で公知のものを用いることが出来、US4,50
0,626号第58〜59欄や、特開昭61−8825
6号32〜41頁、特開昭62−244043号、特開
昭62−244036号等に記載の媒染剤を上げること
ができる。また、還元剤と反応して拡散性色素を放出す
る化合物と還元剤を用い、現像時のアルカリで可働性色
素を放出させ、処理材料に転写除去させることもでき
る。具体的には、米国特許第4,559,290号、同
4,783,396号、欧州特許第220,746A2
号、公開技報87−6119号に記載されている他、特
願平6−259805号の段落番号0080〜0081
に記載されている。消色するロイコ染料などを用いるこ
ともでき、具体的には特開平1−150,132号に有
機酸金属塩の顕色剤によりあらかじめ発色させておいた
ロイコ色素を含むハロゲン化銀感光材料が開示されてい
る。
【0107】本発明の感光材料に好ましく用いられる消
色性の染料としては欧州特許846982A2号(特願
平8−329124)に記載の環状のケトメチレン化合
物(例えば2−ピラゾリン−5−オン、1,2,3,6
−テトラヒドロピリジン−2,6−ジオン、ロダニン、
ヒダントイン、チオヒダントイン、2,4−オキサゾリ
ジンジオン、イソオキサゾロン、バルビツール酸、チオ
バルビツール酸、インダンジオン、ジオキソピラゾロピ
リジン、ヒドロキシピリジン、ピラゾリジンジオン、
2,5−ジヒドロフラン−2−オン、ピロリン−2−オ
ン)または電子吸引性基によって挟まれたメチレン基
(例えば−CN、−SO2 21、−COR21、−COO
21、CON(R222、−SO2N(R222、−C
〔=C(CN)2 〕R21、−C〔=C(CN)2〕N(R
212(R21はアルキル基、アルケニル基、アリール
基、シクロアルキル基、複素環基を表わし、R22は水素
原子またはR21で挙げた基を表わす)によって挟まれた
メチレン基)を有する化合物からなる酸性核、塩基性核
(例えばピリジン、キノリン、インドレニン、オキサゾ
ール、イミダゾール、チアゾール、ベンゾオキサゾー
ル、ベンゾイミダゾール、ベンゾチアゾール、オキサゾ
リン、ナフトオキサゾール、ピロール)、アリール基
(例えばフェニル基、ナフチル基)及び複素環基(例え
ばピロール、インドール、フラン、チオフェン、イミダ
ゾール、ピラゾール、インドリジン、キノリン、カルバ
ゾール、フェノチアジン、フェノキサジン、インドリ
ン、チアゾール、ピリジン、ピリダジン、チアジアジ
ン、ピラン、チオピラン、オキサジアゾール、ベンゾキ
ノリン、チアジアゾール、ピロロチアゾール、ピロロピ
リダジン、テトラゾール、オキサゾール、クマリン、ク
ロマン)のうちの2種とメチン基からなる構造の化合
物、或は(NC)2C=C(CN)−R23(R23はアリ
ール基、複素環基)が好ましい。
【0108】感光材料の一つの着色層に二つ以上の染料
を混合して用いてもよい。例えば上述のアンチハレーシ
ョン層にイエロー、マゼンタ、シアンの3種の染料を混
合して用いることもできる。
【0109】上記の消色性染料は好ましくはオイルおよ
び/または油溶性ポリマーに溶解させ、油滴として親水
性バインダー中に分散させた状態で用いる。その調製法
としては乳化分散法が好ましく、例えば米国特許2,3
22,027号記載の方法によることができる。この場
合には米国特許4,555,470号、同4,536,
466号、同4,587,206号、同4,555,4
76号、同4,599,296号、特公平3−62,2
56号等に記載のような高沸点オイルを、必要に応じて
沸点50℃〜160℃の低沸点有機溶媒と併用して用い
ることができる。また、高沸点オイルは2種以上併用す
ることができる。また、油溶性ポリマーをオイルの代わ
りに又は、併用して用いることができるが、その例はP
CT国際公開番号WO88/00723号明細書に記載
されている。高沸点オイルおよび/またはポリマーの量
は、用いられる染料1gに対して0.01g〜10g、
好ましくは0.1g〜5gを用いる。また、染料をポリ
マーに溶解させる方法として、ラテックス分散法による
ことも可能であり、その工程、含漬用のラテックスの具
体例は、米国特許4,199,363号、西独特許出願
(OLS)2,541,274号、同第2,541,2
30号、特公昭53−41091号および欧州特許公開
第029104号等に記載されている。
【0110】油滴を親水性バインダーに分散させる際に
は、種々の界面活性剤を用いることができる。例えば特
開昭59−157,636号の37〜38ページ、公知
技術第5号(1991年3月22日、アズテック有限会
社発行)136〜138ページに記載の界面活性剤を用
いることができる。また、特開平7−56267号、同
7−228589号、西ドイツ公開特許第3,932,
299A号記載のリン酸エステル型界面活性剤も使用で
きる。
【0111】上記の染料は、消色剤の存在下にて処理時
に消色する。消色剤としては、アルコールもしくはフェ
ノール類、アミンもしくはアニリン類、スルフィン酸類
もしくはその塩、亜硫酸もしくはその塩、チオ硫酸もし
くはその塩、カルボン酸類もしくはその塩、ヒドラジン
類、グアニジン類、アミノグアニジン類、アミジン類、
チオール類、環状または鎖状の活性メチレン化合物、環
状または鎖状の活性メチン化合物、およびこれら化合物
から生じるアニオン種等が挙げられる。これらのうちで
好ましく用いられるものはヒドロキシアミン類、スルフ
ィン酸類、亜硫酸、グアニジン類、アミノグアニジン
類、ヘテロ環チオール類、環状または鎖状の活性メチレ
ン、活性メチン化合物類であり、特に好ましいのはグア
ニジン類、アミノグアニジン類である。上述の消色剤は
処理時に染料と接触し、染料分子に求核付加することに
より、染料を消色させると考えられる。好ましくは染料
を含有するハロゲン化銀感光材料を像様露光後または像
様露光と同時に消色剤または消色剤プレカーサーを含有
する処理材料と水の存在下で膜面同士を重ね合わせて加
熱し、その後両者を剥離することにより、該ハロゲン化
銀感光材料上に発色画像を得ると共に染料を消色させ
る。この場合、消色後の染料の濃度は、元の濃度の1/
3以下、好ましくは1/5以下である。消色剤の使用量
は、染料の0.1倍から200倍モル、好ましくは0.
5倍から100倍モルである。
【0112】ハロゲン化銀及び発色現像主薬、カプラー
は同一感光層に含まれていても別層でも良い。また、感
光層以外にも保護層、下塗り層、中間層、及び上述した
黄色フィルター層、アンチハレーション層等非感光性層
を設けても良く、支持体の裏側にはバック層があっても
良い。感光層側の全塗布膜の膜厚は3〜25μ、好まし
くは5〜20μである。感光材料の各層は、硬膜剤で硬
膜されていることが好ましい。硬膜剤の例としては、本
発明の処理材料に記載したものと同じものを用いること
ができる。これらの硬膜剤は、親水性バインダー1gあ
たり0.001g〜1g、好ましくは0.005g〜0.5gが用い
られる。
【0113】感光材料には、種々の目的で界面活性剤、
写真安定剤、帯電防止剤、滑り剤、マット剤、ラッテク
ス、ホルマリンスカベンジャー、染料,UV吸収剤等を
用いることができる。これらの具体例は、前記のリサー
チ・ディスクロージャー及び特開平9−204031号
等に記載されている。なお、特に好ましい帯電防止剤の
例はZnO、TiO2、SnO2、Al2O3 、In2O3 、SiO2、MgO 、B
aO 、MoO3、V2O5等の金属酸化物微粒子である。
【0114】本発明において感光材料の支持体として
は、透明かつ処理温度に耐えることのできるものが用い
られる。一般的には、日本写真学会編「写真工学の基礎
−銀塩写真編−」、(株)コロナ社刊(昭和54年)(2
23)〜(240)頁記載の紙、合成高分子(フィルム)等の写
真用支持体が挙げられる。具体的には、ポリエチレンテ
レフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボ
ネート、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリプロピレ
ン、ポリイミド、セルロース類(例えばトリアセチルセ
ルロース)等が挙げられる。この中で、特にポリエチレ
ンナフタレートを主成分とするポリエステルが好ましい
が、ここで言う「ポリエチレンナフタレートを主成分と
する」ポリエステルとは、全ジカルボン酸残基中に含ま
れるナフタレンジカルボン酸の含率が50mol%以上
であることが好ましい。より好ましくは、60mol%
以上、さらに好ましくは、70mol%以上である。こ
れは、共重合体であってもよく、ポリマーブレンドであ
ってもよい。共重合の場合、ナフタレンジカルボン酸ユ
ニットとエチレングリコールユニット以外に、テレフタ
ル酸、ビスフェノールA、シクロヘキサンジメタノール
等のユニットを共重合させたものも好ましい。これらの
中で力学強度、コストの観点から最も好ましいのがテレ
フタル酸ユニットを共重合したものである。ポリマーブ
レンドの好ましい相手は、相溶性の観点からポリエチレ
ンテレフタレート(PET)、ポリアリレート(PA
r)、ポリカーボネート(PC)、ポリシクロヘキサン
ジメタノールテレフタレート(PCT)等のポリエステ
ルを挙げることができるが、中でも力学強度、コストの
観点から好ましいのがPETとのポリマーブレンドであ
る。特に耐熱性やカール特性の要求が厳しい場合、感光
材料の支持体として特開平6−41281号、同6−4
3581号、同6−51426号、同6−51437
号、同6−51442号、特願平4−251845号、
同4−231825号、同4−253545号、同4−
258828号、同4−240122号、同4−221
538号、同5−21625号、同5−15926号、
同4−331928号、同5−199704号、同6−
13455号、同6−14666号各公報に記載の支持
体が好ましく用いることができる。また、主としてシン
ジオタクチック構造を有するスチレン系重合体である支
持体も好ましく用いることができる。支持体の厚みは、
好ましくは5〜200μ、より好ましくは40〜120
μである。
【0115】また、支持体と感材構成層を接着させるた
めに、表面処理することが好ましい。薬品処理、機械的
処理、コロナ放電処理、火焔処理、紫外線処理、高周波
処理、グロー放電処理、活性プラズマ処理、レーザー処
理、混酸処理、オゾン酸化処理、などの表面活性化処理
が挙げられる。表面処理の中でも好ましいのは、紫外線
照射処理、火焔処理、コロナ処理、グロー処理である。
次に下塗法について述べると、単層でもよく2層以上で
もよい。下塗層用バインダーとしては、塩化ビニル、塩
化ビニリデン、ブタジエン、メタクリル酸、アクリル
酸、イタコン酸、無水マレイン酸などの中から選ばれた
単量体を出発原料とする共重合体を始めとして、ポリエ
チレンイミン、エポキシ樹脂、グラフト化ゼラチン、ニ
トロセルロース、ゼラチン、ポリビニルアルコール、及
びこれらの変成ポリマーが挙げられる。支持体を膨潤さ
せる化合物としてレゾルシンとp−クロルフェノールが
ある。下塗層にはゼラチン硬化剤としてはクロム塩(ク
ロム明ばんなど)、アルデヒド類(ホルムアルデヒド、
グルタールアルデヒドなど)、イソシアネート類、活性
ハロゲン化合物(2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−
s−トリアジンなど)、エピクロルヒドリン樹脂、活性
ビニルスルホン化合物などを挙げることができる。Si
O2、TiO2、無機物微粒子又はポリメチルメタクリレート
共重合体微粒子(0.01〜10μm)をマット剤とし
て含有させてもよい。
【0116】また、フィルム染色に使用する染料につい
ては、色調は感光材料の一般的な性質上グレー染色が好
ましく、フィルム製膜温度領域での耐熱性に優れ、かつ
ポリエステルとの相溶性に優れたものが好ましい。その
観点から染料としては三菱化成製のDiaresin、
日本化薬製のKayaset等ポリエステル用として市
販されている染料を混合することにより目的を達成する
ことが可能である。特に耐熱安定性の観点から、アント
ラキノン系の染料を挙げることができる。例えば、特開
平8−122970号特許に記載されているものを好ま
しく用いることができる。また、支持体として例えば、
特開平4−124645号、同5−40321号、同6
−35092号、同6−317875号記載の磁気記録
層を有する支持体を用い、撮影情報などを記録すること
が好ましい。
【0117】磁気記録層とは、磁性体粒子をバインダー
中に分散した水性もしくは有機溶媒系塗布液を支持体上
に塗設したものである。磁性体粒子は、γFe2O3 などの
強磁性酸化鉄、Co被着γFe2O3 、Co被着マグネタイト、
Co含有マグネタイト、強磁性二酸化クロム、強磁性金
属、強磁性合金、六方晶系のBaフェライト、Srフェライ
ト、Pbフェライト、Caフェライトなどを使用できる。Co
被着γFe2O3 などのCo被着強磁性酸化鉄が好ましい。形
状としては針状、米粒状、球状、立方体状、板状等いず
れでもよい。比表面積ではSBETで20m2/g以上が
好ましく、30m2/g以上が特に好ましい。強磁性体の
飽和磁化(σs)は、好ましくは3.0×104 〜3.
0×105 A/mであり、特に好ましくは4.0×104
〜2.5×1005 A/mである。強磁性体粒子を、シリ
カおよび/またはアルミナや有機素材による表面処理を
施してもよい。さらに、磁性体粒子は特開平6−161
032号に記載された如くその表面にシランカップリン
グ剤またはチタンカップリング剤で処理されてもよい。
又特開平4−259911号、同5−81652号に記
載の表面に無機、有機物を被覆した磁性体粒子も使用で
きる。
【0118】次にポリエステル支持体は、巻き癖をつき
にくくするために熱処理温度は40℃以上Tg未満、よ
り好ましくはTg−20℃以上Tg未満で熱処理を行
う。熱処理はこの温度範囲内の一定温度で実施してもよ
く、冷却しながら熱処理してもよい。この熱処理時間
は、0.1時間以上1500時間以下、さらに好ましく
は0.5時間以上200時間以下である。支持体の熱処
理は、ロール状で実施してもよく、またウェブ状で搬送
しながら実施してもよい。表面に凹凸を付与し(例えば
SnO2やSb2O5 等)の導電性無機微粒子を塗布する)、面
状改良を図ってもよい。又端部にローレットを付与し端
部のみ少し高くすることで巻芯部の切り口写りを防止す
るなどの工夫を行うことが望ましい。これらの熱処理は
支持体製膜後、表面処理後、バック層塗布後(帯電防止
剤、滑り剤等)、下塗り塗布後のどこの段階で実施して
もよい。好ましいのは帯電防止剤塗布後である。このポ
リエステルには紫外線吸収剤を練り込んでも良い。又ラ
イトパイピング防止のため、三菱化成製のDiaresin、日
本化薬製のKayaset 等ポリエステル用として市販されて
いる染料または顔料を練り込むことにより目的を達成す
ることが可能である。
【0119】次に、感光材料を装填することのできるフ
ィルムパトローネについて記す。本発明で使用されるパ
トローネの主材料は金属でも合成プラスチックでもよ
い。更にスプールを回転してフィルムを送り出すパトロ
ーネでもよい。またフィルム先端がパトローネ本体内に
収納され、スプール軸をフィルム送り出し方向に回転さ
せることによってフィルム先端をパトローネのポート部
から外部に送り出す構造でもよい。これらはUS4,8
34,306号、同5,226,613号に開示されて
いる。以上の感光材料は特公平2−32615号、実公
平3−39784号に記載されているレンズ付フィルム
ユニットにも好ましく用いることができる。
【0120】レンズ付きフィルムユニットとは、撮影レ
ンズ及びシャッタを例えば射出成型されたプラスチック
筺体内に備えたユニット本体の製造工程において、予め
未露光のカラーあるいはモノクロ写真感光材料を光密に
装填したものである。このユニットは、ユーザが撮影し
た後、現像のためにユニットごと現像所に送られる。現
像所では当該ユニットから写真フィルムを取り出して現
像及び写真プリントの作成が行われる。
【0121】次に本発明用いられる現像処理材料及び現
像方法について説明する。現像処理材料には、少なくと
も塩基及び/または塩基プレカーサーを処理材層中に含
む。塩基としては、無機あるいは有機塩基を用いること
ができる。無機の塩基としては、特開昭62−2094
48号記載のアルカリ金属またはアルカリ土類金属の水
酸化物、リン酸塩、炭酸塩、ホウ酸塩、有機酸塩、特開
昭63−25208号記載のアルカリ金属またはアルカ
リ土類金属のアセチリド、等が挙げられる。また有機の
塩基としては、アンモニア、脂肪族あるいは芳香族アミ
ン類(例えば、1級アミン類、2級アミン類、3級アミ
ン類、ポリアミン類、ヒドロキシルアミン類、複素環状
アミン類)、アミジン類、ビスあるいはトリスあるいは
テトラアミジン、グアニジン類、水不溶性のモノあるい
はビスあるいはトリスあるいはテトラグアニジン類、4
級アンモニウムの水酸化物類などが挙げられる。
【0122】塩基プレカーサーとしては、脱炭酸型、分
解型、反応型および錯塩形成型などを用いることができ
る。これら本発明に好ましく用いることのできる塩基、
及び塩基プレカーサーの例は公知技術第5号(1991
年3月22日発行、アズテック有限会社)55〜88ペ
ージに記載されている。
【0123】本発明において最も好ましく用いることの
できる塩基発生法は、EP210,660号、米国特許
第4,740,445号に記載されている水に難溶な塩
基性金属化合物及び、この塩基性金属化合物を構成する
金属イオンと水を媒体として錯形成反応しうる化合物の
組み合わせで塩基を発生させる方式である。この場合、
水に難溶な塩基性化合物は感光材料に、錯形成化合物は
現像処理材料に添加することが好ましいが、逆も可能で
ある。好ましい化合物の組み合わせとしては、水酸化亜
鉛の微粒子を感光材料に、ピコリン酸の塩、例えばピコ
リン酸グアニジンを現像処理材料に用いる系である。
【0124】現像処理材料には媒染剤を用いても良く、
この場合、ポリマー媒染剤が好ましい。また、それ以外
にもバインダーとして感光材料の項で述べたような、ゼ
ラチンなどの水溶性ポリマーを用いることが好ましい。
【0125】現像処理材料には処理層以外にも保護層、
下塗り層、バック層その他の補助層があっても良い。こ
れらの各層は硬膜剤で硬膜されていることが必要であ
る。用いる硬膜剤は本発明のハロゲン化銀溶解処理材料
と同様である。現像処理材料はシート状でも連続ウェブ
状でもよいが、本発明の処理材料と同様に、連続ウェブ
支持体上に処理層を設け、送り出しロールから供給され
処理に使用された後も裁断されることなく別のロールに
巻き取られる形態が好ましい。その例は特開平9−12
7,670号に記載されている。現像処理材料の支持
体、その厚みに関しては前述のハロゲン化銀溶解処理材
料と同じ範疇ないし範囲から選択できる。
【0126】塩基または塩基プレカーサーの使用量は、
0.1〜20g/m2好ましくは1〜10g/m2である。
処理層のバインダーは、感光材料同様の親水性ポリマー
を用いることができる。現像処理材料は感光材料と同様
の硬膜剤で硬膜されていることが好ましい。
【0127】現像処理材料に現像停止剤あるいは現像停
止剤のプレカーサーを含ませておき、現像と同時あるい
はタイミングを遅らせて現像停止剤を働かせてもよい。
現像停止剤は、詳しくは、特開昭62−190529号
の(31)〜(32)頁に記載されている。現像停止剤の使用量
は、処理ずる感光材料の銀量に対し、10-4〜1モル/
Ag1モル、好ましくは10-3〜10-2/Agモルであ
る。
【0128】本発明のプラクティカルな画像形成例を説
明する。まず、感光材料を通常の135カメラ、APS
カメラ、またはレンズ付きフィルムで使用可能なように
加工し、カートリッジに詰める。カメラで撮影した感光
材料をカートリッジから引き出し、まず現像処理材料を
用い、感光層と処理層の間に水を存在させる条件下で両
者を重ね合わせ加熱現像する。水の量は少なすぎると現
像が十分進まない。また多すぎると水が膜面からあふれ
たり、剥離後の乾燥に時間がかかるなどの弊害を生じ
る。水量は、感光材料及び現像処理材料双方のバック層
を除く全塗布膜を最大膨潤させるに要する量の0.1か
ら1倍に相当する量が好ましく、具体的には1cc/m2
50cc/m2が好ましい。この量の水の存在下で、感光材
料と現像処理材料を感光層と処理層が向かい合う形で重
ね合わせ、60℃から100℃の温度で5秒から60秒
間加熱する。水の付与方法としては感光材料または処理
材料を水に浸積し、スクウィーズローラーで余分な水を
除去する方法がある。また、特開平8−123001号
公報に記載されているような、水を噴射する複数のノズ
ル孔が一定の間隔で感光材料または処理材料の搬送方向
と交差する方向に沿って直線状に並べられたノズルと前
記ノズルを搬送経路上の感光材料または処理材料に向か
って変位させるアクチュエータとを有する水塗布装置に
より水を噴射する方法も好ましい。また、スポンジ等で
水塗布する方法も好ましい。
【0129】現像工程における加熱方法としては、加熱
されたブロックやプレートに接触させたり、熱板、ホッ
トプレッサー、熱ローラー、熱ドラム、ハロゲンランプ
ヒーター、赤外および遠赤外ランプヒーターなどに接触
させたり高温の雰囲気中を通過させる方法などがある。
本発明の処理には種々の熱現像装置のいずれもが使用で
きる。例えば、特開昭59−75,247号、同59−
177,547号、同59−181,353号、同60
−18,951号、実開昭62−25,944号、特願
平4−277,517号、同4−243,072号、同
4−244,693号、同6−164,421号、同6
−164,422号等に記載されている装置などが好ま
しく用いられる。特に、特開平10−333310記載
の熱現像装置が好ましく用いられる。また市販の装置と
しては富士写真フイルム(株)製ピクトロスタット10
0、同ピクトロスタット200、同ピクトロスタット3
00、同ピクトロスタット330、同ピクトロスタット
50、同ピクトログラフィー3000、同ピクトログラ
フィー2000などが使用できる。
【0130】本発明に用いる感光材料およびまたは現像
処理材料は加熱現像のための加熱手段としての導電性の
発熱体層を有する形態であっても良い。この発明の発熱
要素には、特開昭61−145,544号等に記載のも
のを利用できる。
【0131】現像処理後、感光材料を現像処理材料から
剥離し、ついで本発明の処理材料(以下、ハロゲン化銀
溶解処理材料という)を用い、ハロゲン化銀溶解処理を
行う。この処理は、好ましくは感光層と処理層の間に水
を存在させる条件下で感光材料とハロゲン化銀溶解処理
材料を重ね合わせ加熱する。水の量は1cc/m2〜50cc
/m2、加熱は40℃〜100℃で2秒〜60秒が好まし
い。水の供給方法は、現像処理後の感光材料に再度水を
供給しても良いし、あらかじめ水を供給した本発明のハ
ロゲン化銀溶解処理材料を張り合わせても良い。しか
し、特願平10-290451 記載の方法で現像処理後の感光材
料を現像処理材料から剥離し、乾燥することなく本発明
のハロゲン化銀溶解処理材料を張り合わせることも出
来、この方法は工程の簡素化のために好ましい。
【0132】ハロゲン化銀溶解処理後、感光材料をハロ
ゲン化銀溶解処理材料から剥離し、乾燥することによ
り、感光材料上に安定化された画像を得る。なお、乾燥
前に感光材料を水洗することも可能である。
【0133】本発明の好ましい態様としては、感光材料
上に画像を得た後、その情報に基づいて別の記録材料上
にカラー画像を得ることが挙げられる。その方法として
は、カラーペーパーのような感光材料を用い、通常の投
影露光によっても良いが、透過光の濃度測定によって画
像情報を光電的に読みとり、デジタル信号に変換し、画
像処理後その信号によって熱現像感光材料などの別の記
録材料に出力することが好ましい。出力する材料は、ハ
ロゲン化銀を用いた感光材料料外に、昇華型感熱記録材
料、フルカラー直接感熱記録材料、インクジェット材
料、電子写真材料等でも良い。使用後の感光材料はもと
と同じまたは別のカートリッジに詰めて保存することも
可能である。
【0134】
【実施例】以下実施例により本発明を具体的に説明する
が、本発明はこれらに限定されるものではない。 実施例1 平均分子量15000のゼラチン0.74gおよび臭化
カリウム0.7gを含む蒸留水930mlを反応容器中
に入れ、40℃に昇温した。この溶液に強く攪拌しなが
ら硝酸銀0.34gを含む水溶液30mlと臭化カリウ
ム0.24gを含む水溶液30mlとを20秒間で添加
した。添加終了後1分間40℃に保った後、反応溶液の
温度を75℃に上昇させた。ゼラチン27.0gを蒸留
水200mlと共に加えた後、硝酸銀23.36gを含
む水溶液100mlと臭化カリウム16.37gを含む
水溶液80mlとを添加流量を加速しながら36分間に
わたって添加した。次いで硝酸銀83.2gを含む水溶
液250mlと沃化カリウムを臭化カリウムとのモル比
3:97で含む水溶液(臭化カリウムの濃度26%)と
を添加流量を加速しながら、かつ反応液の銀電位が飽和
カロメル電極に対して−20mVとなるように60分間
で添加した。さらに硝酸銀18.7gを含む水溶液75
mlと臭化カリウムの21.9%水溶液とを10分間に
わたって、かつ反応液の銀電位が飽和カロメル電極に対
して20mVとなるように添加した。添加終了後1分間
75℃に保った後、反応液の温度を40℃に下降させ
た。次いで、p−沃化アセトアミドベンゼンスルホン酸
ナトリウム一水塩10.5gを含む水溶液100mlを
添加し、反応液のpHを9.0に調製した。次いで、亜
硫酸ナトリウム4.3gを含む水溶液50mlを添加し
た。添加終了後、40℃で3分保った後、反応液の温度
を55℃に昇温した。反応液のpHを5.8に調製した
後、ベンゼンチオスルフィン酸ナトリウム0.8mg、
ヘキサクロロイリジウム(IV)酸カリウム0.04m
gおよび臭化カリウム5.5gを加え、55℃で1分間
保った後、さらに硝酸銀44.3gを含む水溶液180
mlと臭化カリウム34.0gおよびヘキサシアノ鉄
(II)酸カリウム8.9mgを含む水溶液160ml
とを30分間にわたって添加した。温度を下げ、定法に
従って脱塩を行った。脱塩終了後、ゼラチンを7重量%
となるように添加し、pHを6.2に調整した。得られ
た乳剤は球相当の直径で表した平均粒子サイズ1.29
μm、平均粒子厚み0.27μm、粒子投影径を粒子厚
みで除した比であるアスペクト比の平均値が8.5の六
角平板状粒子よりなる乳剤であった。この乳剤を乳剤A
−1とした。
【0135】乳剤A−1と同様の調製法で粒子形状を変
え、球相当の直径で表した平均粒子サイズ0.75μ
m、平均粒子厚み0.18μm、平均アスペクト比が
6.9の六角平板状粒子よりなる乳剤をA−2とし、球
相当の直径で表した平均粒子サイズ0.52μm、平均
粒子厚み0.18μm、平均アスペクト比4.0の六角
平板状粒子よりなる乳剤をA−3とし、更に球相当の直
径で表した平均粒子サイズ0.44μm、平均粒子厚み
0.18μm、平均アスペクト比3.1の六角平板状粒
子よりなる乳剤をA−4として各々の乳剤を調製した。
ただし、ヘキサクロロイリジウム(IV)酸カリウムお
よびおよびヘキサシアノ鉄(II)酸カリウムの添加量
は粒子体積に反比例させて、p−沃化アセトアミドベン
ゼンスルホン酸ナトリウム一水塩の添加量は粒子の周長
に比例させて変化させた。
【0136】次に、平均分子量15000のゼラチン
0.37g、酸化処理ゼラチン0.37gおよび臭化カ
リウム0.7gを含む蒸留水930mlを反応容器中に
入れ、40℃に昇温した。この溶液に強く攪拌しながら
硝酸銀0.34gを含む水溶液30mlと臭化カリウム
0.24gを含む水溶液30mlとを20秒間で添加し
00000了後1分間40℃に保った後、反応溶液の温
度を75℃に上昇させた−アミノ基をトリメリト酸で修
飾したゼラチン27.0gを蒸留水200mlと共に加
えた後、硝酸銀23.36gを含む水溶液100mlと
臭化カリウム16.37gを含む水溶液80mlとを添
加流量を加速しながら36分間にわたって添加した。次
いで硝酸銀83.2gを含む水溶液250mlと沃化カ
リウムを臭化カリウムとのモル比3:97で含む水溶液
(臭化カリウムの濃度26%)とを添加流量を加速しな
がら、かつ反応液の銀電位が飽和カロメル電極に対して
−50mVとなるように60分間で添加した。さらに硝
酸銀18.7gを含む水溶液75mlと臭化カリウムの
21.9%水溶液とを10分間にわたって、かつ反応液
の銀電位が飽和カロメル電極に対して0mVとなるよう
に添加した。添加終了後1分間75℃に保った後、反応
液の温度を40℃に下降させた。次いで、p−沃化アセ
トアミドベンゼンスルホン酸ナトリウム一水塩10.5
gを含む水溶液100mlを添加し、反応液のpHを
9.0に調製した。次いで、亜硫酸ナトリウム4.3g
を含む水溶液50mlを添加した。添加終了後、40℃
で3分保った後、反応液の温度を55℃に昇温した。反
応液のpHを5.8に調製した後、ベンゼンチオスルフ
ィン酸ナトリウム0.8mg、ヘキサクロロイリジウム
(IV)酸カリウム0.04mgおよび臭化カリウム
5.5gを加え、55℃で1分間保った後、さらに硝酸
銀44.3gを含む水溶液180mlと臭化カリウム3
4.0gおよびヘキサシアノ鉄(II)酸カリウム8.
9mgを含む水溶液160mlとを30分間にわたって
添加した。温度を下げ、定法に従って脱塩を行った。脱
塩終了後、ゼラチンを7重量%となるように添加し、p
Hを6.2に調整した。
【0137】得られた乳剤は球相当の直径で表した平均
粒子サイズ1.29μm、平均粒子厚み0.13μm、
平均アスペクト比が25.4の六角平板状粒子よりなる
乳剤であった。この乳剤を乳剤A−5とした。乳剤A−
5と同様の調製法で粒子形状を変え、球相当の直径で表
した平均粒子サイズ0.75μm、平均粒子厚み0.1
1μm、平均アスペクト比が14.0の六角平板状粒子
よりなる乳剤をA−6とし、球相当の直径で表した平均
粒子サイズ0.52μm、平均粒子厚み0.09μm、
平均アスペクト比11.3の六角平板状粒子よりなる乳
剤をA−7とし、更に球相当の直径で表した平均粒子サ
イズ0.44μm、平均粒子厚み0.07μm、平均ア
スペクト比10.5の六角平板状粒子よりなる乳剤をA
−8とし各々の乳剤を調製した。ただし、ヘキサクロロ
イリジウム(IV)酸カリウムおよびおよびヘキサシア
ノ鉄(II)酸カリウムの添加量は粒子体積に反比例さ
せて、p−沃化アセトアミドベンゼンスルホン酸ナトリ
ウム一水塩の添加量は粒子の周長に比例させて変化させ
た。乳剤A−1に、40℃で沃化カリウム1%水溶液を
5.6ml添加してから、下記の分光増感色素を6.1
×10-4mol、化合物I、チオシアン酸カリウム、塩
化金酸、チオ硫酸ナトリウムおよびモノ(ペンタフルオ
ロフェニル)ジフェニルホスフィンセレニドを添加して
分光増感および化学増感を施した。化学増感終了後、安
定剤Sを1.2×10-4mol添加した。このとき、化
学増感剤の量は乳剤の化学増感の程度が最適になるよう
に調節した。
【0138】
【化15】
【0139】こうして調製した青感性乳剤をA−1bと
した。同様に、各乳剤に分光増感および化学増感を施
し、乳剤A−2b、A−3b、A−4b、A−5bおよ
びA−6bを調製した。ただし、分光増感色素の添加量
は各乳剤中のハロゲン化銀粒子の表面積に応じて変化さ
せた。また、化学増感に用いる各薬品量も、各乳剤の化
学増感の程度が最適になるように調節した。同様に、分
光増感色素を変えることで緑感性乳剤A−1g、A−2
g、A−3g、A−4g、A−5g、A−6g、A−7
gおよびA−8g、赤感性乳剤A−1r、A−2r、A
−3r、A−4r、A−5r、A−6r、A−7rおよ
びA−8rを調製した。
【0140】
【化16】
【0141】
【化17】
【0142】<支持体の作成>ついで感材を作製するに
あたって、支持体の作製、下塗層、帯電防止層(バック
第1層)、磁気記録層(バック第2層)、バック第3層
の塗設を下記のように実施した。 (1)支持体の作製 本実施例で用いた支持体は、下記の方法により作製し
た。ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレ
ート(PEN)100重量部と紫外線吸収剤としてTinu
vin P.326(チバ・ガイギーCiba-Geigy社製)2重量部
とを均一に混合した後、300℃にて溶融後、T型ダイ
から押し出し、140℃で3.3倍の縦延伸を行い、続
いて4.0倍の横延伸を行い、さらに250℃で6秒間
熱固定して厚さ90μmのポリエチレンナフタレート
(PEN)フィルムを得た。尚このPENフィルムには
ブルー染料、マゼンタ染料、及びイエロー染料(公開技
報:公技番号94−6023号記載のI−1、I−4、
I−6、I−24、I−26、I−27、II−5)を
適当量添加した。さらに、直径30cmのステンレス巻
芯に巻き付けて、110℃、48時間の熱履歴を与え、
巻癖のつきにくい支持体とした。
【0143】(2)下塗層の塗設 PEN支持体の両面に以下に従ってグロー処理を施し
た。直径2cm、長さ40cmの棒状電極を10cm間
隔で4本、真空タンク内の絶縁板上に固定した。この
時、フィルムが電極から15cm離れたところを走行す
るように設定した。また、直径50cmの温度コントロ
ーラー付き加熱ロールを電極の直前に設置し、フィルム
がこの加熱ロールに3/4周接触するように設定した。
厚さ90μm、幅30cmの2軸延伸フィルムを走行さ
せ、加熱ロールと電極ゾーンの間のフィルム面の温度が
115℃になるように加熱ロールで加熱した。次いで、
このフィルムを15cm/秒の速度で搬送しグロー処理
を実施した。真空槽内の圧力は0.2Torr、雰囲気
気体中のH2 O分圧は75%で行った。放電周波数は3
0KHz、出力2500W、処理強度は0.5KV・A
・分/m2で行った。真空グロー放電電極は特開平7−0
03056記載の方法に従った。グロー処理したPEN
支持体の片面(乳剤側)に下記の処方で下塗層を設け
た。乾燥膜厚は0.02μmになるように設計した。乾
燥温度は115℃、3分とした。 ゼラチン 83重量部 水 291重量部 サリチル酸 18重量部 エアロジルR972(日本エアロジル(株)製、 コロイダルシリカ) 1重量部 メタノール 6900重量部 n−プロパノール 830重量部 特開昭51−3619号記載のポリアマイド− エピクロロヒドリン樹脂 25重量部
【0144】(3)帯電防止層(バック第1層)の塗設 SN−100(石原産業(株)製導電性微粒子)40重
量部と水60重量部の混合液に1Nの水酸化ナトリウム
水溶液を加えながら撹拌機で粗分散した後、横型サンド
ミルで分散して二次粒子の平均粒径0.06μmの導電
性微粒子分散液(pH=7.0)を得た。下記組成の塗
布液を表面処理したPEN支持体の上(バック側)に、
導電性微粒子の塗布量が270mg/m2となるように塗
布した。乾燥条件は115℃、3分とした。 SN−100(石原産業(株)製、導電性微粒子) 270重量部 ゼラチン 23重量部 レオドールTW−L120(花王(株)製、界面活性剤) 6重量部 デナコールEX−521(ナガセ化成工業(株)製、硬膜剤) 9重量部 水 5000重量部
【0145】(4)磁気記録層(バック第2層)の塗設 磁気粒子CSF−4085V2(戸田工業(株)製、C
oを被着したγ−Fe 2 3 )の表面に、磁気粒子に対
して16重量%のX−12−641(信越化学工業
(株)製シランカップリング剤)を表面処理した。下記
組成の塗布液をバック第1層の上に、シランカップリン
グ剤処理したCSF−4085V2の塗布量が62mg
/m2となるように塗布した。尚、上記磁気粒子と研磨材
の分散法は特開平6−035092号の手法に従った。
乾燥条件は115℃、1分とした。 ジアセチルセルロース(バインダー) 1140重量部 X-12-641処理CSF−4085V2(磁気粒子) 62重量部 AKP−50(住友化学(株)製アルミナ、研磨材) 40重量部 ミリオネートMR-400(日本ポリウレタン(株)製、硬膜剤) 71重量部 シクロヘキサノン 12000重量部 メチルエチルケトン 12000重量部 X−ライト(ブルーフィルター)での磁気記録層のDB
の色濃度増加分は約0.1、また、磁気記録層の飽和磁
化モーメントは4.2emu/g、保磁力7.3×10
4 A/m、角形比は65%であった。
【0146】(5)バック第3層の塗設 本発明の磁気記録層側にバック第3層を塗設した。下記
構造のワックス(1−2)を高圧ホモジナイザーを用い
て水中で乳化分散し、濃度10重量%、重量平均径0.
25μmのワックス水分散物を得た。 ワックス(1−2) n-C1735COOC4081-n 下記組成の塗布液を磁気記録層(バック第2層)の上
に、ワックスの塗布量が27mg/m2となるように塗布
した。乾燥条件は115℃、1分とした。 上記ワックス水分散物(10重量%) 270重量部 純水 176重量部 エタノール 7123重量部 シクロヘキサノン 841重量部
【0147】次に塩基プレカーサーとして用いる水酸化
亜鉛の分散物を調製した。一次粒子の粒子サイズが0.
2μmの水酸化亜鉛の粉末31g、分散剤としてカルボ
キシメチルセルロース1.6gおよびポリアクリル酸ソ
ーダ0.4g、石灰処理オセインゼラチン8.5g、水
158.5mlを混合し、この混合物をガラスビーズを
用いたミルで1時間分散した。分散後、ガラスビーズを
濾別し、水酸化亜鉛の分散物188gを得た。
【0148】さらに、カプラーおよび内蔵現像主薬を含
有する乳化分散物を調製した。イエローカプラー(a)
8.95g、現像主薬(b)7.26g、(c)1.4
7g、被り防止剤(d)0.17g、(e)0.28
g、高沸点有機溶媒(f)18.29gおよび酢酸エチ
ル50.0mlを60℃で溶解した。石灰処理ゼラチン
18.0gおよびドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウ
ム0.8gを溶解した水溶液200g中に先の溶液を混
合し、ディゾルバー攪拌機を用いて10000回転で2
0分間かけて乳化分散した。分散後、全量が300gと
なるように蒸留水を加え、2000回転で10分間混合
した。
【0149】
【化18】
【0150】
【化19】
【0151】次いで、同様にマゼンタカプラーおよびシ
アンカプラーの分散物も調製した。マゼンタカプラー
(g)7.65g、(h)1.12g、現像主薬(i)
8.13g、(c)1.05g、被り防止剤(d)0.
11g、高沸点有機溶媒(j)7.52gおよび酢酸エ
チル38.0mlを60℃で溶解した。石灰処理ゼラチ
ン12.2gおよびドデシルベンゼンスルホン酸ナトリ
ウム0.8gを溶解した水溶液150g中に先の溶液を
混合し、ディゾルバー攪拌機を用いて10000回転で
20分間かけて乳化分散した。分散後、全量が300g
となるように蒸留水を加え、2000回転で10分間混
合した。シアンカプラー(k)10.78g、現像主薬
(i)8.23g、(c)1.06g、被り防止剤
(d)0.15g、高沸点有機溶媒(j)8.27gお
よび酢酸エチル38.0mlを60℃で溶解した。石灰
処理ゼラチン12.2gおよびドデシルベンゼンスルホ
ン酸ナトリウム0.8gを溶解した水溶液150g中に
先の溶液を混合し、ディゾルバー攪拌機を用いて100
00回転で20分間かけて乳化分散した。分散後、全量
が300gとなるように蒸留水を加え、2000回転で
10分間混合した。
【0152】
【化20】
【0153】
【化21】
【0154】さらに、フィルター層およびハレーション
防止層として中間層を着色するための染料の分散物も同
様に調製した。各染料と、それを分散するのに用いた高
沸点有機溶媒とを下記に示す。
【0155】
【化22】
【0156】
【化23】
【0157】これらの分散物と、先に調製したハロゲン
化銀乳剤を組み合わせて表1の組成で支持体上に塗布
し、多層カラー写真感光材料101と102を作成し
た。
【0158】
【表1】
【0159】
【表2】
【0160】
【表3】
【0161】
【化24】
【0162】さらに、表4に示すような現像処理材料P
−1を作成した。
【0163】
【表4】
【0164】
【化25】
【0165】さらに、表5に示すようなハロゲン化銀溶
解処理材料P−201〜209を作成した。
【0166】
【表5】
【0167】作成した感光材料101を35mm巾に裁断
した。この未露光の感光材料に40℃の水を15cc/m2
(最大膨潤の45%に相当)付与後、現像処理材料P−
1と重ね、83℃のヒートドラムで感光材料のバック面
から15秒間加熱した。現像処理材料P−1を感光材料
101から剥離し、直ちに同一ドラム上でハロゲン化銀
溶解処理材料P―201を重ね、83℃30秒間加熱し
た。ハロゲン化銀溶解処理材料P−201を感光材料1
01から剥離すると、透明性に優れた処理済み感光材料
(301)が得られた。同様の処理を、ハロゲン化銀溶
解処理材料をP−202〜209に変えた以外は同様の
操作を行い、処理済み感光材料(302〜309)を得
た。処理後の感光材料301〜309について、透明性
をヘイズメーターで評価した結果と、かぶり濃度(ステ
ータスAのB濃度)をXrite310濃度計で測定し
た結果を表6に示す。表6からわかるように、本発明の
ハロゲン化銀溶剤の組合せは、それぞれ単独で用いたと
きよりも透明性に優れた感光材料を与えており、定着速
度に優れていることがわかる。本発明の一般式(I)に
類似した化合物の、N原子上の置換基が3個以上水素原
子であるメチルチオ尿素との組合せは、かぶり濃度が高
くなり好ましくない。
【0168】
【表6】
【0169】実施例2 実施例1で作成した感光材料102を用い、実施例1と
同様に、現像処理部材101とハロゲン化銀溶解処理部
材P−201〜209を用いて処理を行い、処理済み感
光材料401〜409を作成した。透明性をヘイズメー
ターで評価した結果と、かぶり濃度をXrite濃度計
で測定した結果を表7に示す。表7からわかるように、
平均アスペクト比の大きいハロゲン化銀粒子を用いた感
光材料102では比較例のハロゲン化銀溶解処理シート
を用いた場合に比べて、本発明の組合せのハロゲン化銀
処理シートを用いた場合の方が透明化に優れた感光材料
ができる。また、一般式(1)の化合物単独のP−20
1を用いた場合は、高感度の感光材料102の処理時に
はかぶりが大きくなるが、本発明のハロゲン化銀溶剤の
組合せではかぶりの弊害も少ない。
【0170】
【表7】
【0171】実施例3 作成した感光部材101をAPSフォーマットに裁断、穿
孔し、カートリッジに詰めて、APSカメラに装填して人
物とマクベスチャートを撮影した。この撮影済み感光部
材を実施例1と同様に、現像処理部材P−1とハロゲン
化銀溶解処理部材P−201を用いて処理を行ったとこ
ろ、感光部材上に透明性に優れたネガ画像が得られた。
この画像をデジタル画像読み取り装置フロンティアSP
−1000(富士写真フイルム製)で読み取り、ワーク
ステーション上で画像処理後、熱現像プリンター(PICT
ROGRAPHY4000、富士写真フイルム製)で出力したとこ
ろ、画像上にハロゲン化銀溶解ムラが観察された。同様
の処理を、ハロゲン化銀溶解処理部材をP−203を用
いた以外は同様の操作を行い、プリント画像を得た。こ
ちらのプリント画像には、ハロゲン化銀溶解ムラのない
良好なプリント画像が得られた。
【0172】
【発明の効果】本発明による特定のハロゲン化銀溶剤を
併用することによって、現像後に感光材料に残留する未
現像のハロゲン化銀を迅速に、しかもカブリを引き起こ
すことなく溶解して透明なカラー画像を得ることができ
る。また、ハロゲン化銀溶剤の析出によるハロゲン化銀
溶解ムラのない良好なプリント画像が得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03C 7/407 G03C 7/407

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に、少なくともハロゲン化銀、
    発色現像主薬、カプラー及びバインダーを有する感光材
    料を像様に露光後、支持体上に少なくとも塩基及び/ま
    たは塩基プレカーサーを含む処理層を有する現像処理材
    料を用い、感光材料と現像処理材料の間に1cc/m2〜5
    0cc/m2の水を存在させながら感光材料の感光層を有す
    る面と現像処理材料の処理層を有する面とを重ね合わ
    せ、60℃〜100℃の温度で5秒〜60秒間加熱した
    後、感光材料を現像用処理材料から剥離し、ついで支持
    体上に、一般式(I)で表されるハロゲン化銀溶剤と、
    一般式(II)で表されるハロゲン化銀溶剤を有すること
    を特徴とするハロゲン化銀溶解処理材料と前記の感光材
    料との間に1cc/m2〜50cc/m2の水を存在させながら
    その感光層を有する面と処理材料のハロゲン化銀溶剤を
    有する面とを重ね合わせ、40℃〜100℃の温度で2
    秒〜60秒間加熱した後、感光材料を処理材料から剥離
    することにより、感光材料上に透明なカラー画像を得る
    画像形成方法。 一般式(I) 【化1】 一般式(I)中、R1 、R2 、R3 及びR4は脂肪族炭
    化水素基、またはアリール基を表す。R2 及びR4は水
    素原子であっても良い。R1 、R2 、R3 及びR4はそ
    れぞれ連結してヘテロ環を形成しても良い。また、
    1 、R2 、R3 及びR4はカルボン酸もしくはその
    塩、スルホン酸もしくはその塩、ホスホン酸もしくはそ
    の塩、アミノ基、アンモニウム基、または水酸基で置換
    されていても良い。 一般式(II) 【化2】 式中、R1およびR3は脂肪族炭化水素基を表し、R2
    水素原子、または脂肪族炭化水素基を表す。
  2. 【請求項2】 感光性ハロゲン化銀乳剤の少なくとも一
    種が、平均粒子厚み0.3μm以下、かつ、粒子投影径
    を粒子厚みで除したアスペクト比が4から50の平板状
    粒子によって全投影面積の80%以上が占められるよう
    なハロゲン化銀粒子を含む感光層を有する感光材料を用
    いることを特徴とする請求項1に記載の画像形成方法。
  3. 【請求項3】 総塗布銀量が金属銀換算で3g/m2を越
    えることを特徴とする感光材料を用いることを特徴とす
    る請求項1に記載の画像形成方法。
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