JPH10213888A - ハロゲン化銀カラー写真感光材料及びカラー画像形成方法 - Google Patents

ハロゲン化銀カラー写真感光材料及びカラー画像形成方法

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JPH10213888A
JPH10213888A JP3111297A JP3111297A JPH10213888A JP H10213888 A JPH10213888 A JP H10213888A JP 3111297 A JP3111297 A JP 3111297A JP 3111297 A JP3111297 A JP 3111297A JP H10213888 A JPH10213888 A JP H10213888A
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JP
Japan
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silver halide
group
layer
silver
photosensitive
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Application number
JP3111297A
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English (en)
Inventor
Makoto Kikuchi
信 菊池
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 環境への負荷が少なく、簡易、且つ迅速な処
理による画像形成に好適で、しかも高感度で良好な粒状
性を与え、特に経時保存性に優れたハロゲン化銀カラー
写真感光材料を提供する。 【解決手段】 支持体上に感光性ハロゲン化銀粒子、現
像主薬、該現像主薬の酸化体とのカップリング反応によ
って色素を形成する化合物及びバインダーよりなる少な
くとも一層の写真感光性層を有する湿し水あり熱現像用
のハロゲン化銀カラー写真感光材料において、該感光性
ハロゲン化銀粒子が、ホストとしての平板状ハロゲン化
銀粒子の表面上に少なくとも1種の銀塩エピタキシーが
形成されたエピタキシャルハロゲン化銀粒子である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は画像を記録する新規
なハロゲン化銀カラー写真感光材料、及びそれを用いた
カラー画像形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ハロゲン化銀を利用した写真感光材料
は、近年、益々発展し、現在では簡易に高画質のカラー
画像を入手することが可能となっている。例えば、通常
カラー写真と呼ばれる方式ではカラーネガフィルムを用
いて撮影を行い、現像後のカラーネガフィルムに記録さ
れた画像情報を光学的にカラー印画紙に焼き付けること
でカラープリントを得る。近年ではこのプロセスが高度
に発達し、大量のカラープリントを高い効率で生産する
大規模な集中拠点であるカラーラボ又は店舗に設置され
た小型、簡易のプリンタプロセッサである所謂ミニラボ
の普及により誰もがカラー写真を手軽に楽しめるように
なっている。
【0003】現在普及しているカラー写真では、減色法
による色再現の原理が採用されている。一般的なカラー
ネガでは、透過支持体上に、それぞれ青、緑、そして赤
色領域に感光性を有する感光素子であるハロゲン化銀乳
剤を含む複数の感光性層が設けられ、各感光性層中には
各々が補色となる色相であるイエロー、マゼンタそして
シアンの色素を形成する所謂カラーカプラーが含有さ
れ、各色素を形成する感光性層の組み合わせによりカラ
ー画像の形成が可能となっている。撮影により像様に露
光されたカラーネガフィルムは、芳香族第一級アミン現
像主薬を含有するカラー現像液中で現像される。この
時、感光したハロゲン化銀粒子は現像主薬によって現
像、即ち、還元され、還元と同時に生成する現像主薬の
酸化体と上記のカラーカプラーとのカップリング反応に
よって各色素が形成(発色)される。この発色現像によ
って生じた金属銀(現像銀)と、未反応のハロゲン化銀
とをそれぞれ漂白及び定着処理によって取り除くことで
カラー画像が形成される。カラーネガフィルムの感光波
長領域及び発色色相と同様な感光波長領域及び発色色相
とを有する感光性層が反射支持体上に組み合わされたカ
ラー感光材料であるカラー印画紙を現像処理後のカラー
ネガフィルムを通して光学的に露光し、これに上記と同
様の発色現像と漂白及び定着処理とを施すことで撮影時
の光景を再現したカラープリントが得られる。
【0004】このようなカラープリントを得るシステム
は現在広く普及しているが、その簡易性を高める要求は
益々強くなりつつある。その理由としては、第一に、上
述の発色現像と漂白及び定着処理とを行うための処理浴
では、その組成や温度を精密に制御する必要があり、そ
のための専門的な知識と熟練した操作とを必要とするか
らである。第二に、前記処理浴中の処理液には一般に発
色現像主薬や漂白剤である鉄キレート化合物等のように
環境問題上その排出の規制が必要な物質が含有されてお
り、有害物質の漏洩を防止できる現像用の専用設備を必
要とする場合が多いからである。第三に、近年の技術開
発により短縮されたとはいえ、これらの現像処理は時間
を要し、迅速に記録画像を再現する要求に対しては未だ
不十分といわざるを得ないからである。
【0005】これらの観点に鑑み、多くの改良技術の提
案がなされている。特に現像処理の簡易迅速性を目的と
して、熱現像を利用する技術が種々提案されている。熱
現像感光材料とそのプロセスについては、例えば、「写
真工学の基礎」非銀塩写真編(1982年コロナ社発
行)の242頁〜255頁に記載されている。
【0006】熱現像でカラー画像を得る方法について
も、多くの方法が提案されている。例えば、米国特許第
3,531,286号、同3,761,270号、同
4,021,240号、ベルギー特許第802,519
号、リサーチ・ディスクロージャー誌(以下、適宜RD
と略記する。)1975年9月発行31〜32頁等には
現像薬の酸化体とカプラーとの結合によりカラー画像を
形成する方法が提案されている。しかし、以上の諸方法
では、一般に現像に比較的時間を要し、被りが高く、且
つ画像濃度が低い画像しか得られないという欠点を有し
ている。
【0007】発色現像主薬を含有する処理液が不要なシ
ステムとして、富士写真フイルム(株)よりピクトログ
ラフィーシステムが提供されている。このシステムは、
塩基プレカーサーを含有する感光材料に少量の水を供給
し、受像材料と貼り合わせ、加熱することで現像反応を
生じさせるので、前記処理浴を用いる必要がなく、環境
上有利である。しかしながら、この方式は、形成された
色素を色素固定層に固定し、これを色素画像として観賞
する用途に適用されているため、撮影用の記録材料とし
て利用できる感光材料及びカラー画像形成方法の開発が
望まれていた。特に、近年急速に発達したデジタルラボ
システムにより、撮影した画像情報を簡易迅速にデジタ
ル化するシステムや記録媒体のニーズが高くなってい
る。例えば、富士写真フイルム(株)製デジタルラボシ
ステムフロンティア(入力機「高速スキャナー/画像処
理ワークステーション」Scanner & Imag
eProcessor SP−1000及び出力機「レ
ーザプリンタ/ペーパープロセッサ」Laser Pr
inter & Paper Processor L
P−1000P)等の入力情報の撮影ネガがもっと簡易
迅速に処理できればシステムの性能が高くなると考えら
れる。
【0008】また、撮影材料に用いるハロゲン化銀乳剤
には、高感度、優れた粒状性及び経時保存性といった性
能が、高画質化及びタフネス性向上の観点から求められ
る。ハロゲン化銀乳剤の高感化技術の1つとして、平板
粒子の使用が知られている。高温で現像を行う熱現像方
式において平板粒子を使用する技術は、米国特許第4,
435,499号、特公平2−48101号、特開昭6
1−77048号、同62−78555号、同62−7
9447号に開示されている。しかしながら、本発明者
の研究結果によると環境負荷が少なく簡易迅速処理が可
能な撮影材料である熱現像系のカラー写真感光材料に上
記の技術を適用したハロゲン化銀平板粒子乳剤の使用を
検討したところ、製品保存時のカブリの増加が著しいこ
とがわかった。この現象は従来の発色現像主薬を含有す
る処理浴により現像する液現像系のカブリの変動に比べ
て大きいこともわかった。製品形態で経時によりカブリ
が増加すると、感度、階調のバランスが崩れ実用上の障
害となる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】これまでに述べてきた
ことから明らかなように、本発明の第一の目的は、環境
への負荷が少なく、簡易、且つ迅速な処理による画像形
成に好適で、しかも高感度で良好な粒状性を与え、特に
経時保存時のカブリの増加が低減されたハロゲン化銀カ
ラー写真感光材料を提供することにある。また、本発明
は、このようなハロゲン化銀カラー写真感光材料を用い
ることにより、環境への付加を軽減し、簡易且つ迅速に
高画質の画像を形成できるカラー画像形成方法を提供す
ることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、下
記の本発明により効果的に達成された。即ち、 (1) 支持体上に感光性ハロゲン化銀粒子、現像主
薬、該現像主薬の酸化体とのカップリング反応によって
色素を形成する化合物、及びバインダーよりなる少なく
とも一層の写真感光性層を有するハロゲン化銀カラー写
真感光材料であって、該ハロゲン化銀カラー写真感光材
料の露光後、該ハロゲン化銀カラー写真感光材料と、支
持体上に塩基及び/又は塩基プレカーサーを含有する処
理層を含む構成層を塗設した処理材料とを、これらの材
料の全塗布膜の最大膨潤に要する水量の合計の1/10
から1倍に相当する量の水を該ハロゲン化銀カラー写真
感光材料の写真感光性層面又は前記処理材料の処理層面
との間に介在させた状態で貼り合わせて加熱することに
より画像を形成させるハロゲン化銀カラー写真感光材料
において、該感光性ハロゲン化銀粒子が、ホストとして
の平板状ハロゲン化銀粒子の表面上に少なくとも1種の
銀塩エピタキシーが形成されたエピタキシャルハロゲン
化銀粒子であることを特徴とするハロゲン化銀カラー写
真感光材料。
【0011】(2) 上記(1)に記載のハロゲン化銀
カラー写真感光材料を、像様露光した後、該ハロゲン化
銀カラー写真感光材料の写真感光性層面と該処理材料の
処理層面のいずれかに、これらの材料の全塗布膜の最大
膨潤に要する水量の合計の1/10から1倍に相当する
量の40℃の水を湿し水として供給した後に、該ハロゲ
ン化銀カラー写真感光材料の写真感光性層面と該処理材
料の処理層面とを貼り合わせ、60℃以上100℃以下
の温度で5秒以上60秒以内加熱することにより画像を
形成させることを特徴とするカラー画像形成方法。
【0012】(3) 該湿し水の付与量が該ハロゲン化
銀カラー写真感光材料と該処理材料の全塗布膜の最大膨
潤に要する水量の合計の1/10から1/2倍に相当す
る量であることを特徴とする上記(2)に記載のカラー
画像形成方法。
【0013】(4) 該湿し水を付与する方式が水浸漬
方式であることを特徴とする上記(3)に記載のカラー
画像形成方法。
【0014】(5)該湿し水を付与する方式が水塗布方
式であることを特徴とする上記(3)に記載のカラー画
像形成方法。
【0015】(6) 該湿し水を付与する方式が水吹き
付け方式であることを特徴とする上記(3)に記載のカ
ラー画像形成方法。
【0016】(7) 該湿し水を付与する方式がジェッ
ト水塗布方式であることを特徴とする上記(3)に記載
のカラー画像形成方法。
【0017】ホストとしての平板状ハロゲン化銀粒子の
表面上に少なくとも1種の銀塩エピタキシーが形成され
たエピタキシャルハロゲン化銀粒子を含有する乳剤をカ
ラー写真感光材料に使用する例は、最近、例えば、欧州
特許第0,699,944A号、同第0,701,16
5A号、同第0,701,164A号、同第0,69
9,945A号、同第0,699,948A号、同第
0,699,946A号、同第0,699,949A
号、同第0,699,951A号、同第0,699,9
50A号、同第0,699,947A号、米国特許第
5,503,971号、同第5,503,970号、同
第5,494,789号、特開平8−101476号、
同8−101475号、同8−101473号、同8−
101472号、同8−101474号、同8−690
69号に開示されている。しかしながら、これらの特許
は、従来の発色現像主薬を含有する処理浴中の処理液に
よって現像を行う従来のハロゲン化銀カラー写真感光材
料の感度やコントラストを改良する技術に関するもので
あり、熱現像方式への適用について何ら記載は見られ
ず、本発明の熱現像系のカラー画像形成方法における、
感度、粒状比に加えて経時保存時の増感を改良する技術
とは別の技術である。また、本発明の効果は熱現像系画
像形成方法において初めて見られるものであった。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明においてオリジナルの光景
をカラー画像として再現するのに用いるハロゲン化銀カ
ラー写真感光材料(以下、適宜、感光材料という)で
は、基本的に減色法の色再現を用いることができる。即
ち、青、緑そして赤の領域に感光性を有する少なくとも
3種の感光性層を設置し、各感光性層には自身の感光波
長領域とは補色の関係であるイエロー、マゼンタそして
シアンの色素を形成しうるカラーカプラーが含有される
ことによりオリジナルの光景のカラー情報を記録するこ
とができる。このようにして得られたカラー画像を通し
てカラーネガフィルムの感光波長及び発色色相の関係と
同様の感光波長及び発色色相の関係を有するカラー印画
紙を露光することによってオリジナルの光景を再現する
ことができる。また、オリジナルの光景の撮影によって
得られたカラー画像の情報をスキャナー等によって読み
取り、この情報を基に観賞用の画像を再現することもで
きる。
【0019】本発明の感光材料には、3種以上の波長領
域に感光度を有する感光性層を設けことも可能である。
また、感光波長領域と発色色相との間に上記のような補
色以外の関係を持たせることも可能である。このような
場合には、上述のように画像情報を取り込んだ後、色相
変換等の画像処理を施すことでオリジナルの色情報を再
現することができる。
【0020】従来写真撮影に用いられてきたカラーネガ
フィルムにおいては、目的の粒状度を達成するために、
感光性ハロゲン化銀乳剤の改良もさることながら、現像
主薬の酸化体とのカップリング反応に際して現像抑制性
の化合物を放出する所謂DIRカプラーを用いる等の技
術が応用されてきた。本発明の感光材料では、DIRカ
プラーを用いない場合でも優れた粒状度が得られる。さ
らに、本発明の感光材料にDIR化合物を組み合わせる
ならば粒状度は益々優れたものになる。
【0021】以下に本発明に使用される感光性ハロゲン
化銀乳剤について説明する。本発明で平板状ハロゲン化
銀粒子(以下「平板粒子」という)とは2つの対向する
平行な主平面を有するハロゲン化銀粒子である。本発明
の平板粒子は1枚の双晶面又は2枚以上の平行な双晶面
を有する。ここで、双晶面とは(111)面の両側です
べての格子点のイオンが鏡像関係にある場合にこの(1
11)面のことをいう。この平板粒子は少なくとも一対
の平行な外表面を有し、その平面形状は、三角形状、六
角形状又はこれらが丸みを帯びた形状となっている。
【0022】本発明の感光性ハロゲン化銀乳剤では、平
板粒子の投影面積が全粒子の全投影面積の100乃至5
0%を占めることが好ましく、100乃至80%を占め
ることがより好ましく、100乃至90%を占めること
が特に好ましい。全粒子の全投影面積に対し平板粒子の
投影面積が占める割合が50%未満では平板粒子のメリ
ット(感度/粒状比、鮮鋭度の向上)を活かし切れず好
ましくない。
【0023】本発明の平板粒子の平均粒子厚みは0.0
1乃至0.5μmであることが好ましく、0.03乃至
0.4μmであることがより好ましく、0.03乃至
0.3μmであることが特に好ましい。ここで、平均粒
子厚みとは感光性ハロゲン化銀乳剤中の全平板粒子の粒
子厚みの算術平均である。平均粒子厚みが0.01μm
未満では圧力性が悪化し好ましくない。一方、平均粒子
厚みが0.5μmを超えると平板粒子のメリットを活か
し切れず好ましくない。
【0024】本発明の平板粒子の平均等価円相当直径は
0.3乃至5μmであることが好ましく、0.4乃至4
μmであることがより好ましく、0.5乃至3μmであ
ることが特に好ましい。ここで、平均等価円相当直径と
は感光性ハロゲン化銀乳剤中の全平板粒子の等価円相当
直径の算術平均である。平均等価円相当直径が0.3μ
m未満では本発明の効果が得られにくく好ましくない。
一方、平均等価円相当直径が5μmを超えると圧力性が
悪化するので好ましくない。
【0025】本発明の感光性ハロゲン化銀乳剤では、全
平板粒子の平均アスペクト比が2乃至100であること
が好ましく、3乃至50であることがより好ましく、4
乃至40であることが特に好ましい。ここで、アスペク
ト比とは、ハロゲン化銀粒子の厚みに対する等価円相当
直径の比、即ち、個々のハロゲン化銀粒子の投影面積の
等価円相当直径を粒子厚みで割った値であり、平均アス
ペクト比とは感光性ハロゲン化銀乳剤中の全平板粒子の
アスペクト比の算術平均である。平均アスペクト比が2
未満では平板粒子のメリットを活かし切れず好ましくな
い。一方、平均アスペクト比が100を超えると圧力性
が悪化し好ましくない。このアスペクト比の測定法の一
例としては、レプリカ法による透過電子顕微鏡写真を撮
影して個々の粒子の投影面積と等しい面積を有する円の
直径(等価円相当直径)及び厚みを求め、これらからア
スペクト比を求める方法がある。この場合、厚みはレプ
リカの影(シャドー)の長さから算出する。
【0026】本発明では上記の範囲の粒子厚みとアスペ
クト比を適宜選択できるが、粒子厚みが薄くアスペクト
比の高い平板粒子を用いること好ましく、その粒子形成
法には種々の方法を用いることができるが、例えば、米
国特許第5,494,789号に記載の粒子形成法を用
いることができる。
【0027】アスペクト比の高い平板粒子を形成するに
は、小サイズの双晶核を生成させることが重要である。
そのために、低温、高pBr、低pHでゼラチン量を減
らしたり、メチオニン含有量の少ないゼラチン、低分子
量のゼラチン、フタル化したゼラチン誘導体を使用した
り、短時間で核形成を行うことが好ましい。核形成後は
物理熟成により平板粒子核(平行多重双晶核)のみ成長
させ、他の正常晶の核、一重双晶の核、非平行多重双晶
核を消失させて、選択的に平行多重双晶の核を残す。そ
の後、可溶性銀塩と可溶性ハロゲン塩を反応容器中に添
加し粒子を成長させて平板粒子からなる乳剤を調製す
る。あらかじめ別に調製した、又は別の反応容器で同時
に調製したハロゲン化銀微粒子を添加することにより、
銀とハライドとを供給し、粒子を成長させることも好ま
しい。
【0028】本発明の感光性ハロゲン化銀乳剤では、最
短の辺の長さに対する、最長の辺の長さの比が2乃至1
である六角形の平板粒子の投影面積が感光性ハロゲン化
銀乳剤中の全粒子の投影面積の100乃至50%を占め
ることが好ましく、100乃至70%を占めることがよ
り好ましく、100乃至90%を占めることが特に好ま
しい。上記六角形以外の平板粒子が混入すると粒子間の
均質性の点で好ましくない。
【0029】本発明の感光性ハロゲン化銀乳剤は単分散
性であることが好ましい。
【0030】本発明の全ハロゲン化銀粒子の粒径分布の
変動係数は35乃至3%であることが好ましく、30乃
至3%であることがより好ましく、20乃至3%である
ことが特に好ましい。該変動係数が35%を超えると粒
子間の均質性の点で好ましくない。ここで、粒径分布の
変動係数とは個々のハロゲン化銀粒子の球相当直径の標
準偏差を平均球相当直径で割った値である。
【0031】本発明では、ホストとしての平板粒子(以
下、ホスト平板粒子という)表面上に少なくとも1種の
銀塩エピタキシーが形成されたエピタキシャルハロゲン
化銀粒子を使用する。本発明のホスト平板粒子のハロゲ
ン組成としては、臭化銀、塩臭化銀、沃臭化銀、塩沃臭
化銀等を用いることができるが、臭化銀、沃臭化銀を用
いることが好ましい。ホスト平板粒子が沃化銀、塩化銀
の他に、他の沃化物又は塩化物を含む場合、これらの沃
化物又は塩化物は粒子内に均一に分布させてもよいし、
局在させてもよい。
【0032】本発明のホスト平板粒子の沃化銀含有率の
範囲は0乃至20モル%であることが好ましく、0乃至
12モル%であることがより好ましく、0乃至10モル
%であることが特に好ましい。沃化銀を含有することは
色素吸着の強化、固有感度の上昇等の点で好ましい。し
かし、沃化銀含有率が20モル%を超えると一般に現像
速度が遅れるため好ましくない。
【0033】本発明の乳剤粒子の粒子間沃化銀含有率分
布の変動係数は0乃至30%であることが好ましく、0
乃至25%であることがより好ましく、0乃至20%で
あることが特に好ましい。粒子間沃化銀含有率分布の変
動係数は30%を超えると粒子間の均質性の点で好まし
くない。個々の乳剤粒子の沃化銀含有率はX線マイクロ
アナライザーを用いて、1個1個の粒子の組成を分析す
ることにより測定できる。また、沃化銀含有率分布の変
動係数とは個々の粒子の沃化銀含有のばらつき(標準偏
差)を平均沃化銀含有率で割った値である。
【0034】本発明において、銀塩エピタキシーをホス
ト平板粒子の表面の選択された部位に形成することが好
ましく、ホスト平板粒子のコーナーやエッジ(平板粒子
を上から見た時、粒子の側面及び各辺の辺上の部位)に
限定的に形成することが好ましい。銀塩エピタキシーは
化学増感サイトを提供すると共に電子トラップとして働
き有効な潜像を形成すると考えられ、写真感度の上昇に
寄与する。従って、その形成部位を限定することは粒子
内の潜像分散防止、粒子間の均質な化学増感の点で重要
である。本発明では粒子内及び粒子間で均質にホスト平
板粒子の表面の選択された部位に銀塩エピタキシーを形
成することが好ましい。
【0035】具体的な銀塩エピタキシーのサイトダイレ
クトの方法には、米国特許第4,435,501号に記
載の銀塩エピタキシー形成前にホスト粒子に分光増感色
素(例えば、シアニン色素)やアミノデザイン類(例え
ば、アデニン)を吸着させる方法及びホスト粒子に沃化
銀を含有させる方法等があり、これらが好適に使用され
る。
【0036】また、銀塩エピタキシー形成前に沃化物イ
オンを添加し、ホスト粒子に沈積させることも好まし
い。
【0037】本発明では、これらのサイトダイレクト方
法を適宜選択することができ、またこれらを組み合わせ
て用いることもできる。
【0038】銀塩エピタキシーがホスト平板粒子表面積
を占有する割合は1乃至50%であることが好ましく、
より好ましくは2乃至40%、特に好ましくは3乃至3
0%である。銀塩エピタキシーの占有率が1%未満又は
50%を超えると本発明の効果が得られにくく好ましく
ない。
【0039】銀塩エピタキシーの銀量はハロゲン化銀平
板粒子の総銀量に対して0.3乃至50モル%であるこ
とが好ましく、0.3乃至25モル%であることがより
好ましく、0.5乃至15モル%であることが特に好ま
しい。ハロゲン化銀平板粒子の総銀量に対する銀塩エピ
タキシーの銀量の割合が0.3%未満又は50%を超え
ると本発明の効果が得られにくく好ましくない。
【0040】本発明では、銀塩エピタキシーの組成を適
宜選ぶことができ、塩化物イオン、臭化物イオン、沃化
物イオンのいずれかを含むハロゲン化銀を使用できる
が、少なくとも塩化物イオンを含むハロゲン化銀である
ことが好ましい。
【0041】本発明に好適に使用されるハロゲン化銀エ
ピタキシーである塩化銀含有エピタキシーの場合、塩化
銀はホスト粒子である臭化銀、沃臭化銀と同じ面心立方
格子構造を形成するのでエピタキシー形成は容易であ
る。しかしながら、2種のハロゲン化銀により形成され
る格子間隔に差があり、この差により写真感度増加に寄
与するエピタキシー接合が形成される。
【0042】本発明では、ハロゲン化銀エピタキシーに
含まれる塩化銀含有率は、ホスト平板粒子に含まれる塩
化銀含有率よりも、少なくとも10モル%高いことが好
ましく、15モル%以上高いことがより好ましく、20
モル%以上高いことが特に好ましい。両者の差が10モ
ル%未満では本発明の効果が得られにくく好ましくな
い。
【0043】また、ハロゲン化銀エピタキシーに沃化物
イオンを導入することは高感化のために好ましい。本発
明では、ハロゲン化銀エピタキシー中の総銀量に対しこ
のハロゲン化銀エピタキシーに沃化銀として含まれる銀
量の割合は少なくとも1モル%であることが好ましく、
少なくとも1.5モル%であることがより好ましい。ハ
ロゲン化銀エピタキシーにハロゲン化物イオンを導入す
る際、その導入量を増やすために、エピタキシーの組成
に応じた順序でハロゲン化物イオンを導入することが好
ましい。例えば、内部に塩化銀が多く含まれ、中間部に
臭化銀が多く含まれ、外部に沃化銀が多く含まれるエピ
タキシーを形成する場合には、塩化物イオン、臭化物イ
オン、沃化物イオンの順にこれらのハロゲン化物を添加
して、添加されたハロゲン化物イオンを含むハロゲン化
銀の溶解度を他のハロゲン化銀の溶解度より低下させ
て、そのハロゲン化銀を沈殿させ、該ハロゲン化銀に富
んだ層を形成する。
【0044】ハロゲン化銀以外の銀塩、例えば、ロダン
銀、硫化銀、セレン化銀、炭酸銀、リン酸銀、有機酸銀
が銀塩エピタキシーに含まれていてもよい。
【0045】銀塩エピタキシーを形成する方法には、ハ
ロゲン化物イオンを添加する方法、硝酸銀水溶液とハロ
ゲン化物水溶液をダブルジェット法で添加する方法、ハ
ロゲン化銀微粒子を添加する方法等があり、これらの方
法を適宜選択することができる。また、これらを組み合
わせて用いてもよい。
【0046】銀塩エピタキシーを形成する時の系の温
度、pH、pAg、ゼラチン等の保護コロイド剤の種
類、濃度、ハロゲン化銀溶剤の有無、種類及び濃度等は
広範に変化し得る。
【0047】銀塩エピタキシーがホスト平板粒子表面に
形成されたハロゲン化銀平板粒子乳剤に関しては、最
近、例えば、欧州特許第0,699,944A号、同第
0,701,165A号、同第0,701,164A
号、同第0,699,945A号、同第0,699,9
48A号、同第0,699,946A号、同第0,69
9,949A号、同第0,699,951A号、同第
0,699,950A号、同第0,699,947A
号、米国特許第5,503,971号、同第5,50
3,970号、同第5,494,789号、特開平8−
101476号、同8−101475号、同8−101
473号、同8−101472号、同8−101474
号、同8−69069号に開示されているが、これらに
記載の粒子形成法を本発明では用いることができる。
【0048】上記特許の中に記載がある、粒子厚みが
0.07μm未満の平板粒子を本発明におけるホスト粒
子に用いる場合、ホスト粒子の形態保持又は銀塩エピタ
キシーの粒子エッジ/コーナー部へのサイトダイレクト
の為に、ホスト粒子の外側領域(最後に沈殿する部分で
あり、粒子のエッジ/コーナー部を形成する)は中央領
域の沃化銀含有率より少なくとも1モル%高い沃化銀含
有率であることが好ましい。その時の外側領域の沃化銀
含有率は1乃至20モル%であることが好ましく、より
好ましくは5乃至15モル%である。外側領域の沃化銀
含有率が1モル%未満では上記の効果が得られにくく、
20モル%超えると現像速度が遅れるので好ましくな
い。
【0049】この場合、ホスト粒子の総銀量に対する沃
化銀を含有する外側領域の総銀量の割合は10乃至30
%であることが好ましく、より好ましくは10乃至25
%である。該割合が10%未満又は30%を超えると上
記の効果が得られにくく好ましくない。
【0050】また、その時の中央領域の沃化銀含有率は
0乃至10モル%であることが好ましく、1乃至8モル
%であることがより好ましく、1乃至6モル%であるこ
とが特に好ましい。中央領域の沃化銀含有率が10モル
%を超えると現像速度が遅れるため好ましくない。
【0051】本発明の感光性ハロゲン化銀乳剤にはドー
パントを導入してもよい。「ドーパント」とは本発明の
ハロゲン化銀平板粒子の面心立方結晶格子構造内に含有
される銀及びハロゲン化物イオン以外の物質を意味す
る。本発明では、ハロゲン化銀面心立方結晶格子構造に
有用として知られる通常のドーパントはいずれも用いる
ことができ、元素周期律表内の広範囲の周期及び族から
選択できる。
【0052】本発明で使用される、金属イオン及び金属
錯体イオンによる電子トラップの深さの値は、R.S.
Eachus、R.E.Grave とM.T.Olm
によるPhys.Stat.Sol(b)の88巻70
5頁(1978)にESRを用いた動力学測定で得られ
る。
【0053】電子トラップの深さは、中心金属イオンの
種類、リガンドの種類、錯体の点群の対称性(Oh、D
4h、C4v等)、基盤のハロゲン組成で変わりうる。電子
トラップの深さは、中心金属イオン又は金属錯体イオン
の電子の最低非占有軌道のエネルギー準位が、ハロゲン
化銀の伝導帯の底より低いか高いかで決定される。金属
イオンの最低非占有軌道がハロゲン化銀の伝導帯より高
い場合は、中心金属イオンのクーロン力による緩い束縛
を電子に与えるので、浅い電子トラップになる。金属イ
オンの最低非占有軌道がハロゲン化銀の伝導帯より低い
場合は、伝導帯からのエネルギー差が、電子トラップの
深さに対応する。
【0054】浅い電子トラップの深さは、0.2eV以
下であることが好ましく、0.1eV以下であることが
より好ましい。浅い電子トラップとなりうる金属イオン
又は金属錯体イオンは、Pb2+、[M(CN)x y
z ]である。ここで、Mは、Fe2+、Ru2+、Os2+
Co3+、Ir3+、Re+ で、xは4,5,6で、L、N
は、ハロゲンイオン、例えば、フッ素、塩素、臭素、沃
素イオン、SCN- 、NCS- 、H2 Oのような無機リ
ガンド、又はピリジン、フェナントロリン、イミダゾー
ル、ピラゾールのような有機リガンドである。x+y+
z=6を満たすように、y,zの値が定まる。通常、リ
ガンドを有している場合、配位数は6である。
【0055】比較的深い電子トラップの深さは、0.3
5eV以上であることが好ましく、0.5eV以上であ
ることがより好ましい。これらの電子トラップとなりう
る金属イオン又は金属錯体イオンは、ハロゲンイオンリ
ガンド、ロダンイオンリガンドを有するIr、Rh、R
u、Pd、ニトロシルリガンドを1種類以上有するR
u、シアンリガンドを有するCrである。例えば、[I
rCl63-、[IrBr6-3、[Ir(SCN)
63-、[IrI63-、[RhCl5 (H2
0)]2-、[RhCl4 (H2 0)2- 、[RuCl
5 (NO)]2-、[Cr(CN)63-、[RhCl
63-、[Rh Br63-、[PdCl65-等が好ま
しく用いられる。
【0056】上記の金属イオン又は金属錯体イオンの添
加量は、ハロゲン化銀1モル当たり10-9〜10-2モル
程度である。
【0057】ハロゲン化銀粒子において、前記金属イオ
ン及び/又は金属錯体イオン(以下「金属イオン等」と
称することがある)は、粒子の内部に均一な状態で又は
局在した状態で組み込まれてもよいし、粒子の表面に露
出した状態で組み込まれてもよいし、粒子の表面には露
出しないが、該表面近傍に局在した状態で組み込まれて
もよい。
【0058】エピタキシャル粒子においては、基盤の結
晶であってもよいし、接合部の結晶であってもよい。ハ
ロゲン組成の異なる相を有する多重構造型の感光性ハロ
ゲン化銀乳剤においては、組成毎に含有させる金属イオ
ンを変化させてもよい。
【0059】前記金属イオン等の添加は、粒子形成時の
ハロゲン化物水溶液若しくは水溶性銀塩溶液に該金属塩
溶液を混合して、粒子形成中に連続して添加したり、該
金属イオン等がドープされた感光性ハロゲン化銀乳剤微
粒子を添加したり、又は、該金属イオン等を含む金属塩
溶液を粒子形成前、粒子形成中、粒子形成後に直接添加
したりすることで行える。粒子形成中には、該金属イオ
ン等を含む金属塩溶液を連続して添加してもよい。
【0060】前記金属塩を、水又はメタノール、アセト
ン等の適当な溶媒に溶かす場合、溶液を安定化するため
に、ハロゲン化水素水溶液(例えば、HCl、HB
r)、チオシアン酸若しくはその塩、又はハロゲン化ア
ルカリ(例えば、KCl、NaCl、KBr、NaBr
等)を添加する方法を用いることができる。また、必要
に応じて、酸、アルカリ等を加えるのも、溶液安定化の
観点で好ましい。
【0061】感光性ハロゲン化銀乳剤中における前記金
属イオン等の含有量は、例えば、原子吸光、偏光ゼーマ
ン分光、ICP分析等により測定される。前記金属錯体
イオンのリガンド、CN- 、SCN- 、NO- 等が感光
性ハロゲン化銀乳剤に含有されていることは、赤外吸収
(特にFT−IR)で確認される。
【0062】本発明で使用する感光性ハロゲン化銀乳剤
における平板粒子は、転位線を有していてもよい。転位
線とは、結晶の滑り面上で、既に滑った領域と未だ滑ら
ない領域の境界にある線状の格子欠陥のことである。
【0063】ハロゲン化銀結晶の転位線に関しては、
1)C.R.Berry,J.Appl.Phys.,
27,636(1956),2)C.R.Berry,
D.C.Skilman,J.Appl.Phys.,
35,2165(1964),3)J.F.Hamil
ton,Phot.Sci.Eng.,11,57(1
967),4)T.Shiozawa,J.Soc.P
hot.Sci.Jap.,34,16(1971),
5)T.Shiozawa,J.Soc.Phot.S
ci.Jap.,35,213(1972)等の文献が
あり、X線回折法又は低温透過型電子顕微鏡を用いた直
接的観察方法により解析できる。
【0064】透過型電子顕微鏡を用いて転位線を直接観
察する場合、ハロゲン化銀粒子に前記転位線が発生する
ほどの圧力をかけないよう注意して、感光性ハロゲン化
銀乳剤から取り出したハロゲン化銀粒子を電子顕微鏡観
察用のメッシュにのせ、電子線による損傷(例えば、プ
リントアウト)を防ぐように試料を冷却した状態で透過
法により観察することができる。この場合、ハロゲン化
銀粒子の厚みが厚いほど電子線が透過しにくくなるの
で、高圧型(0.25μmの厚さに対して、200kV
以上)の電子顕微鏡を用いたほうがより鮮明に観察する
ことができる。
【0065】特開昭63−220238号にはハロゲン
化銀粒子中に転位線をコントロールして導入する技術に
関する記載がある。転位線を導入した平板粒子は転位線
のない平板粒子と比較して、感度、相反則等の写真特性
に優れていることが示されている。
【0066】平板粒子の場合、前述のように電子顕微鏡
を用いて撮影した粒子の写真より、主平面に対して垂直
方向から見た場合の各粒子についての転位線の位置と本
数を求めることができる。本発明で使用する感光性ハロ
ゲン化銀乳剤における平板粒子が転位線を有する場合、
その位置は、例えば、粒子の頂点部、フリンジ部に限定
する、又は主平面部全体にわたって導入する等の中から
選ぶことができ任意であるが、特にフリンジ部に限定す
ることが好ましい。
【0067】本発明でいうフリンジ部とは平板粒子の外
周のことをいい、詳しくは平板粒子の辺から中心にかけ
ての沃化銀の分布において、辺側から見て、初めて、あ
る点における沃化銀の含有率が粒子全体の平均沃化銀含
有率を超えた点、又は下回った点の外側をいう。
【0068】本発明において、平板粒子が転位線を有す
る場合、該転位線の密度は任意であり1粒子当たり10
本以上、30本以上、50本以上等場合に応じて適宜選
択できる。
【0069】次に、本発明における、ホストとしての平
板状ハロゲン化銀粒子の表面上に少なくとも1種の銀塩
エピタキシーが形成されたエピタキシャルハロゲン化銀
粒子を含有する感光性ハロゲン化銀乳剤及びこれと併用
する前記感光性ハロゲン化銀乳剤以外の感光性ハロゲン
化銀乳剤について説明する。なお、以下の説明において
は、便宜上両者の乳剤をまとめて「ハロゲン化銀乳剤」
と称することがある。ハロゲン化銀乳剤は、具体的に
は、米国特許第4,500,626号第50欄、同第
4,628,021号、リサーチ・ディスクロージャー
誌No. 17,029(1978年)、同No. 17,64
3(1978年12月)22〜23頁、同No. 18,7
16(1979年11月)648頁、同No. 307,1
05(1989年11月)863〜865頁、特開昭6
2−253159号、同64−13546号、特開平2
−236546号、同3−110555号、グラフキデ
著「写真の物理と化学」、ポールモンテ社刊(P.Gl
afkides,Chemie et Physiqu
e Photographique, Paul Mo
ntel,1967)、ダフィン著「写真乳剤化学」、
フォーカルプレス社刊(G.F.Duffin, Ph
otographic Emulsion Chemi
stry, Focal Press, 1966)、
ゼリクマンら著「写真乳剤の製造と塗布」、フォーカル
プレス社刊(V.L.Zelikmanet al.,
Making and Coating Photo
graphic Emulsion, Focal P
ress, 1964)等に記載されている方法を用い
て調製したハロゲン化銀乳剤の中から選ぶことができ
る。
【0070】ハロゲン化銀乳剤の一般的な調製方法は、
前記のグラフキデ著「写真の物理と化学」、ポールモン
テ社刊(P.Glafkides,Chemie et
Physique Photographique,
Paul Montel,1967)ダフィン著「写
真乳剤化学」、フォーカルプレス社刊(G.F.Duf
fin, Photographic Emulsio
n Chemistry, Focal Press,
1966)、ゼリクマンら著「写真乳剤の製造と塗
布」、フォーカルプレス社刊(V.L.Zelikma
n et al., Making and Coat
ing Photographic Emulsio
n, Focal Press, 1964)等の記載
を参照すればよい。即ち、酸性法、中性法、及びアンモ
ニア法のいずれでもよく、また、可溶性銀塩と可溶性ハ
ロゲン塩を反応させる形式としては、片側混合法、同時
混合法、それらの組み合わせのいずれを用いてもよい。
単分散乳剤を得るためには、同時混合法か好ましく用い
られる。粒子を銀イオン過剰の下において形成させる逆
混合法も用いることができる。同時混合法の一つの形式
として、ハロゲン化銀の生成される液相中のpAgを一
定に保つ、所謂コントロールドダブルジェット法も用い
ることができる。
【0071】また、粒子成長を速めるために、添加する
銀塩及びハロゲン塩の添加濃度、添加量、並びに添加速
度を上昇させてもよい(特開昭55−142329号、
同55−158124号、米国特許第3,650,75
7号等)。さらに、反応液の撹拌方法は、公知のいずれ
の撹拌方法でもよい。また、ハロゲン化銀粒子形成中の
反応液の温度、pHは目的に応じて適宜選択することが
できる。pH範囲は2.2〜7.0であることが好まし
く、2.5〜6.0であることがより好ましい。
【0072】本発明における乳剤調製時に用いられる保
護コロイドとしては、ゼラチンが好ましく使用される
が、それ以外の親水性バインダーも用いることができ
る。親水性バインダーは、単独又はゼラチンとの併用で
使用できる。親水性バインダーとしては、例えば、ゼラ
チン誘導体、ゼラチンと他の高分子のグラフトポリマ
ー、アルブミンやカゼイン等の蛋白質、ヒドロキシエチ
ルセルロースやセルロース硫酸エステル類等のようなセ
ルロース誘導体、アルギン酸ナトリウム、澱粉誘導体、
多糖類、カラギナン、ポリビニルアルコールや変成アル
キルポリビニルアルコールやポリビニル−N−ピロリド
ン、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリアクリル
アミドやポリビニルイミダゾールやポリビニルピラゾー
ル等の単一若しくは共重合体のような合成親水性高分
子、米国特許第3,615,624号記載のチオエーテ
ルポリマーも好ましく使用できる。ゼラチンとしては、
石灰処理ゼラチンの他、酸処理ゼラチンや脱灰ゼラチン
やフタル化ゼラチン、カルバモイルゼラチン、エステル
化ゼラチンのようなゼラチン誘導体や低分子のゼラチン
を、平板粒子を形成する際に好ましく使用できる。過酸
化水素のような酸化剤で酸化処理されたゼラチンも、平
板粒子を形成する際に有効であることが知られている。
Bull.Soc.Photo.Japan.No.1
6の30頁(1966)に記載されたような酵素で処理
されたゼラチンも、低分子化ゼラチンとして使用でき
る。ゼラチンの加水分解物や酵素分解物も用いることが
できる。
【0073】ハロゲン化銀乳剤の形成時に、ハロゲン化
銀溶剤を用いることが好ましく、このようなハロゲン化
銀溶剤の例としては、チオシアン酸塩(米国特許第2,
222,264号、同第2,448,534号、同第
3,320,069号各明細書記載)、チオエーテル化
合物(米国特許第3,271,157号、同第3,57
4,628号、同第3,704,130号、同第4,2
97,439号、同第4,276,347号各明細書記
載)、チオン化合物(特開昭53−144319号、同
53−82408号、同55−77737号各公報記
載)、イミダゾール系化合物(特開昭54−10071
7号記載)、ベンズイミダゾール(特公昭60−546
62号)、及びアミン化合物(特開昭54−10071
7号公報記載)を挙げることができる。なお、アンモニ
アも悪作用を伴わない範囲でハロゲン化銀溶剤と併用す
ることができる。また、特公昭46−7781号、特開
昭60−222842号、特開昭60−122935号
等に記載されているような含窒素化合物をハロゲン化銀
粒子形成段階に添加することができる。ハロゲン化銀溶
剤の具体例の詳細は、特開昭62−215272号の1
2頁〜18頁に記載されている。
【0074】粒子形成中及び/又は粒子形成後に、チオ
スルフォン酸塩、米国特許第5,219,721号及び
同第5,364,754号記載のジカルコゲン化合物、
リポ酸、システイン、元素状硫黄、コバルトアンモニア
錯体のような無機金属錯体を添加してもよい。
【0075】米国特許第3,772,031号に記載さ
れているようなカルコゲナイド化合物を乳剤調製中に添
加する方法も有用な場合がある。S,Se,Te以外に
もシアン塩、チオシアン塩、セレノシアン塩、炭酸塩、
燐酸塩、酢酸塩を存在させてもよい。
【0076】本発明に使用する感光性ハロゲン化銀乳剤
を調整する過程で、過剰の塩を除去する所謂脱塩を行う
ことが好ましい。脱塩方法としては、ゼラチンをゲル化
させて行うヌーデル水洗法を用いてもよく、また、多価
アニオンより成る無機塩類(例えば、硫酸ナトリウ
ム)、アニオン性界面活性剤、アニオン性ポリマー(例
えば、ポリスチレンスルホン酸ナトリウム)、又はゼラ
チン誘導体(例えば、脂肪族アシル化ゼラチン、芳香族
アシル化ゼラチン、芳香族カルバモイル化ゼラチン等)
を利用した沈降法を用いてもよい。通常は、沈降法が好
ましく用いられる。
【0077】感光性ハロゲン化銀乳剤には通常は化学増
感された感光性ハロゲン化銀乳剤を使用する。本発明に
おいて、感光性ハロゲン化銀乳剤の化学増感には、通常
型感光材料用乳剤で公知の硫黄増感法、セレン増感法、
テルル増感法等のカルコゲン増感法、金、白金、パラジ
ウム等を用いる貴金属増感法及び還元増感法等を単独で
又は組合わせて用いることができる(例えば、特開平3
−110555号、特願平4−75798号等)。これ
らの化学増感を含窒素複素環化合物の存在下で行うこと
もできる(特開昭62−253159号)。また、後述
するかぶり防止剤を化学増感終了後に添加することがで
きる。具体的には、特開平5−45833号、特開昭6
2−40446号に記載の方法を用いることができる。
化学増感時のpHは5.3〜10.5であることが好ま
しく、5.5〜8.5であることがより好ましく、pA
gは6.0〜10.5であることが好ましく、6.8〜
9.0であることがより好ましい。本発明において使用
される感光性ハロゲン化銀の塗設量は、銀換算で0.0
5乃至20g/m2 、より好ましくは0.1〜10g/
2 の範囲である。
【0078】本発明に用いられる感光性ハロゲン化銀に
緑感性、赤感性等の感色性を持たせるためには、感光性
ハロゲン化銀乳剤をメチン色素類その他によって分光増
感する。また、必要に応じて青感性乳剤に青色領域の分
光増感を施してもよい。用いられる色素には、シアニン
色素、メロシアニン色素、複合シアニン色素、複合メロ
シアニン色素、ホロポーラーシアニン色素、ヘミシアニ
ン色素、スチリル色素及びヘミオキソノール色素が包含
される。具体的には、米国特許第4,617,257
号、特開昭59−180550号、同64−13546
号、特開平5−45828号、同5−45834号等に
記載の増感色素が挙げられる。これらの増感色素は単独
で用いてもよいが、それらの組合わせを用いてもよく、
増感色素の組合わせは特に、強色増感や分光増感の波長
調節の目的でしばしば用いられる。増感色素と共に、そ
れ自身分光増感作用をもたない色素又は可視光を実質的
に吸収しない化合物であって、強色増感を示す化合物を
感光性ハロゲン化銀乳剤中に含んでもよい(例えば、米
国特許第3,615,641号、特開昭63−2314
5号等に記載のもの)。これらの増感色素を乳剤中に添
加する時期は化学熟成時又はその前後でもよいし、米国
特許第4,183,756号、同4,225,666号
に従ってハロゲン化銀粒子の核形成前後でもよい。ま
た、これらの増感色素や強色増感剤は、メタノール等の
有機溶媒の溶液、ゼラチン等の分散物又は界面活性剤の
1液と共に添加すればよい。添加量は、一般に、ハロゲ
ン化銀1モル当り10-8乃至10-2モル程度である。
【0079】本発明においては、感光性ハロゲン化銀と
共に、有機金属塩を酸化剤として併用することもでき
る。このような有機金属塩の中で、有機銀塩は、特に好
ましく用いられる。上記の有機銀塩酸化剤を形成するの
に使用し得る有機化合物としては、米国特許第4,50
0,626号第52〜53欄等に記載のベンゾトリアゾ
ール類、脂肪酸その他の化合物がある。また、米国特許
第4,775,613号記載のアセチレン銀も有用であ
る。有機銀塩は、2種以上を併用してもよい。以上の有
機銀塩は、感光性ハロゲン化銀1モル当たり0.01〜
10モル、好ましくは0.01〜1モルを併用すること
ができる。感光性ハロゲン化銀と有機銀塩の塗布量合計
は、銀換算で0.05〜10g/m2 、好ましくは0.
1〜4g/m2 が適当である。
【0080】感光材料の構成層のバインダーには親水性
のものが好ましく用いられる。その例としては、前記の
RD及び特開昭64−13546号の(71)頁〜(75)頁に
記載されたものが挙げられる。具体的には、透明か半透
明の親水性バインダーが好ましく、例えば、ゼラチン、
ゼラチン誘導体等の蛋白質、セルロース誘導体、澱粉、
アラビアゴム、デキストラン、プルラン等の多糖類のよ
うな天然化合物、ポリビニールアルコール、変成ポリビ
ニルアルコール(例えば、(株)クラレ製の末端アルキ
ル変成ポバール、MP103,MP203等)、ポリビ
ニルピロリドン、アクリルアミド重合体等の合成高分子
化合物が挙げられる。また、米国特許第4,960,6
81号、特開昭62−245260号等に記載の高吸水
性ポリマー、即ち、−COOM若しくは−SO3 M(M
は水素原子又はアルカリ金属)を有するビニルモノマー
の単独重合体又は他のビニルモノマーとの共重合体(例
えば、メタクリル酸ナトリウム、メタクリル酸アンモニ
ウム、住友化学(株)製のスミタゲルL−5H)も使用
される。これらのバインダーは2種以上組み合わせて用
いることもできる。特にゼラチンと上記バインダーの組
み合わせが好ましい。また、ゼラチンは、種々の目的に
応じて石灰処理ゼラチン、酸処理ゼラチン、カルシウム
等の含有量を減らしたいわゆる脱灰ゼラチンから選択す
ればよく、これらを組み合わせて用いることも好まし
い。本発明において、バインダーの塗布量は1m2 当た
り20g以下が好ましく、特に10g以下にするのが適
当である。
【0081】次にカプラーについて説明する。本発明に
おけるカプラーとは、前記の発色現像主薬の酸化体とカ
ップリング反応し、色素を形成する化合物である。本発
明に好ましく使用されるカプラーとしては、活性メチレ
ン、5−ピラゾロン、ピラゾロアゾール、フェノール、
ナフトール、ピロロトリアゾールと総称される化合物で
ある。これらのカプラーにはリサーチ・ディスクロージ
ャーNo.38957(1996年9月)616〜62
4頁,”x.Dye imageformers an
d modifiers”に引用されている化合物を好
ましく使用することができる。
【0082】これらのカプラーはいわゆる2当量カプラ
ーと4当量カプラーとに分けることができる。2当量カ
プラーのアニオン性離脱基として作用する基としては、
ハロゲン原子(例えば、クロル基、ブロム基)、アルコ
キシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基)、アリール
オキシ基(例えば、フェノキシ基、4−シアノフェノキ
シ基、4−アルコキシカルボニルフェニル基)、アルキ
ルチオ基(例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、ブチ
ルチオ基)、アリールチオ基(例えば、フェニルチオ
基、トリルチオ基)、アルキルカルバモイル基(例え
ば、メチルカルバモイル基、ジメチルカルバモイル基、
エチルカルバモイル基、ジエチルカルバモイル基、ジブ
チルカルバモイル基、ピペリジルカルバモイル基、モル
ホリルカルバモイル基)、アリールカルバモイル基(例
えば、フェニルカルバモイル基、メチルフェニルカルバ
モイル基、エチルフェニルカルバモイル基、ベンジルフ
ェニルカルバモイル基)、カルバモイル基、アルキルス
ルファモイル基(例えば、メチルスルファモイル基、ジ
メチルスルファモイル基、エチルスルファモイル基、ジ
エチルスルファモイル基、ジブチルスルファモイル基、
ピペリジルスルファモイル基、モルホリルスルファモイ
ル基)、アリールスルファモイル基(例えば、フェニル
スルファモイル基、メチルフェニルスルファモイル基、
エチルフェニルスルファモイル基、ベンジルフェニルス
ルファモイル基)、スルファモイル基、シアノ基、アル
キルスルホニル基(例えば、メタンスルホニル基、エタ
ンスルホニル基)、アリールスルホニル基(例えば、フ
ェニルスルホニル基、4−クロロフェニルスルホニル
基、p−トルエンスルホニル基)、アルキルカルボニル
オキシ基(例えば、アセチルオキシ基、プロピオニルオ
キシ基、ブチロイルオキシ基)、アリールカルボニルオ
キシ基(例えば、ベンゾイルオキシ基、トルイルオキシ
基、アニシルオキシ基)、含窒素複素環基(例えば、イ
ミダゾリル基、ベンゾトリアゾリル基)等が挙げられ
る。
【0083】また、4当量カプラーのカチオン性離脱基
として作用する基としては、水素原子、ホルミル基、カ
ルバモイル基、置換基を有するメチレン基(置換基とし
ては、アリール基、スルファモイル基、カルバモイル
基、アルコキシ基、アミノ基、水酸基等)、アシル基、
スルホニル基等が挙げられる。
【0084】上記RD No.38957に記載の化合
物以外にも、以下に記載のカプラーを好ましく用いるこ
とができる。
【0085】活性メチレン系カプラーとしては、EP5
02,424A号の式(I),(II)で表わされるカ
プラー;EP513,496A号の式(1),(2)で
表わされるカプラー;EP568,037A号のクレー
ム1の式(I)で表わされるカプラー;US5,06
6,576号のカラム1の45〜55行の一般式(I)
で表わされるカプラー;特開平4−274425号の段
落0008の一般式(I)で表わされるカプラー;EP
498,381A1号の40頁のクレーム1に記載のカ
プラー;EP447,969A1号の4頁の式(Y)で
表わされるカプラー;US4,476,219号のカラ
ム7の36〜58行の式(II)〜(IV)で表わされ
るカプラーを用いることができる。
【0086】5−ピラゾロン系マゼンタカプラーとして
は、特開昭57−35858号及び特開昭51−208
26号に記載の化合物が好ましい。
【0087】ピラゾロアゾール系カプラーとしては、米
国特許第4,500,630号に記載のイミダゾ〔1,
2−b〕ピラゾール類、米国特許第4,540,654
号に記載のピラゾロ〔1,5−b〕〔1,2,4〕トリ
アゾール類、米国特許第3,725,067号に記載の
ピラゾロ〔5,1−c〕〔1,2,4〕トリアゾール類
が好ましく、光堅牢性の点で、これらのうちピラゾロ
〔1,5−b〕〔1,2,4〕トリアゾール類が好まし
い。
【0088】また特開昭61−65245号に記載され
ているような分岐アルキル基がピラゾロトリアゾール基
の2、3又は6位に直結したピラゾロアゾールカプラ
ー、特開昭61−65245号に記載されている分子内
にスルホンアミド基を含んだピラゾロアゾールカプラ
ー、特開昭61一147254号に記載されるアルコキ
シフェニルスルホンアミドバラスト基を持つピラゾロア
ゾールカプラー、特開昭62−209457号若しくは
同63−307453号に記載されている6位にアルコ
キシ基やアリールオキシ基を持つピラゾロトリアゾール
カプラー、並びに特開平2−201443号に記載され
る分子内にカルボンアミド基を持つピラゾロトリアゾー
ルカプラーも好ましく用いることができる。
【0089】フェノール系カプラーの好ましい例として
は、米国特許第2,369,929号、同第2,80
1,171号、同第2,772,162号、同第2,8
95,826号、同第3,772,002号等に記載の
2−アルキルアミノ−5−アルキルフェノール系、米国
特許第2,772,162号、同第3,758,308
号、同第4,126,396号、同第4,334,01
1号、同第4,327,173号、西独特許公開第3,
329,729号、特開昭59−166956号等に記
載の2,5−ジアシルアミノフェノール系、米国特許第
3,446,622号、同第4,333,999号、同
第4,451,559号、同第4,427,767号等
に記載の2−フェニルウレイド−5−アシルアミノフェ
ノール系等を挙げることができる。
【0090】ナフトールカプラーの好ましい例として
は、米国特許第2,474,293号、同第4,05
2,212号、同第4,146,396号、同第4,2
28,233号、同第4,296,200号等に記載の
2−カルバモイル−1−ナフトール系及び米国特許4,
690,889号等に記載の2−カルバモイル−5−ア
ミド−1−ナフトール系等を挙げることができる。
【0091】ピロロトリアゾール系カプラーの好ましい
例としては、欧州特許第488,248A1号、同第4
91,197A1号、同第545,300号に記載のカ
プラーが挙げられる。
【0092】その他、縮環フェノール、イミダゾール、
ピロール、3−ヒドロキシピリジン、活性メチン、5,
5−縮環複素環、5,6−縮環複素環といった構造を有
するカプラーが使用できる。
【0093】縮環フェノール系カプラーとしては、米国
特許第4,327,173号、同第4,564,586
号、同第4,904,575号等に記載のカプラーが使
用できる。
【0094】イミダゾール系カプラーとしては、米国特
許第4,818,672号、同第5,051,347号
等に記載のカプラーが使用できる。
【0095】ピロール系カプラーとしては、特開平4−
188137号、同4−190347号等に記載のカプ
ラーが使用できる。
【0096】3−ヒドロキシピリジン系カプラーとして
は、特開平1一315736号等に記載のカプラーが使
用できる。
【0097】活性メチン系カプラーとしては、米国特許
第5,104,783号、同第5,162,196号等
に記載のカプラーが使用できる。
【0098】5,5−縮環複素環系カプラーとしては、
米国特許第5,164,289号に記載のピロロピラゾ
ール系カプラー、特開平4−174429号に記載のピ
ロロイミダゾール系カプラー等が使用できる。
【0099】5,6−縮環複素環系カプラーとしては、
米国特許第4,950,585号に記載のピラゾロピリ
ミジン系カプラー、特開平4−204730号に記載の
ピロロトリアジン系カプラー、欧州特許第556,70
0号に記載のカプラー等が使用できる。
【0100】本発明には前述のカプラー以外に、西独特
許第3,819,051A号、同第3,823,049
号、米国特許第4,840,883号、同第5,02
4,930号、同第5,051,347号、同第4,4
81,268号、欧州特許第304,856A2号、同
第329,036号、同第354,549A2号、同第
374,781A2号、同第379,110A2号、同
第386,930A1号、特開昭63−141055
号、同64−32260号、同64−32261号、特
開平2−297547号、同2−44340号、同2−
110555号、同3−7938号、同3−16044
0号、同3−172839号、同4−172447号、
同4−179949号、同4−182645号、同4−
184437号、同4−188138号、同4−188
139号、同4−194847号、同4−204532
号、同4−204731号、同4−204732号等に
記載されているカプラーも使用できる。これらのカプラ
ーは各色0.05〜10ミリモル/m2 、好ましくは
0.1〜5ミリモル/m2 用いる。
【0101】また、以下のような機能性カプラーを含有
してもよい。発色色素が適度な拡散性を有するカプラー
としては、US4,366,237号、GB2,12
5,570号、EP96,873B号、DE3,23
4,533号に記載のものが好ましい。発色色素の不要
な吸収を補正するためのカプラ一として、EP456,
257A1号に記載のイエローカラードシアンカプラ
ー、該EPに記載のイエローカラードマゼンタカプラ
ー、US4,833,069号に記載のマゼンタカラー
ドシアンカプラー、US4,837,136号の
(2)、WO92/11575号のクレーム1の式
(A)で表わされる無色のマスキングカプラー(特に3
6〜45頁の例示化合物)が好ましい。
【0102】現像主薬酸化体と反応して写真的に有用な
化合物残査を放出する化合物(カプラーを含む)として
は、EP378,236A1号の11頁に記載の式
(I)〜(IV)で表わされる化合物、EP436,9
38A2号の7頁に記載の式(I)で表わされる化合
物、EP568,037A号の式(1)で表わされる化
合物、EP440,195A2号の5〜6頁に記載の式
(I),(II),(III)で表わされる化合物のよ
うな現像抑制剤放出化合物;EP310,125A2号
の5頁の式(I),(I’)で表わされる化合物及び特
開平6−59411号の講求項1の式(I)で表わされ
る化合物のような漂白促進剤放出化合物;US4,55
5,478号のクレーム1に記載のLIG‐Xで表わさ
れる化合物のようなリガンド放出化合物;US4,74
9,641号のカラム3〜8の化合物1〜6のようなロ
イコ色素放出化合物;US4,774,181号のクレ
ーム1のCOUP−DYEで表わされる化合物のような
蛍光色素放出化合物;US4,656,123号のカラ
ム3の式(1)、(2)、(3)で表わされる化合物及
びEP450,637A2号の75頁36〜38行目の
ExZK−2のような現像促進剤又はカブラセ剤放出化
合物;US4,857,447号のクレーム1の式
(I)で表わされる化合物、特願平4−134523号
の式(1)で表わされる化合物、EP440,195A
2号の5、6頁に記載の式(I),(II),(II
I)で表わされる化合物、特願平4−325564号の
請求項1の式(I)で表わされる化合物のような離脱し
て初めて色素となる基を放出する化合物;US4,55
5,478号のクレーム1に記載のLIG−Xで表され
る化合物のようなリガンド放出化合物等が挙げられる。
これらの機能性カプラーは、先に述べた発色に寄与する
カプラーの0.05〜10倍モル用いることが好まし
く、0.1〜5倍モル用いることがより好ましい。
【0103】本発明の感光材料では、銀現像によって生
成した酸化体が前述のカプラーとカップリングして色素
を生成することのできる発色現像主薬を内蔵することが
必要である。
【0104】発色現像主薬としては、p−フェニレンジ
アミン類又ははp−アミノフェノール類でもよいが、好
ましくは下記一般式(1)〜(5)で表される化合物を
用いる。
【0105】
【化1】
【0106】一般式(1)で表される化合物はスルホン
アミドフェノールと総称される化合物である。式中、R
1 〜R4 は各々水素原子、ハロゲン原子(例えば、クロ
ル基、ブロム基)、アルキル基(例えば、メチル基、エ
チル基、イソプロピル基、n−ブチル基、t−ブチル
基)、アリール基(例えば、フェニル基、トリル基、キ
シリル基)、アルキルカルボンアミド基(例えば、アセ
チルアミノ基、プロピオニルアミノ基、ブチロイルアミ
ノ基)、アリールカルボンアミド基(例えば、ベンゾイ
ルアミノ基)、アルキルスルホンアミド基(例えば、メ
タンスルホニルアミノ基、エタンスルホニルアミノ
基)、アリールスルホンアミド基(例えば、ベンゼンス
ルホニルアミノ基、トルエンスルホニルアミノ基)、ア
ルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、ブトキ
シ基)、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ基)、
アルキルチオ基(例えば、メチルチオ基、エチルチオ
基、ブチルチオ基)、アリールチオ基(例えば、フェニ
ルチオ基、トリルチオ基)、アルキルカルバモイル基
(例えば、メチルカルバモイル基、ジメチルカルバモイ
ル基、エチルカルバモイル基、ジエチルカルバモイル
基、ジブチルカルバモイル基、ピペリジルカルバモイル
基、モルホリルカルバモイル基)、アリールカルバモイ
ル基(例えば、フェニルカルバモイル基、メチルフェニ
ルカルバモイル基、エチルフェニルカルバモイル基、ベ
ンジルフェニルカルバモイル基)、カルバモイル基、ア
ルキルスルファモイル基(例えば、メチルスルファモイ
ル基、ジメチルスルファモイル基、エチルスルファモイ
ル基、ジエチルスルファモイル基、ジブチルスルファモ
イル基、ピペリジルスルファモイル基、モルホリルスル
ファモイル基)、アリールスルファモイル基(例えば、
フェニルスルファモイル基、メチルフェニルスルファモ
イル基、エチルフェニルスルファモイル基、ベンジルフ
ェニルスルファモイル基)、スルファモイル基、シアノ
基、アルキルスルホニル基(例えば、メタンスルホニル
基、エタンスルホニル基)、アリールスルホニル基(例
えば、フェニルスルホニル基、4−クロロフェニルスル
ホニル基、p−トルエンスルホニル基)、アルコキシカ
ルボニル基(例えば、メトキシカルボニル基、エトキシ
カルボニル基、ブトキシカルボニル基)、アリールオキ
シカルボニル基(例えば、フェノキシカルボニル基)、
アルキルカルボニル基(例えば、アセチル基、プロピオ
ニル基、ブチロイル基)、アリールカルボニル基(例え
ば、ベンゾイル基、アルキルベンゾイル基)、又はアシ
ルオキシ基(例えば、アセチルオキシ基、プロピオニル
オキシ基、ブチロイルオキシ基)を表す。R1 〜R4
中で、R2 及びR4 は好ましくは水素原子である。ま
た、R1 〜R4 のハメット定数σp値の合計は0以上と
なることが好ましい。
【0107】R5 は、アルキル基(例えば、メチル基、
エチル基、ブチル基、オクチル基、ラウリル基、セチル
基、ステアリル基)、アリール基(例えば、フェニル
基、トリル基、キシリル基、4−メトキシフェニル基、
ドデシルフェニル基、クロロフェニル基、トリクロロフ
ェニル基、ニトロクロロフェニル基、トリイソプロピル
フェニル基、4−ドデシルオキシフェニル基、3,5−
ジ−(メトキシカルボニル)基)、又は複素環基(例え
ば、ピリジル基)を表す。
【0108】一般式(2)で表される化合物はスルホニ
ルヒドラジンと総称される化合物である。また、一般式
(4)で表される化合物はカルバモイルヒドラジンと総
称される化合物である。
【0109】式中、Zは芳香環を形成する原子群を表
す。Zによって形成される芳香環は、本化合物に銀現像
活性を付与するため、十分に電子吸引的であることが必
要である。このため、含窒素芳香環を形成するか、又は
ベンゼン環に電子吸引性基を導入したような芳香環が好
ましく使用される。このような芳香環としては、ピリジ
ン環、ピラジン環、ピリミジン環、キノリン環、キノキ
サリン環等が好ましい。
【0110】ベンゼン環の場合、その置換基としては、
アルキルスルホニル基(例えば、メタンスルホニル基、
エタンスルホニル基)、ハロゲン原子(例えば、クロル
基、ブロム基)、アルキルカルバモイル基(例えば、メ
チルカルバモイル基、ジメチルカルバモイル基、エチル
カルバモイル基、ジエチルカルバモイル基、ジブチルカ
ルバモイル基、ピペリジルカルバモイル基、モルホリル
カルバモイル基)、アリールカルバモイル基(例えば、
フェニルカルバモイル基、メチルフェニルカルバモイル
基、エチルフェニルカルバモイル基、ベンジルフェニル
カルバモイル基)、カルバモイル基、アルキルスルファ
モイル基(例えば、メチルスルファモイル基、ジメチル
スルファモイル基、エチルスルファモイル基、ジエチル
スルファモイル基、ジブチルスルファモイル基、ピペリ
ジルスルファモイル基、モルホリルスルファモイル
基)、アリールスルファモイル基(例えば、フェニルス
ルファモイル基、メチルフェニルスルファモイル基、エ
チルフェニルスルファモイル基、ベンジルフェニルスル
ファモイル基)、スルファモイル基、シアノ基、アルキ
ルスルホニル基(例えば、メタンスルホニル基、エタン
スルホニル基)、アリールスルホニル基(例えば、フェ
ニルスルホニル基、4−クロロフェニルスルホニル基、
p−トルエンスルホニル基)、アルコキシカルボニル基
(例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル
基、ブトキシカルボニル基)、アリールオキシカルボニ
ル基(例えば、フェノキシカルボニル基)、アルキルカ
ルボニル基(例えば、アセチル基、プロピオニル基、ブ
チロイル基)、又はアリールカルボニル基(例えば、ベ
ンゾイル基、アルキルベンゾイル基)等が挙げられる
が、上記置換基のハメット定数σ値の合計は1以上であ
る。
【0111】一般式(3)で表される化合物はスルホニ
ルヒドラゾンと総称される化合物である。また、一般式
(5)で表される化合物はカルバモイルヒドラゾンと総
称される化合物である。
【0112】式中、R6 は、置換又は無置換のアルキル
基(例えば、メチル基、エチル基)を表す。Xは、酸素
原子、硫黄原子、セレン原子又はアルキル置換若しくは
アリール置換の3級窒素原子を表すが、アルキル置換の
3級窒素原子が好ましい。R7 、R8 は、水素原子又は
置換基を表し、R7 、R8 が互いに結合して2重結合又
は環を形成してもよい。
【0113】以下に、一般式(1)〜(5)で表される
化合物の具体例を示すが、本発明の化合物はもちろんこ
れによって限定されるものではない。
【0114】
【化2】
【0115】
【化3】
【0116】
【化4】
【0117】
【化5】
【0118】
【化6】
【0119】
【化7】
【0120】
【化8】
【0121】
【化9】
【0122】
【化10】
【0123】
【化11】
【0124】
【化12】
【0125】
【化13】
【0126】発色現像主薬は、上記の化合物の1種類を
又は複数種類の組み合わをて用いる。各層で別々の発色
現像主薬を用いてもよい。それらの発色現像主薬の総使
用量は0.05〜20ミリモル/m2 、好ましくは0.
1〜10ミリモル/m2 である。
【0127】耐拡散性の現像主薬を使用する場合には、
耐拡散性現像主薬と現像可能なハロゲン化銀との間の電
子移動を促進するために、必要に応じて電子伝達剤及び
/又は電子伝達剤プレカーサーを用いることができる。
特に好ましくは、前記米国特許第5,139,919
号、欧州特許公開第418,743号記載のものが用い
られる。また、特開平2−230143号、同2−23
5044号記載のように安定に層中に導入する方法が好
ましく用いられる。電子伝達剤又はそのプレカーサー
は、前記した現像主薬又はそのプレカーサーの中から選
ぶことができる。電子伝達剤又はそのプレカーサーはそ
の移動性が耐拡散性の現像主薬(電子供与体)より大き
いことが望ましい。特に有用な電子伝達剤は1−フェニ
ル−3−ピラゾリドン類又はアミノフェノール類であ
る。また、特開平3−160443号記載のような電子
供与体プレカーサーも好ましく用いられる。さらに中間
層や保護層に混色防止、色再現改善等種々の目的で、種
々の還元剤を用いることができる。具体的には、欧州特
許公開第524,649号、同357,040号、特開
平4−249245号、同2−46450号、特開昭6
3−186240号記載の還元剤が好ましく用いられ
る。また、特公平3−63733号、特開平1−150
135号、同2−46450号、同2−64634号、
同3−43735号、欧州特許公開第451,833号
記載のような現像抑制剤放出還元剤化合物も用いられ
る。
【0128】それ自身は還元性を持たないが現像過程で
求核試薬や熱の作用により還元性を発現する現像主薬プ
レカーサーも用いることができる。その他、下記の様な
還元剤を感光材料に内蔵してもよい。本発明に用いられ
る還元剤の例としては、米国特許第4,500,626
号の第49〜50欄、同第4,839,272号、同第
4,330,617号、同4,590,152号、同第
5,017,454号、同第5,139,919号、特
開昭60−140335号の第(17)〜(18)頁、同57−
40245号、同56−138736号、同59−17
8458号、同59−53831号、同59−1824
49号、同59−182450号、同60−11955
5号、同60−128436号、同60−128439
号、同60−198540号、同60−181742
号、同61−259253号、同62−244044
号、同62−131253号、同62−131256
号、同64−13546号の第(40)〜(57)頁、特開平1
−120553号、欧州特許第220,746A2号の
第78〜96頁等に記載の還元剤や還元剤プレカーサー
がある。また、米国特許第3,039,869号に開示
されているもののような種々の還元剤の組合せも用いる
ことができる。本発明においては現像主薬及び還元剤の
総添加量は銀1モルに対して0.1〜20モル、特に好
ましくは0.1〜10モルである。
【0129】カプラー、現像主薬、耐拡散性還元剤等の
疎水性添加剤を、米国特許第2,322,027号記載
の方法等の公知の方法により感光材料の層中に導入する
ことができる。この場合には、米国特許第4,555,
470号、同第4,536,466号、同第4,53
6,467号、同第4,587,206号、同第4,5
55,476号、同第4,599,296号、特公平3
−62256号等に記載のような高沸点有機溶媒を、必
要に応じて沸点50℃〜160℃の低沸点有機溶媒と共
に、用いることができる。また、これら色素供与性化合
物、耐拡散性還元剤、高沸点有機溶媒等を2種以上併用
することができる。高沸点有機溶媒の量は用いられる疎
水性添加剤1gに対して10g以下、好ましくは5g以
下、より好ましくは1g〜0.1gである。また、バイ
ンダー1gに対して1cc以下、さらには0.5cc以
下、特に0.3cc以下が適当である。特公昭51−3
9853号、特開昭51−59943号に記載されてい
る重合物による分散法や、特開昭62−30242号等
に記載されている微粒子分散物にして添加する方法も使
用できる。水に実質的に不溶な化合物の場合には、前記
方法以外にバインダー中に微粒子として分散含有させる
ことができる。疎水性化合物を親水性コロイドに分散す
る際には、種々の界面活性剤を用いることができる。例
えば、特開昭59−157636号の第(37)〜(38)頁、
前記のリサーチ・ディスクロージャー記載の界面活性剤
として挙げたものを使うことができる。また、特願平5
−204325号、同6−19247号、西独公開特許
第1,932,299A号記載のリン酸エステル型界面
活性剤も使用できる。
【0130】本発明においては感光材料に現像の活性化
と同時に画像の安定化を図る化合物を用いることができ
る。好ましく用いられる具体的化合物については米国特
許第4,500,626号の第51〜52欄に記載され
ている。
【0131】本発明の感光材料は、支持体上に少なくと
も1層の感光性層が設けられていれぱよい。典型的な例
としては、支持体上に、実質的に感色性は同じであるが
感光度の異なる複数のハロゲン化銀乳剤層から成る感光
性層を少なくとも1つ有するハロゲン化銀カラー写真感
光材料である。該感光性層は青色光、緑色光、及び赤色
光の何れかに感色性を有する単位感光性層であり、多層
ハロゲン化銀カラー写真感光材料においては、一般に単
位感光性層の配列が、支持体側から順に赤感色性層、緑
感色性層、青感色性層の順に設置される。しかし、目的
に応じて上記設置順が逆であっても、また同一感色性層
中に異なる感光性層が挟まれたような設置順をもとり得
る。上記のハロゲン化銀カラー写真感光性層の間及び最
上層、最下層には非感光性層を設けてもよい。これらに
は、後述のカプラー、発色現像主薬、DIR化合物、混
色防止剤、染料等が含まれていてもよい。各単位感光性
層を構成する複数のハロゲン化銀乳剤層は、DE1,1
21,470号又はGB923,045号に記載されて
いるように高感度乳剤層、低感度乳剤層の2層を、支持
体に向かって順次感光度が低くなる様に配列するのが好
ましい。また、特開昭57−112751号、同62−
200350号、同62−206541号、同62−2
06543号に記載されているように支持体より離れた
側に低感度乳剤層、支持体に近い側に高感度乳剤層を設
置してもよい。具体例として支持体から最も遠い側か
ら、低感度青感光性層(BL)/高感度青感光性層(B
H)/高感度緑感光性層(GH)/低感度緑感光性層
(GL)/高感度赤感光性層(RH)/低感度赤感光性
層(RL)の順、BH/BL/GL/GH/RH/RL
の順、又はBH/BL/GH/GL/RL/RHの順等
に設置することができる。また、特公昭55−3493
2号公報に記載されているように、支持体から最も遠い
側から青感光性層/GH/RH/GL/RLの順に配列
することもできる。さらに、特開昭56−25738
号、同62−63936号に記載されているように、支
持体から最も遠い側から青感光性層/GL/RL/GH
/RHの順に配列することもできる。また、特公昭49
−15495号に記載されているように上層に最も感光
度の高いハロゲン化銀乳剤層、中層にそれよりも低い感
光度のハロゲン化銀乳剤層、下層に中層よりも更に感光
度の低いハロゲン化銀乳剤層を配置し、支持体に向かっ
て感光度が順次低められた感光度の異なる3層から構成
される配列が挙げられる。このような感光度の異なる3
層から構成される場合でも、特開昭59−202464
号に記載されているように、同一感色性層中において支
持体より離れた側から中感度乳剤層/高感度乳剤層/低
感度乳剤層の順に配置されてもよい。その他、高感度乳
剤層/低感度乳剤層/中感度乳剤層、又は低感度乳剤層
/中感度乳剤層/高感度乳剤層の順に配置されていても
よい。また、4層以上の場合にも、上記の如く配列を変
えてよい。色再現性を改良するために、US4,66
3,271号、同4,705,744号、同4,70
7,436号、特開昭62−160448号号、同63
−89850号の明細書に記載の、BL,GL,RL等
の主感光層と分光感度分布が異なる重層効果のドナー層
(CL)を主感光層に隣接又は近接して配置することが
好ましい。
【0132】本発明においては、ハロゲン化銀と色素供
与性カプラー及び発色現像主薬は同一層に含まれていて
もよいが、反応可能な状態であれぱ別層に分割して添加
することもできる。例えば、発色現像主薬を含む層とハ
ロゲン化銀を含む層とを別層にするとハロゲン化銀カラ
ー写真感光材料の生保存性の向上が図れる。各層の分光
感度及びカプラーの色相の関係は任意であるが、赤色感
光性層にシアンカプラー、緑色感光性層にマゼンタカプ
ラー、青色感光性層にイエローカプラーを用いると、従
来のカラーペ一パー等に直接投影露光できる。感光材料
の上記ハロゲン化銀乳剤層の間、最上層及び最下層に
は、保護層、下塗り層、中間層、青色フィルター層、ア
ンチハレーション層等の各種の非感光性層を設けてもよ
く、支持体の反対側にはバック層等の種々の補助層を設
けることができる。具体的には、上記特許記載のような
層構成、米国特許第5,051,335号記載のような
下塗り層、特開平1−167838号、特開昭61−2
0943号記載のような固体顔料を有する中間層、特開
平1−120553号、同5−34884号、同2−6
4634号記載のような還元剤やDIR化合物を有する
中間層、米国特許第5,017,454号、同5,13
9,919号、特開平2−235044号記載のような
電子伝達剤を有する中間層、特開平4−249245号
記載のような還元剤を有する保護層又はこれらを組み合
わせた層等を設けることができる。
【0133】黄色フィルター層、アンチハレーション層
に用いることのできる染料としては、現像時に消色、又
は溶出し、処理後の濃度に寄与しないものが好ましい。
黄色フィルター層、アンチハレーション層の染料が現像
時に消色又は除去されるとは、処理後に残存する染料の
量が、塗布直前の1/3以下、好ましくは1/10以下
となることであり、現像時に染料の成分が感光材料から
溶出又は処理材料中に転写してもよいし、現像時に反応
して無色の化合物に変わってもよい。
【0134】本発明の感光材料中に使用できる染料とし
ては、公知の染料を用いることができる。例えば、現像
液のアルカリに溶解する染料や、現像液中の成分、亜硫
酸イオンや主薬、アルカリと反応して消色するタイプの
染料も用いることができる。具体的には、欧州特許出願
EP549,489A号記載の染料や、特開平7−15
2129号のExF2〜6の染料が挙げられる。特願平
6−259805号に記載されているような、固体分散
した染料を用いることもできる。この染料は、感光材料
を処理液で現像する場合にも用いることができるが、感
光材料を後述する処理シートを用いて熱現像する場合に
特に好ましい。また、媒染剤とバインダーに染料を媒染
させておくこともできる。この場合媒染剤と染料は写真
分野で公知のものを用いることができ、媒染剤の例とし
ては、US4,500,626号第58〜59欄や、特
開昭61−88256号32〜41頁、特開昭62−2
44043号、特開昭62−244036号等に記載の
媒染剤を挙げることができる。また、還元剤と反応して
拡散性色素を放出する化合物及び還元剤を用い、現像時
にアルカリで可動性色素を放出させ、処理液に溶出さ
せ、又は処理シートに転写除去させることもできる。具
体的には、米国特許第4,559,290号、同第4,
783,369号、欧州特許第220,746A2号、
公開技報87−6119号に記載されている他、特願平
6−259805号の段落番号0080−0081に記
載されている。
【0135】消色するロイコ染料等を用いることもで
き、具体的には特開平1−150132号に有機酸金属
塩の顕色剤によりあらかじめ発色させておいたロイコ色
素を含むハロゲン化銀感光材料が開示されている。ロイ
コ色素と顕色剤錯体は熱又はアルカリ剤と反応して消色
するため、本発明において感光材料を熱現像する場合に
は、このロイコ色素と顕色剤の組み合わせが好ましい。
ロイコ色素には公知のものが利用でき、森賀、吉田「染
料と薬品」9、84頁(化成品工業協会)、「新版染料
便覧」242頁(丸善、1970)、R.Garner
「Reports on the Progress
of Appl. Chem」56、199頁(19
71)、「染料と薬品」19、230頁(化成品工業協
会、1974)、「色材」62、288頁(198
9)、「染料工業」32、208等に記載がある。顕色
剤としては、酸性白土系顕色剤、フェノールホルムアル
デヒドレジンの他、有機酸の金属塩が好ましく用いられ
る。有機酸の金属塩としてはサリチル酸類の金属塩、フ
ェノール−サリチル酸−ホルムアルデヒドレジンの金属
塩、ロダン塩、キサントゲン酸塩の金属塩等が有利であ
り、金属としては特に亜鉛が好ましい。上記の顕色剤の
うち、油溶性のサリチル酸亜鉛塩については、米国特許
第3,864,146号、同第4,046,941号各
明細書、及び特公昭52−1327号公報等に記載され
たものを用いることができる。
【0136】本発明の感光材料は硬膜剤で硬膜されてい
ることが好ましい。硬膜剤の例としては、米国特許第
4,678,739号第41欄、同第4,791,04
2号、特開昭59−116655号、同62−2452
61号、同61−18942号、特開平4−21804
4号等に記載の硬膜剤が挙げられる。より具体的には、
アルデヒド系硬膜剤(ホルムアルデヒド等)、アジリジ
ン系硬膜剤、エポキシ系硬膜剤、ビニルスルホン系硬膜
剤(N,N′−エチレン−ビス(ビニルスルホニルアセ
タミド)エタン等)、N−メチロール系硬膜剤(ジメチ
ロール尿素等)、ほう酸、メタほう酸又は高分子硬膜剤
(特開昭62−234157号等に記載の化合物)が挙
げられる。これらの硬膜剤の使用量は、親水性バインダ
ー1g当たり0.001〜1gであり、0.005〜
0.5gが好ましい。
【0137】感光材料には、種々のカブリ防止剤又は写
真安定剤及びそれらのプレカーサーを使用することがで
きる。その具体例としては、前記リサーチ・ディスクロ
ージャー、米国特許第5,089,378号、同第4,
500,627号、同第4,614,702号、特開昭
64−13564号(7) 〜(9) 頁、(57)〜(71)頁及び(8
1)〜(97)頁、米国特許第4,775,610号、同第
4,626,500号、同第4,983,494号、特
開昭62−174747号、同62−239148号、
特開平1−150135号、同2−110557号、同
2−178650号、RD17,643号(1978
年)(24)〜(25)頁等記載の化合物が挙げられる。本発明
のハロゲン化銀カラー写真感光材料は露光された後、塩
基及び/又はプレカーサーを含有する処理材料と、感光
材料及び処理材料を構成する全塗布膜の最大膨潤に要す
る水の1/10から1倍に相当する量の水を供給した後
に貼り合わせ、加熱することにより現像される。本発明
は、上記のような熱現像において良好な粒状性と露光ラ
チチュードを達成する目的でなされたものであり、液現
像を行うことによる環境負荷を軽減することを目指すも
のであるが、本発明のハロゲン化銀カラー写真感光材料
をアルカリ処理液を用いたアクチベータ法又は現像主薬
/塩基を含む処理液で現像することで画像を形成するこ
とも可能である。これらの化合物の使用量は、銀1モル
当たり5×10-6〜1×10-1モルが好ましく、さらに
1×10-5〜1×10-2モルが好ましく用いられる。
【0138】感光材料の加熱処理は当該技術分野では公
知であり、熱現像感光材料とそのプロセスについては、
例えば、写真工学の基礎(1970年、コロナ社発行)
の553頁〜555頁、1978年4月発行映像情報4
0頁、Nabletts Handbook of P
hotography and Reprograph
y 7th Ed.(Vna Nostrand an
d ReinholdCompanyy)の32〜33
頁、米国特許第3,152,904号、同第3,30
1,678号、同第3,392,020号、同第3,4
57,075号、英国特許第1,131,108号、同
第1,167,777号及びリサーチ・ディスクロージ
ャー誌1978年6月号9〜15頁(RD−1702
9)に記載されている。
【0139】アクチベーター処理とは、発色現像主薬を
感光材料の中に内蔵させておき、発色現像主薬を含まな
い処理液で現像処理を行う処理方法をである。この場合
の処理液は通常の現像処理液成分に含まれている発色現
像主薬を含まないことが特徴で、その他の成分(例え
ば、アルカリ、補助現像主薬等)を含んでいてもよい。
アクチベーター処理については、欧州特許第545,4
91A1号、同第565,165A1号等の公知文献に
例示されている。
【0140】現像主薬/塩基を含む処理液で現像する方
法は、RD.No.17643の28〜29頁、同N
o.18716の651左欄〜右欄、及び同No.30
7105の880〜881頁に記載されている。次に、
本発明において、熱現像処理の場合に用いられる処理材
料及び処理方法について詳細に説明する。
【0141】本発明に用いる処理材料の処理層には、少
なくとも塩基及び/又は塩基プレカーサーを含む。塩基
としては、無機又は有機塩基を用いることができる。無
機の塩基としては、特開昭62−209448号記載の
アルカリ金属若しくはアルカリ土類金属の水酸化物、リ
ン酸塩、炭酸塩、ホウ酸塩、有機酸塩、特開昭63−2
5208号記載のアルカリ金属若しくはアルカリ土類金
属のアセチリド等が挙げられる。
【0142】また、有機の塩基としては、アンモニア、
脂肪族又は芳香族アミン類(例えば、1級アミン類、2
級アミン類、3級アミン類、ポリアミン類、ヒドロキシ
ルアミン類、複素環状アミン類)、アミジン類、ビス若
しくはトリス若しくはテトラアミジン、グアニジン類、
水不溶性のモノ若しくはビス若しくはトリス若しくはテ
トラグアニジン類、4級アンモニウムの水酸化物類等が
挙げられる。
【0143】塩基プレカーサーとしては、脱炭酸型、分
解型、反応型及び錯塩形成型等を用いることができる。
本発明においては、欧州特許公開210,660号、米
国特許第4,740,445号に記載されているよう
に、塩基プレカ一サーとして水に難溶な塩基性金属化合
物及びこの塩基性金属化合物を構成する金属イオンと水
を媒体として錯形成反応しうる化合物(錯形成化合物と
いう)の組み合わせで塩基を発生させる方法を採用する
のが効果的である。この場合、水に難溶な塩基性金属化
合物は感光材料に、錯形成化合物は処理材料に添加する
のが望ましいが、この逆も可能である。
【0144】塩基又は塩基プレカーサーの使用量は、
0.1〜20g/m2 、好ましくは1〜10g/m2
ある。処理材料の処理層のバインダーには、感光材料同
様の親水性ポリマーを用いることができる。処理材料は
感光材料同様に硬膜剤で硬膜されていることが好まし
い。硬膜剤は感光材料に使用したものと同様のものを用
いることができる。
【0145】処理材料には前に述べたような、感光材料
の責色フィルター層やアンチハレーション層に用いる染
料を転写除去する等の目的で媒染剤を含ませることがで
きる。媒染剤としては、ポリマー媒染剤が好ましい。そ
の例としては2級又は3級アミノ基を含むポリマー、含
窒素複素環部分を持つポリマー、これらの4級カチオン
基を含むポリマー等で分子量が5000〜20000
0、特に10000〜50000のものである。具休的
には、米国特許第2,548,564号、同2,48
4,430号、同3,148,061号、同3,75
6,814号、同3,625,694号、同3,85
9,096号、同4,128,538号、同3,95
8,995号、同2,721,852号、同2,79
8,063号、同4,168,976号、同3,70
9,690号、同3,788,855号、同3,64
2,482号、同3,488,706号、同3,55
7,066号、同3,271,147号、同3,27
1,148号、同2,675,316号、同2,88
2,156号、英国特許1,277,453号、特開昭
54−115228号、同54−145529号、同5
4−126027号、同50−71332、同53−3
0328号、同52−155528号、同53−125
号、同53−1024号等の明細書に記載されている。
媒染剤の添加量は、0.1〜10g/m2 、好ましくは
0.5〜5g/m2 である。
【0146】また、処理材料に物理現像核及びハロゲン
化銀溶剤を含ませておき現像と同時に感光材料のハロゲ
ン化銀を可溶化し、処理層に固定してもよい。物理現像
に必要な還元剤は、感光材料の分野で知られているもの
を用いることができる。また、それ自身は還元性を持た
ないが処理過程で求核試薬や熱の作用により還元性を発
現する還元剤プレカーサーも用いることができる。還元
剤としては、感光材料から拡散してくる感光材料で現像
に用いられなかった発色現像主薬を利用することができ
る。また、還元剤を処理材料に予め含有させておいても
よい。後者の場合、処理材料に含有させておく還元剤
は、感光材料に含まれる還元剤と同じでもよいし、異な
っていてもよい。本発明に用いられる還元剤の例として
は、米国特許4,500,626号の第49〜50欄、
同4,483,914号の第30〜31欄、同4,33
0,617号、同4,590,152号、特開昭60−
140335号の第(17)〜(18)頁、同57−4
0245号、同56−138736号、同59−178
458号、同59−53831号、同59−18244
9号、同59−182450号、同60−119555
号、同60−128436号から同60−128439
号まで、同60−198540号、同60−18174
2号、同61−259253号、同62−244044
号、同62−131253号から同62−131256
まで、欧州特許第220,746A2号の第78〜96
頁等に記載の還元剤や還元剤プレカーサーを用いること
ができる。米国特許第3,039,869号に開示され
ている種々の還元剤の組み合わせを用いることもでき
る。耐拡散型の現像主薬を使用する場合には、必要に応
じて、電子伝達剤及び/又は電子伝達剤のプレカーサー
を組み合わせて用いてもよい。電子伝達剤又はそのプレ
カーサーは、前述した還元剤又はそのプレカーサーの中
から選ぶことができる。処理材料に還元剤を添加する場
合の添加量は、0.01〜10g/m2 であり、好まし
くは、感光材料の銀のモル数の1/10〜5倍である。
【0147】物理現像核は、感光材料より拡散してきた
可溶性銀塩を還元して物理現像銀に変換し、処理層に固
定させるものである。物理現像核としては、亜鉛、水
銀、鉛、カドミウム、鉄、クロム、ニッケル、錫、コバ
ルト、銅、ルテニウム等の重金属、パラジウム、白金、
金、銀等の貴金属、又はこれら重金属、貴金属の硫黄、
セレン、テルル等のカルコゲン化合物、のコロイド粒子
等の公知のものはすべて利用できる。これらの物理現像
核の大きさは、2〜200nmであることが好ましい。
これらの物理現像核は、処理層に10-3mg/m2 〜1
0g/m2 含有させる。
【0148】ハロゲン化銀溶剤は、公知のものを使用で
きる。例えば、チオ硫酸塩、亜硫酸塩、チオシアン酸
塩、特公昭47−11386号記載のチオエーテル化合
物、特開平8−179458号記載のウラシル、ヒダン
トインの如き5乃至6員環のイミド基を有する化合物、
特開昭53−144319号記載の炭素−硫黄の2重結
合を有する化合物、アナリティカ・ケミカ・アクタ(A
nalytica Chemica Acta)248
巻604〜614頁(1991年)記載のトリメチルト
リアゾリウムチオレート等のメソイオンチオレート化合
物が好ましく用いられる。また、特開平8−69097
号記載のハロゲン化銀を定着して安定化しうる化合物も
ハロゲン化銀溶剤として使用しうる。ハロゲン化銀溶剤
は、単独で使用してもよいし、複数のハロゲン化銀溶剤
を併用することも好ましい。
【0149】処理層中の、全ハロゲン化銀溶剤の含有量
は、0.01〜100ミリモル/m2 であり、好ましく
は、0.1〜50ミリモル/m2 である。感光材料の塗
布銀量に対して、モル比で1/20〜20倍で、好まし
くは1/10〜10倍、より好ましくは1/4〜4倍で
ある。ハロゲン化銀溶剤は、水、メタノール、エタノー
ル、アセトン、ジメチルホルムアルデヒド、メチルプロ
ピルグリコール等の溶媒又はアルカリ若しくは酸性水溶
液として添加してもよいし、固体微粒子分散させて塗布
液に添加してもよい。
【0150】本発明においては、処理材料に現像停止剤
又は現像停止剤のプレカーサーを含ませておき、現像と
同時又はタイミングを遅らせて現像停止剤を働かせても
よい。ここでいう現像停止剤とは、適正現像後、速やか
に塩基を中和若しくは塩基と反応して膜中の塩基濃度を
下げ現像を停止する化合物、及び銀若しくは銀塩と相互
作用して現像を抑制する化合物である。具体的には、加
熱により酸を放出する酸プレカーサー、加熱により共存
する塩基と置換反応を起こす親電子化合物、並びに含窒
素ヘテロ環化合物、メルカプト化合物及びその前駆体が
挙げられる。詳しくは、特開昭62−190529号の
(31)〜(32)頁に記載されている。また、同様に
ハロゲン化銀のプリントアウト防止剤を処理材料に含ま
せておき、現像と同時にその機能を発現させてもよい。
プリントアウト防止剤の例としては、特公昭54−16
4号、特開昭53−46020号、同48−45228
号、特公昭57−8454号等に記載のハロゲン化合
物、英国特許第1,005,144号記載の1−フェニ
ル−5−メルカプトテトラゾール類の化合物、特開平8
−184936号記載のビオローゲン化合物類が挙げら
れる。プリントアウト防止剤の使用量は、10-4〜1モ
ル/Agモル、好ましくは10-3〜10-22/Agモル
である。
【0151】処理材料には、感光材料と同様に保護層、
下塗り層、バック層、その他の種々の補助層があっても
よい。処理材料は連続ウェブ上に処理層が設けられてい
ることが好ましい。ここでいう連続ウェブとは、処理材
料の長さが、処理時対応する感光材料の長辺の長さより
十分に長く、処理に使用するときにその一部を裁断する
ことなく使用し、複数の感光材料を処理できる長さを有
する形態をいう。一般には、その処理材料の長さが、巾
の5倍以上10000倍以下のことをいう。処理材料の
巾は任意であるが、対応する感光材料の巾以上であるこ
とが好ましい。
【0152】また、複数の感光材料を並行し、すなわち
感光材料を複数並べて処理するような形態も好ましい。
この場合処理材料の巾は、感光材料の巾×同時処理数以
上であることが好ましい。このような連続ウェブは送り
出しロールから供給され巻き取りロールに巻き取られて
廃棄されることが好ましい。特にサイズが大きい処理材
料の場合、廃棄が容易である。以上のように、連続ウェ
ブの処理材料は従来のシート材料に比ベ、取り扱い性が
著しく向上する。
【0153】本発明の処理材料に用いられる支持体の厚
みは任意であるが、薄いほうが好ましく、特に好ましく
は4ミクロン以上120ミクロン以下である。支持体厚
みが40ミクロン以下の処理材料を利用することがとり
わけ好ましく、この場合、単位体積当たりの処理材料の
量が多くなるので、上記の処理材料用ロールをコンパク
トにできる。支持体の素材についても特に限定はなく、
処理温度に耐えることのできるものが用いられる。一般
的には、日本写真学会編「写真工学の基礎−銀塩写真編
−」、(株)コロナ社刊(昭和54年)(223〜24
0頁)記載の紙、合成高分子(フィルム)等の写真用支
持体が挙げられる。
【0154】支持体用の素材は単独で使用することもで
きるし、ポリエチレン等の合成高分子で片面又は両面を
コート又はラミネートされた支持体として用いることも
できる。このほか、特開昭62−253159号(2
9)〜(31)頁、特開平1−161236号(14)
〜(17)頁、特開昭63−316848号、特開平2
−22651号、同3−56955号、米国特許第5,
001,033号等に記載の支持体を用いることができ
る。また主としてシンジオタクチック構造を有するスチ
レン系重合休である支持体も好ましく用いることができ
る。
【0155】これらの支持体の表面に親水性バインダー
とアルミナゾルや酸化錫の様な半導性金属酸化物、カー
ボンブラックその他の帯電防止剤を塗布してもよい。ア
ルミニウムを蒸着した支持体も好ましく用いることがで
きる。
【0156】本発明における湿し水の付与には各種の方
法が考えられる。例えば、(1)湿し水の処理漕を設
け、この中に一定速度で感光材料を通過させ、引き続き
ニップローラーで感光材料表面の余分な水を除去するこ
とにより常に一定の水を付与する方法(水浸漬方式)、
(2)コーティングロッドのような塗布ヘッドを設置し
て、一定速度で搬送される感光材料表面に一定量の湿し
水を塗りつけていく方法(水塗布方式)、(3)霧吹き
装置を設置して、一定速度で搬送される感光材料表面に
一定の湿し水を吹き付けていく方式(水吹き付け方
式)、(4)タンク内に貯留された水をタンクに設置さ
れた複数のノズル孔から微少な水滴として噴射して供給
する方法(ジェット水塗布方式)等がある。
【0157】具体的には、特開昭62−212653
号、同62−929558号、特開平4−275551
号、同4−275550号、同4−43350号、同3
−294855号、同3−110559号、特願平8−
44053号等に記載の方法を用いることができる。
【0158】(1)〜(4)それぞれの方式の具体的な
実施様態は上記以外に種々考えられる。しかし、いずれ
の方法においても余剰の湿し水が水槽や塗布部等に残留
することや装置内に湿し水の貯蔵槽を持つ必要があるこ
と等から、長期間にはこれらの水に汚れを生じ易い。従
って、本発明の方法は上記の例に限定されるものではな
く、広く適用することができるものである。
【0159】本発明の湿し水温度における水膨潤量は、
膜厚計を用いて、膨潤時の膜厚を測定する際に、用いる
水と測定部分を所定の温度に保温することによって測定
することができる。また、本発明の湿し水の付与量は、
予め重量を計った感光材料を湿し水付与工程に通した
後、直ちに再度重量測定し先の重量との差から求めるこ
とができる。
【0160】本発明に用いる水としては、一般に用いら
れる水であれば何を用いてもよい。具体的には、蒸留
水、イオン交換水、水道水、井戸水、ミネラルウォター
等を用いることができる。また、本発明の感光材料及び
処理材料を用いる熱現像装置においては水を使い切りで
使用してもよいし、循環し繰り返し使用してもよい。後
者の場合、材料から溶出した成分を含む水を使用するこ
とになる。また、特開昭63−144354号、同63
−144355号、同62−38460号、特開平3−
210555号等に記載の装置や水を用いてもよい。更
に、水に溶解する低沸点溶媒、界面活性剤、カブリ防止
剤、前述の錯化剤、防菌防バイ剤を含有している水を用
いてもよい。
【0161】水は感光材料、処理材料又はその両方に付
与することができるが、好ましくは感光材料に付与す
る。その使用量は感光材料の感光性層面側の写真構成層
と処埋部材の処理層面側の構成層の全塗布膜を最大膨潤
させるのに要する量(飽和水膨潤量)の1/10〜1倍
であるが、1/10〜1/2が好ましく、1/10〜1
/2.5がより好ましく、1/10〜1/3が特に好ま
しい。付与する水の温度は前記特開昭63−85544
号等に記載のように30℃〜60℃であればよく、35
〜60℃がより好ましく、40〜55℃が更に好まし
い。水中での雑菌類の繁殖を防ぐ目的で45℃以上にす
ることは有用である。
【0162】本発明の感光材料には、熱現像を促進する
目的で熱溶剤を添加してもよい。その例としては、米国
特許第3,347,675号及び同第3,667,95
9号に記載されているような極性を有する有機化合物が
挙げられる。具体的には、アミド誘導体(ベンズアミド
等)、尿素誘導体(メチル尿素、エチレン尿素等)、ス
ルホンアミド誘導体(特公平1−40974号及び同4
−13701号に記載されている化合物等)、ポリオー
ル化合物(ソルビトール類)、及びポリエチレングリコ
ール類が挙げられる。熱溶剤が水不溶性の場合は、固体
分散物として用いることが好ましい。添加する層は目的
に応じ、感光性層、非感光性層のいずれでもよい。熱溶
剤の添加量は、添加する層のバインダーの10〜500
重量%、好ましくは20〜300重量%である。
【0163】熱現像工程の加熱温度は、約50〜250
℃であるが、特に60〜150℃が有用である。また、
加熱時間は5〜60秒が好ましく、5〜30秒がより好
ましい。
【0164】加熱現像工程における加熱方法としては、
加熱されたブロック、プレート、熱板、ホットプレッサ
ー、熱ローラー、熱ドラム、ハロゲンランプヒーター、
赤外及び遠赤外ランプヒーター等に接触させたり、高温
の雰囲気中を通過させる方法等がある。感光材料と処理
材料を感光層と処理層が向かい合う形で重ね合わせる方
法には、特開昭62−253159号、特開昭61−1
47244号(27)頁記載の方法が適用できる。加熱温度
としては70℃〜100℃が好ましい。
【0165】本発明の感光材料の処理には、種々の熱現
像装置のいずれもが使用できる。例えば、特開昭59−
75247号、同59−177547号、同59−18
1353号、同60−18951号、実開昭62−25
944号、特願平4−277517号、同4−2430
72号、同4−244693号、同6−164421
号、同6−164422号等に記載されている装置等が
好ましく用いられる。また、市販の装置としては富士写
真フイルム(株)製ピクトロスタット100、同ピクト
ロスタット200、同ピクトロスタット300、同ピク
トロスタット330、同ピクトロスタット50、同ピク
トログラフィー3000、同ピクトログラフィー200
0等が使用できる。
【0166】本発明の感光材料及び/又は処理シートは
加熱現像のための加熱手段としての導電性の発熱体層を
有する形態であってもよい。この発熱の発熱要素には、
特開昭61−145544号等に記載のものを利用でき
る。
【0167】本発明においては、現像によって生じた現
像銀や未現像のハロゲン化銀を除去することなく画像情
報を取り込むこともできるが、除去後に画像を取り込む
こともできる。後者の場合には、現像と同時又は現像後
にこれらを除去する手段を適用することができる。現像
と同時に感光材料中の現像銀を除去したり、ハロゲン化
銀を錯化乃至可溶化させるために、処理材料に漂白剤と
して作用する銀の酸化剤、再ハロゲン化剤又は定着剤と
して作用するハロゲン化銀溶剤を含有させておき、熱現
像時にこれらの反応を生じさせることができる。また、
画像形成の現像終了後に銀の酸化剤、再ハロゲン化剤又
はハロゲン化銀溶剤を含有させた第二の部材を感光材料
と貼り合わせて現像銀の除去又はハロゲン化銀の錯化乃
至可溶化を生じさせることもできる。本発明において
は、撮影とそれに続く画像形成現像の後で画像情報を読
み取る障害とならない程度にこれらの処理を施すことが
好ましい。特に未現像のハロゲン化銀はゼラチン膜中で
は高いヘイズを生じ、画像のバックグラウンドの濃度を
上昇させるため、上記のような錯化剤を用いてヘイズを
減少させたり、可溶化させて膜中から全量又はその一部
を除去することが好ましい。また、ハロゲン化銀自身の
ヘイズを減少させる目的で平均アスペクト比の高い平板
粒子を用いたり、塩化銀含有率の高い平板粒子を用いた
りすることも好ましい。
【0168】本発明の処理材料において使用できる漂白
剤としては、常用されている銀漂白剤を任意に使用でき
る。このような漂白剤は米国特許第1,315,464
号及び同第1,946,640号、及びPhotogr
aphic Chemistry, Vol.2, C
hapter 30, Foundation Pre
ss, London, Englandに記載されて
いる。これらの漂白剤は写真銀像を効果的に酸化しそし
て可溶化する。有用な銀漂白剤の例には、アルカリ金属
重クロム酸塩、アルカリ金属フェリシアン化物がある。
好ましい漂白剤は水に可溶な物であり、そしてニンヒド
リン、インダンジオン、ヘキサケトシクロヘキサン、
2,4−ジニトロ安息香酸、ベンゾキノン、ベンゼンス
ルホン酸、2,5−ジニトロ安息香酸を包含する。ま
た、金属有機錯体、例えば、シクロヘキシルジアルキル
アミノ4酢酸の第2鉄塩及びエチレンジアミン4酢酸の
第2鉄塩、クエン酸の第2鉄塩がある。定着剤として
は、前記の感光材料を現像する処理材料(第一の処理材
料)に含ませることのできるハロゲン化銀溶剤とするこ
とができる。第二の処理材料に用いうるバインダー、支
持体、その他の添加剤に関しても、第一の処理材料と同
じ物を用いることができる。漂白剤の塗布量は、張り合
わせられる感光材料の含有銀量に応じて変えられるべき
であるが、感光材料の単位面積当たりの塗布銀量の0.
01モル〜10モル/感光材料の塗布銀モルの範囲で使
用される。好ましくは0.1から3モル/感光材料の塗
布銀モルであり、さらに好ましくは0.1〜2モル/感
光材料の塗布銀モルである。
【0169】本発明においては、現像後の感光材料を第
2の処理材料を用いて漂白・定着するには、感光材料及
び第2の処理材料双方のバック層を除く全塗布膜を最大
膨潤させるに要する量の0.1から1倍に相当する水を
感光材料又は第2の処理材料に与えた後、感光材料と第
2の処理材料を感光層と処理層が向かい合う形で重ね合
わせ、40℃から100℃の温度で5秒から60秒間加
熱する。水の量、水の種類、水の付与方法、及び感光材
料と処理材料を重ね合わせる方法については、第一の処
理材料と同様のものを用いることができる。
【0170】第2の処理材料としては、より具体的に
は、特開昭59−136733号、米国特許第4,12
4,398号、特開昭55−28098号に記載されて
いる漂白・定着シートを用いることができる。
【0171】感光材料には、塗布助剤、剥離性改良、ス
ベリ性改良、帯電防止、現像促進等の目的で種々の界面
活性剤を使用することができる。界面活性剤の具体例は
公知技術第5号(1991年3月22日、アズテック有
限会社発行)の136〜138頁、特開昭62−173
463号、同62−183457号等に記載されてい
る。感光材料には、スベリ性防止、帯電防止、剥離性改
良等の目的で有機フルオロ化合物を含ませてもよい。有
機フロオロ化合物の代表例としては、特公昭57−90
53号第8〜17欄、特開昭61−20944号、同6
2−135826号等に記載されているフッ素系界面活
性剤、又はフッ素油等のオイル状フッ素系化合物若しく
は四フッ化エチレン樹脂等の固体状フッ素化合物樹脂等
の疎水性フッ素化合物が挙げられる。感光材料のぬれ性
と帯電防止を両立する目的で親水基を有するフッ素系界
面活性剤も好ましく用いられる。
【0172】感光材料には滑り性があることが好ましい
から、感光材料に滑り剤を含有させることができる。滑
り剤を、感光層面、バック面共に用いることが好まし
い。好ましい滑り性しては、動摩擦係数で0.25以下
0.01以上である。この動摩擦係数は、直径5mmの
ステンレス球に対し、60cm/分で搬送した時の測定
値を表す(25℃、60%RH)。使用可能な滑り剤と
しては、ポリオルガノシロキサン、高級脂肪酸アミド、
高級脂肪酸金属塩、高級脂肪酸と高級アルコールのエス
テル等であり、ポリオルガノシロキサンとしては、ポリ
ジメチルシロキサン、ポリジエチルシロキサン、ポリス
チリルメチルシロキサン、ポリメチルフェニルシロキサ
ン等が挙げられ、特にポリジメチルシロキサンや長鎖ア
ルキル基を有するエステルが好ましい。滑り剤を添加す
る添加層としては、乳剤層の最外層やバック層が好まし
い。ハロゲン化銀の圧力カブリや減感を防止するために
シリコーンオイルや塩化パラフィンが好適に使用でき
る。
【0173】また、本発明においては、帯電防止剤が好
ましく用いられる。それらの帯電防止剤としては、カル
ボン酸及びカルボン酸塩、スルホン酸塩を含む高分子、
カチオン性高分子、イオン性界面活性剤化合物を挙げる
ことができる。帯電防止剤として最も好ましいものは、
ZnO、TiO2 、SnO2 、Al23 、In2
3 、SiO2 、MgO、BaO、MoO3 、V25
中から選ばれ、体積抵抗率が107 Ω・cm以下、より
好ましくは105 Ω・cm以下で、粒子サイズが0.0
01〜1.0μmの結晶性の金属酸化物又はこれらの複
合酸化物(Sb、P、B、In、S、Si、C等)の微
粒子、さらにはゾル状や金属酸化物又はこれらの複合酸
化物の微粒子である。感光材料への含有量としては5〜
500mg/m2 が好ましく、10〜350mg/m2
であることが特に好ましい。導電性の結晶性酸化物又は
その複合酸化物とバインダーの量の比は1/300〜1
00/1が好ましく、1/100〜100/5がより好
ましい。
【0174】感光材料又は処理シートの構成(バック層
を含む)には、寸度安定化、カール防止、接着防止、膜
のヒビ割れ防止、圧力増減感防止等の膜物性改良の目的
で、種々のポリマーラテックスを含有させることができ
る。具体的には、特開昭62−245258号、同62
−136648号、同62−110066号等に記載の
ポリマーラテックスのいずれも使用できる。特に、ガラ
ス転移点の低い(40℃以下)ポリマーラテックスを媒
染層に用いると媒染層のヒビ割れを防止することがで
き、また、ガラス転移点が高いポリマーラテックスをバ
ック層に用いるとカール防止効果が得られる。
【0175】本発明の感光材料にはマット剤が含まれる
ことが好ましい。マット剤は乳剤面、バック面のどちら
に添加されてもよいが、乳剤側の最外層に添加するのが
特に好ましい。マット剤は処理液可溶性でも処理液不溶
性でもよく、好ましくは両者を併用することである。例
えば、ポリメチルメタクリレート、ポリ(メチルメタク
リレート/メタクリル酸=9/1又は5/5(モル
比))、ポリスチレン粒子等が好ましい。粒径としては
0.8〜10μmが好ましく、その粒径分布も狭い方が
好ましく、平均粒径の0.9〜1.1倍の間に全粒子数
の90%以上が含有されることが好ましい。また、マッ
ト性を高めるために0.8μm以下の微粒子を同時に添
加することも好ましく、例えば、ポリメチルメタクリレ
ート(0.2μm )、ポリ(メチルメタクリレート/メ
タクリル酸=9/1(モル比)0.3μm ))、ポリス
チレン粒子(0.25μm )、コロイダルシリカ(0.
03μm )が挙げられる。具体的には、特開昭61−8
8256号(29)頁に記載されている。その他、ベンゾグ
アナミン樹脂ビーズ、ポリカーボネート樹脂ビーズ、A
S樹脂ビーズ等の特開昭63−274944号、同63
−274952号記載の化合物がある。
【0176】これらのマット剤は、必要に応じて前記バ
インダーの頁に記載の各種バインダーで分散して、分散
物として使用することができる。特に各種ゼラチン、例
えば、酸処理ゼラチン分散物は安定な塗布液を調整しや
すく、この時、pH、イオン強度、バインダー濃度を必
要に応じて最適化することが好ましい。
【0177】また、以下のRDに記載されている添加剤
も使用することができる。 添加剤の種類 RD17643 RD18716 RD307105 1.化学増感剤 23頁 648頁右欄 866頁 2.感度上昇剤 648頁右欄 3.分光増感剤 23〜24頁 648頁右欄 866〜868頁 強色増感剤 〜649頁右欄 4.増 白 剤 24頁 647頁右欄 868頁 5.光吸収剤、 25〜26頁 649頁右欄 873頁 フィルター 〜650頁左欄 染料、紫外 吸収剤 6.バインダー 26頁 651頁左欄 873〜874頁 7.可塑剤、 27頁 650頁右欄 876頁 潤滑剤 8.塗布助剤、 26〜27頁 650頁右欄 875〜876頁 界面活性剤 9.スタチック 27頁 650頁右欄 876〜877頁 防止剤 10.マット剤 878〜879頁
【0178】また、以下に記載の化合物も使用すること
ができる。 油溶性有機化合物の分散媒:特開昭62−215272
号のP−3,5,16,19,25,30,42,4
9,54,55,66,81,85,86,93(14
0〜144頁);油溶性有機化合物の含浸用ラテック
ス:US4,199,363号に記載のラテックス;現
像主薬酸化体スカベンジャー:US4,978,606
号のカラム2の54〜62行の式(I)で表わされる化
合物(特にI−(1),(2),(6),(12)(カ
ラム4〜5)、US4,923,787号のカラム2の
5〜10行の式(特に化合物1(カラム3):ステイン
防止剤:EP298,321A号の4頁30〜33行の
式(I)〜(III),持にI−47,72,III−
1,27(24〜48頁):褪色防止剤:EP298,
321A号のA−6,7,20,21,23,24,2
5,26,30,37,40,42,48,63,9
0,92,94,164(69〜118頁),US5,
122,444号のカラム25〜38のII−1〜II
I−23,特にIII−10,EP471,347A号
の8〜12頁のI−1〜III−4,特にII−2,U
S5,139,931号のカラム32〜40のA−1〜
48,特にA−39,42;発色増強剤又は混色防止剤
の使用量を低減させる素材:EP411,324A号の
5〜24頁のI−1〜II−15,特にI−46:ホル
マリンスカベンジャー:EP477,932A号の24
〜29頁のSCV−1〜28,特にSCV−8;硬膜
剤:特開平1−214845号の17頁のH−1,4,
6,8,14,US4,618,573号のカラム13
〜23の式(VII)〜(XII)で表わされる化合物
(H−1〜54),特開平2−214852の8頁右下
の式(6)で表わされる化合物(H−1〜76),特に
H−14,US3,325,287号のクレーム1に記
戟の化合物;現像抑制剤プレカーサー:特開昭62−1
68139号のP−24,37,39(6〜7頁);U
S5,019,492号のクレーム1に記載の化合物,
特にカラム7の28,29;防腐剤、防黴剤:US4,
923,790号のカラム3〜15のI−1〜III−
43,特にII一1,9,10,18,III−2,
5;安定剤、かぶり防止剤:US4,923,793号
のカラム6〜16のI−1〜(14),特にI−1,6
0,(2),(13),US4,952,483号のカ
ラム25〜32の化合物1〜65,特に36:化学増感
剤:トリフェニルホスフィン セレニド,特開平5−4
0324号の化合物50;染料:特開平3−15645
0の15〜18頁のa−1〜b−20,特にa−1,1
2,18,27,35,36,b−5,27〜29頁の
V−1〜23,特にV−1,EP445,627A号の
33〜55頁のF−I−1〜F−II−43,特にF−
I−11,F−II−8,EP457,153A号の1
7〜28頁のIII−1〜36,特にIII−1,3,
WO88/04794の8〜26のDye−1〜124
の微結晶分散体,EP319,999A号の6〜11頁
の化合物1〜22,特に化合物1,EP519,306
A号の式(1)乃至(3)で表わされる化合物D−1〜
87(3〜28頁),US4,268,622号の式
(I)で表わされる化合物1〜22(カラム3〜1
0),US4,923,788の式(I)で表わされる
化合物(1)〜(31)(カラム2〜9);UV吸収
剤:特開昭46−3335の式(1)で表わされる化合
物(18b)〜(18r),101〜427(6〜9
頁),EP520,938A号の式(I)で表わされる
化合物(3)〜(66)(10〜44頁)及び式(II
I)で表わされる化合物HBT−1〜10(14頁),
EP521,823A号の式(1)で表わされる化合物
(1)〜(31)(カラム2〜9)等である。ここまで
に述べてきた各種の添加剤、具体的には、硬膜剤、かぶ
り防止剤、界面活性剤、滑り剤、帯電防止剤、ラッテク
ス、マット剤等は必要に応じて処理材料に添加したり、
感光材料と処理材料の両方に添加することができる。
【0179】本発明において、感光材料及び処理シート
の支持体としては、処理温度に耐えることのできるもの
が用いられる。一般的には、日本写真学会編「写真工学
の基礎−銀塩写真編−」、(株)コロナ社刊(昭和54
年)(223) 〜(240) 頁記載の紙、合成高分子(フィル
ム)等の写真用支持体が挙げられる。具体的には、ポリ
エチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、
ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポ
リプロピレン、ポリイミド、セルロース類(例えばトリ
アセチルセルロース)等が挙げられる。これらは、単独
で用いることもできるし、ポリエチレン等の合成高分子
で片面又は両面をラミネートされた紙を用いることもで
きる。この他に、特開昭62−253159号(29)〜(3
1)頁、特開平1−161236号(14)〜(17)頁、特開昭
63−316848号、特開平2−22651号、同3
−56955号、米国特許第5,001,033号等に
記載の支持体を用いることができる。これらの支持体
は、光学的特性、物理的特性を改良するために、熱処理
(結晶化度や配向制御)、一軸及び二軸延伸(配向制
御)、各種ポリマーのブレンド、表面処理等を行うこと
ができる。
【0180】特に耐熱性やカール特性の要求が厳しい場
合、感光材料用の支持体として、特開平6−41281
号、同6−43581号、同6−51426号、同6−
51437号、同6−51442号、特願平4−251
845号、同4−231825号、同4−253545
号、同4−258828号、同4−240122号、同
4−221538号、同5−21625号、同5−15
926号、同4−331928号、同5−199704
号、同6−13455号、同6−14666号各公報に
記載の支持体を好ましく用いることができる。また、主
としてシンジオタクチック構造を有するスチレン系重合
体である支持体も好ましく用いることができる。
【0181】また、支持体と感材構成層を接着させるた
めに、支持体に表面処理を施すことが好ましい。表面処
理としては、薬品処理、機械的処理、コロナ放電処理、
火焔処理、紫外線処理、高周波処理、グロー放電処理、
活性プラズマ処理、レーザー処理、混酸処理、オゾン酸
化処理等の表面活性化処理が挙げられる。表面処理の中
でも好ましいのは、紫外線照射処理、火焔処理、コロナ
処理、グロー処理である。次に下塗層について述べる
と、単層でもよく2層以上でもよい。下塗層用バインダ
ーとしては、塩化ビニル、塩化ビニリデン、ブタジエ
ン、メタクリル酸、アクリル酸、イタコン酸、無水マレ
イン酸等の中から選ばれた単量体を出発原料とする共重
合体を始めとして、ポリエチレンイミン、エポキシ樹
脂、グラフト化ゼラチン、ニトロセルロース、ゼラチ
ン、ポリビニルアルコール及びこれらの変成ポリマーが
挙げられる。支持体を膨潤させる化合物として、レゾル
シンとp−クロルフェノールがある。下塗層に使用可能
なゼラチン硬化剤としては、クロム塩(クロム明ばん
等)、アルデヒド類(ホルムアルデヒド、グルタールア
ルデヒド等)、イソシアネート類、活性ハロゲン化合物
(2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−s−トリアジン
等)、エピクロルヒドリン樹脂、活性ビニルスルホン化
合物等を挙げることができる。SiO2 、TiO2 、無
機物微粒子又はポリメチルメタクリレート共重合体微粒
子(0.01〜10μm)をマット剤として含有させて
もよい。
【0182】また、支持体として、例えば、特開平4−
124645号、同5−40321号、同6−3509
2号、同6−317875号記載の磁気記録層を有する
支持体を用い、撮影情報等を記録することが好ましい。
【0183】磁気記録層とは、磁性体粒子をバインダー
中に分散した水性又は有機溶媒系塗布液を支持体上に塗
設したものである。磁性体粒子としては、γFe22
等の強磁性酸化鉄、Co被着γFe23、Co被着マ
グネタイト、Co含有マグネタイト、強磁性二酸化クロ
ム、強磁性金属、強磁性合金、六方晶系のBaフェライ
ト、Srフェライト、Pbフェライト、Caフェライト
等を使用でき、Co被着γFe22 等のCo被着強磁
性酸化鉄が好ましい。形状としては、針状、米粒状、球
状、立方体状、板状等いずれでもよい。比表面積はS
BET で20m2 /g以上が好ましく、30m2 /g以上
が特に好ましい。強磁性体の飽和磁化(σs)は、好ま
しくは3.0×104 〜3.0×105 A/mであり、
特に好ましくは4.0×104 〜2.5×1005 A/
mである。強磁性体粒子に、シリカ及び/又はアルミナ
や有機素材による表面処理を施してもよい。さらに、磁
性体粒子は特開平6−161032号に記載された如く
その表面にシランカップリング剤又はチタンカップリン
グ剤で処理されてもよい。また、特開平4−25991
1号、同5−81652号に記載の表面に無機、有機物
を被覆した磁性体粒子も使用できる。
【0184】磁性体粒子に用いられるバインダーには、
特開平4−219569号に記載の熱可塑性樹脂、熱硬
化性樹脂、放射線硬化性樹脂、反応型樹脂、酸、アルカ
リ又は生分解性ポリマー、天然物重合体(セルロース誘
導体、糖誘導体等)及びそれらの混合物を使用すること
ができる。上記の樹脂のTgは−40℃〜300℃、重
量平均分子量は0.2万〜100万である。例えば、ビ
ニル系共重合体、セルロースジアセテート、セルロース
トリアセテート、セルロースアセテートプロピオネー
ト、セルロースアセテートブチレート、セルローストリ
プロピオネート等のセルロース誘導体、アクリル樹脂、
ポリビニルアセタール樹脂を挙げることができ、ゼラチ
ンも好ましい。特にセルロースジ(トリ)アセテートが
好ましい。バインダーは、エポキシ系、アジリジン系、
イソシアネート系の架橋剤を添加して硬化処理すること
ができる。イソシアネート系の架橋剤としては、トリレ
ンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルメタンジイ
ソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシ
リレンジイソシアネート等のイソシアネート類、これら
のイソシアネート類とポリアルコールとの反応生成物
(例えば、トリレンジイソシアナート3mol とトリメチ
ロールプロパン1mol の反応生成物)、及びこれらのイ
ソシアネート類の縮合により生成したポリイソシアネー
ト等が挙げられ、例えば、特開平6−59357号に記
載されている。
【0185】前述の磁性体を上記バインダー中に分散す
る方法としては、特開平6−35092号に記載されて
いる方法のように、ニーダー、ピン型ミル、アニュラー
型ミル等が好ましく併用も好ましい。特開平5−088
283号記載の分散剤や、その他の公知の分散剤が使用
できる。磁気記録層の厚みは0.1μm 〜10μm 、好
ましくは0.2μm 〜5μm 、より好ましくは0.3μ
m 〜3μm である。磁性体粒子とバインダーの重量比
は、好ましくは0.5:100〜60:100であり、
より好ましくは1:100〜30:100である。磁性
体粒子の塗布量は0.005〜3g/m2 、好ましくは
0.01〜2g/m2 、さらに好ましくは0.02〜
0.5g/m2 である。磁気記録層の透過イエロー濃度
は、0.01〜0.50が好ましく、0.03〜0.2
0がより好ましく、0.04〜0.15が特に好まし
い。磁気記録層は、写真用支持体の裏面に塗布又は印刷
によって全面又はストライプ状に設けることができる。
磁気記録層を塗布する方法としては、エアードクター、
ブレード、エアナイフ、スクイズ、含浸、リバースロー
ル、トランスファロール、グラビヤ、キス、キャスト、
スプレイ、ディップ、バー、エクストリュージョン等が
利用でき、特開平5−341436号等に記載の塗布液
が好ましい。
【0186】磁気記録層に、潤滑性向上、カール調節、
帯電防止、接着防止、ヘッド研磨等の機能を合せ持たせ
てもよいし、別の機能性層を設けて、これらの機能を付
与させてもよく、粒子の少なくとも1種以上がモース硬
さが5以上の非球形無機粒子の研磨剤が好ましい。非球
形無機粒子の組成としては、酸化アルミニウム、酸化ク
ロム、二酸化硅素、二酸化チタン、シリコンカーバイト
等の酸化物、炭化硅素、炭化チタン等の炭化物、ダイア
モンド等の微粉末が好ましい。これらの研磨剤は、その
表面をシランカップリング剤又はチタンカップリング剤
で処理されてもよい。これらの粒子は磁気記録層に添加
してもよく、また磁気記録層上にオーバーコート(例え
ば、保護層、潤滑剤層等)してもよい。この時使用する
バインダーには前述のものが使用でき、好ましくは磁気
記録層のバインダーと同じものがよい。磁気記録層を有
する感光材料については、US5,336,589号、
同5,250,404号、同5,229,259号、同
5,215,874号、EP466,130号に記載さ
れている。
【0187】上述の磁気記録層を有する感光材料に好ま
しく用いられるポリエステル支持体についてさらに記す
が、感光材料、処理、カートリッジ及び実施例等も含め
詳細については、公開技術、公技番号94−6023
(発明協会;1994.3.15)に記載されている。
ポリエステルはジオールと芳香族ジカルボン酸を必須成
分として形成され、芳香族ジカルボン酸としては、2,
6−、1,5−、1,4−、及び2,7−ナフタレンジ
カルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、
ジオールとしては、ジエチレングリコール、トリエチレ
ングリコール、シクロヘキサンジメタノール、ビスフェ
ノールA、ビスフェノールが挙げられる。この重合ポリ
マーとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチ
レンナフタレート、ポリシクロヘキサンジメタノールテ
レフタレート等のホモポリマーを挙げることができる。
特に好ましいのは2,6−ナフタレンジカルボン酸を5
0モル%〜100モル%含むポリエステルである。中で
も特に好ましいのはポリエチレン 2,6−ナフタレー
トである。重量平均分子量の範囲は約5,000乃至2
00,000である。ポリエステルのTgは50℃以上
であり、さらに90℃以上が好ましい。
【0188】次にポリエステル支持体には、巻き癖をつ
きにくくするために熱処理温度は40℃以上Tg未満、
より好ましくはTg−20℃以上Tg未満で熱処理を行
う。熱処理はこの温度範囲内の一定温度で実施してもよ
く、冷却しながら熱処理してもよい。この熱処理時間
は、0.1時間以上1500時間以下、さらに好ましく
は0.5時間以上200時間以下である。支持体の熱処
理は、ロール状で実施してもよく、またウェブ状で搬送
しながら実施してもよい。表面に凹凸を付与し(例え
ば、SnO2 やSb25 等の導電性無機微粒子を塗布
する)、面状改良を図ってもよい。また、端部にローレ
ットを付与し端部のみ少し高くすることで巻芯部の切り
口写りを防止する等の工夫を行うことが望ましい。これ
らの熱処理は支持体製膜後、表面処理後、バック層塗布
後(帯電防止剤、滑り剤等)、下塗り塗布後のどこの段
階で実施してもよい。好ましいのは帯電防止剤塗布後で
ある。このポリエステルには紫外線吸収剤を練り込んで
もよい。また、ライトパンピング防止のため、三菱化成
製のDiaresin、日本化薬製のKayaset等
ポリエステル用として市販されている染料又は顔料を塗
り込むことにより目的を達成することが可能である。
【0189】次に、感光材料を装填することのできるフ
ィルムパトローネについて記す。本発明で使用されるパ
トローネの主材料は金属でも合成プラスチックでもよ
い。好ましいプラスチック材料は、ポリスチレン、ポリ
エチレン、ポリプロピレン、ポリフェニルエーテル等で
ある。さらに、パトローネは、各種の帯電防止剤を含有
してもよく、カーボンブラック、金属酸化物粒子、ノニ
オン、アニオン、カチオン及びベタイン系界面活性剤又
はポリマー等を好ましく用いることができる。これらの
帯電防止されたパトローネは特開平1−312537
号、同1−312538号に記載されている。特に25
℃、25%RHでの抵抗が1012Ω/□以下のものが好
ましい。通常プラスチックパトローネは、遮光性を付与
するためにカーボンブラックや顔料等を練り込んだプラ
スチックを使って製作される。パトローネのサイズは現
在135サイズのままでもよいし、カメラの小型化に
は、現在の135サイズの25mmのカートリッジの径
を22mm以下とすることも有効である。パトローネの
ケースの容積は、30cm3 以下、25cm3 以下とす
ることが好ましい。パトローネ及びパトローネケースに
使用されるプラスチックの重量は5g〜15gが好まし
い。
【0190】さらに、スプールを回転してフィルムを送
り出すパトローネでもよい。またフィルム先端がパトロ
ーネ本体内に収納され、スプール軸をフィルム送り出し
方向に回転させることによってフィルム先端をパトロー
ネのポート部から外部に送り出す構造でもよい。これら
はUS4,834,306号、同5,226,613号
に開示されている。
【0191】このカラー撮影材料を用いてカラーペーパ
ーや熱現像感光材料にプリントを作製する方法として、
特開平5−241251号、同5−19364号、同5
−19363号記載の方法を用いることができる。
【0192】以上の感光材料は特公平2−32615
号、実公平3−39784号に記載されているレンズ付
フィルムユニットにも好ましく用いることができる。
【0193】レンズ付フィルムユニットとは、損影レン
ズ及びシャッターを予め備えた包装ユニット本体に、未
露光のカラー感光材料を、シート状又はロール状に、直
接又は容器に入れて収納し、光密接合した包装ユニット
であって、さらに外装してなるものをいう。
【0194】さらに包装ケース本体には、ファインダ
ー、カラー感光材料のコマ送り機構、撮影済カラー感光
材料の収納及び取り出し機構等を備え、ファインダーに
はパララックス修正指示を、また撮影機構には、例え
ば、実開平1−57728号、同1−57738号、同
1−57740号、特開平1−93723号及び同1−
152437号明細書に記載の補助照明機構を投けるこ
とができる。
【0195】本発明における包装ユニット本体とは、感
光材料が収納されているので、包装、ユニット内の相対
湿度は25℃において40〜70%、好ましくは50〜
65%であるのがよい。外装用材料には、不透湿性材料
又は例えば、ASTM試験法D−570で0.1%以下
の非吸水性材料を用い、特にアルミニウム箔ラミネート
・シート又はアルミニウム箔を用いることが好ましい。
【0196】包装ユニット本体内に設けられる撮影済感
光材料の収納容器は、外装ユニット用カートリッジ、常
用のパトローネ、例えば、特開昭54−111822
号、同63−194255号、米国特許第4,832,
275号、同4,834,306号、特願昭60−18
3344号、特願平1−21862号、同1−8519
8号明細書に記載される容器が用いられる。用いられる
感光材料のフィルムとしては、110サイズ、135サ
イズ、そのハーフ・サイズや126サイズが挙げられ
る。
【0197】本発明における包装ユニットの構成に用い
るプラスチック材料は、炭素−炭素二重結合を持つオレ
フィンの付加重合、小員環化合物の開環重合、2種以上
の多官能化合物間の重縮合(縮合重合)、重付加、及び
フェノール誘導体、尿素誘導体、メラミン誘導体とアル
デヒドを持つ化合物との付加縮合等の方法を用いて製造
することができる。
【0198】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0199】(実施例1) (1)ホスト粒子の調製ホスト粒子A 低分子量ゼラチン(重量平均分子量1万5千)0.5g
及びKBr0.37gを含む水溶液1000ccを40
℃に保ちながら攪拌し、0.3MのAgNO3水溶液2
4ccと0.3MのKBr水溶液24ccをダブルジェ
ットで同時に40秒間添加した。その後pAgを9.9
に調製した後、35分間で75℃に昇温し、酸化処理ゼ
ラチン35gを添加した後、1.2MのAgNO3 水溶
液734ccを流量を加速しながら(終了時の流量が開
始時の6.2倍)41分間添加すると同時にKIを2モ
ル%含む1.2Mの(KBr+KI)水溶液をpAgを
8.58に保つように添加した。この添加開始後35分
には全銀量に対して2×10-8mol/molAgとな
るK2 IrCl6 を含む溶液を添加した。この後、この
乳剤を35℃に冷却し常法のフロキュレーション法で水
洗しゼラチン75gを加えpH=5.5、pAg=8.
2に調整した。得られた粒子では平板粒子の投影面積が
全粒子の全投影面積の99%を超える割合を占め、平均
球相当直径は0.64μmであった。得られた粒子の平
均粒子厚みは0.061μm、平均等価円相当径は1.
63μm、平均アスペクト比は27であった。これらの
値は、レプリカ法により求めた。
【0200】ホスト粒子B 低分子量ゼラチン(重量平均分子量1万5千)0.5g
及びKBr0.37gを含む水溶液1000ccを40
℃に保ちながら攪拌し、0.3MのAgNO3水溶液2
4ccと0.3MのKBr水溶液24ccをダブルジェ
ットで同時に40秒間添加した。その後pAgを9.9
に調製した後、35分間で75℃に昇温し、酸化処理ゼ
ラチン35gを添加した後、1.2MのAgNO3 水溶
液549ccを流量を加速しながら(終了時の流量が開
始時の5.4倍)35分間添加すると同時にKIを2モ
ル%含む1.2Mの(KBr+KI)水溶液をpAgを
8.58に保つように添加した。その後、全銀量に対し
て2×10-8mol/molAgとなる量のK2 IrC
6 を含む溶液を添加した後、1.2MのAgNO3
溶液185ccを定量で6分間添加すると同時にKIを
12モル%含む1.2Mの(KBr+KI)水溶液をp
Agを8.58に保つように添加した。この後、この乳
剤を35℃に冷却し常法のフロキュレーション法で水洗
しゼラチン75gを加えpH=5.5、pAg=8.2
に調整した。得られた粒子では平板粒子の投影面積が全
粒子の全投影面積の99%を超える割合を占め、平均球
相当直径は0.64μmであった。得られた平均粒子厚
みは0.064μm、平均等価円相当径は1.65μ
m、平均アスペクト比は26であった。
【0201】(2)銀塩エピタキシーの形成と化学増感乳剤1−A(比較乳剤 ) ホスト粒子Aについて40℃、pH=6.2、pAg=
9.0の条件で0.06MのKI水溶液5ccを添加し
てから下記の緑感性乳剤用増感色素Iを2.0×10-3
mol/molAgだけ添加した後、チオシアン酸カリ
ウム、塩化金酸、チオ硫酸ナトリウム、化合物Iを添加
して分光増感及び化学増感を施した。また、化学増感剤
の量は乳剤の1/100秒露光の感度が最高になるよう
に調節した。
【0202】
【化14】
【0203】乳剤1−B(本発明乳剤) ホスト粒子Aについて40℃、PH=6.2、pAg=
9.0の条件で0.06MのKI水溶液5ccを添加し
てから緑感性乳剤用増感色素Iを2.0×10-3mol
/molAgだけ添加した後、まず1.2MのNaCl
水溶液30ccを添加し、次に1.2MのKBr水溶液
30ccを添加し、その次に0.64MのKI水溶液2
1ccを添加し、さらに1.2MのAgNO3 水溶液7
0ccを添加してからチオシアン酸カリウム、塩化金
酸、チオ硫酸ナトリウム、化合物Iを添加して分光増感
及び化学増感を施した。化学増感剤の量は乳剤1−Aと
同様に調節した。走査型電子顕微鏡により最終粒子を観
察すると主に粒子コーナー部と粒子エッジ部にハロゲン
化銀エピタキシーが見られた。
【0204】乳剤1−C(本発明乳剤) ホスト粒子Aの代わりにホスト粒子Bを用いた以外は乳
剤1−Bと同様に調製した。走査型電子顕微鏡により最
終粒子を観察すると主に粒子コーナー部と粒子エッジ部
にハロゲン化銀エピタキシーが見られた。
【0205】乳剤1−D(本発明乳剤) 1.2MのKBr水溶液30ccを添加した後に全銀量
に対して5.6×10-5 mol/molAgとなる量
のK4 RuCN6 を含む溶液を添加した以外は乳剤1−
Cと同様に調製した。走査型電子顕微鏡により最終粒子
を観察すると主に粒子コーナー部と粒子エッジ部にハロ
ゲン化銀エピタキシーが見られた。
【0206】(3)分散物及び塗布試料の作成、その評
価 塩基プレカーサーとして用いる水酸化亜鉛の分散物を調
製した。一次粒子の粒子サイズが0.2μmの水酸化亜
鉛の粉末31g、分散剤としてカルボキシメチルセルロ
ース1.6g及びポリアクリル酸ソーダ0.4g、石灰
処理オセインゼラチン8.5g、水158.5mlを混
合し、この混合物をガラスビーズを用いたミルで1時間
分散した。分散後、ガラスビーズを濾別し、水酸化亜鉛
の分散物188gを得た。
【0207】さらに、マゼンタカプラーの乳化分散物を
調製した。マゼンタカプラー(a)7.80g、現像主
薬(b)5.45g、被り防止剤(c)2mg、高沸点
有機溶媒(d)8.21g及び酢酸エチル24.0mlを
60℃で溶解した。石灰処理ゼラチン12.0g及びド
デシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.6gを溶解し
た水溶液150g中に先の溶液を混合し、ディゾルバー
撹拌機を用いて10,000回転で20分間かけて乳化
分散した。分散後、全量が300gとなるように蒸留水
を加え、2000回転で10分間混合した。
【0208】
【化15】
【0209】
【化16】
【0210】これらの分散物と、乳剤1−A〜1−Dを
組み合わせて表1の組成で支持体上に塗布し、単層熱現
像カラー写真感光材料(試料101〜104)を作成し
た。作成した試料は25℃、相対湿度65%の条件に7
日間保存してから裁断した。
【0211】
【表1】
【0212】さらに、表2、表3のような処理材料P−
1を作成した。
【0213】
【表2】
【0214】
【表3】
【0215】
【化17】
【0216】
【化18】
【0217】
【化19】
【0218】これらの試料101〜104について、感
度、粒状度及び経時保存性を評価した。感度測定 これらの試料101〜104に、光学楔と緑フィルター
を介して1000Luxで1/100秒の露光を施し
た。露光後の試料101〜104の感光性層面に40℃
の温水をジェット水塗布方式で15ml/m2 付与し、
該感光性層面と処理材料P−1の処理層面とが重なるよ
うに試料101〜104と処理材料P−1とを重ね合わ
せた後、これらをヒートドラムを用いて83℃で17秒
間熱現像した。この時の湿し水の量は本発明の範囲内で
あり、飽和水膨潤量の和の約30%に相当する。処理後
試料101〜104を剥離するとマゼンタ発色の楔形画
像が得られた(第1の処理)。
【0219】次いで、試料101〜104に対して、以
下の表4に示す処理材料P−2を用いて第2工程の処理
(定着処理)を施した。
【0220】
【表4】
【0221】第2工程の処理では、処理材料P−2の処
理層面に10cc/m2 の水を塗布し、該処理層面と第
1の処理後の試料101〜104の感光性層面とが重な
るように試料101〜104と処理材料P−2とを重ね
合わせた後、これらを60℃で30秒加熱した。このよ
うにして処理された試料101〜104の楔型画像の透
過濃度を測定して所謂特性曲線を得た。被り濃度よりも
0.2高い濃度に対応する露光量の逆数をとり、試料1
01における逆数を100としたときの相対値で感度を
表した。粒状度測定 マゼンタ発色濃度が1.0となるように試料101〜1
04を露光し、上記と同様の熱現像を行った。ディフュ
ーズ光源及び48μm径のアパーチャーを用いてRMS
値を測定し、測定したRMS値の逆数をとり、試料10
1における逆数を100としたときの相対値で粒状度を
表した。
【0222】経時保存性測定 試料101〜104を、温度50℃、相対湿度60%の
条件で7日間保存した。また、これと別の試料101〜
104を、温度25℃、相対湿度65%の条件で7日間
保存した。次いで、これらの試料101〜104に感度
測定と同様に露光と熱現像処理を行い特性曲線を得た。
同一試料番号間で、温度50℃、相対湿度60%に保存
した場合の被り濃度と、温度25℃、相対湿度65%に
保存した場合の被り濃度の差(△fog)を求めた。
【0223】また、上記の経時保存性と従来の液現像処
理の経時保存性との比較をするために、熱現像処理の代
わりにカラーネガティブフィルム用処理CN−16を用
いて38℃165秒の条件で現像する以外は上記と同様
にして、同一試料番号間で、温度50℃、相対湿度60
%に保存した場合の感度と、温度25℃、相対湿度65
%に保存した場合の被り濃度の差(△fog)を求め
た。
【0224】結果を表5にまとめた。
【0225】
【表5】
【0226】結果からホストとしての平板状ハロゲン化
銀粒子の表面上に少なくとも1種の銀塩エピタキシーが
形成されたエピタキシャルハロゲン化銀粒子を含有する
乳剤を用いる本発明の試料は、感度、粒状比に優れ、か
つ従来のCN−16処理では問題となるレベルの感光材
料の経時保存性(経時中の被り濃度の増加)が大幅に改
良されたものであることがわかる。
【0227】(実施例2)表6に示す乳剤A〜Hを特開
平1−329231号に記載の平板乳剤調製法と同様な
方法で調製し、粒子サイズを調節した。また、乳剤A〜
Cについては以下に示す青感性乳剤用増感色素IIを使
用し、乳剤D〜Eについては前記の緑感性乳剤用増感色
素Iを、乳剤F〜Hについては以下の赤感性乳剤用増感
色素を使用した。
【0228】
【化20】
【0229】
【化21】
【0230】
【表6】
【0231】また、実施例1のカプラー分散物の調製方
法に従ってシアン及びイエローのカプラー分散物も調製
した。さらに、熱現像処理時に脱色可能な着色層を形成
する目的で下記のイエロー、マゼンタそしてシアンのロ
イコ色素と亜鉛錯体とを組合せて着色剤の分散物も調製
した。用いた化合物を以下に示す。
【0232】
【化22】
【0233】
【化23】
【0234】
【化24】
【0235】
【化25】
【0236】このようにして得られたハロゲン化銀乳
剤、カプラー分散物及び着色剤分散物並びに実施例1記
載の乳剤1−A〜1−Dを使用して表7〜11に示す多
層構成の熱現像カラー感光材料試料201〜204を作
成した。作成した試料は25℃、相対湿度65%の条件
に7日間保存してから裁断した。
【0237】
【表7】
【0238】
【表8】
【0239】
【表9】
【0240】
【表10】
【0241】
【表11】
【0242】感度測定 各感光材料に光学楔を介して1000Luxで1/10
0秒の露光を施した。露光後の試料201〜204の感
光性層面に40℃の温水をジェット水塗布方法で15m
l/m2 付与し、該感光性層面が実施例1で用いた処理
材料P−1の処理層面とが重なるように試料201〜2
04と処理材料P−1とを重ね合わせた後、これらをヒ
ートドラムを用いて83℃で17秒間熱現像した。処理
後に試料201〜204を剥離し青フィルターを用いて
露光した試料ではイエロー発色の楔形画像が、緑フィル
ターを用いて露光した試料ではマゼンタ発色の楔形画像
が、赤フィルターを用いて露光した試料ではシアン発色
の楔形画像が、それぞれ得られた。これらの試料に対し
て、実施例1と同様に処理材料P−2を用いて第2工程
の処理(定着処理)を施した。第2工程の処理では、処
理材料P−2の処理層面に10cc/m2 の水を塗布
し、該処理層面と第1の処理後の試料201〜204の
感光性層面とが重なるように試料201〜204と処理
材料P−2とを重ね合わせた後、これらを60℃で30
秒加熱した。得られた発色試料を緑フィルターを用いて
マゼンタ発色の楔形画像の透過濃度を測定して特性曲線
を得て、実施例1と同様に、被り濃度よりも0.2高い
濃度に対応する露光量の逆数をとり、試料201におけ
る逆数を100としたときの相対値で感度を表した。
【0243】粒状度測定 マゼンタ発色濃度が1.0となるように試料201〜2
04を露光し、上記と同様の熱現像を行った。ディフュ
ーズ光源及び48μm径のアパーチャーを用いてRMS
値を測定し、測定したRMS値の逆数をとり、試料20
1における逆数を100としたときの相対値で粒状度を
表した。
【0244】経時保存性測定 試料201〜204を、温度50℃、相対湿度60%の
条件で7日間保存した。また、これと別の試料201〜
204を、温度25℃、相対湿度65%の条件で7日間
保存した。次いで、これらの試料201〜204に感度
測定と同様に露光と熱現像処理を行い特性曲線を得た。
同一試料番号間で、温度50℃、相対湿度60%に保存
した場合の被り濃度と、温度25℃、相対湿度65%に
保存した場合の被り濃度の差(△fog)を求めた。
【0245】また、上記の経時保存性と従来の液現像処
理の経時保存性との比較をするために、熱現像処理の代
わりにカラーネガティブフィルム用処理CN−16を用
いて38℃185秒の条件で現像する以外は上記と同様
にして、同一試料番号間で、温度50℃、相対湿度60
%に保存した場合の感度と、温度25℃、相対湿度65
%に保存した場合の被り濃度の差(△fog)を求め
た。
【0246】結果を表12にまとめた。
【0247】
【表12】
【0248】結果から実施例1同様、ホストとしての平
板状ハロゲン化銀粒子の表面上に少なくとも銀塩エピタ
キシーが形成されたエピタキシャルハロゲン化銀粒子を
含有する乳剤を用いる本発明の試料は、感度、粒状比に
優れ、かつ従来のCN−16処理では問題となるレベル
の感光材料の経時保存性(経時中の被り濃度の増加)が
大幅に改良されたものであることがわかる。
【0249】(実施例3)実施例2で使用された支持体
を下記に示す製法で作成した支持体に変えた他は、実施
例2と同様に試料を作成し、試験を行ったところ、実施
例2と同様に良好な結果が得られ、本発明の効果が確認
された。
【0250】1)支持体 本実施例で用いた支持体は、下記の方法により作成し
た。ポリエチレン−2,6−ナフタレートポリマー10
0重量部と紫外線吸収剤としてTinuvin P.3
26(チバ・ガイギー(Ciba−Geigy)社製)
2重量部とを乾燥した後、300℃にて溶融後、T型ダ
イから押し出し、140℃で3.3倍の縦延伸を行な
い、続いて130℃で3.3倍の横延伸を行い、さらに
250℃で6秒間熱固定して厚さ90μmのPENフイ
ルムを得た。なお、このPENフィルムにはブルー染
料、マゼンタ染料及びイエロー染料(公開技報: 公技番
号 94-6023号記載のI-1,I-4,I-6,I-24,I-26,I-27,II-5)
を適当量添加した。さらに、直径20cmのステンレス
巻き芯に巻付けて、110℃、48時間の熱履歴を与
え、巻き癖のつきにくい支持体とした。
【0251】2)下塗層の塗設 上記支持体は、その両面にコロナ放電処理、UV放電処
理、さらにグロー放電処理をした後、それぞれの面にゼ
ラチン0.1g/m2 、ソジウムα−スルホジ−2−エ
チルヘキシルサクシネート0.01g/m2 、サリチル
酸0.04g/m2 、p−クロロフェノール0.2g/
2 、( CH2 =CHSO2 CH2 CH2 NHCO) 2
CH2 0.012g/m2 、ポリアミド−エピクロルヒ
ドリン重縮合物0.02g/m2 の下塗液を塗布して
(10cc/m2 、バーコーター使用)、下塗層を延伸
時高温面側に設けた。乾燥は115℃、6分実施した
(乾燥ゾーンのローラーや搬送装置はすべて115℃と
なっている)。
【0252】3)バック層の塗設 下塗後の上記支持体の片方の面にバック層として、下記
組成の帯電防止層、透明磁気記録層さらに滑り層を塗設
した。
【0253】3−1)帯電防止層の塗設 平均粒径0.005μmの酸化スズ−酸化アンチモン複
合物の比抵抗は5Ω・cmの微粒子粉末の分散物(2次
凝集粒子径 約0.08μm)を0.2g/m2 、ゼラ
チン0.05g/m2 、( CH2 =CHSO2 CH2
2 NHCO)2 CH2 0.02g/m2 、ポリ(重合
度10)オキシエチレン−p−ノニルフェノール0.0
05g/m2 及びレゾルシンを塗布した。
【0254】3−2)透明磁気記録層の塗設 3−ポリ(重合度15) オキシエチレン−プロピルオキ
シトリメトキシシラン(15重量%)で被覆処理された
コバルト−γ−酸化鉄 (比表面積43m2 /g、長軸
0.14μm、単軸0.03μm、飽和磁化89emu
/g、Fe+2/Fe+3=6/94、表面は酸化アルミ酸
化珪素で酸化鉄の2重量%で処理されている)0.06
g/m2 をジアセチルセルロース1.2g/m2 (酸化
鉄の分散はオープンニーダーとサンドミルで実施し
た)、硬化剤としてC25 C(CH2CONH−C6
3 (CH3 )NCO)3 0.3g/m2 を、溶媒とし
てアセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、
ジブチルフタレートを用いてバーコーターで塗布し、膜
厚1.2μmの磁気記録層を得た。滑り剤としてC6
13CH(OH)C1020COOC4081 50mg/m
2 、マット剤としてシリカ粒子(1.0μm)と3−ポリ
(重合度15) オキシエチレン−プロピルオキシトリメ
トキシシラン(15重量%)で処理被覆された研磨剤の
酸化アルミ(0.20μm及び1.0μm)をそれぞれ
50mg/m2 及び10mg/m2 となるように添加し
た。乾燥は115℃、6分実施した(乾燥ゾーンのロー
ラーや搬送装置はすべて115℃)。X−ライト(ブル
ーフィルター)での磁気記録層のDBの色濃度増加分は
約0.1、また磁気記録層の飽和磁化モーメントは4.
2emu/g、保磁力7.3×104 A/m、角形比は
65%であった。
【0255】3−3)滑り層の調製 ヒドロキシエチルセルロース(25mg/m2 )、C6
13CH(OH)C1020COOC4081 6mg/m
2 、シリコーン油BYK−310(ビックケミージャパ
ン(株)製)1.5mg/m2 を塗布した。なお、この
混合物は、キシレン/プロピレングリコールモノメチル
エーテル(1/1)中で105℃で溶融し、常温のプロ
ピレンモノメチルエーテル(10倍量)に注加分散して
作製した後、アセトン中で分散物(平均粒径0.01μ
m)にしてから添加した。乾燥は115℃、6分行なっ
た(乾燥ゾーンのローラーや搬送装置はすべて115
℃)。滑り層は、動摩擦係数0.10(5mmφのステ
ンレス硬球、荷重100g、スピード6cm/分)、静
摩擦係数0.08(クリップ法)、また乳剤面と滑り層
の動摩擦係数も0.15と優れた特性であった。
【0256】(実施例4)乳剤Bに含まれた青感性乳剤
用増感色素IIの代わりに緑感性乳剤用増感色素Iを使
用した他は乳剤Bと同様に作製した乳剤をマゼンタ発色
層の中感度層に使用し、乳剤1−A〜1−Dの緑感性乳
剤用増感色素Iの代わりに青感性乳剤用増感色素IIを
使用した他は乳剤1−A〜1−Dと同様に作製した乳剤
をイエロー発色層の中感度層に使用したことを除いて、
実施例2と同様に試料を作成し、同様の試験を行ったが
良好な結果が得られ、本発明の効果が確認された。ま
た、乳剤Gに含まれた赤感性乳剤用増感色素III〜V
の代わりに緑感性乳剤用増感色素Iを使用した他は乳剤
Gと同様に作製した乳剤をマゼンタ発色層の中感度層に
使用し、乳剤1−A〜1−Dの緑感性乳剤用増感色素I
の代わりに乳剤Gで使用した赤感性乳剤用増感色素の混
合物を使用した他は乳剤1−A〜1−Dと同様に作製し
た乳剤をシアン発色層の中感度層に使用したことを除い
て、実施例2と同様に試料を作成し、同様の試験を行っ
たが、良好な結果が得られ、本発明の効果が確認され
た。
【0257】(実施例5)粒子サイズを、それぞれ高感
度層用に平均球相当径0.86μm、低感度層用に同
0.49μmに調製した他は、乳剤1−A〜1−Dと同
様に乳剤1−E〜1−H、1−I〜1−Lを作製した。
また、緑感性用色素Iを、それぞれ青感性乳剤用増感色
素II、乳剤Gで使用した赤感性乳剤用増感色素の混合
物に変えた他は乳剤1−A〜1−Lと同様に乳剤2−A
〜2−L、3−A〜3−Lを調製し、実施例2で使用し
た乳剤A〜Hの代わりに、乳剤1−Aを使用したときに
は、乳剤1−E、1−I、2−A、2−E、2−I、3
−A、3−E、3−Iを使用し、乳剤1−Bを使用した
ときには、乳剤1−F、1−J、2−B、2−F、2−
J、3−B、3−F、3−Jを使用し、乳剤1−Cを使
用したときには、乳剤1−G、1−K、2−C、2−
G、2−K、3−C、3−G、3−Kを使用し、乳剤1
−Dを使用したときには、乳剤1−H、1−L、2−
D、2−H、2−L、3−D、3−H、3−Lを使用し
た他は、実施例2と同様に試料を作製し、同様の試験を
行ったが、良好な結果が得られ、本発明の効果が確認さ
れた。
【0258】(実施例6) ベンゾトリアゾール銀乳剤[有機銀塩] ゼラチン28gとベンゾトリアゾール13.2gを水3
00mlに溶解した。この溶液を40℃に保ち攪拌し
た。この溶液に硝酸銀17gを水100mlに溶かした
液を2分間で加えた。このベンゾトリアゾール銀乳剤の
pHを調整し、沈降させ、過剰の塩を除去した。その
後、pHを6.30に合わせ、400gのベンゾトリア
ゾール銀乳剤を得た。
【0259】<カプラーの乳化分散物の調製方法>表1
3に示す組成の油相成分、水相成分をそれぞれ溶解し、
60℃の均一な溶液とする。油相成分と水相成分を合わ
せ、1リットルのステンレス容器中で、直径5cmのデ
ィスパーサーのついたディゾルバーにより、10000
rpmで20分間分散した。これに、後加水として、表
13に示す量の温水を加え、2000rpmで10分間
混合した。このようにしてマゼンタ色のカプラーの乳化
分散物を調製した。
【0260】
【表13】
【0261】
【化26】
【0262】このようにして得られた素材と、実施例1
の緑感牲ハロゲン化銀乳剤1−A〜1−Dを用いて表1
4に示す単層構成の熱現像カラー感光材料(試料601
から604)を作成した。作成した試料は25℃、相対
湿度65%の条件に7日間保存してから裁断した。
【0263】
【表14】
【0264】
【化27】
【0265】これらの試料の経時保存性については以下
の方法で試験した。試料の1つの組は50℃、相対湿度
60%に7日間保存し、もう1つの組は25℃、相対湿
度65%に7日間保存した後、各感光材料に実施例1同
様の光学楔と緑フィルターを介して10001uxで1
/100秒の露光を施し、露光済みの試料を150℃に
加熱したヒートドラムにベース側を接触させる形で10
秒間熱現像処理を行い特性曲線を得て、同一試料番号間
で50℃、相対湿度60%と25℃、相対湿度65%に
保存した試料との被り濃度の差(△fog)を求めた。
以上の結果と実施例1の経時保存性の結果を合わせて表
15に示す。
【0266】
【表15】
【0267】表15の結果から本発明の湿し水を付与す
る熱現像方式によって、感光材料の経時保存性(経時中
の被り濃度の増加)が大幅に改善されることが明らかに
なった。
【0268】(実施例7)実施例1において露光後の感
光材料の表面に40℃の温水を飽和水膨潤量の和の約2
0%、約70%に相当する量にした以外は、実施例1と
同様に熱現像を行ったところ、約20%の場合には、約
30%の場合と同様に優れた画像が形成され、約70%
の場合には約30%に相当する量で行った場合に比べて
最小画像濃度が増加した。次に5%に変更して同様に熱
現像を行ったところ、現像できなかった。
【0269】(実施例8)実施例1において露光後の感
光材料の表面に40℃の温水をジェット水塗布方式で1
5ml/m2 付与する代わりに水含浸方式で付与した以
外は実施例1と同様に試料を作成し、試験を行ったが、
同様に良好な結果が得られた。
【0270】(実施例9)実施例1において露光後の感
光材料の表面に40℃の温水をジェット水塗布方式で1
5ml/m2 付与する代わりに水塗布方式で付与した以
外は実施例1と同様に試料を作成し、同様の試験を行っ
たが、同様に良好な結果が得られた。
【0271】(実施例10)実施例1において露光後の
感光材料の表面に40℃の温水をジェット水塗布方式で
15ml/m2 付与する代わりに水吹き付け方式で付与
した以外は実施例1と同様に試料を作成し、同様の試験
を行ったが、同様に良好な結果が得られた。
【0272】
【発明の効果】本発明は、ホストとしての平板状ハロゲ
ン化銀粒子の表面上に少なくとも1種の銀塩エピタキシ
ーが形成されたエピタキシャルハロゲン化銀粒子を含有
する感光性ハロゲン化銀乳剤を使用するため、環境への
負荷が少なく、簡易、且つ迅速な処理による画像形成に
好適で、しかも高感度で良好な粒状性を与え、特に経時
保存性に優れたカラー写真感光材料を提供することがで
きる。また、本発明は、このようなハロゲン化銀カラー
写真感光材料を用いているため、環境への付加を軽減
し、簡易且つ迅速に高画質の画像を形成できるカラー画
像形成方法を提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI G03C 7/407 G03C 7/407

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に感光性ハロゲン化銀粒子、現
    像主薬、該現像主薬の酸化体とのカップリング反応によ
    って色素を形成する化合物、及びバインダーよりなる少
    なくとも一層の写真感光性層を有するハロゲン化銀カラ
    ー写真感光材料であって、該ハロゲン化銀カラー写真感
    光材料の露光後、該ハロゲン化銀カラー写真感光材料
    と、支持体上に塩基及び/又は塩基プレカーサーを含有
    する処理層を含む構成層を塗設した処理材料とを、これ
    らの材料の全塗布膜の最大膨潤に要する水量の合計の1
    /10から1倍に相当する量の水を該ハロゲン化銀カラ
    ー写真感光材料の写真感光性層面又は前記処理材料の処
    理層面との間に介在させた状態で貼り合わせて加熱する
    ことにより画像を形成させるハロゲン化銀カラー写真感
    光材料において、該感光性ハロゲン化銀粒子が、ホスト
    としての平板状ハロゲン化銀粒子の表面上に少なくとも
    1種の銀塩エピタキシーが形成されたエピタキシャルハ
    ロゲン化銀粒子であることを特徴とするハロゲン化銀カ
    ラー写真感光材料。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のハロゲン化銀カラー写
    真感光材料を、像様露光した後、該ハロゲン化銀カラー
    写真感光材料の写真感光性層面と該処理材料の処理層面
    のいずれかに、これらの材料の全塗布膜の最大膨潤に要
    する水量の合計の1/10から1倍に相当する量の40
    ℃の水を湿し水として供給した後に、該ハロゲン化銀カ
    ラー写真感光材料の写真感光性層面と該処理材料の処理
    層面とを貼り合わせ、60℃以上100℃以下の温度で
    5秒以上60秒以内加熱することにより画像を形成させ
    ることを特徴とするカラー画像形成方法。
  3. 【請求項3】 該湿し水の付与量が該ハロゲン化銀カラ
    ー写真感光材料と該処理材料の全塗布膜の最大膨潤に要
    する水量の合計の1/10から1/2倍に相当する量で
    あることを特徴とする請求項2に記載のカラー画像形成
    方法。
  4. 【請求項4】 該湿し水を付与する方式が水浸漬方式で
    あることを特徴とする請求項3に記載のカラー画像形成
    方法。
  5. 【請求項5】 該湿し水を付与する方式が水塗布方式で
    あることを特徴とする請求項3に記載のカラー画像形成
    方法。
  6. 【請求項6】 該湿し水を付与する方式が水吹き付け方
    式であることを特徴とする請求項3に記載のカラー画像
    形成方法。
  7. 【請求項7】 該湿し水を付与する方式がジェット水塗
    布方式であることを特徴とする請求項3に記載のカラー
    画像形成方法。
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