JPH10228072A - ハロゲン化銀カラー写真感光材料及びカラー画像形成方法 - Google Patents

ハロゲン化銀カラー写真感光材料及びカラー画像形成方法

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JPH10228072A
JPH10228072A JP9141097A JP9141097A JPH10228072A JP H10228072 A JPH10228072 A JP H10228072A JP 9141097 A JP9141097 A JP 9141097A JP 9141097 A JP9141097 A JP 9141097A JP H10228072 A JPH10228072 A JP H10228072A
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emulsion
layer
silver
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JP9141097A
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Nobuhiro Nishida
伸洋 西田
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡易、迅速でディスクリミネーションの良い
画像形成が可能で、高感度かつ潜像安定性の高いカラー
写真感光材料及びカラー画像形成方法の提供。 【解決手段】 感光材料と処理材料双方全塗布膜最大膨
潤必要量の0.1〜1倍の水を双方の間に存在させた状
態で、感光性層面及び処理層面を貼合して加熱して感光
材料側に画像を形成させるハロゲン化銀カラー写真感光
材料であって、難溶性金属化合物と錯形成化合物とを前
記感光材料と処理材料に夫々一方を含有し、ハロゲン化
銀乳剤が、深さが0.2eV以下の電子トラップである
金属イオン及び金属錯体イオンから選択される少なくと
も一種を含有し、平均アスペクト比が4〜100である
平板状粒子を少なくとも一種含有することを特徴とする
ハロゲン化銀カラー写真感光材料及びカラー画像形成
方。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ハロゲン化銀カラ
ー写真感光材料及びそれを用いたカラー画像形成方法に
関し、更に詳しくは、環境への負荷が少なく、簡易かつ
迅速な処理による画像形成に好適で、しかも高感度で潜
像安定性に優れる写真撮影用のハロゲン化銀カラー写真
感光材料、及び該ハロゲン化銀カラー写真感光材料を用
いることにより、環境への負荷を軽減し、簡易かつ迅速
な画像形成が可能なカラー画像形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ハロゲン化銀を利用したカラー写真撮影
用の感光材料は近年ますます発展し、現在では簡易に高
画質のカラー画像を入手することが可能となっている。
たとえば通常カラー写真と呼ばれる方式ではカラーネガ
フィルムを用いて撮影を行い、現像後のカラーネガフィ
ルムに記録された画像情報を光学的にカラー印画紙に焼
き付けることでカラープリントを得る。近年ではこのプ
ロセスは高度に発達し、大量のカラープリントを高い効
率で生産する大規模な集中拠点であるカラーラボあるい
は店舗に設置された小型、簡易のプリンタプロセッサで
ある所謂ミニラボの普及により誰でもがカラー写真を手
軽に楽しめるようになっている。
【0003】現在普及しているカラー写真の方式では、
減色法による色再現の原理が採用されている。一般的な
カラーネガフィルムでは、透過支持体上に、青、緑、そ
して赤色領域に感光性を付与した感光素子であるハロゲ
ン化銀乳剤を用いた感光性層を設け、それらの感光性層
中には各々が補色となる色相であるイエロー、マゼンタ
そしてシアンの各色素を形成する所謂カラーカプラーを
組合せて含有させてある。撮影により像様の露光を施さ
れたカラーネガフィルムは芳香族第一級アミン現像主薬
を含有するカラー現像液中で現像される。この時、感光
したハロゲン化銀粒子は現像主薬によって還元(現像)
され、同時に生成する現像主薬の酸化体と上記のカラー
カプラーのカップリング反応によって各色素が形成(発
色)される。この発色・現像によって生じた金属銀(現
像銀)と、未反応のハロゲン化銀とをそれぞれ漂白およ
び定着処理によって除去することでカラー画像が形成さ
れる。同様な感光波長領域と発色色相との組合せを有す
る感光性層を反射支持体上に塗設してなる感光材料であ
るカラー印画紙に、現像処理後のカラーネガフィルムを
通して光学的な露光を与え、これも同様の発色・現像と
漂白、定着処理とを施すことで撮影時の光景を再現した
カラープリントを得られる。
【0004】このようなカラープリントを得るシステム
は現在広く普及しているが、その簡易性を高める要求は
ますます強くなりつつある。その理由としては、第一
に、上述の発色・現像と漂白及び定着処理とを行うため
の処理浴は、その組成や温度を精密に制御する必要があ
り、専門的な知識と熟練した操作を必要とするからであ
る。第二に、前記処理浴中の処理液には発色現像主薬や
漂白剤である鉄キレート化合物等の環境問題上その排出
の規制が必要な物質が含有されており、現像機器類の設
置には専用の設備を必要とする場合が多いからである。
第三に、近年の技術開発により短縮されたとはいえ、こ
れらの現像処理には時間を要し、迅速に記録画像を再現
する要求に対しては未だ不十分といわざるを得ないから
である。
【0005】より簡易で迅速な処理を行うシステムとし
て、現存のカラー画像形成システムにおいて用いられて
いる発色現像主薬や漂白剤を使用しないシステムを構築
することで環境上の負荷を軽減し、簡易性を改良する技
術も報告されている。例えば、IS&T’s 48th
Annual Conference Procee
dings 180頁には、現像反応で生成した色素を
媒染層に移動させた後、剥離することで現像銀や未反応
のハロゲン化銀を除去し、従来カラー写真処理に必須で
あった漂白定着浴を不要にするシステムが開示されてい
る。しかしながら、ここで提案されている技術では発色
現像主薬を含有する処理浴での現像処理は依然として必
要であり、環境上の問題は解決されているとは言い難
い。発色現像主薬を含有する処理液の不要なシステムと
して、富士写真フイルム株式会社よりピクトロカラーシ
ステムが提供されている。このピクトロカラーシステム
では、塩基プレカーサーを含有する感光材料に少量の水
を供給し、受像部材と貼り合わせ、加熱することにより
現像反応を生じさせるので、前記処理液を用いる必要が
なく、環境上極めて有利である。
【0006】また、常用の液現像写真システムに対し
て、高温で現像を行う所謂熱現像方式において好ましい
ハロゲン化銀はこれまでにも種々提案されている。例え
ば特公平2−48101号には粒子径が粒子厚みの5倍
以上の平板状ハロゲン化銀を熱現像カラー感光材料に用
いることで加熱現像進行性を改良する技術が開示されて
いる。また、特開昭62−78555号には沃化銀含有
率が4〜40モル%であって、粒子厚みに対する粒径の
比が5以上の平板状感光性ハロゲン化銀粒子を有機銀塩
1モルに対して0.05〜1モル含有させることで熱現
像感光材料の長期保存安定性を改良する技術が開示され
ている。さらに、特開昭62−79447号には粒子厚
みに対する粒径の比が5以上の平板状感光性ハロゲン化
銀粒子と、沃化銀含有率が4〜40モル%であって平均
粒径が0.4μm以下の感光性ハロゲン化銀粒子とを含
有させることで熱現像時の感度と最高濃度を改良する技
術が開示されている。しかしながら、これらのシステム
は形成された色素を受像材料上の色素固定層に固定し、
これを色素画像として鑑賞する用途に用いるものであ
る。このシステムを感光材料上に画像を形成する撮影用
の記録材料に利用するべく現像主薬内蔵の加熱現像によ
る迅速な画像形成を試みたが、撮影後に経時に伴い増感
するという問題を生じた。撮影用感光材料にとって、高
感度を維持しつつ潜像安定性を付与することは、設計上
の必須要件であり、こうした問題は簡易、迅速な画像形
成を実現する上での重大な障害であった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、簡
易、迅速でディスクリミネーションの良い画像形成が可
能であり、高感度かつ潜像安定性の向上した撮影用のカ
ラー写真感光材料及びカラー画像形成方法を提供するこ
とにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は以下の
(1)〜(6)により達成された。 (1)支持体上に感光性ハロゲン化銀乳剤、現像主薬、
現像主薬の酸化体とのカップリング反応によって色素を
形成する化合物、及びバインダーを含有してなる感光性
層を少なくとも一層含む写真構成層を塗設したハロゲン
化銀カラー写真感光材料であって、支持体上に処理層を
有する処理材料を、感光材料の露光後、感光材料と処理
材料双方の全塗布膜を最大膨潤させるに要する量の0.
1倍から1倍に相当する水を感光材料と処理材料との間
に存在させた状態で、感光材料の感光性層面及び処理材
料の処理層面を貼り合わせて加熱することにより感光材
料側に画像を形成させるハロゲン化銀カラー写真感光材
料であって、難溶性金属化合物とこの難溶性金属化合物
を構成する金属イオンと錯形成反応しpHを上昇させ得
る化合物(以下、錯形成化合物という)とを前記感光材
料と処理材料にそれぞれ一方を含有し、水及び現像主薬
の存在下でそれらを反応させることで画像を形成させる
ハロゲン化銀カラー写真感光材料において、該ハロゲン
化銀乳剤が、深さが0.2eV以下の電子トラップであ
る金属イオン及び金属錯体イオンから選択される少なく
とも一種を含有し、平均アスペクト比が4〜100であ
る平板状粒子を少なくとも一種含有することを特徴とす
るハロゲン化銀カラー写真感光材料。
【0009】(2)前記ハロゲン化銀乳剤が、深さが
0.2eV以下の電子トラップである金属イオン及び金
属錯体イオンから選択される少なくとも一種と、0.3
5eV以上の電子トラップである金属イオン及び金属錯
体イオンから選択される少なくとも一種とを含有するこ
とを特徴とする(1)に記載のハロゲン化銀カラー写真
感光材料。 (3)難溶性金属化合物が、下記一般式(A)で表わさ
れる化合物であることを特徴とする(1)または(2)
に記載のハロゲン化銀カラー写真感光材料。 一般式(A) Tp Qq 一般式(A)において、Tは多価金属イオンを表わし、
Qは水の中で錯形成化合物を構成するイオンの対イオン
となることができ、かつ該対イオンとなった場合にアル
カリ性を示すイオンを表わす。pとqは、それぞれ、T
とQの各々の原子価が均衡を保てる整数を表わす。 (4)難溶性金属化合物が、亜鉛もしくはアルミニウム
の酸化物、水酸化物または塩基性炭酸塩であることを特
徴とする(1)乃至(3)のいずれか1項に記載のハロ
ゲン化銀カラー写真感光材料。 (5)錯形成化合物が、下記一般式(B)で表される化
合物であることを特徴とする(1)乃至(4)のいずれ
か1項に記載のハロゲン化銀カラー写真感光材料。 一般式(B)
【0010】
【化2】
【0011】一般式(B)において、R1 ,Z1 ,Z2
はそれぞれ水素原子、アリール基、ハロゲン原子、アル
コキシ基、−CO2 M、ヒドロキシカルボニル基、アミ
ノ基、アルキル基を表す。2つのR1 は同一であっても
異なっていてもよく、Z1 とZ2 は結合してピリジン環
に縮合する環を形成してもよい。Mはアルカリ金属、グ
アニジン、アミジン又は4級アンモニウムイオンのいず
れかを表す。
【0012】(6)支持体上に感光性ハロゲン化銀乳
剤、現像主薬、現像主薬の酸化体とのカップリング反応
によって色素を形成する化合物、およびバインダーを含
有してなる感光性層を少なくとも一層含む写真構成層を
塗設したハロゲン化銀カラー写真感光材料であって、感
光材料の少なくとも一層の感光性層に、該ハロゲン化銀
乳剤が深さが0.2eV以下の電子トラップである金属
イオン及び金属錯体イオンから選択される少なくとも一
種を含有し、平均アスペクト比が4〜100である平板
状粒子を少なくとも一種含有する感光材料と、支持体上
に処理層を有する処理材料において、難溶性金属化合物
とこの難溶性金属化合物を構成する金属イオンと錯形成
反応しpHを上昇させ得る化合物とを前記感光材料と処
理材料にそれぞれ一方を含有し、感光材料の露光後、感
光材料と処理材料双方の全塗布膜を最大膨潤させるに要
する量の0.1倍から1倍に相当する水を感光材料と処
理材料との間に存在させた状態で、感光材料の感光性層
面及び処理材料の処理層面を貼り合わせて加熱処理して
それらを反応させることで感光材料側に画像を形成する
ことを特徴とするカラー画像形成法。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明は、本発明の構成の感光材
料と処理材料を用い、少量の水の存在下で加熱現像し、
感光材料上に非拡散性色素に基づく画像を形成した場
合、粒状やシャープネスに優れた画像が得られ、この画
像情報に基づいてカラーペーパーや熱現像カラープリン
ト材料等の別の記録材料上に出力した場合、非常に良好
なカラー画像が得られることの発見に基づいている。ま
た、色素放出型化合物を用いる場合に比べ、無色の発色
現像主薬とカプラーを用いた場合、撮影用材料として極
めて重要な感度の点で有利である。
【0014】本発明においては、熱現像によって発色現
像を形成後、残存するハロゲン化銀及び/または現像銀
を除去してもよいし、しなくてもよい。また、その画像
情報に基づいて別の材料に出力する方法として通常の投
影露光によってもよいし、透過光の濃度測定によって画
像情報を光電的に読み取り、その信号によって出力して
もよい。出力する材料は感光材料でなくてもよく、例え
ば昇華型感熱記録材料、インクジェット材料、フルカラ
ー直接感熱記録材料等でもよい。本発明において好まし
い態様の例は、熱現像によって発色画像を形成後、残存
するハロゲン化銀及び現像銀を除去する付加的な処理を
行わず、画像情報を拡散光及びCCDイメージセンサを
用いた透過光濃度測定によって光電的に読み取り、デジ
タル信号に変換後、画像処理を行い、熱現像カラープリ
ンター、例えば富士写真フイルム(株)のピクトログラ
フィー3000で出力するものである。この場合、コン
ベンショナルカラー写真で使用する処理液は一切使用す
ることなく、迅速に良好なプリントを得ることができ
る。また、この場合、上記デジタル信号は任意に加工、
編集できるので、撮影した画像を自由に修正、変形、加
工して出力できる。
【0015】本発明においては、難溶性金属化合物とこ
の難溶性金属化合物を構成する金属イオンと錯形成反応
する錯形成化合物とを、前記感光材料と処理材料にそれ
ぞれどちらか一方を含有させ、感光材料の露光後、水の
存在下で処理材料と貼り合わせて加熱することにより、
画像形成反応系のpHを上昇させる。このような構成に
より、撮影用材料に要求される高い保存安定性を満た
し、迅速な現像処理が可能となる。
【0016】本発明における画像形成反応系とは、画像
形成反応が起こる領域を意味する。具体的には、感光材
料と処理材料のそれぞれに属する層が挙げられる。2つ
以上の層が存在する場合には、その全層でも一層でも良
い。
【0017】本発明における水と難溶性金属化合物及び
錯形成化合物を用いてアルカリを発生させる技術は、特
開昭62−245262号等に記載されている公知の技
術を用いることができる。つまり、本発明において、媒
体として用いる水は、外から水を供給する方法、予め水
を含むカプセル等を画像形成反応系に存在させ、加熱等
によりカプセルを破壊して水を供給する方法などによ
り、供給できる。
【0018】本発明に用いる難溶性金属化合物の例とし
ては、水に対する溶解度(水100g中に溶解する物質
のグラム数)が0.5以下の炭酸塩、リン酸塩、ケイ酸
塩、ホウ酸塩、アルミン酸塩、水酸化物、酸化物、及び
塩基性塩のようなこれらの化合物の複塩が挙げられる。
【0019】本発明に用いる難溶性金属化合物として
は、下記一般式(A)で表されるものが好ましい。 一般式(A) Tp Qq ここでTは多価金属イオン、例えばZn2+、Ni2+、C
2+、Fe3+、Mn2+、Ca2+、Ba2+、Mg2+、Sr
2+、Sn2+、Al3+、Sb3+、Bi3+等を表し、Qは、
水の中で錯形成化合物を構成するイオンの対イオンとな
ることができ、かつ該対イオンとなった場合にアルカリ
性を示すイオンを表す。Qとしては、後述する錯形成化
合物の説明に出てくるMの対イオンとなることができる
ものが好ましく、さらにMがアルカリ金属、グアニジ
ン、アミジン又は4級アンモニウムイオンを表す場合の
対イオンとなることができるものが好ましく、具体的に
は例えば、炭酸イオン、リン酸イオン、ケイ酸イオン、
ホウ酸イオン、アルミン酸イオン、ヒドロキシイオン、
酸素原子を挙げることができる。pとqは、それぞれ、
TとQの各々の原子価が均衡を保てるような整数を表
す。
【0020】以下に難溶性金属化合物の好ましい具体例
を列挙する。炭酸カルシウム、炭酸バリウム、炭酸マグ
ネシウム、炭酸亜鉛、炭酸ストロンチウム、炭酸マグネ
シウムカルシウム(CaMg(CO3 2 )、酸化マグ
ネシウム、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化コバルト、水酸化
亜鉛、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸
化カルシウム、水酸化アンチモン、水酸化スズ、水酸化
鉄、水酸化ビスマス、水酸化マンガン、リン酸カルシウ
ム、リン酸マグネシウム、ホウ酸マグネシウム、ケイ酸
カルシウム、ケイ酸マグネシウム、アルミン酸亜鉛、ア
ルミン酸カルシウム、塩基性炭酸亜鉛(2ZnCO3
3Zn(OH)2 ・H2 O)、塩基性炭酸マグネシウム
(3MgCO3 ・Mg(OH)2 ・3H2 O)、塩基性
炭酸ニッケル(NiCO3 ・2Ni(OH)2 )、塩基
性炭酸ビスマス(Bi2 (CO3 )O2 ・H2 O)、塩
基性炭酸コバルト(2CoCO3・3Co(O
H)2 )、酸化アルミニウムマグネシウム。
【0021】これらの化合物の中で、着色していないも
のが特に好ましい。特に好ましい難溶性金属化合物とし
ては、亜鉛又はアルミニウムの酸化物、水酸化物、塩基
性炭酸塩で、特に好ましくは酸化亜鉛、水酸化亜鉛、塩
基性炭酸亜鉛である。難溶性金属化合物は、特開昭59
−174830号等に記載のように親水性バインダー中
に微粒子分散させて使用する。微粒子の平均粒径は0.
001〜5μmであり、好ましくは0.01〜2μmで
ある。
【0022】本発明に用いる錯形成化合物は、前記難溶
性金属化合物を構成する金属イオンと、安定度定数がl
ogKで1以上の値を示す錯塩を生成するものである。
【0023】本発明で用いる錯形成化合物は分析化学に
おけるキレート剤、写真化学における硬水軟化剤として
公知のものである。その詳細は前述の文献の他、A.リ
ングボム著、田中信行、杉晴子訳「錯形成反応」(産業
図書)等にも記載されている。
【0024】また、これらの錯形成化合物については、
例えばエー イー マーテル、アール エム スミス
(A.E.Martell ,R.M.Smith )共著、“クリティカル
スタビリティ コンスタンツ(Critical Stability C
onstants)、第1〜5巻”、プレナム プレス(Plenum
Press )にも詳述されている。
【0025】具体的にはアミノポリカルボン酸類、イミ
ジノ酢酸、及びその誘導体、アニリンカルボン酸類、ピ
リジンカルボン酸類、アミノホスホン酸類、カルボン酸
類(モノ、ジ、トリ、テトラカルボン酸及び更にフォス
フォノ、ヒドロキシ、オキソ、エステル、アミド、アル
コキシ、メルカプト、アルキルチオ、フォスフィノ等の
置換基を持つ化合物)、ヒドロキサム酸類、ポリアクリ
レート類、ポリリン酸類等とアルカリ金属、グアニジン
類、アミジン類もしくは4級アンモニウム等との塩が挙
げられる。
【0026】好ましい具体例としては、ピコリン酸、
2,6−ピリジンジカルボン酸、2,5−ピリジンジカ
ルボン酸、4−ジメチルアミノピリジン−2,6−ジカ
ルボン酸、5−エチル−2−ピコリン酸、キノリン−2
−カルボン酸、2−ピリジル酢酸、シュウ酸、クエン
酸、酒石酸、イソクエン酸、リンゴ酸、グルコン酸、エ
チレンジアミン四酢酸(EDTA)、ニトロトリ酢酸
(NTA)、シクロヘキサンジアミン四酢酸(CDT
A)、ジエチレントリアミン五酢酸、ヘキサメタリン
酸、トリポリリン酸、テトラリン酸、ポリアクリン酸、
アミノトリス(メチレンホスホン酸)、エチレンジアミ
ンテトラメチレンホスホン酸、
【0027】
【化3】
【0028】とアルカリ金属、グアニジン類、アミジン
類もしくは4級アンモニウムとの塩などが挙げられる。
なかでも、−CO2 Mを少なくとも1つ有し、かつ環の
中に窒素原子を1つ有する芳香族複素環化合物が好まし
い。環としては単環でも縮合環でもよく、例えばピリジ
ン環、キノリン環などが挙げられる。そして、−CO2
Mが環に結合する位置は、N原子に対してα位であるこ
とが特に好ましい。Mはアルカリ金属、グアニジン、ア
ミジン及び4級アンモニウムイオンのうちのいずれかで
ある。
【0029】更に好ましい化合物としては、下記一般式
(B)で表されるものが挙げられる。
【0030】
【化4】
【0031】上記式において、R1 は水素原子、アリー
ル基、ハロゲン原子、アルコキシ基、−CO2 M、ヒド
ロキシカルボニル基、アミノ基又はアルキル基を表す。
2つのR1 は同一でも異なっていてもよい。Z1 とZ2
は、それぞれR1 における定義と同じであり、またZ1
とZ2 は結合してピリジン環に縮合する環を形成しても
よい。アリール基、アルコキシ基、アミノ基、アルキル
基は、置換されていてもよく、置換基としてはアルキル
基、カルボキシ基、ヒドロキシ基等が挙げられる。
【0032】次に好ましい難溶性金属化合物と錯形成化
合物との組み合わせ例を列挙する(ここで、M+ はアル
カリ金属イオン、置換もしくは非置換のグアニジウムイ
オン、アミジニウムイオンもしくは4級アンモニウムイ
オンを表す)が、本発明はこれに限定されるものではな
い。
【0033】
【化5】
【0034】
【化6】
【0035】
【化7】
【0036】
【化8】
【0037】これらの組み合わせのものは、単独でも、
2組以上を併用しても使用できる。また公知の塩基また
は塩基プレカーサーと併用することができる。ここで、
本発明において反応系のpHを上昇させる機構につい
て、ピコリン酸カリウムと水酸化亜鉛の組み合わせを例
に挙げて説明する。両者の反応は例えば次式で示され
る。
【0038】
【化9】
【0039】すなわち、水が媒体として存在するように
なると、ピコリン酸イオンが亜鉛イオンと錯形成反応を
起こして上記式で示される反応が進行する結果、高いア
ルカリ性を呈することになる。
【0040】本発明において難溶性金属化合物と錯形成
化合物はそれぞれ別の支持体上の少なくとも一層に含有
させる。例えば、難溶性金属化合物は感光材料に、錯形
成化合物は処理材料に含有させることが好ましい。
【0041】本発明において、難溶性金属化合物及び錯
形成化合物の使用量は画像形成反応系のpHを8以上、
好ましくは9〜13に上昇させるに十分な量であればよ
い。より具体的には、難溶性金属化合物又は錯形成化合
物の添加量は、化合物種、難溶性金属化合物の粒子サイ
ズ、錯形成反応速度等に依存するが、各々塗布膜中、重
量に換算して50重量%以下で用いるのが適当であり、
更に好ましくは0.01重量%から40重量%の範囲が
有用である。更に本発明において反応系の錯形成化合物
の含有量は、難溶性金属化合物の含有量に対しモル比で
1/100倍ないし100倍、特に1/10倍ないし2
0倍が好ましい。難溶性金属化合物を感光材料中に含有
させる場合の含有量は、0.01〜5g/m2 であり、
好ましくは0.05〜2g/m2 である。また、錯形成
化合物を処理材料中に添加する場合の含有量は、0.0
1〜10g/m2 であり、好ましくは0.05〜5g/
2 である。
【0042】本発明のハロゲン化銀カラー写真感光材料
に使用される感光性ハロゲン化銀乳剤について説明す
る。該感光性ハロゲン化銀乳剤は、浅い電子トラップで
ある金属イオン及び金属錯体イオンから選択される少な
くとも一種を含有し、さらに好ましくは比較的深い電子
トラップである金属イオン及び金属錯体イオンから選択
される少なくとも一種を含有する。前記金属イオン及び
/または金属錯体イオンによる電子トラップの深さの値
は、例えば、R.S.Eachus、R.E.Grave とM.T.Olm による
Phys.Stat.Sol(b)の88巻705頁(1978) に開示され
ているような、ESRを用いた動力学測定により得られ
る。電子トラップの深さは、中心金属イオンの種類、リ
ガンドの種類、錯体の点群の対称性(Oh 、D4h、C4v
等)、基盤のハロゲン組成で変わりうる。前記電子トラ
ップの深さは、金属イオン又は金属錯体イオンの電子の
最低非占有軌道のエネルギー準位が、ハロゲン化銀の伝
導帯の底より低いか高いかで決定される。該エネルギー
準位がハロゲン化銀の伝導帯の底よりも高い場合は、中
心金属イオンのクーロン力による緩い束縛を電子に与え
るので、浅い電子トラップになり、低い場合は、伝導帯
からのエネルギー差が、電子トラップの深さに対応し、
比較的深い電子トラップになる。前記浅い電子トラップ
の深さは、0.2eV以下が好ましく、0.1eV以下
がより好ましい。
【0043】前記浅い電子トラップとなりうる金属イオ
ン及び金属錯体イオンとしては、Pb2+あるいは M( CN) x y z [上記式中、Mは、Fe2+、Ru2+、Os2+、Co3+
Ir3+又はRe+ を表す。xは4、5又は6を表す。L
及びTは、フッ素イオン、塩素イオン、臭素イオン、沃
素イオン等のハライドイオン、SCN、NCS、H
2 Oなどのような無機リガンド、又は、ピリジン、フェ
ナントロリン、イミダゾール、ピラゾールなどのような
有機リガンドを表す。y及びzは正の整数であり、x+
y+z=6を満たすように、その値が定められる。通
常、リガンドを有している場合、配位数は、6配位であ
る。]が挙げられる。
【0044】前記比較的深い電子トラップの深さは、
0.35eV以上が好ましく、0.5eV以上がより好
ましい。前記比較的深い電子トラップとなりうる金属イ
オン及び金属錯体イオンとしては、ハライドイオンリガ
ンドもしくはチオシアン酸イオンリガンドと、Ir、R
h、RuもしくはPdとを含むイオン;ニトロシルリガ
ンドの少なくとも一種とRuとを含むイオン;シアンリ
ガンドとCrとを含むイオン;が挙げられる。これらの
中でも、例えば、[IrCl6]3-、[IrBr6]3-
[Ir(SCN)6]3-、[IrI6]3-、[RhCl
5 (H2 O)]2-、[RhCl4 (H2 O)2]-、[R
uCl5 (NO)]2-、[Cr(CN)6]3-、[RhC
6 3-、[RhBr6 3-、[PdCl6 5-等が好
適に用いられる。
【0045】金属イオン又は金属錯体イオンを感光性ハ
ロゲン化銀乳剤に導入することは、従来の現像主薬を含
有する処理液を用いる撮影用の感光材料における乳剤、
とりわけ平板乳剤では、周知の技術であり、特開平8−
101474号公報、欧州特許0699947号明細
書、特開平4−211144号公報等に開示されてお
り、高感度化、相反則性改良、感度調節、安定性改良等
の効果がある。また、特開平2−236542号公報、
特開平5−181246号公報、特願平7−12273
3号公報、米国特許5434043号明細書には、現像
主薬を内蔵する熱現像感光材料において、処理や露光の
変動に対して安定性を付与するために、鉄イオンをハロ
ゲン化銀に含有させたり、低カブリ、高感度化の目的で
多価金属イオンをハロゲン化銀に含有させたり、Ir、
Rhを高塩化銀乳剤に含有させて、高照度露光において
も、硬調化させたり、所謂ドライシルバーのような現像
主薬内蔵系の感光材料において、Irを沃臭化銀に含有
させて高照度適性を持たせたりする方法が開示されてい
る。これらの技術はいずれもプリント用途や印刷用途の
写真感光材料を目的としたものであるため、本発明のよ
うに平板乳剤を用いて、撮影用の感光材料を構成しよう
とした場合に、高感度を達成する技術とは全く別個の技
術であり、したがって、これらを適用しても本発明の目
的は達成されない。本発明者らの検討により、浅い電子
トラップである金属イオンあるいは錯体イオンを粒子中
に導入することにより高感度化できることが分かった。
【0046】前記金属イオンもしくは金属錯体イオンの
添加量は、ハロゲン化銀1モルあたり10-9〜10-2
ルの範囲程度である。前記感光性ハロゲン化銀粒子にお
いて、前記金属イオン及び/または金属錯体イオン(以
下「金属イオン等」と称することがある)は、粒子の内
部に均一な状態で又は局在した状態で組み込まれていて
もよいし、粒子の表面に露出した状態で組み込まれてい
てもよいし、粒子の表面には露出しないが、該表面近傍
に局在した状態で組み込まれていてもよい。また、エピ
タキシャル粒子においては、基盤の結晶であってもよい
し、接合部の結晶であってもよい。ハロゲン組成の異な
る相を有する多重構造型の感光性ハロゲン化銀粒子にお
いては、組成毎に含有させる金属イオン等を変化させて
も良い。
【0047】具体的には、例えば、塩化銀平板基盤粒子
に黄血塩を含有させ、Irイオンを含有させた臭化銀結
晶をエピタキシャル接合させるのも好ましいし、後述す
るような、表面近傍に高沃化銀局在部を有するフリンジ
型高密度転位型沃臭化銀乳剤粒子において、転位線の集
中する位置に前記浅い電子トラップ及び/又は前記比較
的深い電子トラップである金属イオン等を集中させるの
も好ましいし、また、沃臭化銀結晶基盤に前記比較的深
い電子トラップである金属イオン等を含有させ、エピタ
キシャル接合した結晶に、前記浅い電子トラップである
金属イオン等を含有させても好ましい。また、2種の金
属イオン等の共存領域であってもよいし、前記浅い電子
トラップである金属イオン等のみの領域と、前記比較的
深い電子トラップである金属イオン等のみの領域とから
なっていてもよいし、前記共存領域と前記浅い電子トラ
ップである金属イオン等のみの領域及び/又は前記比較
的深い電子トラップである金属イオン等のみの領域とか
らなっていてもよいし、前5者に全く金属イオン等が存
在しない領域が存在してもよい。
【0048】前記金属イオン等の添加は、粒子形成時の
ハロゲン化物水溶液あるいは水溶性銀塩溶液に該金属イ
オン等の金属塩溶液を混合して、粒子形成中に連続して
添加したり、該金属イオン等がドープされたハロゲン化
銀乳剤微粒子を添加したり、あるいは、該金属イオン等
の金属塩溶液を粒子形成前、粒子形成中、粒子形成後に
直接添加したりすることで行うことができる。粒子形成
中には、該金属イオン等の金属塩溶液を連続して添加し
てもよい。
【0049】前記金属塩を、水またはメタノール、アセ
トンなどの適当な溶媒に溶かす場合、溶液を安定化する
ために、ハロゲン化水素水溶液(例えば、HCl、HB
r等)、チオシアン酸もしくはその塩、又はハロゲン化
アルカリ(例えば、KCl、NaCl、KBr、NaB
r等)を添加する方法を用いることができる。また、必
要に応じて、酸、アルカリ等を加えるのも、溶液安定化
の観点で好ましい。
【0050】前記金属イオン等の感光性ハロゲン化銀乳
剤中における含有量は、原子吸光、偏光ゼーマン分光、
ICP分析で行われる。金属錯体イオンのリガンドは、
CN- 、SCN- 、NO- 等は、赤外吸収(特にFT-IR
)で含有されることが確認される。
【0051】本発明で平板状粒子(以下「平板粒子」と
言う)とは2つの対向する平行な主平面を有するハロゲ
ン化銀粒子である。
【0052】本発明に使用できる平板ハロゲン化銀粒子
のハロゲン組成は、塩化銀、沃塩化銀、塩臭化銀、沃塩
臭化銀、沃臭化銀で、任意の組成のものを好ましく用い
ることができる。また、その他の銀塩、例えば、チオシ
アン酸銀、硫化銀、セレン化銀、炭酸銀、リン酸銀、ベ
ンゾトリアゾール銀のような有機銀がハロゲン化粒子に
固容されていても良いし、接合されていてもよい。ハロ
ゲン組成は均一であってもよいし、粒子内部と粒子表面
で異なるハロゲン組成を持っている多重もしく積層構造
粒子であってもよい。また、エピタキシャル接合によっ
て組成の異なるハロゲン化銀乳剤が接合されていてもよ
い。
【0053】高塩化銀乳剤は、現像活性が高いという特
長を有する。かつ、ヘイズが少ないので、処理後の感光
材料を定着せずにスキャナーで読みとる際、画像情報の
劣化が少ないという特長も有する。
【0054】組成の異なる局在相を、層状もしくは非層
状にハロゲン化銀内部および/または表面に有する構造
のものも使用できる。局在相のハロゲン組成は、X線回
折法、分析電子顕微鏡等で分析される。例えば、シー
アール ベリイ、エス ジェイ マリノ(C.R.Be
rry,S.J.Marino)著フォトグラフィック
サイエンス アンド テクノロジー(Photogr
aphic Science and Technol
ogy)2巻149頁(1955)および同4巻22頁
(1957)にX線回折法のハロゲン化銀への適用法が
記載されている。局在相は、粒子内部、粒子表面のエッ
ジ、コーナー、あるいは面上にあることができるが、好
ましい例として、粒子のコーナー部にエピタキシャル接
合したものがあげられ、特開昭58−108526号、
特開昭59−133540号、特開昭59−11935
0号、特開平6−194768号、欧州特許06999
44号等に記載されている。
【0055】現像用の撮影感光材料と同様に、沃臭化銀
を主体としたハロゲン化銀乳剤の場合でも、塩化銀を含
んでいてもよいが、塩化銀含有率は、好ましくは8モル
%以下、より、好ましくは、3モル%以下である。ハロ
ゲン化銀粒子内部にハロゲン組成の異なる複数の層より
なる積層構造を有する沃臭化銀よりなる、自身より粒子
内部側に隣接した層および粒子表面側に隣接した層の何
れよりも沃化銀含有率が高い層を少なくとも一つ有する
粒子よりなるハロゲン化銀乳剤を用いることが好まし
い。塩臭化銀や塩化銀などから構成されるハロゲン化銀
乳剤を用いる場合、沃化銀を含んでいてもよいが、沃化
銀含有率は、好ましくは6モル%以下、より好ましくは
2モル%以下である。
【0056】高塩化銀乳剤を用いた場合、増感色素吸着
の点で不利であるが、表面を沃化銀もしくは臭化銀に富
む組成にすることで、色素吸着を強化することができ
る。
【0057】ハロゲン化銀粒子の表面のハロゲン組成
は、X線光電子分光法(ESCA)で測定される。
【0058】乳剤粒子間のハロゲン組成分布(臭化銀含
有率、沃化銀含有率、塩化銀含有率)は、狭いほうが、
好ましい。このハロゲン組成分布の変動係数は、3〜3
0%が好ましく、より好ましくは3〜25%で、特に好
ましくは3〜20%である。尚、前記変動係数は、ばら
つき(標準偏差)を平均で割った値を意味する。個々の
乳剤のハロゲン組成分布は、X線マイクロアナライザー
(EPMA)を用いて、個々の粒子の組成を分析するこ
とにより測定できる。
【0059】平板粒子の形状は、主表面(平行する面積
の大きい外表面)が(111)面からなる場合は、平行
な双晶面を2つ以上含む平行多重双晶で、外表面が(1
00)面からなる場合、双晶面は存在しない。双晶面間
隔は、米国特許5219720号に記載されているよう
に、0.012μm以下にすることが可能であり、さら
に、特開平5−249585号記載のように、(11
1)主平面間距離を該双晶面間隔で割った値を15以上
にすることも可能である。主平面が(111)面の場
合、粒子の上から見た形状は、三角形状、六角形状、も
しくはこれらが丸みを帯びた円形状、あるいは円形状を
している。主平面が(111)であっても、該主平面を
連結する側面は、(111)面であってもよいし、(1
00)面であってもよいし、あるいは両者の混合であっ
てもよく、さらにはより高指数の面を含んでいてもよ
い。外表面が(100)面の場合、粒子の上から見た形
状は、矩形状をしている。
【0060】本発明で使用する感光性ハロゲン化銀乳剤
は、平板粒子が全投影面積の80〜100%を占めるこ
とが好ましく、より好ましくは90〜100%、特に好
ましくは95〜100%を占める。
【0061】前記感光性ハロゲン化銀乳剤における平板
状粒子の平均粒子厚みは、0.005〜0.2μmであ
ることが好ましく、より好ましくは0.01〜0.15
μmである。平均粒子厚みとは、該乳剤中の全平板粒子
の粒子厚みの算術平均である。
【0062】前記感光性ハロゲン化銀乳剤における平板
状粒子の平均投影面積の円相当径は0.2〜8μmであ
ることが好ましい。より好ましくは0.3〜5μmで、
特に好ましくは0.4〜4μmである。
【0063】平板粒子の厚みに対する円相当径の比をア
スペクト比という。本発明の平板粒子の平均アスペクト
比としては、4〜100が好ましく、より好ましくは6
〜80である。前記平均アスペクト比が、4未満である
と、感度の点で不利であり、100を越えると、圧力性
が悪く、粒子サイズ分布が多分散になりやすい点でいず
れも好ましくない。尚、平均アスペクト比とは、該乳剤
中の全平板粒子の平均アスペクト比の算術平均を意味す
る。
【0064】投影面が六角形状の平板粒子の場合、最小
長さの辺長に対する、最大長さの辺長の比が1〜2のも
のが、全粒子の投影面積の50〜100%を占めること
が好ましく、より好ましくは70〜100%である。こ
の比は1に近い六角形状のものが好ましい。投影面が矩
形状の平板粒子の場合、最小長さの辺長に対する、最大
長さの辺長の比が1〜2のものが、全粒子の投影面積の
50〜100%を占めることが好ましく、より好ましく
は70〜100%である。この比は1に近い正方形状の
ものが好ましい。
【0065】感光性ハロゲン化銀粒子の形状は、ハロゲ
ン化銀粒子と大きさの標準として用いる参照用のラテッ
クス球とを同時に重金属などでシャドウイングを施した
カーボンレプリカ法を用いた透過電子顕微鏡観察で測定
できる。
【0066】本発明においては狭い粒子サイズ分布を有
する単分散感光性ハロゲン化銀乳剤を用いるのが好まし
い。ここで単分散とは、粒子サイズ分布の変動係数が3
0%以下であることをいう。単分散乳剤粒子の利用法
は、トレヴォル マタナハン(Trevor Mate
rnaghan)著サーファクタント サイエンス シ
リーズ(テクノロジカル アプリケイションズ オブ
ディスパージョンズ)(Surfactant Sci
ence Series)52巻373頁(1994)
に記載されている。また、広い粒子サイズ分布を有する
多分散感光性ハロゲン化銀乳剤を用いてもよい。尚、特
開平1−167743号公報、同4−223463号公
報のように、階調の調整を目的として、実質的に同一の
感色性を有し粒子サイズの異なる2種以上の単分散ハロ
ゲン化銀乳剤を併用してもよい。2種以上の乳剤は、同
一層に混合してもよいし、別々の層を構成してもよい。
2種以上の多分散ハロゲン化銀乳剤あるいは単分散乳剤
と多分散乳剤との組み合わせを使用することもできる。
【0067】(111)面からなる臭化銀、(沃)臭化
銀、(塩)臭化銀平板粒子の調製法は、特開昭55−1
42329号、同58−113926号、同58−11
3927号、同58−113928号、米国特許491
4014号、米国特許4942120号、特開平2−2
22940号、米国特許5013641号、米国特許4
414306号に記載されている。米国特許51477
71〜5147773号、同5171659号、同52
10013号および同5252453号記載のポリアル
キルオキサイド化合物を用いた平板粒子形成法が好まし
い。高アスペクト比の平板粒子を形成するには、小サイ
ズの双晶核を生成させることが重要である。そのため
に、低温、高pBr、低pHで、ゼラチンについては、
その量を少なくして、メチオニン量の少ないものや、低
分子のものや、フタル化したゼラチン誘導体を使用した
り、核形成時間を短くして核形成を行うことが好まし
い。核形成後は、物理熟成により、平板粒子核(平行多
重双晶核)のみ成長させ、他の正常晶の核、一重双晶
核、非平行多重双晶核を消失させて、選択的に平行多重
双晶の核を形成させる。その後、可溶性銀塩と可溶性ハ
ロゲン塩、或いは小サイズのハロゲン化銀微粒子乳剤を
添加させて、粒子成長を行って、平板粒子からなる乳剤
が調製される。
【0068】(100)面からなる臭化銀もしくは
(塩)臭化銀平板粒子の調製法は、T.G.BOGGによる米国
特許4063951号、A.MIGNOTによる特開昭58−9
5337号に記載されている。
【0069】(111)面から成る高塩化銀乳剤粒子の
平板粒子の調製法は米国特許4399215号、同44
00463号、同5217858号、特開平2−32号
等に記載されている。高塩化銀の場合、吸着物質のない
条件では、通常(100)面が外表面であるので、(1
11)面に面選択性のある吸着物質を用いて、かつ、双
晶核を形成させた後、物理熟成過程で、正常晶の核、一
重双晶核、非平行多重双晶核を消失させて、選択的に平
行多重双晶の核を得、その後、粒子成長させて、平板粒
子からなる乳剤が調製される。
【0070】なお、塩化銀(111)面からなる平板状
粒子生成の経験則がJournal of Photographic Science
36巻182頁(1988)に、報告されている。
【0071】(100)面からなる高塩化銀乳剤粒子の
平板粒子の調製法は、米国特許4946772号、同5
275930号、同5264337号、特開平5−28
1640号、特開平5−313273号、欧州特許05
34395A1号等に記載されている。かかる調製法に
おいては、平板成長する核の生成が、ポイントであり、
粒子形成初期に、臭化物イオンや沃化物イオンを添加し
たり、特定の面に選択吸着性を呈する化合物を添加した
りするのが有効である。核生成後に、物理熟成、粒子成
長を行って平板粒子からなる乳剤が調製できる。粒子成
長は、可溶性銀塩と可溶性ハロゲン塩、或いは小サイズ
のハロゲン化銀微粒子を添加させることによって行われ
る。
【0072】このような平板粒子は、同一体積の正常晶
と比べて、表面積が大きいので増感色素の吸着量を増や
せるので、色増感感度の点で有利である。従って、正常
晶粒子と比べて、同一感度では粒子の体積を小さくでき
るので、粒子数の増加に伴って現像開始点数が増え、撮
影用感光材料における重大な性能である、粒状性に優れ
る。また、粒状性が有利な分だけ、塗布銀量の減量化
も、可能で高感度撮影感光材料の問題点である放射線カ
ブリ抑制の点で優れる。塗布銀量減量化は、後述するよ
うに、処理後の感光材料を定着せずに、スキャナーで読
みとる際、画像情報の劣化を引き起こすヘイズを下げる
際に有効である。平板粒子は、比表面積が大きいので、
現像活性も高いという特長を有する。さらに、平板粒子
は、塗布時に配向して並ぶので、感光材料の薄層化が可
能となり、鮮鋭度に優れる。このように、平板粒子は、
撮影用感光材料において、極めて有用な乳剤粒子であ
る。圧力性、粒子分布の単分散性を損なわないかぎり、
アスペクト比は大きい方が、感度、粒状度、活性、塗布
銀量軽減化の点で好ましい。
【0073】本発明で使用する感光性ハロゲン化銀乳剤
における平板状粒子は、転位線を有していても良い。前
記転位線とは結晶のすべり面上で、すでにすべった領域
とまだすべらない領域の境界にある線状の格子欠陥のこ
とである。
【0074】ハロゲン化銀結晶の転位線に関しては、
1)C.R.Berry,J.Appl.Phys.,
27,636(1956),2)C.R.Berry,
D.C.Skilman,J.Appl.Phys.,
35,2165(1964),3)J.F.Hamil
ton,Phot.Sci.Eng.,11,57(1
967),4)T.Shiozawa,J.Soc.P
hot.Sci.Jap.,34,16(1971),
5)T.Shiozawa,J.Soc.Phot.S
ci.Jap.,35,213(1972)等の文献が
あり、X線回折法または低温透過型電子顕微鏡を用いた
直接的観察方法により解析できる。
【0075】透過型電子顕微鏡を用いて転位線を直接観
察する場合、粒子に転位線が発生するほどの圧力をかけ
ないよう注意して乳剤から取り出したハロゲン化銀粒子
を電子顕微鏡観察用のメッシュにのせ、電子線による損
傷(例えばプリントアウト)を防ぐように試料を冷却し
た状態で透過法により観察を行う。
【0076】この場合、粒子の厚みが厚いほど電子線が
透過しにくくなるので、高圧型(0.25μmの厚さに
対して、200kV以上)の電子顕微鏡を用いたほうが
より鮮明に観察することができる。
【0077】特開昭63−220238号にはハロゲン
化銀粒子中に転位線をコントロールして導入する技術に
関して記載がある。
【0078】転位線を導入した平板粒子は転位線のない
平板粒子と比較して、感度、相反則等の写真特性に優れ
ていることが示されている。
【0079】平板粒子の場合、前述のように電子顕微鏡
を用いて撮影した粒子の写真より、主平面に対して垂直
方向から見た場合の各粒子についての転位線の位置と本
数を求めることができる。
【0080】本発明の平板粒子が転位線を有する場合、
その位置は例えば粒子の頂点部、フリンジ部に限定す
る、あるいは主平面部全体に渡って導入するなどの中か
ら選ぶことができ任意であるが、特にフリンジ部に限定
することが好ましい。
【0081】本発明において、前記フリンジ部とは平板
粒子の外周のことを指し、詳しくは平板粒子の辺から中
心にかけての沃化銀の分布において、辺側から見て初め
てある点の沃化銀含有率が粒子全体の平均沃化銀含有率
を超えた点、もしくは下回った点の外側を意味する。
【0082】本発明において、平板状粒子が転位線を有
する場合、転位線の密度は任意であり1粒子当たり10
本以上、30本以上、50本以上など場合に応じて選ん
で良い。
【0083】本発明の平板乳剤およびこれと併用する本
発明以外のハロゲン化銀乳剤について、以下に述べる。
ハロゲン化銀乳剤の調製方法は、グラフキデ著「写真の
物理と化学」、ポールモンテル社刊 (P.Glafkides, Chi
mie et Physique Photographique Paul Montel, 196
7)ダフィン著「写真乳剤化学」、フォーカルプレス社
刊 (G. F. Duffin, Photographic Emulsion Chemistry
(Focal Press, 1966)、ゼリクマンら著「写真乳剤
の製造と塗布」、フォーカルプレス社刊 (V. L. Zelikm
an et al. Making and Coating Photographic Emulsio
n. Focal Press,1964)に記載がある。乳剤粒子の
潜像形成位置は、表面であっても、内部であってもよい
し、極浅い内部(浅内潜)であってもよい。調製方法
は、酸性法、中性法およびアンモニア法のいずれでもよ
い。被りが、発生しない程度に、高pHにしてもよい。
可溶性銀塩と可溶性ハロゲン塩を反応させる形式として
は、片側混合法、同時混合法、それらの組合せを用いる
ことができる。粒子を銀イオン過剰の状態において形成
させる方法(いわゆる逆混合法)を用いることもでき
る。同時混合法の一つの形式としてハロゲン化銀の生成
する液層中のpAgを一定に保つ方法、すなわちいわゆ
るコントロールド・ダブルジェット法を用いることもで
きる。この方法によると、結晶系が規則的で粒子サイズ
分布およびハロゲン組成が均一に近いハロゲン化銀乳剤
が得られる。また、米国特許4879208号記載のよ
うに、乳剤調製時その場で調製した極微粒子乳剤を、乳
剤調製槽に添加後、物理熟成によって粒子を成させるの
も好ましい。この極微粒子乳剤は、予め調製したもので
あってもよい。
【0084】ハロゲン化銀乳剤の調製において、粒子形
成中のpAgとpHを調整することが好ましい。pAg
とpHの調整については、フォトグラフィク・サイエン
ス・アンド・エンジニアリング(Photographic Science
and Engineering)第6巻、159〜165頁(196
2);ジャーナル・オブ・フォトグラフィク・サイエン
ス(Journal of Photographic Science) 、12巻、24
2〜251頁(1964)、米国特許3655394号
および英国特許1413748号の各明細書に記載があ
る。
【0085】本発明における乳剤調製時に用いられる保
護コロイドとしては、ゼラチンが好ましく使用される
が、それ以外の親水性バインダーも用いることができ
る。親水性バインダーは、単独あるいはゼラチンとの併
用で使用できる。親水性バインダーとしては、例えば、
ゼラチン誘導体、ゼラチンと他の高分子のグラフトポリ
マー、アルブミンやカゼイン等の蛋白質、ヒドロキシエ
チルセルロースやセルロース硫酸エステル類等のような
セルロース誘導体、アルギン酸ナトリウム、澱粉誘導
体、多糖類、カラギナン、ポリビニルアルコールや変性
アルキルポリビニルアルコールやポリビニル−N−ピロ
リドン、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリアク
リルアミド、ポリビニルイミダゾールやポリビニルピラ
ゾール等の単一あるいは共重合体のような合成親水性高
分子、米国特許第3615624号明細書記載のチオエ
ーテルポリマーも好ましく使用できる。ゼラチンは、石
灰処理ゼラチンのほか、酸処理ゼラチンや脱灰ゼラチン
やフタル化ゼラチン、カルバモイルゼラチン、エステル
化ゼラチンのようなゼラチン誘導体や低分子のゼラチン
は、平板粒子を形成する際に好ましく使用できる。過酸
化水素のような酸化剤で酸化処理されたゼラチンも、平
板粒子を形成する際に有効であることが知られている。
Bull.Soc.Photo.Japan.No.16の
30頁(1966)に記載されたような酵素で処理され
たゼラチンも、低分子化ゼラチンとして使用できる。ゼ
ラチンの加水分解物や酵素分解物も用いることができ
る。
【0086】ハロゲン化銀粒子の形成時に、ハロゲン化
銀溶剤を用いるのも、好ましい。ハロゲン化銀溶剤の例
としては、チオシアン酸塩(米国特許2222264
号、同第2448534号、同3320069号各明細
書記載)、チオエーテル化合物(米国特許327115
7号、同3574628号、同第3704130号、同
4297439号、同4276347号各明細書記
載)、チオン化合物(特開昭53−144319号、同
53−82408号、同55−77737号各公報記
載)及びイミダゾール系化合物(特開昭54−1007
17号記載)、ベンツイミダゾール(特公昭60−54
662号)、及びアミン化合物(特開昭54−1007
17号公報記載)を挙げることができる。なお、アンモ
ニアも悪作用を伴わない範囲でハロゲン化銀溶剤と併用
することができる。特公昭46−7781号、特開昭6
0−222842号、特開昭60−122935号等に
記載されているような含窒素化合物をハロゲン化銀粒子
形成段階に添加することができる。ハロゲン化銀溶剤の
具体例の詳細は、特開昭62−215272号の12頁
〜18頁に記載されている。
【0087】米国特許第3,772,031号に記載さ
れているようなカルコゲナイド化合物を乳剤調製中に添
加する方法も有用な場合がある。S,Se,Te以外に
もシアン塩、チオシアン塩、セレノシアン塩、炭酸塩、
燐酸塩、酢酸塩を存在させてもよい。
【0088】ハロゲン化銀粒子の形成時に、添加する銀
塩溶液(例えばAgNO3 水溶液)とハロゲン化合物溶
液(例えばKBr水溶液)の添加速度、添加量あるいは
添加濃度を上昇させ、粒子形成速度を速めてもよい。こ
のように、急速にハロゲン化銀粒子を形成する方法は、
英国特許1335925号、米国特許3672900
号、同3650757号、同4242445号各明細
書、特開昭55−142329号、同55−15812
4号、同58−113927号、同58−113928
号、同58−111934号、同58−111936号
各公報に記載がある。
【0089】粒子形成中または粒子形成後にハロゲン化
銀粒子表面に難溶性のハロゲン化銀粒子を形成するハロ
ゲンで置換してもよい(ハロゲン変換)。このハロゲン
変換過程は、「ディー・グルンドラーゲン・ディア・フ
ォトグラフィシェン・プロツェセ・ミット・ジルファー
ハロゲニデン」(Die Grundlagen der Photographische
n Prozesse mit Silverhalogeniden) 662〜669頁
や「ザ・セオリー・オブ・フォトグラフィック・プロセ
ス」(The Theory of Photographic Process)第4版9
7〜98頁等に記載されている。この方法は、可溶性ハ
ロゲン化物の溶液で添加しても良いし、微粒子ハロゲン
化銀の状態で添加してもよい。
【0090】粒子形成中および/または粒子形成後に、
チオスルフォン酸塩、米国特許5219721号及び同
5364754号記載のジカルコゲン化合物、リポ酸、
システイン、元素状硫黄、コバルトアンモニア錯体のよ
うな無機金属錯体を添加してもよい。
【0091】ハロゲン化銀の粒子形成または物理熟成の
過程において、金属塩(錯塩を含む)を共存させてもよ
い。金属塩の例としては、カドミウム、亜鉛、タリウ
ム、白金、ガリウム、銅、ニッケル、マンガン、インジ
ウム、錫、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、ア
ルミニウム、ビスマス等の貴金属または金属の塩あるい
は錯塩を挙げることができる。これらの化合物は、単独
で用いてもよいし、2種類以上組み合わせて用いてもよ
い。添加量はハロゲン化銀1モルあたり、10-9〜10
-3モル程度である。これらの金属は、アンモニウム塩、
酢酸塩、硝酸塩、硫酸塩、燐酸塩、水酸塩あるいは6配
位錯体、4配位錯塩などの水溶性の塩で使用するのが好
ましい。錯イオンおよび配位化合物としては、臭素イオ
ン、塩素イオン、シアンイオン、ニトロシルイオン、チ
オシアンイオン、チオニトロシルイオン、水、アンモニ
ア、オキソ、カルボニル等およびそれらの組み合わせが
好ましく用いられる。添加量は、使用する目的にもよる
が、ハロゲン化銀1モルあたり10-9〜10-2モルの範
囲程度である。また、ハロゲン化銀粒子に組み込む位置
は、粒子内均一でもよいし、粒子の表面あるいは内部等
の局在した位置や臭化銀局在相や高塩化銀粒子基盤でも
よい。これらの化合物の添加方法は、粒子形成時のハロ
ゲン化物水溶液あるいは水溶性銀塩溶液に該金属塩溶液
を混合して、粒子形成中に連続して添加したり、該金属
イオンがドープされたハロゲン化銀乳剤微粒子を添加し
たり、あるいは、該金属塩溶液を粒子形成前、粒子形成
中、粒子形成後に直接添加したりすることで行うことが
できる。粒子形成中には、該金属塩溶液を連続して添加
してもよい。
【0092】本発明におけるハロゲン化銀乳剤を調製す
る過程で、過剰の塩を除去する脱塩工程を行うのが好ま
しい。ゼラチンをゲル化させて行うヌーデル水洗法を用
いても良く、また、多価アニオンよりなる無機塩類(例
えば、硫酸ナトリウム)、アニオン性界面活性剤、アニ
オン性ポリマー(例えば、ポリスチレンスルホン酸ナト
リウム)、ゼラチン誘導体(脂肪族アシル化ゼラチン、
芳香族アシル化ゼラチン、芳香族カルバモイル化ゼラチ
ン等)を利用した沈降法(フロキュレーション)を用い
てもよい。あるいは、米国特許第4758505号、特
開昭62−113137号、特公昭59−43727
号、米国特許第4334012号に示される限外濾過装
置を用いてもよいし、自然沈降法、遠心分離法を用いて
もよい。通常は、沈降法が好ましく用いられる。
【0093】本発明におけるハロゲン化銀乳剤は、未化
学増感のままで使用できるが、通常、化学増感して使用
される。本発明に用いられる化学増感法には、硫黄増感
法、セレン増感法、テルル増感法等のカルコゲン増感
法、金、白金、パラジウム等を用いる貴金属増感および
還元増感法等を単独または組み合わせて用いることがで
きる(例えば、特開平3−110555号、特願平4−
75798号など)。これらの化学増感は含窒素複素環
化合物の存在下で行うことができる(特開昭62−25
3159号)。また、後述するカブリ防止剤を化学増感
終了後に添加することができる。具体的には、特開平5
−45833号、特開昭62−40446号記載の方法
を用いることができる。
【0094】これらの化学増感は、ハロゲン化銀乳剤の
製造工程の任意の工程で施すことができる。どの工程で
化学増感をするかによって、種々のタイプの乳剤を調製
することができる。即ち、粒子内部に化学増感核を埋め
込むタイプ、粒子表面から浅い位置に埋め込むタイプ、
あるいは、粒子表面に化学増感核をつくるタイプ等が挙
げられる。種々の化学増感核を粒子内部、粒子表面、粒
子表面から浅い位置に形成することができる。例えば、
還元増感核を粒子内部に、カルコゲン増感核及び/また
は金カルコゲン増感核を粒子表面に形成するの好ましい
が、目的に応じて、多種の組み合わせが可能である。
【0095】硫黄増感剤としては、不安定なイオウ化合
物を用い、具体的には、チオ硫酸塩(例えば、ハイ
ポ)、チオ尿素類(例えば、ジフェニルチオ尿素、トリ
エチルチオ尿素、アリルチオ尿素等)、アリルイソチオ
シアネート、シスチン、p−トルエンチオスルホン酸
塩、ローダミン類、メルカプト類等の公知の硫黄化合物
を用いればよい。硫黄増感剤の添加量は、乳剤の感度を
効果的に増大させるのに充分な量でよく、pH、温度、
他の増感剤との兼ね合い、ハロゲン化銀粒子の大きさ
等、種々の条件により変化するが、目安としてはハロゲ
ン化銀1モル当り10-9〜10-1モルの範囲で使用する
のが好ましい。
【0096】セレン増感においては、公知の不安定セレ
ン化合物を用い、具体的には、コロイド状金属セレニウ
ム、セレノ尿素類(例えば、N,N−ジメチルセレノ尿
素、N,N−ジエチルセレノ尿素等)、セレノケトン
類、セレノアミド類、脂肪族イソセレノシアネート類
(例えば、アリルイソセレノシアネート等)、セレノカ
ルボン酸及びエステル類、ホスフィンセレニド類、ジエ
チルセレナイド類、ジエチルジセレナイド類等のセレナ
イド類を用いることができる。添加量は硫黄増感剤と同
様に種々の条件により変化するが、目安としてはハロゲ
ン化銀1モル当り10-10 〜10-1モルの範囲で使用す
るのが好ましい。
【0097】本発明においては上記のカルコゲン増感の
他に貴金属による増感も行うことができる。まず、金増
感においては、金の価数が+1価でも+3価でもよく、
多種の金化合物が用いられる。代表的な例としては塩化
金酸類、カリウムクロロオーレート、オーリクトリクロ
ライド、カリウムオーリチオシアネート、カリウムヨー
ドオーレート、テトラオーリックアシド、アンモニウム
オーロチアシアネート、ピリジルトリクロロゴールド、
硫化金、金セレナイド、テルル化金等が挙げられる。金
増感剤の添加量は種々の条件により異なるが、目安とし
てはハロゲン化銀1モル当り10-10 〜10-1モルの範
囲で使用するのが好ましい。金増感剤の添加時期は硫黄
増感あるいはセレン増感、テルル増感と同時でも、硫黄
あるいはセレン、テルル増感工程の途中や前、あるいは
終了後でもよいし、金増感剤を単独に用いることも可能
である。本発明における硫黄増感、セレン増感またはテ
ルル増感や金増感を施す乳剤のpAg、pHに特に制限
はないがpAgは5〜11、pHは3〜10の範囲で使
用するのが好ましい。さらに、好ましくは、pAgは
6.8〜9.0、pHは5.5〜8.5の範囲である。
【0098】本発明において金以外の貴金属も化学増感
剤として使用可能である。金以外の貴金属としては、例
えば白金、パラジウム、イリジウム、ロジウムのような
金属塩あるいはそれらの錯塩による増感剤も使用でき
る。パラジウム化合物は、パラジウム2価塩または4価
塩が使用できる。例えば、K2 PdCl4 、Na2 Pd
Cl6 等が好ましい。金および貴金属化合物は、チオシ
アン酸塩あるいはセレノシアン酸塩と併用してもよい。
【0099】本発明においては更に還元増感を行うこと
ができる。還元増感は、粒子形成中、粒子形成後でかつ
化学増感前、化学増感中、あるいは化学増感後に還元増
感することが好ましい。ここで、還元増感とは、ハロゲ
ン化銀乳剤に還元増感剤を添加する方法、pAg1〜7
の低pAgの雰囲気で乳剤粒子を成長、あるいは熟成さ
せる銀熟成、pH8〜11の高pHの雰囲気で乳剤粒子
を成長、あるいは熟成させる、高pH熟成のいずれも選
ぶことができる。また、2つ以上の方法を併用すること
もできる。
【0100】本発明で用いられる還元増感剤としては、
亜硫酸塩、アスコルビン酸、第一錫塩、アミンおよびポ
リアミン類、ヒドラジン誘導体、ホルムアミジンスルフ
ィン酸、シラン化合物、ボラン化合物等が公知である。
本発明には、これら公知の化合物の1種を選んで用いる
ことができ、また2種以上の化合物を併用することもで
きる。還元増感剤として、塩化第一錫、二酸化チオ尿
素、ジメチルアミンボラン、L−アスコルビン酸、アミ
ノイミノメタンスルフィル酸が好ましい化合物である。
米国特許第5,389,510号記載のアルキニルアミ
ン化合物も有効な化合物である。還元増感剤の添加量は
乳剤条件に依存するので、添加量を選ぶ必要があるが、
ハロゲン化銀1モル当たり10-9〜10-2モルの範囲が
適当である。また上記の還元増感剤を添加する方法以
外、水素ガスを通したり、電気分解により発生する水素
によって、還元増感する方法をも選ぶことができる。こ
の還元増感は単独でも用いることができるが、上記カル
コゲン増感や貴金属増感と組合せて用いることもでき
る。
【0101】還元増感剤は、水あるいはアルコ−ル類、
グリコール類、ケトン類、エステル類、アミド類などの
溶媒に溶かして、粒子形成中及び/または粒子形成後に
添加される。粒子形成中に添加する場合は、あらかじ
め、反応容器に添加することもできるが、粒子形成の適
当な時期に添加する方が好ましい。また、ハロゲン化物
水溶液あるいは水溶性銀塩溶液に還元増感剤を添加して
おき、これらの溶液を用いてハロゲン化銀粒子を沈殿せ
しめてもよい。また、粒子成長に伴って、還元増感剤の
溶液を何回かに分けて添加してもよいし、連続して長時
間添加するのも好ましい。
【0102】本発明において使用される感光性ハロゲン
化銀乳剤の塗設量は、銀換算1mg〜10g/m2 の範
囲である。
【0103】本発明に用いられる感光性ハロゲン化銀に
緑感性、赤感性等の感色性を持たせるためには、感光性
ハロゲン化銀乳剤をメチン色素類その他によって分光増
感する。また、必要に応じて青感性乳剤に青色領域の分
光増感を施してもよい。用いられる色素には、シアニン
色素、メロシアニン色素、複合シアニン色素、複合メロ
シアニン色素、ホロポーラーシアニン色素、ヘミシアニ
ン色素、スチリル色素およびヘミオキソノール色素が包
含される。具体的には、米国特許第4,617,257
号、特開昭59−180,550号、同64−13,5
46号、特開平5−45,828号、同5−45,83
4号などに記載の増感色素が挙げられる。これらの増感
色素は単独に用いてもよいが、それらの組合わせを用い
てもよく、増感色素の組合わせは特に、強色増感や分光
増感の波長調節の目的でしばしば用いられる。増感色素
とともに、それ自身分光増感作用をもたない色素あるい
は可視光を実質的に吸収しない化合物であって、強色増
感を示す化合物を乳剤中に含んでもよい(例えば米国特
許第3,615,641号、特開昭63−23,145
号等に記載のもの)。これらの増感色素を乳剤中に添加
する時期は化学熟成時もしくはその前後でもよいし、米
国特許第4,183,756号、同4,225,666
号に従ってハロゲン化銀粒子の核形成前後でもよい。ま
たこれらの増感色素や強色増感剤は、メタノールなどの
有機溶媒の溶液、ゼラチンなどの分散物あるいは界面活
性剤の溶液で添加すればよい。添加量は一般にハロゲン
化銀1モル当り10-8ないし10-2モル程度である。
【0104】このような工程で使用される添加剤および
本発明に使用できる公知の写真用添加剤は、リサーチ・
ディスクロージャー(以下RDと略す) No. 17,64
3、同No. 18,716および同No. 307,105に
記載されており、その該当箇所を下記の表にまとめる。 添加剤の種類 RD17643 RD18716 RD307105 1. 化学増感剤 23頁 648頁右欄 866頁 2. 感度上昇剤 648頁右欄 3. 分光増感剤 23〜24頁 648頁右欄 866〜868頁 強色増感剤 〜649頁右欄 4. 増白剤 24頁 648頁右欄 868頁 5. カブリ防止剤 24〜25頁 649頁右欄 868〜870頁 安定剤 6. 光吸収剤、 25〜26頁 649頁右欄 873頁 フィルター 〜650頁左欄 染料、紫外 線吸収剤 7. 色素画像安定剤 25頁 650頁左欄 872頁 8. 硬膜剤 26頁 651頁左欄 874〜875頁 9. バインダー 26頁 651頁左欄 873〜874頁 10. 可塑剤、潤滑剤 27頁 650頁右欄 876頁 11. 塗布助剤、 26〜27頁 650頁右欄 875〜876頁 表面活性剤 12. スタチツク防止剤 27頁 650頁右欄 876〜877頁 13. マツト剤 878〜879頁
【0105】本発明のハロゲン化銀カラー写真感光材料
では、銀現像によって生成した酸化体が後述のカプラー
とカップリングして色素を生成する事の出来る発色現像
主薬を内蔵することで、発色現像主薬を含む処理液を使
用せずに済み、環境負荷低減化が達成され、簡易迅速化
処理が可能となった。
【0106】本発明における内蔵現像主薬の効果を発現
させるためには、後述する塩基プレカーサー及び/又は
塩基を含有する処理材料と、感光材料および処理材料を
構成する全塗布膜の最大膨潤に要する水の1/10〜1
倍量の水を供給した後に貼り合せ、加熱することにより
発色・現像するのが好ましいが、感光材料のみを加熱し
てもよいし、全く、水を使わないで処理材料と貼り合わ
せて加熱現像してもよい。本発明では、上述のような処
理を行うことで液現像による環境への負荷を軽減しうる
が、アルカリ処理液を用いたアクチベータ法ももちろん
可能で、あるい現像主薬と塩基を含む処理液で現像し
て、画像を形成することも可能である。
【0107】現像主薬の添加方法としては、高沸点有機
溶媒(例えばリン酸アルキルエステル、フタル酸アルキ
ルエステル等)を混合して低沸点溶媒(例えば酢酸エチ
ル、メチルエチルケトン等)に溶解し、当該分野で公知
の乳化分散法を用いて水に分散の後、添加することがで
きる。また、特開昭63−271339号に記載の固体
分散法による添加も可能である。後述するカプラー(現
像主薬の酸化体とのカップリング反応によって色素を形
成する化合物)と共乳化するのも好ましい。、現像主薬
は、ハロゲン化銀乳剤感光層に含有させることが好まし
いが、中間層に含有させてもよい。
【0108】発色現像主薬としては、p−フェニレンジ
アミン類またはp−アミノフェノール類でも良いが、好
ましくは一般式I〜Vで表される化合物を用いる。この
ような発色現像主薬は、塩基が存在しない場合に安定性
が極めて高く、本発明においては特に好ましい。
【0109】
【化10】
【0110】
【化11】
【0111】
【化12】
【0112】
【化13】
【0113】
【化14】
【0114】一般式Iで表される化合物はスルホンアミ
ドフェノールと総称される化合物である。式中、R1
4 は各々水素原子、ハロゲン原子(例えばクロル基、
ブロム基)、アルキル基(例えばメチル基、エチル基、
イソプロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基)、アリ
ール基(たとえばフェニル基、トリル基、キシリル
基)、アルキルカルボンアミド基(例えばアセチルアミ
ノ基、プロピオニルアミノ基、ブチロイルアミノ基)、
アリールカルボンアミド基(例えばベンゾイルアミノ
基)、アルキルスルホンアミド基 (例えばメタンスル
ホニルアミノ基、エタンスルホニルアミノ基)、アリー
ルスルホンアミド基(例えばベンゼンスルホニルアミノ
基、トルエンスルホニルアミノ基)、アルコキシ基(例
えばメトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基)、アリール
オキシ基(例えばフェノキシ基)、アルキルチオ基(例
えばメチルチオ基、エチルチオ基、ブチルチオ基)、ア
リールチオ基(例えばフェニルチオ基、トリルチオ
基)、アルキルカルバモイル基(例えばメチルカルバモ
イル基、ジメチルカルバモイル基、エチルカルバモイル
基、ジエチルカルバモイル基、ジブチルカルバモイル
基、ピペリジルカルバモイル基、モルホリルカルバモイ
ル基)、アリールカルバモイル基(例えばフェニルカル
バモイル基、メチルフェニルカルバモイル基、エチルフ
ェニルカルバモイル基、ベンジルフェニルカルバモイル
基)、カルバモイル基、アルキルスルファモイル基(例
えばメチルスルファモイル基、ジメチルスルファモイル
基、エチルスルファモイル基、ジエチルスルファモイル
基、ジブチルスルファモイル基、ピペリジルスルファモ
イル基、モルホリルスルファモイル基)、アリールスル
ファモイル基(例えばフェニルスルファモイル基、メチ
ルフェニルスルファモイル基、エチルフェニルスルファ
モイル基、ベンジルフェニルスルファモイル基)、スル
ファモイル基、シアノ基、アルキルスルホニル基(例え
ばメタンスルホニル基、エタンスルホニル基)、アリー
ルスルホニル基(例えばフェニルスルホニル基、4−ク
ロロフェニルスルホニル基、p−トルエンスルホニル
基)、アルコキシカルボニル基(例えばメトキシカルボ
ニル基、エトキシカルボニル基、ブトキシカルボニル
基)、アリールオキシカルボニル基(例えばフェノキシ
カルボニル基)、アルキルカルボニル基(例えばアセチ
ル基、プロピオニル基、ブチロイル基)、アリールカル
ボニル基(例えばベンゾイル基、アルキルベンゾイル
基)、またはアシルオキシ基(例えばアセチルオキシ
基、プロピオニルオキシ基、ブチロイルオキシ基)を表
す。R1 〜R4 の中で、R2 およびR4 は好ましくは水
素原子である。また、R1 〜R4 のハメット定数σp値
の合計は0以上となることが好ましい。
【0115】R5 はアルキル基(例えばメチル基、エチ
ル基、ブチル基、オクチル基、ラウリル基、セチル基、
ステアリル基)、アリール基(例えばフェニル基、トリ
ル基、キシリル基、4−メトキシフェニル基、ドデシル
フェニル基、クロロフェニル基、トリクロロフェニル
基、ニトロクロロフェニル基、トリイソプロピルフェニ
ル基、4−ドデシルオキシフェニル基、3,5−ジ−
(メトキシカルボニル)基)、または複素環基(例えば
ピリジル基)を表す。
【0116】一般式IIで表される化合物はスルホニル
ヒドラジンと総称される化合物である。また、一般式I
Vで表される化合物はカルバモイルヒドラジンと総称さ
れる化合物である。
【0117】式中、R5 はアルキル基(例えば、メチル
基、エチル基、ブチル基、オクチル基、ラウリル基、セ
チル基、ステアリル基)、アリール基(例えば、フェニ
ル基、トリル基、キシリル基、4−メトキシフェニル
基、ドデシルフェニル基、クロロフェニル基、ジクロロ
フェニル基、トリクロロフェニル基、ニトロクロロフェ
ニル基、トリイソプロピルフェニル基、4−ドデシルオ
キシフェニル基、3,5−ジ(メトキシ)カルボニル
基)、または複素環基(例えば、ピリジル基)を表す。
Zは芳香環を形成する原子群を表す。Zによって形成さ
れる芳香環は、本化合物に銀現像活性を付与するため、
十分に電子吸引的であることが必要である。このため、
含窒素芳香環を形成するか、或いはベンゼン環に電子吸
引性基を導入したような芳香環が好ましく使用される。
このような芳香環としては、ピリジン環、ピラジン環、
ピリミジン環、キノリン環、キノキサリン環等が好まし
い。
【0118】Zがベンゼン環の場合、その置換基として
は、アルキルスルホニル基(例えばメタンスルホニル
基、エタンスルホニル基)、ハロゲン原子(例えばクロ
ル基、ブロム基)、アルキルカルバモイル基(例えばメ
チルカルバモイル基、ジメチルカルバモイル基、エチル
カルバモイル基、ジエチルカルバモイル基、ジブチルカ
ルバモイル基、ピペリジルカルバモイル基、モルホリル
カルバモイル基)、アリールカルバモイル基(例えばフ
ェニルカルバモイル基、メチルフェニルカルバモイル
基、エチルフェニルカルバモイル基、ベンジルフェニル
カルバモイル基)、カルバモイル基、アルキルスルファ
モイル基(例えばメチルスルファモイル基、ジメチルス
ルファモイル基、エチルスルファモイル基、ジエチルス
ルファモイル基、ジブチルスルファモイル基、ピペリジ
ルスルファモイル基、モルホリルスルファモイル基)、
アリールスルファモイル基(例えばフェニルスルファモ
イル基、メチルフェニルスルファモイル基、エチルフェ
ニルスルファモイル基、ベンジルフェニルスルファモイ
ル基)、スルファモイル基、シアノ基、アルキルスルホ
ニル基(例えばメタンスルホニル基、エタンスルホニル
基)、アリールスルホニル基(例えばフェニルスルホニ
ル基、4−クロロフェニルスルホニル基、p−トルエン
スルホニル基)、アルコキシカルボニル基 (例えばメ
トキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、ブトキシ
カルボニル基)、アリールオキシカルボニル基(例えば
フェノキシカルボニル基)、アルキルカルボニル基(例
えばアセチル基、プロピオニル基、ブチロイル基)、ま
たはアリールカルボニル基(例えばベンゾイル基、アル
キルベンゾイル基)等が挙げられるが、上記置換基のハ
メット定数σ値の合計は1以上である。
【0119】一般式IIIで表される化合物はスルホニ
ルヒドラゾンと総称される化合物である。また、一般式
Vで表される化合物はカルバモイルヒドラゾンと総称さ
れる化合物である。
【0120】式中、R5 はアルキル基(例えば、メチル
基、エチル基、ブチル基、オクチル基、ラウリル基、セ
チル基、ステアリル基)、アリール基(例えば、フェニ
ル基、トリル基、キシリル基、4−メトキシフェニル
基、ドデシルフェニル基、クロロフェニル基、ジクロロ
フェニル基、トリクロロフェニル基、ニトロクロロフェ
ニル基、トリイソプロピルフェニル基、4−ドデシルオ
キシフェニル基、3,5−ジ(メトキシ)カルボニル
基)、または複素環基(例えば、ピリジル基)を表す。
6 は置換または無置換のアルキル基(例えばメチル
基、エチル基)を表す。Xは酸素原子、硫黄原子、セレ
ン原子またはアルキル置換もしくはアリール置換の3級
窒素原子を表すが、アルキル置換の3級窒素原子が好ま
しい。R7 、R8 は水素原子または置換基を表し、
7 、R8 が互いに結合して2重結合または環を形成し
てもよい。
【0121】以下に、一般式I〜Vで表される化合物の
具体例を示すが、本発明の化合物はもちろんこれによっ
て限定されるものではない。
【0122】
【化15】
【0123】
【化16】
【0124】
【化17】
【0125】
【化18】
【0126】
【化19】
【0127】
【化20】
【0128】
【化21】
【0129】
【化22】
【0130】
【化23】
【0131】
【化24】
【0132】
【化25】
【0133】上記の化合物は、一般的に公知の方法で合
成することが可能である。以下に簡単な合成ルートを列
挙する。
【0134】
【化26】
【0135】
【化27】
【0136】
【化28】
【0137】発色現像主薬は、上記の化合物を1種類も
しくは複数種類を組み合わせて用いる。各層で別々の現
像主薬を用いても良い。それらの現像主薬の総使用量は
0.05〜20mmol/m2 、好ましくは0.1〜1
0mmol/m2 である。
【0138】次にカプラーについて説明する。本発明に
おけるカプラーとは、前記の発色現像主薬の酸化体とカ
ップリング反応し、色素を形成する化合物である。本発
明に好ましく使用されるカプラーとしては、活性メチレ
ン、5−ピラゾロン、ピラゾロアゾール、フェノール、
ナフトール、ピロロトリアゾールと総称される化合物で
ある。これらのカプラーはRDNo.38957(1996 年9月)
,616 〜624 頁,”x.Dye image formers and modif
iers ”に引用されている化合物を好ましく使用するこ
とができる。
【0139】これらのカプラーはいわゆる2当量カプラ
ーと4当量カプラーとに分けることができる。2当量カ
プラーのアニオン性離脱基として作用する基としては、
ハロゲン原子(例えばクロル基、ブロム基)、アルコキ
シ基(例えばメトキシ基、エトキシ基)、アリールオキ
シ基(例えばフェノキシ基、4−シアノフェノキシ基、
4−アルコキシカルボニルフェニル基)、アルキルチオ
基(例えばメチルチオ基、エチルチオ基、ブチルチオ
基)、アリールチオ基(例えばフェニルチオ基、トリル
チオ基)、アルキルカルバモイル基(例えばメチルカル
バモイル基、ジメチルカルバモイル基、エチルカルバモ
イル基、ジエチルカルバモイル基、ジブチルカルバモイ
ル基、ピペリジルカルバモイル基、モルホリルカルバモ
イル基)、アリールカルバモイル基(例えばフェニルカ
ルバモイル基、メチルフェニルカルバモイル基、エチル
フェニルカルバモイル基、ベンジルフェニルカルバモイ
ル基)、カルバモイル基、アルキルスルファモイル基
(例えばメチルスルファモイル基、ジメチルスルファモ
イル基、エチルスルファモイル基、ジエチルスルファモ
イル基、ジブチルスルファモイル基、ピペリジルスルフ
ァモイル基、モルホリルスルファモイル基)、アリール
スルファモイル基(例えばフェニルスルファモイル基、
メチルフェニルスルファモイル基、エチルフェニルスル
ファモイル基、ベンジルフェニルスルファモイル基)、
スルファモイル基、シアノ基、アルキルスルホニル基
(例えばメタンスルホニル基、エタンスルホニル基)、
アリールスルホニル基(例えばフェニルスルホニル基、
4−クロロフェニルスルホニル基、p−トルエンスルホ
ニル基)、アルキルカルボニルオキシ基(例えばアセチ
ルオキシ基、プロピオニルオキシ基、ブチロイルオキシ
基)、アリールカルボニルオキシ基(例えばベンゾイル
オキシ基、トルイルオキシ基、アニシルオキシ基)、含
窒素複素環基(例えばイミダゾリル基、ベンゾトリアゾ
リル基)等が挙げられる。
【0140】また、4当量カプラーのカチオン性離脱基
として作用する基としては、水素原子、ホルミル基、カ
ルバモイル基、置換基を有するメチレン基(置換基とし
ては、アリール基、スルファモイル基、カルバモイル
基、アルコキシ基、アミノ基、水酸基等)、アシル基、
スルホニル基等が挙げられる。
【0141】上記RD No.38957 に記載の化合物以外に
も、以下に記載のカプラーを好ましく用いることができ
る。
【0142】活性メチレン系カプラーとしては、EP 50
2,424A の式(I),(II)で表わされるカプラー; EP 513,49
6A の式(1),(2) で表わされるカプラー ; EP 568,037A
のクレーム1の式(I) で表わされるカプラー; US 5,06
6,576のカラム1の45〜55行の一般式(I) で表わされる
カプラー; 特開平4−274425号の段落番号000
8の一般式(I) で表わされるカプラー; EP 498,381A1の
40頁のクレーム1に記載のカプラー; EP 447,969A1の4
頁の式(Y) で表わされるカプラー; US 4,476,219のカラ
ム7の36〜58行の式(II)〜(IV)で表わされるカプラーを
用いることができる。
【0143】5−ピラゾロン系マゼンタカプラーとして
は、特開昭57−35858号および特開昭51−20
826号に記載の化合物が好ましい
【0144】ピラゾロアゾール系カプラーとしては、米
国特許第4,500,630号に記載のイミダゾ〔1,
2−b〕ピラゾール類、米国特許第4,540,654
号に記載のピラゾロ 〔1,5−b〕〔1,2,4〕ト
リアゾール類、米国特許第3,725,067号に記載
のピラゾロ〔5,1−c〕〔1,2,4〕トリアゾール
類が好ましく、光堅牢性の点で、これらのうちピラゾロ
〔1,5−b〕〔1,2,4〕トリアゾール類が好まし
い。
【0145】また特開昭61−65245号に記載され
ているような分岐アルキル基がピラゾロトリアゾール基
の2、3または6位に直結したピラゾロアゾールカプラ
ー、特開昭61−65245号に記載されている分子内
にスルホンアミド基を含んだピラゾロアゾールカプラ
ー、特開昭61−147254号に記載されるアルコキ
シフェニルスルホンアミドバラスト基を持つピラゾロア
ゾールカプラー、特開昭62−209457号もしくは
同63−307453号に記載されている6位にアルコ
キシ基やアリールオキシ基を持つピラゾロトリアゾール
カプラー、および特開平2−201443号に記載され
る分子内にカルボンアミド基を持つピラゾロトリアゾー
ルカプラーも好ましく用いることができる。
【0146】フェノール系カプラーの好ましい例として
は、米国特許第2,369,929号、同第2,80
1,171号、同第2,772,162号、同第2,8
95,826号、同第3,772,002号等に記載の
2−アルキルアミノ−5−アルキルフェノール系、米国
特許第2,772,162号、同第3,758,308
号、同第4,126,396号、同第4,334,01
1号、同第4,327,173号、西独特許公開第3,
329,729号、特開昭59−166956号等に記
載の2,5−ジアシルアミノフェノール系、米国特許第
3,446,622号、同第4,333,999号、同
第4,451,559号、同第4,427,767号等
に記載の2−フェニルウレイド−5−アシルアミノフェ
ノール系等を挙げることができる。
【0147】ナフトールカプラーの好ましい例として
は、米国特許第2,474,293号、同第4,05
2,212号、同第4,146,396号、同第4,2
28,233号、同第4,296,200号等に記載の
2−カルバモイル−1−ナフトール系および米国特許
4,690,889号等に記載の2−カルバモイル−5
−アミド−1−ナフトール系等を挙げることができる。
【0148】ピロロトリアゾール系カプラーの好ましい
例としては、欧州特許第488,248A1号、同第4
91,197A1号、同第545,300号に記載のカ
プラーが挙げられる。
【0149】その他、縮環フェノール、イミダゾール、
ピロール、3−ヒドロキシピリジン、活性メチン、5,
5−縮環複素環、5,6−縮環複素環といった構造を有
するカプラーが使用できる。
【0150】縮環フェノール系カプラーとしては、米国
特許第4,327,173号、同第4,564,586
号、同第4,904,575号等に記載のカプラーが使
用できる。
【0151】イミダゾール系カプラーとしては、米国特
許第4,818,672号、同第5,051,347号
等に記載のカプラーが使用できる。
【0152】ピロール系カプラーとしては特開平4−1
88137号、同4−190347号等に記載のカプラ
ーが使用できる。
【0153】3−ヒドロキシピリジン系カプラーとして
は特開平1−315736号等に記載のカプラーが使用
できる。
【0154】活性メチン系カプラーとしては米国特許第
5,104,783号、同第5,162,196号等に
記載のカプラーが使用できる。
【0155】5,5−縮環複素環系カプラーとしては、
米国特許第5,164,289号に記載のピロロピラゾ
ール系カプラー、特開平4−174429号に記載のピ
ロロイミダゾール系カプラー等が使用できる。
【0156】5,6−縮環複素環系カプラーとしては、
米国特許第4,950,585号に記載のピラゾロピリ
ミジン系カプラー、特開平4−204730号に記載の
ピロロトリアジン系カプラー、欧州特許第556,70
0号に記載のカプラー等が使用できる。
【0157】本発明には前述のカプラー以外に、西独特
許第3,819,051A号、同第3,823,049
号、米国特許第4,840,883号、同第5,02
4,930号、同第5,051,347号、同第4,4
81,268号、欧州特許第304,856A2号、同
第329,036号、同第354,549A2号、同第
374,781A2号、同第379,110A2号、同
第386,930A1号、特開昭63−141055
号、同64−32260号、同64−32261号、特
開平2−297547号、同2−44340号、同2−
110555号、同3−7938号、同3−16044
0号、同3−172839号、同4−172447号、
同4−179949号、同4−182645号、同4−
184437号、同4−188138号、同4−188
139号、同4−194847号、同4−204532
号、同4−204731号、同4−204732号等に
記載されているカプラーも使用できる。これらのカプラ
ーは各色0.05〜10mmol/m2 、好ましくは0.1
〜5mmol/m2 用いる。
【0158】また、以下のような機能性カプラーを含有
しても良い。発色色素が適度な拡散性を有するカプラー
としては、US 4,366,237、GB 2,125,570、EP 96,873B、
DE 3,234,533に記載のものが好ましい。発色色素の不要
な吸収を補正するためのカプラーとして、EP456,
257A1号に記載のイエローカラードシアンカプラ
ー、該EPに記載のイエローカラードマゼンタカプラ
ー、US4,833,069号に記載のマゼンタカラー
ドシアンカプラー、US4,837,136号の(2) 、
WO92/11575のクレーム1の式(A)で表わさ
れる無色のマスキングカプラー(特に36−45頁の例
示化合物)。
【0159】現像主薬酸化体と反応して写真的に有用な
化合物残査を放出する化合物(カプラーを含む)として
は、以下のものが挙げられる。 現像抑制剤放出化合物:EP378,236A1号の1
1頁に記載の式(I)〜(IV)で表わされる化合物、E
P436,938A2号の7頁に記載の式(I)で表わ
される化合物、EP 568,037A の式(1) で表わされる化合
物、EP 440,195A2の5 〜6 頁に記載の式(I),(II),(III)
で表わされる化合物。 漂白促進剤放出化合物:EP 310,125A2の5 頁の式(I),
(I')で表わされる化合物及び特開平6−59411号の
請求項1の式(I) で表わされる化合物。 リガンド放出化合物:US 4,555,478のクレーム1に記載
のLIG-X で表わされる化合物。 ロイコ色素放出化合物:US 4,749,641のカラム3〜8の
化合物1〜6;蛍光色素放出化合物:US 4,774,181のクレ
ーム1のCOUP-DYEで表わされる化合物。 現像促進剤又はカブラセ剤放出化合物:US 4,656,123の
カラム3の式(1) 、(2) 、(3) で表わされる化合物及び
EP 450,637A2の75頁36〜38行目のExZK-2。 離脱して初めて色素となる基を放出する化合物: US 4,8
57,447のクレーム1の式(I) で表わされる化合物、特願
平4−134523号の式(1) で表わされる化合物、E
P440,195A2の5、6頁に記載の式(I)(II)
(III)で表わされる化合物、特願平4−325564号
の請求項1の式(I)で表わされる化合物−リガンド放
出化合物、US4,555,478号のクレーム1に記
載のLIG−Xで表わされる化合物。このような機能性
カプラーは、先に述べた発色に寄与するカプラーの0.
05〜10倍モル、好ましくは0.1〜5倍モル用いる
ことが好ましい。
【0160】感光材料の構成層のバインダーには親水性
のものが好ましく用いられる。その例としては前記のR
Dおよび特開昭64−13,546号の(71)頁〜(75)頁
に記載されたものが挙げられる。具体的には、透明か半
透明の親水性バインダーが好ましく、例えばゼラチン、
ゼラチン誘導体等の蛋白質またはセルロース誘導体、澱
粉、アラビアゴム、デキストラン、プルラン等の多糖類
のような天然化合物とポリビニールアルコール、ポリビ
ニルピロリドン、アクリルアミド重合体等の合成高分子
化合物が挙げられる。また、米国特許第4,960,6
81号、特開昭62−245,260号等に記載の高吸
水性ポリマー、すなわち−COOMまたは−SO3
(Mは水素原子またはアルカリ金属)を有するビニルモ
ノマーの単独重合体またはこのビニルモノマー同士もし
くは他のビニルモノマーとの共重合体(例えばメタクリ
ル酸ナトリウム、メタクリル酸アンモニウム、住友化学
(株)製のスミタゲルL−5H)も使用される。これら
のバインダーは2種以上組み合わせて用いることもてき
る。特にゼラチンと上記バインダーの組み合わせが好ま
しい。またゼラチンは、種々の目的に応じて石灰処理ゼ
ラチン、酸処理ゼラチン、カルシウムなどの含有量を減
らしたいわゆる脱灰ゼラチンから選択すれば良く、組み
合わせて用いる事も好ましい。本発明において、バイン
ダーの塗布量は1m2 あたり20g以下が好ましく、特
に10g以下にするのが適当である。
【0161】上述のカプラー、現像主薬、耐拡散性還元
剤などの疎水性添加剤は米国特許第2,322,027
号記載の方法などの公知の方法により感光材料の層中に
導入することができる。この場合には、米国特許第4,
555,470号、同4,536,466号、同4,5
36,467号、同4,587,206号、同4,55
5,476号、同4,599,296号、特公平3−6
2,256号などに記載のような高沸点有機溶媒を、必
要に応じて沸点50℃〜160℃の低沸点有機溶媒と併
用して、用いることができる。またこれら色素供与性化
合物、耐拡散性還元剤、高沸点有機溶媒などは2種以上
併用することができる。高沸点有機溶媒の量は用いられ
る疎水性添加剤1gに対して10g以下、好ましくは5
g以下、より好ましくは1g〜0.1gである。また、
バインダー1gに対して1cc以下、更には0.5cc以
下、特に0.3cc以下が適当である。特公昭51−3
9,853号、特開昭51−59,943号に記載され
ている重合物による分散法や特開昭62−30,242
号等に記載されている微粒子分散物にして添加する方法
も使用できる。水に実質的に不溶な化合物の場合には、
前記方法以外にバインダー中に微粒子にして分散含有さ
せることができる。疎水性化合物を親水性コロイドに分
散する際には、種々の界面活性剤を用いることができ
る。例えば特開昭59−157,636号の第(37)〜(3
8)頁、前記のRDに記載の界面活性剤として挙げたもの
を使うことができる。また、特願平5−204325
号、同6−19247号、西独公開特許第1,932,
299A号記載のリン酸エステル型界面活性剤も使用で
きる。
【0162】本発明の感光材料は、支持体上に少なくと
も1層の感光性層が設けられていればよい。典型的な例
としては、支持体上に、実質的に感色性は同じであるが
感光度の異なる複数のハロゲン化銀乳剤層から成る感光
性層を少なくとも1つ有するハロゲン化銀写真感光材料
である。該感光性層は青色光、緑色光、および赤色光の
何れかに感色性を有する単位感光性層であり、多層ハロ
ゲン化銀カラー写真感光材料においては、一般に単位感
光性層の配列が、支持体側から順に赤感光性層、緑感光
性層、青感光性層の順に設置される。しかし、目的に応
じて上記設置順が逆であっても、また同一感光性層中に
異なる感光性層が挟まれたような設置順をもとり得る。
上記のハロゲン化銀感光性層の間および最上層、最下層
には非感光性層を設けてもよい。これらには、前述のカ
プラー、現像主薬、及びDIR化合物、混色防止剤、染
料等が含まれていてもよい。各単位感光性層を構成する
複数のハロゲン化銀乳剤層は、DE 1,121,470あるいはGB
923,045に記載されているように高感度乳剤層、低感度
乳剤層の2層を、支持体に向かって順次感光度が低くな
る様に配列するのが好ましい。また、特開昭57−11
2751号、同62−200350号、同62−206
541号、62−206543号に記載されているよう
に支持体より離れた側に低感度乳剤層、支持体に近い側
に高感度乳剤層を設置してもよい。
【0163】具体例として支持体から最も遠い側から、
低感度青感光性層(BL)/高感度青感光性層(BH)/高
感度緑感光性層(GH)/低感度緑感光性層(GL) /高感
度赤感光性層(RH)/低感度赤感光性層(RL)の順、ま
たはBH/BL/GL/GH/RH/RLの順、またはBH/BL/GH/
GL/RL/RHの順等に設置することができる。また特公昭
55−34932号公報に記載されているように、支持
体から最も遠い側から青感光性層/GH/RH/GL/RLの順
に配列することもできる。また特開昭56−25738
号、同62−63936号に記載されているように、支
持体から最も遠い側から青感光性層/GL/RL/GH/RHの
順に配列することもできる。また特公昭49−1549
5号に記載されているように上層を最も感光度の高いハ
ロゲン化銀乳剤層、中層をそれよりも低い感光度のハロ
ゲン化銀乳剤層、下層を中層よりも更に感光度の低いハ
ロゲン化銀乳剤層を配置し、支持体に向かって感光度が
順次低められた感光度の異なる3層から構成される配列
が挙げられる。このような感光度の異なる3層から構成
される場合でも、特開昭59−202464号に記載さ
れているように、同一感光性層中において支持体より離
れた側から中感度乳剤層/高感度乳剤層/低感度乳剤層
の順に配置されてもよい。その他、高感度乳剤層/低感
度乳剤層/中感度乳剤層、あるいは低感度乳剤層/中感
度乳剤層/高感度乳剤層の順に配置されていてもよい。
また、4層以上の場合にも、上記の如く配列を変えてよ
い。色再現性を改良するために、US 4,663,271、同 4,7
05,744、同 4,707,436、特開昭62−160448号、
同63−89850号に記載の、BL,GL,RLなどの主感光
層と分光感度分布が異なる重層効果のドナー層(CL) を
主感光層に隣接もしくは近接して配置することが好まし
い。
【0164】本発明においては、ハロゲン化銀と色素供
与性カプラー及び発色現像主薬は同一層に含まれていて
も良いが、反応可能な状態であれば別層に分割して添加
することもできる。例えば発色現像主薬を含む層とハロ
ゲン化銀を含む層とを別層にすると感材の生保存性の向
上がはかれる。各層の分光感度及びカプラーの色相の関
係は任意であるが、赤色感光性層にシアンカプラー、緑
色感光性層にマゼンタカプラー、青色感光性層にイエロ
ーカプラーを用いると、従来のカラーペーパー等に直接
投影露光できる。感光材料には、上記のハロゲン化銀乳
剤層の間および最上層、最下層には、保護層、下塗り
層、中間層、黄色フィルター層、アンチハレーション層
などの各種の非感光性層を設けても良く、支持体の反対
側にはバック層などの種々の補助層を設けることができ
る。具体的には、上記文献に記載のような層構成、米国
特許第5,051,335号記載のような下塗り層、特
開平1−167,838号、特開昭61−20,943
号記載のような固体顔料を有する中間層、特開平1−1
20,553号、同5−34,884号、同2−64,
634号記載のような還元剤やDIR化合物を有する中
間層、米国特許第5,017,454号、同5,13
9,919号、特開平2−235,044号記載のよう
な電子伝達剤を有する中間層、特開平4−249,24
5号記載のような還元剤を有する保護層またはこれらを
組み合わせた層などを設けることができる。
【0165】黄色フィルター層、アンチハレーション層
に用いる事の出来る染料としては、現像時に消色あるい
は除去され、処理後の濃度に寄与しないものが好まし
い。黄色フィルター層、アンチハレーション層の染料が
現像時に消色あるいは除去されるとは、処理後に残存す
る染料の量が、塗布直前の1/3以下、好ましくは1/
10以下となることであり、現像時に染料の成分が感光
材料から処理材料に転写しても良いし、現像時に反応し
て無色の化合物に変わっても良い。
【0166】本発明の感光材料中に使用できる染料とし
ては、公知の染料を用いることができる。例えば、現像
液のアルカリに溶解する染料や、現像液中の成分、亜硫
酸イオンや主薬、アルカリと反応して消色するタイプの
染料も用いることができる。具体的には、欧州特許出願
EP549,489A号記載の染料や、特開平7−15
2129号のExF2〜6の染料が挙げられる。特願平
6−259805号に記載されているような、固体分散
した染料を用いることもできる。この染料は、感光材料
が、処理液で現像される場合にも用いることができる
が、感光材料が後述する処理材料を用いて熱現像する場
合に特に好ましい。また、媒染剤とバインダーに染料を
媒染させておくことも出来る。この場合媒染剤と染料は
写真分野で公知のものを用いることが出来、US4,5
00,626号第58〜59欄や、特開昭61−882
56号32〜41頁、特開昭62−244043号、特
開昭62−244036号等に記載の媒染剤を上げるこ
とができる。また、還元剤と反応して拡散性色素を放出
する化合物と還元剤を用い、現像時のアルカリで可動性
色素を放出させ、処理材料に転写除去させることもでき
る。具体的には、米国特許第4,559,290号、同
4,783,396号、欧州特許第220,746A2
号、公開技報87−6119号に記載されている他、特
開平8−101487号の段落番号0080〜0081
に記載されている。
【0167】消色するロイコ染料などを用いることもで
き、具体的には特開平1−150,132号に有機酸金
属塩の顕色剤によりあらかじめ発色させておいたロイコ
色素を含むハロゲン化銀感光材料が開示されている。ロ
イコ色素と顕色剤錯体は熱あるいはアルカリ剤と反応し
て消色する。ロイコ色素は、公知のものが利用でき、森
賀、吉田「染料と薬品」9、84頁(化成品工業協
会)、「新版染料便覧」242頁(丸善、1970)、
R.Garner「Reports on the Progress of Appl.Chem」5
6、199頁(1971)、「染料と薬品」19、23
0頁(化成品工業協会、1974)、「色材」62、2
88頁(1989)、「染料工業」32、208等に記
載がある。顕色剤としては、酸性白土系顕色剤、フェノ
ールホルムアルデヒドレジンの他、有機酸の金属塩が好
ましく用いられる。有機酸の金属塩としてはサリチル酸
類の金属塩、フェノール−サリチル酸−ホルムアルデヒ
ドレジンの金属塩、ロダン塩、キサントゲン酸塩の金属
塩等が有利であり、金属としては特に亜鉛が好ましい。
上記の顕色剤のうち、油溶性のサリチル酸亜鉛塩につい
ては、米国特許第3,864,146号、同4,04
6,941号各明細書、及び特公昭52−1327号公
報等に記載されたものを用いることができる。
【0168】本発明においては感光材料に現像の活性化
と同時に画像の安定化を図る化合物を用いることができ
る。好ましく用いられる具体的化合物については米国特
許第4,500,626号の第51〜52欄に記載され
ている。
【0169】本発明においては、感光性ハロゲン化銀と
共に、有機金属塩を酸化剤として併用することもでき
る。このような有機金属塩の中で、有機銀塩は、特に好
ましく用いられる。上記の有機銀塩酸化剤を形成するの
に使用し得る有機化合物としては、米国特許第4,50
0,626号第52〜53欄等に記載のベンゾトリアゾ
ール類、脂肪酸その他の化合物がある。また米国特許第
4,775,613号記載のアセチレン銀も有用であ
る。有機銀塩は、2種以上を併用してもよい。以上の有
機銀塩は、感光性ハロゲン化銀1モルあたり0.01〜
10モル、好ましくは0.01〜1モルを併用すること
ができる。感光性ハロゲン化銀と有機銀塩の塗布量合計
は銀換算で0.05〜10g/m2 、好ましくは0.1
〜4g/m2 が適当である。
【0170】本発明の感光材料は硬膜剤で硬膜されてい
ることが好ましい。硬膜剤の例としては米国特許第4,
678,739号第41欄、同4,791,042号、
特開昭59−116,655号、同62−245,26
1号、同61−18,942号、特開平4−218,0
44号等に記載の硬膜剤が挙げられる。より具体的に
は、アルデヒド系硬膜剤(ホルムアルデヒドなど)、ア
ジリジン系硬膜剤、エポキシ系硬膜剤、ビニルスルホン
系硬膜剤(N,N’−エチレン−ビス(ビニルスルホニ
ルアセタミド)エタンなど)、N−メチロール系硬膜剤
(ジメチロール尿素など)、ほう酸、メタほう酸あるい
は高分子硬膜剤(特開昭62−234,157号などに
記載の化合物)が挙げられる。これらの硬膜剤は、親水
性バインダー1gあたり0.001〜1g、好ましくは
0.005〜0.5gが用いられる。
【0171】感光材料には、種々のカブリ防止剤または
写真安定剤およびそれらのプレカーサーを使用すること
ができる。その具体例としては、前記RD、米国特許第
5,089,378号、同4,500,627号、同
4,614,702号、特開昭64−13,564号
(7) 〜(9) 頁、(57)〜(71)頁および(81)〜(97)頁、米国
特許第4,775,610号、同4,626,500
号、同4,983,494号、特開昭62−174,7
47号、同62−239,148号、特開平1−15
0,135号、同2−110,557号、同2−17
8,650号、RD17,643号(1978年)(24)
〜(25)頁等記載の化合物が挙げられる。これらの化合物
は、銀1モルあたり5×10-6〜1×10-1モルが好ま
しく、さらに1×10-5〜1×10-2モルが好ましく用
いられる。
【0172】感光材料の加熱処理は当該技術分野では公
知であり、熱現像感光材料とそのプロセスについては、
例えば、写真工学の基礎(1970年、コロナ社発行)
の553頁〜555頁、1978年4月発行映像情報4
0頁、Nabletts Handbook ofPhotography and Reprogra
phy 7th Ed.(Vna Nostrand and Reinhold Company)の3
2〜33頁、米国特許第3,152,904号、同第
3,301,678号、同第3,392,020号、同
第3,457,075号、英国特許第1,131,10
8号、同第1,167,777号およびRD誌1978
年6月号9〜15頁(RD−17029)に記載されて
いる。
【0173】現像主薬/塩基を含む処理液で現像する方
法は、RD.No. 17643の28〜29頁、同No. 1
8716の651左欄〜右欄、および同No. 30710
5の880〜881頁に記載されている。次に、本発明
において、熱現像処理の場合に用いられる処理素材及び
処理方法について詳細に説明する。
【0174】本発明の感光材料には、熱現像を促進する
目的で熱溶剤を添加しても良い。その例としては、米国
特許第3,347,675号および同第3,667,9
59号に記載されているような極性を有する有機化合物
が挙げられる。具体的にはアミド誘導体(ベンズアミド
等)、尿素誘導体(メチル尿素、エチレン尿素等)、ス
ルホンアミド誘導体(特公平1−40974号および特
公平4−13701号に記載されている化合物等)、ポ
リオール化合物ソルビトール類)、およびポリエチレン
グリコール類が挙げられる。熱溶剤が水不溶性の場合
は、固体分散物として用いることか好ましい。添加する
層は目的に応じ、感光層、非感光性層のいずれでも良
い。熱溶剤の添加量は、添加する層のバインダーの10
重量%〜500重量%、好ましくは20重量%〜300
重量%である。水を使用しないで、加熱現像を行う際
に、熱溶剤の使用は好ましい。
【0175】熱現像工程の加熱温度は、約50℃から2
50℃であるが、特に60℃から150℃が有用であ
る。
【0176】熱現像工程において必要とされる塩基を供
給するために、塩基又は塩基プレカーサーを含有する処
理層を有する処理材料が用いられる。処理材料にはこの
他に加熱現像時に空気を遮断したり、感材からの素材の
揮散を防止したり、塩基以外の処理用の素材を感光材料
に供給したり、現像後に不要になる感光材料中の素材
(YF染料、AH染料等)あるいは現像時に生成する不
要成分を除去したりする機能を持たせても良い。処理材
料の支持体とバインダーには、感光材料と同様のものを
用いることが出来る。処理材料には、前述の染料の除去
その他の目的で、媒染剤を添加しても良い。媒染剤は写
真分野で公知のものを用いることが出来、US4,5
0,626号第58〜59欄や、特開昭61−8825
6号32〜41頁、特開昭62−244043号、特開
昭62−244036号等に記載の媒染剤を挙げること
が出来る。また、US4,463,079号記載の色素
受容性の高分子化合物を用いても良い。また前記した熱
溶剤を含有させてもよい。
【0177】処理材料の処理層には、塩基又は塩基プレ
カーサーを含有させる。塩基としては有機塩基、無機塩
基のいずれでもよく、塩基プレカーサーとしては前述し
たものが使用しうる。塩基又は塩基プレカーサーの使用
量は0.1〜20g/m2 、好ましくは1〜10g/m
2 である。
【0178】処理材料を用いて熱現像するに際し、現像
促進あるいは、処理用素材の転写促進、不要物の拡散促
進の目的で少量の水を用いることが好ましい。具体的に
は、米国特許第4,704,245号、同4,470,
445号、特開昭61−238056号等に記載されて
いる。水には無機のアルカリ金属塩や有機の塩基、低沸
点溶媒、界面活性剤、かぶり防止剤、難溶性金属塩との
錯形成化合物、防黴剤、防菌剤を含ませてもよい。水と
しては一般に用いられる水であれば何を用いても良い。
具体的には蒸留水、水道水、井戸水、ミネラルウォータ
ー等を用いることができる。また本発明の感光材料およ
び処理材料を用いる熱現像装置においては水を使い切り
で使用しても良いし、循環し繰り返し使用してもよい。
後者の場合材料から溶出した成分を含む水を使用するこ
とになる。また特開昭63−144,354号、同63
−144,355号、同62−38,460号、特開平
3−210,555号等に記載の装置や水を用いても良
い。
【0179】水は感光材料、処理材料またはその両者に
付与する方法を用いることができる。その使用量は感光
材料および処理材料の(バック層を除く)全塗布膜を最
大膨潤させるに要する量の1/10〜1倍に相当する量
であることが好ましい。この膨潤時の膜の状態は不安定
であり、水の量を上記の範囲に限定することが、局所的
な発色ムラを防ぐのに重要である。最大膨潤に要する水
の量は、用いる水の中に測定するべき塗布膜をもつ感光
材料または処理材料を浸漬させ、十分膨潤したところで
膜厚を測定し、最大膨潤量を計算してから塗布膜の重量
を減じれば求めることができる。また、膨潤度の測定法
の例はホトグラフィック・サイエンス・エンジニアリン
グ、16巻、449ページ(1972年)にも記載があ
る。水を付与するタイミングとしては、感光材料を露光
した後、加熱現像を行うまでのいずれの時点でもよい。
好ましくは加熱現像を施す直前が選ばれる。
【0180】本発明に規定する上記の水の量は、感光材
料と処理材料とを貼り合わせて加熱現像を施す時点にお
いて必要な量を規定している。従って、例えば本発明の
規定よりも多い量の水を一旦感光材料ないしは処理材料
に供給した後、貼り合わせるまでの間にスクイーズ等の
手段によって余剰の水分を除去し、加熱現像を行う方法
も本発明の範囲に含めることができる。通常は、必要な
水の量を感光材料もしくは処理材料、またはそれら両者
に供給した後に、あるいは必要な量となるように上述の
ような手段にて調節した後に、感光材料と処理材料とを
貼り合わせて加熱現像を施すが、感光材料と処理材料と
を貼り合わせた後に、両者の間の空隙に水分を供給する
ことで必要な水の量を存在させることもできる。
【0181】水の付与方法としては、感光材料または処
理材料を水に浸積し、スクウィーズローラーで余分な水
を除去する方法がある。ただし、一定量の水を塗りきり
で感光材料または処理材料に付与する方が好ましい。ま
た、水を噴射する複数のノズル孔が一定の間隔で感光材
料または処理材料の搬送方向と交差する方向に沿って直
線状に並べられたノズルと前記ノズルを搬送経路上の感
光材料または処理材料に向かって変位させるアクチュエ
ータとを有する水塗布装置により水を噴射する方法が特
に好ましい。また、スポンジ等により水塗布する方法も
装置が簡易であり、好ましく用いられる。付与する水の
温度は前記特開昭63−85,544号等に記載のよう
に30℃〜60℃であれば良い。
【0182】少量の水の存在下で熱現像を行う場合、欧
州特許公開210,660号、米国特許第4,740,
445号に記載されているように、水に難溶な塩基性金
属化合物およびこの塩基性金属化合物を構成する金属イ
オンと水を媒体として錯形成反応しうる錯形成化合物の
組合せで塩基を発生させる方法を採用するのが効果的で
ある。この場合、水に難溶な塩基性金属化合物は感光材
料に、錯形成化合物は処理材料に添加するのが、生保存
性の点で望ましい。
【0183】現像工程における加熱方法としては、加熱
されたブロックやプレートに接触させたり、熱板、ホッ
トプレッサー、熱ローラー、熱ドラム、ハロゲンランプ
ヒーター、赤外および遠赤外ランプヒーターなどに接触
させたり高温の雰囲気中を通過させる方法などがある。
感光材料と処理材料を感光層と処理層が向かい合う形で
重ね合わせる方法は特開昭62−253,159号、特
開昭61−147,244号(27)頁記載の方法が適用で
きる。加熱温度としては70℃〜100℃が好ましい。
【0184】本発明における写真要素の処理には種々の
熱現像装置のいずれもが使用できる。例えば、特開昭5
9−75,247号、同59−177,547号、同5
9−181,353号、同60−18,951号、実開
昭62−25,944号、特願平4−277,517
号、同4−243,072号、同4−244,693
号、同6−164,421号、同6−164,422号
等に記載されている装置などが好ましく用いられる。ま
た市販の装置としては富士写真フイルム(株)製ピクト
ロスタット100、同ピクトロスタット200、同ピク
トロスタット300、同ピクトロスタット330、同ピ
クトロスタット50、同ピクトログラフィー3000、
同ピクトログラフィー2000などが使用できる。
【0185】本発明の感光材料およびまたはは加熱現像
のための加熱手段としての導電性の発熱体層を有する形
態であっても良い。この発熱の発熱要素には、特開昭6
1−145,544号等に記載のものを利用できる。
【0186】本発明においては、現像によって生じた現
像銀や未現像のハロゲン化銀を除去することなく画像情
報を取り込むこともできるが、除去後に画像を取り込む
こともできる。後者の場合には、現像と同時あるいは現
像後にこれらを除去する手段を適用することができる。
現像と同時に感光材料中の現像銀を除去したり、ハロゲ
ン化銀を錯化ないし可溶化せしめるには、処理材料に漂
白剤として作用する銀の酸化剤や再ハロゲン化剤、ある
いは定着剤として作用するハロゲン化銀溶剤を含有させ
ておき、熱現像時にこれらの反応を生じさせることがで
きる。また、画像形成の現像終了後に銀の酸化剤、再ハ
ロゲン化剤あるいはハロゲン化銀溶剤を含有させた第二
の処理材料を感光材料と貼り合わせて現像銀の除去ある
いはハロゲン化銀の錯化ないし可溶化を生じさせること
もできる。本発明においては、撮影とそれに続く画像形
成現像の後で画像情報を読み取る障害とならない程度に
これらの処理を施すことが好ましい。特に未現像のハロ
ゲン化銀はゼラチン膜中では高いヘイズを生じ、画像の
バックグラウンドの濃度を上昇させるため、上記のよう
な錯化剤を用いてヘイズを減少させたり、可溶化させて
膜中から全量あるいはその一部を除去することが好まし
い。また、ハロゲン化銀自身のヘイズを減少させる目的
で高アスペクト比の平板状粒子を用いたり、塩化銀含有
率の高い平板状粒子を用いたりすることも好ましい。高
アスペクト比の平板粒子は、塗布銀量の減量化により、
ヘイズの低下が大きい。
【0187】本発明の処理材料において使用できる漂白
剤としては、常用されている銀漂白剤を任意に使用でき
る。このような漂白剤は米国特許第1,315,464
号および同1,946,640号、およびPhotographic
Chemistry,vol2,chapter30,Foundation Press, Londo
n, England に記載されている。これらの漂白剤は写真
銀像を効果的に酸化しそして可溶化する。有用な銀漂白
剤の例には、アルカリ金属重クロム酸塩、アルカリ金属
フェリシアン化物がある。好ましい漂白剤は水に可溶な
物であり、そしてニンヒドリン、インダンジオン、ヘキ
サケトシクロヘキサン、2,4−ジニトロ安息香酸、ベ
ンゾキノン、ベンゼンスルホン酸、2,5−ジニトロ安
息香酸を包含する。また、金属有機錯体、たとえばシク
ロヘキシルジアルキルアミノ4酢酸の第2鉄塩およびエ
チレンジアミン4酢酸の第2鉄塩、クエン酸の第2鉄塩
がある。定着剤としては、前記の感光材料を現像する処
理材料(第一の処理材料)に含ませることの出来るハロ
ゲン化銀溶剤を含ませる事が出来る。バインダー、支持
体、その他の添加剤に関しても、第一の処理材料と同じ
物を第二の処理材料に用いることが出来る。漂白剤の塗
布量は、貼り合わせられる感光材料の含有銀量に応じて
変えられるべきであるが、感光材料の単位面積当たりの
塗布銀量の0.01モル〜10モル/感光材料の塗布銀
モルの範囲で使用される。好ましくは0.1から3モル
/感光材料の塗布銀モルであり、さらに好ましくは0.
1〜2モル/感光材料の塗布銀モルである。
【0188】ハロゲン化銀溶剤としては、公知のものを
使用できる。例えば、チオ硫酸ナトリウム、チオ硫酸ア
ンモニウムのようなチオ硫酸塩、亜硫酸ナトリウムや亜
硫酸水素ナトリウムの如き亜硫酸塩、チオシアン酸カリ
ウム、チオシアン酸アンモニウムのようなチオシアン酸
塩、特公昭47−11386号記載の1,8−ジ−3,
6−ジチアオクタン、2,2′−チオジエタノール、
6,9−ジオキサ−3,12−ジチアテトラデカン−
1,14−ジオールのようなチオエーテル化合物、特願
平6−325350号記載のウラシル、ヒダントインの
如き5ないし6員環のイミド環を有する化合物、特開昭
53−144319号記載の下記一般式(I)の化合物
を用いることができる。アナリティカ・ケミカ・アクタ
(AnalyticaChemica Acta)248巻 604〜614 頁(1991
年)記載のトリメチルトリアゾリウムチオレートのメソ
イオンチオレート化合物も好ましい。特願平6−206
331号記載のハロゲン化銀を定着して安定化しうる化
合物もハロゲン化銀溶剤として使用しうる。
【0189】一般式(I) N(R1 ) (R2 ) −C
(=S)−X−R3 式中、Xは、硫黄原子または酸素原子を表す。R1 及び
2 は同じであっても異なってもよく、各々、脂肪族
基、アリール基、ヘテロ環残基またはアミノ基を表す。
3 は脂肪族またはアリール基を表す。R1 とR2 また
はR2 とR3 は互いに結合して5員または6員のヘテロ
環を形成してもよい。上記のハロゲン化銀溶剤を併用し
て用いてもよい。上記化合物の中でも、亜硫酸塩、ウラ
シルやヒダントインのような5ないし6員のイミド環を
有する化合物が特に好ましい。特にウラシルやヒダント
インはカリウム塩として添加すると、処理材料の保存時
の光沢低下が改善できる点で好ましい。
【0190】処理層中の全ハロゲン化銀溶剤の含有量
は、0.01〜100ミリモル/m2であり、好ましく
は0.1〜50ミリモル/m2 である。より好ましくは
10〜50ミリモル/m2 である。感光材料の塗布銀量
に対してモル比で、1/20〜20倍で、好ましくは1
/10〜10倍で、より好ましくは1/3〜3倍であ
る。ハロゲン化銀溶剤は、水、メタノール、エタノー
ル、アセトン、ジメチルホルムアミド、メチルプロピル
グリコール等の溶媒或いはアルカリまたは酸性水溶液に
添加してもよいし、固体微粒子分散させて塗布液に添加
してもよい。
【0191】また、処理材料に物理現像核およびハロゲ
ン化銀溶剤を含ませておき、現像と同時に感光材料のハ
ロゲン化銀を可溶化、及び処理層に固定しても良い。物
理現像核とは、感材より拡散してきた可溶性銀塩を還元
して物理現像銀に変換し、処理層に固定させるものであ
る。物理現像核としては、亜鉛、水銀、鉛、カドミウ
ム、鉄、クロム、ニッケル、錫、コバルト、銅、ルテニ
ウムなどの重金属、あるいはパラジウム、白金、銀、金
等の貴金属、あるいはこれらの硫酸、セレン、テルル等
のカルコゲン化合物のコロイド粒子等の物理現像核とし
て公知のものはすべて使用できる。これらの物理現像核
物質は、対応する金属イオンをアスコルビン酸、水素化
ホウ素ナトリウム、ハイドロキノン等の還元剤で還元し
て、金属コロイド分散物をつくるか、あるいは、可溶性
硫化物、セレン化物またはテルル化物溶液を混合して、
水不溶性の金属硫化物、金属セレン化物または金属テル
ル化物のコロイド分散物をつくることによって得られ
る。これら分散物は、ゼラチンのような親水性バインダ
ー中で形成させるのが好ましい。コロイド銀粒子の調製
法は、米国特許第2,688,601号等に記載されて
いる。必要に応じて、ハロゲン化銀乳剤調製法で知られ
ている過剰の塩を除去する、脱塩法をおこなってもよ
い。これらの物理現像核の大きさは、2〜200nmの
粒径のものが好ましく用いられる。これらの物理現像核
は、処理層に、通常、10-3〜100mg/m2 、 好まし
くは、10-2〜10mg/m2 含有させる。物理現像核
は、別途調製して塗布液中に添加することもできるが、
親水性バインダーを含有する塗布液中で、例えば、硝酸
銀と硫化ナトリウム、または、塩化金と還元剤等を反応
させて作製してもよい。物理現像核としては、銀、硫化
銀、硫化パラジウム等が好ましく用いられる。錯化剤シ
ートに転写した物理現像銀を画像として用いる場合は、
硫化パラジウム、硫化銀等がDmin が切れ、Dmax が高
いという点で、好ましく用いられる。
【0192】第一の処理材料、第二の処理材料ともに、
最低一つの重合性タイミング層を有することが出来る。
この重合性タイミング層は、所望とするハロゲン化銀と
色素供与性化合物、あるいは現像主薬の反応が実質的に
完了するまでの間、漂白・定着反応を一時的に遅延させ
ることが可能である。タイミング層は、ゼラチン、ポリ
ビニルアルコール、または、ポリビニルアルコール−ポ
リビニルアセテートからなることが出来る。この層はま
た、例えば米国特許第4,056,394号、同第4,
061,496号および、同第4,229,516号に
記載されているようなバリアータイミング層であっても
良い。このタイミング層を塗布する場合、5〜50μ
m、好ましくは10〜30μmの膜厚で塗布される。
【0193】本発明においては、現像後の感光材料を第
二の処理材料を用いて漂白・定着する方法として、感光
材料及び第2の処理材料双方のバック層を除く全塗布膜
を最大膨潤させるに要する量の0.1から1倍に相当す
る水を感光材料または第2の処理材料に与えた後、感光
材料と第二の処理材料を感光層と処理層が向かい合う形
で重ね合わせ、40℃から100℃の温度で5秒から6
0秒間加熱する。水の量、水の種類、水の付与方法、お
よび感光材料と処理材料を重ね合わせる方法については
第一の処理材料と同様のものを用いることができる。
【0194】より具体的には特開昭59−136733
号、米国特許第4,124,398号、特開昭55−2
8098号に記載されている漂白・定着シートを用いる
ことが出来る。
【0195】感光材料には、塗布助剤、剥離性改良、ス
ベリ性改良、帯電防止、現像促進等の目的で種々の界面
活性剤を使用することができる。界面活性剤の具体例は
公知技術第5号(1991年3月22日、アズテック有
限会社発行)の136〜138頁、特開昭62−17
3,463号、同62−183,457号等に記載され
ている。感光材料には、スベリ性防止、帯電防止、剥離
性改良等の目的で有機フルオロ化合物を含ませてもよ
い。有機フルオロ化合物の代表例としては、特公昭57
−9053号第8〜17欄、特開昭61−20944
号、同62−135826号等に記載されているフッ素
系界面活性剤、またはフッ素油などのオイル状フッ素系
化合物もしくは四フッ化エチレン樹脂などの固体状フッ
素化合物樹脂などの疎水性フッ素化合物が挙げられる。
感光材料のぬれ性と帯電防止を両立する目的で親水性基
を有するフッ素系界面活性剤も好ましく用いられる。
【0196】感光材料には滑り性がある事が好ましい。
滑り剤含有層は感光層面、バック面ともに用いることが
好ましい。好ましい滑り性としては動摩擦係数で0.2
5以下0.01以上である。この時の測定は直径5mmの
ステンレス球に対し、60cm/分で搬送した時の値を表
す(25℃、60%RH)。この評価において相手材と
して感光層面に置き換えてもほぼ同レベルの値となる。
使用可能な滑り剤としては、ポリオルガノシロキサン、
高級脂肪酸アミド、高級脂肪酸金属塩、高級脂肪酸と高
級アルコールのエステル等であり、ポリオルガノシロキ
サンとしては、ポリジメチルシロキサン、ポリジエチル
シロキサン、ポリスチリルメチルシロキサン、ポリメチ
ルフェニルシロキサン等を用いることができる。添加層
としては乳剤層の最外層やバック層が好ましい。特にポ
リジメチルシロキサンや長鎖アルキル基を有するエステ
ルが好ましい。ハロゲン化銀の圧力カブリや減感を防止
するために、シリコンオイルや塩化パラフィンは好まし
く用いられる。
【0197】また本発明においては、帯電防止剤が好ま
しく用いられる。帯電防止剤としては、カルボン酸及び
カルボン酸塩、スルホン酸塩を含む高分子、カチオン性
高分子、イオン性界面活性剤化合物を挙げることができ
る。帯電防止剤として最も好ましいものは、ZnO 、Ti
O2、SnO2、Al2O3 、In2O3 、SiO2、MgO 、BaO 、MoO3
V2O5の中から選ばれた少くとも1種の体積抵抗率が10
7 Ω・cm以下、より好ましくは105 Ω・cm以下である
粒子サイズ0.001〜1.0μm結晶性の金属酸化物
あるいはこれらの複合酸化物(Sb、P、B、In、
S、Si、Cなど)の微粒子、更にはゾル状の金属酸化
物あるいはこれらの複合酸化物の微粒子である。感材へ
の含有量としては5〜500mg/m2 が好ましく、特に
好ましくは10〜350mg/m2 である。導電性の結晶
性酸化物又はその複合酸化物とバインダーの量の比は1
/300〜100/1が好ましく、より好ましくは1/
100〜100/5である。感光材料の支持体の裏面に
は、特開平8−292514号に記載された耐水性のポ
リマーを塗布することも好ましい。
【0198】感光材料または後述する処理材料の構成
(バック層を含む)には、寸度安定化、カール防止、接
着防止、膜のヒビ割れ防止、圧力増減感防止等の膜物性
改良の目的で種々のポリマーラテックスを含有させるこ
とができる。具体的には、特開昭62−245258
号、同62−136648号、同62−110066号
等に記載のポリマーラテックスのいずれも使用できる。
特に、ガラス転移点の低い(40℃以下)ポリマーラテ
ックスを媒染層に用いると媒染層のヒビ割れを防止する
ことができ、またガラス転移点が高いポリマーラテック
スをバック層に用いるとカール防止効果が得られる。
【0199】本発明の感光材料にはマット剤が有る事が
好ましい。マット剤としては乳剤面、バック面のどちら
に添加してもよいが、乳剤側の最外層に添加するのが特
に好ましい。マット剤は処理液可溶性でも処理液不溶性
でもよく、好ましくは両者を併用することである。例え
ばポリメチルメタクリレート、ポリ(メチルメタクリレ
ート/メタクリル酸=9/1又は5/5(モル比))、
ポリスチレン粒子などが好ましい。粒径としては0.8
〜10μmが好ましく、その粒径分布も狭い方が好まし
く、平均粒径の0.9〜1.1倍の間に全粒子数の90
%以上が含有されることが好ましい。又、マット性を高
めるために0.8μm以下の微粒子を同時に添加するこ
とも好ましく、例えばポリメチルメタクリレート(0.
2μm)、ポリ(メチルメタクリレート/メタクリル酸
=9/1(モル比))(0.3μm)、ポリスチレン粒
子(0.25μm)、コロイダルシリカ(0.03μ
m)が挙げられる。具体的には、特開昭61−8825
6号(29)頁に記載されている。その他、ベンゾグアナ
ミン樹脂ビーズ、ポリカーボネート樹脂ビーズ、AS樹
脂ビーズなどの特開昭63−274944号、同63−
274952号記載の化合物がある。その他前記RDに
記載の化合物が使用できる。これらのマット剤は、必要
に応じて前記バインダーの項に記載の各種バインダーで
分散して、分散物として使用することができる。特に各
種のゼラチン、例えば、酸処理ゼラチン分散物は安定な
塗布液を調製しやすく、このとき、pH、イオン強度、
バインダー濃度を必要に応じて最適化する事が好まし
い。
【0200】また、以下に記載の化合物も使用すること
ができる。 油溶性有機化合物の分散媒: 特開昭62−215272
号のP-3,5,16,19,25,30,42,49,54,55,66,81,85,86,93(1
40〜144 頁); 油溶性有機化合物の含浸用ラテックス:US 4,199,363 に
記載のラテックス; 現像主薬酸化体スカベンジャー:US 4,978,606 のカラム
2の54〜62行の式(I)で表わされる化合物(特にI-,(1),
(2),(6),(12) (カラム4〜5)、US 4,923,787のカラ
ム2の5〜10行の式(特に化合物1(カラム3); ステイン防止剤:EP 298321A の4頁30〜33行の式(I) 〜
(III),特にI-47,72,III-1,27(24 〜48頁); 褪色防止剤:EP 298321A のA-6,7,20,21,23,24,25,26,3
0,37,40,42,48,63,90,92,94,164(69 〜118 頁) 、US5,1
22,444 のカラム25〜38のII-1〜III-23, 特にIII-10, E
P 471347Aの8 〜12頁のI-1 〜III-4,特にII-2, US 5,13
9, 931 のカラム32〜40のA-1 〜48, 特にA-39,42; 発色増強剤または混色防止剤の使用量を低減させる素
材: EP411324A の5 〜24頁のI-1 〜II-15,特にI-46; ホルマリンスカベンジャー:EP 477932A の24〜29頁のSC
V-1 〜28, 特にSCV-8; 硬膜剤: 特開平1−214845号の17頁のH-1,4,6,8,
14, US 4,618,573 のカラム13〜23の式(VII) 〜(XII)
で表わされる化合物(H-1〜54),特開平2−214852
号の8頁右下の式(6) で表わされる化合物(H-1〜76),特
にH-14, US 3,325,287のクレーム1に記載の化合物; 現像抑制剤プレカーサー: 特開昭62−168139号
のP-24,37,39(6〜7 頁);US 5,019,492のクレーム1に記
載の化合物,特にカラム7の28,29;
【0201】防腐剤、防黴剤:US 4,923,790 のカラム3
〜15のI-1 〜III-43, 特にII-1,9,10,18,III-25; 安定剤、かぶり防止剤: US 4,923,793のカラム6 〜16の
I-1 〜(14), 特にI-1,60,(2),(13),US 4,952,483のカラ
ム25〜32の化合物1〜65, 特に36; 化学増感剤: トリフェニルホスフィンセレニド, 特開平
5−40324号の化合物50; 染料: 特開平3−156450号の15〜18頁のa-1 〜b-
20, 特にa-1,12, 18,27,35,36,b-5,27〜29頁のV-1 〜2
3, 特にV-1, EP 445627A の33〜55頁のF-I-1 〜F-II-4
3,特にF-I-11,F-II-8, EP 457153A の17〜28頁のIII-1
〜36, 特にIII-1,3, WO 88/04794の8〜26のDye-1 〜12
4 の微結晶分散体, EP 319999Aの6〜11頁の化合物1〜
22, 特に化合物1, EP 519306A の式(1) ないし(3) で表
わされる化合物D-1 〜87(3〜28頁),US 4, 268,622 の式
(I) で表わされる化合物1〜22 (カラム3〜10), US 4,
923,788 の式(I) で表わされる化合物(1) 〜(31) (カラ
ム2〜9); UV吸収剤: 特開昭46−3335号の式(1) で表わされ
る化合物(18b) 〜(18r),101 〜427(6〜9頁),EP 52093
8Aの式(I) で表わされる化合物(3) 〜(66)(10〜44頁)
及び式(III) で表わされる化合物HBT-1 〜10(14 頁), E
P 521823A の式(1) で表わされる化合物(1) 〜(31) (カ
ラム2〜9)。 ここまでに述べてきた各種の添加剤、具体的には、硬膜
剤、カブリ防止剤、界面活性剤、滑り剤、帯電防止剤、
ラテックス、マット剤などは必要に応じて処理材料に添
加したり、感光材料と処理材料の両方に添加することが
できる。
【0202】本発明において感光材料および処理材料の
支持体としては、処理温度に耐えることのできるものが
用いられる。一般的には、日本写真学会編「写真工学の
基礎−銀塩写真編−」、(株)コロナ社刊(昭和54
年)(223) 〜(240) 頁記載の紙、合成高分子(フィル
ム)等の写真用支持体が挙げられる。具体的には、ポリ
エチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、
ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポ
リプロピレン、ポリイミド、セルロース類(例えばトリ
アセチルセルロース)等が挙げられる。この中で、特に
ポリエチレンナフタレートを主成分とするポリエステル
が好ましいが、ここで言う「ポリエチレンナフタレート
を主成分とする」ポリエステルとは、全ジカルボン酸残
基中に含まれるナフタレンジカルボン酸の含率が50m
ol%以上であり、好ましくは60mol%以上、より
好ましくは、70mol%以上である。これは、共重合
体であってもよく、ポリマーブレンドであってもよい。
共重合の場合、ナフタレンジカルボン酸ユニットとエチ
レングリコールユニット以外に、テレフタル酸、ビスフ
ェノールA、シクロヘキサンジメタノール等のユニット
を共重合させたものも好ましい。これらの中で力学強
度、コストの観点から最も好ましいのがテレフタル酸ユ
ニットを共重合したものである。ポリマーブレンドの好
ましい相手は、相溶性の観点からポリエチレンテレフタ
レート(PET)、ポリアリレート(PAr)、ポリカ
ーボネート(PC)、ポリシクロヘキサンジメタノール
テレフタレート(PCT)等のポリエステルを挙げるこ
とができるが、中でも力学強度、コストの観点から好ま
しいのがPETとのポリマーブレンドである。
【0203】以下に好ましいポリエステルの具体的化合
物例を示す。 ポリエステル コポリマー例(括弧内の数字はモル比を
示す) 2、6―ナフタレンジカルボン酸/テレフタル酸/エチ
レングリコール(70/30/100)Tg=98℃ 2、6―ナフタレンジカルボン酸/テレフタル酸/エチ
レングリコール(80/20/100)Tg=105℃ ポリエステル ポリマーブレンド例(括弧内の数字は重
量比を示す) PEN/PET(60/40)Tg=95℃ PEN/PET(80/20)Tg=104℃ この他に、特開昭62−253,159号(29)〜(31)
頁、特開平1−161,236号(14)〜(17)頁、特開昭
63−316,848号、特開平2−22,651号、
同3−56,955号、米国特許第5,001,033
号等に記載の支持体を用いることができる。これらの支
持体は、光学的特性、物理的特性を改良するために、熱
処理(結晶化度や配向制御)、一軸及び二軸延伸(配向
制御)、各種ポリマーのブレンド、表面処理等を行うこ
とができる。
【0204】特に耐熱性やカール特性の要求が厳しい場
合、感光材料用の支持体として特開平6−41281
号、同6−43581号、同6−51426号、同6−
51437号、同6−51442号、特願平4−251
845号、同4−231825号、同4−253545
号、同4−258828号、同4−240122号、同
4−221538号、同5−21625号、同5−15
926号、同4−331928号、同5−199704
号、同6−13455号、同6−14666号各公報に
記載の支持体が好ましく用いることができる。また、主
としてシンジオタクチック構造を有するスチレン系重合
体である支持体も好ましく用いることができる。
【0205】また、支持体と感材構成層を接着させるた
めに、表面処理することが好ましい。薬品処理、機械的
処理、コロナ放電処理、火焔処理、紫外線処理、高周波
処理、グロー放電処理、活性プラズマ処理、レーザー処
理、混酸処理、オゾン酸化処理、などの表面活性化処理
が挙げられる。表面処理の中でも好ましいのは、紫外線
照射処理、火焔処理、コロナ処理、グロー処理である。
次に下塗層について述べる。下塗層は、単層でもよく2
層以上でもよい。下塗層用バインダーとしては、塩化ビ
ニル、塩化ビニリデン、ブタジエン、メタクリル酸、ア
クリル酸、イタコン酸、無水マレイン酸などの中から選
ばれた単量体を出発原料とする共重合体を始めとして、
ポリエチレンイミン、エポキシ樹脂、グラフト化ゼラチ
ン、ニトロセルロース、ゼラチンが挙げられる。支持体
を膨潤させる化合物としてレゾルシンとp−クロルフェ
ノールがある。下塗層にはゼラチン硬化剤としてはクロ
ム塩(クロム明ばんなど)、アルデヒド類(ホルムアル
デヒド、グルタールアルデヒドなど)、イソシアネート
類、活性ハロゲン化合物(2,4−ジクロロ−6−ヒド
ロキシ−s−トリアジンなど)、エピクロルヒドリン樹
脂、活性ビニルスルホン化合物などを挙げることができ
る。SiO2、TiO2、無機物微粒子又はポリメチルメタクリ
レート共重合体微粒子(0.01〜10μm)をマット
剤として含有させてもよい。
【0206】また、支持体として例えば、特開平4−1
24645号、同5−40321号、同6−35092
号、特願平5−58221号、同5−106979号記
載の磁気記録層を有する支持体を用い、撮影情報などを
記録することが好ましい。
【0207】磁気記録層とは、磁性体粒子をバインダー
中に分散した水性もしくは有機溶媒系塗布液を支持体上
に塗設したものである。磁性体粒子は、γFe2O2 などの
強磁性酸化鉄、Co被着γFe2O3 、Co被着マグネタイト、
Co含有マグネタイト、強磁性二酸化クロム、強磁性金
属、強磁性合金、六方晶系のBaフェライト、Srフェライ
ト、Pbフェライト、Caフェライトなどを使用できる。Co
被着γFe2O2 などのCo被着強磁性酸化鉄が好ましい。形
状としては針状、米粒状、球状、立方体状、板状等いず
れでもよい。比表面積ではSBETで20m2/g以上が
好ましく、30m2/g以上が特に好ましい。強磁性体の
飽和磁化(σs)は、好ましくは3.0×104 〜3.
0×105A/mであり、特に好ましくは4.0×104
2.5×105A/mである。強磁性体粒子を、シリカおよ
び/またはアルミナや有機素材による表面処理を施して
もよい。さらに、磁性体粒子は特開平6−161032
号に記載された如くその表面にシランカップリング剤ま
たはチタンカップリング剤で処理されてもよい。又特開
平4−259911号、同5−81652号に記載の表
面に無機、有機物を被覆した磁性体粒子も使用できる。
【0208】磁性体粒子に用いられるバインダーは、特
開平4−219569号に記載の熱可塑性樹脂、熱硬化
性樹脂、放射線硬化性樹脂、反応型樹脂、酸、アルカリ
又は生分解性ポリマー、天然物重合体(セルロース誘導
体、糖誘導体など)およびそれらの混合物を使用するこ
とができる。上記の樹脂のTgは−40℃〜300℃、
重量平均分子量は0.2万〜100万である。例えばビ
ニル系共重合体、セルロースジアセテート、セルロース
トリアセテート、セルロースアセテートプロピオネー
ト、セルロースアセテートブチレート、セルローストリ
プロピオネートなどのセルロース誘導体、アクリル樹
脂、ポリビニルアセタール樹脂を挙げることができ、ゼ
ラチンも好ましい。特にセルロースジ(トリ)アセテー
トが好ましい。バインダーは、エポキシ系、アジリジン
系、イソシアネート系の架橋剤を添加して硬化処理する
ことができる。イソシアネート系の架橋剤としては、ト
リレンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルメタン
ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、
キシリレンジイソシアネート、などのイソシアネート
類、これらのイソシアネート類とポリアルコールとの反
応生成物(例えば、トリレンジイソシアナート3mol と
トリメチロールプロパン1mol の反応生成物)、及びこ
れらのイソシアネート類の縮合により生成したポリイソ
シアネートなどが挙げられ、例えば特開平6−5935
7号に記載されている。
【0209】前述の磁性体を上記バインダー中に分散す
る方法は、特開平6−35092号に記載されている方
法のように、ニーダー、ピン型ミル、アニュラー型ミル
などが好ましく併用も好ましい。特開平5−88283
号記載の分散剤や、その他の公知の分散剤が使用でき
る。磁気記録層の厚みは0.1〜10μm、好ましくは
0.2μm〜5μm、より好ましくは0.3μ 〜3μ
mである。磁性体粒子とバインダーの重量比は好ましく
は0.5:100〜60:100からなり、より好まし
くは1:100〜30:100である。磁性体粒子の塗
布量は0.005〜3g/m2 、 好ましくは0.01〜
2g/m2 、 さらに好ましくは0.02〜0.5g/m
2 である。磁気記録層の透過イエロー濃度は、0.01
〜0.50が好ましく、0.03〜0.20がより好ま
しく、0.04〜0.15が特に好ましい。磁気記録層
は、写真用支持体の裏面に塗布又は印刷によって全面ま
たはストライプ状に設けることができる。磁気記録層を
塗布する方法としてはエアードクター、ブレード、エア
ナイフ、スクイズ、含浸、リバースロール、トランスフ
ァロール、グラビヤ、キス、キャスト、スプレイ、ディ
ップ、バー、エクストリュージョン等が利用でき、特開
平5−341436号等に記載の塗布液が好ましい。
【0210】磁気記録層に、潤滑性向上、カール調節、
帯電防止、接着防止、ヘッド研磨などの機能を併せ持た
せてもよいし、別の機能性層を設けて、これらの機能を
付与させてもよく、粒子の少なくとも1種以上がモース
硬度が5以上の非球形無機粒子の研磨剤が好ましい。非
球形無機粒子の組成としては、酸化アルミニウム、酸化
クロム、二酸化硅素、二酸化チタン、シリコンカーバイ
ト等の酸化物、炭化硅素、炭化チタン等の炭化物、ダイ
アモンド等の微粉末が好ましい。これらの研磨剤は、そ
の表面をシランカップリング剤又はチタンカップリング
剤で処理されてもよい。これらの粒子は磁気記録層に添
加してもよく、また磁気記録層上にオーバーコート(例
えば保護層、潤滑剤層など)しても良い。この時使用す
るバインダーは前述のものが使用でき、好ましくは磁気
記録層のバインダーと同じものがよい。磁気記録層を有
する感材については、US5,336,589号、同
5,250,404号、同5,229,259号、同
5,215,874号、EP466,130号に記載さ
れている。
【0211】上述の磁気記録層を有する感材に好ましく
用いられるポリエステル支持体について更に記すが、感
材、処理、カートリッジ及び実施例なども含め詳細につ
いては、公開技術、公技番号94−6023(発明協
会;1994.3.15)に記載されている。ポリエス
テルはジオールと芳香族ジカルボン酸を必須成分として
形成され、芳香族ジカルボン酸として2,6−、1,5
−、1,4−、及び2,7−ナフタレンジカルボン酸、
テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ジオールとし
てジエチレングリコール、トリエチレングリコール、シ
クロヘキサンジメタノール、ビスフェノールA、ビスフ
ェノールが挙げられる。この重合ポリマーとしては、ポ
リエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレー
ト、ポリシクロヘキサンジメタノールテレフタレート等
のホモポリマーを挙げることができる。特に好ましいの
は2,6−ナフタレンジカルボン酸を50モル%〜10
0モル%含むポリエステルである。中でも特に好ましい
のはポリエチレン 2,6−ナフタレートである。平均
分子量の範囲は約5,000ないし200,000であ
る。ポリエステルのTgは50℃以上であり、さらに9
0℃以上が好ましい。
【0212】次にポリエステル支持体は、巻き癖をつき
にくくするために熱処理を40℃以上Tg未満、より好
ましくはTg−20℃以上Tg未満で行う。熱処理はこ
の温度範囲内の一定温度で実施してもよく、冷却しなが
ら熱処理してもよい。この熱処理時間は、好ましくは
0.1時間以上1500時間以下、さらに好ましくは
0.5時間以上200時間以下である。支持体の熱処理
は、ロール状で実施してもよく、またウェブ状で搬送し
ながら実施してもよい。表面に凹凸を付与し(例えばSn
O2やSb2O5 等の導電性無機微粒子を塗布する)、面状改
良を図ってもよい。又端部にローレットを付与し端部の
み少し高くすることで巻芯部の切り口写りを防止するな
どの工夫を行うことが望ましい。これらの熱処理は支持
体成膜後、表面処理後、バック層塗布後(帯電防止剤、
滑り剤等)、下塗り塗布後のどこの段階で実施してもよ
い。好ましいのは帯電防止剤塗布後である。このポリエ
ステルには紫外線吸収剤を練り込んでも良い。又ライト
パンピング防止のため、三菱化成製のDiaresin、日本化
薬製のKayaset 等ポリエステル用として市販されている
染料または顔料を塗り込むことにより目的を達成するこ
とが可能である。
【0213】次に、感光材料を装填することのできるフ
ィルムパトローネについて記す。本発明で使用されるパ
トローネの主材料は金属でも合成プラスチックでもよ
い。好ましいプラスチック材料はポリスチレン、ポリエ
チレン、ポリプロピレン、ポリフェニルエーテルなどで
ある。更にパトローネは、各種の帯電防止剤を含有して
もよくカーボンブラック、金属酸化物粒子、ノニオン、
アニオン、カチオン及びベタイン系界面活性剤又はポリ
マー等を好ましく用いることができる。これらの帯電防
止されたパトローネは特開平1−312537号、同1
−312538号に記載されている。特に25℃、25
%RHでの抵抗が1012Ω以下のものが好ましい。通常
プラスチックパトローネは、遮光性を付与するためにカ
ーボンブラックや顔料などを練り込んだプラスチックを
使って製作される。パトローネのサイズは現在の135
サイズのままでもよいし、カメラの小型化には、現在の
135サイズの25mmのカートリッジの径を22mm以下
とすることも有効である。パトローネのケースの容積
は、30cm3 以下、好ましくは25cm3 以下とすること
が好ましい。パトローネおよびパトローネケースに使用
されるプラスチックの重量は5g〜15gが好ましい。
【0214】更にスプールを回転してフィルムを送り出
すパトローネでもよい。またフィルム先端がパトローネ
本体内に収納され、スプール軸をフィルム送り出し方向
に回転させることによってフィルム先端をパトローネの
ポート部から外部に送り出す構造でもよい。これらはU
S4,834,306号、同5,226,613号に開
示されている。
【0215】以上の感光材料は特公平2−32615
号、実公平3−39784号に記載されているレンズ付
フィルムユニットにも好ましく用いることができる。レ
ンズ付きフイルムユニットとは、撮影レンズ及びシャッ
タを例えば射出成型されたプラスチック筺体内に備えた
ユニット本体の製造工程において、予め未露光のカラー
あるいはモノクロ写真感光材料を光密に装填したもので
ある。このユニットは、ユーザが撮影した後、現像のた
めにユニットごと現像所に送られる。現像所では当該ユ
ニットから写真フイルムを取り出して現像及び写真プリ
ントの作製が行われる。このレンズ付きフイルムユニッ
トの外装には、例えば実公平3−6910号、実公平5
−31647号、特開平7−225454号及び実公平
6−43798号に記載されているように、更に撮影レ
ンズ部、ファインダ部等の撮影に必要な光学部分及びシ
ャッタ釦、巻き上げノブ等の撮影操作部分が露出し、か
つ使用方法を示す説明書き及びデザインが印刷された紙
箱、プラスチック包装体で被覆されて使用に供される。
【0216】紙あるいはプラスチックで被覆されたレン
ズ付きフイルムユニットは、更に実公平4−1546号
及び特公平7−1380号に記載されているように、不
透湿材料または例えば、ASTM試験法D−570で
0.1%以下の非吸湿性材料からなる包装体、例えば、
アルミニウム箔ラミネート・シート、アルミニウム箔も
しくは金属蒸着された透明・不透湿プラスチック包装体
で被覆されて販売される。レンズ付きフイルムユニット
に内蔵された写真フイルムの保存性からは、上記防湿包
装体内のレンズ付きフイルムユニットの湿度は、25℃
において相対湿度40〜70%になるように調湿し、好
ましくは50〜65%であるのがよい。更に、実公平6
−6346号、実公平6−8589号及び米国特許5,
239, 324号明細書に記載のように、紙あるいはプ
ラスチックで被覆されたレンズ付きフイルムユニットを
シャッタ及び巻上げ操作可能な透明防水ケースに収納し
て水中あるは防水機能を付加したものもある。現像所に
おいて写真フイルムが取り除かれたユニット本体は、ユ
ニットの製造所に回収され、検査の上、リユース可能な
部品はリユースされ、一部のリユース不能なプラスチッ
ク部品は溶解され、再ペレット化してリサイクルされ
る。
【0217】用いられる撮影レンズは、特公平7−56
363号、特開平63−199351号、実公平3−2
2746号、実公平3−39784号、実公平5−38
353号、実公平7−33237号及び実公平7−50
746号に記載のように、球面あるいは非球面からなる
1枚もしくは2枚構成からなるプラスチックレンズが用
いられ、一方その球面収差を補償するために裏蓋におけ
る露光部のフイルム受面はフイルムの走行方向に撮影レ
ンズに対して凹面となるように湾曲面を形成することが
望ましい。またファインダは、実公平2−41621
号、実公平3−6910号及び実公平3−39784号
に記載のように、筺体にファインダ開口を画定させるの
みの素通しファインでもよいし、例えば、実公平7−1
0345号に記載のように、これに接眼及び対物ファイ
ンダレンズを設けた逆ガリレオ式或いはアルバダ式のフ
ァインダでもよい。更に特開平7−64177号、特開
平6−250282号及び特開平7−128732号に
記載のように、ファインダに画面切替機能を付与し、こ
れに連動して撮影開口を通常サイズ及びパノラマサイズ
の露光が行うことができるように切り替えたり、あるい
は上記ファインダの切替に連動してフイルム上に標準、
パノラマあるいはハイビジョンサイズで撮影したことを
光学的あるいは磁気的に記録するようにしてもよい。そ
の他撮影レンズの焦点距離を変更するとともにファイン
ダ視野を特定するようにして接近、望遠撮影を行わせる
ようにしたものもある。
【0218】レンズ付きフイルムユニットに用いられる
写真フイルムは、シート状あるいはロール状のフイルム
を用いることができ、更に当該写真フイルムは、オラン
ダ特許6, 708, 489に記載のように直接収納され
るか、あるいは特公平2−32615号に示すように、
容器に収納されてレンズ付きフイルムユニット内に装填
される。撮影後、現像のためにレンズ付きフイルムユニ
ットから撮影済み写真フイルムを取り出すには、特公平
6−16158号、実公平7−15545号に記載のよ
うに、レンズ付きフイルムユニット筺体の底に写真フイ
ルム取り出し用の蓋を設けて、この蓋を開放することに
よって写真フイルムを取り出してもよく、オランダ特許
6, 708, 489号明細書に記載のように、裏蓋を開
放もしくは破壊して写真フイルムを取り出してもよい。
また、米国特許5, 202, 713号明細書に記載のよ
うに、レンズ付きフイルムユニット筺体の一部に通常は
遮光状態にある開口を形成しておき、そこからフイルム
の一端を掴んで引き出すようにしてもよい。レンズ付き
フイルムユニットにロール状の写真フイルムを用いる場
合には、このロール状写真フイルムは容器に収納された
状態で、レンズ付きフイルムユニットに収納されること
が望ましい。用いられる容器は、例えば、特開昭54−
111822号、同63−194255号、米国特許
4, 8322, 75号、同4,834, 306号、特開
平2―124564号、同3−155544号、同2―
264248号、更に実公平5−40508号、特公平
2−32615号及び特公平7−117707号記載の
ISO規格で規定される135フイルム用パトローネ、
あるいはISO規格の写真フイルムを装填可能であるが
上記規格よりも径の細いパトローネ、あるいは特開平8
−211509号、同8−262645号及び同8−2
62639号記載のAPS(Advanced Photo System )
用のカートリッジ等のフイルムの一端が固定されたスプ
ールを有する1軸のカートリッジあるいはパトローネが
有利に用いられる。更に、実公平4−14748号及び
同3−22746号記載の110サイズ規格フイルムを
用いた2軸カートリッジを用いることもできる。また必
要によっては、裏紙付きの写真フイルムを用いることも
できる。
【0219】フイルムの一端が固定されたスプールを有
する1軸のカートリッジあるいはパトローネを用いる場
合には、レンズ付きフイルムユニットの一方の収納室に
カートリッジあるいはパトローネを収納すると共に、他
方の収納室に当該カートリッジあるいはパトローネから
写真フイルムの大部分を引き出されてロール状に巻かれ
たフイルムを収納するレンズ付きフイルムユニットの製
造段階における予備巻き装填(ファクトリー・プレワイ
ンド)を行い、撮影毎に引き出された写真フイルムを外
部の巻き上げ部材によって、カートリッジあるいはパト
ローネのスプールを回転させてカートリッジあるいはパ
トローネに巻取るようにしてもよいし、あるいはこれと
は逆にレンズ付きフイルムユニットの一方の収納室に写
真フイルムの先端部を接続したカートリッジあるいはパ
トローネとは別のスプールを装填し、他方の収納室に写
真フイルムの大部分が収納された状態のカートリッジあ
るいはパトローネを装填して、撮影毎に写真フイルムを
外部の巻き上げ部材によって、カートリッジあるいはパ
トローネから引き出してカートリッジあるいはパトロー
ネとは別のスプールに巻取るようにしてもよい。ファク
トリー・プレワインド方式においては、カートリッジあ
るいはパトローネから引き出された写真フイルムは、カ
ートリッジあるいはパトローネと別のスプールに巻かれ
た状態で他方の収納室に収納されてもよいし、あるいは
特公平2−32615号記載のように中空状態で他方の
収納室に収納されてもよい。また、上記ファクトリー・
プレワインドは、特公平7−56564号記載のように
暗室内において予めカートリッジあるいはパトローネか
ら写真フイルムを引き出してロール状に巻いておき、こ
のカートリッジあるいはパトローネ及びロール状の写真
フイルムをレンズ付きフイルムユニットに装填した後、
レンズ付きフイルムユニットの裏蓋を閉じて遮光するよ
うにしてもよく、あるいは、上記特公平2−32615
号記載のように、一方の収納室に写真フイルムの大部分
が収納された状態のカートリッジあるいはパトローネを
装填するとともに、他方の収納室に写真フイルムの先端
部を接続したカートリッジあるいはパトローネとは別の
スプールを装填し、裏蓋を閉じて遮光した後、当該別の
スプールをレンズ付きフイルムユニット外部から回転し
て当該スプールに巻き取るようにしてもよい。
【0220】レンズ付きフイルムユニットは、実公平4
−1546号、同7−20667号記載のように、撮影
毎に写真フイルムを巻き上げる動作でフイルムのパーフ
ォレーションに係合している従動スプロケットの駆動に
より、シャッタ羽根を蹴飛ばすシャッタ機構をチャージ
するとともにそれ以上の巻き上げを不能とするセルフコ
ッキング機構が有利に用いられる。チャージされたシャ
ッタ機構は、シャッタ釦の押圧操作によってチャージ位
置から開放され、シャッタ羽根を蹴飛ばして写真撮影の
ための露光が行われるとともに、再度の巻き上げを可能
とする。更に、レンズ付きフイルムユニットには、実公
平2−34688号、同6−41227号、特開平7−
122389号及び特公平6−12371号に記載のよ
うに、外部にストロボ充電のためのスイッチが設けられ
たストロボ基板を内蔵してもよく、この場合上記のシャ
ッタ羽根による撮影露光動作に連動してシンクロスイッ
チをオンすることによって撮影動作に連動してストロボ
発光を行うように構成すればよい。一方、レンズ付きフ
イルムユニットには、実公平4−1546号記載のよう
に、撮影枚数あるいは残数を表示するカウンタが設けら
れており、更にこのカウンタには最終駒撮影後の巻き上
げに対して、上記シャッタチャージ及び1駒毎の巻き止
めを解除する機構が設けられており、これによりその後
の巻き上げ操作により写真フイルムを最終巻き上げ位置
まで連続して巻き上げることができる。
【0221】このカラー撮影材料を用いてカラーペーパ
ーや熱現像感光材料にプリントを作製する方法として、
特開平5−241251号、同5−19364号、同5
−19363号記載の方法を用いることができる。ま
た、同8−53357号に記載の装置を用いて、このカ
ラー撮影材料を熱現像処理し、形成される画像を読み取
り、画像処理後デジタルプリンタあるいはプリンタプロ
セッサで出力することもできる。
【0222】
【実施例】以下実施例により本発明を具体的に説明する
が、本発明はこれらに限定されるものではない。 実施例1 (1)乳剤の調製 平板沃臭化銀乳剤1−A(比較乳剤) 酸化処理ゼラチン0.5g及びKBr0.37gを含む
水溶液1000ccにH2 SO4 を加えてpH=2に調
整し40℃に保ちながら攪拌し、0.3MのAgNO3
水溶液(A)20ccと0.3MのKBr水溶液(B)
20ccをダブルジェットで同時に40秒間添加した。
その後NaOHを加えてpHを5.0、KBr溶液を加
えてpAg9.9に調整して35分間で75℃まで昇温
し、酸化処理ゼラチン35gを添加した後、1.2Mの
AgNO3 水溶液(C)512ccと1.4MのKBr
水溶液(D)440ccをpAgを8.58に保って流
量を加速しながら(終了時の流量が開始時の5.2倍)
33分間添加した。その後、55℃に降温し0.4Mの
AgNO3 水溶液(E)104ccと0.12MのKI
水溶液(F)279ccを5分間定量で添加し、引き続
きKBr水溶液を添加してpAgを8.8に合わせた後
1.8MのAgNO3 水溶液(G)110ccと1.8
MのKBr水溶液(H)125ccを添加した。この
後、この乳剤を35℃に冷却し常法のフロキュレーショ
ン法で水洗しゼラチン75gとフェノキシエタノール1
0ccを加えpH=5.5、pAg=8.2に調整し
た。得られた乳剤中の粒子は平板粒子が全粒子の全投影
面積の99%を超える割合を占め、平均アスペクト比は
29で、平均球相当直径が0.65μmで、平均粒子厚
みが0.06μmで平均等価円相当直径が1.75μm
である六角形平板粒子であった。平均粒子厚み及び平均
等価円相当直径の値はレプリカ法による透過型電子顕微
鏡写真を撮影して求めた。以下の乳剤1−B〜1−Cに
ついても後述の点を除き平板沃臭化銀1−Aと同様に調
製、電顕写真撮影を行った。
【0223】平板沃臭化銀乳剤1−B(本発明の感光性
ハロゲン化銀乳剤) (D)液に黄血塩を鉄相当8×10-5モル/モル銀添加
した以外は、平板沃臭化銀乳剤1−Aと同様に調製し
た。
【0224】平板沃臭化銀乳剤1−C(本発明の感光性
ハロゲン化銀乳剤) (D)液に6塩化イリジウム(III) 酸カリウムをイリジ
ウム相当2×10-8モル/モル銀添加し、(H)液に黄
血塩を鉄相当8×10-5モル/モル銀添加した以外は平
板沃臭化銀乳剤1−Aと同様に調製した。
【0225】6塩化イリジウム(III) 酸カリウムおよび
黄血塩により乳剤粒子中に導入されるトラップの深さは
それぞれ0.4eVおよび0.03eVである。
【0226】(2)化学増感 平板沃臭化銀乳剤1−A〜1−Cについて60℃、pH
=6.2、pAg=8.4の条件で下記の緑感性乳剤用
増感色素I、IIおよびIII 、化合物I、チオシアン酸カ
リウム、塩化金酸およびチオ硫酸ナトリウム、セレン増
感剤を添加して分光増感および化学増感を施した。化学
増感の停止には、下記構造の化学増感停止剤を用いた。
化学増感剤の量は各々の乳剤の1/100秒露光の感度
が最高になるように調節した。乳剤1−Cについては、
水洗後のゼラチン再分散時に、乳剤に硝酸亜鉛を添加し
た。
【0227】
【化29】
【0228】
【化30】
【0229】(3)分散物及び塗布試料の作製、その評
価 塩基プレカーサーとして用いる水酸化亜鉛の分散物を調
製した。一次粒子の粒子サイズが0.2μm の水酸化亜
鉛の粉末31g、分散剤としてカルボキシメチルセルロ
ース1.6gおよびポリアクリル酸ソーダ0.4g、石
灰処理オセインゼラチン8.5g、水158.5mlを混
合し、この混合物をガラスビーズを用いたミルで1時間
分散した。分散後、ガラスビーズを濾別し、水酸化亜鉛
の分散物188gを得た。
【0230】さらに、マゼンタカプラーの乳化分散物を
調製した。マゼンタカプラー(a)7.80g、現像主
薬(b)5.45g、高沸点有機溶媒(d)8.21g
および酢酸エチル24.0mlを60℃で溶解した。石灰
処理ゼラチン12.0gおよびドデシルベンゼンスルホ
ン酸ナトリウム0.6gを溶解した水溶液150g中に
先の溶液を混合し、ディゾルバー撹拌機を用いて10,
000回転で20分間かけて乳化分散した。分散後、全
量が300gとなるように蒸留水を加え、2000回転
で10分間混合した。
【0231】
【化31】
【0232】
【化32】
【0233】これらの分散物と、乳剤1−A〜1−Cと
を組み合わせて表1の組成で支持体上に塗布し、試料1
01〜103の単層主薬内蔵系カラー写真感光材料を作
製した。
【0234】
【表1】
【0235】
【化33】 さらに、表2、表3のような処理材料P−1を作製し
た。
【0236】
【表2】
【0237】
【表3】
【0238】
【化34】
【0239】
【化35】
【0240】感光材料101〜103に、光学楔と緑フ
ィルターを介して1000luxで1/100秒の露光
を施した。露光後の感光材料の表面に40℃の温水を1
5ml/m2 付与し、処理材料P−1と互いの膜面同士
を重ね合わせた後、ヒートドラムを用いて80℃で17
秒間熱現像した。処理後感光材料を剥離するとマゼンタ
発色の楔形画像が得られた。これらの試料に対して、表
4に示す第二の処理材料P−2を用いて第二工程の処理
を施した。第二工程程の処理は、第二の処理材料P−2
に10ml/m2 の水を塗布し、第一の処理を施した後
の感光材料と貼り合わせ、60℃で30秒加熱した。こ
れらの発色試料の透過濃度を測定し、所謂特性曲線を得
た。被り濃度よりも0.15高い濃度に対応する露光量
の逆数をもって相対感度とし、試料101の値を100
とした相対値で表した。さらに、露光後温度60℃、相
対湿度30%で3日保存して、同様の処理を行った。露
光直後の感度、強制保存条件後の感度の増加ΔSを表5
にまとめた。
【0241】
【表4】
【0242】
【表5】
【0243】浅い電子トラップである金属イオン及び/
又は金属錯体イオンを含有した平板ハロゲン化銀乳剤、
あるいは浅い電子トラップである金属イオン及び/又は
金属錯体イオンと深い電子トラップである金属イオン及
び/又は金属錯体イオンとを併用した平板ハロゲン化銀
乳剤を含有し、内蔵した発色現像主薬により現像を行
う、本発明のカラー写真感光材料を用いることにより、
高感度かつ潜像安定性を付与することができ、特に経時
に伴う増感が抑えられることがわかる。
【0244】実施例2 エピタキシャル接合用超微粒子塩化銀乳剤2−(a)の
調製法を以下に示す。良く攪拌された表6に示す組成の
pH4のゼラチン水溶液に、表7に示す(I)液と(I
I)液を同時に3分間かけて添加し、その5分後、(III
)液と(IV)液を5分かけて同時に添加した。
【0245】
【表6】
【0246】
【表7】
【0247】常法により、水洗、脱塩(沈降剤(1)を
用い、硫酸でpH3に調整して行った)後、石灰処理ゼ
ラチン22gを加えてpH6.1、pAg7.1に調節
し、フェノキシエタノールを加えた。得られた乳剤の粒
子は、平均辺長0.06μmの塩化銀立方体乳剤であっ
た。また、この乳剤の収量は635gである。
【0248】エピタキシャル平板沃臭化銀乳剤2−A
(比較乳剤)の調製法を以下に示す。乳剤1−Aにおい
て、化学増感時の増感色素の添加10分後に、エピタキ
シャル接合用超微粒子塩化銀乳剤2−(a)を35g添
加し、その後に添加する塩化金酸、チオ硫酸ナトリウ
ム、セレン増感剤の量を変更して、1/100秒露光時
の感度が最高になるように調整した。
【0249】エピタキシャル平板沃臭化銀乳剤2−B
(本発明乳剤)の調製法を以下に示す。乳剤1−Bにお
いて、化学増感時の増感色素の添加10分後に、エピタ
キシャル接合用超微粒子塩化銀乳剤2−(a)を35g
添加し、その後に添加する塩化金酸、チオ硫酸ナトリウ
ム、セレン増感剤の量を変更して、1/100秒露光時
の感度が最高になるように調整した。
【0250】エピタキシャル平板沃臭化銀乳剤2−C
(本発明乳剤)の調製法を以下に示す。乳剤1−Bにお
いて、化学増感時の増感色素の添加10分後に、6塩化
イリジウム(III) 酸カリウムをイリジウム相当3.92
×10-7モル/モル銀含有している以外は、乳剤2−
(a)と同様であるところの塩化銀微粒子乳剤2−
(b)を35g添加し、その後に添加する塩化金酸、チ
オ硫酸ナトリウム、セレン増感剤の量を変更して、1/
100秒露光時の感度が最高になるように調整した。
【0251】エピタキシャル平板沃臭化銀乳剤2−D
(本発明乳剤)の調製法を以下に示す。乳剤1−Aにお
いて、化学増感時の増感色素の添加10分後に、黄血塩
を鉄相当1.5×10-3モル/モル銀含有している以外
は、乳剤2−(a)と同様であるところの塩化銀微粒子
乳剤2−(c)を35g添加し、その後に添加する塩化
金酸、チオ硫酸ナトリウム、セレン増感剤の量を変更し
て、1/100秒露光時の感度が最高になるように調整
した。
【0252】エピタキシャル平板沃臭化銀乳剤2−E
(本発明乳剤)の調製法を以下に示す。乳剤1−Aにお
いて、化学増感時の増感色素の添加10分後に、黄血塩
を鉄相当1.5×10-3モル/モル銀、6塩化イリジウ
ム(III) 酸カリウムをイリジウム相当3.92×10-7
モル/モル銀含有している以外は、乳剤2−aと同様で
あるところの塩化銀微粒子乳剤2−(d)を35g添加
し、その後に添加する塩化金酸、チオ硫酸ナトリウム、
セレン増感剤の量を変更して、1/100秒露光時の感
度が最高になるように調整した。
【0253】乳剤2−A〜2−Eは、六角平板粒子のコ
ーナーにエピタキシャル接合した粒子からなっており、
平均アスペクト比、平均粒子厚み、平均球相当直径は乳
剤1−Aとほぼ同等であった。実施例1において、乳剤
として2−A〜2−Eを用いた以外は実施例1における
試料101と同様にして、試料201〜205を作製し
た。
【0254】実施例1と同様にして、試料処理を行い、
露光し熱現像処理を行った。以上の結果を表8に示す。
【0255】
【表8】
【0256】表8に示すように、エピタキシャル平板粒
子においても、浅い電子トラップである金属イオン及び
/又は金属錯体イオンにより、塩基プレカーサーを内蔵
した感光材料において高感度かつ潜像安定性を付与する
ことができ、特に経時に伴う増感が抑えられることがわ
かる。
【0257】実施例3 平板塩臭化銀乳剤3−A(比較乳剤)の調製 メチオニン含率が約40μモル/gの脱イオンアルカリ
処理骨ゼラチン25gおよびNaCl1gと1規定硝酸
4.5mlを含む、pH4.3のゼラチン水溶液120
0mlを反応容器中に入れ、40℃に昇温した。この溶
液に強く攪拌しながらAgNO3 20gを含む水溶液1
00mlの(A)液とKBr0.71gとNaCl6.
67gを含む水溶液100mlの(B)液を、36ml
ずつ、45秒間で同時混合添加した。添加終了後3分間
撹拌したのち、KBr1.1gを含む水溶液100ml
の(C)液と(A)液を43.4mlずつ、30秒間で
同時混合した。その後3分間で、30℃に降温し、温度
を一定に保った後、(A)液と、NaCl7.02gを
含む水溶液100mlの(D)液を108mlずつ、2
分15秒間で同時混合添加した。その後1分間攪拌した
のち、10%NaCl溶液20ml、1規定NaOH水
溶液7mlを添加し、pH6.5、銀電位が飽和カロメ
ル電極に対し80mVとした後、過酸化水素水(35
%)を2ml添加した。その後、温度を75℃に昇温
し、5分間熟成した。臭化銀含有率が5モル%である以
外、乳剤2−(a)と同様であるところの乳剤3−
(a)1086gを銀電位140mVに保ちつつ45分
間添加した。温度を35℃に下げ、定法に従って脱塩を
行った。得られた乳剤は、球相当の直径で表した平均粒
子サイズが0.92μm、平均粒子厚みが0.128μ
m、平均アスペクト比が15.9の、臭化銀の含有率が
5モル%の塩臭化銀(100)平板粒子よりなる乳剤で
あった。以下の乳剤3−B〜3−Dについても同様であ
った。この乳剤3−Aの化学増感は、増感色素添加後、
KIは10-3モル/モル銀の割合で、リボ核酸分解物を
添加した以外は、乳剤1−Aと同様に、化学増感を施し
た。
【0258】平板塩臭化銀乳剤3−B(本発明で使用す
る感光性ハロゲン化銀乳剤) 下記以外は乳剤3−Aと同様に調製した。6塩化イリジ
ウム(III) 酸カリウムをイリジウム相当4×10-8モル
/モル銀、黄血塩を鉄相当2×10-4モル/モル銀含有
している以外は、乳剤3−(a)と同様であるところの
乳剤3−(b)を添加した。化学増感は、乳剤3−Aと
同様に行った。
【0259】エピタキシャル平板塩臭化銀乳剤3−C
(比較乳剤) 下記の化学増感以外は、乳剤3−Aと同様に行った。化
学増感時の増感色素の添加10分後に、KIは添加しな
いで、臭化銀含有率100モル%であること以外は、乳
剤2−(a)と同様であるところの乳剤3−(c)を、
35g添加して、塩化金酸、チオ硫酸ナトリウム、セレ
ン増感剤を添加した。
【0260】エピタキシャル平板塩臭化銀乳剤3−D
(本発明で使用する感光性ハロゲン化銀乳剤) 黄血塩を鉄相当2×10-4モル/モル銀含有している以
外は、乳剤3−(a)と同様であるところの乳剤3−
(d)を添加し、乳剤3−Dを調製した。6臭化イリジ
ウム(III) 酸カリウムをイリジウムにして、1.3×1
-6モル/モル銀含有する以外は、乳剤3−(c)と同
様であるところの乳剤3−(e)を35g添加した以外
は、乳剤3−Cと同様に化学増感した。乳剤3−C及び
3−Dは、矩形のコーナー部にエピタキシャルに接合し
た平板粒子からなる乳剤であった。
【0261】使用した乳剤を乳剤3−A〜3−Dに変更
した以外は実施例1の試料101と同様にして、試料3
01〜304を作製した。
【0262】75℃で10秒間熱現像した以外は、実施
例1と同様にして、試料処理を行い、露光し熱現像処理
を行った。以上の結果を表9に示す。なお、感度は試料
301を100とした。
【0263】
【表9】
【0264】表9に示すように、高塩化銀平板粒子乳剤
においても、塩基プレカーサー内蔵系では潜像増感を生
じていることがわかる。しかしながら、浅い電子トラッ
プを乳剤粒子中に導入することによって、高塩化銀乳剤
においても、高感度でありながら、塩基プレカーサー内
蔵系における潜像増感を極めて有効に抑えられることが
わかる。この効果は、エピタキシャル接合粒子乳剤にお
いても顕著である。
【0265】実施例4 比較乳剤4−Aの調製法を以下に示す。酸化処理ゼラチ
ン0.5g及びKBr0.37gを含む水溶液1000
ccにH2 SO4 を加えてpH=2に調整し40℃に保
ちながら攪拌し、0.3MのAgNO3 水溶液(A)5
0ccと0.3MのKBr水溶液(B)50ccをダブ
ルジェットで同時に40秒間添加した。その後NaOH
を加えてpHを5.0に調整して35分間で75℃まで
昇温し、酸化処理ゼラチン35gを添加した後、1.2
MのAgNO3 水溶液(C)505ccと1.4MのK
Br水溶液(D)437ccをpAgを8.58に保っ
て流量を加速しながら(終了時の流量が開始時の5.2
倍)33分間添加した。その後、55℃に降温し0.4
MのAgNO3 水溶液(E)104ccと0.12Mの
KI水溶液(F)279ccを5分間定量で添加し、引
き続きKBr水溶液を添加してpAgを8.8に合わせ
た後1.8MのAgNO3 水溶液(G)110ccと
1.8MのKBr水溶液(H)125ccを添加した。
この後、この乳剤を35℃に冷却し常法のフロキュレー
ション法で水洗しゼラチン75gを加えpH=5.5、
pAg=8.2に調整した。得られた乳剤中の粒子は、
平板粒子が全粒子の全投影面積の99%を超える割合を
占め、平均球相当直径は0.50μmで、平均粒子厚み
が0.07μm、等価円直径が1.06μmであった。
【0266】平板沃臭化銀乳剤4−B(本発明乳剤) 下記以外は乳剤4−Aと同様に調製した。(D)液に6
塩化イリジウム(III)酸カリウムをイリジウム相当3.
5×10-8モル/モル銀添加し、(H)液に黄血塩を鉄
相当8×10-5モル/モル銀添加した。
【0267】比較乳剤4−Cの調製法を示す。平均分子
量15000のゼラチン12.5g、KBr4.35g
およびKI0.32gを含む蒸留水950mlを反応容
器中に入れ、45℃に昇温した。この溶液に強く攪拌し
ながらAgNO3 8.3gを含む水溶液50ml(A)
とKBr2.67gを含む水溶液50ml(B)とを4
5秒間で添加した。4分間45℃に保った後、反応溶液
の温度を63℃に上昇させた。ゼラチン17.0gを蒸
留水130mlと共に加えた後、AgNO3 51.2g
を含む水溶液150ml(C)とKBrの24.8%水
溶液(D)とを添加流量を加速しながら、かつ反応液の
銀電位が飽和カロメル電極に対して0mVとなるように
13分間にわたって添加した。添加終了後2分間63℃
に保った後、反応液の温度を45℃に下降させた。次い
で、AgNO3 5.9gを含む水溶液50ml(E)と
KI5.82gを含む水溶液320ml(F)とを5分
間にわたって添加した。さらにAgNO3 104.3g
を含む水溶液350ml(G)とKBrの25%水溶液
(H)とを反応液の銀電位が飽和カロメル電極に対して
10mVとなるように45分間にわたって添加した。添
加終了後KBr1.4gおよびエチルチオスルホン酸ナ
トリウム4mgを加え、45℃で5分間保った後、温度
を下げ、定法に従って脱塩を行った。得られた乳剤は球
相当の直径で表した平均粒子サイズ0.37μm、平均
アスペクト比5.8の六角平板粒子であった。
【0268】平板沃臭化銀乳剤4−D (本発明乳剤) 下記以外は乳剤4−Aと同様に調製した。(D)液に6
塩化イリジウム(III)酸カリウムをイリジウム相当3.
5×10-8モル/モル銀添加し、(H)液に黄血塩を鉄
相当8×10-5モル/モル銀添加した。
【0269】これらの乳剤の化学増感は、乳剤1−Aと
同様にして行った。塩化金酸およびチオ硫酸ナトリウ
ム、セレン増感剤は、1/100秒露光で高感になるよ
うに添加量を調整した。分光増感色素と化学増感停止剤
は各乳剤の粒子表面積に比例させて変化させた。
【0270】乳剤1−A、1−C、4−A、4−B、4
−C、4−Dにおいて、増感色素を青感性乳剤用の増感
色素IVに変更して、1−A(b)、1−C(b)、4−
A(b)、4−B(b)、4−C(b)、4−D(b)
を調製した。
【0271】
【化36】
【0272】また、乳剤1−A、1−C、4−A、4−
B、4−C、4−Dにおいて、増感色素を赤感性乳剤用
の増感色素V、VIおよびVII に変更して、1−A
(r)、1−C(r)、4−A(r)、4−B(r)、
4−C(r)、4−D(r)を調製した。
【0273】
【化37】
【0274】また、実施例1のカプラー分散物の調製方
法に従ってシアンおよびイエローのカプラー分散物も調
製した。さらに、熱現像処理時に脱色可能な着色層を形
成する目的で下記のイエロー、マゼンタそしてシアンの
ロイコ色素と亜鉛錯体とを組合せて着色剤の分散物も調
製した。これらの化合物を以下に示す。
【0275】
【化38】
【0276】
【化39】
【0277】
【化40】
【0278】
【化41】
【0279】乳剤1−A、4−A、4−Cを、各々、緑
色感光性マゼンタ発色層の高感度乳剤層、中感度乳剤
層、低感度乳剤層に用い、乳剤1−A(r)、4−A
(r)、4−C(r)を、各々、赤色感光性シアン発色
層の高感度乳剤層、中感度乳剤層、低感度乳剤層に用
い、乳剤1−A(b)、4−A(b)、4−C(b)
を、各々、青色感光性イエロ−発色層の高感度乳剤層、
中感度乳剤層、低感度乳剤層に用いて、表10のよう
に、多層系の感光材料の試料401を作製した。
【0280】
【表10】
【0281】
【表11】
【0282】
【表12】
【0283】試料401において、乳剤を以下のよう
に、変更した以外は、試料401と同様にして感光材料
の試料402を構成した。乳剤1−C、4−B、4−D
を、各々、緑色感光性マゼンタ発色層の高感度乳剤層、
中感度乳剤層、低感度乳剤層に用い、乳剤1−C
(r)、4−B(r)、4−D(r)を、各々、赤色感
光性シアン発色層の高感度乳剤層、中感度乳剤層、低感
度乳剤層に用い、乳剤1−C(b)、4−B(b)、4
−D(b)を、各々、青色感光性イエロ−発色層の高感
度乳剤層、中感度乳剤層、低感度乳剤層に用いた。
【0284】これらの感光材料の写真特性を、露光時の
フィルターを除去した以外は、実施例1と同様に試験し
た。まず、各感光材料に光学楔を介して1000lux
で1/100秒の露光を施した。露光後の感光材料の表
面に40℃の温水を20ml/m2 付与し、処理材料P
−3と互いの膜面同士を重ね合わせた後、ヒートドラム
を用いて83℃で30秒間熱現像した。なお、処理材料
P−3は、ピコリン酸グアニジン量を4500mg/m
2 に変更した以外はP―1と同様の処理材料である。処
理後に剥離した感光材料に対して、第二処理材料P−2
を用いて第二工程の処理を施した。第二工程の処理は、
第二処理材料に15cc/m2 の水を塗布し、第一の処
理を施した後の感光材料と貼り合わせ、60℃で30秒
間加熱した。このようにして処理された感光材料の画像
を、青、緑、赤フィルターを用いてイエロ−、マゼン
タ、シアン発色の楔形画像の透過濃度を測定して特性曲
線を得て、実施例1と同様に被り濃度よりも0.15高
い濃度に対応する露光量の逆数をもって相対感度とし、
各々の感色性の感度について、試料401の値を100
とした相対値で表した。結果を表11にまとめた。
【0285】
【表13】
【0286】結果から実施例1と同様に、多層の感光材
料においても、高感度であり潜像安定性が向上するとい
う本発明の効果が認められた。
【0287】実施例5 感光材料401において、緑色、赤色、青色の各感光層
の中感度乳剤層、低感度乳剤層を除去し、かつ、緑色感
光性高感度乳剤層に乳剤3−Aを使用し、赤色感光性高
感度乳剤層に、乳剤3−Aにおいて赤感性乳剤用の増感
色素V、VIおよびVII を使用した以外は同様であるとこ
ろの乳剤3−A(r)を使用し、青色感光性高感度乳剤
層に、乳剤3−Aにおいて青感性乳剤用の増感色素IVを
使用した以外は同様であるところの乳剤3−A(b)を
使用して、多層構成の比較の感光材料の試料501を作
製した。乳剤3−Dにおいて赤感性乳剤用の増感色素を
使用した以外は同様であるところの乳剤3−D(r)、
乳剤3−Dにおいて青感性乳剤用の増感色素を使用した
以外は同様であるところの乳剤3−D(b)および乳剤
3−Dを用いた以外は、試料同様にして本発明の感光材
料の試料502を作製した。第二工程を省略し、第一処
理工程において、80℃17秒間で熱現像処理した以外
は、実施例4と同様の処理を行ったところ、実施例4と
同様、高感度であり潜像安定性が向上するという本発明
の効果が得られた。この系は、定着工程である第二工程
を実施しなくとも、ヘイズが少ないので、スキャナで画
像情報を読みとっても、画像情報が劣化しないので、簡
易迅速化に適している。
【0288】実施例6 実施例4で作製した重層塗布試料において、支持体を下
記に示す製法で作製した支持体に代え、カートリッジに
入れた試料を作製し、同様の試験を行ったが、同様に良
好な結果が得られ、浅い電子トラップを使用すること
で、塩基プレカーサー内蔵系において、高感度であり潜
像安定性が向上するという本発明の効果が確認された。
【0289】1)支持体 本実施例で用いた支持体は、下記の方法により作製し
た。ポリエチレン−2,6−ナフタレートポリマー 100
重量部と紫外線吸収剤としてTinuvin P.326(チバ・ガイ
ギーCiba-Geigy社製) 2重量部とを乾燥した後、 300℃
にて溶融後、T型ダイから押し出し、 140℃で3.3 倍の
縦延伸を行ない、続いて130 ℃で3.3 倍の横延伸を行
い、さらに250 ℃で6秒間熱固定して厚さ90μmのPEN
フイルムを得た。なおこのPEN フィルムにはブルー染
料,マゼンタ染料及びイエロー染料(公開技報: 公技番
号94-6023 号記載のI-1,I-4,I-6,I-24,I-26,I-27,II-5
)を適当量添加した。さらに、直径20cmのステンレス
巻き芯に巻付けて、110 ℃、48時間の熱履歴を与え、
巻き癖のつきにくい支持体とした。
【0290】2)下塗層の塗設 上記支持体は、その両面にコロナ放電処理、UV放電処
理、さらにグロー放電処理をした後、それぞれの面にゼ
ラチン0.1g/ m2 、ソジウムα−スルホジ−2−エチル
ヘキシルサクシネート0.01g/m2 、サリチル酸0.04g/m
2 、p−クロロフェノール0.2g/ m2 、(CH2 =CH
SO2 CH2 CH2 NHCO)2 CH2 0.012g/ m2
ポリアミド−エピクロルヒドリン重縮合物0.02g/m2
下塗液を塗布して(10cc/m2 、バーコーター使用) 、下
塗層を延伸時高温面側に設けた。乾燥は115 ℃、6分実
施した(乾燥ゾーンのローラーや搬送装置はすべて115
℃となっている)。
【0291】3)バック層の塗設 下塗後の上記支持体の片方の面にバック層として下記組
成の帯電防止層、透明磁気記録層さらに滑り層を塗設し
た。
【0292】3−1)帯電防止層の塗設 平均粒径0.005μmの酸化スズ−酸化アンチモン複
合物の比抵抗は5Ω・cmの微粒子粉末の分散物(2次凝
集粒子径 約0.08μm)を0.2g/m2 、ゼラチン
0.05g/m2 、(CH2 =CHSO2 CH2 CH2
HCO)2 CH 2 0.02g/m2 、ポリ(重合度10)
オキシエチレン−p−ノニルフェノール0.005g/m
2 及びレゾルシンと塗布した。
【0293】3−2)透明磁気記録層の塗設 3−ポリ(重合度15)オキシエチレン−プロピルオキ
シトリメトキシシラン(15重量%) で被覆処理された
コバルト−γ−酸化鉄 (比表面積43m2/g 、長軸0.14
μm、短軸0.03μm、飽和磁化89emu/g 、Fe+2/Fe +3
6/94、表面は酸化アルミ酸化珪素で酸化鉄の2重量%で
処理されている)0.06g/ m2 をジアセチルセルロース1.
2g/ m2(酸化鉄の分散はオープンニーダーとサンドミル
で実施した) 、硬化剤としてC2 5 C(CH2 CON
H−C6 3(CH3)NCO)3 0.3g/m2 を、溶媒と
してアセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノ
ン、ジブチルフタレートを用いてバーコーターで塗布
し、膜厚1.2 μmの磁気記録層を得た。滑り剤としてC
6 13CH(OH) C1020COOC408150mg/
2、マット剤としてシリカ粒子(1.0μm)と3−ポリ
(重合度15)オキシエチレン−プロピルオキシトリメト
キシシラン(15重量%)で処理被覆された研磨剤の酸化
アルミ(0.20μm および1.0 μm )をそれぞれ50mg/ m
2 および10mg/ m2 となるように添加した。乾燥は115
℃、6分実施した(乾燥ゾーンのローラーや搬送装置は
すべて115 ℃)。X−ライト(ブルーフィルター)での
磁気記録層のDBの色濃度増加分は約0.1 、また磁気記
録層の飽和磁化モーメントは4.2emu/g、保磁力7.3 ×10
4A/m、角形比は65%であった。
【0294】3−3)滑り層の調製 ヒドロキシエチルセルロース(25mg/m2)、C6 13CH
(OH)C1020COOC4081(6mg/m2 )、シリコ
ーン油BYK−310(ビックケミージャパン(株)
製、1.5mg/m2 )を塗布した。なお、この混合物は、キ
シレン/プロピレングリコールモノメチルエーテル(1/
1) 中で105 ℃で溶融し、常温のプロピレンモノメチル
エーテル(10倍量) に注加分散して作製した後、アセ
トン中で分散物(平均粒径0.01μm)にしてから添加し
た。乾燥は115 ℃、6分行った(乾燥ゾーンのローラー
や搬送装置はすべて115 ℃)。滑り層は、動摩擦係数0.
10(5mm φのステンレス硬球、荷重100g、スピード6cm/
分)、静摩擦係数0.09(クリップ法)、また前述の乳剤
面と滑り層の動摩擦係数も0.18と優れた特性であった。
【0295】
【発明の効果】本発明によれば、簡易、迅速でディスク
リミネーションの良い画像形成が可能であり、高感度か
つ潜像安定性の向上した撮影用のカラー写真感光材料及
びカラー画像形成方法を提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI G03C 7/407 G03C 7/407

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に感光性ハロゲン化銀乳剤、現
    像主薬、現像主薬の酸化体とのカップリング反応によっ
    て色素を形成する化合物、及びバインダーを含有してな
    る感光性層を少なくとも一層含む写真構成層を塗設した
    ハロゲン化銀カラー写真感光材料であって、支持体上に
    処理層を有する処理材料を、感光材料の露光後、感光材
    料と処理材料双方の全塗布膜を最大膨潤させるに要する
    量の0.1倍から1倍に相当する水を感光材料と処理材
    料との間に存在させた状態で、感光材料の感光性層面及
    び処理材料の処理層面を貼り合わせて加熱することによ
    り感光材料側に画像を形成させるハロゲン化銀カラー写
    真感光材料であって、難溶性金属化合物とこの難溶性金
    属化合物を構成する金属イオンと錯形成反応しpHを上
    昇させ得る錯形成化合物とを前記感光材料と処理材料に
    それぞれ一方を含有し、水及び現像主薬の存在下でそれ
    らを反応させることで画像を形成させるハロゲン化銀カ
    ラー写真感光材料において、該ハロゲン化銀乳剤が、深
    さが0.2eV以下の電子トラップである金属イオン及
    び金属錯体イオンから選択される少なくとも一種を含有
    し、平均アスペクト比が4〜100である平板状粒子を
    少なくとも一種含有することを特徴とするハロゲン化銀
    カラー写真感光材料。
  2. 【請求項2】 前記ハロゲン化銀乳剤が、深さが0.2
    eV以下の電子トラップである金属イオン及び金属錯体
    イオンから選択される少なくとも一種と、0.35eV
    以上の電子トラップである金属イオン及び金属錯体イオ
    ンから選択される少なくとも一種とを含有することを特
    徴とする請求項1に記載のハロゲン化銀カラー写真感光
    材料。
  3. 【請求項3】 難溶性金属化合物が、下記一般式(A)
    で表わされる化合物であることを特徴とする請求項1ま
    たは2に記載のハロゲン化銀カラー写真感光材料。 一般式(A) Tp Qq 一般式(A)において、Tは多価金属イオンを表わし、
    Qは水の中で錯形成化合物を構成するイオンの対イオン
    となることができ、かつ該対イオンとなった場合にアル
    カリ性を示すイオンを表わす。pとqは、それぞれ、T
    とQの各々の原子価が均衡を保てる整数を表わす。
  4. 【請求項4】 難溶性金属化合物が、亜鉛もしくはアル
    ミニウムの酸化物、水酸化物または塩基性炭酸塩である
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載
    のハロゲン化銀カラー写真感光材料。
  5. 【請求項5】 錯形成化合物が、下記一般式(B)で表
    される化合物であることを特徴とする請求項1乃至4の
    いずれか1項に記載のハロゲン化銀カラー写真感光材
    料。 一般式(B) 【化1】 一般式(B)において、R1 ,Z1 ,Z2 はそれぞれ水
    素原子、アリール基、ハロゲン原子、アルコキシ基、−
    CO2 M、ヒドロキシカルボニル基、アミノ基、アルキ
    ル基を表す。2つのR1 は同一であっても異なっていて
    もよく、Z1 とZ2 は結合してピリジン環に縮合する環
    を形成してもよい。Mはアルカリ金属、グアニジン、ア
    ミジン又は4級アンモニウムイオンのいずれかを表す。
  6. 【請求項6】 支持体上に感光性ハロゲン化銀乳剤、現
    像主薬、現像主薬の酸化体とのカップリング反応によっ
    て色素を形成する化合物、およびバインダーを含有して
    なる感光性層を少なくとも一層含む写真構成層を塗設し
    たハロゲン化銀カラー写真感光材料であって、感光材料
    の少なくとも一層の感光性層に、該ハロゲン化銀乳剤が
    深さが0.2eV以下の電子トラップである金属イオン
    及び金属錯体イオンから選択される少なくとも一種を含
    有し、平均アスペクト比が4〜100である平板状粒子
    を少なくとも一種含有する感光材料と、支持体上に処理
    層を有する処理材料において、難溶性金属化合物とこの
    難溶性金属化合物を構成する金属イオンと錯形成反応し
    pHを上昇させ得る化合物とを前記感光材料と処理材料
    にそれぞれ一方を含有し、感光材料の露光後、感光材料
    と処理材料双方の全塗布膜を最大膨潤させるに要する量
    の0.1倍から1倍に相当する水を感光材料と処理材料
    との間に存在させた状態で、感光材料の感光性層面及び
    処理材料の処理層面を貼り合わせて加熱処理してそれら
    を反応させることで感光材料側に画像を形成することを
    特徴とするカラー画像形成法。
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