JPH1138571A - 熱現像感光材料 - Google Patents

熱現像感光材料

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JPH1138571A
JPH1138571A JP20984597A JP20984597A JPH1138571A JP H1138571 A JPH1138571 A JP H1138571A JP 20984597 A JP20984597 A JP 20984597A JP 20984597 A JP20984597 A JP 20984597A JP H1138571 A JPH1138571 A JP H1138571A
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JP
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dye
compound
layer
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JP20984597A
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English (en)
Inventor
Hajime Nakagawa
肇 中川
Toshiki Taguchi
敏樹 田口
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 発色性に優れ、かつ簡易な熱現像処理による
撮影用感光材料、さらには鮮鋭性に優れた熱現像感光材
料を提供する。 【解決手段】 支持体上に、少なくとも感光性ハロゲン
化銀粒子、発色現像主薬、カプラーおよびバインダーを
含有する感光性層を少なくとも1層有する熱現像感光材
料において、前記発色現像主薬の少なくとも1種が下記
一般式(1)または(2)で表される化合物であり、か
つ前記カプラーの少なくとも1種が下記一般式(A)ま
たは(B)で表される化合物である。

Description

【発明の詳細な説明】
【発明の属する技術分野】本発明は新規な撮影用の感光
材料であって、熱現像によりカラー画像を得る新規な感
光材料に関する。さらに詳しくは、発色性および鮮鋭性
に優れた熱現像方式の感光材料に関する。
【0001】
【従来の技術】コンベンショナルカラー写真として知ら
れている方法において、いわゆるカラーネガでは、通
常、青色を記録してイエロー色素画像を形成する層、緑
色を記録してマゼンタ色素画像を形成する層、および赤
色を記録してシアン色素画像を形成する層を含み、現像
処理の際に潜像を含有するハロゲン化銀粒子を銀に還元
する過程で現像剤が酸化され、その酸化体とカプラーの
反応(カップリング)により色素画像を形成する。未現
像のハロゲン化銀および現像銀はそれに引き続く漂白定
着工程で除去され、選られたネガの色素画像を通してカ
ラーペーパーに露光を施し、同様の現像、漂白、定着工
程を経てカラープリントが得られる。また、上記のカラ
ーネガに含まれた画像情報を光電的に読み取った後、画
像処理を施して記録用の画像情報とし、この画像情報に
よって他のプリント材料にカラー画像を得る方法も知ら
れている。特に前記の画像情報をデジタル信号とし、そ
れに応じて変調した記録光によってカラーペーパー等の
感光材料を走査露光して仕上がりプリントするデジタル
フォトプリンターの開発が進んでおり、その例は特開平
7−15593号に記載されている。以上の方法は、通
常の湿式現像、漂白、定着を前提とするものであり、そ
のプロセスは繁雑である。
【0002】一方、ハロゲン化銀を用いた感光材料の処
理方法として、熱現像を用いた簡易迅速な方法が開発さ
れている。その例としては3M社製「ドライシルバ
ー」、富士写真フイルム(株)社製「ピクトログラフィ
ー」、「ピクトロスタット」といった商品が知られてい
る。また特開平9−10506号にはカプラーと発色現
像主薬を含む感光材料を用いて、熱現像により画像を得
る方法が記載されている。しかし該公報で用いられてい
る発色現像主薬は、いわゆる2当量カプラーとの反応性
が極めて低く、実質的に4当量カプラーとしか反応しな
かった。このためホルマリガンスによるカプラーの分解
性の問題があり、改良が望まれていた。
【0003】一方、色分離やシャープネスを改善する目
的でコロイド銀またはフィルター染料が使用されてき
た。しかし、コロイド銀はカブリ核となるためハロゲン
化銀乳剤層と隔離する必要があり、中間層などの増設に
よる膜厚の増大を伴い効果が半減する。またフィルター
染料は現像処理時に処理液中に溶出したり、脱色するも
のが用いられてきたが、処理液を使用しない熱現像感光
材料にそのまま適用すると、画像形成用色素とともに色
素固定材料に転写したり、脱色が不十分で画像を汚染す
る等の問題点があり改善が要望されていた。さらに感光
材料に微量の水を付与して熱現像を行うシステムにおい
ては、水溶性の染料を使用するとその染料が該水中に溶
出し汚染するため、水を繰り返し使用することが不可能
となり不都合を生じる。これらの問題を解決する方法と
して、特願平7−268,045号には、ロイコ色素と
顕色剤による発色体を現像処理時にアルカリで消色させ
る系が示されている。この系は消色性に優れたものであ
るが、多量の顕色剤を使用する必要があり、アルカリを
消費するので、カプラーと発色現像主薬の反応性を低下
させてしまう問題があることがわかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、発色
性に優れ、かつ簡易な熱現像処理による撮影用感光材料
を提供することであり、さらには鮮鋭性に優れた感光材
料を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的は、以下の本発
明により達成される。即ち本発明は、 (i) 支持体上に、少なくとも感光性ハロゲン化銀粒
子、発色現像主薬、カプラーおよびバインダーを含有す
る感光性層を少なくとも1層有する熱現像感光材料にお
いて、前記発色現像主薬の少なくとも1種が下記一般式
(1)または(2)で表される化合物であり、かつ前記
カプラーの少なくとも1種が下記一般式(A)または
(B)で表される化合物であることを特徴とする熱現像
感光材料である。
【0006】
【化5】
【0007】(式中、R1 〜R4 は、水素原子又は置換
基を表す。Aは、水酸基又は置換アミノ基を表す。X
は、−CO−、−SO−、−SO2 −及び−PO<から
選択される2価以上の連結基を表す。Yは2価の連結基
を表す。Zは求核性基であって、本化合物が酸化された
際に、Xを攻撃可能な基を表す。R1 とR2 とは、互い
に結合して環を形成していてもよい。R3 とR4 とは、
互いに結合して環を形成していてもよい。)
【0008】
【化6】
【0009】(式中、R1 〜R4 は、水素原子又は置換
基を表す。Aは、水酸基又は置換アミノ基を表す。X
は、−CO−、−SO−、−SO2 −及び−PO<から
選択される2価以上の連結基を表す。Yk 及びZk は、
窒素原子又は−CR5 =(R5は、水素原子又は置換基
を表す。)で表される基を表す。kは、0以上の整数を
表す。Pは、プロトン解離性基又はカチオンとなり得る
基を表し、該一般式(2)で表される化合物とハロゲン
化銀との酸化還元反応により生じた酸化体がカプラーと
カップリングした後、Pからの電子移動を引き金とす
る、N−X結合の切断及びカプラーのカップリング部位
に結合した置換基の脱離により色素を形成する機能を有
する。R1 とR2 とは、互いに結合して環を形成してい
てもよい。R3 とR4 とは、互いに結合して環を形成し
ていてもよく、Yk 、Zk 及びPから選択される少なく
とも2種の原子又は置換基は、互いに結合して環を形成
していてもよい。)
【0010】
【化7】
【0011】(式中、Zは、C−Nと共にヘテロ原子が
窒素原子であるアゾール環を形成するのに必要な非金属
原子群を表し、該アゾール環は、置換基(縮合環を含
む)を有していてもよい。R1 およびR2 はそれぞれハ
メットの置換基定数σρ値が0.30以上の電子吸引性
基を表す。Xは水素原子または発色現像主薬の酸化体と
カップリング反応して離脱する基を表す。)
【0012】
【化8】
【0013】(式中、R1 は水素原子または置換基を表
し、Zは、C−Nと共に窒素原子を2〜4個含む5員の
アゾール環を形成するのに必要な非金属原子群を表し、
該アゾール環は、置換基(縮合環を含む)を有していて
もよい。Xは水素原子または発色現像主薬の酸化体との
カップリング反応により離脱可能にする基を表す。)
【0014】(ii) 一般式(1)または(2)中のAが
水酸基であることを特徴とする(i)に記載の熱現像感
光材料である。
【0015】(iii)さらに、現像処理時に消色剤との反
応により消色する耐拡散性染料を含有することを特徴と
する(i)または(ii)に記載の熱現像感光材料であ
る。
【0016】(iv) 耐拡散性染料が、下記一般式(I)
〜(IV)で表されるものであることを特徴とする
(i)〜(iii) のいずれかに記載の熱現像感光材料であ
る。 一般式(I) A51 = L51 −(L52 = L53)m51
Q51 一般式(II) A51 = L51 −(L52 = L53)n51
A52 一般式(III) A51 (= L51 − L52 )p51 = B51 一般式(IV) (NC)2 C=C(CN)−Q51 (式中、=は二重結合を、−は単結合を表す。A51、
A52はそれぞれ酸性核を表し、B51は塩基性核を表
す。Q51はアリール基または複素環基を表す。L5
1、L52、L53はそれぞれメチン基を表す。m51
は0、1、2を表す。n51、p51はそれぞれ0、
1、2、3を表す。L51、L52またはL53が、そ
れぞれ分子内に複数存在する場合、それらは同じであっ
ても異なっていてもよい。但し、一般式(I)〜(I
V)で表される化合物はカルボキシル基および/または
スルホ基を有することはなく、また一般式(I)〜(I
V)で表される化合物は耐拡散性基を有しており、かつ
現像処理(消色)後の生成物も耐拡散的であり、感光材
料から実質的に溶出しないものである。さらに一般式
(I)〜(IV)で表される化合物は、現像処理時に酸
化還元反応を起こし、それに続いて結合の切断を起こ
し、複数の分子に分裂するような基を持たない。)
【0017】本発明の熱現像感光材料(以下、単に「感
光材料」という場合がある)は、熱現像によって画像を
得るものである。即ち、感光材料を像様露光後、塗布膜
の最大膨潤に要する水の0.1〜1倍に相当する水の存
在下で、感光部材と処理部材を感光性層と処理性層が向
かい合う形で重ね合せ、これを加熱することで画像を形
成させる感光材料である。本発明は、上記特定の発色現
像主薬(以下、単に「現像主薬」という場合がある)お
よびカプラーを用いることにより、発色性に優れた感光
材料を提供することができ、さらには特定の染料を用い
ることにより鮮鋭性に優れた感光材料を提供することが
できるものである。
【0018】
【発明の実施の形態】前記一般式(1)で表される化合
物について以下に詳述する。前記一般式(1)で表され
る化合物は、アミノフェノール誘導体及びフェニレンジ
アミン誘導体に分類される現像主薬である。以下、前記
「一般式(1)で表される化合物」を「一般式(1)で
表される現像主薬」と称することがある。
【0019】前記一般式(1)中、R1 〜R4 は、水素
原子又は置換基を表すが、該置換基としては、例えばハ
ロゲン原子(例えばクロル基、ブロム基)、アルキル基
(例えばメチル基、エチル基、イソプロピル基、n−ブ
チル基、t−ブチル基)、アリール基(例えばフェニル
基、トリル基、キシリル基)、カルボンアミド基(例え
ばアセチルアミノ基、プロピオニルアミノ基、ブチロイ
ルアミノ基、ベンゾイルアミノ基)、スルホンアミド基
(例えばメタンスルホニルアミノ基、エタンスルホニル
アミノ基、ベンゼンスルホニルアミノ基、トルエンスル
ホニルアミノ基)、アルコキシ基(例えばメトキシ基、
エトキシ基)、アリールオキシ基(例えばフェノキシ
基)、アルキルチオ基(例えばメチルチオ基、エチルチ
オ基、ブチルチオ基)、アリールチオ基(例えばフェニ
ルチオ基、トリルチオ基)、カルバモイル基(例えばメ
チルカルバモイル基、ジメチルカルバモイル基、エチル
カルバモイル基、ジエチルカルバモイル基、ジブチルカ
ルバモイル基、ピペリジノカルバモイル基、モルホリノ
カルバモイル基、フェニルカルバモイル基、メチルフェ
ニルカルバモイル基、エチルフェニルカルバモイル基、
ベンジルフェニルカルバモイル基)、スルファモイル基
(例えばメチルスルファモイル基、ジメチルスルファモ
イル基、エチルスルファモイル基、ジエチルスルファモ
イル基、ジブチルスルファモイル基、ピペリジノスルフ
ァモイル基、モルホリノスルファモイル基、フェニルス
ルファモイル基、メチルフェニルスルファモイル基、エ
チルフェニルスルファモイル基、ベンジルフェニルスル
ファモイル基)、シアノ基、スルホニル基(例えばメタ
ンスルホニル基、エタンスルホニル基、フェニルスルホ
ニル基、4−クロロフェニルスルホニル基、p−トルエ
ンスルホニル基)、アルコキシカルボニル基(例えばメ
トキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、ブトキシ
カルボニル基)、アリールオキシカルボニル基(例えば
フェノキシカルボニル基)、アシル基(例えばアセチル
基、プロピオニル基、ブチロイル基、ベンゾイル基、ア
ルキルベンゾイル基)、ウレイド基(例えばメチルアミ
ノカルボンアミド基、ジエチルアミノカルボンアミド
基)、ウレタン基(例えばメトキシカルボンアミド基、
ブトキシカルボンアミド基)、又は、アシルオキシ基
(例えばアセチルオキシ基、プロピオニルオキシ基、ブ
チロイルオキシ基)等である。R1 〜R4 の中で、R2
及び/又はR4 は、好ましくは水素原子である。また、
Aが水酸基の場合、R1 〜R4 のハメット定数σp値の
合計は0以上となることが好ましく、Aが置換アミノ基
の場合はR1 〜R4 のハメット定数σp値の合計は0以
下となることが好ましい。
【0020】Aは、水酸基又は置換アミノ基(例えばジ
メチルアミノ基、ジエチルアミノ基、エチルヒドロキシ
エチルアミノ基)を表し、銀現像活性の観点より水酸基
が好ましい。Xは、−CO−、−SO−、−SO2 −、
及び−PO<から選択される2価以上の連結基を表す。
Zは、求核性基を表し、該一般式(1)で表される化合
物がハロゲン化銀を還元した後生じる酸化体がカプラー
とカップリングした後、該求核性基がXの炭素原子、硫
黄原子又はリン原子を求核攻撃することにより、色素を
形成する機能を有する基を表す。該求核性基において、
求核性を発現するのは、有機化学の分野で一般的なよう
に、非共有電子対を有する原子(例えば窒素原子、リン
原子、酸素原子、硫黄原子、セレン原子等)及びアニオ
ン種(例えば窒素アニオン、酸素アニオン、炭素アニオ
ン、硫黄アニオン)である。該求核性基の例としては、
下記具体例に挙げられる部分構造又はその解離体を有す
る基が挙げられる。
【0021】
【化9】
【0022】Yは、2価の連結基を表す。前記連結基と
は、Yを介してXに都合よく分子内求核攻撃し得るよう
な位置にZを連結する基を表す。実際には、求核性基が
Xを求核攻撃する際の遷移状態が、原子の数で5〜6員
環を構成し得るように原子が連結されていることが好ま
しい。Yとして好ましいものは、例えば、1,2−又は
1,3−アルキレン基、1,2−シクロアルキレン基、
Z−ビニレン基、1,2−アリーレン基、1,8−ナフ
チレン基などが挙げられる。
【0023】R1 とR2 とは、互いに結合して環を形成
していてもよい。R3 とR4 とは、互いに結合して環を
形成していてもよい。
【0024】前記一般式(1)で表される現像主薬のハ
ロゲン化銀写真感光材料への添加方法としては、まず、
カプラー、現像主薬及び高沸点有機溶媒(例えばリン酸
アルキルエステル、フタル酸アルキルエステル等)を混
合して低沸点有機溶媒(例えば酢酸エチル、メチルエチ
ルケトン等)に溶解し、当該分野で公知の乳化分散法を
用いて水に分散の後、添加することができる。また、特
開昭63−271339号に記載の固体分散法による添
加も可能である。
【0025】前記一般式(1)で表される化合物は、上
記の添加方法の中で、乳化分散法により添加する場合、
油溶性の化合物であることが好ましい。この目的のため
には、バラスト性を有する基が少なくとも1つ含まれて
いることが好ましい。ここでいうバラスト基とは、油溶
化基を表し、炭素数が通常8〜80であり、好ましくは
10〜40である油溶性部分構造を含む基である。この
ため、R1 〜R4 、X、Y、Zのいずれかの中に、炭素
数8以上のバラスト基が置換していることが好ましい。
特に、拡散転写型のカラー感光材料に該一般式(1)で
表される化合物を使用する場合、Y及びZのいずれかに
バラスト基が置換していることが好ましい。前記バラス
ト基の炭素数としては、8〜80が好ましく、8〜20
がより好ましい。
【0026】前記一般式(1)で表される現像主薬の添
加量は、広い範囲を持つが、0.001〜1000mm
ol/m2 が好ましく、0.01〜50mmol/m2
がより好ましい。
【0027】前記一般式(1)で表される現像主薬は、
適宜公知の有機合成反応を段階的に組み合わせることに
よって合成することができるが、以下に前記一般式
(1)で表される現像主薬の合成の具体例について示
す。なお、この明細書においては、前記一般式(1)で
表される現像主薬を「現像主薬D−No」で表すことが
あり、前記「No」は該現像主薬を区別するためのナン
バーを意味している。
【0028】−現像主薬D−1の合成− 以下に示す合成ルート(Scheme-1)により現像主薬D−
1(化学構造式は後記)を合成した。具体的には以下の
通りである。
【0029】
【化10】
【0030】1)化合物Aの合成 コンデンサーと温度計とを取り付けた2Lの3ッ口フラ
スコに、アセトニトリル600ml及び2,6−ジクロル
−4−アミノフェノール178g(1モル)を仕込み、
メタノール−氷浴上で攪拌しながら0℃以下に保った。
ここに、窒素気流を通じながら、ピリジン81ml(1モ
ル)を加えると溶液が均一になり発熱した。温度を5℃
以下まで下げた状態で、o−スルホ安息香酸無水物18
4g(1モル)をN,N−ジメチルアセトアミド(DM
Ac)250mlに溶解したものを、フラスコ内の温度が
35℃を越えないように注意しながら加えた。添加終了
後、室温でさらに1時間攪拌、反応させた後、ここにオ
キシ塩化リン200g(1.3モル)を滴下した。滴下
により発熱し、内温が60℃以下程度まで上昇した。湯
浴により、温度を60〜70℃に保ち、撹拌しながら更
に5時間反応させた。反応終了後、この反応混合物をの
氷水10Lに投入し、析出した結晶を濾別した。この粗
結晶をアセトニトリル−DMAcの混合溶媒から再結晶
することにより、化合物Aの結晶300gを得た(収率
87%)。
【0031】2)化合物Aから現像主薬D−1の合成 コンデンサーと温度計とを取り付けた1Lの3ッ口フラ
スコに、化合物A172g(0.5モル)、DMAc6
00ml、トリエチルアミン140ml(1モル)、及びラ
ウリルオキシプロピルアミン122g(0.5モル)を
仕込み、内温を70℃に保ち、撹拌しながら3時間反応
させた。反応終了後、この反応混合物を氷塩酸水10L
に投入し、析出した結晶を濾別した。この粗結晶をエタ
ノールから再結晶することにより、現像主薬D−1の結
晶265gを得た(収率90%)。
【0032】−現像主薬D−7の合成− 以下に示す合成ルート(Scheme-2)により現像主薬D−
7(化学構造式は後記)を合成した。具体的には以下の
通りである。
【0033】
【化11】
【0034】1)化合物Bから化合物Cの合成 1Lのナスフラスコに、マグネティックスターラー用回
転子、化合物B228g(1モル)及びジ−n−ブチル
アミン155g(1.2モル)を仕込み、ガス導入管を
取付け、耐圧ゴム管を通じてアスピレーターに接続し
た。水流により減圧に保ちながらマグネティックスター
ラーを用いて攪拌し、120℃まで昇温すると、アスピ
レーターのガラス部分にフェノールの結晶が析出してき
た。このまま4時間反応させ、フェノールの結晶が析出
しなくなったら室温に戻した。この反応混合物を塩酸水
3Lに投入し、析出した結晶を濾別した。この粗結晶を
メタノール1Lから再結晶することにより、化合物Cの
結晶242gを得た(収率92%)。
【0035】2)化合物Cから化合物Dの合成 5Lのビーカーに、化合物C66g(0.25モル)を
仕込み、メタノール100ml、炭酸カリウム250g
(1.8モル)及び水500mlを加えて完全に溶解させ
た。この溶液を0℃以下に保ち攪拌しておいた。一方、
スルファニル酸65g(0.375モル)及び水酸化ナ
トリウム16.5gを水130mlに溶解した液に完全に
溶かした。ここに濃塩酸90mlを加えてスラリー状の溶
液を調製した。この調製した液を0℃以下に保ちながら
強く攪拌し、ここに亜硝酸ナトリウム27.5g(0.
4モル)を水50mlに溶かした液を徐々に加え、ジアゾ
ニウム塩を生成させた。この時、温度を0℃以下に保つ
ように、適宜氷を加えながら反応させた。こうして得ら
れたジアゾニウム塩を、先程より攪拌している化合物B
の溶液に徐々に加えた。この際も、温度を0℃以下に保
つように、適宜氷を加えながら反応させた。添加するに
つれ、溶液はアゾ色素の赤色を呈するようになった。添
加終了後、更に0℃以下で30分間反応させ、原料の消
失を確認したら、ここにハイドロサルファイトナトリウ
ム500g(3モル)を粉のまま加えた。この溶液を5
0℃まで加温すると激しく発泡しながらアゾ基の還元が
起こった。発泡が止まり、液が脱色し、黄色みを帯びた
透明の液になったら、この溶液を10℃まで冷却すると
結晶が析出した。この析出した結晶を濾別し、この粗結
晶をメタノール300mlから再結晶することにより、化
合物Dの結晶56gを得た(収率80%)。
【0036】3)化合物Dから化合物Eの合成 コンデンサーを取り付けた1Lの3ッ口フラスコに、ア
セトニトリル200ml、化合物D56g(0.2モ
ル)及びピリジン16ml(0.2モル)を仕込み、こ
こにo−ニトロベンゼンスルホニルクロライド44g
(0.2モル)を30分かけて加えた。添加終了後、更
に室温で2時間撹拌しながら反応を終結させた。この反
応混合物を塩酸水3Lに投入し、析出した結晶を濾別し
た。この粗結晶をメタノールから再結晶することによ
り、化合物Eの結晶86gを得た(収率93%)。
【0037】4)化合物Eから化合物Fの合成 コンデンサーを取り付けた3Lの3ッ口フラスコに、イ
ソプロパノール1l、水100ml、塩化アンモニウム
10g及び還元鉄粉末100gを仕込み、撹拌しながら
水蒸気浴上でイソプロパノールが緩やかに還流するまで
加熱した。還流条件下、15分ほど撹拌を続けた。ここ
に化合物E100gを30分かけて徐々に加えた。添加
する度に激しく還流が起こり、還元反応が進行した。添
加終了後、更に還流させながら1時間反応させた。この
反応混合液を、熱時セライトを敷いたヌッチェで濾過
し、残査を更にメタノールで洗浄してこれも濾過し、濾
液に加えた。濾液を300ccほどにまで減圧下濃縮す
ると結晶が析出するので、この濾液を冷却し、結晶を成
長させた。この結晶を濾過し、メタノールで洗浄後乾燥
することにより、化合物Fの結晶80gを得た(収率8
5%)。
【0038】5)化合物Fから現像主薬D−7の合成 コンデンサーと温度計とを取り付けた1Lの3ッ口フラ
スコに、テトラヒドロフラン300ml及び化合物F8
7g(0.2モル)を仕込み、室温条件下で攪拌した。
ここにオクタデシルイソシアネート59.1g(0.2
モル)を滴下した。この時、温度が30℃を越えないよ
うに調節した。滴下後、2時間攪拌した後、反応混合物
を5Lの氷水に加えた。結晶が析出したらこれを濾別
し、イソプロパノール600mlを用いて再結晶するこ
とにより、現像主薬D−7の結晶139gを得た(収率
95%)。
【0039】以下に、一般式(1)で表される化合物の
具体例(現像主薬D−1〜D−38)を示すが、本発明
はこれらの具体例によって何ら限定されるものではな
い。
【0040】
【化12】
【0041】
【化13】
【0042】
【化14】
【0043】
【化15】
【0044】
【化16】
【0045】
【化17】
【0046】
【化18】
【0047】
【化19】
【0048】次に、前記一般式(2)で表される化合物
について以下に詳述する。前記一般式(2)で表される
化合物は、アミノフェノール誘導体及びフェニレンジア
ミン誘導体に分類される現像主薬である。以下、前記
「一般式(2)で表される化合物」を「一般式(2)で
表される現像主薬」と称することがある。前記一般式
(2)中、R1 〜R4 は、水素原子又は置換基を表す
が、該置換基としては、例えばハロゲン原子(例えばク
ロル基、ブロム基)、アルキル基(例えばメチル基、エ
チル基、イソプロピル基、n−ブチル基、t−ブチル
基)、アリール基(例えばフェニル基、トリル基、キシ
リル基)、カルボンアミド基(例えばアセチルアミノ
基、プロピオニルアミノ基、ブチロイルアミノ基、ベン
ゾイルアミノ基)、スルホンアミド基(例えばメタンス
ルホニルアミノ基、エタンスルホニルアミノ基、ベンゼ
ンスルホニルアミノ基、トルエンスルホニルアミノ
基)、アルコキシ基(例えばメトキシ基、エトキシ
基)、アリールオキシ基(例えばフェノキシ基)、アル
キルチオ基(例えばメチルチオ基、エチルチオ基、ブチ
ルチオ基)、アリールチオ基(例えばフェニルチオ基、
トリルチオ基)、
【0049】カルバモイル基(例えばメチルカルバモイ
ル基、ジメチルカルバモイル基、エチルカルバモイル
基、ジエチルカルバモイル基、ジブチルカルバモイル
基、ピペリジノカルバモイル基、モルホリノカルバモイ
ル基、フェニルカルバモイル基、メチルフェニルカルバ
モイル基、エチルフェニルカルバモイル基、ベンジルフ
ェニルカルバモイル基)、スルファモイル基(例えばメ
チルスルファモイル基、ジメチルスルファモイル基、エ
チルスルファモイル基、ジエチルスルファモイル基、ジ
ブチルスルファモイル基、ピペリジノスルファモイル
基、モルホリノスルファモイル基、フェニルスルファモ
イル基、メチルフェニルスルファモイル基、エチルフェ
ニルスルファモイル基、ベンジルフェニルスルファモイ
ル基)、シアノ基、スルホニル基(例えばメタンスルホ
ニル基、エタンスルホニル基、フェニルスルホニル基、
4−クロロフェニルスルホニル基、p−トルエンスルホ
ニル基)、アルコキシカルボニル基(例えばメトキシカ
ルボニル基、エトキシカルボニル基、ブトキシカルボニ
ル基)、アリールオキシカルボニル基(例えばフェノキ
シカルボニル基)、アシル基(例えばアセチル基、プロ
ピオニル基、ブチロイル基、ベンゾイル基、アルキルベ
ンゾイル基)、ウレイド基(例えばメチルアミノカルボ
ンアミド基、ジエチルアミノカルボンアミド基)、ウレ
タン基(例えばメトキシカルボンアミド基、ブトキシカ
ルボンアミド基)、又は、アシルオキシ基(例えばアセ
チルオキシ基、プロピオニルオキシ基、ブチロイルオキ
シ基)等である。
【0050】R1 〜R4 の中で、R2 及び/又はR
4 は、好ましくは水素原子である。また、Aが水酸基の
場合、R1 〜R4 のハメット定数σp値の合計は0以上
となることが好ましく、Aが置換アミノ基の場合はR1
〜R4 のハメット定数σp値の合計は0以下となること
が好ましい。
【0051】Aは、水酸基又は置換アミノ基(例えばジ
メチルアミノ基、ジエチルアミノ基、エチルヒドロキシ
エチルアミノ基)を表し、銀現像活性の観点より水酸基
が好ましい。Xは、−CO−、−SO−、−SO2 −、
及び−PO<から選択される2価以上の連結基を表す。
k 及びZk は、窒素原子又は−CR5 =(R5 は、水
素原子又は置換基を表す。)で表される基を表す。ここ
でR5 としては、前記R1 〜R4 の置換基として例示し
たものが挙げられる。kは、0以上の整数を表し、0、
1及び3が好ましく、0及び1のいずれかであるのがよ
り好ましく、0が特に好ましい。
【0052】Pは、プロトン解離性基又はカチオンとな
り得る基を表し、一般式(2)で表される化合物とハロ
ゲン化銀との酸化還元反応により生じた酸化体が、カプ
ラーとカップリングした後、Pからの電子移動を引き金
とする、N−X結合の切断及びカプラーのカップリング
部位に結合した置換基の脱離により色素を形成する機能
を有する。具体的には、カップリング反応後、P上のプ
ロトン解離したアニオン又はカチオンとなり得る原子の
非共有電子対から、カップリング部位に向かって電子移
動が起こり、X、Y間(k=0の時はX、P間)に2重
結合を生じることによって、N−X結合の切断を生じせ
しめ、更にカプラーのカップリング部位とN原子の間に
2重結合が生じるのと同時にカプラー側の置換基がアニ
オンとして離脱する。この一連の電子移動機構によっ
て、色素の生成と置換基の離脱が起こる。このような機
能を有する原子としては、プロトン解離性原子として酸
素原子、硫黄原子、セレン原子及び電子吸引性基が置換
した窒素原子、炭素原子等が挙げられる。また、カチオ
ンになり得る原子としては窒素原子、硫黄原子等を挙げ
ることができる。
【0053】Pは、該一般式(2)で表される化合物に
結合した一群の置換基であり、該置換基としては、例え
ばアルキル基(例えばメチル基、エチル基、イソプロピ
ル基、n−ブチル基、t−ブチル基)、アリール基(例
えばフェニル基、トリル基、キシリル基)、カルボンア
ミド基(例えばアセチルアミノ基、プロピオニルアミノ
基、ブチロイルアミノ基、ベンゾイルアミノ基)、スル
ホンアミド基(例えばメタンスルホニルアミノ基、エタ
ンスルホニルアミノ基、ベンゼンスルホニルアミノ基、
トルエンスルホニルアミノ基)、アルコキシ基(例えば
メトキシ基、エトキシ基)、アリールオキシ基(例えば
フェノキシ基)、アルキルチオ基(例えばメチルチオ
基、エチルチオ基、ブチルチオ基)、アリールチオ基
(例えばフェニルチオ基、トリルチオ基)、カルバモイ
ル基(例えばメチルカルバモイル基、ジメチルカルバモ
イル基、エチルカルバモイル基、ジエチルカルバモイル
基、ジブチルカルバモイル基、ピペリジルカルバモイル
基、モルホリルカルバモイル基、フェニルカルバモイル
基、メチルフェニルカルバモイル基、エチルフェニルカ
ルバモイル基、ベンジルフェニルカルバモイル基)、ス
ルファモイル基(例えばメチルスルファモイル基、ジメ
チルスルファモイル基、エチルスルファモイル基、ジエ
チルスルファモイル基、ジブチルスルファモイル基、ピ
ペリジルスルファモイル基、モルホリルスルファモイル
基、フェニルスルファモイル基、メチルフェニルスルフ
ァモイル基、エチルフェニルスルファモイル基、ベンジ
ルフェニルスルファモイル基)、
【0054】シアノ基、スルホニル基(例えばメタンス
ルホニル基、エタンスルホニル基、フェニルスルホニル
基、4−クロロフェニルスルホニル基、p−トルエンス
ルホニル基)、アルコキシカルボニル基(例えばメトキ
シカルボニル基、エトキシカルボニル基、ブトキシカル
ボニル基)、アリールオキシカルボニル基(例えばフェ
ノキシカルボニル基)、アシル基(例えばアセチル基、
プロピオニル基、ブチロイル基、ベンゾイル基、アルキ
ルベンゾイル基)、又はアシルオキシ基(例えばアセチ
ルオキシ基、プロピオニルオキシ基、ブチロイルオキシ
基)、ウレイド基、ウレタン基等が挙げられる。これら
の中でも、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基が好ま
しい。
【0055】R1 とR2 とは、互いに結合して環を形成
していてもよい。R3 とR4 とは、互いに結合して環を
形成していてもよい。Yk 、Zk 及びPから選択される
少なくとも2種の原子又は置換基は、互いに結合して環
を形成してもいてもよい。
【0056】本発明において、前記一般式(1)で表さ
れる化合物は、油溶性の化合物であることが好ましい。
換言すると、前記一般式(2)で表される化合物は、バ
ラスト性を有する基が少なくとも1つ含まれていること
が好ましい。ここでいう、バラスト基とは、油溶化基を
表し、炭素数8〜80、好ましくは10〜40の油溶性
部分構造を含む基である。このため、R1 〜R4
k 、Zk 及びPの中に、炭素数8以上のバラスト基が
置換していることが好ましい。特に、拡散転写型のカラ
ー感光材料に該一般式(1)で表される化合物を使用す
る場合、Yk 、Zk及びPにバラスト基が置換している
ことが好ましい。前記バラスト基の炭素数としては、8
〜80が好ましく、8〜20がより好ましい。
【0057】前記一般式(2)で表される現像主薬のハ
ロゲン化銀写真感光材料への添加方法としては、まず、
カプラー、現像主薬及び高沸点有機溶媒(例えばリン酸
アルキルエステル、フタル酸アルキルエステル等)を混
合して低沸点有機溶媒(例えば酢酸エチル、メチルエチ
ルケトン等)に溶解し、当該分野で公知の乳化分散法を
用いて水に分散の後、添加することができる。また、特
開昭63−271339号に記載の固体分散法による添
加も可能である。
【0058】前記一般式(2)で表される現像主薬の添
加量は、広い範囲を持つが、カプラーに対して0.01
〜100モル倍が好ましく、0.1〜10モル倍がより
好ましい。
【0059】前記一般式(1)で表される現像主薬は、
適宜選択した公知の方法により合成することができる
が、以下に前記一般式(2)で表される現像主薬の合成
の具体例について示す。なお、この明細書においては、
前記一般式(2)で表される現像主薬を「現像主薬D−
No」で表すことがあり、前記「No」は該現像主薬を
区別するためのナンバーを意味している。
【0060】−現像主薬D−101の合成− 以下に示す合成ルート(Scheme-1)により現像主薬D−
101(化学構造式は後記)を合成した。具体的には以
下の通りである。
【0061】
【化20】
【0062】1)化合物Aの合成 コンデンサーと温度計とを取り付けた2Lの3ッ口フラ
スコに、n−ヘキサン300ml及びオキシ塩化リン7
6.5g(0.5モル)を仕込み、メタノール−氷浴上
で攪拌しながら−5℃以下に保つ。ここに、m−ペンタ
デシルフェノール152g(0.5モル)とトリエチル
アミン50.5g(0.5モル)とをn−ヘキサン60
0mlに溶かしたものを、反応液の温度が0℃を越えな
いようにしながら1時間かけて滴下する。添加終了後、
氷浴を外して室温で更に1時間攪拌し、反応させる。こ
の反応混合液をヌッチェによって濾過し、トリエチルア
ミン塩酸塩を除き、濾液を減圧濃縮することにより、化
合物Aを油状物として得た。
【0063】2)化合物Aから現像主薬D−101の合
成 コンデンサーと温度計とを取り付けた2Lの3ッ口フラ
スコに、アセトニトリル800ml及び2,6−ジクロ
ル−4−アミノフェノール178g(1モル)を仕込
み、窒素気流を通じながらピリジン81ml(1モル)
を加える。ここに室温条件下、油状の化合物Aをテトラ
ヒドロフラン400mlに溶かしたものを、1時間かけ
て滴下する。滴下終了後そのまま室温で、撹拌しながら
3時間反応させる。反応終了後、この反応混合物を氷塩
酸水10Lに投入し、析出した結晶を濾別する。この粗
結晶をエタノールから再結晶することにより、現像主薬
D−1の結晶535gを得た(トータル収率76%)。
【0064】−現像主薬D−107の合成− 以下に示す合成ルート(Scheme-2)により現像主薬D−
107(化学構造式は後記)を合成した。具体的には以
下の通りである。
【0065】
【化21】
【0066】1)化合物Bから化合物Cの合成 1Lのナスフラスコに、マグネティックスターラー用回
転子を入れ、化合物B228g(1モル)及びジ−n−
ブチルアミン155g(1.2モル)を仕込み、ガス導
入管を取付け、耐圧ゴム管を通じてアスピレーターに接
続する。水流により減圧に保ちながらマグネティックス
ターラーを用いて攪拌し、120℃まで昇温すると、ア
スピレーターのガラス部分にフェノールの結晶が析出し
てくる。このまま4時間反応させ、フェノールの結晶が
析出しなくなったら室温に戻す。この反応混合物を塩酸
水3Lに投入し、析出した結晶を濾別する。この粗結晶
をメタノール1Lから再結晶することにより、化合物C
の結晶242gを得た(収率92%)。
【0067】2)化合物Cから化合物Dの合成 5Lのビーカーに、化合物C66g(0.25モル)を
仕込み、メタノール100ml、炭酸カリウム250m
l(1.8モル)及び水500mlを加えて完全に溶解
させる。この溶液を0℃以下に保ち攪拌しておく。一
方、スルファニル酸65g(0.375モル)及び水酸
化ナトリウム16.5gを水130mlに溶解した液に
完全に溶かす。ここに濃塩酸90mlを加えてスラリー
状の溶液を調製する。この液を0℃以下に保ちながら強
く攪拌し、ここに亜硝酸ナトリウム27.5g(0.4
モル)を水50mlに溶かした液を徐々に加え、ジアゾ
ニウム塩を生成させる。この時、温度を0℃以下に保つ
ように、適宜氷を加えながら反応させる。こうして得ら
れたジアゾニウム塩を、先程より攪拌している化合物B
の溶液に徐々に加える。この際も温度が0℃以下に保持
されるように、適宜氷を加えながら反応させる。添加す
るにつれ、溶液はアゾ色素の赤色を呈するようになる。
添加終了後、更に0℃以下で30分間反応させ、原料の
消失を確認したら、ここにハイドロサルファイトナトリ
ウム500g(3モル)を粉のまま加える。この溶液を
50℃まで加温すると激しく発泡しながらアゾ基の還元
が起こる。発泡が止まり、液が脱色し、黄色みを帯びた
透明の液になったら、この溶液を10℃まで冷却すると
結晶が析出する。この析出した結晶を濾別し、この粗結
晶をメタノール300mlから再結晶することにより、
化合物Dの結晶56gを得た(収率80%)。
【0068】3)化合物Dから化合物Eの合成 コンデンサーを取り付けた1Lの3ッ口フラスコに、ア
セトニトリル200ml、化合物D56g(0.2モ
ル)及びピリジン16ml(0.2モル)を仕込み、こ
こにo−ニトロベンジルスルホニルクロライド47g
(0.2モル)を30分かけて加える。添加終了後、更
に室温で2時間撹拌しながら反応を終結させる。この反
応混合物を塩酸水3Lに投入し、析出した結晶を濾別す
る。この粗結晶をメタノールから再結晶することによ
り、化合物Eの結晶89gを得た(収率93%)。
【0069】4)化合物Eから化合物Fの合成 コンデンサーを取り付けた3Lの3ッ口フラスコに、イ
ソプロパノール1、水100ml、塩化アンモニウム1
0g及び還元鉄粉末100gを仕込み、撹拌しながら水
蒸気浴上でイソプロパノールが緩やかに還流するまで加
熱する。還流条件下、15分ほど撹拌を続ける。ここに
化合物E100gを30分かけて徐々に加える。添加す
るたびに激しく還流が起こり、還元反応が進行する。添
加終了後、更に還流させながら1時間反応させる。この
反応混合液を、熱時セライトを敷いたヌッチェで濾過
し、残査を更にメタノールで洗浄してこれも濾過し、濾
液に加える。濾液を300ccほどにまで減圧下濃縮す
ると結晶が析出するので、この濾液を冷却し、結晶を成
長させる。この結晶を濾過し、メタノールで洗浄後乾燥
することにより、化合物Fの結晶80gを得た(収率8
6%)。
【0070】5)化合物Fから現像主薬D−107の合
成 コンデンサーと温度計とを取り付けた1Lの3ッ口フラ
スコに、アセトニトリル150ml、テトラヒドロフラ
ン150ml、化合物F89.5g(0.2モル)及び
ピリジン16ml(0.2モル)を仕込み、室温条件下
攪拌する。ここに2−ヘキシル−デカノイルクロライド
55g(0.2モル)を滴下する。この時温度が30℃
を越えないように調節する。滴下後、更に室温で2時間
攪拌した後、反応混合物を5Lの氷塩酸水に加える。結
晶が析出したらこれを濾別し、イソプロパノール600
mlを用いて再結晶することにより、現像主薬D−10
7の結晶131.5gを得た(収率91%)。
【0071】以下に、一般式(2)で表される化合物の
具体例(現像主薬D−101〜D−137)を示すが、
本発明はこれらの具体例によって何ら限定されるもので
はない。
【0072】
【化22】
【0073】
【化23】
【0074】
【化24】
【0075】
【化25】
【0076】
【化26】
【0077】
【化27】
【0078】
【化28】
【0079】
【化29】
【0080】次に、一般式(A)で表される化合物につ
いて説明する。
【0081】
【化30】
【0082】(式中、Zは、C−Nと共にヘテロ原子が
窒素原子であるアゾール環を形成するのに必要な非金属
原子群を表し、該アゾール環は、置換基(縮合環を含
む)を有していてもよい。R1 およびR2 はそれぞれハ
メットの置換基定数σρ値が0.30以上の電子吸引性
基を表す。Xは水素原子または発色現像主薬の酸化体と
カップリング反応して離脱する基を表す。) Zで形成されるアゾール環としては、下記のものが挙げ
られる。
【0083】
【化31】
【0084】式中、R6 、R7 およびR8 は水素原子ま
たは置換基を表す。Zが、C−Nと共に形成するアゾー
ル環としては前記のZ−2、Z−3が好ましく、特にZ
−2が好ましい。R1 およびR2 は、ハメットの置換定
数σρ値が0.30以上の電子吸引性基である。ハメッ
ト則はベンゼン誘導体の反応または平衡に及ぼす置換基
の影響を定量的に論ずるために1935年にL.P.H
ammettにより提唱された経験則であるが、これは
今日広く妥当性が認められている。ハメット則により求
められた置換基定数にはσp値とσm値があり、これら
の値は多くの一般的な成書に記載があるが、例えば、
J.A.Dean編「Lange’s Handboo
k of Chemistry」第12版、1979年
(McGraw−Hill)や「化学の領域増刊」、1
22号、96〜103項、1979年 (南江堂)に詳
しく記載されている。本発明において、R1 およびR2
はハメットの置換基定数σp値により規定されるが、こ
れらの成書に記載の文献既知の値がある置換基にのみ限
定されるという意味ではなく、その値が文献未知であっ
てもハメット則に基づいて測定した場合にその範囲内に
含まれる限り包含されることは勿論である。
【0085】R1 およびR2 をさらに詳しく述べると、
σp値が0.30以上の電子吸引性基としては、アシル
基(例えば、アセチル基、3−フェニルプロパノイル
基、ベンゾイル基、4−ドデシルオキシベンゾイル基
等)、カルバモイル基(例えば、カルバモイル基、N−
エチルカルバモイル基、N−フェニルカルバモイル基、
N,N−ジブチルカルバモイル基、N−(2−ドデシル
オキシエチル)カルバモイル基、N−(4−n−ペンタ
デカンアミド)フェニルカルバモイル基、N−メチル−
N−ドデシルカルバモイル基、N−{3−(2,4−ジ
−アルミフェノキシ)プロピル}カルバモイル基等)、
脂肪族オキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニ
ル基、エトキシカルボニル基、iso−プロピルオキシ
カルボニル基、tert−ブチルオキシカルボニル基、
iso−ブチルオキシカルボニル基、ブチルオキシカル
ボニル基、ドデシルオキシカルボニル基、オクタデシル
オキシカルボニル基等)、アリールオキシカルボニル基
(例えば、フェノキシカルボニル基等)シアノ基、ニト
ロ基、スルフィニル基(例えば、3−フェノキシプロピ
ルスルフィニル基、3−ペンタデシルフェニルスルフィ
ニル基等)、スルホニル基(例えば、メタンスルホニル
基、オクタンスルホニル基、ベンゼンスルホニル基、ト
ルエンスルホニル基等)、スルホニルオキシ基(例え
ば、メタンスルホニルオキシ基、トルエンスルホニルオ
キシ基等)、スルファモイル基(例えば、N−エチルス
ルファモイル基、N,N−ジプロピルスルファモイル
基、N−(2−ドデシルオキシエチル)スルファモイル
基、N−エチル−N−ドデシルスルファモイル基、N,
N−ジエチルスルファモイル基等)、少なくとも3つ以
上のフッ素原子で置換されたアルキル基(例えば、トリ
フロロメチル基、ヘプタフロロプロピル基等)、パーフ
ルオロアリール基(例えば、ペンタフルオロフェニル基
等)等を挙げることができる。
【0086】代表的なσp値が0.30以上の電子吸引
性基を挙げると、シアノ基(0.66)、ニトロ基
(0.78)、トリフルオロメチル基(0.54)、カ
ルボキシル基(0.45)、アセチル基(0.50)、
ベンゾイル基(0.43)、トリフルオロメタンスルホ
ニル基(0.92)、メタンスルホニル基(0.7
2)、ベンゼンスルホニル基(0.70)、メタンスル
フィニル基(0.49)、カルバモイル基(0.3
6)、メトキシカルボニル基(0.45)、エトキシカ
ルボニル基(0.45)、フェノキシカルボニル基
(0.44)、ピラリゾン基(0.37)、メタンスル
ホニルオキシ基(0.36)、ジメトキシホスホリル基
(0.60)、スルファモイル基(0.57)、ペンタ
フルオロフェニル基(0.41)等である。なお、カッ
コ内の数値はσp値を示す。
【0087】一般式(A)においては、R1 およびR2
はそれぞれシアノ基、アシル基、カルバモイル基、脂肪
族オキシカルボニル基またはアリールオキシカルボニル
基が好ましい。R1 はシアノ基であり、R2 が−CO2
または−R9 (R9 は脂肪族基またはアリール基を表
す。)で表される基であることがさらに好ましい。R9
としては、分岐アルキル基または環状アルキル基である
ことが特に好ましい。
【0088】R6 、R7 およびR8 は水素原子または置
換基を表す。置換基としてはアリール基(好ましくは炭
素数6〜30のアリール基、例えばフェニル基、m−ア
セチルアミノフェニル基、p−メトキシフェニル基
等)、アルキル基(好ましくは炭素数1〜30のアルキ
ル基、例えばメチル基、トリフルオロメチル基、エチル
基、イソプロピル基、ペンタフルオロプロピル基、t−
ブチル基、n−オクチル基、n−ドデシル基等)、シア
ノ基、ホルミル基、アシル基(好ましくは炭素数1〜3
0のアシル基、例えばアセチル基、ピバロイル基、ベン
ゾイル基、フロイル基、2−ピリジンカルボニル基
等)、カルバモイル基(好ましくは炭素数1〜30のカ
ルバモイル基、例えばメチルカルバモイル基、エチルカ
ルバモイル基、ジメチルカルバモイル基、n−オクチル
カルバモイル基等)、脂肪族オキシカルボニル基(好ま
しくは炭素数1〜30の脂肪族オキシカルボニル基、例
えばメトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、イ
ソプロポキシカルボニル基、ジフェニルメトキシカルボ
ニル基等)、アリールオキシカルボニル基(好ましくは
炭素数7〜30のアリールオキシカルボニル基、例えば
フェノキシカルボニル基、p−メトキシフェノキシカル
ボニル基、o−メトキシフェノキシカルボニル基、m−
クロロフェノキシカルボニル基等)、
【0089】ホルミルアミノ基、アシルアミノ基[(好
ましくは炭素数1〜30のアルキルカルボニルアミノ
基、例えばアセチルアミノ基、プロプオニルアミノ基、
シアノアセチルアミノ基等)、(好ましくは炭素数7〜
30のアリールカルボニルアミノ基、例えばベンゾイル
アミノ基、p−トレイルアミノ基、ペンタフルオロベン
ゾイルアミノ基、m−メトキシベンゾイルアミノ基
等)、(好ましくは炭素数4〜30のヘテリルカルボニ
ルアミノ基、例えば2−ピリジルカルボニルアミ基ノ、
3−ピリジルカルボニルアミノ基、フロイルアミノ基
等)]、脂肪族オキシカルボニルアミノ基(好ましくは
炭素数2〜30の脂肪族オキシカルボニルアミノ基、例
えばメトキシカルボニルアミノ基、エトキシカルボニル
アミノ基、メトキシエトキシカルボニルアミノ基等)、
アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数
7〜30のアリールオキシカルボニルアミノ基、例えば
フェノキシカルボニルアミノ基、p−メトキシフェノキ
シカルボニルアミノ基、メチルフェノキシカルボニルア
ミノ基、m−クロロフェノキシカルボニルアミノ基
等)、スルホンアミド基(好ましくは炭素数1〜30の
スルホンアミド基、例えばメタスルホンアミド基、ベン
ゼンスルホンアミド基、p−トルエンスルホンアミド基
等)、
【0090】ウレイド基(好ましくは炭素数1〜30の
ウレイド基、例えばメチルウレイド基、ジメチルウレイ
ド基、p−シアノフェニルウレイド基等)、スルファモ
イルアミノ基(好ましくは炭素数1〜30のスルファモ
イルアミノ基、例えばメチルアミノスルホニルアミノ
基、エチルアミノスルホニルアミノ基、アニリノスルホ
ニルアミノ基等)、無置換アミノ基、アルキルアミノ基
(好ましくは炭素数1〜30のアルキルアミノ基、例え
ばメチルアミノ基、ジメチルアミノ基、エチルアミノ
基、ジエチルアミノ基、n−ブチルアミノ基等)、アリ
ールアミノ基(好ましくは炭素数6〜30のアリールア
ミノ基、例えばアニリノ基)、アルコキシ基(好ましく
は炭素数1〜30のアルコキシ基、例えばメトキシ基、
エトキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、メト
キシエトキシ基、n−ドデシルオキシ基等)、アリール
オキシ基(好ましくは炭素数6〜30のアリールオキシ
基、例えばフェノキシ基、m−クロロフェノキシ基、p
−メトキシフェノキシ基、、o−メトキシフェノキシ基
等)、ヘテリルオキシ基(好ましくは炭素数3〜30の
ヘテリルオキシ基、例えばテトラヒドロピラニルオキシ
基、3−ピロジルオキシ基、2−(1,3−ベンゾイミ
ダゾリル)オキシ基等)、アルキルチオ基(好ましくは
炭素数1〜30のアルキルチオ基、例えばメチルチオ
基、エチルチオ基、n−ブチルチオ基、t−ブチルチオ
基等)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6〜30の
アリールチオ基、例えばフェニルチオ基等)、ヘテリル
チオ基(好ましくは炭素数3〜30のヘテリルチオ基、
例えば2−ピリジルチオ基、2−(1,3−ベンゾイミ
ダゾリル)チオ基、1−ヘキサデシル−1,2,3,4
−テトラゾリル−5−チオ基、1−(3−N−オクタデ
シルカルバモイル)フェニル−1,2,3,4−テトラ
ゾリル−5−チオ基等)、
【0091】ヘテロ環基(好ましくは炭素数3〜30の
ヘテロ基、例えば2−ベンゾオキサゾリル基、2−ベン
ゾチアゾリル基、1−フェニル−2−ベンズイミダゾリ
ル基、5−クロロ−1−テトラゾリル基、1−ピロリル
基、2−フラニル基、2−ピリジル基、3−ピリジル基
等)、ハロゲン原子(例えばフッ素、塩素、臭素等)、
ヒドロキシル基、ニトロ基、スルファモイル基(好まし
くは炭素数0〜30のスルファモイル基、例えばメチル
スルファモイル基、ジメチルスルファモイル基、エチル
スルファモイル基、N.N−ジプロピルスルファモイル
基等)、スルホニル基(好ましくは炭素数1〜30のス
ルホニル基、例えばメタンスルホニル基、ベンゼンスル
ホニル基、トルエンスルホニル基、トリフルオロメタン
スルホニル基、ジフルオロメタンスルホニル基等)、ア
シルオキシ基(好ましくは炭素数1〜30のアシルオキ
シ基、例えばホルミルオキシ基、アセチルオキシ基、ベ
ンゾイルオキシ基等)、カルバモイルオキシ基(好まし
くは炭素数1〜30のカルバモイルオキシ基、例えばメ
チルカルバモイルオキシ基、ジエチルカルバモイルオキ
シ基等)、イミド基(好ましくは炭素数4〜30のイミ
ド基、例えばこはく酸イミド基、フタルイミド基等)、
スルフィニル基(好ましくは炭素数1〜30のスルフィ
ニル基、例えばジエチルアミノスルフィニル基等)、ホ
スホリル基(好ましくは炭素数0〜30のホスホリル
基、例えばジメトキシホスホリル基、ジフェニルホスホ
リル基等)、カルボキシル基、ホスホノ基である。これ
らの基は可能な場合には同様の置換基を有していてもよ
い。R6 およびR7 としてはアルキル基またはアリール
基が好ましい。R6 およびR7 としてはアリール基がよ
り好ましく、アルコキシ基、アシルアミノ基、スルホン
アミド基またはアルキル基等で置換されたアリール基が
特に好ましい。
【0092】Xは、水素原子、一般式(1)または
(2)の現像主薬の酸化体とカップリング反応して離脱
する基(以下、「離脱基」という)を表す。離脱基とし
ては、ハロゲン原子(例えば、フッ素、塩素、臭素
等)、アルコキシ基(例えば、エトキシ基、ドデシルオ
キシ基、メトキシエチルカルバモイルメトキシ基、カル
ボキシプロピルオキシ基、メチルスルホニルエトキシ基
等)、アリールオキシ基(例えば、4−クロロフェノキ
シ基、4−メトキシフェノキシ基、4−カルボキシフェ
ノキシ基等)、アシルオキシ基(例えば、アセトキシ
基、テトラデカノイルオキシ基、ベンゾイルオキシ基
等)、スルホニルオキシ基(例えば、メタンスルホニル
オキシ基、トルエンスルホニルオキシ基等)、アシルア
ミド基(例えば、ジクロロアセチルアミド基、ヘプタフ
ルオロブチリルアミド基等)、スルホンアミノ基(例え
ば、メタンスルホンアミノ基、p−トルエンスルホンア
ミノ基等)、脂肪族オキシカルボニルオキシ基(例え
ば、エトキシカルボニルオキシ基、ベンジルカルボニル
オキシ基等)、アリールオキシカルボニルオキシ基(例
えば、フェノキシカルボニルオキシ基等)、アルキルチ
オ基(例えば、カルボキシメチルチオ基等)、アリール
チオ基(例えば、2−ブトキシ−5−tert−オクチ
ルフェニルチオ基等)、複素環チオ基(例えば、テトラ
ゾリルチオ基等)、カルバモイルアミノ基(例えば、N
−メチルカルバモイルアミノ基、N−フェニルカルバモ
イルアミノ基等)、5員もしくは6員の含窒素ヘテロ環
基(例えば、イミダゾリル基、ピラゾリル基、トリアゾ
リル基、テトラゾリル基、1,2−ジヒドロ−2−オキ
ソ−1−ピリジル基等)、イミド基(例えば、スクシン
イミド基、ビタントイニル基等)、芳香族アゾ基(例え
ば、フェニルアゾ基等)、スルフィニル基(例えば、2
−ブトキシ−5−tert−オクチルフェニルスルフィ
ニル基等)、スルホニル基(例えば、2−ブトキシ−5
−tert−オクチルフェニルスルホニル基等)、等が
挙げられる。Xとしては、ハロゲン原子、アリールチオ
基およびカルバモイルオキシ基が好ましい。
【0093】一般式(A)で表されるカプラーはR1
2 、R6 、R7 またはR8 の基中に一般式(A)のカ
プラー残基を有して、二量体以上の多量体を形成しても
よいし、R1 、R2 、R6 、R7 またはR8 の基が、高
分子鎖を結合した単重合体もしくは共重合体を形成して
もよい。高分子鎖を有した単重合体もしくは共重合体と
は、一般式(A)のカプラー残基を有する付加重合体エ
チレン型不飽和化合物の単独重合体もしくは共重合体が
典型例である。この場合、一般式(A)のカプラー残基
を有する発色繰り返し単位は重合体中に1種以上含有さ
れていてもよく、共重合成分としてのアクリル酸エステ
ル、メタクリル酸エステル、マレイン酸エステル類の如
き、非発色性のエチレン性モノマーの1種または2種以
上を含む共重合体であってもよい。一般式(A)で表さ
れる化合物の具体例として、以下に挙げるが本発明はこ
れに限定されるものではない。
【0094】
【化32】
【0095】
【化33】
【0096】
【化34】
【0097】
【化35】
【0098】
【化36】
【0099】
【化37】
【0100】
【化38】
【0101】
【化39】
【0102】
【化40】
【0103】
【化41】
【0104】また、これらのカプラーは、米国特許第
5,541,501号記載の方法等で合成することがで
きる。
【0105】次に、一般式(B)で表される化合物につ
いて説明する。一般式(B)で表される化合物は、ピラ
ゾロアゾールカプラーと称されるもので下記構造式で表
される。
【0106】
【化42】
【0107】(式中、R1 は水素原子または置換基を表
す。zは、C−Nと共に窒素原子を2〜4個含む5員の
アゾール環を形成するのに必要な非金属原子群を表し、
該アゾール環は置換基(縮合環を含む)を有してもよ
い。Xは水素原子または現像主薬の酸化体とのカップリ
ング反応により離脱可能な基を表す。)
【0108】一般式(B)で表されるカプラーの骨格の
内好ましい骨格としては1H−イミダゾ[1,2−b]
ピラゾール、1H−ピラゾロ[1,5−b][1,2,
4]トリアゾール、1H−ピラゾロ[5,1−c]
[1,2,4]トリアゾール、1H−ピラゾロ[1,5
−d]テトラゾールおよび1H−ピラゾロ[1,5−
a]ベンズイミダゾールであり、それぞれ式(B−
I)、(B−II)、(B−III)、(B−IV)お
よび(B−V)で表される。
【0109】
【化43】
【0110】式中、R11、R12、R13およびR14は各々
水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル
基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ
基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルボキシル基、アル
コキシ基、シクロアルキルオキシ基、アリールオキシ
基、ヘテロ環オキシ基、シリルオキシ基、アシルオキシ
基、アルコキシカルボニルオキシ基、シクロアルキルオ
キシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオ
キシ基、カルバモイルオキシ基、スルファモイルオキシ
基、アルカンスルホニルオキシ基、アレーンスルホニル
オキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、シクロ
アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニ
ル基、カルバモイル基、アミノ基、アニリノ基、ヘテロ
環アミノ基、カルボンアミド基、アルコキシカルボニル
アミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、ウレイ
ド基、スルホンアミド基、スルファモイルアミノ基、イ
ミド基、アゾ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリ
ールチオ基、ヘテロ環チオ基、スルフィニル基、アルキ
ルスルフィニル基、アレーンスルフィニル基、スルホ
基、アルカンスルホニル基、アレーンスルホニル基、ス
ルファモイル基、ホスホニル基を表し、それぞれ2価の
基でビス体を形成してもよい。nは1から4の整数を表
し、好ましくは1から3の整数を表す。nが2以上の整
数を表すとき、2つ以上のR14は同じでも異なっていて
もよい。
【0111】さらに詳しくは、R1 、R11、R12、R13
およびR14は水素原子、ハロゲン原子(例えば、フッ素
原子、塩素原子、臭素原子)、アルキル基(好ましくは
炭素数1〜32の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基で、
例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブ
チル、t−ブチル、1−オクチル、トリデシル)、シク
ロアルキル基(好ましくは炭素数3〜8のシクロアルキ
ル基で、例えば、シクロプロピル、シクロペンチル、シ
クロヘキシル)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜
32のアルケニル基で、例えば、ビニル、アリル、3−
ブテン−1−イル)、アリール基(好ましくは炭素数6
〜32のアリール基で、例えば、フェニル、1−ナフチ
ル、2−ナフチル)、ヘテロ環基(好ましくは炭素数1
〜32の、5〜8員環のヘテロ環基で、例えば、2−チ
エニル、4−ピリジル、2−フリル、2−ピリミジニ
ル、1−ピリジル、2−ベンゾチアゾリル、1−イミダ
ゾリル、1−ピラゾリル、ベンゾトリアゾール−2−イ
ル)、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルボキ
シル基、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜32のア
ルコキシ基で、例えば、メトキシ、エトキシ、1−ブト
キシ、2−ブトキシ、イソプロポキシ、t−ブトキシ、
ドデシルオキシ)、シクロアルキルオキシ基(好ましく
は炭素数3〜8のシクロアルキルオキシ基で、例えば、
シクロペンチルオキシ、シクロへキシルオキシ)、アリ
ールオキシ基(好ましくは炭素数6〜32のアリールオ
キシ基で、例えば、フェノキシ、2−ナフトキシ)、ヘ
テロ環オキシ基(好ましくは炭素数1〜32のヘテロ環
オキシ基で、例えば、1−フェニルテトラゾール−5−
オキシ、2−テトラヒドロピラニルオキシ、2−フリル
オキシ)、シリルオキシ基(好ましくは炭素数1〜32
のシリルオキシ基で、例えば、トリメチルシリルオキ
シ、t−ブチルジメチルシリルオキシ、ジフェニルメチ
ルシリルオキシ)、アシルオキシ基(好ましくは炭素数
2〜32のアシルオキシ基で、例えば、アセトキシ、ピ
バロイルオキシ、ベンゾイルオキシ、ドデカノイルオキ
シ)、
【0112】アルコキシカルボニルオキシ基(好ましく
は炭素数2〜32のアルコキシカルボニルオキシ基で、
例えば、エトキシカルボニルオキシ、t−ブトキシカル
ボニルオキシ)、シクロアルキルオキシカルボニルオキ
シ基(好ましくは炭素数4〜9のシクロアルキルオキシ
カルボニルオキシ基で、例えば、シクロへキシルオキシ
カルボニルオキシ)、アリールオキシカルボニルオキシ
基(好ましくは炭素数7〜32のアリールオキシカルボ
ニルオキシ基で、例えば、フェノキシカルボニルオキ
シ)、カルバモイルオキシ基(好ましくは炭素数1〜3
2のカルバモイルオキシ基で、例えば、N,N−ジメチ
ルカルバモイルオキシ、N−ブチルカルバモイルオキ
シ)、スルファモイルオキシ基(好ましくは炭素数1〜
32のスルファモイルオキシ基で、例えば、N,N−ジ
エチルスルファモイルオキシ、N−プロピルスルファモ
イルオキシ)、アルカンスルホニルオキシ基(好ましく
は炭素数1〜32のアルカンスルホニルオキシ基で、例
えば、メタンスルホニルオキシ、ヘキサデカンスルホニ
ルオキシ)、アレーンスルホニルオキシ基(好ましくは
炭素数6〜32のアレーンスルホニルオキシ基で、例え
ば、ベンゼンスルホニルオキシ)、アシル基(好ましく
は炭素数1〜32のアシル基で、例えば、ホルミル、ア
セチル、ピバロイル、ベンゾイル、テトラデカノイ
ル)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜
32のアルコキシカルボニル基で、例えば、メトキシカ
ルボニル、エトキシカルボニル、オクタデシルオキシカ
ルボニル)、シクロアルキルオキシカルボニル基(好ま
しくは炭素数2〜32のシクロアルキルオキシカルボニ
ル基で、例えば、シクロへキシルオキシカルボニル)、
アリールオキシカルボニル基(好ましくは炭素数7〜3
2のアリールオキシカルボニル基で、例えば、フェノキ
シカルボニル)、カルバモイル基(好ましくは炭素数1
〜32のカルバモイル基で、例えば、カルバモイル、
N,N−ジブチルカルバモイル、N−エチル−N−オク
チルカルバモイル、N−プロピルカルバモイル)、
【0113】アミノ基(好ましくは炭素数32以下のア
ミノ基で、例えば、アミノ、メチルアミノ、N,N−ジ
オクチルアミノ、テトラデシルアミノ、オクタデシルア
ミノ)、アニリノ基(好ましくは炭素数6〜32のアニ
リノ基で、例えば、アニリノ、N−メチルアニリノ)、
ヘテロ環アミノ基(好ましくは炭素数1〜32のヘテロ
環アミノ基で、例えば、4−ピリジルアミノ)、カルボ
ンアミド基(好ましくは炭素数2〜32のカルボンアミ
ド基で、例えば、アセトアミド、ベンズアミド、テトラ
デカンアミド)、アルコキシカルボニルアミノ基(好ま
しくは炭素数2〜32のアルコキシカルボニルアミノ基
で、例えば、メトキシカルボニルアミノ、エトキシカル
ボニルアミノ、t−ブトキシカルボニルアミノ、オクタ
デシルオキシカルボニルアミノ)、アリールオキシカル
ボニルアミノ基(好ましくは炭素数7〜32のアリール
オキシカルボニルアミノ基で、例えば、フェノキシカル
ボニルアミノ)、ウレイド基(好ましくは炭素数1〜3
2のウレイド基で、例えば、ウレイド、N,N−ジメチ
ルウレイド、N−フェニルウレイド)、スルホンアミド
基(好ましくは炭素数1〜32のスルホンアミド基で、
例えば、メタンスルホンアミド、ブタンスルホンアミ
ド、ベンゼンスルホンアミド、ヘキサデカンスルホンア
ミド)、スルファモイルアミノ基(好ましくは炭素数1
〜32のスルファモイルアミノ基で、例えば、N,N−
ジプロピルスルファモイルアミノ、N−エチル−N−ド
デシルスルファモイルアミノ)、イミド基(好ましくは
炭素数10以下のイミド基で、例えば、N−スクシンイ
ミド、N−フタルイミド)、アゾ基(好ましくは炭素数
1〜32のアゾ基で、例えば、フェニルアゾ)、メルカ
プト基、アルキルチオ基(好ましくは炭素数1〜32の
アルキルチオ基で、例えば、エチルチオ、オクチルチ
オ)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6〜32のア
リールチオ基で、例えば、フェニルチオ)、ヘテロ環チ
オ基(好ましくは炭素数1〜32のヘテロ環チオ基で、
例えば、2−ベンゾチアゾリルチオ、2−ピリジルチ
オ、1−フェニルテトラゾリルチオ)、スルフィニル
基、アルキルスルフィニル基(好ましくは炭素数1〜3
2のアルキルスルフィニル基で、例えば、ドデカンスル
フィニル)、アレーンスルフィニル基(好ましくは炭素
数6〜32のアレーンスルフィニル基で、例えば、ベン
ゼンスルフィニル)、
【0114】スルホ基、アルカンスルホニル基(好まし
くは炭素数1〜32のアルカンスルホニル基で、例え
ば、メタンスルホニル、オクタンスルホニル)、アレー
ンスルホニル基(好ましくは炭素数6〜32のアレーン
スルホニル基で、例えば、ベンゼンスルホニル、1−ナ
フタレンスルホニル)、スルファモイル基(好ましくは
炭素数32以下のスルファモイル基で、例えば、N,N
−ジプロピルスルファモイル、N−エチル−N−ドデシ
ルスルファモイル)、ホスホニル基(好ましくは炭素数
1〜32のホスホニル基で、例えば、フェノキシホスホ
ニル、オクチルオキシホスホニル、フェニルホスホニ
ル)を表し、これらの基はさらに置換基を有していても
よい。
【0115】R1 、R11、R12、R13およびR14で表さ
れる基の置換基としては、置換可能な基であれば特に限
定されるものではなく、好ましい置換基としては、ハロ
ゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル
基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ヒドロキシル
基、ニトロ基、カルボキシル基、アルコキシ基、アリー
ルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、シリルオキシ基、アシ
ルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、シクロア
ルキルオキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカル
ボニルオキシ基、カルバモイルオキシ基、スルファモイ
ルオキシ基、アルカンスルホニルオキシ基、アレーンス
ルホニルオキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル
基、シクロアルキルオキシカルボニル基、アリールオキ
シカルボニル基、カルバモイル基、アミノ基、アニリノ
基、ヘテロ環アミノ基、カルボンアミド基、アルコキシ
カルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ
基、ウレイド基、スルホンアミド基、スルファモイルア
ミノ基、イミド基、アゾ基、メルカプト基、アルキルチ
オ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、スルフィニル
基、スルホ基、アルカンスルホニル基、アレーンスルホ
ニル基、スルファモイル基、ホスホニル基を挙げること
ができる。
【0116】Xは水素原子または現像主薬の酸化体との
反応により離脱可能な基を表す。詳しくは、離脱可能な
基としては、ハロゲン原子、アルコキシ基、アリールオ
キシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、スル
ホニルオキシ基、カルボンアミド基、スルホンアミド
基、カルバモイルアミノ基、ヘテロ環基、アリールアゾ
基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基
等を表す。これらの基の好ましい範囲および具体例は、
1 で表される基の説明で挙げたものと同じである。X
はこれら以外にアルデヒドまたはケトンを介して2分子
の4当量カプラーが結合したビス型のカプラーの場合も
あり、またXは現像促進剤、現像抑制剤、脱銀促進剤ま
たはロイコ色素等の写真有用基もしくはそれらの前駆体
の基であってもよい。
【0117】以下に一般式(B)で表される化合物の好
ましい範囲について述べる。発明の効果の点で、一般式
(B)で表されるピラゾロアゾールカプラーの内、一般
式(B−I)、一般式(B−II)および一般式(B−
III)で表されるカプラーが好ましく、一般式(B−
II)および一般式(B−III)で表されるカプラー
がさらに好ましく、一般式(B−II)で表されるカプ
ラーが最も好ましい。
【0118】発明の効果の点で、R11はアルキル基、ア
リール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキル
チオ基、アリールチオ基、ウレイド基、オキシカルボニ
ルアミノ基またはアミド基である場合が好ましく、アル
キル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基
である場合がさらに好ましい。R11がアルキル基である
場合には、R11はメチル基、エチル基、イソプロピル基
およびt−ブチル基等が好ましく、3級アルキル基が最
も好ましい。これらの基は前述のようにさらに置換基を
有していてもよい。
【0119】発明の効果の点で、R12は水素原子、アル
キル基、アリール基、ヘテロ環基、アルキルオキシカル
ボニル基、カルバモイル基、スルファモイル基、アシル
基またはシアノ基であることが好ましく、アルキル基ま
たはアリール基である場合がさらに好ましく、2級もし
くは3級のアルキル基またはフェニル基が最も好まし
い。これらの基は前述のようにさらに置換基を有してい
てもよい。
【0120】発明の効果の点で、R13は水素原子、アル
キル基、アリール基、ヘテロ環基、アルキルチオ基、ア
リールチオ基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル
基、スルファモイル基、アシル基またはシアノ基である
ことが好ましく、アルキル基またはアリール基であるこ
とがさらに好ましい。R13がアルキル基である場合に
は、R13はピラゾロアゾール母核に直結する炭素原子
に、カルボンアミド基、スルホンアミド基、ウレイド基
もしくはオキシカルボニルアミノ基などの窒素原子で置
換する基、または、アルコキシ基もしくはアリールオキ
シ基等の酸素原子で置換する基を有する1級もしくは2
級のアルキル基が特に好ましく、また、前述の置換基を
有しない2級アルキル基または3級アルキル基も同様に
好ましい。また、R13がアリール基である場合には、R
13はフェニル基が好ましく、さらに2位および6位に置
換基を有するフェニル基が最も好ましい。これらの基は
前述のようにさらに置換基を有していてもよい。
【0121】発明の効果の点で、R14は水素原子、ハロ
ゲン原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、アル
コキシ基、アリールオキシ基、カルボンアミド基、スル
ホンアミド基、アルコキシカルボニルアミノ基、ウレイ
ド基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルコキシカ
ルボニル基、カルバモイル基、スルファモイル基、スル
ホニル基、アシル基またはシアノ基であることが好まし
い。
【0122】発明の効果の点で、Xはハロゲン原子、ア
リールオキシ基、カルバモイルオキシ基、アシルアミノ
基、ヘテロ環基、アリールアゾ基、アルキルチオ基、ア
リールチオ基、ヘテロ環チオ基が好ましく、これらの中
でもハロゲン原子、アリールオキシ基、ヘテロ環基、ア
ルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基がさら
に好ましい。
【0123】本発明のピラゾロアゾールカプラーは米国
特許第4,500,630号、同4,540,654
号、特公平4−79349号、同4−79350号、同
4−79351号、ヨーロッパ公開特許第017325
6号、同0217353号、同0226849号等の明
細書に記載された方法で合成することができる。
【0124】以下に本発明に用いることができるピラゾ
ロアゾールカプラーの具体例を示すが、本発明はこれら
によって限定されるものではない。
【0125】
【化44】
【0126】
【化45】
【0127】
【化46】
【0128】
【化47】
【0129】
【化48】
【0130】
【化49】
【0131】
【化50】
【0132】
【化51】
【0133】
【化52】
【0134】
【化53】
【0135】
【化54】
【0136】
【化55】
【0137】
【化56】
【0138】
【化57】
【0139】本発明でこれらのカラーカプラーの標準的
な使用量は、感光性ハロゲン化銀1モル当たり0.00
1〜1モルの範囲であり、好ましくは、0.002〜
0.3モルである。
【0140】本発明においては、感光材料中に、現像処
理時に消色剤との反応により消色する耐拡散性染料(色
素)を含有させることが鮮鋭性の点で好ましい。本発明
で用いる耐拡散性染料として好ましいものは、下記一般
式(I)〜(IV)で表されるものである。 一般式(I) A51 = L51 −(L52 = L53)m51
Q51 一般式(II) A51 = L51 −(L52 = L53)n51
A52 一般式(III) A51 (= L51 − L52 )p51 = B51 一般式(IV) (NC)2 C=C(CN)−Q51 (式中、=は二重結合を、−は単結合を表す。A51、
A52はそれぞれ酸性核を表し、B51は塩基性核を表
す。Q51はアリール基または複素環基を表す。L5
1、L52、L53はそれぞれメチン基を表す。m51
は0、1、2を表す。n51、p51はそれぞれ0、
1、2、3を表す。L51、L52またはL53が、そ
れぞれ分子内に複数存在する場合、それらは同じであっ
ても異なっていてもよい。但し、一般式(I)〜(I
V)で表される化合物はカルボキシル基および/または
スルホ基を有することはなく、また一般式(I)〜(I
V)で表される化合物は耐拡散性基を有しており、かつ
現像処理(消色)後の生成物も耐拡散的であり、感光材
料から実質的に溶出しないものである。さらに一般式
(I)〜(IV)で表される化合物は、現像処理時に酸
化還元反応を起こし、それに続いて結合の切断を起こ
し、複数の分子に分裂するような基を持たない。)
【0141】A51またはA52で表される酸性核は環
状のケトメチレン化合物または電子吸引性基によって挟
まれたメチレン基を有する化合物が好ましい。環状のケ
トメチレン化合物の例としては、2−ピラゾリン−5−
オン、ロダニン、ヒダントイン、チオヒダントイン、
2,4−オキサゾリジンジオン、イソオキサゾロン、バ
ルビツール酸、チオバルビツール酸、インダンジオン、
ジオキソピラゾロピリジン、ヒドロキシピリジン、ピラ
ゾリジンジオン、2,5−ジヒドロフラン−2−オン、
ピロリン−2−オンを挙げることができる。これらは置
換基を有していても良い。これらの中で好ましい化合物
は2−ピラゾリン−5−オン、イソオキサゾロン、ジオ
キソピラゾロピリジン、ヒドロキシピリジン、ピラゾリ
ジンジオンであり、特に好ましくは2−ピラゾリン−5
−オン、イソオキサゾロン、ヒドロキシピリジンであ
る。
【0142】電子吸引性基によって挟まれたメチレン基
を有する化合物はZ51−CH2 −Z52と表すことが
でき、ここでZ51、Z52はそれぞれ−CN、−SO
2 R51、−COR51、−COOR51、−CON
(R52)2 、−SO2 N(R52)2 、−C[=C
(CN)2 ]R51、−C[=C(CN)2 ]N(R5
1)2 を表し、R51はアルキル基、アリール基、複素
環基を表し、R52は水素原子またはR51で挙げた基
を表す。R51、R52はそれぞれ置換基を有していて
も良く、分子内に複数のR51もしくはR52が有る場
合、それらは同じであっても異なっていても良い。Z5
1とZ52は同じであっても良い。
【0143】B51で表される塩基性核の例としては、
ピリジン、キノリン、インドレニン、オキサゾール、イ
ミダゾール、チアゾール、ベンゾオキサゾール、ベンゾ
イミダゾール、ベンゾチアゾール、オキサゾリン、ナフ
トオキサゾール、ピロールを挙げることができる。これ
らはそれぞれ置換基を有していても良い。これらの中で
好ましい化合物はインドレニン、ベンゾオキサゾール、
ベンゾイミダゾール、ベンゾチアゾール、ピロールであ
り、特に好ましくはインドレニン、ベンゾオキサゾール
である。Q51で表されるアリール基の例としては、フ
ェニル基、ナフチル基を挙げることができ、それぞれ置
換基(電子供与性基が好ましい)を有していても良い。
これらのうちで好ましくはジアルキルアミノ基、水酸
基、アルコキシ基、アルキル基が置換したフェニル基で
あり、特に好ましくはジアルキルアミノ基で置換された
フェニル基である。Q51で表される複素環基の例とし
ては、ピロール、インドール、フラン、チオフェン、イ
ミダゾール、ピラゾール、インドリジン、キノリン、カ
ルバゾール、フェノチアジン、フェノキサジン、インド
リン、チアゾール、ピリジン、ピリダジン、チアジアジ
ン、ピラン、チオピラン、オキサジアゾール、ベンゾキ
ノリン、チアジアゾール、ピロロチアゾール、ピロロピ
リダジン、テトラゾール、オキサゾール、クマリン、お
よびクロマンを挙げることができ、それぞれ置換基を有
していても良い。これらの中で好ましくはピロール、イ
ンドールである。
【0144】L51、L52、L53で表されるメチン
基は置換基を有していても良く、その置換基同士が連結
して5または6員環(例えばシクロペンテン、シクロヘ
キセン)を形成しても良い。上述の基が有しても良い置
換基としてはスルホンアミド基(例えばメタンスルホン
アミド、ベンゼンスルホンアミド、オクタンスルホンア
ミド)、スルファモイル基(例えばスルファモイル、メ
チルスルファモイル、フェニルスルファモイル、ブチル
スルファモイル)、スルホニルカルバモイル基(例えば
メタンスルホニルカルバモイル、ベンゼンスルホニルカ
ルバモイル)、アシルスルファモイル基(例えばアセチ
ルスルファモイル、ピバロイルスルファモイル、ベンゾ
イルスルファモイル)、鎖状または環状のアルキル基
(例えばメチル、イソプロピル、シクロプロピル、シク
ロヘキシル、2−エチルヘキシル、ドデシル、オクタデ
シル、2−フェネチル、ベンジル)、アルケニル基(例
えばビニル、アリル)、アルコキシ基(例えばメトキ
シ、オクチルオキシ、ドデシルオキシ、2−メトキシエ
トキシ)、アリールオキシ基(例えばフェノキシ)、
【0145】ハロゲン原子(例えばF、Cl、Br)、
アミノ基(例えばアミノ、ジエチルアミノ、エチルドデ
シルアミノ)、エステル基(例えばエトキシカルボニ
ル、オクチルオキシカルボニル、2−ヘキシルデシルオ
キシカルボニル)、アシルアミノ基(例えばアセチルア
ミノ、ピバロイルアミノ、ベンゾイルアミノ)、カルバ
モイル基(例えば無置換のカルバモイル、エチルカルバ
モイル、ジエチルカルバモイル、フェニルエチルカルバ
モイル)、アリール基(例えばフェニル、ナフチル)、
アルキルチオ基(例えばメチルチオ、オクチルチオ)、
アリールチオ基(例えばフェニルチオ、ナフチルチ
オ)、アシル基(例えばアセチル、ベンゾイル、ピバロ
イル)、スルホニル基(例えばメタンスルホニル、ベン
ゼンスルホニル)、ウレイド基(例えば3−プロピルウ
レイド、3,3−ジメチルウレイド)、ウレタン基(例
えばメトキシカルボニル、ブトキシカルボニル)、シア
ノ基、水酸基、ニトロ基、複素環基(例えばベンゾオキ
サゾール環、ピリジン環、スルホラン環、フラン環、ピ
ロール環、ピロリジン環、モルホリン環、ピペラジン
環、ピリミジン環)等を挙げることができる。
【0146】本発明に用いられる耐拡散性染料として、
好ましくは一般式(I)、(II)または(III)で
表されるものであり、より好ましくは一般式(I)また
は(III)で表されるものであり、特に好ましくは一
般式(I)で表されるものである。以下に本発明に用い
られる耐拡散性染料の具体例を示すが、本発明はこれら
に限定されるものではない。
【0147】
【化58】
【0148】
【化59】
【0149】
【化60】
【0150】
【化61】
【0151】
【化62】
【0152】
【化63】
【0153】
【化64】
【0154】
【化65】
【0155】
【化66】
【0156】
【化67】
【0157】
【化68】
【0158】
【化69】
【0159】
【化70】
【0160】
【化71】
【0161】本発明に用いられる耐拡散性染料は、国際
特許WO88/04794号、欧州特許EP274,7
23号、同276,556号、同299,435号、米
国特許2,527,583号、同3,486,897
号、同3,746,539号、同3,933,798
号、同4,130,429号、同4,040,841
号、特開昭48−68,623号、同52−92,71
6号、同55−155,350号、同55−155,3
51号、同61−205,934号、特開平2−17
3,630号、同2−230,135号、同2−27
7,044号、同2−282,244号、同3−7,9
31号、同3−167,546号、同3−13,937
号、同3−206,443号、同3−208,047
号、同3−192,157号、同3−216,645
号、同3−274,043号、同4−37,841号、
同4−45,436号、同4−138,449号、同5
−197,077号、特願平5−273,811号、同
6−7,761号、同6−155,727号等に記載さ
れている方法またはそれに準じて合成することができ
る。
【0162】以下に代表例として本発明における例示化
合物(A10)の具体的な合成例を示す。 (合成例)例示化合物(A10)の合成
【0163】
【化72】
【0164】(A10−2)(0.52mol)のアセ
トニトリル(250ml)溶液を氷−メタノール浴で−
7℃に冷却し、そこにオキシ塩化リン(0.55mo
l)を反応液の温度を15℃以下に保ちながら滴下し
た。続いて(A10−1)(0.5mol)のアセトニ
トリル(150ml)溶液を内温5℃以下に保ちながら
滴下し、その後冷却浴を外して更に1時間攪拌した。そ
れから反応液を氷水(1l)中にあけ、そこに水酸化ナ
トリウム(100g)の水(500ml)溶液を加え
た。反応混合物から酢酸エチル(500ml)にて2回
抽出し、有機層を食塩水で洗浄、濃縮した。得られた残
渣をメタノールから再結晶することにより(A10−
3)を49%の収率で得た。
【0165】(A10−3)(0.05mol)と(A
10−4)(0.05mol)、炭酸カリウム(0.1
0mol)をN,N−ジメチルアセトアミド(200m
l)中、100℃で3時間反応させた。室温に冷却後、
酢酸エチル(200ml)を加え、不溶分を濾過で除い
た。濾液を2N塩酸、水、食塩水で洗浄、濃縮すること
により(A10−5)を定量的に得た。(A10−5)
(0.03mol)と(A10−6)(0.03mo
l)をエタノール(80ml)中で5時間還流し、その
後溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグ
ラフィー(溶出液、塩化メチレン/ヘキサン=4/1〜
1/0)にて精製することにより例示化合物(A10)
を76%の収率で得た。
【0166】本発明における上述の耐拡散性染料は、消
色性色素層として、イエローフィルター層、マゼンタフ
ィルター層、およびアンチハレーション層に使用するこ
とができる。それにより、例えば感光性層が支持体に最
も近い側から赤色感光性層、緑色感光性層、青色感光性
層の順に設けられている場合は、青色感光性層と緑色感
光性層の間にイエローフィルター層、緑色感光性層と赤
色感光性層の間にマゼンタ色フィルター層、赤色感光性
層と支持体の間にシアン色フィルター層(アンチハレー
ション層)を設けることができる。耐拡散性染料の使用
量は、それぞれの層の透過濃度が各々青、緑、赤光に対
し、0.03〜3.0、より好ましくは0.1〜2.0
になるように用いる。具体的には、色素のεおよび分子
量にもよるが、0.005〜2ミリモル/m2 用いれば
よく、より好ましくは0.05〜1ミリモル/m2 であ
る。
【0167】本発明の感光材料は一つの層に二つ以上の
耐拡散性染料を混合して用いてもよい。例えば上述のア
ンチハレーション層にイエロー、マゼンタ、シアンの3
種の耐拡散性染料を混合して用いることもできる。本発
明の感光材料は、好ましくは耐拡散性消色性色素をオイ
ルおよび/または油溶性ポリマーに溶解させた油滴を親
水性バインダー中に分散させた状態で用いる。その調製
法としては乳化分散法が好ましく、例えば米国特許2,
322,027号記載の方法によることができる。この
場合には米国特許4,555,470号、同4,53
6,466号、同4,587,206号、同4,55
5,476号、同4,599,296号、特公平3−6
2,256号等に記載のような高沸点オイルを、必要に
応じて沸点50℃〜160℃の低沸点有機溶媒と併用し
て用いることができる。また、高沸点オイルは2種以上
併用することができる。また、油溶性ポリマーをオイル
の代わりに、または、併用することができるが、その例
はPCT国際公開番号WO88/00723号明細書に
記載されている。高沸点オイルおよび/またはポリマー
の量は、用いらる耐拡散性染料1gに対して0.01g
〜10g、好ましくは0.1g〜5gを用いる。また、
耐拡散性染料をポリマーに溶解させる方法として、ラテ
ックス分散法によることも可能であり、その工程、含漬
用のラテックスの具体例は、米国特許4,199,36
3号、西独特許公開(OLS)2,541,274号、
同第2,541,230号、特公昭53−41,091
号および欧州特許公開第029,104号等に記載され
ている。
【0168】油滴を親水性バインダーに分散させる際に
は、種々の界面活性剤を用いることができる。例えば特
開昭59−157,636号の37〜38ページ、公知
技術第5号(1991年3月22日、アズテック有限会
社発行)136〜138ページに記載の界面活性剤を用
いることができる。また、特願平5−204,325
号、同6−19,247号、西ドイツ公開特許第93
2,299A号記載のリン酸エステル型界面活性剤も使
用できる。親水性バインダーとしては、水溶性ポリマー
が好ましい。例としてはゼラチン、ゼラチン誘導体の蛋
白質、またはセルロース誘導体、澱粉、アラビアゴム、
デキストリン、プルラン等の多糖類のような天然化合物
とポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、アク
リルアミド重合体等の合成高分子化合物が挙げられる。
これら水溶性ポリマーは2種以上組み合わせて用いるこ
ともできる。特にゼラチンとの組み合わせが好ましい。
ゼラチンは、種々の目的に応じて石灰処理ゼラチン、酸
処理ゼラチン、カルシウム等の含有量を減らしたいわゆ
る脱灰ゼラチンから選択すればよく、組み合わせて用い
ることもできる。
【0169】本発明において耐拡散性染料は、消色剤と
の反応により処理時に消色する。消色剤としては、アル
コールもしくはフェノール類(R51OH)、アミンも
しくはアニリン類((R52)3 N)、ヒドロキシルア
ミン類((R52)2 NOR52)、スルフィン酸類
(R51SO2 H)もしくはその塩、亜硫酸もしくはそ
の塩、チオ硫酸もしくはその塩、カルボン酸類(R51
CO2 H)もしくはその塩、ヒドラジン類((R52)
2 NN(R52)2 )、グアニジン類([(R52)2
N]2 C=NH)、アミノグアニジン類((R52)2
NR52N(R52N)C=NH)、アミジン類、チオ
ール類(R51SH)、環状または鎖状の活性メチレン
化合物(Z53−CH2 −Z54、ここでZ53、Z5
4はZ51、Z52と同義であり、かつ、Z53とZ5
4は結合して環を形成しても良い)、環状または鎖状の
活性メチン化合物(Z53−CH(R51)−Z54ま
たはZ53−CH(Z54)−Z55、ここでZ55は
Z53と同義であり、Z53、Z54、Z55(または
R51)はそれぞれ結合して環を形成しても良い)、お
よびこれら化合物から生じるアニオン種等が挙げられ
る。これらのうちで好ましくはヒドロキシルアミン類、
スルフィン酸類、亜硫酸、グアニジン類、アミノグアニ
ジン類、ヘテロ環チオール類、環状または鎖状の活性メ
チレン、活性メチン化合物類であり、特に好ましくはグ
アニジン類、アミノグアニジン類である。これら消色剤
は最初から感光材料中に添加しておいても良いし、また
処理時に何 らかの方法で感光材料中に添加しても良
い。また添加する際の消色剤の形態としてプレカーサー
化したものを添加しても良い。
【0170】上述の消色剤は処理時に耐拡散性染料と接
触し、色素分子に求核付加することにより、耐拡散性染
料を消色させる。好ましくは耐拡散性染料を含有するハ
ロゲン化銀感光材料を像様露光後または像様露光と同時
に、消色剤または消色剤プレカーサーを含有する処理部
材と水との存在下で膜面同士を重ね合わせて加熱し、そ
の後両者を剥離することにより、該ハロゲン化銀感光材
料上に発色画像を得るとともに耐拡散性染料を消色させ
る。この場合、消色後の耐拡散性染料の濃度は、元の濃
度の1/3以下、好ましくは1/5以下である。消色剤
の使用量は、耐拡散性染料の0.1倍から200倍モ
ル、好ましくは0.5倍から100倍モルである。
【0171】本発明においては、塩基が存在しない場合
に安定性が極めて高い現像主薬とカプラーを含む感光材
料と、塩基及び/または塩基プレカーサーを含む処理部
材を用い、少量の水の存在下で加熱現像し、感光材料上
にカプラーと現像主薬の酸化剤とのカップリング反応に
よって得られる非拡散性色素に基づく画像を形成した場
合、粒状やシャープネスに優れた画像が得られ、この画
像情報に基づいてカラーペーパーや熱現像カラープリン
ト材料等の別の記録材料上に出力した場合、非常に良好
なカラー画像が得られることの発見に基づいている。ま
た、現像まで感光材料と塩基が隔離されているので、撮
影用材料に要求される高い保存安定性を満たしつつ、迅
速な現像処理が可能である。また、色素放出型化合物を
用いる場合にくらべ、無色の発色現像主薬とカプラーを
用いた場合、撮影用材料として極めて重要な感度の点で
有利である。
【0172】本発明においては、熱現像によって発色画
像を形成後、残存するハロゲン化銀および/または現像
銀を除去してもよいし、しなくてもよい。また、画像情
報に基づいて別の材料に出力する方法として通常の投影
露光によってもよいし、透過光の濃度測定によって画像
情報を光電的に読み取り、その信号によって出力しても
よい。出力する材料は感光材料でなくてもよく、例えば
昇華型感熱記録材料、インクジェット材料、電子写真材
料、フルカラー直接感熱記録材料等でもよい。本発明に
おいて好ましい態様の例は、熱現像によって発色画像を
形成後、残存するハロゲン化銀および現像銀を除去する
付加的な処理を行わず、画像情報を拡散光およびCCD
イメージセンサを用いた透過濃度測定によって光電的に
読み取り、デジタル信号に変換後、画像処理を行い、熱
現像カラープリンター、例えば富士写真フイルム(株)
のピクトログラフィー3000で出力するものである。
この場合、コンベンショナルカラー写真で使用するよう
な処理液は、一切使用することなく、迅速に良好なプリ
ントを得ることができる。また、この場合、上記デジタ
ル信号は任意に加工編集できるので、撮影した画像を自
由に修正、変形および加工して出力できる。
【0173】本発明に使用し得るハロゲン化銀は、沃臭
化銀、塩沃臭化銀、臭化銀、塩臭化銀、沃塩化銀、塩化
銀のいずれでもよい。これらの組成は、感光性ハロゲン
化銀に付与すべき特性に応じて選択される。例えば、撮
影材料のように高感度が要求される場合は、沃臭化銀乳
剤が主として用いられる。また、現像処理の迅速化や簡
易化などが重視されるプリント材料では、塩化銀が使用
されることが多い。とはいうものの、最近では、撮影用
材料の処理の迅速化を目的に塩化銀の利用を検討する試
みなども報告されている。
【0174】感光性乳剤を構成するハロゲン化銀粒子の
大きさは、同体積の球の直径で換算して0.1〜2μ
m、特に0.2〜1.5μmが好ましく用いられる。ま
た、ハロゲン化銀粒子の形状は立方体、八面体あるいは
十四面体のような正常晶よりなる形状を有するもの、球
状のような不規則な形状を有するもの、六角や矩形の平
板状の形状を有するものなどを任意に使用することがで
きる。撮影材料では、高感度を付与する目的で、粒子厚
みに対する投影面積径の大きい所謂高アスペクト比平板
粒子を使用することが好ましい。ここでいうアスペクト
比とは、粒子の投影面積と等価な円の直径を粒子厚みで
除した値である。撮影材料に用いられるハロゲン化銀乳
剤は、好ましくはアスペクト比2以上、より好ましくは
5以上、さらに好ましくは8以上、最も好ましくは20
以上の平板状粒子で、乳剤中の全粒子の投影面積の50
%以上、好ましくは80%以上、更に好ましくは90%
以上を占めて構成される。粒子サイズの小さい粒子(体
積相当球の直径で約0.5μ以下)では、アスペクト比
をさらに粒子厚みで除した平板度で表して25以上の粒
子が好ましい。アスペクト比を高めることで、同体積で
も大きい投影面積を得ることができるため、分光増感率
を高めることができる。また、写真感度が粒子投影面積
に比例するような場合では、同じ感度を得るのに必要な
ハロゲン化銀量を低減することができる。一方、粒子投
影面積を一定にして粒子を調製する場合には、アスペク
ト比を高めることで、同じハロゲン化銀量を用いても粒
子数を増加させることが可能となり、粒状性を向上させ
ることができる。さらに、高アスペクト比粒子を用いた
ときには、入射光路に対して散乱角の大きい散乱光成分
が減少するため、鮮鋭度を高めることができる。
【0175】これらの高アスペクト比平板の使用技術お
よび特性については、米国特許第4433048号、同
第4434226号、同第4439520号等に開示さ
れている。さらに、粒子厚みが0.07μmよりも薄い
超高アスペクト比平板粒子の技術が米国特許第5494
789号、同第5503970号、同第5503971
号、同第5536632号、欧州特許第0699945
号、同第0699950号、同第0699948号、同
第0699944号、同第0701165号および同第
0699946号等に開示されている。これらの文献に
記載されている高アスペクト比平板粒子は、臭化銀や沃
臭化銀を主体としており、主平面が(111)面で構成
された六角平板粒子の頻度が高い。このような形状の粒
子は、(111)面に平行な通常二枚の双晶面を内部に
有している。粒子厚みの薄い高アスペクト比平板状粒子
を調製するには、この二枚の双晶面間隔を狭く形成する
ことが技術的なポイントとなる。このためには、核形成
時のバインダー濃度、温度、pH、過剰ハロゲンイオン
種、同イオン濃度、さらには反応液の供給速度などを制
御することが重要である。形成された平板核の成長を、
厚み方向ではなく、平板の周縁方向に選択的に行わせる
こともまた、高アスペクト比平板粒子形成のポイントと
なる。そのためには、粒子成長のための反応液の添加速
度を制御すると同時に、粒子形成時から成長過程におけ
るバインダーとして最適なものを選択していくことも重
要である。上記の文献の中にはメチオニン含有量の低い
ゼラチンが高アスペクト比化に有利な旨の記載がある。
【0176】一方、塩化銀含有率の高い高塩化銀を用い
て平板状粒子を形成する技術も開示されている。例え
ば、米国特許第4400463号、同第4713323
号、同第5217858号、欧州特許第0423840
号、同第0647877号等の特許明細書には(11
1)面を主平面として有する高塩化銀平板粒子の技術が
示されている。一方、米国特許第5264337号、同
第5292632号、同第5310635号、同第52
75932号、欧州特許第0534395号、同第06
17320号、国際公開WO94/22054号等には
(100)面を主平面として有する高塩化銀平板粒子の
技術が示されている。これらは、いずれも現像速度や光
学特性に優れた塩化銀を用いた高感度乳剤を調製するの
に有用な技術である。
【0177】ハロゲン化銀粒子は、上記の如く形状を工
夫する以外に、粒子中に様々な構造を有するように調製
される。常用されるのは、粒子をハロゲン組成の異なる
複数の層状に構成する方法である。撮影材料用に用いら
れる沃臭化銀粒子では、沃度含有量の異なる層を設ける
ことが好ましい。現像性を制御する目的で沃度含有率の
高い層を核に、沃度含有率の低い殻で覆う所謂内部高沃
度型コアシェル粒子が知られている。また、これとは逆
に、沃度含有率の高い殻で覆った、外部高沃度型のコア
シェル粒子も知られている。これは、平板状粒子の粒子
厚みが小さくなったときに形状の安定性を高めるのに有
効である。沃度含有率の低い核を高沃度含有率の第一殻
で覆い、この上に低沃度含有率の第二殻を沈積させるこ
とで高感度を付与する技術も知られている。このタイプ
のハロゲン化銀粒子では、高沃度層の上に沈積させた殻
(平板状粒子では粒子外縁のフリンジ部に相当する)に
は結晶不整に基づく転位線が形成され、高感度を得るの
に寄与する。
【0178】さらに、形成されたホスト粒子の局在した
部位に、異なるハロゲン組成の結晶をエピタキシャルに
成長させる技術も高感度を得るのに好ましく用いられ
る。例えば、臭化銀に富んだホスト粒子の表面の一部
(粒子の頂点や稜あるいは面上)に沃度含有率の高い結
晶をエピタキシャル成長させる技術が知られている。こ
れとは逆に、臭化銀あるいは沃臭化銀のホスト粒子にそ
れよりも溶解度の高い(例えば塩化銀含有率を高めた結
晶)をエピタキシャル成長させる技術も知られている。
後者は、特に粒子厚みの小さい平板粒子に高感度を付与
するのに好ましく用いられる。塩化銀含有率の高い高塩
化銀平板粒子においても、粒子内部や表面に臭化銀や沃
化銀含有率の高い局在相を形成することが好ましく行わ
れる。特に、粒子表面の頂点や稜にこれらの局在相をエ
ピタキシャル成長させることが好ましい。これらのエピ
タキシャル結晶部位は、有効な感光核形成サイトとして
働き、高感度を与える。
【0179】感光性ハロゲン化銀乳剤の写真特性を改良
する目的で、粒子中に金属の塩または錯塩をドープする
ことも好ましく行われる。これらの化合物はハロゲン化
銀結晶中で電子あるいは正孔の過渡的なあるいは永久的
なトラップとして働き、高感度や高コントラストを得た
り、露光時の照度依存性を改良する、あるいは露光時の
環境(温度、湿度)依存性を改良する、さらには露光の
前後に圧力を受けたときの性能変化を抑制するのに有用
である。これらのドーパントはハロゲン化銀粒子に均一
にドープしたり、粒子内部の特定部位に局在してドープ
したり、亜表面あるいは表面に局在してドープしたり、
上述のエピタキシャル結晶部位に局在してドープしたり
種々の方法を目的に応じて選択することができる。好ま
しい金属としては、鉄、ルテニウム、ロジウム、パラジ
ウム、カドミウム、レニウム、オスミウム、イリジウ
ム、白金などの第一から第三遷移金属元素、タリウムや
鉛などの両性金属元素を挙げることができる。これらの
金属イオンは、適当な塩、もしくは錯塩の形でドープさ
れる。これらの中でも、ハライドイオンやシアニドイオ
ンをリガンドとした六配位ハロゲノ錯体やシアノ錯体が
好ましく用いられる。また、ニトロシルリガンド、カル
ボニルリガンド、チオカルボニルリガンド、ダイナイト
ロジェンリガンド、さらにはビピリジルリガンド、シク
ロペンタジエニルリガンド、1,2−ジチオレニルリガ
ンド等のような有機配位子を有する錯体も用いることが
できる。これらの技術は、特開平2−236542号、
同1−116637号、特願平4−126629号等に
記載されている。さらに、硫黄、セレン、テルルのよう
な所謂カルコゲン元素の2価のアニオンをドープするこ
とも好ましく行われる。これらのドーパントもまた、高
感度を得たり、露光条件依存性を改良するのに有効であ
る。
【0180】本発明に使用し得るハロゲン化銀粒子の調
製法については、公知の方法、すなわち、グラフキデ著
「写真の物理と化学」ポールモンテ社刊(P.Glaf
kides,Chimie et Phisique
Photographique,Paul Monte
l,1967)、ダフィン著「写真乳剤化学」フォーカ
ルプレス社刊(G.F.Duffin,Photogr
aphic Emulsion Chemistry,
Focal Press,1966)、ゼリクマンら著
「写真乳剤の製造と塗布」フォーカルプレス社刊(V.
L.Zelikman et al.,Making
and Coating of Photograph
ic Emulsion,Focal Press,1
964)等に記載の方法を基本に行うことができる。す
なわち、酸性法、中性法、アンモニア法等の種々のpH
領域で調製することができる。また、反応液である水溶
性銀塩と水溶性ハロゲン塩溶液の供給方法として、片側
混合法や同時混合法等を単独あるいは組み合わせて用い
ることができる。さらに、反応中のpAgを目標値に保
つように反応液の添加を制御するコントロールドダブル
ジェット法を用いることも好ましい。また、反応中のp
H値を一定に保つ方法も用いられる。粒子形成に際して
は、系の温度、pHあるいはpAg値を変えてハロゲン
化銀の溶解度を制御する方法を用いることもできるが、
チオエーテルやチオ尿素類、ロダン塩等を溶剤として用
いることもできる。これらの例は、特公昭47−113
86号、特開昭53−144319号等に記載されてい
る。
【0181】本発明に使用し得るハロゲン化銀粒子の調
製は、通常、ゼラチンのような水溶性バインダーを溶解
した溶液中に硝酸銀などの水溶性銀塩溶液と、ハロゲン
化アルカリ等の水溶性ハロゲン塩溶液とを制御された条
件で供給することで行われる。ハロゲン化銀粒子が形成
された後、過剰の水溶性塩類を除去することが好まし
い。この工程は脱塩あるいは水洗工程と呼ばれ、種々の
手段が用いられる。例えば、ハロゲン化銀粒子を含むゼ
ラチン溶液をゲル化させ、ひも状に裁断し、冷水で水溶
性塩を洗い流すヌーデル水洗法や、多価アニオンよりな
る無機塩類(例えば硫酸ナトリウム)、アニオン性界面
活性剤、アニオン性ポリマー(例えばポリスチレンスル
ホン酸ナトリウム)、あるいはゼラチン誘導体(例えば
脂肪族アシル化ゼラチン、芳香族アシル化ゼラチン、芳
香族カルバモイル化ゼラチンなど)などを添加してゼラ
チンを凝集させて過剰塩類を除去する沈降法を用いても
良い。沈降法を用いた場合には過剰塩類の除去が迅速に
行われ、好ましい。
【0182】本発明には、通常、化学増感を施したハロ
ゲン化銀乳剤を用いることが好ましい。化学増感は、調
製されたハロゲン化銀粒子に高感度を付与し、露光条件
安定性や保存安定性を付与するのに寄与する。化学増感
には一般的に知られている増感法を単独にあるいは種々
組み合わせて用いることができる。化学増感法として、
硫黄、セレンあるいはテルル化合物を用いるカルコゲン
増感法が好ましく用いられる。これらの増感剤として
は、ハロゲン化銀乳剤に添加された際に、上記のカルコ
ゲン元素を放出して銀カルコゲナイドを形成する化合物
が用いられる。さらに、これらを併用することも、高感
度を得、カブリを低く押さえる上で好ましい。また、
金、白金、イリジウム等を用いる貴金属増感法も好まし
い。特に、塩化金酸を単独に、あるいは金のリガンドと
なるチオシアン酸イオン等と併用して用いる金増感法
は、高感度が得られる。金増感とカルコゲン増感を併用
すると、さらに高感度を得ることができる。また、粒子
形成中に適度な還元性を有する化合物を用いて、還元性
の銀核を導入することで高感度を得る、所謂還元増感法
も好ましく用いられる。芳香環を有するアルキニルアミ
ン化合物を化学増感時に添加して行う還元増感法も好ま
しい。
【0183】化学増感を行う際に、ハロゲン化銀粒子に
吸着性を有する種々の化合物を用いて、その反応性を制
御することも好ましく行われる。特に、カルコゲン増感
や金増感に先立って、含窒素複素環化合物やメルカプト
化合物、シアニンやメロシアニン類の増感色素類を添加
する方法が特に好ましい。化学増感を施す際の反応条件
は目的に応じて異なるが、温度は30℃〜95℃、好ま
しくは40℃〜75℃、pHは5.0〜11.0、好ま
しくは5.5〜8.5、pAgは6.0〜10.5、好
ましくは6.5〜9.8である。化学増感技術について
は、特開平3−110555号、特願平4−75798
号、特開昭62−253159号、特開平5−4583
3号、特開昭62−40446号等に記載されている。
【0184】本発明では、感光性ハロゲン化銀乳剤に所
望の光波長域に感度を付与する、所謂分光増感を施すこ
とが好ましい。特に、カラー写真感光材料では、オリジ
ナルに忠実な色再現を行うため、青、緑、赤に感光性を
有する感光性層が組み込まれている。これらの感光性
は、ハロゲン化銀を分光増感することで付与される。分
光増感は、ハロゲン化銀粒子に吸着して、それ自身の吸
収波長域に感度を持たせる、所謂分光増感色素が用いら
れる。これらの色素の例としては、シアニン色素、メロ
シアニン色素、複合シアニン色素、複合メロシアニン色
素、ホロポーラー色素、ヘミシアニン色素、スチリル色
素あるいはヘミオキソノール色素等を挙げることができ
る。これらの例は、米国特許第4617257号、特開
昭59−180550号、同64−13546号、特開
平5−45828号、同5−45834号等に記載され
ている。
【0185】分光増感色素は、単独で用いられる他に、
複数種の色素を併用して用いられる。これは、分光感度
の波長分布の調節や、強色増感の目的で行われる。強色
増感作用を呈する色素の組合せでは、単独で達成できる
感度の和を大きく超える感度を得ることができる。ま
た、それ自身では分光増感作用を持たない色素、あるい
は可視光を実質的に吸収しない化合物であって、強色増
感作用を呈する化合物を併用することも好ましい。ジア
ミノスチルベン化合物類などを強色増感剤の例として挙
げることができる。これらの例としては、米国特許第3
615641号明細書、特開昭63−23145号等に
記載されている。
【0186】これらの分光増感色素や強色増感剤のハロ
ゲン化銀乳剤への添加は、乳剤調製のいかなる時期でも
良い。化学増感の終了した乳剤に塗布液調製時に添加す
る、化学増感終了時に添加する、化学増感途中に添加す
る、化学増感に先立って添加する、粒子形成終了後脱塩
前に添加する、粒子形成中に添加する、あるいは粒子形
成に先立って添加するなどの種々の方法を単独あるいは
組み合わせて用いることができる。化学増感よりも前の
工程で添加するのが、高感度を得るのに好ましい。分光
増感色素や強色増感剤の添加量は、粒子の形状や粒子サ
イズあるいは付与したい写真特性によって異なるが、概
ねハロゲン化銀1モル当たり10-8〜10-1モル、好ま
しくは10-5〜10-2モルの範囲である。これらの化合
物は、メタノールやフッ素アルコール等の有機溶媒に溶
解した状態で、あるいは界面活性剤やゼラチンと共に水
中に分散した状態で添加することができる。
【0187】ハロゲン化銀乳剤には、カブリを防止した
り、保存時の安定性を高める目的で種々の安定剤を添加
することが好ましい。好ましい安定剤としては、アザイ
ンデン類、トリアゾール類、テトラゾール類、プリン類
等の含窒素複素環化合物類、メルカプトテトラゾール
類、メルカプトトリアゾール類、メルカプトイミダゾー
ル類、メルカプトチアジアゾール類等のメルカプト化合
物類等を挙げることができる。これらの化合物の詳細
は、ジェームズ著「写真過程の理論」、マクミラン社刊
(T.H.James,The Theory of
the Photographic Process,
Macmillan,1977)第396頁〜399頁
およびその引用文献に記載されている。
【0188】これらのカブリ防止剤あるいは安定剤のハ
ロゲン化銀乳剤への添加は、乳剤調製のいかなる時期で
も良い。化学増感の終了した乳剤に塗布液調製時に添加
する、化学増感終了時に添加する、化学増感途中に添加
する、化学増感に先立って添加する、粒子形成終了後脱
塩前に添加する、粒子形成中に添加する、あるいは粒子
形成に先立って添加するなどの種々の方法を単独あるい
は組み合わせて用いることができる。これらのカブリ防
止剤あるいは安定剤の添加量はハロゲン化銀乳剤のハロ
ゲン組成や目的に応じて異なるが、概ねハロゲン化銀1
モル当たり10-6〜10-1モル、好ましくは10-5〜1
-2モルの範囲である。
【0189】以上述べてきたような本発明に使用し得る
感光材料に使用される写真用添加剤は、RDNo.17
643(1978年12月)、同No18716(19
79年11月)および同No307105(1989年
11月)に記載されており、その該当箇所を下記にまと
める。
【0190】 添加剤の種類 RD17643 RD18716 RD307105 1)化学増感剤 23頁 648頁右欄 866頁 2)感度上昇剤 648頁右欄 3)分光増感剤、強色 23〜24頁 648頁右欄 866〜868頁 増感剤 〜649頁右欄 4)増白剤 24頁 648頁右欄 868頁 5)カブリ防止剤、安 24〜26頁 649頁右欄 868〜870頁 定剤 6)光吸収剤、フィル 25〜26頁 649頁右欄 873頁 ター染料、紫外線 〜650頁左欄 吸収剤 7)色素画像安定剤 25頁 650頁左欄 872頁 8)硬膜剤 26頁 651頁左欄 874〜875頁 9)バインダー 26頁 651頁左欄 873〜874頁 10)可塑剤、潤滑剤 27頁 650頁右欄 876頁 11)塗布助剤、界面活 26〜27頁 650頁右欄 875〜876頁 剤 12)スタチック防止剤 27頁 650頁右欄 876〜877頁 13)マット剤 878〜879頁
【0191】感光材料に用いる感光性ハロゲン化銀は銀
換算で0.05〜20g/m2、好ましくは0.1〜10
g/m2が適当である。本発明においては、感光性ハロゲ
ン化銀と共に、有機金属塩を酸化剤として併用すること
もできる。このような有機金属塩の中で、有機銀塩は、
特に好ましく用いられる。上記の有機銀塩酸化剤を形成
するのに使用し得る有機化合物としては、米国特許第
4,500,626号第52〜53欄等に記載のベンゾ
トリアゾール類、脂肪酸その他の化合物がある。また米
国特許第4,775,613号記載のアセチレン銀も有
用である。有機銀塩は、2種以上を併用してもよい。以
上の有機銀塩は、感光性ハロゲン化銀1モルあたり0.
01〜10モル、好ましくは0.01〜1モルを併用す
ることができる。
【0192】感光材料や構成層のバインダーには親水性
のものが好ましく用いられる。その例としては前述のR
Dおよび特開昭64−13,546号の(71)頁〜
(75)頁に記載されたものが挙げられる。具体的に
は、透明か半透明の親水性バインダーが好ましく、例え
ばゼラチン、ゼラチン誘導体等の蛋白質またはセルロー
ス誘導体、澱粉、アラビアゴム、デキストラン、プルラ
ン等の多糖類のような天然化合物とポリビニルアルコー
ル、変性ポリビニルアルコール(例えば、(株)クラレ
製の末端アルキル変性ポバールMP103,MP203
等)、ポリビニルピロリドン、アクリルアミド重合体等
の合成高分子化合物が挙げられる。また、米国特許第
4,960,681号、特開昭62−245260号等
に記載の高吸水性ポリマー、すなわち−COOMまたは
−SO3 M(Mは水素原子またはアルカリ金属)を有す
るビニルモノマーの単独重合体またはこのビニルモノマ
ー同士もしくは他のビニルモノマーとの共重合体(例え
ばメタクリル酸ナトリウム、メタクリル酸アンモニウ
ム、住友化学(株)製のスミカゲルL−5H)も使用さ
れる。これらのバインダーは2種以上組み合わせて用い
ることもできる。特にゼラチンと上記バインダーの組み
合わせが好ましい。またゼラチンは、種々の目的に応じ
て石灰処理ゼラチン、酸処理ゼラチン、カルシウムなど
の含有量を減らしたいわゆる脱灰ゼラチンから選択すれ
ば良く、組み合わせて用いる事も好ましい。本発明にお
いて、バインダーの塗布量は1〜20g/m2 、好まし
くは2〜15g/m2 、更に好ましくは3〜12g/m
2 が適当である。この中でゼラチンは50%〜100
%、好ましくは70%〜100%の割合で用いる。
【0193】発色現像主薬としては、一般式(1)また
は(2)で表される現像主薬の他に、p−フェニレンジ
アミン類またはp−アミノフェノール類および一般式
(a)〜(e)で表される化合物も併用することができ
る。
【0194】
【化73】
【0195】一般式(a)で表される化合物はスルホン
アミドフェノールと総称される化合物である。一般式
(a)中、R1 〜R4 は各々水素原子、ハロゲン原子
(例えばクロル基、ブロム基)、アルキル基(例えばメ
チル基、エチル基、イソプロピル基、n−ブチル基、t
−ブチル基)、アリール基(たとえばフェニル基、トリ
ル基、キシリル基)、アルキルカルボンアミド基(例え
ばアセチルアミノ基、プロピオニルアミノ基、ブチロイ
ルアミノ基)、アリールカルボンアミド基(例えばベン
ゾイルアミノ基)、アルキルスルホンアミド基(例えば
メタンスルホニルアミノ基、エタンスルホニルアミノ
基)、アリールスルホンアミド基(例えばベンゼンスル
ホニルアミノ基、トルエンスルホニルアミノ基)、アル
コキシ基(例えばメトキシ基、エトキシ基、ブトキシ
基)、アリールオキシ基(例えばフェノキシ基)、アル
キルチオ基(例えばメチルチオ基、エチルチオ基、ブチ
ルチオ基)、アリールチオ基(例えばフェニルチオ基、
トリルチオ基)、アルキルカルバモイル基(例えばメチ
ルカルバモイル基、ジメチルカルバモイル基、エチルカ
ルバモイル基、ジエチルカルバモイル基、ジブチルカル
バモイル基、ピペリジルカルバモイル基、モルホリルカ
ルバモイル基)、アリールカルバモイル基(例えばフェ
ニルカルバモイル基、メチルフェニルカルバモイル基、
エチルフェニルカルバモイル基、ベンジルフェニルカル
バモイル基)、
【0196】カルバモイル基、アルキルスルファモイル
基(例えばメチルスルファモイル基、ジメチルスルファ
モイル基、エチルスルファモイル基、ジエチルスルファ
モイル基、ジブチルスルファモイル基、ピペリジルスル
ファモイル基、モルホリルスルファモイル基)、アリー
ルスルファモイル基(例えばフェニルスルファモイル
基、メチルフェニルスルファモイル基、エチルフェニル
スルファモイル基、ベンジルフェニルスルファモイル
基)、スルファモイル基、シアノ基、アルキルスルホニ
ル基(例えばメタンスルホニル基、エタンスルホニル
基)、アリールスルホニル基(例えばフェニルスルホニ
ル基、4−クロロフェニルスルホニル基、p−トルエン
スルホニル基)、アルコキシカルボニル基(例えばメト
キシカルボニル基、エトキシカルボニル基、ブトキシカ
ルボニル基)、アリールオキシカルボニル基(例えばフ
ェノキシカルボニル基)、アルキルカルボニル基(例え
ばアセチル基、プロピオニル基、ブチロイル基)、アリ
ールカルボニル基(例えばベンゾイル基、アルキルベン
ゾイル基)、またはアシルオキシ基(例えばアセチルオ
キシ基、プロピオニルオキシ基、ブチロイルオキシ基)
を表す。R1 〜R4 の中で、R2 およびR4 は好ましく
は水素原子である。また、R1 〜R4 のハメット定数σ
p値の合計は0以上となることが好ましい。
【0197】R5 はアルキル基(例えばメチル基、エチ
ル基、ブチル基、オクチル基、ラウリル基、セチル基、
ステアリル基)、アリール基(例えばフェニル基、トリ
ル基、キシリル基、4−メトキシフェニル基、ドデシル
フェニル基、クロロフェニル基、トリクロロフェニル
基、ニトロクロロフェニル基、トリイソプロピルフェニ
ル基、4−ドデシルオキシフェニル基、3,5−ジ−
(メトキシカルボニル)基)、または複素環基(例えば
ピリジル基)を表す。
【0198】一般式(b)で表される化合物はスルホニ
ルヒドラジンと総称される化合物である。また、一般式
(d)で表される化合物はカルバモイルヒドラジンと総
称される化合物である。
【0199】一般式(b)および一般式(d)中、R5
はアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、ブチル
基、オクチル基、ラウリル基、セチル基、ステアリル
基)、アリール基(例えば、フェニル基、トリル基、キ
シリル基、4−メトキシフェニル基、ドデシルフェニル
基、クロロフェニル基、ジクロロフェニル基、トリクロ
ロフェニル基、ニトロクロロフェニル基、トリイソプロ
ピルフェニル基、4−ドデシルオキシフェニル基、3,
5−ジ(メトキシ)カルボニル基)、または複素環基
(例えば、ピリジル基)を表す。Zは芳香環を形成する
原子群を表す。Zによって形成される芳香環は、本化合
物に銀現像活性を付与するため、十分に電子吸引的であ
ることが必要である。このため、含窒素芳香環を形成す
るか、或いはベンゼン環に電子吸引性基を導入したよう
な芳香環が好ましく使用される。このような芳香環とし
ては、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、キノリ
ン環、キノキサリン環等が好ましい。
【0200】Zがベンゼン環を形成する場合、その置換
基としては、アルキルスルホニル基(例えばメタンスル
ホニル基、エタンスルホニル基)、ハロゲン原子(例え
ばクロル基、ブロム基)、アルキルカルバモイル基(例
えばメチルカルバモイル基、ジメチルカルバモイル基、
エチルカルバモイル基、ジエチルカルバモイル基、ジブ
チルカルバモイル基、ピペリジルカルバモイル基、モル
ホリルカルバモイル基)、アリールカルバモイル基(例
えばフェニルカルバモイル基、メチルフェニルカルバモ
イル基、エチルフェニルカルバモイル基、ベンジルフェ
ニルカルバモイル基)、カルバモイル基、アルキルスル
ファモイル基(例えばメチルスルファモイル基、ジメチ
ルスルファモイル基、エチルスルファモイル基、ジエチ
ルスルファモイル基、ジブチルスルファモイル基、ピペ
リジルスルファモイル基、モルホリルスルファモイル
基)、アリールスルファモイル基(例えばフェニルスル
ファモイル基、メチルフェニルスルファモイル基、エチ
ルフェニルスルファモイル基、ベンジルフェニルスルフ
ァモイル基)、スルファモイル基、シアノ基、アルキル
スルホニル基(例えばメタンスルホニル基、エタンスル
ホニル基)、アリールスルホニル基(例えばフェニルス
ルホニル基、4−クロロフェニルスルホニル基、p−ト
ルエンスルホニル基)、アルコキシカルボニル基(例え
ばメトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、ブト
キシカルボニル基)、アリールオキシカルボニル基(例
えばフェノキシカルボニル基)、アルキルカルボニル基
(例えばアセチル基、プロピオニル基、ブチロイル
基)、またはアリールカルボニル基(例えばベンゾイル
基、アルキルベンゾイル基)等が挙げられるが、上記置
換基のハメット定数σ値の合計は1以上である。
【0201】一般式(c)で表される化合物はスルホニ
ルヒドラゾンと総称される化合物である。また、一般式
(e)で表される化合物はカルバモイルヒドラゾンと総
称される化合物である。
【0202】一般式(c)および一般式(e)中、R5
はアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、ブチル
基、オクチル基、ラウリル基、セチル基、ステアリル
基)、アリール基(例えば、フェニル基、トリル基、キ
シリル基、4−メトキシフェニル基、ドデシルフェニル
基、クロロフェニル基、ジクロロフェニル基、トリクロ
ロフェニル基、ニトロクロロフェニル基、トリイソプロ
ピルフェニル基、4−ドデシルオキシフェニル基、3,
5−ジ(メトキシ)カルボニル基)、または複素環基
(例えば、ピリジル基)を表す。R6 は置換または無置
換のアルキル基(例えばメチル基、エチル基)を表す。
Xは酸素原子、硫黄原子、セレン原子またはアルキル置
換もしくはアリール置換の3級窒素原子を表すが、アル
キル置換の3級窒素原子が好ましい。R7 、R8 は水素
原子または置換基を表し、R7 、R8 が互いに結合して
2重結合または環を形成してもよい。
【0203】以下に、一般式(a)〜(e)で表される
化合物の具体例を示すが、本発明の化合物はもちろんこ
れによって限定されるものではない。
【0204】
【化74】
【0205】
【化75】
【0206】
【化76】
【0207】
【化77】
【0208】
【化78】
【0209】
【化79】
【0210】
【化80】
【0211】
【化81】
【0212】
【化82】
【0213】
【化83】
【0214】
【化84】
【0215】
【化85】
【0216】現像主薬は、一般式(1)または(2)で
表される現像主薬の他に上記の化合物を1種類もしくは
複数種類を組み合わせて用いてもよい。各層で別々の現
像主薬を用いても良い。それらの現像主薬の総使用量は
0.05〜20mmol/m2 、好ましくは0.1〜1
0mmol/m2 である。
【0217】次にカプラーについて説明する。本発明に
おけるカプラーとは、前記の発色現像主薬の酸化体とカ
ップリング反応し、色素を形成する化合物である。本発
明に好ましく使用されるカプラーとしては、本発明に用
いる前記化合物(A)または(B)のカプラーの他に、
活性メチレン、5−ピラゾロン、フェノール、ナフトー
ルと総称される化合物である。これらのカプラーはRD
No.38957(1996 年9月) 、616 〜624 頁”x.Dye imag
e formers and modifiers ”に引用されているの化合物
を好ましく使用することができる。
【0218】これらのカプラーはいわゆる2当量カプラ
ーと4当量カプラーとに分けることができる。2当量カ
プラーのアニオン性離脱基として作用する基としては、
ハロゲン原子(例えばクロル基、ブロム基)、アルコキ
シ基(例えばメトキシ基、エトキシ基)、アリールオキ
シ基(例えばフェノキシ基、4−シアノフェノキシ基、
4−アルコキシカルボニルフェニル基)、アルキルチオ
基(例えばメチルチオ基、エチルチオ基、ブチルチオ
基)、アリールチオ基(例えばフェニルチオ基、トリル
チオ基)、アルキルカルバモイル基(例えばメチルカル
バモイル基、ジメチルカルバモイル基、エチルカルバモ
イル基、ジエチルカルバモイル基、ジブチルカルバモイ
ル基、ピペリジルカルバモイル基、モルホリルカルバモ
イル基)、アリールカルバモイル基(例えばフェニルカ
ルバモイル基、メチルフェニルカルバモイル基、エチル
フェニルカルバモイル基、ベンジルフェニルカルバモイ
ル基)、カルバモイル基、アルキルスルファモイル基
(例えばメチルスルファモイル基、ジメチルスルファモ
イル基、エチルスルファモイル基、ジエチルスルファモ
イル基、ジブチルスルファモイル基、ピペリジルスルフ
ァモイル基、モルホリルスルファモイル基)、アリール
スルファモイル基(例えばフェニルスルファモイル基、
メチルフェニルスルファモイル基、エチルフェニルスル
ファモイル基、ベンジルフェニルスルファモイル基)、
スルファモイル基、シアノ基、アルキルスルホニル基
(例えばメタンスルホニル基、エタンスルホニル基)、
アリールスルホニル基(例えばフェニルスルホニル基、
4−クロロフェニルスルホニル基、p−トルエンスルホ
ニル基)、アルキルカルボニルオキシ基(例えばアセチ
ルオキシ基、プロピオニルオキシ基、ブチロイルオキシ
基)、アリールカルボニルオキシ基(例えばベンゾイル
オキシ基、トルイルオキシ基、アニシルオキシ基)、含
窒素複素環基(例えばイミダゾリル基、ベンゾトリアゾ
リル基)等が挙げられる。
【0219】また、4当量カプラーのカチオン性離脱基
として作用する基としては、水素原子、ホルミル基、カ
ルバモイル基、置換基を有するメチレン基(置換基とし
ては、アリール基、スルファモイル基、カルバモイル
基、アルコキシ基、アミノ基、水酸基等)、アシル基、
スルホニル基等が挙げられる。
【0220】上記RD No.38957 に記載の化合物以外に
も、以下に記載のカプラーを好ましく用いることができ
る。
【0221】活性メチレン系カプラーとしては、EP5
02,424Aの式(I),(II)で表わされるカプラー;E
P513,496Aの式(1)、(2)で表わされるカ
プラー;EP568,037Aのクレーム1の式(I)
で表わされるカプラー;US5,066,576のカラ
ム1の45〜55行の一般式(I)で表わされるカプラ
ー;特開平4−274425号の段落番号0008の一
般式(I)で表わされるカプラー;EP498,381
A1の40頁のクレーム1に記載のカプラー;EP44
7,969A1の4頁の式(Y)で表わされるカプラ
ー;US4,476,219のカラム7の36〜58行
の式(II)〜(IV)で表わされるカプラーを用いること
ができる。
【0222】5−ピラゾロン系マゼンタカプラーとして
は、特開昭57−35858号および特開昭51−20
826号に記載の化合物が好ましい。
【0223】フェノール系カプラーの好ましい例として
は、米国特許第2,369,929号、同第2,80
1,171号、同第2,772,162号、同第2,8
95,826号、同第3,772,002号等に記載の
2−アルキルアミノ−5−アルキルフェノール系、米国
特許第2,772,162号、同第3,758,308
号、同第4,126,396号、同第4,334,01
1号、同第4,327,173号、西独特許公開第3,
329,729号、特開昭59−166956号等に記
載の2,5−ジアシルアミノフェノール系、米国特許第
3,446,622号、同第4,333,999号、同
第4,451,559号、同第4,427,767号等
に記載の2−フェニルウレイド−5−アシルアミノフェ
ノール系等を挙げることができる。
【0224】ナフトールカプラーの好ましい例として
は、米国特許第2,474,293号、同第4,05
2,212号、同第4,146,396号、同第4,2
28,233号、同第4,296,200号等に記載の
2−カルバモイル−1−ナフトール系および米国特許
4,690,889号等に記載の2−カルバモイル−5
−アミド−1−ナフトール系等を挙げることができる。
【0225】その他、縮環フェノール、イミダゾール、
ピロール、3−ヒドロキシピリジン、活性メチン、5,
5−縮環複素環、5,6−縮環複素環といった構造を有
するカプラーが使用できる。
【0226】縮環フェノール系カプラーとしては、米国
特許第4,327,173号、同第4,564,586
号、同第4,904,575号等に記載のカプラーが使
用できる。
【0227】イミダゾール系カプラーとしては、米国特
許第4,818,672号、同第5,051,347号
等に記載のカプラーが使用できる。
【0228】ピロール系カプラーとしては特開平4−1
88137号、同4−190347号等に記載のカプラ
ーが使用できる。
【0229】3−ヒドロキシピリジン系カプラーとして
は特開平1−315736号等に記載のカプラーが使用
できる。
【0230】活性メチン系カプラーとしては米国特許第
5,104,783号、同第5,162,196号等に
記載のカプラーが使用できる。
【0231】5,5−縮環複素環系カプラーとしては、
米国特許第5,164,289号に記載のピロロピラゾ
ール系カプラー、特開平4−174429号に記載のピ
ロロイミダゾール系カプラー等が使用できる。
【0232】5,6−縮環複素環系カプラーとしては、
米国特許第4,950,585号に記載のピラゾロピリ
ミジン系カプラー、特開平4−204730号に記載の
ピロロトリアジン系カプラー、欧州特許第556,70
0号に記載のカプラー等が使用できる。
【0233】本発明には前述のカプラー以外に、西独特
許第3,819,051A号、同第3,823,049
号、米国特許第4,840,883号、同第5,02
4,930号、同第5,051,347号、同第4,4
81,268号、欧州特許第304,856A2号、同
第329,036号、同第354,549A2号、同第
374,781A2号、同第379,110A2号、同
第386,930A1号、特開昭63−141055
号、同64−32260号、同32261号、特開平2
−297547号、同2−44340号、同2−110
555号、同3−7938号、同3−160440号、
同3−172839号、同4−172447号、同4−
179949号、同4−182645号、同4−184
437号、同4−188138号、同4−188139
号、同4−194847号、同4−204532号、同
4−204731号、同4−204732号等に記載さ
れているカプラーも使用できる。これらのカプラーは各
色0.05〜10mmol/m2 、好ましくは0.1〜5mm
ol/m2 用いる。
【0234】また、以下のような機能性カプラーを含有
しても良い。発色色素が適度な拡散性を有するカプラー
としては、US4,366,237、GB2,125,
570、EP96,873B、DE3,234,533
に記載のものが好ましい。発色色素の不要な吸収を補正
するためのカプラーとして、EP456,257A1号
に記載のイエローカラードシアンカプラー、該EPに記
載のイエローカラードマゼンタカプラー、US4,83
3,069号に記載のマゼンタカラードシアンカプラ
ー、US4,837,136号の(2) 、WO92/11
575のクレーム1の式(A)で表わされる無色のマス
キングカプラー(特に36〜45頁の例示化合物)。
【0235】現像主薬の酸化体と反応して写真的に有用
な化合物残査を放出する化合物(カプラーを含む)とし
ては、本発明における前記化合物以外に以下のものが挙
げられる。 現像抑制剤放出化合物:EP378,236A1号の1
1頁に記載の式(I)〜(IV)で表わされる化合物、E
P436,938A2号の7頁に記載の式(I)で表わ
される化合物、EP568,037Aの式(1)で表わ
される化合物、EP440,195A2の5〜6頁に記
載の式(I)、(II)、(III )で表わされる化合物。 漂白促進剤放出化合物:EP310,125A2の5頁
の式(I)、(I’)で表わされる化合物及び特開平6
−59411号の請求項1の式(I)で表わされる化合
物。 リガンド放出化合物:US4,555,478のクレー
ム1に記載のLIG−X で表わされる化合物。 ロイコ色素放出化合物:US4,749,641のカラ
ム3〜8の化合物1〜6; 蛍光色素放出化合物:US4,774,181のクレー
ム1のCOUP−DYEで表わされる化合物。
【0236】現像促進剤又はカブラセ剤放出化合物:U
S4,656,123のカラム3の式(1)、(2)、
(3)で表わされる化合物及びEP450,637A2
の75頁36〜38行目のExZK−2。 離脱して初めて色素となる基を放出する化合物:US
4,857,447のクレーム1の式(I)で表わされ
る化合物、特願平4−134523号の式(1)で表わ
される化合物、EP440,195A2の5、6頁に記
載の式(I)(II)(III )で表わされる化合物、特願
平4−325564号の請求項1の式(I)で表わされ
る化合物−リガンド放出化合物、US4,555,47
8号のクレーム1に記載のLIG−Xで表わされる化合
物。このような機能性カプラーは、先に述べた発色に寄
与するカプラーの0.05〜10倍モル、好ましくは
0.1〜5倍モル用いることが好ましい。
【0237】カプラー、発色現像主薬などの疎水性添加
剤は米国特許第2,322,027号記載の方法などの
公知の方法により感光材料の層中に導入することができ
る。この場合には、米国特許第4,555,470号、
同4,536,466号、同4,536,467号、同
4,587,206号、同4,555,476号、同
4,599,296号、特公平3−62,256号など
に記載のような高沸点有機溶媒を、必要に応じて沸点5
0℃〜160℃の低沸点有機溶媒と併用して、用いるこ
とができる。またこれら色素供与性カプラー、高沸点有
機溶媒などは2種以上併用することができる。高沸点有
機溶媒の量は用いられる疎水性添加剤1gに対して10
g以下、好ましくは5g以下、より好ましくは1g〜
0.1gである。また、バインダー1gに対して1cc以
下が適当であり、より好ましくは0.5cc以下、特に好
ましくは0.3cc以下である。
【0238】特公昭51−39,853号、特開昭51
−59,943号に記載されている重合物による分散法
や特開昭62−30,242号等に記載されている微粒
子分散物にして添加する方法も使用できる。水に実質的
に不溶な化合物の場合には、前記方法以外にバインダー
中に微粒子にして分散含有させることができる。疎水性
化合物を親水性コロイドに分散する際には、種々の界面
活性剤を用いることができる。例えば特開昭59−15
7,636号の第(37)〜(38)頁、前記のRDに記載の界
面活性剤として挙げたものを使うことができる。また、
特願平5−204325号、同6−19247号、西独
公開特許第1,932,299A号記載のリン酸エステ
ル型界面活性剤も使用できる。
【0239】本発明の感光材料の感光性層は、好ましく
は青色光、緑色光、および赤色光の何れかに感色性を有
する単位感光性層であり、多層ハロゲン化銀カラー写真
感光材料においては、一般に単位感光性層の配列が、支
持体側から順に赤感光性層、緑感光性層、青感光性層の
順に設置される。しかし、目的に応じて上記設置順が逆
であっても、また同一感色性層中に異なる感光性層が挟
まれたような設置順をもとり得る。上記のハロゲン化銀
感光性層の間および最上層、最下層には非感光性層を設
けてもよい。これらには、前述のカプラー、現像主薬、
及びDIR化合物、混色防止剤、染料等が含まれていて
もよい。各単位感光性層を構成する複数のハロゲン化銀
乳剤層は、DE1,121,470あるいはGB92
3,045に記載されているように高感度乳剤層、低感
度乳剤層の2層を、支持体に向かって順次感光度が低く
なる様に配列するのが好ましい。また、特開昭57−1
12751号、同62−200350号、同62−20
6541号、同62−206543号に記載されている
ように支持体より離れた側に低感度乳剤層、支持体に近
い側に高感度乳剤層を設置してもよい。
【0240】具体例として支持体から最も遠い側から、
低感度青感光性層(BL)/高感度青感光性層(BH)/高
感度緑感光性層(GH)/低感度緑感光性層(GL) /高感
度赤感光性層(RH)/低感度赤感光性層(RL)の順、ま
たはBH/BL/GL/GH/RH/RLの順、またはBH/BL/GH/
GL/RL/RHの順等に設置することができる。また特公昭
55−34932号に記載されているように、支持体か
ら最も遠い側から青感光性層/GH/RH/GL/RLの順に配
列することもできる。また特開昭56−25738号、
同62−63936号に記載されているように、支持体
から最も遠い側から青感光性層/GL/RL/GH/RHの順に
配列することもできる。また特公昭49−15495号
に記載されているように上層を最も感光度の高いハロゲ
ン化銀乳剤層、中層をそれよりも低い感光度のハロゲン
化銀乳剤層、下層を中層よりも更に感光度の低いハロゲ
ン化銀乳剤層を配置し、支持体に向かって感光度が順次
低められた感光度の異なる3層から構成される配列が挙
げられる。このような感光度の異なる3層から構成され
る場合でも、特開昭59−202464号に記載されて
いるように、同一感色性層中において支持体より離れた
側から中感度乳剤層/高感度乳剤層/低感度乳剤層の順
に配置されてもよい。その他、高感度乳剤層/低感度乳
剤層/中感度乳剤層、あるいは低感度乳剤層/中感度乳
剤層/高感度乳剤層の順に配置されていてもよい。ま
た、4層以上の場合にも、上記の如く配列を変えてよ
い。
【0241】色再現性を改良するために、US4,66
3,271、同4,705,744、同4,707,4
36、特開昭62−160448号、同63−8985
0号の明細書に記載の、BL,GL,RLなどの主感光性層と分
光感度分布が異なる重層効果のドナー層(CL) を主感光
性層に隣接もしくは近接して配置することが好ましい。
本発明においては、ハロゲン化銀と色素供与性カプラー
及び発色現像主薬は同一層に含まれていても良いが、反
応可能な状態であれば別層に分割して添加することもで
きる。例えば発色現像主薬を含む層とハロゲン化銀を含
む層とを別層にすると感材の生保存性の向上がはかれ
る。各層の分光感度及びカプラーの色相の関係は任意で
あるが、赤色感光性層にシアンカプラー、緑色感光性層
にマゼンタカプラー、青色感光性層にイエローカプラー
を用いると、従来のカラーペーパー等に直接投影露光で
きる。
【0242】感光材料には、上記のハロゲン化銀乳剤層
の間および最上層、最下層には、保護層、下塗り層、中
間層、黄色フィルター層、アンチハレーション層などの
各種の非感光性層を設けても良く、支持体の反対側には
バック層などの種々の補助層を設けることができる。具
体的には、上記文献に記載のような層構成、米国特許第
5,051,335号記載のような下塗り層、特開平1
−167,838号、特開昭61−20,943号記載
のような固体顔料を有する中間層、特開平1−120,
553号、同5−34,884号、同2−64,634
号記載のような還元剤やDIR化合物を有する中間層、
米国特許第5,017,454号、同5,139,91
9号、特開平2−235,044号記載のような電子伝
達剤を有する中間層、特開平4−249,245号記載
のような還元剤を有する保護層またはこれらを組み合わ
せた層などを設けることができる。
【0243】黄色フィルター層、アンチハレーション層
に用いる事の出来る染料としては、現像時に消色あるい
は除去され、処理後の濃度に寄与しないものが好まし
い。黄色フィルター層、アンチハレーション層の染料が
現像時に消色あるいは除去されるとは、処理後に残存す
る染料の量が、塗布直前の1/3以下、好ましくは1/
10以下となることであり、現像時に染料の成分が感光
材料から処理部材に転写しても良いし、現像時に反応し
て無色の化合物に変わっても良い。
【0244】本発明においては、前記の色材に加えて、
具体的には、欧州特許出願EP549,489A号記載
の染料や、特開平7−152129号のExF2〜6の
染料を用いることができる。また、特開平8−1014
87号に記載されているような、固体分散した染料を用
いることもできる。また、媒染剤とバインダーに染料を
媒染させておくことも出来る。この場合媒染剤と染料は
写真分野で公知のものを用いることが出来、US4,5
00,626号第58〜59欄や、特開昭61−882
56号32〜41頁、特開昭62−244043号、特
開昭62−244036号等に記載の媒染剤を上げるこ
とができる。また、還元剤と反応して拡散性色素を放出
する化合物と還元剤を用い、現像時のアルカリで可動性
色素を放出させ、処理部材に転写除去させることもでき
る。具体的には、米国特許第4,559,290号、同
4,783,396号、欧州特許第220,746A2
号、公開技報87−6119号に記載されている他、特
開平8−101487号の段落番号0080〜0081
に記載されている。
【0245】本発明においては、前記の色材に加えて、
消色するロイコ染料などを併用することもでき、具体的
には特開平1−150,132号に有機酸金属塩の顕色
剤によりあらかじめ発色させておいたロイコ色素を含む
ハロゲン化銀感光材料が開示されている。ロイコ色素と
顕色剤錯体は熱あるいはアルカリ剤と反応して消色す
る。ロイコ色素は、公知のものが利用でき、森賀、吉田
「染料と薬品」9、84頁(化成品工業協会)、「新版
染料便覧」242頁(丸善、1970)、R.Garner「Re
ports on the Progress of Appl. Chem 」56、199
頁(1971)、「染料と薬品」19、230頁(化成
品工業協会、1974)、「色材」62、288頁(1
989)、「染色工業」32、208等に記載がある。
顕色剤としては、酸性白土系顕色剤、フェノールホルム
アルデヒドレジンの他、有機酸の金属塩が好ましく用い
られる。有機酸の金属塩としてはサリチル酸類の金属
塩、フェノール−サリチル酸−ホルムアルデヒドレジン
の金属塩、ロダン塩、キサントゲン酸塩の金属塩等が有
用であり、金属としては特に亜鉛が好ましい。上記の顕
色剤のうち、油溶性のサリチル酸亜鉛塩については、米
国特許第3,864,146号、同4,046,941
号各明細書、及び特公昭52−1327号公報等に記載
されたものを用いることができる。
【0246】本発明の感光材料の塗布層は硬膜剤で硬膜
されていることが好ましい。硬膜剤の例としては米国特
許第4,678,739号第41欄、同4,791,0
42号、特開昭59−116,655号、同62−24
5,261号、同61−18,942号、特開平4−2
18,044号等に記載の硬膜剤が挙げられる。より具
体的には、アルデヒド系硬膜剤(ホルムアルデヒドな
ど)、アジリジン系硬膜剤、エポキシ系硬膜剤、ビニル
スルホン系硬膜剤(N,N′−エチレン−ビス(ビニル
スルホニルアセタミド)エタンなど)、N−メチロール
系硬膜剤(ジメチロール尿素など)、ほう酸、メタほう
酸あるいは高分子硬膜剤(特開昭62−234,157
号などに記載の化合物)が挙げられる。これらの硬膜剤
は、親水性バインダー1gあたり0.001〜1g、好
ましくは0.005〜0.5gが用いられる。
【0247】感光材料には、種々のカブリ防止剤または
写真安定剤およびそれらのプレカーサーを使用すること
ができる。その具体例としては、前記RD、米国特許第
5,089,378号、同4,500,627号、同
4,614,702号、特開昭64−13,564号
(7)〜(9) 頁、(57)〜(71)頁および(81)〜(97)頁、米国
特許第4,775,610号、同4,626,500
号、同4,983,494号、特開昭62−174,7
47号、同62−239,148号、特開平1−15
0,135号、同2−110,557号、同2−17
8,650号、RD17,643号(1978年) (24)
〜(25)頁等記載の化合物が挙げられる。これらの化合物
は、銀1モルあたり5×10-6〜1×10-1モルが好ま
しく、さらに1×10-5〜1×10-2モルが好ましく用
いられる。
【0248】感光材料には、塗布助剤、剥離性改良、ス
ベリ性改良、帯電防止、現像促進等の目的で種々の界面
活性剤を使用することができる。界面活性剤の具体例は
公知技術第5号(1991年3月22日、アズテック有
限会社発行)の136〜138頁、特開昭62−17
3,463号、同62−183,457号等に記載され
ている。感光材料には、スベリ性防止、帯電防止、剥離
性改良等の目的で有機フルオロ化合物を含ませてもよ
い。有機フルオロ化合物の代表例としては、特公昭57
−9053号第8〜17欄、特開昭61−20944
号、同62−135826号等に記載されているフッ素
系界面活性剤、またはフッ素油などのオイル状フッ素系
化合物もしくは四フッ化エチレン樹脂などの固体状フッ
素化合物樹脂などの疎水性フッ素化合物が挙げられる。
感光材料のぬれ性と帯電防止を両立する目的で親水性基
を有するフッ素系界面活性剤も好ましく用いられる。
【0249】感光材料には滑り性がある事が好ましい。
滑り剤含有層は感光性層面、バック面ともに用いること
が好ましい。好ましい滑り性としては動摩擦係数で0.
25以下0.01以上である。この時の測定は直径5mm
のステンレス球に対し、60cm/分で搬送した時の値を
表す(25℃、60%RH)。この評価において相手材
として感光性層面に置き換えてもほぼ同レベルの値とな
る。使用可能な滑り剤としては、ポリオルガノシロキサ
ン、高級脂肪酸アミド、高級脂肪酸金属塩、高級脂肪酸
と高級アルコールのエステル等であり、ポリオルガノシ
ロキサンとしては、ポリジメチルシロキサン、ポリジエ
チルシロキサン、ポリスチリルメチルシロキサン、ポリ
メチルフェニルシロキサン等を用いることができる。添
加層としては乳剤層の最外層やバック層が好ましい。特
にポリジメチルシロキサンや長鎖アルキル基を有するエ
ステルが好ましい。ハロゲン化銀の圧力カブリや減感を
防止するために、シリコンオイルや塩化パラフィンは好
ましく用いられる。
【0250】また本発明においては、帯電防止剤が好ま
しく用いられる。それらの帯電防止剤としては、カルボ
ン酸及びカルボン酸塩、スルホン酸塩を含む高分子、カ
チオン性高分子、イオン性界面活性剤化合物を挙げるこ
とができる。帯電防止剤として最も好ましいものは、Zn
O 、TiO2、SnO2、Al2O3 、In2O3 、SiO2、MgO 、BaO 、
MoO3、V2O5の中から選ばれた少くとも1種の体積抵抗率
が107 Ω・cm以下、より好ましくは105 Ω・cm以下
である粒子サイズ0.001〜1.0μm結晶性の金属
酸化物あるいはこれらの複合酸化物(Sb,P,B,In,S,Si,C
など)の微粒子、更にはゾル状の金属酸化物あるいはこ
れらの複合酸化物の微粒子である。感材への含有量とし
ては5〜500mg/m2が好ましく、特に好ましくは10
〜350mg/m2である。導電性の結晶性酸化物又はその
複合酸化物とバインダーの量の比は1/300〜100
/1が好ましく、より好ましくは1/100〜100/
5である。感光材料の支持体の裏面には、特開平8−2
92514号に記載された耐水性のポリマーを塗布する
ことも好ましい。
【0251】感光材料または後述する処理部材の構成
(バック層を含む)には、寸度安定化、カール防止、接
着防止、膜のヒビ割れ防止、圧力増減感防止等の膜物性
改良の目的で種々のポリマーラテックスを含有させるこ
とができる。具体的には、特開昭62−245258
号、同62−136648号、同62−110066号
等に記載のポリマーラテックスのいずれも使用できる。
特に、ガラス転移点の低い(40℃以下)ポリマーラテ
ックスを媒染層に用いると媒染層のヒビ割れを防止する
ことができ、またガラス転移点が高いポリマーラテック
スをバック層に用いるとカール防止効果が得られる。
【0252】本発明に使用し得る感光材料にはマット剤
を有する事が好ましい。マット剤としては乳剤面、バッ
ク面とどちらでもよいが、乳剤側の最外層に添加するの
が特に好ましい。マット剤は処理液可溶性でも処理液不
溶性でもよく、好ましくは両者を併用することである。
例えばポリメチルメタクリレート、ポリ(メチルメタク
リレート/メタクリル酸=9/1又は5/5(モル
比))、ポリスチレン粒子などが好ましい。粒径として
は0.8〜10μmが好ましく、その粒径分布も狭い方
が好ましく、平均粒径の0.9〜1.1倍の間に全粒子
数の90%以上が含有されることが好ましい。又、マッ
ト性を高めるために0.8μm以下の微粒子を同時に添
加することも好ましく、例えばポリメチルメタクリレー
ト(0.2μm)、ポリ(メチルメタクリレート/メタ
クリル酸=9/1(モル比))(0.3μm)、ポリス
チレン粒子(0.25μm)、コロイダルシリカ(0.
03μm)等が挙げられる。具体的には、特開昭61−
88256号(29)頁に記載されている。その他、ベン
ゾグアナミン樹脂ビーズ、ポリカーボネート樹脂ビー
ズ、AS樹脂ビーズなどの特開昭63−274944
号、同63−274952号記載の化合物がある。その
他前記RDに記載の化合物が使用できる。これらのマッ
ト剤は、必要に応じて前記バインダーの項に記載の各種
バインダーで分散して、分散物として使用することがで
きる。特に各種のゼラチン、例えば、酸処理ゼラチン分
散物は安定な塗布液を調製しやすく、このとき、pH、
イオン強度、バインダー濃度を必要に応じて最適化する
事が好ましい。
【0253】また、以下に記載の化合物も使用すること
ができる。 油溶性有機化合物の分散媒: 特開昭62−215272
号のP-3,5,16,19,25,30,42,49,54, 55,66,81,85,86,93
(140 〜144 頁); 油溶性有機化合物の含浸用ラテックス: US4,19
9,363に記載のラテックス; 現像主薬酸化体スカベンジャー: US4,978,60
6のカラム2の54〜62行の式(I) で表わされる化合物
(特にI-,(1),(2),(6),(12) (カラム4〜5))、US
4,923,787のカラム2の5〜10行の式(特に化
合物1(カラム3); ステイン防止剤: EP298321Aの4頁30〜33行の
式(I) 〜(III) 、特にI-47,72,III-1,27(24 〜48頁); 褪色防止剤:EP298321AのA-6,7,20,21,23,24,
25, 26,30,37,40,42,48,63,90,92,94,164(69〜118 頁)
、US5,122,444のカラム25〜38のII-1〜III
-23、特にIII-10、EP471347Aの8〜12頁のI
-1 〜III-4 、特にII-2、US5,139,931のカ
ラム32〜40のA-1 〜48、特にA-39,42; 発色増強剤または混色防止剤の使用量を低減させる素
材: EP411324Aの5 〜24頁のI-1 〜II-15,特に
I-46;
【0254】ホルマリンスカベンジャー: EP4779
32Aの24〜29頁のSCV−1〜28,特にSCV
−8; 硬膜剤:特開平1−214845号の17頁のH−1,
4,6,8,14,US4,618,573のカラム1
3〜23の式(VII) 〜(XII) で表わされる化合物(H-1〜
54)、特開平2−214852号の8頁右下の式(6)
で表わされる化合物(H-1〜76)、特にH-14、US3,3
25,287のクレーム1に記載の化合物; 現像抑制剤プレカーサー:特開昭62−168139号
のP-24,37,39(6〜7頁);US 5,019,492
のクレーム1に記載の化合物,特にカラム7の28,29 ; 防腐剤、防黴剤: US4,923,790のカラム3〜
15のI-1 〜III-43、特にII-1,9,10,18, III-25; 安定剤、かぶり防止剤: US4,923,793のカラ
ム6〜16のI-1 〜(14)、特にI-1,60,(2),(13),US
4,952,483のカラム25〜32の化合物1〜6
5, 特に36; 化学増感剤: トリフェニルホスフィン セレニド, 特開
平5−40324号の化合物50;
【0255】染料: 特開平3−156450号の15〜
18頁のa-1 〜b-20, 特にa-1,12,18,27,35,36,b-5,27
〜29頁のV-1 〜23、特にV-1 、EP445627Aの33
〜55頁のF-I-1 〜F-II-43 、特にF-I-11,F-II-8 、EP
457153Aの17〜28頁のIII-1 〜36、特にIII-
1,3, WO88/04794の8〜26のDye-1 〜124の
微結晶分散体, EP319999Aの6〜11頁の化合物
1〜22, 特に化合物1,EP519306A の式(1) な
いし(3) で表わされる化合物D-1 〜87(3〜28頁),US
4,268,622の式(I) で表わされる化合物1〜22
(カラム3〜10)、US4,923,788の式(I) で
表わされる化合物(1) 〜(31) (カラム2〜9); UV吸収剤:特開昭46−3335号の式(1) で表わ
される化合物(18b) 〜(18r) 、101 〜427(6〜9頁),
EP520938Aの式(I) で表わされる化合物(3) 〜
(66)(10 〜44頁) 及び式(III) で表わされる化合物HBT-
1 〜10(14 頁)、EP521823Aの式(1) で表わさ
れる化合物(1) 〜(31) (カラム2〜9)。ここまでに述
べてきた各種の添加剤、具体的には、硬膜剤、カブリ防
止剤、界面活性剤、滑り剤、帯電防止剤、ラテックス、
マット剤などは必要に応じて処理部材に添加したり、感
光材料と処理部材の両方に添加することができる。
【0256】本発明において感光材料の支持体として
は、透明かつ処理温度に耐えることのできるものが用い
られる。一般的には、日本写真学会編「写真工学の基礎
−銀塩写真編−」(株)コロナ社刊(昭和54年)(22
3) 〜(240) 頁記載の紙、合成高分子(フィルム)等の
写真用支持体が挙げられる。具体的には、ポリエチレン
テレフタレート、ポリエチレンナフタレート(PE
N)、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリスチレ
ン、ポリプロピレン、ポリイミド、セルロース類(例え
ばトリアセチルセルロース)等が挙げられる。
【0257】この中で、特にポリエチレンナフタレート
を主成分とするポリエステルが好ましいが、ここで言う
「ポリエチレンナフタレートを主成分とする」ポリエス
テルとは、全ジカルボン酸残基中に含まれるナフタレン
ジカルボン酸の含率が50mol%以上であり、より好
ましくは60mol%以上、さらに好ましくは70mo
l%以上である。これは、共重合体であってもよく、ポ
リマーブレンドであってもよい。共重合体の場合、ナフ
タレンジカルボン酸ユニットとエチレングリコールユニ
ット以外に、テレフタル酸、ビスフェノールA、シクロ
ヘキサンジメタノール等のユニットを共重合させたもの
も好ましい。これらの中で力学強度、コストの観点から
最も好ましいのがテレフタル酸ユニットを共重合したも
のである。ポリマーブレンドの好ましい相手は、相溶性
の観点からポリエチレンテレフタレート(PET)、ポ
リアリレート(PAr)、ポリカーボネート(PC)、
ポリシクロヘキサンジメタノールテレフタレート(PC
T)等のポリエステルを挙げることができるが、中でも
力学強度、コストの観点から好ましいのがPETとのポ
リマーブレンドである。
【0258】以下に好ましいポリエステルの具体的化合
物例を示す。 ポリエステル コポリマー例(括弧内の数字はモル比を
示す) 2,6―ナフタレンジカルボン酸/テレフタル酸/エチ
レングリコール(70/30/100)Tg=98℃ 2,6―ナフタレンジカルボン酸/テレフタル酸/エチ
レングリコール(80/20/100)Tg=105℃ ポリエステル ポリマーブレンド例(括弧内の数字は重
量比を示す) PEN/PET(60/40)Tg=95℃ PEN/PET(80/20)Tg=104℃ この他に、特開昭62−253,159号(29)〜(31)
頁、特開平1−161,236号(14)〜(17)頁、特開昭
63−316,848号、特開平2−22,651号、
同3−56,955号、米国特許第5,001,033
号等に記載の支持体を用いることができる。これらの支
持体は、光学的特性、物理的特性を改良するために、熱
処理(結晶化度や配向制御)、一軸及び二軸延伸(配向
制御)、各種ポリマーのブレンド、表面処理等を行うこ
とができる。
【0259】特に耐熱性やカール特性の要求が厳しい場
合、感光材料の支持体として特開平6−41281号、
同6−43581号、同6−51426号、同6−51
437号、同6−51442号、特開平6−82961
号、同6―82960号、同6―123937号、同6
―82959号、同6―67346号、同6―1185
61号、同6―266050号、同6―202277
号、同6―175282号、同6―118561号、同
7―219129号、同7―219144号各公報に記
載の支持体が好ましく用いることができる。また、主と
してシンジオタクチック構造を有するスチレン系重合体
である支持体も好ましく用いることができる。支持体の
厚みは、好ましくは5〜200μm、より好ましくは4
0〜120μmである。
【0260】また、支持体と感材構成層を接着させるた
めに、表面処理することが好ましい。薬品処理、機械的
処理、コロナ放電処理、火焔処理、紫外線処理、高周波
処理、グロー放電処理、活性プラズマ処理、レーザー処
理、混酸処理、オゾン酸化処理、などの表面活性化処理
が挙げられる。表面処理の中でも好ましいのは、紫外線
照射処理、火焔処理、コロナ処理、グロー処理である。
【0261】支持体の下塗層は、単層でもよく2層以上
でもよい。下塗層用バインダーとしては、塩化ビニル、
塩化ビニリデン、ブタジエン、メタクリル酸、アクリル
酸、イタコン酸、無水マレイン酸などの中から選ばれた
単量体を出発原料とする共重合体を始めとして、ポリエ
チレンイミン、エポキシ樹脂、グラフト化ゼラチン、ニ
トロセルロース、ゼラチン、ポリビニルアルコール、及
びこれらの変性ポリマーが挙げられる。支持体を膨潤さ
せる化合物としてレゾルシンとp−クロルフェノールが
ある。下塗層にはゼラチン硬化剤としてはクロム塩(ク
ロム明ばんなど)、アルデヒド類(ホルムアルデヒド、
グルタールアルデヒドなど)、イソシアネート類、活性
ハロゲン化合物(2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−
s−トリアジンなど)、エピクロルヒドリン樹脂、活性
ビニルスルホン化合物などを挙げることができる。Si
O2、TiO2、無機物微粒子又はポリメチルメタクリレート
共重合体微粒子(0.01〜10μm)をマット剤とし
て含有させてもよい。
【0262】また、フイルム染色に使用する染料につい
ては、感光材料の一般的な性質上色調としてはグレー染
色が好ましく、フイルム成膜温度領域での耐熱性に優
れ、かつポリエステルとの相溶性に優れたものが好まし
い。その観点から染料としては三菱化成製のDiare
sin、日本化薬製のKayaset等ポリエステル用
として市販されている染料を混合することにより目的を
達成することが可能である。特に耐熱安定性の観点か
ら、アントラキノン系の染料を挙げることができる。例
えば、特開平8―122970号に記載されているもの
を好ましく用いることができる。また、支持体として例
えば、特開平4−124645号、同5−40321
号、同6−35092号、同6−317875号記載の
磁気記録層を有する支持体を用い、撮影情報などを記録
することが好ましい。
【0263】磁気記録層とは、磁性体粒子をバインダー
中に分散した水性もしくは有機溶媒系塗布液を支持体上
に塗設したものである。磁性体粒子は、γFe2O3 などの
強磁性酸化鉄、Co被着γFe2O3 、Co被着マグネタイト、
Co含有マグネタイト、強磁性二酸化クロム、強磁性金
属、強磁性合金、六方晶系のBaフェライト、Srフェライ
ト、Pbフェライト、Caフェライトなどを使用できる。Co
被着γFe2O3 などのCo被着強磁性酸化鉄が好ましい。形
状としては針状、米粒状、球状、立方体状、板状等いず
れでもよい。比表面積ではSBET で20m2/g以上が好
ましく、30m2/g以上が特に好ましい。強磁性体の飽
和磁化(σs)は、好ましくは3.0×104 〜3.0
×105A/mであり、特に好ましくは4.0×104
2.5×105A/mである。強磁性体粒子を、シリカおよ
び/またはアルミナや有機素材による表面処理を施して
もよい。さらに、磁性体粒子は特開平6−161032
号に記載された如くその表面にシランカップリング剤ま
たはチタンカップリング剤で処理されてもよい。又特開
平4−259911号、同5−81652号に記載の表
面に無機、有機物を被覆した磁性体粒子も使用できる。
【0264】磁性体粒子に用いられるバインダーは、特
開平4−219569号に記載の熱可塑性樹脂、熱硬化
性樹脂、放射線硬化性樹脂、反応型樹脂、酸、アルカリ
又は生分解性ポリマー、天然物重合体(セルロース誘導
体、糖誘導体など)およびそれらの混合物を使用するこ
とができる。上記の樹脂のTgは−40℃〜300℃、
重量平均分子量は0.2万〜100万である。例えばビ
ニル系共重合体、セルロースジアセテート、セルロース
トリアセテート、セルロースアセテートプロピオネー
ト、セルロースアセテートブチレート、セルローストリ
プロピオネートなどのセルロース誘導体、アクリル樹
脂、ポリビニルアセタール樹脂を挙げることができ、ゼ
ラチンも好ましい。特にセルロースジ(トリ)アセテー
トが好ましい。バインダーは、エポキシ系、アジリジン
系、イソシアネート系の架橋剤を添加して硬化処理する
ことができる。イソシアネート系の架橋剤としては、ト
リレンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルメタン
ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、
キシリレンジイソシアネート、などのイソシアネート
類、これらのイソシアネート類とポリアルコールとの反
応生成物(例えば、トリレンジイソシアナート3mol と
トリメチロールプロパン1mol の反応生成物)、及びこ
れらのイソシアネート類の縮合により生成したポリイソ
シアネートなどが挙げられ、例えば特開平6−5935
7号に記載されている。
【0265】前述の磁性体を上記バインダー中に分散す
る方法は、特開平6−35092号に記載されている方
法のように、ニーダー、ピン型ミル、アニュラー型ミル
などが好ましく併用も好ましい。特開平5−88283
号に記載の分散剤や、その他の公知の分散剤が使用でき
る。磁気記録層の厚みは0.1μm〜10μm、好まし
くは0.2μm〜5μm、より好ましくは0.3μm〜
3μmである。磁性体粒子とバインダーの重量比は好ま
しくは0.5:100〜60:100からなり、より好
ましくは1:100〜30:100である。磁性体粒子
の塗布量は0.005〜3g/m2、好ましくは0.01
〜2g/m2、さらに好ましくは0.02〜0.5g/m2
である。磁気記録層の透過イエロー濃度は、0.01〜
0.50が好ましく、0.03〜0.20がより好まし
く、0.04〜0.15が特に好ましい。磁気記録層
は、写真用支持体の裏面に塗布又は印刷によって全面ま
たはストライプ状に設けることができる。磁気記録層を
塗布する方法としてはエアードクター、ブレード、エア
ナイフ、スクイズ、含浸、リバースロール、トランスフ
ァロール、グラビヤ、キス、キャスト、スプレイ、ディ
ップ、バー、エクストリュージョン等が利用でき、特開
平5−341436号等に記載の塗布液が好ましい。
【0266】磁気記録層に、潤滑性向上、カール調節、
帯電防止、接着防止、ヘッド研磨などの機能を併せ持た
せてもよいし、別の機能性層を設けて、これらの機能を
付与させてもよく、粒子の少なくとも1種以上がモース
硬度が5以上の非球形無機粒子の研磨剤が好ましい。非
球形無機粒子の組成としては、酸化アルミニウム、酸化
クロム、二酸化珪素、二酸化チタン、シリコンカーバイ
ト等の酸化物、炭化珪素、炭化チタン等の炭化物、ダイ
アモンド等の微粉末が好ましい。これらの研磨剤は、そ
の表面をシランカップリング剤又はチタンカップリング
剤で処理されてもよい。これらの粒子は磁気記録層に添
加してもよく、また磁気記録層上にオーバーコート(例
えば保護層、潤滑剤層など)しても良い。この時使用す
るバインダーは前述のものが使用でき、好ましくは磁気
記録層のバインダーと同じものがよい。磁気記録層を有
する感材については、US5,336,589号、同
5,250,404号、同5,229,259号、同
5,215,874号、EP466,130号に記載さ
れている。
【0267】上述の磁気記録層を有する感材に好ましく
用いられるポリエステル支持体について更に記すが、感
材、処理、カートリッジ及び実施例なども含め詳細につ
いては、公開技報、公技番号94−6023(発明協
会;1994.3.15)に記載されている。ポリエス
テルはジオールと芳香族ジカルボン酸を必須成分として
形成され、芳香族ジカルボン酸として2,6−、1,5
−、1,4−、及び2,7−ナフタレンジカルボン酸、
テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ジオールとし
てジエチレングリコール、トリエチレングリコール、シ
クロヘキサンジメタノール、ビスフェノールA、ビスフ
ェノールが挙げられる。この重合ポリマーとしては、ポ
リエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレー
ト、ポリシクロヘキサンジメタノールテレフタレート等
のホモポリマーを挙げることができる。特に好ましいの
は2,6−ナフタレンジカルボン酸を50モル%〜10
0モル%含むポリエステルである。中でも特に好ましい
のはポリエチレン- 2,6−ナフタレートである。平均
分子量の範囲は約5,000ないし200,000であ
る。ポリエステルのTgは50℃以上であり、さらに9
0℃以上が好ましい。
【0268】次にポリエステル支持体は、巻き癖をつき
にくくするために熱処理温度は40℃以上Tg未満、よ
り好ましくはTg−20℃以上Tg未満で熱処理を行
う。熱処理はこの温度範囲内の一定温度で実施してもよ
く、冷却しながら熱処理してもよい。この熱処理時間
は、0.1時間以上1500時間以下、さらに好ましく
は0.5時間以上200時間以下である。支持体の熱処
理は、ロール状で実施してもよく、またウェブ状で搬送
しながら実施してもよい。表面に凹凸を付与し(例え
ば、SnO2やSb2O5 等の導電性無機微粒子を塗布する)、
面状改良を図ってもよい。又端部にローレットを付与し
端部のみ少し高くすることで巻芯部の切り口写りを防止
するなどの工夫を行うことが望ましい。これらの熱処理
は支持体成膜後、表面処理後、バック層塗布後(帯電防
止剤、滑り剤等)、下塗り塗布後のどこの段階で実施し
てもよい。好ましいのは帯電防止剤塗布後である。この
ポリエステルには紫外線吸収剤を練り込んでも良い。又
ライトパイピング防止のため、三菱化成製のDiaresin、
日本化薬製のKayaset 等ポリエステル用として市販され
ている染料または顔料を練り込むことにより目的を達成
することが可能である。
【0269】次に、感光材料を装填することのできるフ
ィルムパトローネについて記す。本発明で使用されるパ
トローネの主材料は金属でも合成プラスチックでもよ
い。好ましいプラスチック材料はポリスチレン、ポリエ
チレン、ポリプロピレン、ポリフェニルエーテルなどで
ある。更にパトローネは、各種の帯電防止剤を含有して
もよくカーボンブラック、金属酸化物粒子、ノニオン、
アニオン、カチオン及びベタイン系界面活性剤又はポリ
マー等を好ましく用いることができる。これらの帯電防
止されたパトローネは特開平1−312537号、同1
−312538号に記載されている。特に25℃、25
%RHでの抵抗が1012Ω/□以下であることが好まし
い。通常プラスチックパトローネは、遮光性を付与する
ためにカーボンブラックや顔料などを練り込んだプラス
チックを使って製作される。パトローネのサイズは現在
の135サイズのままでもよいし、カメラの小型化に
は、現在の135サイズの25mmのカートリッジの径を
22mm以下とすることも有効である。パトローネのケー
スの容積は、30cm3 以下好ましくは25cm3 以下とす
ることが好ましい。パトローネおよびパトローネケース
に使用されるプラスチックの重量は5g〜15gが好ま
しい。
【0270】更にスプールを回転してフィルムを送り出
すパトローネでもよい。またフィルム先端がパトローネ
本体内に収納され、スプール軸をフィルム送り出し方向
に回転させることによってフィルム先端をパトローネの
ポート部から外部に送り出す構造でもよい。これらはU
S4,834,306号、同5,226,613号に開
示されている。
【0271】以上の感光材料は特公平2−32615
号、実公平3−39784号に記載されているレンズ付
フィルムユニットにも好ましく用いることができる。レ
ンズ付きフイルムユニットとは、撮影レンズ及びシャッ
タを例えば射出成型されたプラスチック筺体内に備えた
ユニット本体の製造工程において、予め未露光のカラー
あるいはモノクロ写真感光材料を光密に装填したもので
ある。このユニットは、ユーザが撮影した後、現像のた
めにユニットごと現像所に送られる。現像所では当該ユ
ニットから写真フイルムを取り出して現像及び写真プリ
ントの作製が行われる。このレンズ付きフイルムユニッ
トの外装には、例えば実公平3−6910号、実公平5
−31647号、特開平7−225454号及び実公平
6−43798号明細書に記載されているように、更に
撮影レンズ部、ファインダ部等の撮影に必要な光学部分
及びシャッタ釦、巻き上げノブ等の撮影操作部分が露出
し、かつ使用方法を示す説明書き及びデザインが印刷さ
れた紙箱、プラスチック包装体で被覆されて使用に供さ
れる。
【0272】紙あるいはプラスチックで被覆されたレン
ズ付きフイルムユニットは、更に実公平4−1546号
及び特公平7−1380号に記載されているように、不
透湿材料または例えば、ASTM試験法D−570で
0.1%以下の非吸湿性材料からなる包装体、例えば、
アルミニウム箔ラミネート・シート、アルミニウム箔も
しくは金属蒸着された透明・不透湿プラスチック包装体
で被覆されて販売される。レンズ付きフイルムユニット
に内蔵された写真フイルムの保存性からは、上記防湿包
装体内のレンズ付きフイルムユニットの湿度は、25℃
において相対湿度40〜70%になるように調湿し、好
ましくは50〜65%であるのがよい。更に、実公平6
−6346号、実公平6−8589号及び米国特許第
5, 239,324号明細書に記載のように、紙あるい
はプラスチックで被覆されたレンズ付きフイルムユニッ
トをシャッタ及び巻上げ操作可能な透明防水ケースに収
納して水中あるいは防水機能を付加したものもある。現
像所において写真フイルムが取り除かれたユニット本体
は、ユニットの製造所に回収され、検査の上、リユース
可能な部品はリユースされ、一部のリユース不能なプラ
スチック部品は溶解され、再ペレット化してリサイクル
される。
【0273】用いられる撮影レンズは、特公平7−56
363号、特開平63−199351号、実公平3−2
2746号、実公平3−39784号、実公平5−38
353号、実公平7−33237号及び実公平7−50
746号に記載のように、球面あるいは非球面からなる
1枚もしくは2枚構成からなるプラスチックレンズが用
いられ、一方その球面収差を補償するために裏蓋におけ
る露光部のフイルム受面はフイルムの走行方向に撮影レ
ンズに対して凹面となるように湾曲面を形成することが
望ましい。またファインダは、実公平2−41621
号、実公平3−6910号及び実公平3−39784号
に記載のように、筺体にファインダ開口を画定させるの
みの素通しファインダでもよいし、例えば、実公平7−
10345号に記載のように、これに接眼及び対物ファ
インダレンズを設けた逆ガリレオ式或いはアルバダ式の
ファインダでもよい。更に特開平7−64177号、特
開平6−250282号及び特開平7−128732号
に記載のように、ファインダに画面切替機能を付与し、
これに連動して撮影開口を通常サイズ及びパノラマサイ
ズの露光が行えるように切り替えたり、あるいは上記フ
ァインダの切替に連動してフイルム上に標準、パノラマ
あるいはハイビジョンサイズで撮影したことを光学的あ
るいは磁気的に記録するようにしてもよい。その他撮影
レンズの焦点距離を変更するとともにファインダ視野を
特定するようにして接近、望遠撮影を行わせるようにし
たものもある。
【0274】レンズ付きフイルムユニットに用いられる
写真フイルムは、シート状あるいはロール状のフイルム
を用いることができ、更に当該写真フイルムは、オラン
ダ特許6, 708, 489号明細書に記載のように直接
収納されるか、あるいは特公平2−32615号に示す
ように、容器に収納されてレンズ付きフイルムユニット
内に装填される。撮影後、現像のためにレンズ付きフイ
ルムユニットから撮影済み写真フイルムを取り出すに
は、特公平6−16158号、実公平7−15545号
に記載のように、レンズ付きフイルムユニット筺体の底
に写真フイルム取り出し用の蓋を設けて、この蓋を開放
することによって写真フイルムを取り出してもよく、オ
ランダ特許6, 708, 489号明細書に記載のよう
に、裏蓋を開放もしくは破壊して写真フイルムを取り出
してもよい。また、米国特許5, 202, 713号明細
書に記載のように、レンズ付きフイルムユニット筺体の
一部に通常は遮光状態にある開口を形成しておき、そこ
からフイルムの一端を掴んで引き出すようにしてもよ
い。
【0275】レンズ付きフイルムユニットにロール状の
写真フイルムを用いる場合には、このロール状写真フイ
ルムは容器に収納された状態で、レンズ付きフイルムユ
ニットに収納されることが望ましい。用いられる容器
は、例えば、特開昭54−111822号、同63−1
94255号、米国特許4, 8322, 75号、同4,
834, 306号、特開平2―124564号、同3−
155544号、同2―264248号、更に実公平5
−40508号、特公平2−32615号及び特公平7
−117707号記載のISO規格で規定される135
フイルム用パトローネ、あるいはISO規格の写真フイ
ルムを装填可能であるが上記規格よりも径の細いパトロ
ーネ、あるいは特開平8−211509号、同8−26
2645号及び同8−262639号記載のAPS(Ad
vanced Photo System )用のカートリッジ等のフイルム
の一端が固定されたスプールを有する1軸のカートリッ
ジあるいはパトローネが有利に用いられる。更に、実公
平4−14748号及び同3−22746号記載の11
0サイズ規格フイルムを用いた2軸カートリッジを用い
ることもできる。また必要によっては、裏紙付きの写真
フイルムを用いることもできる。
【0276】フイルムの一端が固定されたスプールを有
する1軸のカートリッジあるいはパトローネを用いる場
合には、レンズ付きフイルムユニットの一方の収納室に
カートリッジあるいはパトローネを収納すると共に、他
方の収納室に当該カートリッジあるいはパトローネから
写真フイルムの大部分を引き出されてロール状に巻かれ
たフイルムを収納するレンズ付きフイルムユニットの製
造段階における予備巻き装填(ファクトリー・プレワイ
ンド)を行い、撮影毎に引き出された写真フイルムを外
部の巻き上げ部材によって、カートリッジあるいはパト
ローネのスプールを回転させてカートリッジあるいはパ
トローネに巻取るようにしてもよいし、あるいはこれと
は逆にレンズ付きフイルムユニットの一方の収納室に写
真フイルムの先端部を接続したカートリッジあるいはパ
トローネとは別のスプールを装填し、他方の収納室に写
真フイルムの大部分が収納された状態のカートリッジあ
るいはパトローネを装填して、撮影毎に写真フイルムを
外部の巻き上げ部材によって、カートリッジあるいはパ
トローネから引き出してカートリッジあるいはパトロー
ネとは別のスプールに巻取るようにしてもよい。
【0277】ファクトリー・プレワインド方式において
は、カートリッジあるいはパトローネから引き出された
写真フイルムは、カートリッジあるいはパトローネと別
のスプールに巻かれた状態で他方の収納室に収納されて
もよいし、あるいは特公平2−32615号記載のよう
に中空状態で他方の収納室に収納されてもよい。また、
上記ファクトリー・プレワインドは、特公平7−565
64号記載のように暗室内において予めカートリッジあ
るいはパトローネから写真フイルムを引き出してロール
状に巻いておき、このカートリッジあるいはパトローネ
及びロール状の写真フイルムをレンズ付きフイルムユニ
ットに装填した後、レンズ付きフイルムユニットの裏蓋
を閉じて遮光するようにしてもよく、あるいは、上記特
公平2−32615号記載のように、一方の収納室に写
真フイルムの大部分が収納された状態のカートリッジあ
るいはパトローネを装填するとともに、他方の収納室に
写真フイルムの先端部を接続したカートリッジあるいは
パトローネとは別のスプールを装填し、裏蓋を閉じて遮
光した後、当該別のスプールをレンズ付きフイルムユニ
ット外部から回転して当該スプールに巻き取るようにし
てもよい。
【0278】レンズ付きフイルムユニットは、実公平4
−1546号、同7−20667号記載のように、撮影
毎に写真フイルムを巻き上げる動作でフイルムのパーフ
ォレーションに係合している従動スプロケットの駆動に
より、シャッタ羽根を蹴飛ばすシャッタ機構をチャージ
するとともにそれ以上の巻き上げを不能とするセルフコ
ッキング機構が有利に用いられる。チャージされたシャ
ッタ機構は、シャッタ釦の押圧操作によってチャージ位
置から開放され、シャッタ羽根を蹴飛ばして写真撮影の
ための露光が行われるとともに、再度の巻き上げを可能
とする。更に、レンズ付きフイルムユニットには、実公
平2−34688号、同6−41227号、特開平7−
122389号及び特公平6−12371号に記載のよ
うに、外部にストロボ充電のためのスイッチが設けられ
たストロボ基板を内蔵してもよく、この場合上記のシャ
ッタ羽根による撮影露光動作に連動してシンクロスイッ
チをオンすることによって撮影動作に連動してストロボ
発光を行うように構成すればよい。一方、レンズ付きフ
イルムユニットには、実公平4−1546号明細書記載
のように、撮影枚数あるいは残数を表示するカウンタが
設けられており、更にこのカウンタには最終駒撮影後の
巻き上げに対して、上記シャッタチャージ及び1駒毎の
巻き止めを解除する機構が設けられており、これにより
その後の巻き上げ操作により写真フイルムを最終巻き上
げ位置まで連続して巻き上げることができる。
【0279】次に処理部材(熱現像処理シート)につい
て説明する。本発明に用いる処理部材の処理材層には、
少なくとも塩基及び/または塩基プレカーサーを含む。
塩基としては、無機あるいは有機塩基を用いることがで
きる。無機の塩基としては、特開昭62−209448
号記載のアルカリ金属またはアルカリ土類金属の水酸化
物、リン酸塩、炭酸塩、ホウ酸塩、有機酸塩、特開昭6
3−25208号記載のアルカリ金属またはアルカリ土
類金属のアセチリド等が挙げられる。
【0280】また有機の塩基としては、アンモニア、脂
肪族あるいは芳香族アミン類(例えば、1級アミン類、
2級アミン類、3級アミン類、ポリアミン類、ヒドロキ
シルアミン類、複素環状アミン類)、アミジン類、ビス
あるいはトリスあるいはテトラアミジン、グアニジン
類、水不溶性のモノ、ビス、トリスあるいはテトラグア
ニジン類、4級アンモニウムの水酸化物類などが挙げら
れる。
【0281】塩基プレカーサーとしては、脱炭酸型、分
解型、反応型および錯塩形成型などを用いることができ
る。本発明においては、欧州特許公開210,660
号、米国特許第4,740,445号に記載されている
ように、塩基プレカーサーとして水に難溶な塩基性金属
化合物およびこの塩基性金属化合物を構成する金属イオ
ンと水を媒体として錯形成反応しうる化合物(錯形成化
合物という)の組み合わせで塩基を発生させる方法を採
用するのが効果的である。この場合、水に難溶な塩基性
金属化合物は感光材料に、錯形成化合物は処理部材に添
加するのが望ましいが、この逆も可能である。
【0282】塩基または塩基プレカーサーの使用量は、
0.1〜20g/m2 好ましくは1〜10g/m2 である。
処理層のバインダーは、感光材料同様の親水性ポリマー
を用いることができる。 処理部材は感光材料同様に硬
膜剤で硬膜されていることが好ましい。硬膜剤は感光材
料と同様のものを用いることができる。
【0283】処理部材には前に述べたような、感光材料
の黄色フィルター層やアンチハレーション層に用いる染
料を転写除去する等の目的で媒染剤を含ませることがで
きる。媒染剤としては、ポリマー媒染剤が好ましい。そ
の例としては2級および3級アミノ基を含むポリマー、
含窒素複素環部分を持つポリマー、これらの4級カチオ
ン基を含むポリマー等で分子量が5000〜20000
0、特に10000〜50000のものである。具体的
には、米国特許2,548,564号、同2,484,
430号、同3,148,061号、同3,756,8
14号、同3,625,694号、同3,859,09
6号、同4,128,538号、同3,958,995
号、同2,721,852号、同2,798,063
号、同4,168,976号、同3,709,690
号、同3,788,855号、同3,642,482
号、同3,488,706号、同3,557,066
号、同3,271,147号、同3,271,148
号、同2,675,316号、同2,882,156
号、英国特許1277453号、特開昭54−1152
28号、同54−145529号、同54−12602
7号、同50−71332、同53−30328号、同
52−155528号、同53−125号、同53−1
024号等に記載されている。媒染剤の添加量は、0.1g
/m2 〜10g/m2、好ましくは0.5g/m2 〜5g/m2 である。
【0284】本発明においては、処理部材に現像停止剤
あるいは現像停止剤のプレカーサーを含ませておき、現
像と同時あるいはタイミングを遅らせて現像停止剤を働
かせてもよい。ここでいう現像停止剤とは、適正現像
後、速やかに塩基を中和または塩基と反応して膜中の塩
基濃度を下げ現像を停止する化合物、または銀あるいは
銀塩と相互作用して現像を抑制する化合物である。具体
的には加熱により酸を放出する酸プレカーサー、加熱に
より共存する塩基と置換反応を起こす親電子化合物、ま
たは含窒素ヘテロ環化合物、メルカプト化合物およびそ
の前駆体が挙げられる。詳しくは、特開昭62−190
529号の(31)〜(32)頁に記載されている。また、同様
にハロゲン化銀のプリントアウト防止剤を処理部材に含
ませておき、現像と同時にその機能を発現させてもよ
い。プリントアウト防止剤の例としては、特公昭54−
164号、特開昭53−46020号、同48−452
28号、特公昭57−8454号等に記載のハロゲン化
合物、英国特許第1,005,144号に記載の1−フ
ェニル−5−メルカプトテトラゾール類の化合物、特開
平8−184936号に記載のビオローゲン化合物類が
挙げられる。プリントアウト防止剤の使用量は、10-4
〜1モル/Ag1モル、好ましくは10-3〜10-2モル
/Ag1モルである。
【0285】また、処理部材に物理現像核およびハロゲ
ン化銀溶剤を含ませておき、現像と同時に感光材料のハ
ロゲン化銀を可溶化、および処理層に固定してもよい。
物理現像に必要な還元剤は、感光材料の分野で知られて
いるものを用いることができる。また、それ自身は還元
性を持たないが処理過程に求核試薬や熱の作用により還
元性を発現する還元剤プレカーサーも用いることができ
る。還元剤としては、感光材料から拡散してくる感光材
料で現像に用いられなかった現像主薬を利用する事がで
きるし、また還元剤を処理部材にあらかじめ含有させて
おいてもよい。後者の場合、処理部材に含有させておく
還元剤は、感光材料に含まれる還元剤と同じでもよい
し、異なっていてもよい。本発明に用いられる還元剤の
例としては、米国特許第4,500,626号の第49
〜50欄、同4,483,914号の第30〜31欄、
同4,330,617号、同4,590,152号、特
開昭60−140335号の第(17)〜(18)頁、同57−
40245号、同56−138736号、同59−17
8458号、同59−53831号、同59−1824
49号、同59−182450号、同60−11955
5号、同60−128436号から同60−12843
9号まで、同60−198540号、同60−1817
42号、同61−259253号、同62−24404
4号、同62−131253号から同62−13125
6まで、欧州特許第220746A2号の第78〜96
頁等に記載の還元剤や還元剤プレカーサーを用いること
ができる。米国特許第3,039,869号に開示され
ている種々の還元剤の組み合わせを用いることもでき
る。耐拡散型の現像主薬を使用する場合には、必要に応
じて、電子伝達剤および/または電子伝達剤のプレカー
サーを組み合わせて用いてもよい。電子伝達剤またはそ
のプレカーサーは、前述した還元剤またはそのプレカー
サーの中から選ぶことができる。処理部材に還元剤を添
加する場合の添加量は、0.01〜10g/m2 であ
り、好ましくは、感光材料の銀のモル数の1/10〜5
倍である。
【0286】物理現像核は、感光材料より拡散してきた
可溶性銀塩を還元して物理現像銀に変換し、処理層に固
定させるものである。物理現像核としては、亜鉛、水
銀、鉛、カドミウム、鉄、クロム、ニッケル、錫、コバ
ルト、銅、ルテニウム等の重金属、あるいはパラジウ
ム、白金、金、銀等の貴金属、あるいはこれら重金属、
貴金属の硫黄、セレン、テルル等のカルコゲン化合物、
のコロイド粒子等の公知のものはすべて利用できる。こ
れらの物理現像核の大きさは、2〜200nmの粒径の
ものが好ましく用いられる。これらの物理現像核は、処
理層に10-3mg〜10g/m2 含有させる。
【0287】ハロゲン化銀溶剤は、公知のものを使用で
きる。例えば、チオ硫酸塩、亜硫酸塩、チオシアン酸
塩、特公昭47−11386記載のチオエーテル化合
物、特開平8−179458号に記載のウラシル、ヒダ
ントインの如き5ないし6員環のイミド基を有する化合
物、特開昭53−144319記載の炭素−硫黄の2重
結合を有する化合物、アナリティカ・ケミカ・アクタ(A
nalytica Chimica Acta)248巻604 〜614 頁(1991年)
記載のトリメチルトリアゾリウムチオレート等のメソイ
オンチオレート化合物が好ましく用いられる。また、特
開平8−69097号に記載のハロゲン化銀を定着して
安定化しうる化合物もハロゲン化銀溶剤として使用しう
る。ハロゲン化銀溶剤は、単独で使用してもよいし、複
数のハロゲン化銀溶剤を併用することも好ましい。
【0288】処理層中の、全ハロゲン化銀溶剤の含有量
は、0.01〜100mmol/m2であり、好ましくは、0.1〜50mmo
l/m2 である。感光材料の塗布銀量に対して、モル比で
1/20〜20倍で、好ましくは1/10〜10倍、よ
り好ましくは1/4〜4倍である。ハロゲン化銀溶剤
は、水、メタノール、エタノール、アセトン、ジメチル
ホルムアルデヒド、メチルプロピルグリコール等の溶媒
あるいはアルカリまたは酸性水溶液として添加してもよ
いし、固体微粒子分散させて塗布液に添加してもよい。
【0289】処理部材には、感光材料と同様に保護層、
下塗り層、バック層、その他の種々の補助層があっても
よい。処理部材は連続ウェブ上に処理層が設けられてい
ることが好ましい。ここでいう連続ウェブとは、処理部
材の長さが、処理時対応する感光材料の長辺より長さが
十分に長く、処理に使用するときにその一部を裁断する
ことなく使用し、複数の感光材料を処理できる長さを有
する形態をいう。一般には、その処理部材の長さが、巾
の5倍以上10000倍以下のことをいう。処理部材の
巾は任意であるが、対応する感光材料の巾以上であるこ
とが好ましい。
【0290】また、複数の感光材料を並行し、すなわち
感光材料を複数並べて処理するような形態も好ましい。
この場合処理部材の巾は、感光材料の巾×同時処理数以
上であることが好ましい。このような連続ウェブ処理は
処理部材が送り出しロールから供給され巻き取りロール
に巻き取られて廃棄されることが好ましい。特にサイズ
が大きい感光材料の場合、廃棄が容易である。以上のよ
うに、連続ウェブの処理部材は従来のシート部材に比
べ、取り扱い性が著しく向上する。
【0291】本発明の処理部材に用いられる支持体の厚
みは任意であるが、薄いほうが好ましく、特に好ましく
は4μm以上120μm以下である。支持体厚みが40
μm以下の処理部材を利用することがとりわけ好まし
く、この場合、単位体積あたりの処理部材の量が多くな
るので、上記の処理部材用ロールをコンパクトにでき
る。支持体の素材についても特に限定はなく、処理温度
に耐えることのできるものが用いられる。一般的には、
日本写真学会編「写真工学の基礎−銀塩写真編−」、
(株)コロナ社刊(昭和54年)(223〜240頁)
記載の紙、合成高分子(フイルム)等の写真用支持体が
挙げられる。
【0292】支持体用の素材は単独で使用することもで
きるし、ポリエチレン等の合成高分子で片面あるいは両
面をコートあるいはラミネートされた支持体として用い
ることもできる。このほか、特開昭62−253,15
9号(29)〜(31)頁、特開平1−161,236
号(14)〜(17)頁、特開昭63−316,848
号、特開平2−22,651号、同3−56,955
号、米国特許第5,001,033号等に記載の支持体
を用いることができる。また主としてシンジオタクチッ
ク構造を有するスチレン系重合体である支持体も好まし
く用いることができる。
【0293】これらの支持体の表面に親水性バインダー
とアルミナゾルや酸化錫の様な半導性金属酸化物、カー
ボンブラックその他の帯電防止剤を塗布してもよい。ア
ルミニウムを蒸着した支持体も好ましく用いることがで
きる。
【0294】本発明においては、カメラ等で撮影した感
光材料を熱現像する方法として、感光材料及び処理部材
双方のバック層を除く全塗布膜を最大膨潤させるに要す
る量の0.1から1倍に相当する水の存在下で、感光材
料と処理部材を感光性層と処理層が向かい合う形で重ね
合わせ、60℃から100℃の温度で5秒から60秒間
加熱する。ここで言う水とは一般に用いられる水であれ
ば何を用いても良い。具体的には蒸留水、イオン交換
水、水道水、井戸水、ミネラルウォーター等を用いるこ
とができる。これらの水には水垢発生防止、腐敗防止な
どの目的で防腐剤を少量添加したり、活性炭フィルター
やイオン交換樹脂フィルターなどにより、水を循環濾過
する方法も好ましく用いられる。
【0295】本発明では感光材料及び/または処理部材
が水で膨潤した状態で貼り合わされ、加熱される。この
膨潤時の膜の状態は不安定であり、水の量を上記の範囲
に限定することが、局所的な発色ムラを防ぐのに重要で
ある。最大膨潤に要する水の量は、用いる水の中に測定
するべき塗布膜をもつ感光材料または処理部材を浸漬さ
せ、十分膨潤したところで膜厚を測定し、最大膨潤量を
計算してから塗布膜の重量を減じれば求めることができ
る。また、膨潤度の測定法の例はホトグラフィック・サ
イエンス・エンジニアリング、16巻、449ページ
(1972年)にも記載がある。
【0296】水の付与方法としては、感光材料または処
理部材を水に浸漬し、スクウィーズローラーで余分な水
を除去する方法がある。ただし、一定量の水を塗りきり
で感光材料または処理部材に付与する方が好ましい。ま
た、水を噴射する複数のノズル孔が一定の間隔で感光材
料または処理部材の搬送方向と交差する方向に沿って直
線状に並べられたノズルと前記ノズルを搬送経路上の感
光材料または処理部材に向かって変位させるアクチュエ
ータとを有する水塗布装置により水を噴射する方法が特
に好ましい。また、スポンジ等により水塗布する方法も
装置が簡易であり、好ましく用いられる。付与する水の
温度は、30℃〜60℃が好ましい。感光材料と処理部
材を重ね合わせる方法の例としては特開昭62−25
3,159号、特開昭61−147,244号記載の方
法がある。
【0297】現像工程における加熱方法としては、加熱
されたブロックやプレートに接触させたり、熱板、ホッ
トプレッサー、熱ローラー、熱ドラム、ハロゲンランプ
ヒーター、赤外および遠赤外ランプヒーターなどに接触
させたり高温の雰囲気中を通過させる方法などがある。
本発明の処理には種々の熱現像装置のいずれもが使用で
きる。例えば、特開昭59−75,247号、同59−
177,547号、同59−181,353号、同60
−18,951号、実開昭62−25,944号、特願
平4−277,517号、同4−243,072号、同
4−244,693号、同6−164,421号、同6
−164,422号等に記載されている装置などが好ま
しく用いられる。また市販の装置としては富士写真フイ
ルム(株)製ピクトロスタット100、同ピクトロスタ
ット200、同ピクトロスタット300、同ピクトロス
タット330、同ピクトロスタット50、同ピクトログ
ラフィー3000、同ピクトログラフィー2000など
が使用できる。
【0298】本発明に用いる感光材料および/または処
理部材は加熱現像のための加熱手段としての導電性の発
熱体層を有する形態であっても良い。この発明の発熱要
素には、特開昭61−145,544号等に記載のもの
を利用できる。
【0299】
【実施例】以下、実施例によって本発明の効果を詳しく
説明する。 実施例1 <感光性ハロゲン化銀乳剤の調製>青色感光性ハロゲン
化銀乳剤(1)の調製法を以下に示す。平均分子量12
000のゼラチン0.96gおよび臭化カリウム0.9
gを含む蒸留水1191mlを反応容器中に入れ、40
℃に昇温した。この溶液に強く攪拌しながら硝酸ナトリ
ウム銀0.5gを含む水溶液(A)10.5mlと臭化
カリウム0.35gを含む水溶液(B)10mlとを1
50秒間で添加した。添加終了30秒後に臭化カリウム
10%水溶液を12mlを添加し、30秒後に、反応溶
液の温度を75℃に上昇させた。石灰処理ゼラチン3
5.0gを蒸留水250mlと共に加えた後、硝酸銀1
0.0gを含む水溶液(C)39mlと臭化カリウム
6.7gを含む水溶液(D)30mlとを添加流量を加
速しながら3分15秒間にわたって添加した。次いで硝
酸銀96.7gを含む水溶液(E)302mlと沃化カ
リウムを臭化カリウムとのモル比7:9 3で含む水溶液
(F)(臭化カリウムの濃度26%)とを添加流量を加
速しながら、かつ反応液の銀電位が飽和カロメル電極に
対して−20mVとなるように20分間で添加した。さ
らに硝酸銀24.1gを含む水溶液(G)97mlと臭
化カリウムの21.9%水溶液(H)とを3分間にわた
って、かつ反応液の銀電位が飽和カロメル電極に対して
25mVとなるように添加した。添加終了後1分間75
℃に保った後、反応液の温度を55℃に下降させた。次
いで、1規定の水酸化ナトリウム15mlを添加した。
その2分後、硝酸銀5gを含む水溶液(I)100ml
と沃化カリウム4.7gを含む水溶液(J)200.5
mlとを5分間にわたって添加した。添加終了後臭化カ
リウム7.11gを加え、55℃で1分間保った後、さ
らに硝酸銀62gを含む水溶液(K)248mlと臭化
カリウム48.1gを含む水溶液(L)231mlとを
8分間にわたって添加した。その30秒後に、エチルチ
オスルホン酸ナトリウム0.03gを含む水溶液を添加
した。温度を下げ、花王製デモールを用いて、乳剤粒子
を凝集沈降せしめて脱塩を行った。分散は、ベンゼンチ
オスルホン酸ナトリウムと、フェノキシエタノールと水
溶性ポリマー(10)と石灰処理ゼラチンを添加して行
った。
【0300】化学増感は、60℃にて行った。増感色素
(12)をゼラチン分散物として、化学増感前に添加し
た後に、チオシアン酸カリウムと塩化金酸の混合液を添
加し、次いで、チオ硫酸ナトリウム、セレン増感剤を添
加し、化学増感の停止は、メルカプト化合物で行った、
増感色素、化学増感剤、メルカプト化合物の量は、感
度、カブリで最適化した。得られた乳剤中の粒子は、平
板粒子が全粒子の全投影面積の99%を超える割合を占
め、平均球相当直径は1.07μmで、平均厚み0.3
8μm、平均等価円直径1.47μm、平均アスペクト
比3.9であった。
【0301】
【化86】
【0302】
【化87】
【0303】青色感光性ハロゲン化銀乳剤(2)の調製
法を以下に示す。平均分子量12000のゼラチン0.
96gおよび臭化カリウム0.9gを含む蒸留水119
1mlを反応容器中に入れ、40℃に昇温した。この溶
液に強く攪拌しながら硝酸銀1.5gを含む水溶液
(A)37.5mlと臭化カリウム1.051 gを含む
水溶液(B)37.5mlとを90秒間で添加した。添
加終了30秒後に臭化カリウム10%水溶液を12ml
を添加し、30秒後に、反応溶液の温度を75℃に上昇
させた。石灰処理ゼラチン35.0gを蒸留水250m
lと共に加えた後、硝酸銀29.0gを含む水溶液
(C)116mlと臭化カリウム20gを含む水溶液
(D)91mlとを添加流量を加速しながら11分35
秒間にわたって添加した。次いで硝酸銀96.7gを含
む水溶液(E)302mlと沃化カリウムを臭化カリウ
ムとのモル比3.3:96.7で含む水溶液(F)(臭
化カリウムの濃度26%)とを添加流量を加速しなが
ら、かつ反応液の銀電位が飽和カロメル電極に対して2
mVとなるように20分間で添加した。さらに硝酸銀2
4.1gを含む水溶液(G)97mlと臭化カリウムの
21.9%水溶液(H)とを3分間にわたって、かつ反
応液の銀電位が飽和カロメル電極に対して0mVとなる
ように添加した。添加終了後1分間75℃に保った後、
反応液の温度を55℃に下降させた。次いで、1規定の
水酸化ナトリウム15mlを添加した。その2分後、硝
酸銀10.4gを含む水溶液(I)153mlと沃化カ
リウム9.35gを含む水溶液(J)414.5mlと
を5分間にわたって添加した。添加終了後臭化カリウム
7.11gを加え、55℃で1分間保った後、さらに硝
酸銀57.1gを含む水溶液(K)228mlと臭化カ
リウム43.9gを含む水溶液(L)201mlとを8
分間にわたって添加した。その30秒後に、エチルチオ
スルホン酸ナトリウム0.04gを含む水溶液を添加し
た。温度を下げ、青色感光性ハロゲン化銀乳剤(1)と
同様にして、脱塩分散を行った。化学増感は、青色感光
性ハロゲン化銀乳剤(1)とセレン増感剤を添加しない
以外は、同様に行った。増感色素、化学増感停止のメル
カプト化合物は、乳剤粒子の表面積に概ね比例した。得
られた乳剤中の粒子は、平板粒子が全粒子の全投影面積
の99%を超える割合を占め、平均球相当直径は0.6
6μmで、平均厚み0.17μm、平均等価円直径1.
05μm、平均アスペクト比6.3であった。
【0304】青色感光性ハロゲン化銀乳剤(3)の調製
法を以下に示す。石灰処理ゼラチン17.8g、臭化カ
リウム6.2gとヨウ化カリウム0.46gを含む蒸留
水1345mlを反応容器中に入れ、45℃に昇温し
た。この溶液に強く攪拌しながら硝酸銀11.8gを含
む水溶液70ml(A)と臭化カリウム3.8gを含む
水溶液70ml(B)とを45秒間で添加した。4分間
45℃に保った後、反応溶液の温度を63℃に上昇させ
た。石灰処理ゼラチン24gを蒸留水185mlと共に
加えた後、硝酸銀73gを含む水溶液208ml(C)
と臭化カリウムの24.8%水溶液(D)とを添加流量
を加速しながら、かつ反応液の銀電位が飽和カロメル電
極に対して0mVとなるように13分間にわたって添加
した。添加終了後2分間63℃に保った後、反応液の温
度を45℃に下降させた。次いで、1規定の水酸化ナト
リウム15mlを添加した。その2分後、硝酸銀8.4
gを含む水溶液60ml(E)と沃化カリウム8.3g
を含む水溶液461ml(F)とを5分間にわたって添
加した。さらに硝酸銀148.8gを含む水溶液496
ml(G)と臭化カリウムの25%水溶液(H)とを反
応液の銀電位が飽和カロメル電極に対して90mVとな
るように47分間にわたって添加した。添加終了30秒
後に臭化カリウム2gおよびエチルチオスルホン酸ナト
リウム0.06gを含む水溶液を添加した。温度を下
げ、青色感光性ハロゲン化銀乳剤(2)と同様にして、
脱塩および分散、化学増感を行った。得られた乳剤中の
粒子は、球相当の直径で表した平均粒子サイズ0.44
μm、平均厚み0.2μm、平均等価円直径0.53μ
m、平均アスペクト比2.6の六角平板粒子であった。
【0305】緑色感光性ハロゲン化銀乳剤(4)の調製
法を以下に示す。平均分子量12000のゼラチン0.
96gおよび臭化カリウム0.9gを含む蒸留水119
1mlを反応容器中に入れ、40℃に昇温した。この溶
液に強く攪拌しながら硝酸銀0.7gを含む水溶液
(A)17.5mlと臭化カリウム1.051gを含む
水溶液(B)17.5mlとを120秒間で添加した。
添加終了30秒後に臭化カリウム10%水溶液を12m
lを添加し、30秒後に、反応溶液の温度を75℃に上
昇させた。石灰処理ゼラチン35.0gを蒸留水250
mlと共に加えた後、硝酸銀19.0gを含む水溶液
(C)56mlと臭化カリウム10gを含む水溶液
(D)461mlとを添加流量を加速しながら7分35
秒間にわたって添加した。次いで硝酸銀96.7gを含
む水溶液(E)302mlと沃化カリウムを臭化カリウ
ムとのモル比3.3:96.7で含む水溶液(F)(臭
化カリウムの濃度26%)とを添加流量を加速しなが
ら、かつ反応液の銀電位が飽和カロメル電極に対して0
mVとなるように20分間で添加した。さらに硝酸銀2
4.1gを含む水溶液(G)97mlと臭化カリウムの
21.9%水溶液(H)とを3分間にわたって、かつ反
応液の銀電位が飽和カロメル電極に対して0mVとなる
ように添加した。添加終了後1分間75℃に保った後、
反応液の温度を55℃に下降させた。次いで、硝酸銀
8.3gを含む水溶液(I)122mlと沃化カリウム
7.48gを含む水溶液(J)332mlとを5分間に
わたって添加した。添加終了後臭化カリウム7.11g
を加え、55℃で1分間保った後、さらに硝酸銀62.
8gを含む水溶液(K)228mlと臭化カリウム4
8.3gを含む水溶液(L)201mlとを8分間にわ
たって添加した。温度を下げ、青色感光性ハロゲン化銀
乳剤(1)と同様にして脱塩及び分散を行った。化学増
感も、増感色素(12)の代わりに増感色素(13)、
(14)、(15)の混合物のゼラチン分散物を添加し
た以外は、青色感光性ハロゲン化銀乳剤(1)と同様に
して行った。なお、増感色素(13)、(14)、(1
5)の混合割合は12:2:1(モル比)である。得ら
れた乳剤中の粒子は、平板粒子が全粒子の全投影面積の
99%を超える割合を占め、平均球相当直径は0.85
μmで、平均厚み0.26μm、平均等価円直径1.2
5μm、平均アスペクト比4.8であった。
【0306】
【化88】
【0307】緑色感光性ハロゲン化銀乳剤(5)の調製
法を以下に示す。粒子形成中の水酸化ナトリウムとエチ
ルチオスルホン酸ナトリウムを添加しない以外は、青色
感光性ハロゲン化銀乳剤と同様にして、粒子形成、脱塩
および分散を行い、化学増感は、緑色感光性ハロゲン化
銀乳剤(4)と同様にして、乳剤を調製した。得られた
乳剤中の粒子は、平板粒子が全粒子の全投影面積の99
%を超える割合を占め、平均球相当直径は0.66μm
で、平均厚み0.17μm、平均等価円直径1.05μ
m、平均アスペクト比6.3であった。
【0308】緑色感光性ハロゲン化銀乳剤(6)の調製
法を以下に示す。粒子形成中の水酸化ナトリウムを添加
しないで、エチルチオスルホン酸ナトリウムを4mgに
変更する以外は、青色感光性ハロゲン化銀乳剤(3)と
同様にして、粒子形成、脱塩および分散を行い、化学増
感に於てセレン増感剤を添加しない以外は、緑色感光性
ハロゲン化銀乳剤(4)と同様にして乳剤を調製した。
得られた乳剤中の粒子は、球相当の直径で表した平均粒
子サイズ0.44μm、平均厚み0.2μm、平均等価
円直径0.53μm、平均アスペクト比2.6の六角平
板粒子であった。
【0309】赤色感光性ハロゲン化銀乳剤(7)の調製
法を以下に示す。化学増感時の増感色素を増感色素(1
6)のゼラチン分散物と、増感色素(17)、(18)
の混合物のゼラチン分散物にして、添加した以外は、緑
色感光性ハロゲン化銀乳剤(4)と同様にして乳剤を調
製した。なお、増感色素(16)、(17)、(18)
の混合割合は、40:2:58(モル比)である。得ら
れられた粒子は平板粒子が全粒子の全投影面積の99%
を超える割合を占め、平均球相当直径は0.85μm
で、平均厚み0.26μm、平均等価円直径1.25μ
m、平均アスペクト比4.8であった。
【0310】
【化89】
【0311】赤色感光性ハロゲン化銀乳剤(8)の調製
法を以下に示す。化学増感時の増感色素を増感色素(1
6)のゼラチン分散物と、増感色素(17)、(18)
の混合物のゼラチン分散物にして、添加した以外は、緑
色感光性ハロゲン化銀乳剤(5)と同様にして乳剤を調
製した。なお、増感色素(16)、(17)、(18)
の混合割合は、40:2:58(モル比)である。得ら
れた乳剤中の粒子は、平板粒子が全粒子の全投影面積の
99%を超える割合を占め、平均球相当直径は0.66
μmで、平均厚み0.17μm、平均等価円直径1.0
5μm、平均アスペクト比6.3であった。
【0312】赤色感光性ハロゲン化銀乳剤(9)の調製
法を以下に示す。化学増感時の増感色素を増感色素(1
6)のゼラチン分散物、増感色素(17)、(18)の
混合物のゼラチン分散物にして、添加した以外は、緑色
感光性ハロゲン化銀乳剤(6)と同様にして乳剤を調製
した。得られた乳剤中の粒子は、球相当の直径で表した
平均粒子サイズ0.44μm、平均厚み0.2μm、平
均等価円直径0.53μm、平均アスペクト比2.6の
六角平板粒子であった。
【0313】<水酸化亜鉛分散物の調製>一次粒子の粒
子サイズが0.2μmの水酸化亜鉛の粉末31g、分散
剤としてカルボキシメチルセルロース1.6gおよびポ
リアクリル酸ソーダ0.4g、石灰処理オセインゼラチ
ン8.5g、水158.5mlを混合し、この混合物を
ガラスビーズを用いたミルで1時間分散した。分散後、
ガラスビーズを濾別し、水酸化亜鉛の分散物188gを
得た。
【0314】<発色現像主薬及びカプラーの乳化分散物
の調製>下記表1に、後記表3の第2層で用いるシアン
乳化物、第6層で用いるマゼンタ乳化物および第10層
で用いるイエロー乳化物の組成を示す。
【0315】
【表1】
【0316】
【化90】
【0317】
【化91】
【0318】表1に示す組成の油相成分、水相成分をそ
れぞれ溶解し、60℃の均一な溶液とする。油相成分と
水相成分を合わせ、1リットルのステンレス容器中で、
直径5cmのディスパーサーのついたディゾルバーによ
り、10000 rpmで20分間分散した。これに、後加
水として、表1に示す量の温水を加え、2000 rpmで
10分間混合した。このようにして、シアン(第2
層)、マゼンタ(第6層)、イエロー(第10層)3色
のカプラーの乳化分散物を調製した。また、他の層の乳
化物についても同様の方法で調製した。
【0319】(フィルター層用染料組成物の調製)イエ
ロー、マゼンタ、シアンの各フィルター層用染料組成物
は以下のように乳化分散物として調製、添加した。表2
に示す組成の油相成分、水相成分をそれぞれ溶解し、4
0℃の均一な溶液とする。油相成分と水相成分を合わ
せ、ホモジナイザーを用いて10000r.p.m.で
5分間分散した。得られた乳化分散物に、後加水とし
て、表2に示す量の温水を加え、2000r.p.m.
で5分間混合した。
【0320】
【表2】
【0321】
【化92】
【0322】<支持体の作製>ついで以下に示す方法に
て実施例および比較例に用いる支持体を作製した。ポリ
エチレン−2,6―ナフタレート(PEN)ポリマー1
00重量単位と紫外線吸収剤としてTinuvin P.326
(チバ.ガイギー社製)2重量部とを乾燥した後、30
0℃にて溶融後、T型ダイから押し出し、140℃で
3.3倍の縦延伸を行い、続いて130℃で3.3倍の
横延伸を行い、更に250℃で6秒間熱固定して厚さ9
2μmのPENフィルムを得た。なおこのPENフィル
ムにはブルー染料、マゼンタ染料、イエロー染料(公開
技報:公技番号94−6023号記載のI―1、I―
4、I―6、I―24、I―26、I―27、II―5)
をイエロー濃度0.01、マゼンタ濃度0.08、シア
ン濃度0.09になるよう添加した。更に、直径20c
mのステンレス巻き芯に巻き付けて、113℃、30時
間の熱履歴を与え、巻きぐせのつきにくい支持体とし
た。
【0323】<下塗り層の塗設>上記支持体は、その両
面にコロナ放電処理、UV照射処理、さらにグロー放電
処理をした後、それぞれの面にゼラチン(0.1g/m
2 )、ソジウムα−スルホジ−2−エチルヘキシルサク
シネート(0.01g/m2 )、サルチル酸(0.02
5g/m2 )、PQ−1(0.005g/m2 )、PQ
−2(0.006g/m2 )からなる下塗液を塗布して
(10cc/m2 、バーコーター使用)、下塗層を延伸
時高温面側に設けた。乾燥は115℃、6分実施した
(乾燥ゾーンのローラーや搬送装置はすべて115℃と
した)。
【0324】
【化93】
【0325】<バック層の塗設> 1)帯電防止層の塗設 平均粒径0.005μmの酸化スズ−酸化アンチモン複
合物の比抵抗が5Ω・cmの微粒子粉末の分散物(2次
凝集粒子径約0.08μm;0.027g/m2 )、ゼ
ラチン(0.03g/m2 )、(CH2 =CHSO2
2 CH2 NHCO)2 CH2 (0.02g/m2 )、
ポリ(重合度10)オキシエチレン−p−ノニルフェノ
ール(0.005g/m2 )、PQ−3(0.008g
/m2 )及びレゾルシンを塗布した。
【0326】2)磁気記録層の塗設 3−ポリ(重合度15)オキシエチレン−プロピルオキ
シトリメトキシシラン(15重量%) で被覆処理された
コバルト−γ−酸化鉄(比表面積43m2/g、長軸0.1
4μm、短軸0.03μm、飽和磁化89emu/g、
Fe+2/Fe +3=6/94、表面は酸化アルミ酸化珪素で酸
化鉄の2重量%で処理されている)0.06g/m2をジ
アセチルセルロース1.15g/m2(酸化鉄の分散はオ
ープンニーダーとサンドミルで実施した)、硬化剤とし
てPQ−4(0.075g/m2)、PQ−5(0.00
4g/m2) を、溶媒としてアセトン、メチルエチルケト
ン、シクロヘキサノン、ジブチルフタレートを用いてバ
ーコーターで塗布し、膜厚1.2 μmの磁気記録層を得
た。滑り剤としてC6H13CH(OH)C10H20COOC40H81(50g
/m2)、マット剤としてシリカ粒子(平均粒径1.0μ
m)と研磨剤の酸化アルミ(レイノルズメタルReynolds
Metal 社製ERC−DBM;平均粒径0.44μm)
をそれぞれ5mg/m2及び15mg/m2となるように添
加した。乾燥は115℃、6分実施した(乾燥ゾーンの
ローラーや搬送装置はすべて115℃)。X−ライト
(ブルーフィルター)での磁気記録層のDB の色濃度増
加分は約0.1、また磁気記録層の飽和磁化モーメント
は4.2emu/g、保磁力7.3×104 A/m、角形
比は65%であった。
【0327】3)滑り層の塗設 ヒドロキシエチルセルロース(25mg/m2) 、PQ−
6(7.5mg/m2)、PQ−7(1.5mg/m2)、
ポリジメチルシロキサン(1.5mg/m2)を塗布し
た。なお、この混合物は、キシレン/プロピレングリコ
ールモノメチルエーテル(1/1)中で105℃で溶融
し、常温のプロピレンモノメチルエーテル(10倍量)
に注加分散して作製した後、アセトン中で分散物(平均
粒径0.01μm)にしてから添加した。乾燥は115
℃、6分行った(乾燥ゾーンのローラーや搬送装置はす
べて115℃)。滑り層は、動摩擦係数0.10(5m
mφのステンレス硬球、荷重100g、スピード6cm
/分)、静摩擦係数0.09(クリップ法)、また後述
する乳剤面と滑り層の動摩擦係数も0.18と優れた特
性であった。
【0328】以上の素材および支持体を用い、下記表3
に示す各層を全層同時に重層塗布し、カラーネガフィル
ムである多層構成の感光材料101を作製した。
【0329】
【表3】
【0330】
【表4】
【0331】
【表5】
【0332】
【化94】
【0333】なお、作製した感光材料中に含まれるカリ
ウムイオンの総量は、銀に対する重量比で2.2×10
-4であった。
【0334】更に下記表4および表5に示す内容の処理
部材R―1を作製した。
【0335】
【表6】
【0336】
【表7】
【0337】
【化95】
【0338】前記のようにして作製した試料101に対
して、第2層〜第4層の現像主薬(4)及び第6層〜第
8層の現像主薬(4)を、表6に示す本発明に用いる現
像主薬に等モルで置き換えて試料102〜120を作製
した。得られた試料101〜120に対して像様露光を
行い、以下に示す熱現像処理を行った。処理直後の感光
材料を乾燥後、試料102のカブリ+2.0のマゼンタ
濃度を示す露光量における、各試料のカブリからのマゼ
ンタ濃度およびシアン濃度を測定し、試料102を10
0とした相対値を、マゼンタ発色層(GL)およびシアン
発色層(RL)の発色性として表6に示した。
【0339】(現像処理方法)露光後の感光材料に40
℃の水を15cc/m2 (感光材料の最大膨潤時の水量
の45%に相当)付与後、処理部材R−1と重ね、83
℃のヒートドラムで感光材料のバック面から18秒間加
熱した。その後、処理部材R−1から感光材料を引き剥
がした。
【0340】得られた表6の結果から、本発明に用いる
現像主薬を含む感光材料は、非常に優れた発色性を示す
ことがわかる。
【0341】
【表8】
【0342】実施例2 実施例1で作製した試料101に対して、第2層〜第4
層中のシアンカプラー(1)(前記一般式(A)で表さ
れる化合物の具体例(A−31))、および、第6層〜
第8層中のマゼンタカプラー(2)(前記一般式(B)
で表される化合物の具体例(B−79))を、それぞれ
下記の比較カプラー(1)および比較カプラー(2)に
(等モルで)置き換えて、試料201を作製した。さら
に実施例1で作製した試料102に対して、表7に示す
ように各層のカプラーと現像主薬を(等モルで)置き換
えて、試料202〜216を作製した。
【0343】
【化96】
【0344】得られた試料201〜216と試料101
および試料102に対して、実施例1と同様の処理を行
い、実施例1と同様の評価を行った。なお、発色性の結
果は、試料102の値を基準として算出し、試料102
の値を100とした相対値で示した。その結果を表7に
示す。この結果より、本発明に用いるカプラーと、本発
明に用いる現像主薬とを含む感光材料によれば、非常に
優れた発色性を達成できることがわかる。
【0345】
【表9】
【0346】実施例3 実施例1で作製した試料102に対して、第9層のイエ
ロー染料、第5層のマゼンタ染料、および、第1層のシ
アン染料の代わりに、それぞれロイコ染料Y、ロイコ染
料B、および、ロイコ染料M(それぞれ5倍モルの顕色
剤を含む)に置き換えて、試料301を作製した。得ら
れた試料301を用いて、実施例1と同様の処理を行
い、実施例1と同様の評価を行った。その結果、RL、G
L、BL共に軟調化がみられた。即ち、ロイコ染料はアル
カリの消費量が多く、発色性の低下をもたらすため好ま
しくないことがわかる。
【0347】また、第9層のイエロー染料、第5層のマ
ゼンタ染料、および、第1層のシアン染料を無くした試
料302をさらに作製し、実施例1と同様の処理を行っ
て、慣用のMTF(Modulation Trans
fer Function)法で測定し、イエロー、マ
ゼンタおよびシアン画像20サイクル/mmのMTF値
(鮮鋭性)を求めた。さらに、実施例1で作製した試料
102、および、前記試料301についても同様にして
MTF値を求めた。なお、その結果は、試料102の値
を基準として算出し、試料102の値を100とした相
対値で示した。結果を表8に示す。
【0348】
【表10】
【0349】本発明に用いるに好ましい染料を用いてい
る試料102は、ロイコ染料を用いた試料301や、染
料を用いていない試料302に比べて、鮮鋭性に優れて
いることがわかる。
【0350】
【発明の効果】本発明によれば、発色性に優れ且つ簡易
な熱現像処理による撮影用の感光材料を提供することが
でき、更には鮮鋭性に優れた熱現像感光材料を提供する
ことができる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に、少なくとも感光性ハロゲン
    化銀粒子、発色現像主薬、カプラーおよびバインダーを
    含有する感光性層を少なくとも1層有する熱現像感光材
    料において、前記発色現像主薬の少なくとも1種が下記
    一般式(1)または(2)で表される化合物であり、か
    つ前記カプラーの少なくとも1種が下記一般式(A)ま
    たは(B)で表される化合物であることを特徴とする熱
    現像感光材料。 【化1】 (式中、R1 〜R4 は、水素原子又は置換基を表す。A
    は、水酸基又は置換アミノ基を表す。Xは、−CO−、
    −SO−、−SO2 −及び−PO<から選択される2価
    以上の連結基を表す。Yは2価の連結基を表す。Zは求
    核性基であって、本化合物が酸化された際に、Xを攻撃
    可能な基を表す。R1 とR2 とは、互いに結合して環を
    形成していてもよい。R3 とR4 とは、互いに結合して
    環を形成していてもよい。) 【化2】 (式中、R1 〜R4 は、水素原子又は置換基を表す。A
    は、水酸基又は置換アミノ基を表す。Xは、−CO−、
    −SO−、−SO2 −及び−PO<から選択される2価
    以上の連結基を表す。Yk 及びZk は、窒素原子又は−
    CR5 =(R5は、水素原子又は置換基を表す。)で表
    される基を表す。kは、0以上の整数を表す。Pは、プ
    ロトン解離性基又はカチオンとなり得る基を表し、該一
    般式(2)で表される化合物とハロゲン化銀との酸化還
    元反応により生じた酸化体がカプラーとカップリングし
    た後、Pからの電子移動を引き金とする、N−X結合の
    切断及びカプラーのカップリング部位に結合した置換基
    の脱離により色素を形成する機能を有する。R1 とR2
    とは、互いに結合して環を形成していてもよい。R3
    4 とは、互いに結合して環を形成していてもよく、Y
    k 、Zk 及びPから選択される少なくとも2種の原子又
    は置換基は、互いに結合して環を形成していてもよ
    い。) 【化3】 (式中、Zは、C−Nと共にヘテロ原子が窒素原子であ
    るアゾール環を形成するのに必要な非金属原子群を表
    し、該アゾール環は、置換基(縮合環を含む)を有して
    いてもよい。R1 およびR2 はそれぞれハメットの置換
    基定数σρ値が0.30以上の電子吸引性基を表す。X
    は水素原子または発色現像主薬の酸化体とカップリング
    反応して離脱する基を表す。) 【化4】 (式中、R1 は水素原子または置換基を表し、Zは、C
    −Nと共に窒素原子を2〜4個含む5員のアゾール環を
    形成するのに必要な非金属原子群を表し、該アゾール環
    は、置換基(縮合環を含む)を有していてもよい。Xは
    水素原子または発色現像主薬の酸化体とのカップリング
    反応により離脱可能にする基を表す。)
  2. 【請求項2】 一般式(1)または(2)中のAが水酸
    基であることを特徴とする請求項1に記載の熱現像感光
    材料。
  3. 【請求項3】 さらに、現像処理時に消色剤との反応に
    より消色する耐拡散性染料を含有することを特徴とする
    請求項1または2に記載の熱現像感光材料。
  4. 【請求項4】 耐拡散性染料が、下記一般式(I)〜
    (IV)で表されるものであることを特徴とする請求項
    1〜3のいずれか1項に記載の熱現像感光材料。 一般式(I) A51 = L51 −(L52 = L53)m51
    Q51 一般式(II) A51 = L51 −(L52 = L53)n51
    A52 一般式(III) A51 (= L51 − L52 )p51 = B51 一般式(IV) (NC)2 C=C(CN)−Q51 (式中、=は二重結合を、−は単結合を表す。A51、
    A52はそれぞれ酸性核を表し、B51は塩基性核を表
    す。Q51はアリール基または複素環基を表す。L5
    1、L52、L53はそれぞれメチン基を表す。m51
    は0、1、2を表す。n51、p51はそれぞれ0、
    1、2、3を表す。L51、L52またはL53が、そ
    れぞれ分子内に複数存在する場合、それらは同じであっ
    ても異なっていてもよい。但し、一般式(I)〜(I
    V)で表される化合物はカルボキシル基および/または
    スルホ基を有することはなく、また一般式(I)〜(I
    V)で表される化合物は耐拡散性基を有しており、かつ
    現像処理(消色)後の生成物も耐拡散的であり、感光材
    料から実質的に溶出しないものである。さらに一般式
    (I)〜(IV)で表される化合物は、現像処理時に酸
    化還元反応を起こし、それに続いて結合の切断を起こ
    し、複数の分子に分裂するような基を持たない。) 【0001】
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