JPH10197695A - 放射性廃棄物処理容器 - Google Patents

放射性廃棄物処理容器

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JPH10197695A
JPH10197695A JP9002792A JP279297A JPH10197695A JP H10197695 A JPH10197695 A JP H10197695A JP 9002792 A JP9002792 A JP 9002792A JP 279297 A JP279297 A JP 279297A JP H10197695 A JPH10197695 A JP H10197695A
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JP
Japan
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container
cap nut
bent portion
radioactive waste
container body
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JP9002792A
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English (en)
Inventor
Akira Asami
晃 浅見
Masumi Fukahori
真澄 深堀
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Chichibu Onoda Cement Corp
Original Assignee
Chichibu Onoda Cement Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 より優れた放射性廃棄物処理容器を提供
することである。特に、長期間にわたって高い気密性が
保たれ、しかも製造の際にシール材の塗布といった面倒
な作業が不要な放射性廃棄物処理容器を提供することで
ある。 【解決手段】 容器本体部と、この容器本体部の開口部
を塞ぐ蓋体部と、この蓋体部を前記容器本体部に固定す
るボルトとを具備してなる放射性廃棄物処理容器であっ
て、前記容器本体部には、その側板部の上端を内側に折
曲してなる折曲部が形成されてなり、かつ、前記折曲部
には、前記ボルトと螺合する袋ナットが、この袋ナット
の開口面が前記折曲部表面と面一になるよう、前記袋ナ
ットの開口側端部の全周囲を前記折曲部表面側から溶接
することで取り付けられてなる放射性廃棄物処理容器。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、放射性廃棄物の処
理容器に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】近年、原子力発電所な
どの原子力関連施設から排出される各種放射性廃棄物の
量は増大の一途をたどっている。こうした事情から、放
射性廃棄物のうち、低レベルのもの、及び低レベル放射
性廃棄物の処理時に使用された各種の物品を、例えばド
ラム缶のような放射性廃棄物処理容器内に納め、更にセ
メントモルタルやセメントペースト等で固化し、処分場
にて貯蔵することが提案されている。
【0003】ところで、こうした放射性廃棄物処理容器
のほとんどは円筒形である。このため、放射性廃棄物処
理容器を多数、平面的に並べる場合、容器同士の間には
大きな隙間が生じ、その結果、処分場の空間に無駄がで
きる。そこで、こうした問題を解決するべく、角型容器
が考えられた。しかし、この角型容器についても、改善
余地のあることが判ってきた。すなわち、放射性廃棄物
処理容器の蓋は、ボルトによって容器本体に固定され
る。そして、このボルトは容器本体に溶接された袋ナッ
トと螺合するわけであるが、従来の放射性廃棄物処理容
器は、容器本体と袋ナットとの接合部分の信頼性が十分
であるとは言い難い。これは、以下のような理由によ
る。
【0004】図12から判るように、袋ナット20は、
容器本体胴板21の上端を内側に折曲してなる折曲部2
2に対して取り付けられる。しかし、袋ナット20の周
囲において容器本体胴板21に面した部分は、この容器
本体胴板21自身が邪魔になって溶接することができな
い。このため、袋ナット20は、図13(図12におけ
るX−X線での断面図)に示すごとく、折曲部22の裏
面に3点で溶接されている。そして、気密性を付与する
ため、すみ肉部23同士の間にシール材が塗布されてい
る。ところが、このシール材が塗布された部分は、溶接
部分と同等の耐久性を得ることができない。これが、容
器本体の折曲部22と袋ナット20との接合部分の信頼
性を低下させる原因となっている。
【0005】また、従来の角型容器には次のような問題
もある。すなわち、シール材の塗布は、袋ナット20の
溶接と同様、容器本体胴板21が邪魔になるので大きな
困難を伴う。このため、塗布作業には多大な手間が掛か
っており、コストが高く付いている。したがって、本発
明が解決しようとする課題は、より優れた放射性廃棄物
処理容器を提供することである。特に、長期間にわたっ
て高い気密性が保たれ、しかも製造の際にシール材の塗
布といった面倒な作業が不要な放射性廃棄物処理容器を
提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の課題は、容器本体
部と、この容器本体部の開口部を塞ぐ蓋体部と、この蓋
体部を前記容器本体部に固定するボルトとを具備してな
る放射性廃棄物処理容器であって、前記容器本体部に
は、その側板部の上端を内側に折曲してなる折曲部が形
成されてなり、かつ、前記折曲部には、前記ボルトと螺
合する袋ナットが、この袋ナットの開口面が前記折曲部
表面と面一になるよう、前記袋ナットの開口側端部の全
周囲を前記折曲部表面側から溶接することで取り付けら
れてなることを特徴とする放射性廃棄物処理容器によっ
て解決される。
【0007】特に、容器本体部と、この容器本体部の開
口部を塞ぐ蓋体部と、この蓋体部を前記容器本体部に固
定するボルトとを具備してなる放射性廃棄物処理容器で
あって、前記容器本体部には、その側板部の上端を内側
に折曲してなる逆略U字状の折曲部が形成されてなると
共に、前記逆略U字状の折曲部の先端部と前記容器本体
部の側板部とを連結し、前記折曲部との間に空間が構成
されるよう連結板が設けられてなり、かつ、前記逆略U
字状の折曲部の上面部には、前記ボルトと螺合する袋ナ
ットが、この袋ナットの開口面が前記逆略U字状の折曲
部の上面部表面と面一になるよう、前記袋ナットの開口
側端部の全周囲を前記折曲部表面側から溶接することで
取り付けられてなることを特徴とする放射性廃棄物処理
容器によって解決される。
【0008】なお、上記放射性廃棄物処理容器にあって
は、袋ナットを折曲部に溶接した部分を平滑化してなる
ことが好ましい。これによって、蓋体部を容器本体部に
対して完全に密着させることができ、蓋体部と容器本体
部との接合部分に高い気密性を付与できる。特に、蓋体
部と容器本体部との間にガスケットが挟み込まれる場
合、折曲部を平滑化することで、ガスケットの安定配置
が可能となる。
【0009】また、袋ナットと折曲部との接合強度を高
めるため、袋ナットを、折曲部の裏面側からも前記折曲
部に溶接してなることが好ましい。すなわち、本発明の
放射性廃棄物処理容器にあっては、上述したように、折
曲部、特にその上面部に、ボルトと螺合する袋ナット
を、その開口面が折曲部の上面部表面と面一になるよう
配置し、そして裏面側からではなく表面側から溶接して
いる。このため、袋ナットを溶接する際に、容器本体部
の側板部が作業の邪魔になることはなく、袋ナットにお
ける開口側端部の全周囲を折曲部に溶接することが可能
である。したがって、袋ナットと折曲部との接合部分
は、長期間にわたって高い気密性が保たれる。つまり、
信頼性に優れた放射性廃棄物処理容器が得られる。ま
た、本発明の放射性廃棄物処理容器は、こうした構造と
なっているため、袋ナットと折曲部との接合部分にシー
ル材を塗布する必要はなく、製造に際し、この面倒な塗
布作業を省略できる。
【0010】なお、本発明の放射性廃棄物処理容器は、
容器本体部、特に角型に構成した容器本体部の下に脚部
が設けられ、前記容器本体部下面と脚部下面との間の空
隙部に存するよう被吊下具が設けられてなることが好ま
しい。すなわち、従来のものにあっては、放射性廃棄物
処理容器の搬送に際して用いる吊金具を設けるため、容
器の側壁外面に凹部(したがって、内面に凸部)を形成
していた。これに対して、上記のように容器本体部に脚
部を設け、容器本体部下面と脚部下面との間の空隙部に
被吊下具(吊金具)を配設しておけば、前記凸部を容器
の側壁内面に形成する必要がなく、放射性廃棄物を投入
するに際して邪魔になる凸部が内面側にないから、放射
性廃棄物やセメントモルタル等の固化材を効率よく充填
できる。よって、それだけ強度が増し、より優れたもの
となる。
【0011】また、本発明の放射性廃棄物処理容器は、
容器本体部の下に筒状脚部を設け、この筒状脚部内に被
吊下具を設けてなることが好ましい。これによって、被
吊下具が邪魔になることは少なくなる。例えば、上記の
ように構成した場合には、容器をフォークリフト等で搬
送することができる。このとき、フォークリフトのフォ
ーク等が被吊下具に接触するといった不具合は起きな
い。
【0012】更に、本発明の放射性廃棄物処理容器にお
ける容器本体部の内面には、内面保護の目的で、薄肉ラ
イニング層(例えば1〜5mm程度の厚さ)を設けるこ
とが好ましい。具体例としては、塗料やポリマーセメン
トモルタル層を挙げることができる。中でも、例えば溶
融亜鉛メッキ鋼板製の容器本体部の内面に珪砂混入樹脂
層を下地層として設けると共に、この珪砂混入樹脂層上
にポリマーセメントモルタル層を設け、更に耐透水性の
観点から樹脂含有塗料を塗布して耐透水性樹脂層を設け
たものが好ましい。なお、必要に応じて、耐透水性樹脂
層の上に美装を目的とした仕上層を設けてもよい。そし
て、耐蝕性などの観点からポリマーセメントモルタル層
の形成に際して、吊金具を配置するための凹部を設けな
いようにしておけば、容器本体部の内面には、この凹部
の形成に伴う凸部が存在しないから、ポリマーセメント
モルタル層を綺麗に、かつ、簡単にライニングできる。
したがって、耐蝕性などの機能の劣化が小さく、より優
れたものとなる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下で、本発明の一実施形態とし
て説明する放射性廃棄物処理容器は、容器本体部と、こ
の容器本体部の開口部を塞ぐ蓋体部と、この蓋体部を前
記容器本体部に固定するボルトとを具備してなるもので
あって、前記容器本体部には、その側板部の上端を内側
に折曲してなる折曲部が形成されてなり、かつ、前記折
曲部には、前記ボルトと螺合する袋ナットが、この袋ナ
ットの開口面が前記折曲部表面と面一になるよう、前記
袋ナットの開口側端部の全周囲を前記折曲部表面側から
溶接することで取り付けられてなることを特徴とする。
特に、容器本体部には、その側板部の上端を内側に折曲
してなる逆略U字状の折曲部が形成されてなると共に、
前記逆略U字状の折曲部の先端部と前記容器本体部の側
板部とを連結し、前記折曲部との間に空間が構成される
よう連結板が設けられてなり、かつ、前記逆略U字状の
折曲部の上面部には、前記ボルトと螺合する袋ナット
が、この袋ナットの開口面が前記逆略U字状の折曲部の
上面部表面と面一になるよう、前記袋ナットの開口側端
部の全周囲を前記折曲部表面側から溶接することで取り
付けられている。そして、袋ナットを折曲部に溶接した
部分は平滑化されており、更に袋ナットは、折曲部の裏
面側からも前記折曲部に溶接されている。
【0014】図1〜図11を用いて本発明の実施形態を
更に詳しく説明する。なお、図1は放射性廃棄物処理容
器の全体斜視図、図2は同容器の要部断面図、図3は容
器本体胴板の折曲部に袋ナット設置孔を形成した状態を
示す平面図、図4及び図5はそれぞれ容器本体胴板の折
曲部に形成された袋ナット設置孔に袋ナットをセットし
た状態を示す平面図及び断面図、図6及び図7はそれぞ
れ容器本体胴板の折曲部に袋ナットを仮溶接した状態を
示す裏面図及び断面図、図8及び図9はそれぞれ容器本
体胴板の折曲部に袋ナットを本溶接した状態を示す平面
図及び断面図、図10及び図11はそれぞれ容器本体胴
板の折曲部上面部を平滑化した状態を示す平面図及び断
面図である。
【0015】まず、放射性廃棄物処理容器の概略構造を
図1及び図2を用いて説明する。図1及び図2中、1は
放射性廃棄物処理容器における容器本体である。この容
器本体1は、放射性廃棄物を収納するために、JIS
G 3302に規定された溶融亜鉛メッキ鋼板(胴板の
厚さ2.3mm、底板の厚さ3.2mm)を用いて、内
容積が1200リットル(縦×横×高さが、1290m
m×1290mm×890mm)の大きさとなるよう設
計された角型のものである。但し、作業時の安全性を考
慮して、コーナー部分は丸味を帯びるよう加工されてい
る。
【0016】容器本体1の内側壁面には、縦方向に補強
枠2が適宜設けられている。また、容器本体1の内底面
及び内側壁面には、図2に示すごとく、1〜5mm程度
の厚さの耐蝕性に優れた薄肉ライニング層が設けられて
いる。更に詳しく言えば、溶融亜鉛メッキ鋼板製の容器
本体1の面に接して、珪砂混入樹脂層(下地層)を鋼材
と次のポリマーセメントモルタル層との一体性を高める
ために設ける。次に、この珪砂混入樹脂層上に、樹脂エ
マルジョンを混入したポリマーセメントモルタル層を
0.5〜4.5mm程度の厚さに設ける。そして、この
ポリマーセメントモルタル層上に、耐透水性に富む樹脂
含有塗料を塗布して、耐透水性樹脂層を設け、更に美装
を目的とした表面仕上層を設けている。つまり、本実施
形態では、容器本体1の内底面及び内側壁面に4層構成
の薄肉ライニング層を設けている。なお、後述する蓋の
内面にも同様の薄肉ライニング層が設けられる。
【0017】容器本体1の下面には、脚部となる筒体3
a,3b,3cが取り付けられている。但し、筒体3
a,3cにおける吊金具の取付部の奥方部分や、筒体3
bの開口部は閉塞されている。筒体3a内の入口近傍位
置の天板部には、吊金具4a,4b(吊金具4bは、吊
金具4aと同形状であって、反対側の同位置にあるので
図示していない)が回動可能に取り付けられている。ま
た、筒体3c内の入口近傍位置の天板部には、吊金具5
a,5b(吊金具5bは、吊金具5aと同形状であっ
て、反対側の同位置にあるので図示していない)が回動
可能に取り付けられている。したがって、吊金具4a,
4b,5a,5bにクレーン側のフックを掛け、持ち上
げることで容器本体1を四方から保持することができ、
これによって容器本体1を容易に搬送することが可能と
なっている。
【0018】本実施形態の放射性廃棄物処理容器は、容
器本体1の他に、気密性を確保するためのガスケット6
と、このガスケット6を介して容器本体1に取り付けら
れる蓋7とを具備する。蓋7は、容器本体1の上端面
(開口縁部面)に設けられたボルト孔8と、蓋締付用の
ボルト9とによって容器本体1に固定される。容器本体
1におけるボルト孔8が設けられた部分の詳細な構造
は、図2に示すとおりである。
【0019】この部分には、容器本体胴板(側板部)1
aの上端を内側に折曲することで、逆略U字状の折曲部
1bが形成されている。また、逆略U字状の折曲部1b
の先端部と容器本体胴板1aとを連結する連結板10が
設けられている。これによって、連結板10と折曲部1
bとの間には、閉空間が構成される。こうした構造とす
ることで、容器本体1の開口縁部が筒状となるため、軽
量化と共に機械的強度の向上が図れる。更に、閉空間部
は緩衝作用を発揮し、車両などにおけるバンパーの役割
を奏する。
【0020】連結板10と折曲部1bとの間に構成され
る閉空間内には、ボルト9と螺合する袋ナット11が設
けられている。この袋ナット11は、逆略U字状の折曲
部1bの上面部1cに固定されており、更に詳しく言え
ば、袋ナット11は、その開口面が、逆略U字状の折曲
部1bの上面部1c表面と面一になるよう、袋ナット1
1自身の開口側端部の全周囲を表面側から溶接すること
で、折曲部1bの上面部1cに取り付けられている。し
たがって、実際に、容器本体1の開口縁部面に設けられ
たボルト孔8を構成しているのは、袋ナット11のナッ
ト孔である。
【0021】なお、本実施形態では、補強のために、袋
ナット11を、折曲部1bの上面部1cの裏面側におい
ても3点で溶接している。また、ガスケット6を安定配
置できるようにするため、言い換えれば、折曲部1bの
上面部1cと、その上に載置されるガスケット6との間
に隙間が形成されないよう、つまり両者を密着状態で配
置できるようにするため、袋ナット11の溶接部分を研
削処理によって平滑化している。
【0022】上記のように構成した放射性廃棄物処理容
器は、ボルト9による連結部が強固にして、かつ、軽量
なものとなっているから、衝撃力の緩和性能が大きい。
すなわち、ボルト9による連結部の耐久性が優れている
ので、衝撃力が作用しても蓋7が開くようなことは少な
く、内容物の飛散が起き難い。特に、連結板10と折曲
部1bとの間に閉空間部を形成しているため、これが緩
衝機能を発揮し、衝撃を吸収するから、ボルト9に大き
な応力が作用せず、結合部分が受ける衝撃力は少なく、
柔軟性に富む。
【0023】因みに、模擬廃棄物として金属類を1.4
t程度収納した後、セメントモルタルを充填し、固化さ
せ、総重量約4tの模擬廃棄体を作製した。そして、こ
れを1.2mの高さから落下させる衝撃試験を行った。
その結果、局部的な変形が多少認められたものの、本実
施形態の放射性廃棄物処理容器は、ボルト9による結合
部分は衝撃力が緩和されており、蓋7が開くような衝撃
力は作用せず、内容物の飛散は少なく、極めて優れた耐
久性を示した。
【0024】また、本実施形態では、容器本体1の側壁
外面に吊金具4a,4b,5a,5bを設けるための凹
部(内面に凸部)を形成しておらず、したがって放射性
廃棄物を投入するに際して、容器本体1の側壁内面に作
業の邪魔になる凸部がないから、放射性廃棄物やセメン
トモルタル等の固化材を効率よく充填できる。また、耐
蝕性に優れた薄肉ライニング層の形成に際して、容器本
体1の側壁内面に吊金具4a,4b,5a,5bを設け
るための凸部が存在しないから、薄肉ライニング層を綺
麗に、かつ、簡単に形成できる。したがって、薄肉ライ
ニング層は、耐蝕性など機能の劣化が少なく、より優れ
たものである。
【0025】更に、本実施形態の放射性廃棄物処理容器
では、吊金具4a,4b,5a,5bを設けるために容
器本体1の胴板1aに特別な加工、例えば絞り加工や打
ち抜き加工、溶接加工を必要とせず、容器本体1の機械
的強度の低下がより少ない。したがって、それだけ耐久
性に優れており、製造も容易である。その上、容器本体
1の下に筒状の脚部を設けたから、容器本体1が直接に
地面に接触せず、容器本体1が腐食し難い。
【0026】因みに、本実施形態の放射性廃棄物処理容
器に対して、落下以外にもさまざまな試験を行った。例
えば、固定式ジャッキを用いて、空容器に20tf×2
4時間載荷の荷重試験を行った。しかし、容器やライニ
ング材に亀裂や変形などはほとんどなく、しかも残留歪
も非常に小さいものであった。また、容器内に2500
kgの重りを入れ、5分間吊り下げたが、容器やライニ
ング材の亀裂、変形などは皆無に近かった。そして、容
器内に0.1kgf/cm2 の圧縮空気を5分間供給し
たが、空気が漏出することもなく、非常に優れた気密性
を示した。
【0027】これに加えて、吊金具4a,4b,5a,
5bは、筒体3a,3c内に設けられている。したがっ
て、吊金具4a,4b,5a,5bにクレーン側からの
フックを掛けやすく、作業性に優れている。続いて、図
2に示した放射性廃棄物処理容器の要部、すなわち容器
本体胴板1aの折曲部1bと袋ナット11との接合部分
について、その構成手順を図3〜図11を用いて説明す
る。
【0028】折曲部1bと袋ナット11との接合に際し
ては、まず、図3に示すごとく、折曲部1bの上面部1
cに袋ナット設置孔12を形成する。本実施形態では、
この袋ナット設置孔12の径Rを、袋ナット11の外径
よりも0.5〜1.0mm程度大きくし、袋ナット11
と袋ナット設置孔12との間に隙間が形成されるように
した。これは、溶接時に、溶融した金属材料を袋ナット
11の外周面と袋ナット設置孔12の内周面との間に供
給するためであり、こうすることで袋ナット11と折曲
部1bとの強固な一体化状態が得られる。
【0029】折曲部1bの上面部1cに袋ナット設置孔
12を形成したならば、続いて、図4及び図5に示すご
とく、この袋ナット設置孔12に支持具(図示せず)を
用いて袋ナット11をセットする。但し、同図から判る
ように、袋ナット11は、それ自身の開口面が、折曲部
1bの上面部1c表面と面一になる高さに位置させられ
る。
【0030】こうして袋ナット11を折曲部1bの上面
部1cにセットした後、この上面部1cに袋ナット11
を仮溶接する。仮溶接が完了した状態は、図6や図7に
示すとおりであり、すなわち袋ナット11は、折曲部1
bの上面部1c裏面に3点で溶接される。なお、この溶
接処理には、すみ肉断続溶接法を用い、また、溶接棒と
しては、袋ナットや容器本体胴板が鋼材から構成されて
いることから、例えばステンレス溶接棒(商品名「ステ
ンレス309」:神戸製鋼社製)を用いた。
【0031】上記のごとく、袋ナット11を折曲部1b
の上面部1c裏面に仮溶接したならば、続いて袋ナット
11を折曲部1bの上面部1c表面に本溶接する。この
本溶接は、仮溶接と異なり、図8や図9に示すごとく、
袋ナット11における開口側端部の全周囲を溶接するも
のである。但し、本溶接でも仮溶接と同様、すみ肉溶接
法を利用し、また、溶接棒としてステンレス溶接棒を用
いた。
【0032】こうして、袋ナット11の仮溶接及び本溶
接が済んだならば、次いで上面部1cの表面側における
溶接部分の研削処理を行う。これによって、上面部1c
表面は、図10や図11に示すごとく平滑化され、その
結果、ガスケットの安定配置が可能となる。上記の工程
を経て、容器本体胴板1aの折曲部1bに対する袋ナッ
ト11の取り付けが完了する。これによって、容器本体
1の上端面は、ボルト孔8が設けられた状態となる。
【0033】こうして袋ナット11が折曲部1bの上面
部1cに溶接されてなる容器本体胴板1aには、更に、
折曲部1bの先端部と容器本体胴板1aとを連結するよ
う連結板10が取り付けられる。これによって、容器本
体1の開口縁部は、図2に示す構造のものとなる。上述
したごとく、本実施形態の放射性廃棄物処理容器にあっ
ては、折曲部1bの上面部1cに、ボルト9と螺合する
袋ナット11を、その開口面が上面部1cの表面と面一
になるよう配置し、裏面側からではなく表面側から上面
部1cに溶接している。このため、溶接の際に、容器本
体胴板1aが作業の邪魔になることはなく、袋ナット1
1における開口側端部の全周囲を折曲部1bの上面部1
cに溶接することが可能である。したがって、袋ナット
11と折曲部1bの上面部1cとの接合状態を極めて良
好なものとすることができ、長期間にわたって高い気密
性が保たれる。ゆえに、信頼性が非常に高い。また、本
実施形態の放射性廃棄物処理容器は、袋ナット11と折
曲部1bの上面部1cとの接合部分にシール材を塗布す
る必要はない。よって、手間の掛かるシール材の塗布作
業を省略でき、製造作業を一層容易なものとすることが
できる。
【0034】なお、本実施形態では、袋ナット11を折
曲部1bの上面部1cの裏面側から先に溶接したが、逆
に上面部1cの表面側から先に溶接を行ってもよい。ま
た、袋ナット11を折曲部1bの上面部1cの裏面側に
溶接するのは補強のためであるから、必ずしも不可欠な
わけではない。したがって、上面部1cの表面側の溶接
だけで十分な強度が得られる場合には、裏面側の溶接を
省略することも可能である。
【0035】
【発明の効果】本発明の放射性廃棄物処理容器は、長期
間にわたって高い気密性が保たれ、しかも製造の際にシ
ール材の塗布といった面倒な作業が不要であり、従来の
ものに比べて格段に優れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る放射性廃棄物処理容器の全体斜視
【図2】本発明に係る放射性廃棄物処理容器の要部断面
【図3】容器本体胴板の折曲部に袋ナット設置孔を形成
した状態を示す平面図
【図4】容器本体胴板の折曲部に形成された袋ナット設
置孔に袋ナットをセットした状態を示す平面図
【図5】容器本体胴板の折曲部に形成された袋ナット設
置孔に袋ナットをセットした状態を示す断面図
【図6】容器本体胴板の折曲部に袋ナットを仮溶接した
状態を示す裏面図
【図7】容器本体胴板の折曲部に袋ナットを仮溶接した
状態を示す断面図
【図8】容器本体胴板の折曲部に袋ナットを本溶接した
状態を示す平面図
【図9】容器本体胴板の折曲部に袋ナットを本溶接した
状態を示す断面図
【図10】容器本体胴板の折曲部上面部を平滑化した状
態を示す平面図
【図11】容器本体胴板の折曲部上面部を平滑化した状
態を示す断面図
【図12】従来の放射性廃棄物処理容器における開口縁
部の断面図
【図13】図12におけるX−X線での断面図
【符号の説明】
1 角型容器本体 1a 胴板(側板部) 1b 折曲部 1c 上面部 6 ガスケット 7 蓋 8 ボルト孔 9 ボルト 10 連結板 11 袋ナット 12 袋ナット設置孔

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 容器本体部と、この容器本体部の開口部
    を塞ぐ蓋体部と、この蓋体部を前記容器本体部に固定す
    るボルトとを具備してなる放射性廃棄物処理容器であっ
    て、 前記容器本体部には、その側板部の上端を内側に折曲し
    てなる折曲部が形成されてなり、 かつ、前記折曲部には、前記ボルトと螺合する袋ナット
    が、この袋ナットの開口面が前記折曲部表面と面一にな
    るよう、前記袋ナットの開口側端部の全周囲を前記折曲
    部表面側から溶接することで取り付けられてなることを
    特徴とする放射性廃棄物処理容器。
  2. 【請求項2】 容器本体部と、この容器本体部の開口部
    を塞ぐ蓋体部と、この蓋体部を前記容器本体部に固定す
    るボルトとを具備してなる放射性廃棄物処理容器であっ
    て、 前記容器本体部には、その側板部の上端を内側に折曲し
    てなる逆略U字状の折曲部が形成されてなると共に、前
    記逆略U字状の折曲部の先端部と前記容器本体部の側板
    部とを連結し、前記折曲部との間に空間が構成されるよ
    う連結板が設けられてなり、 かつ、前記逆略U字状の折曲部の上面部には、前記ボル
    トと螺合する袋ナットが、この袋ナットの開口面が前記
    逆略U字状の折曲部の上面部表面と面一になるよう、前
    記袋ナットの開口側端部の全周囲を前記折曲部表面側か
    ら溶接することで取り付けられてなることを特徴とする
    放射性廃棄物処理容器。
  3. 【請求項3】 袋ナットを折曲部に溶接した部分が平滑
    化されてなることを特徴とする請求項1または請求項2
    に記載の放射性廃棄物処理容器。
  4. 【請求項4】 袋ナットが、折曲部の裏面側からも前記
    折曲部に溶接されてなることを特徴とする請求項1〜請
    求項3いずれかに記載の放射性廃棄物処理容器。
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