JPH07310158A - 寸法安定性を有する耐食性の燃料チャネルおよびそれの製造方法 - Google Patents

寸法安定性を有する耐食性の燃料チャネルおよびそれの製造方法

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JPH07310158A
JPH07310158A JP6096815A JP9681594A JPH07310158A JP H07310158 A JPH07310158 A JP H07310158A JP 6096815 A JP6096815 A JP 6096815A JP 9681594 A JP9681594 A JP 9681594A JP H07310158 A JPH07310158 A JP H07310158A
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fuel channel
fuel
strips
channel
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JP6096815A
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Ronald B Adamson
ロナルド・バート・アダムソン
Charles Bartshick Donald
ドナルド・チャールズ・バートシック
Barchill Johanson Eric
エリック・バーチル・ジョハンソン
David Williams Sedric
セドリック・デビット・ウイリアムス
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General Electric Co
Original Assignee
General Electric Co
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    • Y02E30/30Nuclear fission reactors

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  • Monitoring And Testing Of Nuclear Reactors (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 熱処理、温間成形および熱サイジングを併用
することによってジルコニウム基合金から成る燃料チャ
ネルを製造するための方法が開示される。 【構成】 燃料チャネル用のストリップ材料が六方最密
構造の結晶相から体心立方構造の結晶相への変態を開始
させる温度にまで加熱され、次いで0.28〜0.38
の組織係数fL を有する六方最密構造の結晶相への転移
を開始させる速度で急冷される。ストリップ材料の延性
を増大させるのに十分な高い温度下で熱処理済みのスト
リップ材料を曲げることによって燃料チャネル部品が形
成される。燃料チャネル部品同士を溶接した後、得られ
た燃料チャネルに熱サイジングを施すことによって焼な
ましが行われる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の分野】本発明は、正確に寸法決定された原子炉
用の中空薄肉部材の製造方法に関するものである。更に
詳しく言えば、本発明はジルコニウム基合金のごとき合
金から成る燃料チャネルの製造方法に関する。
【0002】
【発明の背景】沸騰水型原子炉(BWR)は、有限数の
中性子を放出することのできる核分裂性物質を収容した
燃料棒の束から成る燃料集合体を含んでいる。核分裂反
応の結果として高速の中性子が放出されるが、それらは
水によって核分裂連鎖反応を可能にするより低い速度に
まで減速される。各々の燃料集合体は、中性子を寄生的
に吸収する金属から成る燃料チャネルによって包囲され
ている。中性子の寄生吸収をできるだけ小さくするた
め、燃料チャネルはジルカロイとして知られる合金から
製造されるのが通例である。ジルカロイは熱中性子を極
めて僅かしか吸収しない(すなわち、小さい吸収断面積
を有している)。なお、ジルカロイは少量の鉄、スズお
よびその他の合金元素を含有するジルコニウム合金であ
る。詳しく述べれば、ジルカロイ−2は約1.5%のス
ズ、0.15%の鉄、0.1%のクロム、0.05%の
ニッケルおよび0.1%の酸素を含有している。また、
ジルカロイ−4は約0.2%の鉄を含有すると共にニッ
ケルをほとんど含有しないが、その他の点ではジルカロ
イ−2と同じである。
【0003】燃料チャネルは概して正方形の横断面を有
する中空の細長い部材であって、たとえば約6インチの
各辺および14インチ程度の長さを有している。かかる
燃料チャネルは、通例、ジルカロイのストリップを圧延
し、それらのストリップを曲げてU字形のチャネル部品
を形成し、次いで2個のU字形チャネル部品同士をシー
ム溶接することによって製造される。原子炉制御は、か
かる燃料チャネルの外側において行われるのが通例であ
る。原子炉制御を最適化するため、燃料チャネルは制御
棒の形状に適合した平坦な側面を有するように形成され
る。
【0004】燃料チャネルはまた、炉心を通って流れる
冷却水を蒸気発生用燃料棒の周囲の予測可能な流路内に
閉込めるためにも役立つ。原子炉内において予測可能な
水流を保証するため、燃料チャネルの内側と外側との間
には差圧が存在する。燃料チャネルの内側を流れる水
は、核分裂反応から放出する熱によって蒸気に変えられ
る。他方、燃料チャネルの外側は異なる圧力環境を構成
する。
【0005】燃料チャネルの平坦な側壁はかど部により
連結されていて、差圧に応答してふくれる傾向を示す。
このようなふくれ傾向は、熱的効果および放射線によっ
て更に悪化する。燃料チャネルの炉内寸法変化は、主と
して、(1) 製造時に誘起された応力の緩和、(2) 放射線
によって誘起される結晶成長、および(3) 放射線によっ
て促進されるクリープに原因するものである。放射線に
よって誘起される結晶成長は、チャネルストリップが結
晶組織のばらつきを含む場合やそれが中性子束勾配中に
存在する場合には長手方向の弓そりのごとき寸法変化を
もたらすことがある。特に、一様な結晶組織(すなわ
ち、燃料チャネルの全域にわたってfL =約0.10で
あるような結晶組織)を有する従来の燃料チャネルは中
性子束勾配中において弓そりを生じる。
【0006】放射線照射はまた、ジルカロイの延性を低
下させかつそれの脆性を増大させる。放射線効果の大き
さは、部分的には合金のミクロ構造(または「結晶組
織」)に依存する。ジルカロイ中における六方最密構造
の結晶相は異方性を有するから、加工方法が異なれば結
晶組織の異なる製品が得られる。それ故、ジルカロイの
放射線脆化はそれの加工履歴に依存するのである。
【0007】炉内寸法安定性および耐食性はBWR用燃
料チャネルの重要な属性であるから、かかる燃料チャネ
ルは適正な寸法を有するように製造されると共に、側面
のふくれ、正方形横断面からのずれ、側面の非平行性、
長手方向の弓そりやねじれ、などのごとき幾何学的不整
を示さないことが必要である。しかるに、燃料チャネル
製造工程は製造時の応力を残留させるのであって、それ
らが幾何学的不整をもたにすことになる。それ故、これ
らの応力を除去するため、燃料チャネルに熱サイジング
が施されるのが通例である。
【0008】正確に寸法決定された部材の製造プロセス
およびその他各種のプロセスにおいて熱サイジングを使
用することは、完全に確立された技術である。この技術
は、異種の金属間における熱膨張率の差を利用するもの
である。処理すべき部材よりも大きい熱膨張率を有しか
つ緊密に嵌合する細長いマンドレルが部材の内部に挿入
される。こうして得られた部材/マンドレル集合体が不
活性雰囲気(たとえば、真空またはアルゴンのごとき不
活性ガス)中において約1100°Fの温度にまで加熱
される。マンドレルが部材よりも早い速度で膨張するか
ら、前者は後者を所望の寸法に塑性変形させ、それと同
時に製造時の応力が緩和される。その後、集合体が冷却
され、そしてマンドレルが取除かれる。かかる熱サイジ
ング技術は、いずれも本発明の譲受人に譲渡されたハー
モン(Harmon)等の米国特許第4989433号およびエ
デンス(Eddens)の米国特許第4604785号、並びに
ハート(Hart)等の米国特許第3986654号の明細書
中に開示されている。
【0009】ジルカロイに対して高度の耐食性を付与す
るためには、チャネル材料は(たとえば、誘導加熱およ
び水冷により)高温に加熱された後に急冷されるのが通
例である。ジルカロイ−2の場合には、ストリップ製造
に際して中間のスラブ厚さで焼入れを施し、そして以後
の熱暴露を管理することから成る方法が使用される。こ
のような熱処理は、本発明の譲受人に譲渡されたウィリ
アムズ(Williams)等の米国特許第4238251号明細
書中に開示されている。この特許明細書中には、ジルコ
ニウム基合金から成る部材において、特定のミクロ構造
特性とBWR環境中で促進される結節状腐食に対する抵
抗性との間に強い相関が存在することが示されている。
そのような特性は、加熱により、金属に所望の耐食性を
付与するようなパターンで金属間化合物粒子相〔ジルカ
ロイ−4中におけるZr(Cr,Fe)2 またはジルカ
ロイ−2中におけるZr(Cr,Fe)2 およびZr2
(Ni,Fe)〕を再分配することによって生み出すこ
とができる。米国特許第4238251号明細書中に
は、ジルコニウム基合金部材を加熱して(六方最密構造
の)α相から(体心立方構造の)β相への変態を開始さ
せ、次いでかかる変態開始温度よりも実質的に低い温度
まで急冷することによって該部材の実用寿命を大幅に延
長し得ることが記載されている。α相からβ相への変態
は約825℃で開始するが、それよりも多少高い温度
(たとえば、870℃)を使用することが好適である。
析出物粒子を所望の程度にまで偏析させるためには、変
態温度範囲内において数秒間だけ加熱した後に700℃
以下まで急冷すればよい。
【0010】米国特許第4238251号明細書中には
また、急速な冷却の結果として、物理的性質一般とりわ
けクリープ強さおよび延性の低下なしにBWR用燃料チ
ャネルの耐食性が向上することが開示されている。かか
る冷却工程においては、少なくとも毎秒約20℃の速度
で部材を急冷することが好ましい。このように、従来の
加工技術においては、製造時の応力を低減させるために
熱サイジングが使用されるか、あるいは所要の耐食性を
付与するために管理された熱処理が使用されていた。ま
た、結晶組織のばらつきを低減させかつ燃料チャネル内
における不均一な放射線誘起結晶成長を抑制するため、
当業界において「マッチドペア(matched pair)」として
知られる性質を得ようとして多大の努力が払われてき
た。しかしながら、燃料チャネル用ストリップ材料の熱
処理、燃料チャネル部品の温間成形、および組立てられ
た燃料チャネルの熱サイジングによって寸法安定性を有
する耐食性の燃料チャネルを製造することは知られてい
なかった。
【0011】
【発明の概要】本発明は、ジルコニウム基合金から成る
部材を製造するための従来方法を改良するものである。
かかる目的は、熱処理と熱サイジングとの併用により、
理想的にはランダムな結晶組織(すなわち、部材の全域
にわたってfL =fN =fT =約0.33であるような
結晶組織)を有する部材を製造することによって達成さ
れる。なお、fL 、fN およびfT は、底面極がそれぞ
れ長手方向、法線方向および横断方向にほぼ平行になる
ように配置された六方晶系結晶の分率である。(ストリ
ップの場合、長手方向は圧延方向であり、そして法線方
向はストリップの平面に対して垂直な方向である。管の
場合、長手方向は管の中心軸に沿った方向であり、法線
方向は半径方向であり、そして横断方向は円周方向であ
る。)実際には、fL が大きければ(すなわち、fL
0.28〜0.38であれば)、ランダムな結晶組織を
必要とすることなしに本発明の利益が得られる。すなわ
ち、本発明に従って高fL 結晶組織を有するジルコニウ
ム基合金は、改善された寸法安定性および優れた炉内耐
食性を有する部材を与えるのである。
【0012】本発明の好適な実施の態様に基づくジルコ
ニウム基合金部材の製造方法は、合金の結晶組織および
ミクロ構造に関する所要の管理を可能にするチャネルス
トリップの熱処理工程、形成された部品中の残留応力を
できるだけ小さくするように成形温度を調節しかつ表面
の酸化を以後の加工のために許容し得るレベル以下に抑
制しながら行われる温間成形工程、並びに残留応力をで
きるだけ小さくしながらチャネルボックスに所要の寸法
を付与するための熱サイジング工程を含む一連の工程か
ら成っている。
【0013】一層詳しく述べれば、本発明の好適な実施
の態様に基づく燃料チャネル製造方法は下記のごとくに
して実施される。 (1) 個々の設計例の要求に応じて一様な厚さまたは変化
する厚さを厚さを持ったチャネルストリップに対して処
理が施される。かかる熱処理は、一様な結晶組織を有す
る六方最密構造の結晶相から体心立方構造の結晶相への
変態を開始させる温度にまでチャネルストリップを加熱
し、次いで高fL 結晶組織を有する六方最密構造の結晶
相への変態を開始させる速度で(ガスまたは水を用い
て)急冷温度まで急冷することから成っている。その
後、熱処理済みのチャネルストリップの表面状態が以後
の加工のために適した状態になるように処理される。こ
のようにすれば、チャネルストリップは所要の程度にラ
ンダムな結晶配列(結晶組織)を有すると共に、BWR
に対する高度の炉内耐食性を得るために必要とされる微
細な金属間化合物粒子の分布状態および母材合金の化学
的性質を有することになる。
【0014】(2) 熱処理済みのチャネルストリップに対
し、たとえば温度および時間の制御あるいはそれらと不
活性ガス保護雰囲気との併用によって表面の酸化を抑制
するような条件下で温間成形操作が施される。このよう
にして、通常のシーム溶接技術に従って燃料チャネルを
組立てるために適した燃料チャネル部品がチャネルスト
リップから形成される。
【0015】(3) 次いで、ジルカロイよりも大きい熱膨
張率を持った合金から成るマンドレルを使用しながら加
熱することによって溶接済みの燃料チャネルに所要の寸
法を付与するための熱サイジングが実施される。かかる
熱サイジングは、熱処理時の急冷温度より低いが燃料チ
ャネルを焼なますためには十分な温度にまで燃料チャネ
ルを加熱し、次いで冷却することから成っている。この
熱サイジングは、製造時の応力を除去しかつ正確な寸法
制御を保証するために役立つ。この熱サイジング工程に
際しては、不活性ガス雰囲気を使用するか、あるいは燃
料チャネル/マンドレル集合体を真空系内に封入するこ
とにより、燃料チャネルの顕著な酸化が防止される。
【0016】このような加工操作は、製造時の応力を除
去し、結晶組織のランダム化によって炉内における結晶
成長を低減させ、かつ結節状腐食および一様腐食に対す
る抵抗性を向上させることによって炉内寸法安定性の改
善をもたらす。本発明の方法は、ジルカロイから成るB
WR用燃料チャネルを製造するために特に適している。
とは言え、本発明の方法は燃料被覆管、燃料チャネル内
において使用される燃料棒スペーサ、あるいはジルコニ
ウム基合金または類似の合金から成るその他任意の部材
を製造するためにも使用することができる。
【0017】
【好適な実施の態様の詳細な説明】ジルコニウム基合金
から成るBWR用燃料チャネルを製造するための本発明
方法は、好適な実施の態様に従えば、次のような順序で
実施される3つの工程を含んでいる。それらの工程と
は、(1) 優れた耐食性を付与しかつ結晶組織をランダム
化するために役立つチャネルストリップの(加熱および
急冷から成る)高温熱処理、(2) 表面の酸化を抑制する
ような条件下で熱処理済みのチャネルストリップから燃
料チャネル部品を形成するための温間成形、およびかか
る燃料チャネル部品から燃料チャネルを組立てるための
シーム溶接、並びに(3) 製造時の応力を除去しかつ正確
な寸法制御を保証するために役立つ燃料チャネルの熱サ
イジングである。
【0018】燃料チャネル用のストリップ材料は、任意
適宜のチャネルストリップ製造技術(たとえば、鍛造、
押出しまたは圧延)によって製造される。各々のチャネ
ルストリップは、それを曲げることにより、所望の燃料
チャネルを構成する2個の燃料チャネル部品の一方を形
成し得るような幅を有している。チャネルストリップの
熱処理は、誘導加熱コイルあるいはその他任意の常用加
熱手段(たとえば、輻射加熱、対流加熱または抵抗加
熱)を用いて実施される。かかる加熱は真空中において
行うことが好ましい。チャネルストリップは1800°
F以上の温度(実用上の温度上限は2050°F)にま
で加熱され、そして0.25秒〜30分の範囲内の時間
にわたり1800°F以上の温度に維持される。このよ
うな高温加熱の目的は、チャネルストリップのジルコニ
ウム基合金の結晶構造を(六方最密構造の)α相から
(体心立方構造の)β相に完全に変態させることにあ
る。
【0019】少なくとも0.25秒間にわたって180
0°F以上の温度にチャネルストリップを維持した後、
チャネルストリップは流体の使用によって毎秒10〜4
00°Fの範囲内の速度で1500°F以下の温度まで
急冷される。チャネルストリップの急冷は、不活性ガ
ス、空気、水またはその他適宜の冷却剤を用いて行うこ
とができる。急冷用の流体としては、溶存酸素のごとき
汚染物を含有する傾向のある水よりも、むしろヘリウム
のごとき不活性ガスが好適である。
【0020】急冷に際しては、ジルコニウム基合金の結
晶構造はβ相の結晶粒から高fL 結晶組織を有するα相
の結晶粒に変態する。詳しく述べれば、ジルコニウム基
合金の結晶構造は1/3 にほぼ等しい組織係数fL (すな
わち、fL =0.28〜0.38)を有するような結晶
配列を示す。なお、高度の耐食性を有する材料を得るた
めには(毎秒10〜400°Fの)急速な冷却速度が必
要である。
【0021】熱処理の後、チャネルストリップの表面状
態は以後の加工のために適した状態になるように処理さ
れる。詳しく述べれば、潤滑剤や空気中から表面上に沈
着した汚染物が除去される。それの目的は、以後の加工
工程中において、表面に生じ易い亀裂、ひび割れおよび
その他の微小な機械的損傷の内部に汚染物が焼付けられ
ないようにすることにある。
【0022】次いで、任意適宜の技術(たとえば、ベン
ディングブレーキの使用)によってチャネルストリップ
が所望の形状に曲げられ、それによって実質的にU字形
の横断面を有する燃料チャネル部品が形成される。各々
の燃料チャネル部品は、1つの底壁と2つの互いに向か
い合った側壁とを有している。また、各々の側壁は長手
方向の端面を有している。曲げるのに先立ち、たとえば
温度および時間の制御あるいはそれらと不活性ガス保護
雰囲気との併用によって表面の酸化を抑制するような条
件下において、チャネルストリップが50〜800°F
(好ましくは250〜400°F)の範囲内の温度に加
熱される。ジルカロイ表面に亀裂、ひび割れおよびその
他の微小な機械的損傷が生じる可能性を減少させるた
め、温度および暴露時間は最小限に抑えられる。かかる
温間成形(すなわち、加熱後の曲げ)は2つの目的のた
めに役立つ。第1の目的は、延性を向上させ、それによ
って曲げ作業を容易にすることである。第2の目的は、
残留応力を減少させ、それによって加工性を向上させる
ことである。とは言え、本発明の別の好適な実施の態様
に従えば、予め加熱することなしに曲げ作業を行うこと
もできる。
【0023】温間成形操作の後、長手方向の端面同士が
それらの全長にわたって接触するようにして1対の燃料
チャネル部品が配置される。互いに接触した端面同士を
(たとえば、ティグ溶接またはその他任意の常用溶接技
術に従って)溶接することにより、実質的に一様な正方
形横断面を有する中空の燃料チャネルが組立てられる。
溶接作業の完了後、燃料チャネルの内側または外側にお
いて継目に沿って形成された溶接ビードは「プラニシン
グ」として知られる通常の技術によって所望の程度にま
で平滑化される。
【0024】溶接によって燃料チャネルを組立てた後、
かかる燃料チャネルに熱サイジングが施される。熱サイ
ジング作業に際しては、ジルコニウム基合金よりも大き
い熱膨張率を持った材料から成る通常のマンドレルが燃
料チャネル内に挿入される。かかるマンドレルは、燃料
チャネルの最終寸法に合致した幾何学的寸法を有してい
る。次いで、燃料チャネル/マンドレル集合体が100
0〜1250°Fの温度にまで加熱され、15分〜10
時間の範囲内の時間にわたってこの温度範囲内に維持さ
れ、次いで冷却される。冷却後、マンドレルは燃料チャ
ネルから取除かれる。
【0025】熱サイジングに際しては、ジルカロイ表面
の汚染並びに酸化物や窒化物の生成を回避することが重
要である。酸素および窒素に対してジルカロイが高度の
反応性を有するため、燃料チャネルは熱サイジング時に
おいて顕著な酸化を受けないように保護することが好ま
しい。そのためには、不活性ガス媒質を使用してもよい
し、あるいは真空系内に燃料チャネル/マンドレル集合
体を封入してもよい。
【0026】こうして得られた燃料チャネルは、完全に
焼なましされた(内部応力を全く含まない)高fL 結晶
組織および正確な寸法を有している。その後、設計上お
よび品質管理上の要求条件を満たすため、通常のごとき
化学的表面処理工程と機械的表面処理工程との組合せが
燃料チャネルに施される。たとえば、化学的エッチング
およびグリットブラストの使用によって燃料チャネル表
面から酸化物が除去される。
【0027】上記のごとき加工条件に従って製造された
ジルカロイ製のBWR用燃料チャネルは、優れた耐食性
を示すと共に、炉内寸法安定性をもたらす高fL 結晶組
織をも示す。本発明の方法は、ジルカロイから成るBW
R用燃料チャネルを製造するために特に適している。と
は言え、本発明の方法は燃料チャネル内において使用さ
れる燃料棒スペーサまたはジルコニウム基合金から成る
その他任意の部材を製造するためにも使用することがで
きる。更にまた、本発明の方法によって得られる製品は
ジルコニウム基合金から成る部材のみに限定されるわけ
ではない。それどころか本発明は、加熱によって体心立
方構造の結晶相(β相)に変態させ、急冷によって高f
L 結晶組織を有する六方最密構造の結晶相(α相)に変
態させ、次いで焼なますことの可能な金属から成る任意
の部材を対象とするものである。
【0028】更にまた、燃料チャネル用ストリップ材料
の熱処理および組立てられた燃料チャネルの熱サイジン
グを行えば、温間成形または冷間成形のいずれによって
燃料チャネル部品を形成するかにかかわりなく利益を得
ることができるのである。上記のごとき好適な実施の態
様以外にも、様々な変更態様が可能であることは燃料チ
ャネル製造分野の技術者にとって自明であろう。かかる
変更態様の全てが前記特許請求の範囲によって包括され
ることを理解すべきである。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G21C 21/00 GDB L (72)発明者 ドナルド・チャールズ・バートシック アメリカ合衆国、ノース・カロライナ州、 ウィルミントン、グリニッジ・レーン、 218番 (72)発明者 エリック・バーチル・ジョハンソン アメリカ合衆国、ノース・カロライナ州、 ライツビル・ビーチ、ユニット・3204、ル ミナ・アベニュー、2400番 (72)発明者 セドリック・デビット・ウイリアムス アメリカ合衆国、ノース・カロライナ州、 ウィルミントン、シンウッド・ロード、 6414番

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a) 一様な結晶組織を有する六方最密構
    造の結晶相を成す合金から成る材料を用いて第1および
    第2のストリップを形成する工程、(b) 前記六方最密構
    造の結晶相から体心立方構造の結晶相への変態を開始さ
    せる第1の温度にまで加熱し、次いで0.28〜0.3
    8の組織係数fL を有する六方最密構造の結晶相への変
    態を開始させる速度で第2の温度まで急冷することから
    成る熱処理を前記第1および第2のストリップに施す工
    程、(c) 熱処理済みの前記第1および第2のストリップ
    から第1および第2の燃料チャネル部品にそれぞれ形成
    する工程、(d) 前記第1および第2の燃料チャネル部品
    をシーム溶接することによって燃料チャネルを組立てる
    工程、並びに(e) 前記第2の温度より低くかつ前記材料
    を焼なますために十分な第3の温度にまで加熱し、次い
    で冷却することから成る熱サイジングを前記燃料チャネ
    ルに施す工程を含むことを特徴とする、寸法安定性を有
    する耐食性の燃料チャネルの製造方法。
  2. 【請求項2】 前記第1の温度が1800〜2050°
    Fの温度範囲内にあって、前記第1および第2のストリ
    ップは少なくとも0.25秒間にわたって前記温度範囲
    内の温度に維持され、かつ前記第2の温度が1500°
    F以下である請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 前記熱処理工程および前記熱サイジング
    工程の少なくとも一方が不活性雰囲気中または真空中に
    おいて実施される請求項1記載の方法。
  4. 【請求項4】 前記急冷が不活性ガスを冷却剤として使
    用しながら行われる請求項1記載の方法。
  5. 【請求項5】 前記不活性ガスがヘリウムである請求項
    4記載の方法。
  6. 【請求項6】 前記急冷が毎秒10〜400°Fの速度
    で行われる請求項1記載の方法。
  7. 【請求項7】 前記第3の温度が1000〜1250°
    Fの温度範囲内にあって、前記燃料チャネルは少なくと
    も15分間にわたって前記温度範囲内の温度に維持され
    る請求項1記載の方法。
  8. 【請求項8】 前記熱処理工程の後かつ前記第1および
    第2の燃料チャネル部品を形成する前記工程の前におい
    て、前記第3の温度より低くかつ前記ストリップ材料の
    延性を増大させるために十分な第4の温度にまで前記第
    1および第2のストリップが加熱される請求項1記載の
    方法。
  9. 【請求項9】 前記第4の温度が50〜800°Fの温
    度範囲内にある請求項8記載の方法。
  10. 【請求項10】 前記合金がジルコニウム基合金である
    請求項1記載の方法。
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JPH10197695A (ja) * 1997-01-10 1998-07-31 Chichibu Onoda Cement Corp 放射性廃棄物処理容器

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