JP2500165B2 - 燃料被覆管の製造方法 - Google Patents

燃料被覆管の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、燃料被覆管の製造方法
に係り、特にジルコニウム基合金製の燃料被覆管の製造
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ジルコニウム基合金は、その耐食性と非
常に小さい中性子吸収断面積により、原子力プラントの
燃料被覆管や燃料チャンネルボックス等に用いられてい
る。しかし、これらの炉内構造部材は炉内で長期間中性
子の照射を受け、同時に高温高圧の水又は水蒸気にさら
されるため、酸化が進み時にはノジュラ腐食と呼ばれる
班点状の白色酸化物がその表面に生成する。この班点状
白色酸化物は腐食反応の進行とともに粗大化し、場合に
よっては剥離することもある。このような異常腐食によ
る減肉は炉内構造部材の強度低下をきたし、炉内構造物
部材の安全性および信頼性の点から懸念される問題点で
あった。
【0003】このため、この異常腐食、すなわちノジュ
ラー腐食を防止する方法が種々検討されているが、この
うち熱処理、特に高周波焼入れによる耐食性向上技術が
良く知られている。
【0004】燃料棒は、炉内構造部材である燃料被覆管
内に核燃料を密封して構成される。この燃料被覆管はい
くつかの目的で使用される。その2つの主要な目的のう
ちの第1は、核燃料と冷却材、又は核燃料と減速材との
化学反応を防止することにある。そして、第2の目的
は、一部が気体である放射性核分裂生成物が燃料棒内
ら冷却材または減速材の中に漏れ出るのを防止すること
にある。
【0005】しかし、燃料被覆管核分裂反応中に生成
する核分裂生成物の作用により脆くなり、割れが生じる
という問題が明らかになった。
【0006】この望ましくない問題は、さらに核燃料と
燃料被覆管との熱膨張差に基づく燃料被覆管の局部的な
機械的応力によって促進されることが確かめられた。す
なわち、原子炉の運転中に分裂反応によつて、核分裂生
成物が核燃料から放出され、燃料被覆管内面におけるヨ
ウ素やカドミウムなどの特定核分裂生成物の存在下で
は、局部応力及び歪の作用により応力腐食割れを生じ
る。
【0007】このような障害を防止する方策として、核
燃料と燃料被覆管との間に各種の金属障壁を設けること
が試みられている。これらの中で、適度な純度のジルコ
ニウムを金属障壁としてジルコニウム合金管に内張りし
た複合型の燃料被覆管が最も有望視されている。ジルコ
ニウム障壁の厚さは燃料被覆管の厚さの約5〜30%で
ある。ジルコニウムはジルコニウム合金に比べて、照射
中軟かさを維持するので、核燃料要素内の局部ひずみを
減じ、応力腐食割れ又は液体金属脆化から燃料被覆管を
保護する。また重大な中性子捕獲ペナルテイ、熱伝達ペ
ナルテイ又は材料の非両立問題を惹起しない点も優れた
特徴である。
【0008】このように複合型の燃料被覆管は、燃料被
覆層と金属障壁層とから構成されるが、通常図1に示す
ような方法によって製造される。図1に示すように、燃
料被覆層となるジルコニウム合金インゴツト3及び金属
障壁層となるジルコニウムインゴツト9を、それぞれジ
ルコニウム合金ブリケツト1及びジルコニウムブリケツ
ト7を溶解2及び8して溶製し、熱処理、鍛造4及び1
0、切削機械加工5及び11によりジルコニウム合金か
らなる第1の中空ビレツト(外筒管)6及びジルコニウ
ムからなる第2の中空ビレツト(内筒管)12を製作し
て、第1の中空ビレツト6中に第2の中空ビレツト12
を挿入して組立13と、爆接又はゴム拡管による接合な
ど、あるいは特に接合処理は施さず真空引き後両端面を
密封14することによつて一体化して複合ビレツト15
とする。この複合ビレツト15を通常の熱間押出法によ
り約550〜750℃の高温で押出16す。次にこの押
出加工された複合管に通常の製管加工17、18を施し
て所望の寸法のジルコニウム金属障壁層型(ジルコニウ
ムライナ型)の複合被覆管を完成する。このようにして
製造した燃料被覆管の断面を示したのが図2で、19が
母材の部分のジルコニウム合金からなる被覆管層、20
がジルコニウムの内張りよりなる金属障壁層、21は被
覆管の軸心を示している。
【0009】ジルコニウム基合金の代表的な材料として
は、「ジルカロイ−2」(主成分Zr(ジルコニウム)
基に約1.5%Sn(錫)、0.1%Fe(鉄)、0.
1%Cr(クロム)及び0.05%Ni(ニツケル)を
添加)及び「ジルカロイ−4」(主成分Zr基に約1.
5%Sn、0.2%Fe、0.1%Crを添加)が知ら
れており、これらのジルコニウム基合金の酸素含有量は
約400ppm〜1600ppmである。一方、金属障
壁層に使用するジルコニウムは、その硬度を低下させる
ために酸素含有量は極力低くおさえている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】そのため、このような
ジルコニウム合金を用いたジルコニウム金属障壁層を有
する押出し加工された複合管に高耐食化技術である高周
波焼入を適用すると長期使用に耐える耐食性と耐応力腐
食性を兼ね備えた燃料被覆管の製造が可能であると考え
られたが、このようにして製造した燃料被覆管は所期に
反して、耐応力腐食性は必ずしも良好でなく、高温クリ
ープ特性も低下がみられた。
【0011】このため、発明者等は、耐食性、耐応力腐
食性及び高温クリープ特性に優れた燃料被覆管を得る製
造方法を新たに考えた。すなはち、これは、ジルコニウ
ム基合金中空ビレット、又はジルコニウム基合金中空ビ
レットを外管としジルコニウム中空ビレットを内管とし
て組立て両端面を密封した複合ビレットを熱間加工した
後、ジルコニウム基合金中空ビレット又は複合ビレット
の内部に冷却水を供給した状態で、ジルコニウム基合金
中空ビレット又は複合ビレットの外表面を軸方向に相対
的に移動する高周波誘導コイルの加熱による高周波焼入
れにより溶体化処理を施し、ついで冷間圧延と焼鈍を交
互に繰り返す方法である。 溶体化処理を行うジルコニウ
ム基合金中空ビレット又は複合ビレット内への冷却水の
供給は、冷却水供給管及び冷却水排出管を用いて行う。
高周波誘導コイルによるジルコニウム基合金中空ビレッ
ト又は複合ビレットの外面加熱を適切に行うために、加
熱対象のビレットの外径に等しい外径を有する下部サポ
ート及び上部サポートをそのビレットの両端に接続す
る。冷却水供給管は下部サポートに、冷却水排出管は上
部サポートにそれぞれ接続される。 発明者等は、ステン
レス鋼で作成した下部サポートおよび上部サポートを用
いて複合ビレット内に冷却水を供給しその外面を高周波
誘導コイルで加熱しながら溶体化処理を行った場合に、
その複合ビレットの両端部が所定温度まで上昇せず所定
の耐食性向上が得られないことを発見した。このため、
所定の腐食性が得られない複合ビレットの両端部は、無
効部分となり切断して廃棄される。 このように、上記の
新しい燃料被覆管の製造方法において、溶体化処理の対
象となるジルコニウム基合金又は複合管内に冷却水を供
給する際に、ステンレス鋼で作成した下部サポートおよ
び上部サポートを用いた場合には、ジルコニウム基合金
又は複合管の両端部で溶体化処理が適切に行われなく大
きな無効部分が発生し、材料が無駄になることが新たに
分かった。上記ビレットは、軸心に貫通孔が設けられて
おり、管の一種である。
【0012】本発明の目的は、ジルコニウム基合金管又
はジルコニウム基合金を含む複合管の両端部に適切な熱
処理を施すことができ材料を有効活用できる燃料被覆管
の製 造方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、ジルコニ
ウム基合金管、又はジルコニウム基合金管を外管としジ
ルコニウム管を内管として組立て両端面を密封して得ら
れた複合管の一端に、ジルコニウム基合金製の下部サポ
−トを接続し、ジルコニウム基合金管又は複合管の他端
に、ジルコニウム基合金製の上部サポ−トを接続し、前
下部サポ−トを通して前記ジルコニウム基合金管又は
前記複合管内に冷却媒体を供給した状態で前記ジルコニ
ウム基合金管又は前記複合管の外面を軸方向に相対的に
移動する高周波誘導加熱コイルによる高周波焼き入れに
より溶体化処理を施し、その後、冷間圧延及び焼鈍を実
施することによって達成できる。
【0014】
【作用】ジルコニウム基合金管又は複合管の一端にジル
コニウム基合金製の冷却媒体供給部材を接続しジルコニ
ウム基合金管又は複合管の他端にジルコニウム基合金製
の冷却媒体排出部材を接続してジルコニウム基合金管又
は複合管の外面を加熱しているので、ジルコニウム基合
金管又は複合管の両端部における温度が上昇し、両端部
で適切な溶体化処理が行われない領域が減少する。この
ため、溶体化処理が施されたジルコニウム基合金管又は
複合管において、溶体化処理が適切に行われず無効部分
となり切り捨てられる部分の長さが減少する。
【0015】
【実施例】耐応力腐食性向上技術を用いたジルコニウム
金属障壁層型の燃料被覆管の製造方法に高耐食化技術と
しての高周波焼入れを適用した。このとき、高耐食性の
燃料被覆管のジルコニウム金属障壁層は高周波焼入時に
高温にさらされ、その結果結晶粒が微細化し硬度が増
す。又、高周波焼入時に高温にさらされることにより、
燃料被覆層のジルカロイ層の酸素が金属障壁層のジルコ
ニウム層に拡散し、その結果としてジルコニウム金属障
壁層の硬度が増す。すなわち、従来技術によれば、ジル
コニウム金属障壁層の硬度が増すことになり、結果とし
て耐応力腐食性が低下することになつていた。
【0016】また、高温クリープは粒界すべりによって
起こるので、結晶粒が微細化し粒界が増大した高耐食性
の燃料被覆管では、高温クリープ特性が低下する。すな
わち、ジルコニウムとジルコニウム合金とよりなる押出
加工された複合管に高周波焼入処理を施し、その後通常
の製管加工を施して所望の寸法のジルコニウム金属障壁
層を有する複合被覆管を製造すると、焼入時の熱影響と
酸素拡散のために、結晶粒が微細化しかつ硬化し耐応力
腐食性、耐高温クリープ特性が低下することが明らかと
なつた。
【0017】例えば、従来方法で製造された燃料被覆管
の結晶粒度はASTMNo.で12.0〜12.5で
あり、これに相当する粒径は4.7〜5.6μmであ
。これに対して、耐食性を向上させる目的で押出加工
された素管に高周波焼入れを施し、その後の工程の焼鈍
温度を約600℃もしくはそれ以下とした工程で製造さ
れた燃料被覆管の結晶粒度はASTMNo.で1
3.0程度で、平均粒径は3.8μm程度で微細化す
る。
【0018】また、従来方法で製造されたジルコニウム
金属障壁形の燃料被覆管のジルコニウム金属障壁層部の
結晶粒度はASTMNo.で10.0〜11.0であ
り、これに相当する粒径は8.0〜11.0μmであ
。しかし、押出加工された複合管の段階で高周波焼入
れを施し、その後の工程の焼鈍温度を約600℃もしく
はそれ以下とした工程で製造されたジルコニウム金属障
壁層型の燃料被覆管の金属障壁層の結晶粒は微細化し
て、耐応力腐食性は低下する。
【0019】これに対して、後述の本発明の実施例によ
って得られた燃料被覆管は、例えば、外表面層部の結晶
粒度がASTMNo.で13.0程度、中間層部が1
2.0〜12.5、内表面層部が10.0〜11.0
で、このような結晶粒度とすることによつて、外表面層
部、中間層部、内表面層部がそれぞれ耐食性、高温クリ
ープ特性、耐応力腐食性において優れた特性を示し所期
の目的の達成を可能とするものである。
【0020】図3は、本発明の一実施例である燃料被覆
管の製造方法で作られた燃料被覆管の要部断面を示す。
19はジルカロイ−2よりなる被覆管層、20はジルコ
ニウムよりなる金属障壁層を示しており、A及びBはそ
れぞれ外表面層部、中間層部を示し、ジルコニウムより
なる金属障壁層20が内表面層部Cを構成する。外表面
層部A、中間層部B及び内表面層部Cの結晶粒度は、例
えば、ASTMのNo.で13.0程度、12.0〜1
2.5及び10.0〜11.0である。
【0021】本実施例の燃料被覆管の製造方法は、図4
に示す製造装置で実行される。22はジルカロイ−2よ
りなる被覆管層19とジルコニウムよりなる金属障壁層
20とを有する押出加工された複合管よりなる燃料被覆
管(以下押出複合管と称する)である。23及び24は
この押出複合管22を被溶体化処理物として上下で支え
る上部サポート及び下部サポートを示している。これら
上部サポート23及び下部サポート24は、ジルカロイ
製であり、冷却水循環系に連結されている。下部サポー
ト24から押出複合管22内部、上部サポート23へと
冷却水25が流れる構造となっている。すなわち、上部
サポート23及び下部サポート24は、押出し複合管2
2の両端に接続されている。26及び27はそれぞれ押
出複合管22の外周に設けられている誘導加熱コイル及
び冷却ノズルである。押出複合管22は図の矢印の示
すように、誘導加熱コイル26、冷却ノズル27内を上
方から下方へ順次移動する。この装置により押出複合管
22は連続的に加熱された後、冷却ノズル27からの冷
却水28によって連続的に冷却される。この間冷却水
25は押出複合管22内部を下方へと流れる。
【0022】図5は、押出複合管22が誘導加熱コイル
26を通過した直後の押出複合管22の肉厚方向の温度
分布を示すもので、横軸及び縦軸にはそれぞれ押出複合
管22外表面からの距離及び温度がとってある。0
押出複合管22内部に流入する冷却水の温度、T1は高
周波により誘導加熱された押出複合管22管外表面の温
度で、tは押出複合管22の肉厚を示している。そし
、外表面層部は、α→α+β変態点以上の温度に、
中間層部はα→α+β変態点近傍に、内表面層部
α→α+β変態点以下に抑えた。温度測定の結果、管
表面層部は1050℃、中間層部は860℃、管内
表面層部は750℃であった。
【0023】このような温度分布をもつ押出複合管22
を冷却水によつて急速冷却して焼入処理を施した押出複
合管22に冷間ビルガー圧延と焼鈍を繰り返し施し、燃
料被覆管を製造した。
【0024】この燃料被覆管の横断面の金属組織は、前
述した図3のようになる。結晶粒径は外表面層部が平
均3.8μm、中間層部が平均5.0μm、内表面層
すなわちジルコニウム金属障壁層部は平均9.4μ
mを示した。すなわち、外表面層は高周波焼入処理によ
る効果が十分に残っており、高温高圧水(又は蒸気)環
境における耐ノジュラー腐食特性を著しく向上させ、中
間層部は優れた高温クリープ特性を示し、又、内表面層
部の組織は、耐応力腐食性を十分に保つことができる。
【0025】次にこのようにして製造した燃料被覆管の
腐食試験、高温クリープ試験、耐応力腐食試験の果に
ついて説明する。腐食試験条件は500℃105kg/
mm2高温高圧水蒸気中25時間保持とした。この条件
は炉内腐食をシュミレートさせたものである。耐食性
は、外表面層部Aに発生したノジュラーの占有率で評価
した。この腐食試験において、実施例によって得られ
燃料被覆管の外表面は、黒色の光沢のある様相を示
し、かつノジュラー腐食は全く発生していなかったが、
従来の製造方法で得た燃料被覆管の外表面には、ノジュ
ラー腐食は著しく発生していた。このように、実施例
で得た燃料被覆管は耐ノジュラー腐食性の優れた性質を
有する。高温クリープ試験は、押出複合管に通常の高周
波焼入れを施した従来法で得た燃料被覆管(以下、従来
型の燃料被覆管という)と、実施例で得られた燃料被
覆管について実施した。従来型の燃料被覆管は、高温ク
リープ特性が劣化しており、燃料被覆管として、その性
能上好ましい値が得られなかったが、一方、実施例
得られた燃料被覆管は、従来型の燃料被覆管と同等もし
くはそれ以上に優れた高温クリープ特性を示した。耐応
力腐食性試験において、従来型の燃料被覆管は耐応力腐
食性の低下が認められたのに対し、実施例で得られた
燃料被覆管では従来型の燃料被覆管以上の優れた特性を
示した。
【0026】以上の実施例においては、押出複合管を
上下に支える上部および下部サポートの材質にジルカロ
イを用いている
【0027】図6はこれら2種のサポート(ステンレス
製のサポートおよびジルカロイ製のサポート)を使用し
て高周波焼入れを実施した場合の押出複合管の長さ方向
の各位置の外表面層部での最高加熱温度(最高到達温
度)を示すものである。図6の横軸には押出複合管の下
端からの距離、縦軸には温度がとってある。特性Dはス
テンレス鋼製サポートを使用した場合の最高到達温度、
特性Eはジルカロイ製サポートを使用した場合の最高到
達温度を示している。この図の示すように、焼入開始直
後である押出複合管下端部と焼入終了直後である押出複
合管上端部においては温度があがらず、このように温度
があがらない部分、すなわち上、下端部は耐食性向上効
果が得られない部分となる。Gはステンレス鋼製サポー
トを使用した場合の無効部分及びFはジルカロイ製サポ
ートを使用した場合の無効部分およびの長さを示して
る。無効部分の長さはジルカロイ製サポートを使用した
場合の方がステンレス鋼製のサポートの場合よりも短か
くなっている。被焼入物と同等の物性を有する金属製の
サポートを用いることによって材料の歩留まりを向上さ
せることができる。
【0028】本発明の他の実施例である燃料被覆管の製
造方法について説明する。本実施例は、ジルカロイ−2
管に前述の実施例と同様の熱処理を実施した後、冷間ピ
ルガー圧延と焼鈍とを繰り返して燃料被覆管を製造し
た。得られた燃料被覆管の横断面の金属組織の結晶粒の
大きさは外表層部が平均3.8μm、中間層部が平均
4.0μm、内表面層部が平均4.7μmであった。こ
の燃料被覆管も前述の実施例で得られた燃料被覆管と同
様に優れた耐食性を示し、又高温クリープ特性と耐応力
腐食性も従来の燃料被覆管と同等とすることができた。
また、ジルカロイ製の上、下サポートを用いることによ
って、前述の実施例と同様に、無駄になる材料を減少で
きる。
【0029】
【発明の効果】本発明によれば、ジルコニウム基合金管
又はジルコニウム基合金管を含む複合管の両端近くまで
溶体化処理を行うことができ、耐食性の向上により被覆
管として利用できる範囲が増加する。すなわち、材料を
有効に利用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ジルコニウム金属障壁層を有する複合型の燃料
被覆管の製造工程を示す説明図である。
【図2】同じく横断面図である。
【図3】本発明の原子炉用燃料被覆管の一実施例の要部
の横断面図である。
【図4】本発明の原子炉用燃料被覆管の製造方法の一実
施例を実施する装置の構造説明図である。
【図5】図4に示す装置で押出複合管を加熱した場合の
管肉厚方向の温度分布を示す特性線図である。
【図6】図4に示す装置で押出複合管を焼入処理した場
合の押出複合管長さ方向の各位置の最高加熱温度を示す
特性線図である。
【符号の説明】
6…ジルコニウム合金中空ビレツト、40…ジルコニウ
ム中空ビレツト、13…組立、14…両端面密封、15
…複合ビレツト、16…熱間押出、17…冷間圧延、焼
鈍、18…精製、19…被覆管層、20…金属障壁層、
22…押出複合管、23…上部サポート、24…下部サ
ポート、25…冷却水、26…誘導加熱コイル、27…
冷却ノズル、28…冷却水、A…外表面層部、B…中間
層部、C…内表面層部

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ジルコニウム基合金管、又はジルコニウ
    ム基合金管を外管としジルコニウム管を内管として組立
    て両端面を密封して得られた複合管の一端に、ジルコニ
    ウム基合金製の下部サポ−トを接続し、ジルコニウム基
    合金管又は複合管の他端に、ジルコニウム基合金製の
    部サポ−トを接続し、前記下部サポ−トを通して前記ジ
    ルコニウム基合金管又は前記複合管内に冷却媒体を供給
    た状態で前記ジルコニウム基合金管又は前記複合管の
    外面を軸方向に相対的に移動する高周波誘導加熱コイル
    による高周波焼入れにより溶体化処理を施し、その後、
    冷間圧延及び焼鈍を実施することを特徴とする燃料被覆
    管の製造方法。
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