JPH10184656A - コンロッド及びその製法 - Google Patents
コンロッド及びその製法Info
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Abstract
の提供。 【解決手段】 大端部12を本体側13とキャップ部1
4に分割して表面硬化処理を施してから、本体側13の
分割面18上に形成されている表面硬化層を除去し、そ
の後分割面18から肉厚内へ雌ネジ穴20を形成する。
Description
ロッド及びその製法に関する。
に用いられるコンロッドは、ロッド部の両端に連続して
一体に形成された小端部と大端部を備えるとともに、大
端部を本体側とキャップ部に分割してから表面硬化処理
を施し、その後、本体側とキャップ部を結合するように
なっている。
(以下、ボルト・ナット結合タイプという、一例として
実開昭60−12718号参照)か、本体側に雌ネジ穴
を設けてキャップ部をボルトにより結合する(以下、ナ
ットレスタイプという)ようになっている。
結合タイプの大端部を拡大した図であり、大端部を本体
側1とキャップ部2に分割後、それぞれに予め形成され
ている座部3、4に貫通穴5、6を形成してから表面硬
化処理を施し、その後、ボルト7及びナット8で結合し
ている。
ットレスタイプの大端部を拡大した図であり、本体側1
側に雌ネジ穴9を設けることにより、ボルト7のみで結
合している。
は、本体側1の座部3が側方へ張り出す肩部をなしてい
るが、図7のナットレスタイプでは、本体側1にこのよ
うな座部が形成されないため、全体として略なで肩状に
なっている。
・ナット結合タイプでは、図6に示すように、座部3の
近傍の肉厚Aをかなり大きく確保することにより、この
部分が強度の最弱部にならないよう配慮しなければなら
ない。
肩部となるように、座部3近傍の肉厚Aが増すことにな
り、コンロッド全体の軽量化を実現しにくくなってい
る。
理前に雌ネジ穴9を形成し、これを防炭処理してから表
面硬化処理するか、先に表面硬化処理してから雌ネジ穴
9を形成する必要がある。
工数が増加するとともに、確実な防炭処理が困難であ
る。また、後者の場合は、高い硬度の表面硬化処理層に
対してネジ穴加工を施すことになるので、このような加
工が極めて困難なものとなる。
し、かつ困難な加工を強いられることになる。したがっ
て、軽量化でき、かつ雌ネジ穴の形成が容易なナットレ
スタイプのコンロッド並びにその製法が望まれている。
め、本願発明に係るコンロッドは、本体側とキャップ部
に分割された大端部を備え、それぞれに表面硬化処理を
施すとともに、キャップ部に設けた通し穴に挿入したボ
ルトを本体側に設けた雌ネジ穴へ締結することにより本
体側とキャップ部を結合したコンロッドにおいて、前記
本体側の分割面を表面硬化処理されない非硬化部分とし
たことを特徴とする。
ができる。
面硬化処理してから、分割面の表面硬化処理層を除去
し、その後この分割面から肉厚内へ向かって雌ネジ穴を
形成することができる。
炭処理して表面硬化処理することにより、表面硬化処理
後の分割面を非硬化部のままに残し、その後この分割面
から肉厚内へ向かて雌ネジ穴を形成することもできる。
袋状に形成することができる。
非硬化部としたので、大端部の本体側を表面硬化処理し
ても雌ネジ穴を容易に加工でき、製造効率の良いナット
レスタイプのコンロッドを実現できる。
本体側の肉厚内において表面硬化処理層に達しない深さ
で任意に形成でき、雌ネジ穴の形成が容易になる。
厚を必要以上に大きくしないで済むので、コンロッド全
体の軽量化を実現できる。
は、まず分割後の本体側を表面硬化処理し、その後分割
面の表面硬化処理層を除去することにより、非硬化部の
分割面を容易に形成できる。
に際して予め分割面を防炭処理すれば、同様に分割面を
非硬化部にできるとともに、このような防炭処理は比較
的容易にできるので、分割面を非硬化部にすることが容
易になる。
を説明する。図1は大端部の部分拡大図、図2はコンロ
ッドの全体図、図3乃至図5は製造工程を示す図であ
る。
るコンロッドは、ロッド部10の一端にピストン(図示
省略)側へ連結される小端部11、他方にクランク軸
(図示省略)側へ連結される大端部12を連続一体に備
えている。
いて鋳造又は鍛造により全体が一体に成形され、その
後、大端部12が本体側13とキャップ部14に分割さ
れる。
は座部15から分割面16に向かって貫通穴17が形成
され、これと対応する本体側13の分割面18からはロ
ッド部10の長さ方向に下穴19が形成され、さらにそ
の内部に雌ネジ穴20が形成されている。
部14側から貫通穴17へ入れたボルト21の雄ネジ部
22を雌ネジ穴20へ締結することにより結合され、ナ
ットレスタイプのコンロッドになっている。
結するための穴部内周であり、25、26は表面硬化処
理層である。
5に基づいて説明する。図3は大端部における分割工
程、図4は表面硬化処理工程、図5は雌ネジ穴加工工程
をそれぞれ示す図である。
により一体に形成された大端部12を本体側13とキャ
ップ部14に分割する。このとき、本体側13の分割直
後における分割面27は、最終的な分割面18よりダミ
ー部28相当の肉厚分だけキャップ部14方向へ延びて
形成されている。
に相当する肉厚部分であり、予め分割前から本体側13
と連続一体に設けられている。
及びキャップ部14を従来法で浸炭焼き入れ処理し、表
面に表面硬化処理層25、26を形成する。この場合、
各分割面16、27及び貫通穴17内にも当然表面硬化
処理層25、26が形成される。
化処理後の本体側13から、ダミー部28を除去する。
これにより、分割面18は非浸炭層の非硬化部となる。
ド部10の長さ方向に沿っ下穴19及びこれに続く雌ネ
ジ穴20を加工すれば、ナットレスタイプのコンロッド
に適合する本体側13が得られる。
工する深さは、表面硬化処理層24へ達しない範囲で任
意に調節され、これにより、雌ネジ穴20が袋状に形成
される。
ず、図1及び図2に示す本実施形態に係るコンロッド
は、本体側13の分割面18に表面硬化処理層25を設
けず、非硬化部としたので、この部分に雌ネジ穴20を
容易に形成でき、ナットレスタイプのコンロッドに適合
する本体側13を量産効率よく実現できる。
り、その深さを表面硬化処理層24へ達しない範囲で自
在に調節でき、しかも、本体側13の穴内周面22近傍
の肉厚を必要以上に大きくしないで済み、コンロッド全
体の軽量化を実現できる。
ダミー部28を表面硬化処理後に除去するので、特別な
防炭処理を不要とし、そのための工数を削減できるか
ら、量産効率に優れた製法となる。
後に除去する方法に代えて、予め分割面18に防炭処理
を施してから表面硬化処理すれば、その後のダミー部除
去作業を省略できる。
対象とし、従来のように雌ネジ穴内部を対象とする場合
に比べてはるかに容易であるから、この方法でも、量産
効率を向上させることができる。
おいて、雌ネジ穴20を袋状でなく貫通させてもよい。
このようにしても、雌ネジ穴のために加工しなければな
らない表面硬化層25は、雌ネジ穴先端側のみであり、
分割面18には表面硬化層が形成されていないので、従
来と比べてはるかに量産効率が高くなる。
うに本体側とキャップ部を予め一体に形成してから分割
したものでも、逆に、最初から別体で鋳造又は鍛造した
ものを後から締結一体化するものでもよい。後者の場合
は締結時における本体側とキャップ部の接合面が本願発
明の分割面となる。
す図
欠いて示す図
に図
6:分割面、18:分割面、20:雌ネジ穴、21:ボ
ルト、25:表面硬化処理層、26:表面硬化処理層
Claims (5)
- 【請求項1】 本体側とキャップ部に分割された大端部
を備え、それぞれに表面硬化処理を施すとともに、キャ
ップ部に設けた通し穴に挿入したボルトを本体側に設け
た雌ネジ穴へ締結することにより本体側とキャップ部を
結合したコンロッドにおいて、前記本体側の分割面を表
面硬化処理されない非硬化部分としたことを特徴とする
コンロッド。 - 【請求項2】 前記雌ネジ穴が袋状であることを特徴と
する請求項1記載のコンロッド。 - 【請求項3】 本体側とキャップ部に分割された大端部
を備え、それぞれを表面硬化処理してから本体側に雌ネ
ジ穴を形成するコンロッドの製法において、本体側を表
面硬化処理してから、分割面の表面硬化処理層を除去
し、その後この分割面から肉厚内へ向かって雌ネジ穴を
形成することを特徴とするコンロッドの製法。 - 【請求項4】 本体側とキャップ部に分割された大端部
を備え、それぞれを表面硬化処理してから本体側に雌ネ
ジ穴を形成するコンロッドの製法において、本体側の分
割面を防炭処理して表面硬化処理することにより、表面
硬化処理後の分割面を非硬化部のままに残し、その後こ
の分割面から肉厚内へ向かって雌ネジ穴を形成すること
を特徴とするコンロッドの製法。 - 【請求項5】 前記雌ネジ穴が袋状をなしていることを
特徴とする請求項3又は4記載のコンロッドの製法。
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