JPH10183370A - 化成処理装置 - Google Patents

化成処理装置

Info

Publication number
JPH10183370A
JPH10183370A JP35452296A JP35452296A JPH10183370A JP H10183370 A JPH10183370 A JP H10183370A JP 35452296 A JP35452296 A JP 35452296A JP 35452296 A JP35452296 A JP 35452296A JP H10183370 A JPH10183370 A JP H10183370A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
chemical conversion
tank
hopper
conversion treatment
sludge
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP35452296A
Other languages
English (en)
Inventor
Kunio Goro
邦雄 五老
Toru Tsuzuki
融 都築
Tomoshi Miyamoto
智志 宮本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Paint Co Ltd
Original Assignee
Nippon Paint Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Paint Co Ltd filed Critical Nippon Paint Co Ltd
Priority to JP35452296A priority Critical patent/JPH10183370A/ja
Publication of JPH10183370A publication Critical patent/JPH10183370A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 化成処理を効率的に行うことができ、かつ、
浸漬処理槽中に生成するスラッジを効率よく回収するこ
とができる化成処理装置を提供する。 【解決手段】 化成処理液を貯留した処理槽を備え、被
塗物を上記処理槽の入槽部から上記化成処理液に浸漬さ
せた後、上記処理槽の出槽部から出槽させることにより
上記被塗物の化成処理を行う浸漬式の化成処理装置にお
いて、上記処理槽は、上記入槽部にスラッジを回収する
ためのホッパーが設置されており、かつ、上記ホッパー
の設置部から上記出槽部方向に離れた部位の側面に少な
くとも1つの低周波振動攪拌装置が設置されている化成
処理装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属製被塗物の塗
装工程の一部である化成処理を行うための化成処理装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】金属製被塗物、例えば、自動車車体等の
塗装工程においては、自動車車体等の金属製被塗物の表
面に付着した油や塵埃を除去する脱脂工程及び表面調整
工程の後に、電着塗膜の耐食性や密着性を高めるための
化成処理工程が設けられている。この化成処理工程は、
金属製被塗物の表面に化成処理被膜を形成するために行
われる工程であり、一般に、化成処理液に金属製被塗物
を浸漬させる浸漬式で行われている。このような浸漬式
の化成処理は、スプレー式の化成処理と比較して、金属
製被塗物が有している袋構造部分の内部まで処理が可能
であり、耐食性及び密着性に優れた被膜を形成させるこ
とができる。
【0003】通常、このような浸漬式の化成処理工程
は、処理槽の入槽部から出槽部まで金属製被塗物を処理
液に浸漬したままコンベアにより移動させながら連続し
て行われるので、金属製被塗物によって処理槽に持ち込
まれた金属粉は、そのまま処理槽内に留まり、化成処理
液と反応してスラッジとなる。特に、自動車車体等の大
型の金属製被塗物を処理する大型の処理槽においては、
持ち込まれる金属粉も多量であるので、スラッジも多量
に生成することになる。生成したスラッジは、一部は化
成処理液中に懸濁し、残りは槽底に堆積する。
【0004】スラッジの堆積量が過剰になると、処理中
に生じる化成処理液の水流によって化成処理液中に再び
浮遊することになり、処理される金属製被塗物表面に付
着して、いわゆるゴミ不良の原因となったり、化成処理
液の循環を乱して被膜の段つき不良等の化成ムラの原因
となる。従って、従来の浸漬式化成処理装置は、例え
ば、図7に示すように、処理槽Aの底部に堆積したスラ
ッジを化成処理液とともに、ポンプ6を介して系外に設
置した濾過装置7に導くことによりスラッジを除去して
いた。
【0005】しかしながら、このような装置では、槽底
に堆積したスラッジを完全に除去することができないた
め、定期的に処理槽から化成処理液を抜き出して、別の
タンクに移し換えて処理槽内の清掃を行う必要があっ
た。
【0006】そこで、図8に示すように、処理槽A内に
スラッジを回収するための多数のホッパー1を設け、堆
積したスラッジをポンプ6を介して系外に設置した濾過
装置7に導くことによりスラッジを除去する方法が行わ
れるようになった。しかしながら、この方法では、処理
槽の容量が増加することによって、必要な化成処理液の
量が多くなり、材料費が嵩む問題があった。
【0007】また、このような処理装置では、ホッパー
を多数設けているにもかかわらず、スラッジの除去を充
分に行うことができず、化成処理液中のスラッジの濃度
を150〜250ppm程度に保つのが限界であった。
このスラッジの濃度では、金属製被塗物の水平部分に付
着するスラッジの量が増加してしまう場合があり、付着
量が増加すると、後工程で行われる電着塗装において、
特に塗膜の膜厚が小さい場合には、塗装後の仕上がり不
良を起こしてしまう問題があった。
【0008】スラッジの除去だけでなく、被塗物の処理
効率の向上をも目的として、処理槽中に化成処理液を噴
射させて水流を起こす処理槽が提案されている。特公昭
63−8820号公報には、処理槽の被塗物の入槽部に
処理液を下方に噴射して槽内処理液を波動させる手段
と、処理槽底部から処理液を上方に噴射して金属製被塗
物の袋構造部分を処理する手段と、処理槽から引き上げ
られる金属製被塗物に処理液を噴射する手段とを備えた
浸漬式リン酸塩処理装置が開示されている。この技術に
おいては、金属製被塗物の袋構造部分まで充分に処理す
ることが可能となり、また、処理槽中のスラッジをホッ
パーに回収することを目的として、ホッパーに向けて処
理液を噴射する手段を設けている。
【0009】しかしながら、この技術では、処理槽内の
化成処理液に水流を起こしているために、化成処理液中
に懸濁しているスラッジが沈降するのを阻害する場合が
あり、浴中のスラッジの濃度を上述の濃度よりも更に充
分に低下させることは困難であった。また、被塗物の形
状等に応じて、それぞれの噴射装置ごとに化成処理液の
噴射位置や噴射角度、噴射量を調節しなければならず、
これらの調節が完全でないと、被塗物の処理が充分に行
えない問題があった。更に、処理槽の内外に多数の処理
液噴射装置を必要としているので、非常に複雑な構造と
なり、コスト的にも不利であった。
【0010】近年、浸漬式の処理槽において、被塗物の
処理効率を高めるために、低周波振動攪拌装置を使用し
て処理槽内の処理液を攪拌する方法が提案されている。
特公平6−71544号公報には、めっき槽、洗浄槽、
表面処理槽等における処理液の攪拌方法として、液槽中
の振動板の振動幅が8〜20mm、振動数が200〜6
00vtmとした攪拌方法が開示されている。この技術
では、装置は単純化することができ、また、被処理物で
ある金属製被塗物を浮き上がらせることなく、袋構造部
分も充分に処理することが可能である。
【0011】しかしながら、この技術において、低周波
振動攪拌装置は、めっき槽等のスラッジが生じない浸漬
式の処理槽に用いられているにすぎず、このような低周
波振動攪拌装置を化成処理槽、例えば、図7や図8のよ
うな処理槽に適用すると、攪拌が強いために、スラッジ
が沈降するのを阻害したり、堆積したスラッジを再び浮
遊させたりして、浴中のスラッジの濃度を低下させるこ
とは困難であった。従って、化成処理効率を高めるとと
もに、スラッジの回収をも効率的に行うことができる技
術は、いまだ実現していない。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記に鑑
み、化成処理を効率的に行うことができ、かつ、浸漬処
理槽中に生成するスラッジを効率よく回収することがで
きる化成処理装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、低周波振
動攪拌装置を有する浸漬式の処理槽における効率のよい
スラッジの除去方法について鋭意研究を行った結果、処
理槽に低周波振動攪拌装置を設置して連続的に処理を行
った場合のスラッジの蓄積の特徴として、例えば、6か
月経過後に、図9に示すように、被塗物が入槽する入槽
部及び被塗物が出槽する出槽部に集中して蓄積するこ
と、特に、入槽部に多量に蓄積することを確認し、この
部分にスラッジを回収するためのホッパーを備えること
によって上記目的を達成することができることを見いだ
し、本発明を完成するに至った。
【0014】すなわち、本発明は、化成処理液を貯留し
た処理槽を備え、被塗物を上記処理槽の入槽部から上記
化成処理液に浸漬させた後、上記処理槽の出槽部から出
槽させることにより上記被塗物の化成処理を行う浸漬式
の化成処理装置において、上記処理槽は、上記入槽部に
スラッジを回収するためのホッパーが設置されており、
かつ、上記ホッパーの設置部から上記出槽部方向に離れ
た部位の側面に少なくとも1つの低周波振動攪拌装置が
設置されている化成処理装置である。以下に本発明を詳
述する。
【0015】本発明の化成処理装置は、化成処理液を貯
留した処理槽を備え、被塗物を上記処理槽の入槽部から
上記化成処理液に浸漬させた後、上記処理槽の出槽部か
ら出槽させることにより上記被塗物の化成処理を行う浸
漬式のものである。
【0016】上記処理槽は、上記被塗物を化成処理液に
浸漬させて、化成処理を施すためのものである。本明細
書中、上記被塗物を処理液に浸漬開始させてから完全に
浸漬させるに到る処理槽の部位を入槽部といい、上記被
塗物を処理液から引き上げる部位を出槽部という。本発
明において、上記入槽部及び上記出槽部は、同一の箇所
であってもよいが、典型的には、別々の箇所であって、
例えば、大型の被塗物をコンベアにより移動させながら
連続的に処理する場合には、入槽部と出槽部とは、それ
ぞれ、長辺を有する処理槽の両端部に該当し、長辺方向
にある一定の長さを有する領域である。
【0017】上記被塗物としては、金属製のものであれ
ば特に限定されず、例えば、冷延鋼板、亜鉛めっき鋼
板、アルミニウム亜鉛合金めっき鋼板等の鋼板;自動車
車体、家電製品等の金属成型物等を挙げることができ
る。上記化成処理液としては特に限定されず、例えば、
リン酸亜鉛処理液等を挙げることができる。
【0018】上記化成処理液を貯留した処理槽には、少
なくとも入槽部にスラッジを回収するためのホッパーが
備えられている。上記ホッパーの形状としては、スラッ
ジを回収しやすいものであれば特に限定されず、例え
ば、一般に化成処理槽に使用されている角錐状のもの等
を挙げることができる。上記ホッパーは、通常、入槽部
の底面に設けられており、また、その開口部は、処理槽
の全幅にわたっている。上記ホッパーの頂角θは、45
〜60°が好ましい。45°未満であると、ホッパーの
開口部の面積が小さくなりすぎたり、ホッパーが深くな
りすぎたりしてスラッジを回収しにくくなり、60°を
超えると、スラッジがホッパーの側面に堆積してしま
い、ホッパーの下部の排出口から除去しにくくなる。
【0019】上記ホッパーには、通常、回収されたスラ
ッジを処理槽から除去するための排出口が設けられてい
る。上記排出口は、上記ホッパーの下部に設けられてお
り、配管によって濾過装置等と繋がれている。従って、
上記ホッパーに回収されたスラッジは、上記化成処理液
とともに上記排出口から取り出され、配管を通って濾過
装置等に運ばれ、化成処理液とスラッジとに分離され
て、スラッジのみが系外に排出される。スラッジを除去
された化成処理液は、処理槽まで戻されて、リサイクル
されることが好ましい。
【0020】上記ホッパーは、更に、上記入槽部以外に
設けられていてもよい。この場合、比較的スラッジが堆
積しやすい部位である出槽部にホッパーを設けることが
好ましい。この場合において、上記出槽部に設置された
ホッパーは、上記入槽部に設置されたものと同一の形状
であってもよく、異なった形状のものであってもよい。
【0021】上記処理槽において、入槽部の壁面が傾斜
している部分の傾斜角度は、(180°−θ)/2以
上、すなわち、ホッパーの側面の延長面が水平面をなす
角度以上であることが好ましい。(180°−θ)/2
未満であると、入槽部の傾斜壁面にスラッジが堆積して
しまうので、好ましくない。上記傾斜角度の上限は、特
に限定されないが、被塗物がコンベアにより移動しなが
ら入槽されるような処理槽の場合、実用的には、処理さ
れる被塗物が入槽する際に、処理槽に接触して入槽を妨
げることがないように設置されることが好ましい。上記
傾斜角度を、例えば、90°以上とする場合には、上記
処理槽の全長を短くすることができる。また、この場合
には、入槽部の傾斜壁面が占める設置スペースを実質的
にゼロにすることができ、既存の処理槽に新たにホッパ
ーを設ける際に、更に設置スペースを確保する必要がな
く、便宜である。
【0022】上記ホッパーに接続する処理槽の側面も、
その傾斜角度は、上記入槽部の傾斜壁面のなす角度が満
たすべき範囲内で設定されるものであるが、通常、垂直
である。また、上記ホッパーを上記出槽部にも設ける場
合、上記出槽部の傾斜角度は、上記入槽部の傾斜角度と
同様に、(180°−θ)/2以上であることが好まし
い。
【0023】上記処理槽には、上記ホッパーの設置部か
ら上記出槽部方向に離れた部位に、低周波振動攪拌装置
が少なくとも1つ備えられている。上記低周波振動攪拌
装置は、通常、振動発生源である振動モーターと、水中
に位置する振動板と、上記振動モーターで発生した振動
を水中の振動板に伝える伝導部材とからなるものであ
り、例えば、市販されている超振動洗浄装置等を使用す
ることができる。
【0024】上記低周波振動攪拌装置は、振動する際に
化成処理液に下向き流を生じさせることが好ましい。上
記下向き流を生じさせるための方法としては特に限定さ
れず、例えば、上記振動板のうち下方に取り付けられて
いる数枚の取り付け方向を下向きに変えたもの等を使用
する方法等を挙げることができる。
【0025】本発明においては、上記低周波振動装置
は、上記ホッパーの設置部から上記出槽部方向に離れた
部位に、少なくとも1つが設置されるとともに、更に、
必要に応じて、上記ホッパーの設置部から上記出槽部方
向に離れた部位であって、上記出槽部までの間におい
て、処理槽の側面又は底面に上記低周波振動攪拌装置を
設置することができる。しかしながら、これらの設置さ
れたすべての上記低周波振動攪拌装置は、上記ホッパー
の設置部から上記出槽部方向に離れた部位に設置される
必要がある。
【0026】上記低周波振動攪拌装置の設置場所が上記
ホッパーの設置された部位であると、上記低周波振動攪
拌装置からの下向き流がホッパー内に堆積したスラッジ
を再び浮遊させて、浴中のスラッジの濃度を高めてしま
う。より好ましくは、スラッジが多量に発生する部位で
ある入槽部であって、かつ、上記ホッパー内に堆積した
スラッジを再び浮遊させることがない程度に出槽部方向
に離れた箇所、具体的には、上記ホッパーから出槽部方
向に200〜300mm離れた処理槽の側面である。こ
の箇所に、少なくとも1つの上記低周波振動攪拌装置を
設置すると、上記低周波振動攪拌装置の下向き流は、ホ
ッパー内に堆積したスラッジを再び浮遊させて浴中のス
ラッジの濃度を高めることがなく、しかも、適度の強さ
の下向き流をホッパーの壁面に噴出させて、堆積したス
ラッジをホッパーの底部に落とし込む作用を及ぼすこと
ができる。
【0027】このように、入槽部にホッパー及び低周波
振動攪拌装置を本発明の条件を満たすように設置するこ
とにより、スラッジの回収を極めて効率よく行うことが
できる。すなわち、本発明の化成処理装置においては、
被塗物が、入槽後直ちに上記低周波振動攪拌装置によっ
て袋構造部分まで化成処理液で処理され、上記被塗物表
面に付着している金属粉を効果的に除去することができ
る。このとき除去された金属粉が化成処理液と反応して
スラッジとなるので、入槽部にスラッジが多量に生成す
るが、上記ホッパーを処理槽の入槽部に備えることによ
って、スラッジを効率よく回収することができる。
【0028】上記ホッパーが複数箇所に存在する場合、
上記低周波振動攪拌装置は、ホッパー内に堆積したスラ
ッジを再び浮遊させることがないように、各ホッパーと
同じ位置ではない箇所に設置することが好ましい。特
に、各ホッパーから200〜300mm離れた箇所に設
置することが好ましい。
【0029】本発明の化成処理装置は、処理槽の入槽部
にスラッジを回収するためのホッパーを有し、かつ、低
周波振動攪拌装置を備えているので、上記低周波振動攪
拌装置によって生成された波動によって、被塗物により
持ち込まれた金属粉から生成したスラッジを処理槽の入
槽部と出槽部、特に入槽部に局在化させ、当該入槽部と
出槽部、特に入槽部に設けたホッパー内に効率よく回収
することができる。その結果、浴中のスラッジの濃度を
充分に低い値、例えば、100ppm以下のように低く
抑えることができるだけでなく、低周波振動攪拌装置に
よって、被塗物の袋構造部分等の細部まで、充分に処理
することができる。従って、後工程で行われる電着塗装
の仕上がりが、非常に良好なものとなる。
【0030】また、上記低周波振動攪拌装置を上記ホッ
パーの近傍に設置することによって、上記ホッパーから
のスラッジの回収を更に効率的に行うことができる。更
に、上記低周波振動攪拌装置により、下向き流を生じさ
せることにより、スラッジのホッパーへの捕捉回収を容
易にすることができる。
【0031】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の化成処理装置を
図面を参照しながら説明するが、本発明はこれらに限定
されるものではない。
【0032】本発明の化成処理装置の一実施形態の概略
を図1に示す。コンベア8の配置から、この場合、入槽
部及び出槽部は、それぞれ図1に示すa及びbとなる。
本実施の形態においては、処理槽Aの入槽部a及び出槽
部bにホッパー1a及びホッパー1bが設置されてお
り、それぞれのホッパーが設置された位置以外の箇所の
側面に、低周波振動攪拌装置2が複数個備えられてい
る。本実施の形態では、入槽部aの外側に更にオーバー
フロー槽5が設けられている。本発明の化成処理装置に
おいて、上記オーバーフロー槽5は、必ずしも設けられ
る必要はない。また、その位置も、本実施の形態のよう
に入槽部aに設けられてもよく、出槽部bに設けられて
もよい。
【0033】本実施の形態において、上記ホッパー1a
及びホッパー1bの頂角θは、45〜60°であり、入
槽部a及び出槽部bの傾斜壁面の角度は、(180°−
θ)/2である。この傾斜角度は、上記ホッパー1a及
びホッパー1bの頂角をなしている側面が水平面となす
角度であり、この場合、上記傾斜壁面は、上記ホッパー
1a及びホッパー1bの側面の延長上にある。
【0034】上記低周波振動攪拌装置2は、スラッジを
ホッパー1a及びホッパー1b内に確実に堆積させるこ
とができるように、下向き流を生じる形状のものを使用
する。上記ホッパー1a及びホッパー1b内に堆積した
スラッジは、上記ホッパー1a及びホッパー1bの下部
の排出口から化成処理液の一部とともに取り出され、ポ
ンプ6を介して濾過装置7に送られる。濾過装置7でス
ラッジのみが除去され、スラッジを含まない化成処理液
は、再び処理槽Aに戻される。このような配管を設ける
ことによって、化成処理液をリサイクルすることができ
る。
【0035】本発明の化成処理装置において、ホッパー
11内にエアバブリング配管13を設けた場合の実施形
態の要部の概略を図2及び図3に示す。図2は、側面か
ら見た図であり、図3は、上方から見た図である。コン
ベア18の配置から、この場合、入槽部は、図2に示す
aの領域となる。第2の実施形態においては、エア供給
源14から送られたエアを、エアバブリング配管13に
設けられたエア出口からホッパー11の側面に向かって
吐出することによって、ホッパー11の側面に付着した
スラッジをホッパー11の下部の排出口まで落とすこと
ができる。
【0036】ホッパー11の頂角θは、45〜60°で
あり、処理槽Aの入槽部の傾斜角度は、90°である。
入槽部の傾斜角度を90°とすることによって、化成処
理槽の全長を短くすることができる。この場合、被塗物
Bが入槽する際に処理槽Aの入槽部に接触することがな
いように、処理槽Aとコンベアとの相対位置等は適宜調
節される。被塗物Bの入槽角度は、袋構造部分の処理効
率の点から、25°以上が好ましい。
【0037】第2の実施形態において、低周波振動攪拌
装置12は、ホッパー11から200〜300mm離れ
た箇所に備えられている。このため、入槽する被塗物B
は、入槽直後に低周波振動攪拌装置12によって、袋構
造部分まで充分に処理され、生成したスラッジは、効率
よくホッパー11内に回収される。
【0038】回収されたスラッジは、化成処理液の一部
とともにホッパー11の下部の排出口から取り出され、
濾過装置17で濾過されて系外に排出される。濾過後の
スラッジを含まない化成処理液は、第1の実施形態のよ
うに、処理槽Aに戻され、リサイクルされる。
【0039】
【実施例】以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説
明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるもの
ではない。
【0040】製造例1 市販の冷間圧延鋼(100×300×0.8mm)の試
験板を中アルカリ脱脂剤〔サーフクリーナー#SD40
0−A(日本ペイント社製)1.6重量%及びサーフク
リーナー#SD400−B(日本ペイント社製)0.8
重量%〕を用いて、40℃で2分間浸漬脱脂した後、水
洗した。次に、この試験板を表面調整剤〔サーフファイ
ン#5N−P(日本ペイント社製)0.1重量%〕を用
いて、室温で30秒間浸漬処理した。この試験板を用い
て以下の処理を行った。
【0041】実施例1 処理液として、リン酸塩化成処理液(Zn:0.1重量
%、Ni:0.06重量%、PO4 :1.5重量%、N
3 :0.3重量%、F:0.08重量%、NO2
0.013重量%)を約60L使用し、全酸度21p
t、遊離酸度0.9pt、温度43℃の条件下で、製造
例1で得られた試験板(処理面積0.06m2 /1枚)
100枚を各々2分間ずつ浸漬処理した。 全酸度:処理液10ccに、指示薬としてフェノールフ
タレインを加え、この溶液を赤変させるのに要した0.
1N水酸化ナトリウム水溶液の量(ml)で表した。 遊離酸度:処理液10ccに、指示薬としてブロムフェ
ノールブルーを加え、この溶液を青変させるのに要した
0.1N水酸化ナトリウム水溶液の量(ml)で表し
た。
【0042】処理槽としては、図4に示したように、入
槽部に頂角60°のホッパーを備え、振動板6枚のうち
下の2枚を下向きに取り付けたα−1型攪拌機(日本テ
クノ社製)をホッパーから20cm離れた箇所に設置し
た処理槽を使用した。試験板100枚処理後の浴中の懸
濁物質濃度は、50ppmであり、ホッパー内に多くの
スラッジの蓄積が見られた。
【0043】比較例1 図5に示したように、ホッパーを備えることなく、振動
板6枚のうち下の2枚を下向きに取り付けたα−1型攪
拌機(日本テクノ社製)を備えた処理槽を使用したこと
以外は、実施例1と同様にして試験板100枚を処理し
た。試験板100枚処理後の浴中の懸濁物質濃度は、4
00ppmであり、処理槽内には、ほとんどスラッジの
滞留は見られず、処理液中に大部分が懸濁していた。
【0044】比較例2 図6に示したように、入槽部に頂角60°のホッパーを
備え、振動板6枚のうち下の2枚を下向きに取り付けた
α−1型攪拌機(日本テクノ社製)をホッパーの真上に
設置した処理槽を使用したこと以外は、実施例1と同様
にして試験板100枚を処理した。試験板100枚処理
後の浴中の懸濁物質濃度は、360ppmであり、ホッ
パー内及び出槽部の底部にわずかにスラッジの蓄積が見
られた。
【0045】
【発明の効果】本発明の化成処理装置は、上述の構成よ
りなり、金属製被塗物の袋構造部分を充分に処理するこ
とができ、かつ、処理槽中に生成するスラッジを効率よ
く除去することができるので、金属製被塗物、特に多量
の金属粉を処理槽内に持ち込むような自動車車体等の大
型のものを化成処理する際に好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の化成処理装置の第1の実施形態を示す
概略図である。
【図2】本発明の化成処理装置の第2の実施形態の側面
図である。
【図3】本発明の化成処理装置の第2の実施形態を上方
から見た平面図である。
【図4】実施例1で使用した処理槽の概略図である。
(i)は、側面図であり、(ii)は、上方から見た平
面図である。
【図5】比較例1で使用した処理槽の概略図である。
(i)は、側面図であり、(ii)は、上方から見た平
面図である。
【図6】比較例2で使用した処理槽の概略図である。
(i)は、側面図であり、(ii)は、上方から見た平
面図である。
【図7】従来の化成処理装置の概略図である。
【図8】従来の化成処理装置の概略図である。
【図9】舟型浸漬処理槽に低周波振動攪拌装置を設置し
たときのスラッジの蓄積の様子を示す概念図である。
【符号の説明】
1a ホッパー 1b ホッパー 2 低周波振動攪拌装置 5 オーバーフロー槽 6 ポンプ 7 濾過装置 8 コンベア 9 スラッジ 11 ホッパー 12 低周波振動攪拌装置 13 エアバブリング配管 14 エア供給源 16 ポンプ 17 濾過装置 18 コンベア A 処理槽 B 被塗物 a 入槽部 b 出槽部

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 化成処理液を貯留した処理槽を備え、被
    塗物を前記処理槽の入槽部から前記化成処理液に浸漬さ
    せた後、前記処理槽の出槽部から出槽させることにより
    前記被塗物の化成処理を行う浸漬式の化成処理装置にお
    いて、前記処理槽は、前記入槽部にスラッジを回収する
    ためのホッパーが設置されており、かつ、前記ホッパー
    の設置部から前記出槽部方向に離れた部位の側面に少な
    くとも1つの低周波振動攪拌装置が設置されていること
    を特徴とする化成処理装置。
  2. 【請求項2】 ホッパーの頂角θは、45〜60°であ
    り、前記ホッパーに接続する処理槽の壁面のうち入槽部
    方向に面した壁面の傾斜角度は、(180°−θ)/2
    以上である請求項1記載の化成処理装置。
  3. 【請求項3】 ホッパーは、更にエアバブリング配管を
    備えている請求項1又は2記載の化成処理装置。
  4. 【請求項4】 少なくとも1つの低周波振動攪拌装置
    は、ホッパーの設置部から出槽部方向に200〜300
    mm離れた部位の側面に設置されている請求項1、2又
    は3記載の化成処理装置。
  5. 【請求項5】 低周波振動攪拌装置は、化成処理液に下
    向き流を生じさせることができるものである請求項1、
    2、3又は4記載の化成処理装置。
  6. 【請求項6】 処理槽は、更に出槽部にスラッジを回収
    するためのホッパーが設置されたものである請求項1、
    2、3、4又は5記載の化成処理装置。
JP35452296A 1996-12-18 1996-12-18 化成処理装置 Pending JPH10183370A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP35452296A JPH10183370A (ja) 1996-12-18 1996-12-18 化成処理装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP35452296A JPH10183370A (ja) 1996-12-18 1996-12-18 化成処理装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10183370A true JPH10183370A (ja) 1998-07-14

Family

ID=18438129

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP35452296A Pending JPH10183370A (ja) 1996-12-18 1996-12-18 化成処理装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10183370A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004018867A (ja) * 2002-06-12 2004-01-22 Nissan Motor Co Ltd 塗装前処理装置及び塗装前処理方法
JP2012138461A (ja) * 2010-12-27 2012-07-19 Hitachi Metals Ltd 耐食性磁石の製造方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004018867A (ja) * 2002-06-12 2004-01-22 Nissan Motor Co Ltd 塗装前処理装置及び塗装前処理方法
JP2012138461A (ja) * 2010-12-27 2012-07-19 Hitachi Metals Ltd 耐食性磁石の製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4402765A (en) Method and apparatus for treating steel sheet structures
EP0040369B1 (en) Apparatus for the surface treatment of an object
JPH10183370A (ja) 化成処理装置
JPH09253573A (ja) 金属成型物の塗装方法
US5830282A (en) Continuous particle separation operation
JP3993715B2 (ja) ドロス除去方法および除去装置
JPS5919990B2 (ja) 化成処理方法及びその装置
US7296583B2 (en) Pretreatment spray clean tank configuration
JPH09268397A (ja) 電着塗装システムの水洗工程
JPH05271893A (ja) 溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法と製造装置
JP2003301287A (ja) 塗装前処理装置
JPH062096A (ja) 亜鉛浴中のドロス除去装置
JP3109286B2 (ja) 浸漬式被膜化成処理装置
JPH03126853A (ja) 溶融金属めっき方法
JPH0452257A (ja) 溶融金属めっき装置
JPS6145155Y2 (ja)
JPH0538044Y2 (ja)
JPH0450944Y2 (ja)
JPH04322765A (ja) 浸漬式リン酸塩処理装置およびスラッジの除去方法
GB2114161A (en) Phosphate immersion treatment of steel sheet structures
JPH0414453Y2 (ja)
JP2004018876A (ja) 塗装前処理装置
JP3299922B2 (ja) 浸漬型表面処理装置および浸漬式表面処理方法
JP5126659B2 (ja) 金属管の化成処理装置及び化成処理方法
JPH0538043Y2 (ja)