JPH0538044Y2 - - Google Patents

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JPH0538044Y2
JPH0538044Y2 JP9885389U JP9885389U JPH0538044Y2 JP H0538044 Y2 JPH0538044 Y2 JP H0538044Y2 JP 9885389 U JP9885389 U JP 9885389U JP 9885389 U JP9885389 U JP 9885389U JP H0538044 Y2 JPH0538044 Y2 JP H0538044Y2
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Description

【考案の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本考案は、溶融金属メツキ、特に溶融亜鉛メツ
キにおけるボトムドロスの巻上げ抑制装置に関す
る。
(従来の技術) すでによく知られているように、現在、北米や
カナダでは、冬期の路面凍結に起因する自動車ス
リツプ事故防止のため、岩塩散布による道路の凍
結防止がなされている。
ところが、かかる岩塩散布により、腐食の面か
らは自動車車体は苛酷な腐食環境にさらされるこ
とになり、その素材面では高耐食性の表面処理鋼
板が使用されつつある。したがつて、外装用の鋼
板についても溶接性・加工性が冷延鋼板並みの特
性を有し、耐食性に優れた合金化処理溶融亜鉛メ
ツキ鋼板が注目されている。しかも、外装用のた
め塗装後の鮮映性も要求されるなど、ますます仕
様の厳しい材料が求められるようになつている。
ところで、前述の自動車用合金化処理溶融亜鉛
メツキ鋼板を製造する溶融亜鉛メツキラインで
は、メツキのままの状態の通常の溶融亜鉛メツキ
鋼板と、メツキ後合金化処理する合金化処理鋼板
(ガルバニール鋼板)とが製造されるが、一般に
この2種類の鋼板は同一のラインにおいて適宜切
り換えられることにより連続的に製造される。
しかし、ガルバニール鋼板を製造している溶融
亜鉛めつき槽内では、槽内のAlを低くおさえる
為、ストリツプのFeが溶出してメツキ浴内のZn
と反応してFeZn7を主成分とするドロスが生成
し、このドロスはメツキ槽の底部に堆積する。
第3図は、このような溶融亜鉛メツキに際して
のボトムドロスの生成および槽内への巻上げの様
子の説明図であり、スナウト2を経てメツキ槽3
に送られてきたストリツプ1はシンクロール4を
周回しコレクテイングロール5、スタビライジン
グロール6を経てメツキされた後メツキ槽から取
り出され、ワイピングノズル7によつてZn付着
量を調整されて、次工程へ送られる。この際、鋼
帯から溶出したFeとメツキ浴内のZnとが反応し
てFeZn7(ドロス)が形成され、このメツキ浴内
に浮遊するドロス9は次第にメツキ槽底部に溜ま
り、ボトムドロス8を形成する。浮遊ドロス9の
一部はメツキ浴内のAlと化合して浴頂部にトツ
プドロス10として浮遊する。
このように堆積したボトムドロス8はシンクロ
ール4の下部付近で生じるストリツプ1の随伴流
11によつてメツキ浴中に巻上げられてストリツ
プの表面に付着する。
このようなボトムドロス8のストリツプ1への
不着が行われると、プレス時にプレスブツと称す
る表面不均一部分が生じ、塗装後の鋼板の鮮映性
が害されるばかりでなく、ドロスブツと称する不
均一部分が形成される結果、局部電池を形成し、
耐食性を低下させる原因となる表面欠陥を生じ、
メツキ鋼板に品質欠陥を生じさせる。前述のよう
に、メツキ鋼板に対する要求品質・仕様が厳しく
なつた現在では、このような鋼板の表面欠陥の発
生は極めて重大な問題であり、その解決が強く望
まれる。
そこで、従来から、ストリツプへのドロス付着
を防止すべく、ボトムドロスの生成を抑制する一
般的な方法として、例えば特開昭47−38630号公
報または特開昭55−128564号公報により、メツキ
浴内のAl分を富化し、下記反応により、ドロス
をFe2Al5のトツプドロスとして、メツキ浴表面
に浮上させて回収する方法がある。
2FeZn7+5Al→Fe2Al5+14Zn しかし、Alはメツキ皮膜の合金化を抑制する
作用があることから、製造の対象が合金化処理鋼
板の場合には可及的少ない量に制限しているので
あり、トツプドロスの生成および浮上の促進のた
めAlを多量に添加すると、その一部がメツキ浴
に残り、合金化不良を起こし、品質低下の問題を
生じさせる。さらに、特開昭55−128569号公報に
より提案された手段では、Alを浴中に添加して、
ボトムドロスを攪拌する必要があり、長時間の操
業停止を余儀なくされるため実用的でない。
特に、すでに述べたように、合金化処理鋼板に
おいても優れた鮮映性などの表面性状が求められ
ている現状からは、Al添加によらずにドロス付
着を防止できる手段が強く求められている。さら
に、ボトムドロスを系外へ排出する方法がない場
合には、ボトムドロスが徐々に堆積し、やがてメ
ツキ処理鋼板と接触してその表面に付着し、やは
りメツキ鋼板の表面に品質欠陥を生じてしまうお
それがある。
そこで、Al添加によらずボトムドロスを除去
することができる手段として、 メツキ浴底部にセラミツクスシートを連続的
に供給してボトムドロスを取り出す手段(特開
昭61−190055号公報)、 メツキ浴中に不活性ガスをバブリングして気
泡と一緒に浮遊ドロスとして浮上させる手段
(特開昭62−185863号公報)、さらには 浴中Znを電磁ポンプで循環させて、ドロス
フイルターでドロスを除去する手段(実開昭57
−52563号公報) 等が知られている。
しかし、に示した手段には多数のセラミツク
スシートを用いるためにコスト高になるという問
題があり、現在までのところ、実用化されるには
至つていない。
また、に示した手段では、ボトムドロスの除
去効果が不充分であり、かつボトムドロスを気泡
とともに浴中に拡散させてしまうという問題があ
り、容易には実施できない。
さらに、に示した手段には、ドロスフイルタ
ーが短期間で目詰まりを起こすという問題があ
り、やはり実用的でない。
(考案が解決しようとする課題) そこで、本出願人は、先に特開平1−150832号
により、「溶融金属メツキ槽内のメツキ浴中に浸
漬されたシンクロールと溶融金属メツキ層底部と
の間に配置された、主としてシンクロールの下方
からのメツキ浴の流れを抑制する遮蔽板とから構
成されることを特徴とする溶融金属メツキ槽のボ
トムドロス巻上げ抑制装置」を提案した。
この提案は、シンクロールとメツキ槽底部との
間に遮蔽板を設け、鋼板によるメツキ浴流を抑制
するとともに、遮蔽板によるボトムドロスの堆積
防止および槽底部に溜まつたボトムドロスの巻上
げを抑制するというものであり、ドロス付着の低
減を浴中Al濃度を変えることなく、または著し
く上昇させることなく、流体力学的な手段により
達成できるものである。第4図は、このような遮
蔽板を設けたボトムドロスの巻上げ抑制装置の一
例を示す略式断面図である。なお、第4図におい
ては、12が遮蔽板であり、その他の図中符号は
第3図と同様である。すなわち、シンクロール4
とメツキ槽3の底部との間に遮蔽板12を設け、
鋼板1によるメツキ浴流の流れ11を抑制すると
ともに、遮蔽板12によるボトムドロス8の堆積
防止およびメツキ槽3の底部に溜まつたボトムド
ロス8の巻上げを抑制するものであつた。
しかし、本考案者の検討によれば、特願平1−
150832号により提案した装置は確かにドロス付着
の低減を浴中Al濃度を変えることなく、または
著しく上昇させることなく、流体力学的な手段に
より達成できる手段であるが、この目的が浴流の
制御によりボトムドロスの堆積場所を制御するも
のであり、このための手段として、前記遮蔽板の
下部に空間を設けておき、この部分にボトムドロ
スを堆積させる構造としているため、一定期間経
過した時点でドロツシング、すなわちボトムドロ
ス8のメツキ槽3外への排出が必要である。
しかし、前記遮蔽板12をメツキ槽3の底部に
設置したままで例えばAlを富化した後N2ガスを
吹き込んでドロツシングを行つても、遮蔽板12
の下部に堆積しているボトムドロス8は浮上しに
くく、さらにN2ノズルを遮蔽板12の下部に押
し込むこと自体がむずかしいため、遮蔽板12の
下部に堆積しているボトムドロス8の除去は、非
常に困難である。
そこで、遮蔽板12の下部にボトムドロスが一
定量堆積した場合に、シンクロール4等の交換タ
イミングに併せて遮蔽板12を引上げた後、前述
の如くにドロツシングを行つてボトムドロスをメ
ツキ浴外へ徐々に搬出することも考えられるが、
このドロツシングを行う手段、すなわちボトムド
ロスをトツプドロスとして浮上回収させる手段を
用いても、この反応時間は従来法の場合と全く同
じであつて不変であるため、この処理には従来法
におけるのと同程度の処理時間を要することとな
り、やはりこの搬出には相当の時間を要するた
め、シンクロール4およびコレクテイングロール
5、スタビライジングロール6等の通常のロール
交換時間(3時間程度)内には、到底搬出を完了
することができず、結局長時間にわたつて、メツ
キラインを停止せざるを得ないという問題もあ
る。
さらに、ドロツシングの際に、ボトムドロスの
浮上促進のためにN2等の流体をメツキ浴内に吹
込むのである。この場合は作業者がその吹込治具
を手に持ち、その一端をポツト内に突つ込んで
N2等の流体を吹込むため、Zn飛散等を生じるこ
とがあり、安全上の観点からも問題であつた。
ここに、本考案の目的は、上記の如くの特願平
1−150832号の有する問題を解決することができ
るボトムドロスの巻上げ抑制装置を提供すること
にある。
(課題を解決するための手段) 本考案は、上記の課題を解決すべく、種々検討
を重ねた結果、次のような知見を得た。すなわ
ち、 ストリツプのメツキ浴中の走行に伴う随伴流
に主として起因するボトムドロスの付着の防止
のためには、シンクロールとメツキ槽底部との
間に遮蔽板を設けておくことが必要であるこ
と、 遮蔽板の下部に、堆積するボトムドロスを収
容し得るバケツトを設けることにより、ボトム
ドロスを堆積させた後、例えばシンクロール組
み替え時などのラインの短時間停止時に、遮蔽
板およびバケツトを引き上げ、ボトムドロスの
メツキ槽外への排出除去を容易化・短時間化す
ることができること、さらに 保全停止時などのラインの長時間停止時に、
ボトムドロスのバブリングを行うために、前記
バケツトおよび/または遮蔽板に、N2等の不
活性ガスの吹き込み管を付設してボトムドロス
の浮上を促進することにより、前述のバケツト
の引上げを行うことなく、より容易に堆積した
ボトムドロスをトツプドロスとして浮上させる
ことができること を知見し、この手段によれば前記課題を解決する
ことができることを知見して、本考案を完成し
た。
ここに、本考案の要旨とするところは、溶融金
属メツキ槽内のメツキ浴中に侵漬されたシンクロ
ールと溶融金属メツキ槽底部との間に配置され
た、主としてシンクロールの下部からのメツキ浴
の流れを抑制する遮蔽板と、前記遮蔽板の下方に
配置されて、堆積したボトムドロスの排出処理を
行うためのバケツトと、ボトムドロスのバブリン
グを行うために前記遮蔽板および/または前記バ
ケツトに付設された不活性ガス吹き込み管とを有
することを特徴とする溶融金属メツキ槽のボトム
ドロスの巻上げ抑制装置である。
前記遮蔽板の形状は、前記シンクロール下方位
においては下に凸なる曲面、またはほぼ水平なる
平面からなるものであつてもよく、さらにその遮
蔽板は、メツキすべき金属板のメツキ槽への入側
方位および/または出側方位において、それぞれ
同方向への傾斜を有する傾斜面を有するように構
成してもよい。
また、本考案において「バケツト」とは、遮蔽
板の下方に設置されて、堆積するボトムドロスを
収容し得る部材をいい、例えばその上面が開口面
である箱型部材が例示される。
また、上記の本考案にかかるボトムドロスの巻
上げ抑制装置において、ボトムドロスのバブリン
グを行うために遮蔽板および/またはバケツトに
付設された不活性ガス吹き込み管を設置すること
が有効である。このように、例えばN2のような
不活性ガス吹き込み管を設置しておくことによ
り、前述のように、保全停止時等のラインの長時
間停機時にAlを含有したZnインゴツトを投入す
る等の方法で、浴中Al濃度を上げておき、 2FeZn7+5Al→Fe2Al5+14Zn の反応を利用してボトムドロス(FeZn7)をトツ
プドロス(Fe2Al5とし浴表面に浮かびあがらせ、
通常の方法で人的に系外へ排出すればメツキ槽底
部に堆積したボトムドロスを系外へ容易に排出で
きる。この際、反応促進のため不活性ガスである
N2をZnインゴツト投入と同時に吹き込んでやれ
ば短時間での排出が可能である。また、投入する
Al量としては前記反応が完結する量にすれば製
品への影響は回避できる。
すなわち、本考案は、まずロール替え等の短時
間停機時に、必要に応じて、バケツトの引上げを
行つて、ボトムドロスのメツイ槽外への搬出を行
う。そして、メツキ浴の一層の清浄化を目的とし
て保全停止時等の長時間停止時に、前述のように
浴中Al濃度を上げておき、不活性ガスを吹き込
むことにより、バケツトを取り出すことなく、ボ
トムドロスをトツプドロスとして回収するのであ
る。
なお、上記溶融金属メツキは溶融亜鉛メツキ、
溶融アルミメツキ、鉛メツキ、そして鉛・すず合
金メツキ等が例示されるが、特定のものに制限さ
れない。
(作用) 次に、添付図面を参照してさらに本考案を詳述
する。
第1図は、本考案にかかるボトムドロスの巻上
げ抑制装置の略式説明図であり、第1図における
符号は、前述した第4図における符号と同一であ
る。すなわち、本考案は第4図に示すボトムドロ
スの巻上げ抑制装置(特願平1−150832号により
提案した装置)において、遮蔽板12の下方に、
この下方に堆積したボトムドロスの排出処理を容
易に行うためのバケツト13と、遮蔽板12およ
び/またはバケツト13にボトムドロス8中に不
活性ガス(例えばN2ガス)等を吹き込むための
不活性ガス吹き込み管14を配置する。
このバケツト13は、第1図からも明らかなよ
うに、メツキ槽3の底部に配設されて、堆積する
ボトムドロス8を収容し得る部材、例えばその上
面が開口面である箱型部材である。第1図に示す
例では、バケツト13として上記の箱型部材を用
いているが、この態様にのみ限定されるものでは
なく、前述の如くに堆積するボトムドロスを収容
し得る部材であれば等しく適用できるものであ
る。さらに遮蔽板と一体型でも分割型でも良い。
また、バケツト13の材質は、Znとの反応に
より変形・破壊等を生じることのない材質である
ことが望ましく、例えばステンレス鋼が例示され
る。
さらに、バケツト13のメツキ槽3の底部への
固定は、着脱の容易さ、操業時の安定性等の観点
から、その自重によりメツキ槽3の底部へ固定さ
れるタイプとすることが良いが、メポツト内で移
動しないようにアームを取付けてアームを浴面上
に出して保持する構造としても良い。
なお、第1図に示す実施例においては、バケツ
ト13の大きさは、遮蔽板12の下面およびその
周囲を覆うことが可能な大きさであるが、ガス吹
き込みによるドロツシングの際に、ボトムドロス
を浮上・除去できない部位は遮蔽板12の下面で
あるため、最小限この下面を覆うことが可能な大
きさが確保されていればよい。
そして、第1図に示すように、本考案において
は、バケツト13の上面には、遮蔽板12が設置
されている。この遮蔽板12は、第1図に示すよ
うな形状にのみ限定されるものではなく、例え
ば、第2図aないし第2図dに示すような形状で
あつてもよい。
第2図a、第2図b、第2図c、そして第2図
dは、本考案にかかるボトムドロス巻上げ抑制装
置における遮蔽板の略式説明図であり、それぞれ
この遮蔽板は、図面に示すようにU型、Z型、逆
Z型、あるいは平板型などが考えられ、その他
種々の変更例が考えられるが、それらはいずれも
以下に示す本考案の趣旨に反しない限り、本考案
においては等しく適用することができる。
第2図aないし第2図dにおいて、メツキ浴に
入つてくるストリツプ1はシンクロール4を周回
して再び上方向に引き上げられるが、シンクロー
ル4の下方には遮蔽板12が配置されている。つ
まり、遮蔽板がない場合、第3図のようにストリ
ツプ随伴流によりメツキ槽底部に堆積したボトム
ドロス8は巻上げられ、シンクロール4とストリ
ツプ1とによつて狭圧され、ストリツプのメツキ
層内に押し込まれ、ドロス欠陥となるが、本考案
においては、ストリツプ1の走行に伴う随伴流の
影響はこの遮蔽板12によつて遮蔽されて大幅に
軽減され、その下方に溜められているボトムドロ
ス(第4図参照)に影響を与えることはなくたる
ため、ボトムドロスの巻上げは大幅に低減され、
ドロス欠陥の発生が抑制される。
そして、この本考案にかかる装置を長時間にわ
たつて使用すると、遮蔽板12の下部には、第1
図に示すように、ボトムドロス8がやはり堆積し
てくる。そこで、本考案にかかる装置において
も、シンクロール4等の交換タイミングに伴せ
て、ボトムドロスのメツキ槽3の外への搬出を行
う必要があるが、本考案においては、遮蔽板1
2、シンクロール4等を取り外してから、メツキ
浴内のAl分を富化し、ボトムドロスをトツプド
ロスとして浮上・回収させるのではなく、バケツ
ト13と遮蔽板12とボトムドロス8とをまとめ
てメツキ槽3外へ搬出すればよいため、搬出に要
する時間を大幅に短縮することができ、前述した
シンクロール4の通常の交換時間内に全てのボト
ムドロス8の搬出および再設置を完了することが
でき、メツキラインの停止時間を増加せずに済む
のである。
ただし、前述した如くに遮蔽板12の下面のみ
を覆う大きさのバケツトを用いた場合は、バケツ
ト13の引上げとガス吹き込みによるボトムドロ
スの浮上・除去とを併用してもよいことはいうま
でもない。
なお、このようにして引き上げたバケツト13
内のボトムドロス8の除去には比較的長時間を要
するため、予め交換用のバケツト、これに設置さ
れた遮蔽板および後述するガス吹き込み管を準備
しておき、これを新たに再設置することが作業時
間の短縮の観点からは望ましい。
さらに、本考案にかかるボトムドロスの巻上げ
抑制装置においては、さらに、遮蔽板12およ
び/またはバケツト13に、第1図に示すよう
に、不活性ガス吹き込み管14を設置することが
好適である。
この不活性ガス吹き込み管14は槽外に接続さ
れており、槽外からの操作により、N2ガス等の
不活性ガスをボトムドロスへ吹き込むことが可能
な構造とする。すなわち、ボトムドロスのメツキ
槽外への搬出は、シンクロール組み替え時等の短
時間停止時にバケツト13を引き上げることによ
り行うのであるが、この操作を数回程度繰り返し
て行つた後、本考案においては、メツキ溶の一層
の清浄化を目的として、保全停止時等の長期間停
止時に、バケツトおよび/または遮蔽板に前記不
活性ガス吹き込む管からN2等の不活性ガスを吹
き込み、ボトムドロスをトツプドロスとして浮上
させる操作を行うのである。
このような構造とすることにより、ボトムドロ
ス8のドロツシングを容易に、安全に、さらには
確実に行うことができ、好適である。
また、不活性ガス吹き込み管14は、セラミツ
クスノズルとして、Znとの濡れ性を悪くするこ
とにより、Znによるノズル詰まりを著しく低減
することができる。
また、不活性ガス吹き込み管14の設置部位
は、ボトムドロス8の堆積する部位とすればよ
く、従つて具体的には遮蔽板および/またはバケ
ツトとなる。第1図に示す装置では、4本のノズ
ルを設置しているが特にこれに限定されるもので
はないことは言うまでもない。また、設置方法
は、溶接あるいは固定治具を用いて設置すること
が強度・耐久性等の観点からは望ましい。
さらに、この場合には、遮蔽板は第2図aない
し第2図dに示した態様ではなく、その下部への
ボトムドロスの堆積を防止することができる構
造、例えば箱型の密閉型構造とすることが望まし
い。すなわち、遮蔽板下部へのボトムドロスの堆
積を完全に防止することにより、ガス吹き込みに
よつても浮上しないボトムドロスの量を低減でき
るため、バケツトの引上げ回数をさらに低減する
ことができるのである。
かくして、本考案によれば、各種遮蔽板の設置
により、ボトムドロスの巻上げ量を大幅に抑制で
きるとともに、バケツトの設置により、ボトムド
ロスのメツキ槽外への搬出を短時間で、例えばシ
ンクロール等の交換時等の短時間停止時に行うこ
ともできる。
さらに、保全停止時等の長時間停機時には、
Al富化したメツキ溶に不活性ガスを吹き込んで
ボトムドロス自体をトツプドロスに変化せしめて
メツキ槽外へ排出する操作を行うことにより、定
常的なドロス欠陥の抑制が可能となるとともに、
ボトムドロスのドロツシングを容易に、かつ安全
に行うことができる。
(考案の効果) 本考案により、外装用溶融亜鉛メツキ合金処理
鋼板の最大の品質課題であつたドロス付着の低減
をAl濃度を変えることなく、または著しく上昇
させることなく、流体力学的な手段により達成で
きるという効果が奏されることが分かる。
また、バケツトを遮蔽板下に設けたことによ
り、ボトムドロスのメツキ槽外への除去を短時間
で行うこともできる。
さらに、ボトムドロスへの不活性ガス吹き込み
管を設けることで、メツキ溶の一層の清浄化を図
ることができるとともに、ドロツシングを容易
に、かつ安全に行うこともできる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本考案にかかるボトムドロスの巻上
げ抑制装置の概略説明図;第2図aないし第2図
dは、それぞれ本考案にかかるボトムドロスの巻
上げ抑制装置において用いる遮蔽板の略式説明
図;第3図は、メツキ槽における各種ドロスの発
生状況の概略説明図;および第4図は、特願平1
−150832号により提案したボトムドロスの巻上げ
抑制装置の概略説明図である。 1……ストリツプ、2……スナウト、3……メ
ツキ槽、4……シンクロール、5……コレクテイ
ングロール、6……スタビライジングロール、7
……ワイピングノズル、8……ボトムドロス、9
……浮遊ドロス、10……ドツプドロス、11…
…随伴流、12……遮蔽板、13……バケツト、
14……不活性ガス吹き込み管。

Claims (1)

  1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 溶融金属メツキ槽内のメツキ浴中に侵漬され
    たシンクロールと溶融金属メツキ槽底部との間
    に配置された、主としてシンクロールの下方か
    らのメツキ浴の流れを抑制する遮蔽板と、前記
    遮蔽板の下方に配置されて、堆積したボトムド
    ロスの排出処理を行うためのバケツトと、ボト
    ムドロスのバブリングを行うために前記遮蔽板
    および/または前記バケツトに付設された不活
    性ガス吹き込み管とを有することを特徴とする
    溶融金属メツキ槽のボトムドロスの巻上げ抑制
    装置。 (2) 前記遮蔽板の形状が、前記シンクロール下方
    位においては下に凸なる曲面、またはほぼ水平
    なる平面からなることを特徴とする請求項1記
    載のボトムドロスの巻上げ抑制装置。 (3) 前記遮蔽板が、メツキすべき金属板のメツキ
    槽への入側方位および/または出側方位におい
    てそれぞれ同方向への傾斜を有する傾斜面をさ
    らに有することを特徴とする請求項2記載のボ
    トムドロスの巻上げ抑制装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP4604344B2 (ja) * 2000-12-20 2011-01-05 Jfeスチール株式会社 溶融めっき装置

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