JP2624075B2 - 溶融金属めっき浴中異物の除去方法および装置 - Google Patents
溶融金属めっき浴中異物の除去方法および装置Info
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- JP2624075B2 JP2624075B2 JP4040135A JP4013592A JP2624075B2 JP 2624075 B2 JP2624075 B2 JP 2624075B2 JP 4040135 A JP4040135 A JP 4040135A JP 4013592 A JP4013592 A JP 4013592A JP 2624075 B2 JP2624075 B2 JP 2624075B2
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Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、溶融金属めっき槽底
部に堆積するボトムドロスと称する溶融金属めっき浴中
異物を除去する方法およびその装置に関する。
部に堆積するボトムドロスと称する溶融金属めっき浴中
異物を除去する方法およびその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、耐食性、溶接性および塗装性に優
れた溶融金属めっき鋼板等の表面処理鋼板は、自動車
用、土木、建築用あるいは家電用等の用途の需要が急速
に拡大している。この表面処理鋼板の製造法としては、
主として連続溶融亜鉛めっき法、連続溶融アルミニウム
めっき法等の連続溶融金属めっき法が採用されている。
連続溶融金属めっき法は、図2に示すとおり、連続炉に
おいて機械的性質の調整ならびに表面を清浄、活性化さ
れた鋼帯21は、スナウト22を介して溶融金属槽23
中のめっき金属24中に浸漬され、浴中のシンクロール
25によって進行方向が転換され、サポートロール2
6、27を経由して溶融金属槽23から引上げられたの
ち、ワイピングノズル28から気体を噴射して過剰のめ
っき液を絞リ取ってめっき付着量が調整される。しかる
のち、めっき鋼帯21は、トップロール29を経由して
その後常温まで冷却される。
れた溶融金属めっき鋼板等の表面処理鋼板は、自動車
用、土木、建築用あるいは家電用等の用途の需要が急速
に拡大している。この表面処理鋼板の製造法としては、
主として連続溶融亜鉛めっき法、連続溶融アルミニウム
めっき法等の連続溶融金属めっき法が採用されている。
連続溶融金属めっき法は、図2に示すとおり、連続炉に
おいて機械的性質の調整ならびに表面を清浄、活性化さ
れた鋼帯21は、スナウト22を介して溶融金属槽23
中のめっき金属24中に浸漬され、浴中のシンクロール
25によって進行方向が転換され、サポートロール2
6、27を経由して溶融金属槽23から引上げられたの
ち、ワイピングノズル28から気体を噴射して過剰のめ
っき液を絞リ取ってめっき付着量が調整される。しかる
のち、めっき鋼帯21は、トップロール29を経由して
その後常温まで冷却される。
【0003】上記連続金属めっき法の溶融金属槽23中
のめっき金属24中においては、めっき鋼帯21あるい
は溶融金属槽23中に浸漬配設されたシンクロール2
5、サポートロール26、27等の浴中ロールや、該浴
中ロールの支持フレームより溶出したFeが、めっき金
属のZnと反応してFeZn7を主成分とするボトムド
ロス30を生成する。このボトムドロス30の比重は、
めっき金属のZnよりも重いため、溶融金属槽23底部
に沈降堆積する。この傾向は、めっき金属24中にAl
添加量の少ない合金化溶融亜鉛金属めっき鋼帯の製造ラ
インの溶融金属槽23において特に顕著である。溶融金
属槽23底部に堆積したボトムドロス30は、めっき鋼
帯21の移動によって溶融金属槽23底部から巻上げら
れ、めっき鋼帯21の表面に付着して鋼帯表面の製品外
観を著しく阻害することとなる。このボトムドロス30
の付着しためっき鋼帯21は、自動車の外板のような極
めて表面品質の厳しい用途に使用される鋼板においては
特に問題となる。このため、溶融金属槽23底部に堆積
したボトムドロス30は、除去することが必要である。
のめっき金属24中においては、めっき鋼帯21あるい
は溶融金属槽23中に浸漬配設されたシンクロール2
5、サポートロール26、27等の浴中ロールや、該浴
中ロールの支持フレームより溶出したFeが、めっき金
属のZnと反応してFeZn7を主成分とするボトムド
ロス30を生成する。このボトムドロス30の比重は、
めっき金属のZnよりも重いため、溶融金属槽23底部
に沈降堆積する。この傾向は、めっき金属24中にAl
添加量の少ない合金化溶融亜鉛金属めっき鋼帯の製造ラ
インの溶融金属槽23において特に顕著である。溶融金
属槽23底部に堆積したボトムドロス30は、めっき鋼
帯21の移動によって溶融金属槽23底部から巻上げら
れ、めっき鋼帯21の表面に付着して鋼帯表面の製品外
観を著しく阻害することとなる。このボトムドロス30
の付着しためっき鋼帯21は、自動車の外板のような極
めて表面品質の厳しい用途に使用される鋼板においては
特に問題となる。このため、溶融金属槽23底部に堆積
したボトムドロス30は、除去することが必要である。
【0004】溶融金属槽底部に堆積したボトムドロスの
除去方法としては、従来定期的に連続溶融めっきライン
全体を数日間完全停止し、あるいは作業を中断し、溶融
金属槽底部に堆積したボトムドロスを、あまり掻き出し
効果の良くない人力作業で行っていた。しかし設備投資
の大きいラインを数日間休止することは、極めて不経済
である。この対策としては、溶融亜鉛めっき浴よりも高
比重の鉄もしくは鉄合金と反応して亜鉛めっき浴よりも
低比重の鉄系金属を生成させるような合金成分(例えば
Al)を添加し、該成分のめっき浴表面部における濃度
を浴中の他部のそれよりも高め、鉄鋼製品の溶融亜鉛め
っきの際生成するボトムドロスを浴表面に浮上せしめる
方法(特開昭47−38630号公報)、また、この反
応促進のための補助手段として、図3に示すとおり、前
記反応により生成してめっき浴中に浮遊している浮遊ド
ロス31を、小径の気体吹込み管32を介してN2等の
気体を吹込み、気泡33によって浮遊ドロス31を浮上
せしめて除去処理する方法が実施されている。また、こ
の原理を利用した方法としては、溶融金属槽内に仕切り
を設け、溶融金属槽内に攪拌機を付設した反応溶解槽を
設けた溶融金属槽も開発されている。また、他の方法と
しては、セラミック繊維製のシートをその長手方向の一
部が亜鉛めっき浴内に没するように配設し、めっき浴内
のシートに付着したボトムドロスを、シートをめっき浴
外の一方から繰出しつつ他方で引上げることにより取出
す方法(特開昭61−190055号公報)、電磁ポン
プに付設して溶融めっき金属浴の一部を隆起する溶融金
属流動ガイドの溶融めっき金属通路にドロスフィルター
を設け、溶融めっき金属を電磁ポンプで循環させてドロ
スフィルターでドロスを除去する方法(実開昭57−5
2563号公報)等が提案されている。
除去方法としては、従来定期的に連続溶融めっきライン
全体を数日間完全停止し、あるいは作業を中断し、溶融
金属槽底部に堆積したボトムドロスを、あまり掻き出し
効果の良くない人力作業で行っていた。しかし設備投資
の大きいラインを数日間休止することは、極めて不経済
である。この対策としては、溶融亜鉛めっき浴よりも高
比重の鉄もしくは鉄合金と反応して亜鉛めっき浴よりも
低比重の鉄系金属を生成させるような合金成分(例えば
Al)を添加し、該成分のめっき浴表面部における濃度
を浴中の他部のそれよりも高め、鉄鋼製品の溶融亜鉛め
っきの際生成するボトムドロスを浴表面に浮上せしめる
方法(特開昭47−38630号公報)、また、この反
応促進のための補助手段として、図3に示すとおり、前
記反応により生成してめっき浴中に浮遊している浮遊ド
ロス31を、小径の気体吹込み管32を介してN2等の
気体を吹込み、気泡33によって浮遊ドロス31を浮上
せしめて除去処理する方法が実施されている。また、こ
の原理を利用した方法としては、溶融金属槽内に仕切り
を設け、溶融金属槽内に攪拌機を付設した反応溶解槽を
設けた溶融金属槽も開発されている。また、他の方法と
しては、セラミック繊維製のシートをその長手方向の一
部が亜鉛めっき浴内に没するように配設し、めっき浴内
のシートに付着したボトムドロスを、シートをめっき浴
外の一方から繰出しつつ他方で引上げることにより取出
す方法(特開昭61−190055号公報)、電磁ポン
プに付設して溶融めっき金属浴の一部を隆起する溶融金
属流動ガイドの溶融めっき金属通路にドロスフィルター
を設け、溶融めっき金属を電磁ポンプで循環させてドロ
スフィルターでドロスを除去する方法(実開昭57−5
2563号公報)等が提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開昭
47−38630号公報に開示の方法は、Al添加によ
る単なる置換反応だけでは、ボトムドロスの浮上処理に
長時間を要し、また、N2吹込み等の補助手段を用いた
としても、亜鉛浴の比重が大きく、しかも気体吹込み量
に限度があるため、処理時間の短縮が十分ではない。ま
た、大量の気体の吹込みは、気体の急速浮上によってめ
っき浴が溶融金属槽の周囲に飛散し、安全上の問題を生
ずる等種々の問題を生じていた。また、溶融金属槽内に
攪拌機を付設した反応溶解槽を設けた溶融金属槽を使用
する方法は、Alがめっき皮膜の合金化を抑制する作用
があるため、めっきラインの生産品質が合金化処理鋼板
の場合には可及的に少ない量に制限されており、トップ
ドロスの生成および浮上促進のためAlを多量に常時添
加すると、その一部がめっき浴中に残留し、合金化不良
を起して品質低下を生じる。
47−38630号公報に開示の方法は、Al添加によ
る単なる置換反応だけでは、ボトムドロスの浮上処理に
長時間を要し、また、N2吹込み等の補助手段を用いた
としても、亜鉛浴の比重が大きく、しかも気体吹込み量
に限度があるため、処理時間の短縮が十分ではない。ま
た、大量の気体の吹込みは、気体の急速浮上によってめ
っき浴が溶融金属槽の周囲に飛散し、安全上の問題を生
ずる等種々の問題を生じていた。また、溶融金属槽内に
攪拌機を付設した反応溶解槽を設けた溶融金属槽を使用
する方法は、Alがめっき皮膜の合金化を抑制する作用
があるため、めっきラインの生産品質が合金化処理鋼板
の場合には可及的に少ない量に制限されており、トップ
ドロスの生成および浮上促進のためAlを多量に常時添
加すると、その一部がめっき浴中に残留し、合金化不良
を起して品質低下を生じる。
【0006】さらに、特開昭61−190055号公報
に開示の方法は、多量のセラミック繊維製のシートを用
いるのでその分コスト高になるため、現在までのところ
実用化されるまでには至っていない。さらにまた、実開
昭57−52563号公報に開示の技術は、ドロスフィ
ルターが短時間で目詰りを起すため、実用的ではない。
に開示の方法は、多量のセラミック繊維製のシートを用
いるのでその分コスト高になるため、現在までのところ
実用化されるまでには至っていない。さらにまた、実開
昭57−52563号公報に開示の技術は、ドロスフィ
ルターが短時間で目詰りを起すため、実用的ではない。
【0007】この発明の目的は、溶融金属めっき浴の底
部に堆積するボトムドロスを、定期修理による溶融金属
めっきライン停止時に浮上促進元素を添加して除去する
に際し、ボトムドロスと浮上促進元素との置換反応およ
び浮上化を促進し、めっき浴内の堆積ボトムドロスの除
去時間を大幅に短縮できる溶融金属めっき浴内異物の除
去方法および装置を提供することにある。
部に堆積するボトムドロスを、定期修理による溶融金属
めっきライン停止時に浮上促進元素を添加して除去する
に際し、ボトムドロスと浮上促進元素との置換反応およ
び浮上化を促進し、めっき浴内の堆積ボトムドロスの除
去時間を大幅に短縮できる溶融金属めっき浴内異物の除
去方法および装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成すべく鋭意試験研究を行った。その結果、溶融金
属めっき浴中でめっき浴を吸引して溶融金属めっき浴底
部に堆積するボトムドロスに向けて吐出させることによ
って、めっき浴の強制攪拌による対流を生じさせれば、
めっき浴を空気酸化させることなく、鉄−亜鉛合金とA
lとの置換反応および堆積異物の浮上化を促進できるこ
とを究明し、この発明に到達した。
を達成すべく鋭意試験研究を行った。その結果、溶融金
属めっき浴中でめっき浴を吸引して溶融金属めっき浴底
部に堆積するボトムドロスに向けて吐出させることによ
って、めっき浴の強制攪拌による対流を生じさせれば、
めっき浴を空気酸化させることなく、鉄−亜鉛合金とA
lとの置換反応および堆積異物の浮上化を促進できるこ
とを究明し、この発明に到達した。
【0009】すなわちこの発明は、溶融金属めっき槽底
部に堆積する異物を、定期修理による溶融金属めっきラ
イン停止時に異物浮上促進元素を添加して浮上させて除
去する方法において、異物浮上促進元素を添加したの
ち、めっき金属浴を吸引して堆積異物に向けて吐出せし
め、めっき金属浴に強制攪拌による対流を生じさせ、異
物形成合金と異物浮上促進元素との置換反応および浮上
化を促進するのである。
部に堆積する異物を、定期修理による溶融金属めっきラ
イン停止時に異物浮上促進元素を添加して浮上させて除
去する方法において、異物浮上促進元素を添加したの
ち、めっき金属浴を吸引して堆積異物に向けて吐出せし
め、めっき金属浴に強制攪拌による対流を生じさせ、異
物形成合金と異物浮上促進元素との置換反応および浮上
化を促進するのである。
【0010】また、溶融金属めっき槽上部に設けた移動
自在のポンプ支持機構と、該ポンプ支持機構に支持され
た駆動部と、該駆動部と接続されて吐出口を溶融金属め
っき槽底部に向けて浸漬した溶融めっき金属浴ポンプと
からなる溶融金属めっき浴中異物の除去装置である。
自在のポンプ支持機構と、該ポンプ支持機構に支持され
た駆動部と、該駆動部と接続されて吐出口を溶融金属め
っき槽底部に向けて浸漬した溶融めっき金属浴ポンプと
からなる溶融金属めっき浴中異物の除去装置である。
【0011】
【作用】この発明においては、定期修理による溶融金属
めっきライン停止時に溶融金属めっき槽内に異物浮上促
進元素を添加したのち、めっき金属浴を吸引して堆積異
物に向けて吐出せしめ、めっき金属浴に強制攪拌による
対流を生じさせるから、めっき金属浴を空気酸化させる
ことなく、異物を形成する合金と異物浮上促進元素との
置換反応が強制攪拌による対流によって促進されると共
に、堆積異物の浮上化が促進される。この結果、異物を
形成する合金と異物浮上促進元素との置換反応により生
成しためっき金属浴よりも比重の軽い鉄−異物浮上促進
元素合金は、強制攪拌による対流に乗って急速に浮上す
るため、反応時間および堆積異物の浮上処理時間を大幅
に短縮することができ、ライン停止期間を短縮できる。
めっきライン停止時に溶融金属めっき槽内に異物浮上促
進元素を添加したのち、めっき金属浴を吸引して堆積異
物に向けて吐出せしめ、めっき金属浴に強制攪拌による
対流を生じさせるから、めっき金属浴を空気酸化させる
ことなく、異物を形成する合金と異物浮上促進元素との
置換反応が強制攪拌による対流によって促進されると共
に、堆積異物の浮上化が促進される。この結果、異物を
形成する合金と異物浮上促進元素との置換反応により生
成しためっき金属浴よりも比重の軽い鉄−異物浮上促進
元素合金は、強制攪拌による対流に乗って急速に浮上す
るため、反応時間および堆積異物の浮上処理時間を大幅
に短縮することができ、ライン停止期間を短縮できる。
【0012】また、この発明の溶融金属めっき浴中異物
の除去装置は、駆動部とこれに連結する溶融めっき金属
浴ポンプを支持するポンプ支持機構を移動自在に設けた
から、ポンプ支持機構を移動させることによって、吐出
口を溶融金属めっき槽全体に均一に位置させることがで
きる。この結果、溶融金属めっき槽底部に堆積した異物
は、吐出口から吐出される溶融めっき金属によって強制
的に攪拌され、沈降堆積していたボトムドロスと異物浮
上促進元素との置換反応が促進して浮遊ドロス化すると
同時に、溶融めっき金属浴上への浮上化が促進されてト
ップドロスとして浮上する。そして溶融めっき金属浴上
へ浮上したトップドロスは、人力または機械力により溶
融金属めっき槽外へ排出除去されることとなる。
の除去装置は、駆動部とこれに連結する溶融めっき金属
浴ポンプを支持するポンプ支持機構を移動自在に設けた
から、ポンプ支持機構を移動させることによって、吐出
口を溶融金属めっき槽全体に均一に位置させることがで
きる。この結果、溶融金属めっき槽底部に堆積した異物
は、吐出口から吐出される溶融めっき金属によって強制
的に攪拌され、沈降堆積していたボトムドロスと異物浮
上促進元素との置換反応が促進して浮遊ドロス化すると
同時に、溶融めっき金属浴上への浮上化が促進されてト
ップドロスとして浮上する。そして溶融めっき金属浴上
へ浮上したトップドロスは、人力または機械力により溶
融金属めっき槽外へ排出除去されることとなる。
【0013】この発明におけるポンプ支持機構は、駆動
部とこれに連結する溶融めっき金属浴ポンプを支持して
移動できるものであれば、いかなる構造でもよく、例え
ば、クレーンのフックにワイヤで吊支した支持台に設置
された駆動部と、該駆動部の駆動軸とカップリングを介
してポンプケーシング内のインペラー軸を連結し、支持
台に設けた方向変換レバーを人力によって動かしてクレ
ーンのフックを回転させたり、クレーンを移動させるこ
とによってポンプ支持機構を移動自在とするか、あるい
は溶融金属めっき槽上部へ進退自在の吊支機構に、駆動
部とこれに連結する溶融めっき金属浴ポンプを設置した
方式等が推奨される。また、この発明における異物浮上
促進元素としては、例えば、溶融めっき金属がZnであ
れば、Feに対する親和力がZnよりも強いAlをめっ
き浴に添加する。
部とこれに連結する溶融めっき金属浴ポンプを支持して
移動できるものであれば、いかなる構造でもよく、例え
ば、クレーンのフックにワイヤで吊支した支持台に設置
された駆動部と、該駆動部の駆動軸とカップリングを介
してポンプケーシング内のインペラー軸を連結し、支持
台に設けた方向変換レバーを人力によって動かしてクレ
ーンのフックを回転させたり、クレーンを移動させるこ
とによってポンプ支持機構を移動自在とするか、あるい
は溶融金属めっき槽上部へ進退自在の吊支機構に、駆動
部とこれに連結する溶融めっき金属浴ポンプを設置した
方式等が推奨される。また、この発明における異物浮上
促進元素としては、例えば、溶融めっき金属がZnであ
れば、Feに対する親和力がZnよりも強いAlをめっ
き浴に添加する。
【0014】
実施例1 以下にこの発明方法の詳細を実施の一例を示す図1に基
いて説明する。図1はこの発明の溶融亜鉛めっき浴中異
物除去装置の全体構成図である。図1において、1は溶
融亜鉛めっき槽、2は溶融亜鉛めっき槽1中の亜鉛浴、
3は溶融亜鉛めっき槽1の底部に沈降堆積したボトムド
ロス、4は亜鉛浴2中の浮遊ドロス、5は亜鉛浴2表面
のトップドロスである。6は図示しないクレーンのフッ
ク、7はフック6にワイヤ8で吊支された支持台で、該
支持台7には、電動モータ9が設置され、電動モータ9
の回転軸10とカップリング11を介して連結された溶
融亜鉛用ポンプ12のインペラー軸13を介してポンプ
ケーシング14内の図示しないインペラーを回転させれ
ば、吸込み口15から亜鉛浴2を吸入し、吐出管16か
ら溶融亜鉛めっき槽1の底部に沈降堆積したボトムドロ
ス3に向かって噴射するよう構成する。なお、17はガ
イドロッド、18は方向変換レバーで、方向変換レバー
18を人力により操作することによって、溶融亜鉛用ポ
ンプ12の吐出管16の位置を変更できるよう構成す
る。
いて説明する。図1はこの発明の溶融亜鉛めっき浴中異
物除去装置の全体構成図である。図1において、1は溶
融亜鉛めっき槽、2は溶融亜鉛めっき槽1中の亜鉛浴、
3は溶融亜鉛めっき槽1の底部に沈降堆積したボトムド
ロス、4は亜鉛浴2中の浮遊ドロス、5は亜鉛浴2表面
のトップドロスである。6は図示しないクレーンのフッ
ク、7はフック6にワイヤ8で吊支された支持台で、該
支持台7には、電動モータ9が設置され、電動モータ9
の回転軸10とカップリング11を介して連結された溶
融亜鉛用ポンプ12のインペラー軸13を介してポンプ
ケーシング14内の図示しないインペラーを回転させれ
ば、吸込み口15から亜鉛浴2を吸入し、吐出管16か
ら溶融亜鉛めっき槽1の底部に沈降堆積したボトムドロ
ス3に向かって噴射するよう構成する。なお、17はガ
イドロッド、18は方向変換レバーで、方向変換レバー
18を人力により操作することによって、溶融亜鉛用ポ
ンプ12の吐出管16の位置を変更できるよう構成す
る。
【0015】上記のとおり構成したから、溶融亜鉛めっ
き槽1の底部に沈降堆積したボトムドロス3を除去する
場合は、溶融亜鉛めっき槽1中にAlを例えば0.35
%程度の濃度となるように添加したのち、図示しないク
レーンのフック6にワイヤ8で吊支された支持台7に設
置された溶融亜鉛用ポンプ12を溶融亜鉛めっき槽1の
亜鉛浴2中に挿入する。そして電動モータ9を駆動して
インペラー軸13を介してポンプケーシング14内の図
示しないインペラーを回転させれば、吸込み口15より
吸入された溶融亜鉛は吐出管16から溶融亜鉛めっき槽
1の底部に沈降堆積したボトムドロス3に向かって循環
噴射される。これによって亜鉛浴2は、溶融亜鉛用ポン
プ12の吐出管16から吐出された溶融亜鉛により強制
的に攪拌され、亜鉛浴2の対流を生じて沈降堆積してい
たボトムドロス3が浮遊するため置換反応が大幅に促進
され、Fe−Zn合金が亜鉛浴2よりも比重の軽いFe
−Al合金となって浮遊ドロス4化すると同時に、亜鉛
浴2の表面への浮上化が促進され、トップドロス5とし
て亜鉛浴2の表面へ浮上する。この亜鉛浴2の表面へ浮
上したトップドロス5は、人力または機械力によって溶
融亜鉛めっき槽1外へ排出除去する。この場合、本発明
では、従来の気体での攪拌と異なり、溶融亜鉛めっき槽
1内の亜鉛浴2中での攪拌のため、亜鉛浴2の吹上げ等
の危険がなく、また、亜鉛浴2が酸化されることもない
ので、酸化によるドロス生成を抑制することができる。
また、方向変換レバー18を人力により操作することに
よって、溶融亜鉛用ポンプ12の吐出管16の位置を変
更することによって、溶融亜鉛めっき槽1の底部全体の
ボトムドロス3をトップドロス5に変換して短時間で除
去することができる。
き槽1の底部に沈降堆積したボトムドロス3を除去する
場合は、溶融亜鉛めっき槽1中にAlを例えば0.35
%程度の濃度となるように添加したのち、図示しないク
レーンのフック6にワイヤ8で吊支された支持台7に設
置された溶融亜鉛用ポンプ12を溶融亜鉛めっき槽1の
亜鉛浴2中に挿入する。そして電動モータ9を駆動して
インペラー軸13を介してポンプケーシング14内の図
示しないインペラーを回転させれば、吸込み口15より
吸入された溶融亜鉛は吐出管16から溶融亜鉛めっき槽
1の底部に沈降堆積したボトムドロス3に向かって循環
噴射される。これによって亜鉛浴2は、溶融亜鉛用ポン
プ12の吐出管16から吐出された溶融亜鉛により強制
的に攪拌され、亜鉛浴2の対流を生じて沈降堆積してい
たボトムドロス3が浮遊するため置換反応が大幅に促進
され、Fe−Zn合金が亜鉛浴2よりも比重の軽いFe
−Al合金となって浮遊ドロス4化すると同時に、亜鉛
浴2の表面への浮上化が促進され、トップドロス5とし
て亜鉛浴2の表面へ浮上する。この亜鉛浴2の表面へ浮
上したトップドロス5は、人力または機械力によって溶
融亜鉛めっき槽1外へ排出除去する。この場合、本発明
では、従来の気体での攪拌と異なり、溶融亜鉛めっき槽
1内の亜鉛浴2中での攪拌のため、亜鉛浴2の吹上げ等
の危険がなく、また、亜鉛浴2が酸化されることもない
ので、酸化によるドロス生成を抑制することができる。
また、方向変換レバー18を人力により操作することに
よって、溶融亜鉛用ポンプ12の吐出管16の位置を変
更することによって、溶融亜鉛めっき槽1の底部全体の
ボトムドロス3をトップドロス5に変換して短時間で除
去することができる。
【0016】実施例2 実施例1の溶融金属めっき浴中の異物除去装置を用い、
容量160トンの亜鉛めっき槽におけるボトムドロスの
除去を実施し、従来行っていた小径パイプによるN2吹
込みの場合と比較した。小径パイプによるN2吹込みの
場合は、約24時間要していたが、本発明法では8〜1
0時間まで短縮することができ、大幅に作業時間を短縮
することができた。
容量160トンの亜鉛めっき槽におけるボトムドロスの
除去を実施し、従来行っていた小径パイプによるN2吹
込みの場合と比較した。小径パイプによるN2吹込みの
場合は、約24時間要していたが、本発明法では8〜1
0時間まで短縮することができ、大幅に作業時間を短縮
することができた。
【0017】
【発明の効果】以上述べたとおり、この発明の溶融金属
めっき浴中異物の除去方法および装置によれば、従来溶
融金属めっき槽内異物処理の制約で設定されていた補修
時間を大幅に短縮することができ、定期修理による溶融
金属めっきラインの停止期間の短縮が可能となり、その
分溶融めっき鋼帯生産量を増産できる。また、従来に比
較して溶融金属の飛散等が防止されて安全性が向上する
等大きな利点を有する。
めっき浴中異物の除去方法および装置によれば、従来溶
融金属めっき槽内異物処理の制約で設定されていた補修
時間を大幅に短縮することができ、定期修理による溶融
金属めっきラインの停止期間の短縮が可能となり、その
分溶融めっき鋼帯生産量を増産できる。また、従来に比
較して溶融金属の飛散等が防止されて安全性が向上する
等大きな利点を有する。
【図1】実施例1におけるこの発明の溶融亜鉛めっき浴
中異物除去装置の全体構成図である。
中異物除去装置の全体構成図である。
【図2】一般的な連続溶融金属めっきラインの概要を示
す模式図である。
す模式図である。
【図3】従来の溶融亜鉛めっき浴中異物除去方法のの概
略説明図である。
略説明図である。
1 溶融亜鉛めっき槽 2 亜鉛浴 3,30 ボトムドロス 4,31 浮遊ドロス 5 トップドロス 6 フック 7 支持台 8 ワイヤ 9 電動モータ 10 回転軸 11 カップリング 12 亜鉛浴ポンプ 13 インペラー軸 14 ケーシング 15 吸込み口 16 吐出管 17 ガイドロッド 18 方向変換レバー 21 鋼帯 22 スナウト 23 溶融金属槽 24 溶融めっき金属 25 シンクロール 26,27 サポートロール 28 ワイピングノズル 29 トップロール 32 小径管 33 気泡
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−34761(JP,A) 特開 昭55−128569(JP,A) 特開 平4−99258(JP,A) 特開 昭47−38630(JP,A) 特開 平5−17859(JP,A)
Claims (2)
- 【請求項1】 溶融金属めっき槽底部に堆積する異物
を、定期修理による溶融金属めっきライン停止時に異物
浮上促進元素を添加して浮上させて除去する方法におい
て、異物浮上促進元素を添加したのち、めっき金属浴を
吸引して堆積異物に向けて吐出せしめ、めっき金属浴に
強制撹拌による対流を生じさせ、異物形成合金と異物浮
上促進元素との置換反応および浮上化を促進することを
特徴とする溶融金属めっき浴中異物の除去方法。 - 【請求項2】 溶融金属めっき槽上部に設けた移動自在
のポンプ支持機構と、該ポンプ支持機構に支持された駆
動部と、該駆動部と接続されて吐出口を溶融金属めっき
槽底部に向けて浸漬した溶融金属めっき浴ポンプとから
なる溶融金属めっき浴中異物の除去装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4040135A JP2624075B2 (ja) | 1992-01-29 | 1992-01-29 | 溶融金属めっき浴中異物の除去方法および装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4040135A JP2624075B2 (ja) | 1992-01-29 | 1992-01-29 | 溶融金属めっき浴中異物の除去方法および装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05209258A JPH05209258A (ja) | 1993-08-20 |
JP2624075B2 true JP2624075B2 (ja) | 1997-06-25 |
Family
ID=12572353
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4040135A Expired - Lifetime JP2624075B2 (ja) | 1992-01-29 | 1992-01-29 | 溶融金属めっき浴中異物の除去方法および装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2624075B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE10234010B4 (de) * | 2002-07-26 | 2004-07-22 | Thyssenkrupp Stahl Ag | Vorrichtung und Verfahren zum Entfernen von Bodenschlacke einer Metallschmelze in einem Schmelztiegel insbesondere bei der Schmelztauchbeschichtung von Metallband |
CN114561608B (zh) * | 2022-02-28 | 2022-11-01 | 乐亭前进钢结构有限公司 | 一种用于热镀锌工艺的热镀池及热镀锌工艺 |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS55128569A (en) * | 1979-03-26 | 1980-10-04 | Nippon Kokan Kk <Nkk> | Method and apparatus for hot galvanization |
JPH0234761A (ja) * | 1988-07-25 | 1990-02-05 | Nippon Steel Corp | 溶融亜鉛メッキ浴中のドロス除去方法 |
-
1992
- 1992-01-29 JP JP4040135A patent/JP2624075B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH05209258A (ja) | 1993-08-20 |
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