JP2560663B2 - 表面欠陥の少ない溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法と装置 - Google Patents

表面欠陥の少ない溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法と装置

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JP2560663B2
JP2560663B2 JP3168353A JP16835391A JP2560663B2 JP 2560663 B2 JP2560663 B2 JP 2560663B2 JP 3168353 A JP3168353 A JP 3168353A JP 16835391 A JP16835391 A JP 16835391A JP 2560663 B2 JP2560663 B2 JP 2560663B2
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plating tank
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、表面欠陥の少ない溶融
亜鉛めっき鋼板の製造方法および装置に関する。より詳
述すれば、小ロット多品種対応、省エネルギー、省
資源、低騒音を実現可能とする、表面欠陥の少ない溶
融亜鉛めっき鋼板の製造方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】今日、薄鋼板( 以下、鋼板という)に要
求される仕様が厳しくなり、耐食性についても特に建
材、家電、自動車用には使用条件が厳しくなってきてお
り一層の改善が求められ、そのためめっき鋼板が一般的
となってきている。めっき鋼板として現在最も多く使用
されているのは溶融亜鉛めっき鋼板である。通常これは
さらに塗装して用いられ、耐食性はもちろん塗装後の仕
上がり表面の平滑性、塗装面との密着性などが要求され
るため、めっき面の表面性状は重要である。
【0003】溶融亜鉛めっき鋼板の場合、めっき浴中に
浮遊するドロスに起因する欠陥としてはプレス時に表面
不均一部分が生じて鮮映性が害されるプレスブツと呼ば
れるものと、表面不均一部分が局部電池を形成し耐食性
を劣化させるドロスブツと称するものとがあり、一方め
っき面の表面酸化による表面欠陥としては、めっき鋼板
表面に酸化物が付着するとこれが押込まれて生じる表面
疵、あるいは表面酸化による外観悪化が挙げられる。以
下、本明細書にあってはこれらを総称して表面欠陥とい
うが、必要に応じてドロス欠陥、表面酸化欠陥と区別し
て用いる。
【0004】これまでにもこのドロスに起因する表面欠
陥を防止しようとする試みは幾つか提案されている。
【0005】特公昭57−58434 号公報により提案された
方法は、隔壁によりメッキ槽とAl反応槽とを分けて高Al
操業とともに浴の撹拌を行うことによりボトムドロスを
トップドロス化してボトムドロスを除去する方法であ
る。
【0006】(1) この方法によれば、高Al操業時にはド
ロスはAlと反応して浮遊しやすくなるのに対し、低Al操
業時、すなわちガルバニール鋼板 (合金化処理鋼板) 製
造時にはAlと反応して生ずる軽いドロスは生成せず、Zn
と反応してできた重いボトムドロスが溜まる一方で除去
できないのが実状である。
【0007】(2) メッキ槽とAl反応槽とを分けているた
め装置全体が大容量になり、設備費の増大は避けられな
い。
【0008】(3) ドロス除去のため反応槽で攪拌すると
空気中の酸素を巻込み、Zn浴の酸化を促進し、Zn歩留、
品質管理上問題と言える。
【0009】一方、表面酸化欠陥を防止するには、めっ
き鋼板の表面酸化を防止する必要があるが、従来装置に
あっては大型装置であるため酸化防止のために不活性ガ
スによりシールするとしても大掛かりが装置が必要とな
り、設備費の増大は免れず、またそれによる効果は十分
とは言えない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】特に、近年のように自
動車用を主体に、合金化処理鋼板の需要が益々増加して
いる中にあって、高品質化のニーズも高まってきてい
る。このような背景の中、低Al操業であってもドロスに
起因する表面欠陥のない溶融亜鉛めっき鋼板の製造技術
の確立が求められている。
【0011】したがって、本発明の目的は、表面欠陥の
ない溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法および装置、特に、
低Al操業であっても浴内におけるドロスの鋼板表面への
付着によるドロス欠陥のない溶融亜鉛めっき鋼板の製造
方法および装置を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上述の目
的達成のために種々検討を重ね、次のような知見を得、
本発明を完成した。
【0013】(1) ドロスは粗大化して鋼板に付着する
と、合金化処理した後プレスした場合にドロス欠陥とな
るが、鋼板に付着しても微粒子状態であれば合金化処理
工程で行う加熱処理に際して拡散消失するか、仕上げ工
程で行う調質圧延に際して消失し、無害となる。
【0014】(2) いわゆるドロスは生成初期にはめっき
浴内に微粒子として浮遊しているが、これらの微粒子は
系内が小容量の場合、絶えず十分攪拌されており、鋼板
に付着しやすく、成長して沈降する前に、無害な状態で
系外排出される。
【0015】(3) 従来のめっき槽の50%以下、好ましく
は30%以下にまでめっき槽を小容量化し、浴流れに対す
るデッドスペースをなくし、さらにめっき浴の量を減ら
すことにより、鋼板の通板移動およびシンクロールの回
転による系内の攪拌力が大きくなりドロスの沈降化を抑
えることができる。
【0016】例えば、通常の容量200 トン前後のメッキ
槽では30,000T/月生産の操業を行った場合、その収容す
る溶融亜鉛の量は、約半月分の消費量に相当するが、30
トン程度のめっき槽であれば収容される溶融亜鉛は2日
で入れ替えとなり、ドロス成長時間、つまり浴内滞留時
間は、1/7 にまで短縮され、結局成長に要する十分な時
間がなくなり、常に微粒子を維持できる。
【0017】(4) 上記のような構成によりめっき浴の量
を減らした場合には、従来のようなサポートロールをめ
っき浴内に設けるスペースがなくなり、従来と同様のサ
ポートロール+ガスワイピングノズルの方式では上記方
法を実施することができないが、固体接触ワイピング方
式にすれば上記方法を実施することができる。目付量の
調整も押付け力を加減することで可能である。
【0018】(5) 上記のような固体接触ワイピング方式
を用いる場合には、固体接触ワイピング装置に亜鉛酸化
物が付着するのを防止するため、固体ワイピング装置は
不活性ガスまたは非酸化性ガス中に設けなければならな
い。
【0019】(6) この不活性ガスまたは非酸化性ガスを
供給する手段として、浴中に散気管を設け、バブリング
して供給すると、前記の浮遊物の攪拌効果がより大きく
なり、浮遊物の系外排出が促進される。
【0020】(7) この時のバブリングの量を抑制する
と、小量のめっき浴で温度変動が大きくても、めっき浴
温をほぼ一定に保つことも可能である。すなわち、めっ
き槽は通常460 ℃前後に保たれるが、めっき浴に侵入し
てくる鋼板温度は通常、460 〜500 ℃であり、放熱分を
考えても熱供給オーバー気味となる。この冷却手段とし
て室温不活性ガスを浴中に吹込み、前述の雰囲気調整と
攪拌効果に加え、浴温の制御も行なうことができる。
【0021】(8) さらにめっき槽を小容量化した場合、
絶えずめっき成分を補給する必要があるが、そのための
手段としてインゴットの浴内浸漬量をコントロールして
液面を精度よくコントロールできる。
【0022】ここに、本発明の要旨とするところは、め
っき槽内の溶融亜鉛めっき浴に連続的に侵入させた鋼板
を、浴中に設けたシンクロールを周回させて方向を変え
てから浴より引き上げてめっきする溶融亜鉛めっき鋼板
の製造方法において、前記めっき槽はその底部とシンク
ロール下面との距離が200mm 以下、鋼板がシンクロール
に接触するまでの該鋼板の広幅面とめっき槽の内壁との
距離は200mm 以下、さらにシンクロールにより方向変更
された後の鋼板の広幅面とめっき槽の内壁との距離は70
0mm 以下であり、該めっき槽中の溶融亜鉛の浴面はシン
クロール上面の上方200mm 以内である溶融亜鉛めっき浴
中を通板させることを特徴とする表面欠陥の少ない溶融
亜鉛めっき鋼板の製造方法である。
【0023】本発明にあってはめっき槽の小容量化を具
体的に規定すべく配列を数値でもって限定しているが、
これは要するに、走行する鋼板の走行ライン、つまり広
幅面の軌跡に可及的に近接して沿うようにめっき内壁面
を配置させることである。
【0024】また、上記方法を実施するための本発明の
装置は、スナウト、シンクロールおよびめっき槽を備え
た溶融亜鉛めっき鋼板の製造装置において、前記めっき
槽はその底部とシンクロール下面との距離が200mm 以
下、鋼板がシンクロールに接触するまでの該鋼板の通板
ラインとめっき槽の内壁の距離は200mm 以下、さらにシ
ンクロールにより方向変更された後の鋼板の通板ライン
とめっき槽の内壁との距離は700mm 以下であり、通板ラ
インにおけるシンクロールの下流であってめっき槽頂部
近傍に固体接触型ワイピング装置を設け、さらにスナウ
トから該固体接触型ワイピング装置までの通板ラインお
よびめっき浴面を不活性ガスおよび/ または還元性ガス
雰囲気とするシール手段をめっき槽上部に設けたことを
特徴とする表面欠陥の少ない溶融亜鉛めっき鋼板の製造
装置である。
【0025】上述のシール手段を設けることによって溶
融亜鉛めっき鋼板の表面酸化は効果的に防止されるが、
さらに好ましくは、不活性ガスおよび/または還元性ガ
スをめっき浴内にバブリングさせることによってドロス
欠陥はもとより表面酸化欠陥をも一層効果的に防止でき
る。
【0026】また、本装置へのめっき原料補給方法に関
する発明は、めっき原料の塊状体をめっき浴中に部分的
に浸漬して、めっき浴にめっき原料を補給するととも
に、該めっき原料の浸漬深さを調整することにより、め
っき浴面高さを抑制することを特徴とする溶融亜鉛めっ
き鋼板の製造装置へのめっき原料補給方法である。
【0027】
【作用】次に、添付図面を参照しながら本発明をさらに
具体的に説明する。
【0028】図1は、本発明にかかる溶融亜鉛めっき鋼
板の製造装置である亜鉛めっき装置の概略説明図であ
り、図中、めっき槽本体10は、例えば1700×800 ×3500
mm 程度と従来のもの( 例: 4000×1800×3500mm) と比
較してほぼ1/5 程まで小容量となっている。図1でハッ
チを入れて示す領域が従来のめっき槽のうちの不要なス
ペースである。走行する鋼板12とめっき槽内壁14との距
離および液面16の高さならびにシンクロールの配置は次
のように規定されている。
【0029】A: 鋼板がシンクロールに接触するまでの
鋼板の広幅面とめっき槽の内壁との間の距離(mm) B: 溶融亜鉛めっき浴面とシンクロール上面との間の距
離(mm) C: めっき槽底部とシンクロール下面との間の距離(mm) D: シンクロールにより方向変更された後の鋼板の広幅
面とめっき槽の内壁との間の距離(mm) 鋼板を溶融亜鉛めっきする際には、スナウト20を経て浴
内に案内された鋼板12はめっき浴に侵入・浸漬されなが
ら鋼板12の走行ラインに沿って平行して設けられためっ
き槽の内壁14に沿って走行し、シンクロール24を周回し
てからは上方向に引き上げられる。めっき浴を出たとこ
ろで目付け量を調整する。図示例にあってはガスワイピ
ングノズルに代えて固体接触型ワイパー26が設けられて
いる。
【0030】めっき浴面はめっき槽上に設けたシール板
28によって外部との接触を断たれて内部を窒素ガス雰囲
気に保持しており、浴面および鋼板のめっき面の酸化を
抑制し、固体接触ワイピング装置への亜鉛酸化物のスラ
ジの付着を防止している。
【0031】図中、符号30で示すのは還元性ガスまたは
不活性ガス( 例: 窒素ガス) 用のセラミックス散気管で
あって、浴内にバブリングされた還元性ガスまたは不活
性ガスは浴を冷却するとともに撹拌して浮遊物の鋼板へ
の付着を促進するとともにシール板28内の雰囲気を還元
性ガスまたは不活性ガス雰囲気とするのに有効である。
【0032】インゴット36はめっき浴の補充用、つまり
定常状態でのめっき面の維持のためであって、また操業
時にめっき面がなんらかの原因で変動する場合には、こ
のインゴット36を上下させることによって浸漬量を調節
し、めっき浴の上面を常に一定に保持する機能を有す
る。
【0033】ここに、本発明によれば、鋼板が侵入して
からシンクロールに達するまでにおいて、鋼板広幅面と
めっき槽内壁との距離を200mm 以内、好ましくは100 mm
以内とする。シンクロールにより垂直方向に方向転回さ
れた鋼板とめっき槽内壁との距離は700mm 以内、一般に
は100 〜700 mm、好ましくは200mm 以内とする。またシ
ンクロール上面を浴面下200mm 以内、好ましくは100 mm
以内、下面とめっき槽底面との距離が200mm 以内、好ま
しくは100 mm以内とする。
【0034】本発明の好適態様によれば、図1に示すよ
うに、連続式溶融めっき設備のめっき槽10において、ス
ナウト20とめっき槽の内壁14とを一体構造とすることに
よって、めっき槽をよりコンパクト化することができ
る。したがって、スナウト20から侵入する鋼板12はスナ
ウト延長面状の面に沿って移動し、めっき槽内壁との最
少限の距離 (100 mm以内) を保つ。シンクロール上、下
面も100 mm以内に保つ。これらの近接により系内攪拌を
十分に保つことができる。
【0035】垂直方向に方向転回した鋼板の広幅面とめ
っき槽内壁との距離も短いほど攪拌力向上のため望まし
いがめっき原料供給のため100 〜700 mm以内の距離を保
ち、めっき原料の供給と攪拌力をバランスできる。
【0036】かかる小容量のめっき槽を用いて溶融亜鉛
めっきが行われ、このようにめっき槽を小容量化するこ
とにより空いたスペースを活用して、不活性ガス雰囲気
下で加熱固体の接触により目付制御を実施する。
【0037】ところで、上述のような溶融亜鉛めっき鋼
板の製造装置へのめっき原料の供給方法として、インゴ
ットの浸漬量により液面高さを一定に保つように制御し
てもよい。ただし、原料の形態としてはインゴットの他
に板状、線材、粉体添加も含まれる。浸漬量を変えるこ
とで液面高さを変えるということからは、大型のインゴ
ットが好ましい。
【0038】めっき浴成分の調整方法として、Al=0.
05〜0.20%、Al≒0%、Al=1〜100 %のめっき原
料を使用することが好ましい。
【0039】図2は、本発明において用いられる固体接
触型ワイピング装置26の概略説明図であり、これはヒー
タ40内蔵の一対のセラミック材( 例: 窒化珪素)42 、44
を対向させて構成され、一方のセラミック材44は固定壁
面46に固定されており、他方は可動式とし、セラミック
材42の押付け圧を調整可能とし、この押付力によって両
セラミック材の間を走行する溶融亜鉛めっき鋼板12の目
付け量を調整する。
【0040】このように、固体接触ワイピング装置はス
ナップロールと同様のパス安定化、反り矯正機能も有す
る。
【0041】本発明によれば、めっき槽の小容量化でス
ナウト後部のデッドスペース(不要スペース)がなくな
り液の停滞部分がなくなり、攪拌力は大幅に向上する。
そのためドロスを生成する微粒子は十分に成長しないう
ちにめっき鋼板表面に付着するなどして槽外に取り出さ
れ、槽内に堆積しない。また収容する溶融亜鉛の量も、
例えば 30 〜40トンと少なく、浴組成の変更を速やかに
行い得るばかりでなく、溶融亜鉛めっき浴を維持するた
めのエネルギー量が少なくて済むなどの利点の他、次の
ような利益が得られる。
【0042】(1) 既存の大容量めっき槽を使用して改造
が可能である。
【0043】(2) 浴中機器と浴との接触部分が減少し、
めっき浴中へのFeの溶出も減少させることができる。
【0044】(3) 浸漬しているインゴットは液面レベル
のコントロール機能を持つと同時に、邪魔板の機能をも
たせることができ、攪拌効果を一層上げることができ
る。
【0045】(4) 上記の省スペースによりめっき槽内に
おける約半月の溶融亜鉛保有量が2日分程度に低減さ
れ、小ロット多品種の迅速対応が可能である。
【0046】(5) ガスワイピング方式を用いないため、
騒音の発生が極めて小さく、良好な作業環境が保てる。
【0047】次に、実施例によって本発明をさらに具体
的に説明する。
【0048】
【実施例】図1に示す小容量めっき槽10 (約Zn容量30ト
ン) を試作し、固体接触ワイピング装置26により目付量
コントロールを行い、浴面上方より、不活性ガスにより
雰囲気シールを行い溶融亜鉛めっきを行った。
【0049】また上記の雰囲気シールに加え不活性ガス
としてN2ガスを使用し、セラミック散気管30にてめっき
槽底部より吹込むことも行った。
【0050】固体接触型ワイピング装置26としては、鋼
板に付着した亜鉛の温度を保持するために図2に示すよ
うに内部にヒーター40を組み込んだセラミック (窒化硅
素)材質のものを用いた。
【0051】めっき原料としてはAl濃度( トレース量、
0.1 %、1%、10%) の異なる亜鉛インゴット (約1ト
ンの重量) あるいは適宜小片インゴット (約20kg) 、板
状のもの (例えばカソードZn) 、ワイヤー状Al、塊状、
粉体状Zn、Al、Zn−Al混合物を適宜組み合わせて使用し
た。
【0052】浴面のレベルコントロールは約1トンのイ
ンゴットの浸漬度合で行い、液面レベル計と押込み量を
連動させ制御した。
【0053】以上のようなめっき条件の下で、めっき槽
内壁と鋼板との距離と表面欠陥との関係を各A、B、
C、Dの距離を変えて後24時間を経た安定操業時のドロ
ス欠陥数 (数/100m2)で評価した。
【0054】(1) スナウトから入ってきた鋼板とメッキ
内壁との距離を変えて、ドロス欠陥量との関係を求め
た。距離としてはA=30、50、100 、200 、500 mmの5
水準にて比較した。ただし、シンクロール上面の液面か
らの距離および下面のめっき槽底部からの距離B、C=
100 mm、方向を変えてからの鋼板とめっき槽内壁との距
離D=700 mmとした。
【0055】(2) シンクロール上面の液面からの距離お
よび下面のメッキ槽底部からの距離、それぞれB、C=
30、50、100 、200 、500 mmの5水準にて比較した。た
だし、A=100 mm、D=700 mmとした。
【0056】(3) シンクロールにより垂直方向に方向転
回された鋼板とめっき槽内壁との距離をD=100 、300
、500 、700 、1000の5水準に変化させ比較した。た
だし、A=100 mm、 B、C =100 mmとした。
【0057】操業は有効Al濃度0.08〜0.10重量%、スナ
ウト材温度480 ℃、浴温度460 ℃、ラインスピードは 1
00、120 m/min の2水準、板厚1mm、板幅1800mm、材質
としては極低炭材を使用して評価した。
【0058】これらの結果を図3ないし図11にグラフで
示す。
【0059】図3はドロス欠陥発生個数とAの距離との
関係を示すグラフである。図3に示すように、Aは200m
m 以内、好ましくは100 mm以内であればドロス欠陥数は
ゼロになる。
【0060】図4はドロス欠陥発生個数とBの距離との
関係を示すグラフである。図4に示すようにBはAの場
合と同様に200mm 以内、好ましくは100 mm以内であれば
ドロス欠陥数はゼロになる。
【0061】図5はドロス欠陥発生個数とCの距離との
関係を示すグラフである。図5に示すようにCもA、B
の場合と同様に200mm 以内、好ましくは100 mm以内でド
ロス欠陥数はゼロになる。
【0062】図6はドロス欠陥発生個数とDの距離との
関係を示すグラフである。図6に示すようにDは700 mm
以内、好ましくは300mm 以内であればドロス欠陥数はゼ
ロになる。併せて図6の結果から、インゴットを浸漬す
るとより効果が大きいことも判った。
【0063】次いで、固体接触型ワイピング装置の片側
を固定して一方の押付力を変えて目付コントロールを実
施した。目付量は両面付着量で評価した。押付け圧は
0、0.1 、0.3 、0.5 、0.8 、1.0 、1.5 、2.0 kg/cm2
の8水準にて評価した。
【0064】図7に示すように押付け力を変化させるこ
とにより、目付量は定量的に変化する。ラインスピード
と目標目付量を勘案して押付け圧を選定すれば良い。
【0065】次に、上記で選定したA、B、C=100 m
m、D=700 mm、ラインスピード=100m/minの条件下で
インゴットによる浴面レベルコントロールの制御性を調
べたところ、図8に示すように±20mm以下の精度が出せ
ることが判った。
【0066】同様にして、浴温度のコントロールも、N2
ガスの吹込み量を制御することにより460 ℃狙いに対し
て図9に1例を示すように±5℃以下の精度が得られ
た。
【0067】図10は、不活性ガスの浴中への吹込み効果
を示すグラフであり、雰囲気シールだけでなく不活性ガ
スを吹込むことでドロス欠陥減少はより顕著となり浴中
への不活性ガス吹込み量を増大させることによりドロス
欠陥発生個数をゼロにすることができる。
【0068】図11は、表面酸化欠陥生成に及ぼす同じく
不活性ガスの吹込み効果を示すグラフである。ドロス欠
陥の場合と同様に目視検査によって表面の酸化亜鉛によ
る疵の数を計測したが、不活性ガス量により、表面酸化
物欠陥も少なくなっていることがわかる。
【0069】実施例2 図1の装置を使用してラインスピード100m/min、押付け
圧 1kg/cm2、A=100、B=100 、C=100 、D=700
(mm)、N2ガス冷却・シール (120 l/min)で行い合金化処
理を行ったところドロス欠陥ばかりか表面酸化欠陥のな
い外観が極めて良好な両面の合計目付量100g/m2 の合金
化処理鋼板が得られた。
【0070】
【発明の効果】本発明によりドロス欠陥はもちろんのこ
と、表面酸化欠陥による表面疵および外観悪化等を大幅
に改善できる。
【0071】また、小容量のめっき槽のため小ロット多
品種要請にスムーズに対応でき、同時に省資源・省エネ
ルギーの効果も大きい。
【0072】さらに多量のガスを使用するガスワイピン
グに変えて、固体接触型ワイピングを採用するためガス
不要であり、省資源と同時に騒音も大幅に改善できる。
したがって、大量のガスを使用しない騒音の小さい省エ
ネルギー・省資源ワイピング技術が実現される。
【0073】以上のように、本発明は、従来の溶融亜鉛
めっきの考えを革新的に変える時代の要請に合致した発
明である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる溶融亜鉛めっき鋼板の製造装置
の概略説明図である。
【図2】本発明において使用する固体接触ワイピング装
置の概略説明図である。
【図3】本発明の実施例の結果を示すグラフである。
【図4】本発明の実施例の結果を示すグラフである。
【図5】本発明の実施例の結果を示すグラフである。
【図6】本発明の実施例の結果を示すグラフである。
【図7】本発明の実施例の結果を示すグラフである。
【図8】本発明の実施例の結果を示すグラフである。
【図9】本発明の実施例の結果を示すグラフである。
【図10】本発明の実施例の結果を示すグラフである。
【図11】本発明の実施例の結果を示すグラフである。
【符号の説明】
10 : めっき槽 12 : 鋼板 14 : めっき槽内壁 16 : 液面 20 : スナウト 24 : シンクロール 26 : 固体接触型ワイピング装置
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−166352(JP,A) 特開 平3−277755(JP,A) 特開 平4−272162(JP,A) 特開 平4−323355(JP,A) 実開 昭63−110559(JP,U)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 めっき槽内の溶融亜鉛めっき浴に連続的
    に侵入させた鋼板を、浴中に設けたシンクロールを周回
    させて方向を変えてから浴より引き上げてめっきする溶
    融亜鉛めっき鋼板の製造方法において、前記めっき槽は
    その底部とシンクロール下面との距離が200mm 以下、鋼
    板がシンクロールに接触するまでの該鋼板の広幅面とめ
    っき槽の内壁との距離は200mm 以下、さらにシンクロー
    ルにより方向変更された後の鋼板の広幅面とめっき槽の
    内壁との距離は700mm 以下であり、該めっき槽中の溶融
    亜鉛の浴面はシンクロール上面の上方200mm 以内である
    溶融亜鉛めっき浴中を通板させることを特徴とする表面
    欠陥の少ない溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。
  2. 【請求項2】 スナウト、シンクロールおよびめっき槽
    を備えた溶融亜鉛めっき鋼板の製造装置において、前記
    めっき槽はその底部とシンクロール下面との距離が200m
    m 以下、鋼板がシンクロールに接触するまでの該鋼板の
    通板ラインとめっき槽の内壁との距離は200mm 以下、さ
    らにシンクロールにより方向変更された後の鋼板の通板
    ラインとめっき槽の内壁との距離は700mm 以下であり、
    通板ラインにおけるシンクロールの下流であってめっき
    槽頂部近傍に固体接触型ワイピング装置を設け、さらに
    スナウトから該固体接触型ワイピング装置までの通板ラ
    インおよびめっき浴面を不活性ガスおよび/ または還元
    性ガス雰囲気とするシール手段をめっき槽上部に設けた
    ことを特徴とする表面欠陥の少ない溶融亜鉛めっき鋼板
    の製造装置。
  3. 【請求項3】 前記不活性ガスおよび/ または還元性ガ
    スのバブリングのための散気管をめっき槽内にさらに設
    けたことを特徴とする請求項2記載の装置。
  4. 【請求項4】 溶融亜鉛めっき鋼板の製造装置へのめっ
    き原料補給方法であって、めっき原料の塊状体をめっき
    浴中に部分的に浸漬してめっき浴にめっき原料を補給す
    るとともに、該めっき原料の浸漬深さを調整することに
    より、めっき浴面高さを制御することを特徴とする請求
    項2または3記載の溶融亜鉛めっき鋼板の製造装置への
    めっき原料補給方法。
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