JPH0734209A - 連続溶融めっき方法及びその方法に使用するドロス除去装置 - Google Patents

連続溶融めっき方法及びその方法に使用するドロス除去装置

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JPH0734209A
JPH0734209A JP18104693A JP18104693A JPH0734209A JP H0734209 A JPH0734209 A JP H0734209A JP 18104693 A JP18104693 A JP 18104693A JP 18104693 A JP18104693 A JP 18104693A JP H0734209 A JPH0734209 A JP H0734209A
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Masanori Kurihara
正典 栗原
Yutaka Suzukawa
豊 鈴川
Koji Kobayashi
廣司 小林
Noboru Taguchi
昇 田口
Masahiro Iwabuchi
正洋 岩渕
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Nippon Kokan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】案内部材21により、溶融めっき浴槽3内のス
トリップ1侵入側の底部にドロスを集中的に堆積させ、
上昇管10を溶融めっき浴槽1に設置して、上昇管10
の下部吸引口がドロス堆積位置になるようにする。そし
て、真空引き及びガスリフトポンプの作用で上昇管10
の下部吸引口からめっき液を吸引し、吸引した溶融めっ
き液をめっき浴槽1からドロスをフィルター15で分離
除去し、ドロスを除去した溶融めっき液を下降管により
溶融めっき浴槽3に戻す。フィルター15は着脱可能に
装着され、ドロスが溜まると交換される。 【効果】めっき液を循環させてドロス除去を行い、めっ
き浴槽内を常に清浄に維持し、かつフィルターを着脱可
能としてめっき槽の交換、交換後のオフラインでのドロ
ス除去作業が解消する。めっき槽交換のためにラインを
休止する必要がなくなり、連続かつ安定的に表面性状の
美麗な亜鉛めっき鋼板の製造ができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ストリップ等の帯状金
属部材(以下、ストリップと略称する)を連続的に溶融
亜鉛浴に浸漬させて溶融亜鉛めっきする連続溶融亜鉛め
っき方法に係り、特にめっき浴槽内のドロスが鋼帯表面
に付着するのを防止する方法及びその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ストリップの連続溶融亜鉛めっき設備に
おいて、溶融亜鉛めっきを行うには、図6に示すよう
に、焼鈍処理されたストリップ1をスナウト2を通じて
めっき浴槽3内に吸引し、浴中ロール4を回転させてス
トリップ1を反転して垂直に引上げ、ストリップがめっ
き浴槽3から出た直後に、ストリップ表面に付着してい
る溶融亜鉛をエアナイフ5で払拭して、溶融めっき層厚
を調整している。
【0003】このめっき浴槽3は、一般的に、箱型の形
状をし底部が水平な構造となっている。また、めっき浴
では、ストリップ1の通過や浴中ロールの回転によって
随伴流が準定常的に引き起こされる。さらに、めっき浴
では、浴温を調整するために誘導加熱装置6が用いられ
るが、これにより循環流が準定常的に生じている。そし
て、ストリップ1の通過スピード(ラインスピード)や
サイズなどが変更されると、随伴流や循環流の流れの強
さや向きが微妙に変化しながら絶えず流動している。
【0004】さらにめっき浴槽内では、ストリップ1や
金属製の浴中ロール4およびそれを支持するフレームな
どからFe分が浴出し、これが亜鉛と化合してFeZn
7 を主成分とするドロスが生成される。このドロスは、
その生成初期には粒径が数μmと小さく、槽内を浴流動
などと共に浮遊或いは回遊しているが徐々に成長して数
十〜数百μmに大きくなり、浴槽底部に堆積する(以
下、このドロスをボトムドロスと呼ぶ)。ボトムドロス
の堆積量が多くなると、ストリップ1の走行、ロールの
回転などの随伴流によって再び巻き上げられ、ストリッ
プ表面に付着し、表面品質を著しく劣化させる場合が増
大してくる(これをドロス欠陥と呼ぶ)。このため、ス
トリップ1のドロス欠陥として顕在化するドロス粒径
は、数十μm以上であることから、このボトムドロスの
除去及び巻き上げ防止は、溶融亜鉛めっき鋼板の品質上
大きな課題である。
【0005】近年、特に自動車車体の耐食性ニーズが高
まり、車体用に使用される表面処理鋼板の比率が高まり
つつある。特に溶融亜鉛めっき鋼板は、低価格で供給で
き防錆性にも優れるため、その適用部位が外装用部分
(いわゆるボディ)にまで拡大してきている。しかしな
がら外装用の鋼板表面は美麗さが要求されるため前記の
ようなドロス欠陥の問題は、ますます顕在化することと
なり早急に解決することが求められている。
【0006】従来は、このドロス欠陥を生じさせないた
めに、めっき浴槽を2つ以上設置して、定期的(例え
ば、10〜20日間ごと)に交換し、使用しためっき浴
槽底部に堆積したドロスをすくい出す方法が繰り返され
ている。また、めっき浴槽を1つしか有しない設備で
は、ラインを数日間休止し、清掃除去を2〜3ケ月に1
回づつ行っているところもある。いずれにしてもボトロ
ドロス除去作業を行うには、当然ながら数〜数十時間以
上の休止を余儀なくされるため、連続かつ安定的に生産
を続けられないのが実態である。また、10〜20口間
の使用中においても、堆積ドロスの量は、徐々に増大し
てくるため、使用期間の中〜後期には、ドロスの巻き上
げを抑えるためにラインスピードを低めにしたり、浴温
コントロール用の誘導加熱装置の運転を少なくするなど
様々な操業制約を行わざるをえない。
【0007】このようなことから、近年、休止回数を減
少し連続かつ安定的な生産を続けるために、様々な対策
が考えられている。例えば、使用しためっき浴槽にAl
を添加して2FeZn7 +5Al→Fe2Al5 +14
Znの反応を行わせ、これによりFe2 Al5 を浮上さ
せボトムドロスを回収する方法や、堆積したドロスをポ
ンプやN2 バブルなどで汲み上げて回収する方法などが
ある(例えば、実開昭56−170260号、実開平2
−146153号等に)。しかし、前者は、Alの一部
がめっき浴に残り、Al%が上昇するため合金化不良と
いう製品欠陥が発生しやすくなる問題がある。また後者
は、ボトムドロスを含んだ浴融亜鉛浴を系外へ引き出し
ドロスを除去した後、めっき浴にもどす方式となる。こ
のため、溶融亜鉛の凝固対策や回収除去装置の連続除去
方法及び能力、めっき槽中からのドロス収集の効率、設
置スペースなどに問題が生じている。
【0008】さらに、特開平4−220149号、特開
平4−221050号は、ポンプによるドロスの汲み上
げ循環系に沈澱槽を組み入れた構成であって、ドロスの
沈澱を促進させるため、循環亜鉛浴温度を制御し、ドロ
スを大径化することで効率よく分離する方法を開示して
いる。しかし、この方法においても浴温調節用の加熱・
冷却機能が必要であり、生産コストの増大、装置規模の
増大、高温時の蒸発亜鉛の対策など不都合が考えられ
る。
【0009】いずれにしても、不透明な高温液体金属中
から比重が3〜6%重い程度の流動変化に敏感な微小粒
子を回収し、溶融亜鉛を安全かつ安定的に汲み上げ循環
し容易にドロスを分離できる方法はなく、決め手を欠い
ているのが現実であった。更に、複数基のめっき槽を有
し、交換使用する方式の場合、汲み上げ、除去装置の固
定装置は制約を受け、汲み上げ配管、もどし配管の着
脱、配管内に残溜する溶融亜鉛の処理方法などに問題が
残されている。
【0010】上述の通り、ドロスの汲み上げ→分離・除
去→清浄浴の戻しに関連する技術が幾つか提案されてい
るが、提案として示されているだけのものが多く、実際
に使用できている例は少ない。
【0011】その背景には以下の三つの問題が考えられ
る。 i)溶融亜鉛めっき浴槽は、浴中ロール、それを支持す
るフレーム類、通板する鋼帯が死角部分などを形成し、
このため、汲み上げ配管、戻し配管、ノズル等の設置位
置、可動範囲が極端に制約されている。このことは、め
っき槽底部全面に堆積するドロスを効率よく収集するこ
とを難しくしている。
【0012】ii)汲み上げ、循環系の設備規模が沈澱
槽、ポンプ台数、熱補償機能などのため比較的大きく既
存設備への追加設置が難しい。しかも、近年、めっき槽
を複数個設置する設備が多く、めっき槽の交換の際に、
汲み上げ配管、もどし配管の着脱、配管内に残溜する溶
融亜鉛の処理などが作業安全面を含めて確立されていな
い。
【0013】iii)沈澱分離、フィルターによる分離等
いずれかのドロス分離方式においても、分離したドロス
のみを装置から回収する装置や作業手順が確立していな
い。例えば、沈澱方式の場合は、パン皿あるいはバケッ
ト等の取り出し、取り付け時の本体装置とのシール処理
(パン皿、バケット裏面への溶融亜鉛の侵入)や、フィ
ルター方式の場合の固定方式、再セットなどに現実性を
欠いている。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、特願平
5−20950号において、溶融めっき槽内の流れを制
御することで、浴中ロール直下付近にボトムドロスを堆
積させないことを目的とした案内板を備えた溶融めっき
方法を提案した。この方法は、めっき槽への鋼帯の進入
位置から浴中ロールまでの間に生じる鋼帯の随伴流や浴
中ロールの随伴流を鋼帯から離反する方向へ案内するの
で、沈降してくるドロスは鋼帯の進入側のめっき槽底部
に集中的に堆積し二度と巻き上がらないことに特徴があ
る。
【0015】この方法によれば、案内板は、めっき槽使
用期間中のドロスの再巻き上げ、浮遊を完全に防止し、
案内板が埋没しないかぎりその効果を発揮するもので、
めっき浴槽の交換回数を限界まで低減して、ドロス欠陥
の発生しない美麗な表面性状のめっき鋼板を製造するこ
とができる。
【0016】さらに、この方法において、操業中に堆積
してくるドロスを連続的に分離除去することができれ
ば、めっき浴槽の交換は必要なくなり、交換後、オフラ
インで行っていたドロス除去作業も解消することができ
る。しかも、めっき浴槽を二つ以上設置する必要がなく
なり、設備建設コスト、運転コストも大幅に低減するこ
とが可能となる。
【0017】本発明者らは、ドロス欠陥の生じない連続
溶融亜鉛めっき方法及び装置を徹底的に追求し、特願平
5−20950号に示した案内板方式を発展させ、完成
されたシステムの確立が必要であると考えた。
【0018】本発明は上記事情に鑑みてなされたもの
で、その目的とするところは、めっき浴槽底部に堆積す
るドロスを効率よく収集する連続溶融めっき方法及びそ
の方法に使用するドロス回収装置を提供するものであ
る。
【0019】また、本発明の目的は、追加設備が簡単で
すみ、分離したドロスの回収作業処理が簡単で、作業安
全面等を考慮して、実施が容易な連続溶融めっき方法及
びその方法に使用するドロス回収装置を提供するもので
ある。
【0020】
【課題を解決するための手段】本発明の連続溶融めっき
方法は、帯状金属部材を溶融めっき浴槽の溶融めっき液
内に導入し、この溶融めっき液内に導入された帯状金属
部材を浴中ロールの回転により溶融めっき浴槽から引上
げる工程と、この帯状金属部材の導入により生じる随伴
流と浴中ロールの回転により生じる随伴流とを、溶融め
っき浴槽内に配置した案内部材により、帯状金属部材か
ら離反する方向へ案内して、溶融めっき液に含まれるド
ロスを溶融めっき浴槽の帯状金属部材導入側底部に堆積
させる工程と、溶融めっき浴槽の帯状金属部材導入側に
上昇管の下部吸引口を浸漬し、真空ポンプとガスリフト
ポンプにより上昇管の下部吸引口から溶融めっき液を吸
引する工程と、吸引された溶融めっき液に含まれている
ドロスをフィルターを用いて分離除去する工程と、ドロ
スを分離除去した溶融めっき液を、前記上昇管に連通し
ている下降管を通して溶融めっき浴槽内に戻す工程と、
を備えている。
【0021】また、本発明の溶融めっき浴槽内に浮遊、
堆積したドロスを除去するドロス除去装置は、下部に溶
融めっき液吸引口を開口し、内部にガスリフトポンプを
備えて、溶融めっき浴槽内の溶融めっき液を吸引可能な
上昇管と、下部に溶融めっき液排出口を開口し、上部を
前記上昇管の上部と連結して、上昇管から吸引された溶
融めっき液を排出可能な溶融めっき液下降管と、上昇管
から下降管に至る溶融めっき液の経路に着脱可能に装着
されたドロス除去フィルターとを具備し、上昇管から吸
引された溶融めっき液が下降管から排出される際に、前
記フィルターで溶融めっき液中に含まれるドロスを除去
するようにしている。
【0022】
【作用】本発明では、案内部材により、溶融めっき浴槽
内のストリップ侵入側の底部にドロスを集中的に堆積さ
せ、上昇管を溶融めっき浴槽に設置して、上昇管の下部
吸引口がドロス堆積位置になるようにする。そして、ガ
スリフトポンプの作用で上昇管の下部吸引口からめっき
液を吸引し、吸引した溶融めっき液をめっき浴槽からド
ロスをフィルターで分離除去し、ドロスを除去した溶融
めっき液を下降管により溶融めっき浴槽に戻す。フィル
ターは着脱可能に装着され、ドロスが溜まると交換され
る。
【0023】
【実施例】本発明の実施例を説明する。図1は本発明方
法に適用される連続溶融亜鉛めっき装置の概略構成を示
し、(a)は横断面図、(b)は縦断面図である。この
装置は、溶融めっき浴槽3内に浴中ロール4を配置し、
溶融めっき浴槽3の上部にスナウト2を配置している。
そして、焼鈍炉20で熱処理されたストリップ1をスナ
ウト2により溶融めっき浴槽3内に案内し、ついで、回
転する浴中ロール4により溶融めっき浴槽3外に導出す
る。このことによりストリップ表面が溶融めっきされ
る。ストリップ1にめっきされた溶融亜鉛は、スアーナ
イフ5で膜厚調整される。この、溶融めっき浴槽3に
は、案内部材21が配置されている。この案内部材21
は、特願平5−20950号で示した案内板に相当し、
ストリップ1の導入位置と浴中ロール4との間でかつス
トリップ1の下方の位置に、案内部材21の延長面が、
ストリップ1の導入位置と浴中ロール4との間における
ストリップ1の進行方向と交差するような角度に設けら
れている。そして、ストリップ1の導入と浴中ロール4
の回転によりによりそれぞれ随伴流が生じるが、この案
内部材21は、これら随伴流をストリップから離反する
方向へ案内して、溶融めっき液に含まれるドロスを溶融
めっき浴槽3のストリップ導入側底部に堆積させる。こ
の案内部材21は、(a)に示すように、矢印方向に沿
って溶融めっき浴から引上げ可能となっている。
【0024】さらに溶融めっき浴槽3にはドロス除去装
置22が配置されている。このドロス除去装置22は垂
直又は傾斜設置のいずれも可能であり、また(a)に破
線で示すように、めっき浴槽交換などの時に自動昇降装
置により機械的に引き上げ、格納できる。ドロスDを入
れたフィルター15をドロス除去装置2からドロス回収
ガイド26に沿って回収可能となっている。さらにドロ
ス除去装置22は、(b)に示すように、溶融めっき浴
槽3の幅方向へレール23によって往復移動ができる。
なお、図中24は亜鉛インゴット、27は真空排気ポン
プである。
【0025】図2は、ドロス除去装置の構造を示す。こ
の装置は、材質がステンレス鋼等の金属製であるが、内
部耐火物ライニング方式の構成でもよい。この装置は、
上昇管10に下降管11を並列配置し、両者を上部槽1
2で連結している。上昇管10は下端を開口し、ここに
ノズル13をつけ、ここから溶融めっき浴槽3に堆積し
ているドロスDを広範囲に吸引するようになっている。
また上昇管10には、ガスリフトポンプを形成するガス
リフト配管14が内挿されている。そして、ガスリフト
配管14からN2 、Ar等の不活性ガスを吹き込むこと
より上昇管5内に溶融めっき液を吸引するようになって
いる。ガスの吹き込みは、図3(a)のように上昇管内
周壁から吹き込む構造でもよく、図3(b)のようにガ
スリフト配管14´を外部に配置し、先端を上昇管下端
から挿入する構造でもよい。下降管11は、長さ、向き
等を自由に変更かつ交換可能なものである。また、上昇
管と下降管の配置としては、図5に示すように、下降管
11´の下部を上昇管10内に装入した構造でもよい。
上部槽12内に装着された下降管入口部(A部)には、
バケット型状のフィルター15を下降管5に内挿する様
に設置している。フィルター15はガラス繊維、セラミ
ックス繊維、金属製(ステンレス鋼等)のメッシュ等で
形成されている。このフィルター15の固定構造は、図
4(a)に示すように上部槽12の載置部12aに突起
を設けてフィルター15の支持部15aを点接触させ、
又は図4(b)に示すように、上部槽12の載置部12
aに凹部を設け、支持部15aに凸部を設けて、載置部
12aと支持部15aとを嵌め合い構造とするの簡便な
固定構造である。さらに、フィルター15の載置部12
aにはヒーター25が内蔵されており、ドロス除去装置
でのめっき液環流運転停止後も、フィルター15との接
触部分が450℃以上となるように局部的な加熱保持が
なされるようになっている。これにより、装置とフィル
ターとの接触面に侵入してくる亜鉛を常に溶融状態に維
持することができ、運転停止後のフィルター15の脱着
を簡単に行うことが可能である。この固定方法は、環流
する浴の全量がフィルターを通過することよりも、多少
のリーク(点接触等しているフィルターと下降管との間
のリーク)を許容し、脱着を容易にすることを重視した
ものである。
【0026】つぎに上部槽12は密閉構造とし、ガスリ
フトポンプ用として投入した不活性ガスの排気口16及
びフィルター脱着用の開口扉17を有している。排気は
スチームエジェクト、真空ポンプ等で行うこともでき
る。また槽内周壁には、全てヒーター25が内蔵され、
めっき浴温度と同調する(460℃程度)制御が可能と
なっている。さらに、上部槽7に浴面センサー(図示せ
ず)が設けられ、浴面センサーによりガスリフト量制御
も行えるようになっている。すなわち、上述のような装
置とすることで、簡単に浴環流を起動、停止することが
でき、特に運転停止時は重力により装置内に溶融亜鉛が
残らないことになる。しかも、フィルター15の脱着が
容易であり、ドロスDのみが回収できるので、脱着の作
業頻度を無視すれば、コンパクトな装置設計も可能であ
る。また、案内部材と組み合わせることで、めっき浴槽
の鋼帯の進入側のみに汲み上げノズルを配置するだけで
効率よくドロスを除去できる。この位置は、浴槽内での
設置スペース、可動範囲に比較的制約が少なく既存設備
への追加設置を容易としている。
【0027】なお、フィルター15内にドロスDが溜ま
ると、開口扉17を開け、フィルター15を開口扉17
を通って外部に取りだし、図1(a)に示すようにして
回収する。
【0028】次に、本発明のドロス除去装置の具体例を
示す。例えば、めっき浴槽の深さが2000mmで、上
昇管の内径を200Aとする。また、めっき浴面から揚
程が1000mmとする。
【0029】N2 ガスを4Nm3 /min(240Nm
3 /h)投入すると、溶融亜鉛の環流量は約2.5m3
/min(150m3 /h)と計算できる。この値は、
実際の環流量の測定は難しいため、ウッドメタルとN2
ガスでのシミュレーション実験より推定したものであ
る。また、ドロスの堆積量は、めっき浴槽の使用期間と
オフラインでのドロス除去実績からおよそ0.3〜0.
8T/Dと計算される。すなわち、本装置の除去する量
を堆積量と同量でよいと考えると、ドロスは体積で0.
1m3 /D程度分離できればよく、50cm立方のバケ
ットフィルターを用意すればよいことになる。本装置の
バケットフィルターの脱着は容易であるため、1日1回
の回収作業程度となる。
【0030】
【発明の効果】本発明によれば、めっき液を循環させて
ドロス除去を行なうので、簡単な設備でめっき浴槽内を
常に清浄に維持でき、かつフィルターを着脱可能とし
て、ドロスが堆積したフィルターを交換することによ
り、めっき槽の交換、交換後のオフラインでのドロス除
去作業が解消する。また、めっき槽交換のためにライン
を休止する必要がなくなり、連続かつ安定的に表面性状
の美麗な亜鉛めっき鋼板の製造が可能となる。さらに、
ドロスはめっき浴槽の帯状金属部材侵入側底部に堆積さ
れるため、ここのドロスを除去すればよく、装置設計を
容易とする。また、ラインを新設する場合、二つ以上の
めっき浴槽を設置する必要がなくなり、設備運転コス
ト、浴保持のためのエネルギーコストも大幅に低減する
ことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す概略説明図で、
(a)、(b)はそれぞれ異なる例を示す。
【図2】図1の要部の拡大断面図。
【図3】図1の上昇管の下端部の拡大図で、(a)、
(b)はそれぞれ異なる例を示す。
【図4】図1のA部の拡大図で、(a)、(b)はそれ
ぞれ異なる例を示す。
【図5】上昇管と下降管の配置の他の実施例を示す図。
【図6】従来の装置の概略説明図。
【符号の説明】
1…ストリップ、2…スナウト、3…めっき浴槽、4…
浴中ロール、5…エアナイフ、6…誘導加熱装置、10
…上昇管、11…下降管、12…上部槽、13…ノズ
ル、14…ガスリフト配管、15…フィルター、16…
排気口、17…開口扉、18…、19…、20…焼鈍
炉、21…案内部材、22…ドロス除去装置、23…レ
ール、24…亜鉛インゴット、25…ヒータ、26…度
ロス回収ガイド、27…真空排気ポンプ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田口 昇 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 岩渕 正洋 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶融めっき浴槽の溶融めっき液内に、上
    昇管の下部吸引口を浸漬し、真空引き及びガスリフトポ
    ンプにより前記下部吸引口から上昇管内に溶融めっき液
    を吸引する工程と、 吸引された溶融めっき液に含まれているドロスをフィル
    ターを用いて分離除去する工程と、 ドロスを分離除去した溶融めっき液を、前記上昇管に連
    通している下降管を通して溶融めっき浴槽内に戻す工程
    と、 を備えた連続溶融めっき方法。
  2. 【請求項2】 帯状金属部材を溶融めっき浴槽の溶融め
    っき液内に導入し、この溶融めっき液内に導入された帯
    状金属部材を浴中ロールの回転により溶融めっき浴槽か
    ら引上げる工程と、 この帯状金属部材の導入により生じる随伴流と浴中ロー
    ルの回転により生じる随伴流とを、溶融めっき浴槽内に
    配置した案内部材により、帯状金属部材から離反する方
    向へ案内して、溶融めっき液に含まれるドロスを溶融め
    っき浴槽の帯状金属部材導入側底部に堆積させる工程
    と、 溶融めっき浴槽の帯状金属部材導入側に上昇管の下部吸
    引口を浸漬し、真空引き及びガスリフトポンプにより下
    部吸引口から上昇管内に溶融めっき液を吸引する工程
    と、 吸引された溶融めっき液に含まれているドロスをフィル
    ターを用いて分離除去する工程と、 ドロスを分離除去した溶融めっき液を、前記上昇管に連
    通している下降管を通して溶融めっき浴槽内に戻す工程
    と、 を備えた連続溶融めっき方法。
  3. 【請求項3】 溶融めっき浴槽内に浮遊、堆積したドロ
    スを除去するドロス除去装置において、 下部に溶融めっき液吸引口を開口し、真空ポンプとガス
    リフトポンプを備えて溶融めっき浴槽内の溶融めっき液
    を吸引可能な上昇管と、 下部に溶融めっき液排出口を開口し、上部を前記上昇管
    の上部と連結して、上昇管から吸引された溶融めっき液
    を排出可能な溶融めっき液下降管と、 上昇管から下降管に至る溶融めっき液の経路に着脱可能
    に装着されたドロス除去フィルターとを具備し、 上昇管から吸引された溶融めっき液が下降管から溶融め
    っき浴槽内へ排出される際に、前記フィルターで溶融め
    っき液中に含まれるドロスを除去するようにしたドロス
    除去装置。
JP18104693A 1993-07-22 1993-07-22 連続溶融めっき方法及びその方法に使用するドロス除去装置 Expired - Lifetime JP2797910B2 (ja)

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