JPH09228016A

JPH09228016A - 溶融金属めっき方法及びその装置

Info

Publication number: JPH09228016A
Application number: JP3674696A
Authority: JP
Inventors: Nozomi Tamura; 望田村; Motoki Imamura; 元己今村; Makoto Arai; 信新井; Masaharu Kanai; 正治金井; Takanori Adachi; 孝徳安達
Original assignee: Kawasaki Steel Corp
Current assignee: JFE Steel Corp
Priority date: 1996-02-23
Filing date: 1996-02-23
Publication date: 1997-09-02

Abstract

(57)【要約】【課題】溶融金属浴に鋼板１０を進入させるスナウト
３内の溶融金属浴表面に形成される浮遊不純物を除去す
る。【解決手段】スナウト３内の鋼板１０の表面に不活性
ガス１１を吹き付けて溶融金属浴の表面に沿う反転ガス
流を形成し、浮遊不純物を鋼板面から隔離し、スナウト
の側部から吸引排出する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、自動車製造や家
電、建築用材料等として用いられる鋼板の（溶融金属）
めっき鋼板の方法及びその装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】非酸化性雰囲気中で焼鈍した鋼板を、一
端が焼鈍炉に接続され他端が溶融金属めっき浴中に浸漬
されたスナウトを介して、溶融金属めっき浴に浸漬し、
溶融金属メッキを施す従来の溶融金属めっき方法におい
ては、スナウト内は、鋼板に対して非酸化性であるもの
の、溶融金属に対しては酸化性であるため、溶融金属め
っき浴表面に、酸化浮遊物が存在し、また、スナウト壁
に付着した酸化物が浴面に落下し、鋼板の浸漬時に鋼板
表面に付着し、表面欠陥の原因であった。

【０００３】この酸化浮遊物は溶融金属の酸化物あるい
はめっき成分と鋼板成分との合金成分又は化学反応生成
物である。この浮遊物が鋼板表面に付着してめっき欠陥
を生ずる原因となる。これらの不純物は、例えば、Ｚｎ
Ｏ、Ａｌ₂ Ｏ₃ 等の酸化物、又はＺｎ−Ａｌ、Ｚｎ−Ｆ
ｅ−Ａｌ、Ｚｎ−Ｆｅ、Ａｌ−Ｆｅ等の合金又は化合物
である。

【０００４】従来、スナウト内の浮遊不純物を除去する
技術として、特開平４−２７６０５２号公報、特開平５
−１２５５０９号公報、特開平５−１４０７０９号公報
等が開示されている。特開平４−２７６０５２号公報の
技術は、スナウトの鋼板幅方向一端より他端に向けて不
活性ガスを溶融金属浴面に吹き付けるもので、鋼板面の
一部に付着して持ち去られる不純物を完全に解消するに
は、大量のガスを流して、浴面に不純物がない状態にす
ることが必要となる。特開平５−１２５５０９号公報に
開示されている技術は、スナウト内の溶融金属浴面に一
方側から新鮮な溶融金属を供給し、他方側から溶融金属
表面の部分をドロスと共に吸引し、ドロス回収装置で分
離するもので、大掛かりな装置を必要とするものであ
る。また、特開平５−１４０７０９号公報に開示されて
いる技術は、スナウト内のめっき液面の位置に開口の下
半分がめっき浴中に、開口の上半分がスナウト内の雰囲
気中に位置する吸引ダクトを設け、吸引装置により連続
的にめっき浴面に浮遊するドロスや雰囲気内に飛散する
ドロスを吸引除去するものである。浴面から均一に除去
するためには、吸引ダクトの位置、大きさに制約があ
る。

【０００５】以上のように、スナウト内から不純物を除
去するために、スナウト内とスナウト外を連通管で結
び、連通管を介して不純物を吸引除去する技術のほか
に、特開平４−３０８０７０号公報のようにスナウト内
壁に固着する不純物を固着維持させて、剥離させない技
術もある。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】溶融金属めっき鋼板の
製造は、焼鈍後の鋼板を連続的に鋼板が存在する周囲の
雰囲気ガスを不活性あるいは還元性に保持しながら、溶
融金属浴に浸漬させる方法が一般的である。従来から、
鋼板侵入部の浴表面は、不活性あるいは還元性に保持さ
れているものの、微量の酸化性ガス成分の存在のため徐
々に酸化され酸化性不純物が表面に浮遊する。この浮遊
物は、スナウト内壁にも徐々に堆積固着する。この浮遊
物が鋼板に付着すると、付着浮遊物の量によっては、め
っき不良の製品欠陥を招く。

【０００７】浮遊物の除去方法として、スナウト内とス
ナウト外を連通管で結び、連通管を介して不純物を吸引
除去する方法では、スナウト内の広い部分に存在する不
純物を吸引するためには大きな容量のポンプが必要であ
る。また、不可避的に吸引される溶融金属の量も多くな
りスナウト内浴面変動の原因になりやすく、変動に起因
する製品不良、例えばめっき厚変動を招く。

【０００８】また、特開平４−３０８０７０号公報のよ
うにスナウト内壁に固着する不純物を固着維持させて、
剥離させない技術は、スナウト内壁に固着成長する不純
物をスナウト外に取除かないのであるから、製品の不純
物起因欠陥を完全に回避しうる技術ではないこととな
る。また、特開平４−２７６０５２号公報でも、鋼板面
に平行に一方向にガスを流すので、ガス流の上流側から
下流側に浮遊不純物を吹き流す過程において鋼板に浮遊
不純物が付着し、ガス流の上流側に比較し下流側で鋼板
の表面欠陥が発生しやすく、またガスによる不均一な冷
却のため、鋼板および溶融金属めっきの品質がガス流の
上流側と下流側で異なるといった問題点があった。

【０００９】本発明は、前記問題点を解決した、溶融金
属めっき方法及びその装置を提供することを目的とす
る。

【００１０】

【課題を解決するための手段】発明者らは、上述のよう
なスナウト内浮遊不純物による溶融金属めっき表面の欠
陥を防止することを課題として次の２つの技術を開発し
た。（１）スナウト内の浮遊不純物の鋼板への付着を抑制
し、スナウト内で生成、堆積した浮遊不純物を強制除去
する方法（２）鋼板へ浮遊不純物が付着しても表面欠陥とならな
いよう浮遊不純物の性質を無害に抑制し、鋼板に意図的
に付着させて、スナウト内から排出除去することによ
り、スナウト内での有害な不純物の堆積を抑制する方法である。

【００１１】本発明の第１の発明はスナウト内で溶融金
属浴内に進入する鋼板の表面近傍から浴面の不純物を隔
離することに主眼をおき、簡易な方法と装置により、鋼
板面に付着する不純物を確実に阻止することを達成す
る。すなわち本発明は、鋼板を溶融金属めっき浴に侵入
させるスナウト内の前記鋼板面に還元性ガス又は不活性
ガスを吹き付けて該不活性ガス流を反転させ、スナウト
内溶融金属表面に沿うガス流を形成し、溶融金属表面に
浮遊する不純物をスナウトの側部に吹き寄せ、該側部か
ら不純物を排出することを特徴とする溶融金属めっき方
法である。この場合さらに、前記スナウトの浴侵入深さ
を変化させる手段を併用することが好ましく、さらに、
前記スナウト内の溶融金属浴面にガスを断続的に吹き付
けて浴面を波立たせることとすればさらに好適である。

【００１２】上記本発明の第１の方法を好適に実施する
ことができる本発明の装置は、スナウト内に還元性ガス
又は不活性ガスを鋼板が溶融金属浴に浸漬する位置の直
上の両面に斜上方から吹き付けるガス吹き付けノズル
と、スナウトの側部の浴面位置に設けられガス及び浮遊
不純物を吸引する排出装置とを備えたことを特徴とする
溶融金属めっき装置である。さらに、前記スナウトを溶
融金属浴中に上下前進後退自在に形成し、スナウトを上
下前進後退させる駆動装置を備えると好ましい。

【００１３】本発明の第２の方法発明は鋼板を溶融金属
めっき浴に侵入させるスナウト内の前記溶融金属めっき
浴表面に鋼板面に向けて還元性ガス又は不活性ガスを吹
き付け、溶融金属表面に浮遊する不純物を鋼板面に吹き
寄せ、溶融金属表面に浮遊する不純物を連続的に鋼板表
面に付着させることを特徴とする溶融金属めっき方法で
ある。

【００１４】

【発明の実施の形態】溶融金属めっき装置で、溶融金属
浴より上流に設置された鋼板の還元性あるいは不活性雰
囲気加熱装置から還元性あるいは不活性雰囲気のまま鋼
板を溶融金属めっき浴に侵入させるスナウトにおいて、
スナウト内は不活性ガスあるいは還元性ガスに不可避的
に含まれる微量酸素が存在する。

【００１５】そのため、溶融金属面は、溶融金属の酸化
反応が進行する。その結果、酸化不純物が浴表面に膜状
に生成される。また、めっき過程は、鋼板成分のめっき
浴への溶出を伴うため、めっき浴では溶出した鋼板成分
とめっき成分の反応生成物が生じる。以上の結果、不純
物がスナウト浴面に浮上生成される。本発明はこれらの
浮遊不純物を浴表面に堆積させることなく取り除くもの
である。以下、本発明の実施の形態について詳細に説明
する。本発明の第１の発明は、鋼板への浮遊不純物の付
着を抑制し、強制的に、スナウト外へ排除する方法であ
る。

【００１６】スナウト内に存在する溶融金属の酸化物あ
るいはめっき成分と鋼板成分の反応生成物の浮遊不純物
を、還元性ガスは不活性ガスを鋼板に吹き付け、その反
転ガス流を利用して浮遊物不純物を鋼板から遠ざけるよ
うに吹き寄せ、スナウトの側部に集めることは、吹き付
けられたガスの浴面上流速５ｍ／ｓ以上を確保すること
により可能である。図６に、溶融亜鉛浴の浴面ガス流速
と不純物の移動速さの関係を実験室的に計測した結果を
示す。浴面ガス流速の測定には、市販の熱線風速計を用
い、不純物の移動速度は、市販のビデオテープに録画の
後、これを再生しながら移動距離と経過時間を求めて算
出した。

【００１７】スナウト壁は、めっき浴流が滞留し、スナ
ウトからの放熱によって温度が５〜２０℃程度低く、浴
面の浮遊不純物は、スナウト壁に付着固化し、堆積す
る。このため、偶発的に、スナウト壁に付着した浮遊物
が剥離し、鋼板に付着し、めっき品質が劣化する。これ
を防止するには、スナウト壁に浮遊不純物を堆積させな
いこと、堆積した不純物を除去することが必要である。
このためには、スナウト浴面の堆積物をめっき浴内に流
動させてやれば、堆積を防止できる。具体的にはスナウ
トを上下動させたりめっき浴面を上下動させることによ
って、スナウト浴面侵入深さを変化させるか、又は少な
くとも鋼板に対して非酸化性であるガスを浴面に断続的
に噴射することによって浴面を波立たせ、スナウト壁に
接する浴面のめっき浴を流動させることが効果的であ
る。

【００１８】上記本発明方法の実施のためには、スナウ
ト内に還元性ガス又は不活性ガスを鋼板に吹き付けその
反射流れを利用して浮遊不純物を吹き寄せるガス吹き付
けノズルを有し、浮遊物を吸引する吸引口および配管を
具備する装置が必要である。さらに、スナウトの浴侵入
深さを変更できるスナウト駆動装置又は浴面上昇装置を
備えると好適である。

【００１９】次に、本発明の第２の発明について説明す
る。第２の発明は無害な浮遊不純物を鋼板に意図的に付
着させて、スナウト内から排出除去することにより、ス
ナウト内での有害な不純物の堆積を抑制する方法であ
る。図４、図５はこれを示すもので図４は縦断面図、図
５はそのＢ−Ｂ矢視図である。スナウト３内で、鋼板１
０に対して非酸化性のガス１１例えばＮ₂ を浴面に吹き
つけ、非酸化性ガスの流れによって、スナウト内の溶融
金属めっき浴表面の浮遊不純物を鋼板１０に付着させ
る。これによって、スナウト内の浮遊不純物が鋼板と共
に搬出され、スナウト内から除去される。

【００２０】上記方法において、さらに、溶融金属めっ
き浴への、スナウト浸漬深さを変化させることや、溶融
金属めっき浴表面に断続的に、非酸化性のガスを吹きつ
け、スナウト内の溶融金属めっき浴表面を波立たせるこ
とによって、浴面近傍のスナウトへ壁への浮遊不純物の
固着を防止でき、浮遊不純物の堆積、固着、剥離、鋼板
への付着による不良を防止することができる。

【００２１】図７は鋼板の表面に付着した不純物の厚み
（μｍ）とめっき不良率との関係を調べた結果を示すも
のである。図７によれば不純物厚みが２μｍ以下であれ
ば鋼板に浮遊不純物が付着してもめっき不良はほとんど
発生しないことが明らかである。浴面にガスを吹きつけ
て浮遊する不純物を鋼板表面に連続的に吹き寄せ、鋼板
表面に一様に付着させることによりこれを達成すること
ができる。

【００２２】

【実施例】

実施例−１図１に示す溶融亜鉛めっき装置を対象にスナウト内に図
２、図３に示すようにガスを吹込んで本発明を実施し
た。このめっき装置は焼鈍炉１とそれにつながり、鋼板
１０を大気にふれることなく溶融亜鉛浴２に導入可能な
スナウト３を有し、溶融亜鉛浴２中に鋼板１０の進行方
向を上向きに反転させるためのロール４を有する。溶融
亜鉛浴２より引上げられた鋼板１０上に付着した溶融亜
鉛の厚みを決定する手段としてガスを用いるワイピング
装置５を有する。鋼板上の溶融亜鉛は、厚みを決定され
た後、鋼板上に冷却固着される。鋼板は、コイル状に巻
取られ本装置より払い出される。

【００２３】図２、図３に示すように、スナウト３内に
は、還元性あるいは不活性なガス１１を吹付流１２のよ
うにノズル６から鋼板１０に吹き付け、その反転流１
３、側方流１４を利用して浴面上の浮遊不純物を鋼板１
０から遠ざかるように吹き寄せ、排出流１５として、浮
遊不純物排出物１６を吸引口８から排出する。また図１
に示すように、スナウトの浴侵入深さを変更するスナウ
ト駆動装置７を有し、かつ、浮遊不純物吸引口８及び配
管９を具備している。

【００２４】スナウトに供給する鋼板の温度は、焼鈍炉
１の冷却帯出口部で４３０℃〜５００℃の範囲で実験中
一定温度になるように図示しない板温度制御装置により
制御した。まためっき浴の温度は、実験中に４３０℃〜
５００℃の範囲で、一定になるように図１には示してい
ない浴温度制御装置により制御した。鋼板１０は、７０
０ｍｍ〜１９００ｍｍの幅の範囲、０．５ｍｍ〜２．０
ｍｍの厚み範囲で選択した。亜鉛の目付量は、２０ｇ／
ｍ² 〜８０ｇ／ｍ² の範囲であった。鋼板速度は５０ｍ
ｐｍ〜１５０ｍｐｍの範囲で自由に変更した。

【００２５】めっき浴中に、ガス吹き付けノズル６によ
りＮ₂ ガスを連続的に鋼板１０の面に吐出流速１０〜１
００ｍ／ｓで吹き付け、浴表面不純物をスナウトの側部
で吸引するようにした。不めっき状況は目視判定により
製品コイル全長における不良部長さの割合で整理した。
スナウト外への不純物の排出は連続及び１２０分間隔以
内で実施した。

【００２６】スナウト内壁に付着固化する不純物をスナ
ウトの浴中侵入深さを±３０ｍｍ変化させることにより
洗浄剥離させた。洗浄は、５〜６０分ピツチで行った。（比較例）不純物を吸引する連通管を用いて、スナウト
内から厚みの薄い不純物から比較的厚くなった不純物ま
でを除去する操作を連続及び２時間ピツチ以内の範囲で
実施した。

【００２７】表１に結果をまとめて記す。実施例は比較
例に比べ、飛躍的な不良率低減を達成している。ガス流
速が７０ｍ／ｓを超える領域でめっき不良が若干多くな
る。本例は、鋼板が平坦であるため、鋼板にガスを吹き
つけて反転させてもガス流に乱れがないのですぐれた効
果を得られる。

【００２８】また、この実施例は溶融亜鉛の例であった
が、他の溶融金属でも同様であることは容易に知れる。

【００２９】

【表１】

【００３０】実施例−２図５に示す連続式溶融亜鉛めっき装置を用いて本発明を
実施した。このめっき装置は、焼鈍炉１とそれにつなが
り、亜鉛浴２に鋼板１０を大気に触れることなく導入可
能なスナウト３を有し、亜鉛浴２中のロール４で鋼板を
方向転換し、亜鉛浴２より引上げガスワイピング装置で
付着量を調節する。

【００３１】スナウト３内には、鋼板１０に対して非酸
化性であるガスをスナウト内の亜鉛浴面に吹きつけ、浴
面上の浮遊不純物を鋼板１０に付着させるノズル２６を
有する。スナウト内の鋼板幅方向の壁には整流板２２を
設けて、吹付ガスが整流されて鋼板に向かうようになっ
ている。また、スナウト３の浸漬深さを変更できるスナ
ウト駆動装置７および、少なくとも鋼板に対して非酸化
性であるガスを断続的に浴面に噴射するノズル２０を有
する。このノズル２０にはＮ₂ ガスを断続的に供給す
る。

【００３２】鋼板温度は、実験中４３０〜５００℃と
し、めっき浴温は４３０〜５００℃とした。また、鋼板
は、板幅７００〜１９００ｍｍ、厚さ０．５〜２．０ｍ
ｍのものを用いた。また、鋼板速度は、５０〜１５０ｍ
ｍとし、めっき付着量は２０〜８０ｇ／ｍ² とした。ま
た、めっき鋼板の品質は、鋼板表面の不めっきを目視で
判定し、コイル全長に対する不良長さの割合で判定し
た。（実施例）めっき中にガス吹きつけノズル２６によりＮ
₂ ガスを連続的に、浴面に吹きつけ浴表面の浮遊不純物
を鋼板に付着させた。更に、スナウト浸漬深さを±３０
ｍｍ、５〜６０分ピッチで変化させながら、または、浴
面に断続的にガスを噴射し、浴面を波立たせながら、溶
融亜鉛めっきを施した。（比較例）実施例と比較し、浮遊不純物の吹き寄せ、ま
たは、スナウト浴面浸漬変化、浴面へのガスの断続噴射
のいずれかを行わず、溶融亜鉛めっきを行った。

【００３３】表２に結果を示す。

【００３４】

【表２】

【００３５】

【発明の効果】本発明の第１の方法及び装置によれば、
スナウト内に生成する溶融金属の酸化物あるいはめっき
成分と鋼板成分の反応生成物の浮遊不純物を、還元性あ
るいは不活性なガスを鋼板に吹きつけその反射を利用し
てスナウトの側部に吹き寄せ、集積した不純物を吸引す
ることによりスナウト内から除去するので、鋼板に不純
物が付着せず、製品不良を生じることなく、連続的にめ
っき鋼板を生産できるようになった。また、ガス吹きに
よりスナウト内の微量酸素の低減も可能となり、不純物
生成速度が減少する効果もある。

【００３６】本発明の第２の方法によれば、スナウト内
生成不純物をめっき品質に影響を与えない厚さで均一に
鋼板に付着させて排出するので、不純物吸引口や配管を
必要とせず、スナウト内に不純物が堆積するのを防止す
ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】実施例の側面図である。

【図２】ガス吹込みを示すスナウトの縦断面図である。

【図３】図２のＡ−Ａ矢視断面図である。

【図４】ガス吹込みを示すスナウトの縦断面図である。

【図５】図４のＢ−Ｂ矢視断面図である。

【図６】浴面ガス速度と不純物移動速度の関係を示すグ
ラフである。

【図７】不純物厚みとめっき不良率との関係を示すグラ
フである。

【符号の説明】

１焼鈍炉２亜鉛浴３スナウト４ロール５ワイピング装置６ガス吹き付
けノズル７スナウト駆動装置８浮遊不純物
吸引口９配管１０鋼板１１ガス１２吹出し流１３反転流１４側方流１５排出流１６排出物２０ノズル２１Ｎ₂ ガス２２整流板２６ノズル２７ガス流

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者新井信千葉県千葉市中央区川崎町１番地川崎製鉄株式会社千葉製鉄所内 (72)発明者金井正治千葉県千葉市中央区川崎町１番地川崎製鉄株式会社千葉製鉄所内 (72)発明者安達孝徳千葉県千葉市中央区川崎町１番地川崎製鉄株式会社千葉製鉄所内

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】鋼板を溶融金属めっき浴に侵入させるス
ナウト内の前記鋼板面に還元性ガス又は不活性ガスを吹
き付けて該不活性ガス流を反転させ、スナウト内溶融金
属表面に沿うガス流を形成し、溶融金属表面に浮遊する
不純物をスナウトの側部に吹き寄せ、該側部から不純物
を排出することを特徴とする溶融金属めっき方法。
【請求項２】さらに、前記スナウトの浴侵入深さを変
化させる手段を併用することを特徴とする請求項１記載
の溶融金属めっき方法。
【請求項３】さらに、前記スナウト内の溶融金属浴面
にガスを断続的に吹き付けて浴面を波立たせることを特
徴とする請求項１記載の溶融金属めっき方法。
【請求項４】スナウト内に還元性ガス又は不活性ガス
を鋼板が溶融金属浴に浸漬する位置の直上の両面に斜上
方から吹き付けるガス吹き付けノズルと、スナウトの側
部の浴面位置に設けられガス及び浮遊不純物を吸引する
排出装置とを備えたことを特徴とする溶融金属めっき装
置。
【請求項５】さらに、前記スナウトを溶融金属浴中に
上下前進後退自在に形成し、該スナウトを上下前進後退
させる駆動装置を備えたことを特徴とする請求項４記載
の溶融金属めっき装置。
【請求項６】鋼板を溶融金属めっき浴に侵入させるス
ナウト内の前記溶融金属めっき浴表面に鋼板面に向けて
還元性ガス又は不活性ガスを吹き付け、溶融金属表面に
浮遊する不純物を鋼板面に吹き寄せ、溶融金属表面に浮
遊する不純物を連続的に鋼板表面に付着させることを特
徴とする溶融金属めっき方法。