JP3760907B2 - 連続式溶融金属めっき装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、溶融金属めっき鋼板を連続的に製造する装置に関するものであって、特に溶融金属を薄鋼板表面上に連続的に、安定にめっきするための操業性に優れた連続式溶融金属めっき装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
溶融金属(Zn、Al、Sn、Pb及びその合金等)めっき鋼板は自動車用、建材用、家電用、缶用として広く用いられている。溶融金属めっき鋼板の一般的な製造方法は次のとおりである。冷間圧延後の薄鋼板を前処理工程で表面を清浄化してから、無酸化性あるいは還元性の雰囲気中で焼鈍することによって表面酸化膜を除去し、次いで鋼板を酸化させることなく冷却して、ほぼ溶融金属浴の温度まで板温を下げてから浴中に浸漬させる。浴中で鋼板表面に付着した過剰の溶融金属をガスワイパで除去して付着量を調整し、そのまま冷却する。
【0003】
シンクロールを有する従来の溶融金属めっき装置を図5に示す。鋼板1はスナウト4から溶融金属浴2中に引き込まれ、シンクロール3により鉛直方向上方に引上げられる。金属浴中のシンクロール3は溶融金属の付着した鋼板1の通板を鉛直方向に方向変換させることによって、鋼板表面上の溶融金属が凝固するまでロールに非接触で鋼板1を鉛直上昇させて、擦り疵等の表面欠陥の発生を防止するための重要な装置である。
【0004】
シンクロール3の表面に付着物が形成されると、鋼板表面に押し疵を作ったり、付着物が鋼板表面に移行し表面欠陥となることがある。また多くの場合シンクロール3は駆動系を有しないので、鋼板1がスリップしてシンクロール3の回転が不連続になると、鋼板表面に擦り傷を形成することになる。さらに長時間にわたってめっき操業を続けるとシンクロール表面には凹凸ができるので溶融金属浴から取り出して手入れを行う必要がある。
【0005】
このように従来の溶融金属めっき装置は、シンクロールなどの浴中機器の存在のために操業性が悪くなる欠点があった。また、シンクロールなどの浴中機器が存在するために、溶融金属浴は極めて大きくなり、浴組成を変更する場合、特に大幅に変更して製品品種を切り替える場合は溶融金属浴の一部を汲み出して、他の溶融金属を添加する必要がある。このため多大の費用、時間、労力を必要とするので、単一のめっきラインで製造できる製品の種類には限界があった。このような問題を解決するために、これまでもシンクロールを使用しない技術が提案されてきた。
【0006】
従来、浴槽底部での溶融金属の保持に電磁力を利用しているものがある(例えば、特許文献1、特許文献2参照。)。
【0007】
また、鋼板に非接触のシール板により溶融金属を保持しているものがある(例えば、特許文献3参照。)。
【0008】
しかしこれらのめっき装置で従来から用いられているガスワイピングガス装置により付着量を調整しようとする場合、鋼板に沿ってワイピングガスの下降流が発生し、鋼板近傍の溶融金属に過剰のヘッド圧がかかり、浴槽底部の開口部から溶融金属が漏洩し易くなるという問題がある。さらに浴面高さの極めて低い溶融金属浴を使用する場合、鋼板に沿ったワイピングガスの下降流により鋼板近傍の浴面が低下し、鋼板に付着すべき溶融金属が枯渇してしまうという問題がある。
【0009】
【特許文献1】
特公昭51−20334号公報
【特許文献2】
特開平2−298247号公報
【特許文献3】
特開平4−356号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記問題点を解決することを目的とするもので、溶融金属めっき鋼板の製造装置であって、シンクロールを使用しない溶融金属めっき装置において、従来から使用されているガスワイピングにより生ずるトラブルを解消し、めっき金属の鋼板への付着量を安定的に調整可能とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、浴槽の底部にスリット状の開口部を有する溶融金属浴を用い、この溶融金属浴の底部から侵入させた鋼板を上方に引き上げめっきを施した後、ガスワイパにより付着量制御を行う連続式溶融金属めっき装置において、ワイピングノズルと溶融金属浴面との間に遮蔽板を設け、該遮蔽板と鋼板との間の距離を10mm以下とすると共にワイピングノズルと溶融金属浴面との間にガス吸引装置を設け鋼板に沿って下降するワイピングガスを吸引する装置である。
【0012】
【作用】
本発明の具体的構成及び作用について説明する。
【0013】
本発明では溶融金属の浴槽として図1に示すような浴槽12を用いる。鋼板1は非酸化性あるいは還元性雰囲気中15を通過した後、デフレクタロール7で鉛直方向に方向変換し、サポートロール5で反りを矯正され、サポートロール8で振動を抑制されながら溶融金属浴2に連続的に侵入する。溶融金属浴2を保持する浴槽12の底部には、鋼板2が侵入する開口部11が設けられ、開口部11にはシール板10が設けられている。このシール板10は、浴槽底部の開口部11から溶融金属が漏洩するのを防止するものである。
【0014】
浴槽12から引き上げられ溶融金属を付着した鋼板1は、ガスワイパ6から噴出されるワイピングガスにより、鋼板表面に付着した過剰の溶融金属を除去して、付着量を調整する。このワイピングガスは、鋼板1に沿う下降流となって溶融金属浴の上面にヘッド圧を負荷し、浴槽12の底部の開口部11からの溶融金属浴の流出を促進する。
【0015】
本発明においては、鋼板に沿うワイピングガスの下降流を、ワイピングノズル6と溶融金属浴面との間に設置した遮蔽板13で抑制することにより溶融金属浴面への過剰なヘッド圧が作用するのを防止することができ、浴槽底部の開口部11からの溶融金属の流出を押えることができる。遮蔽板13は鋼板侵入位置にスリット状の開口部16を有し、溶融金属浴面を全て覆うものとすればよく、スリット状開口部16における遮蔽板13と鋼板1との間の距離を10mm以下とする。さらに遮蔽板13は、図3に示すように、ガイドローラ17により鋼板の幅方向パスラインの変動に追従可能な構造とする。
【0016】
また遮蔽板13と共に鋼板に沿うワイピングガスの下降流を吸引するガス吸引装置14を設けることにより同様の効果を得ることができる。ワイピングガスの下降流を吸引するためのガス吸引装置14は、図4に示すように、少なくともワイピングノズル幅以上のスリット又は多孔18が設置してあり排気ポンプ19により下降流を吸引するものである。スリット又は多孔18と鋼板1との間の距離は10mm以下が好ましい。また遮蔽板13とワイピングガス下降流のガス吸引装置14を組み合わせて使用すると効果的である。
【0017】
【実施例】
次に実施例に基づいて本発明を説明する。図1は本発明の実施例の縦断面図である。
【0018】
溶融金属として亜鉛を使用し、シール板10と鋼板1との隙間を0.5mm、シール板先端における溶融亜鉛浴2のヘッド高さを30mm、溶融亜鉛浴温を470℃として板厚0.7mm、板幅500mmの鋼板を100m/minのライン速度で通板した。遮蔽板13を用い遮蔽板13と鋼板1との距離を2mmとし、ガスワイパによって溶融亜鉛の付着量を50g/m2 に制御したところ浴槽底部の開口部から溶融亜鉛の漏洩はなく、安定してめっき操業を続けることができる。
【0019】
比較例
溶融金属として亜鉛を使用し、シール板と鋼板との隙間を0.5mm、シール板先端における亜鉛浴のヘッド高さを30mm、溶融亜鉛浴温を470℃として板厚0.7mm、板幅500mmの鋼板を100m/minのライン速度で通板した。遮蔽板を用い遮蔽板と鋼板との距離を20mmとし、ガスワイパによって溶融亜鉛の付着量を50g/m2 に制御したところワイピングガスの下降流により浴面が激しく振動し、鋼板近傍で溶融亜鉛が断続的に枯渇して安定しためっき操業を続けることができなかった。
【0020】
【発明の効果】
以上述べたように本発明による連続式溶融金属めっき方法によれば、表面欠陥の原因となり易いシンクロールなどの浴中機器を用いることなく、溶融金属めっき鋼板を連続して安定に製造することができるので産業上の意義は極めて大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の溶融金属めっきの縦断面図である。
【図2】実施例の遮蔽板の平面図である。
【図3】実施例の遮蔽板の正面図である。
【図4】実施例のガス吸引設備の断面図である。
【図5】従来の溶融金属めっき鋼板の製造装置の縦断面図である。
【符号の説明】
1 鋼板
2 溶融金属浴
3 シンクロール
4 スナウト
5、8、9 サポートロール
10 シール板
11 開口部
12 浴槽
13 遮蔽板
14 ガス吸引装置
15 非酸化性、還元性雰囲気
16 スリット状開口部
17 ガイドロール
18 スリット又は多孔
Claims (1)
- 浴槽の底部にスリット状の開口部を有する溶融金属浴を用い、該溶融金属浴の底部から侵入させた鋼板を上方に引き上げめっきを施した後、ガスワイパにより付着量制御を行う連続式溶融金属めっき装置において、ワイピングノズルと溶融金属浴面との間に遮蔽板を設け、該遮蔽板と鋼板との間の距離を10mm以下とすると共にワイピングガスを吸引するガス吸引装置を設けたことを特徴とする連続式溶融金属めっき装置。
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