JP2937076B2 - 溶融めっきラインのスナウト内亜鉛蒸気除去装置 - Google Patents
溶融めっきラインのスナウト内亜鉛蒸気除去装置Info
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- JP2937076B2 JP2937076B2 JP13618695A JP13618695A JP2937076B2 JP 2937076 B2 JP2937076 B2 JP 2937076B2 JP 13618695 A JP13618695 A JP 13618695A JP 13618695 A JP13618695 A JP 13618695A JP 2937076 B2 JP2937076 B2 JP 2937076B2
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Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、連続溶融めっきライ
ンのスナウト内の浴面より発生する亜鉛蒸気をスナウト
内からスナウト外に除去し、亜鉛蒸気に起因するめっき
不良を低減できるスナウト内亜鉛蒸気除去装置に関す
る。
ンのスナウト内の浴面より発生する亜鉛蒸気をスナウト
内からスナウト外に除去し、亜鉛蒸気に起因するめっき
不良を低減できるスナウト内亜鉛蒸気除去装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】最近の表面処理鋼板、例えば溶融亜鉛め
っき鋼板等は、耐食性に優れていることから、家庭用電
気製品、建築材料、自動車外装材等様々な分野で使用さ
れている。上記連続亜鉛めっきラインは、図3に示すと
おり、連続焼鈍炉31にて機械的性質やめっき浴への侵
入温度を調整された鋼帯32は、上部に伸縮部33を有
する昇降可能なスナウト34を介して大気に触れること
なくめっき槽35内の溶融めっき浴中に導入される。め
っき浴中に侵入した鋼帯32は、溶融めっき浴中に浸漬
配置された非駆動のシンクロールと呼ばれるパス周回ロ
ール36により方向を変えられ、溶融めっき浴上方に引
き揚げられる。めっき浴から引き揚げられためっき鋼帯
37は、ワイピングノズルによりめっき金属の付着量が
調整される。
っき鋼板等は、耐食性に優れていることから、家庭用電
気製品、建築材料、自動車外装材等様々な分野で使用さ
れている。上記連続亜鉛めっきラインは、図3に示すと
おり、連続焼鈍炉31にて機械的性質やめっき浴への侵
入温度を調整された鋼帯32は、上部に伸縮部33を有
する昇降可能なスナウト34を介して大気に触れること
なくめっき槽35内の溶融めっき浴中に導入される。め
っき浴中に侵入した鋼帯32は、溶融めっき浴中に浸漬
配置された非駆動のシンクロールと呼ばれるパス周回ロ
ール36により方向を変えられ、溶融めっき浴上方に引
き揚げられる。めっき浴から引き揚げられためっき鋼帯
37は、ワイピングノズルによりめっき金属の付着量が
調整される。
【0003】上記連続亜鉛めっきラインにおけるスナウ
トは、内部を大気雰囲気から遮断するため、一端が連続
焼鈍炉に接続され、他端は溶融亜鉛浴中に浸漬されてい
る。この連続焼鈍炉とスナウト内は、鋼帯の酸化を防ぎ
表面を還元することを目的として、一定量の水素ガスと
窒素ガスとの混合ガスで満たされている。また、連続焼
鈍炉の入口には、シールロールを設け、連続焼鈍炉の出
口であるスナウトの先端は、溶融金属で満たされためっ
き槽の浴面下に位置している。操業中の連続焼鈍炉内
は、完全に外気と遮断され、連続焼鈍炉内で加熱処理さ
れたて表面が十分に還元された鋼帯は、ターンダウンロ
ールにより方向を変えられ、スナウト内を通過してめっ
き槽内の溶融めっき浴中に導入される。鋼帯が最初にめ
っき金属と接触するのはスナウト内のめっき浴面であ
る。めっき後のめっき鋼帯の表面外観を美麗に仕上げる
には、スナウト内の浴面を清浄にすることが重要であ
る。
トは、内部を大気雰囲気から遮断するため、一端が連続
焼鈍炉に接続され、他端は溶融亜鉛浴中に浸漬されてい
る。この連続焼鈍炉とスナウト内は、鋼帯の酸化を防ぎ
表面を還元することを目的として、一定量の水素ガスと
窒素ガスとの混合ガスで満たされている。また、連続焼
鈍炉の入口には、シールロールを設け、連続焼鈍炉の出
口であるスナウトの先端は、溶融金属で満たされためっ
き槽の浴面下に位置している。操業中の連続焼鈍炉内
は、完全に外気と遮断され、連続焼鈍炉内で加熱処理さ
れたて表面が十分に還元された鋼帯は、ターンダウンロ
ールにより方向を変えられ、スナウト内を通過してめっ
き槽内の溶融めっき浴中に導入される。鋼帯が最初にめ
っき金属と接触するのはスナウト内のめっき浴面であ
る。めっき後のめっき鋼帯の表面外観を美麗に仕上げる
には、スナウト内の浴面を清浄にすることが重要であ
る。
【0004】めっき槽内の溶融めっき金属の温度は、亜
鉛めっき、亜鉛とアルミニウムの合金めっき等を施す場
合、亜鉛の融点(420℃)以上である。外気と遮断さ
れ還元ガスと不活性ガスで満たされたスナウト内の浴面
は、図4に示すとおり、酸化膜を形成できないため亜鉛
蒸気38が発生する。発生した亜鉛蒸気38は、亜鉛の
融点より壁温が低いスナウト34の内壁で凝結し、亜鉛
ダストとして固着堆積し成長する。この堆積物39は、
落下すると溶融めっき浴の表面上に浮上したり、あるい
はガイドローラ等に付着して鋼帯32と接触し、その表
面に疵をつけてめっき鋼板に表面欠陥を与えたり、堆積
物39が鋼帯32に付着してドロス欠陥や不めっき欠陥
を生じ、めっき鋼板の商品価値を著しく損なう原因とな
る。
鉛めっき、亜鉛とアルミニウムの合金めっき等を施す場
合、亜鉛の融点(420℃)以上である。外気と遮断さ
れ還元ガスと不活性ガスで満たされたスナウト内の浴面
は、図4に示すとおり、酸化膜を形成できないため亜鉛
蒸気38が発生する。発生した亜鉛蒸気38は、亜鉛の
融点より壁温が低いスナウト34の内壁で凝結し、亜鉛
ダストとして固着堆積し成長する。この堆積物39は、
落下すると溶融めっき浴の表面上に浮上したり、あるい
はガイドローラ等に付着して鋼帯32と接触し、その表
面に疵をつけてめっき鋼板に表面欠陥を与えたり、堆積
物39が鋼帯32に付着してドロス欠陥や不めっき欠陥
を生じ、めっき鋼板の商品価値を著しく損なう原因とな
る。
【0005】従来のスナウト内での亜鉛蒸気に起因する
めっき鋼板の表面欠陥の防止対策としては、スナウト端
部を溶融めっき浴直上に配置し、該スナウト端部に炉内
ガスシール装置または不活性ガスシール装置を付設して
ガスシールする方法(特開平3−111545号公報、
実開平3−78094号公報)、スナウト内の溶融めっ
き浴面にセラミックス片、分割浮遊固形物または蒸発防
止材を浮遊させ、溶融金属の蒸発を防止する方法(特開
平4−99852号公報、特開昭63−86852号公
報、特開平1−294851号公報)、スナウト内の溶
融めっき浴面直上を局部冷却する方法(特開昭63−2
77746号公報)等が提案されている。
めっき鋼板の表面欠陥の防止対策としては、スナウト端
部を溶融めっき浴直上に配置し、該スナウト端部に炉内
ガスシール装置または不活性ガスシール装置を付設して
ガスシールする方法(特開平3−111545号公報、
実開平3−78094号公報)、スナウト内の溶融めっ
き浴面にセラミックス片、分割浮遊固形物または蒸発防
止材を浮遊させ、溶融金属の蒸発を防止する方法(特開
平4−99852号公報、特開昭63−86852号公
報、特開平1−294851号公報)、スナウト内の溶
融めっき浴面直上を局部冷却する方法(特開昭63−2
77746号公報)等が提案されている。
【0006】上記特開平3−111545号公報、実開
平3−78094号公報に開示の方法は、めっき鋼板表
面のめっきむら模様などでも表面外観として不可となる
自動車用や家電製品用等のアウターパネルを製造するこ
とはできない。すなわち、自動車用や家電製品用等のア
ウターパネルの製造においては、スナウト内部の酸素濃
度を50ppm以下にする必要があるが、スナウト端部
に炉内ガスシール装置または不活性ガスシール装置を付
設してガスシールする方法では、スナウト内雰囲気中の
酸素濃度を50ppm以下にできるほどシール性が十分
ではない。また、この方法は、炉内ガスや不活性ガスが
周囲に放散され、作業環境が悪化する。また、特開平4
−99852号公報、特開昭63−86852号公報、
特開平1−294851号公報に開示の方法は、鋼板の
平坦度が悪化した場合、セラミックス片、分割浮遊固形
物または蒸発防止材が鋼板と接触し、鋼板表面に疵を生
じさせる。さらに、特開昭63−277746号公報に
開示の方法は、溶融めっき浴表面に膜が生じ、その膜が
鋼板に付着してめっきムラが発生する。また、鋼板が溶
融めっき浴に浸漬する瞬間の温度あるいは浸漬する鋼板
の周辺の溶融めっき浴の温度は、めっき鋼板の品質に及
ぼす影響が大きいため、スナウト内の鋼板や溶融めっき
浴面を冷却するのは好ましくない。
平3−78094号公報に開示の方法は、めっき鋼板表
面のめっきむら模様などでも表面外観として不可となる
自動車用や家電製品用等のアウターパネルを製造するこ
とはできない。すなわち、自動車用や家電製品用等のア
ウターパネルの製造においては、スナウト内部の酸素濃
度を50ppm以下にする必要があるが、スナウト端部
に炉内ガスシール装置または不活性ガスシール装置を付
設してガスシールする方法では、スナウト内雰囲気中の
酸素濃度を50ppm以下にできるほどシール性が十分
ではない。また、この方法は、炉内ガスや不活性ガスが
周囲に放散され、作業環境が悪化する。また、特開平4
−99852号公報、特開昭63−86852号公報、
特開平1−294851号公報に開示の方法は、鋼板の
平坦度が悪化した場合、セラミックス片、分割浮遊固形
物または蒸発防止材が鋼板と接触し、鋼板表面に疵を生
じさせる。さらに、特開昭63−277746号公報に
開示の方法は、溶融めっき浴表面に膜が生じ、その膜が
鋼板に付着してめっきムラが発生する。また、鋼板が溶
融めっき浴に浸漬する瞬間の温度あるいは浸漬する鋼板
の周辺の溶融めっき浴の温度は、めっき鋼板の品質に及
ぼす影響が大きいため、スナウト内の鋼板や溶融めっき
浴面を冷却するのは好ましくない。
【0007】また、最近のスナウト内での亜鉛蒸気に起
因するめっき鋼板の表面欠陥の防止対策としては、スナ
ウト内で発生した亜鉛蒸気を系外に除去し、亜鉛ダスト
の発生を抑制する方法としては、スナウト内で発生する
亜鉛蒸気(スカム)をスナウト内雰囲気ガスと共に一時
的に系外へ吸引し、冷却昇華後、別容器に回収し、雰囲
気ガスは再加熱してスナウト内へ再吹込む方法(特開平
6−212381号公報)、スナウト内に窒素ガス吹込
みノズル付きシール装置を設けると共に、このシール装
置と溶融亜鉛浴面との間のスナウトに排気管を連通させ
て設けた装置(特開平6−272006号公報)、連続
溶融めっき装置のスナウトに吸引ダクトと、吸引ダクト
で吸引したガスから気化した金属およびその化合物を除
去する除去装置と、清浄化したガスを炉内に戻すダクト
とを設置した装置(特開平6−306555号公報)等
が提案されている。
因するめっき鋼板の表面欠陥の防止対策としては、スナ
ウト内で発生した亜鉛蒸気を系外に除去し、亜鉛ダスト
の発生を抑制する方法としては、スナウト内で発生する
亜鉛蒸気(スカム)をスナウト内雰囲気ガスと共に一時
的に系外へ吸引し、冷却昇華後、別容器に回収し、雰囲
気ガスは再加熱してスナウト内へ再吹込む方法(特開平
6−212381号公報)、スナウト内に窒素ガス吹込
みノズル付きシール装置を設けると共に、このシール装
置と溶融亜鉛浴面との間のスナウトに排気管を連通させ
て設けた装置(特開平6−272006号公報)、連続
溶融めっき装置のスナウトに吸引ダクトと、吸引ダクト
で吸引したガスから気化した金属およびその化合物を除
去する除去装置と、清浄化したガスを炉内に戻すダクト
とを設置した装置(特開平6−306555号公報)等
が提案されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記特開平6−212
381号公報に開示の方法は、装置の主要部分をつなぐ
配管内に亜鉛ダストが堆積し、処理能力の低下、さらに
は配管閉塞により使用不能となる可能性がある。また、
この方法は、亜鉛蒸気を除去した後の雰囲気ガスを再度
加熱してスナウト内に戻すため、配管の継ぎ目等の部位
に不具合があると外気が侵入し、スナウト内や連続焼鈍
炉内の酸素濃度と露点が上昇し、めっき前の鋼帯表面が
酸化されて表面不良やめっきの密着不良が生じる危険性
がある。さらに、近年は、非操業時の作業性改善の観点
から上部に伸縮部を設けた昇降可能なスナウトが一般的
に広く採用されており、この亜鉛蒸気除去装置は昇降可
能なスナウトには設置できない欠点がある。
381号公報に開示の方法は、装置の主要部分をつなぐ
配管内に亜鉛ダストが堆積し、処理能力の低下、さらに
は配管閉塞により使用不能となる可能性がある。また、
この方法は、亜鉛蒸気を除去した後の雰囲気ガスを再度
加熱してスナウト内に戻すため、配管の継ぎ目等の部位
に不具合があると外気が侵入し、スナウト内や連続焼鈍
炉内の酸素濃度と露点が上昇し、めっき前の鋼帯表面が
酸化されて表面不良やめっきの密着不良が生じる危険性
がある。さらに、近年は、非操業時の作業性改善の観点
から上部に伸縮部を設けた昇降可能なスナウトが一般的
に広く採用されており、この亜鉛蒸気除去装置は昇降可
能なスナウトには設置できない欠点がある。
【0009】また、特開平6−272006号公報に開
示の装置は、経時的なフィルターの目詰まりや、装置の
主要部分をつなぐ配管内に亜鉛ダストが堆積し、処理能
力の低下、さらには配管閉塞により使用不能となる可能
性がある。しかも、近年は、非操業時の作業性改善の観
点から昇降可能なスナウトが一般的に広く採用されてお
り、この亜鉛蒸気除去装置は昇降可能なスナウトには設
置できない欠点がある。さらに、特開平6−30655
5号公報に開示の装置は、亜鉛蒸気を除去した後の雰囲
気ガスを再度炉内に戻すため、配管の継ぎ目等の部位に
不具合があると外気が侵入し、スナウト内や連続焼鈍炉
内の酸素濃度と露点が上昇し、めっき前の鋼帯表面が酸
化されて表面不良やめっきの密着不良が生じる危険性が
ある。また、近年は、非操業時の作業性改善の観点から
昇降可能なスナウトが一般的に広く採用されており、こ
の亜鉛蒸気除去装置は昇降可能なスナウトには設置でき
ない欠点がある。
示の装置は、経時的なフィルターの目詰まりや、装置の
主要部分をつなぐ配管内に亜鉛ダストが堆積し、処理能
力の低下、さらには配管閉塞により使用不能となる可能
性がある。しかも、近年は、非操業時の作業性改善の観
点から昇降可能なスナウトが一般的に広く採用されてお
り、この亜鉛蒸気除去装置は昇降可能なスナウトには設
置できない欠点がある。さらに、特開平6−30655
5号公報に開示の装置は、亜鉛蒸気を除去した後の雰囲
気ガスを再度炉内に戻すため、配管の継ぎ目等の部位に
不具合があると外気が侵入し、スナウト内や連続焼鈍炉
内の酸素濃度と露点が上昇し、めっき前の鋼帯表面が酸
化されて表面不良やめっきの密着不良が生じる危険性が
ある。また、近年は、非操業時の作業性改善の観点から
昇降可能なスナウトが一般的に広く採用されており、こ
の亜鉛蒸気除去装置は昇降可能なスナウトには設置でき
ない欠点がある。
【0010】この発明の目的は、上記従来技術の欠点を
解消し、亜鉛蒸気除去装置の配管詰まりや、装置にリー
ク部分が存在しても炉内への空気侵入がなく、しかも、
昇降可能なスナウトにも設置できる溶融めっきラインの
スナウト内亜鉛蒸気除去装置を提供することにある。
解消し、亜鉛蒸気除去装置の配管詰まりや、装置にリー
ク部分が存在しても炉内への空気侵入がなく、しかも、
昇降可能なスナウトにも設置できる溶融めっきラインの
スナウト内亜鉛蒸気除去装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成すべく鋭意試験研究を重ねた。その結果、スナウ
ト内の亜鉛蒸気を系外へ除去する配管の大半ならびに吸
引ブロワを溶融めっき浴中に設置することによって、溶
融金属により加熱されて亜鉛蒸気が凝結せず、配管内に
亜鉛ダストが堆積するのを防止できると共に、スナウト
本体との接続部を有しないので昇降可能なスナウトの障
害とならないこと、溶融めっき浴中に下部を浸漬して亜
鉛ダスト集塵装置を設置し、亜鉛ダスト集塵装置内の内
圧が上昇すると溶融めっき浴中にバブリングさせること
によって、炉内への空気の侵入を防止できることを究明
し、この発明に到達した。
を達成すべく鋭意試験研究を重ねた。その結果、スナウ
ト内の亜鉛蒸気を系外へ除去する配管の大半ならびに吸
引ブロワを溶融めっき浴中に設置することによって、溶
融金属により加熱されて亜鉛蒸気が凝結せず、配管内に
亜鉛ダストが堆積するのを防止できると共に、スナウト
本体との接続部を有しないので昇降可能なスナウトの障
害とならないこと、溶融めっき浴中に下部を浸漬して亜
鉛ダスト集塵装置を設置し、亜鉛ダスト集塵装置内の内
圧が上昇すると溶融めっき浴中にバブリングさせること
によって、炉内への空気の侵入を防止できることを究明
し、この発明に到達した。
【0012】すなわちこの発明は、連続溶融めっき装置
のめっき槽内の溶融めっき浴中に吸引ブロワを設置し、
該吸引ブロワの吸引側にスナウト内の浴面より高い位置
に吸引口を有する吸引配管を接続し、吐出側に溶融めっ
き浴中に下部を浸漬して設置した亜鉛ダスト集塵装置内
に吐出口を有する吐出配管を接続し、亜鉛ダスト集塵装
置の側部に溶融めっき浴中に吐出口を有する内圧調整管
を連結したことを特徴とする溶融めっきラインのスナウ
ト内亜鉛蒸気除去装置である。
のめっき槽内の溶融めっき浴中に吸引ブロワを設置し、
該吸引ブロワの吸引側にスナウト内の浴面より高い位置
に吸引口を有する吸引配管を接続し、吐出側に溶融めっ
き浴中に下部を浸漬して設置した亜鉛ダスト集塵装置内
に吐出口を有する吐出配管を接続し、亜鉛ダスト集塵装
置の側部に溶融めっき浴中に吐出口を有する内圧調整管
を連結したことを特徴とする溶融めっきラインのスナウ
ト内亜鉛蒸気除去装置である。
【0013】
【作用】この発明においては、連続溶融めっき装置のめ
っき槽内の溶融めっき浴中に吸引ブロワを設置し、該吸
引ブロワの吸引側にスナウト内の浴面より高い位置に吸
引口を有する吸引配管を連結し、吐出側に溶融めっき浴
中に下部を浸漬して設置した亜鉛ダスト集塵装置内に吐
出口を有する吐出配管を連結したことによって、スナウ
ト内の亜鉛蒸気を系外へ除去する配管の大半ならびに吸
引ブロワは、溶融金属により加熱されて亜鉛蒸気が凝結
せず、配管内に亜鉛ダストが堆積するのを防止できると
共に、スナウト本体との接続部を有しないので上部に伸
縮部を有する昇降可能なスナウトにも何ら障害となるこ
とはない。また、スナウト内より亜鉛蒸気と共に系外に
除去された雰囲気ガスは、炉内に戻さないため、炉内へ
の空気の侵入の危険性がない。さらに、この発明のスナ
ウト内亜鉛蒸気除去装置は、溶融めっき浴中から引き上
げ可能であり、定期修理時等のめっきライン停止時に溶
融めっき浴中から引き上げ、配管や吸引ブロワ等の補修
を容易に行うことができる。また、亜鉛ダスト集塵装置
の側部に溶融めっき浴中に吐出口を有する内圧調整管を
連結したことによって、亜鉛ダスト集塵装置内の内圧が
上昇すれば、内圧調整管を介して溶融めっき浴中に吐出
され、亜鉛ダスト集塵装置内の内圧が一定に制御され
る。
っき槽内の溶融めっき浴中に吸引ブロワを設置し、該吸
引ブロワの吸引側にスナウト内の浴面より高い位置に吸
引口を有する吸引配管を連結し、吐出側に溶融めっき浴
中に下部を浸漬して設置した亜鉛ダスト集塵装置内に吐
出口を有する吐出配管を連結したことによって、スナウ
ト内の亜鉛蒸気を系外へ除去する配管の大半ならびに吸
引ブロワは、溶融金属により加熱されて亜鉛蒸気が凝結
せず、配管内に亜鉛ダストが堆積するのを防止できると
共に、スナウト本体との接続部を有しないので上部に伸
縮部を有する昇降可能なスナウトにも何ら障害となるこ
とはない。また、スナウト内より亜鉛蒸気と共に系外に
除去された雰囲気ガスは、炉内に戻さないため、炉内へ
の空気の侵入の危険性がない。さらに、この発明のスナ
ウト内亜鉛蒸気除去装置は、溶融めっき浴中から引き上
げ可能であり、定期修理時等のめっきライン停止時に溶
融めっき浴中から引き上げ、配管や吸引ブロワ等の補修
を容易に行うことができる。また、亜鉛ダスト集塵装置
の側部に溶融めっき浴中に吐出口を有する内圧調整管を
連結したことによって、亜鉛ダスト集塵装置内の内圧が
上昇すれば、内圧調整管を介して溶融めっき浴中に吐出
され、亜鉛ダスト集塵装置内の内圧が一定に制御され
る。
【0014】さらに、この発明においては、亜鉛ダスト
集塵装置に窒素ガス供給配管を接続して一定量の窒素ガ
スを連続的に供給することによって、吸引ブロワ停止時
に亜鉛ダスト集塵装置内からスナウト内への空気の逆流
を防止することができる。
集塵装置に窒素ガス供給配管を接続して一定量の窒素ガ
スを連続的に供給することによって、吸引ブロワ停止時
に亜鉛ダスト集塵装置内からスナウト内への空気の逆流
を防止することができる。
【0015】この発明における亜鉛ダスト集塵装置は、
内部に吐出された亜鉛蒸気を含むスナウト内雰囲気ガス
を、亜鉛の融点以下に冷却して凝結させ、溶融めっき浴
面に落下できればよく、特に限定されるものではない
が、冷却機能を付加した箱状体で十分である。また、亜
鉛ダスト集塵装置の内圧は、内圧調整管のめっき浴中へ
の浸漬深さによって調整するが、10mmH2O程度に
調整するのが一般的である。
内部に吐出された亜鉛蒸気を含むスナウト内雰囲気ガス
を、亜鉛の融点以下に冷却して凝結させ、溶融めっき浴
面に落下できればよく、特に限定されるものではない
が、冷却機能を付加した箱状体で十分である。また、亜
鉛ダスト集塵装置の内圧は、内圧調整管のめっき浴中へ
の浸漬深さによって調整するが、10mmH2O程度に
調整するのが一般的である。
【0016】
実施例1 以下にこの発明の詳細を実施の一例を示す図1に基づい
て説明する。図1はこの発明のスナウト内亜鉛蒸気除去
装置を設置した連続溶融めっきラインの要部概略説明図
である。図1において、1は連続焼鈍炉、2は被めっき
鋼帯、3はめっき槽、4は連続焼鈍炉1に一端が接続さ
れ、他端をめっき槽3内の溶融めっき浴面下に位置させ
た上部に伸縮部5を有する昇降可能なスナウトで、連続
焼鈍炉1内で機械的性質やめっき浴への侵入温度を調整
された被めっき鋼帯2は、スナウト4を介して大気に触
れることなくめっき槽3内の溶融めっき浴中に導入され
る。6は溶融めっき浴中に浸漬配置された非駆動のシン
クロールで、めっき浴中に侵入した被めっき鋼帯2は、
シンクロール6により方向を変えられ、めっき鋼帯7と
なって溶融めっき浴上方に引き揚げられる。
て説明する。図1はこの発明のスナウト内亜鉛蒸気除去
装置を設置した連続溶融めっきラインの要部概略説明図
である。図1において、1は連続焼鈍炉、2は被めっき
鋼帯、3はめっき槽、4は連続焼鈍炉1に一端が接続さ
れ、他端をめっき槽3内の溶融めっき浴面下に位置させ
た上部に伸縮部5を有する昇降可能なスナウトで、連続
焼鈍炉1内で機械的性質やめっき浴への侵入温度を調整
された被めっき鋼帯2は、スナウト4を介して大気に触
れることなくめっき槽3内の溶融めっき浴中に導入され
る。6は溶融めっき浴中に浸漬配置された非駆動のシン
クロールで、めっき浴中に侵入した被めっき鋼帯2は、
シンクロール6により方向を変えられ、めっき鋼帯7と
なって溶融めっき浴上方に引き揚げられる。
【0017】8はめっき槽3の溶融めっき浴中に設置し
た吸引ブロワ、9は吸引ブロワ8駆動用の電動機、10
はスナウト4内の浴面より高い位置に吸引口11を有す
る吸引ブロワ8の吸引配管、12はめっき槽3の溶融め
っき浴中に下部を浸漬させて設置した亜鉛ダスト集塵装
置13内の浴面より高い位置に吐出口14を有する吸引
ブロワ8の吐出配管で、電動機9を起動して吸引ブロワ
8を駆動すれば、スナウト4内の亜鉛蒸気は雰囲気ガス
と共に吸引口11から吸引されて吸引配管10から吸引
ブロワ8、吐出配管12を経由して吐出口14から亜鉛
ダスト集塵装置13内に吐出され、スナウト4内の亜鉛
蒸気を系外除去できるよう構成されている。15は亜鉛
ダスト集塵装置13に連結した一定量の窒素ガスを連続
的に供給する配管で、亜鉛ダスト集塵装置13内に連続
的に一定量の窒素ガスを吹き込み、吸引ブロワ8停止時
の亜鉛ダスト集塵装置13内空気のスナウト4内への逆
流を防止できるよう構成されている。16は亜鉛ダスト
集塵装置13の側部に連結した溶融めっき浴中に吐出口
17を有する内圧調整管で、亜鉛ダスト集塵装置13の
内圧が所定圧力よく高くなれば、内圧調整管16の吐出
口17から亜鉛ダスト集塵装置13内の雰囲気ガスが溶
融めっき浴中にバブリングされ、亜鉛ダスト集塵装置1
3の内圧が内圧調整管16の溶融めっき浴中への浸漬深
さhに見合った圧力に制御されるよう構成されている。
た吸引ブロワ、9は吸引ブロワ8駆動用の電動機、10
はスナウト4内の浴面より高い位置に吸引口11を有す
る吸引ブロワ8の吸引配管、12はめっき槽3の溶融め
っき浴中に下部を浸漬させて設置した亜鉛ダスト集塵装
置13内の浴面より高い位置に吐出口14を有する吸引
ブロワ8の吐出配管で、電動機9を起動して吸引ブロワ
8を駆動すれば、スナウト4内の亜鉛蒸気は雰囲気ガス
と共に吸引口11から吸引されて吸引配管10から吸引
ブロワ8、吐出配管12を経由して吐出口14から亜鉛
ダスト集塵装置13内に吐出され、スナウト4内の亜鉛
蒸気を系外除去できるよう構成されている。15は亜鉛
ダスト集塵装置13に連結した一定量の窒素ガスを連続
的に供給する配管で、亜鉛ダスト集塵装置13内に連続
的に一定量の窒素ガスを吹き込み、吸引ブロワ8停止時
の亜鉛ダスト集塵装置13内空気のスナウト4内への逆
流を防止できるよう構成されている。16は亜鉛ダスト
集塵装置13の側部に連結した溶融めっき浴中に吐出口
17を有する内圧調整管で、亜鉛ダスト集塵装置13の
内圧が所定圧力よく高くなれば、内圧調整管16の吐出
口17から亜鉛ダスト集塵装置13内の雰囲気ガスが溶
融めっき浴中にバブリングされ、亜鉛ダスト集塵装置1
3の内圧が内圧調整管16の溶融めっき浴中への浸漬深
さhに見合った圧力に制御されるよう構成されている。
【0018】上記のとおり構成したことによって、スナ
ウト4内の溶融めっき浴面から発生した亜鉛蒸気は、電
動機9を起動して吸引ブロワ8を駆動すれば、スナウト
4内を上方に上昇することなく、雰囲気ガスと共に溶融
めっき浴面より高い位置の吸引配管10の吸引口11か
ら吸引され、吸引ブロワ8、吐出配管12を経由して亜
鉛ダスト集塵装置13内に吐出口17から吐出され、系
外に除去される。この場合、吸引配管10、吸引ブロワ
8および吐出配管12は、溶融めっき浴中に浸漬されて
常に亜鉛の溶融点(420℃)以上に加熱されているた
め、亜鉛蒸気は吸引配管10、吸引ブロワ8および吐出
配管12内で亜鉛ダストとして凝結することがなく、亜
鉛ダストによる配管詰まり等のトラブルを防止でき、効
率よく安定してスナウト4内の亜鉛蒸気を系外に除去す
ることができる。
ウト4内の溶融めっき浴面から発生した亜鉛蒸気は、電
動機9を起動して吸引ブロワ8を駆動すれば、スナウト
4内を上方に上昇することなく、雰囲気ガスと共に溶融
めっき浴面より高い位置の吸引配管10の吸引口11か
ら吸引され、吸引ブロワ8、吐出配管12を経由して亜
鉛ダスト集塵装置13内に吐出口17から吐出され、系
外に除去される。この場合、吸引配管10、吸引ブロワ
8および吐出配管12は、溶融めっき浴中に浸漬されて
常に亜鉛の溶融点(420℃)以上に加熱されているた
め、亜鉛蒸気は吸引配管10、吸引ブロワ8および吐出
配管12内で亜鉛ダストとして凝結することがなく、亜
鉛ダストによる配管詰まり等のトラブルを防止でき、効
率よく安定してスナウト4内の亜鉛蒸気を系外に除去す
ることができる。
【0019】亜鉛ダスト集塵装置13内に吐出された亜
鉛蒸気と雰囲気ガスは、図示しない冷却機構によって冷
却されて亜鉛蒸気は凝結して亜鉛ダストとなるが、亜鉛
ダスト集塵装置13内で溶融めっき浴面に落下しても再
溶融するため、被めっき鋼帯2と接触することがなく、
スナウト4内の亜鉛ダストに起因するめっき鋼板の表面
欠陥の発生を防止することができる。亜鉛蒸気と雰囲気
ガスの吐出により亜鉛ダスト集塵装置13の内圧力が内
圧調整管16の溶融めっき浴中への浸漬深さhに見合っ
た圧力以上に上昇すると、内圧調整管16の吐出口17
から雰囲気ガスが溶融めっき浴中にバブリングされ、亜
鉛ダスト集塵装置13の内圧が内圧調整管16の溶融め
っき浴中への浸漬深さhに見合った圧力に制御される。
鉛蒸気と雰囲気ガスは、図示しない冷却機構によって冷
却されて亜鉛蒸気は凝結して亜鉛ダストとなるが、亜鉛
ダスト集塵装置13内で溶融めっき浴面に落下しても再
溶融するため、被めっき鋼帯2と接触することがなく、
スナウト4内の亜鉛ダストに起因するめっき鋼板の表面
欠陥の発生を防止することができる。亜鉛蒸気と雰囲気
ガスの吐出により亜鉛ダスト集塵装置13の内圧力が内
圧調整管16の溶融めっき浴中への浸漬深さhに見合っ
た圧力以上に上昇すると、内圧調整管16の吐出口17
から雰囲気ガスが溶融めっき浴中にバブリングされ、亜
鉛ダスト集塵装置13の内圧が内圧調整管16の溶融め
っき浴中への浸漬深さhに見合った圧力に制御される。
【0020】なお、吸引配管10は、図1では溶融めっ
き浴中から直角に曲げて吸引口11をスナウト4内溶融
めっき浴面より高い位置に配置させているが、図1に破
線で示すようにスナウト4の傾斜と平行になるよう配置
させれば、スナウト4の昇降の邪魔になることがない。
吸引ブロワ8による吸引風量は、通常0.1Nm3/m
in程度で十分であるが、吸引配管10のスナウト4内
の浴面より高い位置の吸引口11より上部に窒素ガス吹
込みノズル付きシールダンパーを設け、窒素ガス吹込み
ノズルからの吹込み窒素ガス量程度すれば、雰囲気ガス
の吸引量をほぼ皆無とすることができる。
き浴中から直角に曲げて吸引口11をスナウト4内溶融
めっき浴面より高い位置に配置させているが、図1に破
線で示すようにスナウト4の傾斜と平行になるよう配置
させれば、スナウト4の昇降の邪魔になることがない。
吸引ブロワ8による吸引風量は、通常0.1Nm3/m
in程度で十分であるが、吸引配管10のスナウト4内
の浴面より高い位置の吸引口11より上部に窒素ガス吹
込みノズル付きシールダンパーを設け、窒素ガス吹込み
ノズルからの吹込み窒素ガス量程度すれば、雰囲気ガス
の吸引量をほぼ皆無とすることができる。
【0021】実施例2 実施例1のこの発明のスナウト内亜鉛蒸気除去装置を使
用し、吸引ブロワ8により吸引風量0.1Nm3/mi
nでスナウト4内亜鉛蒸気を連続的に吸引し、亜鉛ダス
ト集塵装置13内に吐出させながら鋼帯に溶融亜鉛めっ
きを施したAの場合と、吸引ブロワ8によるスナウト4
内亜鉛蒸気の吸引を停止して鋼帯に溶融亜鉛めっきを施
したBの場合のそれぞれについて、亜鉛めっき鋼帯のめ
っき表面状況を調査した。その結果を図2に示す。図2
の横軸は製造日数、縦軸はめっき表面の亜鉛ダスト付着
状況での指標を示すめっき表面状況で、◎は亜鉛ダスト
のめっき表面への付着がなく良好、○は亜鉛ダストのめ
っき表面への付着がめっき鋼帯1000m当たり1〜2
個で、△は亜鉛ダストのめっき表面への付着がめっき鋼
帯1000m当たり3〜5個で、×は亜鉛ダストのめっ
き表面への付着がめっき鋼帯1000m当たり6個以上
を示す。
用し、吸引ブロワ8により吸引風量0.1Nm3/mi
nでスナウト4内亜鉛蒸気を連続的に吸引し、亜鉛ダス
ト集塵装置13内に吐出させながら鋼帯に溶融亜鉛めっ
きを施したAの場合と、吸引ブロワ8によるスナウト4
内亜鉛蒸気の吸引を停止して鋼帯に溶融亜鉛めっきを施
したBの場合のそれぞれについて、亜鉛めっき鋼帯のめ
っき表面状況を調査した。その結果を図2に示す。図2
の横軸は製造日数、縦軸はめっき表面の亜鉛ダスト付着
状況での指標を示すめっき表面状況で、◎は亜鉛ダスト
のめっき表面への付着がなく良好、○は亜鉛ダストのめ
っき表面への付着がめっき鋼帯1000m当たり1〜2
個で、△は亜鉛ダストのめっき表面への付着がめっき鋼
帯1000m当たり3〜5個で、×は亜鉛ダストのめっ
き表面への付着がめっき鋼帯1000m当たり6個以上
を示す。
【0022】図2に示すとおり、この発明のスナウト内
亜鉛蒸気除去装置を使用しないBの場合は、表面品質が
特に厳しい重要管理品の製造は製造開始後4日以内に製
造を完了する必要があった。これに対しこの発明のスナ
ウト内亜鉛蒸気除去装置を使用したAの場合は、10日
間継続して製造しても表面重要管理品の製造が可能であ
った。この結果から表面重要管理品の製造可能期間が、
従来の4日間からこの発明のスナウト内亜鉛蒸気除去装
置を使用することによって10日間以上に改善すること
ができる。また、この発明のスナウト内亜鉛蒸気除去装
置を使用した場合は、この間亜鉛ダストによる配管詰ま
り等による設備トラブルの発生も皆無であった。さら
に、連続溶融めっきライン停止時には、この発明のスナ
ウト内亜鉛蒸気除去装置と干渉することなく、スナウト
の昇降を実施することができた。
亜鉛蒸気除去装置を使用しないBの場合は、表面品質が
特に厳しい重要管理品の製造は製造開始後4日以内に製
造を完了する必要があった。これに対しこの発明のスナ
ウト内亜鉛蒸気除去装置を使用したAの場合は、10日
間継続して製造しても表面重要管理品の製造が可能であ
った。この結果から表面重要管理品の製造可能期間が、
従来の4日間からこの発明のスナウト内亜鉛蒸気除去装
置を使用することによって10日間以上に改善すること
ができる。また、この発明のスナウト内亜鉛蒸気除去装
置を使用した場合は、この間亜鉛ダストによる配管詰ま
り等による設備トラブルの発生も皆無であった。さら
に、連続溶融めっきライン停止時には、この発明のスナ
ウト内亜鉛蒸気除去装置と干渉することなく、スナウト
の昇降を実施することができた。
【0023】
【発明の効果】以上述べたとおり、この発明のスナウト
内亜鉛蒸気除去装置は、スナウトの昇降と干渉すること
なく、スナウト内の溶融金属浴面より発生する亜鉛蒸気
を系外に除去することができ、スナウト内壁に付着堆積
して成長し、スナウト内浴面に落下して鋼帯表面に付着
し、表面欠陥となる亜鉛ダストに起因するめっき鋼板の
表面欠陥を防止することができる。
内亜鉛蒸気除去装置は、スナウトの昇降と干渉すること
なく、スナウト内の溶融金属浴面より発生する亜鉛蒸気
を系外に除去することができ、スナウト内壁に付着堆積
して成長し、スナウト内浴面に落下して鋼帯表面に付着
し、表面欠陥となる亜鉛ダストに起因するめっき鋼板の
表面欠陥を防止することができる。
【図1】この発明のスナウト内亜鉛蒸気除去装置を設置
した連続溶融めっきラインの要部概略説明図である。
した連続溶融めっきラインの要部概略説明図である。
【図2】実施例2における製造日数とめっき表面状況と
の関係を示すグラフである。
の関係を示すグラフである。
【図3】従来の連続溶融めっきラインの要部概略説明図
である。
である。
【図4】従来の連続溶融めっきラインのスナウト内壁へ
の亜鉛ダストの堆積状況の概略説明図である。
の亜鉛ダストの堆積状況の概略説明図である。
1、31 連続焼鈍炉 2 被めっき鋼帯 3、35 めっき槽 4、34 スナウト 5、33 伸縮部 6 シンクロール 7、37 めっき鋼帯 8 吸引ブロワ 9 電動機 10 吸引配管 11 吸引口 12 吐出配管 13 亜鉛ダスト集塵装置 14、17 吐出口 15 配管 16 内圧調整管 32 鋼帯 36 パス周回ロール 38 亜鉛蒸気 39 堆積物
Claims (2)
- 【請求項1】 連続溶融めっき装置のめっき槽内の溶融
めっき浴中に吸引ブロワを設置し、該吸引ブロワの吸引
側にスナウト内の浴面より高い位置に吸引口を有する吸
引配管を連結し、吐出側に溶融めっき浴中に下部を浸漬
して設置した亜鉛ダスト集塵装置内に吐出口を有する吐
出配管を連結し、亜鉛ダスト集塵装置の側部に溶融めっ
き浴中に吐出口を有する内圧調整管を連結したことを特
徴とする溶融めっきラインのスナウト内亜鉛蒸気除去装
置。 - 【請求項2】 亜鉛ダスト集塵装置に窒素ガス供給配管
を接続して一定量の窒素ガスを連続的に供給することを
特徴とする請求項1記載の溶融めっきラインのスナウト
内亜鉛蒸気除去装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13618695A JP2937076B2 (ja) | 1995-05-09 | 1995-05-09 | 溶融めっきラインのスナウト内亜鉛蒸気除去装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13618695A JP2937076B2 (ja) | 1995-05-09 | 1995-05-09 | 溶融めっきラインのスナウト内亜鉛蒸気除去装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08302453A JPH08302453A (ja) | 1996-11-19 |
JP2937076B2 true JP2937076B2 (ja) | 1999-08-23 |
Family
ID=15169363
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP13618695A Expired - Lifetime JP2937076B2 (ja) | 1995-05-09 | 1995-05-09 | 溶融めっきラインのスナウト内亜鉛蒸気除去装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2937076B2 (ja) |
Families Citing this family (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001108935A (ja) | 1999-08-05 | 2001-04-20 | Olympus Optical Co Ltd | 頭部装着型映像表示装置 |
JP2004339553A (ja) * | 2003-05-14 | 2004-12-02 | Nkk Steel Sheet & Strip Corp | 溶融金属めっき鋼帯の製造方法 |
JP4708801B2 (ja) * | 2005-01-27 | 2011-06-22 | 日新製鋼株式会社 | ほうろう用アルミめっき鋼板の製造方法 |
KR101294913B1 (ko) * | 2010-09-30 | 2013-08-08 | 주식회사 포스코 | 스나우트의 이물질 억제장치 및 이를 이용한 도금강판 제조장치 |
KR101461723B1 (ko) * | 2012-11-09 | 2014-11-14 | 주식회사 포스코 | 스나우트의 오염원 제거장치 |
JP6361606B2 (ja) | 2015-04-21 | 2018-07-25 | Jfeスチール株式会社 | 連続溶融金属めっき方法及び連続溶融金属めっき設備 |
-
1995
- 1995-05-09 JP JP13618695A patent/JP2937076B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH08302453A (ja) | 1996-11-19 |
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