JPH10165790A - 複合逆浸透膜の製造方法 - Google Patents
複合逆浸透膜の製造方法Info
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- JPH10165790A JPH10165790A JP32566696A JP32566696A JPH10165790A JP H10165790 A JPH10165790 A JP H10165790A JP 32566696 A JP32566696 A JP 32566696A JP 32566696 A JP32566696 A JP 32566696A JP H10165790 A JPH10165790 A JP H10165790A
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Abstract
に優れた複合逆浸透膜の製造方法を提供する。 【解決手段】 多孔性支持膜の表面に、2つ以上の反応
性アミノ基を有する化合物の溶液Aを塗工して層を形成
し、この層に多官能性酸ハロゲン化物の溶液Bを接触さ
せ、温度約20〜150℃で約1〜10分間の加熱処理
を行ってポリアミド製薄膜を形成する。そして、この薄
膜を、温度40℃〜100℃で有機物および塩類の少な
くとも一方の物質を含有する水溶液に接触させることに
より、複合逆浸透膜を製造する。前記水溶液が含有する
有機物としては、多価アルコールがあげられ、前記塩類
としては、トリアルキルアミンと有機酸との混合物があ
げられる。
Description
面にポリアミド製薄膜が形成された複合逆浸透膜の製造
方法に関し、詳しくは、水透過性能、有機物阻止性能お
よび塩阻止性能に優れた複合逆浸透膜の製造方法に関す
る。
に分離するものであり、例えば、超純水の製造、海水ま
たはかん水の脱塩、染色排水や電着塗料排水等の公害発
生原因である汚水中に含まれる汚染源あるいは有効物質
の除去回収による工業排水のクローズ化、食品工業での
有効成分の濃縮等に用いることができる。
透膜であるが、これとは構造が異なる逆浸透膜として、
多孔性支持膜の表面に実質的に選択分離性を有する薄膜
が形成された複合逆浸透膜が知られている。
の表面に、多官能芳香族アミンと多官能芳香族酸ハロゲ
ン化物との界面重合によって得られるポリアミドからな
る薄膜が形成されたものが提案されている(例えば、特
開昭55−147106号公報、特開昭62−1216
03号公報、特開昭63−218208号公報、特開平
2−187135号公報など)。この他に、複合逆浸透
膜として、多孔性支持膜の表面に多官能芳香族アミンと
多官能脂環式酸ハロゲン化物との界面重合によって得ら
れるポリアミドからなる薄膜が形成されたものも提案さ
れている(例えば特開昭61−42308号公報な
ど)。
に、添加剤を使用した複合逆浸透膜も開発されている。
前記添加剤としては、水酸化ナトリウムやリン酸三ナト
リウムなど界面反応にて生成するハロゲン化水素を除去
しうる物質や、公知のアシル化触媒、また界面反応時の
反応場の界面張力を減少させる化合物などが提案されて
いる(例えば、特開昭63−12310号公報、特開平
6−47260号公報、特願平6−319716号公報
など)。
高水透過性の追求に伴い、脱塩性能の低下や膜性能のば
らつきなどの問題が生じる傾向にあり、特に、有機物除
去性能を十分に満足していないという欠点を有してい
る。これを解決するために、複合逆浸透膜を熱水処理す
ることによって有機物除去率を向上させる方法(特公平
7−114941号公報)が提案されているが、この方
法で処理を行なった膜は、水透過性が著しく低下すると
いう問題がある。
目的は、水透過性、有機物阻止性能および塩阻止性能に
優れた複合逆浸透膜の製造方法を提供することである。
に、本発明の複合逆浸透膜の製造方法は、多孔性支持膜
の表面に、2つ以上の反応性アミノ基を有する化合物の
溶液Aを塗工して層を形成し、この層に多官能性酸ハロ
ゲン化物の溶液Bを接触させてポリアミド製薄膜を形成
し、この薄膜を温度40℃〜100℃の水溶液に接触さ
せる複合逆浸透膜の製造方法において、前記水溶液とし
て、有機物および塩類の少なくとも一方の物質を含有す
る水溶液を使用することを特徴とする。
有する化合物の溶液Aの層に多官能性酸ハロゲン化物の
溶液Bを接触させて形成されるポリアミド製薄膜に、有
機物および無機物の少なくとも一方の物質を含有する前
記所定温度の水溶液を接触させれば、得られる複合逆浸
透膜の前記薄膜(ポリアミド系スキン層)において、水
透過性が低下することなく、有機物阻止性能および塩阻
止性能が向上する。
少なくとも一方の物質において、有機物として好ましい
ものは、多価アルコールであり、塩類として好ましいも
のは、トリアルキルアミンと有機酸の混合物である。
る。本発明の複合逆浸透膜の製造方法では、多孔性支持
膜、2以上の反応性アミノ基を有する化合物の溶液A、
多官能性酸ハロゲン化物の溶液B、温度40〜100℃
で有機物および塩類の少なくとも一方の物質を含有する
水溶液Cが用いられる。
水に0.5重量%以上溶解し、かつポリアミド系スキン
層に吸着して透過水量を低下させることがない有機物で
あれば、特に制限するものではない。また、前記水溶液
Cが含有する塩類としては、正塩、酸性塩、塩基性塩な
どがあげられる。これら有機物または塩類の好適なもの
は、先に述べたとおりであるが、具体的にはつぎのとお
りである。まず、トリアルキルアミンとしては、例え
ば、トリエチルアミン、トリメチルアミンがあげられ、
前記有機酸としては、例えば、カンファーススルホン
酸、ベンゼンスルホン酸、メタンスルホン酸、クエン
酸、スルファミン酸、酢酸、シュウ酸、ポリビニルスル
ホン酸等があげられる。また、多価アルコールとして
は、例えば、プロピレングリコール、ジエチレングリコ
ール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコー
ル、グリセリン、ポリビニルアルコール等があげられ
る。これらの有機物および塩類は、単独で使用しても2
種類以上併用してもよい。このなかで、特に好ましいの
は、トリエチルアミン、カンファスルホン酸、プロピレ
ングリコールである。
塩類の少なくとも一つの物質の濃度は、その種類により
適宜決定されるが、通常、前記水溶液C全体の0.5〜
90重量%の範囲である。0.5重量%未満で前記濃度
が低い場合には、透過流束低下の抑制効果が十分に発現
しないおそれがあり、また90重量%を超えて前記濃度
が高すぎる場合には有機物除去性能の向上が十分に得ら
れなかったり、膜中に多量の有機物が残存し、これが透
過液中に溶出するおそれがあり好ましくない。なお、前
記濃度の好適範囲は、1〜30重量%である。
範囲が好ましい。pHが高過ぎても低過ぎても膜性能に
影響を与えることが考えられるからである。
00℃の範囲に設定する必要がある。これは、40℃未
満では、得られる複合逆浸透膜の有機物除去性能向上の
効果が十分に発現せず、逆に100℃を超えると、水溶
液Cが沸騰するなどの不都合が生じるからである。この
温度の好適範囲は、50〜90℃である。
ミノ基を有する化合物は、特に限定されず、例えば、芳
香族多官能アミン、脂肪族多官能アミン、脂環式多官能
アミンがあげられる。
ば、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミ
ン、1,3,5−トリアミノベンゼン、1,2,4−ト
リアミノベンゼン、3,5−ジアミノ安息香酸、2,4
−ジアミノトルエン、2,6−ジアミノトルエン、2,
4−ジアミノアニソール、アミドール、キシリレンジア
ミンなどがあげられる。
ば、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、トリス
(2−アミノエチル)アミンなどがあげられる。
ば、1,3−ジアミノシクロヘキサン、1,2−ジアミ
ノシクロヘキサン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、
ピペラジン、2,5−ジメチルピペラジン、4−アミノ
メチルピペラジンなどがあげられる。
よく、若しくは2種類以上併用して混合物として用いて
もよい。このなかで、好適なものは、m−フェニレンジ
アミン、p−フェニレンジアミン、1,3,5−トリア
ミノベンゼンである。
性アミノ基を有する化合物の濃度は、通常、溶液A全体
の0.1〜10重量%、好ましくは0.5〜1重量%で
ある。
げられる。
ノ基を有する化合物に加え、他の成分を含有していても
よい。例えば、製膜を容易にし、または得られる複合逆
浸透膜の性能を向上させるために、ポリビニルアルコー
ル、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸などの重合
体や、ソルビトール、グリセリンなどのような多価アル
コールを溶液Aに少量含有させることもできる。
載のアミン塩、例えばテトラアルキルアンモニウムハラ
イドやトリアルキルアミンと有機酸とによる塩なども、
製膜を容易にし、またこの溶液Aの多孔性支持膜への吸
収性を良くする等の理由から溶液Aに好適に用いられ
る。
リウム、ドデシル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリ
ウムなどの界面活性剤を溶液Aに配合することもでき
る。これらの界面活性剤は、溶液Aの多孔性支持膜への
濡れ性を改善するのに効果がある。
るために、界面反応にて生成するハロゲン化水素を除去
し得る水酸化ナトリウムやリン酸三ナトリウムあるいは
公知のアシル化触媒などを溶液Aに用いることも有効で
ある。
−319716号公報に記載されているように溶解度パ
ラメータが8〜14(cal/cm3 )1/2の化合物を
溶液Aに添加することができる。
化物は、特に限定されず、例えば、芳香族多官能性酸ハ
ロゲン化物、脂肪族多官能性酸ハロゲン化物、脂環式多
官能性酸ハロゲン化物などがあげられる。
は、例えば、トリメシン酸クロライド、テレフタル酸ク
ロライド、イソフタル酸クロライド、ビフェニルジカル
ボン酸クロライド、ナフタレンジカルボン酸クロライ
ド、ベンゼントリスルホン酸クロライド、ベンゼンジス
ルホン酸クロライド、クロロスルホニルベンゼンジカル
ボン酸クロライドなどがあげられる。
は、例えば、プロパントリカルボン酸クロライド、ブタ
ントリカルボン酸クロライド、ペンタントリカルボン酸
クロライド、グルタリルハライド、アジポイルハライド
などがあげられる。
は、例えば、シクロプロパントリカルボン酸クロライ
ド、シクロブタンテトラカルボン酸クロライド、シクロ
ペンタントリカルボン酸クロライド、シクロペンタンテ
トラカルボン酸クロライド、シクロヘキサントリカルボ
ン酸クロライド、テトラハイドロフランテトラカルボン
酸クロライド、シクロペンタンジカルボン酸クロライ
ド、シクロブタンジカルボン酸クロライド、シクロヘキ
サンジカルボン酸クロライド、テトラハイドロフランジ
カルボン酸クロライドなどがあげられる。
で用いてもよく、若しくは2種類以上併用して混合物と
して用いてもよい。このなかで、好適なものは、トリメ
シン酸クロライド、イソフタル酸クロライド、テレフタ
ル酸クロライドである。
混和性有機溶剤があげられ、特にヘキサン、ヘプタン、
オクタン、ノナン、シクロヘキサンなどの炭化水素、四
塩化炭素、トリクロロトリフルオロエタン、ジフロロテ
トラクロルエタン、ヘキサクロルエタンなどのハロゲン
化炭化水素などが好ましい。
物の濃度は、特に限定されず、通常、溶液B全体の0.
01〜5重量%、好ましくは0.05〜1重量%であ
る。
形成される薄膜を支持し得るものであれば特に限定され
ず、例えば、ポリスルホン、ポリエーテルスルホンのよ
うなポリアリールエーテルスルホン、ポリイミド、ポリ
フッ化ビニリデンなど種々の材料から形成されたものが
あげられる。このなかで、化学的、機械的、熱的に安定
であるという理由から、ポリスルホン、ポリアリールエ
ーテルスルホンから形成された多孔性支持膜が好ましく
用いられる。多孔性支持膜の厚みは、特に限定されない
が、通常、約25〜125μm、好ましくは約40〜7
5μmである。
合逆浸透膜の製造方法は、例えば、つぎのようにして実
施される。
2つ以上の反応性アミノ基を有する化合物の溶液Aを塗
工し塗膜による層を形成する。そして、この層の上に、
さらに多官能性酸ハロゲン化物の溶液Bを塗工し、それ
ぞれ余分の溶液を除去する。ついで、通常、約20〜1
50℃、好ましくは約70〜130℃で、約1〜10分
間、好ましくは約2〜8分間の条件の加熱処理を行う。
これにより、前記2以上の反応性アミノ基を有する化合
物と前記多官能性酸ハロゲン化物とが界面重縮合し、ポ
リアミド製薄膜が前記多孔性支持膜の表面に形成され、
複合膜が得られる。前記薄膜の厚みは、通常、約0.0
5〜2μmであり、好ましくは約0.1〜1μmであ
る。そして、この薄膜を温度40〜100℃で有機物お
よび塩類の少なくとも一方の物質を含有する水溶液Cに
接触させることにより、目的とする複合逆浸透膜が得ら
れる。
う際の前記複合膜の形状は、特に制限されず、例えば、
平膜状、スパイラルエレメント状などがあげられる。
しては、例えば、常圧での浸漬法、加圧通水法があげら
れる。前記加圧通水法による場合の圧力については、複
合膜あるいはその部材の耐性の範囲内であれば何ら制限
を受けるものではない。
おいて、特公昭63−36803号公報に記載されてい
るように、得られた複合逆浸透膜に対し、次亜塩素酸な
どによる塩素処理を行なって塩阻止性能をさらに向上さ
せることもできる。
する。
5重量%、ラウリル硫酸ナトリウム0.15重量%、ト
リエチルアミン2.5重量%、カンファースルホン酸
5.0重量%、イソプロピルアルコール20重量%を含
有する水溶液を溶液Aとし、これを多孔性ポリスルホン
支持膜に接触させて、余分の溶液Aを除去して前記支持
膜上に前記溶液Aの層を形成した。
層の上)に、トリメシン酸クロライド0.18重量%を
含む飽和炭化水素溶液(溶液B)を接触させ、ついで1
20℃の熱風乾燥機の中で3分間保持して、支持膜上に
ポリアミド製薄膜を形成させ、複合膜を得た。
ミン1重量%、カンファースルホン酸2重量%を含有す
る80℃の水溶液Cに10時間浸漬し、その後引き上げ
て、目的とする複合逆浸透膜を得た。
組成を、トリエチルアミン1重量%、ベンゼンスルホン
酸2重量%とした以外は、実施例1と同様にして複合逆
浸透膜を製造した。
組成を、トリエチルアミン1重量%、メタンスルホン酸
2重量%とした以外は、実施例1と同様にして複合逆浸
透膜を製造した。
組成を、プロピレングリコール20重量%とした以外
は、実施例1と同様にして複合逆浸透膜を製造した。
わなかった以外は、実施例1と同様にして複合逆浸透膜
を製造した。
代えて純水を用いた以外は、実施例1と同様にして複合
逆浸透膜を製造した。
較例1,2の複合逆浸透膜の性能を評価した。この結果
を、下記の表1に示す。なお、この性能評価は、約15
00ppmのイソプロピルアルコール(IPA)を含む
pH7.0の水溶液を、複合逆浸透膜に15kg/cm
2 の圧力の条件で通過させ、IPA除去率(%)および
透過流束(m3 /m2 /日)を求めることにより行っ
た。なお、IPA除去率(%)は、供給液、透過液をガ
スクロマトグラフィー分析することにより求めた。
処理を行い得られた実施例1〜4の複合逆浸透膜は、透
過流束およびIPA除去率が高いことがわかる。これに
対し、特定の水溶液Cで処理しなかった比較例1の複合
逆浸透膜は、透過流束が高いもののIPA除去率が低
く、他方、比較例2の複合逆浸透膜は、透過流束が低か
った。
ば、膜の透過流束を低下させることなく高い塩阻止性能
および有機物阻止性能を有する複合逆浸透膜を効率よく
製造することが可能となる。この高性能の複合逆浸透膜
の使用により、例えば、かん水、海水の脱塩による淡水
化や、半導体の製造に必要とされる超純水の製造等を効
率的に行うことが可能となる。
Claims (3)
- 【請求項1】 多孔性支持膜の表面に、2つ以上の反応
性アミノ基を有する化合物の溶液Aを塗工して層を形成
し、この層に多官能性酸ハロゲン化物の溶液Bを接触さ
せてポリアミド製薄膜を形成し、この薄膜を温度40℃
〜100℃の水溶液に接触させる複合逆浸透膜の製造方
法において、前記水溶液として、有機物および塩類の少
なくとも一方の物質を含有する水溶液を使用することを
特徴とする複合逆浸透膜の製造方法。 - 【請求項2】 水溶液が含有する有機物および塩類の少
なくとも一方の物質がトリアルキルアミンと有機酸の混
合物である請求項1記載の複合逆浸透膜の製造方法。 - 【請求項3】 水溶液が含有する有機物および塩類の少
なくとも一方の物質が多価アルコールである請求項1ま
たは2記載の複合逆浸透膜の製造方法。
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ID=18179368
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- 1996-12-05 JP JP32566696A patent/JP3862184B2/ja not_active Expired - Lifetime
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