JP3628114B2 - 複合逆浸透膜による処理方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、溶液中の成分を選択的に分離するために複合逆浸透膜を利用した処理方法に関し、その処理が40℃以上の溶液を複合逆浸透膜で処理したり、40℃以上の溶液で複合逆浸透膜を殺菌処理する方法に関する。さらに詳しくは、殺菌が必要な食品用途等での有効成分の濃縮等や医療用途等での純水製造等に好適に用いられる複合逆浸透膜による処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のポリアミド系複合逆浸透膜を用いて、40℃以上の溶液を複合逆浸透膜で処理したり40℃以上の溶液で複合逆浸透膜を殺菌処理を必要とする溶液の脱塩を行う場合、高温溶液を複合逆浸透膜に通水することで透過水量が低下する問題があった。特に塩阻止率の高い全芳香族架橋ポリアミド系複合逆浸透膜ではその傾向が顕著で、高温溶液通水前の透過水量に比べ高温溶液通水後の透過水量は、例えば60℃の熱水では約6割ぐらいに低下し、経済的な低圧での運転が不可能であった。これらの高温溶液通水による透過水量の低下は、スキン層のポリマーの再配列にともなうタイト化によると推定されるが、高温での通水は食品用途などで液や装置の殺菌が必要なところでは不可欠である。そこで、塩阻止率が高い複合逆浸透膜で40℃以上の溶液を脱塩処理したり40℃以上の溶液で殺菌処理を必要とする溶液の経済的な処理ができるポリアミド系複合逆浸透膜が望まれている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、40℃以上の溶液を処理したり40℃以上の溶液で加熱殺菌処理が必要な溶液を、高い透過水量経済的に処理できるポリアミド複合逆浸透膜で脱塩処理する方法を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、本発明の複合逆浸透膜による処理方法は、40℃以上の溶液を複合逆浸透膜で処理するか、または40℃以上の溶液で複合逆浸透膜を殺菌処理する方法であって、処理に使用する複合逆浸透膜が、ポリアミド系スキン層とこれを支持する微多孔性支持体とからなる複合逆浸透膜であり、前記ポリアミド系スキン層が2つ以上の反応性のアミノ基を有する多官能性アミン化合物と、2つ以上の反応性の酸ハライド基を有する多官能性酸ハロゲン化物を反応させて得られた架橋ポリアミド系スキン層であり、かつポリアミド系スキン層の比表面積が3以上であることを特徴とする。前記において、ポリアミド系スキン層の比表面積が3未満であると、熱水通水後に透過水量が低下した後でも十分な透過水量が得られない。またポリアミド系スキン層の比表面積は1000以下であることが好ましい。本発明において用いるスキン層の比表面積とは、次の式で定義される。
【0005】
スキン層の比表面積=(スキン層の表面積)/(微多孔性支持体の表面積)
前記スキン層の表面積は、微多孔性支持体と接触している面と反対側の面、即ち供給液と接触する側の面の表面積を表している。一方、微多孔性支持体の表面積は、スキン層と接触している面の表面積を表している。
【0006】
前記表面積及び比表面積を求める方法は、一般的な表面積や比表面積を求める手法に従い求めることができ、特に手法が限定されるものではない。例えば、表面積測定装置や比表面積測定装置、走査電子顕微鏡(SEM,FE−SEM)、透過電子顕微鏡(TEM)等が挙げられる。
【0007】
前記処理方法においては、複合逆浸透膜の性能が操作圧力15kgf/cm、温度25℃にて塩化ナトリウム1500ppmを含有するpH6.5の水溶液で評価したときに、塩の阻止率が95%以上、かつ透過水量が1.6m/m・日以上であることが好ましい。塩阻止率が低いと効率的な脱塩ができない。好ましくは、塩の阻止率が98%以上である。透過水量が低いと低圧で運転できないため、電気代などのランニングコストが高くなり、経済的でない。好ましくは1.8m/m・日以上である。
【0008】
また前記処理方法においては、複合逆浸透膜のポリアミド系スキン層が全芳香族架橋ポリアミドであることが好ましい。脂肪族などのポリアミドの場合、全芳香族ポリアミドと比べて耐薬品性等の化学的耐性が劣るため、長期使用時などに生じるスライムやスケールなどの化学洗浄後の性能が低下する。
【0009】
かかる複合逆浸透膜を利用した処理方法は、40℃以上の溶液の脱塩処理や40℃以上の溶液で複合逆浸透膜の殺菌処理が必要な溶液の脱塩などに好適に用いられる。かかる複合逆浸透膜を利用した処理方法は、従来の複合逆浸透膜では透過水量が低くて経済的な運転が不可能であった40℃以上の溶液や、40℃以上の溶液で複合逆浸透膜の殺菌処理が必要な溶液での運転が可能である。特に殺菌が必要な食品用途等での有効成分の濃縮等や医療用途等での純水製造等に好適に用いられる。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の高透過性複合逆浸透膜は、2つ以上の反応性のアミノ基を有する化合物と、2つ以上の反応性の酸ハライド基を有する多官能性酸ハライド化合物との界面重縮反応時に、溶解度パラメーターが8〜14(cal/cm31/2の化合物、例えばアルコール類、エーテル類、ケトン類、エステル類、ハロゲン化炭化水素類、及び含硫黄化合物類等から選ばれる少なくとも一つの化合物を存在させることにより製造することができる。
【0011】
かかるアルコール類としては、例えば、エタノール、プロパノール、ブタノール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、t−アミルアルコール、イソアミルアミルコール、イソブチルアルコール、イソプロピルアルコール、ウンデカノール、2−エチルブタノール、2−エチルヘキサノール、オクタノール、シクロヘキサノール、テトラヒドロフルフリルアルコールt−ブタノール、ベンジルアルコール、4−メチル−2−ペンタノール、3−メチル−2−ブタノール、アリルアルコール等が挙げられる。
【0012】
また、エーテル類としては、例えば、アニソール、エチルイソアミルエーテル、エチル−t−ブチルエーテル、エチルベンジルエーテル、クラウンエーテル、クレジルメチルエーテル、ジイソアミルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジエチルエーテル、ジオキサン、ジグリシジルエーテル、シオネール、ジフェニルエーテル、ジブチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジベンジルエーテル、ジメチルエーテル、テトラヒドロピラン、テトラヒドロフラン、トリオキサン、ジクロロエチルエーテル、ブチルフェニルエーテル、フラン、メチル−t−ブチルエーテル、モノジクロロジエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレンクロロヒドリン等が挙げられる。
【0013】
また、ケトン類としては、例えば、エチルブチルケトン、ジアセトンアルコール、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、メチルシクロヘキサン等が挙げられる。
【0014】
また、エステル類としては、例えば、ギ酸メチル、ギ酸エチル、ギ酸プロピル、ギ酸ブチル、ギ酸イソブチル、ギ酸イソアミル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソブチル、酢酸ブチル、酢酸アミル等が挙げられる。
【0015】
また、ハロゲン化炭化水素類としては、例えば、アリルクロライド、塩化アミル、ジクロロメタン、ジクロロエタン等が挙げられる。
また、含硫黄化合物類としては、例えば、ジメチルスルホキシド、スルホラン、チオラン等が挙げられる。以上のなかでもアルコール類、エーテル類が特に好ましく用いられる。これらの化合物は単独であるいは複数で存在させることができる。
【0016】
本発明で用いられる2つ以上の反応性のアミノ基を有する化合物は、多官能アミンであれば特に限定されず、芳香族、脂肪族、または脂環式の多官能アミンが挙げられる。
【0017】
かかる芳香族多官能アミンとしては、例えば、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、1,3,5−トリアミノベンゼン、1,2,4−トリアミノベンゼン、3,5−ジアミノ安息香酸、2,4−ジアミノトルエン、2,4−ジアミノアニソール、アミドール、キシリレンジアミン等が挙げられる。
【0018】
また脂肪族多官能アミンとしては、例えば、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、トリス(2−ジアミノエチル)アミン等が挙げられる。
また、脂環式多官能アミンとしては、例えば、1,3−ジアミノシクロヘキサン、1,2−ジアミノシクロヘキサン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、ピペラジン、2,5−ジメチルピペラジン、4−アミノメチルピペラジン等が挙げられる。これらのアミン単独で用いてもよく、混合物として用いてもよい。
【0019】
本発明で用いられる2つ以上の反応性の酸ハライド基を有する多官能性酸ハロゲン化合物は、特に限定されず、芳香族、脂肪族、または脂環式の多官能性酸ハロゲン化物が挙げられる。
【0020】
本発明において用いる芳香族多官能酸ハロゲン化物としては、例えばトリメシン酸クロライド、テレフタル酸クロライド、イソフタル酸クロライド、ビフェニルジカルボン酸ジクロライド、ベンゼントリスルホン酸クロライド、ベンゼンジスルホン酸クロライド、クロロスルホニルベンゼンジカルボン酸クロライド、ナフタレンジカルボン酸ジクロライド等が挙げられる。
【0021】
また脂環式多官能酸ハロゲン化物としては、例えばプロパントリカルボン酸クロライド、ブタントリカルボン酸クロライド、ペンタントリカルボン酸クロライド、グルタリルハライド、アジポイルハライド等が挙げられる。
【0022】
また脂環式多官能酸ハロゲン化物としては、例えばシクロプロパントリカルボン酸クロライド、シクロブタンテトラカルボン酸クロライド、シクロペンタントリカルボン酸クロライド、シクロペンタンテトラカルボン酸クロライド、シクロヘキサントリカルボン酸クロライド、テトラハイドロフランテトラカルボン酸クロライド、シクロブタンジカルボン酸クロライド、シクロペンタンジカルボン酸クロライド、シクロヘキサンジカルボン酸クロライド、テトラハイドロフランジカルボン酸クロライド等が挙げられる。
【0023】
本発明においては、前記2つ以上の反応性のアミノ基を有する化合物と、前記2つ以上の反応性の酸ハライド基を有する多官能性酸ハロゲン化物とを、界面重合させることにより、微多孔性支持体上に架橋ポリアミドを主成分とするスキン層が形成された複合逆浸透膜が得られる。これらの酸ハライド単独で用いてもよく、混合物として用いられてもよい。好ましくは芳香族酸ハライドである。
【0024】
本発明において前記スキン層を支持する微多孔性支持体は、スキン層を支持し得る物であれば特に限定されず、例えば、ポリスルホン、ポリエーテルスルホンのようなポリアリールエーテルスルホン、ポリイミド、ポリフッ化ビリデンなど種々のものを挙げることができるが、特に、化学的、機械的、熱的に安定である点から、ポリスルホン、ポリアリールエーテルスホンからなる微多孔性支持体が好ましく用いられる。かかる微多孔性支持体は、通常、約25〜125μm、好ましくは約40〜75μmの厚みを有するが、必ずしもこれらに限定されるものではない。
【0025】
より詳細には、微多孔性支持体上に、前記2つ以上の反応性のアミノ基を有する化合物を含有する水溶液からなる第1の層を形成し、次いで、前記酸ハロゲン化物を含有する溶液からなる層を前記第1の層上に形成し、界面重縮合に行って、架橋ポリアミドからなるスキン層を微多孔性支持体上に形成することによって得ることができる。
【0026】
2つ以上の反応性のアミノ基を有する化合物を含有する水溶液は、製膜を容易にし、あるいは得られる複合逆浸透膜の性能を向上させるために、さらに、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸等の水溶性重合体や、ソルビトール、グリセリン等のような多価アルコールを含有させることもできる。
【0027】
また、特開平2−187135号公報に記載のアミン塩、例えばテトラアルキルアンモニウムハライドやトリアルキルアミンと有機酸とによる塩等も、製膜を容易にする、アミン溶液の支持膜への吸収性を良くする、縮合反応を促進する等の点で、好適に用いられる。
【0028】
また、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム等の界面活性剤を含有させることもできる。これらの界面活性剤は、多官能アミンを含有する水溶液の微多孔性支持体への濡れ性の改善するのに効果がある。さらに、前記界面での重縮合反応を促進するために、界面反応にて生成するハロゲン化水素を除去し得る水酸化ナトリウムやリン酸三ナトリウムを用い、あるいは触媒として、アシル化触媒等を用いることも有益である。
【0029】
前記酸ハロゲン化物を含有する溶液及び前記2つ以上の反応性のアミノ基を有する化合物を含有する水溶液は、酸ハライド及び多官能アミンの濃度は、特に限定されるものではないが、酸ハライドは、通常0.01〜5重量%、好ましくは0.05〜1重量%であり、多官能アミンは、通常0.01〜10重量%、好ましくは0.5〜5重量%である。
【0030】
このようにして、微多孔性支持体上に2つ以上の反応性のアミノ基を有する化合物を含有する溶液を被覆し、次いで、その上に酸ハロゲン化物を含有する溶液を被覆した後、それぞれ余分の溶液を除去し、次いで、約20〜150℃、好ましくは約70〜130℃で、約1〜10分間。好ましくは約2〜8分間乾燥して、架橋ポリアミドからなる水透過性のスキン層を形成させる。このスキン層は、その厚さが、通常約0.05〜2μm、好ましくは約0.1〜1μmの範囲にある。
【0031】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではない。なお、以下の実施例において微多孔性支持体としては、ポリスルホン系限外濾過膜を用いた。
【0032】
(実施例1)
m−フェニレンジアミン 3.0重量%、ラウリル硫酸ナトリウム 0.15重量%、トリエチルアミン 3.0重量%、カンファースルホン酸 6.0重量%、イソプロピルアルコール 5重量%を含有した水溶液を、多孔性ポリスルホン支持膜に数秒間接触させて、余分の溶液を除去して支持膜上に前記溶液の層を形成した。
【0033】
次いで、かかる支持膜の表面に、トリメシン酸クロライド 0.20重量%、イソプロピルアルコール 0.05重量%を含むIP1016(出光化学株式会社製イソパラフィン系炭化水素油)溶液を接触させ、その後120℃の熱風乾燥機の中で3分間保持して、支持膜上に重合体薄膜を形成させ、複合逆浸透膜を得た。
【0034】
得られた複合逆浸透膜の一部を水洗し、乾燥後、TEMにて複合逆浸透膜の断面を分析し、そのポリアミド系スキン層の比表面積を測定したところ、比表面積は4.3であった。
【0035】
得られた複合逆浸透膜の初期性能は、1500ppmの塩化ナトリウムを含むpH6.5の塩化ナトリウム水溶液を、15kgf/cmの圧力で評価したところ、透過液電導度による塩阻止率は99.5%、透過流束は2.0m/m・日であった。
【0036】
続いて、60℃の純水に複合逆浸透膜を1ケ月浸漬した後、同様な評価をしたところ、透過流束は1.7m/m・日と十分に高い値を示した。従って、6kgf/cm前後の操作圧力でも十分に実用上問題無い透過流束が得られ、経済的な運転が可能であった。
【0037】
(比較例1)
実施例1において、アミン水溶液、酸クロライド有機溶液にイソプロピルアルコールを添加しない以外は、実施例1と同様にして複合逆浸透膜を得た。
【0038】
得られた複合逆浸透膜のスキン層の比表面積を測定したところ、比表面積は2.2であった。
得られた複合逆浸透膜の初期性能を、実施例1と同様に測定したところ、塩阻止率は99.5%、透過流束は1.0m/m・日であった。続いて、実施例1と同様、60℃の純水に浸漬後、評価したところ透過流束は0.7m/m・日と低い値を示した。従って、操作圧力は15kgf/cm前後必要で、実施例と比べ、電気代等のランニングコストや、装置の耐圧性等イニシャルコストが高くつき、経済的でないことが判った。
【0039】
(実施例2〜3、比較例2)
イソプロピルアルコールの添加量を変えた以外は実施例1と同様の条件で、ポリスルホン系限外濾過膜の表面でm−フェニレンジアミンとトリメシン酸クロライドとを反応させた。
【0040】
得られた複合逆浸透膜を実施例1と同様に試験したところ、表1の結果が得られた。なお、表1には実施例1と比較例1もまとめて示す。
【0041】
【表1】
Figure 0003628114
【0042】
表1から明らかな通り、本発明の実施例の複合逆浸透膜は、60℃程度の高温水に浸漬しても十分に実用に耐えることが確認できた。
【0043】
【発明の効果】
以上説明した通り、本発明の複合逆浸透膜による処理方法によれば、40℃以上の溶液を複合逆浸透膜で処理するか、または40℃以上の溶液で複合逆浸透膜を殺菌処理する方法であって、処理に使用する複合逆浸透膜が、ポリアミド系スキン層とこれを支持する微多孔性支持体とからなる複合逆浸透膜であり、前記ポリアミド系スキン層が2つ以上の反応性のアミノ基を有する多官能性アミン化合物と、2つ以上の反応性の酸ハライド基を有する多官能性酸ハロゲン化物を反応させて得られた架橋ポリアミド系スキン層であり、かつポリアミド系スキン層の比表面積が3以上であることにより、40℃以上の溶液を脱塩処理したり、40℃以上の溶液で複合逆浸透膜の殺菌処理が必要な溶液での運転が可能である。特に殺菌が必要な食品用途等での有効成分の濃縮等や医療用途等での純水製造等に好適に用いられる。

Claims (3)

  1. 40℃以上の溶液を複合逆浸透膜で処理するか、または40℃以上の溶液で複合逆浸透膜を殺菌処理する方法であって、処理に使用する複合逆浸透膜が、ポリアミド系スキン層とこれを支持する微多孔性支持体とからなる複合逆浸透膜であり、前記ポリアミド系スキン層が2つ以上の反応性のアミノ基を有する多官能性アミン化合物と、2つ以上の反応性の酸ハライド基を有する多官能性酸ハロゲン化物とを、アルコール、エーテル、ケトン、エステル、ハロゲン化炭化水素、及び含硫黄化合物からなる群から選択される化合物(ただし、多価アルコールを除く)の存在下で界面重縮合反応させて得られた架橋ポリアミド系スキン層であり、かつポリアミド系スキン層の比表面積が3以上であることを特徴とする複合逆浸透膜による処理方法。
  2. 複合逆浸透膜の性能が、操作圧力15kgf/cm2 、温度25℃にて塩化ナトリウム1500ppmを含有するpH6.5の水溶液で評価したときに、塩の阻止率が95%以上、かつ透過水量が1.6m3 /m2 ・日以上である請求項1に記載の複合逆浸透膜による処理方法。
  3. 複合逆浸透膜のポリアミド系スキン層が全芳香族架橋ポリアミドである請求項1に記載の複合逆浸透膜による処理方法。
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