JP2007253109A - 乾燥複合半透膜の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 塩阻止率を低下させることなく透過流束を大きくすることができる乾燥複合半透膜の製造方法を提供する。また、該製造方法によって得られる乾燥複合半透膜を提供する。
【解決手段】 多官能アミン成分と多官能酸ハライド成分とを反応させてなるポリアミド系樹脂を含む未乾燥スキン層を多孔性支持体の表面に形成する工程、該未乾燥スキン層を温度35℃以下かつpH2〜13の水溶液、温度35℃以下かつアミノ基含有化合物を含有する水溶液、又は温度35℃以下かつ界面活性剤を含有する水溶液に1〜60秒接触させる接触処理工程、及び接触処理工程後に未乾燥スキン層を乾燥する工程を含む乾燥複合半透膜の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、ポリアミド系樹脂を含むスキン層とこれを支持する多孔性支持体とからなる複合半透膜の製造方法に関する。かかる複合半透膜は、超純水の製造、かん水または海水の脱塩などに好適であり、また染色排水や電着塗料排水などの公害発生原因である汚れなどから、その中に含まれる汚染源あるいは有効物質を除去・回収し、排水のクローズ化に寄与することができる。また、食品用途などで有効成分の濃縮、浄水や下水用途等での有害成分の除去などの高度処理に用いることができる。
従来より、多孔性支持体上に実質的に選択分離性を有する薄膜を形成してなる複合半透膜が知られている。このような複合半透膜としては、多官能芳香族アミンと多官能芳香族酸ハロゲン化物との界面重合によって得られるポリアミドからなるスキン層が支持体上に形成されたものが知られている(特許文献1〜4)。前記複合半透膜は、高い脱塩性能と透水性能を有しており、イオン性物質に対しては高い阻止性能を有しているが、透過水量が低く、さらに高い透過流束化が望まれていた。前記高透過流束化を目的として、薄膜にアミン塩を添加する技術が開示されている(特許文献5)。
作製した複合半透膜は、その後の加工性や保存性等の観点から乾燥複合半透膜とすることが好ましい。しかしながら、多孔性支持体の表面にスキン層を形成した複合半透膜を乾燥させると、乾燥前に比べて塩阻止性能や透過流束が低下するという問題があった。前記問題を解決することを目的として、逆浸透膜を親水化処理した後に乾燥する技術が開示されている(特許文献6)。また、複合膜を分子量1000以下の糖類溶液に浸漬処理させた後に乾燥する方法が開示されている(特許文献7)。
また、水透過性、有機物阻止性能及び塩阻止性能に優れた乾燥複合逆浸透膜を得ることを目的として、複合逆浸透膜を温度40〜100℃の有機物及び塩類を含有する水溶液に接触させ、ついで熱乾燥処理する方法が開示されている(特許文献8)。
しかしながら、上記方法であっても塩阻止率を低下させることなく透過流束を大きくすることは困難である。
特開昭55−147106号公報 特開昭62−121603号公報 特開昭63−218208号公報 特開2001−79372号公報 特公平6−73617号公報 特開2003−320224号公報 特許第3015853号明細書 特開平10−165789号公報
本発明の目的は、塩阻止率を低下させることなく透過流束を大きくすることができる乾燥複合半透膜の製造方法を提供することにある。また、該製造方法によって得られる乾燥複合半透膜を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意検討を重ねた結果、下記方法により水透過性能及び塩阻止率に優れる乾燥複合半透膜を製造することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、多官能アミン成分と多官能酸ハライド成分とを反応させてなるポリアミド系樹脂を含む未乾燥スキン層を多孔性支持体の表面に形成する工程、該未乾燥スキン層を温度35℃以下かつpH2〜13の水溶液、温度35℃以下かつアミノ基含有化合物を含有する水溶液、又は温度35℃以下かつ界面活性剤を含有する水溶液に1〜60秒接触させる接触処理工程、及び接触処理工程後に未乾燥スキン層を乾燥する工程を含む乾燥複合半透膜の製造方法、に関する。
本発明の乾燥複合半透膜の製造方法は、未乾燥スキン層を多孔性支持体の表面に形成した後、スキン層が乾燥しないうちに直ちに前記水溶液に接触させることを特徴とする。従来の製造方法のように、スキン層を一旦乾燥した後に前記と同様の接触処理を行っても本発明の効果は得られない。スキン層を乾燥させる前に接触処理を行うことにより、塩阻止率を低下させることなく透過流束を大きくすることができる理由は明らかではないが、未乾燥スキン層の表面の余剰な多官能酸ハライド成分を効果的に除去できるためと考えられる。前記水溶液の温度が35℃を超える場合には、膜が劣化しやすくなるため本発明の効果が得られない。また、前記水溶液の接触時間は1〜60秒であることが必要である。接触時間が1秒未満の場合には透過流束の向上効果が十分に得られず、60秒を超える場合には未乾燥スキン層が多孔性支持体から剥離するなどの膜構造の異常が起こり、透過流束が低下する。
本発明においては、前記アミノ基含有化合物は、2個以上のアミノ基を有することが好ましい。2個以上のアミノ基を有する化合物を用いることにより、スキン層未形成部分(欠陥部分)で多官能酸ハライド成分と反応させて欠陥部分を補修することができるため、塩阻止率の低下を抑制することができる。
また本発明においては、前記界面活性剤は、アニオン界面活性剤であることが好ましい。アニオン界面活性剤を用いることにより、上記効果が顕著に優れたものとなる。
さらに本発明は、前記製造方法によって得られる乾燥複合半透膜、に関する。
以下、本発明の実施の形態について説明する。本発明の乾燥複合半透膜の製造方法は、多官能アミン成分と多官能酸ハライド成分とを反応させてなるポリアミド系樹脂を含む未乾燥スキン層を多孔性支持体の表面に形成する工程、該未乾燥スキン層を温度35℃以下かつpH2〜13の水溶液、温度35℃以下かつアミノ基含有化合物を含有する水溶液、又は温度35℃以下かつ界面活性剤を含有する水溶液に1〜60秒接触させる接触処理工程、及び接触処理工程後に未乾燥スキン層を乾燥する工程を含む。
多官能アミン成分とは、2以上の反応性アミノ基を有する多官能アミンであり、芳香族、脂肪族及び脂環式の多官能アミンが挙げられる。
芳香族多官能アミンとしては、例えば、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、o−フェニレンジアミン、1,3,5−トリアミノベンゼン、1,2,4−トリアミノベンゼン、3,5−ジアミノ安息香酸、2,4−ジアミノトルエン、2,6−ジアミノトルエン、N,N’−ジメチル−m−フェニレンジアミン、2,4−ジアミノアニソール、アミドール、キシリレンジアミン等が挙げられる。
脂肪族多官能アミンとしては、例えば、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、トリス(2−アミノエチル)アミン、N−フェニル−エチレンジアミン等が挙げられる。
脂環式多官能アミンとしては、例えば、1,3−ジアミノシクロヘキサン、1,2−ジアミノシクロヘキサン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、ピペラジン、2,5−ジメチルピペラジン、4−アミノメチルピペラジン等が挙げられる。
これらの多官能アミンは1種で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。高塩阻止性能のスキン層を得るためには、芳香族多官能アミンを用いることが好ましい。
多官能酸ハライド成分とは、反応性カルボニル基を2個以上有する多官能酸ハライドである。
多官能酸ハライドとしては、芳香族、脂肪族及び脂環式の多官能酸ハライドが挙げられる。
芳香族多官能酸ハライドとしては、例えば、トリメシン酸トリクロライド、テレフタル酸ジクロライド、イソフタル酸ジクロライド、ビフェニルジカルボン酸ジクロライド、ナフタレンジカルボン酸ジクロライド、ベンゼントリスルホン酸トリクロライド、ベンゼンジスルホン酸ジクロライド、クロロスルホニルベンゼンジカルボン酸ジクロライド等が挙げられる。
脂肪族多官能酸ハライドとしては、例えば、プロパンジカルボン酸ジクロライド、ブタンジカルボン酸ジクロライド、ペンタンジカルボン酸ジクロライド、プロパントリカルボン酸トリクロライド、ブタントリカルボン酸トリクロライド、ペンタントリカルボン酸トリクロライド、グルタリルハライド、アジポイルハライド等が挙げられる。
脂環式多官能酸ハライドとしては、例えば、シクロプロパントリカルボン酸トリクロライド、シクロブタンテトラカルボン酸テトラクロライド、シクロペンタントリカルボン酸トリクロライド、シクロペンタンテトラカルボン酸テトラクロライド、シクロヘキサントリカルボン酸トリクロライド、テトラハイドロフランテトラカルボン酸テトラクロライド、シクロペンタンジカルボン酸ジクロライド、シクロブタンジカルボン酸ジクロライド、シクロヘキサンジカルボン酸ジクロライド、テトラハイドロフランジカルボン酸ジクロライド等が挙げられる。
これら多官能酸ハライドは1種で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。高塩阻止性能のスキン層を得るためには、芳香族多官能酸ハライドを用いることが好ましい。また、多官能酸ハライド成分の少なくとも一部に3価以上の多官能酸ハライドを用いて、架橋構造を形成するのが好ましい。
ポリアミド系樹脂を含むスキン層の性能を向上させるために、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸などのポリマー、ソルビトール、グリセリンなどの多価アルコールなどを共重合させてもよい。
スキン層を支持する多孔性支持体は、スキン層を支持しうるものであれば特に限定されず、通常平均孔径10〜500Å程度の微孔を有する限外濾過膜が好ましく用いられる。多孔性支持体の形成材料としては、例えば、ポリスルホン、ポリエーテルスルホンのようなポリアリールエーテルスルホン、ポリイミド、ボリフッ化ビニリデンなど種々のものをあげることができるが、特に化学的、機械的、熱的に安定である点からポリスルホン、ポリアリールエーテルスルホンが好ましく用いられる。かかる多孔性支持体の厚さは、通常約25〜125μm、好ましくは約40〜75μmであるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。なお、多孔性支持体は織布、不織布等による裏打ちにて補強されていてもよい。
ポリアミド系樹脂を含む未乾燥スキン層を多孔性支持体の表面に形成する方法は特に制限されず、あらゆる公知の手法を用いることができる。例えば、界面縮合法、相分離法、薄膜塗布法などが挙げられる。界面縮合法とは、具体的に、多官能アミン成分を含有するアミン水溶液と、多官能酸ハライド成分を含有する有機溶液とを接触させて界面重合させることにより未乾燥スキン層を形成し、該スキン層を多孔性支持体上に載置する方法や、多孔性支持体上での前記界面重合によりポリアミド系樹脂の未乾燥スキン層を多孔性支持体上に直接形成する方法である。かかる界面縮合法の条件等の詳細は、特開昭58−24303号公報、特開平1−180208号公報等に記載されており、それらの公知技術を適宜採用することができる。
本発明においては、多官能アミン成分を含むアミン水溶液からなる水溶液被覆層を多孔性支持体上に形成し、次いで多官能酸ハライド成分を含有する有機溶液と水溶液被覆層とを接触させて界面重合させることにより未乾燥スキン層を形成する方法が好ましい。
前記界面重合法において、アミン水溶液中の多官能アミン成分の濃度は特に制限されないが、0.1〜5重量%であることが好ましく、さらに好ましくは0.5〜2重量%である。多官能アミン成分の濃度が0.1重量%未満の場合にはスキン層にピンホール等の欠陥が生じやすくなり、また塩阻止性能が低下する傾向にある。一方、多官能アミン成分の濃度が5重量%を超える場合には、多官能アミン成分が多孔性支持体中に浸透しやすくなったり、膜厚が厚くなりすぎて透過抵抗が大きくなって透過流束が低下する傾向にある。
前記有機溶液中の多官能酸ハライド成分の濃度は特に制限されないが、0.01〜5重量%であることが好ましく、さらに好ましくは0.05〜3重量%である。多官能酸ハライド成分の濃度が0.01重量%未満の場合には、未反応多官能アミン成分が残留しやすくなったり、スキン層にピンホール等の欠陥が生じやすくなって塩阻止性能が低下する傾向にある。一方、多官能酸ハライド成分の濃度が5重量%を超える場合には、未反応多官能酸ハライド成分が残留しやすくなったり、膜厚が厚くなりすぎて透過抵抗が大きくなり、透過流束が低下する傾向にある。
前記有機溶液に用いられる有機溶媒としては、水に対する溶解度が低く、多孔性支持体を劣化させず、多官能酸ハライド成分を溶解するものであれば特に限定されず、例えば、シクロヘキサン、ヘプタン、オクタン、及びノナン等の飽和炭化水素、1,1,2−トリクロロトリフルオロエタン等のハロゲン置換炭化水素などを挙げることができる。好ましくは沸点が300℃以下、さらに好ましくは沸点が200℃以下の飽和炭化水素である。
前記アミン水溶液や有機溶液には、製膜を容易にしたり、得られる複合半透膜の性能を向上させるための目的で各種の添加剤を加えることができる。前記添加剤としては、例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシル硫酸ナトリウム、及びラウリル硫酸ナトリウム等の界面活性剤、重合により生成するハロゲン化水素を除去する水酸化ナトリウム、リン酸三ナトリウム、及びトリエチルアミン等の塩基性化合物、アシル化触媒、特開平8−224452号公報記載の溶解度パラメータが8〜14(cal/cm1/2の化合物などが挙げられる。
本発明の製造方法においては、上記方法により未乾燥スキン層を多孔性支持体の表面に形成した後、スキン層が乾燥しないうちに直ちに温度35℃以下かつpH2〜13の水溶液、温度35℃以下かつアミノ基含有化合物を含有する水溶液、又は温度35℃以下かつ界面活性剤を含有する水溶液に1〜60秒接触させることが必要である。
前記水溶液のpHが2未満又は13を超える場合には、酸性度又は塩基性度が強すぎるため膜が劣化して塩阻止性能が低下し、透過流束の向上効果が十分に得られない。水溶液のpHは、市販のpH調整剤、塩酸などの酸、水酸化ナトリウムなどのアルカリを使用して膜の特性に応じて適宜調整する。
前記アミノ基含有化合物は、水溶性のものであれば特に制限されず、例えば、1−メチルピペリジンなどの脂環式アミン;N,N−ジメチルエチルアミンなどのN,N−ジアルキルアミン;m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、o−フェニレンジアミン、1,3,5−トリアミノベンゼン、1,2,4−トリアミノベンゼン、3,5−ジアミノ安息香酸、2,4−ジアミノトルエン、2,6−ジアミノトルエン、N,N’−ジメチル−m−フェニレンジアミン、2,4−ジアミノアニソール、アミドール、及びキシリレンジアミンなどの芳香族多官能アミン;エチレンジアミン、プロピレンジアミン、トリス(2−アミノエチル)アミン、及びN−フェニル−エチレンジアミンなどの脂肪族多官能アミン;1,3−ジアミノシクロヘキサン、1,2−ジアミノシクロヘキサン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、ピペラジン、2,5−ジメチルピペラジン、及び4−アミノメチルピペラジンなどの脂環式多官能アミン等が挙げられる。これらのうち、2個以上のアミノ基を有する化合物を用いることが好ましい。
水溶液中のアミノ基含有化合物の濃度は特に制限されないが、0.1〜2重量%であることが好ましく、より好ましくは0.2〜0.5重量%である。上記範囲外の場合には、透過流束の向上効果が十分に得られない傾向にある。
前記界面活性剤は、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、及び非イオン界面活性剤のいずれも用いることができるが、特にアニオン界面活性剤を用いることが好ましい。
アニオン界面活性剤としては、例えば、アルキル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキル脂肪酸塩、アルキルホスフェート塩、アシル化アミノ酸塩、アルキルアミドエーテル硫酸塩等が挙げられる。これらアニオン界面活性剤のアルキル基としては炭素数5〜30、特に8〜18のものが好ましく、アシル基としては炭素数6〜31、特に7〜17のものが好ましい。また塩としては、アルカリ金属塩、アンモニウム塩、総炭素数1〜22のアルキル若しくはアルケニルアミン塩、総炭素数1〜22のアルカノールアミン塩、塩基性アミノ酸塩等が挙げられ、好ましくはアルカリ金属塩、特に好ましくはナトリウム塩、カリウム塩である。
カチオン界面活性剤としては、四級アンモニウム塩、三級アミン型化合物の塩を含み、モノ長鎖アルキル(C12〜22)四級アンモニウム塩、ジ長鎖アルキル(C12〜22)四級アンモニウム塩、分岐鎖アルキル(C12〜28)四級アンモニウム塩、アルキルオキシアルキレン三級アミン塩、アルキルアミドアルキレン三級アミン塩等が挙げられる。具体的には、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム、塩化セチルトリメチルアンモニウム、臭化セチルトリメチルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、臭化ステアリルトリメチルアンモニウム、臭化ラウリルトリメチルアンモニウム、塩化ジアルキルジメチルアンモニウム、塩化ジセチルジメチルアンモニウム、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム、塩化ジココイルジメチルアンモニウム、塩化ミリスチルジメチルベンジルアンモニウム、塩化ステアリルジメチルベンジルアンモニウム、N,N−ジメチルオクタデシロキシプロピルアミン、ステアラミドプロピルジメチルアミン等が挙げられる。
両性界面活性剤としては、カルボン酸塩型、スルホン酸塩型、硫酸エステル塩型またはリン酸エステル塩型が挙げられる。カルボン酸塩型はアミノ酸型とベタイン型に大別される。アミノ酸型としては、例えば、アルキルアミノプロピオン酸塩、アルキルイミノジプロピオン酸塩、アルキルアミノ酢酸塩、アルキルイミノジ酢酸などが挙げられる。ベタイン型としては、例えば、アルキルジメチルベタイン、アルキルジヒドロキシエチルベタインなどが挙げられる。スルホン酸塩型としては、例えば、アルキルエタンスルホン酸塩(アルキルタウリン塩)などが挙げられる。硫酸エステル塩型としては、例えば、ヒドロキシエチルイミダゾリン硫酸エステルなどが挙げられる。リン酸エステル塩型としては、例えば、アルキルヒドロキシエチルリン酸エステル塩、レシチンなどが挙げられる。
非イオン界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンラノリン、ポリオキシエチレンラノリンアルコール等を挙げることができる。
水溶液中の界面活性剤の濃度は特に制限されないが、0.01〜0.5重量%であることが好ましく、より好ましくは0.02〜0.1重量%である。0.01重量%未満の場合には、透過流束の向上効果が十分に得られず、0.5重量%を超える場合には、未乾燥スキン層に欠陥が生じる傾向にある。
未乾燥スキン層に前記水溶液を接触させる方法としては、浸漬、加圧通水、噴霧、塗布、及びシャワーなどあらゆる方法が例示されるが、簡便で十分な効果が得られる浸漬、噴霧又は塗布が好ましい。
接触時間は1〜60秒であることが必要であり、好ましくは5〜30秒であり、より好ましくは5〜15秒である。接触温度は、膜の劣化及び透過流束の低下防止の観点から35℃以下であることが必要であり、好ましくは32℃以下であり、特に好ましくは29℃以下である。また、透過流束の向上効果を考慮すると、10℃以上であることが好ましく、より好ましくは20℃以上である。
本発明においては、上記方法で接触処理した未乾燥スキン層を乾燥して、乾燥複合半透膜を作製する。乾燥複合半透膜は、乾燥タイプであるため加工性や保存性に優れている。
乾燥処理を行う際に、半透膜はその形状になんら制限を受けるものではない。すなわち平膜状、あるいはスパイラル状など、考えられるあらゆる膜形状において乾燥処理を施すことが可能である。例えば、半透膜をスパイラル状に加工して膜ユニットを作製し、該膜ユニットを乾燥してドライスパイラルエレメントを作製してもよい。
乾燥処理を行う際の温度は特に制限されないが、50〜150℃であることが好ましく、より好ましくは80〜130℃である。50℃未満の場合には、乾燥処理に時間がかかりすぎたり乾燥が不十分となり、150℃を超える場合には、熱による膜の構造変化により膜性能が低下する傾向にある。
乾燥処理を行う際の時間は特に制限されないが、半透膜中の溶媒量が5重量%以下になるまで乾燥することが好ましい。
多孔性支持体上に形成したスキン層の厚みは特に制限されないが、通常0.05〜2μm程度であり、好ましくは、0.1〜1μmである。
また、乾燥複合半透膜やドライスパイラルエレメントの塩阻止性、透水性、及び耐酸化剤性等を向上させるために、従来公知の各種処理を施してもよい。
以下に実施例をあげて本発明を説明するが、本発明はこれら実施例によりなんら限定されるものではない。
製造例1
(多孔性支持体の作製)
ポリスルホン(Solvay社製、P−3500)18重量%をN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)に溶解した製膜ドープを不織布基材上にウエット厚み200μmで均一に塗布した。その後、すぐに40〜50℃の水中に浸漬させることにより凝固させ、かつ溶媒であるDMFを完全に抽出洗浄することによって、不織布基材上にポリスルホン微多孔層を有する多孔性支持体を作製した。
実施例1
m−フェニレンジアミン3重量%、トリエチルアミン2重量%、及びカンファースルホン酸4重量%を含有するアミン水溶液を前記多孔性支持体上に塗布し、その後余分なアミン水溶液をワイピング除去することにより水溶液被覆層を形成した。次に、前記水溶液被覆層の表面にトリメシン酸クロライド0.1重量%、及びイソフタル酸クロライド0.15重量%を含有するイソオクタン溶液を塗布し、界面重合反応させて未乾燥スキン層を形成して複合半透膜を得た。その後、未乾燥スキン層が乾燥しないうちに直ちにpH3の酸性水溶液(25℃)中に複合半透膜を10秒間浸漬した。その直後に該複合半透膜を120℃で3分間乾燥させることにより乾燥複合半透膜を作製した。
実施例2
pH3の酸性水溶液の代わりにpH7の中性水溶液(25℃)を用いた以外は、実施例1と同様の方法で乾燥複合半透膜を作製した。
実施例3
pH3の酸性水溶液の代わりにpH11のアルカリ性水溶液(25℃)を用いた以外は、実施例1と同様の方法で乾燥複合半透膜を作製した。
実施例4
pH3の酸性水溶液の代わりにm−フェニレンジアミン0.2重量%を含有する水溶液(25℃)を用いた以外は、実施例1と同様の方法で乾燥複合半透膜を作製した。
実施例5
pH3の酸性水溶液の代わりにラウリル硫酸ナトリウム0.05重量%を含有する水溶液(25℃)を用いた以外は、実施例1と同様の方法で乾燥複合半透膜を作製した。
比較例1
pH3の酸性水溶液中に複合半透膜を浸漬せずに乾燥した以外は、実施例1と同様の方法で乾燥複合半透膜を作製した。
比較例2
pH3の酸性水溶液の代わりにpH13.2のアルカリ性水溶液(25℃)を用いた以外は、実施例1と同様の方法で乾燥複合半透膜を作製した。
比較例3
複合半透膜の浸漬時間を10秒から10分に変更した以外は、実施例2と同様の方法で乾燥複合半透膜を作製した。
(透過流束及び塩阻止率の測定)
作製した実施例1〜5及び比較例1〜3の乾燥複合半透膜を所定の形状、サイズに切断し、平膜評価用のセルにセットする。3.2重量%のNaClを含みかつNaOHを用いてpH6.5に調整した水溶液を25℃で膜の供給側と透過側に5.5MPaの差圧を与えて膜に接触させる。この操作によって得られた透過水の透過速度および電導度を測定し、透過流束(m/m・d)および塩阻止率(%)を算出した。塩阻止率は、NaCl濃度と水溶液電導度の相関(検量線)を事前に作成し、それらを用いて下式により算出した。透過試験の結果を表1に示す。
塩阻止率(%)={1−(透過液中のNaCl濃度[mg/L])/(供給液中のNaCl濃度[mg/L])}×100
実施例6
アミン水溶液中のm−フェニレンジアミンの量を3重量%から2重量%に変更した以外は、実施例1と同様の方法で乾燥複合半透膜を作製した。
実施例7
アミン水溶液中のm−フェニレンジアミンの量を3重量%から2重量%に変更した以外は、実施例3と同様の方法で乾燥複合半透膜を作製した。
実施例8
アミン水溶液中のm−フェニレンジアミンの量を3重量%から2重量%に変更した以外は、実施例4と同様の方法で乾燥複合半透膜を作製した。
実施例9
アミン水溶液中のm−フェニレンジアミンの量を3重量%から2重量%に変更した以外は、実施例5と同様の方法で乾燥複合半透膜を作製した。
比較例4
アミン水溶液中のm−フェニレンジアミンの量を3重量%から2重量%に変更した以外は、比較例1と同様の方法で乾燥複合半透膜を作製した。
(透過流束及び塩阻止率の測定)
作製した実施例6〜9及び比較例4の乾燥複合半透膜を所定の形状、サイズに切断し、平膜評価用のセルにセットする。0.15重量%のNaClを含みかつNaOHを用いてpH6.5に調整した水溶液を25℃で膜の供給側と透過側に1.5MPaの差圧を与えて膜に接触させる。この操作によって得られた透過水の透過速度および電導度を測定し、透過流束(m/m・d)および塩阻止率(%)を算出した。塩阻止率は、上記式により算出した。透過試験の結果を表1に示す。
Figure 2007253109
表1から明らかなように、特定の水溶液で所定時間接触処理した後に未乾燥スキン層を乾燥することにより、高い塩阻止性能を維持しつつ、従来のものより透過流束が向上した乾燥複合半透膜を得ることができる。

Claims (4)

  1. 多官能アミン成分と多官能酸ハライド成分とを反応させてなるポリアミド系樹脂を含む未乾燥スキン層を多孔性支持体の表面に形成する工程、該未乾燥スキン層を温度35℃以下かつpH2〜13の水溶液、温度35℃以下かつアミノ基含有化合物を含有する水溶液、又は温度35℃以下かつ界面活性剤を含有する水溶液に1〜60秒接触させる接触処理工程、及び接触処理工程後に未乾燥スキン層を乾燥する工程を含む乾燥複合半透膜の製造方法。
  2. 前記アミノ基含有化合物は、2個以上のアミノ基を有する請求項1記載の乾燥複合半透膜の製造方法。
  3. 前記界面活性剤は、アニオン界面活性剤である請求項1又は2記載の乾燥複合半透膜の製造方法。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法によって得られる乾燥複合半透膜。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN114130198A (zh) * 2021-12-07 2022-03-04 浙江工业大学 聚酰胺纳滤膜孔径可控调节的方法

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