JP2008253905A - 乾燥複合半透膜の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 アルカリ洗浄液に対する耐性が高く、膜洗浄の前後において透過流束及び塩阻止率の変化が少ない乾燥複合半透膜の製造方法を提供することにある。また、該製造方法によって得られる乾燥複合半透膜を提供することにある。
【解決手段】 多官能アミン成分と多官能酸ハライド成分とを反応させてなるポリアミド系樹脂を含む未乾燥スキン層を多孔性支持体の表面に形成する工程、前記未乾燥スキン層上及び前記多孔性支持体の基材上に気体を吹き付けて余剰の溶液を除去する吹き付け工程、及び未乾燥スキン層を乾燥する乾燥工程を含む乾燥複合半透膜の製造方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は、ポリアミド系樹脂を含むスキン層とこれを支持する多孔性支持体とからなる複合半透膜の製造方法に関する。かかる複合半透膜は、超純水の製造、かん水または海水の脱塩などに好適であり、また染色排水や電着塗料排水などの公害発生原因である汚れなどから、その中に含まれる汚染源あるいは有効物質を除去・回収し、排水のクローズ化に寄与することができる。また、食品用途などで有効成分の濃縮、浄水や下水用途等での有害成分の除去などの高度処理に用いることができる。
従来より、多孔性支持体上に実質的に選択分離性を有する薄膜を形成してなる複合半透膜が知られている。このような複合半透膜としては、多官能芳香族アミンと多官能芳香族酸ハロゲン化物との界面重合によって得られるポリアミドからなるスキン層が支持体上に形成されたものが知られている(特許文献1〜4)。前記複合半透膜は、高い脱塩性能と透水性能を有しており、イオン性物質に対しては高い阻止性能を有しているが、透過水量が低く、さらに高い透過流束化が望まれていた。
前記高透過流束化を目的として、薄膜にアミン塩を添加する技術が開示されている(特許文献5)。作製した複合半透膜は、その後の加工性や保存性等の観点から乾燥複合半透膜とすることが望まれる。しかしながら、特許文献5に記載の方法では、薄膜を乾燥させるとアミン塩を形成するアミンが蒸発して、乾燥前に比べて塩阻止性能や透過流束が低下したり、化学洗浄剤に対する耐久性が低下するという問題があった。
また、高い逆浸透性能を有する複合半透膜を得ることを目的として、架橋ポリアミド系超薄膜の表面に、温度が10〜80℃の範囲でしかも使用する炭化水素系溶媒の引火点よりも低温であり、絶対湿度が乾燥気体1kgあたり1g以上の水分量の気体を吹き付けて、残存した炭化水素系溶媒を蒸発させる方法が開示されている(特許文献6)。
また、ホウ素の阻止性能向上を目的として、乾燥処理後の複合半透膜を熱水処理する技術が開示されている(特許文献7)。また、膜の溶質排除性能の向上、透水性能の向上を目的として、乾燥処理後の複合半透膜を炭酸ナトリウムなどのアルカリ水溶液、熱水、又は塩素含有水溶液に接触させる技術が開示されている(特許文献8)。
また、複合半透膜を使用し続けると徐々に膜が汚染されるため、アルカリ水溶液を用いて膜洗浄する必要がある。しかし、従来の複合半透膜は、膜洗浄を繰り返すと次第に透過流束が増加したり、塩阻止性能が低下するという問題があった。透過流束が大幅に増加すると実際の造水運転において圧力を下げる必要があるため、操作が煩雑になったり、塩阻止率が低下する傾向にある。したがって、膜洗浄の前後において透過流束及び塩阻止率の変化が少ない複合半透膜が望まれていた。
特開昭55−147106号公報 特開昭62−121603号公報 特開昭63−218208号公報 特開2001−79372号公報 特公平6−73617号公報 特開平5−76740号公報 特開平11−19493号公報 特開2002−177750号公報
本発明の目的は、アルカリ洗浄液に対する耐性が高く、膜洗浄の前後において透過流束及び塩阻止率の変化が少ない乾燥複合半透膜の製造方法を提供することにある。また、該製造方法によって得られる乾燥複合半透膜を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意検討を重ねた結果、下記方法によりアルカリ洗浄液に対する耐性が高く、膜洗浄の前後において透過流束及び塩阻止率の変化が少ない乾燥複合半透膜を製造することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、多官能アミン成分と多官能酸ハライド成分とを反応させてなるポリアミド系樹脂を含む未乾燥スキン層を多孔性支持体の表面に形成する工程、前記未乾燥スキン層上及び前記多孔性支持体の基材上に気体を吹き付けて余剰の溶液を除去する吹き付け工程、及び未乾燥スキン層を乾燥する乾燥工程を含む乾燥複合半透膜の製造方法、に関する。
本発明においては、前記吹き付け工程と前記乾燥工程を同時に行ってもよい。
本発明の乾燥複合半透膜の製造方法は、未乾燥スキン層を乾燥させる前に又は乾燥させるのと同時に、未乾燥スキン層上及び多孔性支持体の基材上に気体を吹き付けて余剰の溶液を除去することを特徴とする。未乾燥スキン層上だけでなく多孔性支持体の基材上の余剰の溶液をも除去することにより、乾燥工程において未反応の多官能酸ハライド成分と多官能アミン成分との過剰反応が抑制されてアルカリ洗浄液に対する耐性が高くなり、透過流束の増加や塩阻止率の低下が抑制されると考えられる。
前記吹き付け工程において、気体を吹き付ける時間は0.1〜10秒であることが好ましい。吹き付け時間が0.1秒未満の場合には、余剰の溶液を十分に除去できないため本発明の効果が十分に得られず、10秒を超える場合には、溶液が過剰に除去されるため塩阻止率や透過流束が大幅に低下する傾向にある。
前記乾燥工程において、乾燥温度は90〜140℃であることが好ましい。乾燥温度が90℃未満の場合には、溶媒の蒸発時間が長くなるため重合反応が過度に進行して乾燥複合半透膜の透過流束が低下する傾向にある。一方、140℃を超える場合には、熱による膜の構造変化により膜性能が低下する傾向にある。
前記乾燥工程において、乾燥時間が10〜300秒であることが好ましい。乾燥時間が10秒未満の場合には、溶媒が蒸発しにくくなるため重合反応が過度に進行して乾燥複合半透膜の透過流束が低下する傾向にある。一方、300秒を超える場合には、熱による膜の構造変化により膜性能が低下する傾向にある。
さらに本発明は、前記製造方法によって得られる乾燥複合半透膜、に関する。
以下、本発明の実施の形態について説明する。本発明の乾燥複合半透膜の製造方法は、多官能アミン成分と多官能酸ハライド成分とを反応させてなるポリアミド系樹脂を含む未乾燥スキン層を多孔性支持体の表面に形成する工程、前記未乾燥スキン層上及び前記多孔性支持体の基材上に気体を吹き付けて余剰の溶液を除去する吹き付け工程、及び未乾燥スキン層を乾燥する乾燥工程を含む。
多官能アミン成分とは、2以上の反応性アミノ基を有する多官能アミンであり、芳香族、脂肪族及び脂環式の多官能アミンが挙げられる。
芳香族多官能アミンとしては、例えば、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、o−フェニレンジアミン、1,3,5−トリアミノベンゼン、1,2,4−トリアミノベンゼン、3,5−ジアミノ安息香酸、2,4−ジアミノトルエン、2,6−ジアミノトルエン、N,N’−ジメチル−m−フェニレンジアミン、2,4−ジアミノアニソール、アミドール、キシリレンジアミン等が挙げられる。
脂肪族多官能アミンとしては、例えば、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、トリス(2−アミノエチル)アミン、N−フェニル−エチレンジアミン等が挙げられる。
脂環式多官能アミンとしては、例えば、1,3−ジアミノシクロヘキサン、1,2−ジアミノシクロヘキサン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、ピペラジン、2,5−ジメチルピペラジン、4−アミノメチルピペラジン等が挙げられる。
これらの多官能アミンは1種で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。高塩阻止性能のスキン層を得るためには、芳香族多官能アミンを用いることが好ましい。
多官能酸ハライド成分とは、反応性カルボニル基を2個以上有する多官能酸ハライドである。
多官能酸ハライドとしては、芳香族、脂肪族及び脂環式の多官能酸ハライドが挙げられる。
芳香族多官能酸ハライドとしては、例えば、トリメシン酸トリクロライド、テレフタル酸ジクロライド、イソフタル酸ジクロライド、ビフェニルジカルボン酸ジクロライド、ナフタレンジカルボン酸ジクロライド、ベンゼントリスルホン酸トリクロライド、ベンゼンジスルホン酸ジクロライド、クロロスルホニルベンゼンジカルボン酸ジクロライド等が挙げられる。
脂肪族多官能酸ハライドとしては、例えば、プロパンジカルボン酸ジクロライド、ブタンジカルボン酸ジクロライド、ペンタンジカルボン酸ジクロライド、プロパントリカルボン酸トリクロライド、ブタントリカルボン酸トリクロライド、ペンタントリカルボン酸トリクロライド、グルタリルハライド、アジポイルハライド等が挙げられる。
脂環式多官能酸ハライドとしては、例えば、シクロプロパントリカルボン酸トリクロライド、シクロブタンテトラカルボン酸テトラクロライド、シクロペンタントリカルボン酸トリクロライド、シクロペンタンテトラカルボン酸テトラクロライド、シクロヘキサントリカルボン酸トリクロライド、テトラハイドロフランテトラカルボン酸テトラクロライド、シクロペンタンジカルボン酸ジクロライド、シクロブタンジカルボン酸ジクロライド、シクロヘキサンジカルボン酸ジクロライド、テトラハイドロフランジカルボン酸ジクロライド等が挙げられる。
これら多官能酸ハライドは1種で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。高塩阻止性能のスキン層を得るためには、芳香族多官能酸ハライドを用いることが好ましい。また、多官能酸ハライド成分の少なくとも一部に3価以上の多官能酸ハライドを用いて、架橋構造を形成するのが好ましい。
ポリアミド系樹脂を含むスキン層の性能を向上させるために、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸などのポリマー、ソルビトール、グリセリンなどの多価アルコールなどを共重合させてもよい。
多孔性支持体は、基材の表面に実質的に分離機能を有する微多孔層が形成されたものである。微多孔層は、通常平均孔径10〜500Å程度の微孔を有している。
基材としては、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリアミドなどを素材とする織布、不織布、メッシュ状ネット、及び発泡焼結シートなどが挙げられる。これらのうち、製膜性及びコスト面から不織布が好適に用いられる。不織布としては、厚さ0.08〜0.15mm、密度0.5〜0.8g/cmのものが好ましい。厚さが0.08mm未満又は密度が0.5g/cm未満の場合には、補強シートとしての強度が得られず、2g/cm以上の背圧強度を保持することが困難になる傾向にある。また、多官能アミン成分を含有するアミン水溶液、及び多官能酸ハライド成分を含有する有機溶液が基材内部に浸透しやすくなり、基材内部で重合反応が進行しやすくなるため乾燥複合半透膜の透過流束が低下する傾向にある。一方、厚さが0.15mmを超える場合又は密度が0.8g/cmを超える場合には、ろ過抵抗が大きくなったり、不織布への微多孔層の投錨効果が小さくなるため、不織布と微多孔層との界面で剥離が起こりやすくなる傾向にある。
微多孔層の形成材料としては、例えば、ポリスルホン、ポリエーテルスルホンのようなポリアリールエーテルスルホン、ポリイミド、ボリフッ化ビニリデンなど種々のものをあげることができるが、特に化学的、機械的、熱的に安定である点からポリスルホン、ポリアリールエーテルスルホンが好ましく用いられる。かかる微多孔層の厚さは、通常約25〜125μm、好ましくは約40〜75μmであるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。
基材表面に微多孔層を形成する方法は特に制限されず、従来公知の方法を適宜採用することができる。
ポリアミド系樹脂を含む未乾燥スキン層を多孔性支持体の表面(微多孔層上)に形成する方法は特に制限されず、あらゆる公知の手法を用いることができる。例えば、界面縮合法、相分離法、薄膜塗布法などが挙げられる。界面縮合法とは、具体的に、多官能アミン成分を含有するアミン水溶液と、多官能酸ハライド成分を含有する有機溶液とを接触させて界面重合させることにより未乾燥スキン層を形成し、該スキン層を多孔性支持体上に載置する方法や、多孔性支持体上での前記界面重合により未乾燥スキン層を多孔性支持体上に直接形成する方法である。かかる界面縮合法の条件等の詳細は、特開昭58−24303号公報、特開平1−180208号公報等に記載されており、それらの公知技術を適宜採用することができる。
本発明においては、多官能アミン成分を含むアミン水溶液からなる水溶液被覆層を多孔性支持体上に形成し、次いで多官能酸ハライド成分を含有する有機溶液と水溶液被覆層とを接触させて界面重合させることにより未乾燥スキン層を形成する方法が好ましい。
前記界面重合法において、アミン水溶液中の多官能アミン成分の濃度は特に制限されないが、0.1〜5重量%であることが好ましく、さらに好ましくは0.5〜2重量%である。多官能アミン成分の濃度が0.1重量%未満の場合にはスキン層にピンホール等の欠陥が生じやすくなり、また塩阻止性能が低下する傾向にある。一方、多官能アミン成分の濃度が5重量%を超える場合には、多官能アミン成分が多孔性支持体中に浸透しやすくなったり、膜厚が厚くなりすぎて透過抵抗が大きくなって透過流束が低下する傾向にある。
前記有機溶液中の多官能酸ハライド成分の濃度は特に制限されないが、0.01〜5重量%であることが好ましく、さらに好ましくは0.05〜3重量%である。多官能酸ハライド成分の濃度が0.01重量%未満の場合には、未反応多官能アミン成分が残留しやすくなったり、スキン層にピンホール等の欠陥が生じやすくなって塩阻止性能が低下する傾向にある。一方、多官能酸ハライド成分の濃度が5重量%を超える場合には、未反応多官能酸ハライド成分が残留しやすくなったり、膜厚が厚くなりすぎて透過抵抗が大きくなり、透過流束が低下する傾向にある。
前記有機溶液に用いられる有機溶媒としては、水に対する溶解度が低く、多孔性支持体を劣化させず、多官能酸ハライド成分を溶解するものであれば特に限定されず、例えば、シクロヘキサン、ヘプタン、オクタン、及びノナン等の飽和炭化水素、1,1,2−トリクロロトリフルオロエタン等のハロゲン置換炭化水素などを挙げることができる。好ましくは沸点が300℃以下、さらに好ましくは沸点が200℃以下の飽和炭化水素である。
前記アミン水溶液や有機溶液には、製膜を容易にしたり、得られる複合半透膜の性能を向上させるための目的で各種の添加剤を加えることができる。前記添加剤としては、例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシル硫酸ナトリウム、及びラウリル硫酸ナトリウム等の界面活性剤、重合により生成するハロゲン化水素を除去する水酸化ナトリウム、リン酸三ナトリウム、及びトリエチルアミン等の塩基性化合物、アシル化触媒、特開平8−224452号公報記載の溶解度パラメータが8〜14(cal/cm1/2の化合物などが挙げられる。
本発明の製造方法においては、上記方法により未乾燥スキン層を多孔性支持体の表面に形成した後、該未乾燥スキン層上及び前記多孔性支持体の基材上(つまり、多孔性支持体の裏面側)に気体を吹き付けて余剰の溶液を除去することが必要である。気体を吹き付ける際には、余剰溶液の除去効率及び作業効率の観点から各面上から同時に吹き付けることが好ましい。
吹き付ける気体は、多官能アミン成分及び多官能酸ハライド成分と反応しない気体であれば特に制限されないが、例えば空気、窒素、アルゴンなどが挙げられる。
使用する気体の温度は、10〜50℃であることが好ましく、より好ましくは15〜30℃である。温度が10℃未満の場合には水蒸気が液体となって多官能酸ハライドを失活させて重合反応の進行を妨げ、50℃を超える場合には溶液が揮発しすぎて重合反応が不十分になるため好ましくない。なお、気体の温度は、各面上10mmの位置で測定する。
未乾燥スキン層上に吹き付ける気体の風速は、0.1〜30m/secであることが好ましく、より好ましくは1〜20m/secであり、特に好ましくは5〜15m/secである。風速が0.1m/sec未満の場合には、余剰溶液を十分に除去できないため本発明の効果が十分に得られず、30m/secを超える場合には、余剰溶液が除去されすぎて、その後の重合反応が不十分になるため好ましくない。なお、気体の風速は、スキン層上10mmの位置で測定する。
一方、多孔性支持体の基材上に吹き付ける気体の風速は、0.5m/sec以上であることが好ましく、より好ましくは1m/sec以上である。風速が0.5m/sec未満の場合には、余剰の溶液を十分に除去できないため本発明の効果が十分に得られない傾向にある。なお、気体の風速は、基材上10mmの位置で測定する。
気体を吹き付ける時間は、余剰溶液の除去効率及び作業効率の観点から0.1〜10秒であることが好ましく、より好ましくは1〜10秒、特に好ましくは1〜5秒である。
本発明においては、上記方法で吹き付け処理した未乾燥スキン層を乾燥して、乾燥複合半透膜を作製する。本発明の乾燥複合半透膜は、乾燥タイプであるため加工性や保存性に優れている。なお、上記吹き付け処理をしつつ乾燥処理を施してもよい。
乾燥処理を行う際に、半透膜はその形状になんら制限を受けるものではない。すなわち平膜状、あるいはスパイラル状など、考えられるあらゆる膜形状において乾燥処理を施すことが可能である。例えば、半透膜をスパイラル状に加工して膜ユニットを作製し、該膜ユニットを乾燥してドライスパイラルエレメントを作製してもよい。
乾燥処理を行う際の温度は、膜性能の低下防止の観点から90〜140℃であることが好ましく、より好ましくは100〜130℃である。
乾燥処理を行う際の時間は、膜性能の低下防止の観点から10〜300秒であることが好ましく、より好ましくは30〜180秒である。特に、半透膜中の溶媒量が5重量%以下になるまで乾燥することが好ましい。
多孔性支持体上に形成したスキン層の厚みは特に制限されないが、通常0.05〜2μm程度であり、好ましくは、0.1〜1μmである。
また、乾燥複合半透膜やドライスパイラルエレメントの塩阻止性、透水性、及び耐酸化剤性等を向上させるために、従来公知の各種処理を施してもよい。
以下に実施例をあげて本発明を説明するが、本発明はこれら実施例によりなんら限定されるものではない。
製造例1
(多孔性支持体の作製)
ポリスルホン(Solvay社製、P−3500)18重量%をN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)に溶解した製膜ドープを不織布基材上にウエット厚み200μmで均一に塗布した。その後、すぐに40〜50℃の水中に浸漬させることにより凝固させ、かつ溶媒であるDMFを完全に抽出洗浄することによって、不織布基材上にポリスルホン微多孔層を有する多孔性支持体を作製した。
実施例1
m−フェニレンジアミン3重量部、ラウリル硫酸ナトリウム0.2重量部、カンファースルホン酸8重量部、トリエチルアミン4重量部、イソプロピルアルコール10重量部、及び水74.85重量部を含有するアミン水溶液を前記多孔性支持体上に塗布して水溶液被覆層を形成した。次に、前記水溶液被覆層の表面にトリメシン酸クロライド0.25重量%を含有するイソオクタン溶液を塗布し、界面重合反応させて未乾燥スキン層を形成した。その後、未乾燥スキン層の表面に温度20℃、風速10m/secの空気を3秒間吹き付け、同時に不織布基材の表面に温度20℃、風速1m/secの空気を3秒間吹き付けて余剰の溶液を除去した。その後、未乾燥複合半透膜を130℃で2分間乾燥させることにより乾燥複合半透膜を作製した。
(透過流束及び塩阻止率の測定)
作製した乾燥複合半透膜を所定の形状、サイズに切断し、平膜評価用のセルにセットする。1500mg/LのNaClを含みかつNaOHを用いてpH6.5に調整した水溶液(25℃)を膜の供給側と透過側に1.5MPaの差圧を与えて膜に接触させる。この操作によって得られた透過水の透過速度および電導度を測定し、透過流束(m/m・d)および塩阻止率(%)を算出した。塩阻止率は、NaCl濃度と水溶液電導度の相関(検量線)を事前に作成し、それらを用いて下式により算出した。透過試験の結果を表1に示す。
塩阻止率(%)={1−(透過液中のNaCl濃度[mg/L])/(供給液中のNaCl濃度[mg/L])}×100
また、上記透過試験後に、乾燥複合半透膜をアルカリ洗浄液(pH:14、NaOH:4重量%、25℃)中に60時間浸漬した。その後、乾燥複合半透膜を超純水(20℃)中で60分間浸漬洗浄し、上記と同様の方法で再度透過試験を行った。透過試験の結果を表1に示す。
実施例2
実施例1において、未乾燥スキン層の表面に温度20℃、風速10m/secの空気を3秒間吹き付け、同時に不織布基材の表面に温度20℃、風速12m/secの空気を3秒間吹き付けた以外は実施例1と同様の方法で乾燥複合半透膜を作製した。その後、実施例1と同様の方法で透過試験を行った。透過試験の結果を表1に示す。
Figure 2008253905
表1から明らかなように、未乾燥スキン層上及び多孔性支持体の基材上に気体を吹き付けて余剰の溶液を除去することにより、アルカリ洗浄液に対する耐性が高く、膜洗浄の前後において透過流束及び塩阻止率の変化が少ない乾燥複合半透膜を得ることができる。

Claims (6)

  1. 多官能アミン成分と多官能酸ハライド成分とを反応させてなるポリアミド系樹脂を含む未乾燥スキン層を多孔性支持体の表面に形成する工程、前記未乾燥スキン層上及び前記多孔性支持体の基材上に気体を吹き付けて余剰の溶液を除去する吹き付け工程、及び未乾燥スキン層を乾燥する乾燥工程を含む乾燥複合半透膜の製造方法。
  2. 前記吹き付け工程と前記乾燥工程を同時に行う請求項1記載の乾燥複合半透膜の製造方法。
  3. 前記吹き付け工程において、気体を吹き付ける時間が0.1〜10秒である請求項1又は2記載の乾燥複合半透膜の製造方法。
  4. 前記乾燥工程において、乾燥温度が90〜140℃である請求項1〜3のいずれかに記載の乾燥複合半透膜の製造方法。
  5. 前記乾燥工程において、乾燥時間が10〜300秒である請求項1〜4のいずれかに記載の乾燥複合半透膜の製造方法。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の製造方法によって得られる乾燥複合半透膜。
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