JP6400885B2 - 複合半透膜の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、高度な分離性能を有するスキン層とこれを支持する多孔性支持体とからなる複合半透膜の製造方法に関する。かかる複合半透膜は、RO膜、NF膜、MF膜、UF膜、及びFO膜など、主にそれらのスキン層の性能及び用途の応じて種々の利用が可能である。例えば、複合半透膜は、超純水の製造、かん水または海水の脱塩などに好適に用いられ、また染色排水や電着塗料排水などの公害発生原因である汚れなどから、その中に含まれる汚染源あるいは有効物質を除去・回収するなど、排水処理に用いることができる。また、食品用途などで有効成分の濃縮、浄水や下水用途等での有害成分の除去などの高度処理に用いることができる。
複合半透膜の製造方法としては、多孔性支持体上で多官能アミンと多官能酸ハロゲン化物とを界面重合させることによりポリアミドからなるスキン層を形成する方法が多く提案されている。
例えば、特許文献1及び2では、高性能なポリアミド系複合半透膜を得るための製造方法が提案されている。
しかしながら、近年では、排水、かん水及び海水等を処理するポリアミド系複合半透膜の需要増加に伴い、より高品質かつ大量の複合半透膜が求められている。そのためには、スキン層に欠陥(キズ、破れなど)のない複合半透膜を安定的かつ連続的に製造することが必要である。
特開平9−192461号公報 特開2006−130497号公報
本発明の目的は、スキン層の欠陥が少なく、高阻止率の複合半透膜を安定的に製造する方法を提供することにある。
本発明は、スキン層を多孔性支持体の表面に形成してなる複合半透膜の製造方法において、スキン層を多孔性支持体の表面に形成する前に、多孔性支持体の表面に付着している異物を除去する異物除去工程を含むことを特徴とする複合半透膜の製造方法、に関する。
多孔性支持体表面に異物が存在すると該異物上にスキン層が形成されるため、該異物によってスキン層に欠陥(キズ、破れなど)が生じる場合がある。また、従来の製造方法のように、スキン層形成溶液を多孔性支持体上に塗布した後に余剰溶液をワイパー等により除去する場合には、多孔性支持体表面に異物が存在すると、スキン層に引っかきキズが生じたり、スキン層が破れたり、又は余剰溶液を均一に除去できないためスキン層の表面均一性が悪くなるなどの不具合が生じる場合がある。これらの理由により、従来の製造方法では、高い分離性能を有する複合半透膜を安定的に連続生産することが困難であった。
本発明の複合半透膜の製造方法のように、スキン層を多孔性支持体の表面に形成する前に、多孔性支持体の表面に付着している異物(例えば、ポリマー粒子など)を除去する工程を設けておくことにより、スキン層の欠陥の発生を効果的に抑制することができるため、歩留りよく高阻止率の複合半透膜を安定的に連続生産することができる。
前記異物除去工程は、多孔性支持体表面への液体吹き付け処理、多孔性支持体表面でのワイパー、スキージ又はブラシの接触移動処理、多孔性支持体表面への気体吹き付け処理、又はこれらの2種以上の組み合わせにより行うことが好ましい。
特に、前記異物除去工程は、液体吹き付け処理をした後、接触移動処理又は気体吹き付け処理を行う工程、あるいは気体吹き付け処理をした後、接触移動処理を行う工程であることが好ましい。
また、前記異物除去工程は、多孔性支持体の両側表面に付着している異物を除去する工程であることが好ましい。
前記スキン層は、多官能アミン成分と多官能酸ハライド成分とを重合してなるポリアミド系樹脂を含むものであり、多官能アミン成分を含むアミン水溶液を多孔性支持体の表面に接触させる前に、前記異物除去工程を行うことが好ましい。
また、前記異物除去工程は、アミン水溶液を多孔性支持体の表面に接触させる前、60秒以内に行うことが好ましい。
また、前記多官能アミン成分が、脂環式多官能アミンであることが好ましい。
実施例1で作製した複合半透膜の製膜長0m位置における膜面の染色状態を示した顕微鏡写真である。 実施例1で作製した複合半透膜の製膜長1000m位置における膜面の染色状態を示した顕微鏡写真である。 比較例1で作製した複合半透膜の製膜長0m位置における膜面の染色状態を示した顕微鏡写真である。 比較例1で作製した複合半透膜の製膜長1000m位置における膜面の染色状態を示した顕微鏡写真である。
以下、本発明の実施の形態について説明する。本発明は、スキン層を多孔性支持体の表面に形成してなる複合半透膜の製造方法において、スキン層を多孔性支持体の表面に形成する前に、多孔性支持体の表面に付着している異物を除去する異物除去工程を含むことを特徴とする。
スキン層の形成材料は特に制限されず、例えば、酢酸セルロール、エチルセルロース、ポリエーテル、ポリエステル、及びポリアミドなどが挙げられる。
本発明においては、多官能アミン成分と多官能酸ハロゲン成分とを重合してなるポリアミド系樹脂を含むスキン層であることが好ましい。以下、スキン層の形成材料がポリアミド系樹脂である場合について本発明を説明する。
多官能アミン成分とは、2以上の反応性アミノ基を有する多官能アミンであり、芳香族、脂肪族、及び脂環式の多官能アミンが挙げられる。
芳香族多官能アミンとしては、例えば、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、o−フェニレンジアミン、1,3,5−トリアミノベンゼン、1,2,4−トリアミノベンゼン、3,5−ジアミノ安息香酸、2,4−ジアミノトルエン、2,6−ジアミノトルエン、N,N’−ジメチル−m−フェニレンジアミン、2,4−ジアミノアニソール、アミドール、キシリレンジアミン等が挙げられる。
脂肪族多官能アミンとしては、例えば、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、トリス(2−アミノエチル)アミン、n−フェニル−エチレンジアミン等が挙げられる。
脂環式多官能アミンとしては、例えば、1,3−ジアミノシクロヘキサン、1,2−ジアミノシクロヘキサン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、ピペラジン、2,5−ジメチルピペラジン、4−アミノメチルピペラジン等が挙げられる。
これらの多官能アミンは1種で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。本発明の製造方法の効果は、脂環式多官能アミンを含むポリアミド系スキン層を用いた場合に特に顕著である。脂環式多官能アミンは、芳香族多官能アミンと比べて重合時の反応性が低いため、異物の存在により欠陥が生じる可能性が高いと推測される。また、高塩阻止性能のスキン層を得るためには、芳香族多官能アミンを用いることが好ましい。
多官能酸ハライド成分とは、反応性カルボニル基を2個以上有する多官能酸ハライドである。
多官能酸ハライドとしては、芳香族、脂肪族、及び脂環式の多官能酸ハライドが挙げられる。
芳香族多官能酸ハライドとしては、例えば、トリメシン酸トリクロライド、テレフタル酸ジクロライド、イソフタル酸ジクロライド、ビフェニルジカルボン酸ジクロライド、ナフタレンジカルボン酸ジクロライド、ベンゼントリスルホン酸トリクロライド、ベンゼンジスルホン酸ジクロライド、クロロスルホニルベンゼンジカルボン酸ジクロライド等が挙げられる。
脂肪族多官能酸ハライドとしては、例えば、プロパンジカルボン酸ジクロライド、ブタンジカルボン酸ジクロライド、ペンタンジカルボン酸ジクロライド、プロパントリカルボン酸トリクロライド、ブタントリカルボン酸トリクロライド、ペンタントリカルボン酸トリクロライド、グルタリルハライド、アジポイルハライド等が挙げられる。
脂環式多官能酸ハライドとしては、例えば、シクロプロパントリカルボン酸トリクロライド、シクロブタンテトラカルボン酸テトラクロライド、シクロペンタントリカルボン酸トリクロライド、シクロペンタンテトラカルボン酸テトラクロライド、シクロヘキサントリカルボン酸トリクロライド、テトラハイドロフランテトラカルボン酸テトラクロライド、シクロペンタンジカルボン酸ジクロライド、シクロブタンジカルボン酸ジクロライド、シクロヘキサンジカルボン酸ジクロライド、テトラハイドロフランジカルボン酸ジクロライド等が挙げられる。
これら多官能酸ハライドは1種で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。高塩阻止性能のスキン層を得るためには、芳香族多官能酸ハライドを用いることが好ましい。また、多官能酸ハライド成分の少なくとも一部に3価以上の多官能酸ハライドを用いて、架橋構造を形成するのが好ましい。
また、ポリアミド系樹脂を含むスキン層の性能を向上させるために、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸などのポリマー、ソルビトール、グリセリンなどの多価アルコールなどを共重合させてもよい。
スキン層を支持する多孔性支持体は、スキン層を支持しうるものであれば特に限定されず、通常平均孔径10〜500Å程度の微孔を有する限外濾過膜が好ましく用いられる。多孔性支持体の形成材料としては、例えば、ポリスルホン、ポリエーテルスルホンのようなポリアリールエーテルスルホン、ポリイミド、ボリフッ化ビニリデンなど種々のものをあげることができるが、特に化学的、機械的、熱的に安定である点からポリスルホン、ポリアリールエーテルスルホンが好ましく用いられる。かかる多孔性支持体の厚さは、通常約25〜125μm、好ましくは約40〜75μmであるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。なお、多孔性支持体は織布、不織布等による裏打ちにて補強されていてもよい。
本発明においては、スキン層を多孔性支持体の表面に形成する前に、多孔性支持体の表面に付着している異物を除去しておくこと(異物除去工程)が必要である。なお、本発明において、「異物」とは、最大幅が50nm以上の有機物又は無機物、あるいは余剰水分又は水滴などのスキン層形成に悪影響を与える物質を意味する。
前記異物除去工程における異物を除去する手段は、多孔性支持体の表面に付着している異物を除去できれば特に制限されることなく公知の方法を用いることができるが、例えば、多孔性支持体表面への液体吹き付け処理及び気体吹き付け処理などの非接触手段や、多孔性支持体表面でのワイパー、スキージ又はブラシなどの接触移動処理及び粘着ローラーによる粘着処理などの接触手段が挙げられる。これら異物除去手段は2種以上を組み合わせてもよく、例えば、液体吹き付け処理をした後に接触移動処理又は気体吹き付け処理を行う方法、又は気体吹き付け処理をした後に接触移動処理を行う方法を好ましく用いることができる。特に、液体吹き付け処理をした後に接触移動処理又は気体吹き付け処理を行う方法は、多孔性支持体表面の異物である固着物質及び水溶性物質の除去が可能であるため、特に好ましい。
液体吹き付け処理は、液体を多孔性支持体の表面上に付着させて流動させるか、異物と共に除去することができればよく、その処理方法は特に限定されないが、表面へのシャワー又は噴霧法が好ましく用いられる。使用する液体としては、水及びアルコールなど、多孔性支持体の表面に化学的なダメージを与えない液体が挙げられ、特に純水又は超純水を用いることが好ましい。多孔性支持体の表面に付着している異物を完全に除去するために、噴射力は多孔性支持体を破壊しない程度に高い方が好ましい。吹き付け量は、通常0.1〜30L/(min・m)程度であり、好ましくは1〜15L/(min・m)、より好ましくは5〜15L/(min・m)である。吹き付け量が少なすぎると異物の除去が不十分になり、多すぎると多孔性支持体にダメージが生じやすくなる。液体吹き付けは、多孔性支持体の表面全体に行う必要があり、吹き付け後はスキン層の形成に悪影響を与えない程度に液体を除去しておくことが好ましい。
気体吹き付け処理は、異物を気体を用いて吹き飛ばす処理であれば特に限定されないが、例えば、スリット又はノズルから気体を噴射するエアナイフが挙げられる。使用する気体としては、多孔性支持体の表面にダメージを与えにくい空気及び窒素ガスなどの不活性ガスが好ましく用いられる。多孔性支持体の表面に付着している異物を完全に除去するためには、多孔性支持体表面にエアナイフを1〜5mmの距離まで接近させて気体を吹き付けることが好ましい。噴射速度は、表面近傍において10〜500m/秒であることが好ましく、噴射速度が速すぎると表面にダメージを与えやすくなるため、35〜100m/秒であることがより好ましい。
接触移動処理の場合、使用する道具は、異物を除去でき、多孔性支持体の表面にダメージを与えにくいものであれば特に限定されないが、例えば、ワイパー、スキージ、及びブラシなどが挙げられる。ワイパーとしては、ゴムブレードワイパー、プラスチックプレートワイパーが挙げられる。スキージとしては、ウレタンゴム製スキージが挙げられる。ブラシとしては、天然繊維ブラシ、人口繊維ブラシが挙げられる。ゴムブレードワイパー及びスキージの材質としては、例えば、ニトリルゴム、ブチルゴム、フッ素ゴム、シリコンゴム、及びウレタンゴムなどが挙げられ、耐摩耗性と耐薬品性の観点からニトリルゴム又はフッ素ゴムが好適に用いられる。多孔性支持体の表面に付着している異物を完全に除去するために、多孔性支持体がロールで支持された部分にワイパー等を接触移動させるか、又はワイパー等を接触させてもたわまない程度に張られた状態でワイパー等を接触移動させる必要がある。多孔性支持体表面へのワイパー等の接触強さは、多孔性支持体表面の搬送抵抗と接触量による異物除去効率の観点から適宜調整すればよい。
スキン層が、多官能アミン成分と多官能酸ハライド成分とを重合してなるポリアミド系樹脂を含むものである場合、異物除去工程は、多官能アミン成分を含むアミン水溶液を多孔性支持体の表面に接触させる前であればいつ行ってもよいが、異物除去工程後に外部からの異物の再付着を防止するために、アミン水溶液を多孔性支持体の表面に接触させる前60秒以内に行うことが好ましく、より好ましくは30秒以内であり、特に好ましくは15秒以内である。
異物除去工程は、アミン水溶液を接触させる多孔性支持体表面で行う必要があるが、多孔性支持体の両側表面で行うことが好ましい。それにより、ロール状に巻き取る場合、又は搬送ロールとの接触時に異物が表面に付着することを抑制できる。
本発明においては、前記異物除去工程後、多官能アミン成分を含むアミン水溶液からなる水溶液被覆層を多孔性支持体表面に形成し、次いで多官能酸ハライド成分を含有する有機溶液と水溶液被覆層とを接触させて界面重合させることによりスキン層を形成することが好ましい。かかる界面重合法の条件等の詳細は、特開昭58−24303号公報、特開平1−180208号公報等に記載されており、それらの公知技術を適宜採用することができる。
前記界面重合法において、アミン水溶液中の多官能アミン成分の濃度は特に制限されないが、0.1〜5重量%であることが好ましく、さらに好ましくは0.5〜2重量%である。多官能アミン成分の濃度が0.1重量%未満の場合にはスキン層にピンホール等の欠陥が生じやすくなり、また塩阻止性能が低下する傾向にある。一方、多官能アミン成分の濃度が5重量%を超える場合には、多官能アミン成分が多孔性支持体中に浸透しやすくなったり、膜厚が厚くなりすぎて透過抵抗が大きくなって透過流束が低下する傾向にある。
前記有機溶液中の多官能酸ハライド成分の濃度は特に制限されないが、0.01〜5重量%であることが好ましく、さらに好ましくは0.05〜3重量%である。多官能酸ハライド成分の濃度が0.01重量%未満の場合には、未反応多官能アミン成分が残留しやすくなったり、スキン層にピンホール等の欠陥が生じやすくなって塩阻止性能が低下する傾向にある。一方、多官能酸ハライド成分の濃度が5重量%を超える場合には、未反応多官能酸ハライド成分が残留しやすくなったり、膜厚が厚くなりすぎて透過抵抗が大きくなり、透過流束が低下する傾向にある。
前記有機溶液に用いられる有機溶媒としては、水に対する溶解度が低く、多孔性支持体を劣化させず、多官能酸ハライド成分を溶解するものであれば特に限定されず、例えば、シクロヘキサン、ヘプタン、オクタン、及びノナン等の飽和炭化水素、1,1,2−トリクロロトリフルオロエタン等のハロゲン置換炭化水素などを挙げることができる。好ましくは沸点が300℃以下、さらに好ましくは沸点が200℃以下の飽和炭化水素である。
前記アミン水溶液や有機溶液には、製膜を容易にしたり、得られる複合半透膜の性能を向上させるための目的で各種の添加剤を加えることができる。前記添加剤としては、例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシル硫酸ナトリウム、及びラウリル硫酸ナトリウム等の界面活性剤、重合により生成するハロゲン化水素を除去する水酸化ナトリウム、リン酸三ナトリウム、及びトリエチルアミン等の塩基性化合物、アシル化触媒、特開平8−224452号公報記載の溶解度パラメータが8〜14(cal/cm1/2の化合物などが挙げられる。
多孔性支持体上に前記アミン水溶液を塗布してから前記有機溶液を塗布するまでの時間は、アミン水溶液の組成、粘度及び多孔性支持体の表面層の孔径にもよるが、15秒以下であることが好ましく、より好ましくは5秒以下である。前記溶液の塗布間隔が15秒を超える場合には、アミン水溶液が多孔性支持体の内部深くまで浸透・拡散し、未反応多官能アミン成分が多孔性支持体中に大量に残存する恐れがある。なお、前記多孔性支持体上に前記アミン水溶液を被覆した後、余分なアミン水溶液を除去してもよい。
本発明においては、アミン水溶液からなる水溶液被覆層と有機溶液との接触後、多孔性支持体上の過剰な有機溶液を除去し、多孔性支持体上の形成膜を70℃以上で加熱乾燥してスキン層を形成することが好ましい。形成膜を加熱処理することによりその機械的強度や耐熱性等を高めることができる。加熱温度は70〜200℃であることがより好ましく、特に好ましくは100〜150℃である。加熱時間は30秒〜10分程度が好ましく、さらに好ましくは40秒〜7分程度である。
多孔性支持体上に形成したスキン層の厚みは特に制限されないが、通常0.05〜2μm程度であり、好ましくは、0.1〜1μmである。
本発明の複合半透膜はその形状になんら制限を受けるものではない。すなわち平膜状、あるいはスパイラルエレメント状など、考えられるあらゆる膜形状が可能である。また、複合半透膜の塩阻止性、透水性、及び耐酸化剤性等を向上させるために、従来公知の各種処理を施してもよい。
以下に実施例をあげて本発明を説明するが、本発明はこれら実施例によりなんら限定されるものではない。
〔測定及び評価方法〕
(MgSO阻止率の測定)
作製したサンプルを平膜評価用のセルにセットした。0.2重量%のMgSOを含みかつNaOHを用いてpH6.5に調整した水溶液を25℃で膜の供給側と透過側に0.9MPaの差圧を与えて膜に接触させ、該水溶液を30分間透過させた。この操作によって得られた透過水の電導度を測定し、MgSO阻止率(%)を算出した。MgSO阻止率は、MgSO濃度と水溶液電導度の相関(検量線)を事前に作成し、それらを用いて下式により算出した。
MgSO阻止率(%)={1−(透過液中のMgSO濃度[mg/L])/(供給液中のMgSO濃度[mg/L])}×100
(膜染色の評価)
作製したサンプルを平膜評価用のセルにセットした。1重量%のベーシックバイオレット染料を含む水溶液を25℃で膜の供給側と透過側に1.5MPaの差圧を与えて膜に接触させ、該水溶液を10分間透過させ、染料を膜面に付着させた。
実施例1
ロール状に巻かれた多孔性支持体(不織布上にポリスルホン多孔層を形成したUF膜)を連続的に送り出しながら、多孔性支持体の両面に10L/(min・m)の純水を1秒間吹き付け、その直後にフッ素ゴムブレードワイパー(タイプA硬度:50)を多孔性支持体のスキン層形成面に接触させて異物を除去した(異物除去工程)。ここで、多孔性支持体からサンプル(10mm×10mm)を幅方向に適正量切り取り、顕微鏡を用いて目視にて50nm以上の微粒子の数を数え、その平均値を求めた。その結果を表1に示す。
その後、残った多孔性支持体に対して、ピペラジン1.2重量%を含有するアミン水溶液をその表面に塗布し、その後余分なアミン水溶液を除去することにより水溶液被覆層を形成した。次に、前記水溶液被覆層の表面にトリメシン酸クロライド0.9重量%を含有するイソオクタン溶液を塗布した。その後、余分な溶液を除去し、さらに120℃の熱風乾燥機中で3分間保持して、多孔性支持体上にポリアミド系樹脂を含むスキン層を形成して複合半透膜を得た。このときの初期(製膜0〜1m)及び製膜位置1000mの複合半透膜からφ75mmの大きさのサンプルをそれぞれ3枚ずつ切り取り、該サンプルを用いてMgSO阻止率の測定を行った。その結果の平均値を表1に示す。
実施例2
実施例1の異物除去工程において、多孔性支持体の両面に10L/(min・m)の純水を1秒間吹き付けた後に、多孔性支持体の両面に風速40m/sの空気を1秒間吹き付けて異物を除去したこと以外は実施例1と同様の方法で複合半透膜を作製し、MgSO阻止率の測定を行った。その結果の平均値を表1に示す。
実施例3
実施例1の異物除去工程において、多孔性支持体の両面に風速40m/sの空気を1秒間吹き付けた後に、実施例1と同様にゴムブレードワイパーで処理して異物を除去したこと以外は実施例1と同様の方法で複合半透膜を作製し、MgSO阻止率の測定を行った。その結果の平均値を表1に示す。
実施例4
実施例1の異物除去工程において、多孔性支持体の両面に風速40m/sの空気を1秒間吹き付ける処理を連続的に2回施して異物を除去したこと以外は実施例1と同様の方法で複合半透膜を作製し、MgSO阻止率の測定を行った。その結果の平均値を表1に示す。
実施例5
実施例1の異物除去工程において、多孔性支持体の両面に10L/(min・m)の純水を1秒間吹き付けて異物を除去した後、多孔性支持体を傾斜させて余剰水分を除去したこと以外は実施例1と同様の方法で複合半透膜を作製し、MgSO阻止率の測定を行った。その結果の平均値を表1に示す。
実施例6
実施例1の異物除去工程において、多孔性支持体の両面に1L/(min・m)の純水を1秒間吹き付けて異物を除去した後、多孔性支持体を傾斜させて余剰水分を除去したこと以外は実施例1と同様の方法で複合半透膜を作製し、MgSO阻止率の測定を行った。その結果の平均値を表1に示す。
実施例7
実施例1の異物除去工程において、多孔性支持体の両面に0.5L/(min・m)の純水を1秒間吹き付けて異物を除去した後、多孔性支持体を傾斜させて余剰水分を除去したこと以外は実施例1と同様の方法で複合半透膜を作製し、MgSO阻止率の測定を行った。その結果の平均値を表1に示す。
比較例1
実施例1の異物除去工程を行わなかったこと以外は実施例1と同様の方法で複合半透膜を作製し、MgSO阻止率の測定を行った。その結果の平均値を表1に示す。
Figure 0006400885
表1から明らかなように、実施例1〜7の複合半透膜は、微粒子数が10個以下であり、1000m連続生産した場合でもMgSO阻止率が99%以上で安定しており、スキン層表面に欠陥がほとんど生じていないことがわかる。さらに、微粒子数を5個以下にすることにより、1000m生産時でもMgSO阻止率の低下を著しく抑えられることがわかる。一方、比較例1の複合半透膜は、1000m連続生産した場合にはMgSO阻止率が大きく低下しており、歩留りの低下が懸念される。

Claims (6)

  1. スキン層を多孔性支持体の表面に形成してなる水処理用複合半透膜の製造方法において、スキン層を多孔性支持体の表面に形成する前に、多孔性支持体の表面に付着している最大幅が50nm以上の微粒子である異物を除去する異物除去工程を含み、
    前記異物除去工程は、多孔性支持体表面への液体吹き付け処理、多孔性支持体表面でのワイパー、スキージ又はブラシの接触移動処理、多孔性支持体表面への気体吹き付け処理、又はこれらの2種以上の組み合わせにより行い、
    前記スキン層は、多官能アミン成分と多官能酸ハライド成分とを重合してなるポリアミド系樹脂を含むものであり、多官能アミン成分を含むアミン水溶液を多孔性支持体の表面に接触させる前に、前記異物除去工程を行うことを特徴とする水処理用複合半透膜の製造方法。
  2. 前記異物除去工程は、液体吹き付け処理をした後、接触移動処理又は気体吹き付け処理を行う工程である請求項記載の水処理用複合半透膜の製造方法。
  3. 前記異物除去工程は、気体吹き付け処理をした後、接触移動処理を行う工程である請求項記載の水処理用複合半透膜の製造方法。
  4. 前記異物除去工程は、多孔性支持体の両側表面に付着している異物を除去する工程である請求項1〜のいずれかに記載の水処理用複合半透膜の製造方法。
  5. 前記異物除去工程は、アミン水溶液を多孔性支持体の表面に接触させる前、60秒以内に行う請求項1〜4のいずれかに記載の水処理用複合半透膜の製造方法。
  6. 前記多官能アミン成分が、脂環式多官能アミンである請求項1〜5のいずれかに記載の水処理用複合半透膜の製造方法。
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