JPH10137563A - 高透過性複合逆浸透膜 - Google Patents

高透過性複合逆浸透膜

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JPH10137563A
JPH10137563A JP29666596A JP29666596A JPH10137563A JP H10137563 A JPH10137563 A JP H10137563A JP 29666596 A JP29666596 A JP 29666596A JP 29666596 A JP29666596 A JP 29666596A JP H10137563 A JPH10137563 A JP H10137563A
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JP
Japan
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composite reverse
reverse osmosis
osmosis membrane
skin layer
highly permeable
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JP29666596A
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Masahiko Hirose
雅彦 廣瀬
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 界面重縮合反応法によるポリアミド系スキン
層薄膜を含む複合逆浸透膜であって、その表面のポリア
ミド系スキン層の平均面粗さが50nm以上であり、か
つ前記複合逆浸透膜を還元剤溶液で処理することによ
り、高い塩阻止率を維持し高い水透過性能を併せ有する
複合逆浸透膜を提供する。 【解決手段】 ポリスルホン系限外濾過膜等の微多孔性
支持体の表面で、例えばイソプロピルアルコールを混合
したm−フェニレンジアミンとトリメシン酸クロライド
溶液を接触させ、界面重縮合反応させ、重合体薄膜を形
成させ複合逆浸透膜を得る。水道水を用いて電気分解
し、発生した活性水素水に、得られた複合逆浸透膜を常
温にて8時間浸漬し水洗する。この逆浸透膜の性能は、
1500ppmの塩化ナトリウムを含むpH6.5の食塩水を7.5kgf
/cm2の圧力で、透過液電導度による塩阻止率は99.5%、
透過流束は1.3m3/m2・日であった。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液状混合物中の成
分を選択的に分離するための複合逆浸透膜に関し、詳し
くは、微多孔性支持体上にポリアミドを主成分とする活
性層あるいは薄膜とも呼ばれるスキン層を備えた高塩阻
止率と高透過流束を併せ有する複合逆浸透膜に関する。
かかる複合逆浸透膜は、超純水の製造、海水またはかん
水の脱塩などに好適に用いられ、また染色排水や電着塗
料排水などの公害発生原因である汚れ等から、その中に
含まれる汚染源あるいは有効物質を除去回収し、ひいて
は排水のクローズ化に寄与することができる。また食品
用途等での有効成分の濃縮等や、浄水や下水用途等での
有害成分の除去などの高度処理に用いることができる。
また家庭で用いることができる複合逆浸透膜を利用した
浄水器などにも用いることができる。
【0002】
【従来の技術】従来より、非対称逆浸透膜とは構造が異
なる逆浸透膜として、微多孔性支持体上に実質的に選択
分離性を有する活性なスキン層を形成してなる複合逆浸
透膜が知られている。現在かかる複合逆浸透膜として、
多官能芳香族アミンと多官能芳香族酸ハロゲン化物との
界面重合によって得られるポリアミドからなるスキン層
が、支持体上に形成されたものが多く知られている(例
えば特開昭55−147106号公報、特開昭62−1
21603号公報、特開昭63−218208号公報、
特公平6−73617号公報)。
【0003】上記複合逆浸透膜は、高い脱塩性能及び水
透過性能を有するが、さらに高い脱塩性能を維持したま
ま水透過性を向上させることが、運転コストや設備コス
トの低減や効率面などの点から望まれている。これらの
要求に対し、各種添加剤(例えば特開昭63−1231
0号公報)等が提案されているが、性能は改善されてい
るものの、未だ不十分である。また複合逆浸透膜の酸溶
液による後処理(例えば特表平8−500279号公
報)や、塩素による後処理(例えば特開昭63−549
05号公報、特開平1−180208号公報)等も提案
されているが、透過水量が高くなるものの阻止性能が低
下したり、後処理に使う塩素や酸溶液の廃液の処理など
問題が多く、また透過流束もいまだ低く、例えば7.5
kgf/cm2 の低圧での使用は実用的で無かった。そ
こで経済面などの観点から更に低圧で高い脱塩性能を有
する複合逆浸透膜が求められている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来の
問題を解決するため、高い塩阻止率を維持し、高い水透
過性能を併せ有する複合逆浸透膜を提供することにあ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明の高透過性複合逆浸透膜は、2つ以上の反応
性のアミノ基を有する化合物と、2つ以上の反応性の酸
ハライド基を有する多官能性酸ハロゲン化合物を重縮合
反応させて得られたポリアミド系スキン層薄膜と、これ
を支持する微多孔性支持体とからなる複合逆浸透膜にお
いて、複合逆浸透膜表面のポリアミド系スキン層の平均
面粗さが50nm以上であり、かつ前記複合逆浸透膜は
還元剤溶液で処理されていることを特徴とする。前記複
合逆浸透膜表面のポリアミド系スキン層の平均面粗さは
10000nm以下であることが好ましく、特に好まし
くは1000nm以下である。前記複合逆浸透膜は還元
剤溶液で処理をしなければならない。還元剤溶液処理を
しない状態でも本発明の比表面積を満足する複合逆浸透
膜は高い透過流束を有するが、さらに高い透過流束を得
るためには、還元剤溶液処理が必要である。還元剤溶液
で処理することにより、透過水量が増加する。還元剤溶
液の酸化還元電位が0mv以下であることが好ましい。
また還元剤が活性水素であることが好ましい。さらに活
性水素は、水の電気分解により発生する活性水素水に含
まれることが好ましい。
【0006】また前記構成においては、複合逆浸透膜表
面のポリアミド系スキン層の二乗平均粗さが60nm以
上であることが好ましい。前記複合逆浸透膜表面のポリ
アミド系スキン層の二乗平均粗さは20000nm以下
であることが好ましく、特に好ましくは2000nm以
下である。
【0007】また前記構成においては、複合逆浸透膜表
面のポリアミド系スキン層の10点平均粗さが280n
m以上であることが好ましい。前記複合逆浸透膜表面の
ポリアミド系スキン層の10点平均粗さは50000n
m以下であることが好ましく、特に好ましくは1000
0nm以下である。
【0008】また前記構成においては、複合逆浸透膜表
面のポリアミド系スキン層の最大高低差が400nm以
上であることが好ましい。前記複合逆浸透膜表面のポリ
アミド系スキン層の最大高低差は100000nm以下
であることが好ましく、特に好ましくは20000nm
以下である。
【0009】
【発明の実施の形態】前記した本発明の複合逆浸透膜
は、たとえば2つ以上の反応性のアミノ基を有する化合
物と、2つ以上の反応性の酸ハライド基を有する多官能
性酸ハロゲン化合物との界面重縮合反応時に、溶解度パ
ラメーターが8〜14(cal/cm3 )1/2の化合物、例え
ばアルコール類、エーテル類、ケトン類、エステル類、
ハロゲン化炭化水素類、及び含硫黄化合物類などから選
ばれる少なくとも一つの化合物の存在させることにより
製造することができる。かかるアルコール類としては、
例えば、エタノール、プロパノール、ブタノール、ブチ
ルアルコール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、
t−アミルアルコール、イソアミルアルコール、イソブ
チルアルコール、イソプロピルアルコール、ウンデカノ
ール、2−エチルブタノール、2−エチルヘキサノー
ル、オクタノール、シクロヘキサノール、テトラヒドロ
フルフリルアルコール、ネオペンチルグリコール、t−
ブタノール、ベンジルアルコール、4−メチル−2−ペ
ンタノール、3−メチル−2−ブタノール、ペンチルア
ルコール、アリルアルコール、エチレングリコール、ジ
エチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラ
エチレングリコール等が挙げられる。
【0010】またエーテル類としては例えば、アニソー
ル、エチルイソアミルエーテル、エチル−t−ブチルエ
ーテル、エチルベンジルエーテル、クラウンエーテル、
クレジルメチルエーテル、ジイソアミルエーテル、ジイ
ソプロピルエーテル、ジエチルエーテル、ジオキサン、
ジグリシジルエーテル、シネオール、ジフェニルエーテ
ル、ジブチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジベンジ
ルエーテル、ジメチルエーテル、テトラヒドロピラン、
テトラヒドロフラン、トリオキサン、ジクロロエチルエ
ーテル、ブチルフェニルエーテル、フラン、メチル−t
−ブチルエーテル、モノジクロロジエチルエーテル、エ
チレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコー
ルジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエー
テル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレ
ングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコール
モノブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエ
ーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエ
チレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコ
ールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエ
チルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテ
ル、ジエチレンクロロヒドリン等が挙げられる。
【0011】またケトン類としては例えば、エチルブチ
イルケトン、ジアセトンアルコール、ジイソブチルケト
ン、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン、メチルイソブ
チルケトン、メチルエチルケトン、メチルシクロヘキサ
ン等が挙げられる。またエステル類としては例えば、ギ
酸メチル、ギ酸エチル、ギ酸プロピル、ギ酸ブチル、ギ
酸イソブチル、ギ酸イソアミル、酢酸メチル、酢酸エチ
ル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸
アミル等が挙げられる。またハロゲン化炭化水素類とし
ては例えば、アリルクロライド、塩化アミル、ジクロロ
メタン、ジクロロエタン等が挙げられる。また含硫黄化
合物類としては例えば、ジメチルスルホキシド、スルホ
ラン、チオラン等が挙げられる。これらの中でも特にア
ルコール類、エーテル類が好ましい。これらの化合物は
単独であるいは複数で存在させることができる。
【0012】本発明で用いられるアミン成分は、2つ以
上の反応性のアミノ基を有する多官能アミンであれば特
に限定されず、芳香族、脂肪族、または脂環式の多官能
アミンが挙げられる。かかる芳香族多官能アミンとして
は、例えば、m−フェニレンジアミン、p−フェニレン
ジアミン、1,3,5-トリアミノベンゼン、1,2,4-トリアミ
ノベンゼン、8,5-ジアミノ安息香酸、2,4-ジアミノトル
エン、2,4-ジアミノアニソール、アミドール、キシリレ
ンジアミン等が挙げられる。また脂肪族多官能アミンと
しては、例えば、エチレンジアミン、プロピレンジアミ
ン、トリス(2−アミノエチル)アミン等が挙げられ
る。また、脂環式多官能アミンとしては、例えば、1,3-
ジアミノシクロヘキサン、1,2-ジアミノシクロヘキサ
ン、1,4-ジアミノシクロヘキサン、ピペラジン、2,5-ジ
メチルピペラジン、4-アミノメチルピペラジン等が挙げ
られる。これらのアミンは、単独として用いられてもよ
く、混合物として用いられてもよい。
【0013】また本発明で用いられる多官能性酸ハロゲ
ン化物は、特に限定されず、芳香族、脂肪族、脂環式等
の多官能性酸ハロゲン化物が挙げられる。かかる芳香族
多官能性酸ハロゲン化物としては、例えば、トリメシン
酸クロライド、テレフタル酸クロライド、イソフタル酸
クロライド、ビフェニルジカルボン酸クロライド、ナフ
タレンジカルボン酸ジクロライド、ベンゼントリスルホ
ン酸クロライド、ベンゼンジスルホン酸クロライド、ク
ロロスルホニルベンゼンジカルボン酸クロライド等が挙
げられる。
【0014】また脂肪族多官能性酸ハロゲン化物として
は、例えば、プロパントリカルボン酸クロライド、ブタ
ントリカルボン酸クロライド、ペンタントリカルボン酸
クロライド、グルタリルハライド、アジポイルハライド
等が挙げられる。また脂環式多官能性酸ハロゲン化物と
しては、例えば、シクロプロパントリカルボン酸クロラ
イド、シクロブタンテトラカルボン酸クロライド、シク
ロペンタントリカルボン酸クロライド、シクロペンタン
テトラカルボン酸クロライド、シクロヘキサントリカル
ボン酸クロライド、テトラハイドロフランテトラカルボ
ン酸クロライド、シクロペンタンジカルボン酸クロライ
ド、シクロブタンジカルボン酸クロライド、シクロヘキ
サンジカルボン酸クロライド、テトラハイドロフランジ
カルボン酸クロライド等が挙げられる。これらの酸ハロ
ゲン化物は単独として用いられてもよく、混合物として
も用いられてもよい。
【0015】本発明においては、前記アミン成分と、前
記酸ハライド成分とを、界面重合させることにより、多
孔性支持体上に架橋ポリアミドを主成分とする薄膜が形
成された複合逆浸透膜が得られる。
【0016】本発明において前記薄膜を支持する多孔性
支持体は、薄膜を支持し得る物であれば特に限定され
ず、例えば、ポリスルホン、ポリエーテルスルホンのよ
うなポリアリールエーテルスルホン、ポリイミド、ポリ
フッ化ビニリデンなど種々のものを挙げることができる
が、特に、化学的、機械的、熱的に安定である点から、
ポリスルホン、ポリアリールエーテルスルホンからなる
多孔性支持膜が好ましく用いられる。かかる多孔性支持
体は、通常、約25〜125μm、好ましくは約40〜
75μmの厚みを有するが、必ずしもこれらに限定され
るものではない。
【0017】より詳細には、多孔性支持体上に、前記ア
ミン成分を含有する溶液からなる第1の層を形成し、次
いで前記酸ハライド成分を含有する溶液からなる層を前
記第1の層上に形成し、界面重縮合を行って、架橋ポリ
アミドからなる薄膜を多孔性支持体上に形成させること
によって得ることができる。
【0018】多官能アミンを含有する溶液は、製膜を容
易にし、あるいは得られる複合逆浸透膜の性能を向上さ
せるために、さらに、例えば、ポリビニルアルコール、
ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸等の重合体や、
ソルビトール、グリセリン等のような多価アルコールを
少量含有させることもできる。また、透過流束を高める
為、多官能アミンを含有する溶液または/かつ酸ハライ
ド成分を含有する溶液に、溶解度パラメーターが8〜1
4(cal/cm3 )1/2 の化合物を添加することができる。
【0019】また、特開平2−187135号公報に記
載のアミン塩、例えばテトラアルキルアンモニウムハラ
イドやトリアルキルアミンと有機酸とによる塩等も、製
膜を容易にする、アミン溶液の支持体への吸収性を良く
する、縮合反応を促進する等の点で好適に用いられる。
また、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシ
ル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム等の界面活
性剤を含有させることもできる。これらの界面活性剤
は、多官能アミンを含有する溶液の多孔性支持体への濡
れ性を改善するのに効果がある。
【0020】さらに、前記界面での重縮合反応を促進す
るために、界面反応にて生成するハロゲン化水素を除去
し得る水酸化ナトリウムやリン酸三ナトリウムを用い、
あるいは触媒として、アシル化触媒等を用いることも有
益である。前記酸ハライドを含有する溶液及び多官能ア
ミンを含有する溶液において、酸ハライド及び多官能ア
ミンの濃度は、特に限定されるものではないが、酸ハラ
イドは、通常0.01〜5重量%、好ましくは0.05
〜1重量%であり、多官能アミンは、通常0.1〜10
重量%、好ましくは0.5〜5重量%である。
【0021】このようにして、多孔性支持体上に多官能
アミンを含有する溶液を被覆し、次いでその上に多官能
酸ハライド化合物を含有する溶液を被覆した後、それぞ
れ余分の溶液を除去し、次いで、通常約20〜150
℃、好ましくは約70〜130℃で、約1〜10分間、
好ましくは約2〜8分間加熱乾燥して、架橋ポリアミド
からなる水透過性の薄膜を形成させる。この薄膜は、そ
の厚さが、通常約0.05〜2μm、好ましくは約0.
10〜1μmの範囲にある。
【0022】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、
本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではな
い。
【0023】
【実施例1】m−フェニレンジアミン3.0重量%、ラ
ウリル硫酸ナトリウム0.15重量%、トリエチルアミ
ン3.0重量%、カンファースルホン酸6.0重量%、
イソプロピルアルコール5重量%を含有した水溶液を、
多孔性ポリスルホン支持膜に数秒間接触させて、余分の
溶液を除去して支持膜上に上記溶液の層を形成した。次
いで、かかる支持膜の表面に、トリメシン酸クロライド
0.20重量%、イソプロピルアルコール0.05重量
%を含むIP1016(出光化学(株)製イソパラフィ
ン系炭化水素油)溶液を接触させ、その後120℃の熱
風乾燥機の中で3分間保持して、支持膜上に重合体薄膜
を形成させ、複合逆浸透膜を得た。
【0024】得られた複合逆浸透膜の一部を水洗し、乾
燥後、原子間力顕微鏡(AFM)にて複合逆浸透膜表面
のポリアミド系スキン層の表面粗さを測定したところ、
平均面粗さ(Ra)は110nm、自乗平均面粗さ(R
ms)は132nm、10点平均面粗さ(Rz)は52
3nm、最大高低差(PV)は652nmであった。な
お、平均面粗さ(Ra)はJIS B0601で定義さ
れている中心線平均面粗さRaを、測定面に対して適用
できるよう三次元に拡張して測定した。
【0025】水道水を用いて電気分解し、発生した活性
水素水の酸化還元電位を測定したところ、−730mv
であった。この活性水素水に、得られた残りの複合逆浸
透膜を常温にて8時間浸漬し、得られた複合逆浸透膜を
水洗した。得られた複合逆浸透膜の性能は、500pp
mの塩化ナトリウムを含むpH6.5の食塩水を、7.
5kgf/cm2 の圧力で評価したところ、透過液電導
度による塩阻止率は99.5%、透過流束は1.3m3
/m2 ・日であった。
【0026】
【比較例1】実施例1において、アミン水溶液、酸クロ
ライド有機溶液にイソプロピルアルコールを添加しない
以外は、実施例1と同様にして複合逆浸透膜を得た。得
られた複合逆浸透膜の表面粗さは、Raは51nm、R
msは62nm、Rzは296nm、PVは345nm
であった。得られた複合逆浸透膜の性能は、500pp
mの塩化ナトリウムを含むpH6.5の食塩水を、7.
5kgf/cm2 の圧力で評価したところ、塩阻止率は
99.4%、透過流束は0.59m3 /m2 ・日であっ
た。
【0027】
【比較例2】実施例1において、活性水素水に、得られ
た複合逆浸透膜を浸漬しない以外は、実施例1と同様に
して複合逆浸透膜を得た。得られた複合逆浸透膜の性能
は、500ppmの塩化ナトリウムを含むpH6.5の
食塩水を、7.5kgf/cm2 の圧力で評価したとこ
ろ、塩阻止率は99.5%、透過流束は1.0m3 /m
2 ・日であった。
【0028】以上説明した通り、活性水素水を用いた還
元剤溶液で処理した本実施例の逆浸透膜は、比較例1と
比べて透過流束を2倍以上、比較例2の逆浸透膜に比べ
て透過流束を1.3倍に高めることができた。
【0029】
【発明の効果】以上説明した通り本発明の高透過性複合
逆浸透膜によれば、2つ以上の反応性のアミノ基を有す
る化合物と、2つ以上の反応性の酸ハライド基を有する
多官能性酸ハロゲン化合物を縮合反応させて得られたポ
リアミド系スキン層薄膜と、これを支持する微多孔性支
持体とからなる複合逆浸透膜において、複合逆浸透膜表
面のポリアミド系スキン層の平均面粗さが50nm以上
であり、かつ前記複合逆浸透膜を還元剤溶液で処理する
ことにより、高い塩阻止率を維持し、高い水透過性能を
併せ有する複合逆浸透膜を実現できる。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2つ以上の反応性のアミノ基を有する化
    合物と、2つ以上の反応性の酸ハライド基を有する多官
    能性酸ハロゲン化合物を重縮合反応させて得られたポリ
    アミド系スキン層薄膜と、これを支持する微多孔性支持
    体とからなる複合逆浸透膜において、複合逆浸透膜表面
    のポリアミド系スキン層の平均面粗さが50nm以上で
    あり、かつ前記複合逆浸透膜は還元剤溶液で処理されて
    いることを特徴とする高透過性複合逆浸透膜。
  2. 【請求項2】 複合逆浸透膜表面のポリアミド系スキン
    層の二乗平均粗さが60nm以上である請求項1に記載
    の高透過性複合逆浸透膜。
  3. 【請求項3】 複合逆浸透膜表面のポリアミド系スキン
    層の10点平均粗さが280nm以上である請求項1に
    記載の高透過性複合逆浸透膜。
  4. 【請求項4】 複合逆浸透膜表面のポリアミド系スキン
    層の最大高低差が400nm以上である請求項1に記載
    の高透過性複合逆浸透膜。
  5. 【請求項5】 還元剤溶液の酸化還元電位が0mv以下
    である請求項1に記載の高透過性複合逆浸透膜。
  6. 【請求項6】 還元剤が活性水素である請求項1に記載
    の高透過性複合逆浸透膜。
  7. 【請求項7】 活性水素が、水の電気分解により発生す
    る活性水素水に含まれる請求項6に記載の高透過性複合
    逆浸透膜。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007046013A (ja) * 2005-08-12 2007-02-22 Sumitomo Rubber Ind Ltd 複合高分子の製造方法および複合高分子組成物
WO2012115216A1 (ja) * 2011-02-24 2012-08-30 日産化学工業株式会社 芳香族ポリアミドおよびそれを含む膜形成用組成物
WO2024122107A1 (ja) * 2022-12-08 2024-06-13 日東電工株式会社 複合半透膜、及びスパイラル型膜エレメント

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