JP2000015067A - 複合半透膜の製造方法 - Google Patents

複合半透膜の製造方法

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JP2000015067A
JP2000015067A JP11117834A JP11783499A JP2000015067A JP 2000015067 A JP2000015067 A JP 2000015067A JP 11117834 A JP11117834 A JP 11117834A JP 11783499 A JP11783499 A JP 11783499A JP 2000015067 A JP2000015067 A JP 2000015067A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】高い排除率を維持しつつ、従来に比してさらに
透水性に優れた複合半透膜の製造方法、およびその方法
により製造された複合半透膜を提供する。 【解決手段】一分子中に少なくとも2個の一級および/
または二級アミノ基を有する多官能アミンと、一分子中
に少なくとも2個の酸ハライド基を有する多官能酸ハラ
イドとから、界面重縮合によって多孔性支持膜上に架橋
ポリアミドを含む分離機能層を形成するに際し、前記界
面重縮合を、極性官能基を有し、かつ、炭素数が8以上
の脂肪族有機化合物の存在下で行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、海水やかん水の淡
水化、半導体洗浄などに用いる超純水の製造、上水浄
化、ボイラー用水製造、排水や下水の再利用化、自動車
などの下塗り塗装用電着塗料の回収、果汁の濃縮、ワイ
ンの製造などに好適に使用できる複合半透膜の製造方
法、およびその方法により製造された複合半透膜に関す
る。
【0002】
【従来の技術】芳香族ポリアミド系半透膜は、ベンゼン
環を含むことによって剛直性に富み、芳香族多官能アミ
ンと芳香族多官能酸ハライドとの界面重縮合により容易
に製膜できるという利点があり、広く普及している。か
かる芳香族多官能アミンとしては、たとえば、m−フェ
ニレンジアミンやトリアミノベンゼン、芳香族多官能酸
ハライドとしては、たとえば、トリメシン酸クロライド
といったように市販のモノマーを用いることができ、膜
の製造も容易である。その製造方法は、一般に、不織布
などのポリエステルの基材上にポリスルホン限外ろ過膜
を多孔性支持膜として形成させ、その上にm−フェニレ
ンジアミン、トリアミノベンゼンなどの多官能性アミン
の水溶液を塗布し、続いて、トリメシン酸クロライドな
どを非極性溶媒に溶かした溶液を塗布することによっ
て、その界面で重縮合反応させることによりポリアミド
の分離機能層を形成する。このような芳香族ポリアミド
系半透膜は、これまでいくつか報告されている(特開昭
63−54905号公報、特開昭63−100906号
公報、特開昭62−121603号公報、特開平1−1
80208号公報、特開平2−115027号公報、特
開平2−229533号公報、特開平4−90835号
公報、特開平4−104825号公報、特開平4−16
1234号公報)。
【0003】上記の芳香族ポリアミド系半透膜は、耐圧
性や耐加水分解性という点で優れた特徴を持つが、現在
の操作圧力よりさらに低圧で運転が可能で、かつ、高い
透水性能を有する半透膜の登場が望まれていた。
【0004】そこで、界面重縮合によるポリアミドの分
離機能層形成において、膜の透水性向上のために、アミ
ン溶液、酸ハライド溶液のどちらか、あるいはその両方
に極性溶媒などの添加剤を加える方法がこれまでにいく
つか検討されてきた。たとえば、酸ハライド溶液にジエ
チルエーテル、メチル−t−ブチルエーテル、テトラヒ
ドロフラン、ジオキサンなどのエーテル類、アセトン、
メチルイソブチルケトン、2−ブタノンなどのケトン
類、酢酸メチル、蟻酸エチル、酢酸エチルなどのエステ
ル類を添加する方法がある(特開平6−47260号公
報)。また、このような極性溶媒を添加することによっ
て、膜形態が変化し、膜の透水性が向上することがSE
M、AFMなどによって確認されている(特開平9−8
5068号公報)。
【0005】しかしながら、たとえば、半導体産業にお
ける半導体洗浄用の超純水の製造においては、より高い
透水性と同時に、有機物などの排除性能も向上させた半
透膜が求められるなど、上記した方法によっても不十分
であるといった問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
した従来の問題に鑑み、高い排除率を維持しつつ、従来
に比してさらに透水性に優れた複合半透膜の製造方法、
およびその方法により製造された複合半透膜を提供する
ことにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明は、多官能アミンの水溶液と多官能酸ハライド
の有機溶媒溶液とを多孔性支持膜上で接触させ、界面重
縮合によって架橋ポリアミドを含む分離機能層を形成す
るに際し、前記界面重縮合を、主鎖およびエステル部分
が直鎖または分枝鎖アルキル基からなり、かつ、総炭素
数が8以上の脂肪族カルボン酸エステルの存在下で行う
複合半透膜の製造方法を特徴とするものである。
【0008】また、多孔性支持膜に、少なくとも2個の
一級および/または二級アミノ基を有する多官能アミン
を含む水溶液を接触させた後、過剰の水溶液を除去し、
次いで、少なくとも2個の酸ハライド基を有する多官能
酸ハライドを含む、水と非混和性の有機溶媒溶液と接触
させ、界面重縮合によって多孔性支持膜上に架橋ポリア
ミドを含む分離機能層を形成するに際し、前記有機溶媒
溶液として、主鎖およびエステル部分が直鎖または分枝
鎖アルキル基からなり、かつ、総炭素数が8以上の脂肪
族カルボン酸エステルを含む溶液を用いることもでき
る。
【0009】上記の場合、総炭素数が8〜20の範囲内
にある脂肪族カルボン酸エステルを用いることも好まし
い。
【0010】さらに、一分子中に少なくとも2個の一級
および/または二級アミノ基を有する多官能アミンと、
一分子中に少なくとも2個の酸ハライド基を有する多官
能酸ハライドとから、界面重縮合によって多孔性支持膜
上に架橋ポリアミドを含む分離機能層を形成するに際
し、前記界面重縮合を、極性官能基を有し、かつ、炭素
数が8以上の脂肪族有機化合物の存在下で行うこともで
きる。
【0011】また、上記の界面重縮合を、下記(1)〜
(4)からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物
の存在下で行うことも好ましい。 (1)炭素数3以上のアルキル基を窒素原子の置換基と
して有する、N−アルキルアミドまたはN,N−ジアル
キルアミド (2)炭素数5以上の環状構造を有する、環状アルキル
アミドまたはN−アルキル環状アルキルアミド (3)アルキル基を窒素原子の置換基として有するN,
N,N’,N’−テトラアルキルウレア (4)炭素数3以上のアルキレン鎖を含む環状構造を有
するアルキレンウレア さらに、脂肪族有機化合物として、カルボン酸エステ
ル、ケトン、エーテルおよびスルホンからなる群から選
ばれる少なくとも1種の官能基を有する化合物を用いる
ことも好ましく、脂肪族有機化合物として、総炭素数が
8〜20の範囲内にある化合物を用いることも好まし
い。
【0012】また、多官能アミンとして、多官能芳香族
アミンを用いることも好ましく、多官能酸ハライドとし
て、多官能芳香族酸ハライドを用いることも好ましい。
【0013】さらに、上記の方法で製造された複合半透
膜も好ましい。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の複合半透膜の製造方法
は、一分子中に少なくとも2個の一級および/または二
級アミノ基を有する多官能アミンと、一分子中に少なく
とも2個の酸ハライド基を有する多官能酸ハライドとか
ら、界面重縮合によって多孔性支持膜上に架橋ポリアミ
ドを含む分離機能層を形成するに際し、前記界面重縮合
を、極性官能基を有し、かつ、炭素数が8以上の脂肪族
有機化合物の存在下で行うことを特徴としている。
【0015】上記の界面重縮合は、多官能アミンの水溶
液と、多官能酸ハライドの有機溶媒溶液とを多孔性支持
膜上で接触させて行うことができる。さらに具体的に
は、多孔性支持膜に、上記の多官能アミンを含む水溶液
を接触させた後、過剰の水溶液を除去し、次いで、上記
の多官能酸ハライドを含む、水と非混和性の有機溶媒溶
液と接触させて行うことができる。
【0016】上記の多官能アミンとしては、たとえば、
2個のアミノ基がオルト位やメタ位、パラ位のいずれか
の位置関係でベンゼンに結合したフェニレンジアミン、
1,3,5−トリアミノベンゼン、1,2,4−トリア
ミノベンゼン、3,5−ジアミノ安息香酸、キシリレン
ジアミンなどの芳香族多官能アミン、エチレンジアミ
ン、プロピレンジアミンなどの脂肪族アミン、1,2−
ジアミノシクロヘキサン、1,4−ジアミノシクロヘキ
サン、ピペラジン、4−アミノメチルピペラジンなどの
脂環式多官能アミンを用いることができる。中でも、入
手の容易性や取り扱いのしやすさから、m−フェニレン
ジアミン(以下、m−PDAと呼ぶ)を用いることが好
ましい。これらのアミンは、単独で用いたり、混合して
用いたりしてもよい。
【0017】上記多官能アミンを水溶液にして用いる場
合、その濃度は、0.1〜20重量%の範囲内であるこ
とが好ましく、さらに好ましくは0.5〜10重量%の
範囲内である。多官能アミンの濃度が上記範囲内にある
ことにより、界面重縮合反応を効率よく行うことができ
る。
【0018】また、多官能アミンの水溶液には、種々の
添加剤を加えることもできる。たとえば、ε−カプロラ
クタムやN−メチル−ε−カプロラクタム、N−メチル
ピロリドン、2−ピロリドン、2−ピペリドン、テトラ
メチルウレア、ビス(ペンタメチレン)ウレア、1,
1’−カルボニルジピロリジン、N,N’−ジメチルプ
ロピレンウレア、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチル
ホスホアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N
−ジエチルホルムアミド、N,N−ジブチルホルムアミ
ドのようなアミド化合物を用いることができる。これら
の添加剤は、界面重縮合反応の触媒として働くため、後
述する酸ハライドを含む有機溶媒溶液に加えてもよい。
【0019】また、添加剤として、界面活性剤を加える
こともできる。界面活性剤は、多孔性支持膜表面の濡れ
性を向上させ、アミン水溶液と非極性溶媒との間の界面
張力を減少させる効果がある。このような界面活性剤と
しては、たとえば、ドデシル硫酸ナトリウム(以下、D
SSと呼ぶ)やドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム
を用いることができる。
【0020】さらに、添加剤として、相間移動触媒を加
えることもできる。相間移動触媒は、水相と有機相の間
の反応を促進する効果を有する。このような相間移動触
媒としては、たとえば、n−ヘプチルトリエチルアンモ
ニウムクロライド、トリオクチルメチルアンモニウムク
ロライド、ベンジルトリエチルアンモニウムクロライド
(Makoszaの触媒)に代表される4級アンモニウ
ム塩、ヘキサデシルトリブチルホスホニウムクロライド
に代表されるホスホニウム塩を用いることができる。
【0021】上記した添加剤の濃度は、トータルで0.
1〜20重量%の範囲内にあることが好ましく、0.5
〜10重量%の範囲内であるとさらに好ましい。添加剤
の濃度が上記の範囲内にあることにより、添加剤の各機
能を効率的に発現させることができる。
【0022】界面重縮合を多孔性支持膜上で行うため
に、まず、上述のアミン水溶液を多孔性支持膜に接触さ
せるとよい。接触は、多孔性支持膜上に均一にかつ連続
的に行うことが好ましい。具体的には、たとえば、アミ
ン水溶液を多孔性支持膜にコーティングする方法や、多
孔性支持膜をアミン水溶液に浸漬する方法を挙げること
ができる。多孔性支持膜とアミン水溶液との接触時間
は、1〜10分間の範囲内であると好ましく、1〜3分
間の範囲内であるとさらに好ましい。
【0023】多孔性支持膜としては、海水淡水化などで
運転される圧力に耐えられる耐圧性を有するものであっ
て、実質的には分離性能を有さない膜が好ましい。ま
た、均一で微細な孔あるいは片面からもう一方の面まで
徐々に大きくなる非対称性の微細な孔をもっていて、表
面に開孔している微細孔の大きさが100nm以下であ
るような構造の支持膜であると好ましい。上記の多孔性
支持膜は、たとえば、ミリポア(株)製“ミリポアフィ
ルターVSWP”や東洋濾紙(株)製“ウルトラフィル
ターUK10”のような市販材料から選択することもで
きるが、“オフィス・オブ・セイリーン・ウォーター・
リサーチ・アンド・ディベロップメント・プログレス・
レポート”No.359(1968)に記載されている
方法にしたがって製造することもできる。
【0024】素材としては、たとえば、ポリスルホン、
ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンスルフィドスル
ホン、ポリフェニレンスルホン、ポリイミド、ポリフッ
化ビニリデンなどのホモポリマーあるいはブレンドした
ものを用いることができるが、化学的、機械的、熱的に
安定であるポリスルホン、ポリエーテルスルホンを用い
ることが好ましい。
【0025】多孔性支持膜の製法としては、たとえば、
ポリスルホンのジメチルホルムアミド(DMF)溶液
を、密に織ったポリエステル織布または不織布の上に一
定の厚さで塗布した後、ドデシル硫酸ソーダを0.5重
量%およびDMFを2重量%含む水溶液中で湿式凝固さ
せることによって、表面の大部分が直径数10nm以下
の微細孔でおおわれた多孔性支持膜を得ることができ
る。
【0026】上記のポリエステル織布や不織布の厚み
は、50〜300μmの範囲内にあることが好ましく、
より好ましくは75〜200μmの範囲内である。ま
た、多孔性支持膜の厚みは、25〜100μmの範囲内
にあることが好ましく、より好ましくは40〜75μm
の範囲内である。厚みが上記の範囲内にあることによ
り、多孔性支持膜の強度を十分に保つことができる。
【0027】アミン水溶液を多孔性支持膜に接触させた
あとは、膜上に液滴が残らないように十分に液切りす
る。液滴が残ると、膜形成後に液滴残存部分が膜欠点と
なって膜性能の低下を招きやすい。液切りの方法として
は、たとえば、特開平2−78428号公報に記載され
ているように、アミン水溶液接触後の多孔性支持膜を垂
直方向に把持して過剰の水溶液を自然流下させる方法、
さらに、その後でエアーノズルから窒素などの風を吹き
付け、強制的に液切りする方法を用いることができる。
【0028】次いで、こうして得られたアミン水溶液接
触後の支持膜に、多官能酸ハライドを含む有機溶媒溶液
を接触させる。
【0029】多官能酸ハライドとしては、たとえば、3
官能酸ハライドでは、トリメシン酸クロライド、1,
3,5−シクロヘキサントリカルボン酸トリクロライ
ド、1,2,4−シクロブタントリカルボン酸トリクロ
ライドを挙げることができ、2官能酸ハライドでは、ビ
フェニルジカルボン酸ジクロライド、ビフェニレンジカ
ルボン酸ジクロライド、アゾベンゼンジカルボン酸ジク
ロライド、テレフタル酸クロライド、イソフタル酸クロ
ライド、ナフタレンジカルボン酸クロライドなどの芳香
族2官能酸ハライド、アジポイルクロライド、セバコイ
ルクロライドなどの脂肪族2官能酸ハライド、シクロペ
ンタンジカルボン酸ジクロライド、シクロヘキサンジカ
ルボン酸ジクロライド、テトラヒドロフランジカルボン
酸ジクロライドなどの脂環式2官能酸ハライドを用いる
ことができる。中でも、入手の容易性や取り扱いのしや
すさなどの観点から、トリメシン酸クロライドを用いる
と好ましい。これらの酸ハライドは、単独で用いたり、
混合して用いたりしてもよい。
【0030】酸ハライドを含む有機溶媒溶液としては、
水と非混和性であり、かつ、多官能酸ハライドを溶解す
る溶媒を用いる。また、多官能酸ハライドと有為な速度
では反応せず、多孔性支持膜を溶解などにより破壊しな
いものであることが好ましい。さらに、界面重縮合反応
において、薄膜を形成しうるものであれば用いることが
でき、たとえば、炭化水素やトリクロロトリフルオロエ
タンを用いることができる。この中では、オゾン層保護
や入手の容易性、取り扱いのしやすさなどの観点から、
炭化水素を用いることが好ましい。炭化水素の中では、
常温、常圧で揮発しにくいものが好ましく、炭素数が6
以上の炭化水素であると好ましい。さらに、炭素数が8
以上の炭化水素であると、より好ましい。また、引火点
が10℃以上の炭化水素であると好ましく、さらに引火
点が10〜300℃の範囲内であるとより好ましい。引
火点が10℃を下回ると取り扱いにくくなり、また、引
火点が300℃を超えると、粘性が強くなり、やはり取
り扱いにくくなる。具体的には、たとえば、n−オクタ
ン、n−ノナン、n−デカン、n−ウンデカン、n−ド
デカン、n−トリデカンのような直鎖状炭化水素や、イ
ソオクタンのような分枝状炭化水素を用いることができ
る。
【0031】上記有機溶媒溶液中の多官能酸ハライドの
濃度は、0.01〜5重量%の範囲内であると好まし
く、0.02〜2.0重量%の範囲内であるとさらに好
ましい。多官能酸ハライドの濃度が上記範囲内にあるこ
とにより、多官能アミンとの界面重縮合反応をより効率
的に行うことができる。
【0032】上記多官能酸ハライドを含む有機溶媒溶液
の多孔性支持膜への接触は、多官能アミン水溶液の場合
と同様、コーティングや浸漬により行うことができる。
接触時間としては、多官能アミンと多官能酸ハライドと
が界面重縮合反応し、多孔性支持膜上に架橋ポリアミド
を含む分離機能膜が形成されるに十分な時間があればよ
い。具体的には、10秒〜10分間の範囲内であると好
ましく、20秒〜2分間の範囲内であるとより好まし
い。
【0033】本発明においては、上記の界面重縮合反応
を、極性官能基を有し、かつ、炭素数が8以上の脂肪族
有機化合物の存在下で行う。この脂肪族有機化合物は、
上記多官能アミンの水溶液や上記多官能酸ハライドの有
機溶媒溶液に加えたり、多孔性支持膜にあらかじめ含浸
させたりすることができる。また、脂肪族有機化合物と
して、主鎖およびエステル部分が直鎖または分枝鎖アル
キル基からなる脂肪族カルボン酸エステルを用いること
ができる。
【0034】極性官能基としては、たとえばエステル
基、ケト基、エーテル基、スルホン基を用いることがで
きる。
【0035】エステル基を有する脂肪族有機化合物であ
る直鎖飽和アルキルカルボン酸エステルとしては、カプ
ロン酸エチル、ヘプタン酸エチル、カプリル酸メチル、
カプリル酸エチル、ペラルゴン酸メチル、ペラルゴン酸
エチル、ノナン酸エチル、デカン酸メチル、デカン酸エ
チル、ウンデカン酸メチル、ウンデカン酸エチル、ドデ
カン酸メチル、ドデカン酸エチル、トリデカン酸メチ
ル、トリデカン酸エチルなどを用いることができる。ま
た、分岐鎖飽和アルキルカルボン酸エステルとしては、
カプリル酸イソアミル、イソ酪酸イソブチル、イソペン
タン酸イソブチル、ブチル酢酸イソプロピル、2−エチ
ルヘプタン酸エチル、3−メチルノナン酸メチルなどを
用いることができる。さらに、不飽和アルキルカルボン
酸エステルとしては、メタクリル酸ヘキシル、tran
s−3−ヘキセン酸エチル、cis−2−オクテン酸エ
チル、trans−4−ノネン酸エチルなどを用いるこ
とができる。
【0036】ケト基を有する脂肪族有機化合物である直
鎖飽和アルキルケトンとしては、2−オクタノン、2−
デカノン、2−ドデカノン、7−トリデカノン、8−ペ
ンタデカノン、9−ヘプタデカノンなどを用いることが
できる。また、分岐鎖飽和アルキルケトンとしては、2
−メチルプロピルプロピルケトン、ジ−t−ブチルケト
ン、ジ−ネオペンチルケトンなどが用いることができ
る。さらに、不飽和アルキルケトンとしては、4−ペン
テン−1−イルペンチルケトン、2−ヘプテン−1−イ
ルヘプチルケトンなどを用いることができる。
【0037】エーテル基を有する脂肪族有機化合物であ
る直鎖飽和アルキルエーテルとしては、ジブチルエーテ
ル、ジヘキシルエーテル、ジオクチルエーテルなどを挙
げることができる。また、分岐鎖飽和アルキルエーテル
としては、2−メチルプロピルプロピルエーテル、ジ−
t−ブチルエーテル、ジ−ネオペンチルエーテルなどを
用いることができる。さらに、不飽和アルキルエーテル
としては、4−ペンテン−1−イルペンチルエーテル、
2−ヘプテン−1−イルヘプチルエーテル、3−オクテ
ン−1−イルブチルエーテルなどを用いることができ
る。
【0038】スルホン基を有する脂肪族有機化合物であ
る直鎖飽和アルキルスルホンとしては、ジブチルスルホ
ン、ジヘキシルスルホン、ジオクチルスルホン、ジデシ
ルスルホンなどを用いることができる。また、分岐鎖飽
和アルキルスルホンとしては、2−メチルブチルプロピ
ルスルホン、ジ−t−ブチルスルホン、ジ−ネオペンチ
ルスルホンなどを用いることができる。
【0039】上記の脂肪族有機化合物は、単独で用いた
り、混合して用いたりすることができる。
【0040】これら脂肪族有機化合物の総炭素数は、8
〜20の範囲内にあることが好ましく、さらに好ましく
は8〜12の範囲内である。総炭素数が8未満である
と、分離機能膜の透水性を向上させる効果が小さくなる
傾向があり、総炭素数が20を超えると、沸点が高くな
り、多孔性支持膜上から除去しにくく、高透水性を発現
させることが困難となりやすい。
【0041】さらに、これら脂肪族有機化合物を多官能
酸ハライドの有機溶媒溶液に添加する場合には、用いる
有機溶媒の炭素数と同じか、それに近いものを用いる
と、多孔性支持膜上から除去しやすくなり好ましい。
【0042】上記の有機溶媒溶液における肪族有機化合
物の濃度は、添加する脂肪族有機化合物によって適宜濃
度を決定することができるが、具体的には、0.03〜
30重量%の範囲内にあると好ましく、0.06〜10
重量%の範囲内であるとさらに好ましい。0.03重量
%を下回ったり、30重量%を超えたりすると、分離機
能膜の透水性が低下する傾向にある。また、30重量%
を超えると、脂肪族有機化合物が膜面上に残って、膜の
親水性を低下させやすい。
【0043】また、本発明においては、上記界面重縮合
に際し、さらに下記(1)〜(4)からなる群から選ば
れる少なくとも1種の化合物(アシル化触媒)の存在下
で行うと、膜の透水性がさらに向上し好ましい。 (1)炭素数3以上のアルキル基を窒素原子の置換基と
して有する、N−アルキルアミドまたはN,N−ジアル
キルアミド (2)炭素数5以上の環状構造を有する、環状アルキル
アミドまたはN−アルキル環状アルキルアミド (3)アルキル基を窒素原子の置換基として有するN,
N,N’,N’−テトラアルキルウレア (4)炭素数3以上のアルキレン鎖を含む環状構造を有
するアルキレンウレア 上記(1)を満たすものとして、たとえば、N−シクロ
ヘキシルホルムアミド、N,N−ジイソプロピルホルム
アミド、N,N−ジイソプロピルアセトアミド、N,N
−ジブチルホルムアミドを用いることができる。また、
上記(2)を満たすものとして、δ−バレロラクタム、
N−メチル−δ−バレロラクタム、ε−カプロラクタ
ム、N−メチル−ε−カプロラクタム、2−アザシクロ
オクタノン、2−アザシクロノナノンを用いることがで
きる。さらに、上記(3)を満たすものとして、1,
1,3,3−テトラメチルウレア、1,1,3,3−テ
トラエチルウレアを用いることができる。また、上記
(4)を満たすものとして、N,N’−ジメチルプロピ
レンウレア、ビス(テトラメチレン)ウレア、ビス(ペ
ンタメチレン)ウレアを用いることができる。
【0044】上記したアミドやウレアの添加剤は、多官
能アミン水溶液や多官能酸ハライドの有機溶媒溶液のい
ずれにも添加することができるが、上記添加剤がアシル
化触媒として働き多官能酸ハライドと錯化合物を形成し
て沈殿を生じ、多官能酸ハライドの有効濃度を低下させ
る場合があるので、多官能アミン水溶液に添加すること
が好ましい。
【0045】本発明においては、界面重縮合を上述した
脂肪族有機化合物やアミド、ウレアの存在下で行うこと
により、分離機能層の透水性を飛躍的に向上させるが、
その効果は、それぞれの添加剤を独立に加えた場合の効
果の和となっている。このように、添加剤を混合して加
えても、その効果が独立して発現する理由については明
らかではないが、以下のように考えることができる。
【0046】すなわち、脂肪族有機化合物を添加するこ
とによって、アミン水溶液や有機溶媒溶液の物性が変化
し、それによって反応の場である界面の状態が変化する
ことにより、分離機能層の形態やポリアミドの結晶性が
変化していると考えられる。一方、アミドやウレアにつ
いては、アシル化触媒として働き、分離機能層中のカル
ボキシル基量を増大させて親水性を増加さたり、架橋度
を低下させることによって透水性を向上させていると考
えられる。つまり、脂肪族有機化合物が反応の場を変化
させるのに対して、アミドやウレアは架橋反応そのもの
を変化させていると考えられ、それぞれが独立に作用す
るもとの考えられる。
【0047】上記のように、作用効果の機構が異なるた
めに、それぞれの効果が独立に働き、一方の添加剤を加
えても一定以上の効果が期待できない場合でも、他方の
添加剤を加えることにより透水性の向上といった効果を
さらに得ることができ、分離機能膜の性能をより向上さ
せることができる。
【0048】上述したように、酸ハライドの有機溶媒を
接触させて界面重縮合を行い、多孔性支持膜上に架橋ポ
リアミドを含む分離機能層を形成したあとは、余剰の溶
媒を液切りするとよい。液切りの方法は、たとえば、膜
を垂直方向に把持して過剰の有機溶媒溶液を自然流下し
て除去する方法を用いることができる。この場合、垂直
方向に把持する時間としては、1〜5分間の範囲内にあ
ることが好ましく、1〜3分間であるとより好ましい。
【0049】液切りを終えたあとは、膜面の乾燥を行う
ことが好ましい。乾燥の方法としては、自然乾燥させる
こともできるが、たとえば、特開平5−76740号公
報に記載されているように、膜面での風速が2〜20m
/secの範囲内、より好ましくは3〜10m/sec
の範囲内にあり、温度が10〜80℃の範囲内、より好
ましくは20〜40℃の範囲内にある気体を吹き付ける
ことにより行うことができる。風速が2m/secを下
回ったり、温度が10℃を下回ったりすると、乾燥が不
十分となる傾向にあり、風速が20m/secを超えた
り、温度が80℃を超えたりすると、溶媒の過度な蒸発
による多孔性支持膜の収縮が発生し、透水性の低い膜が
できる傾向にある。
【0050】上述の方法により得られた複合半透膜は、
それだけでも十分良好な排除性能および透水性を有する
が、さらに、炭酸ナトリウムなどのアルカリ水溶液に接
触させて残存する酸ハライドを加水分解する工程、50
〜150℃の範囲内、好ましくは70〜130℃の範囲
内で、1〜10分間、好ましくは2〜8分間熱処理する
工程、特開昭63−54905号公報に記載されている
ように、塩素含有水溶液に浸漬する工程などを付加する
ことで、複合半透膜の排除性能や透水性をより一層向上
させることができる。
【0051】
【実施例】以下、実施例、比較例においては、基材とし
てポリエステル不織布を用いた。また、多孔性支持膜と
して、分子量22,000〜35,000の範囲内にあ
るポリスルホン系ポリマーを用いて形成した厚み50μ
mのポリスルホン膜を用いた。この膜には、平均孔径が
20〜30nmの範囲内にある微細な孔が設けられてい
る。
【0052】また、得られた複合逆浸透膜に、操作圧力
0.74MPaで、塩化ナトリウム濃度が1,500p
pm、温度25℃、pH6.5の水溶液を3時間透過し
たのちに、塩化ナトリウム排除率(脱塩率)、透過流束
を測定し、複合半透膜の性能を評価した。
【0053】さらに、有機物排除性能の指標として、イ
ソプロピルアルコール(以下、IPAと呼ぶ)の排除率
(IPA排除率)を測定した。IPA排除率は、操作圧
力0.74MPaで、IPA濃度が1,000ppm、
温度25℃、pH6.5の水溶液を2時間透過したのち
に測定することによって求めた。
【0054】上記において、塩化ナトリウム濃度は通常
の電導度測定によって、イソプロピルアルコール濃度は
通常のガスクロマトグラフィー測定によって行った。
【0055】ここで、排除率とは次式で表される値をい
う。
【0056】排除率(%)=(供給水の濃度−透過水の
溶質濃度)×100/供給水の溶質濃度 (実施例1)m−PDAを1.5重量%含む水溶液をポ
リスルホン膜に2分間浸漬して接触させたのち、膜面を
垂直に把持して液滴が残らないように液切りを行った。
こうして得られたm−PDAで被覆されたポリスルホン
膜に、トリメシン酸クロライド(以下、TMCと呼ぶ)
を0.06重量%、添加剤Bとしてカプリル酸エチル
(以下、CAEEと呼ぶ)を3重量%含むn−デカン溶
液に1分間接触させた。その後、液切りを1分間行っ
て、送風器を使い20℃の気体を膜面での風速が5m/
secとなるように吹き付けて乾燥させた。次に該被覆
膜を、Na2CO3を1重量%、DSSを0.3重量%含
む水溶液に2分間浸漬して反応を停止させた。
【0057】こうして得られた半透膜を、90℃、2分
間熱水洗浄したのち、塩素濃度が500ppmで、pH
が7の水溶液に2分間浸漬し、0.1重量%の亜硫酸水
素ナトリウム水溶液に保存した。
【0058】得られた複合半透膜の性能を測定したとこ
ろ、塩排除率は99.6%、透水流束は1.02m/
d、IPA排除率は93.4%であった。 (実施例2)添加剤Bとして、N,N−ジブチルホルム
アミド(以下、DBFと呼ぶ)が0.15重量%となる
ようにさらに添加したほかは、実施例1と同様にして複
合半透膜を得た。評価結果を表1に示す。 (実施例3)m−PDAの濃度を1.0重量%とし、添
加剤Bとして、ビス(ペンタメチレン)ウレア(以下、
BPMUと呼ぶ)が0.15重量%となるようにさらに
添加したほかは、実施例1と同様にして複合半透膜を得
た。評価結果を表1に示す。 (実施例4)m−PDAの濃度を1.5重量%とし、添
加剤Aとして、N−メチルピロリドン(以下、NMPと
呼ぶ)が1.5重量%となるように添加したほかは、実
施例1と同様にして複合半透膜を得た。評価結果を表1
に示す。 (実施例5)CAEEの濃度を5重量%としたほかは、
実施例4と同様にして複合半透膜を得た。評価結果を表
1に示す。 (実施例6)添加剤Bとして、BPMUが0.15重量
%となるようにさらに添加したほかは、実施例4と同様
にして複合半透膜を得た。評価結果を表1に示す。 (実施例7)添加剤Aをε−カプロラクタム(以下、ε
−CLと呼ぶ)としたほかは、実施例4と同様にして複
合半透膜を得た。評価結果を表1に示す。 (実施例8)CAEEの濃度を5重量%としたほかは、
実施例7と同様にして複合半透膜を得た。評価結果を表
1に示す。 (実施例9)CAEEの濃度を50重量%としたほか
は、実施例7と同様にして複合半透膜を得た。評価結果
を表1に示す。 (実施例10)添加剤Bとして、BPMUが0.15重
量%となるようにさらに添加したほかは、実施例7と同
様にして複合半透膜を得た。評価結果を表1に示す。
【0059】
【表1】
【0060】(実施例11)m−PDAの濃度を1.0
重量%としたほかは、実施例10と同様にして複合半透
膜を得た。評価結果を表2に示す。 (実施例12)TMCの濃度を0.08重量%としたほ
かは、実施例10と同様にして複合半透膜を得た。評価
結果を表2に示す。 (実施例13)添加剤Bとして、DBFが0.15重量
%となるようにさらに添加し、TMCの濃度を0.1重
量%としたほかは、実施例7と同様にして複合半透膜を
得た。評価結果を表2に示す。 (実施例14)BPMUに代えて、テトラエチルウレア
(以下、TEUと呼ぶ)を用いたほかは、実施例11と
同様にして複合半透膜を得た。評価結果を表2に示す。 (実施例15)添加剤Bとして、メタクリル酸ヘキシル
(以下、MAHEと呼ぶ)を用いたほかは、実施例7と
同様にして複合半透膜を得た。評価結果を表2に示す。 (実施例16)添加剤Bとして、ペラルゴン酸メチル
(以下、PAMEと呼ぶ)を用いたほかは、実施例7と
同様にして複合半透膜を得た。評価結果を表2に示す。 (実施例17)添加剤Bとして、ペラルゴン酸エチル
(以下、PAEEと呼ぶ)を用いたほかは、実施例7と
同様にして複合半透膜を得た。評価結果を表2に示す。 (実施例18)添加剤Bとして、8−ペンタデカノン
(以下、8−PeDeCOと呼ぶ)を用いたほかは、実
施例7と同様にして複合半透膜を得た。評価結果を表2
に示す。 (実施例19)添加剤Bとして、ジヘプチルエーテル
(以下、DHepEと呼ぶ)が0.3重量%となるよう
に加えたほかは、実施例7と同様にして複合半透膜を得
た。評価結果を表2に示す。 (実施例20)添加剤Bとして、ジブチルスルホン(以
下、DBSと呼ぶ)が0.06重量%となるように加え
たほかは、実施例7と同様にして複合半透膜を得た。評
価結果を表2に示す。
【0061】
【表2】
【0062】(比較例1)添加剤A、Bを共に加えなか
ったほかは、実施例1と同様にして複合半透膜を得た。
評価結果を表3に示す。 (比較例2)添加剤Bを加えなかったほかは、実施例1
と同様にして複合半透膜を得た。評価結果を表3に示
す。 (比較例3)添加剤Bとして、プロピオン酸イソブチル
(以下、PrAIBuEと呼ぶ)を用いたほかは、実施
例7と同様にして複合半透膜を得た。評価結果を表3に
示す。 (比較例4)添加剤Bとして、2−ブタノン(以下、2
−BuCOと呼ぶ)を用いたほかは、実施例7と同様に
して複合半透膜を得た。評価結果を表3に示す。 (比較例5)添加剤Bとして、ジメチルスルホン(以
下、DMSと呼ぶ)が0.06重量%となるように加え
たほかは、実施例7と同様にして複合半透膜を得た。評
価結果を表3に示す。 (比較例6)CAEEを加えなかったほかは、実施例1
0と同様にして複合半透膜を得た。評価結果を表3に示
す。
【0063】
【表3】
【0064】表1〜3に示されるように、炭素数8以上
の極性溶媒(脂肪族有機化合物)を添加した系において
は、添加しない系と比べて透過性の指標である透過流束
が向上している。また、極性溶媒とアシル化触媒を組み
合わせることによって、透過流束がさらに向上してい
る。
【0065】
【発明の効果】本発明によれば、より低い操作圧力で運
転が可能な透水性の高い複合半透膜が製造でき、かん水
の淡水化、半導体洗浄用の超純水の製造などの幅広い分
野に利用することができ、省エネルギー化、低コスト
化、省スペース化を実現できる。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】多官能アミンの水溶液と多官能酸ハライド
    の有機溶媒溶液とを多孔性支持膜上で接触させ、界面重
    縮合によって架橋ポリアミドを含む分離機能層を形成す
    るに際し、前記界面重縮合を、主鎖およびエステル部分
    が直鎖または分枝鎖アルキル基からなり、かつ、総炭素
    数が8以上の脂肪族カルボン酸エステルの存在下で行う
    ことを特徴とする複合半透膜の製造方法。
  2. 【請求項2】多孔性支持膜に、少なくとも2個の一級お
    よび/または二級アミノ基を有する多官能アミンを含む
    水溶液を接触させた後、過剰の水溶液を除去し、次い
    で、少なくとも2個の酸ハライド基を有する多官能酸ハ
    ライドを含む、水と非混和性の有機溶媒溶液と接触さ
    せ、界面重縮合によって多孔性支持膜上に架橋ポリアミ
    ドを含む分離機能層を形成するに際し、前記有機溶媒溶
    液として、主鎖およびエステル部分が直鎖または分枝鎖
    アルキル基からなり、かつ、総炭素数が8以上の脂肪族
    カルボン酸エステルを含む溶液を用いることを特徴とす
    る複合半透膜の製造方法。
  3. 【請求項3】総炭素数が8〜20の範囲内にある脂肪族
    カルボン酸エステルを用いる、請求項1または2に記載
    の複合半透膜の製造方法。
  4. 【請求項4】一分子中に少なくとも2個の一級および/
    または二級アミノ基を有する多官能アミンと、一分子中
    に少なくとも2個の酸ハライド基を有する多官能酸ハラ
    イドとから、界面重縮合によって多孔性支持膜上に架橋
    ポリアミドを含む分離機能層を形成するに際し、前記界
    面重縮合を、極性官能基を有し、かつ、炭素数が8以上
    の脂肪族有機化合物の存在下で行うことを特徴とする複
    合半透膜の製造方法。
  5. 【請求項5】前記界面重縮合を、下記(1)〜(4)か
    らなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物の存在下
    で行う、請求項4に記載の複合半透膜の製造方法。 (1)炭素数3以上のアルキル基を窒素原子の置換基と
    して有する、N−アルキルアミドまたはN,N−ジアル
    キルアミド (2)炭素数5以上の環状構造を有する、環状アルキル
    アミドまたはN−アルキル環状アルキルアミド (3)アルキル基を窒素原子の置換基として有するN,
    N,N’,N’−テトラアルキルウレア (4)炭素数3以上のアルキレン鎖を含む環状構造を有
    するアルキレンウレア
  6. 【請求項6】脂肪族有機化合物として、カルボン酸エス
    テル、ケトン、エーテルおよびスルホンからなる群から
    選ばれる少なくとも1種の官能基を有する化合物を用い
    る、請求項4または5に記載の複合半透膜の製造方法。
  7. 【請求項7】脂肪族有機化合物として、総炭素数が8〜
    20の範囲内にある化合物を用いる、請求項4〜6のい
    ずれかに記載の複合半透膜の製造方法。
  8. 【請求項8】多官能アミンとして、多官能芳香族アミン
    を用いる、請求項1〜7のいずれかに記載の複合半透膜
    の製造方法。
  9. 【請求項9】多官能酸ハライドとして、多官能芳香族酸
    ハライドを用いる、請求項1〜8のいずれかに記載の複
    合半透膜の製造方法。
  10. 【請求項10】請求項1〜9のいずれかに記載の方法で
    製造された複合半透膜。
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