JP2008260009A - 複合半透膜の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 高い水透過性と高い溶質除去性を併せ持つ、複合半透膜の製造方法を提供する。
【解決手段】 第一級アミノ基を含む分離機能層を有する半透膜を、第一級アミノ基と反応してジアゾニウム塩またはその誘導体を生成する化合物(I)に接触させてジアゾニウム塩を形成させた後、前記化合物(I)と反応性の水溶性化合物をさらに接触させて、半透膜を改質する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、液状混合物の選択分離に有用な複合半透膜およびその製造方法に関する。たとえば海水やかん水の脱塩において高透水性と高除去率を併せ持つ、微多孔性支持膜上にポリアミド分離機能層を形成した複合半透膜の製造方法に関する。
混合物の分離に関して、溶媒(例えば水)に溶解した物質(例えば塩類)を除くための技術には様々なものがあるが、近年、省エネルギーおよび省資源のためのプロセスとして膜分離法が利用されている。膜分離法に使用されている膜には、精密ろ過膜、限外ろ過膜、ナノろ過膜(ルースRO膜とも呼ぶ)、逆浸透膜などがある。これらの膜は、例えば海水、カン水、有害物を含んだ水から飲料水を得る場合や、工業用超純水の製造、排水処理、有価物の回収などに用いられてきた。
現在市販されている逆浸透膜、ナノろ過膜の大部分は複合半透膜であり、多孔性支持膜上にゲル層とポリマーを架橋した活性層とを有するタイプと、多孔性支持膜上でモノマーを重縮合した活性層を有するタイプとの2種類である。中でも、多官能アミンと多官能酸ハロゲン化物との重縮合反応によって得られる架橋ポリアミドからなる分離機能層を多孔性支持膜上に被覆して得られる複合半透膜が広く用いられている。これらの複合半透膜は、使用したときに得られる水質の向上および運転コストの削減のために、高い溶質除去性と透水性を両立させることが重要である。
膜の溶質除去性および透水性を向上させる手段としては、界面重縮合によりポリアミドの分離機能層を形成させた後に、該分離機能層を改質する方法が汎用性の面から有効である。このような改質方法として、例えば特許文献1に、第一級アミノ基を含む分離機能層を有する半透膜を、第一級アミノ基と反応してジアゾニウム塩またはその誘導体を生成する試薬に1秒以上60分以内接触させる方法が開示されている。しかしながら、さらに高い溶質除去性と透水性の両立が望まれている。
特開2005−177741号公報
本発明は、高い溶質除去性と高い透水性を併せ持つ、複合半透膜の製造方法を提供することを目的とするものである。
本発明は、上記目的を達成するために、下記(1)〜(3)の構成をとる。
(1)第一級アミノ基を含む分離機能層を有する半透膜を形成する工程と、前記分離機能層を有する半透膜を、第一級アミノ基と反応してジアゾニウム塩またはその誘導体を生成する化合物(I)に接触させてジアゾニウム塩を形成させる工程と、前記化合物(I)との反応性をもつ水溶性化合物(II)と接触させる工程を有することを特徴とする複合半透膜の製造方法。
(2)上記水溶性化合物(II)が、スルファミン酸、アンモニア、その酸性塩、及びアミノ酸からなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする上記(1)に記載の複合半透膜の製造方法。
(3)上記分離機能層を有する半透膜の性能が25℃、pH6.5、塩化ナトリウム濃度0.2重量%の水溶液を、0.5MPaの操作圧力で透過させたときに、塩除去率が60%以上、透過水量が0.4m/m・日以上であることを特徴とする上記(1)(2)に記載の複合半透膜の製造方法。
本発明法によれば、高い水透過性と高い溶質除去性を併せ持つ複合半透膜を得ることができる。また、改質処理に無機化合物を使用することにより廃液処理への負担を少なくすることができる。
本発明は、第一級アミノ基を含む分離機能層を有する半透膜の性質を改良する方法である。ここで第一級アミノ基を含む分離機能層とは、少なくとも1つの第一級アミノ基を持つ化合物および/またはその塩が分離機能層中に存在することをいう。該化合物の種類は特に限定されないが、例えば、芳香族アミン、ポリビニルアミン、末端アミノ基を持つポリアミドなどである。取り扱いの簡便さから第一級アミノ基は芳香族アミンであることが好ましい。これらは分離機能層の構成成分であっても良いし、分離機能層と化学結合を伴っていなくともよい。
本発明において複合半透膜は、好ましくは、実質的に分離性能を有する分離機能層が、実質的に分離性能を有さない多孔性支持膜上に被覆されてなり、該分離機能層は多官能アミンと多官能酸ハロゲン化物との反応によって得られる架橋ポリアミドからなるものである。ここで多官能アミンは脂肪族多官能アミンと芳香族多官能アミンの少なくとも1つの成分からなる。
脂肪族多官能アミンとは、一分子中に2個以上のアミノ基を有する脂肪族アミンであり、好ましくはピペラジン系アミンおよびその誘導体である。例えば、ピペラジン、2,5−ジメチルピペラジン、2−メチルピペラジン、2,6−ジメチルピペラジン、2,3,5−トリメチルピペラジン、2,5−ジエチルピペラジン、2,3,5−トリエチルピペラジン、2−n−プロピルピペラジン、2,5−ジ−n−ブチルピペラジンなどが例示され、性能発現の安定性から、特に、ピペラジン、2,5−ジメチルピペラジンが好ましい。
また、芳香族多官能アミンとは、一分子中に2個以上のアミノ基を有する芳香族アミンであり、特に限定されるものではないが、メタフェニレンジアミン、パラフェニレンジアミン、1,3,5−トリアミノベンゼンなどがあり、そのN−アルキル化物としてN,N−ジメチルメタフェニレンジアミン、N,N−ジエチルメタフェニレンジアミン、N,N−ジメチルパラフェニレンジアミン、N,N−ジエチルパラフェニレンジアミンなどが例示され、性能発現の安定性から、特にメタフェニレンジアミン、1,3,5−トリアミノベンゼンが好ましい。
多官能酸ハロゲン化物とは、一分子中に2個以上のハロゲン化カルボニル基を有する酸ハロゲン化物であり、上記アミンとの反応によりポリアミドを与えるものであれば特に限定されない。多官能酸ハロゲン化物としては、例えば、シュウ酸、マロン酸、マレイン酸、フマル酸、グルタル酸、1,3,5−シクロヘキサントリカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3,5−ベンゼントリカルボン酸、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,3−ベンゼンジカルボン酸、1,4−ベンゼンジカルボン酸の酸ハロゲン化物を用いることができる。酸ハロゲン化物の中でも、酸塩化物が好ましく、特に経済性、入手の容易さ、取り扱い易さ、反応性の容易さ等の点から、1,3,5−ベンゼントリカルボン酸の酸ハロゲン化物であるトリメシン酸クロリドが好ましい。上記多官能酸ハロゲン化物は単独で用いることもできるが、混合物として用いてもよい。
多官能酸ハロゲン化物を溶解する有機溶媒は、水と非混和性であり、かつ多孔性支持膜を破壊しないことが好ましく、架橋ポリアミドの生成反応を阻害しないものであればいずれであっても良い。代表例としては、液状の炭化水素、トリクロロトリフルオロエタンなどのハロゲン化炭化水素が挙げられるが、オゾン層を破壊しない物質であることや入手のしやすさ、取り扱いの容易さ、取り扱い上の安全性を考慮すると、オクタン、ノナン、デカン、ウンデカン、ドデカン、トリデカン、テトラデカン、ヘプタデカン、ヘキサデカンなど、シクロオクタン、エチルシクロヘキサン、1−オクテン、1−デセンなどの単体あるいはこれらの混合物が好ましく用いられる。
次に、半透膜の好ましい製造方法について説明する。半透膜中の実質的に分離性能を有する分離機能層は、例えば、前述の多官能アミンを含有する水溶液と、前述の多官能酸ハロゲン化物を含有する、水とは非混和性の有機溶媒溶液を用い、後述の多孔性支持膜上で反応させることにより形成される。
ここで、多官能アミンを含有する水溶液の濃度は、0.1〜20重量%が好ましく、より好ましくは0.5〜15重量%である。
多官能アミンを含有する水溶液や多官能酸ハロゲン化物を含有する有機溶媒溶液には、両成分間の反応を妨害しないものであれば、必要に応じて、アシル化触媒や極性溶媒、酸捕捉剤、界面活性剤、酸化防止剤等の化合物が含まれていてもよい。
本発明において、多孔性支持膜は、架橋ポリアミドなどの分離機能層を支持するために使用される。多孔性支持膜の構成は特に限定されないが、好ましい多孔性支持膜としては布帛により強化されたポリスルホン支持膜などを例示することができる。多孔性支持膜の孔径や孔数は特に限定されないが、均一で微細な孔あるいは片面からもう一方の面まで徐々に大きな微細な孔を有していて、その微細孔の大きさは、その片面の表面が100nm以下であるような構造の支持膜が好ましい。
本発明に使用する多孔性支持膜は、ミリポア社製”ミリポアフィルターVSWP”(商品名)や、東洋濾紙社製”ウルトラフィルターUK10”(商品名)のような各種市販材料から選択することもできるが、”オフィス・オブ・セイリーン・ウォーター・リサーチ・アンド・ディベロップメント・プログレス・レポート”No.359(1968)に記載された方法に従って製造することができる。
多孔性支持膜に使用する素材は特に限定されず、例えば、ポリスルホン、酢酸セルロース、硝酸セルロース、ポリ塩化ビニル等のホモポリマーあるいはブレンドしたもの等が使用できるが、化学的、機械的、熱的に安定性の高い、ポリスルホンを使用するのが好ましい。具体的に例示すると、ポリスルホンのジメチルホルムアミド(以降、DMFと記載)溶液を密に織ったポリエステル布あるいは不織布の上に略一定の厚さに塗布し、ドデシル硫酸ソーダ0.5重量%DMF2重量%を含む水溶液中で湿式凝固させることによって、表面の大部分が直径数10nm以下の微細な孔を有した好適な多孔性支持膜を得ることができる。
多孔性支持膜表面への多官能アミンを含有する水溶液の被覆は、該水溶液が表面に均一にかつ連続的に被覆されればよく、公知の塗布手段、例えば、該水溶液を多孔性支持膜表面にコーティングする方法、多孔性支持膜を該水溶液に浸漬する方法等で行えばよい。次いで、過剰に塗布された該水溶液を液切り工程により除去する。液切りの方法としては、例えば膜面を垂直方向に保持して自然流下させる方法等がある。液切り後、膜面を乾燥させ、水溶液の水の全部あるいは一部を除去してもよい。その後、多官能アミンを含有する水溶液で被覆した多孔性支持膜に、前述の多官能酸ハロゲン化物を含有する有機溶媒溶液を塗布し、反応により架橋ポリアミドの分離機能層を形成させる。
多官能酸ハロゲン化物の濃度は特に限定されないが、活性層である分離機能層を十分に形成せしめるためには、有機溶媒溶液中で0.01〜1.0重量%程度が好ましい。
そして、本発明では、上述の方法により製造した半透膜を、第一級アミノ基と反応してジアゾニウム塩またはその誘導体を生成する化合物(I)(以下、ジアゾニウム塩化化合物と略記する)に接触させてジアゾニウム塩を形成させた後、ジアゾニウム塩化化合物との反応性をもつ水溶性化合物(II)(以下、第2処理用化合物と略記する)と接触させることで複合半透膜の改質を行う。複合半透膜にジアゾニウム塩化化合物を接触させる方法、ならびに第2処理用化合物を接触させる方法は特に限定されず、たとえば、半透膜全体をそれら化合物を含む液中に浸漬する方法でも良いし、化合物を含む液をスプレーする方法でも良く、分離機能層と化合物が接触するならば、その方法は限定されない。
本発明法において用いるジアゾニウム塩化化合物を含む液としては、亜硝酸およびその塩、ニトロシル化合物などを含む水溶液が挙げられる。亜硝酸やニトロシル化合物の水溶液は気体を発生して分解しやすいので、例えば亜硝酸塩と酸性溶液との反応によって亜硝酸を逐次生成するのが好ましい。一般に、亜硝酸塩は水素イオンと反応して亜硝酸(HNO)を生成するが、20℃で水溶液のpHが4以下で効率よく生成する。中でも、取り扱いの簡便性から水溶液中で塩酸または硫酸と反応させた亜硝酸ナトリウムの水溶液が特に好ましい。
本発明において、膜と接触させるジアゾニウム塩化化合物を含む液中の亜硝酸や亜硝酸塩の濃度は、好ましくは20℃において0.01〜1重量%の範囲である。この範囲であると膜中の第一級アミノ基と反応してジアゾニウム塩またはその誘導体を生成するのに十分な効果を得ることができる。
このような処理を施すにあたり、半透膜中には、ポリアミドの生成反応時に残存する未反応の分子量300以下の第一級アミンや、別途添加した分子量300以下の第一級アミンの量が、膜面積1mあたり500mg以下であることが好ましい。この範囲であると膜中の第一級アミノ基と反応してジアゾニウム塩またはその誘導体を生成するのに十分な効果を得ることができる。なお、第一級アミン量の測定は、半透膜を10×10cm切り出してエタノール50gに8時間浸漬し、エタノールに抽出された成分の紫外吸収可視スペクトル、クロマトグラフィー、質量分析などで求められる。
機能層に存在するアミノ基は、ジアゾニウム塩化化合物によりジアゾニウム塩化した後、一部がフェノール性水酸基に変換される。これは、生成したジアゾニウム塩が水と反応したものとして理解できる。なお、フェノール性水酸基はNMR法によって同定することができる。たとえば、基材上にポリスルホンからなる多孔性支持膜を形成した支持体上に分離機能層を有する液体分離膜について、NMR法により化合物を同定するにあたっては次のように行う。まず、支持体の一部である基材(ポリエステル繊維からなるタフタや不織布等)を剥がし、ポリスルホンからなる微多孔性支持膜と架橋ポリアミドの分離機能層の混合物を得る。これを塩化メチレンに溶解した後ろ過を行って分離機能層を得る。この分離機能層を乾燥後密閉容器に採取し、6N水酸化ナトリウム水溶液を加えて120℃に加熱して溶解後、不溶物をろ過する。得られたろ液をNMRチューブに入れFT−NMR分析装置で分析を行い、得られたプロトンのδ値より化合物を同定する。
本発明法において用いる第2処理用化合物を含む液としては、スルファミン酸、アンモニア、その酸性塩、及びアミノ酸のうちの1種以上を含む水溶液などが挙げられる。中でも、反応性の高さからスルファミン酸水溶液が特に好ましい。
ここで、膜と接触させるスルファミン酸水溶液の濃度は、好ましくは20℃において0.01〜1重量%の範囲である。この範囲であると膜中の余剰ジアゾニウム塩化化合物と速やかに反応して除去することに十分な効果を得ることができる。
膜と第2処理用化合物を含む液とを接触させる時間としては、膜中の余剰ジアゾニウム塩化化合物と速やかに反応するため、10秒以上、24時間以内であることが好ましく、1時間以内であることがさらに好ましい。
本発明法の分離機能層を有する半透膜の性能が25℃、pH6.5、塩化ナトリウム濃度0.2重量%の水溶液を、0.5MPaの操作圧力で透過させたときに、塩除去率が60%以上、透過水量が0.4m/m・日以上であることが好ましい。
そして、本発明によれば、一旦製造された半透膜を改質して、25℃、pH6.5、塩化ナトリウム濃度0.2重量%の塩水を0.5MPaの操作圧力で透過させたときに、塩除去率、透過水量ともに改質前よりも高い性能を有する半透膜を容易に得ることができる。
なお、本発明において、半透膜の形態は限定されるものではなく、中空糸膜でも平膜でもよい。また、本発明法により改質して得られる複合半透膜は、液体分離に用いる場合、エレメントやモジュールを形成して使用されるが、その形態もモジュール型、スパイラル型など特に限定されるものではない。
以下に実施例によって本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限定されるものではない。
<特性評価1>
参考例1、比較例1、比較例2、実施例1における膜の特性は、複合半透膜に、温度25℃、pH6.5に調整した海水(TDS濃度約3.5%、ホウ素濃度約5.0ppm)を操作圧力5.5MPaで供給して膜ろ過処理を行ない、透過水、供給水の水質を測定することにより、次の式から求めた。
(TDS除去率)
TDS除去率(%)=100×{1−(透過水中のTDS濃度/供給水中のTDS濃度)}
(膜透過流束)
供給水(海水)の膜透過水量を、膜面1平方メートルあたり、1日あたりの透水量(立方メートル)でもって膜透過流束(m/m/日)を表した。
(参考例1)
多孔性支持膜である布帛補強ポリスルホン支持膜(限外濾過膜)は、次の手法により製造した。すなわち、単糸繊度0.5デシテックスのポリエステル繊維と1.5デシテックスのポリエステル繊維との混繊糸からなる、通気度0.7cm/cm・秒、平均孔径7μm以下の湿式不織布であって、縦30cm、横20cmの大きさの物を、ガラス板上に固定し、その上に、ジメチルホルムアミド(DMF)溶媒のポリスルホン濃度15重量%の溶液(2.5ポアズ:20℃)を、総厚み210〜215μmになるようにキャストし、直ちに水に浸積してポリスルホンの多孔性支持膜を製造した。得られた多孔性支持膜をPS支持膜と記す。
このようにして得られたPS支持膜を、メタフェニレンジアミン(以下mPDAという)3.4重量%水溶液中に2分間浸漬し、該支持膜を垂直方向にゆっくりと引き上げ、エアーノズルから窒素を吹き付け支持膜表面から余分な水溶液を取り除いた後、トリメシン酸クロリド(以下TMCという)0.175重量%を含むn−デカン溶液を、160cm/mの割合で支持膜表面が完全に濡れるように塗布して1分間静置した。次に膜から余分な溶液を除去するために、膜を1分間垂直に把持して液切りした。その後、90℃の熱水で2分間洗浄して複合逆浸透膜を得た。このようにして得られた複合半透膜を評価したところ、膜透過流束、TDS除去率はそれぞれ表1に示す値であった。
(比較例1)
参考例1で得られた膜を、濃硫酸でpH3.0に調整した0.05重量%の亜硝酸ナトリウム水溶液に35℃で30秒浸漬した後、直ちに水浴中へ浸漬した。得られた複合半透膜を評価したところ、膜透過流束、TDS除去率はそれぞれ表1に示す値であった。
(比較例2)
参考例1で得られた膜を、0.1%スルファミン酸水溶液に20℃で3時間浸漬した。得られた複合半透膜を評価したところ、膜透過流束、TDS除去率はそれぞれ表1に示す値であった。
(実施例1)
比較例1で得られた膜を、0.1%スルファミン酸水溶液に20℃で3時間浸漬した。得られた複合半透膜を評価したところ、膜透過流束、TDS除去率はそれぞれ表1に示す値であった。
Figure 2008260009
実施例1および比較例1、2の結果から、膜透水量および脱塩率を共に向上させるためには、亜硝酸処理およびスルファミン酸処理を併用することが必要であることがわかる。
<特性評価2>
参考例2、参考例3、参考例4、比較例3、比較例4、実施例2、実施例3における膜の特性は、複合半透膜に、温度25℃、pH6.5塩化ナトリウム濃度0.2重量%に調整した塩水を操作圧力0.5MPaで供給して膜ろ過処理を行ない、透過水、供給水の水質を測定することにより、次の式から求めた。
(塩除去率)
塩除去率(%)=100×{1−(透過水中の塩濃度/供給水中の塩濃度)}
(膜透過流束)
供給水(塩水)の膜透過水量を、膜面1平方メートルあたり、1日あたりの透水量(立方メートル)でもって膜透過流束(m/m/日)を表した。
(参考例2)
<特性評価1>の参考例1で得られた膜を<特性評価2>に示す条件で評価したところ、膜透過流束、塩除去率はそれぞれ表2に示す値であった。
(参考例3)
PS支持膜を、mPDA3.1重量%水溶液中に2分間浸漬し、該支持膜を垂直方向にゆっくりと引き上げ、エアーノズルから窒素を吹き付け支持膜表面から余分な水溶液を取り除いた後、TMC0.080重量%を含むn−デカン溶液を、160cm/mの割合で支持膜表面が完全に濡れるように塗布して1分間静置した。次に膜から余分な溶液を除去するために、膜を1分間垂直に把持して液切りした。その後、90℃の熱水で2分間洗浄して複合逆浸透膜を得た。このようにして得られた複合半透膜を評価したところ、膜透過流束、塩除去率はそれぞれ表2に示す値であった。
(参考例4)
PS支持膜を、mPDA2.0重量%水溶液中に2分間浸漬し、該支持膜を垂直方向にゆっくりと引き上げ、エアーノズルから窒素を吹き付け支持膜表面から余分な水溶液を取り除いた後、TMC0.060重量%を含むn−デカン溶液を、160cm/mの割合で支持膜表面が完全に濡れるように塗布して1分間静置した。次に膜から余分な溶液を除去するために、膜を1分間垂直に把持して液切りした。その後、90℃の熱水で2分間洗浄して複合逆浸透膜を得た。このようにして得られた複合半透膜を評価したところ、膜透過流束、塩除去率はそれぞれ表2に示す値であった。
(比較例3)
参考例3で得られた膜を、濃硫酸でpH3.0に調整した0.35重量%の亜硝酸ナトリウム水溶液に35℃で2分間浸漬した後、直ちに水浴中へ浸漬した。得られた複合半透膜を評価したところ、膜透過流束、塩除去率はそれぞれ表2に示す値であった。
(比較例4)
参考例4で得られた膜を、濃硫酸でpH3.0に調整した0.35重量%の亜硝酸ナトリウム水溶液に35℃で2分間浸漬した後、直ちに水浴中へ浸漬した。得られた複合半透膜を評価したところ、膜透過流束、塩除去率はそれぞれ表2に示す値であった。
(実施例2)
比較例3で得られた膜を、0.1%スルファミン酸水溶液に30℃で5分間浸漬した。得られた複合半透膜を評価したところ、膜透過流束、塩除去率はそれぞれ表2に示す値であった。
(実施例3)
比較例4で得られた膜を、0.1%スルファミン酸水溶液に30℃で5分間浸漬した。得られた複合半透膜を評価したところ、膜透過流束、塩除去率はそれぞれ表2に示す値であった。
Figure 2008260009
実施例2、3および比較例3、4の結果から、膜透水量および脱塩率を最も向上させるためには、亜硝酸処理およびスルファミン酸処理を併用することが必要であることがわかる。

Claims (3)

  1. 複合半透膜の製造方法であって、第一級アミノ基を含む分離機能層を有する半透膜を形成する工程と、前記分離機能層を有する半透膜を、第一級アミノ基と反応してジアゾニウム塩またはその誘導体を生成する化合物(I)に接触させてジアゾニウム塩を形成させる工程と、前記化合物(I)との反応性をもつ水溶性化合物(II)を接触させる工程とを有することを特徴とする複合半透膜の製造方法。
  2. 前記水溶性化合物(II)が、スルファミン酸、アンモニア、その酸性塩、及びアミノ酸からなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1に記載の複合半透膜の製造方法。
  3. 前記分離機能層を有する半透膜の性能が、25℃、pH6.5、塩化ナトリウム濃度0.2重量%の水溶液を、0.5MPaの操作圧力で透過させたときに、塩除去率が60%以上、透過水量が0.4m/m・日以上であることを特徴とする請求項1および請求項2に記載の複合半透膜の製造方法。
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