JP5120006B2 - 複合半透膜の製造方法 - Google Patents

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本発明は、液状混合物の選択的分離に有用な複合半透膜の製造方法に関し、例えば海水やかん水から塩分を除去するにあたって好適に用いることができる、微多孔性支持膜上にポリアミド分離機能層を形成した複合半透膜の製造方法に関する。
近年、複合半透膜を用いた海水やかん水の淡水化が試みられ、世界中の水処理プラントで実用化されてきている。複合半透膜は、一般に微多孔性支持膜上に分離機能層を被覆してなり、その分離機能層を架橋芳香族ポリアミドから形成した場合には、ベンゼン環を含むことによって剛直性に富み、芳香族多官能アミン水溶液と芳香族多官能酸ハロゲン化物の有機溶媒溶液との界面重縮合により容易に製膜できる利点があり、さらに高塩除去率、高透過流束であることが知られている(特許文献1、2)。
しかし、複合半透膜の利用が広まるにつれ、省エネルギー化による運転コスト削減の要求が高まっており、低圧力で運転が可能な複合半透膜の開発が望まれている。
微多孔性支持膜上にポリアミド分離機能層を形成してなる複合半透膜を使用して低圧力で運転するためには、とくに複合半透膜の透水量を向上させることが重要である。このような方法として、例えば、多官能アミン水溶液と多官能酸ハロゲン化物の有機溶媒溶液との界面重縮合で複合半透膜を製膜する際に、その水溶液側および有機溶媒溶液側の両方に、溶解度パラメーターが8〜14(cal/cm31/2である化合物を存在させる方法(特許文献3)や、該界面重縮合の前または反応中に、IUPAC周期律表のIIIA−VIB族及び3−6族から選ばれる非硫黄原子から選ばれる結合性コアをもつ錯化剤を多官能酸ハロゲン化物と接触させる方法(特許文献4)が開示されている。しかしながらこれらの方法では、製膜に必要な薬剤の量が増大し、経済的な負担や廃液処理への負荷が増加するなどの問題があった。
特開平1−180208号公報 特開平2−115027号公報 特許第3023300号公報 特表2003−531219号公報
本発明は、経済的な負担や廃液処理への負荷を増加させることなく、透水量が増大した複合半透膜の製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するための本発明は、以下の構成をとる。すなわち、
微多孔性支持膜上で、多官能アミンの水溶液と、多官能酸ハロゲン化物を含有する有機溶媒溶液とを微多孔性支持膜上で接触させ界面重縮合させることでポリアミド分離機能層を形成する複合半透膜の製造方法であって、該界面重縮合における多官能アミンが微多孔性支持膜の表面から内部へ向かって高濃度へ勾配して存在していることを特徴とする複合半透膜の製造方法。
本発明法によれば、高い透水性と高い溶質除去性を併せ持つ複合半透膜を得ることができる。また、新たな薬剤の添加を必要としないため、経済的な負担や廃液処理への負荷を少なくすることができる。
本発明は、架橋ポリアミドからなる分離機能層を有する複合半透膜の表面積を増大させる方法である。
本発明において複合半透膜は、好ましくは、実質的に分離性能を有する分離機能層が、実質的に分離性能を有さない微多孔性支持膜上に被覆されてなり、該分離機能層は多官能アミンと多官能酸ハロゲン化物とを接触させ界面重縮合させることによって得られる架橋ポリアミドからなるものである。ここで多官能アミンは脂肪族多官能アミンと芳香族多官能アミンの少なくとも1つの成分からなる。
脂肪族多官能アミンとは、一分子中に2個以上のアミノ基を有する脂肪族アミンであり、好ましくはピペラジン系アミンおよびその誘導体である。例えば、ピペラジン、2,5−ジメチルピペラジン、2−メチルピペラジン、2,6−ジメチルピペラジン、2,3,5−トリメチルピペラジン、2,5−ジエチルピペラジン、2,3,5−トリエチルピペラジン、2−n−プロピルピペラジン、2,5−ジ−n−ブチルピペラジンなどが例示され、性能発現の安定性から、特に、ピペラジン、2,5−ジメチルピペラジンが好ましい。
また、芳香族多官能アミンとは、一分子中に2個以上のアミノ基を有する芳香族アミンであり、特に限定されるものではないが、メタフェニレンジアミン、パラフェニレンジアミン、1,3,5−トリアミノベンゼンなどがあり、そのN−アルキル化物としてN,N−ジメチルメタフェニレンジアミン、N,N−ジエチルメタフェニレンジアミン、N,N−ジメチルパラフェニレンジアミン、N,N−ジエチルパラフェニレンジアミンなどが例示され、性能発現の安定性から、特にメタフェニレンジアミン、1,3,5−トリアミノベンゼンが好ましい。
多官能酸ハロゲン化物とは、一分子中に2個以上のハロゲン化カルボニル基を有する酸ハロゲン化物であり、上記アミンとの反応によりポリアミドを与えるものであれば特に限定されない。多官能酸ハロゲン化物としては、例えば、シュウ酸、マロン酸、マレイン酸、フマル酸、グルタル酸、1,3,5−シクロヘキサントリカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3,5−ベンゼントリカルボン酸、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,3−ベンゼンジカルボン酸、1,4−ベンゼンジカルボン酸の酸ハロゲン化物を用いることができる。酸ハロゲン化物の中でも、酸塩化物が好ましく、特に経済性、入手の容易さ、取り扱い易さ、反応性の容易さ等の点から、1,3,5−ベンゼントリカルボン酸の酸ハロゲン化物であるトリメシン酸クロリドが好ましい。上記多官能酸ハロゲン化物は単独で用いることもできるが、混合物として用いてもよい。
多官能酸ハロゲン化物を溶解する有機溶媒は、水と非混和性であり、かつ多孔性支持膜を破壊しないことが好ましく、架橋ポリアミドの生成反応を阻害しないものであればいずれであっても良い。代表例としては、液状の炭化水素、トリクロロトリフルオロエタンなどのハロゲン化炭化水素が挙げられるが、オゾン層を破壊しない物質であることや入手のしやすさ、取り扱いの容易さ、取り扱い上の安全性を考慮すると、オクタン、ノナン、デカン、ウンデカン、ドデカン、トリデカン、テトラデカン、ヘプタデカン、ヘキサデカンなど、シクロオクタン、エチルシクロヘキサン、1−オクテン、1−デセンなどの単体あるいはこれらの混合物が好ましく用いられる。
本発明において微多孔性支持膜は、実質的にイオン等の分離性能を有さず、実質的に分離性能を有する分離機能層に強度を与えるためのものである。孔のサイズや分布は特に限定されないが、例えば、均一で微細な孔、あるいは分離機能層が形成される側の表面からもう一方の面まで徐々に大きな微細孔をもち、かつ、分離機能層が形成される側の表面で微細孔の大きさが0.1nm以上100nm以下であるような支持膜が好ましい
微多孔性支持膜に使用する材料やその形状は特に限定されないが、例えばポリエステルまたは芳香族ポリアミドから選ばれる少なくとも一種を主成分とする布帛により強化されたポリスルホンや酢酸セルロースやポリ塩化ビニル、あるいはそれらを混合したものが好ましく使用される。使用される素材としては、化学的、機械的、熱的に安定性の高いポリスルホンを使用するのが特に好ましい。
具体的には、次の化学式に示す繰り返し単位からなるポリスルホンを用いると、孔径が制御しやすく、寸法安定性が高いため好ましい。
Figure 0005120006
例えば、上記ポリスルホンのN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)溶液を、密に織ったポリエステル布あるいは不織布の上に一定の厚さに注型し、それを水中で湿式凝固させることによって、表面の大部分が直径数10nm以下の微細な孔を有した微多孔性支持膜を得ることができる。
上記の多孔性支持体および基材の厚みは、複合半透膜の強度およびそれをエレメントにしたときの充填密度に影響を与える。十分な機械的強度および充填密度を得るためには、50〜300μmの範囲内にあることが好ましく、より好ましくは100〜250μmの範囲内である。また、多孔性支持体の厚みは、10〜200μmの範囲内にあることが好ましく、より好ましくは30〜100μmの範囲内である。
多孔性支持膜形態は、走査型電子顕微鏡や透過型電子顕微鏡、原子間顕微鏡により観察できる。例えば走査型電子顕微鏡で観察するのであれば、基材から多孔質支持体を剥がした後、これを凍結割断法で切断して断面観察のサンプルとする。このサンプルに白金または白金−パラジウムまたは四塩化ルテニウム、好ましくは四塩化ルテニウムを薄くコーティングして3〜6kVの加速電圧で高分解能電界放射型走査電子顕微鏡(UHR−FE−SEM)で観察する。高分解能電界放射型走査電子顕微鏡は、日立製S−900型電子顕微鏡などが使用できる。得られた電子顕微鏡写真から多孔性支持体の膜厚や表面孔径を決定する。なお、本発明における厚みや孔径は平均値を意味するものである。 次に、複合半透膜の好ましい製造方法について説明する。複合半透膜中の実質的に分離性能を有する分離機能層は、例えば、前述の多官能アミンを含有する水溶液と、前述の多官能酸ハロゲン化物を含有する、水とは非混和性の有機溶媒溶液を用い、後述の微多孔性支持膜上で接触させ界面重縮合させることにより形成される。
多官能アミンを含有する水溶液や多官能酸ハロゲン化物を含有する有機溶媒溶液には、両成分間の反応を妨害しないものであれば、必要に応じて、アシル化触媒や極性溶媒、酸捕捉剤、界面活性剤、酸化防止剤等の化合物が含まれていてもよい。
本発明において、微多孔性支持膜は、架橋ポリアミドなどの分離機能層を支持するために使用される。微多孔性支持膜の構成は特に限定されないが、好ましい微多孔性支持膜としては布帛により強化されたポリスルホン支持膜などを例示することができる。多孔性支持膜の孔径や孔数は特に限定されないが、均一で微細な孔あるいは片面からもう一方の面まで徐々に大きな微細な孔を有していて、その微細孔の大きさは、その片面の表面が100nm以下であるような構造の支持膜が好ましい。
本発明に使用する微多孔性支持膜は、ミリポア社製”ミリポアフィルターVSWP”(商品名)や、東洋濾紙社製”ウルトラフィルターUK10”(商品名)のような各種市販材料から選択することもできるが、”オフィス・オブ・セイリーン・ウォーター・リサーチ・アンド・ディベロップメント・プログレス・レポート”No.359(1968)に記載された方法に従って製造することができる。
微多孔性支持膜に使用する素材は特に限定されず、例えば、ポリスルホン、酢酸セルロース、硝酸セルロース、ポリ塩化ビニル等のホモポリマーあるいはブレンドしたもの等が使用できるが、化学的、機械的、熱的に安定性の高い、ポリスルホンを使用するのが好ましい。具体的に例示すると、ポリスルホンのジメチルホルムアミド(以降、DMFと記載)溶液を密に織ったポリエステル布あるいは不織布の上に略一定の厚さに塗布し、ドデシル硫酸ソーダ0.5重量%DMF2重量%を含む水溶液中で湿式凝固させることによって、表面の大部分が直径数10nm以下の微細な孔を有した好適な多孔性支持膜を得ることができる。
そして、本発明では、微多孔性支持膜へ多官能アミン水溶液を含有させる工程において、多官能アミンを微多孔性支持膜の表面から内部へ向かって高濃度へ勾配して存在せしめることを特徴とするものである。多官能アミンを微多孔性支持膜の表面から内部へ向かって高濃度へ勾配して存在せしめる方法としては特に限定されるものではなく、例えば、多官能アミン水溶液を微多孔性支持膜表面にコーティングする方法、微多孔性支持膜を該水溶液に浸漬する方法等で多官能アミンを微多孔性支持膜中へ含有させた後、これよりも低濃度の多官能アミン水溶液を上記同様にコーティングする方法、該水溶液に浸漬する方法等で多官能アミンを微多孔性支持膜中へ含有させたり、多官能アミン水溶液を微多孔性支持膜裏面へコーティングする方法等で多官能アミンを微多孔性支持膜中へ含有させたりすることで、微多孔性支持膜表面の多官能アミン濃度を微多孔性支持膜内部よりも低くすればよい。ここで、多官能アミンを含有する水溶液の濃度は、0.1〜20重量%が好ましく、より好ましくは0.5〜15重量%である。
次いで、過剰に塗布された該水溶液を膜上に液滴が残らないように十分に液切りする。十分に液切りすることで、膜形成後に液滴残存部分が膜欠点となって膜性能が低下することを防ぐことができる。液切りの方法としては、例えば膜面を垂直方向に保持して自然流下させる方法等がある。液切りの方法としては、例えば、特開平2−78428号公報に記載されているように、多官能アミン水溶液接触後の多孔性支持膜を垂直方向に把持して過剰の水溶液を自然流下させる方法や、エアーノズルから窒素などの気流を吹き付け、強制的に液切りする方法などを用いることができる。また、液切り後、膜面を乾燥させて水溶液の水分を一部除去することもできる。
その後、多官能アミンを表面から内部へ向かって高濃度へ勾配して存在せしめた微多孔性支持膜に、前述の多官能酸ハロゲン化物を含有する有機溶媒溶液を塗布し、界面重縮合により架橋ポリアミドの分離機能層を形成させる。
有機溶媒溶液中の多官能酸ハロゲン化物の濃度は、0.01〜10重量%の範囲内であると好ましく、0.02〜2.0重量%の範囲内であるとさらに好ましい。この範囲であると、十分な反応速度が得られ、また副反応の発生を抑制することができる。さらに、この有機溶媒溶液にN,N−ジメチルホルムアミドのようなアシル化触媒を含有させると、界面重縮合が促進され、さらに好ましい。
有機溶媒は、水と非混和性であり、かつ酸ハロゲン化物を溶解し、微多孔性支持膜を破壊しないものが望ましく、アミノ化合物および酸ハロゲン化物に対して不活性であるものであればよい。好ましい例として、n−ヘキサン、n−オクタン、n−デカンなどの炭化水素化合物が挙げられる。
多官能酸ハロゲン化物の有機溶媒溶液を接触させて界面重縮合を行い、微多孔性支持膜上に架橋ポリアミドを含む分離機能層を形成したあとは、余剰の溶媒を液切りするとよい。液切りの方法は、例えば、膜を垂直方向に把持して過剰の有機溶媒を自然流下して除去する方法を用いることができる。この場合、垂直方向に把持する時間としては、1〜5分間の間にあることが好ましく、1〜3分間であるとより好ましい。短すぎると分離機能層が完全に形成せず、長すぎると有機溶媒が過乾燥となり欠点が発生しやすく、性能低下を起こしやすい。
上述の方法により得られた複合半透膜は、50〜150℃の範囲内、好ましくは70〜130℃の範囲内で1〜10分間、より好ましくは2〜8分間熱水処理する工程などを付加することで、複合半透膜の溶質阻止性能や透水性をより一層向上させることができる。
このように形成される本発明の複合半透膜は、プラスチックネットなどの原水流路材と、トリコットなどの透過水流路材と、必要に応じて耐圧性を高めるためのフィルムと共に、多数の孔を穿設した筒状の集水管の周りに巻回され、スパイラル型の複合半透膜エレメントとして好適に用いられる。さらに、このエレメントを直列または並列に接続して圧力容器に収納した複合半透膜モジュールとすることもできる。
また、上記の複合半透膜やそのエレメント、モジュールは、それらに原水を供給するポンプや、その原水を前処理する装置などと組み合わせて、流体分離装置を構成することができる。この分離装置を用いることにより、原水を飲料水などの透過水と膜を透過しなかった濃縮水とに分離して、目的にあった水を得ることができる。
以下に実施例によって本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限定されるものではない。
参考例、比較例、実施例における膜の特性は、複合半透膜に、温度25℃、pH6.5に調整した海水(塩濃度約3.5%)を操作圧力5.5MPaで供給して膜ろ過処理を行ない、透過水、供給水の水質を測定することにより、次の式から求めた。
(塩除去率)
塩除去率(%)=100×{1−(透過水中の塩濃度/供給水中の塩濃度)}
(膜透過流束)
供給水(海水)の膜透過水量を、膜面1平方メートルあたり、1日あたりの透水量(立方メートル)でもって膜透過流束(m/m/日)を表した。
(実施例)
多孔性支持膜である布帛補強ポリスルホン支持膜(限外濾過膜)は、次の手法により製造した。すなわち、単糸繊度0.5デシテックスのポリエステル繊維と1.5デシテックスのポリエステル繊維との混繊糸からなる、通気度0.7cm/cm・秒、平均孔径7μm以下の湿式不織布であって、縦30cm、横20cmの大きさの物を、ガラス板上に固定し、その上に、ジメチルホルムアミド(DMF)溶媒のポリスルホン濃度15重量%の溶液(20℃)を、総厚み210〜215μmになるようにキャストし、直ちに水に浸積してポリスルホンの多孔性支持膜を製造した。得られた多孔性支持膜をPS支持膜と記す。
このようにして得られたPS支持膜を、メタフェニレンジアミン(以下mPDAという)3.8重量%水溶液中に室温下2分間浸漬し、該支持膜を垂直方向にゆっくりと引き上げ、エアーノズルから窒素を吹き付け支持膜表面から余分な水溶液を取り除いた後、水中に室温下3秒間浸漬し、該支持膜を垂直方向にゆっくりと引き上げ、エアーノズルから窒素を吹き付け支持膜表面から余分な水溶液を取り除いた。トリメシン酸クロリド(以下TMCという)0.175重量%を含むn−デカン溶液を、160cm/mの割合で支持膜表面が完全に濡れるように塗布して1分間静置した。次に膜から余分な溶液を除去するために、膜を1分間垂直に把持して液切りした。その後、90℃の熱水で2分間洗浄して複合半透膜を得た。このようにして得られた複合半透膜を評価したところ、膜透過流束は0.69(m/m/日)、塩除去率は99.8%であった。
(比較例)
mPDA3.8重量%水溶液中に室温下2分間浸漬し、該支持膜を垂直方向にゆっくりと引き上げ、エアーノズルから窒素を吹き付け支持膜表面から余分な水溶液を取り除いた後に、水中への浸漬を行わず、直ちにTMC0.175重量%を含むn−デカン溶液の塗布を行ったこと以外は、実施例と同様に複合半透膜を作製した。このようにして得られた複合半透膜を評価したところ、膜透過流束は0.60(m/m/日)、塩除去率は99.8%であった。
実施例および比較例の結果から、多官能アミンを微多孔性支持膜の表面から内部へ向かって高濃度へ勾配して存在せしめて複合半透膜を製膜することで、透水量が増大することがわかる。

Claims (1)

  1. 微多孔性支持膜上で、多官能アミンの水溶液と、多官能酸ハロゲン化物を含有する有機溶媒溶液とを接触させ界面重縮合させることでポリアミド分離機能層を形成する複合半透膜の製造方法であって、
    該界面重縮合における多官能アミンが微多孔性支持膜上の前記架橋ポリアミドを形成せしめる面から内部へ向かって高濃度へ勾配して存在していることを特徴とする複合半透膜の製造方法。
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