JP5263104B2 - 複合半透膜の製造方法 - Google Patents

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本発明は、液状混合物の選択的分離に有用な複合半透膜の製造方法に関し、例えば海水やかん水から塩分を除去するにあたって好適に用いることができる、微多孔性支持膜上にポリアミド分離機能層を形成した複合半透膜の製造方法に関する。
近年、複合半透膜を用いた海水やかん水の淡水化が試みられ、世界中の水処理プラントで実用化されてきている。複合半透膜は、一般に微多孔性支持膜上に分離機能層を被覆してなり、その分離機能層を架橋芳香族ポリアミドから形成した場合には、ベンゼン環を含むことによって剛直性に富み、芳香族多官能アミン水溶液と芳香族多官能酸ハロゲン化物の有機溶媒溶液との界面重縮合により容易に製膜できる利点があり、さらに高塩除去率、高透過流束であることが知られている(特許文献1、2)。
しかし、複合半透膜の利用が広まるにつれ、省エネルギー化による運転コスト削減の要求が高まっており、低圧力で運転が可能な複合半透膜の開発が望まれている。
微多孔性支持膜上にポリアミド分離機能層を形成してなる複合半透膜を使用して低圧力で運転するためには、とくに複合半透膜の透水量を向上させることが重要である。このような方法として、例えば、多官能アミン水溶液と多官能酸ハロゲン化物の有機溶媒溶液との界面重縮合で複合半透膜を製膜する際に、その水溶液および有機溶媒溶液の両方に、溶解度パラメーターが8〜14(cal/cm31/2である化合物を存在させる方法(特許文献3)や、該界面重縮合の前または反応中に、IUPAC周期律表のIIIA−VIB族及び3−6族から選ばれる非硫黄原子から選ばれる結合性コアをもつ錯化剤を多官能酸ハロゲン化物と接触させる方法(特許文献4)が開示されている。しかしながらこれらの方法では、製膜に必要な薬剤の量が増大し、経済的な負担や廃液処理への負荷が増加するなどの問題があった。
特開平1−180208号公報 特開平2−115027号公報 特許第3023300号公報 特表2003−531219号公報
本発明は、経済的な負担や廃液処理への負荷を増加させることなく、高い溶質除去性と高い水透過性を有する複合半透膜を製造できる方法を提供することを目的とするものである。
上記目的を達成するための本発明は、微多孔性支持膜の表面と裏面とにそれぞれ濃度の異なる多官能アミン水溶液を塗布した後、該微多孔性支持膜の表面から多官能酸ハロゲン化物溶液を塗布することにより、該微多孔性支持膜上にポリアミド分離機能層を形成させる複合半透膜の製造方法であって、該微多孔性支持膜の表面に塗布する多官能アミン水溶液の濃度が、該微多孔性支持膜の裏面に塗布する多官能アミン水溶液の濃度よりも低いことを特徴とする複合半透膜の製造方法、である。
本発明の製造方法によれば、高い透水性と高い溶質除去性を併せ持つ複合半透膜を得ることができる。また、新たな薬剤の添加を必要としないため、経済的な負担や廃液処理の負荷を少なくし、より簡便に安全な方法によって達成することができる。
本発明において複合半透膜は、実質的に分離性能を有するポリアミド分離機能層が、実質的に分離性能を有さない微多孔性支持膜上に被覆されてなり、該ポリアミド分離機能層は多官能アミンと多官能酸ハロゲン化物との界面重縮合によって得られる架橋ポリアミドからなるものである。
ここで多官能アミンは脂肪族多官能アミンと芳香族多官能アミンのうち、少なくとも1つの成分からなる。
脂肪族多官能アミンとは、一分子中に2個以上のアミノ基を有する脂肪族アミンであり、好ましくはピペラジン系アミンおよびその誘導体である。例えば、ピペラジン、2,5−ジメチルピペラジン、2−メチルピペラジン、2,6−ジメチルピペラジン、2,3,5−トリメチルピペラジン、2,5−ジエチルピペラジン、2,3,5−トリエチルピペラジン、2−n−プロピルピペラジン、2,5−ジ−n−ブチルピペラジンなどが例示され、性能発現の安定性から、特に、ピペラジン、2,5−ジメチルピペラジンが好ましい。
また、芳香族多官能アミンとは、一分子中に2個以上のアミノ基を有する芳香族アミンであり、特に限定されるものではないが、メタフェニレンジアミン、パラフェニレンジアミン、1,3,5−トリアミノベンゼンなどがあり、そのN−アルキル化物としてN,N−ジメチルメタフェニレンジアミン、N,N−ジエチルメタフェニレンジアミン、N,N−ジメチルパラフェニレンジアミン、N,N−ジエチルパラフェニレンジアミンなどが例示され、性能発現の安定性から、特にメタフェニレンジアミン、1,3,5−トリアミノベンゼンが好ましい。
多官能酸ハロゲン化物とは、カルボキシル基がハロゲン化された部位を一分子中に2個以上有する酸ハロゲン化物であり、上記アミンとの反応によりポリアミドを与えるものであれば特に限定されない。多官能酸ハロゲン化物としては、例えば、シュウ酸、マロン酸、マレイン酸、フマル酸、グルタル酸、1,3,5−シクロヘキサントリカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3,5−ベンゼントリカルボン酸、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,3−ベンゼンジカルボン酸、1,4−ベンゼンジカルボン酸の酸ハロゲン化物を用いることができる。酸ハロゲン化物の中でも、酸塩化物が好ましく、特に経済性、入手の容易さ、取り扱い易さ、反応性の容易さ等の点から、1,3,5−ベンゼントリカルボン酸の酸ハロゲン化物であるトリメシン酸クロリドが好ましい。上記多官能酸ハロゲン化物は単独で用いることもできるが、混合物として用いてもよい。
多官能酸ハロゲン化物を溶解する有機溶媒は、水と非混和性であり、かつ微多孔性支持膜を破壊しないものであり、架橋ポリアミドの生成反応を阻害しないものであればいずれであっても良い。代表例としては、液状の炭化水素、トリクロロトリフルオロエタンなどのハロゲン化炭化水素が挙げられるが、オゾン層を破壊しない物質であることや入手のしやすさ、取り扱いの容易さ、取り扱い上の安全性を考慮すると、オクタン、ノナン、デカン、ウンデカン、ドデカン、トリデカン、テトラデカン、ヘプタデカン、ヘキサデカンなど、シクロオクタン、エチルシクロヘキサン、1−オクテン、1−デセンなどの単体あるいはこれらの混合物が好ましく用いられる。
本発明において微多孔性支持膜は、実質的にイオン等の分離性能を有さず、実質的に分離性能を有するポリアミド分離機能層に強度を与えるためのものである。孔のサイズや分布は特に限定されないが、例えば、均一で微細な孔、あるいは分離機能層が形成される側の表面からもう一方の面まで徐々に大きな微細孔をもち、かつ、分離機能層が形成される側の表面で微細孔の大きさが0.1nm以上100nm以下であるような支持膜が好ましい。
微多孔性支持膜に使用する材料やその形状は特に限定されないが、例えば支持体(基材)に樹脂をキャストして形成した膜を例示することができる。基材としては、ポリエステルまたは芳香族ポリアミドから選ばれる少なくとも一種を主成分とする布帛が例示される。基材にキャストする樹脂の種類としては、例えばポリスルホンや酢酸セルロースやポリ塩化ビニル、あるいはそれらを混合したものが好ましく使用され、化学的、機械的、熱的に安定性の高いポリスルホンを使用するのが特に好ましい。
具体的には、次の化学式に示す繰り返し単位からなるポリスルホンを用いると、孔径が制御しやすく、寸法安定性が高いため好ましい。
Figure 0005263104
例えば、上記ポリスルホンのN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)溶液を、密に織ったポリエステル布あるいは不織布の上に一定の厚さに注型し、それを水中で湿式凝固させることによって、表面の大部分が直径数10nm以下の微細な孔を有した微多孔性支持膜を得ることができる。
上記の微多孔性支持膜の厚みは、複合半透膜の強度およびそれをエレメントにしたときの充填密度に影響を与える。微多孔性支持膜の厚みは、十分な機械的強度および充填密度を得るためには、50〜300μmの範囲内にあることが好ましく、より好ましくは100〜250μmの範囲内である。また、微多孔性支持膜を強化する基材の厚みは、10〜200μmの範囲内にあることが好ましく、より好ましくは30〜100μmの範囲内である。
微多孔性支持膜の形態は、走査型電子顕微鏡や透過型電子顕微鏡、原子間顕微鏡により観察できる。例えば走査型電子顕微鏡で観察するのであれば、基材からキャストした樹脂を剥がした後、これを凍結割断法で切断して断面観察のサンプルとする。このサンプルに白金または白金−パラジウムまたは四塩化ルテニウム、好ましくは四塩化ルテニウムを薄くコーティングして3〜6kVの加速電圧で高分解能電界放射型走査電子顕微鏡(UHR−FE−SEM)で観察する。高分解能電界放射型走査電子顕微鏡は、日立製S−900型電子顕微鏡などが使用できる。得られた電子顕微鏡写真から微多孔性支持膜の膜厚や表面孔径を決定する。なお、本発明における厚みや孔径は平均値を意味するものである。
本発明に使用する微多孔性支持膜は、ミリポア社製”ミリポアフィルターVSWP”(商品名)や、東洋濾紙社製”ウルトラフィルターUK10”(商品名)のような各種市販材料から選択することもできるが、”オフィス・オブ・セイリーン・ウォーター・リサーチ・アンド・ディベロップメント・プログレス・レポート”No.359(1968)に記載された方法に従って製造することができる。
次に、本発明の複合半透膜の製造方法について説明する。複合半透膜中の実質的に分離性能を有するポリアミド分離機能層は、例えば、前述の多官能アミンを含有する水溶液と、前述の多官能酸ハロゲン化物を含有する、水とは非混和性の有機溶媒溶液を用い、前述の微多孔性支持膜上で接触させ界面重縮合させることにより形成される。
多官能アミンを含有する水溶液や多官能酸ハロゲン化物を含有する有機溶媒溶液には、両成分間の反応を妨害しないものであれば、必要に応じて、アシル化触媒や極性溶媒、酸捕捉剤、界面活性剤、酸化防止剤等の化合物が含まれていてもよい。
そして、本発明では、微多孔性支持膜の表面と裏面とにそれぞれ濃度の異なる多官能アミン水溶液を塗布した後、該微多孔性支持膜の表面から多官能酸ハロゲン化物溶液を塗布する際に、該微多孔性支持膜の表面に塗布する多官能アミン水溶液の濃度を、該微多孔性支持膜の裏面に塗布する多官能アミン水溶液の濃度よりも低くすることを特徴とするものである。
多官能アミンを微多孔性支持膜の両面に塗布する方法としては特に限定されるものではなく、例えばバーコーター、ダイコーター、グラビアコーター、スプレー等によって多官能アミン水溶液を微多孔性支持膜の表面及び裏面に塗布する。
本発明において、微多孔性支持膜の表面に塗布する多官能アミン水溶液の濃度を、微多孔性支持膜の裏面に塗布する多官能アミン水溶液の濃度よりも低くすることにより、多官能酸ハロゲン化物と界面重縮合させる際に、微多孔性支持膜の表面から内部へ向かって多官能アミンを高濃度になるように勾配させて存在せしめることができると考えられる。その他の製造条件である、微多孔性支持膜の表面及び裏面に塗布する多官能アミン水溶液の濃度、接触時間、温度、さらに多官能アミン水溶液を該微多孔性支持膜に含有させた後に多官能酸ハロゲン化物溶液を塗布するまでの時間などについては、本発明の目的に則して適宜調整することにより決定することができる。ここで、多官能アミンを含有する水溶液の濃度は、微多孔性支持膜の状態によっても変化するが、微多孔性支持膜の表面では0.1〜15重量%、微多孔性支持膜の裏面では0.1〜20重量%が好ましく、多官能アミン水溶液を塗布により膜と接触させる時間は0.01〜120秒が好ましい。
ここで、本発明において、微多孔性支持膜の表面とは、この後の工程において多官能酸ハロゲン化物溶液を塗布する側の面を指し、その反対側の面を微多孔性支持膜の裏面と称する。
なお、本発明は、微多孔性支持膜の表面と裏面とにそれぞれ多官能アミン水溶液を塗布することで達成されるものであり、微多孔性支持膜を多官能アミン水溶液に浸漬させることで微多孔性支持膜の表面と裏面とに多官能アミン水溶液を接触させる方法では、本発明の目的は達成されない。
微多孔性支持膜の表面と裏面とに多官能アミン水溶液を塗布した後、過剰に塗布された多官能アミン水溶液を微多孔性支持膜上に液滴が残らないように十分に液切りすることが好ましい。十分に液切りすることで、複合半透膜形成後に液滴残存部分が膜欠点となって性能が低下することを防ぐことができる。液切りの方法としては、例えば、特開平2−78428号公報に記載されているように、多官能アミン水溶液接触後の微多孔性支持膜を垂直方向に把持して過剰の溶液を自然流下させる方法や、エアーノズルから窒素などの気流を吹き付け、強制的に液切りする方法などを用いることができる。また、液切り後、膜面を乾燥させて溶液の水分を一部除去することもできる。
その後、多官能アミンを存在せしめた微多孔性支持膜に、前述の多官能酸ハロゲン化物を含有する有機溶媒溶液を塗布し、界面重縮合によりポリアミド分離機能層を形成させる。該微多孔性支持膜の界面重縮合までの把持時間は、膜の内部拡散の影響から0.01〜120秒の間にあることが好ましい。
有機溶媒溶液中の多官能酸ハロゲン化物の濃度は、0.01〜10重量%の範囲内であると好ましく、0.02〜2.0重量%の範囲内であるとさらに好ましい。この範囲であると、十分な反応速度が得られ、また副反応の発生を抑制することができる。さらに、この有機溶媒溶液にN,N−ジメチルホルムアミドのようなアシル化触媒を含有させると、界面重縮合が促進され、さらに好ましい。
多官能酸ハロゲン化物の有機溶媒溶液を接触させて界面重縮合を行い、微多孔性支持膜上にポリアミド分離機能層を形成したあとは、余剰の溶媒を液切りすることが好ましい。液切りの方法は、例えば、膜を垂直方向に把持して過剰の有機溶媒溶液を自然流下して除去する方法を用いることができる。この場合、垂直方向に把持する時間としては、1〜5分間の間にあることが好ましく、1〜3分間であるとより好ましい。短すぎると分離機能層が完全に形成せず、長すぎると有機溶媒が過乾燥となり欠点が発生しやすく、性能低下を起こしやすい。
上述の方法により得られた複合半透膜は、50〜150℃の範囲内、好ましくは70〜130℃の範囲内で1〜10分間、より好ましくは2〜8分間熱水処理する工程などを付加することで、複合半透膜の溶質阻止性能や透水性をより一層向上させることができる。
このように形成される本発明に係る複合半透膜は、プラスチックネットなどの原水流路材と、トリコットなどの透過水流路材と、必要に応じて耐圧性を高めるためのフィルムと共に、多数の孔を穿設した筒状の集水管の周りに巻回され、スパイラル型の複合半透膜エレメントとして好適に用いられる。さらに、このエレメントを直列または並列に接続して圧力容器に収納した複合半透膜モジュールとすることもできる。
また、上記の複合半透膜やそのエレメント、モジュールは、それらに原水を供給するポンプや、その原水を前処理する装置などと組み合わせて、流体分離装置を構成することができる。この分離装置を用いることにより、原水を飲料水などの透過水と膜を透過しなかった濃縮水とに分離して、目的にあった水を得ることができる。
以下に実施例によって本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限定されるものではない。
参考例、比較例、実施例における複合半透膜の特性は、複合半透膜に、温度25℃、pH6.5に調整した海水(塩濃度約3.5%、ホウ素濃度約5.0%)を操作圧力5.5MPaの条件で3時間ろ過したときの透過水、供給水の水質を測定することにより、次の式から求めた。
(ホウ素除去率)
供給水(海水)透過水中のホウ素濃度をICP発光分析装置で分析し、次の式から求めた。
ホウ素除去率(%)=100×{1−(透過水中のホウ素濃度/供給水中のホウ素濃度)}
(膜透過流束)
供給水(海水)の膜透過水量を、膜面1平方メートルあたり、1日あたりの透水量(立方メートル)でもって膜透過流束(m/m/日)を表した。
<参考例>
微多孔性支持膜である布帛補強ポリスルホン支持膜(限外濾過膜)は、次の手法により製造した。すなわち、単糸繊度0.5デシテックスのポリエステル繊維と1.5デシテックスのポリエステル繊維との混繊糸からなる、通気度0.7cm/cm/秒、平均孔径7μm以下の湿式不織布であって、縦30cm、横20cmの大きさのものを、ガラス板上に固定し、その上に、ジメチルホルムアミド(DMF)溶媒のポリスルホン(ソルベイ社製、P3500)濃度15重量%の溶液(20℃)を、総厚み210〜215μmになるようにキャストし、直ちに水に浸積してポリスルホンの微多孔性支持膜を製造した。得られた微多孔性支持膜をPS支持膜と記す。
<実施例1>
参考例から得られたPS支持膜を、メタフェニレンジアミン(以下mPDAという)7.6重量%水溶液を含む縦35cm、横25cmの大きさのバットの液上面に固定し、室温下、15秒間支持膜の裏面のみをmPDA水溶液と接触させる方法で塗布した。次に、垂直に把持して液切りした後、PS支持膜を、mPDA3.8重量%水溶液を含むバットの上面に固定し、室温下、5秒間支持膜の表面のみをmPDA水溶液と接触させる方法で塗布して垂直に把持して液切りした。さらに、得られた支持膜を最初の裏面塗布から60秒後、トリメシン酸クロリド(以下TMCという)0.175重量%を含むn−デカン溶液を、160cm/mの割合で支持膜表面が完全に濡れるように塗布して1分間静置した。次に膜から余分な溶液を除去するために、膜を1分間垂直に把持して液切りした。その後、90℃の熱水に2分間浸漬し複合半透膜を得た。透水量及びホウ素除去率を表1に示す。
Figure 0005263104
<実施例2>
mPDA水溶液の濃度、塗布時間を表1に示す条件へと変えた以外は実施例1と同様の方法で複合半透膜を得た。透水量及びホウ素除去率を表1に示す。
<比較例1>
参考例から得られたPS支持膜をmPDA3.0重量%水溶液中に室温下120秒間浸漬し、該支持膜を垂直方向にゆっくりと引き上げ、エアーノズルから窒素を吹き付け支持膜表面から余分な水溶液を取り除いた後、0.175重量%を含むn−デカン溶液を、160cm/mの割合で支持膜表面が完全に濡れるように塗布して1分間静置した。次に膜から余分な溶液を除去するために、膜を1分間垂直に把持して液切りした。その後、90℃の熱水に2分間浸漬し複合半透膜を得た。透水量及びホウ素除去率を表1に示す。
<比較例2>
参考例から得られたPS支持膜をmPDA3.8重量%水溶液中に室温下120秒間浸漬した以外は比較例1と同様の方法で複合半透膜を得た。透水量及びホウ素除去率を表1に示す。
<比較例3>
参考例から得られたPS支持膜をmPDA7.6重量%水溶液中に室温下12秒間浸漬した以外は比較例1と同様の方法で複合半透膜を得た。透水量及びホウ素除去率を表1に示す。
<比較例4>
参考例から得られたPS支持膜をmPDA7.6重量%水溶液中に室温下12秒間浸漬し、該支持膜を垂直方向にゆっくりと引き上げ垂直に把持して液切りした後、PS支持膜をmPDA3.8重量%水溶液を含むバットの上面に固定し、室温下5秒間支持膜の表面のみmPDA水溶液と接触させる方法で塗布し垂直に把持して液切りした後、TMCを溶解したn−デカン溶液を支持膜表面に塗布した以外は実施例1と同様の方法で複合半透膜を得た。透水量及びホウ素除去率を表1に示す。
<比較例5〜7>
参考例から得られたPS支持膜をmPDA水溶液の濃度、塗布時間を表1に示す条件へと変えた以外は実施例1と同様の方法で複合半透膜を得た。透水量及びホウ素除去率を表1に示す。
実施例および比較例の結果から、本発明の製造方法によって作製された複合半透膜は、従来技術によって得られた複合半透膜と比較して、高いホウ素除去性能を維持したまま透水量が増大したことがわかる。
本発明の製造方法により得られる複合半透膜は、溶媒と溶質とを分離するための逆浸透膜として用いられる。例えば、原水中に含まれる無機物や有機物などの有害物質やその前駆物質を除去する膜分離法において用いられる。

Claims (1)

  1. 微多孔性支持膜の表面と裏面とにそれぞれ濃度の異なる多官能アミン水溶液を塗布した後、該微多孔性支持膜の表面から多官能酸ハロゲン化物溶液を塗布することにより、該微多孔性支持膜上にポリアミド分離機能層を形成させる複合半透膜の製造方法であって、該微多孔性支持膜の表面に塗布する多官能アミン水溶液の濃度が、該微多孔性支持膜の裏面に塗布する多官能アミン水溶液の濃度よりも低いことを特徴とする複合半透膜の製造方法。
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