JPH10165299A - 調理器 - Google Patents

調理器

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JPH10165299A
JPH10165299A JP33430896A JP33430896A JPH10165299A JP H10165299 A JPH10165299 A JP H10165299A JP 33430896 A JP33430896 A JP 33430896A JP 33430896 A JP33430896 A JP 33430896A JP H10165299 A JPH10165299 A JP H10165299A
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JP
Japan
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heating control
rice
heating
cooking
control mode
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JP33430896A
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English (en)
Inventor
Kazuya Miyake
一也 三宅
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Toshiba Home Technology Corp
Original Assignee
Toshiba Home Technology Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 各種の炊き上がりの変動要素に拘らず、適正
で好ましいご飯の状態を得る。 【解決手段】 加熱制御手段62は、炊飯から保温に至る
一連の加熱制御を、各行程毎に順次行なう。各行程の加
熱制御形態は、加熱制御形態変更手段77にて任意に変更
できる。また、変更した加熱制御形態を加熱制御形態記
憶手段78で記憶する。使用者の炊き上がり不満に対し、
各行程毎の加熱制御形態を直ちに変更できる。このた
め、使用者の希望する炊き上がりが容易に実現できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、炊飯や保温の加熱
を、好みに応じて最適に制御する調理器に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】一般に、この種の調理
器は、炊飯を開始した後に、ひたし炊き→沸騰加熱→沸
騰継続加熱→炊き上げ→むらし→保温の順に、加熱手段
に対する加熱制御形態の異なる複数の行程を順次実行す
ることで、鍋内に収容した被炊飯物を炊飯し、保温を行
なうようにしている。しかし、糊化しやすい米としにく
い米,精米度の高い米と低い米,またはアミロース澱粉
の含有量の少ない米と多い米などの各種米質の違いや、
電源電圧が低い場合と高い場合,標高の違いから沸騰温
度が高い場合と低い場合,または水質のアルカリ度が高
い場合と低い場合などの各種環境の違いや、気温が高い
場合と低い場合,水温が高い場合と低い場合,または新
米と古米などの季節の変化や、温度センサの検出温度,
加熱手段の加熱量(消費電力),または炊飯器各部の寸
法などの各種バラツキや、その他本体構成の違いや、個
人的なご飯の好み(硬め,柔らかめ)の相違など、炊飯
に係わる炊き上がりの変動要素は実に多く、また各種の
条件が絡み合って、理想の炊飯やその後の保温を実現す
ることは極めて困難である。
【0003】そこで、こうした点を考慮して、炊き上が
りのご飯の硬さを、硬め/ふつう/柔らかめに変えた
り、あるいは新米/ふつう/夏場など季節に応じた米質
の炊き方を選択したりして、複数の加熱パターンから特
定の加熱パターンを選択するようにしたものが最近では
主流になっている。しかし、こうした数種類の炊飯加熱
パターンを備えたものは、前述した炊き上がりの変動要
素の全てに対応するには無理がある。したがって、使用
者が希望する炊き上がりが実現できないことに起因した
クレームが発生し、製品自体は故障していなくても、炊
飯性能が劣ると評価される場合がある。そして、結局は
使用者が異なる炊飯特性の炊飯器を探さざるを得ず、ま
た、仮に探し出したとしても、その炊飯器が好みに合っ
た炊き上がり状態になるとは限らないという問題があ
る。
【0004】そこで、本発明は上記問題点に鑑み、各種
の炊き上がりの変動要素に拘らず、適正で好ましいご飯
の状態を得ることのできる調理器を提供することをその
目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1記載の
調理器は、前記目的を達成するために、炊飯開始後、加
熱制御手段がひたし炊き,沸騰加熱,沸騰継続加熱,炊
き上げ,むらし,保温など、加熱手段に対する加熱制御
形態の異なる複数の行程を順次行なうことで、被炊飯物
を炊飯し保温する調理器において、前記加熱制御手段が
実行する各行程の加熱制御形態を変更可能な加熱制御形
態変更手段と、この加熱制御形態変更手段で変更した各
行程の加熱制御形態を記憶する加熱制御形態記憶手段と
を備えて構成される。
【0006】この請求項1の構成によれば、炊飯に係わ
る炊き上がりの変動要素が複雑に絡み合って生じる使用
者の炊き上がり不満に対し、各行程毎の加熱制御形態を
直ちに変更することができるため、使用者の希望する炊
き上がりが容易に実現でき、炊飯性能が良好に確保され
る。また、使用者側においては、炊き上がりに不満があ
る場合に、別の炊飯器を探すなどの不便さが解消すると
ともに、製品を修理する側にとっても、本質的に製品が
故障でない限り、基板などの交換を一切行なわなくても
修理対応することが可能になり、サービス性の向上がな
される。さらに、変更された加熱制御形態は、加熱制御
形態記憶手段に記憶されることから、新たに設定した加
熱制御形態にて毎回加熱制御を行なうことができ、各種
の炊き上がり不満を解消しつつ、実用性を向上させるこ
とが可能になる。
【0007】また、本発明の請求項2記載の調理器は、
請求項1の構成に加えて、前記加熱制御手段は、白米,
おかゆ,玄米などの加熱パターンが各々異なる複数のメ
ニューを備え、このメニュー毎に各行程の加熱制御形態
が変更可能となるように前記加熱制御形態変更手段を構
成したことを特徴とする。
【0008】この請求項2の構成によれば、不満のある
メニューの加熱制御形態のみを行程毎に変更することが
できるので、不満がなく現状のままでよい他のメニュー
に影響を及ぼさないようにすることができる。
【0009】また、本発明の請求項3記載の調理器は、
請求項1の構成に加えて、炊飯,予約炊飯,保温などの
炊飯や保温の操作に係わる操作手段を兼用して、前記加
熱制御形態変更手段による加熱制御形態の変更操作を行
なうように構成してある。
【0010】この請求項3の構成によれば、既存の炊飯
や保温の操作に係わる操作手段を利用することで、加熱
制御形態を変更する専用の操作手段が不要になり、部品
を共通化してコストダウンを図ることが可能になる。ま
た、操作手段を現状と同じ構成にすることができ、調理
器が大型化する欠点を防止できる。
【0011】また、本発明の請求項4記載の調理器は、
請求項1の構成に加えて、前記加熱制御手段が実行する
各行程の加熱制御形態の内容を、時計時刻を表示する時
刻表示部と兼用して表示可能としたことを特徴とする。
【0012】この請求項4の構成によれば、既存の時刻
表示部を利用することで、各行程の加熱制御形態の内容
を表示する専用の表示器が不要になり、部品を共通化し
てコストダウンを図ることが可能になる。また、時刻表
示部を現状と同じ構成にすることができ、調理器が大型
化する欠点を防止できる。
【0013】また、本発明の請求項5記載の調理器は、
請求項1の構成に加えて、前記加熱制御形態記憶手段と
して、EP−ROMやフラッシュメモリなどの書替え保
持可能な素子を用いたことを特徴とする。
【0014】この請求項5の構成によれば、バックアッ
プ用の電池が電圧低下を起こしても、加熱制御形態記憶
手段には適正な加熱制御形態の内容が保持されるため、
電池交換を行なう毎に加熱制御形態記憶手段の記憶内容
を再設定する手間を省くことができる。
【0015】また、本発明の請求項6記載の調理器は、
請求項1の構成に加えて、前記加熱制御形態記憶手段に
データアクセスできる受信手段を備え、調理器本体とは
別体の加熱制御データ設定手段にて制御データを送信可
能としたものである。
【0016】この請求項6によれば、各行程毎の加熱制
御形態の変更内容を、調理器本体とは別体の加熱制御デ
ータ設定手段より受信手段に制御データとして送信すれ
ば、短時間で加熱制御形態記憶手段の内容を書き替える
ことができる、したがって、使用者の好みに応じて加熱
制御形態の設定を外部から簡単に行なうことが可能にな
る。
【0017】
【発明の実施形態】以下、本発明における調理器として
のジャー炊飯器の一実施例について、図面を参照しなが
ら説明する。ジャー炊飯器の全体構成を示す図2の断面
図において、1は調理器本体に相当する器本体、2はこ
の器本体1の外殻をなす外枠で、外枠2の内部には有底
筒状の内枠3が設けられている。そして、この内枠3内
には、米や水などの被炊飯物を収容する有底筒状の鍋4
が挿脱自在に収容されている。鍋4は、熱伝導性のよい
アルミニウムを主体にした材料からなり、底面および側
面下部にフェライト系ステンレスなどの磁性金属材料か
らなる発熱層5が接合されている。
【0018】6は、内枠3の底部中央に設けられた温度
検出手段としての鍋温度センサであり、これは、鍋4の
底面の外側に接触して、鍋4の温度を常時検出するもの
である。また、この鍋4の外面の発熱層5に対応する位
置には、加熱手段である加熱コイル7が設けてある。こ
の加熱コイル7は、ポリウレタンなどにより絶縁された
銅線が集合し捩じれたリッツ線を、螺旋状に巻いて形成
したものである。さらに、前記加熱コイル7の外面に
は、この加熱コイル7に覆い被さった状態でコイルカバ
ー8が取り付けられている。
【0019】外枠2内でコイルカバー8の下方の位置に
は、前記加熱コイル7の制御手段を構成する加熱制御基
板11が配設される。この加熱制御基板11は、インバータ
回路などを備え、前記加熱コイル7に24〜30kHzの所
定の高周波電流を供給するものである。そして、この高
周波電流の供給による電磁誘導により、鍋4の発熱層5
が発熱して、鍋4内の被炊飯物が加熱されるようになっ
ている。また、前記加熱制御基板11には、加熱コイル7
への通電を制御して加熱量を制御するための高温発熱部
品であるIGBTトランジスタなどのスイッチング素子12が
搭載されているが、このスイッチング素子12には放熱器
13が接続されており、スイッチング素子12の発熱を放散
するようになっている。
【0020】外枠2の底板には、加熱制御基板11に対向
する位置に複数の水抜き孔14が開口形成される。また、
器本体1の一側部には、後述する表示手段15(図3参
照)や操作手段16などを搭載した操作表示基板17が外枠
2内に設けられるとともに、これらの表示手段15や操作
手段16を使用に供する操作パネル18が、外枠2の外面に
露出して設けられる。そして、外枠2の底板にはコード
リール19が設けられる。
【0021】21は、前記鍋4の上面開口を開閉する蓋体
で、これは外蓋22と、外蓋22の下側周辺部に組み付けら
れた枠状の蓋内脇板23と、蓋内脇板23の内側の開口を覆
い、鍋4の上面開口に直接対向する蓋下面板24とにより
外殻が構成される。また、これらの蓋内脇板23と蓋下面
板24との間には、鍋4の上面周辺部に密着する蓋パッキ
ン25が挾み込んである。蓋下面板24の上面つまり裏面に
は、蓋下面板24を加熱する加熱手段としての蓋ヒータ26
と、蓋下面板24の温度を検出する蓋温度検出手段として
の蓋温度センサ27が各々設けられているが、蓋ヒータ26
は、前記内枠3の外側面上部に設けてある加熱手段とし
ての胴ヒータ28と電気的に並列接続され、同時に通断電
制御されるようになっている。蓋体21のほぼ中央部に
は、鍋4内の蒸気を外部に放出するための蒸気口29が設
けられており、この蒸気口29の周りには、外蓋22と蓋下
面板24との間の気密性を保持する蒸気口パッキン30が設
けられている。
【0022】次に、前記操作パネル18の構成を図3に基
づいて説明する。なお、この図3における操作パネル18
の表示形態は、説明の都合上、全ての表示部が点灯して
いる全灯状態を示してある。操作パネル18には、表示手
段15を構成するLCD41および3つのLED42,43,44
と、操作手段16を構成する9つのスイッチ45,46,47,
48,49,50,51,52,53が設けられている。LCD41
は、時計時刻や予約の炊き上がり時刻を表示する他に、
後述する調整モード時において、各行程毎の加熱制御形
態の設定内容を数字として表示する時刻表示部41aと、
時刻表示部41aで表示される時刻が炊き上がり時刻であ
ることを知らせる「予約」の表示形態からなる予約表示
部41bと、時刻表示部41aが現在時刻または予約時刻を
表示しているときに、その時刻が午前であるか午後であ
るかを示す「午前」,「午後」の表示形態からなる午前
午後表示部41cと、新鮮保温コースを選択したときに点
灯する「新鮮」の表示形態からなる新鮮表示部41dと、
高め保温コースを選択したときに点灯する「高め」の表
示形態からなる高め保温表示部41eと、選択された炊飯
メニューを表示するメニュー表示部41fとを備えてい
る。また、3つのLED42,43,44はいずれも行程表示
のためのものである。すなわち、予約表示LED42は予
約炊飯におけるタイマ動作中に点灯し、炊飯表示LED
43は炊飯中に点灯し、保温表示LED44は保温中に点灯
するものである。
【0023】また、スイッチ45,…53は、いずれも常開
型の復帰式スイッチ(押しボタンスイッチ)からなり、
押しているときのみオンし、押すのを止めるとオフにな
るものである。そして、スイッチ45,…53のうち、切ス
イッチ45は、これを押すと強制的に切状態になるもので
ある。また、炊飯スイッチ46は、これを押すと炊飯が始
まるもので、特に炊き上がり時刻設定モードにおいて炊
飯スイッチ46を押すと、予約炊飯のタイマ動作が始ま
る。また、保温スイッチ47は、切状態においてこれを押
すと、温度制御パターンが各々異なる新鮮保温または高
め保温のいずれかが始まる。また、予約スイッチ48は、
予約炊飯を行なうときに用いられ、切状態で予約スイッ
チ48を押すと炊き上がり時刻設定モードになる。また、
時計スイッチ49は、時計の時刻の設定の際に用いるもの
で、LCD41が時計時刻を表示しているときに時計スイ
ッチ49を押すと、時計の時刻合わせモードとなり、この
時計の時刻合わせモード時に時計スイッチ49を押すと、
モードが解除される。また、時スイッチ50および分スイ
ッチ51は、時計の時刻合わせモード時および炊き上がり
時刻設定モード時において、時または分の設定を行なう
のに用いられ、これらの時スイッチ50および分スイッチ
51を操作する毎に、時刻表示部41aの時刻の表示が変化
する。また、メニュースイッチ52は、炊飯コースの設定
のためのもので、このメニュースイッチ52を押す毎に、
白米,かため,やわらかめ,玄米,おかゆの各炊飯メニ
ューが、メニュー表示部41fの表示とともに切り換わ
る。さらに、保温選択スイッチ53は、切状態においてこ
れを押す毎に、前述の新鮮保温コースまたは高め保温コ
ースが、新鮮表示部41dまたは高め保温表示部41eの表
示とともに切り換わる。なお、ここでいう新鮮保温コー
スは、保温温度を一時的に60℃〜70℃程度の低温にし、
主に長時間保温する保温コースとして設けてある。ま
た、高め保温コースは、70℃〜76℃程度の通常温度にて
保温するコースで、主に12時間程度の保温を行なう場合
に使用することを目的として設けてある。このように、
本実施例では、メニュースイッチ52により複数の炊飯メ
ニューが択一的に切り換わるとともに、保温選択スイッ
チ53により複数の保温コースが択一的に切り換わるよう
に構成してある。
【0024】図4は、本炊飯器の電気的な制御の構成の
概略を示している。同図において、60は制御手段として
のマイクロコンピュータ(以下、マイコンと称する。)
であって、これは、前記操作手段16を構成する各スイッ
チ45,…53からの各操作信号と、鍋温度センサ6および
蓋温度センサ27からの各温度検知信号を入力し、それに
基づいて、加熱コイル7の出力および通断電を制御する
とともに、電気的に並列回路をなす蓋ヒータ26と胴ヒー
タ28の通断電を制御し、さらに、前記LCD41およびL
ED42〜44からなる表示手段15の表示動作を制御する。
マイコン60は、表示手段15の表示動作を制御する表示制
御手段61と、鍋4や蓋下面板24を加熱する加熱コイル
7,蓋ヒータ26および胴ヒータ28を制御する加熱制御手
段62を備えている。さらに、この加熱制御手段62は、炊
飯器独自の機能構成として、ひたし炊きからむらしに至
る一連の炊飯動作を行ない、鍋4内の被炊飯物を炊き上
げる炊飯制御手段63と、鍋4内のご飯を複数の所定温度
に保温する保温制御手段64を備えている。マイコン60
は、その他に、タイマー機能を有する予約炊飯制御手段
65を備えているが、これは、予約スイッチ48に引続き炊
飯スイッチ46を押すと起動し、設定された炊き上がり時
刻にご飯が炊き上がるように、炊き上がり時刻の所定時
間前(例えば55分前)になると、炊飯制御手段63による
炊飯が自動的に開始し、その後引き続いて、保温制御手
段64による保温が行なわれるように制御するものであ
る。
【0025】66は、停電時などにおいてもマイコン60の
動作を継続させるためのバックアップ手段である。この
バックアップ手段66は、電源供給が遮断されると、内蔵
する電池などによりマイコン60に動作電圧を供給し、マ
イコン60に内蔵するRAM(図示せず)の記憶内容を継
続保持する。これにより、マイコン60内部の各種記憶内
容を再設定する手間を省くようにしている。
【0026】また、バックアップ手段66としては、プロ
グラムが書替え可能であり、しかも、記憶内容を継続的
に保持できるEP−ROMやフラッシュメモリなどの素
子を用いることが好ましい。このような素子を後述する
加熱制御形態記憶手段78などの各種記憶手段に用いる
と、電池が放電し電源電圧が低下した場合のように、設
定した各種記憶内容が消失してしまい、初期の標準状態
に戻ってしまうことを防止でき、便利である。また、電
池交換時に各種記憶内容を再設定する手間も不要にな
る。
【0027】次に、図1に基づいて、マイコン60の機能
構成をさらに詳述する。同図において、前記加熱制御手
段62を構成する炊飯制御手段63は、炊飯初期において米
の吸水を促進させるひたし炊き制御手段71と、鍋4内の
水を沸騰させる沸騰加熱制御手段72と、沸騰検知後に鍋
4内の水の沸騰状態を継続させる沸騰継続加熱制御手段
73と、鍋4内の被炊飯物をドライアップすなわち炊き上
げ状態にする炊き上げ制御手段74と、炊き上げ検知後に
鍋4内を高温に維持してむらしを行なうむらし制御手段
75とを備え、これらの各制御手段71〜75によって、ひた
し炊き行程→沸騰加熱行程→沸騰継続加熱行程→炊き上
げ行程→むらし行程の順に炊飯制御が行なわれ、その
後、前記保温制御手段64による保温行程が引き続き行な
われる。つまり、加熱制御手段62は、加熱手段である加
熱コイル7,蓋ヒータ26,胴ヒータ28に対する加熱制御
形態が異なる複数の制御手段71〜75および保温制御手段
64を備え、炊飯を開始すると、その後これらの制御手段
71〜75および保温制御手段64により炊飯や保温に係わる
各行程が順次行なわれるように構成してある。なお、本
実施例で示した各行程はあくまでも一例であって、これ
よりも行程を細かく規定してもよい。要は、加熱制御形
態の異なる複数の行程を順次行なうことで、鍋4内の被
炊飯物を炊飯し保温すればよい。
【0028】前記炊飯制御手段63を構成する個々の制御
手段71〜75は、前記メニュースイッチ52にて選択される
白米,かため,やわらかめ,玄米,おかゆの各炊飯メニ
ューに対応して、異なる加熱制御形態の加熱パターンを
保有している。また、保温制御手段64も、前記保温選択
スイッチ53にて選択される新鮮保温コースと高め保温コ
ースに対応して、異なる加熱制御形態の加熱パターンを
保有している。そして、これらの炊飯メニューおよび保
温コース毎の基本的な加熱パターン(標準設定)が、予
めマイコン60のROM(図示せず)で構成される標準設
定記憶手段76に各行程毎に記憶される。この点は、従来
のジャー炊飯器と同じ構成である。
【0029】一方、前記加熱制御手段62が標準設定記憶
手段76に保有している各行程の加熱制御形態は、前記操
作手段16をある決められた手順で操作することによっ
て、変更できるようになっている。つまり、操作手段16
から特定の操作信号が出力されると、加熱制御手段62と
は別に備えた加熱制御形態変更手段77にマイコン60内の
制御が切換わり、以後、この加熱制御形態変更手段77が
保有する調整モードの制御シーケンスに従って、選択さ
れた炊飯メニューまたは保温コース毎に各行程の加熱制
御形態を変更できるように構成してある。そして、加熱
制御形態変更手段77で変更した各行程の加熱制御形態
は、マイコン60のRAMで構成される加熱制御形態記憶
手段78に記憶されるとともに、変更後は、この加熱制御
形態記憶手段78に記憶された加熱制御形態に基づき、加
熱制御手段62による各行程毎の加熱制御が行われる。ま
た、加熱制御形態変更手段77による調整モード時には、
標準設定記憶手段76または加熱制御形態記憶手段78に記
憶される各行程の加熱制御形態の内容が、LCD41の時
刻表示部41aに兼用して表示される。
【0030】次に、加熱制御手段62が行なう炊飯時およ
び保温時の加熱制御について、図5のグラフを参照しな
がら説明する。なお、同図上段の実線のグラフは、鍋温
度センサ6の温度を示しており、同図上段の破線のグラ
フは、蓋温度センサ27の温度を示している。また、同図
中段のグラフは加熱コイル7の通断電タイミングおよび
出力を示しており、同図下段のグラフは蓋ヒータ26およ
び胴ヒータ28の通断電タイミングおよび出力を示してい
る。そして、同図中段および下段のグラフにおいて、陰
影部が通電期間を示している。
【0031】炊飯を開始すると、炊飯制御手段63によ
り、ひたし炊き行程→沸騰加熱行程→沸騰継続加熱行程
→炊き上げ行程→むらし行程の順に炊飯制御が行なわ
れ、引き続き保温制御手段64による保温制御が行なわれ
る。以下、これらの行程の制御について説明するが、具
体的に例示している数値や時間は、炊飯メニューや保温
コースまたは製品の仕様などに応じて変わる。
【0032】標準設定記憶手段76に記憶された基本的な
加熱パターンで炊飯および保温を行なう場合、具体的に
は次のような手順で制御が行なわれる。先ず、ひたし炊
き行程においては、鍋温度センサ6の温度が55℃になる
まで、加熱コイル7を 100%の通電率で通電し、その
後、鍋温度センサ6の温度を55℃に維持するように、加
熱コイル7の出力を低くしてこれを通断電制御する。そ
して、所定時間が経過したら、次の沸騰加熱行程に移行
する。沸騰加熱行程では、加熱コイル7の出力を最大に
し(消費電力1300W)、 100%の通電率にて通電する。
そして、鍋4内の水が沸騰状態となり、蓋温度センサ27
の温度変化が 100秒で2℃以下(2℃以下/ 100秒)と
なったら、ここで沸騰を検知して、次の沸騰継続加熱行
程に移行する。この沸騰継続加熱行程では、加熱コイル
7の出力を若干低減し(消費電力1000W)、60%の通電
率にて所定の通断電を行なうことで、鍋4の水の沸騰状
態を所定時間継続させる。また、ここでは、鍋4の上部
および蓋下面板24の結露を防止するために、蓋ヒータ26
および胴ヒータ28を通断電する。そして、所定の行程時
間が経過するか、あるいは、鍋温度センサ6が所定温度
に上昇すると、沸騰継続加熱行程が終了し、炊き上げ行
程に移行する。炊き上げ行程では、蓋ヒータ26および胴
ヒータ28の通断電を引き続き行ないつつも、加熱コイル
7の出力をさらに低減し、所定の通電率で通断電を行な
う。その後、鍋温度センサ6の温度が加熱停止温度であ
る 120℃に達したら、炊き上げ行程からむらし行程に移
行する。このむらし行程では、先ず加熱コイル7への通
電を一旦停止するとともに、蓋ヒータ26および胴ヒータ
28を50%の通電率で通断電し、主に蓋下面板24を加熱し
て鍋4内のご飯に対するむらしを行なう。その後、鍋温
度センサ6の温度が 110℃に低下したら、追い炊きのた
めに加熱コイル7を再び所定時間通電し、焦げを生じな
いように鍋4内を高温に保持しながら、所定のむらし効
果を確保する。所定の行程時間が終了すると、むらし行
程が終了し、保温制御手段64による保温行程に移行す
る。保温行程では、鍋温度センサ6の温度が75℃となる
ように、加熱コイル7を通断電するとともに、蓋ヒータ
26および胴ヒータ28を所定の通電率にて通断電する。な
お、切状態から保温スイッチ47にて保温を開始した場合
も、炊飯終了後に保温が自動的に始まった場合と同様に
保温制御が行なわれる。また、予約炊飯の場合も、設定
された炊き上がり時刻に達して炊飯が終了していれば、
保温行程になる。
【0033】次に、前記加熱制御形態の変更手順につい
て、次の表1を参照しながら説明する。なお、この表1
の「NO」欄に示した〜の各数字は行程番号であっ
て、加熱制御形態が変更できる部分を示しており、前記
図5に示す番号〜の箇所に対応する。また、次の
「行程」欄には各行程番号〜に対応する行程名を記
載してある。また、「内容」欄には具体的な変更内容が
記載されている。さらに、「標準設定」欄は、標準設定
記憶手段76に記憶される加熱制御形態の標準設定の数値
が記載されているとともに、次の「可変範囲」欄には、
加熱制御形態変更手段77で変更できる可変範囲が記載さ
れている。なお、ここに示す可変範囲はあくまでも一例
に過ぎず、目的に応じて任意に設定してよい。
【0034】
【表1】
【0035】そして、実際に標準設定記憶手段76に記憶
される加熱制御形態を変更する場合は、次のような要領
で行なう。先ず、切状態または初期状態(マイコン60を
リセットした直後の状態)のときに、操作手段16のメニ
ュースイッチ52を押し、このメニュースイッチ52を10秒
間押し続けたままで、予約スイッチ48を同時に2秒以上
押し続ける。こうした特定のスイッチ操作により、加熱
制御形態変更手段77による調整モードに切り換わる。調
整モード時には、先ず行程番号に係わる加熱制御形態
が、それまでの時計表示に代わってLCD41に表示され
る(具体的な表示形態については、後述する)。そし
て、時計スイッチ49を押す毎に、行程番号→→→
→→→→の順に加熱表示形態の表示が切り換
わる。
【0036】調整モード時におけるLCD41の表示形態
は、具体的には図6に示すようになる。すなわち、新鮮
表示部41dまたは高め保温表示部41eのいずれかが点灯
することにより、変更の対象となる保温コースが表示さ
れるとともに、メニュー表示部41fの一つが点灯するこ
とにより、変更の対象となる炊飯メニューが表示され
る。また、時刻表示部41aのコロン(「:」)より左側
の数字(一桁)は、変更の対象となる行程番号を示し、
時刻表示部41aのコロンより右側の数字(二桁)は、現
時点で設定されている加熱制御形態の内容が示される。
【0037】一例として、図6の表示形態について説明
すると、ここでは、炊飯メニューがかためで、新鮮保温
コースを選択しているときの加熱制御形態が表示されて
おり、行程番号の沸騰継続加熱行程時における鍋温度
センサ6の消費電力と通電率の設定状況が、時刻表示部
41aのコロンより右側の数字に一桁づつ示されている。
すなわち、時刻表示部41aの「9」は消費電力のレベル
を示し、「5」は通電率のレベルを示している。
【0038】時計表示部41aに表示されるレベルと、実
際に設定されている加熱コイル7の電力および通電率
は、次の表2に示すような関係にある。
【0039】
【表2】
【0040】したがって、図6に示すものは、加熱コイ
ル7の消費電力が1400Wで、その通電率が80%に設定さ
れていることがわかる。
【0041】本実施例では、加熱コイル7の電力および
通電率が、レベル1〜9に応じて9段階に分割されてい
る。そして、時スイッチ50または分スイッチ51を操作す
ることにより、表1に示す可変範囲内で加熱制御形態の
設定内容を変更することができ、併せて、変更後の設定
内容がLCD41の時刻表示部41aに表示される。図6の
例で説明すると、行程番号の沸騰継続加熱行程時に
は、表1の可変範囲に示してあるように、加熱コイル7
の消費電力を 500〜1400Wに、また、加熱コイル7の通
電率を50〜 100%に切り換えることができる。したがっ
て、時スイッチ50または分スイッチ51を操作すれば、L
CD41の時刻表示部41aに表示される電力レベルを1〜
9の全範囲で、また、通電率レベルも1〜9の全範囲で
切り換えることができる。
【0042】こうして、任意の加熱制御形態を選択した
後に、予約スイッチ48を再度10秒以上押し続けると、鳴
動手段たるブザー(図示せず)により放置が行なわれ、
変更選択された加熱制御形態の内容が、マイコン60のR
AMで構成される加熱制御形態記憶手段78に記憶され
る。なお、誤使用プロテクト機能として、調整モード中
に10秒以上何もスイッチ操作がなければ、加熱制御形態
変更手段77は何も操作がなかったものと判断し、それま
での時スイッチ50または分スイッチ51の操作を無効にす
る。したがって、この場合には、標準設定記憶手段76に
記憶される標準の加熱制御形態にて炊飯や保温が行なわ
れることになる。
【0043】また、別の炊飯メニューや保温コースの加
熱制御形態を変更したい場合は、前記調整モードに移行
する前に、任意の炊飯メニューや保温コースを、メニュ
ースイッチ52や保温選択スイッチ53にて選択すれば、前
述の手順で調整モードに切り換えた後は、該当する炊飯
メニューや保温コースの加熱制御形態を変更記憶するこ
とができる。さらに、調整モードにて、一度変更した加
熱表示形態の内容を全て取り消したい場合は、時スイッ
チ50と分スイッチ51とを同時に押す。これにより、変更
した内容は全てクリアされ、標準設定記憶手段76に記憶
される標準の加熱制御形態の設定に戻る構成となってい
る。なお、この加熱制御形態変更手段77で変更された加
熱制御形態の内容をクリアする手段は、時スイッチ50と
分スイッチ51とを同時に押す方法に限定されるものでは
ない。
【0044】本実施例では、前記行程番号〜につい
て、加熱制御形態の内容を表1に示す可変範囲内で変更
することができる。但し、これらの行程および加熱制御
形態の内容は、目的に応じて任意に設定すればよい。ま
た、変更の対象となる行程の数も、本実施例のような8
種類だけでなく、さらに多く設けてもよいし、少なくて
もよい。さらに、調整モード時における表示形態も、図
6に限定されるものではなく、少なくとも炊飯,保温,
予約炊飯などの、通常のジャー炊飯器として使用する表
示器を、調整モード用の表示器と兼用できる構成であれ
ばよい。
【0045】本実施例の変形例として、図4に示すよう
に、マイコン60のRAMに直接アクセスできる受信手段
としての端子またはデータ受信インターフェース67を設
け、この端子またはデータ受信インターフェース67を介
して、各行程毎の加熱制御形態の変更内容を器本体1と
は別体の加熱制御データ設定手段68より送信し、短時間
でマイコン60のRAMの内容を書き替えるように構成し
てもよい。この場合、かため,やわらかめなどの好み
や、地域,季節および米質に応じて複数種の基本プログ
ラムを作成し、加熱制御データ設定手段68に格納してお
き、販売店などで器本体1に加熱制御データ設定手段68
よりデータ受信インターフェース67に送信して、セット
することも可能になる。例えば、米の銘柄であるコシヒ
カリやアキタコマチ専用の炊飯プログラムや、東北・九
州地区用プログラムなど地域や気候に応じた専用の炊飯
プログラムを、使用者の好みに応じて簡単に提供するこ
とが可能になる。なお、加熱制御データ設定手段68はデ
ータの書き替えやデータ保持が可能なもので構成すれば
よい。また、加熱制御データ設定手段68からデータ受信
インターフェース67への送信は、端子を接触させる方法
や、赤外線にて送信する方法など、その具体的な手段に
ついては限定されない。
【0046】また、炊飯時や保温時における鍋4の加熱
は、シーズヒータを用いた輻射式でも、本実施例のよう
な加熱コイル7を用いた電磁誘導加熱方式でも、あるい
は、米や水にマイクロ波を照射する加熱方式であっても
よく、その具体的手段に制約はない。さらに、鍋温度セ
ンサ6や蓋温度センサ27などの温度検出手段は、サーミ
スタを使用したものが一般的であるが、全く別の新しい
方法で、鍋4や蓋体21の温度を直接または間接を問わず
検出するようにしてもよい。
【0047】この他の変形例として、炊飯したメニュ
ー,炊飯回数,停電回数,炊飯量,炊き上げ温度,炊飯
時間,保温時間などの炊飯実施状況を記録する炊飯状況
記憶手段をマイコン60に設けることが好ましい。この場
合、例えば炊き上がりの不満のクレームが発生したとき
に、炊飯状況記憶手段に記憶された内容から使用者の実
施状況を確認して、加熱制御形態の改善変更の目安にす
ることができる。例えば、実施状況を確認した結果、停
電が多く発生している場合は、加熱コイル7の消費電力
が大き過ぎて、ブレーカーを頻繁に動作していることが
想定されるので、前記調整モードにて、加熱コイル7の
最大消費電力を低く設定し、これを記憶する。また、長
時間の保温を行なっている場合は、保温時における保温
温度を低くする。さらに、炊き上がったご飯の焦げが強
い場合には、実際の炊き上げ温度を確認して、今までよ
りもたきあげ温度を低くする。このように、使用者が不
満を申し出たときに、実施状況から判断してどこを変え
れば解消できるのかを、炊飯状況記憶手段から引き出し
活用すれば、本実施例における加熱制御形態の変更,記
憶機能をより効果的に利用することが可能になる。勿
論、このような機能を備えていなくても、使用者の不満
内容を聴取し、改善するようにすればよい。
【0048】ここで、特に炊き上がり不満時における対
処例(白米の場合)を、次の表3に示す。この表3に
は、不満内容と原因、およびそのときの対処例を列記し
てある。また、対処例における各項目毎の先頭には、対
応する行程番号が示してあるが、これは前述の表1およ
び図5に示した行程番号に一致する。
【0049】
【表3】
【0050】例えば、ご飯が硬いとの不満内容を受けた
場合は、加熱不足による糊化不足か、糊化しにくい米質
で加熱が強すぎることが原因であると考えられる。した
がって、前者の対処例としては、行程番号の沸騰加熱
行程時において、鍋4への加熱を強くするか、行程番号
の沸騰継続加熱行程時において、鍋4への加熱を強く
するか、あるいは、行程番号の沸騰加熱行程時におい
て、沸騰検知時間を長くすればよい。また、後者の対処
例としては、行程番号の沸騰加熱行程時において、鍋
4への加熱を弱くするか、行程番号の沸騰継続加熱行
程時において、鍋4への加熱を弱くするか、あるいは、
行程番号のひたし炊き行程時において、ひたし炊き時
の制御温度を高くすればよい。このように、各種炊き上
がり不満に対して、適正な処置内容を予め設定しておく
ことにより、炊き上がり不満発生時に、速やかにクレー
ム対応することが可能になる。
【0051】以上のように、本実施例によれば、炊飯か
ら保温に至る一連の加熱制御を、各行程毎に順次行なう
ジャー炊飯器にあって、各行程の加熱制御形態を加熱制
御形態変更手段77にて任意に変更できるようにし、ま
た、変更した加熱制御形態を加熱制御形態記憶手段78で
記憶するようにしてある。したがって、炊飯に係わる炊
き上がりの変動要素が複雑に絡み合って生じる使用者の
炊き上がり不満に対し、各行程毎の加熱制御形態を直ち
に変更することができるため、使用者の希望する炊き上
がりが容易に実現でき、炊飯性能が良好に確保される。
また、使用者側においては、炊き上がりに不満がある場
合に、別の炊飯器を探すなどの不便さが解消するととも
に、製品を修理する側にとっても、本質的に製品が故障
でない限り、基板などの交換を一切行なわなくても修理
対応することが可能になり、サービス性の向上がなされ
る。さらに、変更された加熱制御形態は、加熱制御形態
記憶手段78に記憶されることから、新たに設定した加熱
制御形態にて毎回加熱制御を行なうことができ、各種の
炊き上がり不満を解消しつつ、実用性を向上させること
が可能になる。そして、従来のように、硬め/ふつう/
柔らかめに炊き上がりのご飯の硬さを変えたり、あるい
は、新米/ふつう/夏場など季節に応じた米質の炊き方
を行なうだけでは対処できなかった問題も、本実施例で
は各行程毎の加熱制御形態を変えることで解決でき、製
品1台毎に当該の使用者が満足できる加熱制御形態にす
ることができる点で、従来にない利点を得ることができ
る。
【0052】つまり、炊飯開始後、加熱制御手段62がひ
たし炊き,沸騰加熱,沸騰継続加熱,炊き上げ,むら
し,保温など、加熱手段たる加熱コイル7,蓋ヒータ26
および胴ヒータ28に対する加熱制御形態の異なる複数の
行程を順次行なうことで、被炊飯物を炊飯し保温するジ
ャー炊飯器において、加熱制御手段62が保有する各行程
の加熱制御形態を変更可能な加熱制御形態変更手段77
と、この加熱制御形態変更手段77で変更した各行程の加
熱制御形態を記憶する加熱制御形態記憶手段78とを備え
ることにより、各種の炊き上がりの変動要素に拘らず、
適正で好ましいご飯の状態を得ることができ、併せて実
用性を向上させることが可能になる。
【0053】なお、上記構成においては、米質に合わせ
た専用プログラムすなわち加熱制御形態を転送する加熱
制御形態転送手段69を備え、ここから特定の加熱制御形
態を加熱制御形態変更手段77に転送するようにしてあ
る。すなわち、加熱制御形態記憶手段78にデータアクセ
スできる受信手段たる端子やデータ受信インターフェー
ス67を備え、器本体1とは別体の加熱制御データ設定手
段68にて制御データを送信できるように構成しているの
で、使用者の好みに応じて加熱制御形態の設定を外部か
ら簡単に行なうことが可能になる。また、炊飯実施状況
を記憶する炊飯状況記憶手段を備えることにより、使用
履歴に応じて加熱制御形態を変えることができるなど、
従来では考えられなかった機能を付加することができ
る。
【0054】また、本実施例では、白米,かため,やわ
らかめ,おかゆ,玄米などの複数の炊飯メニューや、新
鮮保温,高温保温などの複数の保温コースを備え、加熱
制御手62は、選択された炊飯メニューや保温コースに基
づき、異なる加熱パターンで加熱制御を行なうようにし
たジャー炊飯器にあって、炊飯メニューや保温コースな
どのメニュー毎に各行程の加熱制御形態が変更可能とな
るように、前記加熱制御形態変更手段77を構成してあ
る。このため、例えば不満のあるメニューがおかゆの場
合は、このおかゆの加熱制御形態のみを行程毎に変更す
ることができるので、不満がなく現状のままでよい他の
メニューに影響を及ぼさないようにすることができる。
【0055】また、本実施例では、炊飯,予約炊飯,保
温などの炊飯や保温の操作に係わる操作手段16を兼用し
て、加熱制御形態変更手段77による各行程毎の加熱制御
形態の変更操作を行なうように構成してある。したがっ
て、この場合は、既存の炊飯や保温の操作に係わる操作
手段16を利用することで、加熱制御形態を変更する専用
の操作手段が不要になり、部品を共通化してコストダウ
ンを図ることが可能になるとともに、操作手段16を現状
と同じ構成にすることができ、機能の付加によりジャー
炊飯器が大型化する欠点を一掃することができる。
【0056】さらに、本実施例では、加熱制御手段62が
炊飯や保温の際に実行する各行程の加熱制御形態の内容
を、時計時刻を表示するLCD41の時刻表示部41aと兼
用して表示できるように構成してある。したがって、既
存の時刻表示部41aを利用することで、各行程の加熱制
御形態の内容を表示する専用の表示器が不要になり、部
品を共通化してコストダウンを図ることが可能になる。
また、時刻表示部41を現状と同じ構成にすることがで
き、機能の付加によりジャー炊飯器が大型化する欠点を
一掃することができる。
【0057】また、本実施例では、加熱制御形態記憶手
段78として、EP−ROMやフラッシュメモリなどの書
替え保持可能な素子を用いている。これにより、バック
アップ用の電池が電圧低下を起こしても、加熱制御形態
記憶手段78には適正な加熱制御形態の内容が保持される
ため、電池交換を行なう毎に加熱制御形態記憶手段78の
記憶内容を再設定する手間を省くことができ、使用性を
さらに向上することができる。
【0058】なお、本発明は上記実施例に限定されるも
のではなく、本発明の要旨の範囲において種々の変形実
施が可能である。
【0059】
【発明の効果】本発明の請求項1記載の調理器は、炊飯
開始後、加熱制御手段がひたし炊き,沸騰加熱,沸騰継
続加熱,炊き上げ,むらし,保温など、加熱手段に対す
る加熱制御形態の異なる複数の行程を順次行なうこと
で、被炊飯物を炊飯し保温するジャー炊飯器において、
前記加熱制御手段が保有する各行程の加熱制御形態を変
更可能な加熱制御形態変更手段と、この加熱制御形態変
更手段で変更した各行程の加熱制御形態を記憶する加熱
制御形態記憶手段とを備えて構成され、各種の炊き上が
りの変動要素に拘らず、適正で好ましいご飯の状態を得
ることができ、さらに、新たに設定した加熱制御形態に
て毎回加熱制御を行なうことができる点で、実用性を向
上させることが可能になる。
【0060】また、本発明の請求項2記載の調理器は、
請求項1の構成に加えて、前記加熱制御手段は、白米,
おかゆ,玄米などの加熱パターンが各々異なる複数のメ
ニューを備え、このメニュー毎に各行程の加熱制御形態
が変更可能となるように前記加熱制御形態変更手段を構
成したことを特徴とし、請求項1の作用,効果のみなら
ず、不満がなく現状のままでよい他のメニューに影響を
及ぼさないようにすることができる。
【0061】また、本発明の請求項3記載の調理器は、
請求項1の構成に加えて、炊飯,予約炊飯,保温などの
炊飯や保温の操作に係わる操作手段を兼用して、前記加
熱制御形態変更手段による加熱制御形態の変更操作を行
なうように構成したものであり、請求項1の作用,効果
のみならず、部品を共通化してコストダウンを図ること
が可能になり、併せてジャー炊飯器が大型化する欠点を
防止できる。
【0062】また、本発明の請求項4記載の調理器は、
請求項1の構成に加えて、前記加熱制御手段が実行する
各行程の加熱制御形態の内容を、時計時刻を表示する時
刻表示部と兼用して表示可能としたことを特徴とし、請
求項1の作用,効果のみならず、部品を共通化してコス
トダウンを図ることが可能になり、併せてジャー炊飯器
が大型化する欠点を防止できる。
【0063】また、本発明の請求項5記載の調理器は、
請求項1の構成に加えて、前記加熱制御形態記憶手段と
して、EP−ROMやフラッシュメモリなどの書替え保
持可能な素子を用いたことを特徴とし、請求項1の作
用,効果のみならず、電池交換を行なう毎に加熱制御形
態記憶手段の記憶内容を再設定する手間を省くことで、
使用性をさらに向上させることが可能になる。
【0064】また、本発明の請求項6記載の調理器は、
請求項1の構成に加えて、前記加熱制御形態記憶手段に
データアクセスできる受信手段を備え、調理器本体とは
別体の加熱制御データ設定手段にて制御データを送信可
能としたものであり、請求項1の作用,効果のみなら
ず、使用者の好みに応じて加熱制御形態の設定を外部か
ら簡単に行なうことが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示すマイコンの機能構成を
あらわしたブロック図である。
【図2】同上調理器の全体断面図である。
【図3】同上操作パネルの正面図である。
【図4】同上電気的構成を示すブロック図である。
【図5】同上加熱のタイミングと温度の計時変化を示す
グラフである。
【図6】同上調整モードにおける操作パネル要部の正面
図である。
【符号の説明】
1 器本体(調理器本体) 7 加熱コイル(加熱手段) 16 操作手段 26 蓋ヒータ(加熱手段) 28 胴ヒータ(加熱手段) 41a 時計表示部 62 加熱制御手段 67 データ受信インターフェース(受信手段) 68 加熱制御データ設定手段 77 加熱制御形態変更手段 78 加熱制御形態記憶手段

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炊飯開始後、加熱制御手段がひたし炊
    き,沸騰加熱,沸騰継続加熱,炊き上げ,むらし,保温
    など、加熱手段に対する加熱制御形態の異なる複数の行
    程を順次行なうことで、被炊飯物を炊飯し保温するジャ
    ー炊飯器において、前記加熱制御手段が実行する各行程
    の加熱制御形態を変更可能な加熱制御形態変更手段と、
    この加熱制御形態変更手段で変更した各行程の加熱制御
    形態を記憶する加熱制御形態記憶手段とを備えたことを
    特徴とする調理器。
  2. 【請求項2】 前記加熱制御手段は、白米,おかゆ,玄
    米などの加熱パターンが各々異なる複数のメニューを備
    え、このメニュー毎に各行程の加熱制御形態が変更可能
    となるように前記加熱制御形態変更手段を構成したこと
    を特徴とする請求項1記載の調理器。
  3. 【請求項3】 炊飯,予約炊飯,保温などの炊飯や保温
    の操作に係わる操作手段を兼用して、前記加熱制御形態
    変更手段による加熱制御形態の変更操作を行なうように
    構成したことを特徴とする請求項1記載の調理器。
  4. 【請求項4】 前記加熱制御手段が実行する各行程の加
    熱制御形態の内容を、時計時刻を表示する時刻表示部と
    兼用して表示可能としたことを特徴とする請求項1記載
    の調理器。
  5. 【請求項5】 前記加熱制御形態記憶手段として、EP
    −ROMやフラッシュメモリなどの書替え保持可能な素
    子を用いたことを特徴とする請求項1記載の調理器。
  6. 【請求項6】 前記加熱制御形態記憶手段にデータアク
    セスできる受信手段を備え、調理器本体とは別体の加熱
    制御データ設定手段にて制御データを送信可能としたこ
    とを特徴とする請求項1記載の調理器。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001087130A (ja) * 1999-09-28 2001-04-03 Tiger Vacuum Bottle Co Ltd 炊飯器
JP2002078608A (ja) * 2000-09-08 2002-03-19 Toshiba Home Technology Corp 保温釜およびこの保温釜と通信可能なセンター装置
CN1311772C (zh) * 2003-06-06 2007-04-25 三菱电机株式会社 加热烹调器
JP2008025942A (ja) * 2006-07-24 2008-02-07 Rb Controls Co 加熱調理器具
JP2010012138A (ja) * 2008-07-07 2010-01-21 Tiger Vacuum Bottle Co Ltd 電気炊飯器

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