JPH10165117A - 粒状ゼリーの製造法 - Google Patents

粒状ゼリーの製造法

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JPH10165117A
JPH10165117A JP8332266A JP33226696A JPH10165117A JP H10165117 A JPH10165117 A JP H10165117A JP 8332266 A JP8332266 A JP 8332266A JP 33226696 A JP33226696 A JP 33226696A JP H10165117 A JPH10165117 A JP H10165117A
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JP
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jelly
cation
solution
granular
crushed
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JP8332266A
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English (en)
Inventor
Yoshihisa Goda
田 善 久 郷
Masahiko Shudo
藤 正 彦 首
Hideaki Tadanobu
信 秀 明 只
Hiroshi Ogawa
川 浩 史 小
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
EHIME PREF GOV SEIKA NOGYO KYO
EHIME PREF GOV SEIKA NOGYO KYODO KUMIAI RENGOKAI
Original Assignee
EHIME PREF GOV SEIKA NOGYO KYO
EHIME PREF GOV SEIKA NOGYO KYODO KUMIAI RENGOKAI
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 外部と内部で性状が異なり、しかも経時的に
安定な二重構造を有する食用粒状ゼリーを容易に製造し
うる方法を提供することを目的とする。 【解決手段】 ゲル化し、こまかく破砕して得られたゼ
リー、又は小片状にゲル化させて得られたゼリーにカチ
オンを添加し、このゼリーを次いでカチオンと反応性の
あるゲル化剤溶液に浸漬してそのゼリーの表面にゲル層
を形成させることにより上記目的を達成することができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は新規な粒状ゼリーの
製造法、特に内側及び外側で性状の異なる二重構造を有
する食用粒状ゼリーの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、食用ゼリーは寒天、ゼラチン等の
ゲル化剤を加熱溶解後冷却するか、又はカルシウムイオ
ンの如きカチオンを含む水溶液と該カチオンと反応性の
あるゲル化剤、たとえばアルギン酸ナトリウムを含む水
溶液を混合し、反応させて、粒状等の適宜な形状の型枠
に流し込んで固め、成形してつくられる。この場合、通
常全体的に均質につくられ、たとえば果肉等を入れてそ
のゼリーの性状に多少の変化をつけることはできても、
基本的にゼリー部分は均質なものでしかなかった。
【0003】上記のようにカチオン水溶液とこのカチオ
ンと反応性のあるゲル化剤溶液を反応させてゼリーを作
る場合、前者の水溶液中に後者の溶液を滴下させたり、
逆に前者の水溶液を後者の水溶液中に滴下させたりする
ことにより粒状ゼリーを作ることができる。いずれの場
合も生成したゼリーは製造直後には外部は硬く、内部は
軟らかい粒状ゼリーであっても、時間の経過とともに反
応が進行して内部までゲル化して均一なゲルとなる。
【0004】このように従来得られていたゼリーは、通
常全体的に均一なものであったが、内部と外部で性質の
異なった二重構造、たとえば内部に液状又は軟らかいも
のを入れ外部にゲル層を形成して二重構造にすると食し
たとき夫々異なる食感を与える興趣あるゼリーを得るこ
とができ、用途、販路の拡張をはかることがてきて良好
である。
【0005】従来、これに類するものとして人工イクラ
が知られており、これをつくる場合のように二重ノズル
を使用して内部に油性(油溶)物を封入して内部の軟ら
かい二重構造の食用粒状ゼリーをつくる方法も知られて
いるが、この方法ではゲル化の反応が内部まで進まない
よう、内部に封入する液を油性(油溶)物とする必要が
あり、限られたものしか内部に封入し得なかった。
【0006】又カチオン溶液に増粘剤を加え、これをカ
チオンに反応性のあるゲル化剤溶液に滴下して内部の軟
らかい二重構造の粒状ゼリーをつくることも可能である
が、この場合でも内部が時間の経過とともにゲル化する
傾向があり、また浸透圧の関係から粒が縮んだりするこ
とがあり、安定したゼリーの製造は難しい。
【0007】このように従来の方法によりつくられた二
重構造の食用粒状ゼリーは製造後の時間の経過とともに
性状が変化し易く、即ち経時的に安定し難く、又経時的
に安定したものを得ようとすると限られたものしか利用
し得なかった。
【0008】この外、粒の大きさについても、小さな球
状物は滴下によりできるものの、大きなものは型に入れ
てつくる方法になるなど、任意の大きさの粒状ゼリーを
簡単な操作でつくることは困難であった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】かくて、本発明は外部
と内部で性状が異なり、しかも経時的に安定な二重構造
を有する食用粒状ゼリーを、任意の材料で任意の大きさ
に容易に製造しうる方法を提供することを目的とするも
のである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、あらか
じめゲル化しこまかく破砕して得られたゼリー、あるい
はあらかじめ小片状にゲル化して得られたゼリーにカチ
オンを添加し、このゼリーを次いでカチオン反応性のあ
るゲル化剤の溶液の中に浸漬して、そのゼリーの表面に
ゲル層を形成することを特徴とする粒状ゼリーの製造方
法によって、上記目的が達成されることが見出されたの
である。
【0011】以下、本発明について詳しく説明する。
【0012】まず、ゲル化しこまかく破砕したゼリー、
又は小片状にゲル化したゼリーをつくる。ゼリーを作る
には下述のように2つの方法があり、その1つとしてカ
ラギーナン、寒天、ゼラチン等比較的低い温度で溶解す
る熱可逆性のゲルを作るゲル化剤を1種又は数種用い、
これを加熱溶解し、次いで冷却してゲル化してゼリーを
つくる方法がある。このように本発明において熱可逆性
のゲルを作るゲル化剤を用いてゼリーを作り、破砕しそ
の後、二重構造の粒状ゼリーをつくった場合、粒状ゼリ
ーをつくった後ゲルが再溶解する程の熱を加えなければ
破砕ゼリーの食感、性質をそのまま内部に残すことがで
きる。通常、ゼラチンならば40〜50℃以上、カラギ
ーナンならば70〜80℃以上、寒天ならば80〜10
0℃以上に加熱すると再溶解する。尚、上記ゲル化剤に
ローカストビーンガムやキサンタンガム等それ単独では
ゲル化しないハイドロコロイドを添加することもでき
る。この混合割合によりいろいろなタイプのゼリーをつ
くることができる。
【0013】ゼリーをつくる第2の方法としてカチオン
とカチオン反応性のあるゲル化剤とを反応させてゲル化
してゼリーをつくる方法がある。この場合、カチオンと
してはゲル強度の関係から2価以上のカチオンが望まし
く食品であることを考慮するとカルシウムが適当と考え
られ、カルシウム塩の溶液、好ましくは乳酸カルシウム
の水溶液として使用するのが最も使いやすい。乳酸カル
シウムの量は破砕または小片状ゼリー全量の約0.03
〜0.5%の範囲が好ましい。
【0014】次にカチオン反応性のあるゲル化剤として
はアルギン酸ナトリウム、低メトキシルペクチン、ジェ
ランガム等カチオンとの反応でゲル化して熱不可逆性の
ゲルを作るゲル化剤を1種単独又は複数混合して用いる
ことができる。この場合も更にローカストビーンガム、
キサンタンガム等それのみではゲル化しないハイドロコ
ロイドを添加することができる。上記の如きカチオン反
応性のあるゲル化剤とカチオンの反応により作られたゼ
リーは耐熱性を有しており、従って、後で必要に応じて
行なわれる高温処理例えば、約120〜140℃でのレ
トルト殺菌などにも耐えて最初の性状、食感等を粒状ゼ
リーの内部によく保持した粒状ゼリーを得ることができ
る。
【0015】このように通常カチオンとカチオン反応性
のあるゲル化剤とからゼリーがつくられ、ときに耐熱性
の低いゲルを作るゲル化剤のみからもゼリーがつくられ
るが、そのようにゼリーをつくる場合、通常各種調味成
分からなる添加物が添加される。調味成分としては、た
とえば砂糖等の糖類、有機酸等の酸味料、ビタミンC等
のビタミン類、食塩等の無機塩類、カロチン等の色素お
よび香料などが用いられる。また果汁等の食品素材も混
合でき、その他食品素材としては牛乳、クリーム等の乳
製品、卵黄等の卵製品、果実や野菜等の農産物、きのこ
等の林産物、海藻等の海産物をあげることができる。
【0016】カラギーナン、ゼラチンおよび寒天等の熱
可逆性のあるゼリーを作る場合には、1種又は数種のゲ
ル化剤を分散、加熱溶解させた後、各種調味成分や食品
素材等を混合して冷却し、ゲル化させてゼリーを作る。
【0017】一方、カチオンとカチオン反応性のあるゲ
ル化剤等で熱不可逆なゼリーを作る場合は、調味成分や
食品素材等、ゲル化剤およびカチオンを混合してゲル化
させ、ゼリーを作る。
【0018】このようにゲル化して得られたゼリーをミ
キサーやホモゲナイザーを用いてこまかく破砕する。1
mm以下の微細なゼリーに破砕することにより、食感的
に全くゼリー(固形物)を感じさせない事実上液状とす
ることもできるし、逆にスプーン等を用いてそれより粗
く数mm(約1〜5mm)程度に砕いてもともとのゼリ
ーの食感を残すようにすることも可能である。
【0019】また上記のようにゼリーを破砕することな
く各成分を混合してあらかじめ約0.01〜50mm程
度の大きさの小片状にゲル化させてもよい。その場合、
ゼリー原料を型枠に流し込んで固めて小片状に成形して
もよい。カチオン溶液とカチオン反応性のあるゲル化剤
溶液を攪拌しながら反応させる方法も考えられ、この場
合、ゼリーの大きさは攪拌スピードにより調整でき、攪
拌時の攪拌周速度を約2m/秒以上、例えば4m/秒と
速くすると微細なゼリーとなり、ゼリー感のない事実上
液状の破砕ゼリーが得られ、一方その速度を下げて約8
0cm/秒以下、例えば50cm/秒程度とするとみぞ
れ状のゼリーとなり、粗びきしたゼリーのようなゼリー
の食感を生かせる破砕ゼリーを得ることができる。又、
カチオン溶液中にカチオン反応性のあるゲル化剤溶液を
滴下させて小片状に形成してもよく、この場合、滴下液
量によりゼリーの大きさは調整できる。尚、後工程での
浸漬液への浸漬を考慮すると、望ましくは数mm以下
(約0.1〜5mm)の大きさのゼリーにした方が良好
であるが、浸漬液への浸漬が可能でさえあれぱ数cm程
度の大きさの小片状に形成しても差支えない。
【0020】このようにして、得られた破砕ゼリー又は
小片状のゼリーにカチオンを添加する。この場合のカチ
オンとしては、ゲル強度を上げるためには2価以上のカ
チオンが望ましく、食品としての応用であれば食品添加
物としてのカルシウム塩等が好ましい。具体的にはたと
えば乳酸カルシウムの水溶液をそのゼリーに加える。添
加する乳酸カルシウムの量は破砕又は小片状ゼリーの全
量の0.03〜0.5%の範囲とする。
【0021】上記のように、ゼリーにカチオンを添加し
た後、これをカチオンと反応性のあるゲル化剤溶液に滴
下、浸漬して数秒〜5分間放置してそのゼリー成形物の
表面に新たなゲル層を形成させる。このゲル化剤として
はアルギン酸ナトリウム、低メトキシルペクチン、ジェ
ランガム等が考えられる。このゲル化剤の1種又は数種
の外に必要に応じて、ローカストビーンガムやキサンタ
ンガム等のハイドロコロイドを加え、これらの約0.2
〜10%の水溶液を調製し、ゲル層の性質、厚さおよび
ゲル強度等の調整を行なう。又この段階でカチオン溶液
に上記調味成分、食品素材、ゲル化剤等のハイドロコロ
イドを新たに添加することができ、ゲル化剤溶液に上記
調味成分や食品素材等を添加することもできる。カチオ
ン反応性のあるゲル化剤への浸漬方法は、破砕ゼリー等
を含む流動物をある程度まとまった状態で浸漬できる方
法であればその方法は問わない。球状のゼリーを得るた
めには滴下法が最も容易である。この滴下方法も、カチ
オン濃度やゲル化剤の濃度を変えることで反応速度を調
整した上で、滴下したゲル化剤溶液がゲル化する前に次
の滴下液を足すことにより、より大きな球状ゼリーを得
ることができる。また、破砕ゼリー等を浸漬液中に管を
使用して注入する方法で成形すると容易に大きな粒状の
球状ゼリーを作ることが可能である。つまり、球状ゼリ
ーの大きさはゲル化剤溶液の種類、濃度又は粘度等によ
り数cm程度から1mm以下まで自由に調節することが
可能である。
【0022】こまかく破砕されたゼリー又は小片状にゲ
ル化して得られたゼリーにカチオンを添加してゲル化剤
溶液に浸漬するに当り、これに各種食品素材を混合して
からゲル化剤溶液に浸漬せしめてその食品素材の表面に
ゲル層を形成させるようにすることができる。そのよう
な食品素材としては牛乳、クリーム等の乳製品、卵黄等
の卵製品、果実や野菜等の農産物、きのこ等の林産物、
海藻等の海産物をあげることができる。ここに用いられ
る食品素材としては液状、ペースト状、固形物等その形
態は問わない。これらはその形態によっては破砕ゼリー
又は小片状ゼリーを生成する段階で添加、混合すること
もできる。また、固形物を使用した場合には、この二重
構造ゼリーを固形物の被覆層としても利用できる。たと
えばみかん果肉を破砕ゼリー等に浸漬、混合してから果
肉ごとゲル化剤溶液に浸漬すると成形されたゼリーの中
に果肉が入った、或は果肉の外側にゼリーが被覆されて
その果肉に模した形状の粒状ゼリーを得ることができ
る。それにより破砕又は小片状のゼリーに加えた調味成
分からの甘味と香味と果肉のもつ甘味と香味が相俟って
夫々単独の場合よりも嗜好のすぐれたゼリーを得ること
ができ、又最表面のゲル層と果肉の間に破砕又は小片状
ゼリーが介在するので果肉からのドリップ、果肉の収縮
によるゼリーの割れなどを防止することができる。
【0023】このようにゼリー表面に、しかもその最表
面にのみゲル層を形成せしめて本発明にかかる二重構造
の食用粒状ゼリーを得ることができるのであるが、浸漬
して表面に被覆されたゲル化剤のゲル強度を上げるため
にカチオン溶液に再度浸漬するのが好ましい。具体的に
は、たとえば0.03〜10%の乳酸カルシウム溶液に
数秒〜数10分浸漬するか、乳酸カルシウムを含む液体
中に浸漬した形で製品としても良い。
【0024】このようなカチオン溶液への再浸漬は、上
述のようにカチオン反応性のあるゲル化剤のゲル強度を
上げるために行うもので、浸漬溶液のカチオン濃度や浸
漬時間の調節等により、カチオンを含む破砕したゼリー
の表面に生じたカチオン反応性のあるゲル化剤の層に供
給するカチオン量を調節して、新たに破砕ゼリー等の最
表面に生じるゼリーのゲル層のゲル強度を自由に変える
ことが可能である。
【0025】このようにして本発明に従って二重構造を
有する食用粒状ゼリーが得られるが、二重構造の外側の
ゼリー層はカチオンとカチオン反応性のあるゲル化剤と
の反応によりえられた熱不可逆性のゼリーであるため、
あとで高温処理を受けても性状、食感に変化を来すこと
がない。そして内部に保持される破砕又は小片状ゼリー
をつくるに当って熱可逆性のゲルをつくるゲル化剤を使
用した場合、粒状ゼリーを製造した後、ゲルが再溶解す
る程の熱を加えなければ破砕又は小片状ゼリーの食感、
性質をそのまま内部に残すことができる。又かかる熱可
逆性のゲルをつくるゲル化剤を用いて成形後ゲル化剤が
溶解する温度、例えばゼラチンの場合は40〜50℃以
上に再度加熱して内部の破砕又は小片状ゼリーのみ再溶
解して冷却することによって、内部を均一なゼリーに再
度ゲル化させ、外部と内部で性状の異なる二重構造のゼ
リーを作ることが可能である。
【0026】一方、破砕又は小片状ゼリーをつくるに当
って熱不可逆性のゲルをつくるゲル化剤を使用した場合
には、最終的に作られる粒状ゼリーに耐熱性を付与する
ことができる。得られたゼリーを原料にして各種の食
品、例えば粒状ゼリー入りの缶コーヒー等の清涼飲料水
を製造するときは上述のレトルト殺菌等の高温処理を受
けるが、前記のように熱不可逆性を有するゲルを作るゲ
ル化剤を用いて耐熱性の付与された破砕又は小片状ゼリ
ーは、かかる高温処理を経ても変化せず、最初の破砕さ
れるゼリー又は小片状ゼリーの食感、性質をそのまま二
重構造の粒状ゼリーの内部に保持することができる。例
えば内部ゼリーを細かく破砕して事実上液状とすれば高
温処理後も内部に液状を保たせ、外殻部に固状の食感の
ゼリーをもたせ、内外で異なる食感の二重構造の粒状ゼ
リーをつくることができる。又内部ゼリーを粗く砕くこ
とにより最初の固状ゼリーの食感を残すことができる。
【0027】このようにして二重構造の粒状ゼリーをつ
くることができるが、たとえば粒状ゼリーの内部製造時
に用いるゲル化剤の種類や混合割合又は製造方法、内部
又は外殻部製造時に用いる調味成分や食品素材の種類や
組合わせ等を種々選択することによって、粒状ゼリーの
内部と外殻部の食感、性状、外観、大きさ、色等を異な
らしめて食したとき又は見たときに興趣に富む二重構造
の食用粒状ゼリーを得ることができる。
【0028】
【発明の効果】このように本発明の方法によって二重構
造の食用粒状ゼリーを製造し得るが、その結果次のよう
なすぐれた効果を得ることができる。 二重構造のゼリーを容易に製造することができる。
従来の技術で二重構造のゼリーの製造は容易にできなか
ったが、本発明方法を使えば、ゼリーの中が液状で外が
硬いゼリー(イクラ状ゼリー)や、ゼリーの中と外の食
感の異なるゼリー等が任意の大きさ、任意のゲル強度で
容易に製造できる。 種々の食品素材を任意に選んで用いて、種々の食感
のゼリーを得ることができる。ゼリーの中が液状で外が
硬いゼリー(イクラ状ゼリー)や、ゼリーの中と外の硬
さの違うゼリーの中に、牛乳やクリーム等の乳製品、卵
黄等の卵製品、果実や野菜等の農産物、きのこ等の林産
物および海藻等の海産物等の食品素材の混合使用が容易
にできるとともに、これらの性状(液体、固体)、大き
さ等を任意に選ぶことができる。
【0029】 球状ゼリーの大きさを任意に変えられ
る。滴下量により1mm以下の小さな球状ゼリーから数
mmの球状ゼリーを作ることも可能であるばかりか、従
来の技術では難しかった数cm程度の大きな粒状ゼリー
を浸漬用のゲル化剤溶液の種類、濃度および粘度等を変
えることにより滴下あるいは浸漬液中への注入により容
易に製造できる。 ゼリーの外側のゼリー層の厚さ等の性状を調整でき
る。浸漬用のゲル化剤溶液に破砕ゼリー等を漬ける時間
により浸漬物の表面のゼリーの厚さ、強度および性状等
を容易に調整することができる。
【0030】 経時的に安定なゼリーが得られる。従
来法でつくられた二重構造の食用ゼリーは製造した翌日
には内部までゼリー化し、全体的に均一なゼリーとなっ
ていたが本発明方法によるときは長期間内部と外殻部で
は性質の異なる二重構造を安定的に保持できる。 ゼリーに耐熱性を付与することも可能である。破砕
ゼリー等に用いるゲル化剤の種類を変えることによって
耐熱性(レトルトに耐える)ゼリーを製造することがで
き、破砕ゼリー等の性状をそのまま粒状ゼリー内部に維
持した耐熱性粒状ゼリーを製造することができる。
【0031】次に実施例及び比較例によって本発明を更
に説明する。ここで破砕ゼリー等とはゲル化破砕して得
られたゼリーと小片状にゲル化して得られたゼリーとを
区別せずそれらのゼリーにカチオン溶液を添加したもの
の総称である。乳酸カルシウム1と2とある場合、前者
は破砕ゼリー等を調製するときに用いるもの、後者は破
砕ゼリーあるいは小片状ゼリーにカチオンを添加すると
きに用いるものを意味する。
【0032】
【実施例】
<実施例1> アップル果汁20%のゼリーの製造 破砕ゼリー等の調製 アップル果汁 20 % 砂糖 10 % 酸味料 0.25% アップル香料 0.15% ビタミンC 0.05% ジェランガム 0.2 % ローカストビーンガム 0.06% 乳酸カルシウム1 0.1 % 乳酸カルシウム2 0.4 % 上記ジェランガムとローカストビーンガムを水に分散さ
せて加熱溶解する。溶解液中に果汁、砂糖、酸味料、香
料、ビタミンCおよび乳酸カルシウム1を加えて水でト
ータル量を90%にして冷却してゲル化させる。調製し
たゼリーを、ミキサーで約0.1〜0.3mmの大きさ
に破砕する。
【0033】このようにして調製された破砕ゼリーにカ
チオンを添加するために乳酸カルシウム2を溶解した溶
液を加えてトータル量を100%にして破砕ゼリー等を
調製する。 浸漬液の調製 アルギン酸ナトリウム 0.3 % ジェランガム 0.3 % 上記アルギン酸ナトリウムとジェランガムを水に分散さ
せて加熱溶解して水でトータル100%にして冷却して
浸漬液を調製する。 カチオン溶液の調製 乳酸カルシウム 0.3 % 上記乳酸カルシウムを水に溶解させてトータル量100
%にしてカチオン溶液を調製する。
【0034】実施手順 (1) の浸漬液にの破砕ゼリー等をピペットによ
り、0.2mlずつ滴下して粒状ゼリーの成形を行う。 (2) 1分間の時間を置いて成形物の表面にゼリーの
新たな層を生じさせる。 (3) (2)で出来た粒状ゼリーをのカチオン溶液
に浸漬して表面層のゼリーを固める。 上記の方法で成形された粒状ゼリーは、内部の液状物
(20%アップルドリンク)をゼリーで包み込んだ粒状
ゼリーとなった。
【0035】<実施例2> 実施例1のと同様に調製したゼリーを下記方法により
破砕した。 (A) スプーンによりゼリー粗砕きした。 (B) ミキサーにより5分間破砕した。 上記により調製した破砕ゼリーにカチオンを添加した破
砕ゼリー等を、実施例1と同様に調製した浸漬液に、ス
プーンで約1mlずつ浸漬した。(A)で調製した破砕
ゼリー等を使用して作った粒状ゼリーは、多少表面に凹
凸ができたものの、破砕ゼリー等が本来持っていたゼリ
ーの食感が残る粒状ゼリーとなった。一方、(B)で調
製した破砕ゼリー等を使用して作った粒状ゼリーは、食
感として粒状ゼリー内部に固形物をほとんど感じない、
内部が液体様の食感を持った粒状ゼリーに仕上がった。
【0036】<実施例3>実施例1に準じ、の破砕ゼ
リー等の調製を下記方法に変えて実施した。 破砕ゼリー等の調製。ジェランガムとローカストビ
ーンガムを水に分散させて加熱溶解して冷却する。この
ゲル化剤溶解液に、果汁、香料およびその他の資材と乳
酸カルシウム1を加えて溶解した溶液を、攪拌しながら
徐々に加えて、小片のゼリーを調製する。その際、攪拌
スピードを速い方法と遅い方法で行った。前者は4m/
秒、後者は50cm/秒のプロペラ攪拌周速度で行っ
た。この溶液に、乳酸カルシウム2を溶解した溶液を加
えてトータル量を100%にする。この破砕ゼリー等を
用いて実施例1と同様に粒状ゼリーを製造した。攪拌ス
ピードが速い場合、実施例1と同様に内部が液状の粒状
ゼリーが調製できた。一方、攪拌速度が遅いと破砕ゼリ
ー等のゼリーが大きいため内部の溶液中にゼリーの食感
が残る粒状ゼリーが製造できた。
【0037】<実施例4> マスカット果汁20%のゼリー 破砕ゼリー等の調製 マスカット果汁 20 % 果糖ブドウ糖液糖 15 % 酸味料 0.25% マスカット香料 0.15% ビタミンC 0.05% カラギーナン 0.4 % ローカストビーンガム 0.25% 乳酸カルシウム 0.4 % 上記カラギーナン、ローカストビーンガム、果汁、果糖
ぶどう糖液糖、酸味料およびビタミンCを水に分散させ
てトータル量を90%にして加熱溶解する。冷却してゲ
ル化後にゼリーを破砕処理する。この破砕したゼリー溶
液に、乳酸カルシウムおよび香料を残りの10%の水で
溶解したものを加えてトータル量を100%にする。
【0038】 浸漬液の調製 アルギン酸ナトリウム 0.7 % ジェランガム 0.3 % マスカット果汁 10 % マスカット香料 0.15% 砂糖 10 % 酸味料 0.25% 上記アルギン酸ナトリウムとジェランガムを水に分散さ
せて加熱溶解し、果汁、砂糖、香料、酸味料および水で
トータル量を100%にして冷却する。
【0039】 カチオン溶液の調製 乳酸カルシウム 0.3 % 上記乳酸カルシウムを水に溶解させてトータル量を10
0%にする。 実施手順 (1) の浸漬液にの破砕ゼリー等の1mlをピペ
ットを用いて滴下する。滴下した破砕ゼリー等の形状が
ほぼ球状に保たれるように滴下した破砕ゼリー等がゲル
化する前に次の破砕ゼリー等を滴下する方法で成形を行
う。 (2) 3分間の時間を置いて成形物の表面に層を作
る。 (3) (2)で出来たゼリーをのカチオン溶液に浸
漬して表面層のゼリーを固める。 (4) (3)で出来た粒状ゼリーを、常法により調製
したマスカットドリンクとともにビンに密封した。この
ビン詰品を、加熱殺菌のため85℃〜95℃で保持した
後、冷却した。
【0040】上記の方法で実施すると、ぶどう状のゼリ
ーが浮んだ状態のマスカットドリンクができる。すなわ
ち、(1)から(3)の工程で成形されたゼリーを
(4)の工程で加熱殺菌することにより、内部で分散し
ているゲル化剤は再溶解するが、破砕ゼリー等の最表面
に新たに生じたゼリー部(ぶどうの果皮に相当する部
分)には耐熱性があるため果皮状の膜を保ったままであ
る。その後の冷却工程で、再溶解したゲル化剤が固まる
と内部がゼリーになるためにぶどう果実状の粒状ゼリー
が製造できる。
【0041】<実施例5>実施例4に準じ、の破砕ゼ
リー等の調製を次の配合にして粒状ゼリーを調製した。 マスカット果汁20%のゼリー 破砕ゼリー等の調製 マスカット果汁 20 % 果糖ぶどう糖液糖 15 % 酸味料 0.25% マスカット香料 0.15% ビタミンC 0.05% ジェランガム 0.2 % ローカストビーンガム1 0.06% 乳酸カルシウム1 0.1 % カラギーナン 0.25% ローカストビーンガム2 0.25% キサンタンガム 0.1 % 乳酸カルシウム2 0.4 % 上記ジェランガムとローカストビーンガム1を水に分散
させて加熱溶解する。溶解液中に果汁、果糖ぶどう糖液
糖、酸味料、香料、ビタミンCおよび乳酸カルシウム1
を加えて水でトータル量を90%にして冷却してゲル化
させる。調製したゼリーを、ミキサーで破砕処理する。
この破砕したゼリーに、カラギーナン、ローカストビー
ンガム2、キサンタンガム、乳酸カルシウム2を10%
の水で溶解した物を加えてトータル量を100%にす
る。上記の配合で、調製したゼリーは、粒状ゼリーの内
部がこんにゃく状の弾力のあるゼリーになり、実施例4
とは異なる食感の粒状ゼリーが製造できた。
【0042】<実施例6>実施例4に準じ、の破砕ゼ
リー等、の浸漬液およびのカチオン溶液を調製す
る。 実施手順 (1) のゼリー破砕物等1mlおよび3mlを、ピ
ペットでの浸漬液中に注入しゼリーの成形を行う。 (2) 3分間の時間を置いて成形物の表面に層を作
る。 (3) (2)で出来たゼリーをのカチオン溶液に浸
漬して表面層ゼリーを固める。 上記の方法で調製された粒状ゼリーは、小粒ぶどう(デ
ラウエア大)と大粒ぶどう(巨峰大)大の大きさを持っ
た球状ゼリーが製造できた。
【0043】<実施例7>実施例4に準じ、の浸漬液
の調製を次の配合にして粒状ゼリーを調製した。 ぶどう果皮状ゼリーの浸漬液 アルギン酸ナトリウム 0.6 % アルギン酸ナトリウムを溶解して水でトータル100%
にして冷却する。外側のゼリーの層が、実施例4に比較
して硬く、よりぶどうの果皮に近い食感の粒状ゼリーが
製造できた。
【0044】<実施例8>実施例6に準じ、の破砕ゼ
リー等の調製を次の配合にして行って粒状ゼリーを調製
した。 ぶどう果実状ゼリーの破砕ゼリー等の調製(こんにゃく食感ゼリー) マスカット果汁 20 % マスカット香料 0.15% 砂糖 10 % 酸味料 0.25% カラギーナン 0.25% ローカストビーンガム 0.25% キサンタンガム 0.1 % 乳酸カルシウム 0.4 % 上記カラギーナン、ローカストビーンガム、キサンタン
ガム、果汁、砂糖、香料および酸味料を水に分散させて
トータル量を90%にして加熱溶解する。冷却してゲル
化後に破砕処理する。この溶液を使用前に、乳酸カルシ
ウムを残りの10%の水で溶解した物を加えてトータル
量を100%にする。上記の方法で調製したゼリーは、
粒状ゼリーの内部がこんにゃく状の弾力のあるゼリーに
なり、実施例6とは異なる食感の粒状ゼリーが製造でき
た。
【0045】<実施例9> ピーチ果肉20%ゼリー 破砕ゼリー等の調製 ピーチダイスカット(果肉)3mm 20 % ジェランガム 0.2 % ローカストビーンガム 0.03% キサンタンガム 0.03% 乳酸カルシウム1 0.1 % 乳酸カルシウム2 0.4 % 上記ジェランガム、ローカストビーンガム、キサンタン
ガムを水に分散させて加熱溶解する。溶解液中に乳酸カ
ルシウム1を加えて水でトータル量を70%にして冷却
してゲル化後に破砕処理する。この溶液を使用前に、果
肉と乳酸カルシウム2を溶解した溶液を加えてトータル
量を100%にする。
【0046】 浸漬液の調製 アルギン酸ナトリウム 0.3 % ジェランガム 0.3 % 上記アルギン酸ナトリウムとジェランガムを水に分散さ
せて加熱溶解して水でトータル100%にして冷却す
る。 実施手順 (1) の浸漬液にの破砕ゼリー等を2ml滴下し
て成形を行う。 (2) 5分間の時間を置いて成形物の表面に層を作
る。 上記の方法で実施すると表面に多少凹凸ができたが、成
形されたゼリーの中に果肉が入ったゼリーが製造でき
た。
【0047】<実施例10> みかん果肉入りゼリー みかん果肉の調製 常法により、みかんの果実から内皮(じょうのう膜)を
除いたみかんセグメントを調製した。 破砕ゼリー等の調製 みかん果汁 20 % 砂糖 15 % 酸味料 0.25% みかん香料 0.15% ビタミンC 0.05% ジェランガム 0.2 % ローカストビーンガム 0.06% 乳酸カルシウム1 0.1 % 乳酸カルシウム2 0.4 % 上記ジェランガムとローカストビーンガムを水に分散さ
せて加熱溶解する。溶解液中に果汁、酸味料、香料、ビ
タミンCおよび乳酸カルシウム1を加えて水でトータル
量を90%にして冷却してゲル化させる。調製したゼリ
ーを、ミキサーで破砕処理する。この溶液に、乳酸カル
シウム2を溶解した溶液を加えてトータル量を100%
にして、破砕ゼリー等を調製する。
【0048】 浸漬液の調製 アルギン酸ナトリウム 0.3 % ジェランガム 0.3 % 上記アルギン酸ナトリウムとジェランガムを水に分散さ
せて加熱溶解して水でトータル100%にして冷却して
浸漬液を調製する。 カチオン溶液の調製 乳酸カルシウム 0.3 % 上記乳酸カルシウムを水に溶解させてトータル量100
%にしてカチオン溶液を調製する。 実施手順 (1) で調製したみかん果肉表面に、プルラン粉末
を振りかける。このみかん果肉をの破砕ゼリー等に浸
漬した後、果肉ごとの浸漬液に浸漬する。 (2) 3分間の時間を置き、破砕ゼリー等で覆われた
果肉の表面にゼリーの新たな層を生じさせる。 (3) (2)で出来た粒状ゼリーをのカチオン溶液
に浸漬して表面層ゼリーを固める。
【0049】ここにプルランはハイドロコロイドの一種
で、本発明で使用しているプルラン粉末は微粉末処理を
された製品である。これをみかん果肉にあらかじめ振り
かけておくことにより結着性が向上し、みかん果肉の表
面に薄く、均一に破砕ゼリー等の皮膜を作ることができ
る。上記で得られた粒状ゼリーは、みかん果肉(セグメ
ント)を破砕ゼリー等で覆い、その最表面に新たなゼリ
ーを被覆(コーティング)した形状のゼリーとなった。
【0050】この方法により作ったゼリーは、みかん果
肉に破砕ゼリー等の持つ甘味と香味等を付与できた分、
で調製したみかん果肉よりも嗜好の優れたみかん果肉
(ゼリー)となった。また、最表面のゼリーと果肉の間
に破砕ゼリー等の緩衝液を持つため、果肉からのドリッ
プも生じず、かつ、破砕ゼリー等と果肉の糖度の差に起
因する果肉の収縮によるゼリーの割れ等を生じなかっ
た。
【0051】<実施例11> ピーチピューレ20%ゼリー 破砕ゼリー等の調製 ピーチピューレ 20 % キサンタンガム 0.03% 乳酸カルシウム 0.4 % ピーチピューレにキサンタンガムと乳酸カルシウムを加
えて水でトータル量を100%にする。
【0052】 浸漬液の調製 アルギン酸ナトリウム 0.3 % ジェランガム 0.3 % 上記アルギン酸ナトリウムとジェランガムを水に分散さ
せて加熱溶解して水でトータル100%にして冷却す
る。 カチオン溶液の調製 乳酸カルシウム 0.3 % 上記乳酸カルシウムを水に溶解させてトータル量100
%にする。 実施手順 (1) の浸漬液にの破砕ゼリー等を1ml滴下し
て成形を行う。 (2) 3分間の時間を置いて成形物の表面に層を作
る。 (3) (2)で出来たゼリーをのカチオン溶液に浸
漬して表面層ゼリーを固める。 上記の方法で実施すると成形されたゼリーの中にピーチ
ピューレが入ったゼリーが製造できた。
【0053】<実施例12>実施例1と同様の配合で次
の調製を行う。 破砕ゼリー等の調製を行う時にカロチン製剤を0.
2%加えて実施例1と同じ方法で破砕ゼリー等を調製す
る。 浸漬液の調製を行うときにカロチン製剤を1%加え
て実施例1と同じ方法で浸漬液を調製する。この溶液で
実施手順を実施例1と同様に行うと、皮が橙色で中が黄
色の粒状ゼリーになった。
【0054】ここにカロチン製剤は、β−カロチン(油
溶性)を乳化剤を使用して水溶性にした製品である。も
ともとβ−カロチンが油溶性のため水溶性の着色料と違
い色流れが生じない。通常の水溶性着色料で着色した場
合、実施例12のような粒状ゼリーを作っても、経時と
ともに色流れが生じ、粒状ゼリーの再表面部も、内部も
同じ濃さの色になってしまう。β−カロチンのような油
溶性の色素を使えば再表面は橙色、内部は黄色の粒状ゼ
リーが経時的に安定した色調で作ることができる。これ
も本発明の特徴である内部と外部で性状の異なる粒状ゼ
リーの一種と考えられる。
【0055】<実施例13> コーヒー用ミルクゼリー 破砕ゼリー等の調製 加糖脱脂練乳 20 % ジェランガム 0.2 % ローカストビーンガム 0.06% 乳酸カルシウム1 0.1 % 乳酸カルシウム2 0.4 % 上記ジェランガムとローカストビーンガムを水に分散さ
せて加熱溶解する。溶解液中に加糖練乳と乳酸カルシウ
ム1を加えて水でトータル量を90%にして冷却してゲ
ル化後に、ミキサーで破砕処理をする。この溶液に、乳
酸カルシウム2を溶解した溶液を加えてトータル量を1
00%にする。
【0056】 浸漬液の調製 アルギン酸ナトリウム 0.3 % ジェランガム 0.3 % 上記アルギン酸ナトリウムとジェランガムを水に分散さ
せて加熱溶解して水でトータル100%にして冷却す
る。 カチオン溶液の調製 乳酸カルシウム 0.3 % 上記乳酸カルシウムを水に溶解させてトータル量100
%にする。 実施手順 (1) の浸漬液にの破砕ゼリー等をピペットによ
り、0.2mlずつ滴下して成形を行う。 (2) 1分間の時間を置いて成形物の表面に層を作
る。 (3) (2)で出来たゼリーをのカチオン溶液に浸
漬して表面層ゼリーを固める。 上記の方法で作った粒状ゼリーをコーヒーに入れて缶に
密封した後、125℃、25分間のレトルト殺菌を行っ
た。粒状ゼリーの形状に変化はなく、通常の缶コーヒー
等の製造工程におけるレトルト殺菌においても充分に使
用し得るミルク分を含有する粒状ゼリーが製造できた。
【0057】<比較例> 従来法の二重構造ゼリーの作成 配合 ゲル化剤溶液の調製 アップル果汁 20 % 砂糖 10 % 酸味料 0.25% アップル香料 0.15% ビタミンC 0.05% アルギン酸ナトリウム 0.5 % 上記のアルギン酸ナトリウムを加熱溶解した後に冷却し
て残りの材料を混合してトータル100%に調製する。
【0058】 カチオン溶液の調製 乳酸カルシウム 0.4 % 上記乳酸カルシウムを水で溶解させてトータル量100
%に調製する。 実施手順 のカチオン溶液にのゲル化剤溶液をピペットにより
0.2mlずつ滴下して粒状ゼリーの成形を行う。ま
た、浸漬したままでは、反応が進むために粒状ゼリーの
外が硬くなったらすぐに取りだした。 従来品と実施例1でできた粒状ゼリーの比較結果 従来法で成形した粒状ゼリーは、製造直後には、再表面
部は硬くゼリー化した状態、内部は軟らかい二重構造を
保持しているが、翌日には粒状ゼリーの内部までゼリー
化し、外部と内部が均一なゼリーになった。一方、実施
例1で作った粒状ゼリーは、経時5カ月でも、成形直後
と同様に内部の軟らかい二重構造を保持していた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小 川 浩 史 愛媛県松山市安城寺町478番地 愛媛県青 果農業協同組合連合会 企画開発部内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】あらかじめゲル化し、こまかく破砕して得
    られたゼリー、あるいは、あらかじめ小片状にゲル化し
    て得られたゼリーに、カチオンを添加し、カチオンが添
    加されたゼリーを、次いでカチオン反応性のあるゲル化
    剤の溶液の中に浸漬してそのゼリーの表面にゲル層を形
    成させることを特徴とする粒状ゼリーの製造法。
  2. 【請求項2】あらかじめゲル化し、こまかく破砕して得
    られたゼリー、あるいは、あらかじめ小片状にゲル化し
    て得られたゼリーが、カチオンとカチオン反応性のある
    ゲル化剤の反応により作られたゼリーである請求項1記
    載の粒状ゼリーの製造法。
  3. 【請求項3】カチオン反応性のあるゲル化剤の溶液の中
    に浸漬する方法が滴下、もしくは、ゲル化剤溶液中への
    管を使用しての注入である請求項1記載の粒状ゼリーの
    製造法。
  4. 【請求項4】カチオンが添加されたゼリーに食品素材が
    混合され、その後ゲル化剤の溶液に浸漬されることを特
    徴とする請求項1に記載の粒状ゼリーの製造方法。
  5. 【請求項5】ゲル化剤の溶液に浸漬した後、更にカチオ
    ンを含む溶液に浸漬することを特徴とする請求項1記載
    の粒状ゼリーの製造方法。
JP8332266A 1996-12-12 1996-12-12 粒状ゼリーの製造法 Pending JPH10165117A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR101204294B1 (ko) 2010-05-03 2012-11-23 주식회사 한진산업 어유 함유 젤리형 건강기능식품 및 그 제조방법
JP2015080419A (ja) * 2013-10-21 2015-04-27 ユーハ味覚糖株式会社 果皮を含む果肉様食感および果実様外観を有する菓子
JP2018504935A (ja) * 2015-02-09 2018-02-22 ザ コカ・コーラ カンパニーThe Coca‐Cola Company 二重食感バブルビット用の組成物及び方法
JP2019129767A (ja) * 2018-01-31 2019-08-08 サッポロホールディングス株式会社 柑橘類のさのうを製造する方法、柑橘類のさのうを硬化する方法、及び柑橘類のさのう入り飲食品の製造方法
CN112425775A (zh) * 2020-11-12 2021-03-02 青岛明月海藻集团有限公司 一种即食燕窝水晶球及其制备方法和应用

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