JP3629683B2 - デザート食品の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は今日まで使用されてきた寒天,カラギーナン,ジエ ランガム,ゼラチン,ペクチンなど水に加熱溶解し,冷却してゲル化するゲル化物質を単独,或は混合したものを主剤として,ローカストビーンガム,キサンタンガム,グアーガム,タマリンドガムなどの増粘多糖類を配合してデザート菓子類を製造する際に,加熱によつてゲル化するゲル化物質カードランを併用することによつて,従来にない食感の新規なデザートを製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
昭和30年代に始まつたデサート食品の市場での流通は,食生活の向上に伴つて食品市場でのメイン商品となつて昨今では1年間の売り上げは150億円にも達しているが,販売競争の激化とともに製品品質の多様化が必要となり,果汁の利用,果肉の混入等が行なわれており,主材となるゲルの部分の改良に関しては果肉の食感を得る目的でリンゴパルプの混合とか,セルローズを混合したものを凍結,解凍するとか,キトサンを使用する方法が考案されてその一部は特許出願され,実際に製造に応用されているものもみられるが,いずれも製造操作が複雑になるとか,風味の点に問題が残されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
安全で美味な,新しい食感のデザート食品を,比較的容易に製造する方法。
【0004】
【課題を解決するための手段】
製造しようとするデザートの主原料となる冷却セツトゲル化物質に,糖質,果汁,ピユーレ,酸味料,乳製品,鶏卵,油脂,餡,香料,着色料などの中から,製造レシピにしたがつて選択した材料を常法にもとずいて配合,溶解(或は膨潤),加熱,殺菌するとき,加熱によつてゲル化する性質を有するゲル化物質カードランの適量を添加し,規定した条件に従つて撹拌,加熱,溶解,殺菌したものを容器に分注したのち冷却する。
【0005】
デザート菓子類に使用するゲル化剤を比較検討している過程において,加熱によつてゲル化するカードランが低温度加熱(40〜60度C) と高温度加熱(80度C以上) と2の条件下で性状の異なるゲルを作ることを知り,この性質を利用して冷却セツトゲルと組み合わせてデザートを製造することを試みた。その結果,冷却によりゲル化するゲル化剤と加熱によつてゲルを生成するカードランとを混合して同時に溶解(或は分散)するか,個別に水に溶解(或は分散)したものを混合して,60度C±5度Cで加熱してカードランの低温セツトゲルを形成させた後,その他の配合材料を混合,溶解するため撹拌,加熱(通常80度C以上)し,同時に溶液中に分散していると推定されるカードランゲルを,80度C以上に加熱してゲル強度の高い高温セツトゲルに変化させたのち冷却して,滑らかなデザートゲルに独特の食感を付与したデザートを製造することに成功した。一般にデザート製造に使用される多糖類は混合,溶解,加熱などによつて化学的に相互作用がおこり,構造が変化することが知られているが,加熱セツトゲル化物質であるカードランと,従来からデザート類に汎用されている冷却セツトゲル化物質との間の化学反応の有無については,研究データがないので論ずることができないが,上記の操作によつて冷却セツトゲルのなかに高温セツトゲルの小粒が均一に含まれたと推定される新規な食感を持つたゲルが得られたこと,カードランの高温セツトゲルを添加撹拌,混合した場合には出願の方法によつて生成されたような均一な組織が得られにくいことから,単に高温セツトゲルが破砕,分散されたものではなく,溶解されている段階で冷却セツトゲル化物質とカードランとの間に何らかの反応,例えばその網目構造の一部にとり込まれるような反応が行なわれているのではないかと推測される。
【0006】
食感の変化はカードランの添加量によつて調節できるほか、加熱温度を加減することによつても可能で、高温で加熱するにしたがつてカードランゲルの硬度が高くなることからデザートの舌感も硬さを感ぜられるようになると推測される。また,食感の変化はカードラン0.2〜2.0%前後の添加量で適当な食感が得られるが、冷却セツトゲルの種類、添加量によつても差があるから求める食感に適合する添加量をテストして決めれば良い。
【0007】
【実施例1】
カラギーナン30g,ローカストビーンガム29g,塩化カリウム4g,カードラン80g,砂糖500gを混合したのち50Lの水に投入,撹拌,分散した後加温して60度Cとし,数分間保持した後80度Cまで加熱撹拌して10分間保持してゲル化剤を溶解し,残りの砂糖500g,1/5濃縮リンゴ果汁600g,クエン酸20g,クエン酸ナトリウム10g,リンゴ香料10g,着色料適宜を添加して溶解,混合し,水を加えて全量を10リツトルとしたのち,90度C20分間加熱殺菌したものを容器に分注,密封して20度C以下に冷却して果汁入リンゴゼリーを製造する
【0008】
【実施例2】
水350mlをとり,寒天10g を投入して膨潤させたのちカードラン20g を加えて撹拌しながら99度Cに加熱して溶解したものに,グラニュー糖90g,練り餡420g ,水110mlを加えて撹拌加熱して品温102度Cに到達したところで容器に流し入れて冷却して水羊甘を製造する。
【0009】
【実施例3】
市販の酸乳ゼリー製造用ゲル化剤(ペクチン24%,ローカストビーンガム23%,メタ燐酸ナトリウム3.3%含有)13g,カードラン20g,砂糖40gを混合し,水500mlに投入して撹拌混合 加熱して60度Cとしたのち砂糖60g,脱脂粉乳5g,全脂練乳50gを加えて溶解し,続いて1/4濃縮桃果汁50g,クエン酸4.0gとクエン酸ナトリウム1.0gを少量の水に溶解したものを添加したのち,ピーチ香料,着色料適宜と水を加えて全量を1リットルとしたものを80度Cに加熱して十分に溶解した後30分間保持して殺菌し,容器に分注,密封,冷却して果汁入ピーチ酸乳ゼリーとする。
【0010】
【実施例4】
ゼラチン15g カードラン10gを砂糖20gと混合したものを水600mlに投じて膨潤させたものを60度Cに加熱して溶解したのち,砂糖80g,インスタントコーヒー粉末15g,水を加えて全量を1リットルとしたものを90度Cで20分間加熱殺菌し,容器に分注,密封,冷却してコーヒーゼリーとする。
【0011】
【実施例5】
市販のミルクプリン用ゲル化剤(カラギーナン55% ローカストビーンガム23% キサンタンガム3%含有)500g ,カードラン1.0Kg,砂糖3.0Kgを混合し 水60Kgに投入して撹拌分散したものを60度Cに加熱したのち,全脂練乳12.5Kg, 脱脂粉乳4.0Kg ,砂糖3.0Kg ,植物油脂4.0Kg,コーンスターチ1.0Kg, 食塩0.05Kg,バニラ香料0.1Kg,着色料適宜を加え,水を加えて全量を100Kgとしたものを85度Cに加熱撹拌溶解した後130度Cで3秒間加熱殺菌し、冷却したものを容器に充填,密封した後冷蔵してミルクプリンとする。
【0012】
【発明の効果】
以上に説明したように,本発明では現行のデザート菓子を常法にしたがつて製造するとき,冷却セツトゲル化物質に加熱セツトゲル化物質の一定量を添加し,所定の加熱条件にしたがつて溶解した後冷却してゲル化させ,美味で新しい食感のデザート菓子を比較的容易に製造することに成功した。
Claims (1)
- 水に加熱溶解し,冷却によりゲル化するゲル化物質を単独,或いは混合したものをゲル化剤とし,それにカードランを併用するデザート食品の製造に際して,ゲル化剤とカードランとを,混合して同時に水に溶解或は分散するか,個別に水に溶解或は分散したものを混合して,60℃±5℃に加熱してカードランの低温セットゲルを形成させた後,80℃以上に加熱し,その後冷却するデザート食品の製造方法.
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