JPH10159960A - 車両用自動変速機の油圧制御装置 - Google Patents

車両用自動変速機の油圧制御装置

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JPH10159960A
JPH10159960A JP33273296A JP33273296A JPH10159960A JP H10159960 A JPH10159960 A JP H10159960A JP 33273296 A JP33273296 A JP 33273296A JP 33273296 A JP33273296 A JP 33273296A JP H10159960 A JPH10159960 A JP H10159960A
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valve
hydraulic
clutch
control valve
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    • F16H61/00Control functions within control units of change-speed- or reversing-gearings for conveying rotary motion ; Control of exclusively fluid gearing, friction gearing, gearings with endless flexible members or other particular types of gearing
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
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    • F16H61/0202Control functions within control units of change-speed- or reversing-gearings for conveying rotary motion ; Control of exclusively fluid gearing, friction gearing, gearings with endless flexible members or other particular types of gearing characterised by the signals used the signals being electric
    • F16H61/0251Elements specially adapted for electric control units, e.g. valves for converting electrical signals to fluid signals
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
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    • Y10T137/8593Systems
    • Y10T137/86493Multi-way valve unit
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 無段変速機の発進クラッチなどのクラッチコ
ントロールバルブ(ソレノイドバルブ)において低圧側
でのソレノイド通電電流変化に対する出力圧変化量を、
高圧側のそれと相違させ、低トルク(低圧)側で荷重ヒ
ステリシスに対して生じる油圧(トルク)変化を低減さ
せて制御精度を向上させると共に、高トルク(高圧)容
量も確保する。 【解決手段】 ソレノイドで変位される調圧バルブの出
力圧を受けて動作するサブバルブを設け、サブバルブの
移動によって出力圧特性を2種の特性の間で変更させ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は車両用自動変速機
の油圧制御装置、より具体的には発進クラッチなどのク
ラッチコントロールバルブの改良に関する。
【0002】
【従来の技術】車両用自動変速機の発進装置としては無
段変速機の発進クラッチあるいは無段/有段変速機のト
ルクコンバータのロックアップクラッチなどが挙げられ
るが、例えば発進クラッチについては特開昭62−23
8129号あるいは特開平2−150554号公報など
に記載される如く、電気アクチュエータ、即ち、電磁ソ
レノイドバルブ(クラッチコントロールバルブ)を介し
てクラッチ油圧を制御し、車両が円滑に発進するように
制御している。
【0003】かかるクラッチコントロールバルブとして
上記従来技術の他に、例えば、図22に示すものが知ら
れている。図示のクラッチコントロールバルブにあって
は、リニアソレノイド100に対向するようにスプリン
グ102と調圧バルブ(スプール)104が配置され
る。
【0004】調圧バルブ104は、スプリング102で
図において左方向に付勢される。電磁ソレノイド100
のプランジャ100aは励磁されると図において右方向
に移動し、スプリング力に対抗して調圧バルブ104を
右方向に押圧する。
【0005】尚、この明細書において左右、上下などの
方向を示す語は、図面に関しての方向の意味で使用す
る。
【0006】他方、元圧供給路106からは図示しない
油圧源から元圧CRに調圧された作動油が送られ、調圧
バルブ104の位置で決まるバルブボディ108との間
隙を通って出力路110に進み、発進クラッチ(図示せ
ず)の油圧室に送られる。
【0007】上記で、出力路110は分岐されてフィー
ドバック路112が形成され、そこを介して出力圧の一
部が調圧バルブ104の後端にフィードバックさせられ
る。クラッチ油圧に伴い、フィードバック油圧によるバ
ルブ左方力とソレノイド荷重が釣り合った時点で、調圧
バルブ104とバルブボディ108の間壁は閉じられ、
油圧上昇はストップする。このようにしてソレノイド通
電電流(ソレノイド荷重)の増減に応じた油圧をクラッ
チに供給する。尚、図で×印はドレーンを示す。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図22
に示す従来のクラッチコントロールバルブにおいては、
ソレノイド電流(ソレノイド荷重)に対するクラッチ油
圧の特性は図23に示す如く一定であるため、クリープ
領域を油圧制御するとき、あるいはトルクコンバータの
ロックアップクラッチにおいて低トルク容量の油圧制御
(クラッチスリップ制御)を行うとき、図24のソレノ
イド電流−クラッチ油圧特性図に示すようにソレノイド
のヒステリシスの影響が大きく作用することから、精度
良い制御を行うのが困難であった。
【0009】即ち、単位荷重当たりの油圧変化が低圧
(低トルク)側でも高圧(高トルク)側でも一定なた
め、換言すれば低圧(低トルク)側において単位荷重ヒ
ステリシスに対して生じる油圧(トルク)変化が大きい
ため、得られるトルク容量にバラツキが生じ、所望のト
ルク容量を精度良く与えることが困難であった。従っ
て、例えばフィードバック制御を行うときも目標値(目
標油圧)と制御量(出力油圧)の偏差が大きくなり、そ
の結果、乗り心地を損なうことがあった。
【0010】特に、大排気量化に伴うトルク容量アップ
の必要が生じた場合、クラッチ油圧制御範囲を拡大する
手法を採るにせよ、クラッチトルク容量を上げる手法を
採るにせよ、ソレノイド荷重に対してトルク容量のゲイ
ンを上げる結果となるため、ソレノイド荷重ヒステリシ
スによるトルク容量のバラツキが拡大する不都合があっ
た。
【0011】従って、この発明の目的は上記した従来技
術の欠点を解消することにあり、電気アクチュエータ、
具体的には電磁ソレノイドの通電電流(ソレノイド荷
重)に対する供給油圧特性を相違させ、低圧(低トル
ク)側で高圧(高トルク)側に比して通電電流当たりの
供給油圧変化量を小さくすることで荷重ヒステリシスを
低減させて制御精度を向上させると共に、高圧(高トル
ク)側では通電電流当たりの供給油圧変化量を大きくし
て高トルク容量を確保するようにした車両用自動変速機
の油圧制御装置、より具体的にはクラッチコントロール
バルブを提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、この発明は請求項1項に示す如く、少なくとも油
圧作動式の摩擦係合要素を備える車両用自動変速機の油
圧制御装置において、油圧供給源と前記摩擦係合要素と
を連絡する油圧制御回路、前記油圧制御回路に介挿さ
れ、電気アクチュエータの変位指令値に応じて動作し、
前記油圧供給源からの油圧を電気アクチュエータ変位指
令値に対する前記摩擦係合要素への供給油圧特性が第1
の特性となるように出力する第1の油圧制御バルブ、お
よび前記第1の油圧制御バルブの出力圧を受けて動作
し、前記出力圧が所定値以上になったとき、前記摩擦係
合要素への供給油圧特性を、前記電気アクチュエータの
単位指令値当たりの供給油圧変化量が前記第1の特性よ
り大きい第2の特性に変更する第2の油圧制御バルブと
を備える如く構成した。
【0013】請求項2項にあっては、前記第2の油圧制
御バルブが、前記出力圧の供給を受けて移動し、前記第
1の油圧制御バルブをスプリングを介して前記電気アク
チュエータの変位に対抗する方向に付勢すると共に、所
定の距離移動したとき、前記第1の油圧制御バルブへの
付勢を停止し、よって前記摩擦係合要素への供給油圧特
性を第2の特性に変更するように構成されてなる如く構
成した。
【0014】請求項3項にあっては、前記第2の油圧制
御バルブが、前記出力圧の供給を受けてスプリングに対
抗して移動すると共に、所定距離移動したとき前記油圧
供給源からの油圧を前記油路に出力し、よって前記摩擦
係合要素への供給油圧特性を第2の特性に変更するよう
に構成されてなる如く構成した。
【0015】請求項4項にあっては、前記第2の油圧制
御バルブが、前記出力圧の供給を受けてスプリングに対
抗して移動すると共に、所定距離移動したとき、前記第
1の油圧制御バルブが前記摩擦係合要素への油圧供給を
開始するように構成されてなる如く構成した。
【0016】
【作用】電気アクチュエータ、具体的には電磁ソレノイ
ドの通電電流(ソレノイド荷重)に対する供給油圧特性
を相違させ、低圧(低トルク)側で高圧(高トルク)側
に比して通電電流当たりの供給油圧変化量を小さくする
ようにしたので、低圧(低トルク)側において単位荷重
ヒステリシスに対して生じる油圧(トルク)変化を小さ
くすることができる。また、ソレノイド荷重に対してト
ルク容量のゲインを上げても、ソレノイド荷重ヒステリ
シスによるトルク容量のバラツキが拡大することがな
い。
【0017】よって、得られるトルク容量にバラツキが
生じることがなく、所望のトルク容量を精度良く与える
ことができ、制御精度を向上させることができる。他
方、高圧(高トルク)側では通電電流当たりの供給油圧
変化量を大きくしているので、従前通りに高トルク容量
を確保することができる。更には、同一出力圧変化に対
して変位指令量が大きいため、制御応答性を向上させる
ことができる。
【0018】このように、上記の如く構成したことで、
低トルク時の制御性の向上と高トルク時の制御応答性の
向上とを両立させることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、添付図面に即してこの発明
の実施の形態を説明する。
【0020】図1はこの発明に係る車両用自動変速機の
油圧制御装置をベルト式無段変速機の発進クラッチの油
圧制御装置を例にとって全体的に示す概略図である。
【0021】説明の便宜上、先ずベルト式無段変速機及
びその制御装置について説明すると、このベルト式無段
変速機10は、変速機入力軸12とカウンタ軸14との
間に配設された金属Vベルト機構16と、変速機入力軸
12とドライブ側可動プーリ18との間に配設された遊
星歯車式前後進切換機構20と、カウンタ軸14とディ
ファレンシャル機構22などの出力部材との間に配設さ
れた発進クラッチ24(前記した「摩擦係合要素」に相
当)とから構成される。
【0022】内燃機関80の出力軸28は、2個のフラ
イホィールとそれらを連結するトーションスプリング
(共に図示せず)などからなるデュアルマスフライホィ
ール26を介して無段変速機10の入力軸12に接続さ
れ、ディファレンシャル機構22に伝達された動力は左
右の駆動輪(図示せず)に伝達される。
【0023】金属Vベルト機構16は、入力軸12上に
配設されたドライブ側可動プーリ18と、カウンタ軸1
4上に配設されたドリブン側可動プーリ30と、両プー
リ間に巻掛けられた金属Vベルト32とからなる。ドラ
イブ側可動プーリ18は、変速機入力軸12上に配置さ
れた固定プーリ半体34と、この固定プーリ半体34に
対して軸方向に相対移動可能な可動プーリ半体36とか
らなる。
【0024】可動プーリ半体36の側方には、固定プー
リ半体に結合されたシリンダ壁34aにより囲まれてド
ライブ側シリンダ室38が形成されており、ドライブ側
シリンダ室内38に油路38aを介して供給される油圧
により可動プーリ半体36を軸方向に移動させる側圧が
発生する。
【0025】ドリブン側可動プーリ30は、カウンタ軸
14に配置された固定プーリ半体40と、この固定プー
リ半体40に対して軸方向に相対移動可能な可動プーリ
半体42とからなる。可動プーリ半体42の側方には固
定プーリ半体40に結合されたシリンダ壁40aにより
囲まれてドリブン側シリンダ室44が形成され、ドリブ
ン側シリンダ室内44に油路44aを介して供給される
油圧により可動プーリ半体42を軸方向に移動させる側
圧が発生する。
【0026】上記ドライブ側シリンダ室38およびドリ
ブン側シリンダ室に供給するプーリ制御油圧を決定する
レギュレータバルブ群210と、各シリンダ室38,4
4へのプーリ制御油圧を供給する変速制御バルブ群21
2とが設けられ、それらによってVベルト32の滑りが
発生することがない適切なプーリ側圧が設定されると共
に、両プーリ18,30のプーリ幅を変化させ、Vベル
ト32の巻掛け半径を変化させて変速比を無段階に変化
させる。
【0027】遊星歯車式前後進切換機構20は、入力軸
に結合されたサンギヤ46と、固定プーリ半体34に結
合されたキャリア48と、後進用ブレーキ50により固
定保持可能なリングギヤ52と、サンギヤ46とキャリ
ア48とを連結可能な前進用クラッチ54とからなる。
【0028】前進用クラッチ54が係合されると、全ギ
ヤ(サンギヤ46、キャリア48、リングギヤ52)が
変速機入力軸12と一体に回転し、ドライブ側プーリ1
8は変速機入力軸12と同方向(前進方向)に駆動され
る。後進用ブレーキ50が係合されると、リングギヤ5
2が固定保持されるためキャリア48はサンギヤ46と
は逆方向に駆動され、ドライブ側プーリ18は変速機入
力軸12とは逆方向(後進方向)に駆動される。
【0029】また、前進用クラッチ54及び後進用ブレ
ーキ50が共に解放されると、この前後進切換機構20
を介しての動力伝達が断たれ、機関80とドライブ側駆
動プーリ18との間の動力伝達が行われない。
【0030】発進クラッチ24はカウンタ軸14と出力
部材との間の動力伝達をオン(係合)・オフ(解放)制
御するクラッチであり、これがオン(係合)するときに
両者間での動力伝達が可能となる。このため発進クラッ
チ24がオンのとき、金属Vベルト機構16により変速
された機関出力が、ギヤ56,58,60,62を介し
てディファレンシャル機構22により左右の車輪(図示
せず)に分割されて伝達される。
【0031】一方、発進クラッチ24がオフ(解放)の
ときにはこの動力伝達が行えず、変速機は中立状態とな
る。発進クラッチ24の作動制御はクラッチコントロー
ルバルブ214により行われ、前後進切換機構20の後
進用ブレーキ50と前進用クラッチ54の作動制御は、
図示しないマニュアルシフトレバーの操作に応じてマニ
ュアルシフトバルブ216により行われる。
【0032】これらバルブ群の制御は、より具体的には
コントローラ218からの制御信号に基づいて行われ
る。
【0033】このため、内燃機関80のクランク軸(図
示せず)付近などの適宜位置には機関回転数Neを検出
する機関回転数センサ84が設けられると共に、変速機
側において入力軸12の付近にはその回転数NDRを検
出する回転数センサ220、ドリブン側プーリ30の付
近にはその回転数、即ち、発進クラッチ24の入力軸の
回転数NDNを検出する回転数センサ222、および前
記ギヤ56の付近にはその回転数、即ち、発進クラッチ
24の出力軸の回転数Noutを検出する回転数センサ
224が設けられる。
【0034】これら回転数センサは全て磁気ピックアッ
プよりなり、検出値をコントローラ218に送出する。
また、コントローラ218には、機関制御用のECU
(電子制御ユニット)82から、吸気圧力Pb、スロッ
トル開度θTHなどの機関運転パラメータが送出され
る。
【0035】更にコントローラ218には、エアコンデ
ィショナ(図示せず)の作動を検出するエアコンスイッ
チ228からの検出信号及びマニュアルシフトレバー位
置(もしくはマニュアルバルブ216のスプール位置)
に基づいてシフトレンジ位置(D,N,P,...な
ど)を検出するセレクタスイッチ230からの検出信号
も送られる。
【0036】発進クラッチの作動を制御するクラッチコ
ントロールバルブ214について図2を参照して説明す
ると、油圧ポンプ310(図1に示す)から吐出される
作動油は、高圧レギュレータバルブ(図示せず)を介し
て所定の高圧プーリ制御油圧に調圧された後、レデュー
シングバルブ(図示せず)を介して略一定の油圧(クラ
ッチレデューシング圧CR。前記した元圧)に調圧さ
れ、元圧供給路106を介してクラッチコントロールバ
ルブ214に供給される。
【0037】クラッチコントロールバルブ214はリニ
アソレノイド100を備え、その通電電流(ソレノイド
荷重)を介してクラッチ油圧SCを調節し、シフトイン
ヒビタバルブ320に供給する。尚、この発明の係る油
圧制御装置は、このクラッチコントロールバルブ214
の構成にあるので、クラッチコントロールバルブ214
の詳細は後述する。
【0038】尚、シフトインヒビタバルブ320は、ス
プール320aが右動しているときには、油路110か
らのクラッチ制御油圧SCを発進クラッチ24に供給す
る。このとき発進クラッチ24は、クラッチコントロー
ルバルブ214により作られるクラッチ制御油圧SCに
基づいて係合制御される。
【0039】ここで、発進クラッチ24の目標クラッチ
(油)圧の決定について図3から図5を参照して説明す
る。これは、前記したコントローラ218が行う。
【0040】図3ブロック図に示す如く、コントローラ
218は先ず、機関回転数Neおよび選択レンジから図
4にその特性を示すマップを検索して基本クラッチ
(油)圧(クラッチ伝達トルク)PSCMBSを求め
る。次いで、求めた基本クラッチ(油)圧に油温に応じ
て求められる保護係数を乗じて補正クラッチ(油)圧P
SCBSを求める。この補正は、油温バラツキによって
クラッチが損傷するのを保護するためである。
【0041】次いで、走行状態による補正、即ち、スロ
ットル開度θTHに基づいて図5にその特性を示すマッ
プから3種の重み係数のいずれかを選択し、選択した係
数の特性に基づいてクラッチ速度比(発進クラッチ24
の出力軸回転数Nout/入力軸回転数NDNで算出)
から重み係数τを検索し、検索した重み係数τ(とシフ
ト位置と)から補正クラッチ(油)圧を再補正して目標
クラッチ(油)圧PSCCMDを決定する。発進クラッ
チ24はかく決定された目標クラッチ(油)圧に従って
制御される。
【0042】次いで、図6を参照してこの発明に係る車
両用自動変速機の油圧制御装置、より具体的にはクラッ
チコントロールバルブ214の詳細を説明する。尚、以
下の説明では従来装置の部材に対応するものは同一の符
合で示す。
【0043】この発明に係るクラッチコントロールバル
ブ214を概説すると、出力圧のフィードバック回路を
追加し、それを調圧バルブ104(前記した「第1の油
圧制御バルブ」に相当)に直列配置した第2の油圧制御
バルブ(以下「サブバルブ」と言う)114に設けた。
【0044】そして、その荷重がスプリング102を介
して調圧バルブ104に伝えられて前記した第1の供給
油圧特性を実現すると共に、スプリング102がある長
さ以下に縮小したとき、サブバルブ114がバルブボデ
ィ108のランド108aに突き当たるとき、第2の供
給油圧特性(従来技術の供給油圧特性)に変更されるよ
うに構成した。
【0045】より具体的には、調圧バルブ104の後端
に、スプリング102を挟持する形でサブバルブ114
がバルブボディ108内を移動自在に設けられると共
に、出力圧SCはフィードバック路112aを介してサ
ブバルブ114に作用させられる。尚、調圧バルブ10
4は、ソレノイド(通電電流に比例した出力を有する電
磁リニアソレノイド。前記した「電気アクチュエータ」
に相当)100が励磁されると、そのプランジャ100
aで図において右方向に押圧される。
【0046】このようにサブバルブ114に加わる荷重
はスプリング102を介して調圧バルブ104に伝達さ
れるため、クラッチ油圧の供給特性は以下の如くにな
る。 SC=(FSOL −FSPG1)/(A1 −A2 ) 上記で、SC:クラッチ油圧、FSOL :ソレノイド荷
重、FSPG1:スプリング初期荷重、A1 :調圧バルブの
フィードバック受圧面積、A2 :サブバルブのフィード
バック受圧面積、である。
【0047】サブバルブ114がバルブボディ108の
ランド(突き当て面)108aに当接するまでは、ソレ
ノイド荷重の増加に対して出力圧SCを出力路110を
介してクラッチ油圧室(正確にはシフトインヒビタバル
ブ320)に供給することができ、上記の式に応じたク
ラッチ油圧を得ることができる。換言すれば、フィード
バック油圧の受圧面積は、調圧バルブ104とサブバル
ブ114の受圧面積を合成したものとなる。
【0048】その後、サブバルブ114に加わる荷重に
よってスプリング102が縮んでサブバルブ114がラ
ンド108aに接触すると、それ以降の油圧の上昇に伴
うサブバルブ荷重の上昇分は全てバルブボディ108が
受ける。スプリング荷重はそれ以上上昇せず、結果的に
フィードバック受圧面積が減ったことと等価になる。従
って、電流(ソレノイド荷重)の増加に対する油圧変化
量が増大する。
【0049】このときのクラッチ油圧の供給特性は以下
のようになる。 SC=(FSOL −FSPG2)/A1 上記で、FSPG2:サブバルブがランドに突き当たったと
きのスプリング荷重、である。
【0050】この構成によって、ソレノイド100の通
電電流(ソレノイド荷重)に対する供給油圧特性を相違
させることができる。即ち、図7に示す如く、所定の点
(サブバルブがランドに突き当たった時点。詳しくは通
電電流1Aあるいはクラッチ油圧6kgf/cm2 )まではソ
レノイドの通電電流(ソレノイド荷重)に対する供給油
圧変化量が比較的小さい第1の特性にすると共に、それ
以降は通電電流に対する供給油圧変化量が第1の特性に
比べて大きい第2の特性に変更することができる。
【0051】従って、図8および図24の「本案」に示
すように、低圧(低トルク)側においてヒステリシスを
小さくすることができ、単位荷重ヒステリシスに対して
生じる油圧(トルク)変化を小さくすることができる。
また、ソレノイド荷重に対してトルク容量のゲインを上
げても、ソレノイド荷重ヒステリシスによるトルク容量
のバラツキが拡大することがない。
【0052】よって、得られるトルク容量にバラツキが
生じることがなく、所望のトルク容量を精度良く与える
ことができ、制御精度を向上させることができる。その
結果、フィードバック制御を行うときも目標値(目標油
圧)と制御量(供給油圧)との偏差を減少させることが
できる。他方、高圧(高トルク)側では通電電流当たり
の供給油圧変化量を大きくしているので、従前通りに高
トルク容量を確保することができる。
【0053】また、図9はこの発明に係るクラッチコン
トロールバルブ214の応答性を従来技術と比較して示
す実測データ図であるが、図示の如く、第1の特性では
ソレノイド荷重変化量に対するクラッチ油圧変化量が小
さいため、換言すれば、同一出力圧変化に対して変位指
令量が大きいため、制御応答性を向上させることができ
る。
【0054】図25は従来技術のクラッチコントロール
バルブを用いたクラッチ油圧制御の結果を示す実験デー
タであるが、同図に示す如く、目標クラッチ圧に対して
実クラッチ圧が高くなることがあって同図にイで示す如
く、車両進行方向の重力加速度Gによるショックが生
じ、乗員に不快感を与えることがあった。また、目標ク
ラッチ圧に対して実クラッチ圧の供給が遅れると、同図
にロで示す如く、機関回転数Neの吹き上がりが発生し
た。
【0055】図10はこの発明に係るクラッチコントロ
ールバルブ214を用いたクラッチ油圧制御の結果を示
す、図25と同様の実験データ図であるが、目標クラッ
チ圧にほぼ等しい実クラッチ圧を与えることができ、重
力加速度Gによるショックが発生していない。また、図
9に示したように従来技術に比して制御応答性が向上し
たことから、従来技術に見られた機関回転数Neの吹き
上がりも解消している。
【0056】このように、この実施の形態に係る車両用
自動変速機の油圧制御装置にあっては、ソレノイドの単
位通電電流当たりのクラッチ油圧変化量を低圧側の第1
の特性において高圧側の第2の特性の1/2に減少させ
たので、低圧側で微小な低トルク容量制御を行うことが
できる。また、ソレノイド荷重に対してトルク容量のゲ
インを上げても、ソレノイド荷重ヒステリシスによるト
ルク(制御量)のバラツキが拡大することがない。
【0057】従って、クラッチ油圧を精度良く与えるこ
とができて、発進クラッチ制御あるいはクリープ制御な
どにおいて安定した発進動作を達成することができる。
他方、高圧側では単位通電電流当たりのクラッチ油圧変
化量は低圧側に比して大きいので、従前通りの高トルク
容量も確保することができる。
【0058】図11はこの発明に係る装置、より具体的
にはクラッチコントロールバルブ214の第2の実施の
形態を示す、図6と同様な油圧回路図である。尚、第2
の実施の形態以降の説明においても同一部材は同一の符
合を使用する。
【0059】第2の実施の形態に係るクラッチコントロ
ールバルブ214においては、前記した調圧バルブ10
4と並列に第2のバルブボディ116を設け、その中に
サブバルブ114を移動自在に収容した。第2のバルブ
ボディ116において、サブバルブ114は第2のスプ
リング118によって元圧供給路106と出力路120
を閉塞する、図において左方向に付勢される。
【0060】また、調圧バルブ104の出力圧SC1は
フィードバック路112を介して調圧バルブ104の他
端側に作用させられ、スプリング付勢力と協動して調圧
バルブ104を図で左方向に押圧する。更に、調圧バル
ブ104の出力圧SC1はフィードバック路112aを
介してサブバルブ114に作用させられ、スプリング1
18の付勢力に抗してサブバルブ114を図で右方向に
押圧する。
【0061】サブバルブ114は元圧供給路106に接
続されると共に、その出力路120は合流点122で調
圧バルブ104の出力路110と合流し、更にクラッチ
油圧室(シフトインヒビタバルブ320)に接続する。
合流点122にはボール124が移動自在に設けられ
る。
【0062】また、サブバルブ114の出力圧SC2は
フィードバック路126を介してサブバルブ114にフ
ィードバックさせられ、スプリング118と協動してサ
ブバルブ114を左方向に押圧する。
【0063】第2の実施の形態に係るクラッチコントロ
ールバルブ214の動作を説明すると、ソレノイド10
0への通電に応じて調圧バルブ104が図で右方向に押
圧され、通電電流が0.2A相当に達する距離まで移動
すると、元圧供給路106と出力路110とが連通し、
出力圧SC1は出力路110および合流点122を介し
てクラッチコントロールバルブ出力圧SCとしてクラッ
チ油圧室(シフトインヒビタバルブ320)へと供給さ
れる。
【0064】図12に調圧バルブ104の出力圧SC1
の特性を破線で示す。これは前記した「第1の特性」に
相当する。
【0065】このとき、合流点122に設けられたボー
ル124は図で右方向に押圧され、サブバルブ114の
出力路120を閉塞する。クラッチに供給される作動油
の流量は以後、通電電流に比例して増加し、クラッチ油
圧はクラッチ負荷の増大に伴って増大する。
【0066】他方、調圧バルブ104の出力圧SC1は
フィードバック路112aを介してサブバルブ114に
も加わり、サブバルブ114をスプリング力に抗して図
で右方向に押圧する。サブバルブ114が所定距離移動
すると、元圧供給路106と出力路120とが連通し、
出力圧SC2が出力路120に出力される。
【0067】出力圧SC2は合流点122でボール12
4を中央付近に復帰させ、調圧バルブ104の出力圧S
C1と合してクラッチコントロールバルブ出力圧SCと
してクラッチ油圧室(シフトインヒビタバルブ320)
へと送られる。図12に2点鎖線でこのサブバルブ11
4の出力圧SC2の特性を示す。
【0068】第2の実施の形態に係るクラッチコントロ
ールバルブ214において、サブバルブ114が連通す
ると、調圧バルブ出力圧SC1とサブバルブ出力圧SC
2が一緒になってクラッチコントロールバルブ出力圧S
Cとしてクラッチに供給される。即ち、油圧供給特性は
図13に示すように調圧バルブの出力圧特性(第1の特
性)とサブバルブの出力圧特性(第2の特性)を合成し
たものとなる。
【0069】ここで、調圧バルブの出力圧SC1の特性
(第1の特性)はサブバルブの出力圧SC2(第2の特
性)に比較し、ソレノイドへの単位通電電流当たりのク
ラッチ油圧変化量が小さいように設定される。この特性
は、第1の実施の形態と同様に、ソレノイド通電電流1
A(あるいは油圧6.0kgf/cm2 )付近で変更される。
【0070】第2の実施の形態に係るクラッチコントロ
ールバルブ214は上記のように構成したので、第1の
実施の形態と同様に、低圧(低トルク)側において単位
荷重ヒステリシスに対して生じる油圧(トルク)変化を
小さくすることができる。また、ソレノイド荷重に対し
てトルク容量のゲインを上げても、ソレノイド荷重ヒス
テリシスによるトルク容量のバラツキが拡大することが
ない。
【0071】よって、得られるトルク容量にバラツキが
生じることがなく、所望のトルク容量を精度良く与える
ことができ、制御精度を向上させることができる。ま
た、同一出力圧変化に対して変位指令量が大きいため、
制御応答性を向上させることができる。他方、高圧(高
トルク)側では通電電流当たりの供給油圧変化量を大き
くしているので、従前通りに高トルク容量を確保するこ
とができる。
【0072】図14はこの発明に係る車両用自動変速機
の油圧制御装置、より具体的にはクラッチコントロール
バルブ214の第3の実施の形態を示す、図6と同様な
油圧回路図である。
【0073】第3の実施の形態に係る装置においては、
サブバルブ114を収容するバルブボディを、調圧バル
ブ104の第1のバルブボディ108と共通にさせた。
【0074】具体的には調圧バルブ104のバルブボデ
ィ108を延長し、その内部にサブバルブ114を移動
自在に収容した。サブバルブ114は一端では調圧バル
ブ114を付勢するスプリング102によって図で右方
向に付勢されると共に、第2のスプリング118によっ
て反対方向に付勢されてバルブボディ108内に移動自
在に収容される。
【0075】調圧バルブ104の出力圧SC1はフィー
ドバック路112aを介してサブバルブ114の頭頂部
側に作用させられ、サブバルブ114を図でスプリング
118の付勢力に抗して右方向に押圧する。サブバルブ
114の出力圧SC2は出力路120に出力されると共
に、フィードバック路128を介してサブバルブ114
を図でスプリング118の付勢力に抗して右方向に押圧
する。
【0076】第3の実施の形態に係るクラッチコントロ
ールバルブ214の動作を説明すると、ソレノイド10
0への通電に応じて調圧バルブ104が図で右方向にス
プリング付勢力に抗して移動を開始し、所定距離移動し
たところで元圧供給路106と出力路110とが連通す
ると共に、作動油は出力路110および合流点122を
介してクラッチ油圧室(シフトインヒビタバルブ32
0)へと流れ始め、ボール124を右方向に移動させて
サブバルブ114の出力路120を閉塞する。
【0077】このとき、調圧バルブ104を通る作動油
の流量は、調圧バルブ104の位置、具体的にはソレノ
イド通電電流(ソレノイド荷重)と、それに対抗するス
プリング102の付勢力およびフィードバック路112
aを介してのフィードバック圧(より正確にはサブバル
ブ114の位置)で決定される。
【0078】スプリング102の付勢力は一定(線形)
であるが、フィードバック圧によって調圧バルブ104
の出力圧SC1は、図15に破線で示すような非線形な
特性(前記した「第1の特性」)となる。
【0079】調圧バルブ104の出力圧SC1が増加す
るにつれてフィードバック路112aを介してサブバル
ブ114に作用する右方向の押圧力が増し、それにつれ
てサブバルブ114が同方向に変位し、元圧供給路10
6と出力路120とが連通すると、出力圧SC2はサブ
バルブ114通って合流点122へと送られ、ボール1
24を中央位置に復帰させて流路を解放しつつ、出力圧
SC1と合してクラッチコントロールバルブ出力圧SC
としてクラッチ油圧室(シフトインヒビタバルブ32
0)へと送られる。
【0080】サブバルブ114の出力圧SC2の特性を
図15に2点鎖線で示す。これは前記した「第2の特
性」に相当する。
【0081】従って、第3の実施の形態に係るクラッチ
コントロールバルブ214の供給油圧特性は図16に示
すように、調圧バルブの出力圧特性(第1の特性)とサ
ブバルブの出力圧特性(第2の特性)を合成したものと
なる。
【0082】第3の実施の形態に係るクラッチコントロ
ールバルブ214は、調圧バルブの出力特性(第1の特
性)が図示の如く非線形であるが、第2の特性に比較
し、ソレノイドの単位通電電流当たりのクラッチ油圧変
化量が小さいように設定されるので、従前の実施の形態
と同様に、低圧(低トルク)側において単位荷重ヒステ
リシスに対して生じる油圧(トルク)変化を小さくする
ことができる。また、ソレノイド荷重に対してトルク容
量のゲインを上げても、ソレノイド荷重ヒステリシスに
よるトルク容量のバラツキが拡大することがない。
【0083】よって、得られるトルク容量にバラツキが
生じることがなく、所望のトルク容量を精度良く与える
ことができ、制御精度を向上させることができる。ま
た、同一出力圧変化に対して変位指令量が大きいため、
制御応答性を向上させることができる。他方、高圧(高
トルク)側では通電電流当たりの供給油圧変化量を大き
くしているので、従前通りに高トルク容量を確保するこ
とができる。
【0084】図17はこの発明に係る車両用自動変速機
の油圧制御装置の第4の実施の形態を示す、図6と同様
な油圧回路図である。
【0085】第4の実施の形態に係る装置、より具体的
にはクラッチコントロールバルブ214においては、サ
ブバルブのバルブボディを、第2の実施の形態と同様
に、調圧バルブボディ用の第1のバルブボディとは別体
に構成した。
【0086】即ち、第2のバルブボディ116を設け、
その内部にサブバルブ114を第2のスプリング118
で左方向に付勢しつつ収容する。調圧バルブ104の出
力圧SCはフィードバック路112cを介してサブバル
ブ114の他端側に作用させられてサブバルブ114を
スプリング118の付勢力に抗して図で右方向に押圧す
る。
【0087】他方、サブバルブ114の出力圧CCは出
力路120を介して調圧バルブ104の後端に作用させ
られ、調圧バルブ104をスプリング118の付勢力と
協動して図で左方向に押圧する。
【0088】第4の実施の形態に係るクラッチコントロ
ールバルブの動作を説明すると、最初、サブバルブ11
4はスプリング118に付勢されて図示の位置よりも左
側にあり、元圧供給路106と出力路120とは連通す
る。サブバルブ114が最も左の位置にあるとき、流量
は最大となり、出力圧CCは最大となる。
【0089】サブバルブ114の出力圧CCは出力路1
20を介して調圧バルブ104の右端に作用し、スプリ
ング102と協動して調圧バルブ104を左方向に押圧
する。その結果、調圧バルブ104において元圧供給路
106と出力路110は閉塞され、作動油は流れない。
【0090】その状態においてソレノイド100が励磁
され、プランジャ100aが右動すると、調圧バルブ1
04は右方向に変位し、所定距離移動した時点で元圧供
給路106と出力路110が連通し、出力圧SCは出力
路110へと送られ、クラッチコントロールバルブ出力
圧SCとしてクラッチ油圧室(シフトインヒビタバルブ
320)へと送られる。
【0091】調圧バルブ104の出力圧SCはフィード
バック路112cを介してサブバルブ114の左端に作
用し、サブバルブ114を右動させる。サブバルブ11
4が右方向に変位するにつれて流量が低下して出力圧C
Cも低下し、調圧バルブ104の右端に作用するフィー
ドバック圧も低下する。
【0092】調圧バルブ104の出力圧(クラッチコン
トロールバルブの出力圧)SCは従って、ソレノイド通
電電流とスプリング102の付勢力とサブバルブ114
の出力圧CCとで決定され、図18に示すような非線形
な特性となる。
【0093】換言すれば、第4の実施の形態では調圧バ
ルブ104の出力圧SCのみがクラッチ油圧室に供給さ
れることから、図示の特性は、前記した第1および第2
の特性を滑らかに連続させたものとなり、第4の実施の
形態においては従前の実施の形態と同様な作用効果を達
成できることに加えて、クラッチ油圧制御を一層滑らか
に行うことができる。
【0094】図19はこの発明に係る車両用自動変速機
の油圧制御装置、より具体的にはクラッチコントロール
バルブの第5の実施の形態を示す、図6と同様な油圧回
路図である。
【0095】第5の実施の形態は第1の実施の形態の変
形であり、ソレノイドを直列配置せず、図示しない回路
で制御された油圧(制御圧)を調圧バルブ104の頭頂
部(左端)に加えて変位させるようにした。残余の構成
は第1の実施の形態と相違せず、効果も同様である。
【0096】図20はこの発明に係る車両用自動変速機
の油圧制御装置の第6の実施の形態を示す、図1と同様
な全体概略図である。
【0097】第6の実施の形態に係る装置においては図
示の如く、内燃機関80の出力軸28にトルクコンバー
タ300を接続し、その後段にベルト式無段変速機10
を接続した。即ち、従前の実施の形態で用いた発進クラ
ッチ24に代えてトルクコンバータ300を用いた。
尚、図20において図1と同一の部材には同一の符合を
用いた。
【0098】第6の実施の形態に係る装置は、トルクコ
ンバータ300のロックアップクラッチL(前記した
「摩擦係合要素」に相当)への油圧供給を、従前の実施
の形態で用いたクラッチコントロールバルブ214を介
して行うように構成した。
【0099】それによって、従前の実施の形態で述べた
と同様に、高トルク容量を確保しつつ、低トルク(低
圧)領域の油圧ゲインを減少することができ、低圧(低
トルク容量)においてフィードバック制御を精緻に行う
ことができ、安定したロックアップクラッチ制御を実現
することができる。尚、無段変速機10の構成は第1の
実施の形態と相違しないので、説明は省略する。
【0100】図21はこの発明に係る装置の第7の実施
の形態を示す、図1と同様の概略図である。
【0101】第7の実施の形態に係る装置においては図
示の如く、内燃機関80の出力軸28にトルクコンバー
タ300を接続し、その後段に前進4段後進1段からな
る3軸平行式の有段変速機400を接続した。尚、図1
9においても図1と同一の部材には同一の符合を用い
た。尚、図示の構成は本出願人が先に提案した特願平7
−254662号に述べられているので、詳細な説明は
省略する。
【0102】第7の実施の形態においてもトルクコンバ
ータ300のロックアップクラッチLに第1の実施の形
態などのクラッチコントロールバルブ214を使用した
点で第6の実施の形態と同様であり、その効果も同様で
ある。尚、その他の構成はこの発明の要旨に直接の関連
を有しないので、説明を省略する。
【0103】更に、第7の実施の形態に示す変速機にお
いてトルクコンバータ300および1速用のワンウェイ
クラッチCOWを除去して1速で車両を発進する形式の
ものも知られているが、その場合でも第1ないし第5の
実施の形態で用いたクラッチコントロールバルブ214
を使用することができる。
【0104】この発明においては、上記の如く、少なく
とも油圧作動式の摩擦係合要素(発進クラッチ24、ロ
ックアップクラッチL)を備える車両用自動変速機の油
圧制御装置において、油圧供給源(310)と前記摩擦
係合要素とを連絡する油圧制御回路(元圧供給路106
など)、前記油圧制御回路に介挿され、電気アクチュエ
ータ(ソレノイド100)の変位指令値に応じて動作
し、前記油圧供給源からの油圧を電気アクチュエータ変
位指令値に対する前記摩擦係合要素への供給油圧特性が
第1の特性となるように出力する第1の油圧制御バルブ
(調圧バルブ104)、および前記第1の油圧制御バル
ブの出力圧SCを受けて動作し、前記出力圧が所定値以
上になったとき、前記摩擦係合要素への供給油圧特性
を、前記電気アクチュエータの単位指令値当たりの供給
油圧変化量が前記第1の特性より大きい第2の特性に変
更する第2の油圧制御バルブ(サブバルブ114)とを
備える如く構成した。
【0105】更には、前記第2の油圧制御バルブ(サブ
バルブ114)が、前記出力圧の供給を受けて移動し、
前記第1の油圧制御バルブをスプリング(スプリング1
02)を介して前記電気アクチュエータの変位に対抗す
る方向に付勢すると共に、所定の距離移動したとき、前
記第1の油圧制御バルブへの付勢を停止し、よって前記
摩擦係合要素への供給油圧特性を第2の特性に変更する
ように構成されてなる如く構成した。
【0106】更には、前記第2の油圧制御バルブが、前
記出力圧の供給を受けてスプリング(スプリング11
8,102)に対抗して移動すると共に、所定距離移動
したとき前記油圧供給源からの油圧を前記油路に出力
し、よって前記摩擦係合要素への供給油圧特性を第2の
特性に変更するように構成されてなる如く構成した。
【0107】更には、前記第2の油圧制御バルブが、前
記出力圧の供給を受けてスプリング(スプリング11
8)に対抗して移動すると共に、所定距離移動したと
き、前記第1の油圧制御バルブが前記摩擦係合要素への
油圧供給を開始するように構成されてなる如く構成し
た。
【0108】尚、上記において電磁ソレノイドはリニア
ソレノイドでもデューティソレノイドでも良い。
【0109】尚、上記において無段変速機として金属ベ
ルト式のものを用いたが、この発明はゴムベルト式ある
いはトロイダル式でも同様に妥当する。
【0110】また発進クラッチとして流体クラッチを例
にとって説明したが、この発明は電磁クラッチにも同様
に妥当する。
【0111】
【発明の効果】電気アクチュエータ、具体的には電磁ソ
レノイドの通電電流(ソレノイド荷重)に対する供給油
圧特性を相違させ、低圧(低トルク)側で高圧(高トル
ク)側に比して通電電流当たりの供給油圧変化量を小さ
くするようにしたので、低圧(低トルク)側において単
位荷重ヒステリシスに対して生じる油圧(トルク)変化
を小さくすることができる。また、ソレノイド荷重に対
してトルク容量のゲインを上げても、ソレノイド荷重ヒ
ステリシスによるトルク容量のバラツキが拡大すること
がない。
【0112】よって、得られるトルク容量にバラツキが
生じることがなく、所望のトルク容量を精度良く与える
ことができ、制御精度を向上させることができる。他
方、高圧(高トルク)側では通電電流当たりの供給油圧
変化量を大きくしているので、従前通りに高トルク容量
を確保することができる。更には、同一出力圧変化に対
して変位指令量が大きいため、制御応答性を向上させる
ことができる。
【0113】このように、低トルク時の制御性の向上と
高トルク時の制御応答性の向上を両立させることができ
る。
【0114】
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る車両用自動変速機の油圧制御装
置を無段変速機を例にとって全体的に示す概略図であ
る。
【図2】図1に示す発進クラッチのクラッチコントロー
ルバルブの動作を説明する油圧回路図である。
【図3】図2に示すクラッチコントロールバルブに与え
る目標クラッチ圧の決定を示す示す説明ブロック図であ
る。
【図4】図3の目標クラッチ圧の基礎となる基本クラッ
チ圧のマップ特性を示す説明グラフである。
【図5】図3の目標クラッチ決定における、走行状態に
よる補正で用いる重み係数γのマップ特性を示す説明グ
ラフである。
【図6】この発明に係る車両用自動変速機の油圧制御装
置、より具体的にはクラッチコントロールバルブ(ソレ
ノイドバルブ)の構成を示す説明油圧回路図である。
【図7】図6に示すクラッチコントロールバルブの特性
を示す説明グラフ図である。
【図8】図6に示すクラッチコントロールバルブのヒス
テリシス特性を示す実測データ図である。
【図9】図6に示すクラッチコントロールバルブのステ
ップ応答特性を従来技術と比較して示す実験データ図で
ある。
【図10】図6に示すクラッチコントロールバルブを用
いたクラッチ油圧制御結果を示す実測データ図である。
【図11】この発明の第2の実施の形態に係る油圧制御
装置、より具体的にはクラッチコントロールバルブの構
成を示す油圧回路図である。
【図12】図11に示すクラッチコントロールバルブの
特性を示す説明グラフ図である。
【図13】図11に示すクラッチコントロールバルブの
特性を合成した説明グラフ図である。
【図14】この発明の第3の実施の形態に係る油圧制御
装置、より具体的にはクラッチコントロールバルブの構
成を示す油圧回路図である。
【図15】図14に示すクラッチコントロールバルブの
特性を示す説明グラフ図である。
【図16】図14に示すクラッチコントロールバルブの
特性を合成した説明グラフ図である。
【図17】この発明の第4の実施の形態に係る油圧制御
装置、より具体的にはクラッチコントロールバルブの構
成を示す油圧回路図である。
【図18】図17に示すクラッチコントロールバルブの
特性を示す説明グラフ図である。
【図19】この発明の第5の実施の形態に係る油圧制御
装置、より具体的にはクラッチコントロールバルブの構
成を示す油圧回路図である。
【図20】この発明の第6の実施の形態を示す、図1と
同様な車両用自動変速機の油圧制御装置を示す概略図で
ある。
【図21】この発明の第7の実施の形態を示す、図1と
同様な車両用自動変速機の油圧制御装置を示す概略図で
ある。
【図22】従来技術に係る車両用自動変速機の油圧制御
装置、より具体的にはソレノイドバルブ(クラッチコン
トロールバルブ)の構成を示す油圧回路図である。
【図23】従来技術のソレノイドバルブ(クラッチコン
トロールバルブ)の特性を示す説明グラフ図である。
【図24】従来技術のソレノイドバルブ(クラッチコン
トロールバルブ)のソレノイド電流−クラッチ油圧特性
をこの発明に係るソレノイドバルブ(クラッチコントロ
ールバルブ)のそれと比較して示す実測データ図であ
る。
【図25】従来技術のソレノイドバルブを用いてなるク
ラッチ油圧制御の結果を示す、図10と同様な実測デー
タ図である。
【符号の説明】
10 ベルト式無段変速機 24 発進クラッチ(摩擦係合要素) 100 ソレノイド 102,118 スプリング 104 調圧バルブ 106 元圧供給路 110,120 出力路 108,116 バルブボディ 112,126,128 フィードバック路 122 合流点 124 ボール 214 クラッチコントロールバルブ(油圧制御装置) 218 コントローラ 300 トルクコンバータ L トルクコンバータのロックアップクラッチ(摩
擦係合要素)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも油圧作動式の摩擦係合要素を
    備える車両用自動変速機の油圧制御装置において、 a.油圧供給源と前記摩擦係合要素とを連絡する油圧制
    御回路、 b.前記油圧制御回路に介挿され、電気アクチュエータ
    の変位指令値に応じて動作し、前記油圧供給源からの油
    圧を電気アクチュエータ変位指令値に対する前記摩擦係
    合要素への供給油圧特性が第1の特性となるように出力
    する第1の油圧制御バルブ、 および c.前記第1の油圧制御バルブの出力圧を受けて動作
    し、前記出力圧が所定値以上になったとき、前記摩擦係
    合要素への供給油圧特性を、前記電気アクチュエータの
    単位指令値当たりの供給油圧変化量が前記第1の特性よ
    り大きい第2の特性に変更する第2の油圧制御バルブ、
    とを備えたことを特徴とする車両用自動変速機の油圧制
    御装置。
  2. 【請求項2】 前記第2の油圧制御バルブが、前記出力
    圧の供給を受けて移動し、前記第1の油圧制御バルブを
    スプリングを介して前記電気アクチュエータの変位に対
    抗する方向に付勢すると共に、所定の距離移動したと
    き、前記第1の油圧制御バルブへの付勢を停止し、よっ
    て前記摩擦係合要素への供給油圧特性を第2の特性に変
    更するように構成されてなることを特徴とする請求項1
    項記載の車両用自動変速機の油圧制御装置。
  3. 【請求項3】 前記第2の油圧制御バルブが、前記出力
    圧の供給を受けてスプリングに対抗して移動すると共
    に、所定距離移動したとき前記油圧供給源からの油圧を
    前記油路に出力し、よって前記摩擦係合要素への供給油
    圧特性を第2の特性に変更するように構成されてなるこ
    とを特徴とする請求項1項記載の車両用自動変速機の油
    圧制御装置。
  4. 【請求項4】 前記第2の油圧制御バルブが、前記出力
    圧の供給を受けてスプリングに対抗して移動すると共
    に、所定距離移動したとき、前記第1の油圧制御バルブ
    が前記摩擦係合要素への油圧供給を開始するように構成
    されてなることを特徴とする請求項1項記載の車両用自
    動変速機の油圧制御装置。
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