JP2699343B2 - 車両用ベルト式無段変速機の油圧制御装置 - Google Patents

車両用ベルト式無段変速機の油圧制御装置

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JP2699343B2
JP2699343B2 JP62046023A JP4602387A JP2699343B2 JP 2699343 B2 JP2699343 B2 JP 2699343B2 JP 62046023 A JP62046023 A JP 62046023A JP 4602387 A JP4602387 A JP 4602387A JP 2699343 B2 JP2699343 B2 JP 2699343B2
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Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は車両用ベルト式無段変速機の油圧制御装置に
係り、特に作動油の流通状態を制御して速度比を変化さ
せる変速制御弁の改良に関するものである。 従来技術 一次側回転軸および二次側回転軸にそれぞれ設けられ
た一対の一次側可変プーリおよび二次側可変プーリと、
それら一対の可変プーリに巻き掛けられて動力を伝達す
る伝動ベルトと、前記一対の可変プーリの有効径をそれ
ぞれ変更する一対の一次側油圧シリンダおよび二次側油
圧シリンダとを備えた車両用ベルト式無段変速機が知ら
れている。 そして、斯る車両用ベルト式無段変速機の油圧制御装
置として、前記一次側油圧シリンダおよび二次側油圧シ
リンダへそれぞれ連通する第1出力ポートおよび第2出
力ポートと油圧源から作動油が供給される入力ポートと
排出ポートとを有し、シリンダボア内に摺動可能に嵌合
されたスプール弁子が軸方向へ移動させられることによ
り、前記作動油を前記一次側油圧シリンダおよび二次側
油圧シリンダの一方に供給すると同時に他方内の作動油
を流出させ、前記一次側可変プーリおよび二次側可変プ
ーリの有効径を変化させて前記無段変速機の速度比を変
更するとともに、前記第1出力ポートおよび第2出力ポ
ートの一方と前記入力ポートとの間およびその第1出力
ポートおよび第2出力ポートの他方と前記排出ポートと
の間の流通断面積を変化させてその速度比の変化速度を
調節する変速制御弁を有するものが考えられている。例
えば、本願出願人が先に出願した特願昭61-37571号,特
願昭61-37572号等に記載されている装置はその一例であ
る。 ところで、かかる油圧制御装置の変速制御弁は、従
来、前記スプール弁子の両端部に設けられた一対のスプ
リングによってそのスプール弁子を中立位置に保持する
一方、両端部に配設された電磁アクチュエータに択一的
に制御電流が供給されることにより、そのスプール弁子
をスプリングの付勢力に抗して上記中立位置から増速変
速側若しくは減速変速側へ移動させるようになってい
た。 発明が解決しようとする問題点 しかしながら、このようにスプール弁子を移動させる
ために2個の電磁アクチュエータを用いると、それを駆
動するための増幅器等の制御系の部品点数も多くなり、
装置が複雑で高価になってしまうのである。 また、両スプリングの釣合いによってスプール弁子を
中立位置に保持するようになっているため、そのスプリ
ング力の調整が難しい。 これに対し、前記変速制御弁を、前記スプール弁子の
一端部のみに設けられてそのスプール弁子を前記軸方向
における一方へ付勢するスプリングと、前記スプール弁
子の他端部のみに設けられ、前記スプリングの付勢力に
従って前記一方の移動端に位置させられる前記スプール
弁子を、供給される制御電流の大きさに応じたストロー
クだけその一方の移動端から前記軸方向における他方へ
移動させる電磁アクチュエータとを有して構成し、前記
一次側回転軸の回転速度を車両の運転状態、例えばスロ
ットル弁開度などに基づいて求められた目標回転速度と
一致させるように前記制御電流をフィードバック制御す
ることが考えられるが、制御精度が低下するという問題
がある。すなわち、比例動作項のみからなる従来の制御
式に従って制御電流をフィードバック制御すると、定常
偏差が大きくなってしまうのであり、また、通常の定常
走行時におけるスプール弁子の位置、すなわち前記一次
側可変プーリおよび二次側可変プーリの油圧が略等しく
なる中立位置付近までスプール弁子を移動させるのに必
要な制御電流量を加算した制御式に従ってフィードバッ
ク制御すれば、従来と同程度の定常偏差となるが、スプ
リングのへたり等の経時変化で付勢力が変化すると制御
精度が低下してしまうのである。 問題点を解決するための手段 本発明は以上の事情を背景として為されたものであ
り、その要旨とするところは、前記変速制御弁を有する
車両用ベルト式無段変速機の油圧制御装置において、
(a)その変速制御弁は、前記スプール弁子の一端部の
みに設けられてそのスプール弁子を前記軸方向における
一方へ付勢するスプリングと、前記スプール弁子の他端
部のみに設けられ、前記スプリングの付勢力に従って前
記一方の移動端に位置させられる前記スプール弁子を、
供給される制御電流の大きさに応じたストロークだけそ
の一方の移動端から前記軸方向における他方へ移動させ
る電磁アクチュエータとを有して構成されている一方、
(b)前記一次側回転軸の回転速度を車両の運転状態に
基づいて求められた目標回転速度と一致させるように、
積分動作項を含む制御式に従って前記制御電流をフィー
ドバック制御する制御手段を有することにある。 作用および発明の効果 すなわち、本発明は、1個の電磁アクチュエータによ
ってスプール弁子を移動させるようにしたのであり、こ
れにより、油圧制御装置が簡単かつ安価に構成され得る
のである。また、スプール弁子はスプリングによって一
方の移動端に位置させられるようになっているため、ス
プリングの付勢力の設定や調整が容易となる。 一方、上記電磁アクチュエータの制御電流は、一次側
回転軸の回転速度を車両の運転状態に基づいて求められ
た目標回転速度と一致させるように、積分動作項を含む
制御式に従って制御手段によりフィードバック制御され
るため、制御精度の低下が抑制される。例えば中立位置
付近までスプール弁子を移動させるのに必要な制御電流
量を加算した制御式に従ってフィードバック制御する場
合に、スプリングのへたり等の経時変化で付勢力が変化
しても、積分動作項の存在によって高い制御精度が維持
されるのであり、また、中立位置付近までスプール弁子
を移動させるのに必要な制御電流量を加算しない制御式
を用いた場合でも、比例動作項のみからなる制御式に従
って制御電流をフィードバック制御する場合に比較して
定常偏差が小さくなり、制御精度が向上する。 なお、上記スプリングが、前記第1出力ポートと前記
入力ポートとの間の流通断面積を増大させるとともに前
記第2出力ポートと前記排出ポートとの間の流通断面積
を増大させる増速変速側、すなわち速度比(=二次側回
転軸の回転速度/一次側回転軸の回転速度)が大きくな
る側の移動端へ前記スプール弁子を移動させるように付
勢するものである場合には、逆方向へ付勢する場合に比
較して電磁アクチュエータによるスプール弁子の移動量
が一般に少なくて済み、電力消費量を節減できる。ま
た、電気系統の故障などにより、車両走行中に制御電流
の供給が遮断された場合には、スプール弁子はスプリン
グの付勢力に従って増速変速側の移動端に位置させられ
ることになり、減速変速側の移動端に位置させられる場
合のように急激なエンジンブレーキ状態となることがな
い。 実施例 以下、本発明の一実施例を図面に基づいて詳細に説明
する。 第1図は車両に設けられたベルト式無段変速機10およ
びその油圧制御装置12を示すものであって、図示しない
エンジンの出力は図示しないクラッチなどを介してベル
ト式無段変速機10の一次側回転軸16へ伝達され、このベ
ルト式無段変速機10の二次側回転軸18からの出力は、図
示しない副変速機、差動歯車装置などを経て車両の駆動
輪へ伝達されるようになっている。 上記ベルト式無段変速機10は、一次側回転軸16および
二次側回転軸18と、それら一次側回転軸16および二次側
回転軸18に取りつけられた有効径が可変な一次側可変プ
ーリ20および二次側可変プーリ22と、それら一次側可変
プーリ20および二次側可変プーリ22に巻き掛けられて動
力を伝達する伝動ベルト24と、一次側可変プーリ20およ
び二次側可変プーリ22の有効径を変更する一次側油圧シ
リンダ26および二次側油圧シリンダ28とを備えている。
上記一次側可変プーリ20および二次側可変プーリ22は、
一次側回転軸16および二次側回転軸18にそれぞれ固定さ
れた固定回転体30および32と、上記一次側回転軸16およ
び二次側回転軸18にそれぞれ相対回転不能かつ軸方向の
移動可能に設けられて前記固定回転軸30および32との間
にV溝を形成する可動回転体34および36とから構成され
ている。なお、上記一次側油圧シリンダ26および二次側
油圧シリンダ28の受圧面積は互いに等しい。 そして、このように構成されたベルト式無段変速機10
を作動させるための油圧制御装置12は以下に説明するよ
うに構成される。すなわち、図示しない還流路を経てオ
イルタンク38に還流した作動油はストレーナ40および吸
入油路42を介してオイルポンプ44に吸引され、変速制御
弁46の入力ポート48および第1調圧弁50と接続された第
1ライン油路52へ圧送される。オイルポンプ44は図示し
ないエンジンにより駆動されるようになっており、第1
調圧弁50は、第1ライン油路52内の作動油の一部を第2
ライン油路54へ流出させて、その第1ライン油路52内の
油圧を第1ライン油圧Pl1に調圧する。本実施例では、
これらオイルポンプ44および第1調圧弁50を含んで油圧
源が構成されている。また、第2ライン油路54は前記変
速制御弁46の第1排出ポート56および第2排出ポート58
と第2調圧弁60とにそれぞれ接続されている。この第2
調圧弁60は、第2ライン油路54内の作動油の一部をドレ
ン油路62へ流出させることにより、その第2ライン油路
54内の油圧を第1ライン油圧Pl1よりも相対的に低い第
2ライン油圧Pl2に調圧する。上記第1調圧弁50および
第2調圧弁60は所謂電磁比例リリーフ弁から構成されて
いる。 上記変速制御弁46は、所謂比例制御用電磁弁であっ
て、シリンダボア64が形成されたシリンダボデー66と、
そのシリンダボア64内に軸方向の摺動可能に嵌合された
1本のスプール弁子68と、このスプール弁子68の一端部
に設けられた圧縮コイルスプリング70と、スプール弁子
68の他端部に設けられた電磁アクチュエータ72とを備え
ている。圧縮コイルスプリング70は付勢手段を成すもの
で、スプール弁子68を他端部側、すなわち第1図におけ
る左方向へ向かって付勢するようになっている一方、電
磁アクチュエータ72は、ソレノイド74に制電流が供給さ
れることによって出力ロッド76を突き出し、スプール弁
子68を上記圧縮コイルスプリング70の付勢力に抗して右
方向へ移動させる。制御電流は制御装置78から出力され
る駆動信号RAに従って供給されるようになっており、制
御電流が零のときにはスプール弁子68は第1図に示され
ているように出力ロッド76がストッパ80に当接する左側
の移動端に位置させられ、制御電流の大きさに応じたス
トロークだけその移動端から右方向へ移動させられる。
圧縮コイルスプリング70の付勢力は、電磁アクチュエー
タ72に供給される制御電流が零のときにはスプール弁子
68を左側の移動端に位置させ、電磁アクチュエータ72に
制御電流が供給されたときには、その制御電流の大きさ
に応じたストロークだけスプール弁子68が移動すること
を許容するように設定されている。 上記シリンダボデー66には、前記入力ポート48,第1
排出ポート56および第2排出ポート58,前記一次側油圧
シリンダ26および二次側油圧シリンダ28に接続油路82お
よび84を介してそれぞれ接続された一対の第1出力ポー
ト86および第2出力ポート88が、それぞれシリンダボア
64を介して互いに連通するように形成されているととも
に、前記スプール弁子68には4つのランド90,92,94,96
が一端から順次設けられている。それ等4つのランドの
うち中間部に位置する一対のランド92および94は、スプ
ール弁子68が左側の移動端に位置させられた状態におい
て、それぞれ上記第1出力ポート86および第2出力ポー
ト88よりも僅かに左側に変位した位置にそれ等と同じ離
間距離だけ隔てて設けられている一方、第1出力ポート
86および第2出力ポート88がシリンダボア64の内周面に
開口する位置には、ランド92および94よりも僅かに大き
い幅寸法の一対の環状溝98および100が形成されてい
る。これ等の環状溝98および100は、スプール弁子68が
軸方向へ移動させられるに伴って、それぞれランド92お
よび94との間の作動油の流通断面積を連続的に変化させ
る絞りを形成している。 したがって、上記ランド92および94が第1出力ポート
86および第2出力ポート88と対向する中立位置までスプ
ール弁子68が移動させられると、それ等の第1出力ポー
ト86および第2出力ポート88は前記入力ポート48および
排出ポート56,58に僅かな流通断面積で均等に連通させ
られ、漏れを補充する程度の量の作動油が一次側油圧シ
リンダ26および二次側油圧シリンダ28に供給され、ま
た、僅かな量の作動油が排出ポート56,58から流出させ
られる。 しかし、スプール弁子68が中立位置よりも電磁アクチ
ュエータ72側に位置する場合には、中立位置から離れる
に伴って、第1出力ポート86と入力ポート48との流通断
面積は連続的に増加させられる一方、第2出力ポート88
と第2排出ポート58との流通断面積は連続的に増加させ
られるので、第1出力ポート86から一次側油圧シリンダ
26へ出力される作動油圧は、第2出力ポート88から二次
側油圧シリンダ28へ出力される作動油圧に比較して高く
なる。このため、ベルト式無段変速機10における一次側
油圧シリンダ26および二次側油圧シリンダ28の推力の平
衡が崩れ、一次側油圧シリンダ26内へ作動油が流入する
一方、二次側油圧シリンダ28内の作動油が流出し、ベル
ト式無段変速機10の速度比e(二次側回転軸18の回転速
度Nout/一次側回転軸16の回転速度Nin)は大きくな
る。すなわち、本実施例では電磁アクチュエータ72に制
御電流が供給されないときには、スプール弁子68は、速
度比eを大きくする方向に変化させる増速変速側の移動
端に位置させられるのである。 反対に、スプール弁子68が中立位置よりも圧縮コイル
スプリング70側に位置する場合には、その中立位置から
離れるに伴って、第1出力ポート86と第1排出ポート56
との流通断面積は連続的に増加させられる一方、第2出
力ポート88と入力ポート48との流通断面積は連続的に増
加させられるので、第1出力ポート86から一次側油圧シ
リンダ26へ出力される作動油圧は、第2出力ポート88か
ら二次側油圧シリンダ28へ出力される作動油圧に比較し
て低くなる。このため、ベルト式無段変速機10における
一次側油圧シリンダ26および二次側油圧シリンダ28の推
力の平衡が崩れ、二次側油圧シリンダ28内へ作動油が流
入する一方、一次側油圧シリンダ26内の作動油が流出
し、ベルト式無段変速機10の速度比eは小さくなる。 このように、かかる変速制御弁46は、油圧シリンダ26
および28の一方へ高圧の作動油を供給し他方へ低圧の作
動油を供給する切換弁機能と、連続的に作動油の流量を
調節する流量制御弁機能とを併有しており、スプール弁
子63の中立位置からの離間量が小さい場合には両油圧シ
リンダ26,28の油圧のバランスを制御して目標とする速
度比eを維持する一方、スプール弁子68の中立位置から
の離間量が大きい場合には作動油の流量を大きくして速
度比eを速やかに変化させるのである。第2図は、この
ような変速制御弁46の出力油圧特性を示す図であり、図
中のPin,Poutはそれぞれ一次側油圧シリンダ26,二次側
油圧シリンダ28内の油圧である。また、速度比制御値Vo
は前記電磁アクチュエータ72に供給される制御電流の大
きさに対応するものであり、Vcはスプール弁子68が中立
位置まで移動させられるときの速度比制御値Voの大きさ
である。 そして、前記ベルト式無段変速機10および図示しない
エンジン等には、一次側回転軸16の回転速度Nin,二次
側回転軸18の回転速度Nout,車両の要求出力を表すスロ
ットル弁開度θth,エンジン回転速度Neをそれぞれ検出
して、それ等を表す信号を前記制御装置78に供給する各
種のセンサが設けられている。また、制御装置78は制御
手段に相当するもので、CPU,RAM,ROM等を含む所謂マイ
クロコンピュータであり、RAMの一時記憶機能を利用し
つつROMに予め記憶されたプログラムに従って上述した
入力信号を処理し、前記駆動信号RAを電磁アクチュエー
タ72へ出力するとともに、第1ライン油圧Pl1および第
2ライン油圧Pl2を制御するための駆動信号を第1調圧
弁50および第2調圧弁60へ出力する。 以下、本実施例の作動の一例を第3図のフローチャー
トに従って説明する。 先ず、ステップS1が実行されることにより、一次側回
転軸回転速度Nin,二次側回転軸回転速度Nout,スロッ
トル弁開度θth,およびエンジン回転速度Neが読み込ま
れる。次いで、ステップS2では上記回転速度NinおよびN
outから速度比eが算出され、更にステップS3ではROMに
予め記憶された関係からスロットル弁開度θthなどに基
づいて目標回転速度Nin *を決定し、その目標回転速度N
in *と実際の回転速度Noutとから目標速度比e*が算出さ
れる。上記目標回転速度Nin *を決定するための関係は、
例えば第4図に示すものであって、第5図に示す最小燃
費率曲線上でエンジンが専ら作動するように予め求めら
れたものである。 続くステップS4では、予めROMに記憶された次式
(1)に従って速度比制御値V0が算出される。この
(1)式は、実際の速度比eを目標速度比e*と一致させ
るように、換言すれば一次側回転軸回転速度Ninを目標
回転速度Nin *と一致させるように変速制御弁46をフィー
ドバック制御するための制御式であり、比例動作項と積
分動作項とから成る。そして、後述のステップS14にお
いては、この速度比制御値V0を表す駆動信号RAが出力さ
れ、速度比制御値V0に対応する大きさの制御電流が変速
制御弁46の電磁アクチュエータ72に供給されることによ
り、変速制御弁46のスプール弁子68は、その制御電流の
大きさに応じたストロークだけ前記増速変速側の移動端
から右方向へ移動させられる。なお、(1)式のKP,TI
は、それぞれ比例ゲイン,積分時間である。 ここで、上記制御式(1)には積分動作項が含まれて
いるが、これは、速度比制御値Voが零のとき、すなわち
制御電流が非通電のときにスプール弁子68が中立位置に
保持される形式の従来の変速制御弁の場合の制御式
(2)をそのまま用いると、速度比eの定常偏差Δeが
大きくなってしまうからである。すなわち、(2)式を
用いた場合の定常偏差Δeは次式(3)で表されるが、
かかる(3)式から明らかなように、定常偏差Δeは速
度比制御値V0が小さい程小さくなる。一方、定常状態に
おいてはスプール弁子68は中立位置近傍に保持されるた
め、その中立位置において速度比制御値V0が零となる従
来の変速制御弁によれば定常偏差Δeは小さいが、前記
第2図に示されているように中立位置における速度比制
御値V0がVcとなる本実施例の変速制御弁46の場合には定
常偏差Δeが大きくなってしまうのである。例えば、第
2図において●で示すシリンダ油圧Pin,Poutで両油圧
シリンダ26および28が釣り合っている場合、そのときの
定常偏差ΔeはVx/Kとなる。なお、(2)式のKは比例
定数である。 V0=K(e*−e)/e ……(2) Δe=|e*−e|/e=V0/K ……(3) これに対し、積分動作項を含む前記(1)式によれ
ば、定常偏差Δeが残ればそれを加算して速度比制御値
V0が算出されるため、中立位置における速度比制御値V0
が零とならない本実施例の変速制御弁46においても、大
きな定常偏差Δeを生じることなく速度比eを制御する
ことが可能となるのである。 その後、ステップS5以下の各ステップが実行され、ス
ロットル弁開度θthおよびエンジン回転速度Neに基づい
て実際のエンジン出力トルクTeが決定されるとともに、
その出力トルクTeが正となる正トルク状態、すなわち一
次側回転軸16から二次側回転軸18へ動力伝達が行われる
状態であるか、出力トルクTeが負となるエンジンブレー
キ状態、すなわち二次側回転軸18から一次側回転軸16へ
動力伝達が行われる状態であるかにより、ステップS7〜
S10において第2ライン油圧制御値V2および第1ライン
油圧制御値V1が決定される。第2ライン油圧制御値V
2は、伝動ベエルト24に対する挟圧力を必要かつ充分に
発生させるために必要な従動側の油圧シリンダのシリン
ダ油圧を算出し、そのシリンダ油圧に基づいて第2ライ
ン油圧Pl2を求め、前記第2調圧弁60によって第2ライ
ン油路54内の作動油の油圧をこの第2ライン油圧Pl2
調圧させるためのものである。また、第1ライン油圧制
御値V1は、目標速度比e*を実現できる推力を必要かつ充
分に発生させるために必要な駆動側の油圧シリンダのシ
リンダ油圧を算出し、そのシリンダ油圧に基づいて第1
ライン油路Pl1を求め、前記第1調圧弁50によって第1
ライン油路52内の作動油の油圧をこの第1ライン油圧Pl
1に調圧させるためのものである。 そして、このようにして第2ライン油圧制御値V2およ
び第1ライン油圧制御値V1が決定されると、次にステッ
プS11〜S13が実行され、目標速度比e*と実際の速度比e
との偏差(e*−e)が正であるか否か、換言すれば速度
比eが増加方向へ変化する増速変速状態であるか減少方
向へ変化する減速変速状態であるかによって、それ等の
油圧制御値V1およびV2が補正される。これは、偏差(e*
−e)の絶対値が増加するとともに第1ライン油圧Pl1
と第2ライン油圧Pl2との差を拡大してベルト式無段変
速機10の速度比変化速度を高くするためのものである。
なお、かかるステップS12,S13のK1〜K4は比例定数であ
る。 その後、一連のステップの内の最後のステップS14が
実行され、それ以前のステップにおいて決定された速度
比制御値V0に対応する駆動信号RA、および第1ライン油
圧制御値V1,第2ライン油圧制御値V2に対応する駆動信
号がそれぞれ出力される。これにより、速度比e,第1ラ
イン油圧Pl1および第2ライン油圧Pl2が、変速制御弁4
6,第1調圧弁50および第2調圧弁60によって制御され
る。 ここで、本実施例の変速制御弁46は、1個の電磁アク
チュエータ72によってスプール弁子68を移動させるよう
になっているため、従来のように2個の電磁アクチュエ
ータを用いる場合に比較して、スプール弁子68を移動さ
せるための制御系の部品点数が略半数に節減され、油圧
制御装置12が簡単かつ安価に構成され得る。 また、スプール弁子68は圧縮コイルスプリング70によ
って増速変速側の移動端に位置させられるようになって
いるため、一対のスプリングを用いてスプール弁子68を
中立位置に位置させる場合に比較して、圧縮コイルスプ
リング70のスプリング力の設定や調整が容易となる。 一方、電磁アクチュエータ72の制御電流は、前記
(1)式に示されているように積分動作項を含む制御式
に従ってフィードバック制御されるため、比例動作項の
みからなる制御式に従って制御電流をフィードバック制
御する場合に比較して定常偏差Δeが小さくなり、速度
比eの制御精度が向上する。 さらに、本実施例では電磁アクチュエータ72に制御電
流が供給されることによりスプール弁子68を増速変速側
の移動端から中立位置、更には減速変速側へ移動させる
ようになっているが、一般走行では通常、スプール弁子
68は中立位置よりも増速変速側に位置させられるため、
スプール弁子68を減速変速側の移動端から増速変速側へ
移動させる場合に比較して電流消費量が少なくて済むメ
リットがある。 また、電気系統の故障などにより、車両走行中に制御
電流の供給が遮断された場合には、スプール弁子68は圧
縮コイルスプリング70によって増速変速側の移動端に位
置させられるため、減速変速側の移動端に位置させられ
る場合のように急激なエンジンブレーキ状態となること
はない。 次に、本発明の他の実施例を説明する。なお、以下の
説明において前記第1実施例と共通する部分には同一の
符号を付して説明を省略する。 第6図の油圧制御装置12は、変速制御弁46の第1排出
ポート56にドレン油路102を接続し、スプール弁子68が
減速変速側へ移動させられたとき、一次側油圧シリンダ
26内の作動油を直接そのドレン油路102へ流出させるよ
うにしたものである。この場合の変速制御弁46の出力油
圧特性は第7図に示されているようになり、減速変速側
におけるシリンダ油圧PinとPoutとの油圧差が拡大され
るため、速度比eを減少方向へ変化させる際の変速応答
性が向上する。また、車両の急停止時等において無段変
速機10が最減速変速状態となる前にプーリ20,22の回転
が停止してしまった場合でも、伝動ベルト24を減速変速
側へ移動させることを容易にし、車両の再発進時におけ
るもたつきが解消する。 以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明し
たが、本発明は他の態様で実施することもできる。 例えば、前記実施例では圧縮コイルスプリング70によ
ってスプール弁子68は増速変速側の移動端に位置させら
れるようになっているが、減速変速側の移動端に位置さ
せるようにして電磁アクチュエータにより増速変速側へ
移動させるようにしても差支えない。その場合には、前
記制御式(1)の替わりに次式(4)を用いることとな
る。 また、前記実施例の制御式(1)は比例動作項と積分
動作項とから成るものであるが、これにスプール弁子68
を中立位置に位置させる速度比制御値Vcを加算した次式
(5)を用いることも可能である。その場合には、中立
位置を原位置として速度比制御値V0が算出されるため、
前記制御式(1)の場合よりも変速応答性が向上する。
なお、このように速度比制御値Vcを加算すれば、積分動
作項を省略しても実質的に前記(2)式を用いる従来の
場合と同じ制御が行われることとなるが、経時変化によ
って速度比制御値Vcと中立位置との関係がずれる恐れが
あるため、(5)式のように積分動作項を入れておく必
要がある。 また、前記制御式(1)は目標速度比e*と実際の速度
比eとを一致させるものであるが、目標速度比e*を算出
する際に求められた目標回転速度Nin *と実際の一次側回
転軸回転速度Ninとを一致させる制御式を用いても、実
質的に何等変わるところはない。 その他一々例示はしないが、本発明はその精神を逸脱
することなく当業者の知識に基づいて種々の変更,改良
を加えた態様で実施するこができる。
【図面の簡単な説明】 第1図は本発明の一実施例である車両用ベルト式無段変
速機の油圧制御装置の構成図である。第2図は第1図の
変速制御弁の出力油圧特性を示す図である。第3図は第
1図の装置の作動の一例を説明するためのフローチャー
トである。第4図は第1図の装置における一次側回転軸
の目標回転速度とスロットル弁開度との関係を示す図で
ある。第5図はエンジンの最小燃費率曲線を示す図であ
る。第6図は本発明の他の実施例を示す構成図である。
第7図は第6図の実施例における変速制御弁の出力油圧
特性を示す図である。 10:ベルト式無段変速機 12:油圧制御装置 16:一次側回転軸、18:二次側回転軸 20:一次側可変プーリ 22:二次側可変プーリ 24:伝動ベルト 26:一次側油圧シリンダ 28:二次側油圧シリンダ 44:オイルポンプ、46:変速制御弁 50:第1調圧弁、64:シリンダボア 68:スプール弁子 70:圧縮コイルスプリング(スプリング) 72:電磁アクチュエータ、78:制御装置(制御手段)

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 1.一次側回転軸および二次側回転軸にそれぞれ設けら
    れた一対の一次側可変プーリおよび二次側可変プーリ
    と、該一対の可変プーリに巻き掛けられて動力を伝達す
    る伝動ベルトと、前記一対の可変プーリの有効径をそれ
    ぞれ変更する一対の一次側油圧シリンダおよび二次側油
    圧シリンダとを備えた車両用ベルト式無段変速機におい
    て、前記一次側油圧シリンダおよび二次側油圧シリンダ
    へそれぞれ連通する第1出力ポートおよび第2出力ポー
    トと油圧源から作動油が供給される入力ポートと排出ポ
    ートとを有し、シリンダボア内に摺動可能に嵌合された
    スプール弁子が軸方向へ移動させられることにより、前
    記作動油を前記一次側油圧シリンダおよび二次側油圧シ
    リンダの一方に供給すると同時に他方内の作動油を流出
    させ、前記一次側可変プーリおよび二次側可変プーリの
    有効径を変化させて前記無段変速機の速度比を変更する
    とともに、前記第1出力ポートおよび第2出力ポートの
    一方と前記入力ポートとの間および該第1出力ポートお
    よび第2出力ポートの他方と前記排出ポートとの間の流
    通断面積を変化させて該速度比の変化速度を調節する変
    速制御弁を有する油圧制御装置であって、 前記変速制御弁は、前記スプール弁子の一端部のみに設
    けられて該スプール弁子を前記軸方向における一方へ付
    勢するスプリングと、前記スプール弁子の他端部のみに
    設けられ、前記スプリングの付勢力に従って前記一方の
    移動端に位置させられる前記スプール弁子を、供給され
    る制御電流の大きさに応じたストロークだけ該一方の移
    動端から前記軸方向における他方へ移動させる電磁アク
    チュエータとを有して構成されている一方、 前記一次側回転軸の回転速度を車両の運転状態に基づい
    て求められた目標回転速度と一致させるように、積分動
    作項を含む制御式に従って前記制御電流をフィードバッ
    ク制御する制御手段を有する ことを特徴とする車両用ベルト式無段変速機の油圧制御
    装置。 2.前記スプリングは、前記第1出力ポートと前記入力
    ポートとの間の流通断面積を増大させるとともに前記第
    2出力ポートと前記排出ポートとの間の流通断面積を増
    大させる増速変速側の移動端へ前記スプール弁子を移動
    させるように付勢するものである特許請求の範囲第1項
    に記載の車両用ベルト式無段変速機の油圧制御装置。
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