JP2699339B2 - 車両用ベルト式無段変速機の油圧制御装置 - Google Patents

車両用ベルト式無段変速機の油圧制御装置

Info

Publication number
JP2699339B2
JP2699339B2 JP701187A JP701187A JP2699339B2 JP 2699339 B2 JP2699339 B2 JP 2699339B2 JP 701187 A JP701187 A JP 701187A JP 701187 A JP701187 A JP 701187A JP 2699339 B2 JP2699339 B2 JP 2699339B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
bypass
oil passage
hydraulic cylinder
control valve
oil
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP701187A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS63176742A (ja
Inventor
克己 河野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP701187A priority Critical patent/JP2699339B2/ja
Publication of JPS63176742A publication Critical patent/JPS63176742A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2699339B2 publication Critical patent/JP2699339B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は車両用ベルト式無段変速機の油圧制御装置に
係り、特に変速制御弁の微小な開度制御により正確な変
速制御と急速な変速応答性とを両立させる技術に関する
ものである。 従来技術 一次側回転軸および二次側回転軸にそれぞれ設けられ
た一対の一次側可変プーリおよび二次側可変プーリと、
それら一対の可変プーリに巻き掛けられて動力を伝達す
る伝動ベルトと、前記一対の可変プーリの有効径をそれ
ぞれ変更する一対の一次側油圧シリンダおよび二次側油
圧シリンダとを備えた車両用ベルト式無段変速機が知ら
れている。そして、かかる車両用ベルト式無段変速機の
油圧制御装置としては、たとえば本願出願人が先に出願
した特願昭61-37571号に記載されているように、(a)
駆動側の油圧シリンダに必要とされる推力を得るために
油圧源から供給される作動油を調圧して第1ライン油圧
とする第1調圧弁と、(b)前記第1ライン油圧に調圧
された作動油を前記一次側油圧シリンダおよび二次側油
圧シリンダの一方に供給すると同時に、他方内の作動油
を流出させることにより、前記一次側可変プーリおよび
二次側可変プーリの有効径を変化させて前記無段変速機
の速度比を調節する変速制御弁と、(c)被駆動側の油
圧シリンダに必要とされる推力を得るためにその変速制
御弁を通して前記一次側油圧シリンダおよび二次側油圧
シリンダの他方から流出する作動油の油圧を調圧し、前
記第1ライン油圧よりも低い第2ライン油圧とする第2
調圧弁とを有し、実際の速度比或いは入力軸回転速度が
車両の運転状態に応じて求められた目標速度比或いは目
標入力軸回転速度と一致するように前記変速制御弁を制
御する形式のものがある。 発明が解決しようとする問題点 ところで、かかる従来の油圧制御装置には、定常時の
制御精度を高めるために速度比の調節に際して変速制御
弁の微少な開度制御が要求されるとともに、過渡時の変
速応答性を高めるためには変速制御弁の大きな開度が要
求されるが、このような要求を充分に両立させることは
困難であった。たとえば、変速制御弁の大きな開度を得
るために弁子の移動距離を大きくしなければならない
が、こうした場合には摺動面が大きくなりまた弁のヒス
テリシスも増大する傾向となるので、微小な開度制御の
障害となるのである。 問題点を解決するための手段 本発明は上記問題点を解決するために為されたもので
あり、その要旨とするところは、一次側回転軸および二
次側回転軸にそれぞれ設けられた一対の一次側可変プー
リおよび二次側可変プーリと、該一対の可変プーリに巻
き掛けられて動力を伝達する伝動ベルトと、前記一対の
可変プーリの有効径をそれぞれ変更する一対の一次側油
圧シリンダおよび二次側油圧シリンダとを備えた車両用
ベルト式無段変速機において、所定圧力の第1ライン油
を前記一次側油圧シリンダおよび二次側油圧シリンダの
一方に供給すると同時に、他方内の作動油を流出させる
ことにより、前記一次側可変プーリおよび二次側可変プ
ーリの有効径を変化させて前記無段変速機の速度比を調
節する変速制御弁を有する形式の油圧制御装置であっ
て、(a)前記変速制御弁と並列に設けられ、前記一次
側油圧シリンダおよび二次側油圧シリンダの一方に第1
ライン油を供給するための第1バイパス油路および他方
内の作動油を流出させるための第2バイパス油路と、
(b)前記第1バイパス油路および第2バイパス油路の
途中に設けられ、前記変速制御弁が前記一次側油圧シリ
ンダおよび二次側油圧シリンダの一方へ第1ライン油を
急速に供給すると同時に他方内の作動油を急速に流出さ
せるときに前記第1バイパス油路および第2バイパス油
路を解放するように制御されるバイパス制御弁と、を含
むことにある。 作用および発明の効果 このようにすれば、変速制御弁が一次側油圧シリンダ
および二次側油圧シリンダの一方へ第1ライン油を急速
に供給すると同時に他方内の作動油を急速に流出させる
ときには、バイパス制御弁により前記第1バイパス油路
および第2バイパス油路が解放されるので、前記他方の
油圧シリンダ内の作動油の流出が容易且つ迅速に行われ
る。したがって、変速制御弁は、主として定常時の制御
精度を高めるように設計され得、過渡時の変速応答性を
高めるための大きな開度が要求されないので、ベルト式
無段変速機の速度比制御において高い制御精度が得られ
ると同時に、高い変速応答性が得られるのである。 ここで、前記第1および第2バイパス油路は、好適に
は、前記一次側油圧シリンダへ第1ライン油を供給する
ための第1増速用バイパス油路と、前記二次側油圧シリ
ンダ内の作動油を流出させるための第2増速用バイパス
油路であり、前記バイパス制御弁は、前記第1増速用バ
イパス油路および第2増速用バイパス油路を同時に開閉
する増速用バイパス制御弁である。 また、前記第1および第2バイパス油路は、好適に
は、前記二次側油圧シリンダへ第1ライン油を供給する
ための第1減速用バイパス油路と、前記一次側油圧シリ
ンダ内の作動油を流出させるための第2減速用バイパス
油路であり、前記バイパス制御弁は、前記第1減速用バ
イパス油路および第2減速用バイパス油路を同時に開閉
する減速用バイパス制御弁である。 さらに、前記パイパス制御弁には、全閉状態と全開状
態との2段階に制御される形式の開閉弁、或いは流通断
面積が連続的に変化させられる形式のリニア制御弁など
が好適に採用される。後者の場合には、不感帯を備えた
オーバラップ弁であることが望ましい。 実施例 以下、本発明の一実施例を図面に基づいて詳細に説明
する。 第1図において、車両に設けられたエンジン10の出力
はクラッチ12を介してベルト式無段変速機14の一次側回
転軸16へ伝達される。 ベルト式無段変速機14は、一次側回転軸16および二次
側回転軸18と、それら一次側回転軸16および二次側回転
軸18に取り付けられた有効径が可変な一次側可変プーリ
20および二次側可変プーリ22と、それら一次側可変プー
リ20および二次側可変プーリ22に巻き掛けられて動力を
伝達する伝動ベルト24と、一次側可変プーリ20および二
次側可変プーリ22の有効径を変更する一次側油圧シリン
ダ26および二次側油圧シリンダ28とを備えている。これ
ら一次側油圧シリンダ26および二次側油圧シリンダ28は
同等の受圧面積となるように形成されており、上記一次
側可変プーリ20および二次側可変プーリ22の外形が同等
とされてベルト式無段変速機14が小型となっている。そ
して、上記一次側可変プーリ20および二次側可変プーリ
22は、一次側回転軸16および二次側回転軸18にそれぞれ
固定された固定回転体31および32と、上記一次側回転軸
16および二次側回転軸18にそれぞれ相対回転不能かつ軸
方向の移動可能に設けられて前記固定回転体31および32
との間にV溝を形成する可動回転体34および36とから成
る。 上記ベルト式無段変速機14の二次側回転軸18からの出
力は、図示しない副変速機、差動歯車装置などを経て車
両の駆動輪へ伝達されるようになっている。 このように構成された車両の動力伝達装置を作動させ
るための油圧制御回路は以下に説明するように構成され
る。すなわち、図示しない還流路を経てオイルタンク38
に還流した作動油はストレーナ40および吸入油路41を介
してオイルポンプ42に吸引され、変速制御弁44の入力ポ
ート46および第1調圧弁48と接続された第1ライン油路
50へ圧送される。このオイルポンプ42は、図示しない駆
動軸を介して前記エンジン10により駆動される。第1調
圧弁48は、後述の第1駆動信号VD1に従って第1ライン
油路50内の作動油の一部を第2ライン油路52へ流出させ
ることにより第1ライン油圧Pl1を制御する。この第2
ライン油路52は前記変速制御弁44の第1排出ポート54お
よび第2排出ポート56と第2調圧弁58とにそれぞれ接続
されている。この第2調圧弁58は、後述の第2駆動信号
VD2に従って第2ライン油路52内の作動油の一部をドレ
ン油路60へ流出させることにより第1ライン油圧Pl1
りも相対的に低い第2ライン油圧Pl2を制御する。上記
第1調圧弁48および第2調圧弁58は、所謂電磁比例リリ
ーフ弁から構成されている。 前記変速制御弁44は、所謂比例制御用電磁弁であっ
て、前記入力ポート46、第1排出ポート54および第2排
出ポート56、前記一次側油圧シリンダ26および二次側油
圧シリンダ28に接続油路29および30を介してそれぞれ接
続された一対の第1出力ポート62および第2出力ポート
64にそれぞれ連通するようにバルブボデー65に形成され
たシリンダボア66と、そのシリンダボア66内に摺動可能
に嵌合された1本のスプール弁子68と、このスプール弁
子68の両端部から中立位置に向かって付勢することによ
りそのスプール弁子68を中立位置に保持する一対の第1
スプリング70および第2スプリング72と、上記スプール
弁子68の両端部にそれぞれ設けられてスプール弁子68を
第2スプリング72または第1スプリング70の付勢力に抗
して連続的に移動させる第1電磁ソレノイド74および第
2電磁ソレノイド76とを備えている。上記スプール弁子
68には4つのランド78、80、82、84が一端から順次形成
されているとともに、中間部に位置する一対のランド80
および82はスプール弁子68が図中示すように中立位置に
あるときスプール弁子68の軸方向において前記第1出力
ポート62および第2出力ポート64と同じ位置に形成され
ている。また、シリンダボア66の内周面であって、スプ
ール弁子68が中立位置にあるとき一対のランド80および
82と対向する位置、すなわち上記第1出力ポート62およ
び第2出力ポート64がシリンダボア66の内周面に開口す
る位置には、そのランド80および82よりも僅かに大きい
幅寸法の一対の第1環状溝86および第2環状溝88が形成
されている。この第1環状溝86および第2環状溝88はラ
ンド80および82との間で作動油の流通を制御するために
連続的に流通断面積が変化する絞りを形成している。 これにより、スプール弁子68が中立位置にあるときに
は、前記第1出力ポート62および第2出力ポート64が前
記入力ポート46および排出ポート54、56に僅かな流通面
積で均等に連通させられ、漏れを補充する程度の量の作
動油が一次側油圧シリンダ26および二次側油圧シリンダ
28に供給され、また僅かな量の作動油が排出ポート54、
56から流出させられる。 しかし、スプール弁子68が中立位置からその一軸方
向、たとえば第2電磁ソレノイド76に接近する方向(す
なわち図の右方向)へ移動させられるに伴って、第1出
力ポート62と第1排出ポート54との流通断面積が連続的
に増加させられる一方、第2出力ポート64と入力ポート
46との流通断面積が連続的に増加させられるので、第1
出力ポート62から一次側油圧シリンダ26へ出力する作動
油圧は、第2出力ポート64から二次側油圧シリンダ28へ
出力する作動油圧に比較して低くなる。このため、ベル
ト式無段変速機14における一次側油圧シリンダ26および
二次側油圧シリンダ28の推力の平衡が崩れるので、二次
側油圧シリンダ28内へ作動油が流入する一方、一次側油
圧シリンダ26内の作動油が流出し、ベルト式無段変速機
14の速度比e(二次側回転軸18の回転速度Nout/一次側
回転軸16の回転速度Nin)が小さくなる。 反対に、スプール弁子68が中立位置から第1電磁ソレ
ノイド74に接近する方向、すなわち図の左方向へ移動さ
せられるに伴って、第1出力ポート62と入力ポート46と
の流通断面積が連続的に増加させられる一方、第2出力
ポート64と第2排出ポート56との流通断面積が増加させ
られるので、第1出力ポート62から一次側油圧シリンダ
26へ出力する作動油圧は、第2出力ポート64から二次側
油圧シリンダ28へ出力する作動油圧に比較して高くな
る。このため、ベルト式無段変速機14における一次側油
圧シリンダ26および二次側油圧シリンダ28の推力の平衡
が崩れるので、二次側油圧シリンダ28内の作動油が流出
する一方、一次側油圧シリンダ26内へ作動油が流入し、
ベルト式無段変速機14の速度比eが大きくなる。このよ
うに、上記変速制御弁44は、油圧シリンダ26および28の
一方へ高圧の作動油を供給し他方へ低圧の作動油を供給
する切り換え弁機能と、連続的に作動油の流量を調節す
る流量制御弁機能とを併有しているのである。 そして、本実施例では、変速制御弁44と並列に一対の
第1増速用バイパス油路110および第2増速用バイパス
油路112と、一対の第1減速用バイパス油路114および第
2減速用バイパス油路116が設けられており、一対の増
速用バイパス油路110、112には増速用バイス制御弁118
が介挿されているとともに、一対の減速用バイパス油路
114、116には減速用バイパス制御弁120が介挿されてい
る。すなわち、上記第1増速用バイパス油路110および
第2増速用バイパス油路112は接続油路29と第1ライン
油路50との間、および接続油路30と第2ライン油路52と
の間にそれぞれ接続されており、急速な増速変速時には
第1ライン油路50内の作動油(第1ライン油)が第1増
速用バイパス油路110を通して一次側油圧シリンダ26へ
供給され且つ二次側油圧シリンダ28内の作動油が第2増
速用バイパス油路を通して第2ライン油路52へ流出させ
られることにより、急速に一次側可変プーリ20の有効径
が増大させられ且つ二次側可変プーリ22の有効径が減少
させられる。また、第1減速用バイパス油路114および
第2減速用バイパス油路116は接続油路30と第1ライン
油路50との間、および接続油路29と第2ライン油路52と
の間にそれぞれ接続されており、急速な減速変速時には
第1ライン油が第1減速用バイパス油路114を通して二
次側油圧シリンダ28へ供給され且つ一次側油圧シリンダ
26内の作動油が第2減速用バイパス油路116を通して第
2ライン油路52へ流出させられることにより、急速に一
次側可変プーリ20の有効径が減少させられ且つ二次側可
変プーリ22の有効径が増大させられる。 上記増速用バイパス制御弁118および減速用バイパス
制御弁120は、全閉状態と全開状態とのいずれか一方の
状態に制御される電磁開閉弁であってコントローラ94に
よって作動させられる。 車両のベルト式無段変速機14には、一次側回転軸16の
回転速度Ninを検出するための第1回転センサ90、およ
び二次側回転軸18の回転速度Noutを検出するための第2
回転センサ92が設けられており、それら第1回転センサ
90および第2回転センサ92からは回転速度Ninを表す回
転信号SR1および回転速度Noutを表す回転信号SR2がコン
トローラ94へ出力される。また、車両のエンジン10に
は、その吸気配管に設けられたスロットル弁開度θth
検出するためのスロットルセンサ96と、エンジン回転速
度Neを検出するためのエンジン回転センサ98が設けられ
ており、それらスロットルセンサ96およびエンジン回転
センサ98からはスロットル弁開度θthを表すスロットル
信号Sθおよびエンジン回転速度Neを表す回転信号SEが
コントローラ94へ出力される。 上記コントローラ94は、CPU102、ROM104、RAM106など
を含む所謂マイクロコンピュータである。上記CPU102
は、RAM106の記憶機能を利用しつつ予めROM104に記憶さ
れたプログラムにしたがって入力信号を処理し、第1ラ
イン油圧Pl1および第2ライン油圧Pl2を制御するために
第1調圧弁48および第2調圧弁58へ第1駆動信号VD1お
よび第2駆動信号VD2をそれぞれ供給すると同時に、速
度比eを制御するために第1電磁ソレノイド74および第
2電磁ソレノイド76を駆動するための速度比信号RA1お
よびRA2をそれらに供給する。また、コントローラ94は
過渡時の変速応答性を高くするために増速用バイパス制
御弁118および減速用バイパス制御弁120を作動させるた
めの駆動信号SB1およびSB2を出力する。 上記コントローラ94では、変速制御、第1ライン油圧
制御、第2ライン油圧制御、急速変速制御がそれぞれ順
次或いは選択的に実行される。変速制御では、予めROM1
04に記憶された関係から、目標速度比e*が車両の要求出
力であるスロットル弁開度θthおよび車速vに基づいて
算出され、その目標速度比e*とベルト式無段変速機14の
実際の速度比eとが一致するように変速制御弁44が調節
される。その関係は、たとえば最小燃費率曲線上でエン
ジン10が専ら作動するように予め求められたものであ
る。また、上記関係はたとえば最小燃費率曲線上でエン
ジン10を作動させるための一次側回転軸16の目標回転速
度を決定するためのものであっても良い。第1ライン油
圧制御および第2ライン油圧制御は、一次側油圧シリン
ダ26および二次側油圧シリンダ28の推力を必要且つ充分
に得るために予め求められた関数から実際の速度比、エ
ンジン10の出力トルク、一次側油圧シリンダ26および二
次側油圧シリンダ28の受圧面積や回転速度などに基づい
て第1ライン油圧Pl1および第2ライン油圧Pl2が決定さ
れ、その第1ライン油圧Pl1および第2ライン油圧Pl2
得られるように第1調圧弁48および第2調圧弁58が作動
させられる。 第2図に示すフローチャートは上記の変速制御の一部
であって、急速に速度比を変化させるために設けられた
急速変速制御ルーチンを示すものである。図において、
ステップS1では、変速制御弁44に対する制御値V0が次式
(1)にしたがって算出される。(1)式においては目
標速度比e*と実際の速度比eとの偏差を解消するため
に、その偏差(e*−e)/eの大きさに比例して制御値V0
が決定される。 V0=k(e*−e)/e ……(1) 但し、kは定数である。 ステップS2においては、負側の偏差の大きさ(e−
e*)/eが予め定められた判断基準値C1以上であるか否か
が判断されるとともに、ステップS3では正側の偏差の大
きさ(e*−e)/eが予め定められた判断基準値C2以上で
あるか否かが判断される。上記ステップS2およびS3にお
ける判断がいずれも否定された場合には、ベルト式無段
変速機14の速度比eを急速に変化させる必要がない状態
であるので、ステップS4およびS5において増速用バイパ
ス制御弁118および減速用バイパス制御弁120に対する制
御値V0(A)およびV0(B)が零とされる。すなわち、増速用
バイパス制御弁118および減速用バイパス弁120が非作動
状態とされてそれぞれ全閉状態に維持される。 しかし、たとえばステップS2において負側の偏差の大
きさ(e−e*)/eが予め定められた判断基準値C1以上で
あると判断された場合には、実際の速度比eを小さくす
る方向へ急速に変化させなければならない状態であるの
で、ステップS6において増速用バイパス制御弁118に対
する制御値V0(A)が零とされた後、ステップS7において
減速用バイパス制御弁120に対する制御値V0(B)がvcとさ
れる。この値vcは増速用バイパス制御弁118或いは減速
用バイパス制御弁120を全開状態に維持するに必要な駆
動電力を出力させるための値である。これにより、第1
ライン油が減速用バイパス制御弁120を通して急速に二
次側油圧シリンダ28へ供給され且つ一次側油圧シリンダ
26内の作動油が減速用バイパス制御弁120を通して急速
に第2ライン油路52へ流出させられる。 また、前記ステップS3において正側の偏差の大きさ
(e*−e)/eが予め定められた判断基準値C2以上である
と判断された場合には、実際の速度比eを大きくする方
向へ急速に変化させなければならない状態であるので、
ステップC8において増速用バイパス制御弁118に対する
制御値V0(A)がvcとされるとともに、ステップS9におい
て減速用バイパス制御弁120に対する制御値V0(B)が零と
される。これにより、第1ライン油が増速用バイパス制
御弁118を通して急速に一次側油圧シリンダ26へ供給さ
れ且つ二次側油圧シリンダ28内の作動油が増速用バイパ
ス制御弁118を通して急速に第2ライン油路52へ流出さ
せられる。 上記判断基準値C1およびC2は、上記のように、増速用
バイパス制御弁118および減速用バイパス制御弁120の作
動開始時期を決定する値であって、その値が小さ過ぎる
と速度比変化速度が低い場合においても作動して速度比
がオーバシュートし、ハンチングが発生するので、これ
を考慮して決定されている。増速用バイパス制御弁118
および減速用バイパス制御弁120の制御流量が同じであ
れば、通常、C1<C2となる。減速変速時の方が増速変速
時に比較して速やかな変速が要求されるので、増速変速
時の偏差よりも小さい偏差にて減速用バイパス制御弁12
0を開とする必要があるからである。 上述のように本実施例によれば、ベルト式無段変速機
14の速度比制御において、速度比を急速に変化させる過
渡時には増速用バイパス制御弁118或いは減速用バイパ
ス制御弁120を通して作動油が流通させられるので、変
速制御弁44の最大流量、換言すれば最大流通断面積がそ
れほど大きくなくても充分に高い変速応答性が得られ
る。このため、変速制御弁44は、主として定常時の制御
精度を高めるように設計され得、過渡時の変速応答性を
高めるための大きな開度が要求されないので、ベルト式
無段変速機14の速度比制御において高い制御精度が得ら
れると同時に、高い変速応答性が得られるのである。 次に、本発明の他の実施例を説明する。なお、以下の
実施例において前述の実施例と共通する部分には同一の
符号を付して説明を省略する。 第3図に示すように、第2減速用バイパス油路116を
接続油路29とドレン油路60との間に設けてもよい。この
場合には、急速な減速変速時に一次側油圧シリンダ26内
の作動油を流出させるに際して、第2ライン油圧Pl2
りも低い大気圧へ排出されるので、一層高い変速応答性
が得られるとともに、可変プーリ20および22の非回転時
において伝動ベルト24の減速方向への移動が容易となる
利点がある。 また、第4図に示すように、増速用バイパス制御弁11
8および減速用バイパス制御弁120は、コントローラ94か
ら供給される駆動信号SB1或いはSB2に従って流通断面積
が連続的に変化させられる形式のリニア制御弁であって
も良いのである。この場合には、増速用バイパス制御弁
118および減速用バイパス制御弁120の作動時におけるシ
ョックを緩和できる。 以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明し
たが、本発明は他の態様で実施することもできる。 例えば、前述の実施例では増速用バイパス制御弁118
および減速用バイパス制御弁120が用いられているが、
それらの機能を備えた1個の3位置電磁弁を用いること
もできる。 また、前述の実施例の増速用バイパス制御弁118およ
び減速用バイパス制御弁120のいずれか一方を除去し且
つ除去された方のバイパス油路を閉じても一応の効果が
得られる。たとえば、変速制御弁44の制御流量をやや大
きくして増速変速時の最大必要流量を確保できるように
すれば、増速用バイパス制御弁118を除去することがで
きる。通常、増速変速時の最大必要流量は減速時のそれ
よりもかなり小さいため、このような方式でも充分実用
できる。 また、増速用バイパス制御弁118および減速用バイパ
ス制御弁120に替えて、それらの機能を備えた1個のリ
ニア弁を用いることもできる。この場合には、好ましく
は、変速制御弁44と略同様に偏差に比例して作動させら
れるので、中立時に不感帯を備えたオーバラップ弁であ
ることが制御を安定化する上で望ましい。 また、第3図の実施例において、第2増速用バイパス
油路112を接続油路30とドレン油路60との間に設けても
よい。 また、前記実施例は速度比eと目標速度比e*とを一致
させるように構成されているが、一次側回転値16の回転
速度Ninとその目標回転速度(目標値)Nin *とを一致さ
せるように構成しても全く同一の機能,効果が達成され
る。 その他一々例示はしないが、本発明はその精神を逸脱
することなく当業者の知識に基づいて種々の変更,改良
を加えた態様で実施することができる。
【図面の簡単な説明】 第1図は本発明の一実施例である車両用ベルト式無段変
速機の油圧制御装置の構成を示す図である。第2図は第
1図の実施例の作動を説明するためのフローチャートで
ある。第3図は本発明の他の実施例の油圧回路を示す図
である。第4図は本発明の他の実施例における油圧回路
の要部を示す図である。 14:ベルト式無段変速機 20:一次側可変プーリ 22:二次側可変プーリ 24:伝動ベルト 26:一次側油圧シリンダ 28:二次側油圧シリンダ 44:変速制御弁 110:第1増速用バイパス油路 112:第2増速用バイパス油路 114:第1減速用バイパス油路 116:第2減速用バイパス油路 118:増速用バイパス制御弁 120:減速用バイパス制御弁

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 1.一次側回転軸および二次側回転軸にそれぞれ設けら
    れた一対の一次側可変プーリおよび二次側可変プーリ
    と、該一対の可変プーリに巻き掛けられて動力を伝達す
    る伝動ベルトと、前記一対の可変プーリの有効径をそれ
    ぞれ変更する一対の一次側油圧シリンダおよび二次側油
    圧シリンダとを備えた車両用ベルト式無段変速機におい
    て、所定圧力の第1ライン油を前記一次側油圧シリンダ
    および二次側油圧シリンダの一方に供給すると同時に、
    他方内の作動油を流出させることにより、前記一次側可
    変プーリおよび二次側可変プーリの有効径を変化させて
    前記ベルト式無段変速機の速度比を調節する変速制御弁
    を有する形式の油圧制御装置であって、 前記変速制御弁と並列に設けられ、前記一次側油圧シリ
    ンダおよび二次側油圧シリンダの一方に第1ライン油を
    供給するための第1バイパス油路および他方内の作動油
    を流出させるための第2バイパス油路と、 前記第1バイパス油路および第2バイパス油路の途中に
    設けられ、前記変速制御弁が前記一次側油圧シリンダお
    よび二次側油圧シリンダの一方へ第1ライン油を急速に
    供給すると同時に他方内の作動油を急速に流出させると
    きに前記第1バイパス油路および第2バイパス油路を解
    放するように制御されるバイパス制御弁と、 を含むことを特徴とする車両用ベルト式無段変速機の油
    圧制御装置。 2.前記第1および第2バイパス油路は、前記一次側油
    圧シリンダへ第1ライン油を供給するための第1増速用
    バイパス油路と、前記二次側油圧シリンダ内の作動油を
    流出させるための第2増速用バイパス油路であり、前記
    バイパス制御弁は、前記第1増速用バイパス油路および
    第2増速用バイパス油路を同時に開閉する増速用バイパ
    ス制御弁である特許請求の範囲第1項に記載の車両用ベ
    ルト式無段変速機の油圧制御装置。 3.前記第1および第2バイパス油路は、前記二次側油
    圧シリンダへ第1ライン油を供給するための第1減速用
    バイパス油路と、前記一次側油圧シリンダ内の作動油を
    流出させるための第2減速用バイパス油路であり、前記
    バイパス制御弁は、前記第1減速用バイパス油路および
    第2減速用バイパス油路を同時に開閉する減速用バイパ
    ス制御弁である特許請求の範囲第1項に記載の車両用ベ
    ルト式無段変速機の油圧制御装置。
JP701187A 1987-01-14 1987-01-14 車両用ベルト式無段変速機の油圧制御装置 Expired - Fee Related JP2699339B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP701187A JP2699339B2 (ja) 1987-01-14 1987-01-14 車両用ベルト式無段変速機の油圧制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP701187A JP2699339B2 (ja) 1987-01-14 1987-01-14 車両用ベルト式無段変速機の油圧制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS63176742A JPS63176742A (ja) 1988-07-21
JP2699339B2 true JP2699339B2 (ja) 1998-01-19

Family

ID=11654107

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP701187A Expired - Fee Related JP2699339B2 (ja) 1987-01-14 1987-01-14 車両用ベルト式無段変速機の油圧制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2699339B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001330112A (ja) * 2000-05-23 2001-11-30 Toyota Motor Corp 動作機器の制御装置および変速機の制御装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001330112A (ja) * 2000-05-23 2001-11-30 Toyota Motor Corp 動作機器の制御装置および変速機の制御装置
JP4543499B2 (ja) * 2000-05-23 2010-09-15 トヨタ自動車株式会社 変速機の制御装置

Also Published As

Publication number Publication date
JPS63176742A (ja) 1988-07-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH0321787B2 (ja)
US4875892A (en) Steplessly variable transmission control for automotive vehicle
JPH0359297B2 (ja)
JPH0554576B2 (ja)
JP2699322B2 (ja) 車両用ベルト式無段変速機の油圧制御装置
JPH0563660B2 (ja)
JP2699339B2 (ja) 車両用ベルト式無段変速機の油圧制御装置
JP2699343B2 (ja) 車両用ベルト式無段変速機の油圧制御装置
JP2699344B2 (ja) 車両用ベルト式無段変速機の油圧制御装置
JPH0359296B2 (ja)
JP2794695B2 (ja) 車両用ベルト式無段変速機の制御装置
JP2653052B2 (ja) 車両用ベルト式無段変速機の油圧制御装置
JPH0359298B2 (ja)
JP2699323B2 (ja) 車両用ベルト式無段変速機の油圧制御装置
JPH0359299B2 (ja)
JPS63163055A (ja) 車両用ベルト式無段変速機の油圧制御装置
JPH0554580B2 (ja)
JP2653054B2 (ja) 車両用ベルト式無段変速機の油圧制御装置
JP2699331B2 (ja) 車両用ベルト式無段変速機の油圧制御装置
JP2699327B2 (ja) 車両用ベルト式無段変速機の油圧制御装置
JPH01176845A (ja) 無段変速機の制御装置
JP2625748B2 (ja) 車両用ベルト式無段変速機の油圧制御装置
JPH01188754A (ja) 無段変速機の制御装置
JP2625737B2 (ja) ベルト式無段変速機を備えた車両の制御装置
JPS6188064A (ja) ベルト式無段変速機の油圧制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees