JPH10158386A - 環状エーテルの重合方法 - Google Patents

環状エーテルの重合方法

Info

Publication number
JPH10158386A
JPH10158386A JP31985896A JP31985896A JPH10158386A JP H10158386 A JPH10158386 A JP H10158386A JP 31985896 A JP31985896 A JP 31985896A JP 31985896 A JP31985896 A JP 31985896A JP H10158386 A JPH10158386 A JP H10158386A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
acid
polymerization
reaction
catalyst
cyclic ether
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP31985896A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3533851B2 (ja
Inventor
Toru Setoyama
亨 瀬戸山
Yoshio Kahata
良雄 加幡
Mitsuharu Kobayashi
光治 小林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Chemical Corp filed Critical Mitsubishi Chemical Corp
Priority to JP31985896A priority Critical patent/JP3533851B2/ja
Publication of JPH10158386A publication Critical patent/JPH10158386A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3533851B2 publication Critical patent/JP3533851B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Polyethers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 環状エーテルをカルボン酸無水物と触媒の存
在下で開環重合し、ポリオキシアルキレングリコールの
エステルを製造する方法において、触媒の分離が簡便な
触媒を用い、該触媒の活性低下等を抑えて工業的に有利
な低分子量、かつ分子量分布の狭いポリオキシアルキレ
ングリコールを製造する方法を提供する。 【解決手段】 環状エーテルとカルボン酸無水物の存在
下、固体酸系重合触媒を用いて該環状エーテルを開環重
合反応させて重合物の末端の一部又は全てがエステル化
された重合組成物を得る方法において、カルボン酸無水
物に対してモル比で1/16〜1/30,000のプロ
トン酸が溶解して反応系中に存在する条件下で開環重合
反応を行うことを特徴とする環状エーテルの重合方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は環状エーテルをカル
ボン酸無水物と触媒の存在下で開環重合し、ポリオキシ
アルキレングリコールのエステルを製造する方法に関す
るものである。さらに詳しくは、触媒の分離が簡便な触
媒を用い、該触媒の活性低下等を抑えて工業的に有利に
ポリオキシアルキレングリコールを製造する方法に適用
できる、環状エーテルの重合方法を提供しようとするも
のである。
【0002】
【従来の技術】ポリオキシアルキレングリコールは一般
式HO−[(CH2)nO]m-H(mは2以上の整数、n
は1以上の整数を表す)で示される両末端に一級水酸基
を有する直鎖ポリエーテルグリコールであり、一般的に
環状エーテルの開環重合により製造される。この中でと
くに工業的に意味を持つものは、テトラヒドロフラン
(THF)の重合反応により得られるポリオキシテトラ
メチレングリコール(PTMG)である。PTMGは一
級水酸基を両末端に持つ直鎖ポリエーテルグリコール
で、一般式HO−[(CH2)4O]p-H(pは2以上、
4000以下の整数である)で表され、伸縮性や弾力性
が要求されるウレタン系弾性繊維の原料として利用され
る中分子量の高分子が工業的に利用されている。
【0003】また、最近では熱可塑性エラストマー材の
原料としての用途もある。このような弾性繊維やエラス
トマー材の原料としての用途には、特に、数平均分子量
(Mn)で約500〜3,000程度の中分子量のPT
MGが用いられる。かかるPTMGの合成法の一つとし
て、特開平4−306228号公報、及び国特許第5,
208,385号明細書に示されている如く、SiO2-
Al23のような複合酸化物を触媒として、THFを酸
無水物の共存下に重合反応を行い、両末端がエステル化
されたポリオキシテトラメチレングリコールジエステル
(PTME)を得、しかる後に加アルコール分解(アル
コリシス)反応等によりPTMGを得る方法が提案され
ている。さらに、米国特許第5,344,964号明細
書、及び特表平6−505515号公報には、この反応
において、分子量調節あるいは反応速度増大のために酸
無水物と酸を共存させる方法が示されているが、酸無水
物に対する酸の比が高い。
【0004】また、これらの方法においては、触媒は初
期性能としては、数平均分子量500〜4,000程度
のPTMEを効率的且つ比較的狭い分子量分布で製造す
ることが可能であるが、触媒を連続的に使用してPTM
Eを製造しようとする場合に活性低下が著しい。そのた
めPTMEを長期間連続的に工業的有利に生産すること
は不可能であり、工業的に有用な方法とは言い難いもの
であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、環状エーテ
ルの開環重合によりポリオキシアルキレングリコールの
エステルを連続的に工業的に有利に製造する方法を提供
することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】一般的に、カルボン酸無
水物の存在下での環状エーテルの重合反応は、ルイス酸
点で活性化されたカルボン酸無水物への環状エーテルの
求核反応により反応が開始され、環状エーテルの連鎖成
長で反応が進行し、アセテート等への求電子反応により
反応が停止するというメカニズムである。即ち、触媒と
してはルイス酸型の触媒が有効に用いられる。例えば複
合酸化物、塩化アルミニウム、粘土化合物、ゼオライト
等は酸点として、ルイス酸点を有することは知られてい
るが(金属酸化物と複合酸化物」田部浩三編など)、こ
の重合反応の様にルイス酸点が活性点である場合、ルイ
ス酸の特性として水により触媒の活性点が被毒され、重
合活性が損なわれることに、本発明者らは注目した。
【0007】特に原料である環状エーテル自体には、水
が含まれていることが多く、例えばブタジエンを酸化的
にアセトキシ化した後、加水分解し、1,4−ブタンジ
オールを生成せしめ、このものの脱水によりテトラヒド
ロフランを得る製造プロセスにおいては、加水分解及び
脱水反応由来の水が、生成物であるテトラヒドロフラン
に混入する。この場合の水の混入量は、多くても数百p
pmのレベルであるが、これはルイス酸触媒による重合
反応を経時的に劣化させるには十分な量である。
【0008】本発明者らはこの様な触媒劣化に対する対
策を鋭意検討した結果、カルボン酸無水物に対してモル
比で1/16〜1/30,000のプロトン酸が溶解し
て反応系中に存在する条件下で開環重合反応を行うこと
が極めて有効であることを見いだした。プロトン酸が溶
解して存在すると、水よりも優先して触媒に吸着し、水
の吸着を妨げ、数百ppmの水の存在下でも重合活性の
低下を防ぐことができるものと思われる。
【0009】すなわち、本発明の要旨は、環状エーテル
とカルボン酸無水物の存在下、固体酸系重合触媒を用い
て該環状エーテルを開環重合反応させて重合物の末端の
一部又は全てがエステル化された重合組成物を得る方法
において、カルボン酸無水物に対してモル比で1/16
〜1/30,000のプロトン酸が溶解して反応系中に
存在する条件下で重合反応を行うことを特徴とする環状
エーテルの重合方法に存するものである。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明において、反応原料として
用いられる環状エーテルとしては、環の構成炭素数とし
て2〜10のものが挙げられ、具体的には、THF、エ
チレンオキサイド、プロピレンオキサイド、オキセタ
ン、テトラヒドロピラン、オキセパン、1,4ージオキ
サン等が用いられる。また、2ーメチルテトラヒドロフ
ラン等のアルキル基、ハロゲン原子等で置換された環状
エーテルも使用できる。これらの中でも特にTHFはP
TMGの原料であるため工業的に重要であり、本発明の
重合方法の原料の環状エーテルとして好適である。これ
らの反応原料は数百ppmのレベルの水を含有していて
も良い。
【0011】前述の様なルイス酸性を有する重合触媒と
しては、以下に例示するような固体酸系重合触媒を用い
るのが好ましい。 a) {Ge、Sn、Pb、B、Al、Ga、Zn、C
d、Cu、Fe、Mn、Ni、Cr、Mo、W、Ti、
Zr、Hf、Y、La、Ce、Yb、Zn、Si}から
なる群より選ばれる1種類および/又は2種類以上の酸
化物を600℃〜1100℃程度の高温で焼成処理を施
した触媒 b) Si及びAlを含有する粘土化合物、例えば、モ
ンモリロナイト、サポナイト、セピオライト、マイカ等
の粘土化合物
【0012】c) BEA、EMT、ERI、EUO、
FAU、HEU、LTA、LTL、MAZ、MOR、M
TW、NES、OFF、TONからなる群から選ばれる
構造のゼオライト類(Structure Commi
ssion of theInternational
Zeolite Associationの「ATL
AS OF ZEOLITE STRUCTURE T
YPES, Third Edition(199
2), W.M.Meier and D.H.Ols
on記載) 等が挙げられる。
【0013】これらは単独で用いても良いし、2種以上
を組み合わせることもできる。工業的に有用なPTMG
は数平均分子量として、500から4,000程度の範
囲のものが多いが、この数平均分子量はルイス酸の酸強
度に依存する傾向が見られる。即ちルイス酸強度が強い
場合、数平均分子量は低下する。ルイス酸強度は金属の
組み合わせによって規定されることが田部の理論(「金
属酸化物と複合酸化物」田部浩三編など)等によって知
られている。従って、所望の数平均分子量のPTMGを
得るには、上述のa)、b)、c)より選ばれ、かつ特
定の酸強度(ハメットの指示薬を用い、H0(ハメットの
酸度関数による酸点の強度)≦+3.3、好ましくはH
0≦−3.0)を有する触媒を用いれば良い。
【0014】本発明では、固体酸系重合触媒としてのル
イス酸型触媒としては、上記(a)の特定の金属の酸化
物又は複合酸化物(以下これらを単に「複合酸化物」と
称す)を使用するのが好ましい。この製造法としては、
{Ge、Sn、Pb、B、Al、Ga、Zn、Cd、C
u、Fe、Mn、Ni、Cr、Mo、W、Ti、Zr、
Hf、Y、La、Ce、Yb、Zn、Si}からなる群
より選ばれる2種類以上の金属の塩またはそのアルコキ
シドを含有する混合溶液に、場合によって酸、アルカ
リ、又は水を添加することにより沈澱物、あるいはゲル
を重合触媒前駆体として形成させる。沈澱またはゲルを
得る方法として共沈法、ゾルーゲル法、混練法、含浸法
などが挙げられる。適当な担体上に金属塩/又は金属ア
ルコキシドを担持させ、固相状態(実質的に水を含まな
い状態)においてアルカリやアミン等の塩基性物質を接
触させる過程を経て重合触媒前駆体を得る方法が特に有
効である。
【0015】このようにして得られた重合触媒前駆体
は、必要に応じてろ過、洗浄、乾燥を行った後、窒素、
アルゴン等の不活性ガス雰囲気、又は空気あるいは希釈
酸素ガス等の酸化性ガス雰囲気下で焼成し、所望の(複
合)酸化物を得ることができる。加熱焼成温度としては
通常600〜1150℃、好ましくは600〜1000
℃の高温で行われる。高温焼成することにより触媒の活
性、安定性が向上する。
【0016】本発明において使用するカルボン酸無水物
は、好ましくは脂肪族または芳香族の2〜12個、特に
2〜8個の炭素原子を有するポリ及び/またはモノカル
ボン酸から誘導されるものが用いられる。
【0017】例えば、脂肪族カルボン酸の無水物では、
無水酢酸、無水酪酸、無水プロピオン酸、無水吉草酸、
無水カプロン酸、無水カプリル酸、無水ペラルゴン酸等
が挙げられ、芳香族カルボン酸の無水物では、無水フタ
ル酸、無水ナフタリン酸等、脂肪族ポリカルボン酸で
は、無水コハク酸、無水マレイン酸等があげられる。こ
れらのカルボン酸無水物の中で、効果、価格及び入手の
容易さを考慮すると無水酢酸が特に好ましい。カルボン
酸無水物は、環状エーテルに対して、通常0.01〜1.
0(モル比)の範囲で添加するのが良い。この酸無水物
を使用して製造したポリオキシアルキレングリコール
は、この酸無水物とのエステルを形成し、即ちPTMG
はこの酸無水物とのエステル(PTME)で得られるの
で、このPTMEをPTMGに変換するには、加水分
解、又は加アルコール分解等の手段が必要である。
【0018】本発明において使用するプロトン酸は、反
応系中に溶解するもので、有機酸、無機酸が良い。例え
ば、有機酸としてはカルボン酸、スルホン酸、フェノー
ル類等、無機酸としては硫酸、塩酸、リン酸等が挙げら
れる。好ましくはカルボン酸が用いられる。
【0019】本発明において使用するカルボン酸は、好
ましくは脂肪族または芳香族の2〜12個、特に2〜8
個の炭素原子を有するポリ及び/またはモノカルボン酸
から選択されるものが用いられる。
【0020】例えば、脂肪族カルボン酸では、酢酸、プ
ロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、カプリル酸、
ペラルゴン酸等が挙げられ、芳香族カルボン酸では、フ
タル酸、ナフタリンカルボン酸等、脂肪族ポリカルボン
酸では、コハク酸、マレイン酸、フマル酸等があげられ
る。これらのカルボン酸の中で、効果、価格及び入手の
容易さを考慮すると酢酸が特に好ましい。カルボン酸
は、カルボン酸無水物に対して、通常モル比で1/16
〜1/30,000の範囲で存在するのが良い。これよ
り低い濃度であるとカルボン酸存在の効果が小さく、こ
れより高い濃度であると重合触媒成分の溶出、蒸留等に
よる分離・回収の負荷の増大、初期活性の低下、反応器
の腐食等の悪影響を及ぼし、品質面、経済面から好まし
くない。このカルボン酸との反応により生成したエステ
ルは所望により、加水分解、又は加アルコール分解等に
より、PTMGに変換しても良い。
【0021】本発明の重合反応時には、溶媒を使用して
も良い。該溶媒としては、開環重合に不活性な脂肪族炭
化水素、芳香族炭化水素、窒素・硫黄・酸素・ハロゲン
などのヘテロ原子を含む炭化水素類などを用いることも
できる。
【0022】反応形式は、槽型、塔型等一般に用いられ
るものが使用され、回分方式、連続方式のいずれであっ
ても良い。具体的には、環状エーテルと触媒を反応器に
仕込み、攪拌下カルボン酸無水物、プロトン酸を仕込ん
で重合させる方法(回分方式)、環状エーテルとカルボ
ン酸無水物、プロトン酸、触媒を含む反応仕込み組成液
を連続的に反応器に供給し、連続的に反応液を抜きとっ
ていく方法(連続方式)のいずれでも良い。基質供給に
対し、触媒を連続的あるいは断続的に、長時間使用する
場合に本発明の効果は大きい。
【0023】重合触媒の使用量としては、触媒の種類に
よって決定され、特に限定はないが、例えば回分型反応
器においては、触媒量が少なすぎると重合速度が遅くな
り、逆に多すぎると、重合熱の除去が困難となる。また
反応系のスラリー濃度が高くなるので、攪拌が困難とな
り、また重合反応終了後の触媒と反応液との分液にも問
題を生じ易くなる。特に、前記a)の(複合)酸化物の
重合触媒を使用した場合には、液相に対して通常0.0
01〜50重量倍、好ましくは0.01〜20重量倍の
範囲から回分反応、流通反応の反応形態を勘案して選ば
れる。但し流通反応の場合は、この使用量は、単位時間
当たりの液相の供給量に対する触媒の量を表すものであ
る。
【0024】反応温度は、通常0〜200℃、好ましく
は10〜80℃である。反応圧力は、反応系が液相を保
持できるような圧力であれば良く、通常常圧から10M
Pa、好ましくは常圧から5MPaの圧力の範囲から選
択される。反応時間は特に限定はないが、触媒量との双
方を考慮し、PTMEの収率、経済性を考慮して0.1
〜20時間の範囲、好ましくは0.5〜15時間の範囲
が好ましい。ここで言う反応時間とは、回分方式におい
ては、反応温度まで上昇した時点から反応が終了して冷
却を開始するまでの時間を示し、連続方式においては、
反応器中での反応組成液の滞留時間のことを指してい
る。
【0025】本発明方法により、生成する重合物の分子
量分布については、環状エーテルの種類によるが、例え
ばTHFを重合した場合には、数平均分子量200〜8
0,000、特に200〜40,000程度の低〜中分
子量のPTMGを得ることができる。更に、分子量分布
の狭いPTMGを容易に製造できることも特徴の一つで
ある。即ち、Mw/Mnが20未満、例えば1.0〜1
0.0のPTMGの製造ができ、工業的に需要が大きい
Mw/Mnが1.0〜4.0、さらには1.1〜3.0、特
に本発明の好ましい条件を選ぶことによって、Mw/M
nが1.1〜2.0程度の分子量分布の非常に狭いPTM
Gも得ることができる。従って、本発明によれば、工業
的に極めて利用価値が高い数平均分子量が500〜3,
000、特に700〜2,000でMw/Mnが1.1
〜3.0、特には1.1〜2.0という比較的低分子量
で、かつ分子量分布の非常に狭いPTMGを製造するこ
とができる。
【0026】前述したように、本発明では固体酸系重合
触媒としてa)の(複合)酸化物を使用することが好ま
しいが、この触媒系の特徴は未反応環状エーテル、及び
カルボン酸の回収工程、及び得られた重合体の取り出
し、及び触媒の再生が容易なことが挙げられる。例え
ば、回分反応方式の場合、反応終了後、先ず触媒と反応
液をろ過分別し、反応液より、未反応の環状エーテル、
カルボン酸無水物、カルボン酸を留去後、重合体のみを
容易に得ることができる。更に、反応後の触媒はよく洗
浄後、付着した有機物を燃焼することにより容易に活性
を回復できる。
【0027】
【実施例】以下、本発明の実施例に基づいて更に詳細に
説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の
実施例に限定されるものではない。なお、以下の実施例
において、反応時間、Mn、Mw、収率、φ/φeはそ
れぞれ次の意味を表す。
【0028】反応時間: 所定の反応温度に設定されて
いる湯浴(Water bath)に反応器を浸漬した
時を反応開始時とする。 収率(φ): 供給したTHFに対するPTMGの酢酸
エステルの重量%(尚「φ」の後ろの()内の時間は反
応時間を表し、すなわち「φ(Xhr)」はX時間後の
収率を表す。) Mn: Gel Permeation Chroma
tographyにより測定した数平均分子量。 Mw: Gel Permeation Chroma
tographyにより測定した重量平均分子量。Mw
/Mn(Xhr)はX時間後のMw/Mnを表す。 平衡収率(φe): その温度におけるPTMGの酢酸
エステルの平衡収率([化学同人刊、開環重合(1)講
座、重合反応論6、三枝武夫著、1971年5月10日
初版発行]のp171の図3.11をもとに計算し
た。)
【0029】実施例1 (重合触媒の調製)市販のSiO2担体(富士シリシア
社製品、商品名:キャリアクトQー15、10〜20メ
ッシュ)50gをオキシ硝酸ジルコニウム2水塩1.7
g、テトラエチルシリケート9.1g及び尿素5.7g
を溶解したメタノール溶液70mlに浸漬した。溶媒で
あるメタノールを60℃にて減圧留去後、得られた固体
を空気流通下、120℃まで1時間、その後800℃ま
で2時間30分かけて昇温し、800℃にて3時間保持
した後冷却した。このZrO2−SiO2触媒のイオン交
換酸量は0.005mmol/gであった。
【0030】(重合反応)この様にして調製したZrO
2−SiO2酸化物触媒を管型反応器に充填し、反応温度
40℃、テトラヒドロフラン/無水酢酸/酢酸=1/
0.0175/0.0010(モル比)、LHSV=1
(hr-1)で反応を行った。テトラヒドロフランの転化
率(φ)の低下した割合を、 活性維持率(%)= φ(200hr)/φ(20h
r)×100 とし、分子量分布の広がりの大きさを分子量分布悪化率
={Mw/Mn(200hr)}/{Mw/Mn(20
hr)}と定義すると、活性維持率=72%、分子量分
布悪化率=1.04の値が得られた。
【0031】比較例1 (重合反応)実施例1と同様に調製したZrO2−Si
2酸化物触媒を管型反応器に充填し、THF/無水酢
酸=1/0.0180(モル比)で反応を行った。この
反応の結果、活性維持率=48%、分子量分布悪化率=
1.11の値であった。
【0032】実施例2 (重合反応)実施例1と同様に調製したZrO2−Si
2酸化物触媒を還流冷却管を備えたフラスコに入れ、
触媒/テトラヒドロフラン=0.035(重量比)、テ
トラヒドロフラン/無水酢酸/酢酸=1/0.035/
0.002(モル比)で仕込み、反応温度40℃で5時
間攪拌しながら反応したところ、収率は27%、Mw/
Mnは1.9であった。
【0033】比較例2 (重合反応)実施例2と同様に、触媒/テトラヒドロフ
ラン=0.035(重量比)、テトラヒドロフラン/無
水酢酸/酢酸=1/0.024/0.024(モル比)
で仕込み反応したところ、収率は18%と低くなり、M
w/Mnは2.0と大きくなった。
【0034】
【発明の効果】本発明によれば、環状エーテルをカルボ
ン酸無水物と触媒の存在下で開環重合し、ポリオキシア
ルキレングリコールのエステルを製造する方法におい
て、触媒の分離が簡便な触媒を用い、該触媒の活性低下
等を抑えて工業的に有利な低分子量、かつ分子量分布の
狭いポリオキシアルキレングリコールを製造する方法を
提供するものである。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 環状エーテルとカルボン酸無水物の存在
    下、固体酸系重合触媒を用いて該環状エーテルを開環重
    合反応させて重合物の末端の一部又は全てがエステル化
    された重合組成物を得る方法において、カルボン酸無水
    物に対してモル比で1/16〜1/30,000のプロ
    トン酸が溶解して反応系中に存在する条件下で開環重合
    反応を行うことを特徴とする環状エーテルの重合方法。
  2. 【請求項2】 固体酸系重合触媒が、{Ge、Sn、P
    b、B、Al、Ga、Zn、Cd、Cu、Fe、Mn、
    Ni、Cr、Mo、W、Ti、Zr、Hf、Y、La、
    Ce、Yb、Zn、Si}からなる群より選ばれる元素
    の酸化物および/又は2種類以上の元素からなるルイス
    酸複合酸化物である請求項1に記載の重合方法。
  3. 【請求項3】 環状エーテルがテトラヒドロフランであ
    ることを特徴とする請求項1に記載の重合方法。
  4. 【請求項4】 カルボン酸無水物が、無水酢酸であるこ
    とを特徴とする請求項1に記載の重合方法。
  5. 【請求項5】 プロトン酸がカルボン酸であることを特
    徴とする請求項1に記載の重合方法。
  6. 【請求項6】 カルボン酸が、酢酸であることを特徴と
    する請求項5に記載の重合方法。
JP31985896A 1996-11-29 1996-11-29 環状エーテルの重合方法 Expired - Fee Related JP3533851B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP31985896A JP3533851B2 (ja) 1996-11-29 1996-11-29 環状エーテルの重合方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP31985896A JP3533851B2 (ja) 1996-11-29 1996-11-29 環状エーテルの重合方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH10158386A true JPH10158386A (ja) 1998-06-16
JP3533851B2 JP3533851B2 (ja) 2004-05-31

Family

ID=18115027

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP31985896A Expired - Fee Related JP3533851B2 (ja) 1996-11-29 1996-11-29 環状エーテルの重合方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3533851B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007029670A1 (ja) * 2005-09-06 2007-03-15 Mitsubishi Chemical Corporation ポリエーテルの製造方法及び固体酸触媒の製造方法
JP2007069110A (ja) * 2005-09-06 2007-03-22 Mitsubishi Chemicals Corp 固体酸触媒の製造方法
JP2007100073A (ja) * 2005-09-06 2007-04-19 Mitsubishi Chemicals Corp ポリエーテル製造用固体酸触媒及びポリエーテルの製造方法

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007029670A1 (ja) * 2005-09-06 2007-03-15 Mitsubishi Chemical Corporation ポリエーテルの製造方法及び固体酸触媒の製造方法
JP2007069110A (ja) * 2005-09-06 2007-03-22 Mitsubishi Chemicals Corp 固体酸触媒の製造方法
JP2007100073A (ja) * 2005-09-06 2007-04-19 Mitsubishi Chemicals Corp ポリエーテル製造用固体酸触媒及びポリエーテルの製造方法
CN102617846A (zh) * 2005-09-06 2012-08-01 三菱化学株式会社 聚醚的制造方法和固体酸催化剂的制造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP3533851B2 (ja) 2004-05-31

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CA2199644A1 (en) Method of producing polytetrahydrofurane
US4243799A (en) Polymerization of tetrahydrofuran
US5635585A (en) Polymerization of, and depolymerization to, cyclic ethers using selected metal compound catalysts
JPH06316629A (ja) 改良されたポリエステルの製造方法およびそれの生成物
JP3933747B2 (ja) 環状エーテルの重合方法
JPH10158386A (ja) 環状エーテルの重合方法
JPH04306228A (ja) ポリオキシテトラメチレングリコ−ルの製造方法
US5907054A (en) Process for the polymerization of cyclic ether
KR100635240B1 (ko) 리튬 티타닐 옥살레이트 촉매를 사용한 폴리에스테르 중축합방법
KR20010050886A (ko) 리튬 티타닐 옥살레이트 촉매를 사용한 폴리에스테르중축합 방법
KR100558707B1 (ko) 폴리테트라메틸렌 에테르 글리콜 디에스테르의 제조방법
KR100266549B1 (ko) 폴리테트라 메틸렌 에테르 글리콜의 제조법
JP2000327770A (ja) ポリオキシアルキレングリコール又はそのエステルの製造方法
JP3399137B2 (ja) ポリオキシアルキレングリコール又はそのエステルの製造方法
JP3659042B2 (ja) ポリアルキレンエーテルグリコールの製造方法
JP2005089767A (ja) 環状エーテルの重合方法
JP2004161893A (ja) ポリエーテルポリオール類の製造方法
JP3267007B2 (ja) ポリテトラメチレンエーテルグリコールの製造法
JPH03126719A (ja) ポリエステルポリオール組成物の製造方法
JPH0713138B2 (ja) ポリテトラメチレンエ−テルグリコ−ルの製法
JP3921788B2 (ja) 1,6−ヘキサンジオールの製造方法
JPS5835495B2 (ja) ホウコウゾクポリカルボンサン アリ−ルエステルノセイゾウホウ
JPH09241374A (ja) 触媒、その製造方法、及び該触媒を用いた環状エーテルの重合方法
JPH04226940A (ja) 酢酸シクロヘキシルの製造方法
JPS6366823B2 (ja)

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20031209

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20040217

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20040301

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090319

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090319

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100319

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110319

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120319

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130319

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140319

Year of fee payment: 10

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees