JPH09241374A - 触媒、その製造方法、及び該触媒を用いた環状エーテルの重合方法 - Google Patents

触媒、その製造方法、及び該触媒を用いた環状エーテルの重合方法

Info

Publication number
JPH09241374A
JPH09241374A JP4776396A JP4776396A JPH09241374A JP H09241374 A JPH09241374 A JP H09241374A JP 4776396 A JP4776396 A JP 4776396A JP 4776396 A JP4776396 A JP 4776396A JP H09241374 A JPH09241374 A JP H09241374A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
catalyst
oxide
zeolite
metallosilicate
cyclic ether
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP4776396A
Other languages
English (en)
Inventor
Toru Setoyama
亨 瀬戸山
Yoshio Kahata
良雄 加幡
Mitsuharu Kobayashi
光治 小林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Chemical Corp filed Critical Mitsubishi Chemical Corp
Priority to JP4776396A priority Critical patent/JPH09241374A/ja
Publication of JPH09241374A publication Critical patent/JPH09241374A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Polyethers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 テトラヒドロフラン(THF)などの環状エ
ーテルを重合してポリテトラメチレンエーテルグリコー
ル(PTMG)等のポリオキシアルキレングリコールエ
ーテルを製造する方法において、低分子量(数平均分子
量(Mn)が特に700〜3000)を得ることが出来
る新規な触媒、及びその製造方法、並びに該触媒を使用
した環状エーテルの重合方法。 【解決手段】 Ge、Sn、Pb、B、Al、Ga、Z
n、Cd、Cu、Fe、Mn、Ni、Cr、Mo、W、
Ti、Zr、Hf、Y、La、Ce、Yb、Zn及びS
iより選ばれる1種以上の元素の酸化物を、メタロシリ
ケートゼオライト上に担持した環状エーテル重合反応用
触媒、及び上記触媒を製造する方法、並びに環状エーテ
ルをカルボン酸無水物及び/又はカルボン酸の存在下、
該触媒を用いて重合する方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は環状エーテルを触媒
の存在下で開環重合し、ポリオキシアルキレングリコー
ルまたはそのエステルを製造する方法、並びに該方法に
使用する新規な触媒及びその製造方法に関するものであ
る。さらに詳しくは、触媒の分離が簡便な触媒とそれを
用いることにより工業的に有利な重合方法を提供するも
のである。
【0002】
【従来の技術】ポリオキシアルキレングリコールは一般
式HO−[(CH2nO]m−H(式中、mは2以上の
整数、nは1以上の整数を表す)で示される両末端に一
級水酸基を有する直鎖ポリエーテルグリコールであり、
一般的に環状エーテルの開環重合により製造される。
【0003】この中でとくに工業的に意味を持つもの
は、テトラヒドロフラン(THF)の重合反応により得
られるポリオキシテトラメチレングリコール(PTM
G)である。PTMGは一般式HOー[(CH24O]
xーH(式中、xはポリオキシテトラメチレングリコー
ルの重合度を示す)で示される一級水酸基を両末端に持
つ直鎖ポリエーテルグリコールで、伸縮性や弾力性が要
求されるウレタン系弾性繊維の原料として利用される中
分子量の高分子である。また、このPTMGは、最近で
は熱可塑性エラストマー材の原料としての用途がある。
このような弾性繊維やエラストマー材の原料としての用
途には、通常、数平均分子量(Mn)で約500〜3,
000程度のPTMGが用いられる。従って工業的に
は、主としてこの範囲の分子量のものが製造されてい
る。 この様な中分子量高分子がウレタン系弾性繊維の
原料として使用される場合、最終製品の弾力性、伸縮性
を支配する要因の一つとして、その分子量分布が狭いこ
とが要求されており、特に狭い分子量分布のPTMGを
得ることは極めて工業的に意味の大きなことである。
【0004】かかるPTMGを製造する触媒として固体
酸を用いることは分離等のプロセス上から考えれば極め
て有利な方法である。実際、THFと無水酢酸の共存下
で重合反応を行い、両末端がアセチル化された重合組成
物を得る方法は,触媒として、 1)ドイツ特許第2801792号明細書に記載されて
いる、活性漂白土を用いる方法、 2)米国特許第5208385号明細書に記載されてい
る非晶質SiO2ーAl23を用いる方法、 3)特開平6ー44134号公報に記載されている、結
晶性ゼオライト類を用いる方法等が公知である。
【0005】しかしながら、上記1)の方法においては
活性漂白土は天然のものであり、ロット間にばらつきが
あり、且つ比較的広い分子量分布の重合物しか得られな
い、2)の方法で得られる重合物は分子量分布が広い、
3)の方法では分子量が1000付近の比較的低分子量
の重合物を生成する場合には、相当狭い分子量分布の重
合が得られるが、数平均分子量(Mn)が2000以上
の比較的高分子量の重合物を得る場合には極度に分子量
分布が広がるという欠点があった。
【0006】一般的に、カルボン酸無水物の存在下での
環状エーテルの重合反応においては、ルイス酸点で活性
化されたカルボン酸無水物の環状エーテルへの求核反応
により反応が開始され、環状エーテルの連鎖成長で反応
が進行し、アセチルアニオン等への求電子反応により反
応が停止する。即ち、触媒としてルイス酸が有効である
ことは多くの場合において明らかである。ルイス酸点に
おいて、当反応の如き環状エーテル類の重合反応が進行
する場合、分子量分布(Mw/Mn:重量平均分子量/
数平均分子量)は、通常2.0以上であり、この範囲で
は特に高伸縮性、高弾性のウレタン原料としては性能と
して不足と考えられることが多い。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、環状エーテ
ルの開環重合によりポリオキシアルキレングリコール及
びそのエステルを工業的に製造するに際し、分子量分布
の狭い目的物が得られる方法を提供することを目的とす
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、特定の元素の
酸化物をゼオライト類に担持した触媒を使用することに
より、環状エーテルを重合し、極めて狭い分子量分布の
中分子量ポリアルキレンエーテルが製造できることを発
見し本発明に至った。また本発明は該重合反応に好適な
触媒と、該触媒を製造するのに適した製造方法に関する
ものもである。
【0009】すなわち本発明の第1の発明の要旨は、G
e、Sn、Pb、B、Al、Ga、Zn、Cd、Cu、
Fe、Mn、Ni、Cr、Mo、W、Ti、Zr、H
f、Y、La、Ce、Yb、Zn及びSiからなる群よ
り選ばれる1種以上の元素の酸化物を、Si/M(Si
はメタロシリケートゼオライト中のSiの含量を表し、
Mはメタロシリケートゼオライト中のSi以外の格子内
金属成分の合計を表す)比が10以上のメタロシリケー
トゼオライト上に担持した環状エーテル重合反応用触媒
に関するものである。
【0010】また本発明の第2の発明の要旨は、Ge、
Sn、Pb、B、Al、Ga、Zn、Cd、Cu、F
e、Mn、Ni、Cr、Mo、W、Ti、Zr、Hf、
Y、La、Ce、Yb、Zn及びSiからなる群より選
ばれる1種類以上の元素の塩、及び/またはそのアルコ
キシドを含有する溶液を、Si/M(Siはメタロシリ
ケートゼオライト中のSiの含量を表し、Mはメタロシ
リケートゼオライト中のSi以外の格子内金属成分の合
計を表す)比が10以上のメタロシリケートゼオライト
共存下で加水分解又は加アルコール分解することによ
り、該メタシリケートゼオライト上に、該塩又はアルコ
キシドに対応する酸化物を生成させて触媒前駆体を得る
か、又はSi/M(Siはメタロシリケートゼオライト
中のSiの含量を表し、Mはメタロシリケートゼオライ
ト中のSi以外の格子内金属成分の合計を表す)比が1
0以上のメタロシリケートゼオライト上で、Ge、S
n、Pb、B、Al、Ga、Zn、Cd、Cu、Fe、
Mn、Ni、Cr、Mo、W、Ti、Zr、Hf、Y、
La、Ce、Yb、Zn及びSiからなる群より選ばれ
る1種類以上の元素の塩、及び/又はそのアルコキシド
と、NR123(R1、R 2、R3はそれぞれ独立して水
素原子、炭素数1〜3のアルキル基、又は炭素数1〜3
のヒドロキシアルキル基を表す)で示される塩基性物質
とを固相状態で接触させて、該塩、及び/またはアルコ
キシドを対応する酸化物及び/または水酸化物に変換さ
せて触媒前駆体を得るかした後、加熱、焼成処理して、
上記第1の発明の触媒を製造する方法に関するものであ
る。
【0011】更に本発明の第3の発明の要旨は、環状エ
ーテルをカルボン酸無水物及び/又はカルボン酸の存在
下、上記第1の発明の触媒を用いて重合し、ポリオキシ
アルキレングリコール及び/又はそのエステルを製造す
る環状エーテルの重合方法に存する。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明の触媒は、(a)Ge、Sn、Pb、B、
Al、Ga、Zn、Cd、Cu、Fe、Mn、Ni、C
r、Mo、W、Ti、Zr、Hf、Y、La、Ce、Y
b、Zn及びSiからなる群より選ばれる1種類および
/又は2種類以上の元素の酸化物を、(b)Si/M
(Siはメタロシリケートゼオライト中のSiの含量を
表し、Mはメタロシリケートゼオライト中のSi以外の
格子内金属成分の合計を表す)比が10以上であるメタ
ロシリケートゼオライト類に担持した触媒である。
【0013】上記(a)の酸化物は、1種類の元素の酸
化物が触媒の構成成分として含有されていれば良く、2
種類以上の元素の酸化物が含有されていても良い。但し
本発明においては、(a)の酸化物が少なくともSiを
含む複数の元素の複合酸化物であるのが好ましい。担体
に使用されるゼオライト類は、一般的に結晶性酸化物で
あって、その特性上優れた耐熱性を有していることは言
うまでもないが、後述するように本発明においては、メ
タロシリケートゼオライト上で200℃以上の高温で、
好ましくは400〜1500℃の温度範囲内で加熱、焼
成処理して触媒の主たる活性点である(a)の酸化物を
発現させる場合があるので、メタロシリケートゼオライ
ト類の耐熱性は重要である。一般的にはSi以外の構成
成分である金属種の割合が少ないメタロシリケートゼオ
ライト類ほど、高い耐熱性を有することが知られてい
る。一般的にはSi/Mが10以上であれば、高い耐熱
性を有する。
【0014】本発明では、Si/M比が10以上、好ま
しくは20以上のメタロシリケートゼオライト類を使用
すれば良い。この本発明で使用するメタロシリケートゼ
オライト類としては、「Atlas of Zeoli
te StructureTypes(3rd Edi
tion、 W.M.Meier、D.H.Olson
著)」に記載のゼオライト群から選ばれるメタロシリケ
ートゼオライトであり、且つSi/M比が10以上にお
いて、その構造が維持されているものである。具体的に
は、MFI、BEA、EMT、ERI、EVO、FA
U、HEV、LTA、LTL、MAZ、MOR、MT
W、NES、OFF、TON等が挙げられる。
【0015】また、Si/M比が10以下のメタロシリ
ケートゼオライトを公知の手段で処理する等して、Si
/M比が10以上のメタロシリケートゼオライトを調製
して使用してもよい。この方法としては、(1)水熱合
成段階で、有効なテンプレート類(例えば有機アミン
類、四級アンモニウム塩等)を使用すること、(2)有
機酸及び/または無機酸(例えば塩酸、硫酸、硝酸など
の鉱酸)を用いてメタロシリケートゼオライト類に含
浸、洗浄、必要に応じて加熱処理して、Mをゼオライト
骨格から除去する方法、(3)メタロシリケートゼオラ
イトをスチーム共存下(空気あるいは不活性ガスに、好
ましくは1モル%以上、より好ましくは10モル%以上
の量の水を同伴する)で200〜1000℃の高温で熱
処理する方法、或いは(4)四塩化珪素(SiCl4
を室温から600℃の高温気相状態でメタロシリケート
ゼオライト類と接触させる方法等が知られているが、こ
れらに限定されない。
【0016】具体的には、市販のNa型モルデナイト
(MOR)をイオン交換してH型としたのち、600〜
700℃の高温下スチーム処理し、続いて塩酸で処理し
てアルミニウムを抽出する方法等が挙げられる。この処
理時間や処理温度を変えることにより、Si/M比を調
整することができる。これらのメタロシリケートゼオラ
イトに、(a)の酸化物を担持することによって本発明
に有効な触媒を製造することができる。その担持方法に
は特に制限はないが、(a)の酸化物が形成される段階
において、上記メタロシリケートゼオライト類が共存し
ているのが良い。
【0017】具体的には、(a)の酸化物は、(a)に
示された構成元素の各種の塩、例えば、硝酸塩、オキシ
硝酸塩、硫酸塩、酢酸塩等のカルボン酸塩、オキシ塩酸
塩、ハロゲン化物等、またはメトキシド、エトキシド、
イソプロポキシド、ブトキシド等の低級アルコキサイド
を原料とするのが良い。このような塩やアルコキサイド
の例としては、アルミニウムでは硝酸アルミニウム、酢
酸アルミニウム、アルミニウムイソプロポキシドなど、
ガリウムでは硝酸ガリウム、ジルコニウムではオキシ硝
酸ジルコニウム(ZrO(NO32)、ジルコニウムオ
キシクロライド(ZrOCl2)、ジルコニウムブトキ
シドなど、チタンでは四塩化チタン、チタニウムイソプ
ロポキシド、チタニウムブトキシドなど、ハフニウムで
はハフニウムオキシクロライド(HfOCl2)、Sn
(OC374、B(OC373などが挙げられる。も
ちろん、ここに挙げられていない(a)の元素で上記に
対応する塩やアルコキサイドも使用できることは言うま
でもない。
【0018】この(a)の酸化物の原料は、活性点とし
ての(a)の酸化物をどのような元素の酸化物にするか
によって、1種類、或いは2種類以上選択される。
(a)の特定の元素が複数の場合は原料もそれに応じた
複数種使用するのは当然であるが、酸化物が1種類の元
素の酸化物の場合でも、例えばその元素の塩、又はアル
コキサイド等を複数種組み合わせて使用しても良い。
【0019】本発明では、(a)の酸化物が、少なくと
もSiを構成元素として含む2種以上の元素の複合酸化
物であるのが好適である。Siの酸化物(SiO2)原
料は、例えば市販のSiO2、水ガラス、シリカゾルで
も良いし、あるいはSi(OR)4(ただし、Rは炭素
数1〜4のアルキル基)で表されるアルコキシシラン類
(具体的には、Si(OCH34、Si(OC
254、Si(OーC37(i))4等)でも良く、また
アルコキシドのオリゴマーも、その取り扱い上の安全性
の点から、好ましく用いられる。
【0020】本発明において、(a)の酸化物が、Si
を構成元素として含む複合酸化物である場合は、上記
(a)の特定の元素のうち、Si以外の元素の原料が、
Siに対して0.1〜40モル%の領域で添加される。
更に好ましくは0.5〜25モル%の範囲で添加され
る。この割合より小さいと、反応速度が小さく、反応の
進行が極めて遅く、またこれより大きいと、触媒の物性
として不満足なものが得られることが多い。
【0021】触媒の製造方法の具体例としては、触媒前
駆体として、(I)上記(a)に示した元素のうち、1
種類以上の元素の塩、及び/またはそのアルコキシドを
含有する、好ましくは水、メタノール、エタノール、イ
ソプロパノール、エチレングリコール等のアルコール
類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等の
アミド類、アセトン等のケトン類から選ばれる溶媒を含
む溶液をメタロシリケートゼオライト共存下で加水分解
又は加アルコール分解することにより、該メタシリケー
トゼオライト上に、上記塩又はアルコキシドに対応する
(a)の酸化物を生成させる方法、(II)メタロシリケ
ートゼオライト上で、(a)に示した元素の1種類以上
の元素の塩、及び/又はそのアルコキシドと、NR12
3(式中、R1、R2、R3はそれぞれ独立して水素原
子、炭素数1〜3のアルキル基、又は炭素数1〜3のヒ
ドロキシアルキル基を表す)で示されるアンモニア又は
有機アミン類等の塩基性物質とを固相状態で接触させ
て、該塩、及び/またはアルコキシドを対応する酸化物
及び/または水酸化物に変換させる方法で製造し、これ
を加熱、焼成処理して目的の触媒とする方法が有効であ
る。
【0022】上記(I)の前駆体の製造方法において、
塩又はアルコキシドを溶液とする際に使用される溶媒の
使用量は、(a)の酸化物の原料に対して、0.1〜4
0倍容量、好ましくは0.5〜20倍容量である。これ
以下の溶媒の使用量では、触媒の物性として不満足なも
のが得られることが多く、またこれ以上の溶媒の使用量
では、触媒前駆体が得られるまでに、長時間を要し、製
造プロセス上好ましくない。又、(a)の酸化物の原料
として、塩が用いられる場合は、該塩を溶解させるに足
る水を添加することができる。該塩が溶解していない場
合は、溶解していない塩が凝集した状態で加水分解が起
こり、得られた触媒中において酸化物の分散状態が悪く
なり高い活性が得られない。また複数の元素の塩を使用
した場合には、双方の塩同士がうまく複合化せず、複数
元素使用のメリットが得られない。また水の添加量が多
すぎると、触媒前駆体が得られるまで長時間を要した
り、触媒の物性として不満足なものが得られることが多
く好ましくない。
【0023】また(I)の製造方法においては、このよ
うな塩又はアルコキシドの溶液をメタロシリケートゼオ
ライト存在下で、適宜酸、またはアルカリを加えて、加
水分解により触媒前駆体を得るが、加える酸としては、
硝酸、硫酸、塩酸、酢酸等の酸、アルカリとしては、ア
ンモニア水、尿素、水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ム、炭酸ナトリウム等が挙げられる。その使用量につい
ては、特に制限はないが、加える量が少なすぎると加水
分解が起らず、また加える量が多すぎると、塩が再溶解
したり、加水分解反応が暴走、大きな発熱が起り易くな
り好ましくない。例えば28重量%アンモニア水溶液の
場合、(a)の酸化物原料に対し、1〜100容量%、
好ましくは5〜50容量%添加することができる。また
これらの酸、またはアルカリは前述の(a)の酸化物の
原料を含む溶液に連続的に添加することもできるし、間
欠的に添加することもできる。
【0024】一方、(II)の触媒前駆体の製造方法におい
ては、上記(a)の酸化物原料の塩又はアルコキシド
は、溶液として、担体のメタロシリケートゼオライトに
含浸させ、溶媒を留去して担体上に分散担持させる。こ
の時原料として塩を使用する場合は、水を溶媒とし、該
塩をその飽和溶解濃度以下に溶解した溶液を使用する。
また、アルコキシドを原料として使用する場合は、水を
溶媒とせず、メタノール、エタノール等のアルコール類
やアセトン、ジメチルホルムアミド等の極性有機溶媒に
溶解した溶液を使用する。この場合、加水分解に必要な
水は、極性有機溶媒や担体に含まれるたげの量で十分な
場合もあるが、必要に応じて原料のアルコキシドに見合
った量等を添加しても良い。
【0025】水を使用しない理由としては、該アルコキ
シドが容易に加水分解される為、担体のメタロシリケー
トゼオライト、又は(a)の酸化物が複数の元素の場合
には、複数の酸化物同士の相互作用が起きる前に加水分
解されてしまい、担体上での酸化物の分散が十分でなく
なったり、不溶物が析出したり、複数の元素間の複合化
が起きず、複数元素使用のメリットが得られないため、
好ましくない。
【0026】また、使用する塩の水溶性が極めて低い場
合にも、水が溶媒として使用できないケースがある。こ
の場合にも、アルコキシドの溶解に使用した溶液を使用
すれば良い。このように、水以外の上記の極性有機溶媒
を用いる場合、室温から溶媒の沸点以下の温度で、アル
コキシド又は水に不溶の塩等を溶解して用いる。この場
合、微量の水でも、加水分解の触媒として作用すること
があるので、なるべく水の混入の少ない溶媒を用いるこ
と、不活性ガス雰囲気中で操作するといったことが必要
である。
【0027】担体への(a)の酸化物原料の担持量は任
意であるが、通常担体に対する(a)の酸化物の担持量
が0.01〜50重量%の範囲となるように使用するの
が良い。(a)の酸化物の原料と塩基性物質とを接触す
る方法としては、固相状態であれば限定されない。ここ
で固相状態とは、実質的に液相が存在しない状態、すな
わち金属塩が溶解状態にないことを意味する。ここでは
実質的に無水状態を意味するものではない。むしろ少量
の水は、加水分解の際に必要であり、担体の吸着水、
(a)の原料の塩の配位水、又は雰囲気中の水蒸気等、
系内に存在する非液相状態の極微量の水は、この加水分
解反応に必要である。例えば、(a)の酸化物の原料と
して塩の溶液を使用した場合、メタロシリケートゼオラ
イト担体に含浸後、溶媒を除去する工程において、10
0℃以上の温度で、長時間、真空排気、または不活性ガ
ス雰囲気下で乾燥した上で、塩基性物質と接触させて
も、(a)の酸化物の担体上での分散状態は不十分な場
合が多い。即ち、担体上での(a)の酸化物、又は水酸
化物の分散状態が良好なものを得るためには、酸化物表
面の水酸基の数の100倍以下、かつ塩の飽和配位水数
の10倍以下程度の水分子が反応系内に存在しているこ
とが好ましい。
【0028】具体的な接触方法の例としては、(a)の
酸化物と熱により塩基性物質を生成する物質(塩基性物
質前駆体)とを加熱下で反応させる方法が挙げられる。
すなわち、(a)の酸化物の原料の塩又はアルコキシド
と一緒に、熱により塩基性物質を生成する塩基性物質前
駆体を担持したのち、熱処理する方法、又は該塩又はア
ルコキシドを別個に担体に担持したのち、熱処理する方
法のいずれも実施できる。(a)の酸化物の原料である
塩、あるいはアルコキシドは、担体のメタロシリケート
ゼオライトに含浸した後、これらを溶解していた溶媒を
ろ過、乾燥、蒸留溜去といった手法により除去するなど
して、該担体上に固相状態で一旦分散させるのが好まし
い。固相状態では塩、あるいはアルコキシドは極めて低
い移動度(mobility)しか持ち得ない為、それ
が存在した近傍においてしか加水分解を起こし得ず、水
酸化物の凝集したゲルが生成しにくいため、(a)の酸
化物がメタロシリケートゼオライト上に高分散状態で担
持される。
【0029】熱により塩基性物質を生成する物質(塩基
性物質前駆体)とは、熱分解によって該物質を構成する
元素間の化学結合が切断され、その分解後物質として上
記のNR123で示されるようなアンモニアやアミン
類等の塩基性物質を生成する物質であり、例えば尿素、
チオ尿素等のアルキル尿素類、或いは各種アミノ酸類の
ようなアミノ基とカルボキシル基を1分子中に共有して
いる化合物が挙げられる。これらの塩基性物質前駆体の
担持量は、塩又はアルコキシドから理論的に生成し得る
水酸化物の水酸基1モルに対し、該塩基性物質前駆体か
ら理論的に生成し得る塩基性物質が10モルまでの範囲
である。10モルより多量に用いても良いが、格別の利
点はなく、経済的ではない。生成する水酸化物の水酸基
1モルに対し、生成する塩基性物質が0.1〜5モルの
範囲となるように、塩基性物質前駆体を担持させるのが
好ましい。
【0030】上記のようにして、(a)の酸化物の原料
と塩基性物質前駆体とを担体に担持したのち、加熱する
ことにより、塩基性物質前駆体が容易に分解してアンモ
ニアやアミン類の塩基性物質を生成し、系内の微量の水
と一緒になって、(a)の酸化物原料の塩やアルコキシ
ドを対応する水酸化物又は酸化物に加水分解して、該
塩、及び/またはアルコキシドを対応する酸化物及び/
または水酸化物に変換させる。この加熱温度は、塩基性
物質前駆体自体の分解温度より10〜100℃程度低い
温度で行うことが可能である。この理由は必ずしも明ら
かでないが、加水分解により生成する水酸化物、或いは
酸化物が熱分解反応の触媒として作用し、分解温度より
もかなり低い温度で加水分解が進行するのではないかと
考えられる。例えば尿素の場合は100℃以上である。
【0031】また塩基性物質としては、熱により分解し
て塩基性物質を生成するものでなく、直接ガス状の塩基
性物質、例えばアンモニア、アミン類等を使用し、これ
を窒素等の不活性ガスの共存下、あるいは非共存下に直
接塩、又はアルコキシドと接触させても良い。ガス状の
塩基性物質を直接接触させる方法においては、使用する
塩基性物質の量は、総量として(a)の原料とする塩、
又はアルコキシドの0.1倍以上(モル基準)であれば
十分であり、好ましくは、0.1〜5.0モル倍の範囲
で用いるのが良い。該塩基性物質のガスはその供給速度
が早すぎると、急激な発熱反応が起こるため、担体上で
酸化物が均一に分散しにくくなり、触媒性能に悪影響を
もたらす場合もあるので、特に注意すべきである。
【0032】上述のようにして調製された触媒前駆体
は、いずれも漉過、洗浄、及び乾燥後、窒素、ヘリウ
ム、アルゴン等の不活性ガス雰囲気下、又は空気あるい
は希釈酸素ガス等の酸化性ガス雰囲気下で焼成し、所望
の触媒を得ることができる。加熱焼成温度としては、通
常200〜1300℃、好ましくは400〜1150℃
の温度で行なわれる。
【0033】本発明の製造方法において使用するカルボ
ン酸無水物は、好ましくは脂肪族または芳香族の2〜1
2個、特に2〜8個の炭素原子を有するポリ及び/また
はモノカルボン酸から誘導されるものが用いられ、特に
はモノカルボン酸が好ましいる。本発明において、環状
エーテルとしては、環の構成炭素数として、2〜10の
ものが挙げられ、具体的には、THF、エチレンオキサ
イド、プロピレンオキサイド、オキセタン、テトラヒド
ロピラン、オキセパン、1,4ージオキサン等が用いら
れる。また、2ーメチルテトラヒドロフラン等のアルキ
ル基、ハロゲン原子等で置換された環状エーテルも使用
できる。これらの中でも特にTHFは好適に用いられ
る。
【0034】本発明の製造方法において使用するカルボ
ン酸又はその無水物は、好ましくは脂肪族または芳香族
の2〜12個、特に2〜8個の炭素原子を有するポリ及
び/またはモノカルボン酸、又はそれから誘導されるも
のが用いられ、特にはモノカルボン酸又はそれから誘導
されるものが好ましい。例えば、脂肪族モノカルボン酸
の無水物は、無水酢酸、無水酪酸、無水プロピオン酸、
無水バレリアン酸、無水カプロン酸、無水カプリル酸、
無水ペラルゴン酸等が挙げられ、脂肪族モノカルボン酸
は、これらに対応するカルボン酸が挙げられる。芳香族
カルボン酸の無水物では、無水フタル酸、無水ナフタル
酸等の芳香族ポリカルボン酸の無水物が挙げられ、芳香
族カルボン酸としては、これらに対応するカルボン酸が
挙げられる。脂肪族ポリカルボン酸無水物では、無水コ
ハク酸、無水マレイン酸等があげられ、脂肪族ポリカル
ボン酸としては、これらに対応するポリカルボン酸が挙
げられる。これらのカルボン酸、又はその無水物として
は、価格及び入手の容易さを考慮すると無水酢酸が特に
好ましい。カルボン酸又はその無水物は、環状エーテル
に対して、通常0.01〜1.0(モル比)の範囲で添加
される。但しこのカルボン酸又はその無水物を使用した
場合は、THFを重合すると、PTMGとこれらのカル
ボン酸酸とのエステル(PTME)を生成するので、P
TMGを得るためには、このPTMEを加水分解、又は
加アルコール分解することが必要である。
【0035】更に、本発明においては、反応系中には重
合の行きすぎを防ぎ、分子量分布を調節する助剤として
極性溶媒を添加することも可能であり、具体的には水、
メタノール、エタノール、イソプロパノール、エチレン
グリコール、1,4ーブタンジオール等のアルコール
類、ホルムアミド、ジメチルホルムアミド、ジメチルア
セトアミド等を添加することができる。この様な助剤
は、環状エーテルに対して、通常10-4〜0.5(モル
比)の範囲で添加される。
【0036】重合反応時に使用される触媒量としては特
に限定はないが、例えば回分型反応器においては、触媒
量が少なすぎると重合速度が遅くなり、逆に多すぎる
と、重合熱の除去が困難となる。また反応系におけるス
ラリー濃度が高くなるので、攪拌が困難となり、重合反
応終了後の分液にも問題を生じ易くなる。従って、液相
に対して、通常0.001〜50重量倍、好ましくは0.
01〜20重量倍の範囲から、回分反応、又は流通反応
の反応形態を勘案して選ばれる。但し流通反応の場合
は、この触媒量は、単位時間当たりの液相の供給量に対
する触媒の量を表す。
【0037】また反応温度は、通常0〜200℃、好ま
しくは10〜80℃である。反応圧力は、反応系が液相
を保持できるような圧力であれば良く、通常常圧から1
00kG、好ましくは常圧から50kGの圧力の範囲か
ら選択される。反応時間は特に限定はないが、触媒量を
考慮し、かつPTMEの収率、経済性を考慮して0.1
〜20時間の範囲、好ましくは0.5〜15時間の範囲
が好ましい。ここで言う反応時間とは、回分方式におい
ては、反応温度まで上昇した時点から反応が終了して冷
却を開始するまでの時間を示し、連続方式においては、
反応器中での反応組成液の滞留時間のことを指してい
る。反応形式は、槽型、塔型等一般に用いられるものが
使用され、回分方式、連続方式のいずれであっても良
い。
【0038】具体的には、環状エーテルと触媒を反応器
に仕込み、これを攪拌下、カルボン酸又はその無水物を
連続的に仕込んで重合させる方法(回分方式)、環状エ
ーテルとカルボン酸又はその無水物と、触媒を含む反応
仕込み組成液を連続的に反応器に供給し、連続的に反応
液を抜きとっていく方法(連続方式)のいずれでも良
い。
【0039】本発明方法により、重合反応により生成す
るポリオキシアルキレングリコールの分子量分布につい
ては、環状エーテルの種類によりその分布位置が異なる
為、一般性を持たせて特徴を述べるのは難しい。そこで
代表的なTHFの重合反応について述べる。即ちTHF
を重合した場合には、数平均分子量200〜8000
0、特に200〜40000程度の低分子量のPTMG
を容易に得ることができる。更に、分子量分布(Mw/
Mn)の狭いPTMGを容易に製造できることも特徴の
一つである。即ち、Mw/Mnが20未満、例えば1.
0〜10.0のPTMGの製造も容易である。工業的に
は分子量分布が特に小さいPTMGの需要が大きいが、
本発明によればMw/Mnが1.0〜4.0、さらには
1.1〜3.0のPTMGを容易に製造できる。所望なら
ばMw/Mnが1.1〜2.0程度の分子量分布の非常に
狭いPTMGも得ることができる。従って、本発明によ
れば数平均分子量が500〜3000、特に700〜2
000でMw/Mnが1.1〜3.0という比較的低分子
量で、かつ分子量分布の非常に狭いPTMGを製造する
ことができる。
【0040】この触媒系の特徴は未反応環状エーテル、
及びカルボン酸又はその無水物の回収工程、及び得られ
た重合体の取りだし、及び触媒の再生が容易なことが挙
げられる。即ち、例えば、回分反応方式の場合、反応終
了後、先ず触媒と反応液を漉過分別し、反応液より、未
反応の環状エーテル、カルボン酸又はその無水物を溜去
後、重合体のみを容易に得ることができる。更に、反応
後の触媒はよく洗浄後、付着した有機物を燃焼すること
により容易に活性を回復できる。
【0041】本発明で使用する触媒は、いわゆるルイス
酸触媒として作用していると考えられ、反応初期の高分
子量体の開重合により中程度の分子量の重合体が生成す
るという反応形式の強酸型の触媒と異なり、反応の連鎖
成長のみにより中程度の分子量の重合体が生成するもの
と思われる。
【0042】
【実施例】以下、本発明の実施例に基づいて更に詳細に
説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の
実施例に限定されるものではない。なお、以下の実施例
において、反応時間、Mw、Mw、収率、φ/φeはそ
れぞれ次の意味を表す。
【0043】反応時間: 所定の反応温度に設定されて
いる湯浴(Water bath)に反応器を浸漬した
時を反応開始とする。 収率(φ): 供給したTHFに対するPTMG又はP
TMGの酢酸エステルの重量% Mn: Gel Permeation Chroma
tographyにより測定した数平均分子量 Mw: Gel Permenation Chrom
atographyにより測定した重量平均分子量 平衡収率(φe): その温度におけるPTMG又はP
TMGの酢酸エステルの平衡収率(化学同人刊、開環重
合(1)講座、重合反応論6、三枝武夫著、1971年
5月10日初版発行のp171の図3.11をもとに計
算した。)
【0044】[実施例1]テトラエトキシシラン9.2
g、オキシ硝酸ジルコニウム二水塩12.1g及び尿素
4.8gを溶解した70mlのメタノール溶液に、あら
かじめ45vol%の水蒸気を同伴した空気気流下87
0℃で3時間焼成したゼオライトβ(Si/Al2=2
5、PQコーポレーション製品)50gを浸析する。溶
媒であるメタノールを60℃にて減圧留去後、得られた
乾燥固体を空気流通下、120℃まで1時間、その後8
00℃まで2時間30分で昇温し、800℃にて3時間
保持した後冷却した。この様にして調製したZrO2
SiO2/βを触媒として、反応温度40℃、触媒/テ
トラヒドロフラン/無水酢酸=1/28.6/0.72
(重量比)で5時間反応を行った。その結果、 THF転化率=28% Mn=1850 Mw/Mn=1.8 が得られた。
【0045】[比較例1]45vol%の水蒸気を同伴
した空気気流下、870℃で3時間焼成したゼオライト
β(Si/Al=25、PQコーポレーション製品)を
触媒として、反応温度40℃、触媒/テトラヒドロフラ
ン/無水酢酸=1/28.6/0.72(重量比)で5
時間反応を行った。その結果、 THF転化率=26% Mn=1751 Mw/Mn=2.5 が得られた。
【0046】[実施例2]テトラエトキシシラン9.2
g、オキシ硝酸ジルコニウム二水塩12.1g及び尿素
4.8gを溶解した70mlのメタノール溶液に、高シ
リカモルデナイト(MOR)粉末50g(Si/Al2
=35、NEケムキャット社製品)を浸析する。溶媒で
あるメタノールを60℃にて減圧留去後、得られた乾燥
固体を空気流通下、120℃まで1時間、その後800
℃まで2時間30分で昇温し、800℃にて3時間保持
した後冷却した。この様にして調製したZrO2−Si
2/MORを触媒として、反応温度40℃、触媒/テ
トラヒドロフラン/無水酢酸=1/28.6/0.72
(重量比)で5時間反応を行った。その結果、 THF転化率=9% Mn=1960 Mw/Mn=2.2 が得られた。
【0047】[比較例2]800℃で空気気流下、3時
間焼成したモルデナイト粉末(Si/Al=35、NE
ケム社製品)を触媒として、反応温度40℃、触媒/テ
トラヒドロフラン/無水酢酸=1/28.6/0.72
(重量比)で5時間反応を行った。その結果、 THF転化率=8% Mn=2110 Mw/Mn=5.7 が得られた。
【0048】
【発明の効果】本発明の方法は、特にTHFを重合して
PTMGを製造するのに好適な方法であり、工業的に価
値のある、数平均分子量(Mn)が500〜4000、
特に700〜3000の低分子量で、かつ分子量分布の
狭いPTMGを得ることが出来る。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Ge、Sn、Pb、B、Al、Ga、Z
    n、Cd、Cu、Fe、Mn、Ni、Cr、Mo、W、
    Ti、Zr、Hf、Y、La、Ce、Yb、Zn及びS
    iからなる群より選ばれる1種以上の元素の酸化物を、
    Si/M(Siはメタロシリケートゼオライト中のSi
    の含量を表し、Mはメタロシリケートゼオライト中のS
    i以外の格子内金属成分の合計を表す)比が10以上の
    メタロシリケートゼオライト上に担持した環状エーテル
    重合反応用触媒。
  2. 【請求項2】 メタロシリケートゼオライト上に担持さ
    れる酸化物が、少なくともSiを含む2種以上の元素の
    複合酸化物である請求項1記載の環状エーテル重合反応
    用触媒。
  3. 【請求項3】 Ge、Sn、Pb、B、Al、Ga、Z
    n、Cd、Cu、Fe、Mn、Ni、Cr、Mo、W、
    Ti、Zr、Hf、Y、La、Ce、Yb、Zn及びS
    iからなる群より選ばれる1種類以上の元素の塩、及び
    /またはそのアルコキシドを含有する溶液を、Si/M
    (Siはメタロシリケートゼオライト中のSiの含量を
    表し、Mはメタロシリケートゼオライト中のSi以外の
    格子内金属成分の合計を表す)比が10以上のメタロシ
    リケートゼオライト共存下で加水分解又は加アルコール
    分解することにより、該メタシリケートゼオライト上
    に、該塩又はアルコキシドに対応する酸化物を生成させ
    て得られる触媒前駆体を加熱、焼成処理する、Ge、S
    n、Pb、B、Al、Ga、Zn、Cd、Cu、Fe、
    Mn、Ni、Cr、Mo、W、Ti、Zr、Hf、Y、
    La、Ce、Yb、Zn及びSiからなる群より選ばれ
    る1種以上の元素の酸化物を、Si/M(Siはメタロ
    シリケートゼオライト中のSiの含量を表し、Mはメタ
    ロシリケートゼオライト中のSi以外の格子内金属成分
    の合計を表す)比が10以上のメタロシリケートゼオラ
    イト上に担持した環状エーテル重合反応用触媒の製造方
    法。
  4. 【請求項4】 Si/M(Siはメタロシリケートゼオ
    ライト中のSiの含量を表し、Mはメタロシリケートゼ
    オライト中のSi以外の格子内金属成分の合計を表す)
    比が10以上のメタロシリケートゼオライト上で、G
    e、Sn、Pb、B、Al、Ga、Zn、Cd、Cu、
    Fe、Mn、Ni、Cr、Mo、W、Ti、Zr、H
    f、Y、La、Ce、Yb、Zn及びSiからなる群よ
    り選ばれる1種類以上の元素の塩、及び/又はそのアル
    コキシドと、NR123(R1、R 2、R3はそれぞれ独
    立して水素原子、炭素数1〜3のアルキル基、又は炭素
    数1〜3のヒドロキシアルキル基を表す)で示される塩
    基性物質とを固相状態で接触させて、該塩、及び/また
    はアルコキシドを対応する酸化物及び/または水酸化物
    に変換させて得られた触媒前駆体を加熱、焼成処理し
    て、Ge、Sn、Pb、B、Al、Ga、Zn、Cd、
    Cu、Fe、Mn、Ni、Cr、Mo、W、Ti、Z
    r、Hf、Y、La、Ce、Yb、Zn及びSiからな
    る群より選ばれる1種以上の元素の酸化物を、Si/M
    (Siはメタロシリケートゼオライト中のSiの含量を
    表し、Mはメタロシリケートゼオライト中のSi以外の
    格子内金属成分の合計を表す)比が10以上のメタロシ
    リケートゼオライト上に担持した環状エーテル重合反応
    用触媒を製造する方法。
  5. 【請求項5】 前記メタロシリケートゼオライトに前記
    塩又はアルコキシドを含浸させ、溶媒を留去して担体上
    に分散担持したのち、塩基性物質と接触させる請求項4
    の環状エーテル重合反応用触媒を製造する方法。
  6. 【請求項6】 塩基性物質との接触方法として、熱によ
    り塩基性物質を生成する塩基性物質前駆体と、前記塩又
    はアルコキシドとを、該塩基性物質前駆体が塩基性物質
    を生成する温度に加熱した条件下で反応させる請求項4
    の環状エーテル重合反応用触媒を製造する方法。
  7. 【請求項7】 環状エーテルをカルボン酸無水物及び/
    又はカルボン酸の存在下、重合触媒を用いて重合し、ポ
    リオキシアルキレングリコール及び/又はそのエステル
    を製造するにあたり、重合触媒として、、Ge、Sn、
    Pb、B、Al、Ga、Zn、Cd、Cu、Fe、M
    n、Ni、Cr、Mo、W、Ti、Zr、Hf、Y、L
    a、Ce、Yb、Zn及びSiからなる群より選ばれる
    1種以上の元素の酸化物を、Si/M(Siはメタロシ
    リケートゼオライト中のSiの含量を表し、Mはメタロ
    シリケートゼオライト中のSi以外の格子内金属成分の
    合計を表す)比が10以上のメタロシリケートゼオライ
    ト上に担持した触媒を用いることを特徴とする環状エー
    テルの重合方法。
  8. 【請求項8】 酸化物が少なくともSiを含む複数の元
    素の複合酸化物であることを特徴とする請求項7に記載
    の環状エーテルの重合方法。
JP4776396A 1996-03-05 1996-03-05 触媒、その製造方法、及び該触媒を用いた環状エーテルの重合方法 Pending JPH09241374A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4776396A JPH09241374A (ja) 1996-03-05 1996-03-05 触媒、その製造方法、及び該触媒を用いた環状エーテルの重合方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4776396A JPH09241374A (ja) 1996-03-05 1996-03-05 触媒、その製造方法、及び該触媒を用いた環状エーテルの重合方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH09241374A true JPH09241374A (ja) 1997-09-16

Family

ID=12784422

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP4776396A Pending JPH09241374A (ja) 1996-03-05 1996-03-05 触媒、その製造方法、及び該触媒を用いた環状エーテルの重合方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH09241374A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100558707B1 (ko) * 1999-11-16 2006-03-10 주식회사 효성 폴리테트라메틸렌 에테르 글리콜 디에스테르의 제조방법
WO2007029670A1 (ja) * 2005-09-06 2007-03-15 Mitsubishi Chemical Corporation ポリエーテルの製造方法及び固体酸触媒の製造方法
JP2007069110A (ja) * 2005-09-06 2007-03-22 Mitsubishi Chemicals Corp 固体酸触媒の製造方法
JP2007100073A (ja) * 2005-09-06 2007-04-19 Mitsubishi Chemicals Corp ポリエーテル製造用固体酸触媒及びポリエーテルの製造方法
CN118165250A (zh) * 2024-05-14 2024-06-11 上海迪阳化学技术有限公司 一种催化环醚聚合的复合催化剂及其制备方法和应用

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100558707B1 (ko) * 1999-11-16 2006-03-10 주식회사 효성 폴리테트라메틸렌 에테르 글리콜 디에스테르의 제조방법
WO2007029670A1 (ja) * 2005-09-06 2007-03-15 Mitsubishi Chemical Corporation ポリエーテルの製造方法及び固体酸触媒の製造方法
JP2007069110A (ja) * 2005-09-06 2007-03-22 Mitsubishi Chemicals Corp 固体酸触媒の製造方法
JP2007100073A (ja) * 2005-09-06 2007-04-19 Mitsubishi Chemicals Corp ポリエーテル製造用固体酸触媒及びポリエーテルの製造方法
CN102617846A (zh) * 2005-09-06 2012-08-01 三菱化学株式会社 聚醚的制造方法和固体酸催化剂的制造方法
CN118165250A (zh) * 2024-05-14 2024-06-11 上海迪阳化学技术有限公司 一种催化环醚聚合的复合催化剂及其制备方法和应用

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101006273B1 (ko) 메조공성 또는 메조공성/미세공성 혼합 무기 산화물의제조방법
JP5806314B2 (ja) 脂肪酸アルキルエステルのアルコキシ化法
JPH09241374A (ja) 触媒、その製造方法、及び該触媒を用いた環状エーテルの重合方法
JP2000500478A (ja) アルキレングリコールの製造方法
CN106966862B (zh) 一种同时制备丙二醇和碳酸丙烯酯的方法
CN105330832B (zh) 一种环氧基封端丁醇聚氧乙烯聚氧丙烯醚的合成方法
CN104525244A (zh) 一种合成碳酸二甲酯无氯CuY催化剂及制法和应用
CN114105158B (zh) 一种锡钛硅分子筛及其制备方法和应用
JP3399137B2 (ja) ポリオキシアルキレングリコール又はそのエステルの製造方法
CN111777503A (zh) 一种七氟异丁腈的合成方法
JP3933747B2 (ja) 環状エーテルの重合方法
KR100549036B1 (ko) 고리형에테르의중합방법
JP3477799B2 (ja) ポリオキシアルキレングリコールの製造方法
JP3533851B2 (ja) 環状エーテルの重合方法
JPH03150262A (ja) コージェライトの製造方法
JPS6244549B2 (ja)
JP3820045B2 (ja) ヒドロキシカルボン酸エステルの製造方法
JP2000327770A (ja) ポリオキシアルキレングリコール又はそのエステルの製造方法
JP2005089767A (ja) 環状エーテルの重合方法
JP2526421B2 (ja) 保存安定性に優れた高純度1,3,5―トリス(N,N―ジメチルアミノプロピル)ヘキサヒドロ―s―トリアジンの製造法
CN117185913B (zh) 一种2-戊基蒽醌的制备方法
WO2010106146A1 (en) Manufacture process for titanium dioxide materials with high surface areas and high thermal stability
JP2000204152A (ja) ポリアルキレンエ―テルグリコ―ルの製造方法
JP3663687B2 (ja) 担体への金属水酸化物及び/又は酸化物の担持方法
CN100556882C (zh) 双季戊四醇的合成方法

Legal Events

Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

Effective date: 20040330

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02