JP2007100073A - ポリエーテル製造用固体酸触媒及びポリエーテルの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】表面水酸基を持つ固体酸触媒を、該表面水酸基と反応又は相互作用し得る、該ポリエーテル以外の有機化合物及び/又は無機化合物と接触させた後、該重合反応又は縮合反応に供する。表面水酸基に有機化合物及び/又は無機化合物由来の疎水基が結合していることで、触媒表面の疎水性が向上し、触媒に悪影響を及ぼす可能性のある水分の影響を抑え、触媒性能の経時劣化が抑制される。反応性のある表面水酸基に既に疎水基が結合しているために、反応生成物であるポリエーテルが表面水酸基に結合又は相互作用することを抑制し、触媒性能の経時劣化を抑制する。
【選択図】なし
Description
まず、本発明の固体酸触媒について説明する。
本発明の固体酸触媒は、表面水酸基量が0.1〜2.5μmol/m2で、pKa−5.6以下の酸量が20μmol/g以上の固体酸触媒であり、このような低表面水酸基量で高酸量の固体酸触媒は、例えば、表面水酸基を持つ固体酸触媒を特定の有機化合物及び/又は無機化合物と接触させることにより得ることができる。
本発明でいう、表面水酸基を持つ固体酸触媒とは、金属及び/又は担体の表面(担体細孔内表面も含む)上にヒドロキシル基(−OH基)が存在する固体酸触媒である。
以下に均一沈殿法による表面水酸基を持つ固体酸触媒の製造方法の一例を記載する。
本発明に用いられる担体としては、特に制限はないが、金属酸化物類、複合金属酸化物類、ゼオライト類、粘土類が好ましく、シリカ、アルミナ、ジルコニア、チタニア、シリカ−アルミナ、シリカ−ジルコニア、シリカ−チタニアがより好ましく、シリカ、アルミナ、ジルコニアが特に好ましい。
上記のような担体に担持される金属水酸化物及び/又は金属酸化物としては特に制限はないが通常周期表第2〜14族の金属元素の水酸化物及び/又は酸化物であり、好ましくは、周期表第2族、第3族、第4族、第5族、第8族、第10族、第11族、第13族及び第14族からなる群より選ばれる少なくとも1種の金属元素の水酸化物及び/又は酸化物であり、より好ましくは、Ti、Zr、Hf、Nb、Al、Cu、Ni、Ca、Fe及びSiからなる群より選ばれる少なくとも1種の金属元素、特に好ましくはTi、Zr、Al、Cu、Ni及びNbからなる群より選ばれる少なくとも1種の金属元素の水酸化物及び/又は酸化物である。
均一沈殿法に用いられる金属塩は、得られる固体酸触媒に担持される上記金属水酸化物及び/又は金属酸化物を生成される金属塩であり、従って、通常上述の周期表第2〜14族の金属元素、好ましくは第2、3、4、5、8、10、11、13、14族の金属元素、より好ましくはTi、Zr、Hf、Nb、Al、Si、Cu、Ni、Ca、Fe特に好ましくはTi、Zr、Al、Nb、Cu、Niの塩である。
本発明に係る沈殿剤前駆体とは、含浸溶液中で加熱などの処理によって、加水分解その他の化学反応を起こし、沈殿剤を生じるものである。沈殿剤とは含浸溶液中の金属塩と反応して金属水酸化物の沈殿を生じさせるものである。沈殿剤前駆体の中で、沈殿剤として塩基を生じるもの、即ち、含浸溶液中で加水分解その他の化学反応により塩基を発生させ、溶液のpHを上昇させて金属塩を水酸化物又は酸化物として沈殿させるものを「塩基前駆体」と称す。
含浸溶液中には、上述の塩基前駆体だけではなく、予め沈殿を生じさせない範囲でpHを上昇させるために、所定量の塩基性物質を加えておいてもよい。塩基性物質を用いることによって、塩基前駆体の使用量削減や、沈殿生成に必要な時間を削減することも可能である。
含浸溶液は、通常、上述の金属塩と沈殿剤前駆体と、必要に応じて用いられる塩基性物質を水に溶解させて調製される。
<含浸溶液の担体への含浸方法>
上記含浸溶液を担体に含浸させる方法としては特に制限はないが、金属塩を担体上に均一に担持させるために、ポアフィリング法で実施することが好ましい。この場合において、担体に含浸された含浸溶液の体積が、担体細孔容積の60〜120%であることが好ましく、70〜110%であることがさらに好ましく、80〜105%であることが特に好ましい。この液量が少なすぎると含浸溶液が均一に担体細孔内に入らず、不均一化する。逆に、多すぎると担体外表面に含浸液が付着し、やはり不均一化する。
本発明では、含浸溶液を担体に含浸させることにより、担体に担持させた金属塩と沈殿剤前駆体は、担体細孔内で溶液の状態を保ったまま、加熱など沈殿剤前駆体を沈殿剤へ変換する処理を実施し、担体内部で均一に発生する沈殿剤により、金属塩を対応する金属水酸化物とする。
表面水酸基を持つ固体酸触媒、好ましくは上記均一沈殿法にて得られた表面水酸基を持つ固体酸触媒、を処理するための有機化合物及び/又は無機化合物とは、固体酸触媒の表面水酸基と反応する化合物及び/又は相互作用を及ぼす化合物であり、具体的には、メタノール、エタノールなどのアルコール類、ジエチルエーテルなどのエーテル類、酢酸メチル、酢酸エチルなどのエステル類、酢酸、アセチルクロライド、無水酢酸などのアシル化剤、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネートなどのカーボネート類、トリメチルシリルアセテート、トリメチルシリルクロライド、t−ブチルジメチルシリルクロライド、ヘキサメチルジシロキサン、トリメチルシラン、ジエチルメチルシラン、トリエチルシランなどのシリル化剤、金属の水酸化物、金属の塩化物、金属のアンミン錯体等が挙げられる。ここで、金属の水酸化物、金属の塩化物、金属のアンミン錯体の金属としては塩化銅、塩化ニッケル、テトラアンミン銅2塩化物、ヘキサアンミンニッケル2塩化物、テトラアンミン銅2硝酸塩、ヘキサアンミンニッケル2硝酸塩等が挙げられる。中でも、アルコール類、エステル類、アシル化剤、カーボネート類、シリル化剤が好ましく、アルコール類、カーボネート類、シリル化剤がより好ましく、メタノール、エタノール、酢酸メチル、酢酸エチル、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、トリメチルシリルアセテート、トリメチルシラン、ジエチルメチルシラン、トリエチルシランが表面水酸基との反応性、未反応有機化合物の容易な除去等の点で特に好ましい。これらの有機化合物及び/又は無機化合物は1種を単独で用いても良く、2種以上を混合して用いても良い。
加熱処理時間についても有機化合物及び/又は無機化合物の種類によって異なるが、0.1〜20時間が好ましく、0.5〜15時間が特に好ましい。
また、十分な処理を行うために、有機化合物及び/又は無機化合物による処理は複数回実施しても良い。
加熱の温度は有機化合物及び/又は無機化合物の種類によって異なるが、通常下限が10℃以上、上限が300℃以下であり、20〜200℃が特に好ましい。
加熱処理時間については有機化合物及び/又は無機化合物の種類によって異なるが、0.1〜20時間が好ましく、0.5〜15時間が特に好ましい。
また、十分な処理を行うために、有機化合物及び/又は無機化合物による処理は複数回実施しても良い。
流量は特に制限はないが、SV10〜5000h−1が好ましく、SV30〜4000h−1が特に好ましい。
加熱処理時間についても有機物の種類によって異なるが、0.1〜20時間が好ましく、0.5〜15時間が特に好ましい。
また十分な処理を行うために、有機化合物及び/又は無機化合物による処理は複数回実施しても良い。
上記工程により製造された固体酸触媒は、以下に示す特性を持つと考えられる。
本発明において、原料化合物の重合反応又は縮合反応に用いる固体酸触媒は、表面水酸基量が0.1〜2.5μmol/m2で、pKa−5.6以下の酸量が20μmol/g以上の固体酸触媒である。
固体酸触媒の表面水酸基量が2.5μmol/m2を超えると、本発明で目的とする分子量分布が狭いポリエーテルを得ることができない。
また、固体酸触媒のpKa−5.6以下の酸量が20μmol/g未満では十分な重合活性を得ることができず、ポリエーテルの製造に大量の触媒を使用する必要が生じてしまう。
固体酸触媒の好ましい表面水酸基量は0.1〜2.0μmol/m2であり、また、pKa−5.6以下の好ましい酸量は40μmol/g以上、さらに好ましくは60μmol/g以上である。
(表面水酸基量)
試料0.7gをU字管に採り、高純度Arを40cc/min流しながら300℃で1時間乾燥し、放冷後大気に触れない状態でU字管を取り外して、乾燥Airのグローブバッグに移す。
予めグローブバッグに入れてある三角フラスコに試料を入れ、それに乾燥トルエンを20cc加える。三角フラスコを、N2を80cc/min流した滴定実験装置にセットする。Arグローブボックス中で1.5MメチルリチウムLiBr錯体のエーテル溶液5ccをプラスチックシリンジに採り、ゴムで針先をシールした状態で取り出して、三角フラスコにセプタムを通して注入する。
10分間パージガスをテドラーバッグに捕集して、メタン濃度をGCで定量した。パージガス流量は精密膜流量計で検量する。メタン濃度とパージガス流量から求められる発生メタン量から触媒重量あたりの表面水酸基量を計算する。
マウンテック社製 HM Model−1201型を用い、窒素吸着BET1点法により触媒重量あたりの表面積を測定し、これより、触媒の表面積あたりの表面水酸基量を計算する。
触媒を200℃で3時間真空乾燥し、窒素雰囲気下のグローブボックス内で触媒を秤量する。トルエン2mlを加え、UV測定装置にセットする。指示薬として0.2wt%ベンザルアセトフェノン(pKa≦−5.6用)/トルエン溶液を1ml添加する。滴定試薬として0.01mol/Lのn−ブチルアミンを使用し、酸点と結合したベンザルアセトフェノンのUVピークが消失するまでに滴下したn−ブチルアミン量からpKa−5.6以下の酸量を計算する。
以下に上述のようにして、有機化合物及び/又は無機化合物で処理した固体酸触媒、ないしは表面水酸基量が0.1〜2.5μmol/m2で、pKa−5.6以下の酸量が20μmol/g以上の固体酸触媒を重合用触媒として用いる本発明のポリエーテルの製造方法について説明する。
反応圧力は、反応系が液相を保持できるような圧力であれば良く、通常、常圧から10MPa、好ましくは常圧から5MPaの圧力の範囲から選択される。
反応時間は特に限定はないが、触媒量との双方を考慮し、収率、経済性を考慮して0.1〜20時間の範囲、好ましくは0.5〜15時間の範囲が好ましい。ここで言う反応時間とは、回分方式においては、反応温度まで上昇した時点から反応が終了して冷却を開始するまでの時間を示し、連続方式においては、反応器中での反応組成液の滞留時間のことを指している。
GPC装置:東ソー社製GPC 8220
カラム:TSK−GEL GMHHR−M(30cm)×4本
検出方法:RI
カラム温度:40℃
移動層:THF
流速:1ml/min
サンプル注入量:500μl
サンプル濃度:ポリエーテルの濃度が約0.5重量%となるように調整
(表面水酸基量)
試料0.7gをU字管に採り、高純度Arを40cc/min流しながら300℃で1時間乾燥し、放冷後大気に触れない状態でU字管を取り外して、乾燥Airのグローブバッグに移す。
予めグローブバッグに入れてある三角フラスコに試料を入れ、それに乾燥トルエンを20cc加える。三角フラスコを、N2を80cc/min流した滴定実験装置にセットする。Arグローブボックス中で1.5MメチルリチウムLiBr錯体のエーテル溶液5ccをプラスチックシリンジに採り、ゴムで針先をシールした状態で取り出して、三角フラスコにセプタムを通して注入する。
10分間パージガスをテドラーバッグに捕集して、メタン濃度をGCで定量した。パージガス流量は精密膜流量計で検量する。メタン濃度とパージガス流量から求められる発生メタン量から触媒重量あたりの表面水酸基量を計算する。
マウンテック社製 HM Model−1201型を用い、窒素吸着BET1点法により触媒重量あたりの表面積を測定し、これより、触媒の表面積あたりの表面水酸基量を計算する。
(pKa−5.6以下の酸量)
触媒を200℃で3時間真空乾燥し、窒素雰囲気下のグローブボックス内で触媒を秤量する。トルエン2mlを加え、UV測定装置にセットする。指示薬として0.2wt%ベンザルアセトフェノン(pKa≦−5.6用)/トルエン溶液を1ml添加する。滴定試薬として0.01mol/Lのn−ブチルアミンを使用し、酸点と結合したベンザルアセトフェノンのUVピークが消失するまでに滴下したn−ブチルアミン量からpKa−5.6以下の酸量を計算する。
合成例1:
オキシ硝酸ジルコニウム水溶液(新日本金属化学社製、ZrO2換算濃度18.12重量%)89.66gに脱塩水18.72gを加え均一に混合した。これに尿素11.84gを加えて均一に混合して含浸溶液を調製した。この溶液に80gのSiO2(富士シリシア製、キャリアクトQ15、粒径75〜500μm、平均粒径200μm、細孔容積1.16ml/g、平均細孔径15nm)を添加し、約1時間振り混ぜながら、ポアフィリングで含浸した(含浸溶液量が担体細孔容積の100%)。
その後、上部のジョイントを外した後、乾燥機温度を140℃に設定し、4時間の加熱を行って水分をほぼ完全に除去した。4時間経過後、加熱、回転を停止し、触媒を取り出した。
得られた固体酸触媒を「触媒1」とした。含浸液組成により計算から求めた触媒1の触媒全量に対する酸化ジルコニウムの担持量は16.9重量%であった。
また、触媒1の表面水酸基量は2.6μmol/m2、pKa−5.6以下の酸量は110μmol/gであった。
オキシ硝酸ジルコニウム水溶液(新日本金属化学社製、ZrO2換算濃度18.12重量%)89.66gに脱塩水0.44gを加え均一溶液とし、これに25重量%炭酸アンモニウム水溶液26.94gを少しずつ攪拌しながら加えて均一溶液とした後、尿素7.94gを少しずつ加えて含浸溶液とし、この溶液に80gのSiO2(富士シリシア製、キャリアミトQ30、粒径75〜500μm、平均粒径200μm、細孔容積1.21ml/g、平均細孔径30nm)を添加し、約1時間振り混ぜながら、ポアフィリングで含浸した(含浸溶液量が担体細孔容積の100%)。
その後、上部のジョイントを外した後、乾燥機温度を140℃に設定し、4時間の加熱を行って水分を完全に除去した。4時間経過後、加熱、回転を停止し、触媒を取り出した。
得られた固体酸触媒を「触媒2」とした。含浸液組成により計算から求めた触媒2の触媒全量に対する酸化ジルコニウムの担持量は16.9重量%であった。
また、触媒2の表面水酸基量は3.4μmol/m2、pKa−5.6以下の酸量は100μmol/gであった。
オキシ硝酸ジルコニウム水溶液(新日本金属化学社製、ZrO2換算濃度18.12重量%)88.01gに脱塩水26.13gを加え均一に混合した。これに尿素11.84gを加えて均一に混合して含浸溶液を調製した。この溶液に80gのSiO2(富士シリシア製、キャリアクトQ30)を添加し、約1時間振り混ぜながら、ポアフィリングで含浸した(含浸溶液量が担体細孔容積の100%)。
その後、上部のジョイントを外した後、乾燥機温度を140℃に設定し、4時間の加熱を行って水分を完全に除去した。4時間経過後、加熱、回転を停止し、触媒を取り出した。
得られた固体酸触媒を「触媒3」とした。含浸液組成により計算から求めた触媒3の触媒全量に対する酸化ジルコニウムの担持量は16.9重量%であった。
また、触媒3の表面水酸基量は3.3μmol/m2、pKa−5.6以下の酸量は100μmol/gであった。
この触媒4の表面水酸基量は3.5μmol/m2、pKa−5.6以下の酸量は80μmol/gであった。
実施例1
(有機化合物及び/又は無機化合物による固体酸触媒の処理)
予めモレキュラーシーブ3Aで脱水しておいたエタノール(含水率50ppm)100mlとジエチルカーボネート(含水率50ppm)98.3g(832.2mmol)を窒素雰囲気下に還流冷却管を備えた500mlフラスコ中にて混合した。ここに(触媒1)50gを前記混合液に攪拌しつつ添加した後、オイルバス中にて加熱し、1時間還流させた。放冷後、還流冷却管を蒸留ヘッドに代えて、オイルバス中にて加熱して、徐々に昇温し、90〜140℃でエタノール及びジエチルカーボネートを留去し、更に窒素流通下に140℃のオイルバス中で4時間処理した。放冷後、窒素下に密閉容器に保存し、評価用触媒とした。
この評価用触媒の表面水酸基量は1.5μmol/m2、pKa−5.6以下の酸量は110μmol/gであった。
容積520mlの流通反応装置に、この評価用触媒22gを入れた。THF、無水酢酸、酢酸の混合溶液(重量比、THF258.6、無水酢酸29.3、酢酸1)を87.4ml/hの流量で流通させ、35℃に加熱した。一定時間毎に反応液を取得し、GPCにより、収率、数平均分子量(Mn)及び分子量分布(Mw/Mn)の測定を行った。
(触媒1)22gをそのまま用い、実施例1と同様にポリエーテル製造反応評価を行った。
初期の転化率は39.7%、初期のMnは1851、初期のMw/Mnは1.82であり、反応時間161.5h後の転化率は28.2%(初期との相対転化率71%)、Mn=1813、Mw/Mnは1.85(初期からの悪化+0.03)であった。
(触媒2)40gを固定床流通処理装置に充填し、窒素を0.8L/minの流量で流通させた。その後窒素に加え、メタノール(含水率50ppm)を32mg/minの流量でガス状で流通開始し、100℃に加熱して5時間保持した。5時間後、メタノールの流通を停止し、窒素のみ流通させて4時間保持した。放冷後、窒素下に密閉容器に保存し、評価用触媒とした。
この評価用触媒の表面水酸基量は2.0μmol/m2、pKa−5.6以下の酸量は90μmol/gであった。
初期の転化率は34.4%、初期のMnは2399、初期のMw/Mnは1.76であり、反応時間162.0h後の転化率は25.3%(初期との相対転化率74%)、Mn=2322、Mw/Mnは1.77(初期からの悪化+0.01)であった。
(触媒2)80gを流動床流通処理装置に充填し、窒素を1.6L/minの流量で流通させた。その後、窒素に加え、トリメチルシリルアセテートを88mg/minの流量でガス状で流通開始し、100℃に加熱して5時間保持した。5時間後、トリメチルシリルアセテートの流通を停止し、200℃に加熱し、窒素のみ流通させて4時間保持した。放冷後、窒素下に密閉容器に保存し、評価用触媒とした。
この評価用触媒の表面水酸基量は1.4μmol/m2、pKa−5.6以下の酸量は100μmol/gであった。
初期の転化率は33.0%、初期のMnは3090、初期のMw/Mnは1.80であり、反応時間162.0h後の転化率は27.0%(初期との相対転化率82%)、Mn=2967、Mw/Mnは1.78(初期からの悪化−0.02)であった。
(触媒2)22gをそのまま用い、実施例1と同様にポリエーテル製造反応評価を行った。
初期の転化率は32.0%、初期のMnは2287、初期のMw/Mnは1.76であり、反応時間163.7h後の転化率は23.5%(初期との相対転化率73%)、Mn=2282、Mw/Mnは1.81(初期からの悪化+0.05)であった。
(触媒3)80gを流動床流通処理装置に充填し、窒素を1.6L/minの流量で流通させた。100℃に加熱後、窒素に加え、トリメチルシリルアセテート(含水率10ppm以下)を88mg/minの流量でガス状で流通開始し、5時間保持した。5時間後、トリメチルシリルアセテートの流通を停止し、200℃に加熱し、窒素のみを流通させて4時間保持した。放冷後、窒素下に密閉容器に保存し、評価用触媒とした。
この評価用触媒の表面水酸基量は1.6μmol/m2、pKa−5.6以下の酸量は100μmol/gであった。
初期の転化率は28.8%、初期のMnは2022、初期のMw/Mnは1.64であり、反応時間142.5h後の転化率は23.5%(初期との相対転化率82%)、Mn=1890、Mw/Mnは1.66(初期からの悪化+0.02)であった。
(触媒3)80gを流動床流通処理装置に充填し、窒素を1.6L/minの流量で流通させた。100℃に加熱後、窒素に加え、ジエチルメチルシラン(含水率10ppm以下)を68mg/minの流量でガス状で流通開始し、5時間保持した。5時間後、ジエチルメチルシランの流通を停止し、200℃に加熱し、窒素のみを流通させて4時間保持した。放冷後、窒素下に密閉容器に保存し、評価用触媒とした。
この評価用触媒の表面水酸基量は2.0μmol/m2、pKa−5.6以下の酸量は100μmol/gであった。
初期の転化率は31.4%、初期のMnは1746、初期のMw/Mnは1.64であり、反応時間139.7h後の転化率は25.3%(初期との相対転化率81%)、Mn=1797、Mw/Mnは1.66(初期からの悪化+0.02)であった。
(触媒3)80gを流動床流通処理装置に充填し、窒素を1.6L/minの流量で流通させた。140℃に加熱後、窒素に加え、ジエチルメチルシラン(含水率10ppm以下)を23mg/minの流量でガス状で流通開始し、5時間保持した。5時間後、ジエチルメチルシランの流通を停止し、200℃に加熱し、窒素のみを流通させて4時間保持した。放冷後、窒素下に密閉容器に保存し、評価用触媒とした。
この評価用触媒の表面水酸基量は2.0μmol/m2、pKa−5.6以下の酸量は100μmol/gであった。
(触媒3)22gをそのまま用い、実施例1と同様にポリエーテル製造反応評価を行った。
初期の転化率は29.6%、初期のMnは1582、初期のMw/Mnは1.68であり、反応時間139.5h後の転化率は23.0%(初期との相対転化率78%)、Mn=1567、Mw/Mnは1.74(初期からの悪化+0.06)であった。
(触媒4)80gを流動床流通処理装置に充填し、窒素を1.6L/minの流量で流通させた。その後、窒素に加え、トリメチルシリルアセテートを88mg/minの流量でガス状で流通開始し、100℃に加熱して5時間保持した。5時間後、トリメチルシリルアセテートの流通を停止し、200℃に加熱し、窒素のみ流通させて4時間保持した。放冷後、窒素下に密閉容器に保存し、評価用触媒とした。
この評価用触媒の表面水酸基量は2.4μmol/m2、pKa−5.6以下の酸量は190μmol/gであった。
(触媒4)22gをそのまま用い、実施例1と同様にポリエーテル製造反応評価を行った。
初期の転化率は28.1%、初期のMnは2668、初期のMw/Mnは1.85であり、反応時間165.4h後の転化率は10.1%(初期との相対転化率36%)、Mn=2794、Mw/Mnは2.00(初期からの悪化+0.15)であった。
Claims (9)
- 表面水酸基量が0.1〜2.5μmol/m2で、pKa−5.6以下の酸量が20μmol/g以上であることを特徴とするポリエーテル製造用固体酸触媒。
- 原料化合物を、固体酸触媒の存在下に重合反応又は縮合反応させてポリエーテルを製造する方法において、
該固体酸触媒として、表面水酸基量が0.1〜2.5μmol/m2で、pKa−5.6以下の酸量が20μmol/g以上の固体酸触媒を用いることを特徴とするポリエーテルの製造方法。 - 原料化合物を、固体酸触媒の存在下に重合反応又は縮合反応させてポリエーテルを製造する方法において、
表面水酸基を持つ固体酸触媒を、該表面水酸基と反応又は相互作用し得る、該ポリエーテル以外の有機化合物及び/又は無機化合物と接触させた後、該重合反応又は縮合反応に供することを特徴とするポリエーテルの製造方法。 - 固体酸触媒が、複合金属酸化物触媒、金属酸化物担持触媒、及び粘土触媒からなる群より選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項2又は4に記載のポリエーテルの製造方法。
- 固体酸触媒が、周期表第2族、第3族、第4族、第5族、第8族、第10族、第11族、第13族及び第14族からなる群より選ばれる少なくとも1種の金属元素を含むことを特徴とする請求項2ないし4のいずれか1項に記載のポリエーテルの製造方法。
- 有機化合物がアルコール類、シリル化剤、及びカーボネート類からなる群より選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項3ないし5のいずれか1項に記載のポリエーテルの製造方法。
- 環状エーテルを開環重合反応させてポリエーテルを製造する方法であることを特徴とする請求項2ないし6のいずれか1項に記載のポリエーテルの製造方法。
- 環状エーテルをカルボン酸無水物及び/又はカルボン酸の存在下にて開環重合反応させてポリエーテルを製造する方法であることを特徴とする請求項7に記載のポリエーテルの製造方法。
- 固体酸触媒が、担体細孔内で均一沈殿法を行うことにより製造されたものであることを特徴とする請求項2ないし8のいずれか1項に記載のポリエーテルの製造方法。
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JP2006240528A JP5200350B2 (ja) | 2005-09-06 | 2006-09-05 | ポリエーテル製造用固体酸触媒及びポリエーテルの製造方法 |
Applications Claiming Priority (3)
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