JP5200350B2 - ポリエーテル製造用固体酸触媒及びポリエーテルの製造方法 - Google Patents

ポリエーテル製造用固体酸触媒及びポリエーテルの製造方法 Download PDF

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Description

本発明はポリエーテル製造用固体酸触媒及びポリエーテルの製造方法に関するものである。詳しくは、本発明は、原料化合物を、固体酸触媒の存在下に重合反応又は縮合反応させてポリエーテルを製造するにあたり、分子量分布の小さいポリエーテルを高転化率で長期に亘り安定に製造するための固体酸触媒とこの固体酸触媒を用いたポリエーテルの製造方法に関するものである。
ポリエーテルは、弾性繊維や熱可塑性エラストマーなどのソフトセグメントの原料をはじめ、ポリウレタン、ウレタンウレア、ポリエステル等の原料や、その他の広範囲な用途を有するポリマーである。
ポリエーテルの代表的なものとしては、ポリエチレングリコール、ポリ(1,2−プロパンジオール)、ポリテトラメチレンエーテルグリコールなどが知られている。中でもテトラヒドロフラン(THF)の開環重合により合成されるポリテトラメチレンエーテルグリコールは、伸縮性、弾性等の面で優れており、注目されている。
ポリエーテルの粘度は比較的高く、これを原料として、更にポリウレタン等を製造する場合には、その反応工程において、希釈又は加熱の必要があるため、低粘度(低分子量分布(分子量分布=重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)))のポリエーテルが望まれている。ポリエーテルを工業的に製造する場合、得られるポリエーテルの分子量分布は、用いる重合用触媒に大きく影響を受けると考えられている。勿論、重合用触媒の性能は、ポリエーテルを製造する際の転化率にも影響する。
特許文献1及び2には、ポリエーテルを製造する際に用いられる触媒として、ゼオライトやシリカ等の酸化物担体上に金属酸化物を担持した固体酸触媒が開示されている。
特開平9−241374号公報 特開2000−327770号公報
本発明者の検討によれば、特許文献1及び2に開示されているような従来より用いられている触媒では、工業的にポリエーテルを製造する場合、十分に満足し得る品質のポリエーテルは得られなかった。即ち、従来の触媒は、反応を継続するにつれて触媒の性能劣化が大きく、活性の劣化及び生成ポリエーテルの分子量分布の経時悪化が著しく、そのため、安定したポリエーテルの製造には多量の触媒が必要で、かつ、得られるポリエーテルの分子量分布も大きいものしか製造できなかった。
従って、本発明は、ポリエーテルの製造において、触媒性能の経時悪化を抑制した触媒を用いることにより、必要な触媒量を削減し、かつ、分子量分布の小さいポリエーテルを高い転化率で長期に亘り安定に製造するための固体酸触媒とこの固体酸触媒を用いたポリエーテルの製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意研究を行った結果、表面水酸基を持つ固体酸触媒を特定の有機化合物及び/又は無機化合物で処理することにより、触媒の性能が経時的に悪化することを抑制することができ、この有機化合物及び/又は無機化合物で処理した固体酸触媒を用いることにより、ポリエーテルを製造するための触媒の使用量が削減され、かつ、ポリエーテルの分子量分布を小さくすることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、表面水酸基を持つ固体酸触媒の表面水酸基量を減少させる方法には、固体酸触媒を高温で焼成する方法があるが、この場合、固体酸触媒の表面積及び酸量も合わせて減少することになるため、触媒の初期性能が大幅に悪化してしまうことになる。これに対して、本発明に従って、有機化合物及び/又は無機化合物で処理した場合には、固体酸触媒の表面積及び酸量に大きな悪影響を与えることなく、表面水酸基量のみを減少させることができ、この結果、表面水酸基量が低く、また、酸量が大きい固体酸触媒を用いて、分子量分布の小さいポリエーテルを高い転化率で長期に亘り安定に製造することができる。
即ち本発明の第1の要旨は、表面水酸基量が0.1〜2.5μmol/mで、pKa−5.6以下の酸量が20μmol/g以上であるポリエーテル製造用固体酸触媒であって、該固体酸触媒が、表面水酸基を持つジルコニア担持シリカ触媒又は粘土触媒を、300℃から1100℃で加熱焼成を行った後、該触媒の表面水酸基と反応又は相互作用し得る有機化合物及び/又は無機化合物と接触させることにより得られ、該有機化合物及び/又は無機化合物がメタノール、エタノール、ジエチルエーテル、アシル化剤、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、シリル化剤、金属の水酸化物、金属の塩化物および金属のアンミン錯体からなる群より選ばれる少なくとも1種であることを特徴とするポリエーテル製造用固体酸触媒、に存する。
即ち本発明の第2の要旨は、環状エーテル又はポリオールを、上記固体酸触媒の存在下に重合反応又は縮合反応させることを特徴とするポリエーテルの製造方法、に存する。
本発明によれば、表面水酸基を持つ固体酸触媒を、該表面水酸基と反応又は相互作用し得る、生成ポリエーテル以外の有機化合物及び/又は無機化合物と接触させる処理を行った後反応に供することにより、分子量分布が狭いポリエーテルを安定的に製造することができ、かつ使用する触媒量も削減することができる。即ち、ポリエーテルを製造するに際し、触媒の性能(触媒活性)の経時劣化が抑制されることより、同量のポリエーテルを製造するための触媒使用量が削減できる。また、分子量分布の経時的悪化も抑制されるため、耐熱性等の特性に優れた高品質のポリエーテルの製造が可能になる。
本発明で製造された分子量分布が狭いポリエーテルを原料としてさらにポリウレタンなどを製造する際には、反応を可能にするための粘度調整に必要な希釈剤の量を少なくすることができ、コスト的にもまた生産性の面でも有利な効果が期待できる。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明するが、以下に記載する構成要件の説明は、本発明の実施態様の一例(代表例)であり、本発明はその要旨を超えない限り、これらの内容に特定はされない。
[固体酸触媒]
まず、本発明の固体酸触媒について説明する。
本発明の固体酸触媒は、表面水酸基量が0.1〜2.5μmol/mで、pKa−5.6以下の酸量が20μmol/g以上の固体酸触媒であり、このような低表面水酸基量で高酸量の固体酸触媒は、例えば、表面水酸基を持つ固体酸触媒を特定の有機化合物及び/又は無機化合物と接触させることにより得ることができる。
{表面水酸基を持つ固体酸触媒}
本発明でいう、表面水酸基を持つ固体酸触媒とは、金属及び/又は担体の表面(担体細孔内表面も含む)上にヒドロキシル基(−OH基)が存在する固体酸触媒である。
より具体的には、表面水酸基を持つ固体酸触媒としては、例えば、MFI、X、Y等の結晶構造を持つゼオライト類、シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニアなどの金属酸化物類、シリカ−チタニア、シリカ−アルミナ、シリカ−ジルコニア、アルミナーチタニアなどの金属酸化物を複数組み合わせた複合金属酸化物類、金属酸化物や活性炭を担体として、硫酸、ヘテロポリ酸、ナフィオンなどの酸性質を有する化合物もしくは担体とは異なる金属酸化物を担持した担持型酸触媒類、層状ケイ酸塩などの粘土類、酸性質を有する化合物又は、金属、又は金属酸化物を担持した粘土類などが挙げられる。
なかでも複合金属酸化物類、担持型酸触媒類を用いる場合には、シリカージルコニア、シリカーアルミナ、ジルコニア担持シリカ、アルミナ担持シリカが特に好ましい。層状ケイ酸塩などの粘土類を用いる場合には、通常、カオリナイト、スメクタイトなどが挙げられ、スメクタイトの中でもモンモリロナイトを用いるのが好ましい。また、粘土類は酸で洗浄した活性白土として用いるのが好ましく、モンモリロナイトを酸で洗浄した活性白土を用いるのが特に好ましい。
これらの固体酸触媒は1種を単独で用いても良く、2種以上を混合して用いても良い。
このような表面水酸基を持つ固体酸触媒の製造方法としては、公知の技術を用いることができ特に制限されないが、具体的には前述の特開平9−241374号公報や特開2000−327770号公報等に記載の製造方法によって製造可能である。
特に、本発明で使用する固体酸触媒は、担体の細孔内で均一沈殿法を行い、担体の細孔内に金属水酸化物及び/又は金属酸化物を均質かつ微細な分散状態で担持したものが好ましい。
以下に均一沈殿法による表面水酸基を持つ固体酸触媒の製造方法の一例を記載する。
本発明に係る均一沈殿法は、例えば、金属塩と、溶液中で加水分解などの化学反応によって沈殿剤を発生させる沈殿剤前駆体とを同時に担体に含浸させた後、この含浸担体を加熱処理などの、沈殿剤前駆体から沈殿剤を生成させる処理を行うことで、実施される。均一沈殿法であるので、金属塩と沈殿剤前駆体とは液相、即ち溶液となっていることが重要である。即ち、金属塩と沈殿剤前駆体とを含む含浸溶液を担体に含浸させ、その後、沈殿剤前駆体から沈殿剤を生成させる処理を行う。
(1)担体
本発明に用いられる担体としては、特に制限はないが、金属酸化物類、複合金属酸化物類、ゼオライト類、粘土類が好ましく、シリカ、アルミナ、ジルコニア、チタニア、シリカ−アルミナ、シリカ−ジルコニア、シリカ−チタニアがより好ましく、シリカ、アルミナ、ジルコニアが特に好ましい。
担体の粒径、細孔径、細孔容積については、固体酸触媒としての用途、使用形態に応じて異なり、一概には言えない。
これらの担体は1種を単独で用いても良く、2種以上を併用しても良い。
(2)金属水酸化物及び/又は金属酸化物
上記のような担体に担持される金属水酸化物及び/又は金属酸化物としては特に制限はないが通常周期表第2〜14族の金属元素の水酸化物及び/又は酸化物であり、好ましくは、周期表第2族、第3族、第4族、第5族、第8族、第10族、第11族、第13族及び第14族からなる群より選ばれる少なくとも1種の金属元素の水酸化物及び/又は酸化物であり、より好ましくは、Ti、Zr、Hf、Nb、Al、Cu、Ni、Ca、Fe及びSiからなる群より選ばれる少なくとも1種の金属元素、特に好ましくはTi、Zr、Al、Cu、Ni及びNbからなる群より選ばれる少なくとも1種の金属元素の水酸化物及び/又は酸化物である。
(3)金属塩
均一沈殿法に用いられる金属塩は、得られる固体酸触媒に担持される上記金属水酸化物及び/又は金属酸化物を生成される金属塩であり、従って、通常上述の周期表第2〜14族の金属元素、好ましくは第2、3、4、5、8、10、11、13、14族の金属元素、より好ましくはTi、Zr、Hf、Nb、Al、Si、Cu、Ni、Ca、Fe特に好ましくはTi、Zr、Al、Nb、Cu、Niの塩である。
塩の種類としては特に制限はないが、硝酸塩、酢酸塩、硫酸塩、オキシ硝酸塩、塩化物、オキシ塩化物が好ましく、オキシ硝酸塩、オキシ塩化物、硫酸塩がより好ましい。
即ち、金属塩としては周期表第2〜14族金属の硝酸塩、酢酸塩、硫酸塩、オキシ硝酸塩、塩化物、オキシ塩化物が好ましく、オキシ硝酸ジルコニウム、オキシ塩化ジルコニウム、硫酸ジルコニウム、塩化チタン、硫酸アルミニウム、オキシ塩化ニオブがさらに好ましい。
これらの金属塩は、1種を単独で用いても良く、2種以上を併用しても良い。
(4)沈殿剤前駆体
本発明に係る沈殿剤前駆体とは、含浸溶液中で加熱などの処理によって、加水分解その他の化学反応を起こし、沈殿剤を生じるものである。沈殿剤とは含浸溶液中の金属塩と反応して金属水酸化物の沈殿を生じさせるものである。沈殿剤前駆体の中で、沈殿剤として塩基を生じるもの、即ち、含浸溶液中で加水分解その他の化学反応により塩基を発生させ、溶液のpHを上昇させて金属塩を水酸化物又は酸化物として沈殿させるものを「塩基前駆体」と称す。
均一沈殿法を行うための沈殿剤前駆体についても特に制限はないが、塩基前駆体を使用するのが一般的である。
塩基前駆体としては、尿素、シアヌル酸、アルキル置換尿素、チオ尿素、アルキル置換チオ尿素や、アミンとカルボン酸よりなるアミド化合物などが使用される。好ましくは尿素、シアヌル酸、アルキル置換尿素が使用され、尿素、シアヌル酸を使用することは容易に入手できること及びコスト面で特に好ましい。これらの塩基前駆体は1種を単独で用いても良く、2種以上を併用しても良い。
(5)塩基性物質
含浸溶液中には、上述の塩基前駆体だけではなく、予め沈殿を生じさせない範囲でpHを上昇させるために、所定量の塩基性物質を加えておいてもよい。塩基性物質を用いることによって、塩基前駆体の使用量削減や、沈殿生成に必要な時間を削減することも可能である。
塩基性物質としては、特に制限はないが、アルカリ金属、アルカリ土類金属及びアンモニウムの、水酸化物、炭酸塩、炭酸水素塩、燐酸塩、酢酸塩や、アンモニア、有機アミン類などが挙げられ、アンモニア、有機アミン類、アンモニウムの炭酸塩、炭酸水素塩、リン酸塩が好ましく、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウムがより好ましい。
これらの塩基性物質は、1種を単独で用いても良く、2種以上を併用しても良い。
(6)含浸溶液
含浸溶液は、通常、上述の金属塩と沈殿剤前駆体と、必要に応じて用いられる塩基性物質を水に溶解させて調製される。
含浸溶液中の金属塩及び沈殿剤前駆体の濃度には特に制限はなく、溶解状態を維持し、かつ、後述の担体への好適な担持量を実現し得る濃度であれば良いが、通常金属塩濃度は0.01〜50重量%、好ましくは0.1〜40重量%、特に好ましくは0.5〜30重量%であり、沈殿剤前駆体は後述の如く、この金属塩を全て沈殿させるに足る理論量に対して0.1〜10倍、好ましくは0.2〜8倍、特に好ましくは0.3〜5倍である。
塩基性物質は、必要なpH条件が得られるように適宜用いられる。即ち、沈殿の生成に必要なpH条件は、用いた金属塩及び沈殿剤前駆体の種類や濃度によって異なるため、塩基性物質は、これらの条件に応じて、その必要量が用いられる。
なお、本発明では、担体内で均一沈殿法を実施するために、沈殿剤前駆体を沈殿剤へ変換させる処理を行う前には、含浸溶液中で少なくとも1種の金属塩と沈殿剤前駆体が液相即ち溶解状態であることが必要であるが、この少なくとも1種の金属塩と沈殿剤前駆体以外の物質については、含浸溶液中でいかなる状態で存在していても構わない。
(7)均一沈殿法
<含浸溶液の担体への含浸方法>
上記含浸溶液を担体に含浸させる方法としては特に制限はないが、金属塩を担体上に均一に担持させるために、ポアフィリング法で実施することが好ましい。この場合において、担体に含浸された含浸溶液の体積が、担体細孔容積の60〜120%であることが好ましく、70〜110%であることがさらに好ましく、80〜105%であることが特に好ましい。この液量が少なすぎると含浸溶液が均一に担体細孔内に入らず、不均一化する。逆に、多すぎると担体外表面に含浸液が付着し、やはり不均一化する。
また、含浸による担体への金属塩の担持量は任意の量が選択できるが、通常は担体重量に対して0.01〜50重量%であり、好ましくは0.05〜40重量%、さらに好ましくは0.1〜30重量%である。沈殿剤前駆体の担持量については、担体に担持された金属塩を全て沈殿させるに足る理論量を1とするとモル比で0.1〜10の範囲が通常用いられ、好ましくは0.2〜8の範囲、さらに好ましくは0.3〜5の範囲である。
<沈殿の生成及び後処理方法>
本発明では、含浸溶液を担体に含浸させることにより、担体に担持させた金属塩と沈殿剤前駆体は、担体細孔内で溶液の状態を保ったまま、加熱など沈殿剤前駆体を沈殿剤へ変換する処理を実施し、担体内部で均一に発生する沈殿剤により、金属塩を対応する金属水酸化物とする。
一般的には沈殿剤前駆体としては塩基前駆体が用いられ、塩基前駆体を塩基へと変換する処理には加熱による塩基前駆体の加水分解が用いられる。
前述の如く、本発明では担体細孔内での均一沈殿法を実施するため、沈殿剤前駆体を沈殿剤へと変換する処理を行う前は、少なくとも1種の金属塩と沈殿剤前駆体については溶液の状態、即ち液相であることが求められるが、少なくとも1種の金属塩、沈殿剤前駆体以外の物質についてはいかなる状態であっても構わない。
加熱により起こる加水分解反応で塩基前駆体を塩基へと変換する場合、加熱温度としては通常50〜300℃の範囲が採用され、好ましくは60〜200℃の範囲が採用される。加熱温度は時間と共に変化させることも可能である。加熱温度が低すぎると沈殿剤前駆体から沈殿剤の生成反応が起きないか、非常に長時間がかかってしまう可能性があり、加熱温度が高すぎると、場合によっては沈殿剤前駆体から沈殿剤の生成反応が終了する前に加水分解に必要な水分が全て除去されてしまう可能性がある。良好かつ安定な均一沈殿法を実施するためには、沈殿生成反応が終了する時点において、担体に含浸された含浸溶液中の水分の5%以上が残存していることが好ましく、10%以上が残存していることがさらに好ましい。
含浸溶液を含浸させた担体の加熱は、固定床加熱装置のように、担持担体が動かない状態で行ってもよいが、特に大量の触媒を調製する場合には、担持担体が流動する、流動床装置、回転式の加熱装置などを使用するほうがより好ましい。加熱時に水分の蒸発が生じる場合、担持担体を流動させた方が担持担体の粒毎の水分蒸発量に変化がなく、より均質性が増すものと考えられる。
また、加熱時の水分の蒸発が、あまりに速すぎると、塩基前駆体の加水分解が全て終了する前に水分が全て除去されてしまい、沈殿剤の供給が十分に行われない場合があるため、通常は加熱開始から沈殿生成反応終了を経た後、水分の完全除去まで1時間以上、好ましくは3時間以上、さらに好ましくは6時間以上をかけて水分の完全除去を行うことが望ましい。
その後、得られた触媒を必要に応じて水、アルカリ水溶液、酸水溶液、有機溶媒などで洗浄、乾燥を行った後、窒素、アルゴン等の不活性ガス雰囲気、又は空気あるいは希釈酸素ガス等の酸化性ガス雰囲気下で焼成して、所望の性能の固体酸触媒を得ることができる。この場合の加熱焼成温度としては通常100〜1200℃、好ましくは300〜1100℃、さらに好ましくは500〜1000℃である。このような加熱焼成を行うことにより、得られる固体酸触媒の触媒活性や安定性を向上させることができる。
ただし、上述の工程は、全て必須な工程ではなく、最終的に表面水酸基を有する固体酸触媒が得られるものであれば良く、その製造工程は特に制限されない。
なお、上記方法で得られる固体酸触媒の担体に対する金属水酸化物及び/又は金属酸化物の担持量は0.05〜40重量%、特に0.1〜30重量%であることが好ましい。
{有機化合物及び/又は無機化合物による処理方法}
表面水酸基を持つ固体酸触媒、好ましくは上記均一沈殿法にて得られた表面水酸基を持つ固体酸触媒、を処理するための有機化合物及び/又は無機化合物とは、固体酸触媒の表面水酸基と反応する化合物及び/又は相互作用を及ぼす化合物であり、具体的には、メタノール、エタノールなどのアルコール類、ジエチルエーテルなどのエーテル類、酢酸メチル、酢酸エチルなどのエステル類、酢酸、アセチルクロライド、無水酢酸などのアシル化剤、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネートなどのカーボネート類、トリメチルシリルアセテート、トリメチルシリルクロライド、t−ブチルジメチルシリルクロライド、ヘキサメチルジシロキサン、トリメチルシラン、ジエチルメチルシラン、トリエチルシランなどのシリル化剤、金属の水酸化物、金属の塩化物、金属のアンミン錯体等が挙げられる。ここで、金属の水酸化物、金属の塩化物、金属のアンミン錯体の金属としては塩化銅、塩化ニッケル、テトラアンミン銅2塩化物、ヘキサアンミンニッケル2塩化物、テトラアンミン銅2硝酸塩、ヘキサアンミンニッケル2硝酸塩等が挙げられる。中でも、アルコール類、エステル類、アシル化剤、カーボネート類、シリル化剤が好ましく、アルコール類、カーボネート類、シリル化剤がより好ましく、メタノール、エタノール、酢酸メチル、酢酸エチル、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、トリメチルシリルアセテート、トリメチルシラン、ジエチルメチルシラン、トリエチルシランが表面水酸基との反応性、未反応有機化合物の容易な除去等の点で特に好ましい。これらの有機化合物及び/又は無機化合物は1種を単独で用いても良く、2種以上を混合して用いても良い。
有機化合物及び/又は無機化合物による固体酸触媒の処理方法は、特に制限されないが、液相、気相のどちらも採用することができる。また、液相の場合はバッチ式、流通式のどちらも採用することができる。
液相、バッチ式の場合、有機化合物及び/又は無機化合物による固体酸触媒の処理は、表面水酸基を持つ固体酸触媒を、処理用の有機化合物及び/又は無機化合物そのもの、或いは有機化合物及び/又は無機化合物を不活性な溶媒で希釈した溶液に入れ、加熱処理を行うことにより実施することができる。
この場合、有機化合物及び/又は無機化合物の使用量としては、触媒の体積に対して、通常、上限が10倍以下、下限が0.1倍以上、好ましくは上限が8倍以下、下限が0.2倍以上、より好ましくは上限が5倍以下、下限が0.3倍以上である。有機化合物及び/又は無機化合物の使用量が多すぎると、有機化合物及び/又は無機化合物のコストが高くなり、未反応有機化合物及び/又は無機化合物の除去の負担も増大し、少なすぎると、処理されない触媒が生じてしまう。
希釈溶媒としては、特に制限はないが、通常、ハイドロカーボン類が用いられ、好ましくは、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、ベンゼン、トルエン、キシレンが用いられる。これらの溶媒は1種を単独で用いても良く、2種以上を混合して用いても良い。希釈濃度は処理用有機化合物及び/又は無機化合物の種類により、適宜決定される。
加熱の温度は有機化合物及び/又は無機化合物の種類によって異なるが、通常下限が10℃以上、上限が200℃以下であり、20〜150℃が特に好ましい。
加熱処理時間についても有機化合物及び/又は無機化合物の種類によって異なるが、0.1〜20時間が好ましく、0.5〜15時間が特に好ましい。
また、十分な処理を行うために、有機化合物及び/又は無機化合物による処理は複数回実施しても良い。
液相、流通式の場合、有機化合物及び/又は無機化合物による固体酸触媒の処理は、表面水酸基を持つ固体酸触媒に処理用の有機化合物及び/又は無機化合物そのもの、或いは有機化合物及び/又は無機化合物を溶媒で希釈した有機化合物及び/又は無機化合物を流通させながら、加熱することにより実施することができる。
流通装置は固定床、及び流動床のどちらでも使用可能であるが、触媒のより均一な処理がし易い点で流動床の方が好ましい。
溶媒としては、特に制限はないが、通常、ハイドロカーボン類が用いられ、好ましくは、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、ベンゼン、トルエン、キシレンが用いられる。これらの溶媒は1種を単独で用いても良く、2種以上を混合して用いても良い。希釈濃度は処理用有機化合物及び/又は無機化合物の種類により、適宜決定される。
その流量には特に制限はないが、SV0.1〜100h−1が好ましく、SV0.5〜50h−1が特に好ましい。
加熱の温度は有機化合物及び/又は無機化合物の種類によって異なるが、通常下限が10℃以上、上限が300℃以下であり、20〜200℃が特に好ましい。
加熱処理時間については有機化合物及び/又は無機化合物の種類によって異なるが、0.1〜20時間が好ましく、0.5〜15時間が特に好ましい。
また、十分な処理を行うために、有機化合物及び/又は無機化合物による処理は複数回実施しても良い。
気相の場合、有機化合物及び/又は無機化合物による固体酸触媒の処理は、表面水酸基を持つ固体酸触媒に処理用の有機化合物又は不活性なガスで希釈した有機化合物をガス化させた状態で固体酸触媒に流通させながら、加熱することにより実施することができる。
流通装置は固定床、及び流動床のどちらでも使用可能であるが、触媒のより均一な処理がし易い点で流動床の方が好ましい。
不活性な希釈ガスとしては、通常、窒素、アルゴン、炭酸ガス、ヘリウム、空気が用いられ、好ましくは、窒素、炭酸ガス、アルゴンである。これらの希釈ガスは1種を単独で用いても良く、2種以上を混合して用いても良い。
不活性ガス中の有機化合物ガスの濃度に特に制限はないが、通常は0.05〜100モル%、好ましくは0.1〜80モル%、特に好ましくは0.1〜50モル%である。
加熱の温度は有機化合物の種類によって異なるが、10℃〜400℃が好ましく、20℃〜300℃が特に好ましい。
流量は特に制限はないが、SV10〜5000h−1が好ましく、SV30〜4000h−1が特に好ましい。
加熱処理時間についても有機物の種類によって異なるが、0.1〜20時間が好ましく、0.5〜15時間が特に好ましい。
また十分な処理を行うために、有機化合物及び/又は無機化合物による処理は複数回実施しても良い。
なお、固体酸触媒の処理に用いる有機化合物及び/又は無機化合物と溶媒に水分が含まれていると、むしろ触媒性能を劣化させることになる。従って、固体酸触媒の処理に用いる有機化合物及び/又は無機化合物と溶媒は、脱水剤等により高度に水分を除去し、含水率10重量%以下、好ましくは5重量%以下、特に好ましくは2重量%以下に処理しておくことが好ましい。
但し、処理に用いる有機化合物及び/又は無機化合物が水分により分解せず、かつ、処理後の固体酸触媒を反応に使用する前に300℃以上の温度で焼成することが可能で、焼成後の固体酸触媒の表面水酸基量が2.5μmol/g以下を保てる場合は水分を含んでいても問題はない。
<有機化合物及び/又は無機化合物で処理された固体酸触媒>
上記工程により製造された固体酸触媒は、以下に示す特性を持つと考えられる。
即ち、表面水酸基に有機化合物及び/又は無機化合物由来の疎水基が結合していることで、触媒表面の疎水性が向上し、触媒に悪影響を及ぼす可能性のある水分の影響を抑え、触媒性能の経時劣化が抑制されることが可能になると考えられる。また、反応性のある表面水酸基に既に疎水基が結合しているために、反応生成物であるポリエーテルが表面水酸基に結合又は相互作用することを抑制し、触媒性能の経時劣化を抑制することが可能と考えられる。
なお、有機化合物及び/又は無機化合物で処理された固体酸触媒は、表面水酸基量が2.5μmol/g以下に保たれる限り、余分な処理試剤や水分を除去することを目的として、反応に使用する前に300℃以上の温度、例えば300〜1000℃で焼成を行ってもよい。
これより、従来技術で調製された、有機化合物及び/又は無機化合物による処理を行っていない固体酸触媒に比べ、触媒性能の経時劣化即ち触媒活性の経時劣化及び得られるポリエーテルの分子量分布の経時悪化が抑制され、分子量分布が狭いポリエーテルを少ない触媒量で、長期に亘り安定に製造することが可能になる。
{反応に供する固体酸触媒}
本発明において、原料化合物の重合反応又は縮合反応に用いる固体酸触媒は、表面水酸基量が0.1〜2.5μmol/mで、pKa−5.6以下の酸量が20μmol/g以上の固体酸触媒である。
固体酸触媒の表面水酸基量が2.5μmol/mを超えると、本発明で目的とする分子量分布が狭いポリエーテルを得ることができない。
また、固体酸触媒のpKa−5.6以下の酸量が20μmol/g未満では十分な重合活性を得ることができず、ポリエーテルの製造に大量の触媒を使用する必要が生じてしまう。
固体酸触媒の好ましい表面水酸基量は0.1〜2.0μmol/mであり、また、pKa−5.6以下の好ましい酸量は40μmol/g以上、さらに好ましくは60μmol/g以上である。
なお、固体酸触媒の表面水酸基量、及びpKa−5.6以下の酸量は、例えば、次のようにして測定することができる。
(表面水酸基量)
試料0.7gをU字管に採り、高純度Arを40cc/min流しながら300℃で1時間乾燥し、放冷後大気に触れない状態でU字管を取り外して、乾燥Airのグローブバッグに移す。
予めグローブバッグに入れてある三角フラスコに試料を入れ、それに乾燥トルエンを20cc加える。三角フラスコを、Nを80cc/min流した滴定実験装置にセットする。Arグローブボックス中で1.5MメチルリチウムLiBr錯体のエーテル溶液5ccをプラスチックシリンジに採り、ゴムで針先をシールした状態で取り出して、三角フラスコにセプタムを通して注入する。
10分間パージガスをテドラーバッグに捕集して、メタン濃度をGCで定量した。パージガス流量は精密膜流量計で検量する。メタン濃度とパージガス流量から求められる発生メタン量から触媒重量あたりの表面水酸基量を計算する。
マウンテック社製 HM Model−1201型を用い、窒素吸着BET1点法により触媒重量あたりの表面積を測定し、これより、触媒の表面積あたりの表面水酸基量を計算する。
(pKa−5.6以下の酸量)
触媒を200℃で3時間真空乾燥し、窒素雰囲気下のグローブボックス内で触媒を秤量する。トルエン2mlを加え、UV測定装置にセットする。指示薬として0.2wt%ベンザルアセトフェノン(pKa≦−5.6用)/トルエン溶液を1ml添加する。滴定試薬として0.01mol/Lのn−ブチルアミンを使用し、酸点と結合したベンザルアセトフェノンのUVピークが消失するまでに滴下したn−ブチルアミン量からpKa−5.6以下の酸量を計算する。
[ポリエーテルの製造方法]
以下に上述のようにして、有機化合物及び/又は無機化合物で処理した固体酸触媒、ないしは表面水酸基量が0.1〜2.5μmol/mで、pKa−5.6以下の酸量が20μmol/g以上の固体酸触媒を重合用触媒として用いる本発明のポリエーテルの製造方法について説明する。
本発明のポリエーテルの製造方法は、特に制限されないが、環状エーテル類の開環重合反応、又はポリオールの脱水縮合反応により行うことが好ましく、より好ましくは、環状エーテル類を反応原料としてそれを開環重合反応させることにより製造する方法が好ましい。
環状エーテル類の開環重合反応でポリエーテルを製造する場合には、反応原料として用いられる環状エーテルとしては環の構成炭素数として3〜10のものが挙げられ、また、アルキル基、ハロゲン基、アシル基などで置換された環状エーテルも使用できる。具体的にはテトラヒドロフラン、オキセタン、オキセパン、1,4−ジオキサン、2−メチルテトラヒドロフラン、3−メチルテトラヒドロフラン等が用いられる。また、環状エーテル類の1種類のみを用いるホモ重合と環状エーテル類の2種類以上を用いる共重合のいずれも行うことができる。
触媒としては、上述のように有機化合物及び/又は無機化合物で処理した固体酸触媒、ないしは表面水酸基量が0.1〜2.5μmol/mで、pKa−5.6以下の酸量が20μmol/g以上の固体酸触媒の1種又は2種以上を用いる。
環状エーテルの開環重合反応はカルボン酸無水物及び/又はカルボン酸の存在下に行うことが分子量制御の点で好ましい。カルボン酸無水物及び/又はカルボン酸としては脂肪族又は芳香族の2〜12個の炭素原子を有するものが一般的に使用され、好ましくは2〜8個の炭素原子を有するものが用いられる。これらのカルボン酸無水物及び/又はカルボン酸は1種を単独で用いても良く、2種以上を併用しても良い。カルボン酸無水物及び/又はカルボン酸は、環状エーテルに対して通常0.01〜1.0(モル比)の範囲で添加するのが良い。
重合反応時には反応に不活性な溶媒を使用することもできる。該溶媒としては開環重合反応に不活性な脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素などの1種又は2種以上が一般的に用いられる。
反応形式は、槽型、塔型等一般に用いられるものが使用され、回分方式、連続方式のいずれであっても良い。例えば、環状エーテル、触媒、カルボン酸無水物及び/又はカルボン酸を攪拌下に仕込んで重合させる方法(回分方式)、触媒を含む反応器に環状エーテル、カルボン酸無水物及び/又はカルボン酸を連続的に供給し、連続的に反応液を抜き取っていく方法(連続方式)などがある。生産性の面からは連続方式が好ましい。
固体酸触媒の使用量としては、その種類によって決定され、特に限定はないが、例えば回分型反応器においては、触媒量が少なすぎると重合速度が遅くなり、逆に多すぎると、重合熱の除去が困難となる。また、反応系のスラリー濃度が高くなるので、攪拌が困難となり、また重合反応終了後の触媒と反応液との分液にも問題を生じ易くなる。従って、触媒の使用量は、液相に対して通常0.001〜50重量倍、好ましくは0.01〜20重量倍の範囲から回分反応、流通反応の反応形態を勘案して選ばれる。但し、流通反応の場合は、触媒の使用量は、単位時間当たりの液相の供給量に対する触媒の量を表すものである。
反応温度は、通常0〜200℃、好ましくは10〜80℃である。
反応圧力は、反応系が液相を保持できるような圧力であれば良く、通常、常圧から10MPa、好ましくは常圧から5MPaの圧力の範囲から選択される。
反応時間は特に限定はないが、触媒量との双方を考慮し、収率、経済性を考慮して0.1〜20時間の範囲、好ましくは0.5〜15時間の範囲が好ましい。ここで言う反応時間とは、回分方式においては、反応温度まで上昇した時点から反応が終了して冷却を開始するまでの時間を示し、連続方式においては、反応器中での反応組成液の滞留時間のことを指している。
生成するポリエーテルの分子量分布については、原料化合物の種類にもよるが、本発明により有機化合物及び/又は無機化合物で処理された固体酸触媒、ないしは表面水酸基量が0.1〜2.5μmol/mで、pKa−5.6以下の酸量が20μmol/g以上の固体酸触媒を用いてテトラヒドロフラン(THF)の開環重合反応を行った場合、数平均分子量(Mn)200〜80,000、特に200〜40,000程度の低〜中分子量のポリエーテルを得ることができる。更に、分子量分布の狭いポリエーテルを容易に製造できることも特徴の一つである。即ち、工業的に需要が大きいポリエーテルはMw/Mnが1.3〜2.5のものであるが、本発明に係る固体酸触媒を用いることにより、Mw/Mnが3未満、例えば1.1〜3.0のポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTMG)、特に本発明の好ましい条件を選ぶことによって、Mw/Mnが1.4〜1.7程度の分子量分布の非常に狭いポリエーテルも得ることができる。また、本発明によれば生成物の収率を15%以上、好ましくは20%以上、更には25%以上とすることもできる。
さらに触媒活性の経時劣化が少ないため、長時間の反応を行っても高転化率の状態を維持することができる。
本発明により製造されたポリエーテルは、弾性繊維や熱可塑性ポリエステルエラストマー、熱可塑性ポリウレタンエラストマー、コーティング材などの用途に使用できる。
以下に合成例、実施例及び比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、以下の実施例は本発明の範囲を限定するものではない。
なお、以下において、ポリテトラメチレンエーテルグリコール酢酸エステル(PTME)の転化率、数平均分子量(Mn)、分子量分布(Mw/Mn)は、以下のGPC(ゲルパーミエイションクロマトグラフィー)によって求めた。
GPC装置:東ソー社製GPC 8220
カラム:TSK−GEL GMHHR−M(30cm)×4本
検出方法:RI
カラム温度:40℃
移動層:THF
流速:1ml/min
サンプル注入量:500μl
サンプル濃度:ポリエーテルの濃度が約0.5重量%となるように調整
また、固体酸触媒の表面水酸基量及び酸量は次のようにして測定した。
(表面水酸基量)
試料0.7gをU字管に採り、高純度Arを40cc/min流しながら300℃で1時間乾燥し、放冷後大気に触れない状態でU字管を取り外して、乾燥Airのグローブバッグに移す。
予めグローブバッグに入れてある三角フラスコに試料を入れ、それに乾燥トルエンを20cc加える。三角フラスコを、Nを80cc/min流した滴定実験装置にセットする。Arグローブボックス中で1.5MメチルリチウムLiBr錯体のエーテル溶液5ccをプラスチックシリンジに採り、ゴムで針先をシールした状態で取り出して、三角フラスコにセプタムを通して注入する。
10分間パージガスをテドラーバッグに捕集して、メタン濃度をGCで定量した。パージガス流量は精密膜流量計で検量する。メタン濃度とパージガス流量から求められる発生メタン量から触媒重量あたりの表面水酸基量を計算する。
マウンテック社製 HM Model−1201型を用い、窒素吸着BET1点法により触媒重量あたりの表面積を測定し、これより、触媒の表面積あたりの表面水酸基量を計算する。
(pKa−5.6以下の酸量)
触媒を200℃で3時間真空乾燥し、窒素雰囲気下のグローブボックス内で触媒を秤量する。トルエン2mlを加え、UV測定装置にセットする。指示薬として0.2wt%ベンザルアセトフェノン(pKa≦−5.6用)/トルエン溶液を1ml添加する。滴定試薬として0.01mol/Lのn−ブチルアミンを使用し、酸点と結合したベンザルアセトフェノンのUVピークが消失するまでに滴下したn−ブチルアミン量からpKa−5.6以下の酸量を計算する。
<表面水酸基を持つ固体酸触媒の調製>
合成例1:
オキシ硝酸ジルコニウム水溶液(新日本金属化学社製、ZrO換算濃度18.12重量%)89.66gに脱塩水18.72gを加え均一に混合した。これに尿素11.84gを加えて均一に混合して含浸溶液を調製した。この溶液に80gのSiO(富士シリシア製、キャリアクトQ15、粒径75〜500μm、平均粒径200μm、細孔容積1.16ml/g、平均細孔径15nm)を添加し、約1時間振り混ぜながら、ポアフィリングで含浸した(含浸溶液量が担体細孔容積の100%)。
これを500ml梨型フラスコに入れ、フラスコ上部にジョイント及びグラスウールを詰めた曲管を接続し、測部には温度計を接続した。その後、フラスコを回転式乾燥機の回転軸にクランプで固定した。回転軸を10rpmの速度で回転させ、乾燥機温度を105℃に設定し、6時間の加熱を行った。このとき、含浸溶液中の水分は90%残存していることを重量変化により確認した。その後、上部のグラスウールを詰めた曲管を外した後、乾燥機温度を120℃に設定し、16時間の加熱を行った。
その後、上部のジョイントを外した後、乾燥機温度を140℃に設定し、4時間の加熱を行って水分をほぼ完全に除去した。4時間経過後、加熱、回転を停止し、触媒を取り出した。
触媒を500mlビーカーに移し室温まで放冷後、約300mlの脱塩水を加え、約10分懸濁洗浄を実施した。次いで、触媒を濾過後、再び500mlビーカーに移し、30gの重炭酸アンモニウムを300mlの脱塩水に溶解した溶液を加え、約10分懸濁洗浄を実施した。次いで、触媒を濾過後、再び500mlビーカーに移し、300mlの脱塩水を加え、約10分懸濁洗浄を実施した。この脱塩水での洗浄を2回繰り返した後、触媒を風乾、120℃乾燥機で1晩乾燥し、次いで、空気流通下、900℃で2時間焼成を実施した。
得られた固体酸触媒を「触媒1」とした。含浸液組成により計算から求めた触媒1の触媒全量に対する酸化ジルコニウムの担持量は16.9重量%であった。
また、触媒1の表面水酸基量は2.6μmol/m、pKa−5.6以下の酸量は110μmol/gであった。
合成例2
オキシ硝酸ジルコニウム水溶液(新日本金属化学社製、ZrO換算濃度18.12重量%)89.66gに脱塩水0.44gを加え均一溶液とし、これに25重量%炭酸アンモニウム水溶液26.94gを少しずつ攪拌しながら加えて均一溶液とした後、尿素7.94gを少しずつ加えて含浸溶液とし、この溶液に80gのSiO(富士シリシア製、キャリアミトQ30、粒径75〜500μm、平均粒径200μm、細孔容積1.21ml/g、平均細孔径30nm)を添加し、約1時間振り混ぜながら、ポアフィリングで含浸した(含浸溶液量が担体細孔容積の100%)。
これを500ml梨型フラスコに入れ、フラスコ上部にジョイント及びグラスウールを詰めた曲管を接続し、測部には温度計を接続した。その後、フラスコを回転式乾燥機の回転軸にクランプで固定した。回転軸を10rpmの速度で回転させ、乾燥機温度を105℃に設定し、2時間の加熱を行った。その後、上部のグラスウールを詰めた曲管を外した後、乾燥機温度を120℃に設定し、16時間の加熱を行った。
その後、上部のジョイントを外した後、乾燥機温度を140℃に設定し、4時間の加熱を行って水分を完全に除去した。4時間経過後、加熱、回転を停止し、触媒を取り出した。
触媒を500mlビーカーに移し室温まで放冷後、約300mlの脱塩水を加え、約10分懸濁洗浄を実施した。次いで、触媒を濾過後、再び500mlビーカーに移し、30gの重炭酸アンモニウムを300mlの脱塩水に溶解した溶液を加え、約10分懸濁洗浄を実施した。次いで、触媒を濾過後、再び500mlビーカーに移し、300mlの脱塩水を加え、約10分懸濁洗浄を実施した。この脱塩水での洗浄を2回繰り返した後、触媒を風乾、120℃乾燥機で1晩乾燥し、次いで、空気流通下、900℃で2時間焼成を実施した。
得られた固体酸触媒を「触媒2」とした。含浸液組成により計算から求めた触媒2の触媒全量に対する酸化ジルコニウムの担持量は16.9重量%であった。
また、触媒2の表面水酸基量は3.4μmol/m、pKa−5.6以下の酸量は100μmol/gであった。
合成例3
オキシ硝酸ジルコニウム水溶液(新日本金属化学社製、ZrO換算濃度18.12重量%)88.01gに脱塩水26.13gを加え均一に混合した。これに尿素11.84gを加えて均一に混合して含浸溶液を調製した。この溶液に80gのSiO(富士シリシア製、キャリアクトQ30)を添加し、約1時間振り混ぜながら、ポアフィリングで含浸した(含浸溶液量が担体細孔容積の100%)。
これを500ml梨型フラスコに入れ、フラスコ上部にジョイント及びグラスウールを詰めた曲管を接続し、測部には温度計を接続した。その後、フラスコを回転式乾燥機の回転軸にクランプで固定した。回転軸を10rpmの速度で回転させ、乾燥機温度を105℃に設定し、2時間の加熱を行った。その後、上部のグラスウールを詰めた曲管を外した後、乾燥機温度を120℃に設定し、16時間の加熱を行った。
その後、上部のジョイントを外した後、乾燥機温度を140℃に設定し、4時間の加熱を行って水分を完全に除去した。4時間経過後、加熱、回転を停止し、触媒を取り出した。
触媒を500mlビーカーに移し室温まで放冷後、約300mlの脱塩水を加え、約10分懸濁洗浄を実施した。次いで、触媒を濾過後、再び500mlビーカーに移し、30gの重炭酸アンモニウムを300mlの脱塩水に溶解した溶液を加え、約10分懸濁洗浄を実施した。次いで、触媒を濾過後、再び500mlビーカーに移し、300mlの脱塩水を加え、約10分懸濁洗浄を実施した。この脱塩水での洗浄を2回繰り返した後、触媒を風乾、120℃乾燥機で1晩乾燥し、次いで、空気流通下、900℃で2時間焼成を実施した。
得られた固体酸触媒を「触媒3」とした。含浸液組成により計算から求めた触媒3の触媒全量に対する酸化ジルコニウムの担持量は16.9重量%であった。
また、触媒3の表面水酸基量は3.3μmol/m、pKa−5.6以下の酸量は100μmol/gであった。
なお、粘土(活性白土)触媒であるSued Chemie(シュード ケミー)社製Tonsil OptimumFFを空気流通下、400℃で1時間焼成して得られた固体酸触媒を「触媒4」とした。
この触媒4の表面水酸基量は3.5μmol/m、pKa−5.6以下の酸量は80μmol/gであった。
<有機化合物及び/又は無機化合物による固体酸触媒の処理及びポリエーテルの製造>
実施例1
(有機化合物及び/又は無機化合物による固体酸触媒の処理)
予めモレキュラーシーブ3Aで脱水しておいたエタノール(含水率50ppm)100mlとジエチルカーボネート(含水率50ppm)98.3g(832.2mmol)を窒素雰囲気下に還流冷却管を備えた500mlフラスコ中にて混合した。ここに(触媒1)50gを前記混合液に攪拌しつつ添加した後、オイルバス中にて加熱し、1時間還流させた。放冷後、還流冷却管を蒸留ヘッドに代えて、オイルバス中にて加熱して、徐々に昇温し、90〜140℃でエタノール及びジエチルカーボネートを留去し、更に窒素流通下に140℃のオイルバス中で4時間処理した。放冷後、窒素下に密閉容器に保存し、評価用触媒とした。
この評価用触媒の表面水酸基量は1.5μmol/m、pKa−5.6以下の酸量は110μmol/gであった。
(ポリエーテル製造反応評価)
容積520mlの流通反応装置に、この評価用触媒22gを入れた。THF、無水酢酸、酢酸の混合溶液(重量比、THF258.6、無水酢酸29.3、酢酸1)を87.4ml/hの流量で流通させ、35℃に加熱した。一定時間毎に反応液を取得し、GPCにより、収率、数平均分子量(Mn)及び分子量分布(Mw/Mn)の測定を行った。
初期の転化率は34.2%、初期のMnは2257、初期のMw/Mnは1.81であり、反応時間162.5h後の転化率は28.3%(初期との相対転化率83%)、Mn=2232、Mw/Mnは1.80(初期からの悪化−0.01)であった。
比較例1
(触媒1)22gをそのまま用い、実施例1と同様にポリエーテル製造反応評価を行った。
初期の転化率は39.7%、初期のMnは1851、初期のMw/Mnは1.82であり、反応時間161.5h後の転化率は28.2%(初期との相対転化率71%)、Mn=1813、Mw/Mnは1.85(初期からの悪化+0.03)であった。
実施例2
(触媒2)40gを固定床流通処理装置に充填し、窒素を0.8L/minの流量で流通させた。その後窒素に加え、メタノール(含水率50ppm)を32mg/minの流量でガス状で流通開始し、100℃に加熱して5時間保持した。5時間後、メタノールの流通を停止し、窒素のみ流通させて4時間保持した。放冷後、窒素下に密閉容器に保存し、評価用触媒とした。
この評価用触媒の表面水酸基量は2.0μmol/m、pKa−5.6以下の酸量は90μmol/gであった。
この評価用触媒22gを用い、実施例1と同様にポリエーテル製造反応評価を行った。
初期の転化率は34.4%、初期のMnは2399、初期のMw/Mnは1.76であり、反応時間162.0h後の転化率は25.3%(初期との相対転化率74%)、Mn=2322、Mw/Mnは1.77(初期からの悪化+0.01)であった。
実施例3
(触媒2)80gを流動床流通処理装置に充填し、窒素を1.6L/minの流量で流通させた。その後、窒素に加え、トリメチルシリルアセテートを88mg/minの流量でガス状で流通開始し、100℃に加熱して5時間保持した。5時間後、トリメチルシリルアセテートの流通を停止し、200℃に加熱し、窒素のみ流通させて4時間保持した。放冷後、窒素下に密閉容器に保存し、評価用触媒とした。
この評価用触媒の表面水酸基量は1.4μmol/m、pKa−5.6以下の酸量は100μmol/gであった。
この評価用触媒22gを用い、実施例1と同様にポリエーテル製造反応評価を行った。
初期の転化率は33.0%、初期のMnは3090、初期のMw/Mnは1.80であり、反応時間162.0h後の転化率は27.0%(初期との相対転化率82%)、Mn=2967、Mw/Mnは1.78(初期からの悪化−0.02)であった。
比較例2
(触媒2)22gをそのまま用い、実施例1と同様にポリエーテル製造反応評価を行った。
初期の転化率は32.0%、初期のMnは2287、初期のMw/Mnは1.76であり、反応時間163.7h後の転化率は23.5%(初期との相対転化率73%)、Mn=2282、Mw/Mnは1.81(初期からの悪化+0.05)であった。
実施例4
(触媒3)80gを流動床流通処理装置に充填し、窒素を1.6L/minの流量で流通させた。100℃に加熱後、窒素に加え、トリメチルシリルアセテート(含水率10ppm以下)を88mg/minの流量でガス状で流通開始し、5時間保持した。5時間後、トリメチルシリルアセテートの流通を停止し、200℃に加熱し、窒素のみを流通させて4時間保持した。放冷後、窒素下に密閉容器に保存し、評価用触媒とした。
この評価用触媒の表面水酸基量は1.6μmol/m、pKa−5.6以下の酸量は100μmol/gであった。
この評価用触媒22gを用い、実施例1と同様にポリエーテル製造反応評価を行った。
初期の転化率は28.8%、初期のMnは2022、初期のMw/Mnは1.64であり、反応時間142.5h後の転化率は23.5%(初期との相対転化率82%)、Mn=1890、Mw/Mnは1.66(初期からの悪化+0.02)であった。
実施例5
(触媒3)80gを流動床流通処理装置に充填し、窒素を1.6L/minの流量で流通させた。100℃に加熱後、窒素に加え、ジエチルメチルシラン(含水率10ppm以下)を68mg/minの流量でガス状で流通開始し、5時間保持した。5時間後、ジエチルメチルシランの流通を停止し、200℃に加熱し、窒素のみを流通させて4時間保持した。放冷後、窒素下に密閉容器に保存し、評価用触媒とした。
この評価用触媒の表面水酸基量は2.0μmol/m、pKa−5.6以下の酸量は100μmol/gであった。
この評価用触媒22gを用い、実施例1と同様にポリエーテル製造反応評価を行った。
初期の転化率は31.4%、初期のMnは1746、初期のMw/Mnは1.64であり、反応時間139.7h後の転化率は25.3%(初期との相対転化率81%)、Mn=1797、Mw/Mnは1.66(初期からの悪化+0.02)であった。
実施例6
(触媒3)80gを流動床流通処理装置に充填し、窒素を1.6L/minの流量で流通させた。140℃に加熱後、窒素に加え、ジエチルメチルシラン(含水率10ppm以下)を23mg/minの流量でガス状で流通開始し、5時間保持した。5時間後、ジエチルメチルシランの流通を停止し、200℃に加熱し、窒素のみを流通させて4時間保持した。放冷後、窒素下に密閉容器に保存し、評価用触媒とした。
この評価用触媒の表面水酸基量は2.0μmol/m、pKa−5.6以下の酸量は100μmol/gであった。
この評価用触媒22gを用い、実施例1と同様にポリエーテル製造反応評価を行った。
初期の転化率は33.1%、初期のMnは2090、初期のMw/Mnは1.66であり、反応時間161.7h後の転化率は27.4%(初期との相対転化率83%)、Mn=2108、Mw/Mnは1.68(初期からの悪化+0.02)であった。
比較例3
(触媒3)22gをそのまま用い、実施例1と同様にポリエーテル製造反応評価を行った。
初期の転化率は29.6%、初期のMnは1582、初期のMw/Mnは1.68であり、反応時間139.5h後の転化率は23.0%(初期との相対転化率78%)、Mn=1567、Mw/Mnは1.74(初期からの悪化+0.06)であった。
実施例7
(触媒4)80gを流動床流通処理装置に充填し、窒素を1.6L/minの流量で流通させた。その後、窒素に加え、トリメチルシリルアセテートを88mg/minの流量でガス状で流通開始し、100℃に加熱して5時間保持した。5時間後、トリメチルシリルアセテートの流通を停止し、200℃に加熱し、窒素のみ流通させて4時間保持した。放冷後、窒素下に密閉容器に保存し、評価用触媒とした。
この評価用触媒の表面水酸基量は2.4μmol/m、pKa−5.6以下の酸量は190μmol/gであった。
この評価用触媒22gを用い、実施例1と同様にポリエーテル製造反応評価を行った。
初期の転化率は29.0%、初期のMnは3500、初期のMw/Mnは1.84であり、反応時間165.4h後の転化率は12.2%(初期との相対転化率42%)、Mn=3470、Mw/Mnは1.85(初期からの悪化+0.01)であった。
比較例4
(触媒4)22gをそのまま用い、実施例1と同様にポリエーテル製造反応評価を行った。
初期の転化率は28.1%、初期のMnは2668、初期のMw/Mnは1.85であり、反応時間165.4h後の転化率は10.1%(初期との相対転化率36%)、Mn=2794、Mw/Mnは2.00(初期からの悪化+0.15)であった。
上記の評価結果を下記表1及び表2にまとめて示す。
Figure 0005200350
Figure 0005200350
表1,表2より、固体酸触媒を予め有機化合物及び/又は無機化合物で処理することにより、低表面水酸基量で高酸量の固体酸触媒を得ることができ、この固体酸触媒を用いることにより、転化率の経時低下を防止することができ、また、得られるポリエーテルの分子量分布(Mw/Mn)の経時悪化も防止することができ、分子量分布が狭いポリエーテルを得ることができる。

Claims (5)

  1. 表面水酸基量が0.1〜2.5μmol/mで、pKa−5.6以下の酸量が20μmol/g以上であるポリエーテル製造用固体酸触媒であって、
    該固体酸触媒が、表面水酸基を持つジルコニア担持シリカ触媒又は粘土触媒を、300℃から1100℃で加熱焼成を行った後、該触媒の表面水酸基と反応又は相互作用し得る有機化合物及び/又は無機化合物と接触させることにより得られ、該有機化合物及び/又は無機化合物がメタノール、エタノール、ジエチルエーテル、アシル化剤、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、シリル化剤、金属の水酸化物、金属の塩化物および金属のアンミン錯体からなる群より選ばれる少なくとも1種であることを特徴とするポリエーテル製造用固体酸触媒。
  2. ジルコニア担持シリカ触媒が、担体細孔内で均一沈殿法を行うことにより製造されたものであることを特徴とする請求項1に記載のポリエーテル製造用固体酸触媒。
  3. 環状エーテル又はポリオールを、請求項1又は2に記載の固体酸触媒の存在下に重合反応又は縮合反応させることを特徴とするポリエーテルの製造方法。
  4. 環状エーテルを開環重合反応させることを特徴とする請求項に記載のポリエーテルの製造方法。
  5. 環状エーテルをカルボン酸無水物及び/又はカルボン酸の存在下にて開環重合反応させることを特徴とする請求項に記載のポリエーテルの製造方法。
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