JP3399137B2 - ポリオキシアルキレングリコール又はそのエステルの製造方法 - Google Patents

ポリオキシアルキレングリコール又はそのエステルの製造方法

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JP3399137B2 JP03681295A JP3681295A JP3399137B2 JP 3399137 B2 JP3399137 B2 JP 3399137B2 JP 03681295 A JP03681295 A JP 03681295A JP 3681295 A JP3681295 A JP 3681295A JP 3399137 B2 JP3399137 B2 JP 3399137B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は環状エーテルを触媒の存
在下で開環重合し、ポリオキシアルキレングリコール,
またはその開環重合の際に助触媒としてカルボン酸無水
物を使用した場合にはそのカルボン酸のエステルを製造
する方法に関するものであり、触媒の分離が簡便な触媒
を用いることにより工業的に有利な方法を提供するとい
うものである。
【0002】
【従来の技術】ポリオキシアルキレングリコールは一般
式HO−[(CH2pO]q−H(式中のpは原料とし
て用いる環状エーテルの環骨格の炭素数を、qはポリオ
キシアルキレングリコールの重合度を示す。)で示され
る両末端に一級水酸基を有する直鎖ポリエーテルグリコ
ールであり、一般的に環状エーテルの開環重合により製
造される。この中でとくに工業的に意味を持つものは、
テトラヒドロフラン(THF)の重合反応により得られ
るポリオキシテトラメチレングリコール(PTMG)で
ある。
【0003】PTMGは一般式HO−[(CH24O]
r−H(rはポリオキシテトラメチレングリコールの重
合度を示す。)で示される一級水酸基を両末端に持つ直
鎖ポリエーテルグリコールで、伸縮性や弾力性が要求さ
れるウレタン系弾性繊維の原料として利用されている。
また、最近では熱可塑性エラストマー材の原料としての
用途がある。このような弾性繊維やエラストマー材の原
料としての用途には、通常、数平均分子量(Mn)で約
500〜3,000程度の中分子量のPTMGが用いら
れる。従って主としてこの範囲の分子量のものが工業的
に有利に製造されることが望まれている。
【0004】かかるPTMGの従来の製造方法には次の
ようなものが挙げられる。即ち、(1)超強酸に属する
プロトン酸、例えばフルオロスルホン酸、発煙硫酸など
を触媒としてTHFを重合し、両末端がプロトン酸のエ
ステルとなった重合体を製造した後、加水分解により両
末端を水酸基とすることによりPTMGを得る方法(例
えば特開昭58−125718号、特公昭48−322
00号等)、(2)過塩素酸と無水酢酸の混合物、フッ
素系超強酸と無水酢酸の混合物など、酸と無水酢酸の混
合物を触媒としてTHFを重合して得られた重合体の両
末端のアセチルエステルをアルカリを用いて加水分解し
て、末端を水酸基とすることによりPTMGを得る方法
(例えば特公昭45−3104号、特開昭50−126
799号等)、(3)例えばテトラフルオロエチレンま
たはスルホン酸基前駆体(スルホン酸基形成基)を含有
するペルフルオロアルキルビニルエーテルとの共重合体
からなるパーフルオロスルホン酸樹脂を触媒とし、カル
ボン酸無水物の共存下THFを重合し、得られた重合体
の両末端のアセチルエステル基を塩基性媒体中あるいは
酸化カルシウムなどの触媒の存在下で、加アルコール分
解して末端を水酸基とすることによりPTMGを得る方
法(例えば、特開昭52−138598号等)、(4)
触媒として漂白土を用いて、THFを重合させてPTM
Gを得る方法(例えば、特公昭62−19452号
等)、(5)結晶水の含有量を特定の範囲に制御したヘ
テロポリ酸を触媒としてTHFを重合させてPTMGを
得る方法(例えば、特開昭61−126134号等)が
ある。
【0005】しかしながら、(1)及び(2)の方法で
は、触媒として超強酸を使用し、かつ多量の触媒と末端
停止剤を必要とする上、触媒は加水分解工程で分解され
る為、その再利用ができない。また、多量に発生する廃
液の処理工程を必須とし、更に、使用する触媒に強い腐
食性がある為、反応器に高価な材質が必要であった。
(3)の方法では、触媒に極めて高価な樹脂を使用する
為に経済的に非常に不利であった。(4)の方法では、
触媒として使用する漂白土は、天然に産出するスメクタ
イト系の鉱物であるモンモリロナイトに酸処理を施した
ものであるが、基本的に天然物である為に、その組成、
不純物量などが一定でなく性能にばらつきがある等の問
題があった。(5)の方法では、触媒としてヘテロポリ
酸を多量に使用しなければならず、また、その結晶水の
含有量の制御を厳密に行なう必要があった。更に、反応
系は均一液相状態であり、この触媒相と原料のTHF相
の分離が必要であり、プロセス上有利な方法とは言い難
い。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、環状エーテ
ルの開環重合によりポリオキシアルキレングリコール及
びそのエステルを工業的に有利に製造する新規な方法を
提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、環状エーテル
を、カルボン酸無水物の存在下又は非存在下、開環重合
してポリオキシテトラアルキレングリコール又はそのエ
ステルを製造するにあたり触媒として、下記(a)群から
選ばれる元素と下記(b)群から選ばれる元素とを含有す
る複合酸化物である固体酸触媒を使用することを特徴と
するポリオキシアルキレングリコール又はそのエステル
の製造方法関するものである。 (a)群:Ge、Sn、Pb、B、Ga、In、Cd、C
u、Fe、Mn、Ni、Cr、Mo、Co、Ta、H
f、Y、La、Nb、Ce (b)群:Si,Al,Zr,Ti、Zn 本発明では、上記複合固体酸化物触媒がルイス酸触媒と
して作用して、中分子量でかつ分子量分布が狭い重合体
が得られる。
【0008】以下に本発明につき詳細に説明する。本発
明において、環状エーテルとしては、環の構成炭素数と
して、2〜10のものが挙げられ、具体的には、TH
F、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、オキ
セタン、テトラヒドロピラン、オキセパン、1,4−ジ
オキサン等が用いられる。また、2−メチルテトラヒド
ロフラン等の炭素数1〜4程度のアルキル基や、ハロゲ
ン原子等で置換された環状エーテルも使用できる。これ
らの中でも特にTHFがPTMGの原料であることか
ら、好適に用いられる。
【0009】開環重合の際に用いる触媒としては前記の
特定の元素の組み合わせの複合酸化物である固体酸触媒
が用いられる。本発明において、好ましくは(a)群の元
素が、Sn、B、Ga、In、Cu、Fe、Ni、C
r、Co、Ta、Hf、La、Nbから選ばれる少なく
とも1種類以上の元素である固体酸触媒が好ましい。
【0010】該触媒は、前記(a)群から選ばれる元素の
少なくとも1種類の金属の塩またはそのアルコキシドと
前記(b)群から選ばれるSiあるいは他の金属の少なく
とも1種類の塩又はそのアルコキシドを含有する混合溶
液に、場合によって酸、アルカリ、又は水を添加するこ
とにより生成する沈澱、あるいはゲルを経由する。以
下、この操作で得られる沈澱あるいはゲルを触媒前駆体
と呼ぶ。この触媒前駆体を得る方法として共沈法、ゾル
ーゲル法、混練法、含浸法などが挙げられるが、特にゾ
ルーゲル法で調製することが好ましい。
【0011】本発明においては、触媒が、前記(a)群か
ら選ばれる元素の少なくとも1種類のアルコキシド、及
び前記(b)群から選ばれる元素の少なくとも1種類のア
ルコキシド又はその酸化物のゾルを含む混合溶液にアル
カリを添加して生成される触媒前駆体から得られるもの
が好ましい。
【0012】本発明で使用する触媒の原料としては、前
記(a)群から選ばれる少なくとも1種類の金属の各種の
塩、例えば、硝酸塩、硫酸塩、リン酸塩等の無機酸塩、
カルボン酸塩、スルホン酸塩等の有機酸塩(通常は炭素
数1〜4)、ハロゲン化物等、または前述の金属のメト
キシド、エトキシド、プロポキシド、ブトキシド等のア
ルコキシド、好ましくは炭素数1〜4のアルコキシドを
用いることができる。
【0013】また、前記(b)群から選ばれる少なくとも
1種類の元素の各種の金属塩、例えば、硝酸塩、硫酸
塩、リン酸塩等の無機酸塩、カルボン酸塩、スルホン酸
塩等の有機酸塩(通常は炭素数1〜4)、ハロゲン化物
等、または前述の金属のメトキシド、エトキシド、プロ
ポキシド、ブトキシド等のアルコキシド、特に炭素数1
〜4のアルコキシドを用いることができる。また、(b)
群から選ばれる少なくとも1種類の元素の酸化物のゾル
を用いてもよい。ゾルは、数μmから数十μmの粒子を
含む水溶液が使用できる。
【0014】この中でも前記(b)群から選ばれる元素が
Siの場合、特にSiO2の原料として、SiO2のゾル
又はSi(OR)4(式中Rはアルキル基)を用いるこ
とが好ましい。Si(OR)4は具体的には、Si(O
CH34、Si(OC254、Si(O−iso−C
374等が用いられるが、その取り扱い上の安全性を
考慮してこれらのアルコキシドのオリゴマーを用いるこ
とも可能である。
【0015】本発明で使用する触媒においては、(a)群
及び(b)群から選ばれる元素の複合酸化物は、これらの
元素の各々の群から少なくとも1種類が触媒の構成成分
として含有されていれば良く、数種類の成分が同時に含
有されていても良い。
【0016】前記(a)群から選ばれる元素は、前記(b)群
から選ばれる元素に対してモル比として、0.1〜40
%の領域で使用される。更に好ましくは0.5〜25%
の範囲で使用するのが良い。この割合より小さいと、反
応速度が小さく反応が実質的に進行しないことが多く、
またこれより大きいと、触媒の物性として不満足なもの
が得られることが多い。
【0017】前述の触媒原料の混合溶液において、触媒
の構成成分以外に、溶媒が使用されても良い。溶媒とし
てはメタノール、エタノール、イソプロパノール、エチ
レングリコール等のアルコール類、ジメチルホルムアミ
ド、ジメチルアセトアミド等のアミド類が好ましい。溶
媒の使用量は、(b)群から選ばれる元素の酸化物を形成
する原料に対して、0.1〜40容量倍程度、好ましく
は0.5〜20容量倍程度である。これ以下の溶媒の使
用量では、触媒の物性として不満足なものが得られるこ
とが多く、またこれ以上の溶媒の使用量では、触媒前駆
体が得られるまでに長時間を要することが多く、製造プ
ロセス上好ましくない。
【0018】又、原料として前記(a)群から選ばれる元
素の金属塩が用いられる場合は、該金属塩を溶解させる
に足る水または溶媒を添加することが好ましい。該金属
塩が溶解していない場合、得られた触媒中において、
(a)群から選ばれる元素の酸化物の分散状態が悪くな
り、高い活性が得られない。一方、水または溶媒の添加
量が多すぎると、触媒前駆体が得られるまで長時間を要
したり、触媒の物性として不満足なものが得られること
が多く好ましくない。
【0019】混合溶液に、必要に応じて酸、アルカリ、
又は水を加えて、加水分解により触媒前駆体が得られ
る。かかる酸としては、硝酸、硫酸、塩酸リン酸等の無
機酸、カルボン酸、スルホン酸等の有機酸(通常炭素数
1〜4)が挙げられ、アルカリとしては、アンモニア
水、尿素、及び水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭
酸ナトリウム等のアルカリ金属、アルカリ土類金属の水
酸化物、炭酸塩等が挙げられる。特にアルカリを加える
方が好ましい。
【0020】その使用量については、特に制限はない
が、加える量が少なすぎると加水分解が進行しにくく、
また加える量が多すぎると、金属塩が再溶解したり、加
水分解反応が暴走、大きな発熱が起り易くなり好ましく
ない。例えば添加するアルカリがアンモニア水溶液の場
合、(b)群から選ばれる元素の酸化物を形成する原料に
対し、アンモニアを1〜1000mol%、好ましくは
10〜200mol%の割合で添加することができる。
またこれらの酸、アルカリ、又は水は前述の混合溶液に
連続的に添加することもできるし、間欠的に添加するこ
ともできる。
【0021】前述の触媒前駆体は濾過、洗浄、乾燥後、
窒素、ヘリウム、アルゴン等の不活性ガス雰囲気、又は
空気あるいは希釈酸素ガス等の酸化性ガス雰囲気下で焼
成し、所望の触媒を得ることができる。加熱焼成温度と
しては、通常200〜1300℃、好ましくは400〜
1150℃、さらに好ましくは600〜1000℃の温
度で行なわれる。
【0022】本発明の環状エーテルの重合反応におい
て、充分な重合活性を得るためにカルボン酸無水物を使
用することが好ましい。通常は脂肪族または芳香族の2
〜12個、特に2〜8個の炭素原子を有するポリカルボ
ン酸及び/または特にモノカルボン酸から誘導されるも
のが用いられる。
【0023】例えば、脂肪族カルボン酸の無水物では、
無水酢酸、無水酪酸、無水プロピオン酸、無水バレリア
ン酸、無水カプロン酸、無水カプリル酸、無水ペラルゴ
ン酸等、芳香族カルボン酸の無水物では、無水フタル
酸、無水ナフタル酸等、脂肪族ポリカルボン酸では、無
水コハク酸、無水マレイン酸等があげられる。これらの
カルボン酸の内で、価格及び入手の容易さを考慮すると
無水酢酸が特に好ましい。
【0024】カルボン酸無水物は、環状エーテル1モル
に対して、通常0.01〜1.0モルの範囲で添加され
る。但しこの酸無水物を使用した場合は、環状エーテル
の重合では、PTMGとこの酸無水物とのエステル(P
TME)を形成するので、このPTMEの末端エステル
基を、アルカリ又は酸で加水分解するか、あるいはアル
コールとエステル交換して加アルコール分解する(米国
特許第2499725号明細書或いはジャーナル・オブ
・アメリカン・ケミカル・ソサエティ、70巻、p18
42等参照)ことにより、PTMGに変換することがで
きる。
【0025】更に、本発明においては、重合の行きすぎ
を防ぎ、分子量分布を調節する助剤として反応系中に極
性溶媒を添加することも可能であり、具体的には水、メ
タノール、エタノール、イソプロピルアルコール、エチ
レングリコール、1,4−ブタンジオール等のアルコー
ル類、ホルムアミド、ジメチルホルムアミド、ジメチル
アセトアミド等を添加することができる。この様な助剤
の使用量は、環状エーテル1モルに対して、通常10-4
〜0.5モル、好ましくは10-2〜0.1モルの範囲で添
加される。
【0026】重合反応時に使用される触媒量としては、
例えば回分型反応器においては、触媒量が少なすぎると
重合速度が遅くなり、逆に多すぎると、重合熱の除去が
困難となり、また反応系におけるスラリー濃度が高くな
るので、攪拌が困難となり、重合反応終了後の分液にも
問題を生じ易くなる。従って、液相に対して、通常0.
001〜50重量倍、好ましくは0.01〜20重量倍
の範囲から、回分反応、流通反応等の反応形態を勘案し
て選ばれる。但し流通反応の場合は、単位時間当たりの
液相の供給量に対する触媒の量を表す。
【0027】反応温度は、通常0〜200℃、好ましく
は10〜80℃である。反応圧力は、反応系が液相を保
持できるような圧力であれば良く、通常常圧から100
KG(kg/cm2・G)、好ましくは常圧から50K
Gの圧力の範囲から選択される。反応時間は触媒量と収
率、経済性の双方を考慮し、0.1〜20時間の範囲、
好ましくは0.5〜15時間の範囲が好ましい。ここで
言う反応時間とは、回分方式においては、反応温度まで
上昇した時点から反応が終了して冷却を開始するまでの
時間を示し、連続方式においては、反応器中での反応組
成液の滞留時間のことを指している。反応形式は、槽
型、塔型等一般に用いられるものが使用できる。
【0028】本発明の方法は、具体的には環状エーテル
と触媒を反応器に仕込み、攪拌下カルボン酸無水物を連
続的に仕込んで重合させる方法(回分方式)、環状エー
テルと無水カルボン酸、触媒を含む反応仕込み組成液を
連続的に反応器に供給し連続的に反応液を抜きとってい
く方法(連続方式)のいずれでも良い。
【0029】本発明の方法により生成するポリオキシア
ルキレングリコールの分子量分布については、環状エー
テルの種類によりその分布位置が異なる為、一般的な特
徴を述べるのは難しい。代表的なTHFの重合反応につ
いては、数平均分子量200〜80,000、中でも2
00〜40,000、特には500〜3,000程度の
低分子量のPTMGを容易に得ることができ、更に分子
量分布(Mw/Mn)(Mn、Mwの意味は後述)の狭
い(Mw/Mnが20未満、例えば1.0〜10.0)P
TMGを容易に製造できることができる。本発明では特
徴的に、工業的に需要が大きい、Mw/Mnが1.0〜
4.0、特に好ましくは1.1〜3.0程度の分子量分布
が非常に狭いPTMGも得ることができる。
【0030】更に本発明の特徴は未反応環状エーテル、
及びカルボン酸の回収工程、及び得られた重合体の取り
だし、及び触媒の再生が容易なことが挙げられる。
【0031】例えば、回分反応方式の場合、反応終了後
先ず触媒と反応液を濾過分別し、反応液より未反応の環
状エーテル、カルボン酸無水物を留去し、重合体のみを
容易に得ることができる。更に、反応後の触媒はよく洗
浄後、付着した有機物を燃焼することにより除去して容
易に活性を回復できるので、再び反応に使用することが
できる。
【0032】
【実施例】以下、本発明の実施例に基づいて更に詳細に
説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の
実施例に限定されるものではない。なお、以下の実施例
において、反応時間、Mn、Mw、収率、φ/φeはそ
れぞれ次の意味を表す。
【0033】反応時間: 所定の反応温度に設定されて
いる湯浴(Water bath)に反応器を浸漬した
時を反応開始とする。 収率(φ): 供給したTHFに対するPTMG又はP
TMGの酢酸エステルの重量% Mn: Gel Permenation Chrom
atographyにより測定した数平均分子量
【0034】Mw: Gel Permenation
Chromatographyにより測定した重量平
均分子量 平衡収率(φe): その温度におけるPTMG又はP
TMGの酢酸エステルの平衡収率(「化学同人刊、開環
重合(1)講座、重合反応論6、三枝武夫著、1971
年5月10日初版発行」のp171の図3.11をもと
に計算した。)
【0035】参考例1 触媒1の調製 2.87gのSnCl2と60gのSi(OC254
エタノール500ml及び50mlの脱塩水を1lの攪
拌器を備えたパイレックスガラス製ビーカー内に仕込
み、600rpmで攪拌し、溶解させた。このものに2
8%アンモニア水溶液20mlを滴下漏斗で滴下した。
滴下を20分で完了後、更に2時間攪拌を続け、その後
2時間放置して熟成した。得られた触媒前駆体を減圧濾
過後、脱塩水で充分に洗浄し、更に120℃にて、12
時間空気雰囲気下で乾燥した。この乾燥粉末を、石英ガ
ラス製反応菅に仕込み、600℃で3時間空気流通下焼
成し、触媒1を調整した。
【0036】参考例2 触媒2の調製 参考例1で調製した触媒前駆体を、石英ガラス製反応管
に仕込み、800℃で3時間空気流通下焼成し、触媒2
を調整した。
【0037】参考例3 触媒3の調製 SnCl2の代わりに、Fe(NO32・9H2Oを6.
12g使用した以外は参考例1の触媒調製法に従って触
媒3を調製した。
【0038】参考例4 触媒4の調製 SnCl2の代わりに、Fe(NO32・9H2Oを2
0.50g使用し、またSi(OC254の量を50.
53gとした以外は参考例1の触媒調製法に従って触媒
4を調製した。
【0039】参考例5 触媒5の調製 SnCl2の代わりに、In(NO33・9H2Oを5.
38g使用した以外は参考例1の触媒調製法に従って触
媒5を調製した。
【0040】参考例6 触媒6の調製 SnCl2の代わりに、Ga(NO33・nH2O(n≒
8)を6.06g使用した以外は参考例1の触媒調製法
に従って触媒を調製した。
【0041】参考例7 触媒7の調製 SnCl2の代わりに、TaCl5を5.44g使用した
以外は参考例1の触媒調製法に従って触媒7を調製し
た。
【0042】参考例8 触媒8の調製 SnCl2の代わりに、HfCl2O・0.8H2Oを4.
24g使用した以外は参考例1の触媒調製法に従って触
媒8を調製した。
【0043】比較参考例1 触媒9の調製 SnCl2の代わりに、TiCl4を2.88g使用した
以外は参考例1の触媒調製法に従って触媒9を調製し
た。
【0044】比較参考例2 触媒10の調製 300mlナス型フラスコ中で、1.98gのSnCl2
・2H2Oを100mlのH2Oに溶解したのち、10g
のCARiACT−30(商品名、触媒用シリカ担体、
富士シリシア化学(株)製品)をこれに添加した。ロー
タリーエバポレーターにより2時間混合した後、水を湯
浴温度70℃にて減圧下除去した。得られた触媒前駆体
を高温乾燥機中で120℃にて12時間乾燥した。この
乾燥粉末を、石英ガラス焼成管に仕込み、800℃で3
時間空気流通下加熱した。
【0045】比較参考例3 触媒11の調製 300mlナス型フラスコ中で、3.29gのAl(N
33・9H2Oを100mlのH2Oに溶解したのち、
10gのCARiACT−30(商品名、触媒用シリカ
担体、富士シリシア化学(株)製品)をこれに添加し
た。ロータリーエバポレーターにより2時間混合した
後、水を湯浴温度70℃にて減圧下除去した。得られた
触媒前駆体を高温乾燥機中で120℃にて12時間乾燥
した。この乾燥粉末を、石英ガラス焼成管に仕込み、8
00℃で3時間空気流通下加熱した。
【0046】比較参考例4 触媒12の調製 300mlナス型フラスコ中で、2.34gのZrO
(NO32・2H2Oを100mlのH2Oに溶解したの
ち、10gのCARiACT−30(商品名、触媒用シ
リカ担体、富士シリシア化学(株)製品)をこれに添加
した。ロータリーエバポレーターにより2時間混合した
後、水を湯浴温度70℃にて減圧下除去した。得られた
触媒前駆体を高温乾燥機中で120℃にて12時間乾燥
した。この乾燥粉末を、石英ガラス焼成管に仕込み、8
00℃で3時間空気流通下加熱した。
【0047】実施例1〜8、比較例1〜4 参考例1〜8及び比較参考例1〜4において調製した触
媒2.1g、THF30.0g及び無水酢酸5.0gをガ
ラス製容器に入れ、窒素雰囲気下で攪拌しながら、常圧
40℃で5時間反応させた。無水酢酸のTHFに対する
モル比は0.12であった。反応終了後、反応液と触媒
を濾別後、未反応のTHFと無水酢酸を留去し、PTM
Gの酢酸エステルの生成について分析し、反応を評価し
た。反応生成物の分析結果を表1に示す。
【0048】
【表1】
【0049】
【発明の効果】本発明によれば、THF等の環状エーテ
ルを開環重合して工業的に有用な中分子量でかつ分子量
分布の狭い高分子(例えばPTMG)を製造することが
できる。また、触媒が固体酸触媒であるため、触媒相、
未反応原料相、及び生成した重合体との分離が容易でか
つ、触媒の再生が可能でかつ容易であるという特徴があ
る。また、触媒が超強酸でないため、反応の装置に高価
な材質を使用する必要がなく、経済的にも有利な方法で
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 波多野 正克 神奈川県横浜市青葉区鴨志田町1000番地 三菱化学株式会社横浜総合研究所内 (56)参考文献 特開 昭48−15998(JP,A) 特開 昭50−111193(JP,A) 特開 平4−306228(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 65/02 - 65/338

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 環状エーテルを、カルボン酸無水物の存
    在下又は非存在下、開環重合してポリオキシアルキレン
    グリコール又はそのエステルを製造するにあたり触媒と
    して、下記(a)群から選ばれる元素の少なくとも1種類
    の金属の塩またはそのアルコキシドと、(b)群の元素の
    塩またはそのアルコキシドを含有する混合溶液に、場合
    によって酸、アルカリ、又は水を添加することにより生
    成する沈殿、或いはゲルを経由して得られた複合酸化物
    である固体酸触媒を使用することを特徴とするポリオキ
    シアルキレングリコール又はそのエステルの製造方法。 (a)群:Sn、Ga、In、Fe、Ta、Hf (b)群:Si
  2. 【請求項2】 環状エーテルがテトラヒドロフランであ
    ることを特徴とする請求項1記載のポリオキシアルキレ
    ングリコール又はそのエステルの製造方法。
  3. 【請求項3】 触媒が、(a)群から選ばれる元素のアル
    コキシド、及び(b)群から選ばれる元素のアルコキシド
    又はその酸化物のゾルを含む混合溶液にアルカリを添加
    して生成する触媒前駆体から得られるものであることを
    特徴とする請求項1記載のポリオキシアルキレングリコ
    ール又はそのエステルの製造方法。
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