JPH10156248A - 塗布装置 - Google Patents

塗布装置

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Publication number
JPH10156248A
JPH10156248A JP33440896A JP33440896A JPH10156248A JP H10156248 A JPH10156248 A JP H10156248A JP 33440896 A JP33440896 A JP 33440896A JP 33440896 A JP33440896 A JP 33440896A JP H10156248 A JPH10156248 A JP H10156248A
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JP
Japan
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coating
liquid
coating liquid
substrate
head
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Withdrawn
Application number
JP33440896A
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English (en)
Inventor
Shinichiro Murakami
慎一郎 村上
Jun Takemoto
潤 竹本
Yasuhide Nakajima
泰秀 中島
Shunji Miyagawa
俊二 宮川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 上向きに開口した帯状に延びるスリットを有
する塗布ヘッドに塗布液を供給し、スリットから塗布液
を吐出して基板に塗布液を塗布する塗布装置において、
塗布ヘッドのスリット端部から漏れる塗布液を回収し、
再利用を図るとともに、漏れた塗布液が乾燥して固化し
ゴミとなるのを防ぎ、また、塗布ヘッドの洗浄作業を簡
略化する。 【解決手段】 塗布ヘッド10のスリット端部から漏れ
た塗布液を回収する漏液吸込口8と、回収した塗布液を
塗布ヘッド内の液溜め部へ排出する漏液回収口9とを備
えたパッキン7と、前記パッキン7の漏液吸込口8およ
び漏液回収口9に連結され、回収された塗布液を前記漏
液吸込口8から漏液回収口9に送り込む塗布液回収溝6
を備えた側壁部5とで構成された塗布液回収手段を、塗
布ヘッド10の両端部に設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶表示装置用の
カラーフィルターに代表されるガラス基板などの枚葉基
板への塗布液の塗布装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、液晶表示装置や、プラズマディ
スプレイなどのガラス基板に感光性樹脂膜や接着剤層、
保護膜などを形成するための樹脂溶液やインキなどの塗
布液を塗布する方式としては、回転塗布方式が多用され
ている。前記回転塗布方式には開放型と密閉型がある
が、何れも、塗布液の塗布効率が10%程度と低く、し
かも、基板のコーナ部分の塗布膜厚が厚くなりすぎると
いう欠点があり、今後見込まれる基板寸法の大型化にと
もなって、塗布液の使用量、塗布膜厚の均一性、および
塗布工程の生産性などの点において課題が多い。
【0003】上述の回転塗布方式の欠点を解消する方式
として、ナイフ塗布方式、ロール塗布方式、ダイ塗布方
式がある。これらの方式は、いずれも被塗布基板と塗布
手段の間に間隙を設け、その間隙寸法によって塗布膜厚
を決定し、塗布面の平滑性を得る方式であるが、これら
の方式を用いる場合、基板表面の平滑度(凹凸度)が、
要求される塗布膜厚の精度よりも大きいとき、均一な厚
みの塗布膜を得ることが困難である。
【0004】また、基板表面の平滑度の影響を受けにく
い塗布方式として、浸漬方式、または垂れ流し方式があ
るが、これらの方式では、非塗布部を被覆することが不
可欠であり、塗布作業が煩雑になる。
【0005】この浸漬塗布方式や垂れ流し方式の原理に
類似する方式で、かつ、基板の主面のみに選択的に塗布
液を塗布する方式として、(株)総合技術センタ発行
(1988年4月30日)の尾崎勇次著「最新塗布技術
の進歩」の第336頁に記載された塗布方式が知られて
いる。この方式では、ダイヘッド、またはスライドダイ
から、ほぼ水平方向に塗布液が吐出され、このダイヘッ
ドまたはスライドダイの側面に形成されたダイリップに
対向する近接位置を、基体が相対的に垂直方向上方に移
動される。ダイヘッドまたはスライドダイから吐出され
る塗布液は、基体とダイリップとの間に液溜まりを形成
し、基体の上方への移動にともなって、基体主面に塗布
されて塗布膜を形成する。
【0006】一般的に、この塗布方式は、連続した基体
に対する塗布方式として用いられ、塗布された塗布膜の
膜厚は、基体と塗布ヘッドの相対移動速度、および塗布
液の粘性によって決定される。すなわち、基体とダイリ
ップとの間に形成される液溜まりから引き上げられた塗
布液は、重力によって基体に沿って落下するため、この
落下する速度と、基体が塗布液を引き上げる速度とのバ
ランスによって、塗布膜の膜厚が決定される。
【0007】但し、この塗布方式においては、塗布液が
低粘度でかつ表面張力が小さい場合には、基体と塗布ヘ
ッドの間に設けられた間隙に液溜まりを形成することが
困難であり、塗布液は、供給された直後に液溜まりを形
成することなく重力によって落下することがある。これ
を防ぐには、基体と塗布ヘッドとの間隙を極めて小さく
しなければならない。しかも、基体が液晶表示装置のガ
ラスパネルのように平面性が低く、最大で100μmも
の凹凸がある場合には、液溜まりから塗布液が引き上げ
られるときに生じる引張り力に差が生じ、液溜まりに種
々の異なる剪断力が作用することになり、このような局
所的に異なる剪断力の作用する液溜まりから引き出され
る塗布液の量は、均一にはならず、したがって基体に形
成される塗布膜の膜厚も均一にはならない。
【0008】さらに、この塗布方式においては、連続し
た基体主面への塗布液の塗布が可能であっても、基体主
面が垂直であり、この基体に対してほぼ直角方向から塗
布液を供給するので、枚葉基板のような不連続な複数の
基体に塗布液を塗布する場合には、基板の移動方向の最
後端部が液溜まりを通過した際に、液溜まりに残ってい
た塗布液が重力で落下し、次に塗布液を塗布する基板の
先端部やその裏面、さらには塗布ヘッドの下部に付着し
て汚染を生じることがある。このため、この塗布方式は
枚葉基板の塗布に使用するには不適当である。
【0009】また、スライドダイを用いる塗布方式も、
上述のダイヘッドを用いる塗布方式と同様な欠点を有し
ている。特にこのスライドダイを用いる塗布方式は、ス
ライドダイの傾斜表面上に、自由流動によって塗布液を
流し、基体主面との間に液溜まりを形成するので、任意
時点で塗布液の供給を停止することは困難であり、枚葉
基板のような不連続な基体に対し、間欠的に塗布液を塗
布するには不適当である。
【0010】そこで、上記のような各塗布方式における
欠点を解消して、塗布液自体の物性の影響を受けること
なく、枚葉基板に安定して均一な塗布膜を形成できる塗
布装置を、国際出願PCT/JP94/00845(国
際出願日:平成6年5月27日)において、出願人は先
に提案した。
【0011】この塗布装置は、上方に向かって開口する
とともに、水平方向に延びる帯状のスリットを有する塗
布ヘッドと、前記塗布ヘッドに塗布液を供給する塗布液
供給手段と、前記塗布ヘッドの上方に対向して配置さ
れ、塗布主面を下方に向けかつ傾斜状態に被塗布基板を
保持する基板保持部材とを備えている。この塗布装置で
は、先ず、塗布ヘッドに塗布液を供給してスリットから
塗布液を吐出し、被塗布基板と塗布ヘッドとの間隙に帯
状の液溜まりを形成する。次いで、この液溜まりを横切
る方向に前記塗布ヘッドまたは被塗布基板を相対的に移
動させることによって、塗布液の液溜まりを被塗布基板
の塗布主面に順次接触させて被塗布基板に塗布膜を形成
する。
【0012】図6は、上記塗布装置の構成を示す模式図
である。図において、Sは基板である。図に示すよう
に、基板Sへの液塗布の開始時に、基板保持部材Hの下
面の吸着面に、水平に対し角度θをなして基板Sが吸着
保持されている。そして、基板Sの最も高い端縁S1の
近傍下面の直下に、水平に支持された塗布ヘッド10の
直線状スリット11が一定の間隙をおいて位置するよう
に、基板保持部材Hの位置を定めておく。
【0013】感光性樹脂液のような塗布液Rは、塗布液
供給タンクT内に貯えられていて、ポンプPなどの送液
手段によって塗布ヘッド10内へ送られて、塗布液の吐
出スリット11から上方へ送り出され、液溜まりBが形
成される。液溜まりBは、基板Sの下面(塗布主面)と
塗布ヘッド10との間隙に形成され、この液溜まりBは
基板Sの下面に付着する。図7に示すように、基板下面
と塗布ヘッド10の間の間隙Gは、塗布液Rの粘度、表
面張力などの物性により、塗布液Rが間隙Gからこぼれ
出さずに液溜まりBが形成されるように設定される。液
溜まりBが形成されたときに、基板Sの低い側に面する
メニスカスM1と、基板の高い側に面するメニスカスM
2とが形成されるが、前記傾斜角度θのために、メニス
カスM1、M2の高さ寸法h1、h2は、h1<h2と
なる。
【0014】次に、図6、図7の塗布開始状態から、基
板Sの下面である塗布主面に塗布液を塗布するには次の
ようにする。前記間隙Gを一定に維持したまま、図示し
ないガイドレールに沿って図6の位置から基板保持部材
Hを右斜め上方へ移動させると、図7、図9の状態か
ら、図8、図10に示すように、基板Sが一定の傾斜角
度θで塗布ヘッド10に対し斜め右上方へ移動する。こ
れと並行して、塗布液供給ポンプPで塗布液Rを塗布ヘ
ッド10に送り続けて液溜まりBを形成し続けると、塗
布液Rは、基板Sの下面の塗布主面に順次付着して塗布
膜Raが形成される。
【0015】この塗布工程中、塗布液Rは、順次塗布さ
れた量だけ補うように塗布液ポンプPによって液溜まり
Bに供給され、液溜まりの形状を一定に保つようにす
る。そして、図11に示すように、塗布ヘッド10が、
基板Sの最も低い端縁S2に近い塗布範囲最終端に到達
した時点で、基板Sの移動を停止し、次いで、間隙G内
に残留している液溜まりBを真空吸引などにより除去し
たのち、必要により塗布ヘッド10を基板Sの脱着に支
障のない場所まで離脱させる。
【0016】その後、基板Sを水平に、上向き、または
下向きにし、乾燥ユニット内で熱盤、温熱風、または遠
赤外線ヒーターなどの乾燥手段を用いて、塗布膜Raを
乾燥させて均一な厚みの塗布膜を形成する。以上のよう
にして行う基板への液塗布の方法は、基本的に、出願人
の国際出願PCT/JP94/00845号に記載され
ている。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】図12は、上記塗布装
置における塗布ヘッド10と被塗布基板Sとの位置関係
を説明するための正面図である。図において、10は、
塗布ヘッドであり、上方に向かって開口するスリット
(図示せず)を有している。5は、塗布ヘッドの側端部
において、スリットの端面開口を閉じるための側壁部で
ある。塗布ヘッド10に塗布液を供給すると、図示され
ていないスリットから塗布液が吐出して、基板保持部材
Hに保持された被塗布基板Sとの間隙Gにおいて、塗布
液の液溜まりBを形成する。被塗布基板Sに塗布液を塗
布するときは、塗布ヘッド10と一定の間隙Gを保ちな
がら、一定速度で斜め上方(図面にほぼ垂直方向)に被
塗布基板Sがスライドされて液塗布が行なわれる。
【0018】上記塗布装置では、種々の基板サイズに対
応するために、塗布ヘッドの幅Wを基板の最大幅wより
も、通常大きく設定してある。また、被塗布基板Sを保
持する基板保持部材Hも種々の基板サイズに対応するた
め、被塗布基板よりも大きくしてある。したがって、被
塗布基板Sを保持している基板保持部材Hの周辺部は、
液溜まりBと直接対向した状態にあり、また、被塗布基
板の周縁部には、液溜まりBの塗布液によるメニスカス
m1、m2が生じている。この状態で、例えば塗布液供
給ポンプにおける電圧変化などにより、塗布ヘッド10
に供給される塗布液の量が増大すると、塗布液が基板保
持部材Hに接触することがある。この現象が一時的であ
っても付着した塗布液が基板保持部材Hの基板保持面を
汚染したり、基板保持部材Hと基板Sとのあいだに滲み
込んで被塗布基板を汚染するという問題が生じる。
【0019】これを解消するために、図13に示すよう
に、被塗布基板Sを保持する基板保持部材Hにおいて、
保持する被塗布基板Sの周縁に沿って溝rを形成し、前
記溝部に基板の周縁部を位置させることによって、基板
Sの周縁部が基板保持部材Hに接触することなく保持さ
れるので、被塗布基板との接触面にメニスカスm1、m
2が形成されている状態で、液溜まりの表面位置に変動
が生じても、基板保持部材Hに塗布液が接触することが
防止され、塗布液による基板保持部材Hおよび基板裏面
の汚染を生じることがない。
【0020】また、図12、図13に示すように、塗布
ヘッド10上に形成された液溜まりBは、被塗布基板S
と接触している部分と被塗布基板がない部分では、後者
の部分の液溜まりの表面位置が高く、特に、塗布ヘッド
10の両端の側壁部5との接合部では、塗布液の液溜ま
りBにメニスカスm3、m4が生じ液位置が高くなって
いる。さらに、被塗布基板Sと接触している液溜まり部
分では、塗布ヘッド10の吐出スリットから吐出された
塗布液は、基板に順次塗布されて消費されるが、塗布ヘ
ッド両端部の被塗布基板がない部分の液溜まりでは、吐
出された塗布液の消費が少ないので、図14に示すよう
に、塗布ヘッド10のスリット端部から液溜まりBの塗
布液が溢れて滲み出すことがある。
【0021】すなわち、前記塗布装置では、塗布ヘッド
10のスリットから吐出される塗布液が、液溜まりBの
表面位置の変動や毛細管現象などによって、スリット両
端部から滲み出し、塗布ヘッド10とその側壁部5との
接合線に沿って、塗布ヘッドの表面を流れ落ち塗布液の
損失が生じる。また、塗布液が漏れ出すことによって、
塗布ヘッド10や塗布ヘッドの下方に設けられた受け皿
(図示せず)を汚染するので、洗浄作業が必要になる。
さらに、滲み出した塗布液が、塗布ヘッド10の表面で
乾燥して固化すると、基板の塗布面にゴミとなって付着
し、塗布膜の品質不良を起こす原因ともなる。
【0022】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たものであり、上向きに開口したスリットを有する塗布
ヘッドに塗布液を供給し、スリットから塗布液を吐出し
て基板に塗布膜を形成する塗布装置において、塗布ヘッ
ドのスリット端部から漏れる塗布液を回収して、再利用
を図るとともに、漏れた塗布液が乾燥して固化しゴミと
なるのを防ぎ、また、塗布ヘッドの洗浄作業を省力化す
る塗布装置を得ることを目的とする。
【0023】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記した塗布
装置において、塗布ヘッドのスリット端部から漏れた塗
布液を、塗布ヘッド内の液溜め部に回収する塗布液回収
手段を備え、また、前記塗布液回収手段が、塗布ヘッド
のスリット端部から漏れた塗布液を回収する漏液吸込口
と、回収した塗布液を塗布ヘッド内の液溜め部へ排出す
る漏液回収口とを備えたパッキンと、前記パッキンの漏
液吸込口および漏液回収口に連結され、回収された塗布
液を前記漏液吸込口から漏液回収口に送り込む塗布液回
収溝を備えた側壁部とで構成され、さらに、前記パッキ
ンが、撥液性を有する高分子樹脂で構成されている塗布
装置である。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明の塗布装置の実施例
の図面を参照して、本発明の実施の形態を詳細に説明す
る。
【0025】先ず、本発明の塗布装置について主要部の
構成を説明する。図1は、本発明の塗布装置で用いられ
る塗布ヘッドの断面形状、および塗布ヘッドへの塗布液
供給機構の構成を示している。図において、塗布ヘッド
10は、本体上面に、この塗布ヘッド10の長手幅方向
と平行に、水平に延びるように形成された吐出スリット
11と、本体内部に形成された吐出液溜め部13を備え
ていて、この吐出液溜め部13は、吐出スリット11の
全域にわたって連通されている。前記吐出スリット11
と吐出液溜め部13は、図に斜線で示す前壁部1と隔壁
部3とで構成される。
【0026】吐出液溜め部13を構成する前壁部1に
は、吐出液溜め部13に連通する塗布液供給口15が設
けられていて、この塗布液供給口15から吐出液溜め部
13内に塗布液が供給されるようになっている。この塗
布液供給口15は、塗布ヘッドの長手幅方向において、
その中央部に1個設けられていればよいが、塗布ヘッド
の長手幅方向に沿って複数個設けるようにしてもよい。
【0027】塗布ヘッド10の本体上面には、前記吐出
スリット11と平行に延びるように、前記吐出スリット
11で吐出されて形成された液溜まりBの塗布液を吸い
込むための、さらにもう1本のスリット12が形成され
ている。この吸込スリット12は、その開口面が、図面
から分かるように、塗布ヘッド上面の吐出スリット11
の開口面よりわずかに低い位置に形成されている。ま
た、塗布ヘッド10の本体内部には、さらに、吐出液溜
め部13と隔壁部3によって分離された排出液溜め部1
4が形成され、この排出液溜め部14が吸込スリット1
2の全域にわたって連通され、前記吸込スリット12お
よび排出液溜め部14は、図に斜線で示す後壁部2と隔
壁部3とによって構成されている。
【0028】排出液溜め部14を構成する後壁部2に
は、排出液溜め部14に連通する塗布液排出口16が設
けられていて、この塗布液排出口16から排出液溜め部
14内の塗布液が排出されるようになっている。この塗
布液排出口16も、塗布液供給口15と同様に、塗布ヘ
ッド10の長手幅方向において、その中央部に1個設け
られていればよいが、複数個設けるようにしてもよい。
【0029】本実施例の塗布装置では、上記構成の塗布
ヘッドに、以下に述べる塗布液供給機構が設けられてい
る。塗布ヘッド10の前壁部1に設けられた塗布液供給
口15には、塗布液供給パイプL1、L2を介して塗布
液供給ポンプPの吐出側が接続されており、この塗布液
供給ポンプPから塗布液供給口15に塗布液が供給され
るようになっている。また塗布液供給パイプL1とL2
との間には、塗布液濾過フィルタFが接続されている。
一方、塗布ヘッド10の後壁部2に設けられた塗布液排
出口16には、塗布液の循環パイプL3の一端部が接続
され、この循環パイプL3の他端部が、塗布液供給ポン
プPの吸込側に接続されている。
【0030】上記の塗布液供給機構では、塗布ヘッド1
0内の2つの液溜め部13、14と塗布液供給パイプL
1、L2、および循環パイプL3内に塗布液が充満され
ている。そして、塗布液供給ポンプPが常時駆動されて
いて、この塗布液供給ポンプPによって吐出液溜め部1
3に導入された塗布液は、吐出スリット11から塗布ヘ
ッド10の上面に吐出して液溜まりBを形成する。この
液溜まりBには、塗布液供給ポンプPが常時駆動されて
いることによって、常時スリット11から塗布液が供給
され、この塗布液の供給によって液溜まりBにおける塗
布液の量が増加するが、この増加分の塗布液は吸込スリ
ット12の方向に流れる。
【0031】そして、液溜まりBから吸込スリット12
に流れ込んだ塗布液が、後壁部2の塗布液排出口16と
循環パイプL3を介して接続されている塗布液供給ポン
プPの吸引力によって、排出液溜め部14内に吸い込ま
れる。この排出液溜め部13に吸い込まれた塗布液は、
塗布液排出口16→循環パイプL3→塗布液供給ポンプ
P→供給パイプL1→濾過フィルタF→供給パイプL2
の経路で循環し、前壁部1の塗布液供給口15から再び
吐出液溜め部13内に導入される。
【0032】基板への塗布液の塗布は、塗布液供給ポン
プPが駆動されている状態で、基板が塗布ヘッド10の
上方を斜め上方向に向かってスライドしながら、基板に
接触する液溜まりBから基板に塗布液が供給されること
により行なわれる。そして、基板が塗布ヘッド10の上
方を通過して、基板と液溜まりBとの接触が解除された
後も、塗布液供給ポンプPの駆動が継続されることによ
って、塗布液は吐出スリット11から吸込スリット12
の方向に流される。
【0033】このように、塗布ヘッド10内には常時塗
布液が充満され、かつ、この塗布液が循環されているの
で、塗布液の粘度上昇や固化を生じて基板への塗布が不
均一になるのが効果的に防止される。また、塗布液が塗
布液供給ポンプPから塗布ヘッド10に供給される際
に、濾過フィルタFを通過することによって、万一塗布
液に固化部分がある場合であっても、この固化部分が濾
過されるので、均一な塗布液の塗布を行なうことができ
る。
【0034】図1に示される上記塗布液供給機構は、塗
布液の循環系路が密閉型であるため、基板への塗布液の
塗布によって、循環路内における塗布液の量が徐々に減
少することになるが、塗布液供給機構の循環路の総容量
を十分に大きくすることによって、塗布液の減少による
塗布膜の膜厚への影響を無くすことができる。
【0035】なお、塗布液供給機構への塗布液の補給
は、循環パイプL3内に、図示しない三方弁を介して、
補給タンクから塗布液を供給するなどの方法によって行
なうことができる。
【0036】次に、本発明の塗布装置で用いられる塗布
ヘッドについて説明する。図2は、上記塗布装置におけ
る塗布ヘッドの外観斜視図である。図において、1は、
塗布ヘッドの前壁部であり、2は、後壁部である。ま
た、3は隔壁部であり、5は側壁部である。上記塗布ヘ
ッド10の長手幅方向の端部には、図1において示した
2つの液溜め部13、14、および2つのスリット1
1、12の両端開口を閉じるための側壁部5が設けら
れ、塗布ヘッドに供給した塗布液を、スリット11、1
2の上部開口を除いて密閉している。この側壁部5の上
面は、塗布ヘッドの長手幅方向に延びるスリット11、
12の開口面より高い位置にあり、したがって、塗布ヘ
ッド10の吐出スリット11から吐出し、帯状の液溜ま
りBを形成した塗布液が、その帯状の方向に液溜まりB
の端縁から流れ出ないように、側壁部5が障壁を形成し
ている。さらに、側壁部5と塗布ヘッドの本体部とはパ
ッキン7を介して結合してある。
【0037】塗布ヘッド10を構成する前壁部1、後壁
部2、隔壁部3、および側壁部5は、例えば、ステンレ
ススチールのように防錆性があり、かつ機械的強度のあ
る金属材料で構成する。また、好ましくは塗布ヘッドの
洗浄性を向上するため、塗布ヘッドを構成する金属材料
の表面に、例えば、テフロン(デュポン社の商標で4フ
ッ化エチレン樹脂を指す)や3フッ化クロルエチレン樹
脂などの、耐溶剤性のあるフッ素系樹脂の皮膜を設けて
もよい。また、パッキン7は、例えば、テフロンやナイ
ロンなど、溌液性のある樹脂シートを成形加工して構成
する。
【0038】図2において、対向して配置された前壁部
1と隔壁部3とで構成された吐出スリット11から、塗
布液供給機構によって吐出した塗布液は、塗布ヘッド1
0の最上面において、帯状の液溜まりBを形成してお
り、塗布液供給ポンプで、帯状の液溜まりBに常時供給
される塗布液は、並行して配置された後壁部2と隔壁部
3とで構成された吸込スリット12の方向に流れてい
く。但し、吐出スリット11の最端部に吐出した塗布液
は、吸込スリット12に流れ込むだけでなく、一部の塗
布液は、塗布ヘッドの端部に設けられた側壁部5に沿っ
て、毛細管現象により吸込スリット12とは反対方向に
滲み出すことがある。本発明の塗布ヘッドでは、図に示
すように、側壁部5に設けられた塗布液回収溝6、およ
びパッキン7に設けられた漏液吸込口8と漏液回収口9
で構成された塗布液回収手段によって、上記した側壁部
5に沿って吸込スリット12とは反対方向に滲み出す塗
布液を回収する。
【0039】上記塗布液回収手段について図3を用いて
詳細に説明する。図3は、上記塗布ヘッドの分解斜視図
である。図に示すように、塗布ヘッド10は、前壁部
1、後壁部2、隔壁部3、側壁部5、およびパッキン6
とで構成されている。前記前壁部1と隔壁部3とは、そ
の上端部において吐出スリット11を、また、前記吐出
スリット11の下部において、吐出スリット11と連通
した吐出液溜め部13を構成し、前記吐出液溜め部13
の最下端で、且つ塗布ヘッドの幅方向のほぼ中央部に塗
布液供給口15を備えている。同様に、後壁部2と隔壁
部3とは、その上端部において吸込スリット12を、ま
た 吸込スリット12の下部にスリット12の全域にわ
たって連通した排出液溜め部14を構成し、排出液溜め
部14の下部で塗布ヘッドのほぼ中央部に塗布液排出口
16を備えている。
【0040】ちなみに、上記塗布ヘッド本体各部の寸法
は、概略下記の通りである。但し、塗布液を塗布する被
塗布基板の幅wを最大650mmとしたときである。 塗布ヘッドの幅 =750mm 塗布ヘッドの奥行き = 50mm 塗布ヘッドの高さ = 80mm 吐出スリット、および 吸込スリットの長さW=700mm 吐出スリットの幅 = 2mm 吸込スリットの幅 = 10mm
【0041】上記塗布ヘッドの本体部において、その両
端には、図3に示すパッキン7を介して側壁部5が結合
されている。前記パッキン7には、図示するように、側
壁部5に沿って吸込スリットとは反対方向に流れ出す塗
布液を流し込むための漏液吸込口8が、塗布ヘッド本体
と固着したときの前壁部1の前縁斜面に沿って切り込み
形状で設けられ、また、回収した塗布液を、塗布ヘッド
本体の排出液溜め部14に排出するための漏液回収口9
が、円形形状の穴として設けられている。さらに、前記
パッキン7を挟んで、側壁部5を塗布ヘッド本体に固着
したとき、パッキン7に設けられた漏液吸込口8と漏液
回収口9とを連結するように、側壁部5の側面に、塗布
液回収溝6が切り込み形状の溝として設けられている。
【0042】上記構成の塗布液回収手段では、塗布ヘッ
ドの吐出スリット開口面に形成される液溜まりBから側
壁部5に沿って滲み出す塗布液を、先ず、図2、および
図3に示したパッキン7の漏液吸込口8の切り込みに導
く。次いで、漏液吸込口8に流れ落ちた塗布液は、側壁
部5に切り込まれた塗布液回収溝6に入って溝端まで流
れ落ち、パッキン7に設けてある漏液回収口9の円形の
穴を通って、塗布ヘッド内に設けられた排出液溜め部1
4に流れ込む。排出液溜め部14に流れ込んだ塗布液
は、吸込スリット12から吸い込まれた塗布液と混じり
合って、後壁部2に設けられた塗布液排出口16を通じ
て、塗布液供給ポンプによって吸引され、再び塗布液供
給口15を介して吐出液溜め部13に供給されて循環す
る。
【0043】上記図2、および図3に示したように、本
実施例では、塗布ヘッド10の端部形状に合わせた外形
形状のパッキン7に、漏液吸込口8と漏液回収口9とを
設け、さらに、塗布ヘッド10の端部の開口を閉じるた
めの側壁部5に、前記パッキン7の漏液吸込口8と漏液
回収口9とを連結する漏液回収溝6を設け、前記側壁部
5をパッキン7を介して塗布ヘッド10の両端部に結合
することによって、簡単な構造で効果的な塗布液回収手
段を構成している。前記塗布液回収手段を備えることに
よって、塗布ヘッド10のスリット端部から漏れた塗布
液を、塗布ヘッド10内の排出液溜め部14に効率的に
回収し、漏れた塗布液を有効に再利用することができる
とともに、漏れた塗布液が乾燥して固化しゴミとなるの
を防ぎ、また、塗布ヘッドの洗浄作業を長時間不要とす
ることができる。
【0044】図4は、本発明の塗布装置の他の構成を示
す模式図である。図4において、塗布ヘッド10を構成
する前壁部1の塗布液供給口15に、供給パイプL1、
L2、および塗布液濾過フィルタFを介して、塗布液供
給ポンプPの吐出側が接続されているのは図1の場合と
同様である。
【0045】図において、塗布ヘッド10を構成する後
壁部2の塗布液排出口16には、排出パイプL4を介し
て補助タンクTaが接続され、この補助タンクTaに
は、下端部が塗布液供給タンクT内に挿入された排出パ
イプL5が接続されている。補助タンクTaは、後述す
るように、その中を循環する塗布液の液面が、塗布ヘッ
ド10の吸込スリット12の開口面と同じ高さをとるこ
とができる位置に配置されており、排出パイプL4は、
補助タンクTaの底部に接続され、排出パイプL5は、
補助タンクTaの側壁に吸込スリット12の開口面とほ
ぼ同じ高さ位置で接続されている。塗布液供給ポンプP
の吸込側には吸引パイプL6が接続され、この吸引パイ
プL6の下端部は塗布液供給タンクT内に挿入されてい
る。この塗布液供給タンクTの上部は開放可能であり、
いつでも塗布液を補給することができる。
【0046】図4に示した塗布液供給機構では、塗布液
供給タンクT内には、塗布液が充填されており、排出パ
イプL5の下端部が、塗布液供給タンクT内において塗
布液の液面の下方に位置されている。さらに塗布ヘッド
の2つの液溜め部13、14、供給パイプL1、L2
内、排出パイプL4、L5内、および補助タンクTa内
にも塗布液が充満している。塗布液供給タンクT内の塗
布液は、塗布液供給ポンプPの駆動によって、吸引パイ
プL6を介して塗布液供給口15から塗布ヘッド10の
吐出液溜め部13に導入される。そして、吐出液溜め部
13に導入された塗布液は、図1の塗布液供給機構の場
合と同様に吐出スリット11を経由して、塗布ヘッドの
上面に吐出して液溜まりBを形成し、さらに、この液溜
まりBから、過剰な塗布液が吸込スリット12の方向に
流れる。
【0047】このとき、後壁部2の塗布液排出口16
と、補助タンクTaの底部とが排出パイプL4によって
連通されていることにより、補助タンクTa内の塗布液
の液面と、吸込スリット12における塗布液の液面と
が、平衡して同一高さに維持される。このため、液溜ま
りBから吸込スリット12に流れる塗布液によって、吸
込スリット12における塗布液の液面が上昇すると、補
助タンクTa内における塗布液の液面も上昇して、その
上昇分だけ、塗布液が排出パイプL5を通って、補助タ
ンクTaから塗布液供給タンクT内に排出される。すな
わち、補助タンクTa内の塗布液の液面は、ほぼ一定の
高さにあり、この液面と平衡の関係をもつ吸込スリット
12における塗布液の液面の高さが、一定に保たれるこ
とになる。
【0048】図4に示した塗布液供給機構においては、
塗布液供給ポンプPによる塗布液の吸引のために、塗布
液供給タンクTは開放型とされ、さらに、塗布ヘッド1
0からの塗布液の排出のために、塗布液供給タンクT
は、塗布ヘッドよりも低い高さ位置に設置される。も
し、後壁部2の塗布液排出口16から、塗布液供給タン
クTに直接塗布液を排出すると、塗布ヘッド10と塗布
液供給タンクTとの高低差のために、排出液溜め部14
内の塗布液が、塗布液供給タンクTに流出してしまう。
その結果、この液溜め部14内における塗布液と空気と
の接触面積が大幅に増大し、塗布液の乾燥を招くことに
なる。しかし、上述したように補助タンクTaが設けら
れることによって、吸込スリット12における塗布液の
液面が一定の高さに維持され、排出液溜め部14から塗
布液が自然流出して、塗布液と空気との接触面積が増大
することが防止される。
【0049】また、上記の塗布液供給機構によれば、塗
布液供給タンクTから塗布ヘッド10に、常に一定量の
塗布液を供給することができるとともに、塗布液供給ポ
ンプPを常時駆動することによって、塗布液を循環させ
ることができるので、塗布液の乾燥を防止することがで
きるとともに、塗布液の供給制御を簡略化できる。そし
て、塗布液供給ポンプPの駆動を停止した場合であって
も、塗布ヘッドの2つの液溜め部13、14には、塗布
液が充満されたままとなり、塗布液と空気との接触面積
は極めて少なく、液溜め部内における塗布液の乾燥が防
止される。このとき塗布ヘッド10の吐出スリット1
1、および吸込スリット12のそれぞれの開口面におい
ては、塗布液に若干の乾燥が生じるが、この乾燥は塗布
ヘッドの露出部分において生じるものであるため、容易
に拭き取ることができる。
【0050】本発明の塗布装置における塗布ヘッドで
は、塗布ヘッドの最上面に形成する塗布液の液溜まり
に、塗布ヘッドの幅方向に対して均一に塗布液を供給す
ることによって、被塗布基板に形成される塗布膜の膜圧
に均一性を得られるが、塗布液供給口から液溜め部に供
給された塗布液は、塗布液供給口から吐出スリット方向
に拡散して液溜め部内を流れる。しかし、吐出スリット
の中央部と両端部を比較すると、両端部は塗布液供給口
からの距離が中央部よりも大きく、このためスリット両
端部における塗布液の吐出圧は、中央部における吐出圧
力よりも小さくなり、均一な液溜まりBの形成が困難と
なる。このような塗布ヘッドを使用して基板への塗布液
の塗布を行なうと、中央部の塗布膜と左右両端部の塗布
膜との間に厚みムラが生じ、均一な塗布膜の膜厚を得ら
れない。
【0051】そこで、本発明の塗布装置では、塗布ヘッ
ド内の吐出液溜め部11内に、図5に示すような液流阻
害部材4を設けることによって、均一な塗布膜の膜圧を
得ることができる。図5は、隔壁部3の吐出液溜め部側
に設けられた液流阻害部材の一例を示す斜視図である。
図において3は、塗布ヘッド内に設けられた隔壁部であ
り、4は液流阻害部材である。液流阻害部材4は、塗布
ヘッドの吐出液溜め部11内に設けられ、厚さが一定
で、長さが塗布ヘッドの中央部で最も長く、左右両端部
に近ずくほど、短くなる形状を備えている。
【0052】上記形状の液流阻害部材6を隔壁部3に備
え付けることによって、前壁部と液流阻害部材4によっ
て、塗布液の流路が狭められる。すなわち、塗布液供給
口から吐出液溜め部内に供給された塗布液は、塗布ヘッ
ド中央の塗布液供給口から近傍のスリットに向かう短絡
的な流れが、液流阻害部材によって阻害され、吐出液溜
め部内の塗布液供給口と液流阻害部材との空間において
均一な圧力状態とされる。その後塗布液は、液流阻害部
材と前壁部との間隙を経由して液溜め部内をスリット方
向に流れるので、スリットから均一な圧力で塗布液が吐
出されることになる。特に、図5に示した液流阻害部材
4を用いた場合は、液流阻害部材と前壁部との間隙によ
る流路が、塗布ヘッドの中央部で最も長いので、塗布液
の流れ抵抗が最も大きくなり、逆に塗布液供給口からの
距離が大きい左右両端部近傍では、液流阻害部材と前壁
部との間隙による流路が短くなっているので、塗布液の
流れ抵抗を小さくでき、スリットから吐出される塗布液
の圧力をより均一にすることができる。
【0053】なお、本実施例の塗布装置では、被塗布基
板に塗布液を塗布する際、塗布ヘッドを固定しておき、
該塗布ヘッドの上方に対向して配置され、塗布主面を下
方に向けかつ傾斜状態で保持された被塗布基板を、塗布
ヘッドと一定の間隙を維持しながら移動したが、被塗布
基板を傾斜状態で固定しておき、前記被塗布基板の傾斜
角度と平行に、一定の間隙を維持しながら塗布ヘッドを
移動する構成にしてもよい。
【0054】また、本発明で塗布処理される枚葉基板
は、典型的には液晶表示装置のカラーフィルター用ガラ
ス基板であり、基板に塗布される液は、ガラス基板上に
微細パターンを形成するための感光性樹脂溶液である。
前記ガラス基板は非可撓性であるが、本発明で処理され
る基板はこのようなガラス基板に限らず、プラスチッ
ク、金属、紙などでもよく、また基板自体が可撓性をも
っていてもよい。また、塗布される液は、水系、溶剤系
など各種の液を用いることができ、顔料、染料、フィラ
ー、増感剤、樹脂、添加剤などを単独または組合せて混
合することもできる。
【0055】
【発明の効果】以上、詳細に説明した如く、本発明の塗
布装置は、請求項1に示したように、上方に向かって開
口するとともに、水平方向に延びる帯状のスリットを有
する塗布ヘッドに塗布液を供給してスリットから塗布液
を吐出し、前記塗布ヘッドの上方に対向して配置され、
塗布主面を下方に向けかつ傾斜状態で保持される被塗布
基板との間に帯状の液溜まりを形成し、この液溜まりを
横切る方向に前記塗布ヘッドまたは被塗布基板を相対的
に移動させることによって、塗布液の液溜まりを被塗布
基板の塗布主面に順次接触させて被塗布基板に塗布膜を
形成する塗布装置において、塗布ヘッドのスリット端部
から漏れた塗布液を、塗布ヘッド内の液溜め部に回収す
る塗布液回収手段を備えているので、塗布液の損失を防
ぐとともに、漏れた塗布液を再利用するので、塗布液の
有効利用が図れる。また、塗布ヘッドやその下方の装置
を漏れた塗布液で汚すことがなくなるので、頻繁に洗浄
作業を行なう必要がなくなり、したがって、塗布装置の
連続運転時間を長くすることができ、塗布工程の生産性
が向上する。
【0056】また、本発明の塗布装置は、請求項2に示
したように、請求項1の発明に加えて、塗布ヘッドのス
リット端部から漏れた塗布液を回収する漏液吸込口と、
回収した塗布液を塗布ヘッド内の液溜め部へ排出する漏
液回収口とを備えたパッキンと、前記パッキンの漏液吸
込口および漏液回収口に連結され、回収された塗布液を
前記漏液吸込口から漏液回収口に送り込む塗布液回収溝
を備えた側壁部とで構成された塗布液回収手段を、塗布
ヘッドの両端部に設けたので、何ら動力を必要とせず、
簡便な構造で、かつ効率的にスリット端部から漏れた塗
布液を回収でき、また、漏れた塗布液が外気と接触する
ことが少なく、漏れた塗布液が乾燥して固着することが
減少し、品質不良となるようなゴミの発生を防止でき、
歩留りの向上が図れる。
【0057】さらに、本発明の塗布装置は、請求項3に
示したように、請求項2の発明に加えて、塗布液回収手
段のパッキンが、撥液性を有する高分子樹脂で構成され
ているので、スリット両端部で漏れた塗布液が、パッキ
ンに付着することなく、容易に塗布ヘッド内の排出液溜
め部に流れ込むので、塗布液が塗布ヘッド表面で乾燥し
て固化することを効果的に防止でき、また洗浄を簡便化
することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の塗布装置の構成を示す模式図であ
る。
【図2】 本発明の塗布ヘッドにおける塗布液の状態を
示す外観斜視図である。
【図3】 本発明の塗布ヘッドの構成を示す分解斜視図
である。
【図4】 本発明の塗布装置の他の構成を示す模式図で
ある。
【図5】 本発明の塗布ヘッドの他の構成を示す斜視図
である。
【図6】 従来の塗布装置の構成を示す模式図である。
【図7】 従来の塗布装置における塗布開始時の塗布液
の状態を示す拡大図である。
【図8】 従来の塗布装置における塗布中の塗布液の状
態を示す拡大図である。
【図9】 従来の塗布装置における塗布開始時の状態を
示す側面図である。
【図10】 従来の塗布装置における塗布中の状態を示
す側面図である。
【図11】 従来の塗布装置における塗布終了時の状態
を示す側面図である。
【図12】 従来の塗布装置における塗布液の状態を示
す正面図である。
【図13】 従来の塗布装置における塗布中の状態を示
す正面図である。
【図14】 従来の塗布ヘッドにおける塗布液の状態を
示す外観斜視図である。
【符号の説明】
1 前壁部 2 後壁部 3 隔壁部 5 側壁部 6 塗布液回収溝 7 パッキン 8 漏液吸込口 9 漏液回収口 10 塗布ヘッド 11 吐出スリット 12 吸込スリット 13 吐出液溜め部 14 排出液溜め部 15 塗布液供給口 16 塗布液排出口 B 液溜まり R 塗布液 S 被塗布基板 H 基板保持部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 宮川 俊二 東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号 大日本印刷株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上方に向かって開口するとともに、水平
    方向に延びる帯状のスリットを有する塗布ヘッドに塗布
    液を供給してスリットから塗布液を吐出し、前記塗布ヘ
    ッドの上方に対向して配置され、塗布主面を下方に向け
    かつ傾斜状態で保持される被塗布基板との間に帯状の液
    溜まりを形成し、この液溜まりを横切る方向に前記塗布
    ヘッドまたは被塗布基板を相対的に移動させることによ
    って、塗布液の液溜まりを被塗布基板の塗布主面に順次
    接触させて被塗布基板に塗布膜を形成する塗布装置にお
    いて、 塗布ヘッドのスリット端部から漏れた塗布液を、塗布ヘ
    ッド内の液溜め部に回収する塗布液回収手段を備えてい
    ることを特徴とする塗布装置。
  2. 【請求項2】 塗布ヘッドのスリット端部から漏れた塗
    布液を回収する漏液吸込口と、回収した塗布液を塗布ヘ
    ッド内の液溜め部へ排出する漏液回収口とを備えたパッ
    キンと、前記パッキンの漏液吸込口および漏液回収口に
    連結され、回収された塗布液を前記漏液吸込口から漏液
    回収口に送り込む塗布液回収溝を備えた側壁部とで構成
    された塗布液回収手段を、塗布ヘッドの両端部に設けた
    ことを特徴とする請求項1に記載の塗布装置。
  3. 【請求項3】 塗布液回収手段のパッキンが、撥液性を
    有する高分子樹脂で構成されていることを特徴とする請
    求項2に記載の塗布装置。
JP33440896A 1996-12-02 1996-12-02 塗布装置 Withdrawn JPH10156248A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002233805A (ja) * 2001-02-07 2002-08-20 Dainippon Printing Co Ltd 塗布ヘッド及びこの塗布ヘッドを用いた塗布装置
JP2003080146A (ja) * 2001-09-07 2003-03-18 Dainippon Printing Co Ltd 塗工装置
CN106179891A (zh) * 2015-04-30 2016-12-07 上海禹钶机械有限公司 一种拼板布胶装置
CN107029946A (zh) * 2017-05-17 2017-08-11 广州市威迪尔实业有限公司 一种封边机的油头

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