JPH09248508A - 塗布装置および塗布方法 - Google Patents

塗布装置および塗布方法

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JPH09248508A
JPH09248508A JP8334496A JP8334496A JPH09248508A JP H09248508 A JPH09248508 A JP H09248508A JP 8334496 A JP8334496 A JP 8334496A JP 8334496 A JP8334496 A JP 8334496A JP H09248508 A JPH09248508 A JP H09248508A
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coating
substrate
slit
coating liquid
wall portion
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JP8334496A
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English (en)
Inventor
Shinichiro Murakami
慎一郎 村上
Jun Takemoto
潤 竹本
Yasuhide Nakajima
泰秀 中島
Shunji Miyagawa
俊二 宮川
Takashi Yaguchi
矢口  孝
Masayuki Murata
村田  正幸
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Dai Nippon Printing Co Ltd
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Dai Nippon Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 大型ガラス基板等の枚葉タイプの被塗布基板
に対して、そのサイズに対応して均一な塗布膜の形成が
可能な塗布装置および塗布方法を提供する。 【解決手段】 上方に向って開口するとともに水平方向
に延びる帯状のスリットを有する塗布ヘッドを備えた塗
布装置において、塗布ヘッドを構成する隔壁部の上部に
少なくとも2か所の切欠き部を軸方向に所定の間隔をも
って設け、この切欠き部には隔壁部の上部形状と一致し
た形状を有する小部材を着脱可能とし、かつ、塗布ヘッ
ドを構成する前壁部の上部に少なくとも2か所の切欠き
部を軸方向に所定の間隔をもって設け、この切欠き部に
は前壁部の上部形状と一致した形状を有する小部材を着
脱可能とし、さらに、隔壁部の上部に設けられた切欠き
部と前壁部の上部に設けられた切欠き部を、第1スリッ
トを介して対向する位置とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特に大型ガラス基
板等の枚葉タイプの被塗布基板等に塗布液を均一、か
つ、効率良く塗布するための塗布装置および塗布方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、LCD用カラーフィルタ等の大
型ガラス基板に塗布液を塗布する方式としては、スピン
塗布方式が多く用いられている。
【0003】このスピン塗布方式には大気開放型および
密閉カップ型があるが、何れの方式も、その塗布効率が
10パーセント程度と低く、しかも基板のコーナ部分の
塗布膜厚が厚くなりすぎるという欠点があり、今後見込
まれる基板サイズの大型化に伴って、塗布液の使用量、
膜厚分布およびスループット等の点において問題が指摘
されている。
【0004】上述のようなスピン塗布方式の欠点を解決
するための方式としては、ナイフ塗布方式、ロール塗布
方式またはダイ塗布方式がある。
【0005】これらの方式は、何れも、基板上に塗布用
クリアランスを設け、その設定値によって塗布膜厚を決
定して塗布面の平滑性を得る方式であるが、この方式で
は、基板表面の平滑度(凹凸度)が塗布精度以上に低い
(凹凸度が大きい)ものに対しては、均一な膜厚を得る
ことが困難である。
【0006】また、基板表面の凹凸に影響され難い塗布
液の塗布方法としては、一般にディップ塗布方式が知ら
れているが、この方式では、非塗布部を被覆することが
不可欠であり、作業が煩雑なものとなる。
【0007】そこで、上記のような各塗布方式における
欠点を解消して、枚葉基板に塗布液の物性に影響を受け
ることなく安定した状態で均一な塗布膜を形成すること
のできるビード塗布方式の塗布装置が提案されている
(特願平5−146757号)。
【0008】この塗布装置では、上向きに開口する直線
状のスリットを有する塗布ヘッドを備え、基板保持部材
に保持された基板が、その先端部が塗布ヘッドのスリッ
トの直上に所定のクリアランスを介して対向するように
位置される。そして、塗布ヘッドに塗布液が供給される
と、塗布液がスリットから吐出されてビードを形成し、
被塗布基板の先端部下面に付着する。この状態から基板
保持部材が一定速度で斜め上方にスライドされ、ビード
から塗布液が基板の下面に順次付着され、塗布液の層が
形成される。このとき、塗布ヘッドには連続して塗布液
の供給が行われ、ビードにおける塗布液の量が一定に保
たれている。そして、基板が斜め上方に上昇してその後
端部が塗布ヘッドのスリット上に到達すると、基板保持
部材のスライドが停止され、ビードを形成する塗布液が
塗布ヘッド内に吸引されてビードが消滅される。これに
よって、塗布ヘッドと基板上の塗布液の層が分離され
る。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】図14は、このような
ビード塗布方式における塗布ヘッドと基板との位置関係
を説明するための図である。図14において、塗布ヘッ
ド101は、図示されていないスリットから塗布液を吐
出して厚み800〜900μm程度のビードBを形成
し、基板保持部材102に保持された基板Sは、塗布ヘ
ッド101と所定のクリアランスC(例えば、500μ
m程度)を保つように一定速度で斜め上方(図面にほぼ
垂直方向)にスライドされて塗布が行われる。
【0010】通常、種々の基板サイズに対応するため
に、塗布ヘッド101の幅は基板Sよりも大きく設定さ
れている。したがって、基板Sを保持している基板保持
部材102の周辺部はビードBと対向した状態にあり、
この状態での基板保持部材102とビードB表面との距
離は300〜400μm程度となる。しかし、ビードB
の基板Sとの接触面にはメニスカスが形成されており、
例えば、供給ポンプにおける電圧変化等により、塗布ヘ
ッドに供給される塗布液量が増大すると、塗布液が基板
保持部材102に接触することがある。この現象が一時
的であっても、付着した塗布液が基板保持部材102の
基板保持面を汚染したり、基板保持部材102と基板S
との間にしみ込んで基板Sを汚染するという問題が生じ
る。
【0011】これを解消するために、図15に示される
ように基板保持部材102を基板Sのサイズよりも小さ
くして、基板保持部材102がビードBと対向しないよ
うにすることができる。しかしながら、サイズの大きな
基板Sが保持される場合、基板Sのうち基板保持部材1
02によって保持されていない領域が大きくなると、こ
の領域の基板Sが塗布ヘッド101方向に垂れ下がるこ
とになる。このような基板の垂れ下がり現象が生じる
と、上記の基板Sと塗布ヘッド101とのクリアランス
Cを一定に維持することが困難となり、塗布膜の膜厚の
均一化に支障を来すことになる。一方、基板Sのサイズ
に応じて基板保持部材を適切な大きさのものに交換し
て、上記のような基板Sの垂れ下がり現象を防止するこ
とも可能である。しかし、剛性の高い基板保持部材は重
量が大きく交換作業が煩雑であるという問題がある。
【0012】一方、図16に示されるように、基板保持
部材を種々の基板サイズに対応するために大きいサイズ
に設定し、塗布ヘッド101のスリットに封止部材10
3を挿入してビードBの幅を基板Sの幅よりも小さく設
定し、ビードBを基板Sの幅方向の両端部よりも内側に
接触させることにより、上記の基板保持面や基板の汚染
を防止することが考えられる。この場合、図17に示す
ように、基板Sが塗布ヘッドに対して矢印方向に移動し
て塗布が行われると、塗布の開始時点では、ビードBが
基板Sの両端部よりも内側に接触し、基板Sの塗布面の
両端部近傍S1には塗布液が塗布されない。しかし、塗
布の進行に伴って塗布液は基板Sと封止部材との間隙を
つたわって塗布ヘッド101の軸方向(図の左右方向)
に広がり、図17に斜線で示したように、塗布液が基板
Sの塗布面の両端部まで広がって、基板Sの幅方向全面
に塗布液が塗布されることになり、基板保持面や基板の
汚染を有効に防止することができないものとなる。
【0013】また、塗布ヘッド101の幅を基板Sの幅
よりも小さく設定し、ビードBを基板Sの幅方向の両端
部よりも内側に接触させることは可能であるが、基板S
のサイズの変更毎に塗布ヘッドを交換する必要があり、
作業効率が極めて悪くなるとともに、塗布対象となる基
板のサイズに応じた数の塗布ヘッドを準備する必要があ
り、製造コストの増大を来すという問題がある。
【0014】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たものであり、大型ガラス基板等の枚葉タイプの被塗布
基板に対して、そのサイズに対応して均一な塗布膜の形
成が可能な塗布装置および塗布方法を提供することを目
的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の塗布装置は、上方に向って開口するととも
に水平方向に延びる帯状のスリットを有する塗布ヘッド
と、被塗布基板を前記塗布ヘッドの上方を通って斜め上
方向に移動させるための基板保持部材とを備え、前記塗
布ヘッドに塗布液を供給し、前記基板保持部材に保持さ
れた前記被塗布基板と前記塗布ヘッドとの間に前記スリ
ットから吐出される塗布液によってビードを形成し、前
記塗布ヘッドと被塗布基板との相対移動にともなってビ
ードから被塗布基板の塗布面に塗布液を付着させること
によって前記被塗布基板への塗布液の塗布を行う塗布装
置において、前記塗布ヘッドは、隔壁部と、該隔壁部を
挟むように形成された前壁部と後壁部とを備え、前記隔
壁部の上部と前記前壁部の上部とが所定の間隔で対向し
て水平方向に延びる帯状の第1スリットを形成するとと
もに、前記隔壁部の上部と前記後壁部の上部とが所定の
間隔で対向して、前記第1スリットと平行に水平方向に
延びる帯状の第2スリットを形成し、前記隔壁部の上部
には少なくとも2か所の切欠き部が軸方向に所定の間隔
をもって設けられ、該切欠き部は前記隔壁部の上部形状
と一致した形状を有する小部材を着脱可能に装着でき、
かつ、前記前壁部の上部には少なくとも2か所の切欠き
部が軸方向に所定の間隔をもって設けられ、該切欠き部
は前記前壁部の上部形状と一致した形状を有する小部材
を着脱可能に装着でき、さらに、前記隔壁部の上部に設
けられた切欠き部と前記前壁部の上部に設けられた切欠
き部は、前記第1スリットを介して対向する位置にある
ような構成とした。
【0016】そして、本発明の塗布装置は、前記小部材
を2以上の分離可能な小片からなるような構成、前記切
欠き部が塗布ヘッドの中心から軸方向に対称となるよう
に設けられるような構成とした。
【0017】また、本発明の塗布方法は、上述のいずれ
かの塗布装置を使用し、該塗布装置の塗布ヘッドの隔壁
部の2つの切欠き部と該切欠き部に第1スリットを介し
て対向する前壁部の2つの切欠き部に小部材が装着され
ていない状態で、切欠き部下方に位置する第1スリット
および切欠き部より軸方向外側の第1スリットに封止部
材を挿入し、2つの切欠き部のそれぞれに被塗布基板の
幅方向の両端部が位置するようにして被塗布基板の塗布
面に塗布を行うような構成とした。
【0018】このような本発明では、隔壁部と前壁部の
切欠き部に小部材が装着されていない状態で切欠き部下
方に位置する第1スリットおよび切欠き部より軸方向外
側の第1スリットに封止部材を挿入することにより、塗
布ヘッドに形成される塗布液のビートの幅を2つの切欠
き部間の距離とほぼ同一として狭くすることができ、一
方、隔壁部と前壁部の切欠き部に小部材を装着すること
により、塗布ヘッドに形成される塗布液のビートの幅が
広くなる。そして、塗布ヘッドの塗布可能な全幅よりも
幅の狭い被塗布基板に塗布する場合に、小部材を装着し
ていない切欠き部に被塗布基板の幅方向の両端部が位置
するようにして被塗布基板に塗布を行うことにより、塗
布液のビードは被塗布基板の幅方向の両端部よりも内側
に接触し、かつ、切欠き部が塗布液の被塗布基板両端部
方向(塗布ヘッドの軸方向)への広がりを阻止する。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の最も好ましいと思
われる実施の形態について説明する。
【0020】図1は本発明の塗布装置の実施形態の一例
を示す概略構成図である。図1において、本発明の塗布
装置10は、装置本体11の一対の支持フレーム11A
間に基板Sのスライド方向において下流側の端部が高く
なるように傾斜した状態で取り付けられた直線状のガイ
ドフレーム12と、このガイドフレーム12にスライド
自在に取り付けられた基板保持部材13と、上向きに開
口する直線状の第1スリットS1 と第2スリットS2
有し、この第スリットS1 と第2スリットS2が相互に
平行で、かつ、ガイドフレーム12の軸方向と直交する
方向に延びるようにガイドフレーム12の下方に配置さ
れた塗布ヘッド1とを備えている。
【0021】そして、基板保持部材13は、ガイドフレ
ーム12に沿って設置されたボールねじ15に螺合され
ていて、このボールねじ15がモータMによって回転さ
れることによりガイドフレーム12に沿ってスライドさ
れるようになっている。そして、基板保持部材13の吸
引管接続部13Aに接続されている図示しない吸引機構
の作動により、その下向きの吸着面に被塗布基板Sを吸
着して保持するようになっている。また塗布ヘッド1
は、図示しない塗布液供給機構から供給される塗布液を
第1スリットS1 から上方に吐出するようになってい
る。
【0022】ここで、塗布ヘッド1を一例を図2乃至図
10を参照して説明する。
【0023】まず、塗布ヘッド1の概略構造を説明す
る。図2は塗布ヘッド1の一例を示す斜視図であり、図
3は図2に示される塗布ヘッドの III−III 線における
拡大縦断面図である。図2および図3において、塗布ヘ
ッド1は隔壁部3と、この隔壁部3を挟むように位置す
る前壁部2と後壁部4とを備えている。そして、前壁部
2の上部の側面はスリット面2aをなし、このスリット
面2aが隔壁部3の上部側面3aと対向する箇所に、軸
方向に沿って延びるとともに上方に向って開口する第1
スリットS1 が形成されている。また、隔壁部3と後壁
部4の上部の対向する面によって、軸方向に沿って延び
るとともに上方に向って開口する第2スリットS2 が形
成されており、この第2スリットS2 は上記の第1スリ
ットS1 と平行であり、かつ、第2スリットS2 の開口
面は第1スリットS1 の開口面よりも若干低い位置(例
えば、5〜10mm程度)となっている。そして、この
第1スリットS1 と第2スリットS2 を挟むようにその
両側に一対の斜面2bおよび4bが形成されている。
【0024】また、塗布ヘッド1の内部には、第1スリ
ットS1 と平行に延びるとともに、その軸方向の全域に
亘って連通される中空状の液溜り1Aが前壁部2と隔壁
部3との間に形成され、また、第2スリットS2 と平行
に延びるとともに、その軸方向の全域に亘って連通され
る中空状の液溜り1Bが隔壁部3と後壁部4との間に形
成されている。そして、液溜り1Aには図示されていな
い塗布液供給口が接続されており、この塗布液供給口か
ら導入される塗布液が液溜り1Aを介して第1スリット
1 から吐出され、ビードBを形成するようになってい
る。また、液溜り1Bには図示されていない塗布液排出
口が接続されており、ビードBから第2スリットS2
介して液溜り1Bに流れた塗布液は、この塗布液排出口
から排出されるようになっている。
【0025】図2および図3に示された塗布ヘッド1の
各部の寸法の一例としては、以下の寸法が可能である。
【0026】 塗布ヘッド1の長さa =670mm 塗布ヘッド1の幅b =48mm 塗布ヘッド1の高さc =55mm 第1スリットS1 と第2スリットS2 の長さd=650
mm 第1スリットS1 の幅e1 =2mm 第2スリットS2 の幅e2 =5mm 第1スリットS1 の深さf=10mm 液溜り1Aの深さg =30mm 次に、本発明の特徴部分である塗布ヘッド1の前壁部2
と隔壁部3の構造について説明する。
【0027】図4は図2に示される塗布ヘッド1の第1
スリットS1 と第2スリットS2 の形成部分に対応する
前壁部2の構造を説明するための斜視図であり、図5は
図4に示される前壁部2の切欠き部を示す部分拡大斜視
図である。図4および図5において、前壁部2は、その
中央部から軸方向に等距離の位置に1対の切欠き部2A
を備えている。この1対の切欠き部2Aは、前壁部2の
上部に設けられ、その深さDは、スリット面2aの深さ
fよりも小さく設定され、例えば、5〜8mm程度とす
ることができる。また、切欠き部2Aの長さL1 、1対
の切欠き部2Aの間隔L2 、および、切欠き部2Aから
スリット端部までの長さL3 は、後述するように、塗布
対称とする被塗布基板の幅サイズに応じて適宜設定する
ことができる。
【0028】このような切欠き部2Aは、図4に2点鎖
線で示されるように、前壁部の上部形状と一致した形状
(切欠き部2Aと同一形状)を有する小部材5を着脱可
能に装着できるものである。図4では、小部材5は、2
つの小片5A,5Bからなり、切欠き部2Aの塗布ヘッ
ド中央寄りに小片5Aが装着でき、切欠き部2Aの塗布
ヘッド端部側に小片5Bが装着できるようになってい
る。小片5Aの長さLaと小片5Bの長さLb は、同じ
でも、また、異なってもよく、図4では小片5Aの長さ
a が小片5Bの長さLb よりも大きくなっている。こ
のような小部材5(小片5A,5B)の切欠き部2Aへ
の装着は、例えば、図5に示されるように、前壁部2の
切欠き部2Aの上面にネジ穴R1 を貫通しないように穿
設しておき、小部材5(図示例では小片5A)に形成し
たネジ取り付け穴R2 を介してネジをネジ穴R1 に螺着
させることにより、切欠き部2Aの所定位置に精度よく
装着できる。このようの装着された小部材5(小片5
A,5B)の上端面は、前壁部2の上端面と一致するも
のであるが、小部材5(小片5A,5B)を装着するた
びに、塗布ヘッド1の上端面を研磨してもよい。
【0029】図6は図2に示される塗布ヘッド1の第1
スリットS1 と第2スリットS2 の形成部分に対応する
隔壁部3の構造を説明するための斜視図であり、図7は
図6に示される隔壁部3の切欠き部を示す部分拡大斜視
図である。図6および図7において、隔壁部3は、その
中央部から軸方向に等距離の位置に1対の切欠き部3A
を備えている。この1対の切欠き部3Aは、隔壁部3の
上部に設けられ、切欠き部3Aの長さL1 、1対の切欠
き部3Aの間隔L2 、切欠き部3Aからスリット端部ま
での長さL3 、および、切欠き部3Aの深さ(隔壁部3
の上部側面3aにおける深さ)Dは、それぞれ上述の前
壁部2における切欠き部2Aと同等である。したがっ
て、第1スリットS1 を介して切欠き部3Aは切欠き部
2Aと対向するように設定されている。
【0030】このような切欠き部3Aは、図6に2点鎖
線で示されるように、隔壁部3の上部形状と一致した形
状(切欠き部3Aと同一形状)を有する小部材6を着脱
可能に装着できるものである。図6では、小部材6は、
2つの小片6A,6Bからなり、切欠き部3Aの塗布ヘ
ッド中央寄りに小片6Aが装着でき、切欠き部3Aの塗
布ヘッド端部側に小片6Bが装着できるようになってい
る。小片6Aの長さLa と小片6Bの長さLb は、それ
ぞれ上記の小部材5を構成する小片5Aの長さLa 、小
片5Bの長さLb と等しいように設定されており、図6
では小片6Aの長さLa が小片6Bの長さLb よりも大
きくなっている。このような小部材6(小片6A,6
B)の切欠き部3Aへの装着は、例えば、図7に示され
るように、隔壁部3の切欠き部3Aの上面にネジ穴R1
を貫通しないように穿設しておき、小部材6(図示例で
は小片6A)に形成したネジ取り付け穴R2 を介してネ
ジをネジ穴R1 に螺着させることにより、切欠き部3A
の所定位置に精度よく装着できる。このようの装着され
た小部材6(小片6A,6B)の上端面は、隔壁部3の
上端部と一致するものであるが、小部材6(小片6A,
6B)を装着するたびに、塗布ヘッド1の上端面を研磨
してもよい。
【0031】次に、上述の塗布ヘッド1のおける塗布液
のビード幅の調整について説明する。
【0032】図8は図2に示される塗布ヘッド1の第1
スリットS1 と第2スリットS2 の形成部分に対応する
斜視図である。図8において、前壁部2の1対の切欠き
部2Aには、それぞれ小部材5の小片5Bのみが装着さ
れ、切欠き部2Aのうち小部材5の小片5Aが装着可能
な箇所は切欠き状態2A´となっている。また、隔壁部
3の1対の切欠き部3Aには、それぞれ小部材6の小片
6Bのみが装着され、切欠き部3Aのうち小部材6の小
片6Aが装着可能な箇所は切欠き状態3A´となってい
る。そして、この切欠き部3Aにおける切欠き状態の箇
所3A´は、上記の切欠き部2Aにおける切欠き状態の
箇所2A´と、第1スリットS1 を介して対向してい
る。
【0033】このような切欠き部2A,3Aの切欠き状
態の箇所2A´,3A´より軸方向外側の第1スリット
1 には、それぞれ封止部材9が挿入される。この封止
部材9は、図8に示されるように、切欠き部2A,3A
の切欠き状態の箇所2A´,3A´の下方に位置する第
1スリットS1 、および、切欠き部2A,3Aに装着さ
れた小片5B,6Bから軸方向外側に位置する第1スリ
ットS1 を封止可能な形状を備えている。図示例では、
各封止部材9は切欠き状態の箇所2A´,3A´に対応
する切欠き部9Aを備え、この切欠き部9Aから軸方向
内側に土堤部9a(幅1〜3mm程度)を設けたもので
ある。
【0034】図9は図8に示される塗布ヘッド1におい
て、第1スリットS1 の両端部に封止部材9を挿入した
状態を示す斜視図である。このように封止部材9が挿入
された状態においても、切欠き部2A,3Aの切欠き状
態の箇所2A´,3A´は、依然として第1スリットS
1 を介して対向した状態にある。
【0035】図9に示される塗布ヘッド1では、液溜り
1Aに供給された塗布液は、第1スリットS1 のうち切
欠き部2A,3Aの切欠き状態の箇所2A´,3A´に
挟まれた領域(図9において斜線で示される領域)から
のみ上方に吐出される。したがって、図10に示される
ように、塗布液のビードBは、切欠き部2A,3Aの切
欠き状態の箇所2A´,3A´に挟まれた領域にほぼ相
当する幅で形成される。このため、図示のように切欠き
部2A,3Aの切欠き状態の箇所2A´,3A´に、幅
方向の端部S´が位置するような幅W1 の基板Sを、塗
布ヘッド1と所定のクリアランスCを保つように一定速
度で塗布ヘッド1に対して斜め上方(紙面にほぼ垂直方
向)にスライドさせることにより、塗布液のビードBが
基板Sに対して幅方向の両端部S´よりも内側に接触し
た状態で塗布を行うことができる。このとき、基板Sに
塗着されなかった過剰な塗布液は、隔壁部3を越えて第
2スリットS2 から液溜り1Bに流れ込むとともに、基
板Sの両端部S´方向に広がろうとする塗布液は、切欠
き部2A,3Aの切欠き状態の箇所2A´,3A´に流
れ込み、次いで、第2スリットS2 に流れ込んで液溜り
1Bに送られる。これにより、塗布液のビードBが基板
Sの両端部S´の内側に接触する幅は安定して維持さ
れ、塗布液が基板Sの両端部S´まで広がって、基板S
の幅方向全面に塗布液が塗布されることはない。
【0036】尚、基板Sの端部S´が切欠き部2A,3
Aの切欠き状態の箇所2A´,3A´に突出する幅W´
は、塗布液の粘度、クリアランスC等を考慮して設定す
ることができるが、例えば、0〜1mm程度とすること
ができる。
【0037】上述の図8乃至図10のように、塗布ヘッ
ド1は幅W1 の基板Sに対して、基板両端部S´近傍を
塗布しないように塗布することが可能であるが、塗布ヘ
ッド1は他の幅サイズの基板Sに対しても同様に塗布を
行うことができる。そして、本発明の塗布方法は、上述
のような塗布ヘッドに封止部材を使用することによっ
て、種々の幅の基板Sに対して、塗布ヘッド交換や基板
保持部材の交換が不要な簡便な操作によって、基板両端
部の近傍を塗布しないように塗布するものである。この
本発明の塗布方法について、図11を参照して説明す
る。
【0038】図11は、上述の塗布ヘッド1を備えた塗
布装置を用いて、基板Sの幅サイズの変化に対応した本
発明の塗布方法を説明する図である。
【0039】図11(A)は、図8乃至図10に示され
るように、幅W1 の基板Sに対して塗布を行う場合の塗
布ヘッド1を示すものであり、前壁部2の1対の切欠き
部2A、および、隔壁部3の1対の切欠き部3Aには、
それぞれ小片5B,6Bのみが装着されており、小片5
A,6Aが装着可能な箇所は切欠き状態2A´,3A´
となっている。そして、この切欠き部2A,3Aの切欠
き状態の箇所2A´,3A´より軸方向外側の第1スリ
ットS1 には、それぞれ封止部材9(斜線部分)が挿入
されている。
【0040】図11(B)は、幅W2 (W1 <W2 )の
基板Sに対して塗布を行う場合の塗布ヘッド1を示すも
のであり、前壁部2の1対の切欠き部2A、および、隔
壁部3の1対の切欠き部3Aには、それぞれ小片5A,
6Aのみが装着されており、小片5B,6Bが装着可能
な箇所は切欠き状態2A″,3A″となっている。そし
て、この切欠き部2A,3Aの切欠き状態の箇所2
A″,3A″より軸方向外側の第1スリットS1 には、
それぞれ封止部材9´(斜線部分)が挿入されている。
図11(B)において切欠き状態となっている小片5
B,6Bが装着可能な箇所2A″,3A″は、図11
(A)において切欠き状態となっている箇所2A´,3
A´よりも、塗布ヘッド1の軸方向の外側に位置してい
るので、広幅の基板S(幅W2 )に対して、同様に基板
両端部S´近傍を塗布しないように塗布することが可能
となる。
【0041】また、図11(C)は、幅W3 (W1 <W
3 <W2 )の基板Sに対して塗布を行う場合の塗布ヘッ
ド1を示すものであり、前壁部2の一方の切欠き部2A
(図示例では右側の切欠き部)、および、この切欠き部
2Aに対向する位置の隔壁部3の切欠き部3Aには、そ
れぞれ小片5B,6Bのみが装着されており、小片5
A,6Aが装着可能な箇所は切欠き状態2A´,3A´
となっている。そして、この切欠き部2A,3Aの切欠
き状態の箇所2A´,3A´より軸方向外側の第1スリ
ットS1 には、封止部材9(斜線部分)が挿入されてい
る。また、前壁部2の他方の切欠き部2A(図示例では
左側の切欠き部)、および、この切欠き部2Aに対向す
る位置の隔壁部3の切欠き部3Aには、それぞれ小片5
A,6Aのみが装着されており、小片5B,6Bが装着
可能な箇所は切欠き状態2A″,3A″となっている。
そして、この切欠き部2A,3Aの切欠き状態の箇所2
A″,3A″より軸方向外側の第1スリットS1 には、
封止部材9´(斜線部分)が挿入されている。図11
(C)において切欠き状態となっている箇所の距離(2
A´−2A″、3A´−3A″)は、図11(A)にお
いて切欠き状態となっている箇所の距離(2A´−2A
´、3A´−3A´)よりも大きく、図11(B)にお
いて切欠き状態となっている箇所の距離(2A″−2
A″、3A″−3A″)よりも小さいので、ほぼ中間の
幅W3 をもつ基板Sに対して、同様に基板両端部S´近
傍を塗布しないように塗布することが可能となる。
【0042】さらに、前壁部2の1対の切欠き部2A、
および、隔壁部3の1対の切欠き部3Aに、それぞれ小
部材5,6を装着することにより、塗布ヘッドの塗布可
能幅よりも若干幅の大きい基板Sに対して、同様に基板
両端部S´近傍を塗布しないように塗布することが可能
である。
【0043】上述のように、本発明の塗布方法は、塗布
ヘッド1に封止部材9,9´を使用することにより、幅
1 ,W2 ,W3 および塗布ヘッドの塗布可能幅よりも
若干幅の大きい幅の4種の基板Sに対して、基板両端部
S´近傍を塗布しないような塗布が可能であり、かつ、
基板Sの幅の変更に対応する操作は小部材と封止部材の
交換だけでよく、塗布ヘッドの交換や基板保持部材の交
換が不要な簡便なものである。
【0044】尚、本発明では、前壁部および隔壁部の切
欠き部の寸法、形成位置、形成個数、ならびに、この切
欠き部に着脱可能な小部材の寸法、小片の数等を適宜設
定することにより、塗布可能な基板サイズの種類を任意
に設定することができる。
【0045】ここで、本発明の塗布装置における塗布液
供給機構について説明する。
【0046】図12は、本発明の塗布装置における塗布
液供給機構の一例を示す構成図である。図12におい
て、塗布ヘッド1の液溜り1Aには、その塗布液供給口
に供給パイプP1およびP2を介して塗布液供給ポンプ
Pの吐出側が接続されており、この塗布液供給ポンプP
から塗布液供給口を介して液溜り1Aに塗布液が供給さ
れるようになっている。供給パイプP1とP2の間に
は、フィルタFが接続されている。尚、塗布液供給口
は、塗布ヘッド1の長手方向において前壁部2の中央部
に1個設けられていればよいが、塗布ヘッド1の長手方
向に沿って複数個設けるようにしてもよい。
【0047】また、塗布ヘッド1の液溜り1Bには、そ
の塗布液排出口に塗布液の循環パイプP3の一端部が接
続され、この循環パイプP3の他端部が、塗布液供給ポ
ンプPの吸い込み側に接続されている。
【0048】上記の塗布液供給機構では、塗布ヘッド1
の液溜り1A,1B、供給パイプP1,P2および循環
パイプP3内に、塗布液が充満されている。そして、塗
布液供給ポンプPが常時駆動されていて、この塗布液供
給ポンプPによって液溜り1Aに導入された塗布液は、
第1スリットS1 から塗布ヘッド1の上面に吐出してビ
ードBを形成する。
【0049】このビードBには、塗布液供給ポンプPが
常時駆動されていることによって常時第1スリットS1
から塗布液が供給され、この塗布液の供給によってビー
ドBにおける塗布液の量が増加するが、この増加分の塗
布液は、第2スリットS2 の方向に流れる。
【0050】そして、後壁部4の塗布液排出口および循
環パイプP3を介して接続されている塗布液供給ポンプ
Pの吸引力によって、ビードBから第2スリットS2
流れた塗布液が液溜り1B内に吸い込まれる。この液溜
り1B内に吸い込まれた塗布液は、塗布液排出口→循環
パイプP3→塗布液供給ポンプP→供給パイプP1→フ
ィルタF→供給パイプP2の経路で循環して、前壁部2
の塗布液供給口から再び液溜り1A内に導入される。
【0051】基板への塗布液の塗布は、塗布液供給ポン
プPが駆動されている状態で、基板が塗布ヘッド1の上
方を斜め上方に向ってスライド(図12において左から
右の方向)して、基板に接触するビードBから基板に塗
布液が供給されることにより行われる。そして、基板が
塗布ヘッド1の上方を通過して基板とビードBの接触状
態が解除された後も、塗布液供給ポンプPの駆動が継続
されることによって、塗布液が第1スリットS1 から第
2スリットS2 の方向に流される。
【0052】このように塗布ヘッド1内には常時塗布液
が充満され、かつ、この塗布液が循環されているので、
塗布液の粘度上昇や固化を生じて基板への塗布が不均一
になることが有効に防止される。
【0053】また、塗布液が塗布液供給ポンプPから塗
布ヘッド1に供給される際に、塗布液がフィルタFを通
過することによって、万一塗布液に固化部分がある場合
であってもこの固化部分が除去されるので、均一な塗布
液の塗布を行うことができる。
【0054】図12に示される上記塗布液供給機構は塗
布液の循環路が密閉型であるため、基板への塗布液の塗
布によって循環路内における塗布液の量が徐々に減って
いくことになるが、塗布液供給機構の循環路の総容積を
十分に大きくすることによって、塗布液の減少による塗
布膜の厚さへの影響を無くすことができる。
【0055】なお、塗布液供給機構への塗布液の補給
は、供給パイプP1,P2または循環パイプP3内に図
示しない三方弁を介して補給タンクから塗布液を供給す
る等の方法によって行うことができる。
【0056】図13は、本発明の塗布装置における塗布
液供給機構の他の例を示す構成図である。
【0057】図13において、塗布ヘッド1の前壁部2
の塗布液供給口には供給パイプP1,フィルタFおよび
供給パイプP2を介して塗布液供給ポンプPの吐出側が
接続されているのは、図12の場合と同様である。
【0058】塗布ヘッド1の後壁部4の塗布液排出口に
は、排出パイプP4を介してサブタンク21が接続さ
れ、このサブタンク21には下端部が塗布液供給タンク
22内に挿入された排出パイプP5が接続されている。
【0059】サブタンク21は、後述するようにその中
を循環する塗布液の液面が、塗布ヘッド1の第2スリッ
トS2 の開口面と同じ高さをとることができる位置に配
置されており、排出パイプP4はサブタンク21の底部
に接続され、排出パイプP5はサブタンク21の側壁に
第2スリットS2 の開口面とほぼ同じ高さ位置で接続さ
れている。
【0060】塗布液供給ポンプPの吸引側には吸引パイ
プP6が接続され、この吸引パイプP6の下端部は、塗
布液供給タンク22内に挿入されている。この塗布液供
給タンク22の上部は開放されている。
【0061】図13の示した塗布液供給機構では、塗布
液供給タンク22内には塗布液が充填されており、排出
パイプP5の下端部が塗布液供給タンク22内において
塗布液の液面の下方に位置されている。さらに、塗布ヘ
ッド1の液溜り1A,1B、供給パイプP1,P2、排
出パイプP4およびサブタンク21内には、塗布液が充
満されている。
【0062】塗布液供給タンク22内の塗布液は、塗布
液供給ポンプPの駆動によって吸引パイプP6に吸い上
げられることにより、供給パイプP1,フィルタFおよ
び供給パイプP2を介して塗布液供給口から塗布ヘッド
1の液溜り1Aに導入される。そして、液溜り1Aに導
入された塗布液は、図12の塗布液供給機構の場合と同
様に、第1スリットS1 から塗布ヘッド1の上面に吐出
してビードBを形成し、さらに、このビードBから過剰
な塗布液が第2スリットS2 の方向に流れる。
【0063】このとき、後壁部4の塗布液排出口とサブ
タンク21の底部とが排出パイプP4によって連通され
ていることによりサブタンク21内の塗布液の液面と第
2スリットS2 における塗布液の液面とが平衡して同一
高さに維持される。このため、ビードBから第2スリッ
トS2 に流れる塗布液によって第2スリットS2 におけ
る塗布液の液面が上昇するとサブタンク21内における
塗布液の液面も上昇して、その上昇分だけ塗布液がサブ
タンク21から排出パイプP5を介して塗布液供給タン
ク22内に排出される。すなわち、サブタンク21内の
塗布液の液面は常にほぼ一定の高さにあり、この液面と
平衡の関係をもつ第2スリットS2 における塗布液の液
面の高さが一定に保たれることになる。
【0064】図13に示される塗布液供給機構において
は、塗布液供給ポンプPによる塗布液の吸引のために塗
布液供給タンク22は開放型とされ、さらに塗布ヘッド
1からの塗布液の排出のために塗布液供給タンク22は
塗布ヘッド1よりも低い位置に設置される。もし後壁部
4の塗布液排出口から塗布液供給タンク22に直接塗布
液を排出すると、塗布ヘッド1と塗布液供給タンク22
との高低差のために液溜り1B内の塗布液が塗布液供給
タンク22に流出してしまう。その結果、この液溜り1
B内における塗布液と空気との接触面積が大幅に増大し
て塗布液の乾燥を招来してしまう。しかし、上述のよう
にサブタンク21が設けられることによって、第2スリ
ットS2 における塗布液の液面が一定の高さに維持さ
れ、液溜り1Bから塗布液が流出して塗布液と空気との
接触面積が増大することが防止される。
【0065】また、上記の塗布液供給機構によれば、塗
布液供給タンク22から塗布ヘッド1に常に一定量の塗
布液を供給することができるとともに、塗布液供給ポン
プPを常時駆動することによって塗布液を循環させるこ
とができるので、塗布液の乾燥を防止することができる
とともに塗布液の供給制御を簡便に行うことができる。
そして、塗布液供給ポンプPの駆動を停止した場合であ
っても、塗布ヘッド1の液溜り1Aおよび1B内には塗
布液が充満されたままとなり、塗布液と空気の接触面積
は極めて少なく、液溜り1Aおよび1B内における塗布
液の乾燥が防止される。このとき、塗布ヘッド1の第1
スリットS1 および第2スリットS2 のそれぞれの開口
面においては、塗布液に若干の乾燥が生じるが、この乾
燥は塗布ヘッド1の露出部分において生じるものである
ため、容易に拭き取ることができる。
【0066】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば上
方に向って開口するとともに水平方向に延びる帯状のス
リットを有する塗布ヘッドを備えた塗布装置において、
塗布ヘッドを構成する隔壁部の上部に少なくとも2か所
の切欠き部を軸方向に所定の間隔をもって設け、この切
欠き部には隔壁部の上部形状と一致した形状を有する小
部材を着脱可能とし、かつ、塗布ヘッドを構成する前壁
部の上部に少なくとも2か所の切欠き部を軸方向に所定
の間隔をもって設け、この切欠き部には前壁部の上部形
状と一致した形状を有する小部材を着脱可能とし、さら
に、隔壁部の上部に設けられた切欠き部と前壁部の上部
に設けられた切欠き部を、第1スリットを介して対向す
る位置とするので、隔壁部の切欠き部とこれに対向する
前壁部の切欠き部とに小部材が装着されていない箇所を
形成した状態で切欠き部下方の第1スリットおよび切欠
き部より外側の第1スリットに封止部材を挿入すること
により、塗布ヘッドに形成される塗布液のビートの幅が
狭くなり、一方、隔壁部の切欠き部と前壁部の切欠き部
に装着する小部材の装着位置を変更して封止部材を挿入
したり、切欠き部すべてに小部材を装着することによ
り、塗布ヘッドに形成される塗布液のビートの幅が広く
なり、したがって、被塗布基板の幅サイズに応じて小部
材の装着や取りはずし、および封止部材の交換により塗
布液のビード幅を簡易に調整することができる。このた
め、塗布ヘッドの塗布可能幅よりも幅の小さい被塗布基
板に塗布する場合に、切欠き部に被塗布基板の幅方向の
両端部が位置するようにして被塗布基板に塗布を行うこ
とにより、塗布液のビードは被塗布基板に対して幅方向
の両端部よりも内側に接触し、かつ、切欠き部の存在に
よって塗布液が被塗布基板の両端部方向へ広がることが
防止されるので、塗布液が基板の端部に接触し基板保持
部材と被塗布基板との間にしみ込むことが有効に防止で
き、塗布液による基板保持部材および被塗布基板裏面の
汚染を生じることのない均一な塗布が可能であるととも
に、上述のように、切欠き部の形成箇所、大きさや、小
部材の装着や取りはずしにより基板サイズの変化に対し
て容易に対応できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の塗布装置の実施形態の一例を示す概略
構成図である。
【図2】図1に示される塗布ヘッドの一例を示す斜視図
である。
【図3】図2に示される塗布ヘッドの III−III 線にお
ける拡大縦断面図である。
【図4】図2に示される塗布ヘッドの第1スリットと第
2スリットの形成部分に対応する前壁部の構成を説明す
るための斜視図である。
【図5】図4に示される前壁部の切欠き部を示す部分拡
大斜視図である。
【図6】図2に示される塗布ヘッドの第1スリットと第
2スリットの形成部分に対応する隔壁部の構成を説明す
るための斜視図である。
【図7】図6に示される隔壁部の切欠き部を示す部分拡
大斜視図である。
【図8】図2に示される塗布ヘッドの第1スリットS1
と第2スリットS2 の形成部分に対応する斜視図であ
る。
【図9】図8に示される塗布ヘッドの第1スリットに封
止部材を挿入した状態を示す斜視図である。
【図10】本発明の塗布装置の塗布ヘッドにおけるビー
ドと基板との接触状態を説明するための図である。
【図11】基板の幅サイズの変化に対応した本発明の塗
布方法を説明する図である。
【図12】本発明の塗布装置における塗布ヘッドへの塗
布液供給機構の一例を示す構成図である。
【図13】本発明の塗布装置における塗布ヘッドへの塗
布液供給機構の他の例を示す構成図である。
【図14】従来の塗布ヘッドと基板保持部材に保持され
た基板との位置関係を説明するための図である。
【図15】従来の塗布ヘッドと基板保持部材に保持され
た基板との位置関係を説明するための図である。
【図16】従来の塗布ヘッドと基板保持部材に保持され
た基板との位置関係を説明するための図である。
【図17】従来の塗布ヘッドによる基板への塗布状態を
説明するための図である。
【符号の説明】
1…塗布ヘッド 2…前壁部 3…隔壁部 4…後壁部 2A,3A…切欠き部 5,6…小部材 5A,5B,6A,6B…小片 10…塗布装置 S1 …第1スリット S2 …第2スリット B…ビード S…基板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 宮川 俊二 東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号 大日本印刷株式会社内 (72)発明者 矢口 孝 東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号 大日本印刷株式会社内 (72)発明者 村田 正幸 東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号 大日本印刷株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上方に向って開口するとともに水平方向
    に延びる帯状のスリットを有する塗布ヘッドと、被塗布
    基板を前記塗布ヘッドの上方を通って斜め上方向に移動
    させるための基板保持部材とを備え、前記塗布ヘッドに
    塗布液を供給し、前記基板保持部材に保持された前記被
    塗布基板と前記塗布ヘッドとの間に前記スリットから吐
    出される塗布液によってビードを形成し、前記塗布ヘッ
    ドと被塗布基板との相対移動にともなってビードから被
    塗布基板の塗布面に塗布液を付着させることによって前
    記被塗布基板への塗布液の塗布を行う塗布装置におい
    て、 前記塗布ヘッドは、隔壁部と、該隔壁部を挟むように形
    成された前壁部と後壁部とを備え、前記隔壁部の上部と
    前記前壁部の上部とが所定の間隔で対向して水平方向に
    延びる帯状の第1スリットを形成するとともに、前記隔
    壁部の上部と前記後壁部の上部とが所定の間隔で対向し
    て、前記第1スリットと平行に水平方向に延びる帯状の
    第2スリットを形成し、前記隔壁部の上部には少なくと
    も2か所の切欠き部が軸方向に所定の間隔をもって設け
    られ、該切欠き部は前記隔壁部の上部形状と一致した形
    状を有する小部材を着脱可能に装着でき、かつ、前記前
    壁部の上部には少なくとも2か所の切欠き部が軸方向に
    所定の間隔をもって設けられ、該切欠き部は前記前壁部
    の上部形状と一致した形状を有する小部材を着脱可能に
    装着でき、さらに、前記隔壁部の上部に設けられた切欠
    き部と前記前壁部の上部に設けられた切欠き部は、前記
    第1スリットを介して対向する位置にあることを特徴と
    する塗布装置。
  2. 【請求項2】 前記小部材は、2以上の分離可能な小片
    からなることを特徴とする請求項1に記載の塗布装置。
  3. 【請求項3】 前記切欠き部は、塗布ヘッドの中心から
    軸方向に対称となるように設けられていることを特徴と
    する請求項1または請求項2に記載の塗布装置。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至請求項3のいずれかに記載
    の塗布装置を使用し、該塗布装置の塗布ヘッドの隔壁部
    の2つの切欠き部と該切欠き部に第1スリットを介して
    対向する前壁部の2つの切欠き部に小部材が装着されて
    いない状態で、切欠き部下方に位置する第1スリットお
    よび切欠き部より軸方向外側の第1スリットに封止部材
    を挿入し、2つの切欠き部のそれぞれに被塗布基板の幅
    方向の両端部が位置するようにして被塗布基板の塗布面
    に塗布を行うことを特徴とする塗布方法。
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Cited By (3)

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