JPH10154634A - 積層セラミック電子部品の製造方法 - Google Patents

積層セラミック電子部品の製造方法

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JPH10154634A
JPH10154634A JP8311649A JP31164996A JPH10154634A JP H10154634 A JPH10154634 A JP H10154634A JP 8311649 A JP8311649 A JP 8311649A JP 31164996 A JP31164996 A JP 31164996A JP H10154634 A JPH10154634 A JP H10154634A
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Takeki Kamata
雄樹 鎌田
Kazumasa Konishi
一誠 小西
Osamu Yamashita
修 山下
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 積層セラミック電子部品の製造工程で、切断
後のグリーンチップの再付着を防止することを目的とす
る。 【解決手段】 金属基盤3面上に接着剤層2aを介して
接着固定されたベースフィルム2面上に、直接積層体グ
リーンブロック1を形成し、グリーンチップ1a形状に
裁断後、ベースフィルム2を金属基盤3より剥がし、次
いでベースフィルム2を機械的に引き伸ばすことにより
グリーンチップ1aを剥離させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は積層セラミック電子
部品の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】以下に従来技術として、積層セラミック
電子部品の一つである積層セラミックコンデンサの製造
方法について図4を参照しながら説明する。
【0003】図4は積層体グリーンブロックを裁断した
状態の断面図である。図4において、1は積層体グリー
ンブロック(以降ブロックと称する)、1aはブロック
1の裁断片(以降、グリーンチップと称する)、2はベ
ースフィルム、2aはポリエステルシート、2bは発泡
剤含有接着剤層、3は金属基盤である。
【0004】金属基盤3の面上に発泡剤含有接着剤層2
bを介して接着固定したベースフィルム2面にセラミッ
クグリーンシート(以降、グリーンシートと称する)と
内部電極層を交互に複数層積層したブロック1を所定寸
法形状に裁断した後、次に、全体を130℃付近の温度
に加熱すると発泡剤含有接着剤層2bが発泡し、発泡剤
含有接着剤層2bとグリーンチップ1aの接着面積が減
少することにより、ベースフィルム2からグリーンチッ
プ1aが剥離される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の技術では、
グリーンチップ1aをベースフィルム2から剥離する
際、発泡剤含有接着剤層2bを発泡させるために加熱す
ると、加熱によりグリーンチップ1aに含まれているバ
インダ成分が軟化してグリーンチップ1a同士が再付着
してしまうという問題があった。
【0006】本発明は上記従来の問題点を解決するもの
で、グリーンチップの再付着を防止することを目的とす
るものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に本発明は、基盤面に接着剤層を介して接着固定された
ベースフィルム上に、グリーンシートと内部電極を交互
に複数層積層して得たブロックを形成後、このブロック
を所定形状寸法に裁断後、基盤よりベースフィルムを剥
離し、次いでベースフィルムを機械的に伸長させグリー
ンチップをベースフィルムから剥離させることにより、
所期の目的を達成するものである。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1に記載の発明
は、基盤表面に接着剤層を介して固定されたベースフィ
ルム上に、グリーンシート層と内部電極層を交互に複数
層積層してブロックを形成した後、前記ベースフィルム
上でブロックを所定形状寸法に裁断し、次いで前記基盤
よりベースフィルムを剥離し、その後前記ベースフィル
ムを機械的に引き伸ばすことにより、裁断されたグリー
ンチップを前記ベースフィルムから剥離する積層セラミ
ック電子部品の製造方法であり、前記ベースフィルムと
ブロックはグリーンシート表面に表出したバインダ成分
によって接着固定されており、ブロックの裁断時に、位
置がずれることなく寸法精度よく裁断でき、裁断後前記
ベースフィルムを機械的に引き伸ばすことにより、前記
グリーンチップと前記ベースフィルムの接着面積が小さ
くなることにより容易に剥離する。
【0009】本発明の請求項2に記載の発明は、ベース
フィルムをポリエチレン製とするもので、基盤からベー
スフィルムを剥離及びグリーンチップをベースフィルム
から剥離する際に、機械的に引き伸ばした場合に耐える
機械的強度を有するとともに、引き伸ばした時の伸び率
が大きく、グリーンチップをベースフィルムから容易に
剥離することができる。
【0010】本発明の請求項3に記載の発明は、ベース
フィルムをポリエチレンテレフタレート製とするもの
で、基盤からベースフィルムを剥離及びグリーンチップ
をベースフィルムから剥離する際に、機械的に引き伸ば
した場合に耐える機械的強度を有するとともに、引き伸
ばした時の伸び率が大きく、グリーンチップをベースフ
ィルムから容易に剥離することができる。
【0011】本発明の請求項4に記載の発明は、ベース
フィルムの厚みを25μm以上1000μm以下とする
もので、ブロックをベースフィルムに接着固定させ、ブ
ロックを裁断する際の切断刃が、基盤までに達するのを
防ぐのに必要な厚さと、またベースフィルムを機械的に
引き伸ばしたときに、必要な強度を確保するに足るベー
スフィルム厚さを定めたものである。
【0012】本発明の請求項5に記載の発明は、ベース
フィルムの表面粗さRaを10μm以下とするものであ
り、グリーンシートと内部電極を交互に複数層積層した
後、前記積層体を加圧圧着してブロックとするとき、ベ
ースフィルムとブロックの接着界面にアンカー効果を生
じさせ、密着性を高めることにより裁断時の位置ずれを
抑制するのに、必要なベースフィルムの表面粗さを定め
たものである。
【0013】本発明の請求項6に記載の発明は、ベース
フィルムとして表面をコロナ放電処理したものを用いる
ものであり、ベースフィルムの表面をコロナ放電処理す
ることにより、その表面に分子レベルの官能基を生じ、
これが積層体を加圧圧着してブロックとするときに、ベ
ースフィルムとブロックの接着界面において、グリーン
シートに含まれたバインダー成分と結合することによ
り、ベースフィルムとの密着性が高められ裁断時の位置
ずれを抑制する事ができる。
【0014】本発明の請求項7に記載の発明は、ベース
フィルムの面積がグリーンシートの面積より大きく、か
つ2倍より小さく、さらにグリーンシート全体がベース
フィルム面上にあるもので、ベースフィルム面上に積層
したブロック全体が確実に接着固定され、さらにベース
フィルムを機械的に引き伸ばし、裁断後のグリーンチッ
プをベースフィルムより容易に剥離することができる。
【0015】本発明の請求項8に記載の発明は、基盤に
接着固定するために設けられた接着剤層の面積を、ベー
スフィルムの面積の少なくとも5%より大きくしたもの
であり、グリーンシートと内部電極を交互に複数層積層
したブロックの作製及びブロックの裁断の各工程で、基
盤からベースフィルムの位置ずれや剥がれ等の不具合を
発生させない接着面積が確保され、尚かつ基盤からベー
スフィルムを容易に剥離する事が出来る。
【0016】本発明の請求項9に記載の発明は、ベース
フィルムとグリーンシート間の接着強度を30gf/5
0mm以上、150gf/50mm以下とするもので、
グリーンシートと内部電極を交互に複数層積層したブロ
ックの作製及びブロックの裁断の各工程で、ベースフィ
ルムとグリーンシート及びブロックの位置ずれや剥がれ
等の不具合を発生させない接着強度を保ち、尚かつブロ
ックを裁断後ベースフィルムを機械的に引き伸ばした際
に、グリーンチップを容易に剥離させることのできるベ
ースフィルムとグリーンシート間の接着強度を定めたも
のである。
【0017】本発明の請求項10に記載の発明は、基盤
とベースフィルム間の接着強度を0.5gf/50mm
以上、20gf/50mm以下とするものであり、グリ
ーンシートと内部電極を交互に複数層積層したブロック
の作製及びブロックの裁断工程で、ベースフィルムが基
盤から剥がれず、尚かつ金属基盤からベースフィルムを
容易に剥離することができる金属基盤とベースフィルム
間の接着強度を定めたものである。
【0018】本発明の請求項11に記載の発明は、ベー
スフィルムの一辺に平行に、短い切り溝または孔を複数
設けたものであり、ベースフィルムを機械的に引き伸ば
した時の伸び率を大きくし、これによってベースフィル
ムからグリーンチップを容易に剥離することができる。
【0019】本発明の請求項12に記載の発明は、ベー
スフィルムの一辺に平行に、短い切り溝を千鳥状に複数
設けたもので、ベースフィルムを機械的に引き伸ばした
時の伸び率を大きくし、これによってベースフィルムか
らグリーンチップを容易に剥離することができる。
【0020】本発明の請求項13に記載の発明は、ベー
スフィルムの一辺に対し45°以下の角度で、ベースフ
ィルムの厚さより薄く、かつ裏面に達しない程度の深さ
の切り溝を複数設けたものであり、ベースフィルムを機
械的に引き伸ばしたときの伸び率を大きくし、これによ
ってベースフィルムからグリーンチップを容易に剥離す
ることができる。
【0021】本発明の請求項14に記載の発明は、ベー
スフィルムの一辺に対し45°以下の角度で、ベースフ
ィルムの厚さより薄く、かつ裏面に達しない程度の深さ
の切り溝を格子状に複数設けたものであり、ベースフィ
ルムを機械的に引き伸ばしたときの伸び率を大きくし、
これによってベースフィルムからグリーンチップを容易
に剥離することができる。
【0022】本発明の請求項15に記載の発明は、ベー
スフィルムの少なくとも二点を固定し、水平方向に引き
伸ばすことにより、ベースフィルムからグリーンチップ
を容易に剥離するものである。
【0023】本発明の請求項16に記載の発明は、ベー
スフィルムの少なくとも二点を固定し、ベースフィルム
の裏面側を棒状の突起を有する治具で押圧するものであ
り、これによりベースフィルムが局所的に引き伸ばさ
れ、グリーンチップをベースフィルムから容易に剥離す
ることができる。
【0024】本発明の請求項17に記載の発明は、グリ
ーンチップをベースフィルムから剥離する際に、ベース
フィルムの裏面側を押圧する棒状突起を有する治具の少
なくとも一部に超音波を印加するものであり、これによ
り突起部で機械的にベースフィルムを引き伸ばすと同時
に、これに振動を加えることで、グリーンチップをベー
スフィルムから更に容易に剥離することができる。
【0025】本発明の請求項18に記載の発明は、ベー
スフィルムの少なくとも二点を固定し、ベースフィルム
面と同一平面方向に、固定した二点を反対方向にそれぞ
れ振動させるものであり、ベースフィルムを適度に振動
させることによって、グリーンチップをベースフィルム
から容易に剥離することができる。
【0026】本発明の請求項19に記載の発明は、ベー
スフィルムの少なくとも二点を固定し、ベースフィルム
面に対し垂直方向へ、固定した二点を反対方向にそれぞ
れ振動させるものであり、ベースフィルムを適度に振動
させることによって、グリーンチップをベースフィルム
から容易に剥離することができる。
【0027】本発明の請求項20に記載の発明は、ベー
スフィルムの少なくとも二点を固定し、固定した二点を
ランダムな方向へそれぞれ振動させるものであり、ベー
スフィルムを適度に振動させることによって、グリーン
チップをベースフィルムから容易に剥離することができ
る。
【0028】本発明の請求項21に記載の発明は、ブロ
ックを裁断後、少なくとも室温以下の温度に保持した
後、前記裁断片をベースフィルムから剥離するものであ
り、裁断後のブロックを室温以下の温度に保持すること
により、ブロックからベースフィルム面に表出したバイ
ンダー成分が軟化し、ベースフィルムと裁断片の接着強
度が低下し剥がれやすくなるとともに、剥離した裁断片
同士の再付着を抑制することができる。
【0029】(実施の形態1)以下、本発明の一実施形
態について、積層セラミックコンデンサ(以降、積層コ
ンデンサと称する)を例に図1から図3を用いて説明す
る。
【0030】図1は本実施形態のブロックの切断後の断
面図、図2(a),(b),(c)及び(d)は本発明
のベースフィルムの平面図、図3はグリーンチップをベ
ースフィルムから剥離する一手段を示す断面図である。
図1において、金属基盤3面上に接着剤層2aを介して
固着されたベースフィルム2の母材2b面上にブロック
1を形成し、前記ブロック1を所定の積層コンデンサ形
状に裁断してグリーンチップ1aとする。その後、ベー
スフィルム2を金属基盤3から剥離し、図3に示すよう
に棒状突起4をベースフィルム2の接着剤層2a面にお
しあてながら、順次グリーンチップ1aをベースフィル
ム2の母材2b面より剥離する。また図2にはベースフ
ィルム2に施した溝2c、孔2d、切り溝2e、格子状
の切り溝2fの一例をそれぞれ示した。
【0031】まず、図1に示す縦、横200mmのステ
ンレス製の金属基盤3面上に接着固定したベースフィル
ム2面に、予め所定のパターンを用いて内部電極を印刷
した縦、横145mmのグリーンシートを積層コンデン
サ形状に裁断した時、前記内部電極が積層コンデンサの
互いに異なる端面に交互に露出するように、グリーンシ
ートを一層毎にずらして複数層積層後、100kg/c
2の圧力で加圧圧着しブロック1を作成した。このと
きグリーンシートとベースフィルム2の接する面には、
グリーンシート作成に用いたバインダ成分が表出してい
るので、グリーンシートを積層するベースフィルム2の
母材2b表面に接着剤層2aを形成することなく直接ベ
ースフィルム2面上に接着することができるのである。
【0032】次にブロック1をベースフィルム2面上に
固定したまま、長さ2.5mm、幅1.6mmの寸法の
グリーンチップ1aに裁断した。次いでグリーンチップ
1aが密着固定された状態でベースフィルム2を金属基
盤3から剥離した後、ベースフィルム2の相対する片を
固定し、長さ250mmの棒状突起4でベースフィルム
2の裏面側から数回すいた後、更に固定したベースフィ
ルム2に振動を加えてグリーンチップ1aをベースフィ
ルム2から剥離した。
【0033】尚、本実施形態では(表1)に示す、各種
異なる状態のベースフィルム2を用い、このベースフィ
ルム2には、図2(a)に示した切り溝2cを施したも
のを使用した。
【0034】このようにして得られたグリーンチップ1
aについて、ベースフィルム2より剥離後のグリーンチ
ップ1a同士の再付着状態をそれぞれ10万個ずつ評価
し、また切断寸法精度については従来品と同等な場合は
○を、従来品より優る場合は◎を付した。その結果を
(表1)に示す。
【0035】
【表1】
【0036】(表1)から明らかなように、本実施形態
のグリーンチップ1aは従来の製造方法品と比較し、ベ
ースフィルム2より剥離した後のグリーンチップ1a同
士の再付着の発生が抑制されていることが判る。またグ
リーンチップ1aの寸法精度も従来方法品と比較して同
等以上の精度が保たれており、グリーンチップ1aの変
形や破損も認められなかった。
【0037】ここで、データとして示していないが、ベ
ースフィルム2の厚みが25μmより薄い場合、ブロッ
ク1を裁断する際に、切断刃がベースフィルム2をも切
断し金属基盤3にまで達する部分が発生し、ベースフィ
ルム2を金属基盤3から剥離するときベースフィルム2
が破損しグリーンチップ1aをうまくベースフィルム2
から剥離することができず、またベースフィルム2の厚
みが100μmより厚い場合にはグリーンシートと内部
電極を交互に複数層積層しブロック1全体を加圧圧着す
る際にグリーンシートがベースフィルム2の加圧変形に
従って伸び、ブロック1を裁断したとき、内部電極が規
定の位置からずれたグリーンチップ1aが発生する。ベ
ースフィルム2の表面粗さRaが10μmを超えた場
合、加圧圧着されたブロック1とベースフィルム2の接
着界面で十分なアンカー効果が得られず、裁断されたグ
リーンチップ1aの寸法精度にばらつきが発生する。ベ
ースフィルム2がグリーンシートの面積よりも小さい場
合、積層されたブロック1または裁断されたグリーンチ
ップ1aが金属基盤3に付着し剥離することができず、
また、ベースフィルム2の面積がグリーンシート面積の
200%を超えるものは積層設備が大きくなりすぎ好ま
しくない。金属基盤3面上に接着固定するためのベース
フィルム2に設けられた接着剤層2aの面積がベースフ
ィルム面積に対して5%より小さい場合、金属基盤3を
工程移動中にベースフィルム2が金属基盤3から剥がれ
る。
【0038】(実施の形態2)本実施形態2では、ベー
スフィルム2とグリーンシートとの接着強度がそれぞれ
(表2)に示す値になるように予め実験を行い、グリー
ンシート中のバインダー成分の添加量をセラミック粉末
重量に対して5%,8%,10%,20%と変えたスラ
リーでグリーンシートを作製し、グリーンシート面から
表出するバインダー量を変化させ接着強度を制御した。
またベースフィルム2と金属基盤3との接着強度につい
ても同様に、ベースフィルム2に設けた接着剤層2aの
厚みを1μm,3μm,5μm,10μm,25μmと
したものを用い、その接着強度を制御した。前記条件の
グリーンシート及びベースフィルム2を用い、(実施の
形態1)と同様な方法でブロック1を形成後、ブロック
1をグリーンチップ1a形状に裁断後ベースフィルム2
より剥離した。またベースフィルム2からグリーンチッ
プ1aを剥離する前、接着剤層2aの厚み5μmの一部
を室温より低い温度に保持した後、グリーンチップ1a
をベースフィルム2から剥離した。以上の条件で作成し
たグリーンチップ1aについて実施の形態1と同様に評
価し、その結果を(表2)に示した。
【0039】
【表2】
【0040】(表2)から明らかなように、本発明のグ
リーンチップ1aは、従来方法品と比較して(実施の形
態1)と同様に、グリーンチップ1aをベースフィルム
2から剥離したものは、グリーンチップ同士の再付着の
発生が抑制されていることが判る。ここで、データとし
(表2)に示していないが、ベースフィルム2とグリー
ンシートの接着界面の水平方向の引張りの接着強度が3
0gf/50mmよりも小さい場合、ブロック1を裁断
する際に、裁断の加重によりブロック1がベースフィル
ム2からの剥がれ、グリーンチップ1aの寸法精度にば
らつきが発生し、また、接着強度が150gf/50m
mよりも大きい場合、裁断させたグリーンチップ1aが
ベースフィルム2から剥離することが困難となる。同様
に金属基盤3とベースフィルム2との接着界面の水平方
向の引張りの接着強度が0.5gf/50mmより小さ
い場合、グリーンシート及び内部電極の積層及び加圧圧
着工程でベースフィルム2が金属基盤3からずれ、グリ
ーンシートが正しく積層されない、また接着強度が20
gf/50mmよりも大きい場合、金属基盤3からベー
スフィルム2を剥離する際に、ベースフィルム2のグリ
ーンチップ1aに過度の応力が加わりグリーンチップ1
aに変形及び破損が生じ好ましくない。またブロック1
をグリーンチップ1a形状に裁断後、ベースフィルム2
を室温以下の温度5℃および10℃に保持した場合、ベ
ースフィルム2に軽い振動を与えただけで容易にグリー
ンチップ1aをベースフィルム2から剥離することがで
きるとともに、グリーンチップ1aの外形形状を損なう
ことがなくグリーンチップ1a同士の再付着も発生しな
かった。
【0041】更に、本実施形態1、及び2において、ベ
ースフィルム2に溝2c、孔2d、切り溝2e、格子状
の切り溝2fを設けることにより、ベースフィルム2を
破損させることなく、小さい機械的な力でベースフィル
ム2を引き伸ばすことにより、グリーンチップ1aとベ
ースフィルム2との接着面積を小さくすることができ、
グリーンチップ1aをベースフィルム2面から容易に剥
離することができる。
【0042】更にベースフィルム2を押圧する突起4に
超音波を印加したり、またベースフィルム2に振動を与
えることを、ベースフィルム2を機械的に引き伸ばす作
業に付加することにより、グリーンチップ1aのベース
フィルム2からの剥離をより効果的に行うことができ
る。
【0043】
【発明の効果】以上のように、本発明の積層セラミック
電子部品の製造方法は、基盤面上に接着固定されたベー
スフィルム面上に形成した積層体グリーンブロックを切
断した後、加熱することなく、容易にベースフィルムか
らグリーンチップを剥離することができ、これにより裁
断寸法精度の高いグリーンチップを製造することができ
るものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態における積層体グリーンブ
ロックの切断後の状態を示す断面図
【図2】(a)ベースフィルムに溝を形成した平面図 (b)ベースフィルムに孔を形成した平面図 (c)ベースフィルムに切り溝を形成した平面図 (d)ベースフィルムに格子状の切り溝を形成した平面
【図3】同、グリーンチップのベースフィルムからの剥
離手段を示した断面図
【図4】従来方法における積層体グリーンブロックの切
断後の状態を示す断面図
【符号の説明】
1 積層体グリーンブロック 1a グリーンチップ 2 ベースフィルム 2a 接着剤層 2b 母材 2c 溝 2d 孔 2e 切り溝 2f 格子状の切り溝 3 金属基盤 4 棒状突起

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基盤表面に接着剤層を介して固定された
    ベースフィルム上に、セラミックグリーンシート層と内
    部電極層を交互に複数層積層して積層体グリーンブロッ
    クを形成した後、前記ベースフィルム上で積層体グリー
    ンブロックを所定寸法に裁断し、次いで前記基盤よりベ
    ースフィルムを剥離し、その後前記ベースフィルムを機
    械的に引き伸ばすことにより、裁断された前記積層体グ
    リーンブロックの裁断片を前記ベースフィルムから剥離
    することを特徴とする積層セラミック電子部品の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 ベースフィルムがポリエチレンからなる
    請求項1記載の積層セラミック電子部品の製造方法。
  3. 【請求項3】 ベースフィルムがポリエチレンテレフタ
    レートからなる請求項1記載の積層セラミック電子部品
    の製造方法。
  4. 【請求項4】 ベースフィルムの厚みが25μm以上1
    000μm以下である請求項2または3記載の積層セラ
    ミック電子部品の製造方法。
  5. 【請求項5】 ベースフィルムの表面粗さRaが10μ
    m以下である請求項1記載の積層セラミック電子部品の
    製造方法。
  6. 【請求項6】 ベースフィルムは、その表面をコロナ放
    電処理を施したものである請求項1記載の積層セラミッ
    ク電子部品の製造方法。
  7. 【請求項7】 ベースフィルムの面積がセラミックグリ
    ーンシートの面積より大きく、かつ2倍より小さく、さ
    らにセラミックグリーンシート全体がベースフィルム面
    上にある請求項1記載の積層セラミック電子部品の製造
    方法。
  8. 【請求項8】 ベースフィルム面に設けられた接着剤層
    の面積が、ベースフィルム面積の少なくとも5%以上で
    ある請求項1記載の積層セラミック電子部品の製造方
    法。
  9. 【請求項9】 ベースフィルムとセラミックグリーンシ
    ート間の接着強度が、ベースフィルムを水平方向に伸張
    させたとき、その接着強度が30gf/50mm以上、
    150gf/50mm以下である請求項1記載の積層セ
    ラミック電子部品の製造方法。
  10. 【請求項10】 基盤とベースフィルム間の接着強度
    が、ベースフィルムを水平方向に伸張させたとき、その
    接着強度が0.5gf/50mm以上、20gf/50
    mm以下である請求項9記載の積層セラミック電子部品
    の製造方法。
  11. 【請求項11】 ベースフィルムの一辺に平行に、短い
    切り溝または孔を複数設けた請求項1記載の積層セラミ
    ック電子部品の製造方法。
  12. 【請求項12】 ベースフィルムの一辺に平行に、短い
    切り溝または穴を千鳥状に複数設けた請求項1記載の積
    層セラミック電子部品の製造方法。
  13. 【請求項13】 ベースフィルムの一辺に対し45°以
    下の角度で、ベースフィルム面上に、その厚さより浅
    く、底面まで達しない深さの切り溝を複数設けた請求項
    1記載の積層セラミック電子部品の製造方法。
  14. 【請求項14】 ベースフィルムの一辺に対し45°以
    下の角度で、ベースフィルム面上に、その厚さより薄
    く、底面まで達しない深さの切り溝を格子状に設けた請
    求項1記載の積層セラミック電子部品の製造方法。
  15. 【請求項15】 ベースフィルムの少なくとも二点を固
    定し、水平方向に引き伸ばし、積層体グリーンブロック
    の裁断片をベースフィルムから剥離する請求項1記載の
    積層セラミック電子部品の製造方法。
  16. 【請求項16】 ベースフィルムの少なくとも二点を固
    定し、ベースフィルム底面側を棒状の突起を有する治具
    により押圧して、積層体グリーンブロックの裁断片をベ
    ースフィルムから剥離する請求項1記載の積層セラミッ
    ク電子部品の製造方法。
  17. 【請求項17】 積層体グリーンブロックの裁断片をベ
    ースフィルムから剥離する際に、ベースフィルムの裏面
    を押圧する治具の一部分に超音波を印加する請求項1記
    載の積層セラミック電子部品の製造方法。
  18. 【請求項18】 ベースフィルムの少なくとも二点を固
    定し、ベースフィルム面と同一平面上で、固定した二点
    を反対方向にそれぞれ振動させながら積層体グリーンブ
    ロックの裁断片をベースフィルムから剥離する請求項1
    記載の積層セラミック電子部品の製造方法。
  19. 【請求項19】 ベースフィルムの少なくとも二点を固
    定し、ベースフィルム面に対して垂直方向へ、固定した
    二点を反対方向にそれぞれ振動させながら積層体グリー
    ンブロックの裁断片をベースフィルムから剥離する請求
    項1記載の積層セラミック電子部品の製造方法。
  20. 【請求項20】 ベースフィルムの少なくとも二点を固
    定し、固定した二点をランダムな方向へそれぞれ振動さ
    せながら積層体グリーンブロックの裁断片をベースフィ
    ルムから剥離する請求項1記載の積層セラミック電子部
    品の製造方法。
  21. 【請求項21】 積層体グリーンブロックを裁断後、少
    なくとも室温以下の温度に保持した後、前記裁断片をベ
    ースフィルムから剥離する請求項1記載の積層セラミッ
    ク電子部品の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008049512A (ja) * 2006-08-23 2008-03-06 Nitta Ind Corp セラミックチップ部品の製造方法および粘着テープ
JP2008085176A (ja) * 2006-09-28 2008-04-10 Tdk Corp チップ部品分離装置
JP2008183750A (ja) * 2007-01-29 2008-08-14 Nitta Ind Corp セラミック部品の製造方法
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JP2023049199A (ja) * 2021-09-29 2023-04-10 花王株式会社 固形充填物の製造方法及び製造装置

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