JP4735017B2 - 多層セラミック基板の製造方法 - Google Patents

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Description

この発明は、多層セラミック基板の製造方法に関するもので、特に、特定のセラミック層を厚み方向に貫通するように設けられる貫通導体を備える、多層セラミック基板の製造方法に関するものである。
多層セラミック基板は、セラミック層の主面に沿って延びる膜状の面内導体とセラミック層を厚み方向に貫通する貫通導体(ビアホール導体)とによって構成される、三次元的な配線導体をその内部に形成している。貫通導体は、たとえば、CO2 レーザ光の照射やパンチング加工によってセラミックグリーンシートに貫通孔を設け、その後、この貫通孔に、導電性粉末を有機ビヒクル中に分散させてなる導電性ペーストを充填する、各工程を経ることによって形成される。
しかしながら、上述した貫通孔を設けるための工程および貫通孔へ導電性ペーストを充填するための工程は、難易度が非常に高く、手間がかかり、そのため、高コストを必要とする工程である。
たとえば、貫通導体のための貫通孔を設けるにあたってCO2 レーザを使う場合、装置そのものが高価であることに加え、セラミックグリーンシートへのレーザ光の照射時において、照射を受けた部分が飛散し、飛散物が貫通孔の周壁に付着してしまうことがあり、所望形状の貫通孔を形成できないことがある。
他方、貫通孔を設けるためにパンチング加工を使う場合、パンチング加工は機械的加工であるため、一度に多くの貫通孔、特に微小径の貫通孔を形成することが困難である。
さらに、貫通導体は、多層セラミック基板の高密度化に伴って微小化している。そのため、貫通導体のための貫通孔が微小化され、この貫通孔の微小化が進むほど、貫通孔への導電性ペーストの充填工程は難易度がより高くなり、その結果として、充填不良が生じやすく、それが原因となって貫通導体での断線が起こりやすくなっている。
このような状況に鑑みて、貫通導体を設けるための貫通孔形成工程および導電性ペースト充填工程を経ることなく、三次元的な配線導体を有する多層セラミック基板を製造するための方法がいくつか提案されている。
たとえば、特開2003−347731号公報(特許文献1)および特開2001−135548号公報(特許文献2)には、第1のセラミックグリーンシート上に突起状導体(バンプ部分または導体突起)を形成しておき、これを第2のセラミックグリーンシートに突き刺すことによって、貫通導体を形成し、多層セラミック基板の内部に三次元的な配線導体を形成することが記載されている。
また、セラミックグリーンシートを取り扱うものではなく、合成樹脂系シートを取り扱うものであるが、たとえば特許第3251711号公報(特許文献3)には、支持基体シート上に突起状導体を形成しておき、これを合成樹脂系シートに突き刺して、貫通導体を形成することが記載されている。この特許文献3に記載の方法によれば、合成樹脂系シートは、合成樹脂を主成分とするものであるので、加熱によって流動性が高くなり、したがって、突起状導体を合成樹脂系シートに突き刺せば、これを貫通した状態とすることが比較的容易である。
これに対して、前述した特許文献1および2の各々に記載の方法では、合成樹脂系シートとは異なり、セラミック粉末を主成分とするセラミックグリーンシートを取り扱うものであるため、セラミックグリーンシートおよび突起状導体の各々の固さによっては、突起状導体がセラミックグリーンシートにうまく突き刺さらないことがあり、この場合には、セラミックグリーンシート上に設けられた面内導体と突起状導体によって与えられた貫通導体との間で導通不良を引き起すことになる。
また、突起状導体をセラミックグリーンシートに無理やり貫通させようとすると、セラミックグリーンシートの表面にクラックが入ってしまうことがある。また、セラミックグリーンシートを上述のように無理に変形させようとすると、セラミックグリーンシートに内部応力が残留して、焼成時に不所望な変形(反りやうねり)が生じることもある。
特開2003−347731号公報 特開2001−135548号公報 特許第3251711号公報
そこで、この発明の目的は、上述したような問題を解決しながら、貫通孔形成工程および導電性ペースト充填工程を経ることなく貫通導体を形成することができる、多層セラミック基板の製造方法を提供しようとすることである。
この発明に係る多層セラミック基板の製造方法は、上述した技術的課題を解決するため、セラミックグリーンシートを用意する工程と、セラミックグリーンシートの第1の主面側から内部に向かって、突起状導体を押し込み、それによって、突起状導体をセラミックグリーンシートの内部に埋め込むとともに、突起状導体の埋め込みによるセラミックグリーンシートの流動の結果としてセラミックグリーンシートの第1の主面に対向する第2の主面側に凸部を形成する、押し込み工程と、セラミックグリーンシートから凸部を除去する、除去工程と、突起状導体が埋め込まれかつ凸部が除去されたセラミックグリーンシートを含む複数のセラミックグリーンシートを積み重ね、かつ複数のセラミックグリーンシートを積層方向にプレスすることによって、グリーンシート積層体を作製する、積層工程と、グリーンシート積層体を焼成する、焼成工程とを備えることを第1の特徴としている。第2の特徴については後述する。
上記押し込み工程において、セラミックグリーンシートに含まれるバインダの軟化温度近傍にまでセラミックグリーンシートが加熱されることが好ましい。
また、上述の除去工程の結果、突起状導体の一部がセラミックグリーンシートの第2の主面側に露出していることが好ましい。
この発明に係る多層セラミック基板の製造方法において、除去工程は、次のように実施されることを第2の特徴としている
第1の実施態様では、除去工程において、セラミックグリーンシートの第2の主面に直角になるように刃物を当て、セラミックグリーンシートの第2の主面に沿って刃物を作動させ、この刃物によって凸部を剃り落とすようにされる。
第2の実施態様では、除去工程は、セラミックグリーンシートの第2の主面側において、少なくとも凸部の表面に、粘着面を有する粘着部材を粘着させる工程と、粘着部材をセラミックグリーンシートから離隔し、それによって、凸部を構成するセラミックグリーンシートの一部を粘着部材とともに除去する工程とを備えている。
第3の実施態様では、まず、突起状導体は、導電性粉末を有機ビヒクル中に分散させてなる導電性ペーストによって構成されることが条件となる。そして、押し込み工程は、セラミックグリーンシートが第2の主面側においてキャリアフィルムによって裏打ちされた状態で実施され、この押し込み工程において、セラミックグリーンシートの、突起状導体とキャリアフィルムとの間に位置する部分に、上記有機ビヒクルに含まれる溶剤成分を浸透させる。そして、除去工程は、キャリアフィルムをセラミックグリーンシートから剥離する、剥離工程を備え、この剥離工程において、セラミックグリーンシートの、溶剤成分が浸透した部分をキャリアフィルムに伴なわせて除去するようにされる。
この発明において、押し込み工程は、セラミックグリーンシートの第2の主面側に、セラミックグリーンシートよりも変形しやすい材料からなるパッド部材を配置した状態で、突起状導体とともに、セラミックグリーンシートをその厚み方向にプレスするように実施されることが好ましい。
押し込み工程の前の段階での突起状導体の位置に関して、突起状導体が、セラミックグリーンシートの第1の主面側に位置する支持体上に設けられる第1の実施態様と、セラミックグリーンシートの第1の主面上に設けられる第2の実施態様とがある。言い換えると、第1の実施態様は、突起状導体が埋め込まれるべきセラミックグリーンシートとは異なる支持体上に突起状導体が設けられる場合であり、第2の実施態様は、突起状導体が埋め込まれるべきセラミックグリーンシート自身の第1の主面上に突起状導体が設けられる場合である。なお、第1の実施態様における支持体は、専ら突起状導体を設けるために用意される部材である場合のほか、当該セラミックグリーンシート以外のセラミックグリーンシートである場合もある。
この発明に係る多層セラミック基板の製造方法において、押し込み工程の前に、セラミックグリーンシートの第1の主面上に、導電性粉末を有機ビヒクル中に分散させてなる導電性ペーストを用いて、面内導体を形成する工程をさらに備え、押し込み工程は、面内導体の一部とともに、突起状導体をセラミックグリーンシートの内部に埋め込むように実施されることが好ましい。
この発明に係る多層セラミック基板の製造方法において、グリーンシート積層体の少なくとも一方主面上に、焼成工程での焼成温度では実質的に焼結しない収縮抑制用グリーンシートを積み重ねてなる、複合積層体を作製する工程をさらに備え、焼成工程は、複合積層体を焼成するように実施されてもよい。
上述の場合、グリーンシート積層体において、突起状導体は、所定の形状を有する金属片または金属焼結体から構成され、セラミックグリーンシートを厚み方向に貫通しない状態にあり、焼成工程において、実質的に焼結しない収縮抑制用グリーンシートは、グリーンシート積層体に対して、主面方向への収縮を抑制するように作用する収縮抑制作用を及ぼし、その結果、セラミックグリーンシートは、収縮抑制作用が働いていない場合に比べて、厚み方向により大きく収縮することによって、突起状導体がセラミックグリーンシートを厚み方向に貫通する状態とされてもよい。
この発明に係る多層セラミック基板の製造方法によれば、セラミック層を厚み方向に貫通する貫通導体を設けるために、基本的に、突起状導体をセラミックグリーンシートの内部に埋め込むようにしているので、セラミックグリーンシートに貫通孔を形成する工程も、その貫通孔に導電性ペーストを充填する工程も実施する必要がない。そのため、多層セラミック基板を製造するために実施されるべき工程数を低減することができるばかりでなく、難易度の高い工程をなくすことができ、その結果、難易度の高い工程で発生しやすい不良を低減し、生産性を向上させることができ、また、信頼性の高い多層セラミック基板の製造が可能となる。
また、この発明によれば、上述のように、突起状導体を埋め込むための押し込み工程では、突起状導体をセラミックグリーンシートに無理に貫通させようとせず、突起状導体の埋め込みによるセラミックグリーンシートの流動の結果としてセラミックグリーンシートの第2の主面側に形成された凸部を、その後の除去工程において除去し、それによって、突起状導体の貫通状態またはその後の工程で容易に貫通され得る状態を得るようにしている。したがって、突起状導体の押し込みによるセラミックグリーンシートの表面でのクラックを生じにくくすることができるとともに、セラミックグリーンシート内の残留応力を抑えることができ、焼成時の不所望な変形を抑制することができる。
押し込み工程において、セラミックグリーンシートに含まれるバインダの軟化温度近傍にまでセラミックグリーンシートを加熱するようにすれば、上述したクラックの発生や残留応力をより効果的に抑制することができる。
除去工程の結果、突起状導体の一部がセラミックグリーンシートの第2の主面側に露出するようにされると、除去工程の実施によって、突起状導体がセラミックグリーンシートを貫通する状態が得られ、この突起状導体によって与えられる貫通導体について信頼性の高い電気的接続状態を得ることができる。
除去工程が、セラミックグリーンシートの第2の主面に沿って刃物を作動させ、この刃物によって凸部を剃り落とすように実施されると、能率的かつ確実に凸部を除去することができる。
押し込み工程が、セラミックグリーンシートの第2の主面側に、セラミックグリーンシートよりも変形しやすい材料からなるパッド部材を配置した状態で、突起状導体とともに、セラミックグリーンシートをその厚み方向にプレスするように実施されると、押し込み工程でのセラミックグリーンシートの取扱いが容易になるとともに、突起状導体の周囲の限られた領域にのみ膨れ出た良好な形状の凸部を形成することが容易になる。このことは、除去工程での凸部の除去をより容易にする。
押し込み工程の前に、セラミックグリーンシートの第1の主面上に、導電性ペーストを用いて、面内導体を形成しておき、押し込み工程において、面内導体の一部とともに、突起状導体をセラミックグリーンシートの内部に埋め込むようにすれば、突起状導体によって形成された貫通導体と面内導体との間での接合信頼性が高く、それゆえ、電気的接続の信頼性を高めることができる。
図1ないし図3は、この発明の第1の実施形態を説明するためのものである。ここで、図1は、多層セラミック基板1を示す断面図であり、図2は、図1に示した多層セラミック基板1の一部を拡大して示す断面図である。
図1に示すように、多層セラミック基板1は、積層された複数のセラミック層2と、特定のセラミック層2の主面に沿って膜状に延びるように設けられた複数の面内導体3と、特定のセラミック層2を厚み方向に貫通するように設けられた複数の貫通導体4とを備えている。
多層セラミック基板1は、また、その外表面上にいくつかの外面電極5を備えている。また、多層セラミック基板1は、その表面に搭載されたいくつかの表面実装部品6および7を備えている。表面実装部品6は、半田8によって、特定の外面電極5に電気的に接続され、表面実装部品7は、半田9によって、特定の外面電極5に電気的に接続されている。
図2において、図1に示したセラミック層2、面内導体3および貫通導体4の各々の特定のものが図示されている。ここで、図2に図示された4つのセラミック層2、3つの面内導体3および2つの貫通導体4の各々を互いに区別するため、セラミック層2については、2(a)、2(b)、2(c)および2(d)の参照符号を付し、面内導体3については、3(a)、3(b)および3(c)の参照符号を付し、貫通導体4については、4(a)および4(b)の参照符号を付して説明すると、面内導体3(a)は、貫通導体4(a)を介して、面内導体3(b)と電気的に接続され、面内導体3(b)は、貫通導体4(b)を介して、面内導体3(c)と電気的に接続されている。
以上のような構成を有する多層セラミック基板1は、次のようにして製造されることができる。図3は、多層セラミック基板1の製造方法を説明するための断面図であるが、図3では、いずれかのセラミック層2となるべきセラミックグリーンシートに関連して実施される工程が典型的な状態をもって図解的に示されている。
図3(1)に示すように、セラミックグリーンシート11が用意される。多層セラミック基板1を製造するために用意される、図示したセラミックグリーンシート11を含む複数のセラミックグリーンシートは、好ましくは、ガラスセラミック材料、すなわち低温焼結セラミック材料を含む組成とされるが、高温焼結セラミック材料を含むものであってもよい。
低温焼結セラミック材料を含むセラミックグリーンシートは、たとえば、酸化バリウム、酸化ケイ素、アルミナ、酸化カルシウムおよび酸化ホウ素の各粉末を混合するとともに、この混合物に対して、バインダとしてのポリビニルブチラールと可塑剤としてのジ−n−ブチルフタレートとトルエンおよびイソプロピレンアルコールからなる溶剤とをさらに混合して作製したスラリーを、キャリアフィルム上でドクターブレード法などによってシート状に成形することによって得られる。
また、同じく図3(1)に示すように、プレス台12上に、たとえばポリエチレンテレフタレートのような樹脂材料からなる支持体13が置かれ、支持体13上で、突起状導体14が形成される。突起状導体14は、図1および図2に示した貫通導体4となるべきものである。
突起状導体14は、たとえば、導電性ペーストから構成される。導電性ペーストは、導電性粉末を有機ビヒクル中に分散させて得られたものである。
ここで、導電性粉末としては、たとえば、Cu、Ni、Au、Ag、Ag−Pd、Ag−Pt等からなる粉末を用いることができ、有機ビヒクルに含まれるバインダとしては、たとえば、エチルセルロース、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール等を用いることができ、有機ビヒクルに含まれる溶剤としては、たとえば、テレピネオール、ブチルカルビトール、ブチルカルビトールアセテート、アルコール類等を用いることができる。
また、導電性ペーストにおける導電性粉末の含有率は、50〜95重量%に選ばれ、導電性粉末の粒径は0.1〜30μm程度に選ばれる。
突起状導体14は、これを印刷により形成したとき、所定以上の厚みが必要である。そのため、好ましくは、メタルマスクを用いた印刷によって形成される。また、突起状導体14をより厚く形成するため、印刷を複数回繰り返す方法が採用されてもよい。なお、突起状導体14は、所定の形状を有する金属片または金属焼結体から構成されてもよい。
また、同じく図3(1)に示すように、パッド部材15が用意される。パッド部材15は、好ましくは、硬度90°以下のラバーから構成され、より好ましくは、硬度15〜40°のシリコーンスポンジタイプのラバーから構成される。なお、パッド部材15は、ラバー以外の弾性材料から構成されてもよく、あるいは、弾性変形するものではなく、塑性変形する材料から構成されてもよい。要するに、パッド部材15は、セラミックグリーンシート11よりも変形しやすい材料から構成されればよい。
次に、同じく図3(1)に示すように、下から順に、プレス台12、支持体13、突起状導体14、セラミックグリーンシート11およびパッド部材15が配列される。このとき、セラミックグリーンシート11の第1の主面16側に突起状導体14が位置し、第1の主面16に対向する第2の主面17側にパッド部材15が位置している。
次に、図3(2)に示すように、押し込み工程が実施され、パッド部材15を介して圧力がプレス台12に向かって付与される。このとき、パッド部材15の上面上に、剛体からなるプレス型(図示せず。)が配置され、このプレス型とプレス台12とが互いに近接するように駆動される。なお、図3(2)に示した構造物全体に静水圧を付与するようにしても、あるいは、パッド部材15を省略して静水圧を付与するようにしてもよい。
上述の押し込み工程において、突起状導体14は、セラミックグリーンシート11の第1の主面16側から内部に向かって押し込まれる。それによって、突起状導体14は、セラミックグリーンシート11の内部に埋め込まれた状態となるとともに、突起状導体14の埋め込みによるセラミックグリーンシート11の流動の結果としてセラミックグリーンシート11の第2の主面17側に凸部18が形成される。
適正な形状の凸部18を形成するために、押し込み工程において付与されるプレス圧は、300〜2000kgf/cm2 の範囲に選ばれることが好ましい。また、押し込み工程において、突起状導体14の押し込みによるセラミックグリーンシート11の変形を塑性変形可能領域内に留め、それによって、残留応力を低減しかつクラックの発生をより確実に防止するためには、セラミックグリーンシート11を加熱するのが好ましい。セラミックグリーンシート11を加熱する場合、セラミックグリーンシート11に含まれるバインダの軟化温度近傍(たとえば、60〜80℃)の温度となるように加熱するのが好ましい。なお、実際には、作業性を考慮して、30〜60℃程度の温度に加熱される。
次に、図3(3)および(4)に順次示すように、セラミックグリーンシート11から凸部18を除去するための除去工程が実施される。除去工程では、刃物19を用い、刃物19を、セラミックグリーンシート11の第2の主面17に対して直角になるように当て、矢印20で示すように、第2の主面17に沿って刃物19を作動させ、刃物19によって凸部18を剃り落とすことが行なわれる。
このような除去工程を終えたとき、突起状導体14の一部がセラミックグリーンシート11の第2の主面17側に露出し、突起状導体14がセラミックグリーンシート11を厚み方向に貫通する状態となっている。
突起状導体14の貫通状態を得るためには、図3(3)に示すように、除去工程の前の突起状導体14の高さHがセラミックグリーンシート11の厚さT以上でなければならない。したがって、突起状導体14の高さHは、セラミックグリーンシート11の厚さT以上に設定されることが好ましい。しかしながら、突起状導体14の高さHが、セラミックグリーンシート11の厚さTに比べて高すぎると、セラミックグリーンシート11にクラックが生じたり、変形量が大きくなりすぎ、残留応力が大きくなりすぎることがあるため、突起状導体14の高さHは、セラミックグリーンシート11の厚さTの1.2倍以下であることが好ましい。
次に、図3(5)に示すように、必要に応じて、セラミックグリーンシート11のたとえば第2の主面17上に、導電性ペーストを用いたスクリーン印刷法によって、膜状の面内導体21が形成される。面内導体21は、図1に示した多層セラミック基板1において、面内導体3となるべきものである。図3(5)に示した面内導体21は、突起状導体14と接触する状態にある。
なお、面内導体21は、セラミックグリーンシート11の第1の主面16上に形成されても、第1および第2の主面16および17の双方上に形成されてもよい。
面内導体21を形成するため、導電性ペーストとして、前述した突起状導体14を形成するために用いられた導電性ペーストと同じものを用いることができる。なお、面内導体21には、突起状導体14ほどの厚みを必要としないため、これを形成するために用いられる導電性ペーストについては、導電性粉末の含有率が比較的低く、また、導電性粉末の粒径が比較的小さいものであってもよい。
次に、多層セラミック基板1の生の状態のものであるグリーンシート積層体を作製するため、図示しないが、セラミックグリーンシート11を含む複数のセラミックグリーンシートが積み重ねられ、かつ積層方向にプレスする、積層工程が実施される。
次いで、グリーンシート積層体は、焼成される。この焼成工程において、突起状導体14および面内導体21に含まれる導電成分がAgを含む場合には、空気中において850℃前後の温度が適用され、Cuを含む場合には、窒素中において950℃前後の温度が適用される。
上述した焼成工程を終えたとき、グリーンシート積層体が焼結し、多層セラミック基板1が得られる。この多層セラミック基板1において、図1に示したセラミック層2は、図3に示したセラミックグリーンシート11に由来し、面内導体3は、面内導体21に由来し、貫通導体4は、突起状導体14に由来している。
前述したように、焼成工程を終えた後、外面電極5が導電性ペーストの塗布および焼き付けにより形成され、表面実装部品6および7が実装され、図1に示した多層セラミック基板1が完成される。なお、外面電極5を形成するための導電性ペーストの塗布は、グリーンシート積層体の段階で行ない、グリーンシート積層体の焼成において、同時に、外面電極5のための導電性ペーストの焼き付けを行なうようにしてもよい。
また、グリーンシート積層体が、複数の多層セラミック基板1を取り出すことができるマザー状態にある場合には、焼成工程の前に、グリーンシート積層体にブレイクラインのための溝を形成しておき、表面実装部品6および7の実装後にブレイクラインに沿う分割工程が実施される。そして、必要に応じて、多層セラミック基板1に金属カバー(図示せず。)を取り付けるための工程が実施される。
図4は、この発明の第2の実施形態を説明するための図3に対応する図である。図4において、図3に示した要素に相当する要素には同様の参照符号を付し、重複する説明は省略する。
第2の実施形態は、簡単に言えば、除去工程についての変形例を与えるものである。図4(1)には、図3(3)に示した工程に対応する工程が示され、図4(2)には、図3(4)に示した工程に対応する工程が示されている。
図4(1)に示すように、セラミックグリーンシート11の第2の主面17側には、凸部18の表面を覆うように、粘着面25を有する粘着部材としての粘着シート26が粘着される。
次に、図4(2)に示すように、粘着シート26がセラミックグリーンシート11から離隔される。これによって、凸部18を構成するセラミックグリーンシート11の一部27は、粘着シート26とともに除去される。
上述したような凸部18の除去を可能にするには、粘着シート26とセラミックグリーンシート11との間での粘着力を、突起状導体14とセラミックグリーンシート11との間での粘着力より大きくする必要がある。そのため、粘着シート26としては、0.03〜0.08N/mm程度の粘着力(被着体をポリエチレンテレフタレートで構成し、180°ピールで測定した値)を有するものであることが好ましい。
なお、粘着シート26に代えて、周面が粘着面とされた粘着ローラが用いられてもよい。この場合には、粘着力は0.08〜2.0N/mmの範囲とされることが好ましい。
この第2の実施形態による除去工程を採用すると、除去された凸部18の屑が、セラミックグリーンシート11の表面に残ることがないため、これに起因した断線やショートなどの不良発生を防止することができ、高い信頼性かつ良好な生産性をもって多層セラミック基板1を製造することができる。
また、第2の実施形態による除去工程によれば、凸部18を構成するセラミックグリーンシート11の一部27のみが除去されるので、図4(2)に示すように、突起状導体14を、残ったセラミックグリーンシート11の第2の主面17側から突出させることができる。これによって、突起状導体14と他の配線導体との間でより確実な接合状態を得ることができ、その結果、電気的接続の信頼性をより高めることができる。
図5は、この発明の第3の実施形態を説明するための図3に対応する図である。図5において、図3に示した要素に相当する要素には同様の参照符号を付し、重複する説明は省略する。
第3の実施形態も、除去工程についての変形例を与えるものである。図5(1)には、図3(3)に示した工程に対応する工程が示され、図5(2)には、図3(4)に示した工程に対応する工程が示されている。
図5(1)には、キャリアフィルム29によって裏打ちされたセラミックグリーンシート11が図示されている。前述したように、セラミックグリーンシート11は、キャリアフィルム29上で、ドクターブレード法などを適用することによって、セラミックスラリーをシート状に成形することによって得られるものであり、キャリアフィルム29によって裏打ちされた状態のまま、前述の図3(2)を参照して説明した押し込み工程が実施される。押し込み工程において、突起状導体14が押圧されることにより、突起状導体14を構成する導電性ペーストに含まれる溶剤成分が、セラミックグリーンシート11の、突起状導体14とキャリアフィルム29との間に位置する部分30に浸透する。これによって、この部分30の、キャリアフィルム29に対する密着性が上がる。
次に、図5(2)に示すように、キャリアフィルム29をセラミックグリーンシート11から剥離すれば、上述したように、部分30の、キャリアフィルム29に対する密着性が向上しているため、キャリアフィルム29に伴なわれて、この部分30が除去される。
この実施形態によっても、凸部18におけるセラミックグリーンシート11の部分30のみを除去することになるので、突起状導体14をセラミックグリーンシート11の第2の主面17から突出させることができる。また、この実施形態では、必ず実施しなければならないキャリアフィルム29の剥離工程において、凸部18の除去を行なうことができるので、特別に除去工程を実施する必要がなく、生産性を高めることができる。
図5に示した第3の実施形態による除去工程をより円滑に進めるためには、突起状導体14を構成する導電性ペーストの乾燥を不十分にしておくことが望ましい。また、導電性ペーストに含まれる溶剤として、アセトンやトルエンなどのバインダに対する溶解力の強いものを用いることが望ましい。これによって、セラミックグリーンシート11とキャリアフィルム29との間の密着力がより強くなるばかりでなく、キャリアフィルム29に通常付与されている離型剤の効果を減衰させることができるからである。
図6は、この発明の第4の実施形態を説明するための図3に対応する図である。図6において、図3に示した要素に相当する要素には同様の参照符号を付し、重複する説明は省略する。
第4の実施形態は、簡単に言えば、面内導体の好ましい形成方法を与えるものである。図6(1)には、図3(1)に示した工程に対応する工程が示され、図6(2)には、図3(2)に示した工程に対応する工程が示されている。
図6(1)に示すように、セラミックグリーンシート11の第1の主面16上には、導電性ペーストを用いて、面内導体32が形成されている。
次に、図6(2)に示すように、押し込み工程が実施される。この押し込み工程において、突起状導体14が、セラミックグリーンシート11の第1の主面16側から内部に向かって押し込まれるとき、面内導体32が突起状導体14に伴なわれ、面内導体32の一部についても、セラミックグリーンシート11の内部に埋め込まれる。
この実施形態によれば、面内導体32が比較的軟らかい導電性ペーストによる塗膜であるため、面内導体32が突起状導体14の周側面に沿って這い上がった状態となるので、突起状導体14と面内導体32との間での密着状態の信頼性を高めることができる。その結果、図1に示した多層セラミック基板1において、貫通導体4と面内導体3との間で信頼性の高い電気的接続状態を得ることができる。
図7は、この発明の第5の実施形態を説明するための図3に対応する図である。図7において、図3に示した要素に相当する要素には同様の参照符号を付し、重複する説明は省略する。
第5の実施形態は、簡単に言えば、図3(1)に示した支持体13の変形例を与えるものである。図7は、図3(1)に示した工程に対応する工程を示している。図7には、図3(1)に示した支持体13に代えて、積層されたいくつかのセラミックグリーンシート34が図示されている。そして、最も上のセラミックグリーンシート34上に、突起状導体14が設けられている。
図7に示した配置状態をもって、図3(2)に示した押し込み工程を実施すると、突起状導体14は、セラミックグリーンシート11の第1の主面16側から内部に向かって押し込まれる。なぜなら、セラミックグリーンシート34については、既にプレスされた状態にあるため、その密度が比較的高く、それゆえ、比較的固い状態となっているのに対し、セラミックグリーンシート11については、プレス前の比較的柔らかい状態にあるためである。
図7に示した第5の実施形態を採用したとき、図1に示した多層セラミック基板1を製造するため、プレス後のセラミックグリーンシート上に突起状導体を形成し、次いでプレス前のセラミックグリーンシートをその上に積み重ね、全体をプレスするといった工程を繰り返す方法を適用することができる。
図8は、この発明の第6の実施形態を説明するための図3に対応する図である。図8において、図3に示した要素に相当する要素には同様の参照符号を付し、重複する説明は省略する。
上述した第1ないし第5の実施形態では、押し込み工程の前の段階では、突起状導体14は、これが埋め込まれるべきセラミックグリーンシート11の第1の主面16側に位置する支持体13またはセラミックグリーンシート34上に設けられていたが、第6の実施形態では、図8(1)に示すように、突起状導体14は、これが埋め込まれるべきセラミックグリーンシート11自身の第1の主面16上に設けられている。
上述の状態で、プレス台12をセラミックグリーンシート11に近接させるように押し込み工程を実施すると、図8(2)に示すように、突起状導体14は、これを保持するセラミックグリーンシート11自身の内部へと埋め込まれる。この状態は、図3(2)に示したセラミックグリーンシート11の状態と実質的に同様である。
図9は、この発明の第7の実施形態を説明するための断面図である。図9において、図1ないし図3に示した要素に相当する要素には同様の参照符号を付し、重複する説明は省略する。
図9(1)には、焼成前のグリーンシート積層体41が省略的に図示されている。グリーンシート積層体41は、セラミックグリーンシート11を含む複数のセラミックグリーンシートを積み重ね、かつ積層方向にプレスすることによって得られたものである。
グリーンシート積層体41の上方および下方主面上には、焼成工程での焼成温度では実質的に焼結しない収縮抑制用グリーンシート42および43が積み重ねられ、それによって、複合積層体44が構成されている。収縮抑制用グリーンシート42および43は、たとえば、アルミナのような焼結温度の比較的高い無機材料粉末を含んでいる。
第7の実施形態は、図9(1)に示すように、突起状導体14の、セラミックグリーンシート11内への埋め込みが不十分であった場合でも、焼成後には、十分な貫通状態が得られかつ十分な導通状態が得られるようにすることを特徴としている。そのため、好ましくは、突起状導体14としては、導電性ペーストによって形成するのではなく、所定の形状を有する金属片または金属焼結体から構成され、セラミックグリーンシート11に含まれるガラス成分としては、ガラス軟化点の低いものが用いられる。ガラス軟化点に関しては、通常、750℃程度のものが用いられるが、400℃程度の低いものが用いられることが好ましい。
焼成工程は、図9(1)に示した複合積層体44に対して実施される。この焼成工程において、収縮抑制用グリーンシート42および43は実質的に焼結しないため、ほとんど収縮せず、これらが接するグリーンシート積層体41に対して、主面方向への収縮を抑制するように作用する。その結果、グリーンシート積層体41は、上述のような収縮抑制作用が働いていない場合に比べて、積層方向により大きく収縮し、セラミックグリーンシート11については厚み方向により大きく収縮する。
したがって、図9(2)に示した焼結後の多層セラミック基板1にあっては、セラミック層2が厚み方向により大きく収縮しており、その結果、突起状導体14によって形成された貫通導体4は、セラミックグリーンシート11から得られたセラミック層2を厚み方向に十分に貫通する状態とされる。
また、収縮抑制用グリーンシート42および43の焼成工程の結果として得られた収縮抑制層42aおよび43aは、焼成工程の後、除去される。
なお、上記第7の実施形態のように、収縮抑制用グリーンシート42および43を積み重ねた状態でグリーンシート積層体41を焼成することは、前述した第1ないし第6の実施形態のように、突起状導体14の、セラミックグリーンシート11への埋め込みが十分である場合にも適用することができる。いずれの実施形態においても、収縮抑制用グリーンシート42および43を積み重ねた状態でグリーンシート積層体41を焼成する方法を採用すれば、得られた多層セラミック基板1の寸法精度を高めることができるという効果が奏される。
収縮抑制用グリーンシート42および43は、そのいずれか一方が省略されてもよい。
この発明の第1の実施形態を説明するためのもので、多層セラミック基板1を示す断面図である。 図1に示した多層セラミック基板1の一部を拡大して示す断面図である。 図1に示した多層セラミック基板1を製造するために実施される工程を順次示す断面図である。 この発明の第2の実施形態を説明するための図3に対応する図である。 この発明の第3の実施形態を説明するための図3に対応する図である。 この発明の第4の実施形態を説明するための図3に対応する図である。 この発明の第5の実施形態を説明するための図3に対応する図である。 この発明の第6の実施形態を説明するための図3に対応する図である。 この発明の第7の実施形態を説明するためのもので、焼成前および焼成後の各々の複合積層体34を示す断面図である。
符号の説明
1 多層セラミック基板
2 セラミック層
3,21,32 面内導体
4 貫通導体
6,7 表面実装部品
11,34 セラミックグリーンシート
12 プレス台
13 支持体
14 突起状導体
15 パッド部材
16 第1の主面
17 第2の主面
18 凸部
19 刃物
25 粘着面
26 粘着シート
29 キャリアフィルム
41 グリーンシート積層体
42,43 収縮抑制用グリーンシート
44 複合積層体

Claims (11)

  1. セラミックグリーンシートを用意する工程と、
    前記セラミックグリーンシートの第1の主面側から内部に向かって、突起状導体を押し込み、それによって、前記突起状導体を前記セラミックグリーンシートの内部に埋め込むとともに、前記突起状導体の埋め込みによる前記セラミックグリーンシートの流動の結果として前記セラミックグリーンシートの前記第1の主面に対向する第2の主面側に凸部を形成する、押し込み工程と、
    前記セラミックグリーンシートから前記凸部を除去する、除去工程と、
    前記突起状導体が埋め込まれかつ前記凸部が除去された前記セラミックグリーンシートを含む複数のセラミックグリーンシートを積み重ね、かつ前記複数のセラミックグリーンシートを積層方向にプレスすることによって、グリーンシート積層体を作製する、積層工程と、
    前記グリーンシート積層体を焼成する、焼成工程と
    を備え
    前記除去工程は、前記セラミックグリーンシートの前記第2の主面に直角になるように刃物を当て、前記セラミックグリーンシートの前記第2の主面に沿って前記刃物を作動させ、前記刃物によって前記凸部を剃り落とす工程を備える、
    多層セラミック基板の製造方法。
  2. セラミックグリーンシートを用意する工程と、
    前記セラミックグリーンシートの第1の主面側から内部に向かって、突起状導体を押し込み、それによって、前記突起状導体を前記セラミックグリーンシートの内部に埋め込むとともに、前記突起状導体の埋め込みによる前記セラミックグリーンシートの流動の結果として前記セラミックグリーンシートの前記第1の主面に対向する第2の主面側に凸部を形成する、押し込み工程と、
    前記セラミックグリーンシートから前記凸部を除去する、除去工程と、
    前記突起状導体が埋め込まれかつ前記凸部が除去された前記セラミックグリーンシートを含む複数のセラミックグリーンシートを積み重ね、かつ前記複数のセラミックグリーンシートを積層方向にプレスすることによって、グリーンシート積層体を作製する、積層工程と、
    前記グリーンシート積層体を焼成する、焼成工程と
    を備え、
    前記除去工程は、前記セラミックグリーンシートの前記第2の主面側において、少なくとも前記凸部の表面に、粘着面を有する粘着部材を粘着させる工程と、前記粘着部材を前記セラミックグリーンシートから離隔し、それによって、前記凸部を構成する前記セラミックグリーンシートの一部を前記粘着部材とともに除去する工程とを備える、
    多層セラミック基板の製造方法。
  3. セラミックグリーンシートを用意する工程と、
    前記セラミックグリーンシートの第1の主面側から内部に向かって、突起状導体を押し込み、それによって、前記突起状導体を前記セラミックグリーンシートの内部に埋め込むとともに、前記突起状導体の埋め込みによる前記セラミックグリーンシートの流動の結果として前記セラミックグリーンシートの前記第1の主面に対向する第2の主面側に凸部を形成する、押し込み工程と、
    前記セラミックグリーンシートから前記凸部を除去する、除去工程と、
    前記突起状導体が埋め込まれかつ前記凸部が除去された前記セラミックグリーンシートを含む複数のセラミックグリーンシートを積み重ね、かつ前記複数のセラミックグリーンシートを積層方向にプレスすることによって、グリーンシート積層体を作製する、積層工程と、
    前記グリーンシート積層体を焼成する、焼成工程と
    を備え、
    前記突起状導体は、導電性粉末を有機ビヒクル中に分散させてなる導電性ペーストによって構成され、前記押し込み工程は、前記セラミックグリーンシートが前記第2の主面側においてキャリアフィルムによって裏打ちされた状態で実施され、当該押し込み工程において、前記セラミックグリーンシートの、前記突起状導体と前記キャリアフィルムとの間に位置する部分に、前記有機ビヒクルに含まれる溶剤成分を浸透させ、前記除去工程は、前記キャリアフィルムを前記セラミックグリーンシートから剥離する、剥離工程を備え、当該剥離工程において、前記セラミックグリーンシートの、前記溶剤成分が浸透した部分を前記キャリアフィルムに伴わせて除去する、
    多層セラミック基板の製造方法。
  4. 前記押し込み工程において、前記セラミックグリーンシートに含まれるバインダの軟化温度近傍にまで前記セラミックグリーンシートが加熱される、請求項1ないし3のいずれかに記載の多層セラミック基板の製造方法。
  5. 前記除去工程の結果、前記突起状導体の一部が前記セラミックグリーンシートの前記第2の主面側に露出する、請求項1ないし4のいずれかに記載の多層セラミック基板の製造方法。
  6. 前記押し込み工程は、前記セラミックグリーンシートの前記第2の主面側に、前記セラミックグリーンシートよりも変形しやすい材料からなるパッド部材を配置した状態で、前記突起状導体とともに、前記セラミックグリーンシートをその厚み方向にプレスする工程を備える、請求項1ないしのいずれかに記載の多層セラミック基板の製造方法。
  7. 前記押し込み工程の前の段階では、前記突起状導体は、前記セラミックグリーンシートの前記第1の主面側に位置する支持体上に設けられている、請求項1ないしのいずれかに記載の多層セラミック基板の製造方法。
  8. 前記押し込み工程の前の段階では、前記突起状導体は、前記セラミックグリーンシートの前記第1の主面上に設けられている、請求項1ないしのいずれかに記載の多層セラミック基板の製造方法。
  9. 前記押し込み工程の前に、前記セラミックグリーンシートの前記第1の主面上に、導電性粉末を有機ビヒクル中に分散させてなる導電性ペーストを用いて、面内導体を形成する工程をさらに備え、前記押し込み工程は、前記面内導体の一部とともに、前記突起状導体を前記セラミックグリーンシートの内部に埋め込むように実施される、請求項1ないしのいずれかに記載の多層セラミック基板の製造方法。
  10. 前記グリーンシート積層体の少なくとも一方主面上に、前記焼成工程での焼成温度では実質的に焼結しない収縮抑制用グリーンシートを積み重ねてなる、複合積層体を作製する工程をさらに備え、前記焼成工程は、前記複合積層体を焼成する工程を備える、請求項1ないしのいずれかに記載の多層セラミック基板の製造方法。
  11. 前記グリーンシート積層体の少なくとも一方主面上に、前記焼成工程での焼成温度では実質的に焼結しない収縮抑制用グリーンシートを積み重ねてなる、複合積層体を作製する工程をさらに備え、前記焼成工程は、前記複合積層体を焼成する工程を備え、
    前記グリーンシート積層体において、前記突起状導体は、所定の形状を有する金属片または金属焼結体から構成され、前記セラミックグリーンシートを厚み方向に貫通しない状態にあり、
    前記焼成工程において、実質的に焼結しない前記収縮抑制用グリーンシートは、前記グリーンシート積層体に対して、主面方向への収縮を抑制するように作用する収縮抑制作用を及ぼし、その結果、前記セラミックグリーンシートは、前記収縮抑制作用が働いていない場合に比べて、厚み方向により大きく収縮することによって、前記突起状導体は前記セラミックグリーンシートを厚み方向に貫通する状態とされる、請求項1ないし4のいずれかに記載の多層セラミック基板の製造方法
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