JP3925434B2 - セラミック電子部品の製造方法 - Google Patents

セラミック電子部品の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP3925434B2
JP3925434B2 JP2003055535A JP2003055535A JP3925434B2 JP 3925434 B2 JP3925434 B2 JP 3925434B2 JP 2003055535 A JP2003055535 A JP 2003055535A JP 2003055535 A JP2003055535 A JP 2003055535A JP 3925434 B2 JP3925434 B2 JP 3925434B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ceramic sheet
ceramic
carrier film
conductor layer
electronic component
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2003055535A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2004266122A (ja
Inventor
晋 谷井
三浩 山▲崎▼
亨 北町
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Corp
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Panasonic Corp
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Panasonic Corp, Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Panasonic Corp
Priority to JP2003055535A priority Critical patent/JP3925434B2/ja
Publication of JP2004266122A publication Critical patent/JP2004266122A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3925434B2 publication Critical patent/JP3925434B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Ceramic Capacitors (AREA)
  • Fixed Capacitors And Capacitor Manufacturing Machines (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は例えば積層セラミックコンデンサ等のセラミック電子部品の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のセラミックコンデンサの製造方法について説明する。
【0003】
まず、チタン酸バリウムを主成分とするセラミック粉末に有機物バインダ等を加え、混練し、スラリー化した後、ドクターブレード法等を用いてキャリアフィルム上にセラミックシートを作製する。
【0004】
次に、セラミックシート上に金属ペーストをスクリーン印刷し、矩形状の複数の導体層付きセラミックシートを準備する。
【0005】
次いで、支持板上に接着シートを介して、所定枚数のセラミックシート、導体層付きセラミックシート、セラミックシートの順に積層する。セラミックシート及び導体層付きセラミックシートの積層は、キャリアフィルム側を上に配置し、全面を剛体で加圧後、キャリアフィルムを剥離する工程を繰り返すことにより行う。
【0006】
次いで、この上に複数の導体層付きセラミックシートを同様にキャリアフィルム側を上にして積層、加圧後、キャリアフィルムを剥がす。
【0007】
その後、同様にしてセラミックシートの積層、圧着、キャリアフィルムの剥離を繰り返し、積層体を作製する。
【0008】
次に、前記積層体の上下をプレス板で挟んで加圧し、一体化した後、所望の形状に切断し、支持板から分離して個片の積層体とする。
【0009】
その後、積層体を焼成し、外部電極を形成して積層セラミックコンデンサとする。
【0010】
なお、この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては、例えば、特許文献1が知られている。
【0011】
【特許文献1】
特開平5−198459号公報
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
上記方法によると、キャリアフィルム剥離起点となる積層体外周部においては導体層の有無による段差が発生し、加圧を十分に行うことができない。その結果、キャリアフィルムを剥離する際に、積層体からセラミックシートが剥離して折り重なったり、切断されたりして構造欠陥が発生するという問題点を有していた。
【0013】
そこで、本発明は、セラミックシートの剥離による構造欠陥を抑制することのできるセラミック電子部品の製造方法を提供することを目的とするものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に記載の発明は、特に、キャリアフィルム上に形成した導体層付きセラミックシートを別の導体層付きセラミックシートに積層し、前記キャリアフィルム上から全面加圧する第1の工程と、次に、前記キャリアフィルム上から前記導体層付きセラミックシート外周の少なくとも一部を再度加圧する第2の工程と、次いで、剥離装置を付着させて再度加圧した部分を起点として前記キャリアフィルムを剥離する第3の工程を有し、前記第2の工程における加圧は、前記第1の工程における加圧よりも高い温度かつ低い圧力で行うものであり、キャリアフィルムとセラミックシートの分離の起点となるセラミックシート間は十分な接着強度を有し、キャリアフィルム剥離時、セラミックシートの剥離による構造欠陥の発生を抑制できる。
【0015】
そして、第2の工程における加圧は、第1の工程よりも高い温度かつ低い圧力で行うので、セラミックシートが加熱により軟化し、常温と比較して短時間の加圧でもセラミックシート間に十分な接着強度を付与し、生産性を向上させることができる。また、第2の工程により加圧された部分が他の部分よりも過剰にへこむことにより発生する上層のセラミックシートの転写不良を抑制することができる。
【0016】
本発明の請求項に記載の発明は、特に、第2の工程における加圧は弾性体を用いて行うものであり、加圧部に導体層の有無による段差がある場合でも、セラミックシート間に十分な接着強度を付与できる。
【0017】
本発明の請求項に記載の発明は、特に、第2の工程において弾性体でセラミックシートの側面も被覆されるように加圧するものであり、セラミックシートに位置ずれがあったとしても、セラミックシート同士の接着性を確保し、キャリアフィルム剥離時にセラミックシートの剥離を抑制できる。
【0018】
本発明の請求項に記載の発明は、特に、第1の工程における加圧は剛体で行うものであり、セラミックシートの伸びを抑制することができ、構造欠陥の発生を抑制できる。
【0020】
本発明の請求項に記載の発明は、特に、第2の工程後、冷却してからキャリアフィルムの剥離を行うものであり、導体層及びセラミックシートに含有されている樹脂が硬化し、キャリアフィルムの剥離を容易に行うことができる。
【0021】
本発明の請求項に記載の発明は、特に、第2の工程においてセラミックシート外周全体を加圧するものであり、セラミックシートが薄くとも、セラミックシートの剥離を抑制しつつ、キャリアフィルムを剥離できる。
【0022】
本発明の請求項7に記載の発明は、特に、キャリアフィルム上に形成した導体層付きセラミックシートを別の導体層付きセラミックシートに積層し、前記キャリアフィルム上から前記導体層付きセラミックシート外周の少なくとも一部を加圧する第1の工程と、次に、前記キャリアフィルム上から前記導体層付きセラミックシート全面を加圧する第2の工程と、次いで、剥離装置を付着させて前記第1の工程で加圧した部分を起点として前記キャリアフィルムを剥離する第3の工程を有し、前記第1の工程における加圧は、前記第2の工程における加圧よりも高い温度かつ低い圧力で行うものであり、キャリアフィルムとセラミックシートの分離の起点となる部分のセラミックシート間は十分な接着強度を有し、キャリアフィルム剥離時のセラミックシートの剥離による構造欠陥の発生を抑制できる。
【0023】
そして、第1の工程における加圧は、第2の工程よりも高い温度かつ低い圧力で行うので、セラミックシートが加熱により軟化し、常温と比較して短時間の加圧でもセラミックシート間に十分な接着強度を付与し、生産性を向上させることができる。また、第1の工程により加圧された部分が他の部分よりも過剰にへこむことにより発生する上層のセラミックシートの転写不良を抑制することができる。
【0024】
本発明の請求項に記載の発明は、特に、第1の工程における加圧は弾性体を用いて行うものであり、加圧部に導体層の有無による段差がある場合でも、セラミックシート間に十分な接着強度を付与できる。
【0025】
本発明の請求項に記載の発明は、特に、第1の工程において弾性体でセラミックシートの側面も被覆されるように加圧するものであり、セラミックシートをずらして積層したとしてもセラミックシート同士の接着性を確保し、キャリアフィルム剥離時にセラミックシートの剥離を抑制できる。
【0026】
本発明の請求項10に記載の発明は、特に、第2の工程における加圧は剛体で行うものであり、セラミックシートの伸びを抑制することができ、構造欠陥の発生を抑制できる。
【0028】
本発明の請求項11に記載の発明は、特に、第2の工程後、冷却工程を経た後第3の工程を行うものであり、導体層及びセラミックシートに含有されている樹脂が硬化し、キャリアフィルムの剥離を容易に行うことができる。
【0029】
本発明の請求項12に記載の発明は、特に、第1の工程においてセラミックシートの外周全体を加圧するものであり、セラミックシートが薄くとも、セラミックシートの剥離を抑制しつつ、キャリアフィルムを剥離できる。
【0030】
【発明の実施の形態】
(実施の形態1)
以下、実施の形態1を用いて、本発明の特に請求項1〜に記載の発明について説明する。
【0031】
図1〜3は本実施の形態1における積層体ブロック作製工程を説明するための断面図であり、11は支持板、12は接着シート、13はセラミックシート、14は導体層、15はキャリアフィルム、16,17はプレス機、17aは弾性体、18はキャリアフィルムの剥離装置、19は積層体ブロックである。
【0032】
また図4は本実施の形態における積層セラミックコンデンサの一部切欠断面斜視図であり、31はセラミック層、32は外部電極である。
【0033】
まず、キャリアフィルム15の上に離型層(図示せず)を介して矩形状の導体層14を多数形成し、乾燥する。導体層14は、ニッケルを主成分とする金属粉末に、ポリビニルブチラール系の有機バインダ、脂肪族ナフサ、芳香族ナフサ、テルピネオールなどの溶剤を混合した金属ペーストをスクリーン印刷することにより形成する。
【0034】
次に、チタン酸バリウムを主成分とするセラミック粉末に、ポリビニルブチラール系の有機物バインダ、可塑剤としてジブチルフタレート、溶剤として酢酸ブチルを混練し、スラリー化した後、ドクターブレード法等を用いて導体層14を形成したキャリアフィルム15上にセラミック層31となる四辺形のセラミックシート13を作製する。
【0035】
このようにして作製した導体層14付きセラミックシート13において、セラミックシート13の厚みは約10μm、導体層14の厚みは約2.5μmである。
【0036】
次に、支持板11上に両面に粘着性を有する接着シート12を貼付け、この上に導体層14を形成していないセラミックシート13を20枚積層する。接着シート12の接着力はセラミックシート13と支持板11とが分離しない程度必要である。しかし、積層体ブロック19を切断後に分離する必要があるため、積層体ブロック19作製時の加熱温度よりも高い温度で積層体ブロック19との接着性は消失する機能を有する。
【0037】
そして、図2に示すように積層したセラミックシート13の上に導体層14付きセラミックシート13をキャリアフィルム15ごと積層し、上面からプレス機16により10MPa、80℃で1秒間、セラミックシート13全面を加圧及び加熱する。
【0038】
次に、図1に示すように、キャリアフィルム15とセラミックシート13の分離起点となるセラミックシート13の角部をキャリアフィルム15を介してプレス機17により1MPa、100℃で1秒間再び加圧及び加熱する。
【0039】
次いで、導体層14及びセラミックシート13に含有されるバインダなどの有機物を硬化させて、キャリアフィルム15の剥離を容易に行えるようにした後、図3に示すように、プレス機17で加圧した部分(セラミックシート13の角部)を剥離装置18に付着させて対向する角部に向かって引き上げながらキャリアフィルム15を剥離する。角部から剥離することによりセラミックシート13に加わる応力を小さくすることができ、剥離及び損傷を抑制できる。
【0040】
その後、同様にして導体層14付きセラミックシート13を200枚積層し、続いて導体層14を形成していないセラミックシート13を20枚積層して積層体ブロック19を得る。
【0041】
次に、積層体ブロック19を加熱及び加圧することにより確実に一体化させた後、切断し、導体層14が両端面に露出した積層体を得る。
【0042】
そして、接着シート12を150℃に加熱し、接着性を消失させて積層体を接着シート12から分離する。
【0043】
次に、積層体を窒素ガス中で熱処理し、バインダを除去した後、導体層14となるニッケルの酸化が過度に起こらない窒素と水素の混合ガス雰囲気中で、1300℃まで加熱して焼成し、焼結体を得る。
【0044】
次に、この焼結体の外周面を研磨して、両端面に導体層14を完全に露出させ、続いて焼結体の両端面に銅を主成分とする電極ペーストを塗布した後、800℃の窒素雰囲気中で焼付けを行う。
【0045】
次いで、この上にニッケルメッキ及び半田メッキを行い外部電極32を形成し、図4に示す積層セラミックコンデンサを作製する。
【0046】
本実施の形態1の積層セラミックコンデンサについて、電気的特性の評価及び顕微鏡で断面を観察して内部構造検査を行った。その結果、デラミネーション等の構造欠陥の発生がほとんど無く、また、電気的特性も良好であった。
【0047】
(実施の形態2)
以下実施の形態2を用いて、本発明の特に請求項に記載の発明について説明する。
【0048】
実施の形態1と異なる点は、使用するセラミックシート13の厚みが約5μmと実施の形態1と比較すると半分の厚み、すなわち強度の小さいセラミックシート13を使用すること及びプレス機での加圧位置である。
【0049】
まず実施の形態1と同様にして、セラミックシート13及び導体層14付きセラミックシート13を準備する。
【0050】
次に、支持板11上に接着シート12を介してセラミックシート13を20枚積層し、この上に、図2に示すように導体層14付きセラミックシート13を積層し、キャリアフィルム15を介して、上面からプレス機16により10MPa、80℃で1秒間、セラミックシート13全体を加圧及び加熱する。
【0051】
次に、キャリアフィルム15の剥離起点となる部分だけでなく、セラミックシート13の外周全体を枠状の弾性体の押圧部を有するプレス機により1MPa、100℃で1秒間再び加圧及び加熱する。
【0052】
次いで、実施の形態1と同様にしてキャリアフィルム15を剥離する。
【0053】
この上に同様にしてキャリアフィルム15上の導体層14付きセラミックシート13を200枚積層する。
【0054】
さらに、その上に、セラミックシート13を20枚積層し、積層体ブロック19を得る。
【0055】
以下同様にして図4に示す積層セラミックコンデンサを得る。
【0056】
本実施の形態の積層セラミックコンデンサも実施の形態1と同様に、セラミックシート13の剥離による構造欠陥及び切断不良のないものであった。
【0057】
なお、実施の形態1,2においては、まずセラミックシート13全面を加圧し、積層体ブロック19内の空気を除去してから、キャリアフィルム15の剥離起点を加圧する。その結果、積層体ブロック19内の空気の残留を抑制できる。
【0058】
(実施の形態3)
実施の形態3を用いて本発明の特に請求項7〜11について説明する。
【0059】
実施の形態1との相違点は、セラミックシート13及び導体層14付きセラミックシート13の積層工程である。それ以外は、同じであるので説明を省略する。
【0060】
まず、支持板11上に接着シート12を介してセラミックシート13を200枚積層する。
【0061】
次に、この上に導体層14付きセラミックシート13をキャリアフィルム15ごと積層し、図1に示すようにキャリアフィルム15とセラミックシート13の分離起点となるセラミックシート13の角部をキャリアフィルム15を介してプレス機17により1MPa、100℃で1秒間加圧及び加熱する。
【0062】
次いで、図2に示すように上面からプレス機16により10MPa、80℃で1秒間、セラミックシート13全面を加圧及び加熱する。
【0063】
そして、実施の形態1に示したようにキャリアフィルム15を剥離する。
【0064】
同様にして導体層14付きセラミックシート13を200枚積層し、続いてセラミックシート13を20枚積層し、積層体ブロック19を得る。
【0065】
続いて、実施の形態1と同様にして積層セラミックコンデンサを得る。
【0066】
この積層セラミックコンデンサも、デラミネーション等の構造欠陥の発生がほとんど無く、また、電気的特性も良好であった。
【0067】
なお、実施の形態3においてもセラミックシート13の角部のみを加圧してから全面を加圧するので積層体ブロック19内に空気が残留するのを抑制できる。
【0068】
(実施の形態4)
実施の形態4を用いて本発明の特に請求項12について説明する。
【0069】
実施の形態3と異なる点は、使用するセラミックシート13の厚みが約5μmと実施の形態1と比較すると半分の厚み、すなわち強度の小さいセラミックシート13を使用すること及びプレス機での加圧位置である。
【0070】
まず実施の形態1と同様にして、導体層14付きセラミックシート13を準備する。
【0071】
次に、支持板11上に設けた接着シート12の上にセラミックシート13を20枚積層する。
【0072】
次いで、この上に導体層14付きセラミックシート13をキャリアフィルム15ごと積層し、キャリアフィルム15とセラミックシート13の分離起点となる部分を含みセラミックシート13の外周全体をキャリアフィルム15を介して枠状で弾性体の押圧部を有するプレス機により1MPa、100℃で1秒間、加圧及び加熱する。
【0073】
その後、キャリアフィルム15上面からセラミックシート13全体をプレス機16により10MPa、80℃で1秒間、加圧及び加熱する。
【0074】
次いで、セラミックシート13中の樹脂がある程度硬化するように冷却した後、実施の形態1に示したようにキャリアフィルム15を剥離する。そして、このセラミックシート13の上に同様にしてキャリアフィルム15上のセラミックシート13を20枚積層する。
【0075】
以下同様にして図4に示す積層セラミックコンデンサを得る。
【0076】
本実施の形態の積層セラミックコンデンサも実施の形態1と同様に、セラミックシート13の剥がれによる構造欠陥及び切断不良のないものであった。
【0077】
なお、実施の形態4においては、まずセラミックシート13の外周全体を加圧してから、全面を加圧するので積層体ブロック19内に空気が残留する可能性がある。この空気は構造欠陥の原因となりうるので、外周全体を加圧する際は、積層体ブロック19内部に空気が残留しないようにすることが望ましい。
【0078】
また、実施の形態2,4のようにセラミックシート13が薄く、その強度が小さい場合、加圧部分が剥離起点となる角部のみであると、この角を構成するセラミックシート13の二辺が損傷しやすい。そのため、キャリアフィルム15の剥離方向、つまり積層体ブロック19の上に破損した欠片が落下する可能性がある。しかし、他の二辺は仮に損傷するようなことがあったとしても、キャリアフィルム15の剥離方向が積層体ブロック19の外方であるので、積層体ブロック19の上に落下する可能性は少ない。そこで、少なくとも剥離起点となる角部を構成するセラミックシート13の二辺を含む外周を加圧することが好ましい。
【0079】
さらに、キャリアフィルム15の剥離時には積層体ブロック19表面に静電気が発生する。そのため、セラミックシート13が破損するとこの静電気にその片が引き寄せられ、積層体ブロック19の上に落下する可能性がある。そこで、より好ましくはセラミックシート13の外周全体を加圧し、セラミックシート13間の接着強度を向上させて、セラミックシート13の損傷を抑制する。
【0080】
実施の形態2,4のようにセラミックシート13外周全体を加圧することは、特に厚み5μm以下のセラミックシート13において顕著な効果がある。
【0081】
なお、上記各実施の形態においてセラミックシート13の角部あるいは外周の加圧は、弾性体で行っているが、剛体で行っても構わない。しかしながら、導体層14の有無による段差を吸収するとともに、セラミックシート13間に十分な接着性を付与することができるので弾性体で行うことが望ましい。さらに弾性体で加圧することにより、セラミックシート13に位置ずれが生じたとしても、図1に示すように弾性体17aが積層体ブロック19の側面も覆って加圧するため、セラミックシート13の剥離及び損傷を抑制できる。
【0082】
また、セラミックシート13及び導体層14付きセラミックシート13を全面加圧する場合、剛体で行ったが、加圧する部分の表面温度が所定の温度に達する熱伝導率と、加圧時間中その温度を保つ熱容量があれば、弾性体で行っても構わない。しかし、全面加圧の場合、弾性体で加圧するとセラミックシート13あるいは導体層14に伸びが生じるおそれがあるので剛体で行うことが好ましい。
【0083】
加圧は、一度に行っても、複数回に分けて行っても構わない。二回以上加圧することにより、従来の一回の加圧よりもそれぞれ低温、低圧で加圧することができ、積層体の変形やダメージを軽減することができる。
【0084】
また、キャリアフィルムの剥離起点を加圧する(部分加圧)場合、積層体ブロック19の温度は全面加圧の場合より高くするとともに圧力は低くしている。
【0085】
これは部分加圧が、加熱して接着性をさらに向上させることに主眼をおいているためである。具体的には、加圧時間内に積層したセラミックシート13に含有する有機物が軟化するようにする。ただし、セラミックシート13や導体層14が過度に変形しないような温度にすることが必要である。また、圧力が高すぎると加圧した部分の変形が著しくなるので、後に積層する導体層14付きセラミックシート13の積層を精度良く行うことができなくなるからである。
【0086】
キャリアフィルム15の剥離起点の加圧は、セラミックシート13及び導体層14付きセラミックシート13の積層時すべてにおいて行ったが、最初にセラミックシート13のみを積層する際は、導体層14の有無による段差がないので、接着性が確保できるのであれば、行う必要はない。また、セラミックシート13の性状により加圧時の加熱は必ずしも必要というわけではない。
【0087】
また、キャリアフィルム15上にまず導体層14を形成し、続いてセラミックシート13を形成することにより導体層14付きセラミックシート13を作製したが、キャリアフィルム15上にセラミックシート13を作製し、続いて導体層14を作製した場合も同様の効果が得られる。
【0088】
上記各実施の形態においては積層セラミックコンデンサを例に説明したが、積層バリスタ、積層セラミック基板、積層インダクタなどのセラミック電子部品においては同様の効果が得られる。
【0089】
【発明の効果】
以上のように本発明は、積層時、セラミックシートの剥離による構造欠陥を抑制することのできるセラミック電子部品の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1,3における積層体ブロック作製工程を説明するための断面図
【図2】本発明の実施の形態1〜4における積層体ブロック作製工程を説明するための断面図
【図3】本発明の実施の形態1〜4における積層体ブロック作製工程を説明するための断面図
【図4】本発明の実施の形態1〜4における積層セラミックコンデンサの一部切欠断面斜視図
【符号の説明】
11 支持板
12 接着シート
13 セラミックシート
14 導体層
15 キャリアフィルム
16 プレス機
17 プレス機
17a 弾性体
18 剥離装置
19 積層体ブロック
31 セラミック層
32 外部電極

Claims (12)

  1. キャリアフィルム上に形成した導体層付きセラミックシートを別の導体層付きセラミックシートに積層し、前記キャリアフィルム上から全面加圧する第1の工程と、次に、前記キャリアフィルム上から前記導体層付きセラミックシート外周の少なくとも一部を再度加圧する第2の工程と、次いで、剥離装置を付着させて再度加圧した部分を起点として前記キャリアフィルムを剥離する第3の工程と、前記第1の工程から前記第3の工程を所望の回数繰り返し積層体を作製する第4の工程と、前記積層体を焼成する第5の工程とを有し、前記第2の工程における加圧は、前記第1の工程における加圧よりも高い温度かつ低い圧力で行うセラミック電子部品の製造方法。
  2. 第2の工程における加圧は弾性体を用いて行う請求項1に記載のセラミック電子部品の製造方法。
  3. 第2の工程において弾性体でセラミックシートの側面も被覆されるように加圧する請求項2に記載のセラミック電子部品の製造方法。
  4. 第1の工程における加圧は、剛体で行う請求項1に記載のセラミック電子部品の製造方法。
  5. 第2の工程後、冷却工程を経た後、第3の工程を行う請求項1に記載のセラミック電子部品の製造方法。
  6. 第2の工程においてセラミックシート外周全体を加圧する請求項1に記載のセラミック電子部品の製造方法。
  7. キャリアフィルム上に形成した導体層付きセラミックシートを別の導体層付きセラミックシートに積層し、前記キャリアフィルム上から前記導体層付きセラミックシート外周の少なくとも一部を加圧する第1の工程と、次に、前記キャリアフィルム上から前記導体層付きセラミックシート全面を加圧する第2の工程と、次いで、剥離装置を付着させて前記第1の工程で加圧した部分を起点として前記キャリアフィルムを剥離する第3の工程と、前記第1の工程から前記第3の工程を所望の回数繰り返し積層体を作製する第4の工程と、前記積層体を焼成する第5の工程とを有し、前記第1の工程における加圧は、前記第2の工程における加圧よりも高い温度かつ低い圧力で行うセラミック電子部品の製造方法。
  8. 第1の工程における加圧は弾性体を用いて行う請求項7に記載のセラミック電子部品の製造方法。
  9. 第1の工程において弾性体でセラミックシートの側面も被覆されるように加圧する請求項8に記載のセラミック電子部品の製造方法。
  10. 第2の工程における加圧は、剛体で行う請求項7に記載のセラミック電子部品の製造方法。
  11. 第2の工程後、冷却工程を経た後、第3の工程を行う請求項7に記載のセラミック電子部品の製造方法。
  12. 第1の工程においてセラミックシートの外周全体を加圧する請求項7に記載のセラミック電子部品の製造方法。
JP2003055535A 2003-03-03 2003-03-03 セラミック電子部品の製造方法 Expired - Fee Related JP3925434B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003055535A JP3925434B2 (ja) 2003-03-03 2003-03-03 セラミック電子部品の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003055535A JP3925434B2 (ja) 2003-03-03 2003-03-03 セラミック電子部品の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2004266122A JP2004266122A (ja) 2004-09-24
JP3925434B2 true JP3925434B2 (ja) 2007-06-06

Family

ID=33119524

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003055535A Expired - Fee Related JP3925434B2 (ja) 2003-03-03 2003-03-03 セラミック電子部品の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3925434B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4721742B2 (ja) * 2005-03-29 2011-07-13 京セラ株式会社 電子部品の製造方法
KR20090099275A (ko) * 2008-03-17 2009-09-22 삼성전기주식회사 적층형 전자부품용 그린시트 및 이를 이용한 그린칩의제조방법

Also Published As

Publication number Publication date
JP2004266122A (ja) 2004-09-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4035988B2 (ja) セラミック積層体及びその製造方法
JPH0611018B2 (ja) セラミック生シートの積層方法
JPH065656B2 (ja) セラミック積層体の製造方法
JP3781037B2 (ja) セラミック電子部品の製造方法と製造装置
JP3925434B2 (ja) セラミック電子部品の製造方法
JP2001044071A (ja) セラミック電子部品の製造方法
JP2002343674A (ja) 積層セラミックコンデンサの製造方法
JP4696410B2 (ja) 積層セラミック電子部品の製造方法
JP2004014668A (ja) 積層セラミック電子部品の製造方法
JP3521774B2 (ja) 積層セラミックコンデンサの製造方法
JP2998499B2 (ja) 積層セラミックコンデンサの製造方法
JP3147667B2 (ja) 積層セラミックコンデンサの製造方法
JP4788484B2 (ja) セラミック積層体の製造方法
JP3196713B2 (ja) セラミック電子部品の製造方法
JPS6159653B2 (ja)
JP4539148B2 (ja) 積層セラミック電子部品の製造方法
JP2004055678A (ja) 積層セラミック電子部品の製造方法
JP4289054B2 (ja) 積層セラミック電子部品の製造方法
JP3094769B2 (ja) 積層セラミックコンデンサの製造方法
JP2005310870A (ja) セラミック電子部品の製造方法
JP3527668B2 (ja) セラミック電子部品の製造方法
JP3878916B2 (ja) 積層型電子部品の製法
JPH0391220A (ja) 積層セラミックコンデンサの製造方法
JP2004289088A (ja) 積層セラミック電子部品の製造方法
JP2001057317A (ja) 積層セラミックコンデンサの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421

Effective date: 20050708

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060427

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060509

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060622

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20061114

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070111

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20070206

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20070219

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110309

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110309

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120309

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130309

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130309

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140309

Year of fee payment: 7

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees