JP3521774B2 - 積層セラミックコンデンサの製造方法 - Google Patents
積層セラミックコンデンサの製造方法Info
- Publication number
- JP3521774B2 JP3521774B2 JP34387598A JP34387598A JP3521774B2 JP 3521774 B2 JP3521774 B2 JP 3521774B2 JP 34387598 A JP34387598 A JP 34387598A JP 34387598 A JP34387598 A JP 34387598A JP 3521774 B2 JP3521774 B2 JP 3521774B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- ceramic green
- ceramic
- manufacturing
- green sheets
- porosity
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Fixed Capacitors And Capacitor Manufacturing Machines (AREA)
- Ceramic Capacitors (AREA)
Description
デンサの製造方法に関し、詳しくは、セラミックグリー
ンシートを積層・圧着する工程を経て製造される積層セ
ラミックコンデンサの製造方法に関する。
うに、セラミック中に電極(内部電極)が配設された構
造を有する積層セラミック電子部品は、通常、電極パタ
ーンの配設されたセラミックグリーンシートを複数枚積
層するとともに、その上下両面側に電極パターンが配設
されていない外層用のセラミックグリーンシートを積層
し、これを圧着した後、得られた積層体(圧着ブロッ
ク)を所定の位置で切断して個々の素子を切り出し、焼
成を行った後、外部電極を形成することにより製造され
ている。
積層・圧着する方法として、セラミックグリーンシート
を一枚ずつ積層するごとに、あるいは、所定枚数積層す
るごとにプレスして圧着を行う圧着法が用いられる場合
もある。
の製造方法に用いられるグリーンシートとしては、通
常、ピンホールの発生を抑制して耐圧性能や誘電特性を
向上させたり、あるいは、圧着工程や焼成工程での変形
を抑制したりするために、空孔率が低く(25%以
下)、高密度のセラミックグリーンシートが用いられる
ことが多い。
うな低空孔率、高密度のセラミックグリーンシートに電
極パターンを配設し、このセラミックグリーンシートを
一枚、あるいは所定枚数積層するごとに圧着を行う圧着
法で積層・圧着して、積層数が300程度の積層体(圧
着ブロック)を形成した後、積層体を所定の位置で切断
して個々の素子に分割し、脱脂、焼成した後、外部電極
を形成して、積層セラミックコンデンサを製造した場
合、圧着後の積層体(圧着ブロック)に、気泡がセラミ
ックグリーンシート間に入り込んで浮き上がった部分
(剥離部)が発生するとともに、焼成後の素子に、この
気泡の入り込みに起因するデラミネーションが発生する
という問題点がある。
り、気泡の入り込みによるデラミネーションの発生を防
止して、内部欠陥のない積層セラミックコンデンサを効
率よく製造することが可能な積層セラミックコンデンサ
の製造方法を提供することを目的としている。
に、本発明の積層セラミックコンデンサの製造方法は、
セラミックグリーンシートを積層・圧着する工程を経て
製造される、セラミック中に内部電極が配設された積層
セラミックコンデンサの製造方法において、セラミック
グリーンシートとして、空孔率が30〜50%で、空孔
の平均径が1μm以下のセラミックグリーンシートを用
い、前記セラミックグリーンシートに内部電極パターン
を印刷した後、該セラミックグリーンシートを所定枚数
ずつ積層し、その度ごとにプレスして圧着し、所定の積
層数になるまで積層、圧着を繰り返すことを特徴として
いる。
1μm以下のセラミックグリーンシートを用い、セラミ
ックグリーンシートに内部電極パターンを印刷した後、
セラミックグリーンシートを所定枚数ずつ積層し、その
度ごとにプレスして圧着し、所定の積層数になるまで積
層、圧着を繰り返すことにより、積層工程でセラミック
グリーンシート間に入り込んだ気泡(空気)が、圧着を
繰り返す間に、空孔率の高いセラミックグリーンシート
の空孔を通過して追い出され、積層体に気泡が入り込む
ことによる剥離部の発生が抑制、防止される。したがっ
て、剥離部の発生によるデラミネーションの発生を防止
して、内部欠陥のない積層セラミックコンデンサを効率
よく製造することが可能になる。なお、空孔率が30〜
50%のセラミックグリーンシートを用いるようにした
のは、空孔率が30%未満になると、セラミックグリー
ンシート間に入り込んだ気泡を追い出す効果が不十分に
なり、また、50%を超えると、製品の耐圧性能や誘電
特性の低下を招き、好ましくないことによる。
を制御する方法としては、セラミックグリーンシートを
凍結させ、形状を固定した状態で溶剤を除去し、溶剤が
除去された後に空孔が残るようにして空孔率を増大させ
る方法、バインダーを熱硬化、紫外線硬化、電子線硬化
などの方法で硬化させた後、溶剤を除去する方法、バイ
ンダーの溶解性を制御することにより空孔率を向上させ
る方法、などが例示される。なお、セラミックグリーン
シートの空孔の大きさがあまり大きくなると、それ自体
が内部欠陥となったり、ピンホールやデラミネーション
の原因となったりすることがあるので、セラミックグリ
ーンシートの空孔の平均径を1μm以下にすることが望
ましい。すなわち、空孔の平均径を1μm以下とするこ
とにより、空孔自体に起因するピンホールやデラミネー
ションの発生を防止しつつ、剥離部の発生を防止するこ
とが可能になる。
サの製造方法は、前記セラミックグリーンシートを一枚
積層するごとにプレスして圧着することを特徴としてい
る。
ートを例えば、所定の複数枚数(例えば5枚)積層する
ごとに圧着するように構成することも可能であるが、セ
ラミックグリーンシートを一枚ずつ積層し、その度ごと
にプレスして圧着することにより、セラミックグリーン
シート間に入り込んだ気泡(空気)をより確実に追い出
すことが可能になり、本発明をさらに実効あらしめるこ
とができる。
てその特徴とするところをさらに詳しく説明する。な
お、この実施形態では、図1に示すように、複数の内部
電極1が、セラミック層2を介して互いに対向するよう
にセラミック素子3中に配設され、かつ、交互にセラミ
ック素子3の異なる側の端面に引き出されて外部電極4
a,4bに接続された構造を有する積層セラミックコン
デンサを製造する場合を例にとって説明する。
IS B特性を示すセラミック材料100重量部に対
し、ポリビニルブチラール樹脂10重量部、及び有機ビ
ヒクルを配合してスラリー化し、14g/m2のセラミ
ックグリーンシートを作成する。
ル中の有機溶剤として、トルエンとエタノ−ルの混合溶
剤を用いるとともに、バインダーの溶解性を制御してセ
ラミックグリーンシートの空孔率(密度)を調節するた
めに、混合溶剤を構成するトルエンとエタノ−ルの比率
を適宜変更して使用した。
トに内部電極パターンを印刷した後、このセラミックグ
リーンシートを一枚ずつ積層し、その度ごとに温度70
℃、圧力100kg/cm2の条件でプレスして圧着し、
積層数が300層になるまで積層、圧着を繰り返した。
ターンの形成されていない外層用のセラミックグリーン
シートを積層し、温度70℃、圧力500kg/cm2の
条件で、最終的な圧着を行い、積層体(圧着ブロック)
を得た。
て、個々の素子を切り出し、脱脂、焼成後、外部電極形
成用の導電ペーストを塗布して焼き付けることにより、
外部電極を形成した。
コンデンサを製造する過程で、最終的な圧着を行った後
の積層体(圧着ブロック)の外観を観察して、気泡が入
り込んで浮き上がった部分(剥離部)の発生の有無を調
べるとともに、焼成後の素子についてデラミネーション
の発生の有無を調べた。その結果を表1に示す。
後の積層体(圧着ブロック)を観察すると、空孔率が3
0%未満のセラミックグリーンシートを用いた試料番号
1(空孔率24.5%),試料番号2(空孔率26.7
%)においては、程度の差はあるが、気泡が入り込んで
浮き上がった部分(剥離部)の発生が認められ、焼成後
の素子についても、デラミネーションの発生が認められ
た。
料番号3(空孔率30%),試料番号4(空孔率36.
2%),試料番号5(空孔率40.9%)においては、
剥離部の発生は認められず、また、焼成後の素子につい
ても、デラミネーションの発生は認められなかった。
表1には示していないが、剥離部の発生や、デラミネー
ションの発生は認められなかったが、製品の耐圧性能や
信頼性の低下を招くため好ましくないことがわかった。
セラミックグリーンシートを用いることにより、積層体
に気泡が入り込んで剥離部が発生することを抑制、防止
し、内部欠陥のない積層セラミックコンデンサを製造す
ることが可能になることがわかる。なお、表1には特に
示していないが、表1の各試料においては、空孔の平均
径を1μm以下としたが、空孔の平均径が1μmを超える
と、ピンホールの発生や耐圧性能などの特性の低下を招
き、好ましくないことが確認された。
ーンシートを一枚積層するごとにプレスして圧着するよ
うにした場合について説明したが、セラミックグリーン
シートを所定枚数(例えば5枚)積層するごとに圧着す
るように構成することも可能である。
実施形態に限定されるものではなく、積層体の具体的な
構成、例えば、電極パターンやその配設位置、積層数、
圧着時の温度条件や圧力条件などに関し、発明の要旨の
範囲内において、種々の応用、変形を加えることが可能
である。また、電極の構成材料、セラミックグリーンシ
ートを構成するセラミックの種類などに関しても特別の
制約はない。
コンデンサの製造方法は、空孔率が30〜50%のセラ
ミックグリーンシートを用い、このセラミックグリーン
シートを所定の枚数積層するごとに圧着を行うようにし
ているので、積層工程などにおいてセラミックグリーン
シート間に入り込んだ気泡が、圧着を繰り返す間に、空
孔率の高いセラミックグリーンシートの空孔を通過して
外部に排出され、積層体に気泡の入り込みによる剥離部
の発生を抑制、防止し、該剥離部に起因するデラミネー
ションの発生を防止して、内部欠陥のない積層セラミッ
クコンデンサを効率よく製造することができる。
と、それ自体が内部欠陥となったり、ピンホールやデラ
ミネーションの原因となったりすることがあるが、セラ
ミックグリーンシートの空孔の平均径を1μm以下とす
ることにより、上述のような弊害を招くことなく、内部
欠陥のない積層セラミックコンデンサを効率よく製造す
ることができる。
ーンシートを例えば、所定の複数枚数(例えば5枚)積
層するごとに圧着するように構成することも可能である
が、請求項2のように、セラミックグリーンシートを一
枚ずつ積層し、その度ごとにプレスして圧着することに
より、セラミックグリーンシート間に入り込んだ気泡
(空気)をより確実に追い出すことが可能になり、本発
明をさらに実効あらしめることができる。
ンデンサの製造方法により製造された積層セラミックコ
ンデンサを示す断面図である。
Claims (2)
- 【請求項1】セラミックグリーンシートを積層・圧着す
る工程を経て製造される、セラミック中に内部電極が配
設された積層セラミックコンデンサの製造方法におい
て、 セラミックグリーンシートとして、空孔率が30〜50
%で、空孔の平均径が1μm以下のセラミックグリーン
シートを用い、前記セラミックグリーンシートに内部電極パターンを印
刷した後、該セラミックグリーンシートを所定枚数ずつ
積層し、その度ごとにプレスして圧着し、所定の積層数
になるまで積層、圧着を繰り返すこと を特徴とする積層
セラミックコンデンサの製造方法。 - 【請求項2】前記セラミックグリーンシートを一枚積層
するごとにプレスして圧着することを特徴とする請求項
1記載の積層セラミックコンデンサの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34387598A JP3521774B2 (ja) | 1998-12-03 | 1998-12-03 | 積層セラミックコンデンサの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34387598A JP3521774B2 (ja) | 1998-12-03 | 1998-12-03 | 積層セラミックコンデンサの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000173858A JP2000173858A (ja) | 2000-06-23 |
JP3521774B2 true JP3521774B2 (ja) | 2004-04-19 |
Family
ID=18364921
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP34387598A Expired - Fee Related JP3521774B2 (ja) | 1998-12-03 | 1998-12-03 | 積層セラミックコンデンサの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3521774B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002217038A (ja) * | 2001-01-23 | 2002-08-02 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | セラミック電子部品 |
JP4586831B2 (ja) | 2007-08-08 | 2010-11-24 | Tdk株式会社 | セラミックグリーンシート構造、及び、積層セラミック電子部品の製造方法 |
JP2012111668A (ja) * | 2010-11-26 | 2012-06-14 | Taiheiyo Cement Corp | 積層セラミックスの製造方法 |
-
1998
- 1998-12-03 JP JP34387598A patent/JP3521774B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2000173858A (ja) | 2000-06-23 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JPH08130160A (ja) | 積層セラミック電子部品の製造方法 | |
JP2018113300A (ja) | 積層電子部品の製造方法 | |
JP2004356333A (ja) | 積層型電子部品およびその製法 | |
JPH09190947A (ja) | 積層セラミック電子部品 | |
JP3521774B2 (ja) | 積層セラミックコンデンサの製造方法 | |
JPH07122457A (ja) | 積層セラミック電子部品の製造方法 | |
JP2779896B2 (ja) | 積層電子部品の製造方法 | |
JP2003059759A (ja) | 積層セラミック電子部品およびその製造方法 | |
JP2004179349A (ja) | 積層型電子部品およびその製法 | |
JP4702972B2 (ja) | 積層型電子部品およびその製法 | |
JP2003045740A (ja) | 積層型電子部品 | |
JP3042464B2 (ja) | セラミック電子部品の製造方法 | |
JP2000243650A (ja) | 積層セラミックコンデンサおよびその製造方法 | |
JP4696410B2 (ja) | 積層セラミック電子部品の製造方法 | |
JPH06244050A (ja) | 積層セラミックコンデンサ及びその積層グリーン体の製造方法 | |
JP2001023853A (ja) | 積層セラミックコンデンサの製造方法 | |
JP2756745B2 (ja) | 積層セラミックコンデンサの製造方法 | |
JP3496184B2 (ja) | 積層セラミック電子部品の製造方法 | |
JP3523548B2 (ja) | 積層型電子部品およびその製法 | |
JPH07302728A (ja) | 積層セラミックコンデンサおよびその製造方法 | |
JP3094769B2 (ja) | 積層セラミックコンデンサの製造方法 | |
JP2003249416A (ja) | 積層セラミックコンデンサの製造方法および積層セラミックコンデンサ | |
JP3538348B2 (ja) | セラミック電子部品の製造方法 | |
JPH09139321A (ja) | セラミック生シートおよびそれを用いたセラミック電子部品の製造方法 | |
JP3878916B2 (ja) | 積層型電子部品の製法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20040120 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20040202 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090220 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090220 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100220 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110220 Year of fee payment: 7 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110220 Year of fee payment: 7 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120220 Year of fee payment: 8 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130220 Year of fee payment: 9 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |