JP4788484B2 - セラミック積層体の製造方法 - Google Patents

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本発明は、セラミック積層体の製造方法に関する。
この種のセラミック積層体の製造方法として、セラミックグリーンシートが複数積層されたグリーン積層体をプレスし、プレスされたグリーン積層体を切断して、個々のセラミック積層体(チップ状のグリーン積層体)を得るものが知られている。(例えば、特許文献1参照)。特許文献1では、グリーン積層体を切断して得られたチップ状のグリーン積層体を焼成している。
特開平9−129486
しかしながら、特許文献1に記載されたセラミック積層体の製造方法には、次のような問題があった。すなわち、複数のセラミックグリーンシートを積層してグリーン積層体を作製してから切断するまでの一連の工程において、グリーン積層体に折れや曲がり等が発生してしまう。このような折れや曲がりは、例えば、グリーン積層体をプレスする際に、グリーン積層体の一部が金型に付着することにより発生したり、金型に付着したグリーン積層体を剥がす際に発生したりする。また、グリーン積層体をハンドリングする際にも、折れや曲がりが発生することがある。
近年、積層型電子部品に対する小型化及び低背化の要求が極めて高く、グリーン積層体の薄化が進んでいる。このため、グリーン積層体に、折れや曲がり等がより一層発生し易くなってきている。
ところで、グリーン積層体に折れや曲がり等が発生すると、グリーン積層体に内部ストレスが生じることとなり、焼成時のクラック等の原因となる。折れや曲がり等が発生したグリーン積層体は不良とされ、製造歩留まりが悪くなる。
本発明は、グリーン積層体に折れや曲がり等が発生するのを抑制することができるセラミック積層体の製造方法を提供することを課題とする。
本発明に係るセラミック積層体の製造方法は、セラミックグリーンシートが複数積層されたグリーン積層体を接着層を介して複数積層した集合体を作製する工程と、作製された集合体をプレスする工程と、プレスされた集合体を切断する工程と、集合体を切断した後、接着層を除去する工程と、を備えることを特徴とする。
本発明に係るセラミック積層体の製造方法では、接着層を介して複数のグリーン積層体を積層した集合体をプレスして切断した後に接着層を除去することにより、個々のセラミック積層体が得られることとなる。集合体は、複数のグリーン積層体を積層したものであるため、個々のグリーン積層体に比して、その厚みも質量も大きい。このため、集合体を作製してから個々のセラミック積層体を得るまでの一連の工程において、集合体に折れや曲がり等が発生するのが抑制される。従って、本発明に係るセラミック積層体の製造方法によれば、グリーン積層体に折れや曲がり等が発生するのを抑制することができる。
好ましくは、接着層を除去する工程では、セラミックグリーンシートが不溶性を有し且つ接着層が可溶性を有する所定の溶媒を用い、切断された集合体を所定の溶媒に浸漬することにより接着層を除去する。この場合、セラミックグリーンシートに悪影響を与えることなく接着層を除去し、個々のセラミック積層体を得ることができる。
ここで、上記「不溶性を有する」とは、所定の溶媒に溶けないか、又は殆ど溶けないことを意味する。
好ましくは、セラミックグリーンシートが、樹脂成分としてブチラール樹脂を含み、接着層が、樹脂成分としてポリビニルアルコールあるいは水溶性アクリル樹脂を含んでおり、接着層を除去する工程において、所定の溶媒として水を用い、切断された集合体を水に浸漬することにより接着層を除去する。
好ましくは、セラミックグリーンシートが、樹脂成分としてアクリル樹脂を含み、接着層が、樹脂成分としてブチラール樹脂を含んでおり、接着層を除去する工程において、所定の溶媒としてアルコール系溶剤を用い、切断された集合体をアルコール系溶剤に浸漬することにより接着層を除去する。
好ましくは、接着層を除去する工程が、切断された集合体をバレルに入れて所定の溶媒の存在下に研磨する湿式バレル研磨工程である。この場合、湿式バレル研磨工程を利用して、接着層を除去することができる。
好ましくは、接着層を除去する工程では、切断された集合体を加熱することにより接着層を除去する。
好ましくは、接着層が、ワックスからなる。
好ましくは、接着層が、樹脂成分としてゴム系樹脂を含んでいる。
好ましくは、接着層を除去する工程が、セラミックグリーンシートに含まれるバインダを加熱して除去する脱バインダ工程、あるいは、切断された集合体を焼成する焼成工程である。この場合、この場合、脱バインダ工程あるいは焼成工程を利用して、接着層を除去することができる。
好ましくは、接着層が、セラミックグリーンシートに含まれるセラミックよりも融点が高い酸化物を含む。接着層が除去されて複数のセラミック積層体が積み重なった状態で焼成されると、セラミック積層体同士が付着して一体化した状態で焼結されることとなる。接着層が上記酸化物を含んでいる場合、当該酸化物は、接着層が除去された後、セラミック積層体の外表面に付着することとなる。したがって、複数のセラミック積層体が積み重なった状態で焼成されたとしても、セラミック積層体間での焼結反応が上記酸化物により阻害される。この結果、セラミック積層体同士の付着を防止することができる。
好ましくは、セラミックグリーンシートに含まれる酸化物が、酸化ジルコニウムあるいは酸化アルミニウムである。
好ましくは、集合体をプレスする工程では、集合体を加熱してプレスしており、接着層が、集合体を加熱する温度より高い軟化温度を有する。この場合、プレスする際の熱により接着層が軟化して集合体が変形してしまうのを防ぐことができる。
好ましくは、グリーン積層体が、電極パターンが形成された複数のセラミックグリーンシートからなる内層部と、内層部を挟むように配置されると共に電極パターンが形成されていない複数のセラミックグリーンシートからなる外層部と、を有する。
本発明によれば、グリーン積層体に折れや曲がり等が発生するのを抑制することができるセラミック積層体の製造方法を提供することができる。
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には、同一符号を用いることとし、重複する説明は省略する。本実施形態は、本発明を積層セラミックコンデンサに適用した例である。
まず、図1及び図2に基づいて、本実施形態に係る積層セラミックコンデンサCの構成を説明する。図1は、本実施形態に係る積層セラミックコンデンサの断面図である。図2は、本実施形態に係る積層セラミックコンデンサに含まれるコンデンサ素体の分解斜視図である。
積層セラミックコンデンサCは、図1に示されるように、コンデンサ素体1と、コンデンサ素体1の外表面に配置された端子電極3を備える。コンデンサ素体1は、内層部10と、この内層部10を挟んで位置する一対の外層部20とを有する。本実施形態に係る積層セラミックコンデンサCは、長手方向の長さが1.0mmに設定され、幅が0.5mmに設定され、高さが0.15〜0.35mmに設定された、いわゆる1005タイプの積層セラミックコンデンサである。
内層部10は、図2に示されるように、複数の第1のセラミック層12と、複数の内部電極14とを有している。第1のセラミック層12と内部電極14とは、交互に積層されている。第1のセラミック層12の構成材料としては、公知の高誘電率セラミック材料が適用できる。例えば、チタン酸バリウム(BaTiO)系材料、鉛複合ペロブスカイト化合物系材料、チタン酸ストロンチウム系(SrTiO)系材料等が例示でき、これらのセラミック材料のほか、焼結助剤等の他の成分を更に含有していてもよい。第1のセラミック層12の厚みは、例えば1.5〜1.6μmである。
コンデンサ素体1(内層部10)において、複数の内部電極14は、端子電極3が設けられた両端面に交互に露出するように積層されている。積層セラミックコンデンサCにおいては、この内部電極14の露出部分が対応する端子電極3と物理的に接触しており、これにより内部電極14と端子電極3との電気的な接続が図られている。内部電極14は、積層セラミックコンデンサの内部電極として通常用いられる電極材料からなるものであれば特に制限なく適用できる。この電極材料としては、例えば、Ni、Cuやこれらの合金等が挙げられる。内部電極14の厚みは、例えば1.0μm程度である。
外層部20は、複数の第2のセラミック層22を有し、これらの第2のセラミック層22が積層されている。第2のセラミック層22は、第1のセラミック層12に用いたのと同様の高誘電率セラミック材料から構成されている。ここで、第1のセラミック層12及び第2のセラミック層22は、それぞれ異なるセラミック材料から構成されていてもよく、同じセラミック材料から構成されていてもよいが、後述する焼成時において、収縮率の差に起因するデラミネーション等の発生を極力抑制するため、これらは同じ材料から構成されていることが好ましい。第2のセラミック層22の厚みは、例えば8.0〜20μmである。実際の積層セラミックコンデンサCでは、各セラミック層12,22は、セラミック層12,22の間の境界が視認できない程度に一体化されている。
端子電極3としては、CuやCu合金、NiやNi合金、AgやAg合金(例えばAg−Pd合金)、SnやSn合金等からなるものが挙げられる。なお、積層セラミックコンデンサCの製造コストを低減する観点からは、比較的安価なCuやNi、或いはこれらの合金を用いることが好ましい。端子電極3は、これらの金属からなる層上に、例えば、NiめっきやSnめっき等が更に施された構造を有していてもよい。
次に、上述した構成を有する積層セラミックコンデンサCの製造方法の実施形態について、図3を参照して説明する。図3は、本実施形態に係る積層セラミックコンデンサの製造過程を説明するためのフロー図である。
まず、図4に示されるように、コンデンサ素体1に相当する、セラミックグリーンシートの積層体(グリーン積層体)LBが複数積層された集合体GAを作製する(S101:集合体作製工程)。
ここでは、第1のセラミック層12となる第1のセラミックグリーンシートを準備する。より具体的には、BaTiO粉末、有機バインダ、及び有機溶剤を混合してスラリー化し、第1の誘電体ペーストを得る。この第1の誘電体ペーストを、ドクターブレード法等の公知の方法によりシート状にし、第1のセラミックグリーンシートを得る。第1のセラミックグリーンシートに含まれる有機バインダは、ブチラール樹脂である。
得られた第1のセラミックグリーンシート上に、内部電極14となる電極ペーストをスクリーン印刷等の公知の方法により塗布して乾燥させる。これにより、第1のセラミックグリーンシートに内部電極14に対応する電極パターンが形成されることとなる。電極ペーストは、Ni粉末を有機バインダ及び有機溶剤に分散させてペースト状にしたものである。
また、第2のセラミック層22となる第2のセラミックグリーンシートを準備する。より具体的には、BaTiO粉末、有機バインダ、有機溶剤を混合してスラリー化し、第2の誘電体ペーストを得る。得られた第2の誘電体ペーストを、ドクターブレード法等の公知の方法によりシート状にし、第2のセラミックグリーンシートを得る。第2のセラミックグリーンシートには、電極パターンを形成しない。第2のセラミックグリーンシートに含まれる有機バインダは、ブチラール樹脂である。
また、第2のセラミックグリーンシートと接着層30とを積層した積層体を準備する。具体的には、第2のセラミックグリーンシート、接着層30、第2のセラミックグリーンシートの順に積層し、2枚の第2のセラミックグリーンシートが接着層30を介して積層された積層体を準備する。接着層30は、樹脂成分としてポリビニルアルコールあるいは水溶性アクリル樹脂を含んでいる。
そして、第1のセラミックグリーンシート、第2のセラミックグリーンシート、及び第2のセラミックグリーンシートと接着層30とを積層した積層体を所望の順序にて積層することにより、図4に示されるように、集合体GAを作製する。具体的には、第2のセラミックグリーンシートを積層して外層部20に相当するグリーン積層体LBoを形成し、グリーン積層体LBoの上に第1のセラミックグリーンシートを積層して内層部10に相当するグリーン積層体LBiを形成し、グリーン積層体LBiの上に第2のセラミックグリーンシートを積層して外層部20に相当するグリーン積層体LBoを形成し、これらの工程によりコンデンサ素体1に相当する各グリーン積層体LBを形成し、更にこれらの工程を繰り返すことにより、集合体GAを作製する。グリーン積層体LBiの上に第2のセラミックグリーンシートを積層してグリーン積層体LBoを形成する際に、最後に第2のセラミックグリーンシートと接着層30とを積層した積層体を積層することにより、上述した集合体GAは、コンデンサ素体1に相当するグリーン積層体LBが接着層30を介して複数積層された構成となる。コンデンサ素体1に相当するグリーン積層体LBの積層数は、例えば3〜5層が好ましく、本実施形態では、4層とされている。
集合体GAの作製手順は、コンデンサ素体1に相当するグリーン積層体LBを予め作製した後、これらのグリーン積層体LBを接着層30を介して複数積層してもよい。
また、集合体GAを下記の手順により作製してもよい
まず、内層部10に相当する、セラミックグリーンシートの積層体(グリーン積層体)を作製する(内層部に相当するグリーン積層体の作製工程)。ここでは、電極パターンが形成された第1のセラミックグリーンシートを複数枚積層し、この第1のセラミックグリーンシート上に電極パターンが形成されていない第1のセラミックグリーンシートを少なくとも1枚積層する。積層されたこれらの第1のセラミックグリーンシートを積層方向から押圧し、第1のセラミックグリーンシート及び電極パターンを互いに圧着させる。これにより、内層部10に相当するグリーン積層体が作製される。
また、外層部20に相当する、セラミックグリーンシートの積層体(グリーン積層体)を作製する(外層部に相当するグリーン積層体の作製工程)。ここでは、第2のセラミックグリーンシートを複数枚積層し、積層された第2のセラミックグリーンシートを積層方向から押圧し、第2のセラミックグリーンシートを互いに圧着させる。これにより、外層部20に相当するグリーン積層体が作製される。
次に、図4に示されるように、コンデンサ素体1に相当する、セラミックグリーンシートの積層体(グリーン積層体)LBが複数積層された集合体GAを作製する(集合体作製工程)。コンデンサ素体1に相当する各グリーン積層体LBは、内層部10に相当するグリーン積層体LBi及び外層部20に相当するグリーン積層体LBoを積層する、すなわち、外層部20に相当する一対のグリーン積層体LBoにより内層部10に相当するグリーン積層体LBiを挟むように積層することにより構成される。上述した集合体GAは、コンデンサ素体1に相当するグリーン積層体LBを接着層30を介して複数積層されている。
次に、作製した集合体GAを、所望の温度(例えば、30〜60℃)に加熱して、所望の圧力(例えば、100MPa程度)にて積層方向にプレスする(S103:プレス工程)。これにより、集合体GAを構成している第1のセラミックグリーンシート及び第2のセラミックグリーンシートが熱圧着される。このプレス工程では集合体GAを加熱してプレスするので、接着層30は、集合体GAを加熱する温度では軟化しないこと、すなわち、上述した所望の温度より高い軟化温度を有することが好ましい。これにより、プレスする際の熱により接着層30が軟化して集合体GAが変形してしまうのを防ぐことができる。ポリビニルアルコールの軟化温度は、70〜80℃程度であり、水溶性アクリル樹脂の軟化温度は、ポリビニルアルコールと同程度以上である。
次に、図5に示されるように、プレスした集合体GAを、所望の寸法に切断する(S105:切断工程)。これにより、それぞれがコンデンサ素体1を構成することとなる複数のセラミック積層体CMが接着層30にて一体化された複数の集合体GAaが得られる。集合体GAの切断は、例えば、ダイヤモンドブレード(湿式切断)により行われる。
次に、切断された集合体GAをバレル研磨する(S107:バレル研磨工程)。バレル研磨工程においては、切断された各集合体GAaをバレルに入れて所定の溶媒の存在下にて研磨する。所定の溶媒として、水を用いる。ブチラール樹脂は水に対して不溶性を有しているので、第1及び第2のセラミックグリーンシートも水に対して不溶性を有することとなる。ポリビニルアルコールあるいは水溶性アクリル樹脂は水に対して可溶性を有しているので、接着層30も水に対して可溶性を有することとなる。バレル研磨工程では、切断された集合体GAが水に浸漬されるので、接着層30が水に溶解して、接着層30が除去されることとなる。この結果、それぞれが切断された内層部10に相当するグリーン積層体LBi及び外層部20に相当するグリーン積層体LBoを有する、個々のセラミック積層体CMが得られることとなる(図6参照)。
次に、セラミック積層体CMから、第1及び第2のセラミックグリーンシート及び電極パターン(電極ペースト)に含まれる各有機バインダや有機溶剤等を除去する(S109:脱バインダ工程)。脱バインダ工程においては、各セラミック積層体CMを所望の温度(例えば、400℃程度)に加熱することにより、有機バインダや有機溶剤等を気化又は分解等してガス化させる。そして、これらのガスをセラミック積層体CMの外部に排出することによって、各有機バインダや有機溶剤等の除去を行う。
次に、セラミック積層体CMを焼成する(S111:焼成工程)。これにより、焼結したセラミック積層体、すなわち、コンデンサ素体1が得られることとなる。焼成工程においては、セラミック積層体CMを、例えば、NやH等の不活性ガス雰囲気下、所望の温度(例えば、1100〜1300℃)にて焼成する。
次に、コンデンサ素体1に端子電極3を形成する(S113:端子電極形成工程)。これにより、積層セラミックコンデンサCが得られることとなる。端子電極3は、コンデンサ素体1の外面に銀、ニッケルもしくは銅を主成分とする電極ペーストを転写した後に所定温度(例えば、700℃程度)にて焼き付け、更に電気めっきを施すことにより、形成される。電気めっきには、Cu/Ni/Sn、Ni/Sn、Ni/Au、Ni/Pd/Au、Ni/Pd/Ag、又は、Ni/Ag等を用いることができる。
以上のように、本実施形態では、バレル研磨工程S111において、接着層30を介して複数のグリーン積層体LBを積層した集合体GAをプレスして切断した後に接着層30を除去することにより、個々のセラミック積層体CMが得られることとなる。集合体GAは、複数のグリーン積層体LBを積層したものであるため、個々のグリーン積層体に比して、その厚みも質量も大きい。このため、集合体GAを作製してから個々のセラミック積層体CMを得るまでの一連の工程(集合体作製工程S105から切断工程S109までの間)において、集合体GAに折れや曲がり等が発生するのが抑制される。従って、本実施形態によれば、各グリーン積層体LBに折れや曲がり等が発生するのを抑制することができる。
本実施形態においては、バレル研磨工程S111にて、各セラミックグリーンシートが不溶性を有し且つ接着層30が可溶性を有する所定の溶媒として水を用い、切断された集合体GAを水に浸漬することにより接着層30を除去している。これにより、各セラミックグリーンシートに悪影響を与えることなく接着層30を除去し、個々のセラミック積層体CMを得ることができる。
各セラミックグリーンシートが不溶性を有し且つ接着層30が可溶性を有する所定の溶媒は、水に限られることなく、例えばアルコール系溶剤や炭化水素系溶剤等でもよい。上記所定の溶媒としてアルコール系溶剤を用いる場合、セラミックグリーンシートに含まれる有機バインダとしてアクリル樹脂を用い、接着層に含まれる樹脂成分としてブチラール樹脂を用いることが好ましい。アルコール系溶剤としては、エタノール、メタノール、イソプロピルアルコール等が挙げられる。
次に、上述した構成を有する積層セラミックコンデンサCの製造方法の実施形態の変形例について説明する。本変形例の製造方法は、上述した本実施形態の製造方法と同様に、内層部に相当するグリーン積層体の作製工程、外層部に相当するグリーン積層体の作製工程、集合体作製工程、プレス工程、切断工程、バレル研磨工程、脱バインダ工程、焼成工程、及び端子電極形成工程を備える。
まず、内層部に相当するグリーン積層体の作製工程及び外層部に相当するグリーン積層体の作製工程については、上述した実施形態と同じであり、その説明を省略する。
次に、コンデンサ素体1に相当する、セラミックグリーンシートの積層体(グリーン積層体)が複数積層された集合体を作製する(集合体作製工程)。ここでは、上述した実施形態と同様に、図5に示された集合体GAと同じ構成を有する集合体を作製する。本変形例では、接着層30として、ワックス(例えば、炭化水素系合成ワックスや脂肪酸アミド等)を用いる。接着層30として用いるワックスは、プレス工程での加熱温度より高い軟化温度、すなわち、プレス工程での加熱温度より高い融点を有することが好ましい。
次に、プレス工程、切断工程及びにバレル研磨工程ついては、上述した実施形態と同じであり、その説明を省略する。本変形例では、バレル研磨工程において、接着層30として用いるワックスは除去されない。
次に、上述した実施形態と同様に、セラミック積層体CMから、第1及び第2のセラミックグリーンシート及び電極パターン(電極ペースト)に含まれる各有機バインダや有機溶剤等を除去し(脱バインダ工程)、セラミック積層体CMを焼成する(焼成工程)。これにより、コンデンサ素体1が得られることとなる。脱バインダ工程あるいは焼成工程では、各工程における加熱処理により、ワックスからなる接着層30が蒸発して、除去されることとなる。この結果、脱バインダ工程及び焼成工程においては、個々のセラミック積層体CMが得られると共に焼結される。接着層30は、上述したワックス以外にも、沸点が脱バインダ工程あるいは焼成工程における加熱処理の温度よりも低く、且つ、積層セラミックコンデンサCの特性に悪影響を与えない材料(例えば、アルミナ(酸化アルミニウム)、ジルコニア(酸化ジルコニウム)等)であればよい。
次に、端子電極形成工程は、上述した実施形態と同じであり、その説明を省略する。これらの一連の工程により、積層セラミックコンデンサCが得られる。
以上のように、本変形例にあっても、脱バインダ工程あるいは焼成工程において、接着層30を介して複数のグリーン積層体LBを積層した集合体GAをプレスして切断した後に接着層30を除去することにより、個々のセラミック積層体CMが得られることとなる。この結果、集合体GAを作製してから個々のセラミック積層体CMを得るまでの一連の工程において、集合体GAに折れや曲がり等が発生するのが抑制され、各グリーン積層体LBに折れや曲がり等が発生するのを抑制することができる。
変形例においては、接着層30が、セラミックグリーンシートに含まれるセラミックよりも融点が高い酸化物(例えば、酸化ジルコニウムや酸化アルミニウム等)を含むことが好ましい。以下、その理由を説明する。
接着層30が除去されて複数のセラミック積層体CMが積み重なった状態で焼成されると、セラミック積層体CM同士が付着して一体化した状態で焼結されることとなり、焼成不良となってしまう。接着層30が上記酸化物を含んでいる場合、当該酸化物は、接着層30が除去された後、セラミック積層体CMの外表面に付着する。このため、複数のセラミック積層体CMが積み重なった状態で焼成されたとしても、セラミック積層体CM間での焼結反応が上記酸化物により阻害される。この結果、セラミック積層体CM同士の付着を防止することができる。酸化ジルコニウムの融点は2700℃程度であり、酸化アルミニウムの融点は2020℃程度である。
ワックスからなる接着層30の代わりに、ゴム系樹脂を樹脂成分として含む接着層としてもよい。この場合、セラミックグリーンシートに含まれる有機バインダは、ブチラール樹脂でもアクリル樹脂でもよい。
以上、本発明の好適な実施形態について説明してきたが、本発明は必ずしも上述した実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
上述した実施形態及び変形例では、バレル研磨工程、脱バインダ工程あるいは焼成工程を利用して、接着層30を除去しているが、これに限られることなく、バレル研磨工程、脱バインダ工程S及び焼成工程とは別に、接着層30を除去する工程を新たに設けてもよい。
本発明は、上述した積層セラミックコンデンサのみならず、積層型チップバリスタ、積層型インダクタ、又は積層型フィルタ等の積層型セラミック電子部品に適用できる。
本実施形態に係る積層セラミックコンデンサの断面図である。 本実施形態に係る積層セラミックコンデンサに含まれるコンデンサ素体の分解斜視図である。 本実施形態に係る積層セラミックコンデンサの製造過程を説明するためのフロー図である。 本実施形態に係る積層セラミックコンデンサの製造過程を説明するための模式図である。 本実施形態に係る積層セラミックコンデンサの製造過程を説明するための模式図である。 本実施形態に係る積層セラミックコンデンサの製造過程を説明するための模式図である。
符号の説明
1…コンデンサ素体、3…端子電極、10…内層部、12…第1のセラミック層、14…内部電極、20…外層部、22…第2のセラミック層、30…接着層、C…積層セラミックコンデンサ、CM…セラミック積層体、GA…集合体、LB…コンデンサ素体に相当するグリーン積層体、LBi…内層部に相当するグリーン積層体、LBo…外層部に相当するグリーン積層体、S101…内層部に相当するグリーン積層体の作製工程、S103…外層部に相当するグリーン積層体の作製工程、S105…集合体作製工程、S107…プレス工程、S109…切断工程、S111…バレル研磨工程、S113…脱バインダ工程、S115…焼成工程、S117…端子電極形成工程。

Claims (8)

  1. セラミックグリーンシートが複数積層されたグリーン積層体を接着層を介して複数積層した集合体を作製する工程と、
    作製された前記集合体をプレスする工程と、
    プレスされた前記集合体を切断する工程と、
    前記集合体を切断した後、前記接着層を除去する工程と、を備え
    前記接着層を除去する前記工程では、前記セラミックグリーンシートが不溶性を有し且つ前記接着層が可溶性を有する所定の溶媒を用い、切断された前記集合体を前記所定の溶媒に浸漬することにより前記接着層を除去しており、
    前記接着層を除去する前記工程が、切断された前記集合体をバレルに入れて前記所定の溶媒の存在下に研磨する湿式バレル研磨工程であることを特徴とするセラミック積層体の製造方法。
  2. 前記セラミックグリーンシートが、樹脂成分としてブチラール樹脂を含み、
    前記接着層が、樹脂成分としてポリビニルアルコールあるいは水溶性アクリル樹脂を含んでおり、
    前記接着層を除去する前記工程において、前記所定の溶媒として水を用い、切断された前記集合体を水に浸漬することにより前記接着層を除去することを特徴とする請求項に記載のセラミック積層体の製造方法。
  3. 前記セラミックグリーンシートが、樹脂成分としてアクリル樹脂を含み、
    前記接着層が、樹脂成分としてブチラール樹脂を含んでおり、
    前記接着層を除去する前記工程において、前記所定の溶媒としてアルコール系溶剤を用い、切断された前記集合体をアルコール系溶剤に浸漬することにより前記接着層を除去することを特徴とする請求項1に記載のセラミック積層体の製造方法。
  4. セラミックグリーンシートが複数積層されたグリーン積層体を接着層を介して複数積層した集合体を作製する工程と、
    作製された前記集合体をプレスする工程と、
    プレスされた前記集合体を切断する工程と、
    前記集合体を切断した後、前記接着層を除去する工程と、を備え、
    前記接着層を除去する前記工程では、切断された前記集合体を加熱することにより前記接着層を除去しており、
    前記接着層が、前記セラミックグリーンシートに含まれるセラミックよりも融点が高い酸化物を含むことを特徴とするセラミック積層体の製造方法。
  5. 前記接着層を除去する前記工程が、前記セラミックグリーンシートに含まれるバインダを加熱して除去する脱バインダ工程、あるいは、切断された前記集合体を焼成する焼成工程であることを特徴とする請求項に記載のセラミック積層体の製造方法。
  6. 前記セラミックグリーンシートに含まれる酸化物が、酸化ジルコニウムあるいは酸化アルミニウムであることを特徴とする請求項に記載のセラミック積層体の製造方法。
  7. 前記集合体をプレスする前記工程では、前記集合体を加熱してプレスしており、
    前記接着層が、前記集合体を加熱する温度より高い軟化温度を有することを特徴とする請求項1又は4に記載のセラミック積層体の製造方法。
  8. 前記グリーン積層体が、電極パターンが形成された複数のセラミックグリーンシートからなる内層部と、内層部を挟むように配置されると共に電極パターンが形成されていない複数のセラミックグリーンシートからなる外層部と、を有することを特徴とする請求項1又は4に記載のセラミック積層体の製造方法。
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