JP2001148570A - セラミックグリーンシートのスルーホール加工方法 - Google Patents
セラミックグリーンシートのスルーホール加工方法Info
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Abstract
ートの積層工程でセラミックグリーンシートから片面の
フィルムを剥離する工程において、スルーホール内に充
填されている導体ペースト部分がフィルム側に残留しに
くくなるようなセラミックグリーンシートのスルーホー
ル加工方法を提供する。 【解決手段】レーザ光の照射によりセラミックグリーン
シート2にスルーホール3を形成するとともに、スルー
ホール3の直下のフィルム1の面に、凹部1cを加工す
る。凹部1cの深さは、印刷時にスルーホール3に充填
される導体ペースト4の底面4bが、凹部1cの底面に
実質的に到達しない程度の深さに形成する。
Description
用されるフィルム付きセラミックグリーンシートに、レ
ーザ光の照射によってスルーホールを加工する方法に関
する。
トランス、積層チップインダクタ、積層LC複合部品等
を製造する場合、導体パターンはセラミックグリーンシ
ートを介して接続していくため、導体パターンが形成さ
れるセラミックグリーンシートの一部にはスルーホール
を形成し、かつ、該スルーホールには導体を十分に充填
する必要がある。このようなスルーホール加工を、片面
にフィルムを有するセラミックグリーンシートに行う方
法として、Qスイッチを用いたYAGレーザもしくは特
許第2766173号公報に記載されているようなパル
ス発振のYAGレーザを用い、セラミックグリーンシー
ト側からレーザ光を照射してセラミックグリーンシート
を溶融、気化し、導通不良やかす残留のない条件下で、
スルーホール直下のフィルム面には凹凸や窪み等のダメ
ージを与えない条件で加工する方法がある。
明のポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム1
を有するセラミックグリーンシート2にスルーホール3
を加工した状態を示す断面図である。すなわち、片面に
フィルム1を有するセラミックグリーンシート2に該シ
ート2側からYAGレーザ光を照射することにより、セ
ラミックグリーンシート2に加工されたスルーホール3
の形成部分のフィルム面に凹部が形成されないようにレ
ーザ光を調整して加工した状態を示しているが、実際に
はレーザ光の影響でフィルム1の表面に多少粗面化され
た凹凸部1aが生じることは避けられない。
ール3とその直下のフィルム面上の凹凸部1aを有する
ものにインダクタ導体用導体ペースト4をスクリーン印
刷により形成した状態を示す断面図である。図3(B)
に示すように、セラミックグリーンシート2のスルーホ
ール3に導体ペースト4が充填されて、スルーホール3
部分直下のフィルム1の多少粗面化された凹凸部1aに
導体ペースト4が到達している。
に導体ペースト4が着いた状態、すなわち印刷が完了し
た状態とした後、フィルム1を有するセラミックグリー
ンシート2を、既に積層したセラミックグリーンシート
2に対してセラミックグリーンシート2どうしが対面す
るように重ねた後にフィルム2を剥離するという作業を
繰り返しながら積層作業を行う際において、片面のフィ
ルム1を剥離した時、図3(C)に示すように、凹凸部
1aには導体ペースト4の一部が残留ペースト4aとし
て残りやすくなる。このため、スルーホール3のフィル
ム1側の面に空洞3aが生じることがある。そして、図
4(A)に示すように、セラミックグリーンシート2を
積層した時、スルーホール3の部分に空洞3aが存在す
ることにより、入力端子5と出力端子6等、内部で接続
されるべき導体パターン間で断線を生じることになる。
ーザによりセラミックグリーンシート2の直下に凹部1
bを形成することは可能であるが、YAGレーザの場
合、波長が1.06μm程度であって、PETフィルム
1における光の吸収性が約8%程度と短く、かつ、Qス
イッチを用いたYAGレーザの場合、図4(C)に示す
ように、レーザスポット7を円周上に並べて全体として
円形のスルーホールを形成するため、図4(B)に示す
フィルム1の面の凹部1bは粗面化されたものとなる。
また、出力が0.4〜0.5mJのYAGレーザを用い
ても、凹部1bの深さは数μm以上には形成できない。
このため、導体ペースト4の印刷時に導体ペースト4が
凹部1bに到達しやすく、かつ粗面であるために導体ペ
ースト4が凹部1bの底面に着き易い。その結果、フィ
ルム1を剥離する時に導体ペースト4の一部が凹部1b
に残留し、その結果、図4(A)に示したように、スル
ーホール3に導体ペースト4が十分に充填されなかった
場合と同じように前記空洞3aができやすくなり、これ
によって断線が生じる場合がある。
ンを形成したセラミックグリーンシートの積層工程でセ
ラミックグリーンシートから片面のフィルムを剥離する
工程において、スルーホール内に充填されている導体ペ
ースト部分がフィルム側に残留しにくくなるようなセラ
ミックグリーンシートのスルーホール加工方法を提供す
ることを目的とする。
リーンシートのスルーホール加工方法は、片面にフィル
ムを有するセラミックグリーンシートにスルーホールを
加工する方法であって、レーザ光の照射により前記セラ
ミックグリーンシートにスルーホールを形成するととも
に、該スルーホールの直下の前記フィルムの面に、凹部
を、印刷時にスルーホールに充填される導体ペーストの
底面が、該凹部の底面に実質的に到達しない程度の深さ
に形成することを特徴とする。
体ペーストの底面が実質的に到達しない深さに加工する
ことにより、導体ペーストの底面が凹部に着かないかあ
るいは着いてもわずかにしか着かず、フィルムを剥離す
る際に、導体ペーストの底部が剥離してスルーホール内
に空洞を生じることが防止され、断線が防止される。
ルーホール加工方法は、請求項1において、前記凹部の
深さを12μm以上とすることを特徴とする。
を12μm以上とすることにより、フィルム剥離の際の
導体ペーストの底部の剥離がほぼ完全に防止される。
ルーホール加工方法は、請求項1または2において、前
記レーザ光の照射を炭酸ガスレーザにより行うことを特
徴とする。
ザを用いれば、炭酸ガスレーザ光は波長が10.6μm
程度であって、フィルムにおけるレーザ光の吸収がよ
く、深い凹部を容易に加工することができる。
ックグリーンシートのスルーホール加工方法の一実施の
形態を示す断面図であり、1は前記PET等でなるフィ
ルムであり、該フィルム1は50μm〜100μm程度
の厚みに形成される。2はセラミックグリーンシートで
あり、該シート2は、磁性体あるいは非磁性体や誘電体
等のセラミック粉を樹脂製バインダと溶剤と共に混合
し、ドクターブレード法等によりフィルム1上にシート
状に形成したものである。該セラミックグリーンシート
2は用途によって10μm〜120μmの範囲で種々の
厚みに形成される。
酸ガスレーザによるレーザ光の照射によりセラミックグ
リーンシート2に加工したスルーホールであり、1cは
レーザ光の照射によるスルーホール3の加工と同時に、
フィルム1のセラミックグリーンシート2側の面のスル
ーホール3の直下の部分に加工した凹部である。
クグリーンシート2にスルーホール3を加工すると共
に、フィルム1に凹部1cを加工したものに、スクリー
ン印刷によって導体ペースト4をスルーホール3に一部
を充填して塗布した状態を示す断面図である。図1
(B)に示すように、導体ペースト4は、スルーホール
3内に充填されるように、その底面4bがスルーホール
3の底部から突出幅H1=0μm〜10μm程度突出す
るようにペースト粘度、スキージ圧等が、スルーホール
3の直径やセラミックグリーンシート2の厚み等に関連
して設定される。
3から下方の突出する導体ペースト4の底面4bが凹部
1cの底面に実質的に到達しない程度の深さとなるよう
に、すなわち前記導体ペースト4の底面4bの突出深さ
H1より深くなるように、凹部1cを加工する。
体ペースト4をスルーホール3に充填した状態から、フ
ィルム1を有するセラミックグリーンシート2をその後
の各層の積層工程においてフィルム1を剥離した状態を
示す断面図であり、剥離したフィルム1に導体ペースト
4の残留がないことを示す。
さと導体ペーストの残留との関係について検討した結果
について説明する。この凹部1cの深さの検討は、PE
Tフィルム1の厚みが75μm、セラミックグリーンシ
ート2の厚みが80μmのものについて行った。また、
このフィルム1を有するセラミックグリーンシート2
に、縦横に10mm間隔で25箇所スルーホール3を加
工するように、炭酸ガスレーザの操作プロゴラムを設定
した。また、スルーホール3の直径は上孔で約90μm
となるようにマスクを選定し、かつスルーホール3の直
下部分の凹部1cの寸法のねらいを約10μm〜25μ
mとなるようにレーザのエネルギ調整(出力は8.0m
J〜9.0mJ)を行い、合計10枚のレーザ加工を行
った。
ンシート2の25箇所のスルーホール3の部分に導体ペ
ースト4の位置が合致するように、一辺が150μmの
矩形パターンで導体ペースト4を印刷した。その後、フ
ィルム1からセラミックグリーンシート2を剥離し、シ
ート2のスルーホール3の部分における導体ペースト4
の充填具合と、フィルム1の凹部1cに導体ペースト4
が残留するか否か、またはどの位残留しているかについ
て確認したデータを図2に示す。なお、凹部1cの深さ
は、導体ペースト4の残留の有無の確認後に表面形状測
定顕微鏡を用いて測定した。
が12μm以上であれば、ごく一部には凹部1c全体に
導体ペースト4が残留している箇所があるものの、レベ
ルとしては、後の積層工程で断線が生じるおそれがほと
んど無い。このため、凹部1cの深さは12μm以上で
あればよいと考えられる。また、凹部1c全体に導体ペ
ースト4が残留していない箇所がない14μm以上ある
ことがより好ましい。さらに、凹部1cの一部に導体ペ
ースト4が残留している箇所が極端に減る18μm以上
あればさらによい。また、凹部1cの深さの上限は、フ
ィルム1の厚さによる影響もあり、定まったレベルに決
定できないが、フィルム1を貫通しないレベルであれば
特に問題はない。
いるよりも炭酸ガスレーザを用いることが、より容易に
実施できることは明らかである。炭酸ガスレーザによる
場合、レーザ光の波長は10.6μmであって、PET
フィルム1に対する吸収率が約56%であり、深いテー
パー形の凹部1cを1つのレーザスポットで容易に加工
することが可能である。
場合には、図4(C)に示したように、PETフィルム
1に対する吸収率が約8%と低いことから、小さいレー
ザスポット7を円周上に照射して全体として孔を加工す
るという加工方法を採用せざるを得ず、最大6μm程度
の浅い凹部で凹凸部のある凹部しか形成できなかった。
しかしながら、フィルム1の材質を変更したり、出力等
を調整することによってより深い凹部の形成が可能と考
えられる。
りセラミックグリーンシートにスルーホールを形成する
とともに、該スルーホールの直下の前記フィルムの面
に、凹部を、印刷時にスルーホールに充填される導体ペ
ーストの底面が、該凹部の底面に実質的に到達しない程
度の深さになるように形成するため、導体ペーストの底
面が凹部に着くことがないか、あるいはわずかしか着か
ないため、フィルムを剥離する際に、導体ペーストの底
部が剥離してスルーホール内に空洞を生じることが防止
され、断線が防止される。その結果、歩留りを向上させ
ることができる。
記凹部の深さを12μm以上としたので、フィルム剥離
の際の導体ペーストの底部の剥離がほぼ完全に防止さ
れ、断線がより良好に防止され、歩留りがさらに向上す
る。
いて、前記レーザ光の照射を炭酸ガスレーザにより行う
ため、フィルムにおけるレーザ光の吸収がよく、深い凹
部を容易に加工することができる。
トのスルーホール加工方法の一実施の形態を示す断面
図、(B)は(A)に示したフィルムを有するセラミッ
クグリーンシートのスルーホールに導体ペーストを充填
した状態を示す断面図、(C)は(B)に示したような
導体ペーストを印刷し、さらに積層工程で積層した後に
フィルムを剥離した状態を示す断面図である。
と凹部への導体ペーストの残留との関係を示すグラフで
ある。
ートのスルーホール加工方法を示す断面図、(B)は
(A)に示したフィルムを有するセラミックグリーンシ
ートのスルーホールに導体ペーストを充填した状態を示
す断面図、(C)は(B)に示した導体ペーストを印刷
し、さらに積層工程で積層した後にフィルムを剥離した
状態を示す断面図である。
リーンシートを積層した状態を示す断面図、(B)はY
AGレーザによりフィルム表面に形成される凹部を示す
断面図、(C)はQスイッチを用いたYAGレーザによ
るスルーホール加工方法の説明図である。
ート、3:スルーホール、4:導体ペースト、4b:底
面
Claims (3)
- 【請求項1】片面にフィルムを有するセラミックグリー
ンシートにスルーホールを加工する方法であって、 レーザ光の照射により前記セラミックグリーンシートに
スルーホールを形成するとともに、該スルーホールの直
下の前記フィルムの面に、凹部を、印刷時にスルーホー
ルに充填される導体ペーストの底面が、該凹部の底面に
実質的に到達しない程度の深さに形成することを特徴と
するセラミックグリーンシートのスルーホール加工方
法。 - 【請求項2】請求項1において、 前記凹部の深さを12μm以上とすることを特徴とする
セラミックグリーンシートのスルーホール加工方法。 - 【請求項3】請求項1または2において、 前記レーザ光の照射を炭酸ガスレーザにより行うことを
特徴とするセラミックグリーンシートのスルーホール加
工方法。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|---|
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-
1999
- 1999-11-24 JP JP33235999A patent/JP3497789B2/ja not_active Expired - Fee Related
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