JP2017112320A - 電子部品の製造方法 - Google Patents

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Yuya Takagi
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Abstract

【課題】内部電極間の短絡を抑制できる電子部品の製造方法を提供する。
【解決手段】電子部品の製造方法は、複数の誘電体シートおよび複数の導電パターンが積層され、誘電体シートと導電パターンとの積層方向に対して直交する一対の主面22b、一対の主面22b間を接続する一対の側面22cを有し、一対の側面22cの各々において、導電パターンの両側端縁がそれぞれ露出した積層体22を形成する工程と、積層体22の側面22cに保護層を形成する工程とを、備え、保護層を形成する工程は、積層体22の側面22cよりも外形が大きい保護シート80に、接着剤60を介して積層体22の側面22cを当接させる工程と、積層体22から保護シート80を引き離すことにより、保護シート80を破断させて、積層体22の側面22cに接触していない部分の保護シート80を取り除く工程とを含む。
【選択図】図19

Description

本発明は、電子部品の製造方法に関し、特に、交互に積層された誘電体層および内部電極層を含む素体部を備えた略直方体形状の電子部品の製造方法に関する。
近年、電子部品としての積層セラミックコンデンサにおいては、その小型化および大容量化が飛躍的に進んでいる。その一方で、電子機器の高性能化に伴い、積層セラミックコンデンサに対しては、さらなる大容量化の要求が依然として強くある。この要求に応えるためには、積層配置される内部電極層の互いに対向する部分の面積(すなわち有効面積)を増加させることが効果的である。
上記要求に応える一つの手法として、特開平6−349669号公報(特許文献1)には、一対の外部電極を結ぶ方向と直交する方向において内部電極層に隣接して位置する部分の誘電体層、すなわち、内部電極層の積層方向と略平行に延在する積層セラミックコンデンサの4つの外表面のうちの誘電体層が露出している側面を形成する部分の誘電体層を狭小化させる技術が開示されている。
当該技術は、内部電極層となる導電パターンが印刷されたセラミックグリーンシート(誘電体シート)を複数枚積層してマザーブロックを製作し、これを切断することによって所定のサイズの複数の積層体チップに個片化するに際して、積層体チップの側面に相当する切断面において導電パターンが露出するように切断を行ない、当該切断面に十分に薄く形成された被覆用セラミックグリーンシートを貼り付けることで露出した導電パターンを含む当該切断面を被覆するものであり、これにより上述した積層セラミックコンデンサの側面を形成する部分の誘電体層の狭小化を可能にしている。
上記特許文献1においては、積層体チップの側面に相当する切断面に被覆用セラミックグリーンシートを貼り付けるに際し、当該切断面よりも大きい被覆用セラミックグリーンシートを切断面に被せ、加熱板を用いて、加熱しながら被覆用セラミックグリーンシートを切断面に押し付ける。加熱により軟化した被覆用セラミックグリーンシートが、切断面に押し付けられることにより、切断面のコーナー部によって切断され、被覆用セラミックグリーンシートが切断面に貼り付けられる。
特開平6−349669号公報
しかしながら、上記特許文献1に開示された貼り付け方法を採用した場合には、加熱板を用いて被覆用セラミックグリーンシートを積層体チップに押し付ける際に、積層体チップの側面に相当程度大きな圧力が負荷される。
内部電極が露出する積層体チップの側面に大きな圧力が負荷されると、積層体チップが変形し、内部電極同士が接触することで短絡が発生する。特に、積層用のセラミックグリーンシート(誘電体シート)が薄くなればなるほど、互いに異極の内部電極間の距離が縮まるため、内部電極の短絡が生じやすくなる。
本発明は、上記のような問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、内部電極間の短絡を抑制できる電子部品の製造方法を提供することにある。
本発明に基づく電子部品の製造方法は、交互に積層された誘電体層および内部電極層を含む素体部を備えた電子部品を製造するための電子部品の製造方法であって、上記誘電体層となる複数の誘電体シートおよび上記内部電極層となる複数の導電パターンが積層され、上記誘電体シートと上記導電パターンとの積層方向に対して直交する一対の主面、上記一対の主面間を接続する一対の側面を有し、上記一対の側面の各々において、上記導電パターンの両側端縁がそれぞれ露出した積層体を形成する工程と、上記積層体の上記側面に保護層を形成する工程とを、備え、上記保護層を形成する工程は、上記積層体の上記側面よりも外形が大きく上記保護層となる部分を含む保護シートに、接着剤を介して上記積層体の上記側面を当接させる工程と、上記積層体から上記保護シートを引き離すことにより、上記保護シートを破断させて、上記積層体の上記側面に接着していない部分の上記保護シートを取り除く工程とを含む。
上記本発明に基づく電子部品の製造方法にあっては、上記保護層を形成する工程は、上記積層体の上記側面を当接させる工程に先立って、上記積層体の上記側面に上記接着剤を塗布する工程を含んでいてもよい。
上記本発明に基づく電子部品の製造方法にあっては、上記積層体を形成する工程は、上記複数の誘電体シートと上記複数の導電パターンとを積層し、上記素体部となる部分が行列状に配置されたマザーブロックを形成する工程と、上記マザーブロックを上記素体部となる部分が行状に並ぶ方向および上記素体部となる部分が列状に並ぶ方向に切断し、上記素体部となる部分を1つのみ含む積層体チップを複数形成する工程と、を含んでいてもよい。この場合には、上記積層体として、上記積層体チップを用いることが好ましい。
上記本発明に基づく電子部品の製造方法にあっては、上記積層体を形成する工程は、上記複数の誘電体シートと上記複数の導電パターンとを積層し、上記素体部となる部分が行列状に配置されたマザーブロックを形成する工程と、上記一対の側面、および上記一対の主面と上記一対の側面とにそれぞれ直交する一対の端面が形成されるように、上記一対の側面と平行な平面に沿って上記マザーブロックを切断し、上記素体部となる部分が複数含まれる積層体ブロックを形成する工程と、を含んでいてもよい。この場合には、上記積層体として、上記積層体ブロックを用いることが好ましい。上記電子部品の製造方法は、上記積層体の上記側面に接着していない部分の上記保護シートを取り除く工程の後に、上記積層体ブロックを上記一対の端面と平行な平面に沿って切断して、上記素体部となる部分が1つのみ含む積層体チップを複数形成する工程をさらに備えることが好ましい。
上記本発明に基づく電子部品の製造方法にあっては、上記保護シートとして、誘電体シートを用いることが好ましい。
上記本発明に基づく電子部品の製造方法にあっては、上記積層方向に沿った上記誘電体シートの厚みが、0.4μm以上0.6μm以下であることが好ましい。
本発明によれば、内部電極間の短絡を抑制できる電子部品の製造方法を提供することができる。
実施の形態1に係る電子部品の製造方法に従って製造された積層セラミックコンデンサの概略斜視図である。 図1に示すII−II線に沿った模式断面図である。 図1に示すIII−III線に沿った模式断面図である。 図1に示す積層セラミックコンデンサの素体部のみの概略斜視図である。 図4に示す素体部の一部を構成するチップ焼結体の前駆体である積層体チップの概略斜視図である。 実施の形態1に係る電子部品の製造方法のフロー図である。 マザーブロックを製作する工程において使用されるセラミックグリーンシートの模式断面図である。 マザーブロックを製作する工程におけるセラミックグリーンシートの積層状態を示す概略図である。 マザーブロックの模式側面図である。 積層体チップを複数形成する工程の第1工程を示す概略図である。 積層体チップを複数形成する工程の第2工程を示す概略図である。 積層体チップの側面に保護層を形成する工程に含まれる積層体の側面に接着剤を塗布する工程を示す概略図である。 積層体チップの側面に保護層を形成する工程に含まれる積層体の側面に接着剤を塗布する工程にて用いる接着剤塗布具の第1変形例を示す図である。 積層体チップの側面に保護層を形成する工程に含まれる積層体の側面に接着剤を塗布する工程にて用いる接着剤塗布具の第2変形例を示す図である。 接着剤塗布具の第3変形例を示す図である。 積層体チップの側面に保護層を形成する工程に含まれる保護シートに接着剤を介して積層体チップの側面を当接させる工程の第1工程を示す概略図である。 積層体チップの側面に保護層を形成する工程に含まれる保護シートに接着剤を介して積層体チップの側面を当接させる工程の第2工程を示す概略図である。 積層体チップの側面に保護層を形成する工程に含まれる保護シートに接着剤を介して積層体チップの側面を当接させる工程の後状態を示す概略図である。 積層体チップの側面に保護層を形成する工程に含まれる積層体の側面に接着していない部分の保護シートを取り除く工程を示す概略図である。 積層体チップの側面に保護層を形成する工程に含まれる積層体の側面に接着していない部分の保護シートを取り除く工程の後状態を示す概略図である。 積層体チップの側面に保護層を形成する工程に含まれる積層体の側面に接着していない部分の保護シートを取り除く工程の変形例を示す概略図である。 実施の形態2に係る電子部品の製造方法のフロー図である。 実施の形態2に係る電子部品の製造方法における積層体ブロックの側面に保護層を形成する工程に含まれる保護シートに接着剤を介して積層体の側面を当接させる工程の後状態を示す概略図である。 積層体ブロックを切断して、積層体チップを複数形成する工程を示す概略図である。 比較の形態における電子部品の製造方法において積層体チップの側面に保護層を形成する工程の第1工程を示す概略図である。 比較の形態における電子部品の製造方法において積層体チップの側面に保護層を形成する工程の第2工程を示す概略図である。 比較の形態における電子部品の製造方法において積層体チップの側面に保護層を形成する工程の第2工程の後状態を示す概略図である。 本発明の効果を確認するために実施した検証実験の結果を示す図である。
以下、本発明の実施の形態について、図を参照して詳細に説明する。なお、以下に示す実施の形態においては、同一のまたは共通する部分について図中同一の符号を付し、その説明は繰り返さない。
(実施の形態1)
本発明が適用されて製造される電子部品としては、誘電体材料としてセラミックス材料が使用される積層セラミックコンデンサや、誘電体材料として樹脂フィルムが使用される積層型金属化フィルムコンデンサ等が挙げられるが、以下に示す実施の形態においては、このうちの積層セラミックコンデンサに本発明を適用した場合を例示して説明を行なう。
図1は、本発明の実施の形態に係る電子部品の製造方法に従って製造された積層セラミックコンデンサの概略斜視図である。図2および図3は、それぞれ図1に示す積層セラミックコンデンサの図1中に示すII−II線およびIII−III線に沿った模式断面図である。また、図4は、図1に示す積層セラミックコンデンサの素体部のみの概略斜視図であり、図5は、図4に示す素体部の一部を構成するチップ焼結体の前駆体である積層体チップの概略斜視図である。以下においては、本実施の形態に係る電子部品の製造方法および製造装置を説明するに先立って、当該電子部品の製造方法および製造装置を用いて製造された積層セラミックコンデンサについて、これら図1ないし図5を参照して説明する。
図1ないし図3に示すように、積層セラミックコンデンサ10は、全体として略直方体形状を有する電子部品であり、素体部11と一対の外部電極16とを備えている。
図1および図2に示すように、一対の外部電極16は、素体部11の所定方向の両端部の外表面を覆うように互いに離間して設けられている。一対の外部電極16は、それぞれ導電膜にて構成されている。
より詳細には、一対の外部電極16は、たとえば焼結金属層とめっき層との複数膜にて構成される。焼結金属層は、たとえばCu、Ni、Ag、Pd、Ag−Pd合金、Au等のペーストを焼き付けることで形成される。めっき層は、たとえばNiめっき層とこれを覆うSnめっき層とによって構成される。めっき層は、これに代えてCuめっき層やAuめっき層であってもよい。また、一対の外部電極16は、めっき層のみによって構成されていてもよい。
さらには、一対の外部電極16として、導電性樹脂ペーストを利用することも可能である。一対の外部電極16として導電性樹脂ペーストを利用した場合には、導電性樹脂ペーストに含まれる樹脂成分が素体部11において圧電効果により発生した振動を吸収する効果を発揮するため、素体部11から外部に伝播する振動を効果的に減衰させることが可能になり、騒音の低減に有利である。
図1ないし図4に示すように、素体部11は、所定の方向に沿って交互に積層された誘電体層13および内部電極層14からなる積層焼結体12と、当該積層焼結体12の所定部位を覆う一対の付加誘電体層15とを含んでいる。
誘電体層13および付加誘電体層15は、たとえばチタン酸バリウムを主成分とするセラミックス材料にて形成されている。また、誘電体層13および付加誘電体層15は、後述するセラミックグリーンシートの原料となるセラミックス粉末の副成分としてのMn化合物、Mg化合物、Si化合物、Co化合物、Ni化合物、希土類化合物等を含んでいてもよい。一方、内部電極層14は、たとえばNi、Cu、Ag、Pd、Ag−Pd合金、Au等に代表される金属材料にて形成されていることが好ましく、特にNiにて形成されていることが好ましい。
図2に示すように、積層方向に沿って誘電体層13を挟んで隣り合う一対の内部電極層14のうちの一方は、積層セラミックコンデンサ10の内部において一対の外部電極16のうちの一方に電気的に接続されており、積層方向に沿って誘電体層13を挟んで隣り合う一対の内部電極層14のうちの他方は、積層セラミックコンデンサ10の内部において一対の外部電極16のうちの他方に電気的に接続されている。これにより、一対の外部電極16間は、複数のコンデンサ要素が電気的に並列に接続された構造となっている。
なお、誘電体層13および付加誘電体層15の材質は、上述したチタン酸バリウムを主成分とするセラミックス材料に限られず、他のセラミックス材料(たとえば、CaTiO、SrTiO、CaZrO等を主成分とするもの)を誘電体層13および付加誘電体層15の材質として選択してもよい。また、誘電体層13の材質と付加誘電体層15の材質とを一致させる必要性は必ずしもなく、誘電体層13および付加誘電体層15の材質として主成分が異なるセラミックス材料を利用することとしてもよい。さらには、付加誘電体層15としては、非セラミックス材料である樹脂材料を利用することとしてもよい。一方、内部電極層14の材質も、上述した金属材料に限られず、他の金属材料を内部電極層14の材質として選択してもよい。
ここで、図1ないし図3を参照して、積層セラミックコンデンサ10の向きを表わす用語として、一対の外部電極16が並ぶ方向を積層セラミックコンデンサ10の長さ方向Lとして定義し、誘電体層13と内部電極層14との積層方向を厚み方向Tとして定義し、これら長さ方向Lおよび厚み方向Tのいずれにも直交する方向を幅方向Wとして定義し、以下の説明においては、これら用語を使用する。
また、略直方体形状の積層セラミックコンデンサ10の6つの外表面のうち、長さ方向Lにおいて相対して位置する一対の外表面を端面10aと定義し、厚み方向Tにおいて相対して位置する一対の外表面を主面10bと定義し、幅方向Wにおいて相対して位置する一対の外表面を側面10cとして定義し、以下の説明においては、これら用語を使用する。
加えて、図4および図5を参照して、積層セラミックコンデンサ10の一対の端面10aに対応する素体部11の一対の外表面および積層体チップ22の一対の外表面について、これらをそれぞれ端面11aおよび端面22aとして定義し、積層セラミックコンデンサ10の一対の主面10bに対応する素体部11の一対の外表面および積層体チップ22の一対の外表面について、これらをそれぞれ主面11bおよび主面22bとして定義し、積層セラミックコンデンサ10の一対の側面10cに対応する素体部11の一対の外表面および積層体チップ22の一対の外表面について、これらをそれぞれ側面11cおよび側面22cとして定義し、以下の説明においては、これら用語を使用する。
なお、図1ないし図3に示すように、本実施の形態に係る積層セラミックコンデンサ10は、長さ方向Lに沿った外形寸法が最も長くなるように構成された細長の略直方体形状を有している。当該積層セラミックコンデンサ10の長さ方向Lの外形寸法および幅方向Wの外形寸法(通常、厚み方向Tの外形寸法は、幅方向Wの外形寸法と同等とされる)の代表値としては、たとえば3.2[mm]×1.6[mm]、2.0[mm]×1.25[mm]、1.6[mm]×0.8[mm]、1.0[mm]×0.5[mm]、0.8[mm]×0.4[mm]、0.6[mm]×0.3[mm]、0.4[mm]×0.2[mm]等が挙げられる。
図4に示すように、一対の付加誘電体層15は、素体部11の一対の側面11cを構成するように、幅方向Wにおいて相対して位置する積層焼結体12の一対の外表面を覆っている。一方、素体部11の一対の端面11aは、主として長さ方向Lにおいて相対して位置する積層焼結体12の一対の外表面によって構成されており、素体部11の一対の主面11bは、主として厚み方向Tにおいて相対して位置する積層焼結体12の一対の外表面によって構成されている。
図5に示すように、積層焼結体12の前駆体である積層体チップ22は、誘電体層13となる積層用セラミックグリーンシート23の表面に内部電極層14となる導電パターン24が印刷された素材シートを複数枚積層して切断することにより、図示する如くの略直方体形状を有するように形成されたものである。積層用セラミックグリーンシート23は、誘電体シートに相当する。
積層体チップ22の一対の端面22aにおいては、それぞれ積層配置された導電パターン24のうちの一部が選択的に露出している。より具体的には、積層体チップ22の一対の端面22aにおいては、それぞれ当該端面22aを覆うように形成される外部電極16に接続されるべき導電パターン24の長さ方向Lにおける片側の端部が露出している。一方、積層体チップ22の一対の側面22cにおいては、それぞれ積層配置された導電パターン24のすべての幅方向Wにおける端部が露出している。すなわち、積層体チップ22の一対の側面22cの各々において、導電パターンの両側端縁がそれぞれ露出している。
積層体チップ22の一対の側面22cには、これを覆うように保護層が設けられる。保護層は、積層体チップ22の一対の側面22cに後述する保護シート80(図16参照)の一部が貼り付けられることにより形成される。これにより、上述した積層体チップ22の一対の側面22cにおいて露出している導電パターン24の幅方向Wにおける端部が保護層により覆われる。保護層が設けられた状態で、積層体チップ22が焼成されることにより、図4に示す如くの素体部11が製作される。
以上において説明した積層セラミックコンデンサ10においては、素体部11の幅方向Wにおける両端部に位置する部分の誘電体層が、積層焼結体12の幅方向Wにおいて相対して位置する一対の外表面を覆うように貼り付けられた、焼成後において付加誘電体層15となる保護シート80にて構成されることになるため、貼り付ける保護シート80の厚みを十分に薄くすることにより、積層セラミックコンデンサ10の側面10cを形成する部分の誘電体層の厚みを狭小化することができる。したがって、当該構造を採用することにより、その体格に対して内部電極層14を幅方向Wに沿って大型化することで有効面積を増大させることが可能になり、従来に比して小型で大容量の積層セラミックコンデンサとすることができる。
図6は、実施の形態1に係る電子部品の製造方法を概略的に示すフロー図であり、図7から図21は、図6に示す工程のうちの特定の工程を示す概略図、特定の工程の後状態を示す概略図、特定の工程を示す変形例の概略図、および特定の工程において使用される器具を示す図である。図6から図21を参照して、実施の形態1に係る電子部品の製造方法について説明する。
図6に示すように、実施の形態1に係る電子部品の製造方法は、順に、マザーブロックを製作する工程(工程S1)と、積層体チップを複数形成する工程(工程S2)と、積層体チップの側面に保護層を形成する工程(工程S3)と、焼成を実施する工程(工程S4)と、外部電極を形成する工程(工程S5)とを主として備える。マザーブロックを製作する工程(工程S1)と、積層体チップを複数形成する工程(工程S2)とによって、積層体を形成する工程が構成される。
図6に示すマザーブロックが製作される工程(工程S1)においては、まず、セラミックス粉末、バインダおよび溶剤を含むセラミックスラリーが準備され、このセラミックスラリーがキャリアフィルム上においてダイコータ、グラビアコータ、マイクログラビアコータ等を用いてシート状に成形されることでセラミックグリーンシートが製作される。セラミックグリーンシートの厚みは、積層セラミックコンデンサ10の小型化および高容量化の観点から、0.6[μm]以下とされることが好ましい。また、セラミックグリーンシートの厚みは、後述する保護層を形成する工程において、互いに隣り合う内部電極の接触を防止するために0.4[μm]以上であることが好ましい。
次に、このセラミックグリーンシートに導電ペーストが帯状のパターンを有するようにスクリーン印刷、インクジェット印刷、グラビア印刷等によって印刷されることにより、導電パターンが形成される。導電パターンの厚みは、積層セラミックコンデンサ10の小型化および高容量化の観点から、1.5[μm]以下とされることが好ましい。
これにより、図7に示すように、誘電体層13となる積層用セラミックグリーンシート23の表面に内部電極層14となる導電パターン24が印刷された素材シートが準備される。
次に、図8に示すように、複数の素材シートが所定のルールに従って複数枚積層される。具体的には、積層用セラミックグリーンシート23上に形成された帯状の導電パターン24が同一の方向を向いた状態となるとともに、その帯状の導電パターン24が隣り合う素材シート間において幅方向において半ピッチずつずれた状態となるように、複数の素材シートが積み重ねられる。
次に、積み重ねられた複数の素材シートが熱圧着されることにより、図9に示す如くの構造体が形成され、形成された構造体の外周部が図中に示す切断線Aに沿って切断されて除去されることにより、マザーブロック20が製作される。これにより、マザーブロック20は、扁平な略直方体形状の外形を成すことになり、誘電体層13となる複数の積層用セラミックグリーンシート23および内部電極層14となる複数の導電パターン24が積層された構造を有することになる。マザーブロック20には、上述の素体部11となる部分、より特定的には素体部11のうち積層焼結体12となる部分が行列状に配置された構造を有する。また、マザーブロック20は、その4つの周端面においてそれぞれ導電パターン24の一部が露出した構造を有することになる。
図6に示す積層体チップを複数形成する工程(S2)においては、マザーブロック20を素体部となる部分が行状に並ぶ方向および素体部となる部分が列状に並ぶ方向に切断し、素体部となる部分を1つのみ含む積層体チップを複数形成する。
具体的には、まず、図10に示すように、第1分断工程として、マザーブロック20が、帯状の複数の導電パターン24が並ぶ方向の(図中に示すY軸方向)と平行でかつ複数の導電パターン24の積層方向(図中に示すZ軸方向)と平行な第1分断面101(YZ平面)に沿って行状に分断される。当該分断には、押切刃(ブレード)を用いた押し切りや切削刃(ダイサー)を用いたダイシング、またはレーザーカット等が利用できるが、ここでは押切刃33を用いた押し切りを行なう場合を例示している。
より詳細には、上記分断に際しては、帯状の複数の導電パターン24が並ぶ方向(図中に示すY軸方向)に沿って押切刃33が配置され、第1分断面101(YZ平面)に沿って複数の導電パターン24の積層方向(図中に示すZ軸方向)と平行な方向(すなわち図中に示す矢印B方向)に向けて押切刃33がマザーブロック20に進入させられることにより、マザーブロック20から1つの積層体ブロック21が切り出される。
上記分断に際しては、押切刃33が所定のピッチで帯状の導電パターン24の延在方向(図中に示すX軸方向)に沿って相対的に移動され、その度毎に押し切りが行なわれることにより、マザーブロック20が複数の積層体ブロック21に個片化される。
これにより、複数の積層体ブロック21のそれぞれは、略直方体形状の外形を成すことになり、帯状の複数の導電パターン24が並ぶ方向(図中に示すY軸方向)と平行でかつ複数の導電パターン24の積層方向(図中に示すZ軸方向)と平行な一対の第1切断面をその外表面の一部として含むことになる。
次に、図11に示すように、第2分断工程として、複数の積層体ブロック21のそれぞれが、複数の導電パターン24の延在方向(図中に示すX軸方向)と平行でかつ上記一対の第1切断面と直交する方向(図中に示すZ軸方向)と平行な第2分断面102(YZ平面)に沿って列状に一括して分断される。当該分断には、押切刃33を用いた押し切りが用いられる。
より詳細には、上記分断に際しては、転動後の複数の積層体ブロック21における複数の導電パターン24の延在方向(図中に示すX軸方向)に沿って押切刃33が配置され、第2分断面102(XZ平面)に沿って上記一対の第1切断面と直交する方向(図中に示すZ軸方向)と平行な方向(すなわち図中に示す矢印C方向)に向けて押切刃33がマザーブロック20に進入させられることにより、複数の積層体ブロック21のそれぞれから1つの積層体チップ22が切り出される。
上記分断に際しては、押切刃33が所定のピッチで帯状の導電パターン24が並ぶ方向と平行な方向(図中に示すY軸方向)に沿って相対的に移動され、その度毎に押し切りが行なわれることにより、複数の積層体ブロック21のそれぞれが複数の積層体チップ22に個片化される。
図6に示す積層体チップの側面に保護層を形成する工程(S3)は、積層体チップ22の側面22cに接着剤60(図16参照)を塗布する工程と、保護シート80(図16参照)に接着剤60を介して積層体チップ22の側面22cに当接させる工程と、積層体チップ22の側面22cに接着していない部分の保護シート80を取り除く工程とを含む。
図12に示すように、積層体チップ22の側面22cに接着剤60を塗布する工程においては、まず、支持板41に貼り付けられた粘着シート42によって行列状に配置された複数の積層体チップ22を保持する。この際、複数の積層体チップ22のそれぞれは、一対の側面22cのうち一方の側面22cが下方を向くように保持される。
続いて、支持板41との間に複数の積層体チップ22が位置するように、接着剤を塗布するための接着剤塗布具としての塗布プレート51を支持板41に対向配置する。支持板41を向く塗布プレート51の主面には、複数の溝状の凹部52が設けられている。凹部52には、接着剤が充填されている。
積層体チップ22を保持する支持板41を塗布プレート51に近接させて、積層体チップ22の一方の側面22cに接着剤60を接触させる。この状態から、支持板41を塗布プレート51から離間させることにより、積層体チップ22の一方の側面22cに接着剤が塗布される。
接着剤60の塗布量は、凹部52の幅、深さ、配列ピッチ、または接着剤60の粘度等によって調整することができる。
なお、上記接着剤塗布具の第1変形例として、図13に示すように、支持板41を向く主面に、複数の円柱状の凹部52Aが設けられた塗布プレート51Aを用いてもよい。この場合には、複数の円柱状の凹部52A内に、接着剤60が充填される。
さらに、上記接着塗布具の第2変形例として、図14に示すように、支持板41を向く主面に、支持板41に向けて突出する複数の凸部53が設けられた塗布プレート51Bを用いてもよい。複数の凸部53の先端は、略同一平面上に位置する。この場合には、複数の凸部53の先端を通る仮想平面と凸部53が設けられた塗布プレート51Bの上記主面との間に、接着剤60が充填される。すなわち、複数の凸部53の周囲に接着剤60が充填される。
なお、積層体の側面に接着剤を塗布する工程に代えて、図15に示すように、保護シート80に接着剤60を塗布する工程を設けてもよい。保護シート80に接着剤60を塗布する工程においては、載置プレート71上に載置された保護シート80の表面に、接着剤塗布具としての噴霧ノズルを用いて、接着剤60を塗布する。
次に、保護シート80に接着剤60を介して積層体チップ22の側面22cを当接させる工程について説明する。図16に示すように、保護シート80に接着剤60を介して積層体チップ22の側面22cを当接させる工程の第1工程においては、接着剤60が塗布された複数の積層体チップ22の一方の側面22cが下方を向くように支持板41が配置されるとともに、保護シート80が、複数の積層体チップ22の一方の側面22cに向き合うように、複数の積層体チップ22の下方に配置される。
保護シート80は、載置プレート71上に載置されている。保護シート80としては、誘電体シートが用いられる。たとえば、保護シート80としては、上述した積層用セラミックグリーンシート23と同様に、セラミックス粉末、バインダおよび溶剤を含むセラミックスラリーを原料としてシート状に成形されたものが用いられる。なお、保護シート80として、樹脂シートを用いてもよい。保護シート80の厚みは、30[μm]以下とすることが好ましい。
続いて、図17に示すように、保護シート80に接着剤60を介して積層体チップ22の側面22cを当接させる工程の第2工程において、載置プレート71に向けて支持板41を下降させることにより、保護シート80に接着剤60を介して積層体チップ22の一方の側面22cを当接させる。
この際、保護シート80が破断されないように、接着剤60を介して積層体チップ22の側面22cが保護シート80の表面に軽く接触させることが好ましい。
さらに、保護シート80と積層体チップ22の一方の側面22cとの接着性を向上させるために、200[℃]以下の温度で加熱することが好ましい。
次に、支持板41を載置プレート71から離間させる。これにより、保護シート80に接着剤60を介して積層体チップ22の側面を当接させる工程の後状態においては、図18に示すように、保護シート80が積層体チップ22の一方の側面22cに貼り付けられる。
保護シート80の外形は、積層体チップ22の側面22cの外形よりも大きい。このため、保護シート80が積層体チップ22の一方の側面22cに貼り付けられた状態においては、保護シート80は、積層体チップ22の一方の側面22cに接着した接着部と、積層体チップ22の側面22cに接着しない非接着部とを有する。非接着部は、接着部の周囲となる。
続いて、図19に示すように、積層体チップ22の側面22cに接着していない部分の保護シート80を取り除く工程において、積層体チップ22から保護シート80を引き離す。具体的には、たとえば、保護シート80の両端側を矢印AR1方向に引っ張る。これにより、保護シート80の接着部と非接着部との境界部において、保護シート80を破断させて非接着部を取り除く。非接着部が取り除かれることにより、図20に示すように、積層体チップ22の一方の側面22cに保護層25が形成される。
なお、保護シート80の一端側のみを矢印AR1方向に引っ張ることにより、保護シート80の接着部と非接着部との境界部において、保護シート80を破断させて非接着部を取り除いてもよい。
その他の例として、図21に示すように、剥離ローラー90を用いて、保護シート80を積層体チップ22から引き離してもよい。剥離ローラー90を保護シート80の一端側に配置する。この際、積層体チップ22に接触しないように、剥離ローラー90は積層体チップ22から離間させて配置することが好ましい。
剥離ローラー90ーを矢印AR3方向に回転させることにより、保護シート80の一端側に矢印AR2方向に引張力を作用させる。剥離ローラー90を回転させながら矢印AR4方向に移動させることにより、保護シート80が巻き取られる。これにより、保護シート80の接着部と非接着部との境界部において保護シート80を破断させて、非接着部を取り除く。このようにして、積層体チップ22の一方の側面22cに保護層25が形成されてもよい。
剥離ローラー90を用いる場合には、保護シート80の端部を下方に向けて引っ張る場合と比較して、保護シート80と側面22cとの剥離力を小さくすることができる。これにより、積層体チップ22の側面22cに接着している部分の保護シートである保護層25が、積層体チップ22の側面22cから剥がれることを抑制できる。
次に、保護層25が形成された複数の積層体チップ22を180度反転させて、他方の側面22cが下方を向くようにして、粘着シート42を用いて支持板41にて複数の積層体チップ22を保持する。
続いて、上述に同様に保護層を形成する工程を実施することにより、積層体チップ22の他方の側面22cに保護層25を形成する。
図6に示す焼成が実施される工程(工程S4)においては、一対の側面22cに保護層25が形成された積層体チップ22が所定の温度に加熱され、これによりセラミックス材料の焼結処理が施される。当該処理により、保護層25が形成された積層体チップ22は、図2において示した素体部11となる。
図6に示す外部電極が形成される工程(工程S5)においては、素体部11の一対の端面11aに導電性ペーストが塗布されることで金属層が形成され、形成された金属層に焼き付け処理が施され、さらにその後に、焼き付けられた金属層上にNiめっき、Snめっきを順に施すことで一対の外部電極16が形成される。
以上において説明した一連の工程を経ることにより、図1ないし図3に示した構造を有する積層セラミックコンデンサ10の製造が完了する。
上述したように、実施の形態1に係る電子部品の製造方法にあっては、積層体チップ22の側面に保護層を形成する工程において、保護シート80に接着剤60を介して積層体チップ22の側面22cを当接させる。この際、保護シート80が打ち抜かれることなく、接着剤60を介して積層体チップ22の側面22cが保護シート80の表面に軽く接触するため、積層体チップ22に作用する圧縮力等の応力を低減させることができる。
また、実施の形態1に係る電子部品の製造方法にあっては、積層体チップ22の側面に保護層を形成する工程において、積層体チップ22から保護シート80を引き離すことにより、保護シート80を破断させて、積層体チップ22の側面22cに接着していない部分の保護シートを取り除く。この際、積層体チップ22に作用する応力は、後述する比較の形態のように、積層体チップを保護シートに押し付けて積層体チップの側面に接触する部分の保護シートを打ち抜く場合と比較して、小さくなる。
このように、実施の形態1に係る電子部品の製造方法にあっては、保護層を形成する際に、積層体チップ22に作用する応力を低減することができ、これにより、互いに隣り合う内部電極同士が接触するように積層体チップ22が変形することを抑制できる。この結果、内部電極間が短絡することを防止することができる。
(実施の形態2)
図22は、実施の形態2に係る電子部品の製造方法のフロー図である。図23および図24は、図22に示す工程のうち特定の工程の後状態を示す概略図および特定の工程を示す図である。図22から図24を参照して、実施の形態2に係る電子部品の製造方法について説明する。
実施の形態2に係る電子部品の製造方法は、実施の形態1に係る電子部品の製造方法と比較して、積層体として素体部となる部分が複数含まれる積層体ブロック21(図23参照)を用いて、積層体ブロック21の側面に保護層25A(図24参照)を形成した後に、積層体ブロック21を切断し、保護層25が形成された複数の積層体チップ22を形成する点において相違する。
図22に示すように、実施の形態2に係る電子部品の製造方法は、順に、マザーブロックを製作する工程(工程S1)と、積層体ブロックを複数形成する工程(工程S2A)と、積層体ブロックの側面に保護層を形成する工程(工程S3A1)と、保護層が形成された積層体ブロックを切断して複数の積層体チップを形成する工程(工程S3A2)と、焼成を実施する工程(工程S4)と、外部電極を形成する工程(工程S5)とを主として備える。マザーブロックを製作する工程(工程S1)と、積層体ブロックを複数形成する工程(工程S2A)とによって、積層体を形成する工程が構成される。
図22に示すマザーブロックを製作する工程(工程S1)においては、実施の形態1に係るマザーブロックを製作する工程と同様の処理が実施され、マザーブロック20が製作される。
図22に示す積層体ブロックを複数形成する工程(工程S2A)においては、上述した積層用セラミックグリーンシート23と導電パターン24との積層方向に対して直交する一対の主面21b、当該一対の主面21b間を接続する一対の側面21c、および、一対の主面21bと一対の側面21c(図23参照)とにそれぞれ直交する一対の端面21aが形成されるように、一対の側面21cと平行な平面に沿ってマザーブロックを切断して、積層体ブロック21を複数形成する。
具体的には、実施の形態1に係る積層体チップを形成する工程(S2)における第1分断工程に準拠して、図10に示すように、マザーブロック20が帯状の複数の導電パターン24が並ぶ方向の(図中に示すY軸方向)と平行でかつ複数の導電パターン24の積層方向(図中に示すZ軸方向)と平行な第1分断面101(YZ平面)に沿って行状に分断される。
上記分断に際しては、押切刃33が所定のピッチで帯状の導電パターン24の延在方向(図中に示すX軸方向)に沿って相対的に移動され、その度毎に押し切りが行なわれることにより、マザーブロック20が複数の積層体ブロック21に個片化される。
図22に示す積層体ブロックの側面に保護層を形成する工程(工程S3A1)においては、実施の形態1に係る積層体チップの側面に保護層を形成する工程(S3)に準拠して、保護シート80に接着剤60を介して積層体ブロック21の一方の側面21cを当接させる。これにより、図23に示すように、保護シート80が積層体ブロック21の側面21cに貼り付けられる。
次に、積層体ブロック21から保護シート80を引き離すことにより、保護シートを破断させて、積層体ブロック21の一方の側面21cに接着していない部分の保護シート80を取り除く。これにより、保護層25Aが、積層体ブロック21の一方の側面21cに形成される。
続いて、上述に同様に保護層を形成する工程を実施することにより、積層体ブロック21の他方の側面21cに保護層25Aを形成する。
図22に示す、保護層が形成された積層体ブロックを切断して複数の積層体チップを形成する工程(工程S3A2)においては、図24に示すように、たとえば押切刃33を用いて、積層体ブロックを21一対の端面21aと平行な平面に沿って切断する。
上記切断に際しては、押切刃33が所定のピッチで積層体ブロック21の延在方向(図中に示すL方向)に沿って相対的に移動され、その度毎に押し切りが行なわれることにより、積層体ブロック21が、保護層が側面に形成された複数の積層体チップ22に個片化される。これにより、素体部11となる部分が1つのみ含む積層体チップ22が複数形成される。
なお、積層体ブロック21の切断には、切削刃(ダイサー)を用いたダイシング、またはレーザーカット等を利用してもよい。
以上のように、実施の形態2に係る電子部品の製造方法にあっては、保護シート80に接着剤60を介して積層体ブロック21の側面21cを当接させた後、積層体ブロック21から保護シート80を引き離すことにより、保護シート80を破断させて、積層体ブロック21の側面21cに接着していない部分の保護シートを取り除くことにより、実施の形態1に係る電子部品の製造方法と同様に、積層体ブロック21に保護層25Aを形成する際に、積層体ブロック21に作用する応力を低減させることができる。
これにより、互いに隣り合う内部電極同士が接触するように積層体ブロック21が変形することを抑制でき、積層体ブロック21の内部電極間が短絡することができる。この結果、積層体ブロック21から切断されて形成された積層体チップ22においても、内部電極間が短絡することを防止することができる。
(比較の形態)
図25から図27は、比較の形態における電子部品の製造方法において積層体チップの側面に保護層を形成する工程の第1工程、第2工程および第2工程の後状態を示す概略図である。図25から図27を参照して、比較の形態における電子部品の製造方法について説明する。
比較の形態に係る電子部品の製造方法は、実施の形態1に係る電子部品の製造方法と比較した場合に、保護層を形成する工程が相違する。その他の工程については、ほぼ同様である。
図25に示すように、保護層を形成する工程の第1工程においては、接着剤60が塗布された複数の積層体チップ22の一方の側面22cが下方を向くように支持板41が配置されるとともに、弾性体72上に載置された保護シート80が、複数の積層体チップ22の一方の側面22cに向き合うように、複数の積層体チップ22の下方に配置される。
複数の積層体チップ22は、支持板41に貼り付けられた粘着シート42によって保持され、弾性体72は、載置プレート71上に載置されている。
続いて、図26に示すように、保護層を形成する工程の第2工程においては、支持板41を下降させることにより、複数の積層体チップ22の一方の側面22cを保護シート80に押し付ける。この際、複数の積層体チップ22の各々は、当該複数の積層体チップ22に保護シート80を介して接触する部分の弾性体72がそれぞれその近傍において弾性変形する程度の押し付け力をもって保護シート80に向けて押し付けられる。
これにより、複数の積層体チップ22と弾性体72とによって挟み込まれた部分の保護シート80が、複数の積層体チップ22の側面22cにそれぞれ圧着されるとともに、複数の積層体チップ22の側面22cの端部において剪断力が保護シート80に作用することで保護シート80が打ち抜かれる。
次に、支持板41を載置プレート71から離間させる。これにより、図27に示すように、保護層を形成する工程の第2工程の後状態においては、打ち抜かれた部分の保護シート80が積層体チップ22の一方の側面22cを覆うことにより、保護層25が形成される。
次に、保護層25が形成された複数の積層体チップ22を180度反転させて、他方の側面22cが下方を向くようにして、粘着シート42を用いて支持板41にて複数の積層体チップ22を保持する。
続いて、上述に同様に保護層を形成する工程を実施することにより、積層体チップ22の他方の側面22cに保護層25を形成する。
このように、比較の形態における電子部品の製造方法においては、保護層を形成する際に、積層体チップ22を押し付けることとなる。この際、積層体チップ22の側面22cが圧縮されることにより、互いに隣り合う内部電極同士が接触するように積層体チップ22が変形する場合がある。このような場合には、内部電極が短絡してしまう。
上記の積層体チップ22の変形は、積層用セラミックグリーンシート23の厚さが薄くなるほど、起こりやすくなる。特に、積層用セラミックグリーンシート23の厚みが0.6[μm]以下の場合には、上記変形が顕著に生じてしまう。
以上のように比較の形態に係る電子部品の製造方法にあっては、内部電極間の短絡を抑制することが困難となる。
(検証実験)
図28は、本発明の効果を確認するために実施した検証実験の結果を示す図である。図28を参照して、本発明の効果を確認するために実施した検証実験について説明する。
図28に示すように、検証実験を実施するにあたり、比較例として、比較の形態における電子部品の製造方法に基づいて製造された積層体チップを用いた。実施例として、実施の形態1に係る電子部品の製造方法に基づいて製造された積層体チップを用いた。
比較例および実施例のそれぞれにおいて、電子部品の製造方法にて用いる積層用セラミックグリーンシートの厚みは、0.47[μm]とし、導電パターンの厚みは、0.24[μm]とし、保護シートの厚みは、25[μm]とした。
さらに、比較例および実施例のそれぞれにおいて、電子部品の製造方法にて用いる積層用セラミックグリーンシートの積層枚数は、378枚とした。なお、外層として、積層方向の上下に導電パターンが形成されていない積層用セラミックグリーンシートを用い、当該積層用セラミックグリーンシートの厚みを30μm程度とした。
比較例における積層体チップおよび実施例に係る積層体チップ22をそれぞれ100個ずつ準備した。これら積層体チップの一対の端面のそれぞれに測定電極を接続し、積層体チップに電圧を印加した際の電気抵抗を測定することにより、積層体チップの内部電極が短絡しているか否かを確認した。
比較例における積層体チップの短絡率は、略60%であるのに対して、実施例に係る積層体チップの短絡率は、略30%であり、比較例と比較してほぼ半減していた。
以上の結果から、実施の形態1に係る電子部品の製造方法を用いて積層セラミックコンデンサ10を製造することにより、内部電極間の短絡を抑制できることが実験的にも確認されたと言える。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
10 積層セラミックコンデンサ、10a 端面、10b 主面、10c 側面、11 素体部、11a 端面、11b 主面、11c 側面、12 積層焼結体、13 誘電体層、14 内部電極層、15 付加誘電体層、16 外部電極、20 マザーブロック、21 積層体ブロック、21a 端面、21b 主面、21c 側面、22 積層体チップ、23 積層用セラミックグリーンシート、24 導電パターン、25 保護層、33 押切刃、41 支持板、42 粘着シート、51,51A,51B 塗布プレート、52,52A 凹部、53 凸部、60 接着剤、71 載置プレート、72 弾性体、80 保護シート、90 剥離ローラー、101 第1分断面、102 第2分断面。

Claims (6)

  1. 交互に積層された誘電体層および内部電極層を含む素体部を備えた電子部品を製造するための電子部品の製造方法であって、
    前記誘電体層となる複数の誘電体シートおよび前記内部電極層となる複数の導電パターンが積層され、前記誘電体シートと前記導電パターンとの積層方向に対して直交する一対の主面、前記一対の主面間を接続する一対の側面を有し、前記一対の側面の各々において、前記導電パターンの両側端縁がそれぞれ露出した積層体を形成する工程と、
    前記積層体の前記側面に保護層を形成する工程とを、備え、
    前記保護層を形成する工程は、前記積層体の前記側面よりも外形が大きく、前記保護層となる部分を含む保護シートに、接着剤を介して前記積層体の前記側面を当接させる工程と、前記積層体から前記保護シートを引き離すことにより、前記保護シートを破断させて、前記積層体の前記側面に接着していない部分の前記保護シートを取り除く工程とを含む、電子部品の製造方法。
  2. 前記保護層を形成する工程は、前記保護シートに接着剤を介して前記積層体の前記側面を当接させる工程に先立って、前記積層体の前記側面に前記接着剤を塗布する工程を含む、請求項1に記載の電子部品の製造方法。
  3. 前記積層体を形成する工程は、前記複数の誘電体シートと前記複数の導電パターンとを積層し、前記素体部となる部分が行列状に配置されたマザーブロックを形成する工程と、
    前記マザーブロックを前記素体部となる部分が行状に並ぶ方向および前記素体部となる部分が列状に並ぶ方向に切断し、前記素体部となる部分を1つのみ含む積層体チップを複数形成する工程と、を含み、
    前記積層体として、前記積層体チップを用いる、請求項1または2に記載の電子部品の製造方法。
  4. 前記積層体を形成する工程は、前記複数の誘電体シートと前記複数の導電パターンとを積層し、前記素体部となる部分が行列状に配置されたマザーブロックを形成する工程と、
    前記一対の側面、および前記一対の主面と前記一対の側面とにそれぞれ直交する一対の端面が形成されるように、前記一対の側面と平行な平面に沿って前記マザーブロックを切断し、前記素体部となる部分が含まれる積層体ブロックを複数形成する工程と、を含み、
    前記積層体として、前記積層体ブロックを用い、
    前記積層体の前記側面に接着していない部分の前記保護シートを取り除く工程の後に、前記積層体ブロックを前記一対の端面と平行な平面に沿って切断して、前記素体部となる部分が1つのみ含む積層体チップを複数形成する工程をさらに備える、請求項1または2に記載の電子部品の製造方法。
  5. 前記保護シートとして、誘電体シートを用いる、請求項1から4のいずれか1項に記載の電子部品の製造方法。
  6. 前記積層方向に沿った前記誘電体シートの厚みが、0.4μm以上0.6μm以下である、請求項1から5のいずれか1項に記載の電子部品の製造方法。
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