JP6653487B2 - 薄帯積層材の打抜方法および打抜装置 - Google Patents

薄帯積層材の打抜方法および打抜装置 Download PDF

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Description

本発明は、複数枚の薄帯を積層した材料を同時に同一形状に打ち抜く薄帯積層材の打抜方法および打抜装置に関するものである。
打抜装置を図26に示す。
一枚の板材51は、ストリッパ53によってダイ52の上面に押圧してセットされている。ストリッパ53にストリッパ穴55が形成され、ダイ52にはダイ穴54が形成されている。パンチ56がダイ穴54に向かって押し込まれる過程では、図27に示すようにダイ52のダイ刃62が単一の板材51の裏面に接触し、パンチ56のパンチ刃61が単一の板材51の表面に接触している。パンチ56がダイ穴54に向かって押し込まれることによって、パンチ刃61によって板材51にクラック63が発生し、ダイ刃62によって板材51にクラック64が発生し、クラック63およびクラック64は単一の板材51の内部で進展し、合流点65で合流することで板材51が切断されて、図28に示すように打ち抜かれる。
特開2004−154913 特開2012−254495
モータ用鉄心のような金属材料の打ち抜き材を積層した製品の生産を高効率で行う方法のひとつとして、複数枚の金属板材を重ねて同時に打ち抜くことで、打ち抜き後の積層工程の回数を減らすことが挙げられる。
しかしながら、単一の板材51に代わって複数枚の薄帯を接着せずに積層した薄帯積層材の打ち抜き加工に従来の打抜装置を使用すると、打ち抜き時に積層構造の中間層でひび割れが発生し、前記目的の形状に打ち抜くことができない。その原因はつぎのようである。
複数枚の薄帯を積層した材料を従来の打抜装置によって打ち抜く際の断面図を図29に示す。
図29においてパンチ刃61およびダイ刃62がそれぞれ裏表から複数枚の薄帯を積層した薄帯積層材66に接触し、裏表それぞれにクラック63およびクラック64が発生する。クラック63およびクラック64の進展は薄帯1枚分程度にとどまり、薄帯積層材66の中間層67ではパンチ刃61およびダイ刃62に接触せず、引きちぎられるような状態になる。引きちぎられた中間層67の材料には、ひび割れが発生することで切断した端面にバリ等が生じ、前記目的の形状を満たすことができない。
本発明は、複数枚の薄帯材料を接着せずに積層した場合であっても、目的の形状に正確に打ち抜くことができる打抜方法を提供することを目的とする。
本発明の薄帯積層材の打抜方法は、複数枚の薄帯を接着せずに積層した薄帯積層材を、第1ダイと少なくとも2個以上の傾斜を付与し、打ち抜き方向に垂直な方向から見た形状が凸または凹の第1パンチを用いて、目的形状の打ち抜き形状部と前記打ち抜き形状部とは別の捨て形状部とを合せた形状に打抜く第1工程を実施し、前記打ち抜き形状部と前記捨て形状部との境界を、第2ダイと少なくとも2個以上の傾斜を付与し、打ち抜き方向に垂直な方向から見た形状が凹の第2パンチを用いて、前記捨て形状部を切り落とす第2工程を実施することを特徴とする。
また、本発明の薄帯積層材の打抜装置は、目的形状の打ち抜き形状部と前記打ち抜き形状部とは別の捨て形状部とを合せた形状に対応したダイ穴を有する第1ダイと、表面に少なくとも2個以上の傾斜が付与され打ち抜き方向に垂直な方向から見た形状が凸または凹で前記打ち抜き形状部と前記捨て形状部とを合せた形状に打ち抜く先端形状の第1パンチと、前記打ち抜き形状部から前記捨て形状部を切り落とす形状に対応したダイ穴を有する第2ダイと、表面に少なくとも2個以上の傾斜が付与され打ち抜き方向に垂直な方向から見た形状が凹で前記捨て形状部を切り落とす先端形状の第2パンチとを設けたことを特徴とする。
本発明によれば、第1工程では、積層した薄帯積層材を、ダイと、表面に傾斜を付与した第1パンチを用いて、目的形状の打ち抜き形状部と捨て形状部とを合せた形状に打ち抜くので、前記積層した薄帯積層材のうちで第1パンチと前記ダイの何れにも接触しない中間層が一部に発生するが、このように第1パンチが最初に接触して前記中間層となる位置が捨て形状部になるように設定することで、捨て形状部の一部に材料の打ち抜きが不良なひび割れが発生する。目的形状の打ち抜き形状部にはひび割れが発生しない。
第1パンチの表面には傾斜が付与されているので、さらに第1工程では、この第1パンチがダイに向かって押し込まれるに連れて、第1パンチが積層した薄帯積層材の上層から次第に下層に向かって接触して、積層した薄帯積層材を打ち抜く。
第2工程では、第2パンチを用いて捨て形状部を切り捨ててひび割れが発生していない打ち抜き形状部のみに打ち抜くことができる。
この方法によると、モータ用鉄心のような金属材料の打ち抜き材を積層した製品の生産の際に、打ち抜き後の積層工程の回数を減らし、高効率で生産を行うことができる。
実施の形態1の(a)パンチを用いた打抜装置の第1工程の断面図と(b)第2工程の断面図 (a)薄帯積層材の斜視図と(b)第1工程完了時の形状W1の斜視図および(c)第2工程が完了時の形状W2の斜視図 第1パンチ2aの斜視図 第1パンチ2aの(a)正面図と(b)側面図および(c)底面図 第1ダイ1aの詳細な形状を示す第1工程の斜視図 第1パンチ2aの傾斜パターンの(a)比較例と(b)実施例の説明図 比較例の第1パンチ2aで積層した材料を打ち抜くときの説明図と(b)実施例の第1パンチ2aで積層した材料を打ち抜くときの説明図 第1パンチ2aが薄帯積層材W0に接触し始めるときの説明図 (a)第1パンチ2aの第2部分7a,7bの正面図と(b)第1工程完了時の形状W1における捨て形状部5a,5bの平面図 第1パンチ2aの傾斜の向きと切断タイミングの関係を説明する第1工程の平面図 第2工程で使用する第2パンチ2bと第2ダイ1bの斜視図 第2工程において切り捨てる捨て形状部5a,5bを示す平面図 (a)(b)傾斜を1つ付与した第2パンチ2bを用いて第2工程を行う場合の説明図 凹形状に傾斜を付与した第2パンチ2bを用いて第2工程を行う場合の説明図 実施の形態2における(a)薄帯積層材の斜視図と(b)第1工程完了時の形状W1の斜視図および(c)第2工程が完了時の形状W2の斜視図 第1パンチ2aの斜視図 第1パンチ2aの(a)正面図と(b)側面図および(c)底面図 第1パンチ2aと第1ダイ1aの斜視図 第1パンチ2aの傾斜の向きと切断タイミングの関係を説明する第1工程の平面図 第2工程で使用する第2パンチ2bと第2ダイ1bの斜視図 実施の形態1において捨て形状部5a,5bの平面形状を三角形にする場合の第1パンチ2aの斜視図 実施の形態2において捨て形状部5a,5bの平面形状を三角形にする場合の第1パンチ2aの斜視図 実施の形態1において凸形状の第1パンチ2aの(a)正面図と(b)側面図および(c)底面図 実施の形態2において凸形状の第1パンチ2aの(a)正面図と(b)側面図および(c)底面図 各実施の形態において第2パンチを凸形状にした場合の斜視図 従来の打抜装置の断面図 板材を打ち抜く様子の拡大断面図 板材を打ち抜いた状態の断面図 複数枚の薄帯を積層した薄帯積層材を従来の打抜装置によって加工した場合の拡大断面図
以下、本発明の薄帯積層材の打抜方法を具体的な各実施の形態に基づいて説明する。
(実施の形態1)
図1(a)(b)は、本発明の薄帯積層材の打抜方法の実施に使用する打抜装置を示す。
複数枚の薄帯を接着せずに積層した図2(a)に示した薄帯積層材W0は、図26に示した従来の打抜装置と同様に、ストリッパ3aによって第1ダイ1aの上面に押圧されている。この打抜装置は、第1ダイ1aとセットで使用される第1パンチ2aの他に、図1(b)に示すように、後に説明する第2ダイ1bと第2パンチ2b,2bおよびストリッパ3bを備えている。
目的とする製品の形状W2が、図2(c)に示したように平面形状が四角形であると仮定すると、先ず第1工程で薄帯積層材W0を、第1ダイ1aと第1パンチ2aを使用して図2(b)に示した形状W1に打ち抜く。この形状W1は、製品の形状の四角形に対応する打ち抜き形状部4の外周に打ち抜き形状部4とは別の捨て形状部5a,5bを形成したものである。
第1パンチ2aの詳細な形状を、図3と図4(a)(b)(c)に示す。第1ダイ1aの詳細な形状を、図5に示す。第1ダイ1aには、打ち抜き形状部4に対応する第1穴8aと、捨て形状部5a,5bに対応する第2穴8b,8bが形成されている。
第1パンチ2aは、打ち抜き形状部4を打ち抜く第1部分6の面に2個の傾斜θ1,θ2を付与し、打ち抜き方向に垂直な方向から見た形状が凹に形成されている。さらに、第1パンチ2aの第1部分6の先端の両側には、捨て形状部5a,5bを打ち抜く第2部分7a,7bが形成されている。この第1パンチ2aを使用した第1工程では、第1パンチ2aが第1ダイ1aのダイ穴8に向かって押し込まれると、第1パンチ2aの第2部分7a,7bが第1パンチ2aの第1部分6よりも先に薄帯積層材W0に接触するため、第1パンチ2aの第2部分7a,7bと第1ダイ1aの第2穴8b,8bによって、捨て形状部5a,5bの打ち抜きが進行する。次いで、第1パンチ2aの第1部分6と第1ダイ1aの第2穴8aによって、打ち抜き形状部4の打ち抜きが進行する。
第1パンチ2aの第2部分7a,7bが薄帯積層材W0の上面付近に接触して第1ダイ1aに向かって押し込まれ始めた状態では、薄帯積層材W0に、ダイ刃または第1パンチ2aの何れにも接触していない薄帯積層材W0の中間層があるため、この捨て形状部5a,5bの端では、薄帯積層材W0の中間層にひび割れが発生する。
第1パンチ2aの第2部分7a,7bにも第1部分6に向かって低くなる同じ傾きの傾斜が形成されているため、第1パンチ2aが更に第1ダイ1aに向かって押し込まれると、捨て形状部5a,5bの薄帯積層材W0には、上層から中間層を経て下層に向かって第1パンチ2aの第1部分6に接触して、打ち抜き形状部4と捨て形状部5a,5bとの境界まで切断が次第に進行する。
そして、第1パンチ2aが更に第1ダイ1aに向かって押し込まれると、第1パンチ2aの傾斜が付けられている第1部分6が薄帯積層材W0の端から中央に向かって食い込んで、次第に打ち抜き形状部4の輪郭が切断される。
ここで、薄帯積層材W0の複数枚の薄帯が接着せずに積層されている点と、第1パンチ2aの第1部分6の傾き、捨て形状部5a,5bについて説明する。薄帯積層材W0は、例えば25μmのアモルファス金属の薄帯を10枚重ねて積層した厚さ0.25mmである。
第1パンチ2aの第1部分6の傾きは、打ち抜き時に薄帯積層材W0の中間層で発生する引きちぎれによるひび割れを防止するために付与してある。
第1パンチ2aへの傾斜の付与パターンを図6(b)に示す。図6(a)は比較例である。
図6(a)の比較例は、傾斜θ1を1つ付与した第1パンチ2aを示す。
図6(b)は傾斜θ1を2つ、パンチの先端が凹形状になるように付与した実施例の第1パンチ2aを示す。
なお、傾斜6の個数は2個以上の場合(例:傾斜4つ、6つ…)でも、2個の場合と同様の考えが適用できるため、本明細書では傾斜6が1個と2個の場合を例として解説することとする。
比較例の第1パンチ2aで、薄帯積層材W0を打ち抜くときの様子を図7(a)に示す。接着せずに積層した薄帯積層材W0は、第1ダイ1aとストリッパ3aによって挟持されているものの、第1パンチ2aの傾斜θ1によって矢印F1の方向にわずかに押し退けられ、各層の材料の位置が打ち抜き中にずれることで、層ごとに打ち抜き形状の差異が生じる。具体的には、打ち抜き中に押し退けられた層は微小に移動するため、移動後のタイミングで打抜かれる部分が本来の打ち抜き形状に対して移動した分だけずれ、本来の打ち抜き形状より縮小した形状となる。このような差異は、積層した製品に求められる形状精度が低い場合は許容できるが、形状精度がきわめて高い場合は許容できない。したがって、図6(a)に示す比較例の第1パンチ2aは使用しない。
実施例の第1パンチ2aで、薄帯積層材W0を打ち抜くときの様子を図7(b)に示す。接着せずに薄帯積層材W0は、第1ダイ1aとストリッパ3aによって挟持されている。第1パンチ2aの傾斜θ1,θ2によって矢印F1,F2の方向に押されるが、2つの方向は向かい合っているため、傾斜θ1,θ2による材料を押し退ける作用は相殺され、各層の材料の位置が打ち抜き中にずれる可能性は低くなる。したがって、図6(b)に示す実施例の第1パンチ2aは使用できる。
図6(b)に示す実施例の第1パンチ2aを用いて薄帯積層材W0を打ち抜くとき、第1パンチ2aの第2部分7a,7bが薄帯積層材W0に接触し始めるときの様子を図8に示す。このとき、薄帯積層材W0の中間層9は、第1パンチ2aにも、第1ダイ1aにも接触していない状態で打ち抜きが進行しており、図29と同様の状態となっている。薄帯積層材W0と第1パンチ2aの先端凸部の第2部分7a,7bが最初に接触する部分は、中間層9が引きちぎられることで図29と同様にひび割れが発生し、所定の形状を満たすことができない。そこで、第1パンチ2aへの傾斜θ1,θ2の付与の仕方に対応して、ひび割れが発生する部分を図9にハッチングで示す。このハッチングで示す部分を捨て形状部5a,5bとしている。なお、第2部分7a,7bの傾斜は、例えば、第2部分7aの傾斜は傾斜θ1と同じである。第2部分7bの傾斜は傾斜θ2と同じである。傾斜θ1=θ2である。
第1パンチ2aに傾斜θ1,θ2を付与した場合の、打ち抜き形状部4の輪郭上での打ち抜きタイミングについて、図9のように捨て形状部5a,5bを設けた場合を例として、図10に示す。ここで、図10はパンチの打ち抜き方向から薄帯積層材W0の打ち抜き形状を見た図である。
このとき、2箇所の開始点P1,P1から第1パンチ2aが入り、第1パンチ2aが下降するにつれて、打ち抜き形状部4の輪郭上での打ち抜きタイミングを示す矢印A1,A1に沿って、2箇所の終了点P2,P2の位置まで、打ち抜きによる切断が順に進行していく。矢印A2,A2は第1パンチ2aの傾斜面の向きを示す。
打ち抜き形状部4の辺4a,4bと、矢印A1,A1のうちの辺4a,4bの部分および第1パンチ2aの傾斜面を示す矢印A2,A2が垂直になるとき、打ち抜き形状部4の辺4a,4bの部分で、薄帯積層材W0は同時に打ち抜きが行われる。この場合は、切断タイミングをずらせないため、図29と同様に、中間層はパンチにもダイにも接触していない状態となり、中間層の引きちぎれによって打ち抜き形状にひび割れが発生して好ましくない。しかし、換言すると、図3に示した第1パンチ2aの場合には、打ち抜き形状部4と矢印A2,A2が垂直になら無い場合に有効であることがわかる。打ち抜き形状部4とパンチの傾斜面を示す矢印A2,A2が垂直になる場合に有効な第1パンチ2aの形状については、実施の形態2で説明する。
ここまでの捨て形状部5a,5bを含めた所定の形状への打ち抜き工程を第1工程とし、ここからは、第1工程完了時の形状W1から捨て形状部5a,5bを切り落として、目的とする製品の形状W2への打ち抜きを完了させる第2工程について説明する。
第2工程で使用する第2パンチ2b,2bの形状を、図11に示す。この第2パンチ2b,2bと第2ダイ1bを使用して、第1工程完了時の形状W1の打ち抜き形状部4から捨て形状部5a,5bを切り捨てる。8c,8cは第2ダイ1bのダイ穴である。
第2工程において、捨て形状部5a,5bを切断する範囲Bを図12に示す。範囲Bの一部が、打ち抜き形状部4と捨て形状部5a,5bとの境界Cに重なるように第2パンチ2b,2bの傾きを設定する。
第2パンチ2b,2bの傾きのパターンとして、傾斜を1つ付与した比較例の2種類の第2パンチ2b,2bを、図13(a)と図13(b)に示す。
図13(a)は、2つの捨て形状部5a,5bに対して傾斜を1つ付与した2つの第2パンチ2b,2bを用い、その2つのパンチの傾斜の向きが同じ場合を示す。図13(b)は、傾斜を1つ付与した2つの第2パンチ2b,2bを傾斜の向きが逆向きにした場合示す。
しかし、図13(a)の比較例の場合、第2パンチ2b,2bの傾斜によって、薄帯積層材が打ち抜き中に押し退けられる向きを示す矢印F2の向きが2つの第2パンチ2b,2bで一致しており、各層の材料の位置が、打ち抜き中に矢印F2の向きにずれることで、層ごとに打ち抜き形状の差異が生じる。具体的には、打ち抜き中に押し退けられた層は微小に移動するため、移動後のタイミングで打抜かれる部分が本来の打ち抜き形状に対して移動した分だけずれ、本来の打ち抜き形状より縮小した形状となる。
図13(b)の比較例の場合、矢印F2,F3の向きが2つの第2パンチ2b,2bでそれぞれ逆方向を向いており、積層した材料を押し退ける力の作用によって、矢印F4のように回転するようにずれることで、層ごとに打ち抜き形状の差異が生じる。具体的には、打ち抜き中に押し退けられた層は微小に回転するため、移動後のタイミングで打抜かれる部分が本来の打ち抜き形状に対して回転した分だけずれ、本来の打ち抜き形状より傾斜した形状となる。したがって、第2工程において図13(a)(b)のように、傾斜を1つ付与した第2パンチ2b,2bの使用は推奨されない。
図14に実施例の第2パンチ2b,2bの場合を示す。
この実施例の第2パンチ2b,2bは、先端が凹形状になるように2つの傾斜を付与したものであるため、薄帯積層材が打ち抜き中に押し退けられる向きを示す矢印F2,F3それぞれの向きは相殺している。ここで、打ち抜き形状部4と捨て形状部5a,5bとの境界Cの両端から同時に切断が始まり、境界Cの中央で切断が終了するように設定することで、各層の材料の位置が打ち抜き中にずれることなく捨て形状部5a,5bを打ち抜くことができる。
第1工程のパンチの打ち抜き方向と第2工程のパンチの打ち抜き方向を同一方向とすることで、製品の性能に影響を及ぼさない程度に微小なバリの向きなどといった、製品断面における断面の指向性を、第1工程での打抜形状断面と第2工程での打抜形状断面とで揃えることができ、薄帯1枚を1工程のみで打抜いた製品とほぼ同様のものが得られる。
(実施の形態2)
図15(a)〜(c)は実施の形態2の打抜方法の工程を示す。
実施の形態1と異なる部分について説明する。
図15(c)に示した打ち抜き形状部4の形状は図2(c)に示したものと同一形状であるが、第1工程で打ち抜く形状W1が実施の形態1とは異なる。第1パンチ、第1ダイの形状も実施の形態1とは異なる。第2パンチ、第2ダイの形状は実施の形態1と同じである。
図2(c)に示した第1工程では、何れの捨て形状部5a,5bも打ち抜き形状部4の辺4a,4bの間の中央に形成されていたが、図15(b)に示した第1工程では、一方の捨て形状部5aの位置が打ち抜き形状部4の辺4aに隣接した辺4c側に接近し、他方の捨て形状部5bの位置が打ち抜き形状部4の辺4bに隣接した辺4d側に接近して形成されている。
このように打ち抜くために、この実施の形態2で使用する第1パンチ2aの形状を、図16と図17(a)(b)(c)に示す。第1パンチ2aの谷線10は打ち抜き形状部4の辺4a,4bと平行ではなくて角度θ3で傾斜している。第1工程で使用する第1ダイ1aの形状を、図18に示す。
図3に示した第1パンチ2aの場合には、打ち抜き形状部4の辺4a,4bと第1パンチ2aの傾斜面を示す矢印A2が図10に示したように垂直になったため、打ち抜き形状部4の辺4a,4bの部分にひび割れが発生して切断した端面にバリ等が生じ、所定の形状を満たすことができなかったが、このような現象を避けるために、この実施の形態2では、打ち抜き形状部4の辺4a,4bと、第1パンチ2aの傾斜を示す矢印A2が垂直になる箇所を作らないように第1パンチ2aの傾斜の向きが、図17(c)と図18のように、パンチの打ち抜き方向から薄帯積層材W0の打ち抜き形状を見たときの打ち抜き形状4の辺4a,4bとパンチの傾斜面6a,6bの向きが垂直にならない様に、第1パンチ2aの谷線10が、打ち抜き形状部4の辺4a,4bと平行ではなくて角度θ3で傾斜している。
これによって、図19に示すように、捨て形状部5a,5bの開始点P1,P2から切断が始まって、第1パンチ2aが第1ダイ1aに向かって押し込まれるに伴って、開始点P1から辺4cと辺4dの側に向かって次第に切断が進行して、辺4c上の終点P3、辺4d上の終点P4まで切断される。同時に、開始点P1から辺4dの側に向かって次第に切断が進行して、辺4d上の終点P4まで切断される。
このように打ち抜き形状部4の形状が四角形の場合であっても、第1パンチ2aの谷線10を、捨て形状部5a,5bに対して傾けることによって、ひび割れを発生させること無く切断でき、端面にバリ等が生じない良好な状態を実現できた。
第2工程では、図20に示すように実施の形態1の第2工程と同じ形状の第2パンチ2b,2bと第2ダイ1bによって、捨て形状部5a,5bが切り落とされる。
(実施の形態3)
上記の各実施の形態では、捨て形状部5a,5bの平面形状が四角形であったが、平面形状を三角形にすることもできる。図21は実施の形態1の第1パンチ2aを示す。図22は実施の形態2の第1パンチ2aを示す。
これによると、第1パンチ2aの捨て形状部5a,5bに対応した先端部分を点で構成できる。
(実施の形態4)
上記の各実施の形態では、第1パンチ2aの打ち抜き方向に垂直な方向から見た形状が凹形状であったが、凹形状に構成することもできる。図23(a)(b)(c)は実施の形態1の第1パンチ2aを示す。図24(a)(b)(c)は実施の形態2の第1パンチ2aを示す。
これによると、捨て形状部5a,5bの位置が、捨て形状部5a,5bの辺4c,4dの途中に移動するだけで、その他は実施の形態1,2と同様である。
(実施の形態5)
上記の各実施の形態では、第2パンチ2b,2bの形状が打ち抜き方向に垂直な方向から見た形状が凹の場合を説明したが、打ち抜き方向に垂直な方向から見た形状が凸の場合でも同様に実施できる。この場合の第1パンチ2aを図25に示す。
本発明は、打ち抜き材を積層した製品の生産性の向上に寄与する。
1a 第1ダイ
1b 第2ダイ
2a 第1パンチ
2b 第2パンチ
3a ストリッパ
3b ストリッパ
4 打ち抜き形状部
5a,5b 捨て形状部
6 第1部分
7a,7b 第2部分
8a 第1穴
8b 第2穴
9 中間層
W0 薄帯積層材
W1 第1工程完了時の形状
W2 目的とする製品の形状

Claims (6)

  1. 複数枚の薄帯を接着せずに積層した薄帯積層材を、第1ダイと少なくとも2個以上の傾斜を付与し、打ち抜き方向に垂直な方向から見た形状が凸または凹の第1パンチを用いて、目的形状の打ち抜き形状部と前記打ち抜き形状部とは別の捨て形状部とを合せた形状に打抜く第1工程を実施し、
    前記打ち抜き形状部と前記捨て形状部との境界を、第2ダイと少なくとも2個以上の傾斜を付与し、打ち抜き方向に垂直な方向から見た形状が凹の第2パンチを用いて、前記捨て形状部を切り落とす第2工程を実施する、
    薄帯積層材の打抜方法。
  2. 前記第1工程において、目的形状の打ち抜き形状部の周囲に、2箇所以上の前記捨て形状部を設けることを特徴とする、
    請求項1に記載の薄帯積層材の打抜方法。
  3. 前記第1工程および前記第2工程ともに、複数枚の薄帯を接着せずに積層した薄帯積層材をダイとストリッパも用いて押さえた状態で、前記第1パンチおよび前記第2パンチを前記薄帯積層材の表側、裏側のいずれか片側のみに配置することを特徴とする、
    請求項1または2に記載の薄帯積層材の打抜方法。
  4. 前記第1パンチには、前記第1工程における打抜形状を示す線形と垂直にならないような方向に前記傾斜を付与したものを使用し、
    前記第2パンチには、前記第2工程における打抜形状を示す線形と垂直にならないような方向に前記傾斜を付与したものを使用することを特徴とする、
    請求項1〜3のいずれかに記載の薄帯積層材の打抜方法。
  5. 前記第2工程では、目的形状の前記打ち抜き形状部と前記捨て形状部との境界の両端から同時に切断を開始し、前記境界の中央で切断を終了することを特徴とする、
    請求項1〜4のいずれかに記載の薄帯積層材の打抜方法。
  6. 目的形状の打ち抜き形状部と前記打ち抜き形状部とは別の捨て形状部とを合せた形状に対応したダイ穴を有する第1ダイと、
    表面に少なくとも2個以上の傾斜が付与され打ち抜き方向に垂直な方向から見た形状が凸または凹で前記打ち抜き形状部と前記捨て形状部とを合せた形状に打ち抜く先端形状の第1パンチと、
    前記打ち抜き形状部から前記捨て形状部を切り落とす形状に対応したダイ穴を有する第2ダイと、
    表面に少なくとも2個以上の傾斜が付与され打ち抜き方向に垂直な方向から見た形状が凹で前記捨て形状部を切り落とす先端形状の第2パンチとを設けた、
    薄帯積層材の打抜装置。
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