JP6653487B2 - 薄帯積層材の打抜方法および打抜装置 - Google Patents
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Description
一枚の板材51は、ストリッパ53によってダイ52の上面に押圧してセットされている。ストリッパ53にストリッパ穴55が形成され、ダイ52にはダイ穴54が形成されている。パンチ56がダイ穴54に向かって押し込まれる過程では、図27に示すようにダイ52のダイ刃62が単一の板材51の裏面に接触し、パンチ56のパンチ刃61が単一の板材51の表面に接触している。パンチ56がダイ穴54に向かって押し込まれることによって、パンチ刃61によって板材51にクラック63が発生し、ダイ刃62によって板材51にクラック64が発生し、クラック63およびクラック64は単一の板材51の内部で進展し、合流点65で合流することで板材51が切断されて、図28に示すように打ち抜かれる。
図29においてパンチ刃61およびダイ刃62がそれぞれ裏表から複数枚の薄帯を積層した薄帯積層材66に接触し、裏表それぞれにクラック63およびクラック64が発生する。クラック63およびクラック64の進展は薄帯1枚分程度にとどまり、薄帯積層材66の中間層67ではパンチ刃61およびダイ刃62に接触せず、引きちぎられるような状態になる。引きちぎられた中間層67の材料には、ひび割れが発生することで切断した端面にバリ等が生じ、前記目的の形状を満たすことができない。
この方法によると、モータ用鉄心のような金属材料の打ち抜き材を積層した製品の生産の際に、打ち抜き後の積層工程の回数を減らし、高効率で生産を行うことができる。
(実施の形態1)
図1(a)(b)は、本発明の薄帯積層材の打抜方法の実施に使用する打抜装置を示す。
第1パンチ2aへの傾斜の付与パターンを図6(b)に示す。図6(a)は比較例である。
図6(b)は傾斜θ1を2つ、パンチの先端が凹形状になるように付与した実施例の第1パンチ2aを示す。
図13(a)は、2つの捨て形状部5a,5bに対して傾斜を1つ付与した2つの第2パンチ2b,2bを用い、その2つのパンチの傾斜の向きが同じ場合を示す。図13(b)は、傾斜を1つ付与した2つの第2パンチ2b,2bを傾斜の向きが逆向きにした場合示す。
この実施例の第2パンチ2b,2bは、先端が凹形状になるように2つの傾斜を付与したものであるため、薄帯積層材が打ち抜き中に押し退けられる向きを示す矢印F2,F3それぞれの向きは相殺している。ここで、打ち抜き形状部4と捨て形状部5a,5bとの境界Cの両端から同時に切断が始まり、境界Cの中央で切断が終了するように設定することで、各層の材料の位置が打ち抜き中にずれることなく捨て形状部5a,5bを打ち抜くことができる。
図15(a)〜(c)は実施の形態2の打抜方法の工程を示す。
実施の形態1と異なる部分について説明する。
(実施の形態3)
上記の各実施の形態では、捨て形状部5a,5bの平面形状が四角形であったが、平面形状を三角形にすることもできる。図21は実施の形態1の第1パンチ2aを示す。図22は実施の形態2の第1パンチ2aを示す。
(実施の形態4)
上記の各実施の形態では、第1パンチ2aの打ち抜き方向に垂直な方向から見た形状が凹形状であったが、凹形状に構成することもできる。図23(a)(b)(c)は実施の形態1の第1パンチ2aを示す。図24(a)(b)(c)は実施の形態2の第1パンチ2aを示す。
(実施の形態5)
上記の各実施の形態では、第2パンチ2b,2bの形状が打ち抜き方向に垂直な方向から見た形状が凹の場合を説明したが、打ち抜き方向に垂直な方向から見た形状が凸の場合でも同様に実施できる。この場合の第1パンチ2aを図25に示す。
1b 第2ダイ
2a 第1パンチ
2b 第2パンチ
3a ストリッパ
3b ストリッパ
4 打ち抜き形状部
5a,5b 捨て形状部
6 第1部分
7a,7b 第2部分
8a 第1穴
8b 第2穴
9 中間層
W0 薄帯積層材
W1 第1工程完了時の形状
W2 目的とする製品の形状
Claims (6)
- 複数枚の薄帯を接着せずに積層した薄帯積層材を、第1ダイと少なくとも2個以上の傾斜を付与し、打ち抜き方向に垂直な方向から見た形状が凸または凹の第1パンチを用いて、目的形状の打ち抜き形状部と前記打ち抜き形状部とは別の捨て形状部とを合せた形状に打抜く第1工程を実施し、
前記打ち抜き形状部と前記捨て形状部との境界を、第2ダイと少なくとも2個以上の傾斜を付与し、打ち抜き方向に垂直な方向から見た形状が凹の第2パンチを用いて、前記捨て形状部を切り落とす第2工程を実施する、
薄帯積層材の打抜方法。 - 前記第1工程において、目的形状の打ち抜き形状部の周囲に、2箇所以上の前記捨て形状部を設けることを特徴とする、
請求項1に記載の薄帯積層材の打抜方法。 - 前記第1工程および前記第2工程ともに、複数枚の薄帯を接着せずに積層した薄帯積層材をダイとストリッパも用いて押さえた状態で、前記第1パンチおよび前記第2パンチを前記薄帯積層材の表側、裏側のいずれか片側のみに配置することを特徴とする、
請求項1または2に記載の薄帯積層材の打抜方法。 - 前記第1パンチには、前記第1工程における打抜形状を示す線形と垂直にならないような方向に前記傾斜を付与したものを使用し、
前記第2パンチには、前記第2工程における打抜形状を示す線形と垂直にならないような方向に前記傾斜を付与したものを使用することを特徴とする、
請求項1〜3のいずれかに記載の薄帯積層材の打抜方法。 - 前記第2工程では、目的形状の前記打ち抜き形状部と前記捨て形状部との境界の両端から同時に切断を開始し、前記境界の中央で切断を終了することを特徴とする、
請求項1〜4のいずれかに記載の薄帯積層材の打抜方法。 - 目的形状の打ち抜き形状部と前記打ち抜き形状部とは別の捨て形状部とを合せた形状に対応したダイ穴を有する第1ダイと、
表面に少なくとも2個以上の傾斜が付与され打ち抜き方向に垂直な方向から見た形状が凸または凹で前記打ち抜き形状部と前記捨て形状部とを合せた形状に打ち抜く先端形状の第1パンチと、
前記打ち抜き形状部から前記捨て形状部を切り落とす形状に対応したダイ穴を有する第2ダイと、
表面に少なくとも2個以上の傾斜が付与され打ち抜き方向に垂直な方向から見た形状が凹で前記捨て形状部を切り落とす先端形状の第2パンチとを設けた、
薄帯積層材の打抜装置。
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